JP2013169068A - 電力制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電力系統に対する給電および受電を蓄電池および電気設備を用いて行う場合にて、蓄電池を保護しながらその能力を十分に発揮させる。
【解決手段】制御装置20は、電力系統50から充電および電力系統50に放電することが可能な蓄電池10と、電力系統50の電力を消費可能な負荷82、電力系統50に電力を供給可能な発電機81の少なくとも一つを含む電気設備80とを制御する。制御装置20は、電力系統50の運用主体から電力系統に対する給電指示または受電指示を受けた場合、蓄電池10のSOC(State Of Charge)に応じて、蓄電池10が充電または放電する電力量および電気設備80が電力供給または電力消費する電力量を決定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、蓄電池の充放電などを制御する電力制御システムに関する。
近年、大手電力会社以外が保有する発電機や、自然エネルギー(太陽光や風力など)をもとにした発電機が、送配電用の電力系統に連結されることが多くなってきている。これらの発電機により発電された電力は低品質なものが多く、アンシラリーサービスが重要になってきている。アンシラリーサービスとは電力系統により送配電される電力の、周波数安定化などの電力品質を維持するサービスを指す。以下、本明細書ではアンシラリーサービスの代表例として周波数維持サービスを取り上げる。なおアンシラリーサービスには電圧維持のための無効電力供給サービスなども含まれる。
送配電される電力は、需要が供給を超過した場合は瞬時に周波数が低下し、供給が需要を超過した場合は瞬時に周波数が上昇する性質がある。そこで、周波数が低下した場合は発電出力を増加させ、周波数が上昇した場合は発電出力を減少させるよう出力調整することが考えられる。
当該出力調整の手法として、火力発電所のガスタービンの回転速度を変更することが考えられる。この手法は数分〜10分程度で発電出力を変更できる。この手法より短時間で電力供給を調整可能な手法として、電力系統に蓄電池を接続し電力系統と蓄電池との間で充放電する手法が考えられる。この手法では蓄電池の運用管理主体は、電力系統の運用管理主体からの給電指示または受電指示に従って電力系統から蓄電池に充電または蓄電池から電力系統へ放電する。
特開2007−236085号公報
蓄電池は寿命などの観点からSOC(State Of Charge)の適正範囲内で使用されることが求められる。蓄電池をアンシラリーサービスに使用する場合も同様である。SOCとは満充電容量に対する残容量の割合を示す指標である。
上述したように蓄電池をアンシラリーサービスに使用している期間中、蓄電池の運用管理主体は、電力系統の運用管理主体から電力系統に対する給電指示または受電指示を受ける。この指示は負荷変動や発電状況に応じて様々なパターンで出される。給電指示と受電指示がバランスよく出されることもあれば、給電指示が多数回連続することもあれば、受電指示が多数回連続することもある。
蓄電池の運用管理主体は、電力系統の運用管理主体から出される指示を原則的にすべて受ける必要があるが、蓄電池のSOCが適正範囲外に出てしまう場合は蓄電池を保護すべく当該指示を無視せざるをえなくなる。この対策として本発明者は、蓄電池が設置される施設(例えば、大学、病院)が保有する負荷、発電機などの電気設備を併用しアンシラリーサービスに利用することに思い至った。
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、電力系統に対する給電および受電を蓄電池および電気設備を用いて行う場合にて、蓄電池を保護しながらその能力を十分に発揮させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電力制御システムは、電力系統から充電および電力系統に放電することが可能な蓄電池と、電力系統の電力を消費可能な負荷、電力系統に電力を供給可能な発電機の少なくとも一つを含む電気設備と、蓄電池とを制御する制御装置と、を備える。制御装置は、電力系統の運用主体から電力系統に対する給電指示または受電指示を受けた場合、蓄電池のSOC(State Of Charge)に応じて、蓄電池が充電または放電する電力量および電気設備が電力供給または電力消費する電力量を決定する。
本発明によれば、電力系統に対する給電および受電を蓄電池および電気設備を用いて行う場合にて、蓄電池を保護しながらその能力を十分に発揮させることができる。
電力供給システムの全体構成を示す図である。 電力制御システムを説明するための図である。 実施の形態1に係る制御装置の構成を示す図である。 図4(a)−(e)は、給電指示に対して蓄電池および電気設備を使用して電力系統に給電する場合の5形態を示す図である。 蓄電池のSOCと、蓄電池および電気設備を使用して電力系統に給電する際の給電形態との関係を示す図である。 図6(a)−(e)は、受電指示に対して蓄電池および電気設備を使用して電力系統から受電する場合の5形態を示す図である。 蓄電池のSOCと、蓄電池および電気設備を使用して電力系統から受電する際の受電形態との関係を示す図である。 実施の形態1に係る制御装置による電力制御の一例を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2に係る制御装置の構成を示す図である。 月単位のサービス価格の推移を示す図である。 時刻単位のサービス価格の推移を示す図である。 単位調整電源へのスコア付与を説明するための図である。 5年後の蓄電池の割引現在価値の算出例1を説明するための図である。 5年後の蓄電池の割引現在価値の算出例2を説明するための図である。 実施の形態2に係る制御装置の動作例を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3に係る制御装置の構成を示す図である。 蓄電池のSOC推移のシミュレーション例を示す図である。 実施の形態3に係る制御装置による、ビッドをスキップする時間帯を決定する処理の一例を説明するためのフローチャートである。 変形例に係る電力制御システムを説明するための図である。
図1は、電力供給システム500の全体構成を示す図である。電力供給システム500は電力系統50に、複数の発電所30、複数の電力制御システム100、複数の需要者40および系統運用装置200が接続される構成である。本明細書では説明を簡略化するため、送電系統と配電系統を区別せずに両者をまとめて電力系統50と表記する。
電力供給システム500の運営形態には様々な形態がある。日本では基本的に地域独占の電力会社により電力供給システム500全体が管理される形態であり、電力会社以外による電力の小売は認められていない(2012年1月現在)。各地域の電力会社はその地域の需要者40に対して電力供給責任を負う。また日本の電力会社は周波数制御サービス(周波数調整サービスともいう)を実施することにより高品質で安定した電力を需要者40に供給している。
一方、電力の小売が自由化されている国や地域もある。その代表例としてPJM(Pennsylvania New Jersey Maryland)、カリフォルニア、Nord Pool、EDF、ドイツ等が挙げられる。これらの国や地域には卸売電力取引所(PX;Power Exchange)、独立系統運用機関(ISO;Independent System Operator)、地域送電機関(RTO;Regional Transmission Organization)などが設置される。また送電線を中心とする電力系統は電力会社が所有し、その運用をISOまたはRTOが行う仕組みが一般的である。例えばPJMでは設備容量市場、卸電力市場、周波数調整市場および金融的送電権市場が開設されている。
本明細書では周波数調整市場に注目する。周波数調整市場は系統運用者が系統安定運用のために用いる調整電源を市場参加者から調達する市場である。具体的には短偏差調整用の電源や瞬動予備力を確保するための電源を調達する市場である。短偏差調整用電源は平常時における短時間の負荷変動に対応するための電源である。瞬動予備力は事故などの緊急事態に対応するための電源である。本明細書では短偏差調整に注目する。以下特に断り書きがない限り、周波数調整市場とは短偏差調整市場を意味することとする。
電力系統50に連結される発電所30には火力、原子力、水力、風力、太陽光など、様々な種類の発電所がある。火力発電所のエネルギー源は主に石炭、ガス、石油である。日本のように主力の発電所の多くを地域独占の電力会社が所有しているケースもあれば、PJMのように電力会社に加え、多くの独立発電事業者(IPP;Independent Power Producer)が発電所を分散して所有しているケースもある。
