JP2013164363A - 生物粒子計数器及び生物粒子計数方法 - Google Patents

生物粒子計数器及び生物粒子計数方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水によるラマン散乱光の影響があっても、液体中の生物粒子を検出して生物粒子の個数を計数することができる技術を提供する。
【解決手段】検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光手段と、前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光について、前記発光手段により照射される前記光の偏光方向と同じ偏光方向を有する光を遮蔽する偏光光学選択手段と、前記偏光光学選択手段により透過された後の光の有無に基づいて、前記液体に生物粒子が含まれるか否かを判定する生物粒子判定手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体中の生物粒子をリアルタイムで検出する生物粒子計数器及び生物粒子計数方法に関する。
従来、生物粒子の検出においては、培養法(公定法)、マイクロコロニー法、ATP(ルシフェラーゼ)法、蛍光染料法、自家蛍光法等が知られている。これらの検出方法の中で、リアルタイムで生物粒子の有無の結果が得られる検出方法は自家蛍光法である。この自家蛍光法とは、ある物質に所定の波長の光を照射して、その物質のもつエネルギー状態を励起こした(照射光の吸収)後に、基底状態に戻る際に余分なエネルギーを外部に蛍光として放出する現象を利用し、その蛍光の検出の有無で生物粒子の有無を知る方法である。また、その物質固有の波長を照射することで、その物質が光を吸収しやすくなり、自家蛍光を外部に放出しやすくなる。
この自家蛍光現象を利用して、水中内の生物粒子の有無を確かめる先行技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この先行技術は、生物粒子を含む水媒質に紫外線を照射して、自家蛍光を検出するか否かで生物粒子の有無を確かめている。特にこの先行技術では、測定するべき自家蛍光の特定の部分(波長域)を選択するフィルターを使用している。
特表2009−501907号公報
ここで、特許文献1の技術のように水中内の自家蛍光現象を利用した生物粒子の検出において、紫外線を水に照射すると、照射された紫外線は水により散乱(ラマン散乱)され、その紫外線よりも波長の長いラマン散乱光が発生することになり、自家蛍光の他に水によるラマン散乱光も検出してしまうこととなる。したがって、自家蛍光を指標にした生物粒子のみの有無を検出することは困難となる。また、自家蛍光の特定の部分を選択したとしても、照射する紫外線の波長によっては自家蛍光と同じ波長を有する液体によるラマン散乱光も同時に検出してしまう可能性があり、生物粒子の有無を検出することは困難である。
そこで本発明は、水によるラマン散乱光の影響を低減し、液体中の生物粒子を検出して生物粒子の個数を計数することができる技術を提供するものである。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を採用する。
解決手段1:本発明の生物粒子計数器は、検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光手段と、前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光について、前記発光手段により照射される前記光の偏光方向と同じ偏光方向を有する光を遮蔽する偏光光学選択手段と、前記偏光光学選択手段により透過された後の光の有無に基づいて、前記液体に生物粒子が含まれるか否かを判定する生物粒子判定手段とを備えることを特徴とする生物粒子計数器である。
本発明の生物粒子計数器による生物粒子の計数は、例えば、以下の特徴を有しており、所定の手順に沿って進行する。
(1)対象物を含む液体がフローセル内を流動していると想定し、そのフローセル内を流動している液体に対して、特定の波長の光を照射する。例えば、レーザーダイオードから単一波長のレーザー光を照射する。なお、このレーザーダイオードから照射されるレーザー光は直線偏光である。ここで、対象物とは、生物粒子や非生物粒子等を表している。また、液体とは、例えば、水を表している。
(2)上記(1)によりレーザー光を照射すると、レーザー光と対象物との相互作用、又は、レーザー光と液体との相互作用により光が放出されることとなる。具体的に放出される主な光は、生物粒子との反射等によって放出される散乱光、レーザー光が生物粒子に吸収されそのエネルギーを利用して放出される自家蛍光、非生物粒子との反射等によって放出される散乱光、液体(分子)に入射した光の波長が変換されて放出されるラマン散乱光である。なお、自家蛍光のスペクトルのピーク波長が散乱光及びラマン散乱光のピーク波長と異なる波長になるように、照射するレーザー光の波長を設定する。
(3)上記(2)により放出された光の波長はそれぞれ異なっており、例えば、生物粒子や非生物粒子からの散乱光はレーザー光の波長と同程度であるのに対し、ラマン散乱光や自家蛍光といった光の波長はそのレーザー光の波長よりも長くなる。また、ラマン散乱光と自家蛍光の波長については、それぞれの波長分布領域が重なることもあり、例えば、自家蛍光における波長分布のピーク値(ピーク波長)の方がラマン散乱光の波長分布のピーク値(ピーク波長)よりも長い波長となるがラマン散乱光の波長帯域に重なることもある。そこで、生物粒子や非生物粒子からの散乱光及び水分子のラマン散乱光のピークと、自家蛍光のピークとを波長により分光する。例えば、ラマン散乱光と自家蛍光のピークを分光する波長(カットオフ波長)を基準とする光学分離器(ダイクロイックミラー、ロングパスフィルター、ショートパスフィルター、バンドパスフィルター)を用いて分光する。
(4)上記(3)において、ラマン散乱光の波長帯域は自家蛍光の波長帯域に重なるので、光学分離器を用いて分光された自家蛍光にはラマン散乱光成分が含まれるため、直線偏光であるレーザー光の偏光方向と同じ方向の成分のみを遮光する偏光フィルターを用いてラマン散乱光成分を遮光する。これは、ラマン散乱光については、レーザー光と同様に偏光しており、その偏光についてもレーザー光の偏光方向と同一の方向に振動しているからである。なお、自家蛍光については無偏光である。したがって、このラマン散乱光が偏光していることに基づいて、上記(3)の後の分光されたラマン散乱光と自家蛍光とを含んだ光について、例えば、偏光フィルターを使用することで、ラマン散乱光だけを遮光することができる。
(5)上記(4)により透過された光、すなわち、生物粒子からの自家蛍光に基づいて、液体に含まれる対象物が生物粒子であるか否かが判定される。そして、その判定において生物粒子であると判定された場合、その個数をカウントすることで、生物粒子数が計数されることとなる。
