JP2013172697A - もちもちフラワーベース - Google Patents

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Abstract

【課題】生地に折り込み或いは点在させ、必要に応じて発酵させ、加熱したパン又は菓子に、ソフトな食感で且つもちもちした食感を付与するロールインシート様の非加熱の生地組成物(もちもちフラワーベース)、さらにそれを用いたパン及び菓子を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するため、水分と、糖分と、α化馬鈴薯澱粉と、呈味材と、添加物とからなる原料を、混合、成形してなることを特徴とするもちもちフラワーベースの構成とした。また、前記もちもちフラワーベースをパン生地とともに加熱してなり、もちもちした食感を備えることを特徴とするパン及び菓子の構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、デニッシュ生地、パン生地、菓子生地等に層状に折り込まれ、或いは点在させて、生地とともに焼成など加熱されるロールインシート様の非加熱の生地組成物に関する。より詳しくは、パン及び菓子(生地)と共に焼成、加熱されることで、パン及び菓子にソフトで且つもちもちした食感を付与することができるもちもちフラワーベースに関する。
ロールインシートは、デニッシュ生地、パン生地、菓子生地(以下、単に「生地」ということもある。)に積層され、必要に応じて発酵され、焼成され、パン、菓子製品に、食感の変化、風味、見た目の変化を付与す。
そして、その組成骨格から可塑性油脂ベースのロールインシート(以下、略して「可塑性油脂シート」ということもある。)、フラワーペーストベースのロールインシート(以下、略して「ロールインフラワー」ということもある。)がある。
可塑性油脂シートは、ロールインマーガリンなどと呼ばれ、可塑性油脂を板状に成型したもので、主にデニッシュ生地に積層される。そして、当該生地を焼成した場合は、デニッシュ生地が層状に焼き上げられ、パイ、クロワッサンなどに代表されるようにパリッとした食感が得られる。
他方、ロールインフラワーは、パン、菓子生地に可塑性油脂と同様に折り込まれ、必要に応じて発酵され、焼成されることで、パン、菓子にソフトな食感を付与することができる。焼き残らない可塑性油脂シートでは得られない鮮やか着色、バラエティー富んだ風味をパン、菓子に付与することもできる。例えば、特許文献1などがある。
ここで、フラワーペーストは、小麦粉、澱粉、ナッツ類若しくはその加工食品、ココア、チョコレート、コーヒー、果肉、果汁、いも類、豆類又は野菜類を主要原料とし、これに糖類、油脂、粉乳、卵等を加え、加熱殺菌することにより得られる。ロールインフラワーもその骨格は、フラワーペーストと同じであるが、シート状に成形されている点、さらに生地に折り込まれ焼成される点、単なるフラワーペーストにない特別の組成、機能が要求される。
昨今、ロールインフラワーは、多種多用の形態のパン、菓子に使用されている。ロールインフラワーに要求される機能としては、次に示すような機能が特に重要である。
製造上の機能としては、適度な硬さ、可塑性をもち、シート状に成形できること(成形性)が必要である。
使用上の機能としては、
(1)ロールイン、焼成時の生地と共に伸びること(伸展性)。伸展性がないと、生地を薄く伸ばした場合に均一にロールインフラワーが積層されず、焼成時にきれいな層が形成されない外観の悪いものになり、商品価値がなくなってしまう。
(2)生地を分割する場合に切断面がきれいで、カッターを汚さないこと(切断適正)。切断適正がないと、カッターの切れが悪くなりクリーニング作業が必要になり生産性が悪いものになる上、焼成後外観の悪いものになってしまう。
(3)醗酵中また焼成中にロールインフラワーと生地とが離れずに密着していること(結着性)。結着性がないと焼成後のパンにボリュームがでず、また外観の悪いものになってしまう。
