JP2013175007A - 画像表示システム - Google Patents

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Abstract

【課題】座標位置が細かく変動することなく、かつ速い移動にも追従するライトペンの座標位置の検出を行う。
【解決手段】画像表示装置の発光を検出する受光素子を有するライトペンを備えた画像表示システムであって、ライトペンが指し示す画像表示装置の表示画面上の位置座標を受光素子の出力に基づき算出する座標算出回路と、座標算出回路が算出した位置座標にフィルタ処理を施すフィルタ回路44と、フィルタ回路44でフィルタ処理を施された位置座標にもとづきライトペンが指し示す位置座標の軌跡を描画した画像信号を作成する描画回路とを有し、フィルタ回路44はローパスフィルタであり、座標算出回路で検出された位置座標の移動速度が速いほど強いフィルタ処理を施す。
【選択図】図8

Description

本発明は、ライトペンを用いて手書き入力が可能な画像表示システムに関する。
画像表示デバイスとして代表的な交流面放電型プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が複数形成された前面基板と、複数のデータ電極が形成された背面基板とを対向配置し、その間に多数の放電セルが形成されるように構成されている。そして放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行う。
パネルを駆動する方法としては、1フィールド期間を複数のサブフィールドで構成し、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行うサブフィールド法が一般的である。各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を形成する初期化動作を行う。書込み期間では、表示する画像に応じて放電セルで選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、走査電極と維持電極とに交互に維持パルスを印加して維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させることにより画像表示を行う。
近年はこのようなパネルを用いて、黒板やホワイトボードのように、表示画面上から文字や絵などを入力できる電子黒板としての応用も検討されている。例えば特許文献1には、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドにおける発光時間を異なる値に設定して階調表示を可能にするとともに、横座標検出サブフィールドを設け、このサブフィールド期間内に横座標検出パターンを表示させ、横座標検出サブフィールドの発光をライトペンで検出し、その発光タイミングからライトペンの示している横座標を求める画像表示装置が記載されている。
また特許文献2には、座標検出時にのみ1フィールド中に座標検出期間を設けて、この期間内に走査ドライバおよびデータドライバに表示位置検出用の駆動信号を出力して、プラズマディスプレイパネル上に座標検出用の光信号を発生させ、ライトペンの光信号を検出するタイミングにより位置座標を検出する方法が記載されている。
特開昭50−108838号公報 特開2001−318765号公報
しかしながら、ライトペンの位置を厳密に検出するのは難しく、光信号検出時の誤差やデジタル化処理で発生する量子化ノイズ等、検出した位置座標にはある程度の誤差が含まれている。そのため、例えばライトペンを停止させていても、座標位置が停止せずに細かく変動するといった課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、座標位置が細かく変動することなく、かつ速い移動にも追従するライトペンの座標位置の検出が可能な画像表示システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、画像表示装置と、画像表示装置の発光を検出する受光素子を有するライトペンとを備えた画像表示システムであって、ライトペンが指し示す画像表示装置の表示画面上の位置座標を受光素子の出力に基づき算出する座標算出回路と、座標算出回路が算出した位置座標にフィルタ処理を施すフィルタ回路と、フィルタ回路でフィルタ処理を施された位置座標にもとづきライトペンが指し示す位置座標の軌跡を描画した画像信号を作成する描画回路とを有し、フィルタ回路はローパスフィルタであり、座標算出回路で検出された位置座標の移動速度が速いほど強いフィルタ処理を施すことを特徴とする。この構成により、座標位置が細かく変動することなく、かつ速い移動にも追従するライトペンの座標位置の検出が可能な画像表示システムを提供することができる。
また本発明の画像表示システムのフィルタ回路は、巡回型フィルタで構成されたx座標フィルタおよびy座標フィルタと、位置座標の変化量に基づきフィルタ係数を算出する係数算出部とを有し、位置座標の変化量が小さいときのx座標フィルタおよびy座標フィルタの巡回成分を、位置座標の変化量が大きいときのx座標フィルタおよびy座標フィルタの巡回成分よりも多くするように、フィルタ係数を算出する構成であってもよい。
本発明によれば、座標位置が細かく変動することなく、かつ速い移動にも追従するライトペンの座標位置の検出が可能な画像表示システムを提供することが可能となる。
