JP2013174649A - 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013174649A
JP2013174649A JP2012037656A JP2012037656A JP2013174649A JP 2013174649 A JP2013174649 A JP 2013174649A JP 2012037656 A JP2012037656 A JP 2012037656A JP 2012037656 A JP2012037656 A JP 2012037656A JP 2013174649 A JP2013174649 A JP 2013174649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
display device
crystal display
plate
tft substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012037656A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutaka Nagakari
靖貴 永仮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2012037656A priority Critical patent/JP2013174649A/ja
Publication of JP2013174649A publication Critical patent/JP2013174649A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】簡易な構成で光学補償層を組み込むことにより、高コントラスト化を実現し、さらにプロジェクタ等の投射機のコンパクト化と量産容易性の確保と併せて実現する液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】TFT基板11と、TFT基板11に対向する対向基板12と、TFT基板と対向基板とに挟持される液晶層13と、TFT基板と対向基板のうち一方の基板内に形成された傾斜面と、傾斜面の上に配置され無機膜からなる光学補償層24と、を備えた。
【選択図】図2

Description

本技術は、液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法に関し、特に、液晶表示装置を構成する液晶パネルに付随して用いられる光学補償層に関するものである。
近年、液晶パネルを用いた液晶表示装置において、高速駆動や高コントラストを実現する為に、VA(Vertical Alignment)型の液晶(以下、「VA液晶」ともいう)が主に用いられている。VA液晶とは、電圧の無印加時には液晶内の液晶分子が基板に対して垂直になるように配置されることで黒を表示し、電圧の印加時には液晶内の液晶分子が基板に対して水平になるように配置されることで白を表示するものである。
このようなVA液晶を用いた液晶表示装置において、高コントラストを実現するためには、電圧の無印加時、すなわち黒を表示する際の明るさを最小限にすることが有効である。そのため、遮光帯の設置等により光漏れを抑えることが行われている。
しかしながら、実際には、液晶パネルの構造や液晶の特性、入射光の斜め成分等により光漏れが発生してしまう。特にマイクロレンズを付加した液晶パネルにおいては、この光漏れは顕著である。
すなわち、実際のVA液晶では、液晶分子の配向方向を一定にするために、電圧の無印加時には、液晶分子は基板に対して垂直方向から数度の角度だけ傾けて配置される。この傾斜角をプレチルト角という。そして、このプレチルト角や液晶が有する誘電率異方性、屈折率異方性によって液晶を透過した光は楕円偏光となり、光漏れが発生してしまう。その結果、コントラストが低下してしまう。
こうした光漏れによるコントラストの低下を防止するために、液晶パネルに光学補償機能を付加することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に開示された技術では、液晶パネルとは別に光学補償板を設置する。そして、液晶パネルをポジティブCプレートとしてモデル化するとともに、上記プレチルト角に対して法線角が垂直になるように配置される光学補償板をネガティブCプレートとして機能させる。このようにポジティブCプレートとネガティブCプレートを組み合わせることにより、リタデーションを相殺し、液晶を透過した光を光学的に補償して光漏れ発生を防止する。その結果、コントラスト向上を図ることが可能となる。
特開2008−282007号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、液晶パネルとは別に光学補償板を設置するものであることから、光学補償板の設置のための物理的角度の調整が困難であった。また、液晶表示装置を量産する際には、傾斜角のばらつきが大きくなってしまう課題があった。また、光学補償板を組み込むための物理的領域が大きくなってしまうため、プロジェクタ等の投射機において小型化が困難になるという課題があった。
