ところで、コンピュータネットワークを介して複数のコンピュータを接続することにより構築されたコンピュータネットワークシステムにおいては、アプリケーションソフトウェアを複数のコンピュータで共用することができ、データを複数のコンピュータで共有することができる。近年、サービス提供者側のコンピュータと顧客側のコンピュータとがインターネットを介して接続された環境を利用して、アプリケーションソフトウェアの利用を含む包括的なサービスをサービス提供者から顧客にインターネットを介して提供するクラウドコンピューティングが普及しつつある。
コンピュータネットワークシステムを利用し、例えばクラウドコンピューティング等の形態で上述したような就業に関するデータ管理処理を実現する場合に次のような問題がある。
すなわち、このような形態で就業に関するデータ管理処理を実現する場合、サービス提供者側が、データ管理処理に必要なコードの開発・保守や、データ管理処理に必要なデータの長期的な保存を行う。顧客側が実際にデータ管理処理を行うときに、サービス提供者側のコンピュータから顧客側のコンピュータにインターネットを介して、データ管理処理を行うためのコードおよびデータが送信され、顧客側のコンピュータが、受信したコードおよびデータを用いてデータ管理処理を実行する。データ管理処理の実行中に、サービス提供者側のコンピュータと顧客側のコンピュータとの間でデータの送受信が行われる場合もある。また、顧客側のコンピュータでデータ管理処理が終了したときには、更新が必要なデータ等が、顧客側のコンピュータからサービス提供者側のコンピュータに送信される。このため、データ管理処理に必要なコードまたはデータのサイズが大きいと、データ管理処理の動作速度が遅くなり、応答性が悪くなる場合がある。
このようなデータ管理処理の動作速度の低下または応答性の悪化は、サービス提供者側のコンピュータの性能、顧客側のコンピュータの性能、両コンピュータ間における通信の性能等を向上させることにより改善することが可能である。しかし、顧客側がデータ管理処理を行う環境によっては、このような方法によって、データ管理処理の動作速度の低下または応答性の悪化を改善することが困難な場合がある。例えば、顧客側のコンピュータがインターネットに無線で接続している場合には、有線で接続する場合のように通信速度を高速化することが困難である。また、顧客側のコンピュータが例えばタブレット型のコンピュータである場合やスマートフォンである場合には、顧客側のコンピュータの性能を、デスクトップ型の大型コンピュータと同程度の性能にまで高めることは困難である。
そこで、データ管理処理の動作速度の低下または応答性の悪化を改善するためには、データ管理処理に必要なコードまたはデータのサイズを小さくすることが望まれる。しかしながら、従来のデータ管理処理では、属性の設定(例えばセルサイズ、文字サイズ、データ型等の設定)、入力方法の割当(例えばテキストボックス、チェックボックス、コンボボックス等のうちのいずれの入力方法を割り当てるかを定める設定)、割り当てられた入力方法に関する設定(例えばコンボボックスが割り当てられた場合には複数の選択肢の設定)が、テーブルにマトリックス状に配列された個々のセルごとに行われる。また、データ管理処理をウェブアプリケーションにより実現する場合には、従来、テキストボックス、チェックボックス、コンボボックスといった入力方法を実現するためのコード(またはプログラム)が個々のセルごとに設けられる。このため、データ管理処理に必要なコードまたはデータのサイズを小さくすることは困難である。
一方、上述したように、就業に関するデータ管理処理において、例えば従業員の所属や勤務区分等の入力方法については、コンボボックスを利用し、複数の選択肢の中から所望の選択肢を選択するようにすることが便利である。ところが、コンボボックスにより選択可能な選択肢が多い場合、利用者は多数の選択肢の中から所望の選択肢を見つけ出すことが困難になり、所望の選択肢を見つけ出すのに時間がかかることがある。
以上のような問題は、就業に関するデータ管理処理に限らず、財務、在庫、統計、実験、検査等、様々な事柄に関するデータを管理するデータ管理処理においても生じ得る。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の第1の課題は、コンピュータネットワークシステムにおいてデータ管理処理を行う場合に、データ管理処理の動作速度または応答性の向上を図ることができるデータ管理装置を提供することにある。
本発明の第2の課題は、複数の選択肢の中から所望の選択肢を選択するといったデータの入力方法の容易性または迅速性を向上させることができるデータ管理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1のデータ管理装置は、テーブルを用いてデータを管理するデータ管理装置であって、マトリックス状に配列された複数のセルから構成されるテーブルを形成するテーブル形成部と、前記テーブルにおいて1つの列または1つの行に配列された複数のセルのグループをセルグループといい、1つのセルグループに属する複数のセルに共通に設定されるデータをグループデータというとすると、それぞれのセルグループのグループデータを記憶するグループデータ記憶部と、前記テーブルに配列された複数のセルに利用者の操作によりセルごとに入力されるデータを要素データというとすると、各セルの要素データを記憶する要素データ記憶部と、前記テーブルに配列された複数のセルに利用者の操作に従ってセルごとに前記要素データを入力する機能を有し、前記要素データの入力方法が相互に異なる複数の要素データ入力部と、前記複数の要素データ入力部のうちのいずれか1つの要素データ入力部を、1つのセルグループに属する複数のセルに共通に割り当て、当該要素データ入力部による入力方法に従って当該セルグループに属する複数のセルに対する要素データの入力を可能にする入力方法割当部とを備えていることを特徴とする。
本発明の第1のデータ管理装置によれば、1つのセルグループに属する複数のセルに共通に設定されるデータを、セルごとに重複または分散して記憶するのではなく、重複を排除し、かつ1つにまとめてグループデータとしてグループデータ記憶部に記憶することにより、データ管理処理に必要なデータのサイズを小さくすることができる。
また、1つのセルグループに属する複数のセルに共通の1つの要素データ入力部を割り当てることにより、テーブルにおける1つの列または1つの行に配列された複数のセルにセルごとに複数の要素データ入力部を割り当てる場合と比較して、データ管理処理に必要なコードまたはデータのサイズを小さくすることができる。
したがって、コンピュータネットワークシステムにおいてデータ管理処理を行う場合であっても、データ管理処理の動作速度または応答性を向上させることができる。
上記課題を解決するために、本発明の第2のデータ管理装置は、上述した本発明の第1のデータ管理装置において、前記複数の要素データ入力部には、利用者の操作により要素データが入力されるセルが選択されたとき、複数の選択肢を表示し、利用者の操作により前記複数の選択肢のうちの1つの選択肢が選択されたとき、当該選択された選択肢を要素データとして当該選択されたセルに入力する選択型要素データ入力部が含まれ、前記グループデータ記憶部に記憶された1つのセルグループのグループデータには、当該セルグループに属する複数のセルに共通に割り当てられた前記選択型要素データ入力部を示す入力方法設定データと、当該割り当てられた選択型要素データ入力部が表示する複数の選択肢を示す選択肢データが含まれていることを特徴とする。