本発明の実施の形態における画像表示システムに用いるパネルの分解斜視図である。 同画像表示システムに用いるパネルの電極配列図である。 同画像表示システムのパネルに印加する駆動電圧波形図である。 同画像表示システムのパネルに印加する駆動電圧波形図である。 同画像表示システムの回路ブロック図である。 同画像表示システムの座標検出サブフィールドのタイミングチャートである。 同画像表示システムの位置座標検出方法を説明する模式図である。 同画像表示システムのフィルタ回路のブロック図である。 同画像表示システムの描画の一例を示す模式図である。 同画像表示システムの描画の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態における画像表示システムについて、画像表示装置としてパネルにプラズマディスプレイパネルを用いた例を、図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における画像表示システムに用いるパネル10の分解斜視図である。ガラス製の前面基板11上には、走査電極12と維持電極13とからなる表示電極対14が複数形成されている。そして表示電極対14を覆うように誘電体層15が形成され、その誘電体層15上に保護層16が形成されている。背面基板21上にはデータ電極22が複数形成され、データ電極22を覆うように誘電体層23が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁24が形成されている。そして、隔壁24の側面および誘電体層23上には赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層25が設けられている。
これら前面基板11と背面基板21とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対14とデータ電極22とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンとの混合ガスが封入されている。放電空間は隔壁24によって複数の区画に仕切られており、表示電極対14とデータ電極22とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
図2は、本発明の実施の形態における画像表示システムに用いるパネル10の電極配列図である。パネル10には、第1の方向に延びたn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極12)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極13)が配列され、第1の方向に交差する第2の方向に延びたm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極22)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。ここで隣接する3本のデータ電極と1対の表示電極対との交差する部分に形成される3個の放電セルは、赤のピクセル、緑のピクセル、青のピクセルである。そして赤のピクセル、緑のピクセル、青のピクセルが一組で1つの画素を構成する。したがって、例えばパネル10が1080×1920の画素をもつ高精細度パネルであれば、n=1080、m=1920×3=5760である。以下、便宜上、第1の方向を行方向、第2の方向を列方向とそれぞれ呼称する。
次に、画像表示装置の駆動電圧波形について説明する。本実施の形態においては、1フィールド期間を、画像を表示するための複数の画像表示サブフィールドと、座標を検出するための複数の座標検出サブフィールドとで構成する。
まず画像表示サブフィールドの詳細について説明する。画像表示サブフィールドは、あらかじめ定められた輝度重みを持つ複数のサブフィールドで構成され、それぞれの画像表示サブフィールドの発光・非発光を放電セル毎に制御することにより画像を表示する。
本実施の形態において画像表示サブフィールドは、初期化期間と書込み期間と維持期間とを有する8個のサブフィールドSF1〜SF8であり、サブフィールドSF1〜SF8それぞれの輝度重みは、例えば(1、34、21、13、8、5、3、2)である。そして最初に配置されたサブフィールドSF1の初期化期間では、以前の放電の履歴にかかわらず強制的に初期化放電を発生させる強制初期化動作を行う。サブフィールドSF2〜SF8の初期化期間では、直前のサブフィールドで放電を発生させた放電セルのみで初期化放電を発生させる選択初期化動作を行う。しかしサブフィールド数、輝度重み等のサブフィールド構成は、上記に限定されるものではない。
図3は、本発明の実施の形態における画像表示システムのパネルに印加する駆動電圧波形図であり、サブフィールドSF1〜SF3においてパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形を示している。
サブフィールドSF1の初期化期間Piaの前半部では、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加する。そして走査電極SC1〜SCnには電圧Vi1から正極性の電圧Vi2まで上昇する上り傾斜電圧を印加する。すると走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、走査電極SC1〜SCnとデータ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上に負極性の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上および維持電極SU1〜SUn上には正極性の壁電圧が蓄積される。ここで、電極上の壁電圧とは電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。こうして各放電セルの放電の履歴に依存する壁電圧のばらつきを無くし、各放電セルの壁電圧をそろえる初期化放電を発生させる。
初期化期間Piaの後半部では、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに正極性の電圧Veを印加する。そして走査電極SC1〜SCnには電圧0(V)から負極性の電圧Vi4まで下降する下り傾斜電圧を印加する。この間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、走査電極SC1〜SCnとデータ電極D1〜Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上の壁電圧および維持電極SU1〜SUn上の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上の正極性の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。以上により、強制的に初期化放電を行う初期化期間Piaが終了する。
