JP2013171129A - 撮像装置及びフォーカス制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば色ずれの発生や特殊な撮像素子の必要性等なく、位相差AFを行うことが可能な撮像装置及びフォーカス制御方法等を提供すること。
【解決手段】撮像装置は、撮像光学系の瞳を第1瞳と第2瞳に分割する光学フィルタFLTと、第1〜第3透過率特性の第1〜第3色フィルタを有する撮像素子と、第1〜第3透過率特性の重なり部分及び非重なり部分に対応する第1〜第5バンドの成分値{b,b,g,r,r}を、第1〜第3色の画素値に基づいて推定するマルチバンド推定部と、第1瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第1被写体像Iとして取得し、第2瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第2被写体像Iとして取得し、第1、第2被写体像I、Iの位相差を検出し、位相差に基づいて撮像光学系のフォーカス制御を行うフォーカス制御部と、を含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、撮像装置及びフォーカス制御方法等に関する。
特許文献1には、赤色フィルタの部分瞳と青色フィルタの部分瞳で瞳分割フィルタを構成し、その瞳分割フィルタにより撮像光学系の瞳を色で分割し、撮像画像の中の赤色画像と青色画像との間の位相差を検出し、その位相差に基づいてフォーカス制御を行う手法が開示されている。
特許文献2には、複数の開口を設けた遮光板を撮像光学系に配置し、その複数の開口の中の1つに青色フィルタを取り付け、他の1つにオレンジ色フィルタを取り付け、青色フィルタとオレンジ色フィルタを取り付けた眼鏡を通して撮像画像を観察することで、立体視を行う手法が開示されている。
特許文献3には、瞳分割フィルタの第1瞳には3色のフィルタを設け、第2瞳には、透過特性が第1瞳のフィルタと重ならない3色のフィルタを設け、第1撮像素子には第1瞳の透過波長帯域に対応する色フィルタを設け、第2撮像素子には第2瞳の透過波長帯域に対応する色フィルタを設け、瞳分割フィルタの透過光をビームスプリッタで分割して第1撮像素子と第2撮像素子に入射させ、立体視用の画像を撮影する手法が開示されている。
特開2001−174696号公報 特開平4−251239号公報 特開平10−276964号公報
さて、瞳分割により得られた2画像の位相差を検出してフォーカス制御を行う、いわゆる位相差AF(Auto-Focus)が知られている。しかしながら、従来の位相差AFでは、例えば色ずれの発生や特殊な撮像素子が必要となる等の課題がある。例えば特許文献1の手法では、被写体の中でピントの合っていない部分では赤色画像と青色画像の位置にずれ(即ち位相差)があるため、色ずれを生じてしまう。また、特許文献2の手法を仮に位相差AFに適用した場合、同様に青色画像とオレンジ色画像に色ずれを生じてしまう。また、特許文献3の手法を仮に位相差AFに適用した場合、特殊な色フィルタを設けた2つの撮像素子や、ビームスプリッタが必要となる。
本発明の幾つかの態様によれば、例えば色ずれの発生や特殊な撮像素子の必要性等なく、位相差AFを行うことが可能な撮像装置及びフォーカス制御方法等を提供できる。
本発明の一態様は、撮像光学系の瞳を、第1瞳と、前記第1瞳とは透過波長帯域が異なる第2瞳とに分割する光学フィルタと、第1透過率特性を有する第1色フィルタと、第2透過率特性を有する第2色フィルタと、第3透過率特性を有する第3色フィルタとを含む撮像素子と、前記第1〜第3透過率特性の重なり部分及び非重なり部分に対応する第1〜第5バンドを設定し、前記撮像素子によって撮像された画像を構成する第1〜第3色の画素値に基づいて前記第1〜第5バンドの成分値を推定するマルチバンド推定部と、前記第1〜第5バンドのうち前記第1瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第1被写体像として取得し、前記第1〜第5バンドのうち前記第2瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第2被写体像として取得し、前記第1被写体像と前記第2被写体像の位相差を検出し、前記位相差に基づいて前記撮像光学系のフォーカス制御を行うフォーカス制御部と、を含む撮像装置に関係する。
本発明の一態様によれば、第1〜第3色の画素値に基づいて第1〜第5バンドの成分値が推定され、第1瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値が第1被写体像として取得され、第2瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値が第2被写体像として取得され、第1被写体像と第2被写体像から検出された位相差に基づいて撮像光学系のフォーカス制御が行われる。これにより、例えば色ずれの発生や特殊な撮像素子の必要性等なく、位相差AFを行うことが可能になる。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第1透過率特性の非重なり部分に対応する前記第1バンドと、前記第1透過率特性と前記第2透過率特性との重なり部分に対応する前記第2バンドと、前記第2透過率特性の非重なり部分に対応する前記第3バンドと、前記第2透過率特性と前記第3透過率特性との重なり部分に対応する前記第4バンドと、前記第3透過率特性の非重なり部分に対応する前記第5バンドとを設定してもよい。
また本発明の一態様では、前記第1瞳は、前記第1、第2バンドの一方と、前記第4、第5バンドの一方とを少なくとも透過し、前記第2瞳は、前記第1、第2バンドの他方と、前記第4、第5バンドの他方とを少なくとも透過し、前記フォーカス制御部は、前記第1、第2バンドの前記一方の成分値と、前記第4、第5バンドの前記一方の成分値を前記第1被写体像として取得し、前記第1、第2バンドの前記他方の成分値と、前記第4、第5バンドの前記他方の成分値を前記第2被写体像として取得してもよい。
また本発明の一態様では、前記第1〜第3色フィルタは、それぞれ青色、緑色、赤色の波長帯域を透過する青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタであり、前記第1瞳は、前記第1、第2バンドの一方と、前記第3バンドと、前記第4、第5バンドの一方とを透過し、前記第2瞳は、前記第1、第2バンドの他方と、前記第3バンドと、前記第4、第5バンドの他方とを透過してもよい。
また本発明の一態様では、前記第1〜第3色フィルタは、それぞれ青色、緑色、赤色の波長帯域を透過する青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタであり、前記赤色フィルタの透過率特性である前記第3透過率特性は、近赤外光の帯域を透過する特性であってもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記近赤外光の帯域を前記第5バンドに設定してもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第1、第2バンドの成分値を加算した値である前記第1色の画素値と、前記第2〜第4バンドの成分値を加算した値である前記第2色の画素値とに基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第3、第4バンドの成分値を加算した値である第1加算値との間の関係式を求め、前記関係式に基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とを推定してもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第1バンドの成分値を未知数として前記関係式を求め、前記関係式で表した前記第1、第2バンドの成分値及び前記第1加算値と、前記第1、第2色の画素値との間の誤差を表す誤差評価値を求め、前記誤差評価値を最小にする前記未知数を決定し、決定した前記未知数及び前記関係式に基づいて、前記第1、第2バンドの成分値及び前記第1加算値を決定してもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第2〜第4バンドの成分値を加算した値である前記第2色の画素値と、前記第4、第5バンドの成分値を加算した値である前記第3色の画素値とに基づいて、前記第2、第3バンドの成分値を加算した値である前記第2加算値と、前記第4バンドの成分値と、前記第5バンドの成分値との間の関係式を求め、前記関係式に基づいて、前記第2加算値と、前記第4バンドの成分値と、前記第5バンドの成分値とを推定し、前記第2色の画素値と前記第2バンドの成分値と前記第4バンドの成分値とから、前記第3バンドの成分値を求めてもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第1バンドの成分値を未知数として前記関係式を求め、前記未知数の候補として、複数の候補値を生成し、前記複数の候補値の中から、前記第1、第2色の画素値の定義域に基づく選択条件を満たす候補値を、前記関係式に基づいて選択し、選択した前記候補値に基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とを求めてもよい。
また本発明の一態様では、前記選択条件は、前記関係式に前記候補値を代入して求めた前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とが、前記第1、第2色の画素値の定義域に矛盾しないという条件であってもよい。
