JP2013177486A - 光重合性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ハロゲンランプやキセノンランプ等の可視光照射器による光照射により、短時間で重合が完結し、良好な硬化体物性を得られ且つ、着色が少なく良好な色調の光重合性組成物を開発すること。
【解決手段】
(A)ラジカル重合性単量体、
(B)α−ジケトン、
(C)アミン化合物、
(D)オキシムエステル化合物、具体的には、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]やエタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等、及び
(E)シリカ系粒子
を含有してなることを特徴とする光重合性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な光重合性組成物に関する。該光重合性組成物は、ハロゲンランプやキセノンランプ等の可視光照射器の光照射により、短時間で速やかに重合が完結し、より高い硬化体物性を得られるため、特に歯科用光重合性組成物として有用である。
齲蝕等により欠損を生じた歯質の修復において、該欠損が小さい場合の主流は、充填用コンポジットレジンを充填し、歯牙の形状を付与した後に重合、硬化させる手法である。ここで、充填用コンポジットレジンは、(メタ)アクリレート系のラジカル重合性単量体(以下、ラジカル重合性単量体のことをモノマーとも称す)と金属酸化物等の無機フィラーとを主成分とするペースト状重合性組成物からなる歯牙修復材料である。
歯科分野における、歯牙修復材料の重合方法は、光重合と化学重合に大別される。特に、光重合開始剤を用いた光重合型の修復材料は、光を遮断しておけば重合反応が進むことはほとんどないため、全ての成分を1ペーストの状態で製造、保管しておくことができる。従って、化学重合型のものに必要な使用時の混合・練和が必要なく、また、可使時間が長いなどの利点を有する。そのため、近年では光重合型の修復材料が主流である。
歯科治療分野においては、生体への為害性のために紫外線領域に活性を有する光重合開始剤の使用は困難であり、そのため可視光域に活性を有する光重合開始剤が主に使用されている。該光重合開始剤としては、光を吸収し、それ自身が分解して重合活性種を生成する、α−ジケトンやアシルホスフィンオキサイド等の化合物や、さらに、これに第3級アミン化合物などの適当な増感剤を組み合わせた系が広く使用されている。
上記したような歯牙の治療手法においては、光重合型の充填用コンポジットレジンを修復すべき歯牙の窩洞に充填して歯牙の形に成形した後に、専用の可視光照射器を用いて活性光を照射して重合硬化させることで歯の修復が行われている。一般に、このような活性光は、光重合開始剤が前記α−ジケトン化合物を用いるものであれば、360〜500nm程度の波長域(α−ジケトン化合物の主たる吸収域である)を有し、光強度が100〜2000mW/cm程度である光源を用い、0〜10mm程度の距離から照射される。
前記充填用コンポジットレジンは、患者の口腔内に充填した後、活性光の照射を行って重合、硬化させる。そのため、重合のための光照射時間を長く取ると、操作に時間がかかるだけではなく、患者にも多大な負担を強いるという問題があり、光照射時間(硬化時間)の短縮が要望されている。また、近年では、審美性の良好さも要求されており、例えばホワイトニング後の歯牙に対応できる薄い色調(白色)の充填用コンポジットレジンが求められている。
硬化時間を短縮するための手法の一つとして、光重合開始剤の配合量、特にα−ジケトンの配合量を多くすることがある。しかし、α−ジケトンの配合量を多くすると、環境光、即ち、作業者がペーストの形状やペーストの重合により得られる硬化体の色調を視認するため、口腔内を照らすデンタルライトあるいは蛍光灯のような室内灯などの白色光(視認性等を考慮して500〜10000ルクス程度に調整されており、光源にもよるが、α−ジケトン化合物の主たる吸収域である360〜500nmにおける環境光の光強度は1mW/cm以下であり、前記活性光の数%にも満たない)に対する感受性も高くなってしまい、充填や築盛等の操作をしている間に充填用コンポジットレジン(ペースト)の粘度が上昇してしまい、操作が困難になってしまうという問題があった。
このような問題を解決すべく、α−ジケトンの配合量を増加させずに、あるいはα−ジケトンを用いずに硬化時間を短くできる、即ち、光照射時間が短くても優れた重合活性を示し、充填用コンポジットレジン配合用として好適に用いることができる光重合開始剤の開発が求められており、好適なものとして、α−ジケトン化合物、トリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物、及びアミン化合物からなる組合せが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この光重合開始剤を配合した光重合性組成物は、アミン化合物、特に芳香族アミン化合物とトリハロメチル基により置換されたs−トリアジン化合物との併用に起因する着色が生じ、薄い色調の光重合性組成物を調製することが困難であった。
一方、着色の少ない光重合開始剤としては、前述した波長域の光を吸収しそれ自身が分解して重合活性種を生成する化合物であるアシルホスフィンオキサイド等や、さらにこれに第3級アミン化合物などの適当な増感剤を組み合わせた系も検討されているが、歯科治療における操作性や患者の負担を勘案すれば、その重合硬化に要する活性光の照射時間は、依然十分に満足できるものではなく、更に短時間にすることが強く望まれていた。
また、オキシムエステル化合物も、平版印刷版作成用感光材料やカラーフィルター製造用の感光性樹脂組成物に配合する光重合開始剤として用いられてきた。そして、α−ジケトン化合物等の可視光に吸収を有する色素、アミン化合物等の電子供与体からなるラジカル重合開始剤に組み合わせて使用することにより、前記重合硬化に要する光照射時間の短時間化にある程度に有効であることが提案されている(特許文献2)。しかしながら、斯様にオキシムエステル化合物をα−ジケトン化合物やアミン化合物を組み合わせて使用しただけでは、やはり、前記した重合硬化速度は、歯科用途においては依然として十分に満足できるものではなく、公知文献からは、その他、如何なる配合剤と組み合わせれば、この重合活性の低さが改善できるかは全く不明であった。