続く書込み期間Pwでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnのそれぞれには電圧Vcを印加する。
次に、1行目の走査電極SC1に負極性の電圧Vaの走査パルスを印加する。そして、データ電極D1〜Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に正極性の電圧Vdの書込みパルスを印加する。すると書込みパルスを印加した放電セルのデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は放電開始電圧を超え、データ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電極SU1と走査電極SC1との間で書込み放電が起こる。そして走査電極SC1上に正極性の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負極性の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負極性の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルスを印加しなかったデータ電極と走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。
次に、2行目の走査電極SC2に電圧Vaの走査パルスを印加する。そして、データ電極D1〜Dmのうち2行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dkに電圧Vdの書込みパルスを印加する。すると書込みパルスを印加した放電セルで書込み放電が起こる。
以下同様に、走査電極SC3〜SCnに走査パルスを順次印加するとともに発光させるべき放電セルのデータ電極Dkに書込みパルスを印加して、3行目〜n行目に発光させるべき放電セルで順次書込み放電を発生させる。以上により書込み期間Pwが終了する。
続く維持期間Psでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加する。そして走査電極SC1〜SCnに正極性の電圧Vsの維持パルスを印加するとともに維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層25が発光する。そして走査電極SCi上に負極性の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正極性の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正極性の壁電圧が蓄積される。書込み期間Pwにおいて書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間Piaの終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜SCnには電圧0(V)を印加するとともに維持電極SU1〜SUnには電圧Vsの維持パルスを印加する。すると維持放電を起こした放電セルでは再び維持放電が起こり、維持電極SUi上に負極性の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正極性の壁電圧が蓄積される。以下同様に輝度重みに応じた数の維持パルスを走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに交互に印加し、書込み期間Pwにおいて書込み放電を起こした放電セルで維持放電を継続して発生させる。
そして維持期間Psの最後には、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から正極性の電圧Vrまで上昇する上り傾斜電圧を印加する。すると維持放電を発生した走査電極SCiと維持電極SUiとの間で微弱な消去放電が発生する。そしてデータ電極Dk上の正極性の壁電圧を残したまま、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧を弱める。以上により維持期間Psが終了する。
サブフィールドSF2の初期化期間Pibでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加するとともに、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)から電圧Vi4まで下降する下り傾斜電圧を印加する。すると直前のサブフィールドSF1で維持放電を起こした放電セルでは、走査電極SCiとデータ電極Dkとの間および走査電極SCiと維持電極SUiとの間で微弱な初期化放電が発生する。そして走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧が弱められ、データ電極Dk上の正極性の壁電圧は書込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、直前のサブフィールドSF1で維持放電を起こさなかった放電セルでは放電は発生せず、直前のサブフィールドSF1の初期化期間Pia終了時における壁電圧が保たれる。
サブフィールドSF2の書込み期間Pwの動作はサブフィールドSF1の書込み期間Pwの動作と同様であるため説明を省略する。続く維持期間Psの動作も、維持パルスの数を除いてサブフィールドSF1の維持期間Psの動作と同様である。サブフィールドSF3〜SF8の動作も、維持パルスの数を除いてサブフィールドSF2の動作と同様である。
次に、座標検出サブフィールドの詳細について説明する。座標検出サブフィールドは、タイミング検出サブフィールドSFoと、y座標検出サブフィールドSFyと、x座標検出サブフィールドSFxとで構成する。タイミング検出サブフィールドSFoはパネルの駆動のタイミングを検出するサブフィールドであり、ライトペンと画像表示装置の間で同期を取るために設けられている。y座標検出サブフィールドSFyはライトペンが指し示す表示画面上のy座標を検出するためのサブフィールドである。x座標検出サブフィールドSFxはライトペンが指し示す表示画面上のx座標を検出するためのサブフィールドである。