また本発明の一態様では、前記マルチバンド推定部は、前記第1、第2色フィルタの透過率特性に基づいて、前記第1色の画素値と前第2色の画素値との間の相対的なゲイン比を補正し、補正後の前記第1、第2色の画素値を用いて前記第1〜第5バンドの成分値を推定してもよい。
また本発明の一態様では、前記第1〜第3色フィルタは、それぞれ青色、緑色、赤色の波長帯域を透過する青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタであり、前記マルチバンド推定部は、前記青色の画素値を構成する前記第1、第2バンドの成分値を、それぞれ第1、第2青色成分値として求め、前記緑色の画素値を構成する前記第2〜第4バンドの成分値を、それぞれ第1〜第3緑色成分値として求め、前記赤色の画素値を構成する前記第4、第5バンドの成分値を、それぞれ第1、第2赤色成分値として求めてもよい。
また本発明の他の態様は、撮像光学系の瞳を、第1瞳と、前記第1瞳とは透過波長帯域が異なる第2瞳とに分割する光学フィルタを透過した被写体像を、第1透過率特性を有する第1色フィルタと、第2透過率特性を有する第2色フィルタと、第3透過率特性を有する第3色フィルタとを含む撮像素子により撮像し、前記第1〜第3透過率特性の重なり部分及び非重なり部分に対応する第1〜第5バンドを設定し、前記撮像素子によって撮像された画像を構成する第1〜第3色の画素値に基づいて前記第1〜第5バンドの成分値を推定し、前記第1〜第5バンドのうち前記第1瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第1被写体像として取得し、前記第1〜第5バンドのうち前記第2瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第2被写体像として取得し、前記第1被写体像と前記第2被写体像の位相差を検出し、前記位相差に基づいて前記撮像光学系のフォーカス制御を行うフォーカス制御方法に関係する。
バンド分割手法についての説明図。 撮像光学系の基本構成例。 図3(A)〜図3(F)は、第1のマルチバンド推定処理におけるゲイン補正処理についての説明図。 第1のマルチバンド推定処理における未知数推定処理についての説明図。 図5(A)〜図5(F)は、第1のマルチバンド推定処理におけるゲイン補正処理についての説明図。 第1のマルチバンド推定処理における未知数推定処理についての説明図。 フォーカス制御処理と測距処理についての説明図。 撮像装置の第1の構成例。 情報処理装置の構成例。 第2のマルチバンド推定処理におけるバンド成分値についての説明図。 ルックアップテーブルの第1設定例。 ルックアップテーブルの第2設定例。 図13(A)、図13(B)は、第3のマルチバンド推定処理についての説明図。 撮像装置の第2の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.本実施形態の概要
カメラ、顕微鏡、内視鏡などデジタル画像撮影において、撮像に係る各種機能の向上には目覚しいものがある。代表的機能としてAFの高速化が上げられる。AF方式は大きく分類すると、コントラスト方式と位相差方式の2つの方式に分類できる。
コントラスト方式では、複数フレームの撮像情報から合焦位置を求めるので、撮像フレームの高レート化により高速化が図れるが、基本的にはコントラスト評価値のピークを頻繁に探索する必要があるので高速化には自ずと限界がある。
一方、位相差AF方式では、位相差からダイレクトに合焦位置を求められるので、コントラスト方式に比べ高速化が図れる。位相差AF方式では、以前は撮像光学経路を分岐し、位相差検出用の専用撮像素子により位相差情報を検出していたが、昨今は専用撮像素子を設けずに撮像素子のみで位相差を検出する手法が種々提案されている。例えば、撮像素子自体に位相差検出機能を搭載した方式(イメージャ内位相差方式)や、結像光学系の左右の瞳位置に異なる波長域のフィルタを配置し、色の違いで左右の位相差画像(多重画像)を取得し位相差を演算により求める方式(カラー位相差方式)などがある。
しかしながら、イメージャ内位相差方式では、左右の瞳位置からの光束をそれぞれ受光する独立した画素(位相差検出用画素)が必要となるため、結像画像として使用可能な画素は半数になり、解像度の犠牲が伴う。また、位相差検出用画素が画素欠陥のような状態になり画質劣化の要因となるため、高度な補正処理が必要になる。
また、特許文献1のようなカラー位相差方式や、直接にAFに関するものでないが特許文献2のようなカラー位相差方式では、イメージャ内位相差方式の課題はクリアできる。しかしながら、通常の3原色カラー撮像素子を使用する場合、例えば右瞳通過光束用にはR(赤色)フィルタを割り当て、左瞳通過光束用にはB(青色)フィルタを割り当てるなど、位相差画像が3原色のいずれかによって明確に分離できるようにしなくてはならない。そのため、赤成分Rのみの画像や青成分Bだけの画像など単一色画像の場合には、左右瞳のうち一方の瞳を通過した画像しか取得できず、位相差を検出できない。また、RとBの画像に相関性が低い場合には、色分離により位相差画像を取得しても、位相差を検出する精度が劣ってしまう。このように、カラー位相差方式では、位相差を検出できない状況、又は検出精度が著しく劣る状況が発生する可能性がある。さらには、RGBのうち一部の色の光束のみを通過させるフィルタを用いるので、光量低下が発生する。また、デフォーカス位置の撮像画像が位相差により必ず色ずれを起こすので、その色ずれを精度良く補正する処理が必要になってくる。そのため、補正画像の品質、処理のリアルタイム性、低コスト化の観点で課題がある。
これらカラー位相差方式の課題を解決するために、多バンドフィルタを用いる手法(例えば特開2005−286649号公報)が考えられる。この手法では、例えば、右瞳光束用には波長分離された2色のフィルタR1,B1を割り当て、左瞳光束用にも波長分離された2色のフィルタR2,B2を割り当てるなどして左右の位相差画像を得る。この場合、撮像素子には、各色を分離するための多バンド(多分割波長域)の色フィルタと、それぞれのバンドの色フィルタに対して割り当て画素が必要になる。そのため、一つ一つのバンド画像(分離波長域画像)のサンプリングが粗くなるのは必然であり、位相差検出のための相関精度を低下させる。また、サンプリングの粗さから単一バンド画像の解像度も低下し、撮像画像としての解像度も劣化するという課題が残る。
このように、従来の位相差AFでは、例えば色ずれの発生や、解像度の低下、画素欠陥の高度な補正が必要となること、位相差の検出精度の低下、位相差を検出できない状況があり得ること、多バンドの色フィルタを有する撮像素子が必要となること等の種々の課題がある。
そこで本実施形態では、右瞳(広義には第1瞳)には、波長分離された2色のフィルタR1、B1(図1のr、b)を割り当て、左瞳(広義には第2瞳)には、波長分離された2色のフィルタR2,B2(図1のr、b)を割り当てる。そして、従来のRGBの3原色フィルタ、即ち隣接する色の波長域が重なりをもつ3原色フィルタを有する撮像素子で撮像し、得られた3つのR,G,Bの画素値から5つの色R1、B1、G、B1、B2を後処理により推定する。R1、B1、G、B1、B2が得られれば、R1、G、B1を右瞳画像、R2、G、B2を左瞳画像として分離でき、これらの画像の位相差を求めることができる。
このようにすれば、上述のような従来の位相差AFにおける種々の課題を解決できる。即ち、右瞳画像及び左瞳画像のいずれにもRGB成分が含まれるため、デフォーカス位置の画像の色ずれが発生しない。また、特殊な撮像素子(例えば位相差検出用画素が配置された撮像素子や、5色を分離するための割当て画素が配置された撮像素子)を用いる必要がないため、従来どおりの解像度のRGB画像が得られる。また、RGBベイヤ画像のデモザイキングにより、位相差画像の解像度も落とすことなく得られるため位相差の検出精度も高くできる。また、右瞳画像及び左瞳画像のいずれにもRGB成分が含まれるため、位相差を検出できない状況が発生しにくくなる。
2.第1のマルチバンド推定処理
2.1.バンド分割手法
次に、本実施形態の詳細について説明する。まず、位相差検出に用いる5バンドのマルチバンド画像をRGB画像から推定する処理について説明する。以下では、RGBベイヤ配列の撮像素子を例に説明するが、本実施形態はこれに限定されず、カラーフィルタの透過率特性に重なり部分がある撮像素子でさえあればよい。なお以下では、撮像素子を適宜、撮像センサとも呼ぶ。また、以下で用いる{F,F,F}、{r,r,g,b,b}は、いずれも波長λの関数であるが、表記を簡単にするために波長λを省略する。
図1にバンド分割についての説明図を示す。図1に示すように、5バンドの成分b、b、g、r、rは、撮像系の分光特性に応じて定まる成分である。図1には、撮像系の分光特性として、撮像センサのカラーフィルタの透過率特性F、F、Fを示すが、厳密には、撮像系の分光特性は、例えばカラーフィルタを除いた撮像センサがもつ分光特性や、光学系のもつ分光特性等も含んでいる。以下では説明を簡単にするため、撮像センサ等の分光特性が、図1に示すカラーフィルタの透過率特性F、F、Fに含まれるものとする。
図1に示すように、青色フィルタの透過率特性Fと緑色フィルタの透過率特性Fとの重なり部分に対応するバンドの成分がbであり、青色フィルタの透過率特性Fの非重なり部分に対応するバンドの成分がbである。また、赤色フィルタの透過率特性Fと緑色フィルタの透過率特性Fとの重なり部分に対応するバンドの成分がrであり、赤色フィルタの透過率特性Fの非重なり部分に対応するバンドの成分がrである。また、緑色フィルタの透過率特性Fの非重なり部分に対応するバンドの成分がgである。ここで、非重なり部分とは、他の色フィルタの透過率特性と重なっていない部分のことである。
