JP2013167675A - 不規則回折構造形成体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の回折構造形成体(回折格子パターン)とは全く異なる見え方をする回折構造形成体であって且つ偽造が難しいため、専用の真偽判定器具を用いなくとも、また判定の専門家でなくとも真偽判定が容易な回折構造形成体を提供すること。
【解決手段】基材1上に、少なくとも回折構造形成層2と、反射層9とを順次積層した回折構造形成体10であって、回折構造形成層2の表面では、所定のピッチを有する回折構造領域3(回折格子)と単なる非回折構造領域4とが不規則に並存していることを特徴とする不規則回折構造形成体10である。
【選択図】図1

Description

本発明は、同一の製造工程で製造されながら同じ画像パターンを再現しない不規則な回折構造形成体(ランダム回折格子)の構造及びその製造方法に関する。
ホログラムや回折格子によって形成される画像パターンは、通常の印刷技術では表現することのできない指向性のある光沢を有することから、装飾用途や偽造防止を目的としたセキュリティ商品に広く用いられている。特に回折格子については、より多彩でオリジナリティの高い画像表現が求められている。
このような要求に応じて、回折格子を用いたチェンジング技術が開示されている(特許文献1〜3)。チェンジング技術とは、所定の方向と所定のピッチを有する微小なバイナリー型回折格子を内部に備えたセルを用いて最初の画像を基板上に形成し、次に前記セルとは異なる方向とピッチを有する微小なバイナリー型回折格子からなる別のセルを同一の基板上の別の部位に形成し、以後所望する画像の数だけ同様の操作を繰り返し、同一基板上に複数の回折格子群(画像パターン)を並存させる技術である。
当該技術を用いることで、光源、又は観察者、若しくは基板の3つの要素において各々の相対的な位置を変えることにより、複数画像中の特定画像を比較的クリアーに表現することが可能となった。
さらに進んだ技術として、ピッチの短い回折格子を構成する凹凸構造を、ピッチの相対的に長い凹凸構造の内部に作りこんだ回折格子技術が開示されている。ピッチが長い方の凹凸構造のピッチは、概ね10〜100μm程度であり、短い方の凹凸構造のピッチは、概ね0.2〜2.0μm程度である(特許文献4)。
ピッチの長い回折格子の凹凸構造の具体例としては、サインカーブ構造、ブレーズド構造などが使用され、何れも周期的・規則的な該凹凸構造の斜面上の特定部位に、ピッチの短い別の凹凸構造等を備えているものである。ピッチ、振幅の異なる2つの凹凸構造が規則的な構造をなすのは、工法的に必然的なものである。
というのは凹凸構造パターンを作製する方法として、レーザー光の2光束干渉による微小な干渉縞(回折格子)を、そのピッチ、方向、及び光強度を変化させて、感光性フィルムに次々と露光する方法や、電子ビーム露光装置を用い且つコンピュータ制御により、平面状の基板が載置されたX−Yステージを移動させて、基板の表面に回折格子からなる複数の微小なセルを配置する方法により、回折格子パターンを作成し、これから実用版としてのスタンパを製造し、フィルム樹脂にプレスして複製品を量産していくからである。
特許第2630047号 特開平2−72320号公報 特開2011−221626号公報 特開2009−265563号公報
しかしながら、上記の回折格子等を応用したセキュリティ商品は、汎用ホログラムと同様に、回折光が射出されて見える見え方、光り方が似通ってしまい差別化が困難になってきている。したがって、偽造品の真偽判定をするには専用の真偽判定器具を使用するか、専門家に判定してもらわなければ判定不能なことが多い。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その目的は従来の回折格子パターンとは全く異なる見え方をする回折構造形成体であって、且つ偽造が難しいため、専用の真偽判定器具を用いなくとも、また判定の専門家でなくとも真偽判定が容易な回折構造形成体を提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明は、基材上に、少なくとも回折構造形成層と、反射層とを順次積層した回折構造形成体であって、回折構造形成層の表面では、凹凸構造からなる回折構造領域と非回折構造領域とが不規則に並存していることを特徴とする不規則回折構造形成体としたものである。