特開2005−089729号公報 特開2006−342166号公報
以上の背景にあって本発明は、ハロゲンランプやキセノンランプ等の可視光照射器による光照射により、短時間で重合が完結し、良好な硬化体物性を得られ且つ、着色が少なく良好な色調の光重合性組成物を開発することを目的とする。特に、光重合型の充填用コンポジットレジンとして上記性状を発揮でき、操作性に優れ、患者の負担も最小限にすむ光重合性組成物を開発することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った。その結果、ラジカル重合性単量体、α−ジケトン化合物、芳香族アミン化合物、オキシムエステル化合物、及びシリカ系粒子を組み合わせて使用することにより、これを用いた光重合性組成物は、重合時間の著しい短縮化が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)ラジカル重合性単量体、(B)α−ジケトン、
(C)芳香族アミン化合物、(D)オキシムエステル化合物、及び(E)シリカ系粒子を含有してなることを特徴とする光重合性組成物である。
本発明の光重合性組成物は、従来公知の光重合性組成物と比較して、ハロゲンランプやキセノンランプ等の可視光照射器から光照射された際に、より短時間で重合硬化を完結させることができる。また、得られた硬化体は、機械的強度が高く、着色も少ない。従って、本発明の光重合性組成物は、充填用コンポジットレジン等の歯科用光重合性組成物として極めて有用である。
本発明の光重合性組成物を構成する各成分について順次説明する。
〔(A)ラジカル重合性単量体〕
ラジカル重合性単量体としては、公知のものが何ら制限無く利用できる。中でも、歯科用途として見た場合、重合速度の観点から、(メタ)アクリレート系の重合性単量体が好ましく、硬化速度や硬化体の機械的物性、耐水性、耐着色性等の観点から、これらは多官能のものがより好ましい。
当該多官能性の(メタ)アクリレート系重合性単量体として、好適に使用できるものを例示すれば、下記(I)〜(III)に示されるものが挙げられる。
(I)二官能重合性単量体
i)芳香族化合物系のもの
2,2−ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパン(以下、bis−GMAと略記する)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(以下、D−2.6Eと略記する)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−メタクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−メタクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソシアネート化合物との付加反応により得られるジアダクト等。
ii)脂肪族化合物系のもの
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(以下、3Gと略記する)、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートおよびこれらのメタクリレートに対応するアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレートあるいはこれらのメタクリレートに対応するアクリレートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)のようなジイソシアネート化合物との付加反応により得られるジアダクト;1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル等。
(II)三官能重合性単量体
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート等のメタクリレート及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等。
(III)四官能重合性単量体
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート;ジイソシアネートメチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物とグリシドールジメタクリレートとの付加反応により得られるジアダクト等。
これら多官能の(メタ)アクリレート系重合性単量体は、必要に応じて複数の種類のものを併用しても良い。
さらに、必要に応じて、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリレート、及びこれらのメタクリレートに対応するアクリレート等の単官能の(メタ)アクリレート系単量体や、上記(メタ)アクリレート系単量体以外の重合性単量体を用いても良い。
〔(B)α−ジケトン化合物〕
本発明において、α−ジケトン化合物としては、公知の化合物が何ら制限なく使用できる。具体的に例示すると、カンファーキノン、カンファーキノンカルボン酸、カンファーキノンスルホン酸等のカンファーキノン類;ジアセチル、アセチルベンゾイル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等を挙げることができる。
使用するα−ジケトン化合物は、重合に用いる光の波長や強度、光照射の時間、あるいは組み合わせる他の成分の種類や量によって適宜選択して使用すればよく、単独または2種以上を混合して使用することもできるが、一般的にはカンファーキノン類が好適に使用され、特にカンファーキノンが好ましい。
こうしたα−ジケトン化合物の含有量も、組み合わせる他の成分やラジカル重合性単量体の種類によって異なるが、通常はラジカル重合性単量体100重量部に対して0.01〜10重量部である。配合量が多いほど照射光による硬化時間が短くなり、他方、少ないほど環境光安定性に優れる。また、着色防止の観点からは、配合量が多すぎると不利であるため、これらを総合的に勘案すると、より好ましいα−ジケトン化合物の含有量は、0.03〜5重量部の範囲である。