本発明の第2のデータ管理装置によれば、1つのセルグループに属する複数のセルに共通の1つの選択型要素データ入力部を割り当てることにより、テーブルにおける1つの列または1つの行に配列された複数のセルにセルごとに複数の選択型要素データ入力部を割り当てる場合と比較して、データ管理処理に必要なコードまたはデータのサイズを小さくすることができる。特に、1つのセルグループに属する複数のセルに共通に割り当てた1つの選択型要素データ入力部についての入力方法設定データおよび選択肢データを、重複を排除して1つにまとめて、当該セルグループに対応するグループデータとしてグループデータ記憶部に記憶することで、データ管理処理に必要なデータのサイズを小さくすることができる。したがって、コンピュータネットワークシステムにおいてデータ管理処理を行う場合であっても、データ管理処理の動作速度または応答性の向上を図ることができる。
上記課題を解決するために、本発明の第3のデータ管理装置は、上述した本発明の第2のデータ管理装置において、前記選択型要素データ入力部はコンボボックスであることを特徴とする。
本発明の第3のデータ管理装置によれば、1つのセルグループに属する複数のセルに共通の1つのコンボボックスを割り当てることにより、テーブルにおける1つの列または1つの行に配列された複数のセルにセルごとに複数のコンボボックスを割り当てる場合と比較して、データ管理処理に必要なコードまたはデータのサイズを小さくすることができる。特に、1つのセルグループに属する複数のセルに共通に割り当てた1つのコンボボックスについての入力方法設定データおよび選択肢データを、重複を排除して1つにまとめて、当該セルグループに対応するグループデータとしてグループデータ記憶部に記憶することで、データ管理処理に必要なデータのサイズを小さくすることができる。したがって、コンピュータネットワークシステムにおいてデータ管理処理を行う場合であっても、データ管理処理の動作速度または応答性の向上を図ることができる。
上記課題を解決するために、本発明の第4のデータ管理装置は、上述した本発明の第3のデータ管理装置において、前記コンボボックスは、前記選択肢を表す文字の色または前記選択肢を配置する背景の色を、前記選択肢ごとに任意に設定することができることを特徴とする。
本発明の第4のデータ管理装置によれば、コンボボックスにより選択可能な複数の選択肢を色分けして表示することができる。したがって、利用者は色の違いに基づいて選択肢を明確に識別することができ、選択肢の選択を容易にかつ正確に行うことができる。
上記課題を解決するために、本発明の第5のデータ管理装置は、上述した本発明の第2のデータ管理装置において、前記選択型要素データ入力部はチェックボックスであることを特徴とする。
本発明の第5のデータ管理装置によれば、1つのセルグループに属する複数のセルに共通の1つのチェックボックスを割り当てることにより、テーブルにおける1つの列または1つの行に配列された複数のセルにセルごとに複数のチェックボックスを割り当てる場合と比較して、データ管理処理に必要なコードまたはデータのサイズを小さくすることができる。特に、1つのセルグループに属する複数のセルに共通に割り当てた1つのチェックボックスについての入力方法設定データおよび選択肢データを、重複を排除して1つにまとめて、当該セルグループに対応するグループデータとしてグループデータ記憶部に記憶することで、データ管理処理に必要なデータのサイズを小さくすることができる。したがって、コンピュータネットワークシステムにおいてデータ管理処理を行う場合であっても、データ管理処理の動作速度または応答性の向上を図ることができる。
上記課題を解決するために、本発明の第6のデータ管理装置は、上述した本発明の第1ないし第5のいずれかのデータ管理装置において、前記複数の要素データ入力部には、利用者の操作により要素データが入力されるセルが選択されたとき、複数の上位選択肢を表示し、利用者の操作により前記複数の上位選択肢のうちの1つの上位選択肢が選択されたときに、当該選択された上位選択肢に属する複数の下位選択肢を表示し、利用者の操作により前記複数の下位選択肢のうちの1つの下位選択肢が選択されたときに、当該選択された下位選択肢を要素データとして当該選択されたセルに入力する多段選択型要素データ入力部が含まれ、前記グループデータ記憶部に記憶された1つのセルグループのグループデータには、当該セルグループに属する複数のセルに共通に割り当てられた前記多段選択型要素データ入力部を示す入力方法設定データと、当該割り当てられた前記多段選択型要素データ入力部が表示する複数の上位選択肢を示す上位選択肢データおよび当該各上位選択肢に属する複数の下位選択肢を示す下位選択肢データとが含まれていることを特徴とする。
本発明の第6のデータ管理装置によれば、1つのセルグループに属する複数のセルに共通の1つの多段選択型要素データ入力部を割り当てることにより、テーブルにおける1つの列または1つの行に配列された複数のセルにセルごとに複数の多段選択型要素データ入力部を割り当てる場合と比較して、データ管理処理に必要なコードまたはデータのサイズを小さくすることができる。特に、1つのセルグループに属する複数のセルに共通に割り当てた1つの多段選択型要素データ入力部についての入力方法設定データ、上位選択肢データおよび下位選択肢データを、重複を排除して1つにまとめて、当該セルグループに対応するグループデータとしてグループデータ記憶部に記憶することで、データ管理処理に必要なデータのサイズを小さくすることができる。したがって、コンピュータネットワークシステムにおいてデータ管理処理を行う場合であっても、データ管理処理の動作速度または応答性の向上を図ることができる。
また、利用者は、多段選択型要素データ入力部によって要素データの入力を行うことができるので、選択肢の個数が膨大である場合でも、容易にかつ短時間に選択肢を絞り込むことができる。すなわち、複数の選択肢が上位選択肢と下位選択肢とに段階的にグループ分けされているので、比較的少ない個数の選択肢の中から1つの選択肢を選ぶ作業を繰り返すだけで最終的に所望の1つの選択肢を容易にかつ迅速に選択することができる。
上記課題を解決するために、本発明の第7のデータ管理装置は、上述した本発明の第1ないし第6のいずれかのデータ管理装置において、前記複数の要素データ入力部には、利用者の操作により要素データが入力されるセルが選択されたとき、コード入力部を表示し、利用者の操作により前記コード入力部に選択コードが入力されたときには、当該入力された選択コードに対応する選択肢を選択し、当該選択した選択肢を要素データとして当該選択されたセルに入力するコード入力型要素データ入力部が含まれ、前記グループデータ記憶部に記憶された1つのセルグループのグループデータには、当該セルグループに属する複数のセルに共通に割り当てられた前記コード入力型要素データ入力部を示す入力方法設定データと、当該割り当てられたコード入力型要素データ入力部に設定された複数の選択肢を示す選択肢データおよび当該複数の選択肢にそれぞれ対応する選択コードを示す選択コードデータが含まれていることを特徴とする。
