JP2013173973A - 成膜装置、および成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材の成膜面50aにプラズマCVD法によって膜を製造するのに際して、膜厚が局所的に大きくなるように、簡便な方法で精緻に制御する。
【解決手段】基材50の成膜面50aにプラズマCVD法にて成膜をおこなう成膜装置であって、プラズマCVD法を実施するための真空チャンバー10と、原料ガスをプラズマ化するための供給電源20と、基材50の成膜面50aの反対の面側に配置された磁界発生源としての磁石60と、基材50と磁石60との間に配置された高透磁率材料からなる遮蔽部材としての遮蔽板70と、を有する。この遮蔽板70の形状や配置の仕方を調整することによって、基材50に成膜する膜80の膜厚を制御することができる。従って、磁石60の配置や形状、あるいは磁界強度の調整を複雑化することなく、遮蔽板70の形状や配置を調整することによって精緻な膜厚制御が可能な成膜装置を提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】基材50の成膜面50aにプラズマCVD法にて成膜をおこなう成膜装置であって、プラズマCVD法を実施するための真空チャンバー10と、原料ガスをプラズマ化するための供給電源20と、基材50の成膜面50aの反対の面側に配置された磁界発生源としての磁石60と、基材50と磁石60との間に配置された高透磁率材料からなる遮蔽部材としての遮蔽板70と、を有する。この遮蔽板70の形状や配置の仕方を調整することによって、基材50に成膜する膜80の膜厚を制御することができる。従って、磁石60の配置や形状、あるいは磁界強度の調整を複雑化することなく、遮蔽板70の形状や配置を調整することによって精緻な膜厚制御が可能な成膜装置を提供することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、成膜装置、および、それを用いた成膜方法に関する。
従来、基材の成膜面に所望の薄膜を成膜する方法として、成膜した薄膜材料の構成元素を含む化合物の一種類以上の原料ガスを基材の成膜面に供給し、気相、または基板表面での化学反応により成膜を行うCVD(Chemical Vapor Deposition)法が、電子工業や機械工業などの分野で用いられている。CVDは、化学反応を起こさせるエネルギーの与え方により、熱CVD、プラズマCVD、光CVDに大別されることが多い。このうち、プラズマCVD法は、基材の成膜面にプラズマCVDを実施するための反応室(チャンバー)内で、反応ガスに電気を供給することによりプラズマ状態にして活性なラジカルやイオンを生成させ、その活性環境下で化学反応を行わせる方法であり、きわめて多種類の材料の薄膜を成膜することができる方法として広く用いられている。
近年、電子機器や機械製品の小型化が進むのに伴い、電子部品や機械部品にプラズマCVD法を用いて成膜する膜の膜厚を所望の厚みに制御する要求が高まっている。このような要求に応え得るプラズマCVD法による成膜方法として、例えば特許文献1に、基材の成膜面近傍に局所的に磁界を発生させることによって、膜の厚さを制御する方法が紹介されている。
しかしながら、特許文献1に記載の成膜方法では、膜厚制御をより精緻に行うには、磁界発生源の配置や磁界強度の調整が複雑になる虞があるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]基材の成膜面にプラズマCVD法により成膜をおこなう成膜装置であって、前記プラズマCVD法を実施するためのチャンバーと、原料ガスをプラズマ化するための供給電源と、前記基材の前記成膜面の反対の面側に配置された磁界発生源と、前記基材と前記磁界発生源との間に配置された高透磁率材料からなる遮蔽部材と、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、基材と磁界発生源との間に、磁界を遮蔽する効果がある高透磁率材料からなる遮蔽部材を配置するので、この遮蔽部材の形状や配置の仕方を調整することによって、基材に成膜する膜の膜厚を制御することができる。
