JP2013172677A - 圧力式細胞破砕装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体原料を無駄にすることなく、しかも、小容量で試験を行うことができる圧力式細胞破砕装置を提供する。
【解決手段】液体原料A破砕用の破砕機構18と、破砕機構18内に液体原料Aを導入する原料導入路20と、破砕機構18内で破砕された破砕後の液体原料A’を外部に排出する排出路22とが設けられているヘッド部12、ヘッド部12に着脱可能且つ水密的に接続され、前記ヘッド部12の原料導入路20と連通するピストン挿通用孔24aを有する原料押出用シリンダー24と、ピストン挿通用孔24a内に摺動可能に設けられている原料押出用ピストン30と、原料押出用ピストン30をヘッド部12に対して近接離間する方向へ移動させる油圧式のピストン駆動部28とを備える原料供給部14、およびヘッド部12と原料供給部14とを油圧式の型締用シリンダー52と固定プレート56とでその両側から押圧して型締する型締部16を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、極く小量のサンプルで細胞破砕試験を行うことが可能な圧力式細胞破砕装置に関する。
近年、老化防止や美肌を目的としてコエンザイムQ10と呼ばれる化合物(電子伝達体)を体内に摂取することが喧伝されている。電子伝達体とは、生体内における電子伝達反応を担う化合物であり、大腸菌或いは酵母菌といったバクテリアの細胞壁内に存在することが知られている。コエンザイムQ10以外にも様々な電子伝達体の存在が知られるところであり、今日では、各種バクテリアを培養して新規な電子伝達体を発見する研究が盛んに行われている。
電子伝達体をバクテリアから取り出すためには、バクテリアの細胞壁を破砕する必要があり、そのための装置として圧力式細胞破砕装置が利用されている(例えば、特許文献1参照)。
圧力式細胞破砕装置は、チャンバー内に設けられた段状に屈曲されている狭い通路内に、バクテリアを含む液体原料を高圧で供給し、その時の衝撃力によってバクテリアの細胞壁を破壊するものである。細胞壁を破砕した後の液体原料は回収され、遠心分離機によってろ過されて目的とする電子伝達体が採集される。
特開2010−279292号公報(図1)
新規な電子伝達体を発見するためには、種々のバクテリアを培養し、これを破砕試験する必要があるが、バクテリアの培養には長い時間を要するし、中には貴重で高価なものも多く存在することから、小容量での試験を行いたいという現場の要請があった。
ところが、従来の細胞破砕装置は、液体原料を貯留する原料タンクと圧力式細胞破砕装置とが長い配管で接続されていることから、破砕試験を行うためにはある一定量以上の液体原料を必要としていた。また、配管内に残留する液体原料は破砕試験に供されることがないため非効率的であるという問題もあった。
本願発明はかかる従来の問題に鑑みてなされたものであり、破砕試験のサンプルとなる液体原料を無駄にすることなく、しかも、小容量で試験を行うことができる圧力式細胞破砕装置を提供することにある。
請求項1に記載した発明は、「液体原料A破砕用の破砕機構18と、破砕機構18内に液体原料Aを導入する原料導入路20と、破砕機構18内で破砕された破砕後の液体原料A’を外部に排出する排出路22とが設けられているヘッド部12、ヘッド部12に着脱可能且つ水密的に接続され、前記ヘッド部12の原料導入路20と連通するピストン挿通用孔24aを有する原料押出用シリンダー24と、ピストン挿通用孔24a内に摺動可能に設けられている原料押出用ピストン30と、原料押出用ピストン30をヘッド部12に対して近接離間する方向へ移動させる油圧式のピストン駆動部28とを備える原料供給部14、およびヘッド部12と原料供給部14とを油圧式の型締用シリンダー52と固定プレート56とでその両側から押圧して型締する型締部16を備えている」ことを特徴とする圧力式細胞破砕装置10である。
請求項2に記載した発明は、「原料押出用ピストン30は、ピストン挿通用孔24aに挿入される部分30aと、ピストン駆動部28によって押圧される部分30bとに2分割されており、両部材30a,30bが着脱可能に接続されている」ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、型締部16ならびにピストン駆動部28が油圧式のものとして構成されているので、型締作業や原料押出作業時において例えば10MPa以上の高圧をかけることが可能となる。ここで、液体原料Aは、ピストン挿通用孔24aと原料押出用ピストン30とで囲まれた空間(原料充填用空間X)に充填され、そのほぼ全量が破砕機構18に供給される。したがって、貴重な液体原料Aを無駄なくサンプルとして破砕試験することができる。