本発明の第7のデータ管理装置によれば、1つのセルグループに属する複数のセルに共通の1つのコード入力型要素データ入力部を割り当てることにより、テーブルにおける1つの列または1つの行に配列された複数のセルにセルごとに複数のコード入力型要素データ入力部を割り当てる場合と比較して、データ管理処理に必要なコードまたはデータのサイズを小さくすることができる。特に、1つのセルグループに属する複数のセルに共通に割り当てた1つのコード入力型要素データ入力部についての入力方法設定データ、選択コードおよび選択肢データを、重複を排除して1つにまとめて、当該セルグループに対応するグループデータとしてグループデータ記憶部に記憶することで、データ管理処理に必要なデータのサイズを小さくすることができる。したがって、コンピュータネットワークシステムにおいてデータ管理処理を行う場合であっても、データ管理処理の動作速度または応答性を向上させることができる。
また、利用者は、コード入力型要素データ入力部によって要素データの入力を行うことができるので、選択肢を記憶していなくても、比較的に記憶が容易な選択コードを記憶していれば、選択コードを入力して選択肢を特定することができ、選択肢の選択を容易に行うことができる。
上記課題を解決するために、本発明の第8のデータ管理装置は、上述した本発明の第1ないし第7のデータ管理装置において、前記各グループデータには、当該グループデータが対応するセルグループに属する各セルに共通な属性データが含まれ、前記属性データには、当該各セルのサイズ、当該各セルに入力される要素データの初期値、または当該各セルに入力される要素データのデータ型が含まれていることを特徴とする。
本発明の第8のデータ管理装置によれば、1つのセルグループに属する複数のセルについて共通の属性データを設定し、この属性データを、重複を排除して1つにまとめてグループデータ記憶部に記憶することで、データ管理処理に必要なデータのサイズを小さくすることができる。したがって、コンピュータネットワークシステムにおいてデータ管理処理を行う場合であっても、データ管理処理の動作速度または応答性の向上を図ることができる。
上記課題を解決するために、本発明のプログラムは、請求項1ないし8のいずれかに記載のデータ管理装置としてコンピュータを機能させる。
本発明のプログラムによれば、上述した本発明の第1ないし第8のいずれかに記載のデータ管理装置を実現することができる。
上記課題を解決するために、本発明の記録媒体は、請求項1ないし8のいずれかに記載のデータ管理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明の記録媒体によれば、上述した本発明の第1ないし第8のいずれかに記載のデータ管理装置を実現することができる。
本発明によれば、コンピュータネットワークシステムにおいてデータ管理処理を行う場合であっても、データ管理処理の動作速度または応答性の向上を図ることができる。また、複数の選択肢の中から所望の選択肢を選択するといったデータの入力方法の容易性または迅速性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(データ管理システム)
図1は、本発明のデータ管理装置としての端末を含むデータ管理システムを示している。データ管理システム1はサーバ2および端末3を備え、サーバ2と端末3とは例えばインターネット、イントラネット等のコンピュータネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。端末3とインターネットまたはイントラネットとの接続は有線でもよいし、無線でもよい。
サーバ2は、例えばサーバコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)等を含む制御部11と、キーボード、マウス、ディスプレイ等を含む入出力部12と、コンピュータネットワーク4を介して通信を行うためのインターフェイスを含む通信部13と、ハードディスクドライブ装置等、情報を長期間保存可能な記憶装置である記憶部14とを備えている。
一方、端末3は、例えばデスクトップ型、ノート型、タブレット型等のパーソナルコンピュータであり、スマートフォンのような携帯可能な小型・軽量のコンピュータでもよいし、一方、業務用の大型のコンピュータでもよい。端末3は、CPU等を含む制御部21と、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチパネル等を含む入出力部22と、コンピュータネットワーク4を介して通信を行うためのインターフェイスを含む通信部23と、ハードディスクドライブ装置、フラッシュメモリ等の記憶装置を含む記憶部24とを備えている。なお、記憶部24は、グループデータ記憶部および要素データ記憶部の具体例である。
本実施形態においては、データ管理システム1は、クラウドコンピューティングまたはこれに近い形態を採用している。すなわち、データ管理処理を行うのに必要なコードの開発・改良・保守、およびデータ管理処理を行うのに必要なデータ(管理対象であるデータを含む)の長期的保存はサーバ2側が行う。データ管理処理を行う際に、端末3は、データ管理処理に必要なコードおよびデータ(コード/データ群27)をサーバ2から受信し、端末3に予めインストールされたブラウザプログラム28が、サーバ2から受信したコードおよびデータを読み込んで動作する。これにより端末3は、データ管理処理を行うデータ管理装置として機能するようになる。端末3は利用者の操作に従ってデータ管理処理を行う。データ管理処理の実行中、端末3とサーバ2との間で、必要に応じてコードまたはデータの送受信が行われる。また、端末3は、データ管理処理の実行中またはデータ管理処理の終了後に、更新が必要なデータをサーバ2に送信する。サーバ2は、端末3から送信された当該データを受信し、サーバ2の記憶部14に記憶されたデータを更新する。
(データ管理処理)
図2はデータ管理処理で用いられるテーブルを示し、図3はテーブルを構成するセルおよび列グループを示している。本発明のデータ管理装置は、就業、財務、在庫、統計、実験、検査等、様々な事柄に関するデータを管理するデータ管理処理を行うことができるが、本実施形態では、本発明のデータ管理装置により、会社等の従業員の就業に関するデータを管理するデータ管理処理を行う場合を例にあげる。
データ管理処理は、図2に示すようなテーブル31を用いて行われる。テーブル31は、横方向の複数の線および縦方向の複数の線から構成されたグリッドを有し、横方向の複数の線により区切られた複数の行と、縦方向の複数の線により区切られた複数の列とを備えている。また、グリッドの各升目、すなわち各行と各列とが互いに重なり合う部分の一つ一つがセル32であり、テーブル31は、マトリックス状に配置された複数のセル32により構成されている。テーブル31の全体のサイズ、行数、列数等は利用者が任意に設定することができる。
また、テーブル31において、各行には固有の行番号、例えば上から下に向けて連番の行番号が付され、各列には固有の列番号が付され、例えば左から右に向けて連番の列番号が付されている。これにより、行番号に基づいて1つの行を特定することができ、列番号に基づいて1つの列を特定することができ、行番号および列番号を用いて1つのセル32を特定することができる。
利用者は、各セル32にデータを入力することができる。以下、各セル32に入力するデータを「要素データ」という。各セル32にどのような意味の要素データを入力するかは、利用者が任意に決めることができる。例えば、図2中のテーブル31において、第1行および第5列のセル32に入力された要素データ「9:00−17:00」は、従業員番号0101の従業員の2012年2月10日の勤務区分が9:00−17:00であることを意味する。