このように、本解決手段によれば、ラマン散乱光がレーザー光と同様に偏光しておりその方向も同一であることから、レーザー光と偏光方向と同じ成分を遮光させる偏光フィルターを用いることで、ラマン散乱光を光学的に抑制し、一方生物粒子からの自家蛍光については透過させることができるため、液体によるラマン散乱光の影響を低減させて液体中の生物粒子の存在の有無を判定することができる。これにより、生物粒子に対する計数精度を向上させることができる。
解決手段2:本発明の生物粒子計数器は、解決手段1において、前記偏光光学選択手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第1信号を出力する自家蛍光受光手段と、前記対象物から放出される散乱光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第2信号を出力する散乱光受光手段と、前記散乱光受光手段により出力された前記第2信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記液体に含まれる対象物から放出された散乱光を検出したとして検出信号を出力する散乱光検出信号出力手段と、前記散乱光選択光学手段から前記自家蛍光受光手段までの光路に、前記光路以外から入射する光が入り込むことを防ぐ遮光壁とをさらに備え、前記生物粒子判定手段は、前記散乱光検出信号出力手段により前記検出信号が出力された場合であって、前記散乱光受光手段により前記対象物から放出された前記散乱光が受光された時点と同時期に前記自家蛍光受光手段により光が受光され、前記時点と同時期に前記自家蛍光受光手段により前記受光された光に対応する前記第1信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記散乱光検出信号出力手段により出力された前記検出信号に対応する前記液体に含まれる前記対象物を生物粒子であると判定することを特徴とする生物粒子計数器である。
本解決手段の生物粒子計数器による生物粒子の計数は、例えば、以下の特徴を有しており、所定の手順に沿って進行する。
(6)上記(4)で透過された光(自家蛍光)を受光し、受光した光量に応じた大きさの第1信号を出力する。例えば、フォトマルチチューブやフォトダイオード等の光検出装置により、受光した光量に応じた第1信号が出力される。
(7)上記(3)で分光された散乱光(対象物の散乱光)を受光し、受光した光量に応じた大きさの第2信号を出力する。例えば、フォトダイオード等の光検出装置により、受光した光量に応じた第2信号が出力される。
(8)上記(7)で出力された第2信号の大きさが所定の閾値以上であるか否かが判定され、判定の結果、閾値以上であると判定された場合を対象物からの散乱光が検出されたとする検出信号(例えば、検出フラグ)が出力される。
(9)上記(8)で検出信号が出力された場合であって、その検出信号に対応する時間、すなわち、上記(7)で受光した時点と同時期に、上記(4)で透過された光が受光されて第1信号が出力されていた場合、上記(5)における判定で、対象物が生物粒子であると判定する。なお、検出信号が出力されており、第1信号が出力されていない場合、対象物が非生物粒子であると判定してもよい。そして、その判定において生物粒子であると判定された場合、その個数をカウントすることで、生物粒子数が計数されることとなり、非生物粒子であると判定された場合、その個数もカウントしてもよい。また、第2信号の大きさに基づき、生物粒子(や非生物粒子)の大きさについても判定してもよい。
このように、本解決手段によれば、対象物との散乱光について所定の閾値を設けたことで、閾値より大きい信号を対象物の散乱光であると判定することができる。
解決手段3:本発明の生物粒子計数器は、検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光手段と、前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光のうち、前記対象物から放出される自家蛍光の波長帯域を透過させる自家蛍光選択光学手段と、前記自家蛍光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する自家蛍光受光手段と、前記自家蛍光受光手段からの前記信号に基づいて、前記液体に生物粒子が含まれるか否かを判定する生物粒子判定手段とを備え、前記自家蛍光受光手段は、前記発光手段により照射される前記光の振動方向(偏光方向)から前記対象物により放出される光を受光することを特徴とする生物粒子計数器である。
本解決手段の生物粒子計数器による生物粒子の計数は、例えば、以下の特徴を有しており、所定の手順に沿って進行する。
(10)対象物を含む液体がフローセル内を流動していると想定し、そのフローセル内を流動している液体に対して、特定の波長の光を照射する。例えば、レーザーダイオードから単一波長のレーザー光を照射する。なお、このレーザーダイオードから照射されるレーザー光は直線偏光である。ここで、対象物とは、生物粒子や非生物粒子等を表している。また、液体とは、例えば、水を表している。
(11)上記(10)によりレーザー光を照射すると、レーザー光と対象物との相互作用、又は、レーザー光と液体との相互作用により光が放出されることとなる。具体的に放出される主な光は、生物粒子との反射等によって放出される散乱光、レーザー光が生物粒子に吸収されそのエネルギーを利用して放出される自家蛍光、非生物粒子との反射等によって放出される散乱光、液体(分子)に入射した光の波長が変換されて放出されるラマン散乱光である。なお、自家蛍光のスペクトルのピーク波長が散乱光及びラマン散乱光のピーク波長と異なる波長になるように、照射するレーザー光の波長を設定する。
(12)上記(11)により放出された光の波長はそれぞれ異なっており、例えば、生物粒子や非生物粒子からの散乱光はレーザー光の波長と同程度であるのに対し、ラマン散乱光や自家蛍光といった光の波長はそのレーザー光の波長よりも長くなる。また、ラマン散乱光と自家蛍光の波長については、それぞれの波長分布領域が重なることもあり、例えば、自家蛍光における波長分布のピーク値(ピーク波長)の方がラマン散乱光の波長分布のピーク値(ピーク波長)よりも長い波長となるがラマン散乱光の波長帯域に重なることもある。そこで、生物粒子や非生物粒子からの散乱光及び水分子のラマン散乱光のピークと、自家蛍光のピークとを波長により分光する。例えば、ラマン散乱光と自家蛍光のピークを分光する波長(カットオフ波長)を基準とする光学分離器(ダイクロイックミラー、ロングパスフィルター、ショートパスフィルター、バンドパスフィルター)を用いて分光する。
(13)上記(12)で分光された光(自家蛍光)を受光し、受光した光量に応じた大きさの信号を出力する。例えば、フォトマルチチューブやフォトダイオード等の光検出装置により、受光した光量に応じた信号が出力される。そして、その信号に基づいて、液体に含まれる対象物が生物粒子であるか否かが判定される。そして、その判定において生物粒子であると判定された場合、その個数をカウントすることで、生物粒子数が計数されることとなる。