系統運用装置200は電力会社、ISOまたはRTOにより管理される装置である。系統運用装置200は電力系統50の負荷変動(即ち、電力の需要変動)を検知し、電力系統50全体の需給バランスを維持するための指示を、発電所30および電力制御システム100の少なくとも一方に与える。上述したように需給バランスが崩れると系統周波数が変動する。系統周波数と基準周波数との差が±0.2Hzを超えると、需要者40側の一部の機器に悪影響が及ぶ可能性がある。また系統周波数と基準周波数との差が数%に及ぶと発電機に、タービン翼共振や発電機軸ねじれなどの不具合が発生する可能性がある。
系統運用装置200は負荷変動に応じて発電出力を調整するよう発電所30に通信ネットワークを介して指示することができる。具体的には電力需要が電力供給を上回ると発電出力を増加させるよう指示し、電力需要が電力供給を下回ると発電出力を減少させるよう指示する。原子力発電や水力発電は短時間での出力調整が難しいため、発電所による出力調整は主に火力発電所により行われる。
系統運用装置200は負荷変動に応じて電力系統50に対して電力を放出または吸収するよう電力制御システム100に通信ネットワークを介して指示することができる。具体的には電力需要が電力供給を上回ると電力系統50に電力を放出するよう指示し、電力需要が電力供給を下回ると電力系統50から電力を吸収するよう指示する。
前者の火力発電所による発電出力の変更には数分から10分程度かかる。後者の電力制御システム100による電力供給の調整は瞬時に可能であるため、瞬時の負荷変動に対して特に有効である。上述の周波数調整市場が整備されていることにより、出力調整が困難な発電機しか保有しないIPPでも新規参入が容易となる。即ち周波数調整サービスを活用することにより、周波数調整に関する設備を設けずに発電事業に参入でき、初期投資費用を抑えることができる。
また近年、周波数調整市場において周波数調整能力に応じた対価が支払われる仕組みが導入されつつある。上述したように発電機を用いた周波数調整より蓄電池やフライホイールを用いた周波数調整のほうが追従性、迅速性、正確性の観点で優れている。近年、後者のような調整能力が高い調整電源ほど高い対価が得られる仕組みが導入されつつある。このような背景下、発電設備を持たず蓄電池を用いて周波数調整市場により収益を上げることを目的とした事業者(以下、周波数調整事業者という)が増えている。電力制御システム100は周波数調整事業者に管理される。なお日本のように周波数調整も電力会社が担う場合、電力制御システム100は電力会社に管理される。
図2は、電力制御システム100を説明するための図である。電力制御システム100は蓄電池10、双方向AC−DCコンバータ11、BMU(Battery Management Unit)12、制御装置20、コンソール端末装置70、電気設備80、メータ91、メータ92を備える。蓄電池10および電気設備80はそれぞれ、または一体として周波数制御用の調整電源として機能することができる。以下、本明細書では調整電源から電力系統50へ電力を放出することを給電といい、調整電源が電力系統50から電力を吸収することを受電という。
蓄電池10は電力系統50から充電および電力系統50に放電することが可能な電池である。蓄電池10にはリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛電池などが採用される。双方向AC−DCコンバータ11は蓄電池10と電力系統50との間に接続される。双方向AC−DCコンバータ11はBMU12から充電指示があると電力系統50から供給される交流電力を直流電力に変換して蓄電池10に供給し、放電指示があると蓄電池10から供給される直流電力を交流電力に変換して電力系統50に供給する。
BMU12は蓄電池10を管理する。具体的には蓄電池10の充放電、残容量、異常の有無などを管理する。具体的にはBMU12は、制御装置20から受電指示があると蓄電池10および双方向AC−DCコンバータ11を制御して、電力系統50から蓄電池10への充電制御を実行する。一方、制御装置20から給電指示があると蓄電池10および双方向AC−DCコンバータ11を制御して、蓄電池10から電力系統50への放電制御を実行する。またBMU12には図示しないCMU(Cell Management Unit)から蓄電池10の各セル毎の電圧、電流、温度が入力され、それらの値をもとにSOC演算、セルバランス調整、過充電保護、過放電保護、温度異常検知などを実行する。
電気設備80は蓄電池10が設置される施設(例えば、大学や病院)に設置されている電気設備である。電気設備80は負荷82および発電機81の少なくとも一つを含む。発電機81は非常用のバックアップ電源や太陽光発電システムなどが該当する。発電機81は施設内の負荷82だけでなく、電力系統50にも電力を供給可能である。負荷82は施設内で電力を消費する負荷の総称である。主に電力系統50から供給される電力を消費する。例えば空調機器、照明機器、コンピュータ関連機器などが該当する。なお電気設備80にはチラー、施設に既に存在する蓄電池など、電力を消費せずにエネルギーを循環、保存する機器が含まれてもよい。なお電気設備80には必ずしも発電機81が設置されている必要はない。
電気設備80は制御装置20から受電指示があると、指示された電力量を電力系統50から消費する。例えば停止中の換気扇を稼働させて負荷82の消費電力を上げる。また発電中の発電機81の稼働を停止または出力電力を下げる。なお本明細書では電力系統50からの電力消費には、発電中の発電機81を停止または出力電力を下げることも含まれる。ネットで考えると負荷82の消費電力が増大することと、発電機81の出力電力が低下することは同一視できる。
電気設備80は制御装置20から給電指示があると、指示された電力量を電力系統50に供給する。例えば停止中の発電機81の稼働を開始または出力電力を上げる。なお本明細書では電力系統50への電力供給には、負荷82の消費電力を下げることも含まれる。ネットで考えると発電機81の出力電力が上昇することと、負荷82の消費電力が低下することは同一視できる。負荷82の消費電力を低減する具体例として、空調機器の設定温度の低下、優先順位の低い場所に設置されている照明の消灯などが挙げられる。
メータ91は電力系統50と双方向AC−DCコンバータ11との間の充放電経路に接続され、蓄電池10と電力系統50との間でやりとりされる電力量を検出する。メータ91は検出した電力量を通信ネットワーク60を介して制御装置20および/または系統運用装置200に通知する。メータ92は電力系統50から電気設備80への引込線に接続され、電気設備80と電力系統50との間でやりとりされる電力量を検出する。メータ92は検出した電力量を通信ネットワーク60を介して制御装置20および/または系統運用装置200に通知する。
通信ネットワーク60には系統運用装置200、周波数調整市場運営装置300、制御装置20、コンソール端末装置70が接続される。通信ネットワーク60はインターネット、専用回線または両者の組合せで構成される。
周波数調整市場運営装置300は各種サーバで構築される。周波数調整市場運営装置300は周波数調整市場を運営するための装置であり、系統運用者から周波数調整サービスのオファーを受け付け、周波数調整事業者や周波数調整設備を持つ発電事業者などから周波数調整サービスのビッドを受け付ける。周波数調整市場運営装置300は基本的にオファーとビッドの需給関係により周波数調整サービスの価格(以下、単にサービス価格という)を決定する。
系統運用者が落札者に支払うサービス価格の原資には、需要者から徴収した電気料金、税金などの公的資金、周波数調整能力を持たない又は周波数調整を系統運用者に委託している発電事業者から徴収した料金の少なくとも一つがあてられる。
一般的に、周波数調整市場も卸電力市場と同様に一日前市場とリアルタイム市場が設けられている。PJMの一日前市場は次のように運営されている。周波数調整事業者などの入札者は、周波数調整サービス提供日の前日の0時〜18時(12〜16時を除く)に一時間単位で入札する。入札の最小単位は0.1MWである。落札結果はサービス提供日の前日の20時に通知される。サービス価格は入札価格ではなく市場価格をもとに決定される。市場価格は取引所で需要と供給が一致した価格であり、サービス価格は市場価格そのものではなく一定の調整がなされた価格に決定される。なお当該需要は当日の電力需要の予測値、当日の電力供給の予定値などから算出される。