〔(C)芳香族アミン化合物〕
本発明における芳香族アミン化合物としては、窒素原子に結合した有機基のうちの少なくとも一つが芳香族基であるアミン化合物が該当し、この構造を満足する公知のものが特に制限なく使用できる。重合活性がより高く、また揮発性が低いため臭気が少なく、さらには入手が容易な点で、窒素原子に一つの芳香族基と、2つの脂肪族基が結合したアミン化合物(以下、第3級芳香族アミン化合物とも称す)であることが好ましい。代表的な第3級芳香族アミン化合物としては下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2013177486
(式中、R及びRは、各々独立に、アルキル基であり、Rは水素原子、炭化水素基、アルコキシ基、又はアルキルオキシカルボニル基である。)
上記R及びRのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6のものが例示される。また、これらのアルキル基は、クロロメチル基、2−クロロエチル基等のハロゲンにより置換されたものや、2−ヒドロキシエチル基等の水酸基により置換されたもの等の置換体であっても良い。
また、Rの炭化水素基としては、上記アルキル基の他、アリール基、アルケニル基、アラルケニル基などが挙げられ、これらも置換基を有するものであっても良い。具体的には、フェニル基,p−メトキシフェニル,p−メチルチオフェニル基,p−クロロフェニル基,4−ビフェニリル基等のアリール基、ビニル基,2−プロペニル基等のアルケニル基、2−フェニルエテニル基等のアラルケニル基などの炭素数1〜12のものが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等の炭素数1〜10、より好適には炭素数1〜5のもの等が例示され、これらも置換基を有したものであっても良い。また、アルキルオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基等のアルキルオキシ基部分の炭素数が1〜10、より好適には炭素数1〜5のものが例示され、これらも置換基を有したものであっても良い。
なお、Rは、その結合位置がパラ位であることがより好ましい。
一般式(1)で示される芳香族アミン化合物を具体的に例示すると、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸プロピル、p−ジメチルアミノ安息香酸ペンチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソペンチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸プロピル、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン等が挙げられる。
本発明において、上述した芳香族アミン化合物の含有量は、少なすぎると十分な重合活性の向上効果が得られず、多すぎると着色が濃くなる虞があるため、通常、成分(B)のα−ジケトン化合物100質量部当り、10〜1000質量部、特に50〜500質量部の範囲であるのが好ましい。また、(A)ラジカル重合性単量体100質量部当りで示せば、0.01〜10質量部、特に0.02〜5質量部の範囲で使用するのがより好ましい。
〔(D)オキシムエステル化合物〕
本発明におけるオキシムエステル化合物としては、下記式(2)で表されるオキシムエステル構造を有する公知の化合物が制限なく使用できる。
Figure 2013177486
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルカノイル基、又はアリロイル基を表し、Rは、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、又はアシル基を表す。)
ここで、R及びRのアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜20、より好適には炭素数1〜10のものが好ましい。R及びRのアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜14のものが好ましい。R及びRのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数5〜8のものが好ましい。R及びRのアシル基としては、カルボン酸由来及びスルホン酸由来のいずれでも良く、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、n−ブチリル基、i−ブチリル基、n−ペンタノイル基、i−ペンタノイル基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロプルスルホニル基、i−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、i−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、n−ペンチルスルホニル基、n−ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、デシルスルホニル基、ベンゾイル基、フェニルアセチル基、ナフトイル基、アントラノイル等の炭素数2〜20、より好適には炭素数7〜15のものが好ましい。
こうしたオキシムエステル化合物の好適なものとしては、下記一般式(3)で示されるものが挙げられる。
Figure 2013177486
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ポリアルコキシカルボニル基、又はアリロキシカルボニル基を表し、Rは、前記式(2)におけるRと同じであり、R及びRは、夫々前記式(2)におけるRと同じである。)