(14)上記(13)における光検出装置では、レーザー光の振動方向(偏光方向)に向かって放出される光のうち、自家蛍光の波長帯域成分が受光されることとなる。これは、ラマン散乱の対象物である水分子がレーザー光の波長と比較すると非常に小さいことで、そのラマン散乱光がレーザー光が進行する方向である前方方向(θ=0°)や後方方向(θ=180°)と比較して側方方向付近には放出されにくいからである。なお、自家蛍光の対象物である生物粒子については、大きさがレーザー光の波長と同等かそれ以上であるため、上記側方方向付近にも自家蛍光が放出される。
このように、本解決手段によれば、ラマン散乱光が偏光方向付近には放出されにくいことから、その方向付近に放出される光を光検出装置で受光することで、液体によるラマン散乱光の影響を低減させて液体中の生物粒子の存在の有無を判定することができる。これにより、生物粒子に対する計数精度をさらに向上させることができる。
解決手段4:本発明の生物粒子計数器は、検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光手段と、前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光のうち、前記発光手段により照射される前記光の偏光方向と進行方向に直交する方向に前記対象物から放出される自家蛍光の波長帯域を透過させる第1自家蛍光選択光学手段と、前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光のうち、前記発光手段により照射される前記光の進行方向に前記対象物から放出される自家蛍光の波長帯域を透過させる第2自家蛍光選択光学手段と、前記第1自家蛍光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する第1自家蛍光受光手段と、前記第2自家蛍光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する第2自家蛍光受光手段と、前記第1自家蛍光受光手段により出力された信号と前記第2自家蛍光受光手段により出力された信号を差分した差分信号を出力する差分手段と、前記差分手段からの前記差分信号に基づいて、前記液体に生物粒子が含まれるか否かを判定する生物粒子判定手段とを備えることを特徴とする生物粒子計数器である。
本解決手段の生物粒子計数器による生物粒子の計数は、例えば、以下の特徴を有しており、所定の手順に沿って進行する。
(15)対象物を含む液体がフローセル内を流動していると想定し、そのフローセル内を流動している液体に対して、特定の波長の光を照射する。例えば、レーザーダイオードから単一波長のレーザー光を照射する。なお、このレーザーダイオードから照射されるレーザー光は直線偏光である。ここで、対象物とは、生物粒子や非生物粒子等を表している。また、液体とは、例えば、水を表している。
(16)上記(15)によりレーザー光を照射すると、レーザー光と対象物との相互作用、又は、レーザー光と液体との相互作用により光が放出されることとなる。具体的に放出される主な光は、生物粒子との反射等によって放出される散乱光、レーザー光が生物粒子に吸収されそのエネルギーを利用して放出される自家蛍光、非生物粒子との反射等によって放出される散乱光、液体(分子)に入射した光の波長が変換されて放出されるラマン散乱光である。なお、自家蛍光のスペクトルのピーク波長が散乱光及びラマン散乱光のピーク波長と異なる波長になるように、照射するレーザー光の波長を設定する。
(17)上記(16)により放出された光の波長はそれぞれ異なっており、例えば、生物粒子や非生物粒子からの散乱光はレーザー光の波長と同程度であるのに対し、ラマン散乱光や自家蛍光といった光の波長はそのレーザー光の波長よりも長くなる。また、ラマン散乱光と自家蛍光の波長については、それぞれの波長分布領域が重なることもあり、例えば、自家蛍光における波長分布のピーク値(ピーク波長)の方がラマン散乱光の波長分布のピーク値(ピーク波長)よりも長い波長となるがラマン散乱光の波長帯域に重なることもある。そこで、生物粒子や非生物粒子からの散乱光及び水分子のラマン散乱光のピークと、自家蛍光のピークとを波長により分光する。例えば、ラマン散乱光と自家蛍光のピークを分光する波長(カットオフ波長)を基準とする光学分離器(ダイクロイックミラー、ロングパスフィルター、ショートパスフィルター、バンドパスフィルター)を用いて分光する。
(18)上記(17)で分光された光(自家蛍光)を受光し、受光した光量に応じた大きさの信号を出力する。例えば、フォトマルチチューブやフォトダイオード等の光検出装置により、受光した光量に応じた信号が出力される。そして、その信号に基づいて、液体に含まれる対象物が生物粒子であるか否かが判定される。そして、その判定において生物粒子であると判定された場合、その個数をカウントすることで、生物粒子数が計数されることとなる。
(19)上記(18)における光検出装置は、2つの光検出装置(例えば、第1自家蛍光受光装置と第2自家蛍光受光装置)と、それらから出力される検出信号を差分する差分装置(例えば、差分回路)から構成されている。
(20)上記(18)における第2自家蛍光受光装置では、レーザー光の前方方向付近に向かって放出される自家蛍光の波長帯域のラマン散乱光と自家蛍光が受光されることとなる。そして、その受光した光量に応じた信号(進行方向信号)が出力される。
(21)上記(18)における第1自家蛍光受光装置では、レーザー光の振動方向(偏光方向)と進行方向に直交する方向付近に向かって放出される自家蛍光の波長帯域のラマン散乱光と自家蛍光が受光されることとなる。そして、その受光した光量に応じた信号(直交方向信号)が出力される。ここで、第1自家蛍光受光装置により受光される自家蛍光については、第2自家蛍光受光装置により受光される自家蛍光の光量よりも少ないものとなる。これは、偏光面と直交する面に放出される自家蛍光について、レーザー光が進行する方向である前方方向(θ=0°)から後方方向(θ=180°)に放出角度(散乱角度)が変化するごとに放出される光量が顕著に減少するからである。一方、偏光面と直交する面に放出されるラマン散乱光については、放出角度(散乱角度)が変化してもほぼ一様な光量が放出される。したがって、第1自家蛍光受光装置により受光される自家蛍光(側方方向近辺(θ〜90°))については、第2自家蛍光受光装置により受光される自家蛍光(前方方向近辺(θ〜0°))の光量よりも少ないものとなる。
(21)上記(18)における差分回路は、上記(18)により出力される進行方向信号と、上記(19)により出力される側方方向信号との差分を計算し(進行方向信号−側方方向信号)、計算した結果を出力する。なお、この出力信号については自家蛍光に基づく信号となる。これは、上記(20)に説明したように、偏光面と直交する面に放出されるラマン散乱光については、放出角度(散乱角度)が変化してもほぼ一様なため、差分することでお互い相殺されるのに対し、偏光面と直交する面に放出される自家蛍光については、前方方向近辺に放出される自家蛍光の方が側方方向近辺に放出される自家蛍光よりも光量が多いからである。