系統運用者は一日前市場で周波数調整用の電源を確保できる。しかしながら当日の天気や発電所の稼働状況の変化などにより電力の需給バランスが予想以上に崩れることがある。その場合はリアルタイム市場を開設して追加的に周波数調整サービスへの参加者を募る。リアルタイム市場は電力の需給バランスが予想の範囲内の場合は開設されない。
系統運用装置200は各種サーバで構築される。系統運用装置200は電力系統50を安定運用するための装置である。系統運用装置200は電力の需給バランスの変動に応じて、その時間に周波数調整サービスを提供している電力制御システム100の制御装置20に、通信ネットワーク60を介して給電指示または受電指示を送信する。系統運用装置200は給電指示または受電指示を定期的(例えば、2秒または4秒に1回)に送信する。なお給電および受電が必要ない周期では指示を送信しなくてもよいし、待機指示を送信してもよい。
以下より具体的に説明する。系統運用装置200は電力の需給バランスを監視し、需給バランスにギャップが生じた場合、そのギャップを埋めるための電力量を算出する。電力系統に給電が必要な場合、算出された電力量を給電するよう周波数調整サービスに参加している電力制御システム100の制御装置20に給電指示を送信する。同様に受電が必要な場合、算出された電力量を受電するよう周波数調整サービスに参加している電力制御システム100の制御装置20に受電指示を送信する。系統運用装置200は、周波数調整サービスに参加している電力制御システム100の制御装置20に同じ給電指示または受電指示を送信する。各制御装置20は給電指示または受電指示で指定された電力量を、落札した電力量に応じて自己が給電または受電する電力量に換算して、周波数調整サービスを実行する。
コンソール端末装置70はPCなどで構築され、周波数調整事業者により使用される。コンソール端末装置70は、蓄電池10および電気設備80が設置されている場所の近隣に設置されてもよいし遠方に設置されてもよい。一つの周波数調整事業者が複数の電力制御システム100を運用管理する場合、その周波数調整事業者のオペレーションルームに当該複数の電力制御システム100の共通のコンソール端末装置70が設置されてもよい。
コンソール端末装置70は周波数調整事業者のユーザ操作にしたがい周波数調整市場運営装置300にアクセスして、一日前市場またはリアルタイム市場に入札し、その落札結果を受領する。また、コンソール端末装置70は周波数調整事業者のユーザ操作にしたがい、制御装置20の各種パラメータを設定変更したり、蓄電池10、双方向AC−DCコンバータ11、BMU12、発電機81、負荷82、メータ91、92をマニュアル制御したりする。制御装置20は蓄電池10および電気設備80を制御する。以下、具体的に説明する。
(実施の形態1)
図3は、実施の形態1に係る制御装置20の構成を示す図である。制御装置20は、給電/受電指示受付部21、SOC取得部22、分配決定部23、給電/受電制御部24、操作指示受付部25、ビッド部26を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のプロセッサ、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
給電/受電指示受付部21は系統運用装置200からの指示を受信する。より具体的には一日前市場またはリアルタイム市場により落札した、周波数調整サービスを提供する期間(以下、サービス提供期間という)に、系統運用装置200から定期的に給電指示、受電指示または待機指示を受ける。周波数調整サービスを落札した者にとってサービス提供期間は系統運用者に対して、系統運用装置200からの給電指示に応じて給電する義務、受電指示に応じて受電する義務を負う期間となる。
SOC取得部22はBMU12から蓄電池10のSOCを取得する。分配決定部23は、設定された分配率パラメータに応じて蓄電池10および電気設備80により電力系統50に給電する際の分配率を決定する。例えば分配率パラメータが100:0のとき蓄電池10のみが給電し電気設備80は給電しない。分配率パラメータが0:100のとき電気設備80のみが給電し電気設備80は給電しない。分配率パラメータが50:50のとき蓄電池10および電気設備80は同じ電力量を給電する。分配率パラメータの合計は常に100になる。同様に分配決定部23は、設定された分配率パラメータに応じて電力系統50から蓄電池10および電気設備80が受電する際の分配率を決定する。なお分配率パラメータの決定方法の詳細な具体例は、後述の実施の形態2で説明する。
分配決定部23は、給電/受電指示受付部21が系統運用装置200から給電指示または受電指示を受け付けた場合、SOC取得部22により取得される蓄電池10のSOCに応じて、蓄電池10が電力系統50から充電または電力系統50へ放電する電力量、および電気設備80が電力系統50から電力消費する電力量または電気設備80から電力系統50へ電力供給する電力量を決定する。この決定処理の具体例は後述する。
給電/受電制御部24は、分配決定部23により決定された分配に従い蓄電池10の充放電制御および電気設備80の電力供給/消費制御を実行する。前者はBMU12に指示することにより実行し、後者は負荷82および発電機81を遠隔制御することにより実行する。なお電気設備80で給電または受電する場合、給電/受電制御部24は予め設定されたプログラムに従い対象の負荷82および/または発電機81を遠隔制御する。そのプログラムには給電または受電が必要な際、消費電力を下げるまたは上げるための負荷、その負荷の順番、発電機81の稼働または出力調整の有無、その発電機81の制御手順などが記述されている。
操作指示受付部25はコンソール端末装置70からの指示を受け付ける。ビッド部26はコンソール端末装置70または設定プログラムからの指示により周波数調整市場運営装置300にアクセスして、指示された時間帯の周波数調整サービスに、指示された電力量をビッドする。当該設定プログラムは周波数調整事業者の戦略が反映されたものであり、例えば、可能な限りビッドする、設定された時間帯だけビッドする、需要が所定値より大きいときだけビッドする等の戦略がある。設定された時間帯だけビッドする戦略は、例えば過去データからサービス価格が高い傾向にある時間帯だけビッドする等がある。このビッド戦略の詳細な具体例は、後述の実施の形態3で説明する。
図4(a)−(e)は、給電指示に対して蓄電池10および電気設備80を使用して電力系統50に給電する場合の5形態を示す図である。図4(a)は蓄電池10のみが電力系統50に給電する形態である。給電電力の分配率は蓄電池10が100、電気設備80が0である。図4(b)は電気設備80のみが電力系統50に給電する形態である。給電電力の分配率は蓄電池10が0、電気設備80が100である。
図4(c)は蓄電池10および電気設備80の両方が電力系統50に給電する形態である。給電電力の分配率は蓄電池10がm(0<m<100)、電気設備80が(100−m)である。図4(d)は蓄電池10が電力系統50から受電しつつ、電気設備80が電力系統50に給電する形態である。給電電力の分配率は蓄電池10が−m(0<m)、電気設備80が(100−(−m))である。図4(e)は電気設備80が電力系統50から受電しつつ、蓄電池10が電力系統50に給電する形態である。給電電力の分配率は蓄電池10がm(100<m)、電気設備80が(100−m)である。
分配決定部23は所定の条件に応じて、これら5つの給電形態の中から1つを選択する。実施の形態1では蓄電池10のSOCに応じて選択する。例えば、給電/受電指示受付部21が系統運用装置200から給電指示を受け付けた場合、分配決定部23は蓄電池10のSOCを適正値に近づけつつ、蓄電池10および電気設備80の少なくとも一方から電力系統50へ給電するよう給電/受電制御部24に指示する。図4(a)−(e)に示す給電形態のうち図4(a)、(c)、(d)、(e)の給電形態では蓄電池10のSOCが調整される。
一般的にSOCの適正範囲は電池の種類にもよるが、10%〜90%の範囲内に設定される。SOCの適正範囲を逸脱して過充電または過放電すると電池寿命を縮める要因となる。特にリチウムイオン電池の場合、満充電状態まで充電すると電池寿命を縮める大きな要因となる。
図5は、蓄電池10のSOCと、蓄電池10および電気設備80を使用して電力系統50に給電する際の給電形態との関係を示す図である。この例では蓄電池10のSOCの適正値を50%、適正下限値を20%、適正上限値を90%に設定している。なお一般的に、周波数調整では電力系統50からの受電需要より電力系統50への給電需要のほうが多く、また放電速度のほうが充電速度より速いためSOCの適正値を50%より高く設定してもよい。例えば60%に設定してもよい。