また、利用者は、各セル32の属性を列ごとに任意に設定することができる。セル32の属性には、背景色、要素データの表示上の大きさ(文字サイズ)、要素データの表示上の色(文字色)、要素データのデータ型(数値、日付、時刻、文字列等)、初期値(利用者により要素データが入力される前のデフォルト値)等が含まれる。
また、セル32の属性として、ロックのオン、オフを列ごとに設定することができる。1つの列についてロックをオンに設定すると、その列に属するセル32に対し、要素データの入力・変更を行うことができなくなる。一方、1つの列についてロックをオフに設定すると、その列に属するセル32に対し、要素データの入力・変更を行うことが可能になる。
また、セル32の属性として、ハイドのオン、オフを列ごとに設定することができる。1つの列についてハイドをオンに設定すると、端末3を操作している利用者が特定の利用者でない限り、例えばその列に属するセル32の要素データの文字がすべて「*」に変わり、表示を見ても要素データの内容を読み取ることができなくなる。一方、1つの列についてハイドをオフに設定すると、端末3を操作している利用者が特定の利用者でなくても、その列に属するセル32の要素データがその内容を示す通常の読取可能な文字で表示され、表示を見て要素データの内容を読み取ることができるようになる。また、端末3を操作している利用者が特定の利用者である場合には、ハイドをオンに設定しても、ハイドをオフに設定した場合と同様に、その列に属するセル32の要素データがその内容を示す通常の読取可能な文字で表示され、表示を見て要素データの内容を読み取ることができる。端末3を操作している利用者が特定の利用者か否かは、後述する利用者認証ページで入力されるID等に基づいて判断される。なお、特定の利用者は例えば上位の人事管理者等である。
また、データ管理処理においては、各セル32に対する要素データの入力方法が複数用意されている。具体的には、各セル32に対する要素データの入力方法として、テキストボックス41、チェックボックス42、コンボボックス43、多段コンボボックス44、コード入力型コンボボックス45、ボタン46等が用意されている(図5ないし10参照)。利用者は、これら複数の入力方法の中から任意の1つの入力方法を選択し、選択した入力方法を列ごとに割り当てることができる。各入力方法の詳細については後述する。
ここで、本実施形態では、各セル32の属性の設定および各セル32に対する要素データの入力方法の割当は列ごとに行われる。すなわち、テーブル31において、1つの列に配列された複数のセル32のグループ(セルグループ)を「列グループ」というとすると、各セル32の属性の設定および各セル32に対する要素データの入力方法の割当は列グループごとに行われる。例えば、図3に示すように、テーブル31の「勤務区分」の列グループ33に設定された属性および割り当てられた入力方法等は次の通りである。
列番号:5
セルサイズ:(幅)150ポイント
背景色:白
文字サイズ:10ポイント
文字色:黒
データ型:時刻
初期値:9:00−17:00
ロック:オフ
ハイド:オフ
入力割当方法:多段コンボボックス(識別番号4)
上位選択肢:勤務グループ1、勤務グループ2、勤務グループ3
下位選択肢:9:00−17:00、9:00−12:00、…
なお、就業に関するデータ管理処理においては、図2に示すように、テーブル31が有する複数の行に複数の従業員をそれぞれ割り当て、テーブル31が有する複数の列に複数の項目をそれぞれ割り当てることが多いので、1つの列に属する複数のセル32には、共通の種類のデータを入力することとなる場合が多い。したがって、本実施形態では、1つの列に配列された複数のセル32のグループを列グループとし、各セル32の属性の設定および各セル32に対する要素データの入力方法の割当等を列グループごとに行うこととした。しかし、データ管理処理は、就業に関するデータ管理以外にも広く適用することができ、管理の対象によっては、1つの行に配列された複数のセル32のグループを行グループとし、各セル32の属性の設定および各セル32に対する要素データの入力方法の割当等を行グループごとに行うこととしてもよい。
(データ管理処理に必要なコード・データ)
図4は端末3をデータ管理装置として機能させるために、サーバ2から端末3に送信されるコード/データ群27を示している。上述したように、データ管理処理を行う際に、端末3は、データ管理処理に必要なコードおよびデータをサーバ2から受信し、端末3に予めインストールされたブラウザプログラム28が、サーバ2から受信したコードおよびデータを参照して動作する。このサーバ2から端末3に送信される、データ管理処理に必要なコードおよびデータが、図4に示すコード/データ群27である。コード/データ群27は、コード群とデータ群とからなり、コード群には、テーブル形成コード61、要素データ入力コード62、属性設定・入力方法割当コード63、およびその他のコードが含まれている。また、データ群には、テーブル形成データ66、グループデータ67、個別データ68、およびその他のデータが含まれている。
テーブル形成コード61、要素データ入力コード62、属性設定・入力方法割当コード63、およびその他のコードは、端末3に予めインストールされたブラウザプログラム28を動作させることによって、端末3を、データ管理処理を行うデータ管理装置として機能させるためのコードであり、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)等のマークアップ言語や、ジャバスクリプト等のスクリプト言語等により記述され、その製作には例えばASP.NET等のウェブアプリケーションフレームワークが用いられている。
テーブル形成コード61は、テーブル31を形成するためのコードである。端末3のブラウザプログラム28は、テーブル形成コード61に従い、例えば端末3のディスプレイに横方向の複数の線および縦方向の複数の線を描画し、各セル32中に対応する要素データを表示する。テーブル形成コード61により、端末3はテーブル形成部として機能する。
要素データ入力コード62は、利用者の操作により要素データを各セル32へ入力するためのコードである。上述したように、データ管理処理においては、各セル32に対する要素データの入力方法として、テキストボックス41、チェックボックス42、コンボボックス43、多段コンボボックス44、コード入力型コンボボックス45、ボタン46等が用意されている(図5ないし10参照)。要素データ入力コード62には、これら入力方法に対応するように、テキストボックス41を実現するための要素データ入力コード(テキストボックスコード71)、チェックボックス42を実現するための要素データ入力コード(チェックボックスコード72)、コンボボックス43を実現するための要素データ入力コード(コンボボックスコード73)、多段コンボボックス44を実現するための要素データ入力コード(多段コンボボックスコード74)、コード入力型コンボボックス45を実現するための要素データ入力コード(コード入力型コンボボックスコード75)、ボタン46を実現するための要素データ入力コード(ボタンコード76)等が含まれている。端末3のブラウザプログラム28は、要素データ入力コード62に従い、要素データのセル32への入力を行う。要素データ入力コード62により、端末3は要素データ入力部として機能する。また、チェックボックスコード72、コンボボックスコード73、多段コンボボックスコード74またはコード入力型コンボボックスコード75により、端末3は選択型要素データ入力部として機能する。また、多段コンボボックスコード74により、端末3は多段選択型要素データ入力部として機能する。また、コード入力型コンボボックスコード75により、端末はコード入力型要素データ入力部として機能する。