従って、磁界発生源の配置や形状、あるいは磁界強度の調整を複雑化することなく、遮蔽部材の形状や配置を調整することによって精緻な膜厚制御が可能な成膜装置を提供することができる。
従って、磁界発生源の配置や形状、あるいは磁界強度の調整を複雑化することなく、遮蔽部材の形状や配置を調整することによって精緻な膜厚制御が可能な成膜装置を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の成膜装置は、前記遮蔽部材の厚みを変えることにより、膜厚分布を制御することが好ましい。
本適用例によれば、遮蔽部材としての高透磁率材料の厚みが厚いほど磁力の遮蔽効果が上がるため、厚みを変えることによって基材の成膜面近傍の磁界強度の制御が可能となるので、これにより、成膜時の膜厚を制御することができる。
[適用例3]上記適用例に記載の成膜装置は、前記遮蔽部材の材質を変えることにより、膜厚分布を制御することが好ましい。
本適用例によれば、遮蔽部材としての高透磁率材料の材質により透磁率が異なるので、材質の選定により成膜時の膜厚を制御することができる。
また、局所的に遮蔽部材の材質を変えることによって、基材の成膜面の膜厚を部分的に変えるという制御も可能となる。
また、局所的に遮蔽部材の材質を変えることによって、基材の成膜面の膜厚を部分的に変えるという制御も可能となる。
[適用例4]本適用例の成膜方法は、チャンバーと、前記チャンバー内で原料ガスをプラズマ化するための供給電源と、を有する成膜装置を用いて、前記チャンバー内に載置した基材の成膜面にプラズマCVD法により成膜を行なう成膜方法であって、前記基材の前記成膜面の反対の面側に磁界発生源を配置して、前記成膜面に局所的に磁界を発生させ、前記基材と前記磁界発生源との間に高透磁率材料からなる遮蔽部材を配置して、前記成膜面近傍の所望の領域の磁力を制御することを特徴とする。
本適用例によれば、基材と磁界発生源との間に、磁界を遮蔽する効果がある高透磁率材料からなる遮蔽部材を配置するので、この遮蔽部材の形状や配置の仕方を調整することにより、基材に成膜する膜の膜厚を制御することができる。
従って、磁界発生源の配置や形状、あるいは磁界強度の調整を複雑化することなく、遮蔽部材の形状や配置を調整することによって、膜厚を精緻に制御した成膜が可能となる。
従って、磁界発生源の配置や形状、あるいは磁界強度の調整を複雑化することなく、遮蔽部材の形状や配置を調整することによって、膜厚を精緻に制御した成膜が可能となる。
[適用例5]上記適用例に記載の成膜方法は、前記遮蔽部材の配置および厚みを変えることにより、前記成膜面近傍の所望の領域の磁力の分布を制御することを特徴とする。
本適用例によれば、遮蔽部材としての高透磁率材料の厚みが厚いほど磁力の遮蔽効果が上がるため、厚みを変えることによって基材の成膜面近傍の磁界強度の制御が可能となるので、これにより、成膜時の膜厚を制御することができる。
また、複数の遮蔽部材を配置する構成として、厚みの異なる遮蔽部材を配置することによって成膜時の膜厚を部分的に変えるという制御が可能となる。
また、複数の遮蔽部材を配置する構成として、厚みの異なる遮蔽部材を配置することによって成膜時の膜厚を部分的に変えるという制御が可能となる。
[適用例6]上記適用例に記載の成膜方法は、前記遮蔽部材の配置および材質を変えることにより、前記成膜面近傍の所望の領域の磁力の分布を制御することを特徴とする。
本適用例によれば、遮蔽部材としての高透磁率材料の材質により透磁率が異なるので、材質の選定により膜厚を制御して成膜することができる。
また、複数の遮蔽部材を配置する構成として、材質の異なる遮蔽部材を配置することによって成膜時の膜厚を部分的に変えるという制御が可能となる。