図4は、本発明の実施の形態における画像表示システムのパネルに印加する駆動電圧波形図であり、タイミング検出サブフィールドSFo、y座標検出サブフィールドSFy、x座標検出サブフィールドSFxにおいてパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形を示している。またタイミング検出サブフィールドSFoの直前に配置されたサブフィールドSF8の維持期間Psの一部も示している。
タイミング検出サブフィールドSFoの初期化期間Piaの動作は、サブフィールドSF1の初期化期間Piaの強制初期化動作と同様であるので、説明を省略する。
タイミング検出サブフィールドSFoの書込み期間Pwでは、まずデータ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnのそれぞれには電圧Vcを印加する。その後、データ電極D1〜Dmに電圧Vdの書込みパルスを印加するとともに走査電極SC1〜SCnに電圧Vaの走査パルスを印加する。その後、全ての放電セルで書込み放電を発生させる。
このときデータ電極D1〜Dmに書込みパルスを印加するとともに走査電極SC1〜SCnに同時に走査パルスを印加して、全ての放電セルで同時に書込み放電を発生させてもよい。しかし本実施の形態においてはそうせずに、データ電極D1〜Dmに書込みパルスを印加するとともに走査電極SC1〜SCnの複数本毎に走査パルスを順次印加して書込み放電を発生させている。
そして最後の書込み放電を発生させた時刻to0から所定の時間To0、放電させない状態を保つ。所定の時間To0は、後述するタイミング検出放電の時間間隔に依存して設定されており、後述する時間To1、時間To2、時間To3よりも長く設定されている。
タイミング検出サブフィールドSFoのタイミング検出期間Poでは、時刻to1において、走査電極SC1〜SCnに電圧Vsoのタイミング検出パルスを印加するとともに維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加して、全ての放電セルでタイミング検出放電を発生させる。次に、時刻to1から時間To1経過後の時刻to2において、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)を印加するとともに維持電極SU1〜SUnに電圧Vsoのタイミング検出パルスを印加して、再びタイミング検出放電を発生させる。次に、時刻to2から時間To2経過後の時刻to3において、走査電極SC1〜SCnに電圧Vsoのタイミング検出パルスを印加するとともに維持電極SU1〜SUnに電圧0(V)を印加して、3回目のタイミング検出放電を発生させる。続いて時刻to3から時間To3経過後の時刻to4において、走査電極SC1〜SCnに電圧0(V)を印加するとともに維持電極SU1〜SUnに電圧Vsoのタイミング検出パルスを印加して、4回目のタイミング検出放電を発生させる。本実施の形態において、時間To1、時間To2、時間To3は、例えばそれぞれ40μs、20μs、30μsである。またタイミング検出パルスの電圧Vsoは維持パルスの電圧Vsと同じ電圧である。しかし必ずしもその必要はなく、タイミング検出放電が発生する電圧であればよい。
そしてタイミング検出期間Poの最後には、走査電極SC1〜SCnに電圧Vrまで上昇する上り傾斜電圧を印加して微弱な消去放電を発生させる。以上によりタイミング検出サブフィールドSFoの動作が終了する。
y座標検出サブフィールドSFyの初期化期間Pibの動作は、サブフィールドSF2の初期化期間Pibの選択初期化動作と同様の初期化動作を行う。ただし直前のタイミング検出サブフィールドSFoでは全ての放電セルでタイミング検出放電を発生させているので、ここでは全ての放電セルで初期化放電が発生する。
y座標検出サブフィールドSFyのy座標検出期間Pyでは、まずデータ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnのそれぞれには電圧Vcを印加する。
次に、データ電極D1〜Dmに正極性のy座標検出電圧Vdyを印加する。そして、1行目の走査電極SC1に負極性の電圧Vayのy座標検出パルスを印加する。すると1行目の放電セルのデータ電極D1〜Dm上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は放電開始電圧を超え、データ電極D1〜Dmと走査電極SC1との間および維持電極SU1と走査電極SC1との間でy座標検出のための放電が起こる。そして走査電極SC1上に正極性の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負極性の壁電圧が蓄積され、データ電極D1〜Dm上にも負極性の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目の放電セルでy座標検出のための放電を同時に起こして、1行目の画素行、すなわち1行目の放電セルで構成される1行目の放電セル行が発光する。
次に、データ電極D1〜Dmにy座標検出電圧Vdyを印加したまま、2行目の走査電極SC2に電圧Vayのy座標検出パルスを印加する。するとデータ電極D1〜Dmと走査電極SC2との間および維持電極SU2と走査電極SC2との間でy座標検出のための放電が起こり、2行目の画素行、すなわち2行目の放電セル行が発光する。以下同様に、データ電極D1〜Dmにy座標検出電圧Vdyを印加したまま走査電極SC3〜SCnにy座標検出パルスを順次印加して、3行目〜n行目の放電セル行を順次発光させる。
こうしてy座標検出期間Pyでは、表示画面の上端部から下端部まで移動する1本の横線が表示される。そのため後述するように、ライトペンで放電セル行の発光を受光し、発光のタイミングを知ることでライトペンが示している表示画面の位置のy座標を検出することができる。ただし、横線の移動する速度は非常に速いので、視覚的には表示画面全体が僅かに明るくなったようにしか見えない。以上によりy座標検出期間Pyが終了する。
x座標検出サブフィールドSFxの初期化期間Piaの動作は、タイミング検出サブフィールドSFoの初期化期間Piaと同じ強制初期化動作を行う。