ここで、Rに関して、ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が好ましい。また、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアシル基は、前記前記式(2)のR及びRにおける各対応の基と同じである。また、アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基、ナフチルブチル基、ナフチルペンチル基等の炭素数7〜15のものが好ましい。また、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜12、より好適には炭素数2〜10のものが好ましい。さらに、フェノキシカルボニル基としては、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、アントリルオキシカルボニル基等の炭素数7〜15のものが好ましい。
これらRの各基は、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基等の置換基を有するものであっても良い。
さらに、オキシムエステル化合物としては、下記一般式(3)で示されるものも好適である。
Figure 2013177486
(式中、R10は、R11はアルキル基を表し、R12、R13、R14、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、
MはO、S、NHを表し、mおよびnは0〜5の整数を表す。)
ここで、R10、R11、R12、R13、R14、R15、及びR16のアルキル基は、前記前記式(3)のR及びRにおける当該基と同じてある。
こうしたオキシムエステル化合物の内、特に好適な具体例としては、2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、及びエタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。中でも、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、及びエタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)が最も好ましく、これらは、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「イルガキュアーOXE01」(前者)、「イルガキュアーOXE02」(後者)等として市販されている。
本発明においてオキシムエステル化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、上述したオキシムエステル化合物の含有量は、少なすぎると十分な重合活性の向上効果が得られず、多すぎると着色に対して不利であるため、通常、成分(B)のα−ジケトン化合物100質量部当り、1〜2000質量部、特に10〜1000質量部の範囲であるのが好ましい。また、(A)ラジカル重合性単量体100質量部当りで示せば、0.001〜10質量部、特に0.01〜5質量部の範囲で使用するのがより好ましい。
〔(E)シリカ系粒子〕
本発明の最大の特徴は、(A)ラジカル重合性単量体に対して、上記(B)α−ジケトン化合物、(C)芳香族アミン化合物、及び(D)オキシムエステル化合物を配合するのに加えて、さらに、(E)シリカ系粒子を配合した点にある。シリカ系粒子は一般的に、光重合性組成物に対して、その硬化体に機械的強度等の物性を向上させたり、ラジカル重合性単量体が本質的に有する重合時の体積収縮(重合収縮)を低減させたりする等の目的で含有させる充填材の一種として配合することは知られているものの、本発明のように、前記(A)〜(D)成分からなる光重合性組成物に対して、係るシリカ系充填材を配合した例は知られていない。しかして、上記の如く、(A)〜(D)成分からなる光重合性組成物に対して、このシリカ系粒子を配合すると、重合活性が著しく向上する(硬化時間が短くなる)予想外の効果が発揮される。
このように(E)シリカ系粒子を配合することによって、重合活性が著しく向上する理由は、必ずしも明確ではないが、次の作用が推定できる。すなわち、光重合開始剤(増感色素)である(B)α−ジケトン化合物によって、増感された(D)オキシムエステル化合物は活性光の照射によって、カルボキシルラジカルが生じ、その後カルボキシルラジカルから二酸化炭素及びメチルラジカルが生成する。このメチルラジカルが重合活性種となり(A)ラジカル重合性単量体と反応することでポリマーを生成し硬化に至る。そして、この反応に対して、(C)芳香族アミン化合物は増感剤として作用する。
一方で、上記(A)〜(D)成分からなる光重合性組成物においては、(C)芳香族アミン化合物と上述したカルボキシルラジカルによって水素引き抜き反応が起こり、カルボキシルラジカルの二酸化炭素及びメチルラジカル(重合活性種)の生成反応が律側すると推定される。これに対して、この上記(A)〜(D)成分からなる光重合性組成物に、さらに、(E)シリカ系粒子を配合した場合には、該シリカ系粒子の表面には多数の酸点が存在するため、上記(C)芳香族アミン化合物の相当量は、このシリカ系粒子表面に吸着することになる。そうすると、前記(D)オキシムエステル化合物が光照射時に分解して生じるカルボキシルラジカルに対して、該(C)芳香族アミン化合物が作用しての水素引き抜き反応は大きく抑制され、カルボキシルラジカルの二酸化炭素及びメチルラジカル(重合活性種)の生成反応は阻害されることなく円滑に進行するため、重合活性が大きく向上するものと推定される。
なお、(C)芳香族アミン化合物は、このように(E)シリカ系粒子の表面に吸着されたとしても、吸着・脱離を繰り返していると推定される。これが影響して、斯様に(E)シリカ系粒子を配合したとしても、当該芳香族アミン化合物の光重合時の増感剤としての効果は十分に発揮される。すなわち、(C)芳香族アミン化合物がカルボキシルラジカルの水素引き抜く反応を抑制する効果と、該芳香族アミン化合物の光重合時の増感剤として作用の維持とは、双方が両立可能であり、それにより前記した高い重合活性の向上効果が達成されるものと考えられる。