(4)生地と共に焼成されるため軟化、油分の分離がなく、生地から吹き出ることがないこと(耐熱性)。耐熱性がないと、やはりきれいな外観の焼き上がりにはならない。
(5)流通期間中の微生物的腐敗がないこと(保存性)。
消費者は、(1)ソフトな食感(2)購買意欲をそそる外観(3)おいしさを求めている。昨今、消費者は、菓子、パンの食感において、特にもちもちした食感を好む傾向にある。もちもちした食感のパンが市場にあるが、主に、白焼き(低温焼成)で水分蒸発を抑制したもの、さらに澱粉を生地全体に練り込んで焼成したものである。従って、重い食感で、パン本来のソフト感がないのが現状である。
しかしながら、製造上、使用上の機能を満たしつつ、パン、菓子にもちもちした食感を付加するフラワーペーストベースのロールインフラワーは存在しなかった。
特開平01−168239号公報
そこで、本発明は、生地に折り込み或いは点在させ、必要に応じて発酵させ、加熱したパン又は菓子に、ソフトな食感で且つもちもちした食感を付与するロールインシート様の非加熱の生地組成物(もちもちフラワーベース)、さらにそれを用いたパン及び菓子を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明は、
(1)
水分と、糖分と、α化馬鈴薯澱粉と、呈味材と、添加物とからなる原料を、混合、成形してなることを特徴とするもちもちフラワーベースの構成とした。
(2)
前記原料の全重量において、油分が0〜20重量%、小麦粉が0〜20重量%、前記馬鈴薯澱粉が5〜25重量%の範囲で含まれることを特徴とする(1)に記載のもちもちフラワーベースの構成とした。
(3)
前記馬鈴薯澱粉が、アセチル化リン酸架橋澱粉であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のもちもちフラワーベースの構成とした。
(4)
前記アセチル化度が、0.01〜0.3の範囲であることを特徴とする(3)に記載のもちもちフラワーベースの構成とした。
(5)
(1)〜(4)の何れかに記載のもちもちフラワーベースを凍結流通することを特徴とするもちもちフラワーベースの構成とした。
(6)
(1)〜(5)の何れかに記載のもちもちフラワーベースをパン生地とともに加熱してなり、もちもちした食感を備えることを特徴とするパン及び菓子。
(7)
前記もちもちフラワーベースで、具材を包み、パン生地とともに発酵させ、焼成してなり、
前記具材の周りにもちもちした食感を付与したことを特徴とする(6)に記載のパン及び菓子の構成とした。
(8)
(1)〜(5)の何れかに記載のもちもちフラワーベースを加熱後の菓子又はパンとともに加熱してなり、もちもちした食感を備えることを特徴とするパン及び菓子の構成とした。
ここで、本発明であるもちもちフラワーベースは、水分、糖分、α化馬鈴薯澱粉、呈味材、添加物を必須とし、必要に応じて油分、小麦粉を添加する。油分を含む場合には水中油型乳化物とする。水分は、単純な水の他に呈味に応じて、牛乳、果汁等の中の水も含まれる。
糖分は、従来から菓子生地に使用されている糖分を使用することができる。例えば、ぶどう糖、砂糖、麦芽糖、乳糖、オリゴ糖、水飴、トレハロースなどが例示できる。
馬鈴薯澱粉は、伸展性機能を発揮するとともに、焼成時の生地の保水力、生地にもちもちした食感を付与する。その添加量は、原料の全重量において5〜25重量%程度添加することが望ましい。5重量%より少ないとパンにもちもち感を十分に付加することができないとともに、伸展性が十分発揮されない。一方25重量%を越えるとライン負荷が高まり製造が困難であるとともに、パンにおいて澱粉の粘りを感じ違和感ある食感になってしまう。馬鈴薯澱粉の他に、他の澱粉を補助的に使用することができる。
α化馬鈴薯澱粉は、老化抑制、耐熱性(ラインシェア耐性)加工が施されているものが好ましく、各種加工馬鈴薯澱粉が流通している。その中でも特にアセチル化リン酸架橋が好適である。α化澱粉とは、一度加熱膨潤させた澱粉を乾燥粉末化した澱粉のことである。さらに、その加工度としては、アセチル化度は0.01〜0.3の範囲が、ライン適正、シェア耐性、耐冷凍、冷蔵性(老化防止)、結着性、耐熱性、パン・菓子へのもちもち食感の付与等の観点から最も好ましい。