まず図4(a)−(e)に示す5つの給電形態のうち、蓄電池10からの放電量が大きい順に並べると図4(e)、図4(a)、図4(c)、図4(b)、図4(d)となる。図5の説明では蓄電池10のSOCに注目して給電形態を選択するモデルを考える。
ケース1では蓄電池10のSOCが適正上限値に位置している。この場合、次に受電指示を受けて蓄電池10に充電するとSOCが適正上限値を上回ってしまう。したがって放電してSOCを下げる必要性が高い。ケース1では分配決定部23は図4(e)、図4(a)、図4(c)の給電形態のいずれかを選択する。SOCを大きく下げるためには放電量が大きいほうが好ましいため、SOCのみの観点からは図4(e)を選択することが好ましい。ただし実際には電気設備80の稼働状態、蓄電池10と電気設備80との分配率による追従性の違い、予定される系統運用装置200からの指示など、SOC以外の条件も参酌されて給電形態が決定される。また図4(e)は例外的な給電形態である。したがって図4(a)、図4(c)の給電形態を選択することも有力である。
ケース2では蓄電池10のSOCが適正上限値と適正値の間の略中間に位置している。この場合において蓄電池10のSOCを適正値に近づけるには、放電してSOCを下げる必要がある。ケース2では分配決定部23は図4(e)、図4(a)、図4(c)、図4(b)の給電形態のいずれかを選択する。なお系統運用装置200から給電指示が連続することが予定されている場合(例えば給電のみの周波数調整サービスを提供している場合)、必ずしも急いで蓄電池10のSOCを下げる必要がないため図4(b)の給電形態を選択することも有力である。
ケース3では蓄電池10のSOCが適正値に位置している。ケース3では分配決定部23は図4(b)、図4(c)、図4(a)の給電形態のいずれかを選択する。蓄電池10のSOCが適正値に位置している場合、SOCのみの観点からは図4(b)を選択することが好ましい。しかしながら蓄電池10は周波数調整が主用途であるが、電気設備80は周波数調整が主用途ではない。また蓄電池10のほうが給電指示に対する追従性が高い。したがって電気設備80のみを使用し続けることは好ましくなく、蓄電池10も使用されるべきである。図4(d)、図4(e)は例外的な給電形態である。したがってケース3にて蓄電池10を使用する場合、図4(c)、図4(a)を選択することが有力である。
ケース4では蓄電池10のSOCが適正値と適正下限値の間の略中間に位置している。ケース4では分配決定部23は図4(d)、図4(b)、図4(c)、図4(a)の給電形態のいずれかを選択する。ケース4の場合において蓄電池10のSOCを適正値に近づけるには、充電してSOCを上がる必要がある。その観点からは図4(d)の給電形態を選択することが好ましい。しかしながら図4(d)は例外的な給電形態である。したがって図4(b)、図4(c)、図4(a)の給電形態を選択することも有力である。
ケース5では蓄電池10のSOCが適正値と適正下限値の間において適正下限値近傍に位置している。ケース5では分配決定部23は図4(d)、図4(b)、図4(c)の給電形態のいずれかを選択する。ケース5では図4(a)の給電形態を選択すると放電後のSOCが適正下限値を下回ってしまうため、ケース4と異なり図4(a)の給電形態を選択肢から外している。ケース5ではケース4よりSOCを適正値に近づける要請が強いため図4(e)の給電形態を選択する許容性が高くなる。
ケース6では蓄電池10のSOCが適正下限値に位置している。この場合、次に給電指示を受けて蓄電池10から放電すると適正下限値を下回ってしまう。したがって充電してSOCを上げる必要性が高い。ケース6では分配決定部23は図4(d)、図4(b)の給電形態のいずれかを選択する。蓄電池10から放電する給電形態である図4(a)、図4(c)、図4(e)の給電形態は選択肢から外している。
図6(a)−(e)は、受電指示に対して蓄電池10および電気設備80を使用して電力系統50から受電する場合の5形態を示す図である。図6(a)は蓄電池10のみが電力系統50から受電する形態である。受電電力の分配率は蓄電池10が100、電気設備80が0である。図6(b)は電気設備80のみが電力系統50から受電する形態である。受電電力の分配率は蓄電池10が0、電気設備80が100である。
図6(c)は蓄電池10および電気設備80の両方が電力系統50から受電する形態である。受電電力の分配率は蓄電池10がm(0<m<100)、電気設備80が(100−m)である。図6(d)は蓄電池10が電力系統50へ給電しつつ、電気設備80が電力系統50から受電する形態である。受電電力の分配率は蓄電池10が−m(0<m)、電気設備80が(100−(−m))である。図6(e)は電気設備80が電力系統50に給電しつつ、蓄電池10が電力系統50から受電する形態である。受電電力の分配率は蓄電池10がm(100<m)、電気設備80が(100−m)である。
分配決定部23は所定の条件に応じて、これら5つの受電形態の中から1つを選択する。実施の形態1では蓄電池10のSOCに応じて選択する。例えば、給電/受電指示受付部21が系統運用装置200から受電指示を受け付けた場合、分配決定部23は蓄電池10のSOCを適正値に近づけつつ、電力系統50から蓄電池10および電気設備80の少なくとも一方に受電するよう給電/受電制御部24に指示する。図6(a)−(e)に示す受電形態のうち図6(a)、(c)、(d)、(e)の受電形態では蓄電池10のSOCが調整される。
図7は、蓄電池10のSOCと、蓄電池10および電気設備80を使用して電力系統50から受電する際の受電形態との関係を示す図である。この例でも蓄電池10のSOCの適正値を50%、適正下限値を20%、適正上限値を90%に設定している。
まず図6(a)−(e)に示す5つの受電形態のうち、蓄電池10への充電量が大きい順に並べると図6(e)、図6(a)、図6(c)、図6(b)、図6(d)となる。図7の説明では蓄電池10のSOCに注目して給電形態を選択するモデルを考える。
ケース1では蓄電池10のSOCが適正下限値に位置している。この場合、次に給電指示を受けて蓄電池10から放電するとSOCが適正下限値を下回ってしまう。したがって充電してSOCを上げる必要性が高い。ケース1では分配決定部23は図6(e)、図6(a)、図6(c)の受電形態のいずれかを選択する。SOCを大きく上げるためには充電量が大きいほうが好ましいため、SOCのみの観点からは図6(e)を選択することが好ましい。ただし実際にはSOC以外の条件も参酌されて受電形態が決定される。また図6(e)は例外的な受電形態である。したがって図6(a)、図6(c)の受電形態を選択することも有力である。
ケース2では蓄電池10のSOCが適正下限値と適正値の間の略中間に位置している。この場合において蓄電池10のSOCを適正値に近づけるには、充電してSOCを上げる必要がある。ケース2では分配決定部23は図6(e)、図6(a)、図6(c)、図6(b)の受電形態のいずれかを選択する。なお系統運用装置200から受電指示が連続することが予定されている場合(例えば受電のみの周波数調整サービスを提供している場合)、必ずしも急いで蓄電池10のSOCを上げる必要がないため図6(b)の受電形態を選択することも有力である。
ケース3では蓄電池10のSOCが適正値に位置している。ケース3では分配決定部23は図6(b)、図6(c)、図6(a)の受電形態のいずれかを選択する。蓄電池10のSOCが適正値に位置している場合、SOCのみの観点からは図6(b)を選択することが好ましい。しかしながら蓄電池10は周波数調整が主用途であるが、電気設備80は周波数調整が主用途ではない。また蓄電池10のほうが受電指示に対する追従性が高い。したがって電気設備80のみを使用し続けることは好ましくなく、蓄電池10も使用されるべきである。図6(d)、図6(e)は例外的な受電形態である。したがってケース3にて蓄電池10を使用する場合、図6(c)、図6(a)を選択することが有力である。
ケース4では蓄電池10のSOCが適正値と適正上限値の間の略中間に位置している。ケース4では分配決定部23は図6(d)、図6(b)、図6(c)、図6(a)の受電形態のいずれかを選択する。ケース4の場合において蓄電池10のSOCを適正値に近づけるには、放電してSOCを下げる必要がある。その観点からは図6(d)の受電形態を選択することが好ましい。しかしながら図6(d)は例外的な給電形態である。したがって図6(b)、図6(c)、図6(a)の受電形態を選択することも有力である。