本発明においてシリカ系粒子とは、シリカ及びまたは、シリカとの他の金属酸化物との複合酸化物(シリカ系複合酸化物粒子)を言う。シリカ系複合酸化物粒子の場合、シリカは30モル%以上含有されているのが好ましく、30〜98モル%含有されているのがより好ましく、50〜92モル%含有されているのが特に好ましい(他の金属酸化物は70モル%以上含有されているのが好ましく、70〜2モル%含有されているのがより好ましく、50〜8モル%含有されているのが特に好ましい)。シリカ系粒子中における他の金属酸化物の含有量は、用いる重合性単量体や、該重合性単量体が硬化した後の屈折率を考慮して採択するのが良い。より具体的には前記した粒子の屈折率の1.49〜1.7、より好適には1.51〜1.65になるように含有させれば良い。
一般に、シリカは表面にシラノール基を有し酸性の表面性状を呈しており、更に、カルシア、アルミナ、ジルコニア等のアルカリ金属以外の他の金属酸化物と、シリカとの複合酸化物は、上記シリカ単体に比べて更に強い酸性を示すことが知られている。この強い酸性は、上述した他の金属酸化物との複合酸化物が、シラノールよりも強い酸点(以下強酸点)を有しているためと言われている。
シリカと複合化する金属酸化物としては、例えば、B、TiO、SrO、BaO、ZrO、HfO、La、Y、ZnO、Yb、Sb等が挙げられ、このうち、X線不透過性に特に優れ、酸点が多数形成され、本発明の効果が顕著であることから、ZrO、HfO、La、Y、ZnOが好ましい。また、金属イオンの溶出のし難さの観点からは、ZrO、HfO等の3価以上の価数を持つ金属の酸化物が好ましく、ZrOが最も好ましい。
また、LiO、NaO等のアルカリ金属酸化物も複合化可能であり、から10モル%以下、好ましくは3%以下の少量複合化させるのが好ましい。これらシリカと複合化可能な他の金属酸化物は同一シリカ系粒子中に2種類以上混合して用いても良い。
なお、このシリカ系粒子には、効果に大きな影響を与えない範囲で金属フッ化物等も、少量配合しても良い。一般には、その配合量は全体の10モル%以下、より好ましくは3モル%以下であるのが望ましい。
本発明において、上記シリカ系粒子の酸点は、無水トルエン中における、メチルレッド滴下前後のΔa値の小ささにより表される。シラノール基やそれよりも強い酸点が存在すると、メチルレッドはオレンジ色から赤紫色に呈色するため、その変化をΔa値として測定する。本発明に用いるシリカ系粒子は、このメチルレッド滴下前後のΔa値、すなわち、メチルレッド値(Δa)が0.7〜15が好ましく、2〜10がより好ましい。
Δa値が1未満の場合においては、(C)芳香族アミン化合物が(E)シリカ系粒子に吸着する量または吸着力が小さいため、(D)オキシムエステル系化合物が光照射時に分解して生じるカルボキシルラジカルの水素引き抜き反応が生じ、重合活性の向上効果は十分には発揮されなくなる。一方、Δa値が15を超える場合は、(C)芳香族アミン化合物が(E)シリカ系粒子に吸着する量または吸着力が大きいため、本来の助触媒としての効果が十分に発揮されなくなる。
ここで、メチルレッドを用いた上記酸点の測定は、常法に従えばよいが、通常は、次の方法により実施する。すなわち、まず、シリカ系粒子を100℃で3時間以上乾燥後、五酸化二燐を収容したデシケーター中にて保管し、その1gをサンプル管ビンに入れ、次いで、無水トルエン3gを入れて激しく振盪し、凝集物の無い様に分散させる。分散後、サンプル管ビンを静置し、シリカ系充填材を沈降させる。完全に沈降した後、予め白背景にてスタンダードを測定しておいた色差計の測定孔がサンプル管ビンの底の中心に位置するように置き、黒背景にて色差を測定し、このときのa値をa nbとする。
色差測定後、該サンプル管ビンに、遮光下で保存した0.004mol/lのメチルレッドの無水トルエン溶液を一滴(約0.016g)加え、同様に振盪、静置した後に色差を測定し、このときのa値をa mbとし、メチルレッド溶液滴下後のa値をa maとし、下記式
Δa =a ma−a mb
よりΔa を求める方法である。
これらシリカ系粒子の粒径は特に限定されず、一般的に歯科用材料として使用されている0.001μm〜100μmの平均粒径の粒子が目的に応じて適宜使用できる。(C)芳香族アミン化合物の、(E)シリカ系粒子に対する吸着のし易さ(比表面積が大きい)を考慮すると、平均粒径は0.001〜5μmが好ましく、0.001から1μmが、さらに好ましい。ここで、シリカ系粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡及びまたは透過型電子顕微鏡により粉体の写真を撮影し、その写真の単位視野内に観察される粒子の30個以上を無作為に選択し、それぞれの粒子径(最大径)を求めた平均値を言う。
また、シリカ系充填材の屈折率も特に制限されず、一般的な歯科用の無機充填材が有する1.4〜1.7の範囲のものを、目的に合わせて適宜設定すればよい。平均粒径や、屈折率の異なる複数のシリカ系粒子を併用しても良い。
さらに、シリカ系充填材は、如何なる形状のものを用いても良いが、特に球状のものは得られる硬化体の表面滑沢性が増し、優れた充填用コンポジットレジンとなり得るので好ましい。
上記シリカ系粒子は、シランカップリング剤に代表される表面処理剤で処理することが、重合性単量体とのなじみを良くし、機械的強度や耐水性を向上させる上で望ましい。表面処理の方法は公知の方法で行えばよく、シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が好適に用いられる。
シランカップリング剤による表面処理量は、重合性単量体とのなじみを良くする有効量は必要であるが、あまり多いと表面のシラノール基を減少させ、本発明の効果を弱める虞もあるため、前記メチルレッド値(Δa)が好適範囲に保持される量であるのが好ましい。シランカップリング剤の使用量の好ましい範囲は、用いるシリカ系粒子の比表面積と、シランカップリング剤の被覆面積で決めることができる。即ち、シリカ系粒子の比表面積をXm/g、シランカップリング剤の被覆面積Ym/g、用いるシリカ系粒子をxg、用いるシランカップリング剤をygとしたときYy/Xxの値が0.5〜2になるように用いればよく、より好ましくは0.7〜1.5、最も好ましくは0.9〜1.3の範囲である。
また、シリカ系粒子の比表面積はBET法で測定した値を用いればよく、シランカップリング剤の被覆面積は、下記式
Figure 2013177486
より計算して求めることができる。