このように、本解決手段によれば、偏光面と直交する面においてラマン散乱光は一様に放出されるのに対し、自家蛍光は前方方向近辺と側方方向近辺とでは放出される光量が異なる(前方方向の方が多い)ことに基づいて、それら2方向付近に放出される光を2つ光検出装置で受光する。そして、自家蛍光(側方方向近辺(θ〜90°))については、自家蛍光(前方方向近辺(θ〜0°))の光量よりも少なく、ラマン散乱光については一様な光量であることから、それぞれの信号(光量)の差分を求めることで、ラマン散乱光に対応する信号を相殺し、液体によるラマン散乱光の影響を低減させて液体中の生物粒子の存在の有無を判定することができる。これにより、生物粒子に対する計数精度を向上させることができる。
解決手段5:本発明の生物粒子計数器は、検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光のパルスを照射する発光手段と、前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する受光手段と、前記受光手段により出力された信号ついて、散乱光による信号が出力された後から、数ナノ秒以内に自家蛍光による信号が出力されたか否かに基づいて、前記液体に含まれる前記対象物が生物粒子であるか否かを判定する生物粒子判定手段とを備えることを特徴とする生物粒子計数器である。
本解決手段の生物粒子計数器による生物粒子の計数は、例えば、以下の特徴を有しており、所定の手順に沿って進行する。
(22)対象物を含む液体がフローセル内を流動していると想定し、そのフローセル内を流動している液体に対して、特定の波長の光を照射する。例えば、レーザーダイオードから単一波長のレーザー光を照射する。なお、このレーザーダイオードから照射されるレーザー光は直線偏光である。ここで、対象物とは、生物粒子や非生物粒子等を表している。また、液体とは、例えば、水を表している。
(23)上記(22)によりレーザー光を照射すると、レーザー光と対象物との相互作用、又は、レーザー光と液体との相互作用により光が放出されることとなる。具体的に放出される主な光は、生物粒子との反射等によって放出される散乱光、レーザー光が生物粒子に吸収されそのエネルギーを利用して放出される自家蛍光、非生物粒子との反射等によって放出される散乱光、液体(分子)に入射した光の波長が変換されて放出されるラマン散乱光である。なお、自家蛍光のスペクトルのピーク波長が散乱光及びラマン散乱光のピーク波長と異なる波長になるように、照射するレーザー光の波長を設定する。
(24)上記(23)により放出された光の波長はそれぞれ異なっており、例えば、生物粒子や非生物粒子からの散乱光はレーザー光の波長と同程度であるのに対し、ラマン散乱光や自家蛍光といった光の波長はそのレーザー光の波長よりも長くなる。また、ラマン散乱光と自家蛍光の波長については、それぞれの波長分布領域が重なることもあり、例えば、自家蛍光における波長分布のピーク値(ピーク波長)の方がラマン散乱光の波長分布のピーク値(ピーク波長)よりも長い波長となるがラマン散乱光の波長帯域に重なることもある。そこで、生物粒子や非生物粒子からの散乱光及び水分子のラマン散乱光のピークと、自家蛍光のピークとを波長により分光する。例えば、ラマン散乱光と自家蛍光のピークを分光する波長(カットオフ波長)を基準とする光学分離器(ダイクロイックミラー、ロングパスフィルター、ショートパスフィルター、バンドパスフィルター)を用いて分光する。
(25)上記(24)で分光された光(自家蛍光)を受光し、受光した光量に応じた大きさの信号を出力する。例えば、フォトマルチチューブやフォトダイオード等の光検出装置により、受光した光量に応じた信号が出力される。そして、その信号に基づいて、液体に含まれる対象物が生物粒子であるか否かが判定される。そして、その判定において生物粒子であると判定された場合、その個数をカウントすることで、生物粒子数が計数されることとなる。
(26)上記(22)において照射するレーザー光について、照射する時間を水によるラマン散乱光が放出されるのに要する時間だけ照射することとする。具体的には、フェムト秒〜ピコ秒の間隔だけ照射する。
(27)上記(26)において光検出装置で受光された光のうち、パルスレーザー光が照射された後から数ナノ秒間に受光された光について、ラマン散乱光は照射後数フェムト秒〜数ピコ秒で出現し、自家蛍光は数ピコ秒〜数ナノ秒で出現する。したがって、ラマン散乱光が放出され、その後しばらく時間が経過した後に自家蛍光が放出することとなる。
このように、本解決手段によれば、ラマン散乱光が放出され、その後しばらく時間が経過した後に自家蛍光が放出することから、高速の時系列処理により、自家蛍光に基づく信号だけを選択して出力することができる。したがって、ラマン散乱光を抑制し、液体によるラマン散乱光の影響を低減させて液体中の生物粒子の存在の有無を判定することができる。これにより、生物粒子に対する計数精度をさらに向上させることができる。
解決手段6:本発明の生物粒子計数器は、検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光手段と、前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により側方に放出される光のうち、透過する前記液体から放出されるラマン散乱光を低減し、且つ前記対象物から放出される自家蛍光を透過させる自家蛍光選択光学手段と、前記自家蛍光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する受光素子を複数配列した(アレイ構造とした)多分割受光素子からなる自家蛍光受光手段と、前記自家蛍光受光手段の前記各受光素子からの前記信号について、一部の(少なくとも1つの)前記受光素子からの前記信号が他の前記受光素子からの前記信号よりも大きい場合に、前記液体に生物粒子が含まれると判定する生物粒子判定手段とを備えることを特徴とする生物粒子計数器である。
本解決手段の生物粒子計数器による生物粒子の計数は、例えば、以下の特徴を有しており、所定の手順に沿って進行する。
(28)対象物を含む液体がフローセル内を流動していると想定し、そのフローセル内を流動している液体に対して、特定の波長の光を照射する。例えば、レーザーダイオードから単一波長のレーザー光を照射する。なお、このレーザーダイオードから照射されるレーザー光は直線偏光である。ここで、対象物とは、生物粒子や非生物粒子等を表している。また、液体とは、例えば、水を表している。
(29)上記(28)によりレーザー光を照射すると、レーザー光と対象物との相互作用、又は、レーザー光と液体との相互作用により光が放出されることとなる。具体的に放出される主な光は、生物粒子との反射等によって放出される散乱光、レーザー光が生物粒子に吸収されそのエネルギーを利用して放出される自家蛍光、非生物粒子との反射等によって放出される散乱光、液体(分子)に入射した光の波長が変換されて放出されるラマン散乱光である。なお、自家蛍光のスペクトルのピーク波長が散乱光及びラマン散乱光のピーク波長と異なる波長になるように、照射するレーザー光の波長を設定する。
