JP2013174147A - 堰上げ装置、堰上げ装置を備えた水車装置及び水車装置の設置方法 - Google Patents

堰上げ装置、堰上げ装置を備えた水車装置及び水車装置の設置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固定式の水車に対して、回転率を向上させることができる堰上げ装置及びこの堰上げ装置を備えた水車装置を提供すること。
【解決手段】水路又は河川等の一定方向への水流を有し、水車の上流側に配置される堰上げ装置10において、
少なくとも水流の一部を堰上げ可能であって、水車90の車輪部92の直径の10分の1以下の開口αを水底との間に形成可能な堰上げ部材11と、前記開口αの高さを調節するために、前記堰上げ部材11の下端部の高さを調節可能な高さ調節部材と、備え、
前記堰上げ部材11によって堰上げされた水を開口αから流出して水車を回転させることとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、堰上げ装置、この堰上げ装置を備えた水車装置及び水車装置の設置方法に関する。
従来、河川に固定して設置し、川の流れを利用した水車の場合、水車は常に変化する水面に対応する事が難しく、水力を効率的に回転エネルギーとして取り出すことができないという課題があった。
これに対し、水車を川等に固定するのではなく、水車自身を水に浮く構造とするか、もしくは、水車を水に浮く様にフロートや舟に取付ける構造とし、常に水面に一定の喫水で浮上する構造とすることで、これを解決したものがある。この構造は、水車が河川等の水位の変化に追従して常に一定位に浮上させることができ、増水等で水位が上昇しても一定の力で駆動することができる点で有効である(特許文献1)。
しかし、フロート式の水車では、水車の位置が上下に移動し、安定しないため、発電機等を取り付けることが困難であるという課題があった。また、水車の受板の先端から水路の底との距離は、水位が高くなる分だけ離れてしまうため、受板に行く手を阻まれたとき受板に当たった水が受板を押すのではなく、受板を迂回して流れる現象が起こるため流量の割に水車の回転に繋がらないこととなった。さらに、あくまで自然の水の流れによる水圧でのエネルギーしか得られないため、多くの水量を使用する割に回転力が弱いという課題があった。
また、水路に固定して流れる水に水車の下部を浸漬けする水車においても、フロート式の水車と同様に流れる水が固定式の水車の受板に当たった場合に、水車の回転を促す前に水車と左右の水路壁との間の隙間に流れ込んで拡散する水量が多く、流れる水のエネルギーの多くが水車の回転に繋がらない結果となっている。このように固定式の水車においても、水の流体エネルギーを有効に回転エネルギーに変換する際に、多くのエネルギーを無駄にしているという課題があった。
特開2001−263217号公報
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、本発明者による数多くの水車実験により発明された新技術であり、水路に安定して取り付けられる固定式の水車に対して、通常の水流を当てるより回転率を向上させることができる堰上げ装置及びこの堰上げ装置を備えた水車装置を提供することを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の堰上げ装置は、水路又は河川等の一定方向への水流を有する水路に設置された水車の上流側に配置される堰上げ装置において、
上流側の水流の少なくとも一部を堰上げ可能で、前記水車の車輪部の底部から車輪部の直径の10分の1上方の位置より下方に配置可能であって、かつ常に下端部と底面との間に開口が形成される堰上げ部材と、堰上げ部材下端部と底面とで形成される開口の高さを調節するために、前記堰上げ部材の下端部の高さを調節可能な高さ調節部材と、を備え、
前記堰上げ部材によって堰上げされた水が水圧を受けて開口から流出する水を水車の受板に当てて水車を回転させることを特徴とするものである。
本発明の堰上げ装置は、川や水路等に設置し、本来の川や水路等の水面の高さを水車の回転に最適な高さの水面に調整した上で、堰上げにより水圧を増加させた水を堰上げ装置の開口部を通過させて水車の受板に水流を当てる堰上げ装置である。水車は、水車の下方側となる水車の羽根の受板の先端部に水流を当てると回転効率がよくなる。そこで、本発明は、水流の水面の高さを水車の車輪底部から直径の10分の1以下の範囲まで低くした状態で水車に水流を提供し、水車の回転効率を向上させたものである。また、本発明の堰上げ装置よりも上流側の水面を本来の水面より高く堰上げすることで、堰上げ部材の下端部の開口に本来の自然な流れの水流による水圧よりも高い水圧を発生させ、より強い水勢で開口を流し、より強い水勢を受板に当てることができる。そのため、通常より少ない流量で水車を効率よく回転させることができる。
また、本発明の堰上げ装置において、水路又は河川等の一定方向への水流を有する水路に設置された水車の上流側に配置される堰上げ装置において、
上流側の水流の少なくとも一部を堰上げ可能で、前記水車の車輪部の底部から車輪部の直径の10分の1上方の位置より下方に配置可能であって、かつ常に下端部と底面との間に開口が形成される堰上げ部材と、堰上げ部材下端部と底面とで形成される開口の高さを調節するために、前記堰上げ部材の下端部の高さを調節可能な高さ調節部材と、を備え、