5バンドの帯域BD1〜BD5は、透過率特性F、F、Fの形状や重なり具合などに応じて決定すればよく、透過率特性の帯域や重なり部分の帯域そのものである必要はない。例えば、透過率特性F、Fの重なり部分の帯域は、およそ450nm〜550nmであるが、帯域BD2は重なり部分に対応するものであればよく、450nm〜550nmである必要はない。
2.2.基本構成例
図2に、本実施形態における撮像光学系の基本構成例を示す。図2に示すように、撮像光学系は、撮像素子のセンサ面に被写体を結像させる結像レンズLNSと、第1瞳と第2瞳で帯域を分離する光学フィルタFLTと、を含む。以下では、第1瞳を右瞳とし、第2瞳を左瞳として説明するが、本実施形態ではこれに限定されない。即ち、瞳の分離方向は左右に限定されず、撮像光学系の光軸に対して垂直な任意の方向に第1瞳と第2瞳が分離されていればよい。なお以下では、5バンドの成分{b,b,g,r,r}に対応する波長分割光や帯域を、適宜、同一の符号{b,b,g,r,r}で表す。
光学フィルタFLTは、波長分割光{b,g,r}を透過する特性の右瞳フィルタFL1(広義には第1フィルタ)と、波長分割光{b,g,r}を透過する特性の左瞳フィルタFL2(広義には第2フィルタ)とを有する。光学フィルタFLTは、撮像光学系の瞳位置(例えば絞りの設置位置)に設けられ、フィルタFL1、FL2がそれぞれ右瞳、左瞳に相当する。
図2に示すように、結像レンズLNS及び光学フィルタFLTを透過した結像光は、RGBベイヤ配列の撮像素子に入力され、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光強度として信号に変換されデータとして取得される。取得されたベイヤ画像に対してデモザイキング処理を行い、RGB毎の3画像(全画素にR画素値、G画素値、B画素値が存在する画像)を生成する。図1に示すように、右瞳を通過した波長分割光{b,g,r}と、左瞳を通過した波長分割光{b,g,r}は、波長帯域が明確に分離されている。一方、撮像素子のカラーフィルタの分光特性{F,F,F}は、隣接する分光特性の波長帯域が重複した特性となっている。この重複状態を考慮すると、デモザイキング処理後の各画素における赤色、緑色、青色の画素値R、G、Bを、下式(1)のようにモデル化することができる。
R=g+r +r
G=b +g+r
B=b +b +g (1)
図3(C)に示すように、成分{b ,b ,g}は、分光特性Fの青色フィルタを通過した波長分割光{b,b,g}に対応する。図3(D)に示すように、成分{b ,g,r }は、分光特性Fの緑色フィルタを通過した波長分割光{b,g,r}に対応する。また、図3(D)に示すように、成分{g,r ,r }は、分光特性Fの赤色フィルタを通過した波長分割光{g,r,r}に対応する。各成分を表す符号の上付きサフィックスは、右瞳「R」及び左瞳「L」のいずれを通過したかを表し、下付サフィックスは、赤色フィルタ「R」、緑色フィルタ「G」、青色フィルタ「B」のいずれを通過したかを表している。
2.3.{b,b,(g+r)}の推定処理
次に、図3(A)〜図6を用いて、画素値{R,G,B}から成分{b ,b ,g}、{b ,g,r }、{g,r ,r }を推定する処理について説明する。
まず上式(1)を用いて、画素値{B,G}で重複している波長帯域{b,g}を、画素値{B,G}の差分に基づいて取り除き、成分bと成分[g+r]の関係を求めることにより成分{b,b,(g+r)}の関係式を導き出す処理を行う。
ここで注意しなければならないのは、図3(A)〜図3(D)に示すように、波長帯域bに対応するのは画素値Bの成分b 及び画素値Gの成分b であるが、成分b 、b には、分光特性F、Fの相対ゲインが乗じられていることである。そのため、成分b 、b は、相対ゲインの分だけ異なる値であり、成分b 、b が等しくなるように補正する必要がある。
図3(C)、図3(D)に示すように、画素値Gを基準(例えば「1」)として、(b +g)の成分比をkB1とし、b の成分比をkB2とすると、下式(2)が成り立つ。
ここで、kB1/kB2は、例えば帯域bにおける分光特性F、Fのゲイン比である。
+g=(kB1/kB2)×b (2)
帯域b、gにおける分光特性Fのゲインを考慮すると、成分gは成分b よりも十分小さいと考えられるため、成分b 、b を等しくするためには、成分(b +g)と成分b がほぼ等しくなればよい。成分(b +g)を補正した値を(b ’+g’)とすると、上式(2)を用いて下式(3)に示す補正を行えばよい。
’+g’≒b =(kB2/kB1)×(b +g) (3)
成分(b +g)は画素値Bに含まれるため、成分(b +g)を補正するためには、結局、画素値Bを補正することになる。この補正後のBをB’とすると、下式(4)の関係が得られる。
B’=(kB2/kB1)B (4)
上式(4)より、B’の成分{b ’,b ’,g’}は下式(5)となる。
’=(kB2/kB1)×b
’+g’≒b (5)
上式(1)、(5)より、画素値B’と画素値Gを成分{b ’,b ,g,r }を用いて表すと、下式(6)のようになる。
B’=b ’+(b ’+g’)=b ’+b
G =b +(g+r ) (6)
次に、下式(7)に示すように、補正後の画素値B’と画素値Gの差分を取ることにより、重複した成分bを取り除く。また上式(6)より下式(8)が成り立つ。
B’−G=[b ’+b ]−[b +g+r
=b ’−(g+r ) (7)
=B’−b ’ (8)
’を未知数(支配変数)とすると、上式(7)、(8)より{b ’,b ,(g+r )}の関係式を下式(9)のように求められる。
’=未知数(支配変数)
=B’−b
+r =b ’−(B’−G) (9)
{B’,G}は検出された既知の値であるので、上式(9)に基づき未知数b ’が決まれば、{b ’,b ,(g+r )}が全て決まることになる。即ち、{b ’,b ,(g+r )}の尤度パターンを特定することができる。
図4に、この関係を原理的に表した図を示す。図4に示すように、未知数b ’として、{b ’,b ,(g+r )}と{B’/2,G/2}の誤差が最小になる値を求める。即ち、下式(10)に示す誤差の評価値EBGが最小になる場合のb ’を求め、求めたb ’を上式(9)に代入することにより、{b ’,b ,(g+r )}の値を決定する。
=(B’/2−b ’)+(B’/2−b
=(G/2−b +(G/2−(g+r ))
BG=e+e (10)
以上のようにして、各画素の2バンド画素値{B’,G}から成分{b ’,b ,(g+r )}を推定することができる。
なお、上記では{b ’,b ,(g+r )}と{B’/2,G/2}の誤差が最小となる場合のb ’を求めたが、本実施形態では、{b ’,b ,(g+r )}と{αB’,αGbG}の誤差が最小となる場合のb ’を求めてもよい。ここで、α、αGbは、下式(11)を満たす値である。αは、B’に対する{b ’,b }の平均的な値を算出するためのものであり、αGbは、Gに対する{b ,(g+r )}の平均的な値を算出するためのものである。これらは、図1に示すような撮像素子のカラーフィルタ特性から{b ’,b }及び{b ,(g+r )}の成分比を考慮して決定すればよい。
0<α≦1,0<αGb≦1 (11)
2.4.{(b+g),r,r}の推定処理
次に、画素値{G,R}から成分{(b+g),r,r}を推定する。具体的には、上式(1)を用いて、画素値{G,R}で重複している波長帯域{g,r}を、画素値{G,R}の差分に基づいて取り除き、成分[b+g]と成分rの関係を求めることにより成分{(b+g),r,r}の関係式を導き出す処理を行う。
図5(A)〜図5(D)に示すように、波長帯域rに対応するのは画素値Gの成分r 及び画素値Rの成分r であるが、成分r 、r には、分光特性F、Fの相対ゲインが乗じられている。そのため、成分r 、r は、相対ゲインの分だけ異なる値であり、成分r 、r が等しくなるように補正する必要がある。
図5(C)、図5(D)に示すように、画素値Gを基準(例えば「1」)として、(g+r )の成分比をkR1とし、r の成分比をkR2とすると、下式(12)が成り立つ。kR1/kR2は、例えば帯域rにおける分光特性F、Fのゲイン比である。
+r =(kR2/kR1)×r (12)
帯域g、rにおける分光特性Fのゲインを考慮すると、成分gは成分r よりも十分小さいと考えられるため、成分r 、r を等しくするためには、成分(g+r )と成分r がほぼ等しくなればよい。成分(g+r )を補正した値を(g’+r ’)とすると、上式(12)を用いて下式(13)に示す補正を行えばよい。
’+r ’≒r =(kR2/kR1)×(g+r ) (13)
成分(g+r )は画素値Rに含まれるため、成分(g+r )を補正するためには、結局、画素値Rを補正することになる。この補正後のRをR’とすると、下式(14)の関係が得られる。
R’=(kR2/kR1)R (14)
上式(14)より、R’の成分{g’,r ’,r ’}は下式(15)となる。
’+r ’≒r
’=(kR2/kR1)×r (15)
上式(1)、(15)より、画素値Gと画素値R’を成分{b ,g,r ,r ’}を用いて表すと、下式(16)のようになる。
G =b +(g+r ),
R’=(g’+r ’)+r ’=r +r ’ (16)
次に、下式(17)に示すように、画素値Gと補正後の画素値R’の差分を取ることにより、重複した成分rを取り除く。また上式(16)より下式(18)が成り立つ。
G−R’=[b +g+r )]−[r +r ’]
=(b +g)−r ’ (17)
=R’−r ’ (18)