ケース5では蓄電池10のSOCが適正値と適正上限値の間において適正上限値近傍に位置している。ケース5では分配決定部23は図6(d)、図6(b)、図6(c)の給電形態のいずれかを選択する。ケース5では図6(a)の受電形態を選択すると充電後のSOCが適正上限値を上回ってしまうため、ケース4と異なり図6(a)の受電形態を選択肢から外している。ケース5ではケース4よりSOCを適正値に近づける要請が強いため図6(e)の受電形態を選択する許容性が高くなる。
ケース6では蓄電池10のSOCが適正上限値に位置している。この場合、次に受電指示を受けて蓄電池10に充電すると適正上限値を上回ってしまう。したがって放電してSOCを下げる必要性が高い。ケース6では分配決定部23は図6(d)、図6(b)の給電形態のいずれかを選択する。蓄電池10に充電する受電形態である図6(a)、図6(c)、図6(e)の受電形態は選択肢から外している。
このように分配決定部23は、系統運用装置200からの給電指示または受電指示に応じて、蓄電池10のSOCを適正値に近づけつつ電気設備80が電力系統50へ電力供給または電力系統50から電力消費する制御を実行するよう給電/受電制御部24に指示することができる。蓄電池10のSOCを適正値に近づける制御を実行するのは、SOCが特定の範囲に位置するときのみであってもよい。例えばSOCが適正上限値以上に位置する場合および適正下限値以下に位置する場合のみ実行し、SOCが適正上限値と適正下限値の間に位置する場合、蓄電池10のSOCを適正値に近づける制御を実行しない。
この蓄電池10のSOCを適正値に近づける制御とは、給電指示または受電指示に対して意図的にSOC調整を実行すべく蓄電池10を充放電する制御をいう。給電指示または受電指示に応じて蓄電池10を充放電した結果、結果的にSOCが適正値に近づくことは当該制御に含まれない。
図8は、実施の形態1に係る制御装置20による電力制御の一例を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは上述した、SOCが適正上限値以上に位置する場合および適正下限値以下に位置する場合にのみ、蓄電池10のSOCを適正値に近づける制御を実行する処理を示している。
まず給電/受電制御部24はBMU12に蓄電池10を初期設定させる(S10)。例えば蓄電池10のSOCが適正値になるようBMU12に蓄電池10を充電または放電させる。周波数調整サービスの提供中(S12のN)、以下の処理を繰り返し実行する。周波数調整サービスの提供が終了すると(S12のY)、以下の処理の実行を終了する。
給電/受電指示受付部21は系統運用装置200からの給電指示または受電指示を待ち(S14のN)、その指示が送信されてくると、その指示を受け付ける(S14のY)。給電指示の場合(S16のY)、分配決定部23はSOC取得部22により取得された蓄電池10のSOCと適正下限値とを比較する(S18)。SOCが適正下限値より大きい場合(S18のN)、分配決定部23は設定された分配率に従って、蓄電池10の放電制御および電気設備80の電力供給制御を実行するよう給電/受電制御部24に指示する。給電/受電制御部24はその指示に応じて、蓄電池10の放電制御および電気設備80の電力供給制御を実行する(S20)。
この分配率は上述のSOCに注目して決定された分配率に限定されず、種々の条件をもとに決定された分配率を用いることができる。なお蓄電池10の分配率が0の場合は実際の放電制御は実行されず、同様に電気設備80の分配率が0の場合は実際の電力供給制御は実行されない。
なおSOCが適正上限値以上に位置する場合、分配決定部23は少なくとも蓄電池10の放電制御を実行するよう給電/受電制御部24に指示し、給電/受電制御部24はその指示に応じて、少なくとも蓄電池10の放電制御を実行するとよい。即ち、分配決定部23は蓄電池10の分配率を0より大きな値に設定する。
ステップS18にてSOCが適正下限値以下の場合(S18のY)、分配決定部23は設定された分配率に従って、蓄電池10の充電制御および電気設備80の電力供給制御を実行するよう給電/受電制御部24に指示する。給電/受電制御部24はその指示に応じて、蓄電池10の充電制御および電気設備80の電力供給制御を実行する(S22)。ステップS22の給電制御では上述した図4(d)の給電形態を採用する。より具体的には給電/受電制御部24は、蓄電池10に電力系統50から所定の充電量を充電させつつ、電気設備80に給電指示により指定された電力量に当該充電量を加えた電力量を電力系統50へ供給させる。
給電/受電指示受付部21が受け付けた指示が充電指示の場合(S16のN)、分配決定部23はSOC取得部22により取得された蓄電池10のSOCと適正上限値とを比較する(S24)。SOCが適正上限値より小さい場合(S24のN)、分配決定部23は設定された分配率に従って、蓄電池10の充電制御および電気設備80の電力消費制御を実行するよう給電/受電制御部24に指示する。給電/受電制御部24はその指示に応じて、蓄電池10の充電制御および電気設備80の電力消費制御を実行する(S26)。
この分配率も上述のSOCに注目して決定された分配率に限定されず、種々の条件をもとに決定された分配率を用いることができる。なお蓄電池10の分配率が0の場合は実際の充電制御は実行されず、同様に電気設備80の分配率が0の場合は実際の電力消費制御は実行されない。
なおSOCが適正下限値以下に位置する場合、分配決定部23は少なくとも蓄電池10の充電制御を実行するよう給電/受電制御部24に指示し、給電/受電制御部24はその指示に応じて、少なくとも蓄電池10の充電制御を実行するとよい。即ち、分配決定部23は蓄電池10の分配率を0より大きな値に設定する。
ステップS24にてSOCが適正上限値以上の場合(S24のY)、分配決定部23は設定された分配率に従って、蓄電池10の放電制御および電気設備80の電力消費制御を実行するよう給電/受電制御部24に指示する。給電/受電制御部24はその指示に応じて、蓄電池10の放電制御および電気設備80の電力消費制御を実行する(S28)。ステップS28の受電制御では上述した図6(d)の受電形態を採用する。より具体的には給電/受電制御部24は、蓄電池10に電力系統50へ所定の放電量を放電させつつ、電気設備80に受電指示により指定された電力量に当該放電量を加えた電力量を電力系統50から消費させる。
以上説明したように実施の形態1によれば、電力系統50に対する給電および受電を蓄電池10および電気設備80を用いて行う場合、例えば蓄電池10および電気設備80を用いて周波数調整サービスを実行する場合、蓄電池10を保護しながらその能力を十分に発揮させることができる。即ち周波数調整サービスを蓄電池10のみで実行する場合にて、蓄電池10のSOCが適正範囲を外れると系統運用装置200からの給電指示または受電指示を無視するか、電池寿命の短縮を甘受しなければならない。SOCが適正範囲から外れることを抑制するには蓄電池10の容量を増やすことが考えられるがコスト高となる。そこで電気設備80を周波数調整サービス用の電源として活用することにより、蓄電池10のSOCが適正範囲を外れる可能性を低下させることができる。特に電気設備80内の負荷82がディマンドレスポンスサービスに加入している場合、制御装置20はディマンドレスポンスのシステムを、負荷82による電力供給制御および電力消費制御に転用できる。
また系統運用装置200から給電指示または受電指示に応じて、蓄電池10および電気設備80を使用して電力系統50へ給電または電力系統50から受電する際、蓄電池10のSOCを適正値に近づけつつ給電または受電することにより、蓄電池10のSOCが適正範囲を外れる可能性を低下させることができる。
また給電指示で指定された電力量より大きな電力量を電気設備80から放出することにより、電力系統50への給電の際に蓄電池10が充電することが可能である。同様に受電指示で指定された電力量より大きな電力量を電気設備80が吸収することにより、電力系統50からの受電の際に蓄電池10が放電することも可能である。したがって給電指示または受電指示のいずれを受け付けた場合でも、蓄電池10のSOCを任意の方向、即ち充電方向にも放電方向にも制御可能である。
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。実施の形態1では主に蓄電池10のSOCの観点から蓄電池10と電気設備80の分配率を決定する例を説明したが、実施の形態2では経済性の観点から蓄電池10と電気設備80の分配率を決定する例を説明する。実施の形態2では説明を分かりやすくするため蓄電池10のSOCの制限は無視して考える。また同様の趣旨で電気設備801の電力供給能力および電力消費能力の限界も無視して考える。