本技術の目的は、簡易な構成で光学補償層を組み込むことにより、高コントラスト化を実現することができる液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法を提供することである。
本技術に係る液晶表示装置は、TFT基板と、前記TFT基板に対向する対向基板と、前記TFT基板と前記対向基板とに挟持される液晶層と、前記TFT基板と前記対向基板のうち一方の基板内に形成された傾斜面と、前記傾斜面の上に配置され無機膜からなる光学補償層と、を備えたものである。
また、本技術に係る液晶表示装置においては、好ましくは、前記傾斜面は、前記TFT基板内に設けられるマトリクス状の各画素毎に形成される。
また、本技術に係る液晶表示装置においては、好ましくは、前記傾斜面は、前記TFT基板内に設けられるマトリクス状の各画素のうち画素行毎または画素列毎に形成される。
また、本技術に係る液晶表示装置においては、好ましくは、前記光学補償層の上に更に無機膜を形成し、形成された前記無機膜を平坦化する。
また、本技術に係る液晶表示装置においては、好ましくは、前記傾斜面の傾斜角は、プレチルトが付与された前記液晶層内の液晶分子の軸方向に対して直交するように設定される。
また、本技術に係る液晶表示装置においては、好ましくは、前記TFT基板または前記対向基板のうち少なくとも一方の基板にマイクロレンズが搭載され、該マイクロレンズと前記液晶層との間に前記光学補償層を配置したものである。
本技術に係る液晶表示装置の製造方法は、TFT基板と、前記TFT基板に対向する対向基板と、前記TFT基板と前記対向基板とに挟持される液晶層と、を備えた液晶表示装置の製造方法であって、前記TFT基板と前記対向基板のうち一方の基板内に傾斜面を形成する工程と、前記傾斜面の上に無機膜からなる光学補償層を配置する工程と、を含む。
本技術によれば、簡易な構成で光学補償層を組み込むことにより、高コントラスト化を実現することができる。
本技術に係る液晶表示装置の構成例を示す図。 本技術に係る液晶パネルの構成例を示す図。 本技術に係る液晶と傾斜Cプレートの関係を示す図。 本技術に係る対向基板の構成例を示す図。 本技術に係る傾斜Cプレートの傾斜の第1の例を示す斜視図。 本技術に係る傾斜Cプレートの傾斜の第2の例を示す斜視図。 本技術に係る対向基板の製造工程のうち第1の工程を示す図。 本技術に係る対向基板の製造工程のうち第2の工程を示す図。 本技術に係る対向基板の製造工程のうち第3の工程を示す図。 本技術に係る対向基板の製造工程のうち第4の工程を示す図。 本技術に係る対向基板の製造工程のうち第5の工程を示す図。 本技術に係る対向基板の製造工程のうち第6の工程を示す第1の図。 本技術に係る対向基板の製造工程のうち第6の工程を示す第2の図。 本技術に係る対向基板の製造工程のうち第7の工程を示す図。 本技術に係る対向基板の製造工程のうち第8の工程を示す図。 本技術に係る対向基板の製造工程のうち第9の工程を示す図。 本技術に係る傾斜CプレートのSEM写真を示す図。 本技術に係る極角と方位角を示す図。 本技術に係る傾斜Cプレートの極角を変えた場合のコントラストのシミュレーション結果を示す図。 本技術に係る傾斜Cプレートのリタデーション値を変えた場合のコントラストのシミュレーション結果を示す図。 本技術に係る傾斜Cプレート無しの場合の視野角特性を示す図。 本技術に係る傾斜Cプレート有りで極角が90度の場合の視野角特性を示す図。 本技術に係る傾斜Cプレート有りで極角が85度の場合の視野角特性を示す図。
本技術は、一対の対向するTFT(Thin Film Transistor)基板および対向基板と、これらTFT基板および対向基板に挟持された液晶層とを備えた構成において、TFT基板および対向基板のうち一方の基板内に傾斜面を形成し、この傾斜面の上に無機膜からなる光学補償層を配置する簡易な構成によって、高コントラスト化を実現するものである。以下、本技術の実施の形態を説明する。
[液晶表示装置の構成]
図1は、本技術に係る液晶表示装置の構成例を示す図である。図1を用いて本技術に係る液晶表示装置の一例としての液晶プロジェクタ装置1の構成について説明する。
液晶プロジェクタ装置1は、光源101、マルチレンズアレイ102、PbSアレイ103、フォーカスレンズ104、ミラー105、ダイクロイックミラー106、107、透過型の液晶パネル111a〜111c(以下、「液晶パネル111」ともいう)、ダイクロイックプリズム112、および投写レンズ113を備える。
光源101は、発光部101aによって発光された光を、リフレクタ101bによってマルチレンズアレイ102に対して出射する。マルチレンズアレイ102は、複数のレンズ素子がアレイ状に設けられた構造であり、光源101から出射された光を集光する。PbSアレイ103は、マルチレンズアレイ102によって集光された光を、所定の偏光方向の光、例えばP偏光波に偏光する。フォーカスレンズ104は、PbSアレイ103によって所定の偏光方向の光に変換された光を集光する。