また、複数の遮蔽部材を配置する構成として、材質の異なる遮蔽部材を配置することによって成膜時の膜厚を部分的に変えるという制御が可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせて示している。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る成膜装置であるプラズマCVD装置の一例を示す模式図である。図2は、遮蔽部材としての遮蔽板による磁力線の制御と膜厚との関係を模式的に示す説明図である。また、図3は、真空チャンバー内のプラズマ反応ガスの分布の変化を模式的に示すものであり、(a)は磁界の発生がない場合のプラズマ反応ガスの状態を示す説明図、(b)は、磁界が発生した場合のプラズマ反応ガスの状態を示す説明図である。
まず、実施形態1に係る成膜装置としてのプラズマCVD装置100の概略構成について説明する。
図1は、実施形態1に係る成膜装置であるプラズマCVD装置の一例を示す模式図である。図2は、遮蔽部材としての遮蔽板による磁力線の制御と膜厚との関係を模式的に示す説明図である。また、図3は、真空チャンバー内のプラズマ反応ガスの分布の変化を模式的に示すものであり、(a)は磁界の発生がない場合のプラズマ反応ガスの状態を示す説明図、(b)は、磁界が発生した場合のプラズマ反応ガスの状態を示す説明図である。
まず、実施形態1に係る成膜装置としてのプラズマCVD装置100の概略構成について説明する。
〔プラズマCVD装置〕
プラズマCVD装置100は、チャンバーとしての真空チャンバー10、供給電源20、および、真空チャンバー10に設けられた原料ガス導入口30、排気口40などを有している。
プラズマCVD装置100は、チャンバーとしての真空チャンバー10、供給電源20、および、真空チャンバー10に設けられた原料ガス導入口30、排気口40などを有している。
真空チャンバー10は、基材50の成膜面50aに成膜を行なう際に、プラズマCVD法を実施するための処理室である。
原料ガス導入口30は、真空チャンバー10内に、成膜する膜の原料となるガスを充填するときのガスの導入口である。
排気口40は、真空チャンバー10内のガスの排気口であり、この排気口40の外側には図示しない排気ポンプが接続されている。
また、供給電源20は、真空チャンバー10内に充填した原料ガスをプラズマ化するときの電力供給源である。
原料ガス導入口30は、真空チャンバー10内に、成膜する膜の原料となるガスを充填するときのガスの導入口である。
排気口40は、真空チャンバー10内のガスの排気口であり、この排気口40の外側には図示しない排気ポンプが接続されている。
また、供給電源20は、真空チャンバー10内に充填した原料ガスをプラズマ化するときの電力供給源である。
真空チャンバー10内には、成膜対象物としての基材50が、成膜面50aをプラズマ生成空間側に向けて設置される。
基材50の成膜面50aの反対の面側には、磁界発生源としての磁石60が設置されている。磁石60は、基材50の成膜面50a近傍に局所的に磁界を発生させるための磁界発生源となる。
また、基材50と磁石60との間には、高透磁率材料からなる遮蔽部材としての遮蔽板70が設置されている。遮蔽板70は、基材50と磁石60との間で局所的に磁界を遮蔽して、成膜面50a近傍の所望の領域の磁力の強さを制御するためのものである。
基材50の成膜面50aの反対の面側には、磁界発生源としての磁石60が設置されている。磁石60は、基材50の成膜面50a近傍に局所的に磁界を発生させるための磁界発生源となる。
また、基材50と磁石60との間には、高透磁率材料からなる遮蔽部材としての遮蔽板70が設置されている。遮蔽板70は、基材50と磁石60との間で局所的に磁界を遮蔽して、成膜面50a近傍の所望の領域の磁力の強さを制御するためのものである。
〔成膜方法〕
次に、上記構成のプラズマCVD装置100を用いた膜の成膜方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の成膜方法では、まず、プラズマCVD装置100の真空チャンバー10内に基材50を載置する。このとき、上記したように、基材50の成膜面50aが真空チャンバー10のプラズマ生成空間側に向くようにするとともに、基材50の成膜面50aの反対の面側には磁石60が設置され、該磁石60と基材50との間の所望の位置に遮蔽板70を配置した状態にする(図1を参照)。