本発明の請求項2に係る発明は、前記非回折構造領域の平均振幅は、0.5〜5μmの範囲で、回折構造領域の凹凸構造の振幅が、0.4μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の不規則回折構造形成体としたものである。
本発明の請求項3に係る発明は、前記回折構造領域の凹凸構造のピッチが、0.2〜2.0μmの範囲であって、回折構造領域もしくは非回折構造領域のいずれかが、他方を海として島状に不規則分布している場合、島間の平均距離は、0.01〜0.1mmの範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の不規則回折構造形成体したものである。
本発明の請求項4に係る発明は、前記回折構造領域の凹凸構造が、グレーティング構造であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の不規則回折構造形成体としたものである。
本発明の請求項5に係る発明は、前記回折構造領域の占める割合が、40〜60%の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の不規則回折構造形成体としたものである。
本発明の請求項6に係る発明は、少なくとも、フィルム基材上に有機樹脂を塗布し有機樹脂層を形成する工程と、有機樹脂層にスムージングロールを当接しうねり構造を付与する工程と、エンボス法によりうねり構造の凸部に凹凸構造を付与する工程と、反射層を形成する工程と、を有することを特徴とする不規則回折構造形成体の製造方法としたものである。
本発明の請求項7に係る発明は、少なくとも、フィルム基材上に有機樹脂を塗布し有機樹脂層を形成する工程と、有機樹脂層にエンボス法によりうねり構造を付与する工程と、有機樹脂層にスムージングロールを当接しうねり構造を変調する工程と、エンボス法により変調されたうねり構造の凸部に凹凸構造を付与する工程と、反射層を形成する工程と、を有することを特徴とする不規則回折構造形成体の製造方法としたものである。
請求項1に係る発明によれば、本発明になる不規則回折構造形成体は、回折格子と非回折格子部の組み合わせ態様や配置が回折構造形成体ごとに異なっており、通常の意味の複製品とは異る。それぞれが同じ視点から見ると同じように見える従来の複製型回折構造形
成体ではないということである。したがって、当然に偽造が困難であって、専用の真偽判定器具を用いずに真偽判定が容易にできるという効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、非回折構造領域の振幅(深さ)が回折構造領域の凹凸構造の振幅より大きいため、非回折構造領域と回折構造領域の凹凸構造とが並存可能である。これは並存させるための条件であるが、調整次第で非回折構造領域と回折構造領域の凹凸構造の占有割合を制御できる。
請求項3に係る発明によれば、従来の回折構造形成体とは異なる見え方の回折構造形成体が実現できる。すなわち、正面から可視光が入射しても回折光は見えず、斜め方向から観察すると黒色状態が観察される。また、基板法線方向から傾いた方向から光が入射した場合には、青色〜緑色の回折光のみが60〜90度と非常に深い角度で確認でき、赤色の回折光はほとんど観測されないという特異な光学効果を呈する。
請求項4に係る発明によれば、凹凸構造は、グレーティング構造であることで、先端が尖るため黒色(無反射)の色味がより深みを帯びる傾向にあり、金属反射体でありながらも金属反射性が強調されないという光学効果を呈する。
請求項5に係る発明によれば、回折格子部分を40〜60%に設定することで、外観上のバランスの優れた不規則回折構造形成体が提供できる。
請求項6に係る発明によれば、フィルム基材上に有機樹脂を塗布した後、エンボス加工によって回折格子を形成する前に、予めスムージングロ−ルをあてがうことにより、有機樹脂材料の塗工面にピッチの長いうねりを付与することができる。このうねりは人為的に制御できないために、うねりの凹凸は不規則に配置されることになる。
この不規則に分布するうねりの凸部に回折効果のある凹凸構造が付与されるので、回折構造形成体として同じ個片が、スタンパで複製されるように生産されないという効果を奏する。当然偽造が難しくなるという効果がある。
請求項7に係る発明によれば、予め、有機樹脂層にうねりパターンを備えた構造版によりエンボス加工をしてから、スムージング処理をするので、より確実にうねり構造を有機樹脂層に付与できる。うねり構造の非回折構造領域と凸部の配分などの制御性が向上するという効果がある。