属性設定・入力方法割当コード63は、利用者による操作に従ってテーブル31の各列グループに対して属性の設定および入力方法の割当を行うためのコードである。また、属性設定・入力方法割当コード63は、選択肢、上位選択肢、下位選択肢、選択コードの設定も行う。端末3のブラウザプログラム28は、属性設定・入力方法割当コード63に従い、属性の設定および入力方法の割当等を行う。属性設定・入力方法割当コード63により、端末3は入力方法割当部として機能する。
一方、テーブル形成データ66は、テーブル31を形成するのに必要なデータである。テーブル形成データ66には、例えば、テーブル31の行数および列数を示すデータ等が含まれている。端末3のブラウザプログラム28は。テーブル形成コード61に従ってテーブル31を形成するとき、テーブル形成データ66を参照する。
グループデータ67は、1つの列グループに属する複数のセル32に共通に設定されたデータである。グループデータ67は、テーブル31が有する複数の列ごとにそれぞれ存在する。各グループデータ67には、属性データ81、入力方法設定データ82、およびその他のデータが含まれている。
属性データ81は、1つの列グループに属する各セル32に共通に設定された属性を示すデータであり、例えばセルサイズ、背景色、文字サイズ、文字色、データ型、初期値等を示すデータである。
入力方法設定データ82は、1つの列グループに属する各セル32に共通に割り当てられた入力方法に関するデータである。入力方法設定データ82には、1つの列グループに属する各セル32に共通に割り当てられた入力方法を特定するためのデータが含まれている。例えば、それぞれの入力方法、すなわち、テキストボックス41、チェックボックス42、コンボボックス43、多段コンボボックス44、コード入力型コンボボックス45、ボタン46には、図4に示すように、それぞれ異なる識別番号が付されており、入力方法設定データ82には、1つの列グループに属する各セル32に共通に割り当てられた入力方法を特定するためのデータとして、この識別番号が含まれている。
また、1つの列グループに属する各セル32に共通に割り当てられた入力方法がチェックボックス42の場合、入力方法設定データ82には、チェックボックス42に表示する選択肢を示す選択肢データが加えられる。また、1つの列グループに属する各セル32に共通に割り当てられた入力方法がコンボボックス43の場合、入力方法設定データ82には、コンボボックス43に表示する選択肢を示す選択肢データが加えられる。また、1つの列グループに属する各セル32に共通に割り当てられた入力方法が多段コンボボックス44の場合、入力方法設定データ82には、多段コンボボックス44に表示する上位選択肢を示す上位選択肢データおよび下位選択肢を示す下位選択肢データが加えられる。また、1つの列グループに属する各セル32に共通に割り当てられた入力方法がコード入力型コンボボックス45の場合、入力方法設定データ82には、コード入力型コンボボックス45に表示する選択肢を示す選択肢データおよび選択コードを示す選択コードデータが加えられる。選択肢、上位選択肢、下位選択肢、選択コード等については後述する。
個別データ68は、1つのセル32に設定されたデータである。個別データ68は、テーブル31が有する複数のセル32ごとにそれぞれ存在する。各個別データ68には、属性データ85、要素データ86、およびその他のデータが含まれている。属性データ85には、テーブル31においてセル32が属する行の行番号および列の列番号が含まれている。なお、1つの列に配列された複数のセル32に共通の属性データは、上述したように属性データ81として当該列に対応するグループデータ67に含まれ、個別データ68には含まれていない。一方、要素データ86は、上述した通り、セル32に対して入力されたデータであり、要素データ86のデータ型は、当該セル32が属する列グループに設定された属性の一部であるデータ型により定まる。
(データ管理処理の流れ)
データ管理システム1によるデータ管理処理の流れは次の通りである。サーバ2の記憶部14には、データ管理処理に必要なコード群、およびデータ管理処理に必要なデータ群が記憶されている。一方、利用者は、端末3とサーバ2とがコンピュータネットワーク4を介して通信可能に接続されている状態で、端末3のキーボード、マウス、タッチパネル等を用いて端末3を操作し、ブラウザプログラム28を起動する指示を端末3に入力する。これに応じ、端末3の制御部21は、端末3の記憶部24に記憶されたブラウザプログラム28を起動する。次に、利用者は、端末3を操作し、所定のURL(Uniform Resource Locator)を端末3に入力する。これに応じ、端末3の制御部21は、利用者が入力したURLにアクセスする。これにより、利用者のIDおよびパスワードの入力を要求するウェブページ(利用者認証ページ)が端末3のディスプレイに表示される。続いて、利用者がIDおよびパスワードを入力すると、サーバ2は利用者の認証を行う。利用者が入力したIDおよびパスワードが適正である場合には、サーバ2は、記憶部14に記憶された、データ管理処理に必要なコード群およびデータ管理処理に必要なデータ群を読み出し、これらを図4に示すコード/データ群27として端末3に送信する。そして、端末3は、このコード/データ群27を受信し、受信したコード/データ群27を図1に示すように端末3の記憶部24に記憶する。
続いて、端末3において、ブラウザプログラム28が、コード/データ群27に含まれるテーブル形成コード61、テーブル形成データ66、各グループデータ67、各個別データ68等を参照し、テーブル31を形成する。形成されたテーブル31は、図2に示すように端末3のディスプレイに表示される。これにより、端末3がデータ管理装置として機能するようになり、端末3においてデータ管理処理が開始される。
端末3のディスプレイにテーブル31が表示された後、利用者は、端末3を操作し、テーブル31の各列に対する属性の設定・変更、各列に対する入力方法の割当・変更、列または行の追加・削除等を行うことができる。テーブル31のある1つの列に対する属性の設定または変更が行われたときには、端末3の制御部21は、端末3の記憶部24に記憶された、当該列の列グループに対応するグループデータ67に含まれる属性データ81を設定または変更する。また、ある1つの列に対する入力方法の割当または変更が行われたときには、端末3の制御部21は、端末3の記憶部24に記憶された、当該列の列グループに対応するグループデータ67に含まれる入力方法設定データ82を設定または変更する。また、列または行の追加または削除が行われたときには、端末3の制御部21は、端末3の記憶部24に記憶されたテーブル形成データ66を変更すると共に、必要に応じて、グループデータ67の追加または変更、個別データ68の追加または変更等を行う。