次に、上記構成のプラズマCVD装置100を用いた膜の成膜方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の成膜方法では、まず、プラズマCVD装置100の真空チャンバー10内に基材50を載置する。このとき、上記したように、基材50の成膜面50aが真空チャンバー10のプラズマ生成空間側に向くようにするとともに、基材50の成膜面50aの反対の面側には磁石60が設置され、該磁石60と基材50との間の所望の位置に遮蔽板70を配置した状態にする(図1を参照)。
次いで、真空チャンバー10内を排気ポンプによって所定の真空度まで排気した後、原料ガス導入口30より所定の原料ガスを真空チャンバー10内に供給するとともに、排気ポンプによる排気と相伴って真空チャンバー10内を所定の真空度に保持する。
次いで、所定の真空度に保持された真空チャンバー10内に、供給電源20によって所定の電圧を印加することにより原料ガスを励起して、真空チャンバー10内の空間にプラズマ反応ガスを生成する。
このように、真空チャンバー10内の空間にプラズマ反応ガスを生成した状態において、磁石60によって基材50の成膜面50a近傍に磁界を発生させる。すると、その磁界の発生により成膜面50a近傍の磁場が生成された領域には反応ガスが集まることが知られている。この結果、基材50の成膜面50aに膜80が生成される。
このとき、本実施形態のプラズマCVD装置100では、遮蔽板70により、基材50の成膜面50aにおいて生成される磁場に分布が形成されている。即ち、成膜面50aにおいて、磁石60と基材50との間に高透磁率材料からなる遮蔽板70が配置された領域では磁石60による磁界が遮蔽され、その他の領域には磁場が生じる。真空チャンバー10内において、プラズマ反応ガスは電荷を帯びており、磁石60による磁界の発生がない場合は、図3(a)に示すように、電荷を帯びたプラズマ反応ガス30aの分布の偏りは生じないが、磁界の発生がある場合には、図3(b)に示すように、電荷を帯びたプラズマ反応ガス30aが、磁石60によって生じる磁力線MFに沿って移動して密集する。
このような現象により、図2に示すように、基材50上で磁力線MFによる磁場が強い領域Hにはプラズマ反応ガスが密集することにより厚い膜80が成膜される。一方、基材50上において、高透磁率材料からなる遮蔽板70により磁石60からの磁力線MFが遮蔽されて磁場が弱い領域Lのプラズマ反応ガスの密度は磁場の強い領域Hよりも低くなるため比較的薄い膜80が成膜される。
このように、真空チャンバー10内の空間にプラズマ反応ガスを生成した状態において、磁石60によって基材50の成膜面50a近傍に磁界を発生させる。すると、その磁界の発生により成膜面50a近傍の磁場が生成された領域には反応ガスが集まることが知られている。この結果、基材50の成膜面50aに膜80が生成される。
このとき、本実施形態のプラズマCVD装置100では、遮蔽板70により、基材50の成膜面50aにおいて生成される磁場に分布が形成されている。即ち、成膜面50aにおいて、磁石60と基材50との間に高透磁率材料からなる遮蔽板70が配置された領域では磁石60による磁界が遮蔽され、その他の領域には磁場が生じる。真空チャンバー10内において、プラズマ反応ガスは電荷を帯びており、磁石60による磁界の発生がない場合は、図3(a)に示すように、電荷を帯びたプラズマ反応ガス30aの分布の偏りは生じないが、磁界の発生がある場合には、図3(b)に示すように、電荷を帯びたプラズマ反応ガス30aが、磁石60によって生じる磁力線MFに沿って移動して密集する。