ダイクロイックミラー106は、フォーカスレンズ104、ミラー105を介して入射してきた光のうちの赤色光Rを透過し、緑色光G、青色光Bを反射する。ダイクロックミラー106によって透過された赤色光Rは、ミラー105を介して液晶パネル111aに導かれる。
ダイクロイックミラー107は、ダイクロイックミラー106によって反射された光のうちの青色光Bを透過し、緑色光Gを反射する。ダイクロイックミラー107によって反射された緑色光Gは、液晶パネル111bに導かれる。一方、ダイクロイックミラー107によって透過された青色光Bは、ミラー105を介して液晶パネル111cに導かれる。
液晶パネル111a〜111cの各々は、入射された各色光を光変調し、光変調された各色光をダイクロイックプリズム112に入射する。ダイクロイックプリズム112は、光変調されて入射してきた各色光を1つの光軸に合成する。合成された各色光は、投写レンズ113を介してスクリーン等に投影される。
以上に示すように、本技術に係る液晶プロジェクタ装置1は、色の3原色である赤、緑、青の3色に対応した3枚の液晶パネル111a〜111cを組み合わせることによって、あらゆる色を表示する3板式と呼ばれる構造のプロジェクタ装置である。
なお、本技術に係る液晶プロジェクタ装置1では、液晶パネル111a〜111cの各々に光学補償板を設ける簡易な構成により、高コントラスト化を実現する。以下、このような液晶パネル111について説明する。
[液晶パネルの構成]
図2は、本技術に係る液晶パネル111の構成例を示す図である。図2を用いて本技術に係る主要部品である液晶パネル111について、本技術に関連する箇所を中心に説明する。
なお、図2において、X軸、Y軸は液晶パネル111の画面を示す座標軸であり、Z軸は液晶パネル111の画面に対する垂直方向を示す座標軸である。すなわち、図2では液晶パネル111の画面に垂直な方向における断面図を示している。後述する各図の説明においても同様である。
液晶パネル111は、TFT基板11と、TFT基板11に対向して配置された対向基板12と、これらTFT基板11および対向基板12に挟持されたVA型の液晶である液晶層13とを備える。
TFT基板11上には、X軸、Y軸に沿ってマトリクス状の複数の画素電極としてのITO(Indium-Tin-Oxide)14が形成されている。また、TFT基板11上には、各画素電極を駆動するための図示しないドライバやTFTの他、各画素電極に画像信号を供給するソース線や、各TFTを駆動するゲート線等の配線、配向膜等が形成されている。
対向基板12は、TFT基板11と一定の間隙を介して貼り合わされ、ITO14に対する対向電極としてのITO28や、図示しない配向膜等が形成されている。この対向基板12は、本技術に係る傾斜したCプレート(以下、「傾斜Cプレート」ともいう)24を内蔵している。また、この対向基板12には、X軸、Y軸に沿ってマトリクス状に形成される各画素毎のマイクロレンズ29が搭載されている。
液晶層13には、液晶が封入される。ここでいう液晶とは、TFT基板11と対向基板12の電極間に電圧を無印加時に、液晶分子の長軸方向が基板面に対して垂直方向から数度の角度だけ傾けて配置される、すなわちプレチルトが付与される垂直配向型のVA液晶であるものとする。
以上に示すように、本技術に係る液晶パネル111では、対向基板12が傾斜Cプレート24を内蔵している。ここで、本技術に係る液晶層13に封入される液晶と、傾斜Cプレート24の関係について説明する。
図3は、本技術に係る液晶と傾斜Cプレートの関係を示す図である。
図3に示すように、プレチルトが付与された液晶層13内のVA液晶13aにおける液晶分子の長軸方向と、傾斜Cプレート24の傾斜方向とが直交するように、傾斜Cプレート24の傾斜方向は設定される。このような構成により、正面すなわちZ軸方向に残留するリタデーションを改善するとともに、楕円偏光成分を補償する。これにより、光漏れを防ぐことができる。
以下、このような傾斜Cプレート24を備える対向基板12の具体的構成について説明する。
[対向基板の構成]
図4は、本技術に係る対向基板12の構成例を示す図である。図4では、図2の対向基板12の具体的構成例を示している。
本技術に係る対向基板12は、ガラス基板21上にSiO膜22が形成され、このSiO膜22の上に所定の間隔で傾斜を有する傾斜Cプレート24が形成される。また、傾斜Cプレート24の上には、順にSiO膜25、遮光膜26、SiO膜27、透明電極28が形成されている。各構成要素については、後述する。
このように、本技術に係る対向基板12は、所定の間隔で傾斜する傾斜Cプレート24を内蔵するものである。ここで、傾斜Cプレート24が有する傾斜について図5および図6を用いて説明する。
[傾斜Cプレート24の第1の例]
図5は、本技術に係る傾斜Cプレート24の傾斜の第1の例を示す斜視図である。