前記堰上げ部材によって堰上げされた水を前記水車の車輪部の直径の10分の1以下の開口から流出する水勢を当てて水車を回転させるものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、堰上げ装置を備えた水車を設置することを検討する際に、設置しようとする河川の流量などの河川条件が未定であり、その流量に応じた水車の直径が決まらない場合であっても、堰上げ装置を予め製造することができ、前記堰上げ部材の下端部の高さを調節可能な高さ調節部材により、堰上げ装置は製造後であっても直径が決まった水車の直径に応じて設置することができる。そのため、水流を水車の直径の10分の1以下に効率的に水流を当てることができる。すなわち、水車は、水車底部から水車の直径の10分の1以下の範囲に水流を当てると最も回転効率がよくなる。そこで、本発明は、堰上げ装置の開口を通過した水流の水面の高さを水車の車輪部底部か車輪部の直径の10分の1以下の範囲まで低くした状態にし、水車に対して車輪部底部から水車の直径の10分の1以下の範囲に水流を提供するものである。これにより、水車の回転効率を向上させることができる。また、本発明の堰上げ装置よりも上流側の水面を高く堰上げすることで、水車底部から水車の直径の10分の1以下の範囲に、本来の水流の水圧よりも高い水圧で水を流し、より強い水勢を受け板に当てることによって、少ない流量の水を使用してさらに水車を効率よく回転させることができる。
さらに、本発明の堰上げ装置において、前記堰上げ部材の下方には、前記開口を通り抜けた後の流れの方向を安定させ、乱流を抑制する1又は2以上の整流板が備えられていてもよい。かかる構成を採用することで、開口に備えた整流板を通過した後の水の乱流を抑制することができ、水車の受板に向かう水の方向を安定させ、効率よく回転方向に力を当てることができる。そのため、水車をいっそう効率よく回転させることができる。
さらに、本発明の堰上げ装置において、前記堰上げ部材の下方に設けられた1又は2以上の前記整流板は、前記堰上げ部材から下流方向又は上流方向若しくはその両方向に延伸して設けられていてもよい。かかる構成を採用することによって、整流板は上流から下流に向かって板長が長いほど整流板を通過した後の下流側出口から放流されてからの流れの方向性を安定させることができる。そのため水車の受板に対して効率よく水を当てることができるようになり、水車を少ない水で効率よく回転させることができる。また、上流側へ延伸した整流板の長さが、空き缶等の浮遊物の長さよりも長い場合には、水路の流量が減少し、水位が下がったときに、堰上げ部材に流れ着いていた浮遊物が整流板の上にすくい採られるように回収されるため、開口に流れ込んだり詰まったりすることを防ぐことができる。
さらに、本発明の堰上げ装置において、前記整流板によって形成される流路は、上流側から下流方向に向かい流路面積が狭くなるように設けられていてもよい。かかる構成を採用することによって、整流板を流れる水流の勢いを徐々に増すことができ、また、水流の方向を調整することもできる。そのため水車の受板に対して効率よく水を当てることができるようになり、水車を効率よく回転させることができる。
さらに、本発明の堰上げ装置において、前記堰上げ部材の外周の天端は、堰上げすぎた水を流下させるための越流部を形成し、前記越流部の下流側下方に越流部用整流板が下流方向に延伸して備えられていてもよい。かかる構成を採用することによって、流路の流量が増大し堰上げ装置が水を阻みすぎて流路外に溢れ出すことを防ぐことができる。また、この越流部を越流して流下する水も越流部用整流板で受け止めて水車の車輪方向へ放出することによって、さらに、水車に回転方向の力を与えることができる。
さらに、本発明の堰上げ装置において、前記堰上げ部材は、堰上げ板とこの堰上げ板の上方部分に外周枠とからなり、前記外周枠の天端を形成する天端外周枠と、堰上げ板の天端との間に越流部となる空間を形成してなり、前記越流部の下流側下方に越流部用整流板が下流方向に延伸して備えられていてもよい。かかる構成を採用することにより、堰上げ部材の上方であって、堰上げ部材の面に越流部が設けられ、同様に、流路の流量が増大し堰上げ装置が水を阻みすぎて流路外に溢れ出す洪水を防ぐことができる。また、この越流部を越流して流下する水を越流部用整流板で受け止めて水車の車輪へ放出することによって、さらに、水車に回転方向の力を与えることができる。
さらに、本発明の堰上げ装置において、前記堰上げ部材は、少なくとも2枚以上の堰上げ板を備え、底面が最下部に位置する最下部堰上げ板は底面との間で開口を形成し、前記堰上げ板以外の堰上げ板のうち、最上部に位置する堰上げ板の天端は越流部を形成し、最下部堰上げ板が上方へ移動する際には、上方の所定の位置に保持されている他の堰上げ板の下面を支持して他の堰上げ板を上方へ移動させることが可能であり、また、最下部堰上げ板が上方から底面方向へ移動する際には、同時に他の堰上げ板の下面を支持して下方へ移動し、他の堰上げ板をそれぞれ所定の位置に配置保持しつつ底面方向へ移動することが可能であるものであってもよい。かかる構成を採用することによって、開口部の大きさを調節するために最下部の堰上げ板の高さを上下に移動した場合であっても、堰上げ部材を分割して複数枚の堰上げ板の組合せにより構成していることにより、最下部の堰上げ板を上方向へ移動する場合でも越流部を備える最上部の堰上げ板の位置に達しない限り越流部の高さを保持し続けることが出来る。このことにより、ゲリラ豪雨などで水路の流量が急激に増加した場合においても越流部の高さが保持されているため増水した水が越流部を流下して行く。そのため水路から溢れて洪水をおこす危険性が少ない。これに対し一枚ものの堰上げ板で構成される堰上げ部材は、開口部を大きくするため堰上げ板を上に移動すると越流部も同時に上へ移動し高い位置になるので急激な増水時に越流部からの自然流下が遅れるか、又は水路壁の天端高さより高い位置に越流部があると流下して来る水が水路の外へ氾濫することになるためこれを防ぐことが出来る。
さらに、本発明の堰上げ装置において、前記堰上げ部材は、少なくとも2枚以上の堰上げ板を備え、底面が最下部に位置する最下部堰上げ板は、底面に整流板を備えるとともに、底面との間で開口を形成し、前記堰上げ板以外の堰上げ板のうち、最上部に位置する堰上げ板の天端は越流部を形成し、最下部堰上げ板が上方へ移動する際には、整流板によって他の堰上げ板の下面を支持して他の堰上げ板を上方へ移動させてなるものであってもよい。かかる構成を採用することによって、底面の整流板によって他の堰上げ板を支持することができるので、整流機能と他の堰上げ板の移動手段との両方の機能を整流板に持たせることができ、上述と同様の効果を有することができる。