x座標検出サブフィールドSFxのx座標検出期間Pxでは、データ電極D1〜Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜SUnに電圧Veを印加し、走査電極SC1〜SCnのそれぞれには電圧Vcを印加する。
次に、走査電極SC1〜SCnに負極性のx座標検出電圧Vaxを印加する。そして1つの画素、すなわち赤のピクセル、緑のピクセル、青のピクセルに対応する1列目〜3列目のデータ電極D1〜D3に正極性の電圧Vdxのx座標検出パルスを印加する。すると1列目〜3列目の放電セルのデータ電極D1〜D3上と走査電極SC1〜SCn上との交差部の電圧差は放電開始電圧を超え、データ電極D1〜D3と走査電極SC1〜SCnとの間および維持電極SU1〜SUnと走査電極SC1〜SCnとの間でx座標検出のための放電が起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上に正極性の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1〜SUn上に負極性の壁電圧が蓄積され、データ電極D1〜D3上にも負極性の壁電圧が蓄積される。このようにして、1列目〜3列目の放電セルで同時にx座標検出のための放電を起こして、1列目の画素列、すなわち1列目の放電セルで構成される1列目の放電セル列、2列目の放電セルで構成される2列目の放電セル列、3列目の放電セルで構成される3列目の放電セル列が発光する。
次に、走査電極SC1〜SCnにx座標検出電圧Vaxを印加したまま、4列目〜6列目のデータ電極D4〜D6に電圧Vdxのx座標検出パルスを印加する。するとデータ電極D4〜D6と走査電極SC1〜SCnとの間および維持電極SU1〜SUnと走査電極SC1〜SCnとの間にx座標検出のための放電が起こり、2列目の画素列、すなわち4列目〜6列目の放電セル列が発光する。
以下同様に、データ電極3本ずつ、データ電極Dmに至るまでx座標検出パルスを順次印加して、放電セル列3列ずつ、m列目の放電セル列に至るまで順次発光させる。
こうしてx座標検出期間Pxでは、表示画面の左端部から右端部まで移動する1本の縦線が表示される。そのため後述するように、ライトペンで放電セル列の発光を受光し、発光のタイミングを知ることでライトペンが示している表示画面の位置のx座標を検出することができる。ただし、縦線の移動する速度は非常に速いので、視覚的には表示画面全体が僅かに明るくなったようにしか見えない。以上により、x座標検出期間Pxが終了する。
なお本実施の形態において各電極に印加する電圧値は、例えば、電圧Vi1=150(V)、電圧Vi2=350(V)、電圧Vi4=−175(V)、電圧Va=電圧Vay=電圧Vax=−200(V)、電圧Vc=−50(V)、電圧Vs=電圧Vso=205(V)、電圧Vr=205(V)、電圧Ve=155(V)、電圧Vd=電圧Vdy=電圧Vdx=55(V)である。
このように本実施の形態においては、駆動回路の構成上、電圧Vaと電圧Vayと電圧Vaxとは等しく設定され、電圧Vdと電圧Vdyと電圧Vdxとも等しく設定されている。またサブフィールドSF1の初期化期間Piaにおいて走査電極に印加する上り傾斜電圧の傾斜は、1.5(V/μs)、初期化期間Pia、Pibにおいて走査電極に印加する下り傾斜電圧の傾斜は、−2.5(V/μs)、維持期間Psの最後において走査電極に印加する上り傾斜電圧の傾斜は、10(V/μs)である。ただしこれらの電圧値および傾斜電圧の傾斜は一例を挙げたに過ぎず、パネル10の特性や画像表示装置の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
次に、画像表示システムの構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態における画像表示システム100の回路ブロック図である。画像表示システム100は、画像表示装置30と、描画装置40と、ライトペン50とを備える。
画像表示装置30は、パネル10と、画像信号処理回路31と、データ電極駆動回路32と、走査電極駆動回路33と、維持電極駆動回路34と、タイミング発生回路35と、各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)とを備えている。
画像信号処理回路31は、入力した画像信号と描画装置40とから出力される描画信号とを切換えて、または合成して、サブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。データ電極駆動回路32は、画像データをデータ電極D1〜Dmのそれぞれに対応する書込みパルスに変換し、データ電極D1〜Dmのそれぞれに印加する。
タイミング発生回路35は、水平および垂直の同期信号をもとにして各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。走査電極駆動回路33はタイミング信号に基づいて走査電極SC1〜SCnのそれぞれに駆動電圧を印加し、維持電極駆動回路34はタイミング信号に基づいて維持電極SU1〜SUnに駆動電圧を印加する。
ライトペン50は、パネル10の表示画面上から文字や絵などを入力するためのものであり、描画スイッチ51と、受光素子52と、タイミング検出回路54と、座標算出回路56と、送信回路58とを備えている。
描画スイッチ51はライトペン50の先端部に取付けられ、ライトペン50がパネル10の表示画面に接触しているとオンになり、表示画面から離れるとオフになる。受光素子52は、パネル10の発光を受光して、タイミング検出回路54および座標算出回路56に受光信号を出力する。
図6は、本発明の実施の形態における画像表示システム100の座標検出サブフィールドのタイミングチャートであり、受光素子52から出力される受光信号を示している。
タイミング検出回路54は、受光信号の中から、あらかじめ定められた所定の数列に対応する時間間隔で発生した発光を検出し、タイミング検出サブフィールドSFoのタイミング検出期間Poのタイミング検出放電を特定する。具体的には、受光信号の中から、発光の間隔が順に時間To1、時間To2、時間To3となる4個の連続する発光を探す。そして4個の連続する発光の1つ、例えば、タイミング検出期間Poの時刻to1に発生した発光を基準とし、あらかじめ分かっている時間Toyおよび時間Toxに基づいて、時刻ty0と時刻tx0とに立上りエッジを有する座標基準信号を作成し、座標算出回路56に出力する。