このような現象により、図2に示すように、基材50上で磁力線MFによる磁場が強い領域Hにはプラズマ反応ガスが密集することにより厚い膜80が成膜される。一方、基材50上において、高透磁率材料からなる遮蔽板70により磁石60からの磁力線MFが遮蔽されて磁場が弱い領域Lのプラズマ反応ガスの密度は磁場の強い領域Hよりも低くなるため比較的薄い膜80が成膜される。
以上述べたように、本実施形態に係るプラズマCVD装置100を用いた成膜方法によれば、以下の効果を得ることができる。
プラズマCVD法による成膜方法において、従来の磁石などの磁界発生源を利用した膜厚制御方法では、磁界発生源の形状や配置、あるいは磁界強度の調整によって制御していたため、微細な膜厚制御を行うためにはそれらを複雑に制御する必要があり、精緻な膜厚制御は困難であった。その点、本実施形態のプラズマCVD装置100を用いた成膜方法によれば、磁界発生源としての磁石60は固定して、磁石60と基材50との間に配置する遮蔽板70の位置を調整することにより、基材50各部の膜厚を所望の膜厚に制御することができる。したがって、精緻な膜圧制御が比較的容易に実現できる汎用性の高い成膜方法を提供することができる。
プラズマCVD法による成膜方法において、従来の磁石などの磁界発生源を利用した膜厚制御方法では、磁界発生源の形状や配置、あるいは磁界強度の調整によって制御していたため、微細な膜厚制御を行うためにはそれらを複雑に制御する必要があり、精緻な膜厚制御は困難であった。その点、本実施形態のプラズマCVD装置100を用いた成膜方法によれば、磁界発生源としての磁石60は固定して、磁石60と基材50との間に配置する遮蔽板70の位置を調整することにより、基材50各部の膜厚を所望の膜厚に制御することができる。したがって、精緻な膜圧制御が比較的容易に実現できる汎用性の高い成膜方法を提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
上記実施形態1では、基材50と磁石60との間に、同じ厚みの遮蔽板70を挟持させた構成について説明したが、この構成に限定するものではない。厚みの異なる複数の遮蔽板を用いることにより成膜する膜の膜厚を制御することが可能である。
図4は、プラズマCVD装置における膜厚制御方法の変形例1を模式的に示す説明図である。
図4に示す本変形例のプラズマCVD装置の真空チャンバー10´において、プラズマ生成空間側に成膜面50aを向けて設置された基材50と、基材50の成膜面50aの反対の面側に設置された磁石60との間に設置された高透磁率材料からなり厚みの異なる複数の遮蔽板170Aと遮蔽板170Bとが配置されている。本変形例では、遮蔽板170Aよりも遮蔽板170Bの方が厚い厚みを有している。
上記実施形態1では、基材50と磁石60との間に、同じ厚みの遮蔽板70を挟持させた構成について説明したが、この構成に限定するものではない。厚みの異なる複数の遮蔽板を用いることにより成膜する膜の膜厚を制御することが可能である。
図4は、プラズマCVD装置における膜厚制御方法の変形例1を模式的に示す説明図である。
図4に示す本変形例のプラズマCVD装置の真空チャンバー10´において、プラズマ生成空間側に成膜面50aを向けて設置された基材50と、基材50の成膜面50aの反対の面側に設置された磁石60との間に設置された高透磁率材料からなり厚みの異なる複数の遮蔽板170Aと遮蔽板170Bとが配置されている。本変形例では、遮蔽板170Aよりも遮蔽板170Bの方が厚い厚みを有している。
このような構成の真空チャンバー10´内の基材50の成膜面50a近傍においては、上記実施形態でも説明したように、基材50と磁石60との間に介在するものがなく磁石60からの磁力線MFによる磁場が強い領域Hにはプラズマ反応ガスが密集することにより膜80´は厚く成膜され、基材50と磁石60との間に遮蔽板170A,170Bが配置されていることにより磁石60からの磁力線MFが遮蔽されて磁場が弱い領域LA,LBのプラズマ反応ガスの密度は磁場の強い領域Hよりも低くなるため膜80´は比較的薄く成膜される。