また、本発明の堰上げ装置において、前記堰上げ部材は、垂直に立設されてなり、かつ垂直方向へ移動可能な板状部材であってもよい。かかる構成を採用することによって、板状部材を上下すれば、開口の範囲を変更することができ、日々の水量に合わせて開口から流出させる水の量を調整することができる。
さらに、本発明の堰上げ装置において、前記堰上げ部材は、上方が上流側に傾斜して成り、かつ傾斜方向へ移動可能な板状部材であってもよい。かかる構成を採用することによって、板状部材を上下すれば、開口の範囲を変更することができ、日々の水量に合わせて開口から流出させる水の量を調整することができる。また、傾斜した板状部材を用いることにより、開口を形成する堰上げ部材の下端部を水車の車輪の外周に近づけることができるため、より効率的に水車の受板に水流を当てることができるようになり、水車を効率よく回転させることができる。
さらに、本発明の堰上げ装置において、前記堰上げ部材は、前記水車の中心を軸に回転可能な回転軸に取り付けられた板状部材であってもよい。かかる構成を採用することによって、堰上げ部材を回動すれば、開口の範囲を変更することができ、日々の水量に合わせて開口から流出させる水の量を調整することができる。また、水車の中心を軸として回転可能に設けることによって、板状部材が水車の外周に沿って移動することになるため、開口を形成する堰上げ部材の下端部と水車との距離を一定した短い距離で保つことができる。そのため、より効率的に水車の受板に水流を当てることができるようになり、水車を効率よく回転させることができる。
さらに、本発明の水車装置は、前述の堰上げ装置と、下流に設置される水車を備えたことを特徴とする。かかる水車装置は、前述した効果を有する水車装置を提供することができる。
さらに、本発明の水車装置において、前記開口から放出された水が水車の受板に当たって左右に拡散されるのを防止するため、少なくとも水車の受板の左右と水路壁との間に設置される流水拡散防止部材が備えられていてもよい。かかる構成を採用することによって、水車の受板と左右の水路壁との間に隙間があった場合に受板に当たった水は受板を押すより先に左右に分散して隙間から流下して水車を回さない現象が発生することを防止することができる。すなわち、流水拡散防止部材は、堰上げ装置により勢い良く水車の受板に当てられた水が受板の左右外側に迂回しないように、水車と水路壁との隙間を閉ざして水漏れを防止して水車の回転を効率よくすることを特徴とするものである。この流水拡散防止部材は、受板の左右側面に板材が備えられていて、その受板を左右から挟む構造の水車に備えられた場合であっても同様に効果を表すことが確認されている。
さらに、本発明の堰上げ装置において、前記水車の水車位置の下流側に段差を設けて、下流方向へ続く低く形成された低底部を形成してもよい。かかる構成を採用することによって、水車の下流側で水位が下がるため、水車の回転を阻む水の滞留を防止でき、水車の回転を阻む可能性を軽減することができ、水車の回転を潤滑に促すことができる。
さらに、本発明の水車装置において、前記水車の回転エネルギーを利用した発電機、除塵機等の機械装置を備えてもよい。これにより、水車エネルギーを利用可能なエネルギーに変換することができる。
また、本発明の水車装置の設置方法は、前述した堰上げ装置を、水車の上流側に設置し、前記堰上げ部材を前記水車の車輪の直径の10分の1以下の開口を水底との間に設置し、前記水車の車輪の受板のうち、水車の外周から直径の10分の1以下に水勢を当てるものである。また、水車の車輪の外周と水底との間が離れている場合には、前述のフロート式水車と同様の現象が生じて水車の受板に当たった水が受板を避けて迂回してしまうことで流量の割に回転効率が低下するため、水車の直下の水底を嵩上げすることで、水車の外周と水底との間に隙間がなくなるため、水車の受け板にほとんどの水を当てることができ、水車の回転を促すことが可能になる。かかる方法で水車を設置することによって、前述した効果を有する水車装置を設置することができる。
ここで、本発明が既存の「分水ゲート」と大きく相違する点について説明すると、従来の分水ゲートは水路が2つ以上に分かれているときに所望の方向へ水を流すために他方の分水ゲートを閉鎖して使用する。すなわち水の流れを完全に止めることが目的とする機能であった。これに対し、本発明の「堰上げ装置」は堰上げ部材の下方に開口を設けている。堰上げにより水圧を増した水が開口を通過して下流側へ勢いよく噴出させて、水車の羽根の先端の受板部に当てることで、効率よく水車を回転させることが特徴である。堰上げ部材の枠内の上部には分水ゲートにはない越流部(開口)設けられて、その越流部の下流側の直下部の堰上げ板には水車方向へ延伸した整流板が設けてあるなど、本技術が水車の上流部に設けることを特徴とし、堰上げることで水圧を増した水を「堰上げ装置」の下部に設けた開口部を通過させ水車の受板に当てて水車を回したり、堰上げ部材の上部に設けた越流部を通過した水を越流部用水勢板の上を流下させて水車の羽根の受板に当てて水車を回したりすること等、水車の回転効率の上昇を目的としている。
図1は、第1実施形態にかかる水車装置100の構成の概略を示す側面図である。 図2は、第1実施形態にかかる水車装置100の各構成の概略を示す正面図である(但し、水車の車輪は省略してある。) 図3は、第2実施形態にかかる水車装置100の構成の概略を示す側面図である(但し、流水拡散防止部材は省略してある。) 図4は、第3実施形態にかかる水車装置100の構成の概略を示す側面図である(但し、流水拡散防止部材は省略してある。) 図5は、第4実施形態にかかる水車装置100の構成の概略を示す側面図である(但し、流水拡散防止部材は省略してある。) 図6は、第4実施形態にかかる水車装置100を深い水底を有する水路に設置した際の構成の概略を示す側面図である(但し、流水拡散防止部材は省略してある。) 図7は、第5実施形態にかかる水車装置100の構成の概略を示す側面図である(但し、流水拡散防止部材は省略してある。) 図8は、第5実施形態にかかる水車装置100の構成の概略を示す正面図である(但し、流水拡散防止部材は省略してある。)。 図9は、第5実施形態にかかる流下方向調節用整流板52を説明するための模式図である。 図10は、第6実施形態にかかる堰上げ装置の構成の概略を示す側面図である。 図11は、第7実施形態にかかる水車装置100の構成の概略を示す側面図である(但し、流水拡散防止部材は省略してある。) 図12は、第8実施形態にかかる水車装置100の構成の概略を示す、正面図、平面図及び側面図である。 図13は、第1実施形態から第7実施形態までの水車装置100の設置方法の別実施形態を示す平面図及び正面図である。