これらのシリカ系粒子の配合割合は、重合活性の向上という点の他、重合性単量体と混合したときの粘度(操作性)や硬化体の機械的物性を考慮して適宜決定すればよいが、一般的には重合性単量体100重量部に対して50〜1500重量部、好ましくは70〜1000重量部の範囲で用いられる。
さらに、これらシリカ系粒子は、重合性単量体を予め添加し、ペースト状にした後にブロック状に重合させ、これを粉砕して得られる粒状の有機−無機複合充填材として配合しても良い。この場合、有機−無機複合充填材の内部に埋在するシリカ系粒子は、もちろん、光重合性組成物中の(C)芳香族アミン化合物に対する前述の吸着作用は発揮し得ず、本発明の効果には関与しないが、上記ブロック上重合体の粉砕物である該充填材の粒体表面には多数のシリカ系粒子が露出しており、この露出表面で本発明の効果は良好に発揮される。シリカ系粒子を有機−無機複合充填材として配合する場合、その配合量は、該粒体表面に露出するシリカ系粒子の質量部が、前記重合性単量体100重量部に対する一般的な使用量の範囲になるようにすれば良い。
〔その他の配合成分〕
本発明の光重合性組成物は、上述のように(A)ラジカル重合性単量体、(B)α−ジケトン化合物、(C)芳香族アミン化合物、(D)オキシムエステル化合物、及び(E)シリカ系粒子を含有してなるが、さらに、脂肪族アミン化合物を配合することにより、芳香族アミン化合物の配合量を少なくすることができ、これによりさらに光重合性組成物の着色を抑えることもできる。
すなわち、脂肪族アミン化合物は(C)芳香族アミン化合物よりはその効果は弱いものの、同様に光重合時の増感剤としての作用を有している。従って、脂肪族アミン化合物を光重合性組成物に配合した場合には、その対応する同じ活性量分だけ芳香族アミン化合物の配合量を少なくすることができる。ただし、脂肪族アミン化合物は芳香族アミン化合物よりも通常、その塩基性は強く、光重合性組成物に配合した該脂肪族アミン化合物は芳香族アミン化合物よりも優先的に前記(E)シリカ系粒子に吸着することになる。そうすると、前記説明した(C)芳香族アミン化合物の(E)シリカ系粒子への吸着量は減少し、この結果、該(C)芳香族アミン化合物が(E)シリカ系粒子に吸着することにより発揮される、(D)オキシムエステル化合物が分解して生じるカルボキシルラジカルに対する水素引き抜き反応の抑制効果もやや低減する虞がある。このため、脂肪族アミン化合物の配合は、必要性に応じて、着色抑制効果の向上と重合活性の低減のバランスをとりながら、その配合量を選定することが必要である。
着色抑制効果と重合活性向上効果を両立させる観点で、好ましい脂肪族アミン化合物の配合量は、(C)芳香族アミン化合物:脂肪族アミン化合物の質量比が90:10〜10:90、より好ましくは80:20〜20:80の範囲とし、また両アミン化合物の合計量が、成分(B)のα−ジケトン化合物100質量部当り、10〜1000質量部、特に50〜500質量部の範囲であるのが好ましい。また、(A)ラジカル重合性単量体100質量部当りで示せば、0.01〜10質量部、特に0.02〜5質量部の範囲で使用するのがより好ましい。
脂肪族アミン化合物としては、公知のものが制限なく使用でき、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンの何れであっても良い。歯科用として用いた場合に臭気等の問題が少ないため、一般に第3級アミン化合物が用いられる。なお、当該脂肪族アミン化合物とは、窒素原子に結合している有機基が、すべて脂肪族基(但し、置換基を有していても良い)である化合物である。
このような窒素原子に結合している脂肪族基を具体的に例示すると、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等の直鎖状または分枝状の炭素数1〜6のアルキル基;エテニル基(ビニル基)、アリル基などのアルケニル基が挙げられる。また、脂肪族基に結合している置換基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基等の水酸基;エテニル基(ビニル基)、1−プロペニル基、エチニル基等の不飽和脂肪族基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;アセチルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基などのアシルオキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;アルコキシル基;カルボニル基、カルボニルオキシ基又はシアノ基等が挙げられる。
本発明で好適に使用される脂肪族アミン化合物を具体的に例示すると、2−エチルヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン等の脂肪族第1級アミン化合物;ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジアリルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン等の脂肪族第2級アミン化合物;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−エチルジアリルアミン、N−エチルジベンジルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ(イソプロパノール)アミン、トリ(2−ヒドロキシブチル)アミン、トリベンジルアミン等の第3級アミン化合物であり、さらに好ましくは、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−エチルジアリルアミン、N−エチルジベンジルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンが挙げられる。