アセチル化度(DS)とは、グルコース1残基当たりの置換基の数のことである。従って、アセチル化度は3まで取り得る。本発明におけるアセチル化度は、好ましくは0.01〜0.3、より好ましくは0.01〜0.1、さらに好ましくは0.02〜0.08である。
アセチル化度の測定は、アセチル化リン酸エステルの場合には、アセチル基2.5%以下においては、当該澱粉約5gを精密に量り,三角フラスコに入れ、水50mlを加えて懸濁する。ただし、α化澱粉及び水可溶澱粉については、水の量は100mlとする。フェノールフタレイン試液数滴を加え、液が微紅色を呈するまで0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液を滴下する。0.45mol/L水酸化ナトリウム溶液25mlを正確に加え、栓をして、30分間激しく振り混ぜる。栓を取り、すり合わせ部分及びフラスコの内壁を少量の水で洗い込み、検液とする。
検液中の過量の水酸化ナトリウムを0.2mol/L塩酸で滴定し、その消費量をSmlとする。終点は液の微紅色が消えるときとする。別に0.45mol/L水酸化ナトリウム25mlを0.2mol/L塩酸で滴定し、その消費量をBmlとする。そして、次式により、アセチル基の含量を求めることができる。
アセチル基(CHCO−)の含有量(%)=
((B−S)×0.2×0.43/乾燥物換算した資料の採取量(g))×100
呈味材は、卵原料、乳製品、チョコ、芋・栗・ゴマ・ピーナツなどの穀物、フルーツ・野菜・それらのピューレ或いはジュース、香料、出汁、醤油・味噌など一般調味料が例示でき、パン、菓子に付与する呈味源である。
卵は主に鶏卵で、液全卵、液卵黄、液卵白、あるいはそれらの酵素処理物などが例示できる。それらは凍結してあっても乾燥物であってもよい。乳製品としては、牛乳、全脂乳、脱脂乳、それらの調整品、発酵物が例示できる。さらに、それらからの抽出物、例えばカゼイン、ホエーなどが使用できる。これらは、乳化作用も発揮する。チョコとしては、チョコレートの他、カカオマス、ココアなども含む。
添加物とは、着色料(合成、天然色素)、酸味料、増粘剤、ゲル化剤、保存料、pH調整剤、乳化剤、調味料などの食品添加物である。目的の色、味、保存性、硬さにするため、食品添加物として認可されているものを使用することができる。
油分は、サラダ油、固形脂、カカオ脂、バター、マーガリン、生クリームなどが例示できる。その添加量は油分として、原料の全重量において0〜20重量%、好ましくは5〜20重量%程度添加することが望ましい。5重量%より少ないと伸展性が十分えられないことがある。一方20重量%を越える好適な小麦粉量では乳化が安定しない。従って耐熱性が低下する。
小麦粉は、乳化機能を担うとともに、ロールイン時、発酵時及び焼成時の伸展性及び結着性機能も発揮する。その添加量は、原料の全重量において0〜25重量%、好ましくは10〜25重量%程度添加することが望ましい。10重量%より少ないと結着性が低下する。一方25重量%を越えると伸展性が低下してしまう。
なお、フラワーペーストには、保存料として、ソルビン酸Na、酢酸などを使用することがあるが、これらは酵母によるパン生地の発酵を阻害し、ロールインフラワーと生地の結着性を低下させる要因である。従って、もちもちフラワーベースは、保存料を添加することなく、冷蔵、冷凍で保存することが望ましい。
ロールインフラワー原料の混合は、縦型ミキサー、横型ミキサーなど、パン生地、菓子生地などを混合する撹拌機を使用して撹拌される。その際、もちもちフラワーベースの原料に油脂が添加されていれば当該混合物は水中油型乳化物になる。
もちもちフラワーベース原料の成形は、目的に応じ、数mm〜10mm程度の厚さのシートに成形する。その成形手段は問わない。また、本発明のもちもちフラワーベースは、極めて伸展性が高いため、シート状に成形せず、ピロー状に包装し、ユーザーが必要な形状に成形することもできる。必要に応じて、冷蔵、冷凍保管、流通される。