さらに、破砕試験をするために必要な液体原料Aの容量は、ピストン挿通用孔24aと原料押出用ピストン30とで囲まれた空間(原料充填用空間X)の容積によって任意に設定することができるので、少量での破砕試験も可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、原料押出用ピストン30のうち、ピストン挿通用孔24aに挿入される部分30aの長さが異なるものを適宜交換することにより、ピストン挿通用孔24aと原料押出用ピストン30とで囲まれた空間(原料充填用空間X)の容積、すなわち、サンプルとなる液体原料Aの充填量を任意に変更することができる。
圧力式細胞破砕装置を示す分解斜視図である。 圧力式細胞破砕装置を示す部分断面図である。 破砕機構の一例を示す図である。 型締用シリンダーに圧油を供給して型締作業を行っている状態を示す部分断面図である。 原料押出用シリンダー24に圧油を供給している状態を示す部分断面図である。 液体原料を破砕機構に供給し終わった状態を示す部分断面図である。
以下、本発明を図面に従って説明する。図1は、本発明にかかる圧力式細胞破砕装置(以下、単に「破砕装置」という。)10を示す分解斜視図であり、図2は、破砕装置10を示す部分断面図である。
これらの図が示すように、本発明の破砕装置10は、ヘッド部12、原料供給部14および型締部16により構成されている。
ヘッド部12は、正面視断面略凸字状のブロック状部材で、その上部側が小径側部分12aであり、下部側が大径側部分12bである。大径側部分12bの底面は、一段下がって段状に形成されており、この一段下がった凹部12cの中央に原料導入路20が設けられている。原料導入路20は、その一端が凹部12cの底面に臨まされており、他端が後述する破砕機構18の連通路88と連通されている。また、ヘッド部12の大径側部分12bの側面には、破砕後の液体原料A’を外部に排出する排出路22が形成されている。
ヘッド部12の大径側部分12bの内部には、破砕機構18が設けられている。破砕機構18は、液体原料Aに高圧を加えてバクテリアの細胞壁を破砕するためのもので、チャンバー80とホモバルブ82とピストン84とシリンダー86とで大略構成されている。
チャンバー80は、略円柱状のブロック状部材で、その内部には、液体原料Aが通流される非常に狭い連通路88が形成されている(図3参照)。
連通路88は、その一端がチャンバー80の底面に臨まされており、上述した原料導入路20と連通されている。また、連通路88の他端側は、チャンバー80の中央部分において二段階で拡径し、最大拡径部分80aがチャンバー80の側面に臨まされて排出路22に連通されている。なお、連通路88の最初の拡径部分88bの側壁88cが後述するように液体原料Aの「破砕部」として機能する。
チャンバー80の上面には、ホモバルブ挿通用80aが連通路88と連通するように形成されており、このホモバルブ挿通用孔80aにホモバルブ82が挿通されている。
ホモバルブ82は、円柱状のブロック状部材で、その材質は、ステライト、タングステンカーバイド、ジルコニア系セラミック、チッ化ケイ素或いはダイヤモンドといった非常に硬質の材料により形成されている(破砕するバクテリアの種類に応じて適宜選択される)。
ホモバルブ82の上端部には、シリンダー86が配置されており、シリンダー86内に収容されているピストン84の先端がホモバルブ82の上端部分と当接されている。
なお、本実施例では、シリンダー86内のピストン84が空圧によってホモバルブ82に対して近接離間可能となっており、ホモバルブ82の連通路88内への突出量、(換言すれば、ホモバルブ82の底面82aと連通路88の拡径部分88bとの間の隙間L)を調整することによって、液体原料Aの破砕度合いを調整することができるようになっている(もちろん、空圧の代わりに油圧によってピストン84を動かすようにしても良い)。
また、破砕機構18としては、本実施例で示した構造のものに限られず、現在知られている周知のものを利用することが可能である。
原料供給部14は、原料押出用シリンダー24と、スペーサー26と、ピストン駆動部28とで大略構成されている。
原料押出用シリンダー24は筒状の部材で、その中心に形成された孔がピストン挿通用孔24aである。ピストン挿通用孔24aには、後述する原料押出用ピストン30が摺動可能に挿通されており、ピストン挿通用孔24aの下端部内周縁に設けられているパッキン32によって原料押出用ピストン30(より詳しく言うと、上部側ピストン30a)が水密的に保持されている。