上記、本発明の堰上げ装置及び堰上げ装置を備えた水車装置の実施形態について。図面に基づいて、詳細に説明する。なお、水車装置を説明することにより、堰上げ装置も同時に説明がなされている。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。以下の実施形態においては、川に設置される堰上げ装置及び堰上げ装置を備えた水車装置を例として説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態にかかる堰上げ装置を備えた水車装置100は、図1に示すように、主として、堰上げ装置10と、水車90を備えている。
堰上げ装置10は、図1及び図2に示すように、水路を形成する水路壁70の間に配置される装置であり、主として、堰上げ部材11、この堰上げ部材11を可動させる高さ調節部材30、堰上げ部材11及び高さ調節部材30を固定する固定枠40と、水流を整流化させる整流板50、水路壁70と堰上げ部材11との間の隙間を塞ぐための流水拡散防止部材60と、を備えている。
堰上げ部材11は、平板状の板状部材であり、木、鉄、ステンレス等で作製される。堰上げ部材11は、川の水流の上流側を堰き止めて、上流側の川面の本来の水面80(堰上げ装置が存在しなかった場合の水面80)の高さよりも高く形成するとともに、川の底面側に川の本来の流れよりも小さい断面面積を有する開口αを形成できる。そのため、開口αには、本来の水面より高くなった水面82から受ける水圧の増した水を開口αから流すことができる。そのため、本来の川の水面より低い水面83を有する勢いの増した水流を水車に当てることができる。
高さ調節部材30は、図2に示すように堰上げ部材11を上下方向に可動させるための部材であり、堰上げ部材11に連結される連結部材31と、この連結部材31を上下させて上下位置を固定するハンドル部32と、このハンドル部32を固定する固定支持枠33とを有する。連結部材31は、略垂直方向に立設して設けられる棒状部材であり、一端が堰上げ部材11に対して回動可能に軸支されてなり、他端側にはねじ溝が切られている。ハンドル部32は、この連結部材31のねじ溝に嵌合するねじ溝を中心に有する円形のハンドル形状をなし、このハンドルを回すことによって、前記ねじ溝によって連結部材31との相対位置を変更することができる。固定支持枠33は、後述する固定枠40に固定されており、ハンドル部32を支持している。よって、ハンドル部32は、高さが固定されている固定支持枠33に支持されて高さ位置を変更することができないので、連結部材31の高さを変更することができる。
固定枠40は、前述した堰上げ部材11及び高さ調節部材30を所定の位置に固定する枠体である。固定枠40は、堰上げ部材11を垂直方向以外に可動することがないように固定し、一方で、垂直方向には自在に移動可能に固定する。具体的には、固定枠40の両側側面の内側に溝がそれぞれ設けられており、その溝内に堰上げ部材11が挿入されている。
整流板50は、開口αに設置されて激しくなった水流が乱流化するのを防止し、整流を水車90の受板91目掛けて放流する機能と、水流の方向を調整する機能を有する。整流板50は、開口αの領域から上流方向及び下流方向へ延伸する板状に形成されてなり、開口αを横断するように形成される。整流板50と川の底面との間の開口αが上流から下流に渡って順次面積が小さくなるように、下流に向かって低くなるように傾斜して設けられている。これにより、図1の矢印に示すように開口αを通過する水流の水勢を次第に増すことができる。
流水拡散防止部材60は、左右の水路壁70と、堰上げ部材11及び水車90の左右端部との隙間から水が流れると開口αの水勢が極端に衰えるため、これを防ぐために設けられるものであり、堰上げ部材11と水路壁70との間に水流が拡散して流れるのを防止するため、堰上げ部材11から水車90まで、それぞれ堰上げ部材11及び水車90の左右に、水車との隙間が1cmから10cm以内となるように壁面に形成される。また流水拡散防止部材60の全体、又は回転する水車に接する部分のみをゴム質など柔軟な素材を使用することで水車との隙間を0cmにすることも可能である。
一方、水車90は、図1に示すように、水路の幅と同じように設けられた堰上げ部材11の幅とほぼ同様又は若干大きな幅を有するように形成され、上述した堰上げ装置10の下流側に配置される構造でもよく、水路幅の一部分を使用した水車の幅で設置されてもよい。この場合でも水車を設置する幅以外の水路であっても堰上げ現象を起こすこができる。水車の幅部分は堰上げ部材の下部が開口部となっていて、流水拡散防止部材60を備えることで水車の回転効率を高める構造は共通している。水車90は、受板91を備えた車輪部92と、車輪部92の中心を軸支する軸支部材93と、車輪部92の中心に設けられたベルト受部94と、このベルト受部94にかけられたベルト95と、このベルト95によって発電する発電機96を有している。
車輪部92は、水流を受ける受板91が複数配置された車輪状に形成されてなり、中心軸を軸支する軸支部材93によって中心が軸支されて、自由に回転可能に形成されている。受板91は、堰上げ装置10によって、水勢が増された水流を受けて車輪部92に回転の力を与えるためのものであり、板状の部材が中心から車輪部92の円周方向に向かって延設されている。車輪部92の中心近傍には、車輪部92に固定されて車輪部92の回転と同様の回転をするベルト受部94が取り付けられている。このベルト受部94の回転は、ベルト受部94にかけられたベルト95を通じて発電機96に回転力を伝えることができ、この発電機96によって回転エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