また、利用者がある列に対してチェックボックス42を割り当てた場合、利用者は、端末3を操作してチェックボックス42に表示する選択肢を設定・変更することができる。また、ある列にコンボボックスを割り当てた場合、利用者は、端末3を操作してコンボボックス43に表示する選択肢を設定・変更することができる。また、ある列に多段コンボボックス44を割り当てた場合、利用者は、端末3を操作して多段コンボボックス44に表示する上位選択肢および下位選択肢を設定・変更することができる。また、ある列にコード入力型コンボボックス45を割り当てた場合、利用者は、端末3を操作してコード入力型コンボボックス45に表示する選択肢および選択コードを設定・変更することができる。ある列に対して割り当てられた入力方法について選択肢、上位選択肢、下位選択肢または選択コードの設定または変更が行われたときには、端末3の制御部21は、端末3の記憶部24に記憶された、当該列の列グループに対応するグループデータ67に含まれる入力方法設定データ82を設定または変更する。
さらに、利用者は、テーブル31における各セル32に要素データを入力することができ、また既に入力されている要素データを変更することができる。すなわち、利用者が例えばマウスのポインタで1つのセル32を指定すると、利用者は、当該セル32(当該セル32が属する列グループ)に割り当てられた入力方法に従って、当該セル32に要素データの入力または変更を行うことができる。あるセル32に対して要素データの入力または変更が行われたときには、端末3の制御部21は、端末3の記憶部24に記憶された、当該セル32に対応する個別データ68に含まれる要素データ86の設定または変更を行う。
利用者が要素データの入力・変更等を終え、端末3を操作して、データ管理処理を終了する旨の指示を端末3に入力すると、これに応じ、端末3の制御部21は、今回のデータ管理処理において変更されたデータ等をサーバ2に送信して、データ管理処理を終える。端末3から送信された当該データ等を受信したサーバ2は、受信した当該データ等をサーバ2の記憶部14に記憶し、データの更新を行う。
(入力方法の具体例)
図5ないし図10は、本実施形態によるデータ管理処理で用いられる入力方法の具体例を示している。これより、データ管理処理で用いられる入力方法について具体的に説明する。
[テキストボックス] 端末3においてデータ管理処理が行われているときに、利用者が例えばマウスのポインタで1つのセル32を指定(シングルクリック)すると、これに応じ、端末3の制御部21は、当該セル32(当該セル32が属する列グループ)に割り当てられた入力方法を選択し、当該選択した入力方法に対応するコードを動作させる。図5に示すように、利用者が指定したセル32が属する列グループに割り当てられた入力方法がテキストボックス41である場合には、端末3の制御部21は、記憶部24の要素データ入力コード62の中からテキストボックスコード71を選択する。制御部21による入力方法の選択は、当該セル32が属する列グループのグループデータ67中の入力方法設定データ82に含まれる入力方法の識別番号を参照することにより行われる。テキストボックスコード71には例えば識別番号「1」が予め設定されている。続いて、制御部21は、当該セル32の個別データ68および当該セル32が属する列グループのグループデータ67に含まれる属性データ81等を記憶部24から読み出し、当該読み出したデータをテキストボックスコード71に与え、テキストボックスコード71を実行する。これにより、利用者が指定したセル32にテキストボックス41が表示され、利用者は当該テキストボックス41をマウスでダブルクリックした後に、要素データを当該セル32に直接入力することが可能になる。例えば利用者がキーボードを用いて数値、文字等をタイプすると、タイプした数値、文字等が要素データとして当該セル32に入力される。端末3の制御部21は、利用者により入力された要素データを、当該セル32内に配置した形でディスプレイに表示すると共に、入力が確定された後、当該入力された要素データを当該セル32に対応する個別データ68に含まれる要素データ86として記憶部24に記憶する。当該セル32に対応する要素データ86が既に記憶されている場合には、当該過去の要素データ86を、今回入力された新たな要素データ86に書き換える。
[チェックボックス] 図2に示すように、テーブル31において、チェックボックス42が割り当てられた列に配列された各セル32には、チェックボックス42を示す画像が常時表示されている。また、記憶部24において、チェックボックス42が割り当てられた列グループに対応するグループデータ67には、入力方法設定データ82の一部として選択肢データが記憶されている。図6に示すように、チェックボックス42が割り当てられた列に配列された1つのセル32を利用者が指定した場合、端末3の制御部21は、当該セル32が属する列グループのグループデータ67中の入力方法設定データ82に含まれる入力方法の識別番号(チェックボックスコード72の識別番号「2」)を参照し、記憶部24の要素データ入力コード62の中からチェックボックスコード72を選択する。続いて、制御部21は、当該セル32の個別データ68および当該セル32が属する列グループのグループデータ67を記憶部24から読み出し、当該読み出したデータをチェックボックスコード72に与え、チェックボックスコード72を実行する。
制御部21は、チェックボックス42が割り当てられた列に配列された1つのセル32を利用者が指定したとき、表示上、当該セル32に対応するチェックボックス42にチェックが入っていない場合にはチェックを入れ、一方、当該セル32に対応するチェックボックス42にチェックが入っている場合にはチェックを外す。また、このように1つのセル32に対応するチェックボックス42のチェックが変更された場合には、制御部21は、当該セル32が属する列グループに対応するグループデータ67中の選択肢データを参照し、当該セル32にチェックボックスにチェックが入った場合には、当該選択肢データが示す選択肢が選択された旨を、当該セル32に対応する要素データとして記憶部24に記憶し、一方、当該セル32にチェックボックスからチェックが外された場合には、当該選択肢データが示す選択肢が選択されていない旨を、当該セル32に対応する個別データ68に含まれる要素データ86として記憶部24に記憶する。具体的には、記憶部24において、当該セル32に対応する過去の要素データ86が今回の新たな要素データ86に書き換えられる。
[コンボボックス] 図7に示すように、利用者により指定されたセル32が属する列グループに割り当てられた入力方法がコンボボックス43である場合には、端末3の制御部21は、当該セル32が属する列グループのグループデータ67中の入力方法設定データ82に含まれる入力方法の識別番号(コンボボックスコード73の識別番号「3」)を参照し、記憶部24の要素データ入力コード62の中からコンボボックスコード73を選択する。続いて、制御部21は、当該セル32の個別データ68および当該セル32が属する列グループのグループデータ67を記憶部24から読み出し、当該読み出したデータをコンボボックスコード73に与え、コンボボックスコード73を実行する。これにより、利用者は、設定された複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択するといった方法で、当該セル32に対する要素データの入力を行うことが可能になる。