’を未知数(支配変数)とすると、上式(17)、(18)より{r ’,r ,(b +g)}の関係式を下式(19)のように求められる。
’=未知数(支配変数),
=R’−r ’,
+g=r ’+(G−R’) (19)
{G,R’}は検出された既知の値であるので、上式(19)に基づき未知数r ’が決まれば、{r ’,r ,(b +g)}が全て決まることになる。即ち、{r ’,r ,(b +g)}の尤度パターンを特定することができる。
図6に、この関係を原理的に表した図を示す。図6に示すように、未知数r ’として、{r ’,r ,(b +g)}と{G/2,R’/2}の誤差が最小になる値を未知数r ’として求める。即ち、下式(20)に示す誤差の評価値EGRが最小になる場合のr ’を求め、求めたr ’を上式(19)に代入することにより、{r ’,r ,(b +g)}の値を決定する。
=(G/2−(b +g))+(G/2−r
=(R’/2−r +(R’/2−(r ’))
GR=e+e (20)
以上のようにして、各画素の2バンド画素値{G,R’}から成分{r ’,r ,(b +g)}を推定することができる。
なお、上記では{r ’,r ,(b +g)}と{G/2,R’/2}の誤差が最小となる場合のr ’を求めたが、本実施形態では、{r ’,r ,(b +g)}と{αGrG,αR’}の誤差が最小となる場合のr ’を求めてもよい。ここで、α、αGrは、下式(21)を満たす値である。αは、R’に対する{r ’,r }の平均的な値を算出するためのものであり、αGrは、Gに対する{r ,(b +g)}の平均的な値を算出するためのものである。これらは、図1に示すような撮像素子のカラーフィルタ特性から{r ’,r }及び{r ,(b +g)}の成分比を考慮して決定すればよい。
0<α≦1,0<αGr≦1 (21)
また、評価値EBG、EGRの算出手法は上記手法に限定されず、種々の方法が考えられることは言うまでもない。例えば、評価値EBGを例にとれば、予め対象とする被写体(例えば、自然被写体あるいは医療用の生体内被写体など)を多数撮像し、取得された{R,G,B}により得られる{B’,G}から、{b ’,b ,(g+r )}の値の生起パターンを上記のようにして求める。そして、{b ’,b ,(g+r )}の生起パターンの確率分布において、局所的に生起確率が高いピークを示すパターンか、又は部分的な確率分布領域を設定し、その中のパターン群の平均パターンを示すパターン{b ’,b ,(g+r )}を代表パターンとして定める。このようにして、予め定めた複数の代表パターンを設定しておく。そして、改めて(実際の撮影で)取得された{B,G}から推定を行う際には、取得された{B,G}から上記のように{b ’,b ,(g+r )}を計算し、その計算により求めた{b ’,b ,(g+r )}と、予め設定した代表パターンとのユークリッド距離を評価値として求める。予め設定された代表パターンのうち最もユークリッド距離が小さい、即ち最も類似する代表パターンを推定パターンとし、{b ’,b ,(g+r )}の値として特定してもよい。なお、予め代表パターンを設定する際に、対象被写体の{B’,G}の生起パターンから{B’,G}の代表パターンを求めてもよい。そして、実際に撮影した{B’,G}から推定する際に、撮影で取得した{B’,G}と、代表パターンとのユークリッド距離を評価値として求め、評価値の最も小さい{B’,G}の代表パターンに対して上記の推定処理を行い、最終的な推定パターン{b ’,b ,(g+r )}を特定してもよい。
2.5.成分値の算出処理
次に、上記で求めた値{b ’,b ,(g+r )}、{r ’,r ,(b +g)}を用いて、画素値Bを構成する成分{b ,b }の値、画素値Gを構成する成分{b ,g,r }の値、画素値Rを構成する成分{r ,r }の値を算出する。
,r は、上式(5)、(15)より、下式(22)のように求められる。
=(kB1/kB2)×b ’,
=(kR1/kR2)×r ’ (22)
,r は、g≪b ,g≪r であること及び上式(1)より、下式(23)のように求められる。
=B−(b +g)≒B−b
=R−(r +g)≒R−r (23)
,r は、上式(1)より、下式(24)のように求められる。
=G−(g+r ),
=G−(g+b ) (24)
は、上式(1)、(24)より、下式(25)のように求められる。
=G−(b +r ) (25)
2.6.右瞳画像と左瞳画像の取得処理
図2に示すように、光学フィルタFLTの透過光を撮像することで、右瞳を通過した被写体像Iと、左瞳を通過した被写体像Iを取得する。図2では、撮像素子のセンサ面がデフォーカス位置PDにある場合を例にI、Iを図示しており、hは水平方向(広義には瞳の分離方向)に沿った軸である。像I、IのR、G、B成分は、上記で求めた成分から下式(26)のように分離する。
=(r ,r ,b ),I=(r ,b ,b ) (26)
そして、像I、Iのデフォーカス位置での位相差(像のずれ量)を求め、3角測量の原理を用いて被写体の測距を行い、求めた距離情報に基づいてAF制御を行う。像I、Iの位相差AFへの適用については、図7等で詳細に後述する。上式(26)に示すように、像I、Iはともに、その成分値の下付サフィックスに示すようにRGB各帯域の成分で構成されている。そのため、被写体の色がRGBのいずれかに極端に偏っているような場合であっても、像I、Iが極端に暗くなることはなく、位相差を検出することが可能である。なお、本実施形態では画像内の各画素について距離情報を取得することが可能であり、この各画素についての距離情報を用いて、位相差AFだけでなく種々の応用処理を行うことも可能である。
2.7.マルチバンド画像、RGB画像の取得処理
撮像素子のセンサ面がフォーカス位置PFにあるフォーカス時では、像I、Iのずれは無くなる。即ち、同一画素におけるr とr 、r とb 、b とb 、gは、全て被写体の同一微小領域からの反射光の色光を表している。即ち、結像時の撮像素子の任意の画素のR、G、B値から、下式(27)に示す5バンド{R,R,G,B,B}の色画像(マルチバンド画像)を得ることができる。
=r ,R=r ,G=r +g+b ,B=b ,B=b (27)
通常のRGB画像(例えばモニタ表示用の画像)は、撮像されたベイヤ画像からデモザイキング処理により取得すればよい。図2に示すように、右瞳フィルタFL1はRGBの帯域{b,g,r}を透過し、左瞳フィルタFL2はRGBの帯域{b,g,r}を透過するため、上式(1)を見ても分かるように画像のRGB各成分には右瞳と左瞳の透過帯域が含まれている。そのため、デフォーカス位置(画像のボケ領域)において右瞳画像{b,g,r}と左瞳画像{b,g,r}がずれても、RGB画像では色ずれが起きない(又は非常に小さく抑えられる)ので、色ずれ補正を行う必要がなくそのまま鑑賞することが可能である。
3.フォーカス制御処理、測距処理
上述した像I、Iの位相差に基づいてデフォーカス量を算出する処理について詳細に説明する。
図7に示すように、絞りを開放した時の開口径をAとし、開口径Aに対する左右の瞳の重心間の距離をq×Aとし、光軸上における結像レンズLNSの中心から撮像素子のセンサ面PSまでの距離をxとし、センサ面PSにおける右瞳画像I(h)と左瞳画像I(h)のずれ量をδとすると、三角測量法により下式(28)が成り立つ。qは、0<q≦1を満たす係数であり、q×Aは、絞り量によっても変化する値である。xは、距離検出センサ(例えば図8の距離検出センサ88)により検出される値である。bは、光軸上における結像レンズLNSの中心からフォーカス位置PFまでの距離を表す。δは、相関演算(例えば既知の相関演算)により求められる。
q×A:δ=b:d,
b=x+d (28)
上式(28)よりデフォーカス量dは下式(29)で与えられる。
d=(δ×x)/{(q×A)−δ} (29)
図7が、例えば撮像装置の上部(瞳分割方向に垂直な方向)から見た図である場合、hは水平方向(瞳分割方向)の座標軸である。座標軸hでのずれ量δを、右瞳画像I(h)及び左瞳画像I(h)のいずれかを基準として正負の符号で表すように定義し、そのずれ量δの正負により、センサ面PSがフォーカス位置PFの前方にあるのか後方にあるのかを識別する。センサ面PSとフォーカス位置PFの前後関係が分かれば、フォーカス位置PFにセンサ面PSを一致させる際に、どちらの方向にフォーカスレンズを移動させれば良いのかが簡単に分る。
デフォーカス量d及びずれ量δの符号を求めた後、それらに基づいて、デフォーカス量dをゼロにするようにフォーカスレンズを駆動させ、フォーカシングを行う。本実施形態では、左右瞳により水平方向に色分割しているので、撮像画像の中のフォーカシングさせたい水平方向の領域を選択して相関演算を行えばよい。なお、瞳色分割の方向は水平方向とは限らないので、左右帯域分離光学フィルタの設定条件(分割方向)に合わせて適宜、相関演算を行う方向を設定すればよい。また、デフォーカス量dを求める対象領域は、撮像画像の一部領域に限らず、撮像画像の全領域を対象としてもよい。その場合は、複数のデフォーカス量dが求められるので、それらを所定の評価関数により最終的なデフォーカス量を決定するプロセスが必要である。
次に、被写体までの距離aを測距する処理について説明する。aは、フォーカス位置PFに対応する距離であり、光軸上における結像レンズLNSから被写体までの距離である。一般的に結像光学系では、複数のレンズで構成される結像光学系の合成焦点距離をfとすると、下式(30)が成り立つ。
(1/a)+(1/b)=1/f (30)
上式(29)で求めたデフォーカス量d及び検出可能な値xから、上式(28)によりbを求め、求めたbと、結像光学構成により決まる合成焦点距離fとを上式(30)に代入し、結像レンズLNSと被写体位置との距離aを算出する。任意の画像位置に対応する被写体までの距離aを算出できるので、被写体までの距離計測や、被写体の3次元形状計測を行うことが可能である。