また、流水拡散防止部材60は、左右の水路壁70と水車90の左右の端部との隙間から水が流れると水流が拡散して水車90を回すエネルギーが拡散することになる。そこで、これを防止するため、左右の水路壁70と水車90との左右の隙間にこれらを覆うような壁面状に形成される。
以上のように構成された水車装置100は、堰上げ装置10の堰上げ部材11の下端部の位置を調整することによって、堰上げ装置10下方に形成される開口αの面積を調整することができる。これにより、堰上げ装置10より上流側の水面は堰上げ現象により、本来の川の水面よりも高い水面を有することになる。そのため、もともと川の全体の流水断面よりもはるかに小さく形成されている開口αから水勢の増した水流を流すことができることに加え、より高い水面によって、本来の水面の高さより受ける水圧より高い水圧となることから、さらに水勢の増した水流を放流することができる。
また、第1実施形態にかかる堰上げ部材11は、上げ装置を備えた水車を設置することを検討する際に、設置しようとする河川の流量などの河川条件が未定であり、その流量に応じた水車の直径が決まらない場合であっても、堰上げ装置を予め製造する事ができ、前記堰上げ部材の下端部の高さを調節可能な高さ調節部材により、堰上げ装置は製造後であっても直径が決まった水車の直径に応じて設置することができることで、前記水車の車輪部の底部から車輪部の直径の10分の1上方の位置より下方に配置できるので、水流を車輪の底部から車輪の直径の10分の1以下に当てるように調整することができる。車輪部92を最も効率よく回転させられるのは車輪部92の円周から直径の10分の1の長さの範囲以下であることから、この範囲に堰上げ部材11を調整することにより、最も効率よく車輪部92を回転させることができる。
さらに、水勢が増すと、乱流が発生する可能性が高くなるが、乱流が発生すると、乱流の渦により水車に回転する方向と反対の方向の力も加わるため、回転力が落ちる可能性がある。しかし、第1実施形態においては、整流板50が設置されているため、乱流の発生する可能性を減らすことができる。そのため回転力が落ちる可能性を低減することができる。
さらに、本第1実施形態においては、流水拡散防止部材60が設けられているので、水流を余すことなく水車90の受板91に当てることができる。すなわち、水車90の受板91の左右端部と左右の水路壁70との間に隙間があると、受板91に当たった水は受板91を押すより先に左右に分散して水路壁70との隙間から流下して水車を回さない現象が発生する。これは、車輪部92の部材が重い材質である場合にこの現象が顕著に現れる。しかし、流水拡散防止部材60によって、水流が左右に分散して隙間から流下することを防止することができるので、水流のエネルギーを効率よく受板91に伝えることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態にかかる水車装置100について、図3に基づいて詳細に説明する。第2実施形態にかかる水車90は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。第2実施形態にかかる堰上げ装置10の堰上げ部材11は、下端側が上端側に対して下流側に配置されるように傾斜して設けられており、傾斜した堰上げ部材11は、板状平面に沿って上方に斜めに移動可能に形成されている。また、整流板50が堰上げ部材11の下端に設けられている。その他の点は第1実施形態と同様である。
かかる構成を採用することによって、この第2実施形態にかかる堰上げ部材11は、第1実施形態にかかる堰上げ部材と比較して、可動範囲において、仮想線81に示すように、水車90の受板91により近い位置に設置することができる。そのため、より効率よく水流を水車90の受板91に当てることができ、より効率的に車輪部92を回転させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態にかかる水車装置100について、図4に基づいて詳細に説明する。第3実施形態にかかる水車90は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。第3実施形態にかかる堰上げ装置10は、堰上げ部材11が、車輪部92の半径より若干大きい半径を有する円弧状の断面からなる板に形成される。堰上げ部材11、両側に堰上げ部材11に対して垂直に配置された円弧状板12が取り付けられている。さらに堰上げ部材11は、水車90の車輪部92の中心と回動可能に軸支された回転軸97に取り付けられている。堰上げ部材11は、略上方に引き上げることができるように高さ調節部材に取り付けられたワイヤー34に連結されている。そのため、堰上げ部材11は、ワイヤー34を引き上げることにより、車輪部92の円周に沿うように移動可能となる。
かかる構成を採用した第3実施形態によれば、堰上げ部材11の可動によって、堰上げ部材11の下端部と車輪部92との円周との距離が変わることなく、堰上げ部材11の下端部を近い位置に一定した距離で設置することができる。そのため、より効率よく水流を水車90の受板91に当てることができ、よりいっそう効率的に車輪部92を回転させることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態にかかる水車装置100について、図5に基づいて詳細に説明する。第4実施形態にかかる水車90は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。第4実施形態にかかる堰上げ装置10は、第2実施形態にかかる堰上げ装置10に対して、整流板が2枚(50a、50b)取り付けてある点が異なる。その他の構成は実施例2と同様である。