さらに、高透磁率材料の厚みが厚いほど磁力の遮蔽効果が上がることから、基材50の成膜面50a近傍において、基材50と磁石60との間に遮蔽板170Aが配置された領域LAよりも、基材50と磁石60との間に遮蔽板170Aよりも厚みの厚い遮蔽板170Bが配置された領域LBの方が磁場が弱くなるので、領域LAの膜80´の膜厚よりも、領域LBの膜80´の膜厚の方が薄くなっている。
さらに、高透磁率材料の厚みが厚いほど磁力の遮蔽効果が上がることから、基材50の成膜面50a近傍において、基材50と磁石60との間に遮蔽板170Aが配置された領域LAよりも、基材50と磁石60との間に遮蔽板170Aよりも厚みの厚い遮蔽板170Bが配置された領域LBの方が磁場が弱くなるので、領域LAの膜80´の膜厚よりも、領域LBの膜80´の膜厚の方が薄くなっている。
以上述べたように、本変形例によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、同じ強さの磁力線を生成する磁石60と基材50との間に、厚みの異なる複数の遮蔽板170A,170Bを配置することにより、基材50の成膜面50aに所望の厚みの分布にて膜80´を成膜する成膜方法を提供することができる。
なお、例えば精密機械加工(研削)装置を用いて遮蔽板170A,170Bの厚みを調整して加工し、それを基材50と磁石60との間に配置することによっても、基材50の成膜面50aへの膜80´の成膜において、比較的容易に精緻な膜厚制御をおこなうことができる。
本実施形態によれば、同じ強さの磁力線を生成する磁石60と基材50との間に、厚みの異なる複数の遮蔽板170A,170Bを配置することにより、基材50の成膜面50aに所望の厚みの分布にて膜80´を成膜する成膜方法を提供することができる。
なお、例えば精密機械加工(研削)装置を用いて遮蔽板170A,170Bの厚みを調整して加工し、それを基材50と磁石60との間に配置することによっても、基材50の成膜面50aへの膜80´の成膜において、比較的容易に精緻な膜厚制御をおこなうことができる。
(変形例2)
上記変形例1では、厚みの異なる複数の遮蔽板170A,170Bを用いて膜厚制御をおこなう成膜方法について説明したが、この構成に限定するものではない。透磁率の異なる複数種類の高透磁率性材料を基材と磁石との間に配置することにより膜厚制御を行うこともできる。
図5は、プラズマCVD装置において、透磁率の異なる複数の遮蔽板を配置することにより膜厚制御をおこなう成膜方法の変形例2を模式的に示す説明図である。
上記変形例1では、厚みの異なる複数の遮蔽板170A,170Bを用いて膜厚制御をおこなう成膜方法について説明したが、この構成に限定するものではない。透磁率の異なる複数種類の高透磁率性材料を基材と磁石との間に配置することにより膜厚制御を行うこともできる。
図5は、プラズマCVD装置において、透磁率の異なる複数の遮蔽板を配置することにより膜厚制御をおこなう成膜方法の変形例2を模式的に示す説明図である。
図5に示す変形例2のプラズマCVD装置の真空チャンバー10´´内において、プラズマ生成空間側に成膜面50aを向けて設置された基材50と、基材50の成膜面50aの反対の面側に設置された磁石60との間に設置された透磁率の異なる複数の遮蔽板170Xと遮蔽板170Yとが配置されている。本変形例では、遮蔽板170Xの透磁率よりも遮蔽板170Yの透磁率の方が高い高透磁率材料を使用して形成されている。
基材50の成膜面50a近傍において、基材50と磁石60との間に遮蔽板を配置しない領域H´の膜80´´は比較的厚く成膜され、基材50と磁石60との間に、所定の透磁率を有する高透磁率材料Xからなる遮蔽板170Yを配置した領域LB´に成膜される膜80´´は、遮蔽板170Yによる磁界の遮蔽効果がさらに高まることにより領域H´の膜80´´よりも薄く成膜される。
以上述べた変形例2の成膜方法によれば、基材50と磁石60との間に、透磁率が異なる高透磁率材料からなる複数の遮蔽板170X,170Yを配置することにより、成膜面50aにおける膜厚を制御して成膜することができる。