4.撮像装置、情報処理装置
図8に、本実施形態のフォーカス制御処理を行う撮像装置の第1の構成例を示す。図8の撮像装置は、結像レンズLNS、光学フィルタFLT、撮像素子10(撮像センサ)、撮像処理部20、RGB画像生成部30、色補正処理部35、モニタ表示部40、RGBフィルタ特性データ記録部50、フォーカス領域選択部65、マルチバンド推定部70、フォーカス制御部80、距離検出センサ88(距離計測センサ)、データ圧縮部90、データ記録部100を含む。なお、本実施形態は図8の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略(例えば色補正処理部35、データ圧縮部90)したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。
撮像素子10は、結像レンズLNS及び光学フィルタFLTによって結像された被写体を撮像する。光学フィルタFLTは、図2で説明したように右瞳と左瞳の透過帯域が異なる。撮像処理部20は、撮像素子10による撮像動作の制御や、アナログの画素信号をA/D変換する処理などを行う。
RGB画像生成部30は、撮像により得られたRGBベイヤ画像のデモザイキング処理や、高画質化処理などを行い、RGB3板画像(画素値R(i,j)、G(i,j)、B(i,j))を出力する。i,jは、自然数であり、それぞれ画像の水平走査方向、垂直走査方向における位置(座標)を表す。色補正処理部35は、RGB3板画像に対して色補正処理を行う。右瞳と左瞳の透過波長帯域が異なり、且つデフォーカス画像領域では右瞳と左瞳の透過光が近接して撮像されるため、デフォーカス画像領域では色のバランスが崩れる可能性がある。そのため、色補正処理を行う。モニタ表示部40は、色補正処理されたRGB3板画像をモニタ(表示装置)に表示する。
RGBフィルタ特性データ記録部50は、撮像素子10がもつカラーフィルタの透過率特性(分光特性)F(λ)、F(λ)、F(λ)のデータを記憶しており、そのデータをマルチバンド推定部70に出力する。但し、撮像されるRGB成分は、厳密にはカラーフィルタのみならず撮像素子10の分光感度特性や、結像レンズLNSの分光特性によって決まるものである。上記ではカラーフィルタの透過率特性がRGBフィルタ特性であるものとして説明したが、本実施形態では、当然、撮像素子10や結像レンズLNSの分光特性を含んだ特性データをRGBフィルタ特性データとして定義している。
フォーカス領域選択部65は、図示しないユーザインターフェースを介してユーザが選択した領域の画像を、RGB3板画像から抽出し、その抽出した画像をマルチバンド推定部70に出力する。マルチバンド推定部70は、ユーザが選択した領域の画像に対して本実施形態のマルチバンド推定処理を行い、右瞳画像I(i,j)、左瞳画像I(i,j)を出力する。また、マルチバンド推定部70は、5バンドのマルチバンド画像(成分値R(i,j)、R(i,j)、G(i,j)、B(i,j)、B(i,j)を出力する。なお、領域選択を行わず、RGB3板画像の全体に対してマルチバンド推定処理を行ってもよい。
フォーカス制御部80は、右瞳画像I(i,j)及び左瞳画像I(i,j)に基づいてオートフォーカス制御を行う。具体的にはフォーカス制御部80は、位相差検出部82、フォーカス制御量算出部84、フォーカスレンズ駆動制御部86を含む。位相差検出部82は、右瞳画像I(i,j)と左瞳画像I(i,j)のずれ量δの情報(広義には位相差情報)を検出する。距離検出センサ88は、結像レンズLNSの中心から撮像素子10のセンサ面までの距離xの情報を検出する。フォーカス制御量算出部84は、ずれ量δの情報と距離xの情報からデフォーカス量dの情報を算出し、そのデフォーカス量dの情報に基づいて結像レンズLNSの移動量及び移動方向を求める。フォーカスレンズ駆動制御部86は、結像レンズLNSの移動量及び移動方向に基づいてフォーカスレンズを移動させる制御を行う。
データ圧縮部90は、色補正処理されたRGB3板画像のデータに対して圧縮処理を行う。データ記録部100は、圧縮されたRGB3板画像データと、カラーフィルタの透過率特性データとを記録する。これらの記録データは、撮影後の事後処理においてマルチバンド推定処理や位相差検出処理に用いることが可能である。事後処理は、撮像装置で行ってもよいし、撮像装置と別体に構成された情報処理装置で行ってもよい。
図9に、撮像装置と別体に構成された情報処理装置の構成例を示す。図9の情報処理装置は、データ記録部200、データ伸張部210、伸張データ記憶部220、モニタ画像生成部230、モニタ画像表示部240、画像データ選択部250、選択フレーム記憶部260、マルチバンド推定部270、位相差検出部290、位相差処理部295を含む。この情報処理装置としては、例えばPC等の情報処理装置が想定される。
データ記録部200は、例えば外部記憶装置(例えばメモリカード)により構成され、撮像装置により記録されたRGB3板画像データ及び透過率特性データを記憶している。データ伸張部210は、撮像装置により圧縮されたRGB3板画像データを伸張する処理を行う。伸張データ記憶部220は、伸張されたRGB3板画像データを記憶する。
モニタ画像生成部230は、RGB3板画像データからモニタ表示用の画像を生成する。モニタ画像表示部240は、そのモニタ表示用の画像をモニタに表示する。画像データ選択部250は、図示しないユーザインターフェースを介してユーザ(操作者)が選択したフレームのIDを、伸張データ記憶部220に出力する。伸張データ記憶部220は、複数のRGB3板画像(複数の静止画像、又は動画像)の中から、選択フレームの画像を出力する。選択フレーム記憶部260は、選択フレームの画像を記憶する。
マルチバンド推定部270は、選択フレームの画像(画素値R(i,j)、G(i,j)、B(i,j))と、カラーフィルタの透過率特性F(λ)、F(λ)、F(λ)とに基づいて、マルチバンド画像I(i,j)、I(i,j)を推定する処理を行う。位相差検出部290は、画像I(i,j)、I(i,j)の位相差を、例えば各画素(又は各微小分割領域)について検出する。位相差処理部295は、検出された位相差に基づいて、例えば被写体の立体形状測定等の種々の応用処理を行う。
以上の実施形態によれば、図8に示すように、撮像装置は光学フィルタFLTと撮像素子10とマルチバンド推定部70とフォーカス制御部80とを含む。光学フィルタFLTは、撮像光学系の瞳を、図2で説明したように、第1瞳(例えば右瞳)と、第1瞳とは透過波長帯域が異なる第2瞳(左瞳)とに分割する。図1で説明したように、撮像素子10は、第1透過率特性Fを有する第1色(例えば青色)フィルタと、第2透過率特性Fを有する第2色(緑色)フィルタと、第3透過率特性Fを有する第3色(赤色)フィルタとを含む。マルチバンド推定部70は、第1〜第3透過率特性{F,F,F}の重なり部分及び非重なり部分に対応する第1〜第5バンドBD1〜BD5を設定する。図2等で説明したように、マルチバンド推定部70は、撮像素子10によって撮像された画像を構成する第1〜第3色の画素値{R,G,B}に基づいて第1〜第5バンドの成分値{b,b,g,r,r}を推定する。フォーカス制御部80は、第1〜第5バンドBD1〜BD5のうち第1瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第1被写体像(右瞳画像)I=(r ,r ,b )として取得し、第1〜第5バンドのうち第2瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第2被写体像(左瞳画像)I=(r ,b ,b )として取得する。フォーカス制御部80は、第1被写体像Iと第2被写体像Iの位相差(ずれ量δ)を検出し、位相差に基づいて撮像光学系のフォーカス制御を行う。
このようにすれば、第1〜第3色の画素値で構成される画像から5バンドの成分値を推定し、その成分値を第1被写体像と第2被写体像に分離することができる。そして、第1被写体像と第2被写体像の位相差を検出することで、高速な位相差AFを実現することができる。また、通常のRGB撮像素子を用いることが可能となるため、位相差検出用画素による画素欠陥や、マルチバンドのカラーフィルタによる1色当たりの割り当て画素数の減少等が起きず、位相差の検出精度や画像の解像度が低下しない。また、第1瞳と第2瞳でそれぞれ複数色を透過するように設定すれば、デフォーカス画像領域における色ずれの抑制や、色が偏った被写体における位相差検出精度の向上を、実現できる。
また本実施形態では、図1で説明したように、マルチバンド推定部70は、第1透過率特性Fの非重なり部分に対応する第1バンドBD1と、第1透過率特性Fと第2透過率特性Fとの重なり部分に対応する第2バンドBD2と、第2透過率特性Fの非重なり部分に対応する第3バンドBD3と、第2透過率特性Fと第3透過率特性Fとの重なり部分に対応する第4バンドBD4と、第3透過率特性Fの非重なり部分に対応する第5バンドBD5とを設定する。
ここで、透過率特性の重なり部分とは、図1に示すように波長軸に対して透過率特性を表した場合に、波長軸上で隣り合う透過率特性が重なっている領域のことである。重なり部分は、透過率特性が重なっている領域そのもの、あるいは透過率特性の帯域が重なっている帯域で表される。また、透過率特性の非重なり部分とは、他の透過率特性と重なっていない部分のことである。即ち、透過率特性から重なり部分を除いた部分のことである。なお、重なり部分又は非重なり部分に対応するバンドは、重なり部分又は非重なり部分の帯域そのものに限定されず、重なり部分又は非重なり部分に対応して設定されたバンドであればよい。例えば、所定の透過率と透過率特性が交わる波長でバンドを分割し、第1〜第5バンドを設定してもよい。