座標算出回路56は、時間の長さを計測するためのカウンタと、カウンタの出力に演算を施す演算回路とを備える。そしてライトペン50が指し示す画像表示装置30の表示画面10上の位置座標を受光素子52の出力に基づき算出する。
図7は、本発明の実施の形態における画像表示システム100の座標算出方法を説明する模式図である。
y座標検出サブフィールドSFyのy座標検出期間Pyにおいて第1の方向に延びた線状の発光を第2の方向に移動させるので、パネル10の表示画面上には、図7に示したように、表示画面の上端部から下端部まで移動する1本の横線Lyが表示される。そしてライトペン50が示している表示画面の座標(x、y)を横線Lyが通過する時刻tyyにおいて、ライトペン50の受光素子は横線Lyの発光を受光する。そのため、受光素子は、図6に示したように時刻tyyで受光を示す受光信号を出力する。
また、x座標検出サブフィールドSFxのx座標検出期間Pxにおいて第2の方向に延びた線状の発光を第1の方向に移動させるので、パネル10の表示画面上には、図7に示したように、表示画面の左端部から右端部まで移動する1本の縦線Lxが表示される。そしてライトペン50が示している表示画面の座標(x、y)を縦線Lxが通過する時刻txxにおいて、ライトペン50の受光素子は縦線Lxの発光を受光する。そのため、受光素子は、図6に示したように時刻txxで受光を示す受光信号を出力する。
座標算出回路56は、y座標検出期間Pyにおいてタイミング検出回路54から出力される座標基準信号と受光素子52から出力される受光信号にもとづき、時刻ty0から時刻tyyまでの時間Tyyを測定する。そして時間Tyyを時間Ty1で除算してy座標Yを求める。またx座標検出期間Pxにおいてタイミング発生回路35から出力される座標基準信号とライトペン50の受光素子から出力される受光信号にもとづき、時刻tx0から時刻txxまでの時間Txxを測定する。そして時間Txxを時間Tx1で除算してx座標Xを求める。このようして座標算出回路56は、ライトペン50が示している表示画面の座標(X、Y)を求める。
送信回路58は、座標算出回路56が算出したx座標Xおよびy座標Yをエンコードして描画装置40に無線信号で送信する。それと同時に、描画スイッチ51の状態S(例えば、描画スイッチ51がオンであれば、S=「1」、オフであれば、S=「0」)をエンコードして描画装置40に無線信号で送信する。
描画装置40は、受信回路42と、フィルタ回路44と、描画回路46とを備えている。
受信回路42は、ライトペン50から送られる無線信号をデコードしてx座標X、y座標Y、および描画スイッチ51の状態Sを再生する。なお受信回路42には、x座標X、y座標Y、および描画スイッチ51の状態Sがフィールド毎に時々刻々と送られてくるので、以下ではそれぞれに時間のパラメータtを追加して、x座標X(t)、y座標Y(t)、および描画スイッチ51の状態S(t)と表記する。
フィルタ回路44は、座標算出回路56が算出した位置座標、ここでは受信回路42から出力されるx座標X(t)およびy座標Y(t)にフィルタ処理を施す。そしてフィルタ処理を施されたx座標FX(t)およびy座標FY(t)を描画回路46に出力する。
座標算出回路56が算出したx座標およびy座標には、偶発的に発生するランダムな誤差が含まれている。このランダムな誤差は、放電の統計的なばらつきや光信号をデジタル処理する際に発生する量子化ノイズ等であり、平均値がほぼ「0」になるので位置座標を大きく狂わすものではない。しかしながらこのランダムな誤差は、例えばライトペンを停止させていても、検出した座標が細かく変動するといった問題を引き起こす。
フィルタ回路44は、このようなランダムな誤差を抑制するためのフィルタ処理を施すために設けている。フィルタ処理を施すと、検出した座標が細かく変動するといった問題を解決することができる。さらに本実施の形態においては、フィルタ回路44に入力したx座標X(t)およびy座標Y(t)の早い変化を抑えるローパスフィルタを設け、x座標X(t)、y座標Y(t)、および描画スイッチ51の状態S(t)に依存してフィルタの強さを制御している。これにより、検出したx座標X(t)およびy座標Y(t)の応答性がよくなり、ライトペンの移動に描画が追いつかないといった問題もなくなる。加えて、細かい輪郭を含みかつ描画と移動を繰返すような細かい文字を書く場合に、扱いにくさを感じることもなくなる。
図8は、本発明の実施の形態における画像表示システム100のフィルタ回路44のブロック図である。フィルタ回路44は、係数算出部60と、x座標フィルタ70と、y座標フィルタ80とを有する。
x座標フィルタ70は、乗算器72と、加算器74と、遅延器75と、乗算器76とを有する巡回型IIRフィルタである。乗算器72は、入力したx座標X(t)にフィルタ係数Kx(t)を乗ずる。加算器74は、乗算器72の出力{X(t)×Kx(t)}と乗算器76の出力とを加算して、フィルタ処理を施したx座標FX(t)を出力する。遅延器75は、フィルタ処理を施したx座標FX(t)を1フィールド分遅延する。乗算器76は、遅延したx座標FX(t−1)に係数{1−Kx(t)}を乗ずる。こうして、フィルタ係数Kx(t)に依存した強さのローパスフィルタ処理をx座標X(t)に施してx座標FX(t)を出力する。ここでフィルタ係数Kx(t)は「0」以上、「1」以下の値を持つ係数であり、フィルタ係数Kx(t)が小さいほど強いフィルタ処理が施され、フィルタ係数Kx(t)が大きくなるほどフィルタ処理が弱くなる。そしてフィルタ係数Kx(t)が「1」になるとフィルタ処理を施すことなく、x座標X(t)がそのままx座標FX(t)として出力される。
y座標フィルタ80は、乗算器82と、加算器84と、遅延器85と、乗算器86とを有する巡回型IIRフィルタであり、x座標フィルタ70と同様に、フィルタ係数Ky(t)に依存した強さのローパスフィルタ処理をy座標Y(t)に施して、y座標FY(t)を出力する。ここでもフィルタ係数Ky(t)は「0」以上、「1」以下の値を持つ係数であり、フィルタ係数Ky(t)が小さいほど強いフィルタ処理が施され、フィルタ係数Ky(t)が大きくなるほどフィルタ処理が弱くなる。