図5に示す傾斜Cプレート24は、X方向およびY方向の両方に傾斜し、X方向およびY方向にそれぞれΔX、ΔYの寸法で繰り返し形成される傾斜面24aを有する。ΔXは、傾斜面24aについて、対向基板12に対向して設けられるTFT基板11にマトリクス状に形成される各画素に対応する部分の列方向の寸法である。一方、ΔYは、傾斜面24aについて、対向基板12に対向して設けられるTFT基板11にマトリクス状に形成される各画素に対応する部分の行方向の寸法である。
すなわち、図5に示す例では、傾斜Cプレート24の傾斜面24aは画素単位で形成されている。なお、この例の傾斜Cプレート24が有する傾斜面24aの傾斜方向および傾斜角度は、液晶層13内の液晶分子の配向方向および液晶分子に付与されたプレチルトに応じて最適に設定される。すなわち、プレチルトが付与された液晶分子の長軸方向に対して直交するように設定される。
[傾斜Cプレートの第2の例]
図6は、本技術に係る傾斜Cプレート24の第2の例を示す斜視図である。
図6に示す傾斜Cプレート24は、X方向にΔXの寸法で繰り返し傾斜し、Y方向に連続して形成される傾斜面24bを有する。ΔX、ΔYのそれぞれは、対向基板12に対向して設けられるTFT基板11にマトリクス状に形成される画素の列方向、行方向の寸法である。
すなわち、図6に示す例では、傾斜Cプレート24の傾斜面24bは画素列単位で形成されている。なお、この例の傾斜Cプレート24が有する傾斜面24bの傾斜方向および傾斜角度は、液晶層13内の液晶分子の配向方向および液晶分子のプレチルト角に応じて最適に設定される。すなわち、プレチルトが付与された液晶分子の長軸方向に対して直交するように設定される。
以上図5および図6を用いて説明してきたように、傾斜Cプレート24が有する傾斜は各画素毎に形成されてもよいし、数百画素毎、例えば画素列毎または画素行毎に形成してもよい。
[対向基板の製造方法]
続いて、本技術に係る対向基板12の製造方法について説明する。図7〜図16は、本技術に係る対向基板12の各製造工程を示す図である。
まず、図7に示すように、ガラス基板21上にSiO膜22を成膜する(第1の工程)。次に、図8に示す第2の工程において、第1の工程で形成されたSiO膜22上に、図5または図6で示したような形状、すなわち液晶層13における液晶分子の配向方向に対して直交する傾斜面23Aを有する形状のレジスト23を、グレイスケールマスクによりパターンニングする(第2の工程)。
その後、図9に示すように、SiOドライエッチャーによる全面エッチングにより、SiO膜22上に、レジスト23に相当する形状の傾斜面22Aを形成する(第3の工程)。このようにして形成された傾斜面22Aは、傾斜Cプレート24を形成するための下地となる。
以上説明してきた第1から第3の工程により、対向基板12内に、図5、図6で例示したような傾斜Cプレート24の傾斜面24a、24bの形状に相当する傾斜面22Aを形成する。なお、液晶層13における液晶の配向角が0度の場合には、図6に示す傾斜面24bのように傾斜面22Aを各画素列毎に形成してもよい。また、液晶の配向角が90度の場合には、傾斜面22Aを各画素行毎に形成してもよい。
その後、図10に示すように、第3の工程で形成された傾斜面22A上に、無機膜からなる傾斜Cプレート24を形成する(第4の工程)。ここでは、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法やPVD(Physical Vapor Deposition)法によって、第3の工程で形成された傾斜面22Aと同様の傾斜を有する傾斜Cプレート24を形成する。
具体的には、傾斜Cプレート24の形成は、屈折率の異なる少なくとも2種以上の透明な薄膜を交互に積層することによって行う。傾斜Cプレート24は、無機膜からなり、例えば、SiOとTiOの交互成膜や、SiOとSiNの交互成膜によって形成される。なお、傾斜Cプレート24を形成するための積層回数は、傾斜Cプレート24のリタデーション値やこの傾斜Cプレート24によって得られる光学補償効果等を勘案して設定される。
その後、図11に示すように、第4の工程で形成された傾斜Cプレート24の上に、無機膜であるSiO膜25を成膜する(第5の工程)。第5の工程では更に、成膜されたSiO膜25をCMP(Chemical Mechanical Planarization)により平坦化する。SiO膜25の平坦化は、液晶層13の一定の間隙を確保するために必要な工程である。
その後、図12および図13に示すように、第5の工程で形成され、平坦化されたSiO膜25の上に遮光膜26を成膜する(第6の工程)。なお、特に図13に示すように、遮光膜26は傾斜Cプレート24の隣り合う傾斜面24Aの境目を覆うように成膜される。隣り合う傾斜面24Aの境目とは、すなわち、この対向基板12に対向するTFT基板11にマトリクス状に形成される各画素の境目の位置に相当する。