上述したように蓄電池10にはサイクル寿命がある。したがって充電頻度が高いほど使用可能期間が短くなり、充電頻度が低いほど使用可能期間が長くなる。ところで周波数調整サービス市場において、蓄電池10による周波数調整サービスの対価が、電気設備80による周波数調整サービスの対価より高く設定される仕組みが導入されつつある。
これは蓄電池10のほうが電気設備80より周波数調整サービス用の電源として高品質であることに起因する。即ち蓄電池10のほうが系統運用装置200からの指示に対する、追従性、正確性、迅速性の観点において電気設備80より優れている。このように、周波数調整サービスの品質に応じてその対価が変わる仕組みは、公平かつ合理的であるといえる。
品質と対価が連動しない場合、周波数調整サービスの提供者は低コストで低品質な電源(例えば既存負荷による消費電力量調整、既存発電機による出力調整)で入札したほうが経済的に有利となり、高価で高品質な電源(例えば蓄電池)を導入するインセンティブが小さくなる。高品質な電源が多く導入され、それらの電源により周波数調整サービスが提供されたほうが電力系統50の安定度が上がるため、系統運用者にとって望ましいといえる。
そこで系統運用者は入札単位となる、一つの電源とみなす周波数調整サービス提供主体(以下、単位調整電源という)ごとにスコアを付与する。このスコアは基本的に、系統運用装置200からの給電指示または受電指示に対する追従性が高いほど高く設定される。単位調整電源は、同一制御主体に制御される設備であればよく物理的な形態を問わない。例えば、蓄電池10、電気設備80、または同一制御主体により制御される蓄電池10および電気設備80の組合せは、それぞれ単位調整電源になりえる。また発電機単体、負荷単体、複数の負荷の組合せも単位調整電源になりえる。
実施の形態2では、同一制御主体により制御される蓄電池10および電気設備80の組合せが単位調整電源となる例を前提に説明する。また周波数調整サービスの対価が、周波数調整サービス市場における受給関係および各単位調整電源のスコアにもとづき決定される仕組みを前提に説明する。
図9は、実施の形態2に係る制御装置20の構成を示す図である。実施の形態2に係る制御装置20は、図3の実施の形態1に係る制御装置20の構成に、サービス価格履歴保持部27、充放電履歴保持部28、最適分配率算出部29が追加された構成である。以下、実施の形態1に係る制御装置20との相違点について説明する。
サービス価格履歴保持部27は周波数調整サービス市場におけるサービス価格の履歴を保持する。サービス価格履歴保持部27はオリジナルのサービス価格およびそれらの統計値を保持する。なおオリジナルのサービス価格は古い順に破棄していってもよい。
図10は、月単位のサービス価格の推移を示す図である。図10のグラフは、2011年の1月から11月においてPJMで取引された周波数調整サービスのサービス価格の月平均単価を示している。1時間に1MWの電力量を周波数調整サービスに提供する場合の対価をドルで表示している。図11は、時刻単位のサービス価格の推移を示す図である。図11のグラフは、2011年の10月31日(月)から2011年11月4日(金)の5日間のそれぞれにおいてPJMで取引された周波数調整サービスのサービス価格の時刻平均単価を示している。
図10、図11に示すサービス価格は、上述のスコアによる調整がなされる前の価格である。即ち基本的に需給関係のみが反映された価格である。電力系統50の電力が不安定になる時間帯ほど、および入札者が少ない時間帯ほどサービス価格が高くなる傾向がある。
サービス価格履歴保持部27は統計値として、時間帯別サービス価格の平均値、中央値、最頻値の少なくとも一つを保持する。以下、平均値を使用する例を想定する。時間帯別サービス価格の平均値は、月および平日か休日かの2つの条件により分類されたグループごとに算出されてもよい。例えば過去10年間の11月の平日における時間帯別サービス価格の平均値、過去10年間の11月の休日における時間帯別サービス価格の平均値などが算出される。この分類方法は一例であり別の分類方法を採用してもよい。例えば時間帯別サービス価格の平均値は、月および曜日の2つの条件で分類されたグループごとに算出されてもよい。
図12は、単位調整電源へのスコア付与を説明するための図である。図12のグラフは、系統運用装置200から発行される給電指示または受電指示に応じて、電力系統50に給電されるべき、または電力系統50から受電されるべき電力量の推移(実線)と、その給電指示または受電指示に応じて単位調整電源から実際に電力系統50に給電された、または電力系統50から受電された電力量の推移(点線)を描いている。実線と点線との一致度が高いほど高いスコアが付与される。例えば実線と点線が完全一致で1.0が付与され、実線と点線との乖離度が大きくなるほど0.0に近いスコアが付与される。
単位調整電源のスコアは、系統運用者により定期的に実施されるテストにより認定される。蓄電池10と電気設備80を使用する周波数調整事業者は、テストが実施される際に蓄電池10の分配率を高くし電気設備80の分配率を低くするほど、高いスコアを得ることになる。反対に蓄電池10の分配率を低くし電気設備80の分配率を高くするほど、低いスコアを得ることになる。スコアを取得した周波数調整事業者は、テスト時の分配率とサービス提供時の分配率をできるだけ一致させて、蓄電池10と電気設備80を運用する必要がある。スコアを付与した単位調整電源の、テスト時の追従性とサービス提供時の追従性に大きな乖離がある場合、系統運用者はその周波数調整事業者に罰金などのペナルティを課してもよい。
系統運用装置200は、通信ネットワーク60を介して単位調整電源が給電または受電する電力量をリアルタイムに取得してもよい。この場合、系統運用者は上述した、テスト時の追従性とサービス提供時の追従性との乖離度をリアルタイムに把握できる。この乖離度をもとに、より短期のスパン(例えば1日スパン、6時間スパン)で単位調整電源のスコアを更新してもよい。
図9に戻り、充放電履歴保持部28は蓄電池10の充放電履歴を保持する。充放電履歴保持部28はオリジナルの充放電履歴およびそれらの統計値を保持する。なおオリジナルの充放電履歴は古い順に破棄していってもよい。充放電履歴保持部28は統計値として、例えば一日あたりの充電量の平均値および一日あたりの充電回数の平均値を保持する。一日あたりの充電回数の平均値は、一日あたりの充電量の平均値を蓄電池10の容量で割ることにより算出できる。
最適分配率算出部29は蓄電池10の割引現在価値が最大化される蓄電池10と電気設備80の最適分配率を算出する。上述したように蓄電池10と電気設備80を使用する単位調整電源の場合、蓄電池10の分配率を高くし電気設備80の分配率を低くするほど、高いスコアを得ることができる。したがって蓄電池10の分配率を高くするほど周波数調整サービス提供により得られる対価が大きくなる。また上述したように蓄電池10は充電回数に応じたサイクル寿命が存在するため、一日あたりの充電回数が多いほど蓄電池10の使用可能期間が短くなる。蓄電池10の分配率を高くするほど蓄電池10の使用可能期間が短くなり、蓄電池10の交換頻度が高くなる。即ち蓄電池10の調達費、具体的には減価償却費が高くなる。
このように蓄電池10の分配率を高くすると収入が大きくなるが費用も大きくなる。このようなトレードオフ関係にあるため単純に蓄電池10の分配率を高くすればするほどよいということにはならない。
以下、DCF(Discounted Cash Flow)法を利用して蓄電池10と電気設備80の最適分配率を算出する方法を説明する。具体的には、n(nは自然数)年後の蓄電池10の割引現在価値が最大化される分配率を求める。割引現在価値は下記(式1)により算出される。
DPV=CF/(r+1)+CF/(r+1)+・・・CF/(r+1)+RV/(r+1)・・・(式1)
DPV=n年後の蓄電池10の割引現在価値
CF=サービス価格
r=割引率
RV=蓄電池10の残存価値
このようにDCF法では資産価値(本実施の形態では蓄電池10の価値)が、将来キャッシュフローの割引現在価値の総和と残存価値の割引現在価値の合計で算出される。本実施の形態では割引率rの決定方法には特に注目しない。例えばリスクフリーレート(一般的に先進国の10年国債利回り)に所定のリスクプレミアムレートを加算したレートを使用できる。リスクプレミアムレートは、サービス価格の変動が大きいほど高くするとよい。
最適分配率算出部29はサービス価格履歴保持部27に保持されるサービス価格履歴と、単位調整電源のスコア生成用の基準パラメータ(以下、スコア生成パラメータという)をもとに、1年後、2年後、・・・、n年後に得られるサービス価格を予測する。本実施の形態ではモデルを単純化するために1年後、2年後、・・・、n年後に得られるサービス価格は等しいとする。またスコア生成パラメータとして、系統運用装置200からの給電指示または受電指示に対する追従性に比例する比例定数aを用いる。この前提下においてサービス価格CFは下記(式2)により算出される。