係数算出部60は、遅延器62と、遅延器64と、係数演算部66とを有する。遅延器62は、入力したx座標X(t)を1フィールド分遅延してx座標X(t−1)を出力する。遅延器62は、入力したy座標Y(t)を1フィールド分遅延してy座標Y(t−1)を出力する。
係数演算部66は、x座標X(t)、y座標Y(t)、遅延したx座標X(t−1)、遅延したy座標Y(t−1)、および描画スイッチ51の状態S(t)に基づき、フィルタ係数Kx(t)、Ky(t)を算出する。
本実施の形態においては、
Kx(t)=min(Rx(t)・γ(S(t))、1)
Ky(t)=min(Ry(t)・γ(S(t))、1)
である。ただし、min(a、b)は、「a」と「b」との小さいほうを示す関数である、また、係数Rx(t)、Ry(t)のそれぞれは、
Rx(t)=αx・{X(t)−X(t−1)}^2+βx・{Y(t)−Y(t−1)}^2
Ry(t)=αy・{X(t)−X(t−1)}^2+βy・{Y(t)−Y(t−1)}^2
である。ここで、α、βはあらかじめ定められた定数である。また、γ(S(t))は描画スイッチ51の状態S(t)に依存して決まる係数であり、
γ(1)=1
γ(0)=2.8
である。
このように係数Rx(t)、Ry(t)は、入力した座標(X(t)、Y(t))と、1フィールド前に入力した座標(X(t−1)、Y(t−1))との差、すなわち位置座標の変化量が大きくなると大きくなる。したがって係数Rx(t)、Ry(t)は、ライトペン50が表示画面上を速く動くと大きくなり、ゆっくり動くと小さくなる。このように、係数Rx(t)、Ry(t)はライトペン50の移動速度を示す係数である。そしてライトペン50の移動速度が大きいとフィルタ係数Kx(t)、Ky(t)も大きくなるので、フィルタの強さは弱くなり、ライトペン50の移動速度が小さいとフィルタ係数Kx(t)、Ky(t)も小さくなるので、フィルタの強さは強くなる。
このように、本実施の形態におけるフィルタ回路44は、巡回型IIRフィルタで構成されたx座標フィルタ70およびy座標フィルタ80と、位置座標の変化量に基づきフィルタ係数Kx、Kyを算出する係数算出部60とを有し、位置座標の変化量が小さいときのx座標フィルタ70およびy座標フィルタ80の巡回成分を、位置座標の変化量が大きいときのx座標フィルタ70およびy座標フィルタ80の巡回成分よりも多くするように、フィルタ係数Kx、Kyを算出する。こうしてフィルタ回路44は、入力した位置座標(X(t)、Y(t))の早い変化を抑えるローパスフィルタを構成し、座標算出回路56で検出された位置座標(X(t)、Y(t))の移動速度が速いほど強いフィルタ処理を施す。
その結果、ライトペン50をゆっくり動かした場合には、フィルタが強くなってランダムな誤差が小さくなり、フィルタ処理を施した座標(FX(t)、FY(t))が細かく変動するというおそれがなくなる。またライトペン50を速く動かした場合にはフィルタが弱くなるので、フィルタ処理の応答が速くなり、フィルタ処理を施した座標(FX(t)、FY(t))がライトペンの移動に追いつかないというおそれもなくなる。
また、γ(S(t))は描画スイッチ51の状態S(t)に依存して決まる係数であり、描画スイッチ51がオンのときは小さい値であり、描画スイッチ51がオフのときは大きな値となる。したがって、フィルタ回路44は、描画スイッチ51がオン時のx座標フィルタ70およびy座標フィルタ80の巡回成分を、描画スイッチ51がオフ時のx座標フィルタ70およびy座標フィルタ80の巡回成分よりも多くするように、フィルタ係数Kx、Kyを算出する。こうしてフィルタ回路44は、描画スイッチ51がオン時には、描画スイッチ51がオフ時よりも強いフィルタ処理を施す。
そのため、描画中はフィルタが強くなってランダムな誤差が小さくなり、ライトペンの移動中はフィルタが弱くなって応答性が良くなる。その結果、細かい文字を書く場合であっても自然な感覚で描画することができる。
なお本実施の形態においては、ランダムな誤差の抑制と応答性の両立のため、描画スイッチ51がオンのときは、座標の移動速度が14(cm/s)以上、描画スイッチ51がオフのときは、座標の移動速度が9(cm/s)以上の場合に、フィルタ係数Kx(t)、Ky(t)が「1」になる、すなわちフィルタが効かなくなるように設定した。しかしこれらの値は、画像表示装置の画面サイズ等により最適に設定することが望ましい。
描画回路46はフレームメモリを備える。そして描画スイッチ51がオンのときはフィルタ処理を施されたx座標FX(t)およびy座標FY(t)をフレームメモリに書き込む。こうしてフィルタ回路44でフィルタ処理を施された位置座標(FX(t)、FY(t))にもとづき、描画スイッチ51がオン時にライトペン50が指し示す位置座標の軌跡を表示する画像信号を作成し、画像表示装置30に出力する。また描画スイッチ51がオフのときはx座標FX(t−1)およびy座標FY(t−1)をフレームメモリから消去するとともに、x座標FX(t)およびy座標FY(t)をフレームメモリに書き込む。こうしてライトペン50の指し示す位置を示すカーソルを表示する描画信号を作成し、画像表示装置30に出力する。
図9A、図9Bは、本発明の実施の形態における画像表示システム100の描画の一例を示す模式図である。例えば、図9Aに示した位置Aでライトペン50を画像表示面に接触させて描画スイッチをオンにする。すると描画回路46は、フィルタ回路44から算出された座標(FX(t)、FY(t))に対応する画素を中心に、所定の色および大きさの丸などのパターンをフレームメモリに書込む。使用者がライトペンをパネル10の画像表示面に接触させたままライトペンを図9Aの位置Bまで移動させると、座標(FX(t)、FY(t))も移動する。そして描画回路46は移動する座標(FX(t)、FY(t))を中心に所定のパターンをフレームメモリに順次書き込む。こうして描画回路46は、図9Aに示したように、ライトペン50の軌跡を示す描画信号を作成する。