このようにすれば、撮像画像の第1〜第3色の画素値{R,G,B}から第1〜第5のバンド成分値{b,b,g,r,r}を推定することが可能となる。即ち、上式(1)で説明したように、透過率特性が隣り合う画素値(例えばB、G)には重なり部分の成分値(b)が含まれる。この重なり部分の成分値(b)を、上式(7)のように画素値の差分(B’−G)により消去することで、上式(9)のように成分値の関係式を求め、その関係式に基づいて成分値を推定することが可能となる。
また本実施形態では、第1瞳(右瞳フィルタFL1)は、第1、第2バンドの一方BD1と、第4、第5バンドの一方BD4とを少なくとも透過し、第2瞳(左瞳フィルタFL2)は、第1、第2バンドの他方BD2と、第4、第5バンドの他方BD5とを少なくとも透過する。フォーカス制御部80は、第1、第2バンドの一方BD1の成分値bと、第4、第5バンドの一方BD4の成分値rを第1被写体像I=(r ,r ,b )として取得し、第1、第2バンドの他方BD2の成分値bと、第4、第5バンドの他方BD5の成分値rを第2被写体像I=(r ,b ,b )として取得する。
このようにすれば、第1、第2バンドに対応する第1色、及び第4、第5バンドに対応する第3色を、第1被写体像と第2被写体像の両方に含ませることができる。例えば第1色、第3色が青色、赤色である場合、青色又は赤色に極端に偏った被写体であっても、第1被写体像と第2被写体像の両方に、その偏った色が含まれるため、精度良く位相差を検出することが可能である。
また本実施形態では、第1〜第3色フィルタは、それぞれ青色、緑色、赤色の波長帯域を透過する青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタである。第1瞳は、第1、第2バンドの一方BD1と、第3バンドBD3と、第4、第5バンドの一方BD4とを透過し、第2瞳は、第1、第2バンドの他方BD2と、第3バンドBD3と、第4、第5バンドの他方BD5とを透過する。
このようにすれば、例えばベイヤ配列等の既存のカメラシステムに搭載されたRGB撮像素子をそのまま利用して、位相差AFを行うことが可能となる。また、第1瞳と第2瞳がともにRGB成分を透過するため、デフォーカス画像領域において色ずれが無い(又は抑制された)RGB画像を撮影できる。これにより、高度な色ずれ補正等を行うことなく鑑賞に耐える画像を取得できる。
なお、本実施形態では、第1〜第3色はRGBに限定されず、波長軸上において隣り合う透過率特性が重なり部分を有する3つのカラーフィルタに対応した色であればよい。また本実施形態では、第1瞳が帯域BD1、BD4を透過し、第2瞳が帯域BD2、BD5を透過する場合に限定されず、第1瞳と第2瞳が帯域BD1、BD2のいずれを透過してもよいし、第1瞳と第2瞳が帯域BD4、BD5のいずれを透過してもよい。
また本実施形態では、上式(1)で説明したように、第1色の画素値Bは、第1、第2バンドの成分値b 、b を加算した値であり、第2色の画素値Gは、第2〜第4バンドの成分値b 、g、r を加算した値である。上式(9)で説明したように、マルチバンド推定部は、この第1、第2色の画素値B、Gに基づいて、第1バンドの成分値b と、第2バンドの成分値b と、第3、第4バンドの成分値g、r を加算した値である第1加算値g+r との間の関係式を求める。そして、マルチバンド推定部70は、その関係式に基づいて、第1バンドの成分値b と、第2バンドの成分値b と、第1加算値g+r とを推定する。
なお、上式(1)では第1色の画素値Bは、第1〜第3バンドの成分値b 、b 、gを加算した値であるが、上式(5)に示すようにgがb よりも十分小さいものとしてgを無視している。即ち、第1色の画素値Bは、第1、第2バンドの成分値b 、b を加算した値に、b (又はb )よりも十分小さいバンド成分値gを更に加算した値であってもよい。
このようにすれば、隣り合った透過率特性が重なっている状態を、バンド成分値の加算式(上式(1))として表すことができる。そして、その加算式からバンド成分値間の関係式を求め、その関係式からバンド成分値を推定することが可能となる。
また本実施形態では、上式(9)で説明したように、マルチバンド推定部70は、第1バンドの成分値b を未知数として関係式を求める。図4及び上式(10)で説明したように、マルチバンド推定部は、関係式で表した第1、第2バンドの成分値及び第1加算値{b ,b ,g+r }と、第1、第2色の画素値{B,G}との間の誤差を表す誤差評価値EBGを求め、その誤差評価値EBGを最小にする未知数b(1)を決定し、その決定した未知数b 及び関係式(上式(9))に基づいて、第1、第2バンドの成分値及び第1加算値{b ,b ,g+r }を決定する。
このようにすれば、2つの画素値{B,G}から3つの変数{b ,b ,g+r }を決定する際に必要な1つの未知数b を、誤差評価値EBGに基づいて決定でき、決定した未知数によりバンド成分値{b ,b ,g+r }を決定できる。
また本実施形態では、上記と同様にして、マルチバンド推定部70は、関係式(上式(19))を求め、その関係式に基づいて、第2、第3バンドの成分値b 、gを加算した値である第2加算値b +gと、第4バンドの成分値r と、第5バンドの成分値r とを推定する(上式(12)〜(20))。そして、上式(25)で説明したように、第2色の画素値Gと第2バンドの成分値b と第4バンドの成分値r とから、第3バンドの成分値gを求める。
このようにすれば、バンド成分値{r ,r ,b +g}を関係式で表し、その関係式を用いてバンド成分値{r ,r ,b +g}を推定できる。そして、上式(22)〜(25)で説明したように、バンド成分値{b ,b ,g+r }及び{r ,r ,b +g}を用いて、第1〜第5バンドの成分値{b,b,g,r,r}を求めることができる。
また本実施形態では、図3(A)〜図3(F)で説明したように、マルチバンド推定部70は、第1、第2色フィルタの透過率特性F、Fに基づいて、第1色の画素値Bと第2色の画素値Gとの間の相対的なゲイン比kB1/kB2を補正し、補正後の第1、第2色の画素値B’、Gを用いて第1〜第5バンドの成分値を推定する。
より具体的には、上式(2)〜(6)で説明したように、マルチバンド推定部70は、第2バンド(b)での第2色フィルタ(F)の透過率kB2と、第2バンド(b)での第1色フィルタ(F)の透過率kB1との比kB2/kB1を、第1色の画素値Bに乗じて、ゲイン比を補正する。
撮像素子のカラーフィルタでは、一般的に色に依って透過率特性が異なるため、色に依ってゲインが異なっている。本実施形態によれば、透過率特性の重なり部分に対応するバンドが存在するため、そのバンドにおける相対的なゲイン比kB2/kB1を求めることができ、そのゲイン比を用いて、色に依って異なるゲインを補正できる。
5.第2のマルチバンド推定処理
5.1.候補発生による推定処理
次に、バンド成分の候補値を発生させ、その候補値を選択条件に基づいて選択する第2のマルチバンド推定処理について説明する。求めた推定値を用いたフォーカス制御処理については、上述のフォーカス制御処理と同様である。
図10に示すように、ゲイン補正を行った5バンドの成分の関係式を第1のマルチバンド推定処理と同様にして求める。下記に、第1のマルチバンド推定処理で説明した式(9)、(19)を再掲する。
’=未知数(支配変数),
=B’−b ’,
+r =b ’−(B’−G) (9)
’=未知数(支配変数),
=R’−r ’,
+g=r ’+(G−R’) (19)
’、r ’は、検出されるはずの分割帯域成分b 、r の補正値であり、第1のマルチバンド推定処理で説明した式(5)、(15)より、下式(31)で表される。
’=(kB2/kB1)×b
’=(kR2/kR1)×r (31)
さて、{b ’,b ,(g+r )}及び{r ’,r ,(b +g)}のそれぞれのパターンの成分値は、正の値であってかつ取り得る値の範囲に制限があることに注目する。
具体的には、撮像画像として取得する補正前の3原色画素値を、B(青)、G(緑)、R(赤)とし、センサ飽和値以下に設定される最大値の量子化ステップ数をN(Nは自然数)とする。例えば、8ビット画像として扱うときは、N=256である。このとき、画素値R、G、Bは下式(32)の範囲を取り得る。
0≦B<N,0≦G<N,0≦R<N (32)
なお、R、G、Bの量子化ステップ数は一般的に同一とすると扱いやすいので共通のN値としているが、意図的に各色ごとに量子化ステップ数を異ならせても構わない。
B及びRの補正前の検出成分は{b ,b }、{r ,r }であり、それぞれ2成分を加算した値が、B及びRになると定義しているので、下式(33)が成り立つ。
0≦B(=b +b )<N,0≦R(=r +r )<N (33)
とb が独立した変数であり、r とr が独立した変数であると仮定すれば、b 、r は下式(34)の範囲を取り得る。
0≦b <N,0≦r <N (34)
上式(31)、(34)より、b ’、r ’は下式(35)の範囲を取り得る。
0≦b ’<N×(kB2/kB1),
0≦r ’<N×(kR2/kR1) (35)
また、Gの検出成分は{b ,g,r }であり、これら3成分を加算した値が、Gになると定義しているので、下式(36)が成り立つ。
0≦G(=b +g+r )<N (36)
、g、r が独立した変数であると仮定すれば、b 、g、r は下式(37)の範囲を取り得る。
0≦b <N,0≦g<N,0≦r <N (37)
上式(37)より、(g+r )及び(b +g)は、下式(38)の範囲を取り得る。