その後、図14に示すように、第6の工程で形成された遮光膜26の上に絶縁膜、例えばSiO膜27を成膜する(第7の工程)。その後、図15に示すように、第7の工程で形成されたSiO膜27を、CMPにより平坦化する(第8の工程)。CMPによる平坦化については、前述の第5の工程と同様である。
その後、図16に示すように、第8の工程で平坦化されたSiO膜27の上に、透明電極である例えばITO膜28を成膜する(第9の工程)。
以上説明してきた第1から第9の工程により、図4に示すような本実施形態に係る対向基板12は製造される。このようにして製造された対向基板12は、TFT基板11や液晶層13との間で接する面をXY平面に平行に保ちながら、光学補償層としての傾斜Cプレート24のみを傾斜させて内蔵している。すなわち、本実施形態に係る液晶プロジェクタ装置1は、TFT基板11と、これに対向する対向基板12と、これら両基板に挟持される液晶層13とを備え、さらに、対向基板12内においてSiO膜22上に形成された傾斜面22Aと、この傾斜面22A上に配置され無機膜からなる傾斜Cプレート24とを備える。傾斜Cプレート24の傾斜面24Aは各画素単位で形成できるため、傾斜の高度差は数ミクロンメートルであり、既存の液晶表示装置と物理的大きさをほとんど変更しなくてもよい。すなわち、簡易な構成で光学補償層としての傾斜Cプレート24を組み込むことにより、高コントラスト化を実現することができる。
なお、上記説明においては、対向基板12が傾斜Cプレート24を内蔵する形態について説明してきたが、この場合には限らない。例えば、TFT基板11が傾斜Cプレート24を内蔵してもよい。この場合、液晶プロジェクタ装置1は、TFT基板11と、これに対向する対向基板12と、これら両基板に挟持される液晶層13とを備え、さらに、TFT基板11内においてSiO膜等の上に形成された傾斜面と、この傾斜面上に配置され無機膜からなる傾斜Cプレートとを備えることになる。
また、図2に示すように、傾斜Cプレート24はマイクロレンズ29よりも液晶層13側に設けた構成について説明してきたが、この場合には限らない。液晶層13と逆側、すなわちマイクロレンズ29よりも外側に設けてもよい。なお、マイクロレンズ29と液晶層13の間に傾斜Cプレート24を配置することによって、液晶層13を通る光と傾斜Cプレート24を通る光の角度が等しくなることから、最も効果的にコントラストを改善させることができる。
[傾斜Cプレート24のSEM写真]
図17は、本実施形態に係る傾斜Cプレート24のSEM(Scanning Electron Microscope)写真である。上述したような対向基板12の製造方法によれば、例えば図17に示すような傾斜Cプレート24を有する液晶パネル111が生成される。
[コントラストのシミュレーション結果]
続いて、本実施形態に係る製造方法によって生成された対向基板12を備えた液晶パネル111についてのコントラストのシミュレーション結果を説明する。なお、シミュレーション結果の説明に先立ち、極角および方位角について説明する。
図18は、本技術に係る極角と方位角を示す図である。
図18(a)に示すように、液晶パネル111の表示面から垂直方向を表すZ軸方向を極角θ=0°の方向とし、XY平面を極角θ=90°の方向とする。なお、プレチルト角はXY平面からの角度とする。従って、プレチルト角と極角の和が90°となる。また、図18(b)に示すように、液晶パネル111の面内方向において、X軸方向を方位角φ=0°または180°の方向とし、Y軸方向を方位角φ=90°または270°の方向とする。以下では、必要に応じて、これらの極角θおよび方位角φを用いて各方向を説明する。
図19は、本技術に係る傾斜Cプレート24の極角を変えた場合のコントラストのシミュレーション結果を示す図である。
図19に示すグラフ上では、横軸に極角を、縦軸にコントラスト比を示している。極角が90度であることは傾斜Cプレート24を水平に設置することを示す。ここでは極角を80度から90度まで変化させている。一方、コントラスト比とは、傾斜Cプレート24が無い場合を1としたときのコントラスト比である。
図19では、液晶パネル111中の液晶層13の厚さを3.4μm、液晶層13内の液晶分子のプレチルト角を85度、液晶層13内の液晶分子の配向角を45度とし、傾斜Cプレート24のリタデーション値(傾斜Cプレート24の交互成膜の厚さとその膜種における屈折率差との積)を200nm〜300nm、傾斜Cプレート24の方位角を45度とする条件下での極角とコントラスト比との関係を示している。
この場合、図19に示すように、極角83度から85度においてコントラストが最大になることが確認された。なお、前述のように液晶分子のプレチルト角は85度であるため、コントラスト比がプレチルト角に依存する蓋然性が高いことが確認された。
図20は、本技術に係る傾斜Cプレートのリタデーション値を変えた場合のコントラストのシミュレーション結果を示す図である。