本発明に係る不規則回折構造形成体の凹凸構造を説明するための断面視(a)と上面視の図である。(b)は、凹部が島状で回折格子領域が海状である,(c)は(b)の反転状態である。 (a)〜(c)は、樹脂にエンボス加工でうねり構造と回折格子を付与する工程を模式的に説明する工程図である。 ロール方式で不規則回折構造形成体を製造する工程の概念模式図である。
以下、本発明における不規則回折構造形成体の実施形態例を、図面を参照して説明する。なお、全ての図面は分かりやすいように、実際の凹凸構造の振幅やピッチよりも拡大し誇張して表現しているものである。
図1(a)〜(c)は、本発明に係る不規則回折構造形成体の凹凸構造を説明するための断面視図(a)と上面視の図(b)、(c)である。
本発明になる不規則回折構造形成体10は、フィルム基材1、回折構造形成層2、反射層9をこの順に積層したものである。特に、回折構造形成層2の構造に特徴があり、反射層9と接する面に非回折構造領域4(以下、単に凹部又はうねりと記す。)と凹凸構造(以下、回折格子とも言う。)からなる回折構造領域3を備え、これらが図1(b)、(c)で模式的に示すように、海状、島状態様で並存している。
この並存状態の形成方法は、回折構造形成2の表面に非周期的な凹凸構造(上記回折格子の凹凸構造とは異なる。)を形成し、その凸部を回折格子のスタンパで押圧して平坦にしたものである。そこで、本実施例では、凹凸部4の凸部がプレスされて平坦化される前の呼称である「うねり」を凹凸部4に対して使うことにする。このうねりは、スタンパで複製されるのとは異なり平面内でいずれの方向にも特定の周期性を有しておらず、回折光が生じない範囲であればよい。したがって、ピッチと振幅は一義的には決まらず平均値としてのみ意味があるが一応、(平均)ピッチ、(平均)振幅と記すことにして、可視波長程度かそれより長いものである。
これに対し回折構造領域3は、上記うねりの凸部に、少なくとも差し渡しで可視波長よりは大きな範囲に、それよりは短く可視波長程度以上のピッチの回折格子が刻まれているものである。ピッチは、0.2〜2.0μmの範囲であればよく、0.25〜0.4μm程度と短くすることもできる。この回折格子は、図1(b)、(c)では、同一方向を向くように描かれているが、異なる向きを持つ差し渡しが可視波長以上のドメインが分散配置されていても構わない。
うねり中に埋め込まれた回折構造領域3は、図1(b)のような形態をとる時もあれば、図1(c)のような形態をとる部位もある。これらが混在することもある。
また、うねりのあり方は、工法的に完全には制御できないので、回折構造形成層2上で種々異なるパターンとなる。非回折構造領域4と回折構造領域が並存するためには、押圧が加わるという工法上の要請から回折格子の振幅は、うねりの振幅に比べて小さくてはならない。好ましくは、うねり構造の平均ピッチは、10〜100μmの範囲で、回折格子のピッチは、それ以下で0.2〜2.0μmの範囲である。
また、回折構造形成体として有意な回折格子パターンが視認されるためには、回折構造領域3がうねり構造中に占める割合が、図1(b)であれ(c)であれ40〜60%程度であるのが望ましい。これより大きいと従来の回折構造形成体と比べて差が認識しにくく不規則性が失われる。小さいと、回折光が少ないため、ただのアルミ箔に見える。
回折構造形成層2のうねりは、図3に示すように、基材1上に塗布された前記形成層を組成する有機樹脂層の塗布面をスムージングロール14に当接させつつ移動させる時に、樹脂面に加わる応力が場所ごとにまちまちであるために生じるものである。通常スムージングロール14は、表面が鏡面のロールを用いて塗布面を平滑にするために利用するものであるが、塗布インクの種類や長尺フィルムの張力によっては塗布面を荒らすことができる。これを利用してピッチ、方向とも不規則でそこそこ長く振幅にムラのあるうねりを発生できる。このうねりは人為的に制御できないために、うねりの凹凸パターンは不規則に分布する。
また、ロールの回転方向(正回転・逆回転)や回転数によりうねりの形状を変化させることも可能である。スムージングロール14の表面を鏡面ではなく、溝をつけたり、数を増やすことで変化をつけることもできる。
あるいは、図2に示すように、回折構造形成層2に、うねりパターンを備えたうねり構造版7をエンボスすることで、予めうねり構造を該形成層2に付与しておくことができる
(図2(b))。その後、スムージングロールに当接し、うねり構造を変調して、うねり構造の同一性を失わせても構わない。スムージングロールの当接条件だけでは、所望のうねり構造を樹脂に付与できない場合に使える。回折格子は、定法のエンボス加工で付与できる(図2(c))。