第4実施形態にかかる整流板50は、主として水車90の車輪部の外周が水底から離れている場合に採用するものであり、第2実施形態にかかる第1整流板50aの下方に、下流側が上流側に対して高い位置にあるように傾斜して設けられた第2整流板50bを備える点が異なる。かかる第2整流板50bを設けることによって、第1整流板50aと第2整流板50bとの間の開口βは、下流側に向かって狭くなるように形成されるので、さらに、水勢を増した水流を水車90の受板91に当てることができる。また、第1整流板50aと第2整流板50bの傾き加減を調整することで、図5の矢印のように、水流の方向を変更することができるため、より最適な受板の位置に水流を当てることができる。そのため、より効率的に車輪部92を回転させることができる。また、水車90の車輪部92が底面から比較的高い位置に配置されている場合であっても、図6に示すように、整流板50の長さや角度を調整することによって、車輪部の底部10分の1の範囲に効率的に水流を当てることができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態にかかる水車装置100について、図7、図8に基づいて詳細に説明する。第5実施形態にかかる水車90は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。図8に示すように、第5実施形態にかかる堰上げ部材11は、堰上げ板11aとこの堰上げ板11aの外周に形成される外周枠11bからなる。この外周枠11bの天端部分である天端外周枠11cと堰上げ板11aとの間には空間が形成され、この空間が越流部86を形成する。この堰上げ部材11の外周に形成される外周枠11bの内側で堰上げ板11aの上部に設けた越流部86と越流部用整流板51を有することを特徴としている。この越流部86の下流側下方に板状の越流部用整流板51が設けられている。
越流部86は、堰上げ装置11の下部に設けた開口部αからの噴出量と上流側から自然流下してくる流量とのバランスが崩れたり、増水時に水路の流量が増大し堰上げ装置10が水を阻みすぎて流路外に溢れ出したりすることによる洪水を防ぐため、堰上げ部材11の外周枠11b内の上部に水路壁70の天端より低い越流路を設けたものである。この部分を越流して流下する水を越流部用整流板51で受け止めて水車90の車輪部92の直径の半分程度の位置の受板91へ放流させることで水車の駆動効率を向上させることができる。さらに、水車90の受板91に当たった水が車輪部92を回転させ、受板91の角度が下方に変化すると、この変化に伴ない水が受板91から放出される。放出された水は整流板50の上面を流れて開口θを通過してきた水と共に水車の受板91に当たり再び水車90の回転に加勢することとなる。こうして、より効率的に車輪部92を回転させることができる。
この際に、越流時の水路の流れが速すぎる場合は、図9Bに示すように、越流した水流が水車90の上方側で、水車90の回転に対して反対方向へ当たり、水車90の回転とは逆方向へ水圧をかけて、回転を妨げる可能性がある。これを防止するために、図9Aに示すように、越流用整流板51の上方に、越流した水流が水車の回転を妨げる方向へ当たるのを防止するために、流下方向調節用整流板52が備えられている。さらに、この流下方向調節用整流板52は積極的に水流側水車の回転方向と同じ方向に水圧をかけることができるように、湾曲してもよい。このようにすることで、水車90の回転方向と同じ方向の水圧をかけることができ、さらに、効果的に水車90を回転させることができる。
なお、越流部86は、上記実施形態では、堰上げ部材11の外周枠内の上部に水路壁70の天端より低い越流路を設けたが、堰上げ部材11の天端を低く形成して天端から越流が流れるようにしてもよい。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態にかかる水車装置100について、図10に基づいて詳細に説明する。第6実施形態にかかる水車90は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。第6実施形態にかかる堰上げ装置10は、図10Aに示すように、堰上げ部材11が、下方堰上げ板11d及び上方堰上げ板11eの2枚からなる。下方堰上げ板11dは、板状に形成され、高さ調節部材30と連結されている。そのため任意に高さを調整することができる。また、下方堰上げ板11dの下方には上流方向及び下流方向へ延伸する板状に形成されてなる整流板50が設けられている。下方堰上げ板11dの天端は越流部を形成している。
一方、上方堰上げ板11eは、板状に形成され、図10Aに示すように、上下方向にスライド可能ではあるが、一定の高さ以下には下げることができないように形成されている。上方堰上げ板11eの下端には、下流方向へ延伸する越流用整流板51が設けられている。
以上のごとく作製された堰上げ装置10は、図10Bに示すように、下方堰上げ板11dを上方へ移動させた際には、下方堰上げ板11dの整流板50が上方堰上げ板11eに当接するまでは、上方堰上げ板11eはなんらの影響も受けず、その位置を変えることはない。しかし、下方堰上げ板11dの整流板50が上方堰上げ板11eに当接した後、さらに下方堰上げ板11dを上方へ移動させると、整流板50が上方堰上げ板11eを押し上げて図Cに示すように、下方堰上げ板11d移動に伴って上方堰上げ板11eを移動させることになる。反対に図10Cに示す状態から下方へ移動させる場合は、下方堰上げ板11d移動に伴って上方堰上げ板11eが下方へ移動し、ある一定の高さに到達すると、それ以上上方堰上げ板11eは下げることができないので、下方堰上げ板11dのみが下方へ移動し、図10Aに示す状態に戻ることになる。
この第6実施形態によれば、開口部の大きさを調節するために最下部の堰上げ板の高さを上下に移動した場合であっても、堰上げ部材を分割して複数枚の堰上げ板の組合せにより構成していることにより、最下部の堰上げ板を上方向へ移動する場合でも越流部を備える最上部の堰上げ板の位置に達しない限り越流部の高さを保持し続ける事が出来る。このことにより、ゲリラ豪雨などで水路の流量が急激に増加した場合においても越流部の高さが保持されているため増水した水が越流部を流下して行く。そのため水路から溢れて洪水をおこす危険性が少ない。これに対し一枚ものの堰上げ板で構成される堰上げ部材は、開口部を大きくするため堰上げ板を上に移動すると越流部も同時に上へ移動し高い位置になるので急激な増水時に越流部からの自然流下が遅れるか、又は水路壁の天端高さより高い位置に越流部があると流下して来た水が水路の外へ氾濫することになるためこれを防ぐ事が出来る。