(30)上記(29)により放出された光の波長はそれぞれ異なっており、例えば、生物粒子や非生物粒子からの散乱光はレーザー光の波長と同程度であるのに対し、ラマン散乱光や自家蛍光といった光の波長はそのレーザー光の波長よりも長くなる。また、ラマン散乱光と自家蛍光の波長については、それぞれの波長分布領域が重なることもあり、例えば、自家蛍光における波長分布のピーク値(ピーク波長)の方がラマン散乱光の波長分布のピーク値(ピーク波長)よりも長い波長となるがラマン散乱光の波長帯域に重なることもある。そこで、生物粒子や非生物粒子からの散乱光及び水分子のラマン散乱光のピークと、自家蛍光のピークとを波長により分光する。例えば、ラマン散乱光と自家蛍光のピークを分光する波長(カットオフ波長)を基準とする光学分離器(ダイクロイックミラー、ロングパスフィルター、ショートパスフィルター、バンドパスフィルター)を用いて分光する。
(31)上記(30)で分光された光(自家蛍光)を受光し、受光した光量に応じた大きさの信号を出力する。例えば、フォトマルチチューブやフォトダイオード等の光検出装置により、受光した光量に応じた信号が出力される。そして、その信号に基づいて、液体に含まれる対象物が生物粒子であるか否かが判定される。そして、その判定において生物粒子であると判定された場合、その個数をカウントすることで、生物粒子数が計数されることとなる。
(32)上記(28)において平面状の検出領域を2次元(面)で測定するために、その平面を上記(31)の光検出装置の入射面(受光面)に結像する。
(33)上記(32)の光検出装置がフォトダイオードアレイなどの2次元での検出が可能な検出装置(多分割受光素子)であると想定する。例えば、多分割受光素子はn×m個の受光素子を配列したものであり、それぞれ検出領域を分割して検出することが可能ということを示している。したがって、上記(35)において、多分割受光素子の入射面に結像された光は、それぞれの分割領域ごとに検出信号が出力されることとなる。すなわち、2次元での検出が可能な光検出装置では、入射面内での位置情報(例えば、(x、y)座標)とその位置情報と対応した検出信号が出力されることとなる。これまで、検出領域全体のラマン散乱光は約1/(n×m)の大きさの検出信号として出力されるのに対し、生物粒子は検出領域のある1点から放出されているためその検出信号の大きさは変化せず出力される。照射光を適度に傾けて流路を横切らせても良い。
このように、本解決手段によれば、位置情報と対応した検出信号を出力することができる光検出装置を用いることで、対象物(移動する点光源)から放出される光を抽出することができるので、液体中の生物粒子の存在の有無を判定することができる。これにより、生物粒子に対する計数精度をさらに向上させることができる。
本発明の生物粒子計数器及び生物粒子計数方法によれば、流動する液体中の生物粒子を、水のラマン散乱光が発生する状態においても、ラマン散乱光を抑制して生物粒子から放出される自家蛍光を効率よく検出し、計数精度の高い計数を行うことができる。
生物粒子計数器システムの一実施形態を示す概略構成図である。 レーザー光の偏光方向を説明する図である。 自家蛍光物質の一例であるリボフラビンとNAD(P)Hの励起吸収スペクトルとその物質からの自家蛍光スペクトルを示す図である。 波長が405nmの光を照射した際の水によるラマン散乱光スペクトルの概略図である。 自家蛍光計数処理の手順例を示すフローチャートである。 データ収集処理の手順例を示すフローチャートである。 データ解析処理の手順例を示すフローチャートである。 解析処理の手順例を示すフローチャートである。 蛍光用受光装置及び散乱用受光装置からの出力信号の一例を示す図である。 解析結果出力処理の手順例を示すフローチャートである。 報知処理の手順例を示すフローチャートである。 生物粒子の計数結果の報知の一例を示す図である。 散乱光強度の角度分布を示す図である。 粒径パラメータα=1における散乱光の強度の角度分布を示す図である。 第2実施形態における光検出システムのセットアップの一例を示す図である。 第3実施形態における光検出システムのセットアップの一例を示す図である。 第3実施形態におけるデータ解析処理の手順例を示すフローチャートである。 第4実施形態におけるレーザー光と蛍光用受光装置に入射する光に関するタイミングチャートの一例を示す図である。 第5実施形態におけるフローセルの検出領域と蛍光用受光装置の検出位置を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態では、生物粒子35・非生物粒子37による散乱光や水によるラマン散乱光33sがレーザー光の直線偏光と同じ偏光方向の光であるのに対して、生物粒子35による自家蛍光35eは無偏光であることを利用し、偏光フィルターでレーザー光の直線偏光と同じ偏光方向の光を遮蔽し、透過した自家蛍光35eの光により生物粒子を検出及び計数する。
図1は、生物粒子計数器システムの一実施形態を示す概略構成図である。
図1に示すように、生物粒子計数器システムは、対象物に光を照射し、対象物からの散乱光や自家蛍光を検出する光検出システム1と、光検出システム1から出力された信号に基づいて自家蛍光数をカウントする自家蛍光計数システム2とから構成されている。なお、本実施形態における検出(計数)可能な生物粒子は、例えば、0.1μm〜数100μmの大きさの生物粒子であり、具体的には、細菌、酵母、カビ等である。また、生物粒子に照射する光は紫外線領域のレーザー光であり、生物粒子の体内(細胞内)に存在する代謝に必要となる物質(リボフラビン、NAD(P)H(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸))等)から発せられる自家蛍光を指標として検出する。
〔光検出システム〕
光検出システム1は、例えば、発光装置10、照射光学レンズ系20、対象流動装置30、第1集光光学レンズ系40、遮光装置50、散乱光選択光学装置60、遮光壁65、自家蛍光選択光学装置70、第2集光光学レンズ系80、蛍光用受光装置90、第3集光光学レンズ系100、散乱用受光装置110から構成されている。これらの構成要素により、対象物に光を照射し、対象物からの散乱光や自家蛍光を検出することができる。以下、各構成要素について具体的に説明する。
〔発光装置(発光手段、発光工程)〕
発光装置10は、例えば、半導体レーザーダイオード(半導体LED素子を含む。以下、レーザーダイオードとする)から構成されている。レーザーダイオード10によりレーザー光が照射され、生物粒子を含む液体に照射される。
〔偏光面〕
図2は、レーザー光の偏光方向を説明する図である。
図2に示すように、レーザーダイオード10から照射されるレーザー光は、直線偏光しており、ここでは、その偏光方向(x方向)と進行方向(y方向)からなる偏光面(電界面)を垂直面A(xz面)とし、偏光面と直交する面を水平面B(yz面)として説明する。
レーザーダイオード10が照射するレーザー光の波長は、生物粒子の細胞内に存在する自家蛍光を発することができる物質(以下、自家蛍光物質とする)に対応して決定される。ここで、自家蛍光物質の励起波長はその物質によって異なっており、さらに、励起状態から基底状態に戻る際に放出する自家蛍光の波長も自家蛍光物質によって異なっている。自家蛍光物質の励起波長及び自家蛍光波長について具体例を挙げて説明する。