回折構造領域3の回折格子のピッチは、セキュリティー用途であれば、通常0.6〜2μm程度であり、本発明でもこの範囲とするのが好ましい。これは、例えば回折格子を有したシートの正面から可視光が入射した際、+1次、+2次、−1次、−2次等の回折光が観察者にとって視認し易い角度に射出されるからである。この範囲のピッチを有する回折格子を採用する場合には、前記うねりの平均ピッチはより長く設定する必要がある。
格子形状としては、矩形、サイン、ブレード等を適宜選択できる。
ピッチを0.4μm以下の超微細にした凹凸構造は、例えば平面なシート上に並んでいる場合を想定すると、正面から可視光が入射しても回折光は見えず、基板法線方向から傾いた方向から光が入射した場合には、青色〜緑色の回折光のみが60〜90度と非常に深い角度で確認でき、赤色の回折光はほとんど観測されない。すなわち、従来の回折格子パターンの金属反射とは見え方がまったく異なり、回折構造形成体を正面から観察光を照射して、斜め方向から観察すると光源と回折格子との位置で回折光が見えず、広い範囲で黒色状態が視認される。
しかし、ピッチが0.25μm以下とより短くなると、0.5μm以上の波長の光(青緑色〜赤色)はどの角度から光が入射した場合でも全く回折せず、0.5μm以下の波長の光(青色)については、基板の法線に対し80度傾いた深い角度方向から入射光に対し僅かに回折光が観察されるが、見ずらくなるという問題がある。
なお、この微細凹凸構造は、構造の深さが深い程、光閉じ込め効果が働きより黒色が濃く見えるものであり、構造の深さを浅くすれば単なる鏡面となる。また、この微細凹凸の頂点は平らであるより、クロスグレーティングにして円錐形や尖った形状にする方が黒色の濃度が高くなる傾向にある。
うねり(島間の距離)の平均ピッチは、回折格子のピッチに相対的に決まるものであるが、概ね0.01〜0.1mmの範囲が好ましい。ピッチが、0.01mm以上であれば、回折がほとんど生じないため、回折構造領域の黒色と青色〜緑色の回折の変化に悪影響を及ぼさずに、カラーシフトの視認性及び視覚的効果を高めることができる。ただし、うねりの凹凸形状が目視で容易に確認できる大きさであるのはセキュリティ上好ましいことではない故、うねりの平均ピッチは0.1mm以下とするのが望ましい。
前述したように、不規則回折構造形成体は、基材1、回折構造形成層2、反射層9をこの順で積層したものであるが、基材1の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネイト、トリアセチルセルロース、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、アクリルスチレン共重合体、塩化ビニル等の樹脂シート及びフィルムがあげられる。
回折構造形成層2は、数μm程度の厚みがあればよく、基材1に対して、有機樹脂をダイコート、グラビアコートなど一般のロール形式で塗工する。有機樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネイト、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルスチレン共重合体、塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチルなどの熱可塑性樹脂やポリイミド、ポリアミド、ポリエステルウレタン、アクリルウレタン、エポキシウレタン、シリコーン、エポキシ、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、及び紫外線又は電子線硬化樹脂として、各種アクリルモノマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのオリゴマー、アクリル基やメタクリル基等を有するアクリルやエポキシ及びセルロース系樹脂などの反応性ポリマーがあげられる。
反射層9の材料としては、反射性金属であればよく、アルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、鉄、クロム、錫、銅及びそれら合金等があげられる。なお、反射層9は、金属蒸着等の手段によって、回折構造形成層の表面に積層される。反射層の膜厚は、10nm以上、好ましくは20nm以上とする。反射層の膜厚が10nmより薄い場合は、光を透過してしまい、反射層としての役割を果たすことができないためである。