さらに本発明の光重合性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の公知の重合開始剤を配合しても良い。当該他の重合開始剤成分としては、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類;酸化バナジウム(IV)アセチルアセトナート、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)等の+IV価又は+V価のバナジウム化合物類;テトラフェニルホウ素ナトリウム、テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩、テトラフェニルホウ素ジメチル−p−トルイジン塩、テトラキス(p−フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム、ブチルトリ(p−フルオロフェニル)ホウ素ナトリウム等のアリールボレート化合物類;3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリン等のクマリン系色素類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンソイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;2,4−ジエトキシチオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体;ベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体類等が挙げられる。
但し、高い環境光安定性を得るためには、アリールボレート化合物類及び有機過酸化物はできる限り少量にした方が良い。また、クマリン系色素類等の色素類は、重合開始剤として作用するほどの量を配合すると、光重合性組成物の色調に大きな影響を与え、高い審美性を要求される歯科用コンポジットレジンにおいては、歯と異なる色調となってしまう傾向がある。
また、本発明の光重合性組成物には、目的に応じその性能を低下させない範囲で水、有機溶媒や増粘剤等を添加することも可能である。当該有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、酢酸エチル等があり、増粘剤としてはポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の高分子化合物が例示される。
さらに、本発明の光重合性組成物には、歯科用途、特に、充填用コンポジットレジン等に用いた時に、歯牙の色調に合わせるために顔料、蛍光顔料、染料、紫外線に対する変色防止のために紫外線吸収剤を添加してもよい。その他、光重合性組成物として公知の添加剤を、本発明の効果に影響のない範囲で配合しても良い。
本発明の光重合性組成物は、上記のような1ペースト型の光重合型歯科用充填用コンポジットレジンにおいて特に好適に使用されるが、光重合性組成物として、その他の用途にも使用できる。その用途としては特に限定されないが、例えば歯科用途としては、歯科用接着剤や義歯床材料が挙げられる。さらには、こうした歯科用途以外の光重合性組成物にも好適に使用でき、具体的には、フォトレジスト材料、印刷製版材料、ホログラム材料等が挙げられる。
これら一般的な用途においては、前記(メタ)アクリレート系重合性単量体に加えて、しばしば重合の容易さ、粘度の調節、あるいはその他の物性の調節のために、上記(メタ)アクリレート系重合性単量体以外の他の重合性単量体を混合して重合させることも可能である。これら他の重合性単量体を例示すると、フマル酸モノメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル類;スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー等のスチレンあるいはα−メチルスチレン誘導体;ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレート、ジアリルジグリコールカーボネート等のアリル化合物等を挙げることができる。これらの重合性単量体は単独または二種以上を一緒に使用することができる。
本発明の光重合性組成物を硬化させる際には、α−ジケトン系の光重合開始剤を硬化させるために用いられるのと同じ公知の光源を用いればよいが、低強度の光照射に対しては比較的安定で、他方、ある一定以上の高強度の光照射により急速に硬化するという本発明の光重合性組成物の特徴を生かすため、カーボンアーク、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、LED、ヘリウムカドミウムレーザー、アルゴンレーザー等の可視光線の光源が何ら制限なく使用される。照射時間は、光源の波長、強度、硬化体の形状や材質によって異なるため、予備的な実験によって予め決定しておけばよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で用いた化合物の略称(かっこ内)を以下に示す。
(1)略称・略号
(A)ラジカル重合性単量体
・2,2−ビス[(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]プロパン(bis−GMA)
・トリエチレングリコールジメタクリレート(3G)
(B)α−ジケトン
・カンファーキノン(CQ)
(C)アミン化合物
・N,N−ジメチルp−トルイジン(DMPT)
・N,N−ジメチルp−安息香酸エチル(DMBE)
・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMEM)
・トリエタノールアミン(TEOA)
・N−メチルジエタノールアミン(MDEOA)
(D)オキシムエステル化合物
・1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)] (OXE01)
・エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム) (OXE02)
(E)シリカ系粒子
・E−1
球状シリカ−ジルコニア、γ−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン表面処理物;シリカ含有量84モル%、平均粒径0.2μm;メチルレッド値(Δa)3.3
・E−2
球状シリカ−ジルコニア、γ−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン表面処理物;シリカ含有量84モル%、平均粒径0.2μm;メチルレッド値(Δa)5.0