凍結は、大凡−18℃以下で十分凍結する。使用時には冷蔵庫、室温で解凍できる。解凍させた後の物性は、凍結による澱粉の老化による水分の分離、油分の分離、伸展性の低下がなく、生地に折り込んでも使用上の機能を十分に発揮する。さらに、焼成後のパン、菓子ではもちもちした食感を楽しむことができる。
本発明であるもちもちフラワーベースの生地への添加、使用方法としては、従来同様にロールイン(折り込み、積層)、パン、菓子生地に貼り付け、粒状に点在、さらに具材を包んだ上で、さらにパン生地等で包み、必要に応じて発酵、焼成する使用方法が例示できる。
発酵することで、パン生地と本発明であるもちもちフラワーベースが結着し、焼成後に不要な空洞がパン内部に形成されない。また、具材を本発明であるもちもちフラワーベースで被覆した場合には、具材ともちもちフラワーベースとの間にも、具材が加熱により極端に収縮しない限り、空洞は形成されない。
本発明であるもちもちフラワーベースで包む具材としては、例えば、あんこなどの餡、ジャム、クリーム、肉まんのなどの固形物、(半)流動物などが例示でき、従来から製菓・製パンに使用されている具材(フィリング)が使用できる。
本発明であるもちもちフラワーベースは、パン生地とともに焼成する他、蒸気、マイクロ波などの加熱条件でも、折り込みの他にパン生地に載置するなどして、使用することができる。その際、発酵は必ずしも必要としない。また、加熱して完成したパン及び菓子の上に載置して、さらに加熱加工することでも、パン及び菓子にもちもちした食感を付与することができる。
ここで、菓子パン生地としては、食パン、菓子パン、蒸しパン、饅頭、その他和洋菓子又はパンの生地を採用することができる。
本発明は、上記構成であるので次の効果を奏する。もちもちフラワーベースを生地に積層し、必要に応じて発酵させ、焼成することで、シート状にパン、菓子中に存在するため、生地の水分蒸発を抑制するとともに、ソフトで且つもちもち感を感じることができる。従来同様に、バラエティーに富んだ外観、風味のパン、菓子を提供することができる。さらに、アセチル化リン酸架橋澱粉を用いることで、もちもちフラワーベースの冷凍耐性、耐熱性、結着性、ソフト感、もちもち感は一層顕著になる。
さらに、本発明であるもちもちフラワーベースを生地に積層させることなく、生地に点在、さらには、もちもちフラワーベースで具材を包みことで、パン及び菓子にもちもちした食感を付与するとともに、具材の周りにもちもちした食感を付与することができる。さらに、生地ともちもちフラワーベースとが結着し、生地ともちもちフラワーベースとに空洞ができず、従来にない具材が生地内に充満したようにみえる新規なパンが提供できる。
例えば、具材として、餡を使用したあんパンなどでは、従来焼成後、餡上部とパン生地との間に空洞が形成される。また焼成・放冷後にはパン上部が凹み、外観がよく仕上がらないことが多い。しかし、本発明のもちもちフラワーベースを餡とパン生地との間に介在させることで、食感、外観ともに従来にない優れた具材入りパン及び菓子を提供することができる。
本発明であるもちもちフラワーベース(実施例1)と比較例1の比較写真である。 本発明であるもちもちフラワーベース(実施例1)と比較例1の配合量の比較表である。 本発明であるもちもちフラワーベース(実施例1)と比較例1を使用したパンの「もちもち感」の比較グラフである。 本発明であるもちもちフラワーベース(実施例1)と比較例1を使用したパンの「硬さ」の比較グラフである。 本発明であるもちもちフラワーベースを折り込んで焼成したパンの一例の写真である。 本発明であるもちもちフラワーベースを折り込んで焼成した捻りパンの一例の写真である。 本発明であるもちもちフラワーベースを折り込み以外の用途に応用した新規パンの説明図である。 本発明であるもちもちフラワーベースを用いた他の実施形態の写真である。