〔励起波長及び自家蛍光波長〕
図3は、自家蛍光物質の励起吸収スペクトルとその物質からの自家蛍光スペクトルの一例を示す図である。
図3に示すように、各分布は、NAD(P)Hの励起波長スペクトル、リボフラビンの励起波長スペクトル、NAD(P)Hからの自家蛍光スペクトル、リボフラビンからの自家蛍光スペクトルを示している。例えば、NAD(P)Hの励起波長スペクトルは、約340nmの波長をピークにした分布をしている。また、リボフラビンの励起波長スペクトルは、約375nmの波長をピークにした分布をしており、リボフラビンを励起こさせやすくするために375nm〜420nmの波長のレーザー光を照射することが適していることを表している。
したがって、多くの自家蛍光を生物粒子から放出させるために、レーザーダイオード10から照射されるレーザー光の波長は、生物粒子の細胞内に存在するNAD(P)Hやリボフラビンの励起波長に対応して決定される。本実施形態では405nmの波長を有するレーザー光がレーザーダイオード10から照射されることと想定する。この405nmの波長を有するレーザー光を照射することにより、リボフラビンによる自家蛍光が生物粒子から放出されることになる。
〔照射光学レンズ系(照射光学手段、照射光学工程)〕
照射光学レンズ系20は、例えば、複数種類の光学レンズから構成されている。例えば、コリメーターレンズ、両凸レンズ、シリンドリカルレンズから構成されており、レーザーダイオード10から照射されたレーザー光を平行光線に調整し、対象物に照射している。
〔対象流動装置〕
対象流動装置30は、例えば、合成石英やサファイア等で作成された中空の四角柱の筒部32から構成されており、対象物(生物粒子35又は非生物粒子37)を含んだ液体33が上から下に流動する構造をしている。レーザー光31は、筒部32の液体が流動する中空領域に照射されて検出領域が形成される。
この検出領域において、レーザー光31がフローセル30内を流動する液体33の水(水分子)や対象物(生物粒子35又は非生物粒子37)と相互作用を起こすこととなる。
生物粒子35に入射するレーザー光31の波長が405nmであるので、生物粒子35からの散乱光も405nmの波長で放出されることとなる。また、図3に示すように、レーザー光31が生物粒子35の細胞内のリボフラビンに吸収された場合、約520nmをピークとした分布の波長となる。ここで、生物粒子35から放出される散乱光又は自家蛍光は、周囲に放出されることとなる。
また、非生物粒子37に入射したレーザー光31による散乱光は、生物粒子35から放出される散乱光と同様である。
上記のように、生物粒子35や非生物粒子37とレーザー光31とが相互作用することにより、生物粒子35や非生物粒子37からの散乱光、又は生物粒子35からの自家蛍光が放出される。そして、それらの光は複数の集光レンズ系や波長選択光学装置を経て受光装置により検出されることになる。なお、散乱光の強度、すなわち、散乱光の光量は生物粒子35や非生物粒子37の大きさに依存し、大きいほど光量も多くなる。ここで、生物粒子35からの自家蛍光は生物粒子35の細胞内のリボフラビンの量に依存する。また、レーザー光31の光量(強度)にも依存し、レーザー出力を高めて、フローセル30に多くのレーザー光31を照射すれば、生物粒子35や非生物粒子37からの散乱光、生物粒子35からの自家蛍光も増加することとなる。しかし、生物粒子35や非生物粒子37からの散乱光、生物粒子35からの自家蛍光以外の光も増加し、具体的には、レーザー光31と水33との相互作用(ラマン散乱)による光(ラマン散乱光)も増加することとなる。次に水によるラマン散乱光について、具体的に説明する。
〔水によるラマン散乱〕
図4は、波長が405nmの光を照射した際の水によるラマン散乱光スペクトルの一例を示す図である。
図4に示すように、水に波長405nmのレーザー光31を照射すると、水とレーザー光31との相互作用により、約465nmの波長をピークとした波長分布を有するラマン散乱光が放出される。
〔遮光装置〕
遮光装置50は、例えば、レーザートラップから構成されている。このレーザートラップ50は、レーザーダイオード10から照射され、フローセル30内で相互作用を起こさずに通過したレーザー光31を遮光する。遮光することで、その通過したレーザー光31が様々な場所で反射などを起こして、生物粒子35による散乱光や自家蛍光の検出のノイズとなることを抑制する。
〔第1集光光学レンズ系(結像光学手段、結像光学工程)〕
第1集光光学レンズ系40は、例えば、複数の光学レンズから構成されている。この第1集光光学レンズ系40により、フローセル30内における生物粒子35や非生物粒子37からの散乱光及び生物粒子35からの自家蛍光が集光される。なお、これら生物粒子35からの側方方向散乱光及び自家蛍光をなるべく多く集光するために、レンズ口径は大きい方が好ましく、生物粒子35からの散乱光や自家蛍光を検出する検出装置が備えられる位置(距離)に対応して決定される。
〔散乱光選択光学装置(散乱光選択光学手段、散乱光選択光学工程)〕
散乱光選択光学装置60は、例えば、ダイクロイックミラーから構成されている。本実施形態のダイクロイックミラー60は、410nmよりも長い波長の光を透過させ、410nmよりも短い波長の光を反射させる。このように光の波長で分離する基準となる特定の波長をカットオフ波長と称する。しがたって、フローセル30内で405nmのレーザー光31により散乱された生物粒子35や非生物粒子37からの散乱光の波長は主に405nmであるため、ダイクロイックミラー60により生物粒子35や非生物粒子37からの散乱光を反射することができる。そして、反射された生物粒子35や非生物粒子37からの散乱光は、次に第3集光光学レンズ系100に集光され、散乱用受光装置110に結像されることとなる。
一方、フローセル30内を流動する生物粒子35から放出される自家蛍光については、図3に示すように、約520nmをピークにした波長分布をしているため、ダイクロイックミラー60に反射されることなくほぼ全てが透過することとなる。また同様に、水によるラマン散乱光も、図4に示すように、約465nmをピークにした波長分布をしており、カットオフ波長410nmよりも長い波長が大部分を占めているため、一部を除いた大部分がダイクロイックミラー60を透過することとなる。そして、透過する自家蛍光及び水によるラマン散乱光は、次に自家蛍光選択光学装置へ進むこととなる。
なお、ダイクロイックミラー60の基準となるカットオフ波長は410nmに限定されることなく、レーザー光31により散乱された生物粒子35又は非生物粒子37からの散乱光が反射され、生物粒子35から自家蛍光が透過される波長であればよい。