なお、本実施形態においては、上方堰上げ板11eを移動させる手段として、下方堰上げ板11dの下面に設けられた整流板50を利用しているが、必ずしも整流板である必要はなく、爪部材や係止部材等のように、上方堰上げ板11eの少なくとも一部を係止することによって移動させる手段であればよい。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態にかかる水車装置100について、図11に基づいて詳細に説明する。第7実施形態にかかる水車90及び堰上げ装置10は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。第7実施形態にかかる水車装置100は、図11Aに示すように、水車の下流側に水車の下方にある底面より低い、低底面85を設けてある。
水路の下流の排水が悪いと、図11Bに示すように、水車90の下流側に水が滞留し、車輪部92の回転を妨げることがある。しかし、図11Aに示すように低底面85を下流側に設けるか、水車90の車輪部92外周と水路底面が離れている場合には、水車90及び堰上げ装置10の下方の水路底面を嵩上げして水車の車輪部92外周に近づけることによって、水車90の下流側の底面が低くなる構造として、水車90の下方側へ通過する水流を加速させる機能を有し、下流側に車輪部92の回転を妨げる下流側に水が滞留する可能性を減らすことができる。
(第8実施形態)
第8実施形態にかかる水車装置100について、図12に基づいて説明する。第8実施形態にかかる水車90及び堰上げ装置10は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。第8実施形態にかかる水車装置100は、用水路から排水路に合流する箇所に段差部を設けて水車装置100を設置したものである。上述したように、水路の下流の排水が悪いと、水車90の下流側に水が滞留し、車輪部92の回転を妨げることがある。しかし、図12に示すように、段差を設けて水車の下流側(排水路)を低くすることにより、水車の下流側の水位が上がらないため、水車を押す力が低下することを防止することができる。
なお、本発明は上述した第1実施形態から第7実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
上述した第1実施形態から第7実施形態では、水車90の受板91として、平面からなる板状の部材を採用しているが、これに限定するものではなく、断面が「く」の字上であってもよいし、「L」字状であってもよい。
また、上述した第1実施形態から第7実施形態では、ベルト受部94は、水車90の車輪部92の回転と同一回転するものとしたが、例えば、ギア装置等を設置することによって、回転数を向上させたり、回転数を下げたりしてもよい。
また、上述した第1実施形態から第7実施形態では、堰上げ部材を上下に移動又は回動させる装置として、ハンドルによって回す装置としたが、これに限定するものではなく、機械式、ギア式等を応用した移動装置であってもよい。
また、上述した第1実施形態から第7実施形態では、水車90の車輪部92の回転エネルギーを電気エネルギーに変えるものとしたがこれに限定するものではなく、他の動きのかえる機械装置等であってもよい。
また、上述した第1実施形態から第7実施形態は、水車90の車輪部92の回転エネルギーをベルトによって伝達していたが、これに限定するものではなく、車輪部92の中心に発電機を取り付けてもかまわない。回転エネルギーを効果的に使用できる公知技術を適宜応用することができる。
また、上述した第1実施形態から第7実施形態では、水車90を水路の全断面に設置した場合の堰上げ装置について説明したが、必ずしも水路の断面全体に設置する必要はなく、図13に示すように、水路の一部に設けても良い。この際に、堰上げ壁75又は段差部を水車90の下流部に設置し、かつ水車90の上流部で堰上げることで流速を速くする効果があるとともに、水車90の方向へ浮遊物が流れることを防止でき、堰上げ壁75に浮遊物を溜めることができる。これにより、浮遊物が水車の流れを止める可能性を低減させることができ、かつ浮遊物を容易に除去することができる。
上述した実施の形態で示すように、表示装置として利用することができる。
10…堰上げ装置、11…堰上げ部材、12…円弧状板、30…高さ調節部材、31…連結部材、32…ハンドル部、33…固定支持枠、34…ワイヤー、40…固定枠、50…整流板、50a…第1整流板、50b…第2整流板、51…越流部用整流板、60…流水拡散防止部材、70…水路壁、80…水面、81…仮想線、82…水面、83…水面、85…低底面、86…越流部、90…水車、91…受板、92…車輪部、93…軸支部材、94…ベルト受部、95…ベルト、96…発電機、97…回転軸、100…水車装置

Claims (19)

  1. 水路又は河川等の一定方向への水流を有する水路に設置された水車の上流側に配置される堰上げ装置において、
    上流側の水流の少なくとも一部を堰上げ可能で、前記水車の車輪部の底部から車輪部の直径の10分の1上方の位置より下方に配置可能であって、かつ常に下端部と底面との間に開口が形成される堰上げ部材と、堰上げ部材下端部と底面とで形成される開口の高さを調節するために、前記堰上げ部材の下端部の高さを調節可能な高さ調節部材と、を備え、
    前記堰上げ部材によって堰上げされた水が水圧を受けて開口から流出する水を水車の受板に当てて水車を回転させることを特徴とする堰上げ装置。
  2. 水路又は河川等の一定方向への水流を有する水路に設置された水車の上流側に配置される堰上げ装置において、