以下、本発明について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、図2に示す配合のもちもちフラワーベースの写真である。A列は実施例1(本発明)、B列は比較例1(従来のロールインフラワー)で、上段が平面全景、下段が端を摘み引っ張り上げたときの様子である。
図1に明らかなように、本発明は比較例1に比べ極めて伸展性の高い組成物である。図2に示すように、実施例1と比較例1は、澱粉組成、加熱において異なる。即ち、実施例1はアセチル化リン酸架橋のα化馬鈴薯澱粉を用いて非加熱で比較例1はリン酸架橋のコーンスターチを用いた加熱品である。
本発明であるもちもちフラワーベースそれ自体に伸展性があり、もちもちした物性であるため、本発明を折り込んだパン又は菓子では、もちもちフラワーベースそれ自体が生地とともに伸び、喫食者は馬鈴薯澱粉に起因するもちもちした食感を感じることができる。焼成時のパン生地からの水分の蒸発を抑制する機能が高いことも理由の1つと思われる。
なお、図2に示す油分はサラダ油、糖分は砂糖と水飴(重量比3:7)、呈味材は黒ごま、添加物は香料、甘味料、色素である。
図3、4に、実施例1(もちもちフラワーベース)と比較例1(従来のロールインフラワー)を使用したパンの物性を比較したグラフを示す。図3がもちもち感、図4が硬さを測定結果である。
パンは、次の配合をストレート法で焼成したもので、焼成後、放冷し、袋に密封し25℃に3日間保管したものを使用した(図5)。
[パン組成]
原材料は、強力粉80重量部、薄力粉20重量部、パン酵母5重量部、イーストフード0.1重量部、食塩1重量部、砂糖25重量部、油脂(バター)15重量部、全卵18重量部、水40重量部である。
[パンの作成方法]
上記パン組成の内、油脂以外の原料をミキサーで混合した(低速2分、中速5分)。その後、油脂を添加してさらにミキサーで混合した(低速3分、中速6分)。その後、20分間第一発酵(27℃、湿度75%)を行い、続いて5℃で12時間低温長時間発酵した。その後、パン生地2000gに対して、実施例1のもちもちフラワーベースを1000g(対生地50重量%)折り込み(4つ折1回/厚さ8mm)、100gずつに、もちもちフラワーベースの模様ができるよう縦に分割した。続いて、切断面を上に天板に載せ、60分間第二発酵(34℃、湿度75%)を経て、180℃、11分焼成した。
パンの物性の測定には、Stable Mycro Systems社製のTextur Analyser TA−XT Plusを用いた。
図3のもちもち感は、幅25mm長さ90mm高さ20mmに切り出した各シートをグリップ状の治具で挟み、引っ張ったとき切断されるまで伸びた長さを指標とした。図3から明らかなように、実施例1のもちもちフラワーベースを使用したパンは、比較例1のロールインフラワーを使用したパンの1.5倍程度の伸びを示した。
従って、もちもちフラワーベースを使用したパンは、従来のロールインフラワーに比べもちもちした食感であるといえる。当該試験において、8.0mmを越えるともちもちした食感を感じるようになる。
図4の硬さは、直径15mmの円柱状治具でパン(図5)の表面から10mm押し込んだときの最大ピーク(g)を硬さの指標とした。図4から明らかなように、実施例1のもちもちフラワーベースを使用したパンは、比較例1のロールインフラワーを使用したパンの7割程度の硬さ示した。従って、もちもちフラワーベースを使用したパンは従来のロールインフラワーに比べ重くなくソフトな食感であるといえる。
図6に示すように、本発明であるもちもちフラワーベースを折り込み、捻った上で、焼成した捻りパンは、斜めにきれいな縞模様(パン生地部分より灰色が濃い部分)が見える。
従って、切断適正及び伸展性(パン表面に縞模様がくっきり見える、結着性(生地とロールインフラワーが剥がれていない)、耐熱性(縞模様が荒れていない)があり、ロールインフラワーの使用上の機能を満たしていることが分かる。さらに、その食感は、ソフトでもちもちした食感であった。