0≦(g+r )<2N,0≦(b +g)<2N (38)
上式(35)、(37)、(38)の制限条件を、上式(9)、(19)の関係式に適用すると、{b ’,b ,(g+r )}及び{r ’,r ,(b +g)}のパターンの推定候補は限定されることになる。
即ち、上式(35)に示す0≦b ’<N×(kB2/kB1)の範囲内の各値を、未知数b ’の候補として発生する。各候補を上式(9)に代入し、既知の画素値{B,G}を用いて{b ,(g+r )}を求める。各候補から求めた{b ’,b ,(g+r )}のうち、上式(37)、(38)の条件を満たすもののみを残す。同様に、上式(19)についても候補の発生を行い、条件を満たす{r ’,r ,(b +g)}のみを残す。条件を満たす候補は、複数存在する可能性がある。候補が複数残った場合には、例えばそれらの平均値を最終的な値として決定すればよい。
5.2.ルックアップテーブルを用いた推定処理
次に、第2のマルチバンド推定処理の変形例について説明する。
図11に示すように、上式(32)の定義域を満たす{R,G,B}の全ての組み合わせを発生させる。{R,G,B}の各組み合わせについて、上式(35)の定義域を満たす未知数b ’、r ’の候補を発生させる。そして、上式(37)、(38)の制限条件を満たす推定値{b ,(g+r )}及び{r ,(b +g)}を残す。このようにして得られる推定パターン{b ’,b ,(g+r )}及び{r ’,r ,(b +g)}をテーブル化し、図11に示すような尤度パターン決定テーブルを予め作成しておく。
マルチバンド推定を行う際には、撮像画像の画素値{R,G,B}をテーブルから検索して推定パターン{b ’,b ,(g+r )}、{r ’,r ,(b +g)}を決定する。そして、その推定パターンから、画素値Bを構成する成分{b ,b }の値、画素値Gを構成する成分{b ,g,r }の値、画素値Rを構成する成分{r ,r }の値を、最終的に算出する。
なお、図12に示すように、制限条件を満たす推定パターンのうち、{R,G,B}の同一組み合わせパターンから得られる推定パターンは単一とは限らず、複数得られる場合がある。この場合、それら推定パターンの平均をとって尤度パターンとし、予めテーブルを作成しておけばよい。
ここで、上記では定義域に基づく制限条件を用いてテーブルを作成したが、本実施形態のテーブル作成手法はこれに限定されない。例えば、撮像対象となる画像(例えばデジタルカメラの場合は自然画像、内視鏡の場合は生体内画像など)を母集団とする。そして、母集団の統計的な関係に基づいて、画素値{R,G,B}に対して最も発生確率が高い尤度パターン{b ’,b ,r ,r ’,(g+r ),(b +g)}の対応テーブルを、予め作成しておいて参照テーブルとしてもよい。
以上の実施形態によれば、図11又は図12で説明したように、マルチバンド推定部70は、第1バンドの成分値b ’を未知数として関係式(上式(9))を求め、未知数b ’の候補として、複数の候補値を生成する。マルチバンド推定部は、その複数の候補値の中から、第1、第2色の画素値B、Gの定義域(上式(32))に基づく選択条件を満たす候補値を、関係式(上式(9))に基づいて選択する。そして、マルチバンド推定部は、選択した候補値に基づいて、第1バンドの成分値と、第2バンドの成分値と、第1加算値と{b ’,b ,(g+r )}を求める。
具体的には、選択条件は、関係式(上式(9))に候補値を代入して求めた第1バンドの成分値と、第2バンドの成分値と、第1加算値と{b ’,b ,(g+r )}が、第1、第2色の画素値B、Gの定義域(上式(32))に矛盾しないという条件(上式(35)、(37)、(38))である。
より具体的には、マルチバンド推定部は、第1、第2色の画素値B、Gの定義域(上式(32))に基づいて第1バンドの成分値b ’が取り得る範囲内の値(上式(35))を、複数の候補値として生成する。
このようにすれば、候補値を関係式に代入して求めたバンドの成分値が、画素値の定義域に基づいて存在し得ないと判断された場合に、その候補値を除外し、画素値の定義域に矛盾しない候補値に基づいて最終的な推定値を決定できる。
6.第3のマルチバンド推定処理
次に、近赤外光を撮影することで暗い環境でも高感度AFが可能な第3のマルチバンド推定処理について説明する。フォーカス制御処理については、図7等で上述したフォーカス制御処理と同様である。
図13(A)に示すように、撮像センサの赤色フィルタの分光特性F(λ)を、近赤外光の帯域までカバーするように(透過するように)設定する。また、緑色フィルタの分光特性F(λ)を、通常の可視赤色フィルタの分光特性までカバーするように、従来よりも透過波長帯域を広く設定する。このように分光特性を設定すれば、波長が長い領域での撮像において、暗い環境でも被写体の反射光の撮像感度が比較的高く取れる効果を期待できる。
右瞳フィルタFL1の透過波長帯域は{b,g,r}であり、左瞳フィルタFL2の透過波長帯域は{b,g,r,r}である。b、b、gは、例えば図1のb、b、gと同じ帯域であり、rは、例えば図1のrよりも長波長側に広い帯域であり、rは、例えば図1のrよりも長波長側且つ近赤外を含む広い帯域である。位相差検出に用いる右瞳画像と左瞳画像は、I=(r,r,b )とI=(r ,b ,b )である。
なお、撮像センサの赤(R)フィルタを通った画素値は、左右瞳による通過光の波長域割り当てがされない共通の帯域rの成分値r,rと、左瞳のみの通過光の波長域として割当てた帯域rの成分値r とに設定されることに注意が必要である。可視光画像として用いるr又はrの値は、片側の瞳による通過光から生成されると、通常鑑賞画像のデフォーカス領域において他のG、Bの色画像に対してR画像のずれが生ずると考えられるので、左右瞳の区別がないようにしておく。この条件であっても、r又はrからなる画像とr からなる画像の位相差は得られるので、フォーカス制御に活用できる。上述の図2では、左右瞳が分離されない共通の成分gは、あくまでも位相差検出には用いないように構成したが、この場合はr又はrを左右瞳に分割しないことにより、ボケ領域での可視赤色と他色との色ずれを発生させないようにしている。また、左右瞳共通の画像r又はrと、片側の瞳からの近赤外rの成分値による画像とは、成分値は半減するものの位相差は発生するので、フォーカス位置を求めて合焦制御を行うことができる。
上記のように設定した分割帯域の成分値を、第1又は第2のマルチバンド推定処理により推定すれば、左右瞳の透過波長であるrは可視光領域の(近赤外に近い成分も含まれる)赤色光として得られ、左瞳のみの透過波長であるr は近赤外光として得られるため、暗い環境での位相差検出に有利となる。即ち、暗い環境での測距又はその測距情報を用いたオートフォーカスを効果的に行うことができる。なお、鑑賞用画像としては、r の近赤外光の成分を除いた可視光のR=rのみを赤色光画像として、G=b +g+rを緑色光画像として採用すればよい。
図14に、第3のマルチバンド推定処理を行う場合の構成例として、撮像装置の第2の構成例を示す。図14の撮像装置は、結像レンズLNS、光学フィルタFLT、撮像素子10(撮像センサ)、撮像処理部20、RGB画像生成部30、モニタ表示部40、RGBフィルタ特性データ記録部50、フォーカス領域選択部65、マルチバンド推定部70、RG成分再構成部75、フォーカス制御部80、距離検出センサ88(距離計測センサ)、データ圧縮部90、データ記録部100を含む。なお、図8で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
マルチバンド推定部70は、バンド成分を推定し、右瞳画像I=(r,r,b )と左瞳画像I=(r ,b ,b )を出力する。またマルチバンド推定部70は、推定したバンド成分のうち、r、r、g、b をRG成分再構成部75に出力する。RG成分再構成部75は、R’=r、G’=b +g+rを新たな画素値R(i,j)’、G(i,j)’としてモニタ表示部40とデータ圧縮部90に出力する。
以上の実施形態によれば、第1〜第3色フィルタは、それぞれ青色、緑色、赤色の波長帯域を透過する青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタである。図13(B)に示すように、赤色フィルタの透過率特性である第3透過率特性Fは、近赤外光の帯域r (例えば700nm〜950nm)を透過する特性である。
より具体的には、マルチバンド推定部70は、近赤外光の帯域を第5バンドBD5に設定する。
なお、赤色フィルタは、近赤外光の帯域全て(例えば700nm〜2500nm)を透過する必要はなく、近赤外光の帯域のうちの一部(例えば700nm〜950nm)を透過すればよい。
通常のRGB撮像素子では一般的に近赤外光を撮影しないので、暗い環境では位相差の検出精度が悪く、位相差AFを行うことは困難である。この点、本実施形態によれば、被写体が発する近赤外光を撮影できるため、暗い環境であっても、近赤外光を含むバンド成分値を用いて位相差AFを行うことが可能になる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またマルチバンド推定部、フォーカス制御部、撮像装置等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 撮像素子、20 撮像処理部、30 RGB画像生成部、
35 色補正処理部、40 モニタ表示部、50 RGBフィルタ特性データ記録部、
65 フォーカス領域選択部、70 マルチバンド推定部、75 RG成分再構成部、
80 フォーカス制御部、82 位相差検出部、84 フォーカス制御量算出部、
86 フォーカスレンズ駆動制御部、88 距離検出センサ、90 データ圧縮部、