    上流側の水流の少なくとも一部を堰上げ可能で、前記水車の車輪部の底部から車輪部の直径の10分の1上方の位置より下方に配置可能であって、かつ常に下端部と底面との間に開口が形成される堰上げ部材と、堰上げ部材下端部と底面とで形成される開口の高さを調節するために、前記堰上げ部材の下端部の高さを調節可能な高さ調節部材と、を備え、
    前記堰上げ部材によって堰上げされた水を前記水車の車輪部の直径の10分の1以下の開口から流出する水勢を当てて水車を回転させることを特徴とする請求項1に記載の堰上げ装置。
  3. 前記堰上げ部材の下方には、前記開口を通り抜けた後の流れの方向を安定させ、乱流を抑制する1又は2以上の整流板が備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の堰上げ装置。
  4. 前記堰上げ部材の下方に設けられた1又は2以上の前記整流板は、前記堰上げ部材から下流方向又は上流方向若しくはその両方向に延伸して設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の堰上げ装置。
  5. 前記整流板によって形成される流路は、上流側から下流方向に向かい流路面積が狭くなるように設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の堰上げ装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の堰上げ装置において、
    前記堰上げ部材の外周の天端は、堰上がりすぎた水を流下させるための越流部を形成し、
    前記越流部の下流側下方に越流部用整流板が下流方向に延伸して備えられていることを特徴とする堰上げ装置。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の堰上げ装置において、
    前記堰上げ部材は、堰上げ板とこの堰上げ板の外周枠の上方部分に外周枠とからなり、
    前記外周枠の天端を形成する天端外周枠と、堰上げ板の天端との間に越流部となる空間を形成してなり、
    前記越流部の下流側下方に越流部用整流板が下流方向に延伸して備えられていることを特徴とする堰上げ装置。
  8. 請求項1から5のいずれか1項に記載の堰上げ装置において、
    前記堰上げ部材は、少なくとも2枚以上の堰上げ板を備え、
    底面が最下部に位置する最下部堰上げ板は底面との間で開口を形成し、
    前記堰上げ板のうち、最上部に位置する堰上げ板の天端は越流部を形成し、
    最下部堰上げ板が上方へ移動する際には、上方の所定の位置に保持されている他の堰上げ板の下面を支持して他の堰上げ板を上方へ移動させることが可能であり、また、最下部堰上げ板が上方から底面方向へ移動する際には、同時に他の堰上げ板の下面を支持して下方へ移動し、他の堰上げ板をそれぞれ所定の位置に配置保持しつつ底面方向へ移動することが可能であることを特徴とする堰上げ装置。
  9. 請求項1から5のいずれか1項に記載の堰上げ装置において、前記堰上げ部材は、少なくとも2枚以上の堰上げ板を備え、底面が最下部に位置する最下部堰上げ板は、底面に整流板を備えるとともに、底面との間で開口を形成し、前記堰上げ板以外の堰上げ板のうち、最上部に位置する堰上げ板の天端は越流部を形成し、最下部堰上げ板が上方へ移動する際には、整流板によって他の堰上げ板の下面を支持して他の堰上げ板を上方へ移動させてなることを特徴とする堰上げ装置。
  10. 前記越流部用整流板の上方に、越流した水流が水車の回転を妨げる方向へ当たるのを防止するために、流下方向調節用整流板が備えられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の堰上げ装置。
  11. 前記堰上げ部材は、垂直に立設されてなり、かつ垂直方向へ移動可能な板状部材であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の堰上げ装置。
  12. 前記堰上げ部材は、上方が上流側に傾斜して成り、かつ傾斜方向へ移動可能な板状部材であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の堰上げ装置。
  13. 前記堰上げ部材は、下流側に設置される前記水車の車輪の中心を軸に回転可能な回転軸に取り付けられた板状部材であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の堰上げ装置。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の堰上げ装置と、下流に設置される水車を備えたことを特徴とする水車装置。
  15. 請求項14に記載の水車装置において、
    前記開口から放出された水が水車の受板に当たって左右に拡散されるのを防止するため、少なくとも水車の受板と水路壁との間に設置される流水拡散防止部材が備えられていることを特徴とする水車装置。
  16. 請求項14又は15に記載の水車装置において、
    前記水車の水車位置の下流側に段差を設けて、下流方向へ続く低く形成された低底部を形成してなることを特徴とする水車装置。
  17. 請求項14から16のいずれか1項に記載の水車装置において、前記水車の回転エネルギーを利用した発電機、除塵機等の機械装置を備えたことを特徴とする水車装置。
  18. 請求項1から13のいずれか1項に記載の堰上げ装置を、水車の上流側に設置し、
    前記堰上げ部材を前記水車の車輪の直径の10分の1以下の開口を水底との間に設置して、
    前記水車の車輪の受板のうち、水車の外周から直径の10分の1以下に水勢を当てることを特徴とする水車装置の設置方法。
  19. 前記堰上げ装置は、水路の一部に設置されてなり、
    前記堰上げ装置の側方であって、かつ前記水車よりも下流側の水路に堰上げ壁を備えていることを特徴とする請求項18に記載の水車装置の設置方法。


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