原料押出用ピストン30は、上下2分割されており、その上部側ピストン30aと下部側ピストン30bとが接続部材30cを介して着脱可能に接続されている。上部側ピストン30aは、その外径がピストン挿通用孔24aの内径と略等しく設定されており、上述したように、ピストン挿通用孔24aの内周縁に取り付けられているパッキン32によって水密的に保持されている。
下部側ピストン30bの下端部には、フランジ30dが設けられており、後述するピストン駆動部28のピストン押出用圧油供給室40aの内部に嵌合状態で収容されている。
原料押出用シリンダー24の上端部は、その中央部分が段状に突出しており、該突出部分24bが上述したヘッド部12の一段下がった凹部12cに着脱可能にて嵌合されている。
突出部分24bの中央部分には、一段下がった凹所24cが形成されており、凹所24cの内側面にはOリング34が取り付けられている。
原料押出用シリンダー24の外面には、ピストン挿通用孔24aと連通する圧力計取付孔36が形成されており、この圧力計取付孔36に圧力計38が取り付けられている。
スペーサー26は、原料押出用シリンダー24よりも僅かに大径で下面側が開口されている平面視略円形状のブロック状部材であり、当該開口部が後述するピストン駆動部28の上部ハウジング28aによって閉塞されることにより、ピストン収容空間26aとして機能することとなる。スペーサー26の上面には、ピストン挿通用孔26bが形成されており、このピストン挿通用孔26bに上部側ピストン30aがその下側から挿通されている。
なお、ピストン収容空間26aには、上部側ピストン30aの下端部、下部側ピストン30bの上端部ならびに両部材を接続する接続部材30cとが収容されている。
ピストン駆動部28は、原料押出用シリンダー24内に摺動可能に取り付けられている原料押出用ピストン30をその軸方向に摺動させるブロック状の部材で、その外径は、スペーサー26よりも僅かに大径に設定されている。
ピストン駆動部28の内部は中空であり、その内部空間40に下部側ピストン30bの下端部ならびにフランジ30dが収容されている。内部空間40の内径は、フランジ30dの外径と略等しく設定されている。
ここで、フランジ30dは、内部空間40の底面から少し隙間を空けた状態で下部側ピストン30bに取り付けられている。これにより、内部空間40は、フランジ30dによって上下に水密的に区切られることとなる。なお、内部空間40のうちフランジ30dよりも下側の空間がピストン押出用圧油供給室40aである。
ピストン駆動部28は、その上端部分において上下二分割されている。ここで、上下二分割された上側部分が上部ハウジング28aであり、下側部分が下部ハウジング28bであり、両者28a,28bがボルト42によって着脱可能に連結されている。
上部ハウジング28aの上面にはリング状の、フランジ28cが立成されており、このフランジ28cがスペーサー26の下端部に嵌り込んでいる。なお、上述したように、スペーサー26と上部ハウジング28aとで囲まれた空間がピストン収容空間26aとして機能する。
上部ハウジング28aの上面中央部には、ピストン挿通用孔28dが形成されており、このピストン挿通用孔28dに上述した下部側ピストン30bが挿通されている。また、上部ハウジング28aのフランジ28cの外側面には、ピストン収容空間26aと連通する空気抜き用の孔28eが形成されている。
下部ハウジング28bの外側面には、その上端部に空気抜き用の孔28fが形成されており、その下端部には、圧油吸排用の孔28gと空気抜き用孔28hとがそれぞれ形成されている。空気抜き用の孔28fには、空気用配管44が接続されており、圧油吸排用孔28gには圧油給排用配管46が接続されており、その先端に図示しないピストン押出用圧油タンクが接続されている。一方、空気抜き用孔28hには、逆止弁付きの空気抜き用配管48が接続されている。
なお、空気抜き用孔28hは、ピストン押出用圧油供給室40a内に圧油を供給する際に、ピストン押出用圧油供給室40a内から空気を効果的に抜くことができるよう、ピストン30が最下点(図2の状態)にあるときに、フランジ30dの直下に位置するよう設定されている。
型締部16は、ヘッド部12と原料供給部14とをその上下両側から挟み込んで型締作業を行うもので、台板50と、型締用シリンダー52と、4本の支持ボルト54と固定プレート56とを備えている。
台板50は、矩形状の板状部材で、その下面四隅には脚50aがそれぞれ取り付けられている。