図7のあんパンを参照して、本発明であるもちもちフラワーベースの折り込み以外の使用例を説明する。図7(A)は、あんパン生地50gに、角形にカットした厚さ5mmのもちもちフラワーベース20gを載せ、さらに具材として餡を15gもちもちフラワーベースの上に載せたときの状態を示す写真である。
その後、餡をもちもちフラワーベースで被覆した上で、さらにパン生地でもちもちフラワーベースを覆って、50分間(38℃、湿度80%)発酵させ、190℃で10分焼成した。
そして、焼成されたあんパンを縦に切断した断面を図7(B)に示した。餡の周りをもちもちフラワーベースで被覆することで、第1に餡にもちもちした食感を付与することができる。加えて、従来のような餡上部とパン生地との間に空洞がなく、餡とパン部が結着し、断面形状が美しく、かつ放冷後もパン上部が凹むこともなく外観も美しい。
図8を参照して、もちもちフラワーベースの他の実施形態について説明する。図8(A)は、一般的な菓子パン生地上に本発明のシート状(厚み5mm)でかつ角形のもちもちフラワーベースを載せ、さらにパン生地中にもちもちフラワーベース押圧して、凹みを設けて、その凹みに具材、ここでは豆類を載置して、一般的な菓子パンの発酵、焼成条件で加熱して得た菓子パンである。
本発明のもちもちフラワーベース(図8(A)白抜き破線)は、焼成されて、具材を載せる皿のような形状(図8(A)白抜き点線)を菓子パンと一体になって形成するとともに、もちもちした食感を菓子パンに付与することができる。その皿形状のもちもちフラワーベースに具材を留めることができる。
図8(B)は、一般的な蒸しパン生地上に、本発明のシート状(厚み5mm)でかつ角形のもちもちフラワーベースを載せ、一般的な蒸し条件で加熱して得た蒸しパンである。発酵、焼成工程を必要としない菓子にも利用でき、もちもちした食感を付与することができる。
また、パン及び菓子生地とともに加熱する他、加熱後のパン及び菓子に本発明のもちもちフラワーベースを載せ、再度加熱することもできる。

Claims (8)

  1. 水分と、糖分と、α化馬鈴薯澱粉と、呈味材と、添加物とからなる原料を、混合、成形してなることを特徴とするもちもちフラワーベース。
  2. 前記原料の全重量において、油分が0〜20重量%、小麦粉が0〜20重量%、前記馬鈴薯澱粉が5〜25重量%の範囲で含まれることを特徴とする請求項1に記載のもちもちフラワーベース。
  3. 前記馬鈴薯澱粉が、アセチル化リン酸架橋澱粉であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のもちもちフラワーベース。
  4. 前記アセチル化度が、0.01〜0.3の範囲であることを特徴とする請求項3に記載のもちもちフラワーベース。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のもちもちフラワーベースを凍結流通することを特徴とするもちもちフラワーベース。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のもちもちフラワーベースをパン生地とともに加熱してなり、もちもちした食感を備えることを特徴とするパン及び菓子。
  7. 前記もちもちフラワーベースで、具材を包み、パン生地とともに発酵させ、焼成してなり、
    前記具材の周りにもちもちした食感を付与したことを特徴とする請求項6に記載のパン及び菓子。
  8. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のもちもちフラワーベースを加熱後の菓子又はパンとともに加熱してなり、もちもちした食感を備えることを特徴とするパン及び菓子。
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WO2016059669A1 (ja) * 2014-10-14 2016-04-21 オリエンタル酵母工業株式会社 フラワーペースト調製用粉体組成物

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