すなわち、記憶部24において、コンボボックス43が割り当てられた列グループに対応するグループデータ67には、入力方法設定データ82の一部として選択肢データが記憶されている。利用者が1つのセル32を指定すると、制御部21は当該セル32内にプルダウンボタン48を表示する。利用者がこのプルダウンボタン48をクリックすると、制御部21は、当該セル32が属する列グループに対応するグループデータ67中の選択肢データを参照し、当該選択肢データが示す複数の選択肢が並べられて配置されたプルダウンリスト49を生成し、このプルダウンリスト49を、利用者が指定したセル32の直下に表示する。そして、利用者が端末3を操作し、プルダウンリスト49に配置された複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択すると、制御部21は、当該選択された選択肢を、当該セル32内に表示すると共に、当該セル32に対応する個別データ68に含まれる要素データ86として記憶部24に記憶する。具体的には、記憶部24において、当該セル32に対応する過去の要素データ86が今回の新たな要素データ86に書き換えられる。
また、本実施形態によるデータ管理処理において用いられるコンボボックス43は、複数の選択肢を色分けして表示する機能を備えている。すなわち、制御部21は、プルダウンリスト49に配置された複数の選択肢の文字の色または背景の色を選択肢ごとに異ならせる。この場合、例えば赤、青、黄、緑、茶…というように、すべての選択肢の文字の色または背景の色をそれぞれ異なる色にしてもよいし、例えば赤、青、赤、青、…というように、互いに隣り合う選択肢の文字の色または背景の色が互いに異なる色となるように配色してもよい。このように複数の選択肢の文字の色または背景の色が選択肢ごとに異なるので、利用者は、選択肢を明確に見分けることができ、選択肢の選択を容易にかつ正確に行うことができる。例えば、利用者は、データ管理処理の作業に慣れてくると、文字を読まなくても、色を見れば、個々の選択肢を識別することができるようになる。
[多段コンボボックス] 図8に示すように、利用者により指定されたセル32が属する列グループに割り当てられた入力方法が多段コンボボックス44である場合には、端末3の制御部21は、当該セル32が属する列グループのグループデータ67中の入力方法設定データ82に含まれる入力方法の識別番号(多段コンボボックスコード74の識別番号「4」)を参照し、記憶部24の要素データ入力コード62の中から多段コンボボックスコード74を選択する。続いて、制御部21は、当該セル32の個別データ68および当該セル32が属する列グループのグループデータ67を記憶部24から読み出し、当該読み出したデータを多段コンボボックスコード74に与え、多段コンボボックスコード74を実行する。これにより、利用者は、まず複数の上位選択肢の中から1つの上位選択肢を選択し、続いて複数の下位選択肢の中から1つの下位選択肢を選択するといった方法、すなわち1つの選択肢を多段階で絞り込んでいくという方法で、当該セル32に対する要素データの入力を行うことが可能になる。
すなわち、記憶部24において、多段コンボボックス44が割り当てられた列グループに対応するグループデータ67には、入力方法設定データ82の一部として上位選択肢データおよび下位選択肢データが記憶されている。利用者が1つのセル32を指定すると、制御部21は当該セル32内にプルダウンボタン50を表示する。利用者がこのプルダウンボタン50をクリックすると、制御部21は、当該セル32が属する列グループに対応するグループデータ67中の上位選択肢データを参照し、当該上位選択肢データが示す複数の上位選択肢が並べられて配置された上位選択肢プルダウンリスト51を生成し、この上位選択肢プルダウンリスト51を、利用者が指定したセル32の直下に表示する。そして、利用者が端末3を操作し、上位選択肢プルダウンリスト51に配置された複数の上位選択肢の中から1つの上位選択肢を選択(マウスホバーまたはクリック)すると、制御部21は、当該セル32が属する列グループに対応するグループデータ67中の下位選択肢データを参照し、当該下位選択肢データが示す複数の下位選択肢のうち、利用者により選択された上位選択肢に対応する複数の下位選択肢が並べられて配置された下位選択肢プルダウンリスト52を生成し、この下位選択肢プルダウンリスト52を、上位選択肢プルダウンリスト51の横に表示する。そして、利用者が端末3を操作し、下位選択肢プルダウンリスト52に配置された複数の下位選択肢の中から1つの下位選択肢を選択すると、制御部21は、当該選択された下位選択肢を、当該セル32内に表示すると共に、当該セル32に対応する個別データ68に含まれる要素データ86として記憶部24に記憶する。具体的には、記憶部24において、当該セル32に対応する過去の要素データ86が今回の新たな要素データ86に書き換えられる。
このような多段コンボボックス44は、多数の選択肢を複数のグループに多段階的に分類してグループごとに表示する。したがって、利用者は、上位のグループ(粗く大きい分類のグループ)から下位のグループ(細かく小さい分類のグループ)へ選択肢を絞り込んで最終的に所望の1つの選択肢を選択することができるので、選択肢の個数が膨大である場合でも、所望の1つの選択肢を容易にかつ迅速に選択することができる。すなわち、膨大な個数の選択肢を一遍に表示すると、所望の選択肢を見つけ出すのが困難となったり、所望の選択肢を見つけ出すのに長い時間がかかる場合がある。また、すべての選択肢を画面に一度に表示できない場合には、プルダウンリストをスクロールさせる構成にすることも可能であるが、スクロールさせる構成にした場合には、所望の選択肢を見つけ出すためにスクロール操作を繰り返さなければならず、操作が煩雑となる。多段コンボボックス44によればこのような不便をなくすことができる。なお、本実施形態における多段コンボボックスは、複数の選択肢の中から1つの選択肢を2段階に行う方法を採用しているが、複数の選択肢の中から1つの選択肢を3段階、4段階、またはそれ以上の数の段階に行う方法を採用することもできる。また、多段コンボボックス44においても、コンボボックス43と同様の方法で、複数の上位選択肢または複数の下位選択肢を色分けして表示してもよい。これにより、利用者は選択肢の選択を容易にかつ正確に行うことができる。
また、多段コンボボックス44にて、下位選択肢の数が膨大な場合には、上位選択肢が選択された時点で、選択された上位選択肢に対応する下位選択肢データだけをサーバ2からダウンロードすれば、最初に膨大な数の下位選択肢をダウンロードする必要がなくなる。したがって、ダウンロードするデータのサイズを小さくすることができるので、動作速度または応答性を向上させることができる。