・E−3
球状シリカ−ジルコニア、γ−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン表面処理物;シリカ含有量84モル%、平均粒径0.2μm;メチルレッド値(Δa)9.0
・E−4
球状シリカ−ジルコニア、γ−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン表面処理物;シリカ含有量84モル%、平均粒径0.2μm;メチルレッド値(Δa)15.0
・E−5
球状シリカ、γ−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径0.2μm;メチルレッド値(Δa)0.7
・E−6
球状シリカ−チタニア、γ−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン表面処理物;シリカ含有量84モル%、平均粒径0.3μm;メチルレッド値(Δa)3.8
・E−7
塩基性アルミナ、γ−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径0.2μm;メチルレッド値(Δa)0.5
・F−8
ジルコニア、γ−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン表面処理物;平均粒径0.02μm;メチルレッド値(Δa)0.3
(F)その他の成分(重合禁止剤)
・ハイドロキノンモノメチルエーテル(HQME)
また、光硬化性コンポジットレジンの調製方法、硬化特性の測定は以下の方法を用いた。
(1)光ラジカル重合型コンポジットレジンの調製方法
ラジカル重合性単量体に対し所定量の光重合開始剤と充填材を加え、赤色光下にて均一に攪拌して調製した。
(2)照射光の強さ
被照射面における光強度(mW/cm)を、歯科用光照度計:MODEL100 CURING RADIOMETER/Kerr社製を用い測定した。
(3)評価に用いた光照射器について
歯科用光照射器「TP」:トクヤマデンタル社製トクソーパワーライト、照射面における光強度700mW/cm、光源はハロゲンランプ、照射口径8mm。
(4)硬化体の硬度(ヴィッカース硬度)
6mmφ×1.0mmの孔を有するポリテトラフルオロエチレン製のモールドにペーストを充填してポリプロピレンフィルムで圧接し、歯科用光照射器(TP)をポリプロピレンフィルムに密着して10秒照射し、硬化体を調製した。得られた硬化体を微小硬度計(松沢精機製MHT−1型)にてヴィッカース圧子を用いて、荷重100gf、荷重保持時間30秒で試験片にできたくぼみの対角線長さにより求めた。
(5)色調測定
直径7mmの貫通孔を開けた厚さ1.0mmのポリアセタール製型に硬化性ペーストを填入し、ポリプロピレンフィルムで圧接して、歯科用光照射器(トクソーパワーライト、トクヤマデンタル社製;光出力密度700mW/cm)で30秒光照射した。得られた硬化体の色調を、色差計(東京電色社製:TC−1800MKII)を用い、白背景条件下測定し、色度a*、b*を得た。
実施例1〜12、比較例1〜7
表1に示した組成の光重合性組成物を調整し、各硬化特性を測定した。結果を表1に示した。
Figure 2013177486
実施例1〜12に示したように、ラジカル重合性単量体、α−ジケトンであるカンファーキノン、アミン化合物、オキシムエステル化合物及び充填材を併用した本発明の光重合性組成物は、同条件の照射時間において、高い表面硬度を示した。
これに対して、比較例1〜7のように、本発明の必須成分が配合されない組成においては、表面硬度は大きく劣るものであった。充填材として、シリカ系粒子を用いない組成(比較例6、7)においては、他の必須成分を配合しない組成(比較例1〜5)に比べ、若干表面硬度は高い(比較例6は表面硬度14、比較例7は表面硬度15)ものであったが、本発明の必須成分をすべて配合した場合(実施例1:表面硬度24)と比較すると、その値は大きく下回るものでしかなかった。
参考例1〜2
参考例1はα−ジケトン、芳香族アミン化合物、脂肪族アミン化合物、トリアジン化合物を併用した硬化性組成物は、同条件の照射時間においても本発明と同等の高い表面硬度を示したが、着色が大きいものであった。
参考例2は芳香族アミン化合物、アシルホスフィンオキサイドを併用した組成物である。着色が小さいものの、表面硬度は同条件の照射時間において本発明の光重合性組成物と比較すると、大きく下回るものでしかなかった。

Claims (6)

  1. (A)ラジカル重合性単量体、(B)α−ジケトン化合物、(C)芳香族アミン化合物、(D)オキシムエステル化合物、及び(E)シリカ系粒子を含有してなることを特徴とする光重合性組成物。
  2. (C)芳香族アミン化合物が、下記一般式(1)で
    Figure 2013177486
    (式中、R及びRは、各々独立に、アルキル基であり、Rは水素原子、炭化水素基、アルコキシ基、又はアルキルオキシカルボニル基である。)
    表される化合物である、請求項1記載の光重合性組成物。
  3. (D)オキシムエステル化合物が、下記式(2)
    Figure 2013177486
    (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルカノイル基、又はアリロイル基を表し、Rは、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、又はアシル基を表す。)
    で表される構造を有する化合物である、請求項1又は請求項2記載の光重合性組成物。
  4. (E)シリカ系粒子が、メチルレッド値(Δa)が0.7〜15のものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光重合性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光重合性組成物からなる歯科用材料。
  6. 歯科充填用コンポジットレジンである請求項5記載の歯科用材料。
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