図20に示すグラフ上では、横軸にリタデーション値を、縦軸にコントラスト比を示している。リタデーション値とは、傾斜Cプレート24の交互成膜の厚さと複屈折率との積である。ここではリタデーション値を0.150nmから0.400nmまで変化させている。一方、コントラスト比とは、傾斜Cプレート24が無い場合を1としたときのコントラスト比である。
図20では、液晶パネル111中の液晶層13の厚さを3.4μm、液晶層13内の液晶分子のプレチルト角を85度、液晶層13内の液晶分子の配向角を45度とし、傾斜Cプレート24の極角を84度、方位角を45度とする条件下でのリタデーション値とコントラスト比との関係を示している。
液晶層13における液晶分子は長軸方向と短軸方向とで屈折率が異なるため、正のリタデーションを発生させる。一方、傾斜Cプレート24は負のリタデーションを発生させる。しかしながら、液晶層13に用いられる液晶の種類によって最適なリタデーションが異なるため、傾斜Cプレート24のリタデーション値を変化させた場合、所定のリタデーション値においてコントラストが極大値となる。このシミュレーション結果では、図20に示すように、リタデーション値が約0.3μmにおいてコントラストが最大になることが確認された。
[視野角特性について]
図21は、本技術に係る傾斜Cプレート24無しの場合の視野角特性を示す図である。図22および図23は、本技術に係る傾斜Cプレート24有りでそれぞれ極角が90度、85度の場合の視野角特性を示す図である。
図21から図23では、TFT基板11の表面側から光を入射させたときの光強度分布を等輝度曲線で示している。各図において中心側に向かうほど光強度が強く、外側に向かうほど光強度が弱い。
図21から図23に示すように、傾斜Cプレート24(光学補償板)が無い場合に比べて、傾斜Cプレート24が有る場合の方が正面からのコントラスト比が高く、上下左右のみならず、斜め方向からの視野角特性が向上していることがわかる。また、図22と図23とを比較すると分かるように、傾斜Cプレート24の極角をプレチルト角に応じた角度に設定することによって、さらに正面からの視野角特性を向上させることができる。
以上説明してきたように、本技術によれば、ポジティブCプレートとしてモデル化できるプレチルト角を有する液晶と、TFT基板11と対向基板12のうち一方の基板内に傾斜させた傾斜面上に、無機膜により形成したネガティブCプレートを組み合わせることにより、高コントラスト化を実現することができ、さらにプロジェクタ等の投射機のコンパクト化と量産容易性の確保と併せて実現することができる。
本実施形態では、液晶表示装置として液晶プロジェクタ装置を例に挙げたが、液晶パネルを備えて構成された液晶表示装置であれば、他の装置(テレビジョン装置、デスクトップ型のパーソナルコンピュータのモニタ装置、ノート型パーソナルコンピュータ、液晶表示装置を有するビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像装置、PDA、携帯電話機)にも適用することができることは無論のこと、液晶パネルを備えて構成された液晶表示装置を有する種々の電子機器にも広く用いることができる。
なお、本技術は、以下のような構成を取ることができる。
(1)TFT基板と、前記TFT基板に対向する対向基板と、前記TFT基板と前記対向基板とに挟持される液晶層と、前記TFT基板と前記対向基板のうち一方の基板内に形成された傾斜面と、前記傾斜面の上に配置され無機膜からなる光学補償層と、を備えた液晶表示装置。
(2)前記傾斜面は、前記TFT基板内に設けられるマトリクス状の各画素毎に形成される前記(1)に記載の液晶表示装置。
(3)前記TFT基板内に設けられるマトリクス状の各画素のうち画素行毎または画素列毎に形成される前記(1)に記載の固体撮像素子。
(4)前記光学補償層の上に更に無機膜を形成し、形成された前記無機膜を平坦化する前記(1)から(3)のいずれかに記載の液晶表示装置。
(5)前記傾斜面の傾斜角は、プレチルトが付与された前記液晶層内の液晶分子の軸方向に対して直交するように設定される前記(1)から(4)のいずれかに記載の液晶表示装置。
(6)前記TFT基板または前記対向基板のうち少なくとも一方の基板にマイクロレンズが搭載され、該マイクロレンズと前記液晶層との間に前記光学補償層を配置した前記(1)から(5)のいずれかに記載の液晶表示装置。
(7)TFT基板と、前記TFT基板に対向する対向基板と、前記TFT基板と前記対向基板とに挟持される液晶層と、を備えた液晶表示装置の製造方法であって、前記TFT基板と前記対向基板のうち一方の基板内に傾斜面を形成する工程と、前記傾斜面の上に無機膜からなる光学補償層を配置する工程と、を含む液晶表示装置の製造方法。
1 液晶プロジェクタ装置(液晶表示装置)
11 TFT基板
12 対向基板
13 液晶層
22A 傾斜面
24 傾斜Cプレート(光学補償層)
24a 傾斜面
24b 傾斜面
25 SiO膜(無機膜)
29 マイクロレンズ
111 液晶パネル

Claims (7)

  1. TFT基板と、
    前記TFT基板に対向する対向基板と、
    前記TFT基板と前記対向基板とに挟持される液晶層と、