100 データ記録部、200 データ記録部、210 データ伸張部、
220 伸張データ記憶部、230 モニタ画像生成部、240 モニタ画像表示部、
250 画像データ選択部、260 選択フレーム記憶部、
270 マルチバンド推定部、290 位相差検出部、295 位相差処理部、
A 開口径、BD1〜BD5 第1〜第5バンド、EBG,EGR 評価値、
,F,F 第1〜第3透過率特性、FL1 右瞳フィルタ、
FL2 左瞳フィルタ、FLT 光学フィルタ、I 左瞳画像、I 右瞳画像、
LNS 結像レンズ、PD デフォーカス位置、PF フォーカス位置、
PS センサ面位置、a,b,x 距離、
,b,g,r,r 第1〜第5バンドの成分値、d デフォーカス量、
f 合成焦点距離、kB1,kB2 ゲイン、δ ずれ量

Claims (14)

  1. 撮像光学系の瞳を、第1瞳と、前記第1瞳とは透過波長帯域が異なる第2瞳とに分割する光学フィルタと、
    第1透過率特性を有する第1色フィルタと、第2透過率特性を有する第2色フィルタと、第3透過率特性を有する第3色フィルタとを含む撮像素子と、
    前記第1〜第3透過率特性の重なり部分及び非重なり部分に対応する第1〜第5バンドを設定し、前記撮像素子によって撮像された画像を構成する第1〜第3色の画素値に基づいて前記第1〜第5バンドの成分値を推定するマルチバンド推定部と、
    前記第1〜第5バンドのうち前記第1瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第1被写体像として取得し、前記第1〜第5バンドのうち前記第2瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第2被写体像として取得し、前記第1被写体像と前記第2被写体像の位相差を検出し、前記位相差に基づいて前記撮像光学系のフォーカス制御を行うフォーカス制御部と、
    を含むことを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1透過率特性の非重なり部分に対応する前記第1バンドと、前記第1透過率特性と前記第2透過率特性との重なり部分に対応する前記第2バンドと、前記第2透過率特性の非重なり部分に対応する前記第3バンドと、前記第2透過率特性と前記第3透過率特性との重なり部分に対応する前記第4バンドと、前記第3透過率特性の非重なり部分に対応する前記第5バンドとを設定することを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項2において、
    前記第1瞳は、前記第1、第2バンドの一方と、前記第4、第5バンドの一方とを少なくとも透過し、
    前記第2瞳は、前記第1、第2バンドの他方と、前記第4、第5バンドの他方とを少なくとも透過し、
    前記フォーカス制御部は、
    前記第1、第2バンドの前記一方の成分値と、前記第4、第5バンドの前記一方の成分値を前記第1被写体像として取得し、前記第1、第2バンドの前記他方の成分値と、前記第4、第5バンドの前記他方の成分値を前記第2被写体像として取得することを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記第1〜第3色フィルタは、それぞれ青色、緑色、赤色の波長帯域を透過する青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタであり、
    前記第1瞳は、前記第1、第2バンドの一方と、前記第3バンドと、前記第4、第5バンドの一方とを透過し、
    前記第2瞳は、前記第1、第2バンドの他方と、前記第3バンドと、前記第4、第5バンドの他方とを透過することを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記第1〜第3色フィルタは、それぞれ青色、緑色、赤色の波長帯域を透過する青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタであり、
    前記赤色フィルタの透過率特性である前記第3透過率特性は、近赤外光の帯域を透過する特性であることを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項5において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記近赤外光の帯域を前記第5バンドに設定することを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1、第2バンドの成分値を加算した値である前記第1色の画素値と、前記第2〜第4バンドの成分値を加算した値である前記第2色の画素値とに基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第3、第4バンドの成分値を加算した値である第1加算値との間の関係式を求め、
    前記関係式に基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とを推定することを特徴とする撮像装置。
  8. 請求項7において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1バンドの成分値を未知数として前記関係式を求め、
    前記関係式で表した前記第1、第2バンドの成分値及び前記第1加算値と、前記第1、第2色の画素値との間の誤差を表す誤差評価値を求め、
    前記誤差評価値を最小にする前記未知数を決定し、
    決定した前記未知数及び前記関係式に基づいて、前記第1、第2バンドの成分値及び前記第1加算値を決定することを特徴とする撮像装置。
  9. 請求項7又は8において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第2〜第4バンドの成分値を加算した値である前記第2色の画素値と、前記第4、第5バンドの成分値を加算した値である前記第3色の画素値とに基づいて、前記第2、第3バンドの成分値を加算した値である前記第2加算値と、前記第4バンドの成分値と、前記第5バンドの成分値との間の関係式を求め、
    前記関係式に基づいて、前記第2加算値と、前記第4バンドの成分値と、前記第5バンドの成分値とを推定し、
    前記第2色の画素値と前記第2バンドの成分値と前記第4バンドの成分値とから、前記第3バンドの成分値を求めることを特徴とする撮像装置。
  10. 請求項7において、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1バンドの成分値を未知数として前記関係式を求め、
    前記未知数の候補として、複数の候補値を生成し、
    前記複数の候補値の中から、前記第1、第2色の画素値の定義域に基づく選択条件を満たす候補値を、前記関係式に基づいて選択し、
    選択した前記候補値に基づいて、前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とを求めることを特徴とする撮像装置。
  11. 請求項10において、
    前記選択条件は、
    前記関係式に前記候補値を代入して求めた前記第1バンドの成分値と、前記第2バンドの成分値と、前記第1加算値とが、前記第1、第2色の画素値の定義域に矛盾しないという条件であることを特徴とする撮像装置。
  12. 請求項7乃至11のいずれかにおいて、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記第1、第2色フィルタの透過率特性に基づいて、前記第1色の画素値と前第2色の画素値との間の相対的なゲイン比を補正し、補正後の前記第1、第2色の画素値を用いて前記第1〜第5バンドの成分値を推定することを特徴とする撮像装置。
  13. 請求項7乃至12のいずれかにおいて、
    前記第1〜第3色フィルタは、それぞれ青色、緑色、赤色の波長帯域を透過する青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタであり、
    前記マルチバンド推定部は、
    前記青色の画素値を構成する前記第1、第2バンドの成分値を、それぞれ第1、第2青色成分値として求め、前記緑色の画素値を構成する前記第2〜第4バンドの成分値を、それぞれ第1〜第3緑色成分値として求め、前記赤色の画素値を構成する前記第4、第5バンドの成分値を、それぞれ第1、第2赤色成分値として求めることを特徴とする撮像装置。
  14. 撮像光学系の瞳を、第1瞳と、前記第1瞳とは透過波長帯域が異なる第2瞳とに分割する光学フィルタを透過した被写体像を、第1透過率特性を有する第1色フィルタと、第2透過率特性を有する第2色フィルタと、第3透過率特性を有する第3色フィルタとを含む撮像素子により撮像し、
    前記第1〜第3透過率特性の重なり部分及び非重なり部分に対応する第1〜第5バンドを設定し、前記撮像素子によって撮像された画像を構成する第1〜第3色の画素値に基づいて前記第1〜第5バンドの成分値を推定し、
    前記第1〜第5バンドのうち前記第1瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第1被写体像として取得し、前記第1〜第5バンドのうち前記第2瞳の透過波長帯域に対応するバンドの成分値を第2被写体像として取得し、前記第1被写体像と前記第2被写体像の位相差を検出し、前記位相差に基づいて前記撮像光学系のフォーカス制御を行うことを特徴とするフォーカス制御方法。
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