ここで、図示していないが、散乱光選択光学装置60について、生物粒子35又は非生物粒子37による散乱光の光路と、生物粒子35による自家蛍光の光路とが別系統になるように散乱光選択光学装置60を並列して設置してもよい。その場合、1つ目の散乱光選択光学装置60としてカットオフ波長410nmよりも短い波長の光だけを透過するといったショートパスフィルターを使用して、生物粒子35又は非生物粒子37による散乱光だけを透過させる系統と、2つ目の散乱光選択光学装置60としてカットオフ波長410nmよりも長い波長の光だけを透過するといったロングパスフィルターを使用して、生物粒子35又は非生物粒子37による散乱光を透過させずに他の光(水によるラマン散乱光や生物粒子35による自家蛍光)を透過させる系統とを備えてもよい。
なお、2つ目の散乱光選択光学装置60としてカットオフ波長490nmよりも長い波長の光だけを透過するといったロングパスフィルターを使用して、低減された水によるラマン散乱光や生物粒子35による自家蛍光を透過させる系統を備えてもよい。また、490nmよりも長い波長を透過するといったロングパスフィルターに限定されることなく、490nm〜600nmの波長域の光を透過するといったバンドパスフィルターを備えてもよい。また、生物粒子35の細胞内のリボフラビンからの自家蛍光35eを指標とするために、上記のカットオフ波長(例えば、490nm)を基準としたロングパスフィルターを備えたが、生物粒子35の細胞内のNAD(P)Hを指標とする場合、410nm〜470nmのいずれかの波長(例えば、450nm)をカットオフ波長としそれよりも長い波長の光を透過するといったロングパスフィルターや、カットオフ波長として450nm〜600nmの波長域の光を透過するといったバンドパスフィルターを備えてもよい。これは、約350nmのレーザー光31を照射した場合、水によるラマン散乱光33sが400nmをピークとした分布をし、450nmを基準としたロングパスフィルターにより、リボフラビンからの自家蛍光35eの検出を指標とした場合と同様に大部分の水のラマン散乱光33sを遮光できるからである。なお、このようなカットオフ波長(490nm、450nm)のロングパスフィルターや、カットオフ波長(490nm〜600nm、450nm〜600nm)のバンドパスフィルターを上記ダイクロイックミラー60を透過した光に対して使用してもよい。
〔自家蛍光選択光学装置〕
自家蛍光選択光学装置70は、例えば、偏光フィルター(偏光光学選択手段)から構成されている。この偏光フィルター70を特定の偏光方向で用いることで、ある特定方向に振動している光を遮光することが可能となる。本実施形態においては、レーザーダイオード10から直線偏光しているレーザー光と同じ偏光方向に偏光フィルター70を備えることで、遮光している。なお、偏光フィルター70の配設位置は限定するものではない。また、ダイクロイックミラー60の基準となるカットオフ波長を410nmとした場合には、ラマン散乱光を低減するために偏光フィルター70と共にロングパスフィルター(カットオフ波長490nm)などの光学フィルターを併用してもよい。
〔第2集光光学レンズ系(結像光学手段、結像光学工程):図1参照〕
第2集光光学レンズ系80は、例えば、複数の光学レンズから構成されている。この第2集光光学レンズ系80は、偏光フィルター70を透過してきた光の進行方向(光軸)上に設置される。この第2集光光学レンズ系80により、偏光フィルター70を透過してきた生物粒子35による自家蛍光35eが集光され、蛍光用受光装置90の入射面に結像されることとなる。
〔蛍光用受光装置(自家蛍光受光手段、自家蛍光受光工程)〕
蛍光用受光装置90は、例えば、半導体受光素子(フォトダイオードPhoto Diode:PD)又はフォトダイオードよりも感度のよい光電子増倍管(フォトマルチプライヤーチューブPhoto Multiplier Tube:PMT)から構成されている。これらフォトダイオードやフォトマルチプライヤーチューブ(以下、フォトマルとする)は受光した光を電流にし、受光した光量に応じた電流を出力する。なお、受光した光の光量によって出力する電流の大きさが変化し、受光した光の光量が多ければ多いほど、電流の大きさが大きくなる。なお、フォトマル90から出力される電気信号は、次に自家蛍光計数システム2に入力される。
〔遮光壁(遮光工程)〕
遮光壁65は、ダイクロイックミラー60の透過側からフォトマル90までの光路を囲う筒状の構造物から構成されている。この遮光壁65により、ダイクロイックミラー60を透過してきた光(自家蛍光35e)以外の光がフォトマル90に入射することを防ぐことができる。例えば、ラマン散乱光33sや対象物からの散乱光35s、37sが光検出システム1内で反射して、この光路に回り込まないように遮蔽することができる。図示していないが、ダイクロイックミラー60の反射側から散乱用受光装置110までの光路などにも同様に遮光壁を設けてもよい。
〔第3集光光学レンズ系〕
第3集光光学レンズ系100は、例えば、複数の光学レンズから構成されている。この第3集光光学レンズ系100は、ダイクロイックミラー60によって反射された光の進行方向(光軸)上に設置される。
〔散乱用受光装置〕
散乱用受光装置110は、例えば、フォトダイオード又はフォトマルから構成される。ここで、散乱用受光装置110に入射する光は、ダイクロイックミラー60により反射された410nmより短い波長の光であって、具体的には、フローセル30内を流動する生物粒子35や非生物粒子37により散乱された散乱光である。これら生物粒子35や非生物粒子37による散乱光は、生物粒子35から放出される自家蛍光35eよりも光量が多いため、フォトマルではなく安価なフォトダイオードでも十分に検出することができる。本実施形態においては、このフォトダイオード110が備えられ、ダイクロイックミラー60により反射された生物粒子35や非生物粒子37による散乱光を受光する。フォトダイオード110が受光した光は、その光量に応じた電気信号に変換され、その電気信号がフォトダイオード110から出力されることとなる。フォトダイオード110からの出力信号は、次に自家蛍光計数システム2に入力される。
〔自家蛍光計数システム:図1参照〕
自家蛍光計数システム2は、例えば、検出信号処理部200、データ処理部300、報知部400から構成されている。また、図5は、自家蛍光計数処理の手順例を示すフローチャートである。
検出信号処理部200は、例えば、光検出システム1からの出力信号、すなわち、蛍光用受光装置(フォトマル)90からの出力信号と散乱用受光装置フォトダイオード)110からの出力信号をそれぞれ受信し、受信した信号を増幅し、アナログ信号からデジタル信号にAD変換する処理等を行う(図5中のデータ収集処理ステップS200)。
データ処理部300は、例えば、検出信号処理部200でAD変換処理された自家蛍光信号(信号A)及び散乱光信号(信号B)を受信し保存し(図5中のデータ解析処理ステップS300)、保存した信号A及び信号Bから液体中に生物粒子35に由来する信号、すなわち、自家蛍光35eによる信号が含まれているか否かを判定し、その判定結果を出力する(図5中のステップ解析結果出力処理S400)等を行う。
報知部400は、例えば、データ処理部300により判定された結果を外部に報知したり、外部に報知信号を出力したりする(図5中の報知処理ステップS500)。
以下、各構成要素及びその処理について具体的に説明する。