[コード入力型コンボボックス] 図9に示すように、利用者により指定されたセル32が属する列グループに割り当てられた入力方法がコード入力型コンボボックス45である場合には、端末3の制御部21は、当該セル32が属する列グループのグループデータ67中の入力方法設定データ82に含まれる入力方法の識別番号(コード入力型コンボボックスコード75の識別番号「5」)を参照し、記憶部24の要素データ入力コード62の中からコード入力型コンボボックスコード75を選択する。続いて、制御部21は、当該セル32の個別データ68および当該セル32が属する列グループのグループデータ67を記憶部24から読み出し、当該読み出したデータをコード入力型コンボボックスコード75に与え、コード入力型コンボボックスコード75を実行する。これにより、利用者は、コンボボックス43と同様に、設定された複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択するといった方法で、当該セル32に対する要素データの入力を行うことが可能になる。これ加え、コード入力型コンボボックス45によれば、利用者は、選択コードを入力し、当該入力した選択コードに対応する選択肢を特定するといった方法でも要素データの入力を行うことが可能になる。
コード入力型コンボボックス45において、設定された複数の選択肢の中から1つの選択肢を選択するといった方法で要素データの入力を行う動作については、上述したコンボボックス43と同じである。すなわち、図9(1)に示すように、利用者がプルダウンボタン53をクリックしたときにプルダウンリスト54を表示し、利用者がプルダウンリスト54から1つの選択肢を選択したときに、当該選択された選択肢を当該セル32に対応する個別データ68に含まれる要素データ86として記憶部24に記憶する。
また、コード入力型コンボボックス45において、選択コードを入力し、当該入力した選択コードに対応する選択肢を特定するといった方法で要素データの入力を行う動作は次の通りである。すなわち、記憶部24において、コード入力型コンボボックス45が割り当てられた列グループに対応するグループデータ67には、入力方法設定データ82の一部として、選択肢データと、この選択肢データが示す複数の選択肢に対応するそれぞれ固有な複数の選択コードが記憶されている。図9(2)に示すように、利用者が1つのセル32を指定すると、セル32内の左側の領域にコード入力部55が形成される。利用者がこのコード入力部55に選択コードを入力すると、制御部21は、当該セル32が属する列グループに対応するグループデータ67に含まれる複数の選択データの中から、利用者により入力された選択コードと一致する選択コードを検索し、検索により見つけ出された1つの選択コードに対応する選択肢データを特定する。続いて、制御部21は、当該特定した選択肢データを当該セル32内に表示すると共に、当該セル32に対応する個別データ68に含まれる要素データ86として記憶部24に記憶する。具体的には、記憶部24において、当該セル32に対応する過去の要素データ86が今回の新たな要素データ86に書き換えられる。なお、コード入力型コンボボックス45においても、コンボボックス43と同様の方法で、複数の選択肢を色分けして表示してもよい。これにより、利用者は選択肢の選択を容易にかつ正確に行うことができる。
[ボタン] 図10に示すように、利用者により指定されたセル32が属する列グループに割り当てられた入力方法がボタン46である場合には、端末3の制御部21は、当該セル32が属する列グループのグループデータ67中の入力方法設定データ82に含まれる入力方法の識別番号(ボタンコード76の識別番号「6」)を参照し、記憶部24の要素データ入力コード62の中からボタンコード76を選択する。続いて、制御部21は、ボタンコード76を実行する。ボタンコード76が実行されると、当該ボタン46に予め割り当てられた処理が実行される。また、ボタン46に割り当てる処理を当該ボタン46を割り当てた列について共通の1つの処理としてもよい。これにより、当該処理の実現するためのプログラムのサイズを小さくすることができる。
また、テキストボックスコード71、チェックボックスコード72、コンボボックスコード73、多段コンボボックスコード74、コード入力型コンボボックスコード75、ボタンコード76等、各種入力方法を実現するためのコードは、それぞれ1つであることが望ましい。このような構成でも、利用者が要素データをセル32に入力するときに、そのセル32に割り当てられた入力方法を実現するための共通の1つのコードに、その入力方法を実現するための入力方法設定データ(選択肢データ等)を与えることにより、そのセル32への要素データの入力のために個別に用意された専用のコードが実行されるのと同様な処理を実現することができる。そして、各種入力方法を実現するためのコードをそれぞれ1つとすることで、各コードをサーバ2から端末3に一度ダウンロードすれば、利用者がテーブル31中の異なる多数のセル32を次々に指定し、様々な入力方法により要素データの入力を行ったとしても、これらの入力方法を実現するためのコードをサーバ2から端末3に再度ダウンロードする必要がない。さらに、テーブル31とは別のテーブルを用いてデータ管理処理を行う場合には、テーブル31に係るデータ管理処理に用いた各種入力方法を実現するためのコードを、別のテーブルに係るデータ管理処理にも用いることができ、別のテーブルに係るデータ管理処理のために、入力方法を実現するためのコードを改めてサーバ2からダウンロードする必要がない。また、現在行っているデータ管理処理とは別のデータ管理処理を行う場合にも、現在行っているデータ管理処理に用いている各種入力方法を実現するためのコードを、現在行っているデータ管理処理とは別のデータ管理処理にも用いることができ、当該別のデータ管理処理のために、入力方法を実現するためのコードを改めてサーバ2からダウンロードする必要がない。したがって、サーバ2からのダウンロードの頻度を低くすることができ、動作速度または応答性を向上させることができる。
以上説明した通り、本発明の実施形態によれば、1つの列グループに属する複数のセル32に共通に設定されるデータ、すなわち、属性データ81および入力方法設定データ82を、データの重複を排除し、かつ1つにまとめてグループデータ67として記憶部24に記憶することにより、データ管理処理に必要なデータのサイズを小さくすることができる。また、テキストボックス41、チェックボックス42、コンボボックス43、多段コンボボックス44、コード入力型コンボボックス45、ボタン46といった複数の入力方法のうちの1つを、1つの列グループに属する複数のセル32に共通に割り当てることにより、データ管理処理に必要なコードおよびデータのサイズを小さくすることができる。したがって、端末3におけるデータ管理処理の動作速度または応答性の向上を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、データ管理処理に必要なコード、すなわち、テーブル形成コード61、要素データ入力コード62、属性設定・入力方法割当コード63等がHTMLまたはXML等のマークアップ言語により記述されており、これらのコードを用いてブラウザプログラム28を動作させることでデータ管理処理を行う場合を例にあげた。これにより、端末3のオペレーティングシステムに依存しないデータ管理処理を実現することができる。しかし、本発明はこれに限らない。データ管理処理に必要なコードを、オペレーションシステム上で直接実行可能なプログラムとしてもよい。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、このような変更を伴うデータ管理装置もまた本発明の技術思想に含まれる。また、このようなデータ管理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、さらには、このようなプログラムが記録された記録媒体もまた本発明の技術思想に含まれる。