    前記TFT基板と前記対向基板のうち一方の基板内に形成された傾斜面と、
    前記傾斜面の上に配置され無機膜からなる光学補償層と、
    を備えた液晶表示装置。
  2. 前記傾斜面は、前記TFT基板内に設けられるマトリクス状の各画素毎に形成される請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記傾斜面は、前記TFT基板内に設けられるマトリクス状の各画素のうち画素行毎または画素列毎に形成される請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 前記光学補償層の上に更に無機膜を形成し、形成された前記無機膜を平坦化する請求項1に記載の液晶表示装置。
  5. 前記傾斜面の傾斜角は、プレチルトが付与された前記液晶層内の液晶分子の軸方向に対して直交するように設定される請求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 前記TFT基板または前記対向基板のうち少なくとも一方の基板にマイクロレンズが搭載され、該マイクロレンズと前記液晶層との間に前記光学補償層を配置した請求項1に記載の液晶表示装置。
  7. TFT基板と、
    前記TFT基板に対向する対向基板と、
    前記TFT基板と前記対向基板とに挟持される液晶層と、を備えた液晶表示装置の製造方法であって、
    前記TFT基板と前記対向基板のうち一方の基板内に傾斜面を形成する工程と、
    前記傾斜面の上に無機膜からなる光学補償層を配置する工程と、
    を含む液晶表示装置の製造方法。
JP2012037656A 2012-02-23 2012-02-23 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法 Pending JP2013174649A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012037656A JP2013174649A (ja) 2012-02-23 2012-02-23 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012037656A JP2013174649A (ja) 2012-02-23 2012-02-23 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013174649A true JP2013174649A (ja) 2013-09-05

Family

ID=49267626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012037656A Pending JP2013174649A (ja) 2012-02-23 2012-02-23 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013174649A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018042912A1 (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 ソニー株式会社 光学補償素子、液晶表示装置および投射型表示装置
WO2019163486A1 (ja) * 2018-02-20 2019-08-29 ソニー株式会社 光学補償素子、液晶表示装置および投射型表示装置
JP2019148684A (ja) * 2018-02-27 2019-09-05 セイコーエプソン株式会社 液晶装置、電子機器、および液晶装置の駆動方法
JP2019148736A (ja) * 2018-02-28 2019-09-05 セイコーエプソン株式会社 液晶装置、電子機器、および液晶装置の製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018042912A1 (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 ソニー株式会社 光学補償素子、液晶表示装置および投射型表示装置
JPWO2018042912A1 (ja) * 2016-08-30 2019-07-11 ソニー株式会社 光学補償素子、液晶表示装置および投射型表示装置
US10877197B2 (en) 2016-08-30 2020-12-29 Sony Corporation Optical compensation device, liquid crystal display unit, and projection display apparatus
WO2019163486A1 (ja) * 2018-02-20 2019-08-29 ソニー株式会社 光学補償素子、液晶表示装置および投射型表示装置