CF=Sp・a ・・・(式2)
Sp=一年あたりのサービス価格合計の平均値
a=スコア生成パラメータ
最適分配率算出部29は充放電履歴保持部28に保持される充電履歴と、蓄電池10の容量およびサイクル寿命をもとに、n年後の蓄電池10の残存価値RVを予測する。n年後の蓄電池10の残存価値RVは下記(式3)により算出される。
RV=(TCmax−TCp)・Bc・b ・・・(式3)
TCmax=サイクル寿命(最大充電回数)
TCp=n年後までの充電回数
Bc=蓄電池10の容量
b=変換定数
上記(式3)ではn年後の蓄電池10の残存価値RVを、残存充電回数(TCmax−TCp)と蓄電池10の容量Bcの関数で定義している。n年後までの充電回数TCpは充放電履歴保持部28に保持される充電履歴から算出される。残存充電回数(TCmax−TCp)と蓄電池10の容量Bcの2つのパラメータの積によりn年後の蓄電池10が保持する、残存充放電能力が決定されるため、その蓄電池10の価値基準となる。変換定数bは残存充放電能力と価格とを変換するための定数であり、市場価格をもとに決定される。
上記(式2)、(式3)においてスコア生成パラメータaおよびn年後までの充電回数TCpは、蓄電池10の分配率m、電気設備80の分配率(100−m)により変化する値である(a=f(m)、TCp=f(m))。以上を前提に最適分配率算出部29は、上記(式1)のn年後の蓄電池10の割引現在価値DPVが最大化する分配率mを算出する。
図13は、5年後の蓄電池10の割引現在価値の算出例1を説明するための図である。図14は、5年後の蓄電池10の割引現在価値の算出例2を説明するための図である。図13、図14の縦軸はキャッシュフローの出入りを示している。まず蓄電池10の購入によりキャッシュアウトが発生する。その後の5年間、購入した蓄電池10と電気設備80を用いて周波数調整サービスを提供することによりキャッシュインが発生する。
図13と図14を比較すると後者のほうが蓄電池10の分配率mが高く設定される。したがって後者のほうがスコア生成パラメータaが高くなり、各年のキャッシュインが多くなる。だだし後者のほうが5年後までの充電回数TCpが多くなるため残存充電回数が少なくなり、5年後の蓄電池10の残存価値RVが低くなる。図13、図14の例では後者のほうが5年後の蓄電池10の割引現在価値DPVが高くなっている。なお、これらの割引現在価値DPVから蓄電池10の購入代金を引いた価格が、蓄電池10の正味現在価値NPVとなる。
図15は、実施の形態2に係る制御装置20の動作例を説明するためのフローチャートである。最適分配率算出部29はサービス価格履歴保持部27からサービス価格履歴、充放電履歴保持部28から充電回数履歴を取得する。また外部設定パラメータとして、スコア生成パラメータ、蓄電池10の容量、蓄電池10のサイクル寿命を取得する(S40)。
最適分配率算出部29は、取得したそれらのデータをもとにn年後の蓄電池10の割引現在価値DPVが最大化される蓄電池10と電気設備80の分配率m:(100−m)を算出する(S42)。最適分配率算出部29は算出した蓄電池10と電気設備80の分配率m:(100−m)を分配決定部23に設定する。
分配決定部23は、系統運用者により定期的に実施される単位調整電源にスコアを付与するためのテストの際、最適分配率算出部29から設定された分配率m:(100−m)に従い、蓄電池10の充放電制御および電気設備80の電力供給/消費制御を実行するよう給電/受電制御部24に指示する。給電/受電制御部24はその指示に応じて、蓄電池10の充放電制御および電気設備80の電力供給/消費制御を実行する。これにより電力制御システム100は、最適分配率算出部29により算出された蓄電池10と電気設備80の分配率m:(100−m)に対応するスコアを獲得する(S44)。
蓄電池10および電気設備80が周波数調整サービスを提供中、給電/受電指示受付部21が受け付けた系統運用装置200からの給電指示または受電指示に対し、給電/受電制御部24は、最適分配率算出部29により算出され分配決定部23により指定された分配率m:(100−m)に従い、蓄電池10の充放電制御および電気設備80の電力供給/消費制御を実行する(S46)。
以上説明したように実施の形態2によれば、蓄電池10および電気設備80を組み合わせて周波数調整サービスを提供している周波数調整事業者の収支を向上させることができる。即ち周波数調整サービスにおいて電力系統50へ給電または電力系統50から受電する際の、蓄電池10および電気設備80の分配率m:(100−m)を最適化することにより、周波数調整事業の収支を最大化できる。
(実施の形態3)
実施の形態3では周波数調整サービス市場へのビッド戦略について注目する。実施の形態3では蓄電池10および電気設備80の分配率が100:0の場合を例に説明する。これは説明を単純化させる趣旨と、実施の形態3に係るビッド戦略が蓄電池10のみを使用する単位調整電源にも適用可能な点を明示する趣旨である。また周波数調整事業者は、周波数調整サービスの提供を事業として行っている以上、できるだけ多くの時間帯の周波数調整サービスにビッドすることを基本戦略とする。
図16は、実施の形態3に係る制御装置20の構成を示す図である。実施の形態3に係る制御装置20は、図3の実施の形態1に係る制御装置20の構成に、サービス価格履歴保持部27、給電/受電履歴保持部211、ビッド時間帯決定部212が追加された構成である。以下、実施の形態1に係る制御装置20との相違点について説明する。
サービス価格履歴保持部27は周波数調整サービス市場におけるサービス価格の履歴を保持する。サービス価格履歴保持部27はオリジナルのサービス価格およびそれらの統計値を保持する。なおオリジナルのサービス価格は古い順に破棄していってもよい。実施の形態2に係る制御装置20に含まれるサービス価格履歴保持部27と同様である。
給電/受電履歴保持部211は、系統運用装置200が給電指示により電力制御システム100に給電指示した電力量および受電指示により受電指示した電力量の時間推移を日単位で保持する。
ビッド時間帯決定部212は基本処理として、サービス価格履歴保持部27に保持されるサービス価格の履歴を参照して、ビッドすべき及び/叉はビッドすべきでない時間帯を決定し、ビッド部26に設定する。より具体的にはビッド時間帯決定部212は、サービス価格履歴保持部27に保持される時間帯ごとのサービス価格の履歴を参照して、一日の時間帯のうちサービス価格が安くなると予測される時間帯を安い順番に少なくとも一つ特定する。ビッド部26はビッド時間帯決定部212から設定された時間帯の周波数調整サービスへのビッドをスキップする。
例えばビッド時間帯決定部212は1時から24時までの各時間帯についてサービス価格の平均値を算出し、その平均値が小さいに順にソートする。そして、その平均値が小さい順に例えば4つ特定する。その4つの時間帯をビッド部26に設定する。図11の例では8時、19時、20時、1時の順にサービス価格の平均値が小さい。ビッド部26はこれら時間帯の周波数調整サービスへのビッドをスキップする。
図17は、蓄電池10のSOC推移のシミュレーション例を示す図である。このSOC推移は、系統運用装置200から一日に送信される全ての給電指示および受電指示に応じて、蓄電池10が充放電した場合のSOC推移を示している。なお実際に蓄電池10から電力系統50へ放電または電力系統50から蓄電池10に充電される電力量は、系統運用装置200からの給電指示または受電指示により指定される電力量を、蓄電池10が容量の範囲内で落札すべき電力量で正規化したものである。また図17のSOC推移は、複数日のSOC推移を平均化したものである。
ビッド時間帯決定部212は、蓄電池10のSOCが適正範囲を外れると予測される時間帯を特定し、ビッド部26に設定する。ビッド部26はビッド時間帯決定部212から設定された時間帯の周波数調整サービスへのビッドをスキップする。
例えば図17のSOC推移から蓄電池10のSOCが適正範囲を外れる時間帯を予測できる。図17のSOC推移では24時台のSOCが適正下限値を下回ると予測できる。また予測日の天気予報情報を参酌して、図17に示すような過去履歴のみにもとづくSOC推移を補正してもよい。例えば温度と電力需要には相関性があり、夏季には正の相関となり冬季には負の相関となる。それぞれ空調による電力消費が増大するためである。また電力需要は景気と正の相関があるため、経済指標(例えば鉱工業生産指数)により過去履歴のみにもとづくSOC推移を補正してもよい。