また、図9Bに示した位置Bでライトペン50を画像表示面から離して描画スイッチをオフにする。この場合であっても受光素子52がパネル10の発光を受光している間は、座標(X(t)、Y(t))を算出することができるので、フィルタ回路44からは座標(FX(t)、FY(t))が出力される。すると描画回路46は、座標(FX(t)、FY(t))に対応する画素を中心に、カーソルを示す所定の色および形のパターンをフレームメモリに書込む。使用者がライトペン50をパネル10から離したまま図9Bの位置Cまで移動させると、座標(FX(t)、FY(t))も移動する。そして描画回路46は、1フィールド前の座標、すなわち過去の位置座標(FX(t−1)、FY(t−1))に対応するカーソルのパターンを保存せずに消去しつつ、座標(FX(t)、FY(t))対応する画素を中心に、カーソルを示す所定の色および形のパターンをフレームメモリに書込む。こうして描画回路46は、図9Bに示したように、ライトペン50が指し示す表示画面上の位置を移動するカーソルを示す描画信号を作成する。
このように、描画回路46は、描画スイッチ51がオンの場合には過去の位置座標を保存してカーソルの軌跡を表示する画像信号を作成し、描画スイッチ51がオフの場合には過去の位置座標を保存せずにカーソルを表示する画像信号を作成する。
これにより、使用者は、ライトペン50を用いて表示画面上から文字や絵などを入力でき、さらに同じライトペン50を用いて離れた位置から画像表示画面上の特定の位置を指し示すことができる。
画像表示装置30の画像信号処理回路31は、描画装置40から出力される描画信号にもとづき、サブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。これにより、ライトペンで書いた画像およびカーソルを表示画面上に表示することができる。あるいは、入力した画像信号と描画装置40から出力される描画信号とを合成し、サブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。これにより、ライトペンで書いた画像と入力した画像信号の画像とを重畳して表示することができる。
なお本実施の形態においては説明しなかったが、位置座標に関係しない発光を遮断するためのマスキング信号として、座標基準信号を使用することもできる。すなわち、図6に示したように、タイミング検出回路54が作成した座標基準信号の立下りタイミングを、y座標検出期間Pyの終了時刻、およびx座標検出期間Pxの終了時刻に設定することにより、座標基準信号が「ハイレベル」の期間のみ受光信号を座標算出回路56に出力する構成としてもよい。
また本実施の形態においては、描画スイッチ51はライトペン50の先端部にのみ取付けられているとして説明したが、使用者が操作できるように、ライトペン50の側面に描画スイッチを設けてもよい。あるいはライトペン50の先端部とライトペン50の側面との両方に描画スイッチを設けてもよい。これにより表示画面からはなれた位置であっても描画することができる。さらには、ライトペン50の先端部に設けた描画スイッチで描画し、ライトペン50の側面に設けた描画スイッチで表示画面の一点を指し示すカーソルを表示する構成であってもよい。
また実施の形態において説明した各回路ブロックは、電気回路として構成されてもよく、同様の動作をするようにプログラミングされたプロセッサ等を用いて構成されてもよい。
さらに、実施の形態において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、パネルの特性や画像表示装置の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
本発明は、座標位置が細かく変動することなく、かつ速い移動にも追従するライトペンの座標位置の検出が可能であり、プラズマディスプレイパネル、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、LEDパネル等を用いた画像表示装置に、ライトペンを用いて手書き入力が可能な画像表示システムとして有用である。
10 パネル
12 走査電極
13 維持電極
22 データ電極
30 画像表示装置
31 画像信号処理回路
32 データ電極駆動回路
33 走査電極駆動回路
34 維持電極駆動回路
35 タイミング発生回路
40 描画装置
42 受信回路
44 フィルタ回路
46 描画回路
50 ライトペン
51 描画スイッチ
52 受光素子
54 タイミング検出回路
56 座標算出回路
58 送信回路
60 係数算出部
62,64,75,85 遅延器
66 係数演算部
70 x座標フィルタ
72,76,82,86 乗算器
74,84 加算器
80 y座標フィルタ
100 画像表示システム
X,Y,FX,FY 座標
Kx,Ky フィルタ係数

Claims (2)

  1. 画像表示装置と、前記画像表示装置の発光を検出する受光素子を有するライトペンとを備えた画像表示システムであって、
    前記ライトペンが指し示す前記画像表示装置の表示画面上の位置座標を前記受光素子の出力に基づき算出する座標算出回路と、
    前記座標算出回路が算出した位置座標にフィルタ処理を施すフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路でフィルタ処理を施された位置座標にもとづき前記ライトペンが指し示す位置座標の軌跡を描画した画像信号を作成する描画回路とを有し、
    前記フィルタ回路はローパスフィルタであり、前記座標算出回路で検出された位置座標の移動速度が速いほど強いフィルタ処理を施すことを特徴とする画像表示システム。
  2. 前記フィルタ回路は、巡回型フィルタで構成されたx座標フィルタおよびy座標フィルタと、前記位置座標の変化量に基づきフィルタ係数を算出する係数算出部とを有し、前記位置座標の変化量が小さいときの前記x座標フィルタおよび前記y座標フィルタの巡回成分を、前記位置座標の変化量が大きいときの前記x座標フィルタおよび前記y座標フィルタの巡回成分よりも多くするように、前記フィルタ係数を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
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