台板50の上面中央部分には、型締用シリンダー52が立設されている。型締用シリンダー52は、上部開口下部有底で、平面視略円形状のブロック状部材で、その外径は、ピストン駆動部28よりも大径になるように設定されている。型締用シリンダー52の内部に形成されている凹所53は、その内側面が段状に形成されており、上側の大径部分であるピストン駆動部収容部53aには、上述したピストン駆動部28の下端部が嵌まり込んでおり、下側の小径部分である型締用ピストン収容部53bには、型締用ピストン58が上下方向に摺動可能に設けられている。
型締用ピストン58は、円柱状の部材で、その中段部分にはフランジ58aが設けられている。フランジ58aは、その外径が凹所53の型締用ピストン収容部53bの内径と大略等しく設定されており、その中段部分にはOリング58bが取り付けられている。
なお、型締用ピストン収容部53bとフランジ58aとで囲まれた空間が型締用圧油供給室53cである。
型締用シリンダー52には、外面と凹所53の型締用ピストン収容部53bとを連通するように圧油給排用孔52bならびに空気抜き用孔52cがそれぞれ形成されている。
ここで、空気抜き用孔52cは、圧油給排用孔52bよりも上方に位置するように形成されており、型締用ピストン58が最下点の位置(図2参照)にあるときに、フランジ58aの直下に位置するように設けられている。圧油給排用孔52bには、圧油給排用配管60が接続されており、その先端に図示しない型締用圧油タンクが接続されている。一方、空気抜き用孔52cには、逆止弁付きの空気抜き用配管62が接続されている。
台板50の上面各隅部には、支持ボルト54がそれぞれ立設されている。各支持ボルト54の上端部には、上下一対の締付ナット64がそれぞれ螺着されており、この上下一対の締付ナット64によって固定プレート56を所定の高さにて挟み込み保持できるようになっている。
固定プレート56は、金属等の剛性材料からなる矩形板状部材で、その四隅には、支持ボルト挿通用孔56aが支持ボルト54と対応する位置にそれぞれ形成されている。各支持ボルト挿通用孔56aには、支持ボルト54が挿通されており、各支持ボルト54に螺着されている上下一対の締付ナット64によって固定プレート56がその上下から挟み込み保持されている。
また、固定プレート56には、略U字状の切り欠き56bが形成されている。切り欠き56bは、その先端部分が固定プレート56の中央部分にまで至っており、その内径は、ヘッド部12の小径側部分12aが嵌まり込むことはできるが、大径側部分12bは通過できないような大きさに適宜設定されている。
以上のように構成されている破砕装置10を使用する際には、ピストン押出用圧油供給室40aならびに型締用圧油供給室53cの内部を空にして原料押出用ピストン30ならびに型締用ピストン58がそれぞれ最下点に位置する状態とする(図2参照)。
そして、上側の締付ナット64を緩めて支持ボルト54から取り外し、固定プレート56とヘッド部12を取り外す。すると、原料押出用シリンダー24のピストン挿通用孔24aが外部に現れるので、ピストン挿通用孔24aと原料押出用ピストン30とで囲まれた空間(以下、「原料充填用空間X」という)にサンプルとなる液体原料Aを充填する(液体原料充填工程)。
なお、液体原料Aの充填量は、原料充填用空間Xの容量(より詳しく言えば、ピストン挿通用孔24aの内径と、原料押出用ピストン30が最下点に位置したときの原料押出用ピストン30のピストン挿通用孔24aへの挿入長さ)によって決定され、本実施例では、その容量が約10ccとなるように設定されている。
液体原料Aの充填作業が完了すると、今度は先ほどとは逆の手順で原料押出用シリンダー24の上にヘッド部12を被せ、ヘッド部12の上に固定プレート56を載置し(このとき、ヘッド部12の小径側部分12aを固定プレート56の切り欠き56bに嵌め込む)、各支持ボルト挿通用孔56aに支持ボルト54をそれぞれ挿通し、先ほど取り外した締付ナット64を各支持ボルト54に螺着して固定プレート56の位置を固定する(図2参照)。これにより、ヘッド部12と原料供給部14とが型締部16によってその上下両側から挟み込まれることとなる。
次に、圧油給排用配管60に接続されている図示しない型締用圧油タンクを作動させて圧油を型締用圧油供給室53c内に供給する(図4参照)。
型締用圧油供給室53c内に圧油を供給すると、圧油によって型締用シリンダー52が上方へ持ち上げられ、原料供給部14とヘッド部12とを上方へ押し上げ、やがて、ヘッド部12の大径側部分12bが固定プレート56と当接する。なお、型締用圧油供給室53c内の空気は、空気抜き用孔52cから効果的に抜け出ることとなる。
圧油による押圧力をさらに加えると、原料供給部14とヘッド部12との間に大きな型締力が加わり(型締作業)、液体原料Aを原料充填用空間Xに導入する準備が完了する。