図17に示すように周波数調整サービスでは電力系統50へ給電される電力量のほうが、電力系統50から受電される電力量より多くなるケースもある。この場合、蓄電池10を使用し続けると蓄電池10の残容量がなくなってしまう。そこでいずれかの時間帯に蓄電池10に充電する必要がある。
ビッド時間帯決定部212は、ビッドをスキップすべき時間帯を給電/受電制御部24にも設定する。給電/受電制御部24はビッドをスキップする時間帯に蓄電池10のSOCを調整する。通常、蓄電池10に対する充電制御を実行する。なおSOCが適正上限値以上の場合は蓄電池10に対する放電制御を実行する。
図18は、実施の形態3に係る制御装置20による、ビッドをスキップする時間帯を決定する処理例を説明するためのフローチャートである。まずビッド時間帯決定部212はサービス価格の履歴を取得する(S50)。次にビッド時間帯決定部212はその履歴を参照して、ビッドをスキップすべき時間帯を経済性の観点から仮決定する(S52)。ここではサービス価格が最も安い時間帯を1つ選択する。
次にビッド時間帯決定部212は、給電指示および受電指示の履歴にもとづき蓄電池10のSOC推移を予測する(S54)。その際、そのSOC推移のビッドをスキップする時間帯にSOC調整がなされることを織り込む。ビッド時間帯決定部212はSOC推移の予測の結果、適正範囲を外れる時間帯が発生するか否か判定する(S56)。発生する場合(S56のY)、ビッド時間帯決定部212は、ビッドをスキップすべき時間帯の数を増やす(S58)。ここでは既にスキップ対象となっている時間帯を除く時間帯においてサービス価格が最も安い時間帯を1つ選択して、スキップする時間帯に設定する。その後、ステップS54に遷移する。
SOC推移の予測の結果、適正範囲を外れる時間帯が発生しない場合(S56のN)、それまでに設定されているビッドをスキップすべき時間帯を、正式なビッドをスキップすべき時間帯に決定する(S60)。
以上説明したように実施の形態3によれば、周波数調整サービスの対価の履歴をもとにビッドすべき時間帯を決定することにより、蓄電池10を用いて周波数調整サービスを提供している周波数調整事業者の収支を向上させることができる。即ち単価の高い時間帯の周波数調整サービスに参加し、単価の安い時間帯に蓄電池10のSOCを調整することにより、SOCの適正範囲内でより高い収益を得ることができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。こられ実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態3の説明では蓄電池10および電気設備80の分配率が100:0の場合を例に説明した。即ち蓄電池10単体で周波数調整サービスを提供する例を挙げた。この点、蓄電池10および電気設備80の分配率がm(0<m<100):(100−m)であってもよい。即ち蓄電池10と電気設備80の両方を用いて周波数調整サービスを提供してもよい。
この場合、ビッド時間帯決定部212は蓄電池10の分配率が100のときのSOC推移のシミュレーション結果に、蓄電池10の分配率m(0<m<100)を掛けて分配率がm(0<m<100)のときのSOC推移を予測する。その他の処理は上述した実施の形態3の説明と同様である。この場合、電気設備80を使用するため蓄電池10のSOCが適正範囲を外れる可能性が低下する。したがってビッド回数を増やすことができ周波数調整事業者の収益向上につながる。
実施の形態1〜3の説明では蓄電池10は周波数調整サービスのみに使用されていたが、蓄電池10が設置される施設で使用されている負荷82への電力供給にも使用できる。図19は、変形例に係る電力制御システム100を説明するための図である。変形例に係る電力制御システム100は図2の電力制御システム100にスイッチ13が追加された構成である。スイッチ13は制御装置20からの選択信号に応じて、双方向AC−DCコンバータ11の接続先を、電力系統50にするか電気設備80の引込線にするか選択する。この変形例では、周波数調整事業者は施設に売電することにより収益を上げることもできる。例えばビッド時間帯決定部212は周波数調整サービスの対価と施設への売電価格を比較し、前者が高い時間帯は周波数調整サービスにビッドし後者が高い時間帯は施設へ売電するよう決定する。
図9の実施の形態2に係る制御装置20のサービス価格履歴保持部27、充放電履歴保持部28、最適分配率算出部29は、通信ネットワーク60上の別の装置に設けられてもよい。この場合、制御装置20の分配決定部23は、外部の装置で算出された蓄電池10と電気設備80の最適分配率を受信して使用する。図16の実施の形態3に係る制御装置20のサービス価格履歴保持部27、給電/受電履歴保持部211、ビッド時間帯決定部212も、通信ネットワーク60上の別の装置に設けられてもよい。
また本明細書における電力系統50には小規模なエネルギーネットワークであるマイクログリッドも含むものとする。また実施の形態1〜3では電気設備80として蓄電池10が設置されている施設の付帯設備を想定したが、蓄電池10と電気設備80との地理的な関係は問わない。蓄電池10と電気設備80とが同一の制御装置20により管理されていれば、両者は単位調整電源となり得る。また実施の形態2、3における蓄電池10と電気設備80の分配率は、蓄電池10と電気設備80の使用頻度を含むものとする。例えば蓄電池10と電気設備80の分配率が75:25であれば、給電指示または受電指示に対して電気設備80を4回に1回使用する。
100 電力制御システム、 200 系統運用装置、 500 電力供給システム、 10 蓄電池、 11 双方向AC−DCコンバータ、 12 BMU、 13 スイッチ、 20 制御装置、 21 給電/受電指示受付部、 22 SOC取得部、 23 分配決定部、 24 給電/受電制御部、 25 操作指示受付部、 26 ビッド部、 27 サービス価格履歴保持部、 28 充放電履歴保持部、 29 最適分配率算出部、 211 給電/受電履歴保持部、 212 ビッド時間帯決定部、 30 発電所、 40 需要者、 50 電力系統、 80 電気設備、 81 発電機、 82 負荷、 91,92 メータ、 200 系統運用装置、 300 周波数調整市場運営装置、 60 通信ネットワーク、 70 コンソール端末装置。

Claims (6)

  1. 電力系統から充電および前記電力系統に放電することが可能な蓄電池と、
    前記電力系統の電力を消費可能な負荷、前記電力系統に電力を供給可能な発電機の少なくとも一つを含む電気設備と、前記蓄電池とを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記電力系統の運用主体から前記電力系統に対する給電指示または受電指示を受けた場合、前記蓄電池のSOC(State Of Charge)に応じて、前記蓄電池が充電または放電する電力量および前記電気設備が電力供給または電力消費する電力量を決定することを特徴とする電力制御システム。
  2. 前記制御装置は、前記運用主体から給電指示または受電指示を受けた場合、前記蓄電池のSOCを適正値に近づけつつ、前記電気設備に、前記電力系統へ電力供給または前記電力系統から電力消費させることを特徴とする請求項1に記載の電力制御システム。
  3. 前記制御装置は、前記運用主体から給電指示を受けた場合、前記蓄電池に、前記電力系統から充電させつつ、前記電気設備に、前記給電指示により指定された電力量に前記蓄電池の充電量を加えた電力量を前記電力系統へ供給させることを特徴とする請求項1または2に記載の電力制御システム。
  4. 前記制御装置は、前記運用主体から受電指示を受けた場合、前記蓄電池に、前記電力系統へ放電させつつ、前記電気設備に、前記受電指示により指定された電力量に前記蓄電池の放電量を加えた電力量を前記電力系統から消費させることを特徴とする請求項1または2に記載の電力制御システム。
  5. 前記制御装置は、前記運用主体から給電指示を受け、かつ前記蓄電池のSOCが適正上限値以上に位置する場合、少なくとも前記蓄電池に放電させ、前記運用主体から受電指示を受け、かつ前記蓄電池のSOCが適正下限値以下に位置する場合、少なくとも前記蓄電池に充電させることを特徴とする請求項1または2に記載の電力制御システム。
  6. 前記蓄電池および前記電気設備は、特定の時間、前記電力系統に対するアンシラリーサービスを有償または無償で提供することを特徴とする請求項1に記載の電力制御システム。
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