以下、本発明における不規則回折構造形成体回折構造体の製造方法を簡単に説明する。
最初に、原版をもとにメッキ等により原版のレリーフ形状が再現されたスタンパ(複製用版)を製造し、シリンダーに予め巻きつけておく。スタンパにより熱可塑性樹脂にエンボス成形を行うか、UV硬化性樹脂にスタンパを押し付けた状態でUV照射することで硬化させて、大量複製することが可能である。本発明では、回折格子の形成にスタンパを使用するが、上述したように、うねり構造の形成にもスタンパを使用することができる。ロール方式でなく枚葉方式の製造方法でも構わない。
図3に連続成形装置の概略を示すが、巻き出しロール11、塗工用ロール12、ガイドロール13、スムージングロール14、スタンパ(原版)を取り付けたシリンダー15、巻き上げロール17、図示しないアルミ蒸着装置等からなっている。
巻きだしロール11から送出されたPETフィルム基材20は、まずUV硬化性アクリル樹脂溶液が塗工用ロール12から塗布され、所定温度で乾燥される。次に、スームジーングロール14によりフィルム基材20が押されることにより、樹脂層にシェアーが加わり、うねりが樹脂層に発生する。
次に、スタンパ付きシリンダ15とニップロールにフィルム基材20を挟んだ状態で紫外線照射機で紫外線を照射してアクリル樹脂を硬化させる。続いて、蒸着又はイオンプレーティング法でアルミニウム等の反射性金属の薄膜をアクリル樹脂上に形成して反射層を設ける。
次いで、ステッカー用途ならば、金属反射層に粘着材を塗布すればよく、スレッド用途ならば、金属反射層上にホットメルト接着剤を塗布し、指定寸法にスリット後、紙に漉き込む。また、スポット転写箔やストライプ転写箔の場合は、予め基材とエンボス形成層との間に剥離層を設け、スレッド用途の場合と同様にホットメルト接着剤を塗布すればよい。
1、基材
2、回折構造形成層
3、回折構造領域領域
4、非回折構造領域
5、微細凹凸回折構造
6、回折構造体
7、うねり構造版
8、凹凸構造版
9、反射層
10、不規則回折構造形成体
11、巻きだしロール
12、塗布ロール
13、ガイドロール
14、スムージングロール
15、UV照射装置
17、巻き上げロール
19、有機樹脂インキ
20、フィルム基材

Claims (7)

  1. 基材上に、少なくとも回折構造形成層と、反射層とを順次積層した回折構造形成体であって、回折構造形成層の表面では、凹凸構造からなる回折構造領域と非回折構造領域とが不規則に並存していることを特徴とする不規則回折構造形成体。
  2. 前記非回折構造領域の平均振幅は、0.5〜5μmの範囲で、凹凸構造の振幅が、0.4μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の不規則回折構造形成体。
  3. 前記回折構造領域の凹凸構造のピッチが、0.2〜2.0μmの範囲であって、回折構造領域もしくは非回折構造領域のいずれかが、他方を海として島状に不規則分布している場合、島間の平均距離は、0.01〜0.1mmの範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の不規則回折構造形成体。
  4. 前記回折構造領域の凹凸構造が、グレーティング構造であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の不規則回折構造形成体。
  5. 前記回折構造領域の凹凸構造の占める割合が、40〜60%の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の不規則回折構造形成体。
  6. 少なくとも、フィルム基材上に有機樹脂を塗布し有機樹脂層を形成する工程と、
    有機樹脂層にスムージングロールを当接しうねり構造を付与する工程と、
    エンボス法によりうねり構造の凸部に凹凸構造を付与する工程と、
    反射層を形成する工程と、を有することを特徴とする不規則回折構造形成体の製造方法。
  7. 少なくとも、フィルム基材上に有機樹脂を塗布し有機樹脂層を形成する工程と、
    有機樹脂層にエンボス法によりうねり構造を付与する工程と、
    有機樹脂層にスムージングロールを当接しうねり構造を変調する工程と、
    エンボス法により変調されたうねり構造の凸部に凹凸構造を付与する工程と、
    反射層を形成する工程と、を有することを特徴とする不規則回折構造形成体の製造方法。
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