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態およびその変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態および変形例では、プラズマCVD装置の真空チャンバー10,10´,10´´内に、磁界発生源としての磁石60を複数配置した構成を説明した。
これに限らず、一つの大きな磁石を配置し、その磁石と基材との間に配置させる遮蔽板の位置や厚み、あるいは高透磁率材料の種類を変更・調整することにより、基材50の成膜面50aにおいて所望の厚みの分布を有する成膜をおこなうことができる。
これに限らず、一つの大きな磁石を配置し、その磁石と基材との間に配置させる遮蔽板の位置や厚み、あるいは高透磁率材料の種類を変更・調整することにより、基材50の成膜面50aにおいて所望の厚みの分布を有する成膜をおこなうことができる。
また、上記変形例1の成膜方法では、基材50と磁石60との間に、厚みの異なる複数の遮蔽板170A,170Bを配置することにより膜厚を制御した。
これに限らず、一枚の大きな遮蔽板、例えば基材と同様な面積の遮蔽板を、精密機械加工(研削)装置を用いて遮蔽板の各部の厚みを調整して加工し、それを基材50と磁石60との間に配置する構成としても、比較的容易に精緻な膜厚制御をおこなうことができる。
これに限らず、一枚の大きな遮蔽板、例えば基材と同様な面積の遮蔽板を、精密機械加工(研削)装置を用いて遮蔽板の各部の厚みを調整して加工し、それを基材50と磁石60との間に配置する構成としても、比較的容易に精緻な膜厚制御をおこなうことができる。
10…真空チャンバー、20…供給電源、30…原料ガス導入口、30a…プラズマ反応ガス、40…排気口、50…基材、50a…成膜面、60…磁界発生源としての磁石、70,170A,170B,170X,170Y…遮蔽部材としての遮蔽板、80,80´,80´´…膜、100…成膜装置としてのプラズマCVD装置。
Claims (6)
- 基材の成膜面にプラズマCVD法により成膜をおこなう成膜装置であって、
前記プラズマCVD法を実施するためのチャンバーと、
原料ガスをプラズマ化するための供給電源と、
前記基材の前記成膜面の反対の面側に配置された磁界発生源と、
前記基材と前記磁界発生源との間に配置された高透磁率材料からなる遮蔽部材と、を有することを特徴とする成膜装置。 - 請求項1に記載の成膜装置において、
前記遮蔽部材の厚みを変えることにより膜厚分布を制御することを特徴とする成膜装置。 - 請求項1または2に記載の成膜装置において、
前記遮蔽部材の材質を変えることにより膜厚分布を制御することを特徴とする成膜装置。 - チャンバーと、前記チャンバー内で原料ガスをプラズマ化するための供給電源と、を有する成膜装置を用いて、前記チャンバー内に載置した基材の成膜面にプラズマCVD法により成膜を行なう成膜方法であって、
前記基材の前記成膜面の反対の面側に磁界発生源を配置して、前記成膜面に局所的に磁界を発生させ、
前記基材と前記磁界発生源との間に高透磁率材料からなる遮蔽部材を配置して、前記成膜面近傍の所望の領域の磁力を制御することを特徴とする成膜方法。 - 請求項4に記載の成膜方法において、
前記遮蔽部材の配置および厚みを変えることにより前記成膜面近傍の所望の領域の磁力の分布を制御することを特徴とする成膜方法。 - 請求項4または5に記載の成膜方法において、
前記遮蔽部材の配置および材質を変えることにより前記成膜面近傍の所望の領域の磁力の分布を制御することを特徴とする成膜方法。
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CN115404449B (zh) * | 2021-05-28 | 2023-12-01 | 鑫天虹(厦门)科技有限公司 | 可调整磁场分布的薄膜沉积设备及其磁场调整装置 |
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