型締作業が完了すると、次に、圧油給排用配管46に接続されている図示しないピストン押出用圧油タンクを作動させて圧油をピストン押出用圧油供給室40a内に供給する(図5参照)。
ピストン押出用圧油供給室40a内に圧油を供給すると、圧油によって原料押出用ピストン30が上方へ持ち上げられ、原料充填用空間X内の液体原料Aが狭い原料導入路20を通って破砕機構18内に高圧で供給される(ピストン押出作業)。なお、ピストン押出作業時における液体原料Aを押し出す圧力は、上述した型締作業時の型締力よりも小さく(換言すれば、液体原料Aの押出力によってヘッド部12と原料供給部14とが離間することがないように)設定される。ピストン押出作業時に液体原料Aに加わる圧力は、圧力計38によって計測される。
破砕機構18内に高圧で供給された液体原料Aは、図3に示すように、狭い連通路88を通り、ホモバルブ82の底面82aによってその流れが遮られて側方へと流れを変える。ここで、ホモバルブ82の底面82aと連通路88の最初の拡径部分88bとの間の隙間Lは連通路88の内径よりも狭く設定されており、これにより、液体原料Aに加わる圧力が高められる。そして、この高い圧力によって圧送された液体原料Aが連通路88の側壁88cと衝突し、このときに受ける大きな衝撃力によって液体原料Aに含まれるバクテリアの細胞壁が破砕される。破砕後の液体原料A’は、排出路22から排出され、目的とする破砕物を得ることができる(図6参照)。
本実施例の破砕装置10によれば、原料押出用シリンダー24のピストン挿通用孔24aと原料押出用ピストン30とで囲まれた空間である原料充填用空間Xにサンプルとなる液体原料Aを充填することにより、そのほぼ全量を破砕機構18内において破砕することができる。つまり、従来のように、配管等に残留してサンプルとして供せられない液体原料Aが殆ど存在しないので、必要最低限の量で効率的に破砕試験を行うことが可能となる。
また、原料充填用空間Xの容量は、原料押出用シリンダー24のピストン挿通用孔24aの内径と、初期段階における原料押出用ピストン30のピストン挿通用孔24aへの挿入量によって任意に設定できるので、例えば10ccといった極く少量の容量とすることも可能である。
また、型締作業と液体原料Aの押出作業とをそれぞれ異なる油圧機構を用いて行うようにしているので、液体原料Aの押出作業をより高圧下で行うことが可能となり、液体原料Aの破砕を効果的に行うことができる。
さらに、ヘッド部12、原料供給部14ならびに型締部16は、それぞれ分解することが可能であるので、メンテナンスを容易に行うことができる。
なお、上述実施例では、原料供給部14の下方に型締部16を配置し、原料供給部14をヘッド部12に向けて下から上方へ押し上げることによってヘッド部12と原料供給部14との型締作業を行うようにしていたが、ヘッド部12の上方に型締部16を配置し、ヘッド部12を原料供給部14に向けて上から下方へ押し下げることによって上記型締作業を行うようにしても良い。
10…圧力式破砕装置
12…ヘッド部
14…原料供給部
16…型締部
18…破砕機構
19…連通路
20…原料導入路
22…排出路
24…原料押出用シリンダー
26…スペーサー
28…ピストン駆動部
30…原料押出用ピストン
40…内部空間
40a…ピストン押出用圧油供給室
50…台板
52…型締用シリンダー
53a…型締用ピストン収容部
54…支持ボルト
56…固定プレート
58…型締用ピストン


Claims (2)

  1. 液体原料破砕用の破砕機構と、前記破砕機構内に液体原料を導入する原料導入路と、前記破砕機構内で破砕された破砕後の液体原料を外部に排出する排出路とが設けられているヘッド部、
    前記ヘッド部に着脱可能且つ水密的に接続され、前記ヘッド部の原料導入路と連通するピストン挿通用孔を有する原料押出用シリンダーと、前記ピストン挿通用孔内に摺動可能に設けられている原料押出用ピストンと、前記原料押出用ピストンを前記ヘッド部に対して近接離間する方向へ移動させる油圧式のピストン駆動部とを備える原料供給部、および
    前記ヘッド部と前記原料供給部とを油圧式の型締用シリンダーと固定プレートとでその両側から押圧して型締する型締部を備えていることを特徴とする圧力式細胞破砕装置。
  2. 前記原料押出用ピストンは、前記ピストン挿通用孔に挿入される部分と、前記ピストン駆動部によって押圧される部分とに2分割されており、両部材が着脱可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力式細胞破砕装置。


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