JPWO2019163486A1 (ja) * 2018-02-20 2021-03-18 ソニー株式会社 光学補償素子、液晶表示装置および投射型表示装置
US11054702B2 (en) 2018-02-20 2021-07-06 Sony Corporation Optical compensation device, liquid crystal display unit, and projection display apparatus
JP7200984B2 (ja) 2018-02-20 2023-01-10 ソニーグループ株式会社 光学補償素子、液晶表示装置および投射型表示装置
JP2019148684A (ja) * 2018-02-27 2019-09-05 セイコーエプソン株式会社 液晶装置、電子機器、および液晶装置の駆動方法
US10606127B2 (en) 2018-02-27 2020-03-31 Seiko Epson Corporation Liquid crystal apparatus, electronic apparatus, and method for driving liquid crystal apparatus
JP2019148736A (ja) * 2018-02-28 2019-09-05 セイコーエプソン株式会社 液晶装置、電子機器、および液晶装置の製造方法
US10598989B2 (en) 2018-02-28 2020-03-24 Seiko Epson Corporation Liquid crystal apparatus and electronic apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11126042B2 (en) Horizontal electric field type display panel, method of manufacturing the same, and display device
TWI382207B (zh) 彩色濾光基板、多視液晶顯示裝置及彩色濾光基板的製作方法
US20160238886A1 (en) Liquid crystal display panel and fabrication method
CN211014954U (zh) 液晶显示面板、对向基板及液晶显示装置
US8908135B2 (en) Manufacturing apparatus, manufacturing method, optical element, display device, and electronic apparatus
JP2007163722A (ja) 液晶装置とその製造方法、位相差板、及び電子機器
JP2009015204A (ja) 表示装置
JP2013174649A (ja) 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法
US9921435B2 (en) Electro-optical device and electronic apparatus
JP5737854B2 (ja) 液晶表示装置
JP2012155068A (ja) 表示パネル、表示装置および電子機器
US11994774B2 (en) Electro-optical device, electronic apparatus, and projector
JP2021051132A (ja) 液晶装置および電子機器
US10942388B1 (en) Liquid crystal device and electronic apparatus
JP5664102B2 (ja) 液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器
JP2015011344A (ja) アクティブマトリクス構造および液晶表示パネル
JP2008083324A (ja) 液晶表示装置及び電子機器
JP2008089685A (ja) 液晶表示装置及び電子機器
US20180120649A1 (en) Liquid crystal device and electronic apparatus
JP2013068874A (ja) 液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器
US20240192543A1 (en) Liquid crystal display panel and method of manufacturing the same, and display apparatus
US11614651B2 (en) Liquid crystal device and electronic apparatus
JP5376417B2 (ja) 半透過型液晶表示パネル
US20210141268A1 (en) Liquid crystal device and electronic apparatus
JP2008165043A (ja) 液晶表示素子