〔検出信号処理部〕
検出信号処理部200は、例えば、蛍光用出力信号処理装置210と、散乱用出力信号処理装置220から構成されている。さらに、蛍光用出力信号処理装置210は、例えば、第1増幅器212、第1アナログ/デジタル変換器214から構成され、散乱用出力信号処理装置220は、例えば、第2増幅器222、第2アナログ/デジタル変換器224から構成されている。
〔データ収集処理〕
図6は、データ収集処理の手順例を示すフローチャートである。
まず、蛍光用出力信号処理装置210は、蛍光用受光装置(フォトマル)90からの出力信号を受信すると(出力信号受信処理ステップS210)、第1増幅器212がフォトマル90から出力された出力信号を増幅する(出力信号増幅処理ステップS220)。そして、第1アナログ/デジタル変換器214が第1増幅器212により増幅されたアナログ信号をデジタル信号(信号A)に変換する(出力信号A/D変換処理ステップS230)。
同様に、散乱用出力信号処理装置220は、散乱用受光装置(フォトダイオード)110からの出力信号を受信すると(出力信号受信処理ステップS210)、第2増幅器222がフォトダイオード110から出力された出力信号を増幅する(出力信号増幅処理ステップS220)。そして、第2アナログ/デジタル変換器224が第2増幅器222により増幅されたアナログ信号をデジタル信号(信号B)に変換する(出力信号A/D変換処理ステップS230)。
その後、デジタル信号に変換された信号A及び信号Bは蛍光用出力信号処理装置210及び散乱用出力信号処理装置220から出力される(変換信号出力処理ステップS240)。出力された信号A及び信号Bは、次にデータ処理部300に入力される。
〔データ処理部〕
データ処理部300は、例えば、データ収集装置310、データ解析装置320、解析結果出力装置330から構成されている。また、データ収集装置310は、例えば、データを記憶するメモリ(RAM)310から構成されている。
〔データ解析処理〕
図7は、データ解析処理の手順例を示すフローチャートである。
まず、データ処理部300は、蛍光用出力信号処理装置210及び散乱用出力信号処理装置220から出力される信号A及び信号Bを受信する(変換信号受信処理ステップS310)。受信された信号A及び信号Bは、そのままメモリ310の記憶領域に記憶される。
メモリ310への信号A及び信号Bの記憶が終了すると、つぎに、これらの信号A及び信号Bを用いて解析処理(解析処理ステップS340)が行われる。
〔データ解析装置〕
データ解析装置320は、例えば、メモリ310に記憶されたデータ(信号A及び信号B)を解析する計算回路(例えば、CPU322)及び計算処理内容(プログラム、閾値データ)等を予め記憶(保存)したメモリ324(ROM)から構成されている。
〔解析処理〕
図8は、解析処理の手順例を示すフローチャートである。
まず、メモリ310に記憶された信号Bに関して、CPU322により予めメモリ324に記憶された閾値データ(電圧値)と比較される。具体的には、記憶された信号Bの電圧値が閾値B(VthB)以上か否かが判定される(ステップS342)。この判定の結果、信号Bの電圧値が閾値B以上であると判定された場合(ステップS342:Yes)、散乱用受光装置フォトダイオード110に生物粒子35又は非生物粒子37からの散乱光が入射し検出されたことを表している。ここで、生物粒子35又は非生物粒子37からの散乱光が検出されたことを示す散乱光検出フラグをONにする処理が行われてもよい。
次に、メモリ310に記憶された信号Aに関して、CPU322により予めメモリ324に記憶された閾値データ(電圧値)と比較される。具体的には、記憶された信号Aの電圧値が閾値A(VthA)以上か否かが判定される(ステップS344)。この判定の結果、信号Aの電圧値が閾値A以上であると判定された場合(ステップS344:Yes)、蛍光用受光装置フォトマル90に生物粒子35から放出された自家蛍光35eが入射し検出されたことを表している。そして、その自家蛍光35eが検出されたことを示す検出フラグをONにする処理が行われる(ステップS346)。なお、この検出フラグ(ON)は、次に解析結果出力処理装置330にフラグ信号として送信される。
一方、これらの判定の結果、信号Bの電圧値が閾値B以上ではないと判定された場合(ステップS342:No)、又は、信号Aの電圧値が閾値A以上ではないと判定された場合(ステップS344:No)、検出フラグをOFFにする処理が行われ(ステップS348)、自家蛍光35eが検出されなかったことを表している。ここで、上記散乱光検出フラグがONであり、かつ、検出フラグがOFFであった場合、生物粒子35ではない非生物粒子37が検出されたことを示す非生物検出フラグをONにする処理が行われてもよい。なお、この検出フラグ(OFF)は、次に解析結果出力処理装置330にフラグ信号として送信される。また、非生物検出フラグも送信してもよい。
上記解析処理について、各受光装置から出力された出力信号に対応する信号A及び信号Bの図を用いて具体的に説明する。
〔蛍光用受光装置及び散乱用受光装置からの出力信号の一例〕
図9は、蛍光用受光装置及び散乱用受光装置からの出力信号の一例を示す図である。
図9中の上段の信号は蛍光用受光装置のフォトマル90から出力された検出信号に対応する信号Aの時間変化分布、図9中の下段の信号は散乱用受光装置のフォトダイオード110から出力された検出信号に対応する信号Bの時間変化分布を示している。ここで、図9中の上下段に示されている信号A及び信号Bの分布はタイミング調整された分布であると想定する。また、横軸の時間については、時刻t1、t2、t3、…といった順に時間が経過していることを示している。
例えば、時刻t1では、閾値B(VthB(図ではVthB1))よりも大きな信号Bの電圧値がデータ処理部300に入力されたとすると、CPU322は、信号Bの電圧値が閾値B以上であると判定する(ステップS342:Yes)。すなわち、時刻t1に、散乱用受光装置フォトダイオード110に生物粒子35又は非生物粒子37からの散乱光が入射し検出されたことを表している。
そして、CPU322により予めメモリ324に記憶された閾値A(VthA)と、信号Aの電圧値とが比較される(ステップS344)。時刻t1における信号Aについては、閾値Aよりも大きな信号ではないため(ステップS344:No)、時刻t1における信号Bは非生物粒子37からの散乱光となり、検出フラグはOFFにセットされる(ステップS348)。
次に、時刻t2では、CPU322は信号Bの電圧値が閾値B以上であると判定する(ステップS342:Yes)。
そして、CPU322により閾値A(VthA)と信号Aの電圧値とが比較され(ステップS344)、その結果、CPU322は信号Aの電圧値が閾値A以上であると判定する(ステップS344:Yes)。したがって、時刻t2における信号A及び信号Bは生物粒子35からの自家蛍光35e及び散乱光であることを表し、検出フラグがONにセットされる(ステップS346)。
上記のようにして、リアルタイムで生物粒子35の存在の有無の結果が得られることとなる。ここで、信号Aや信号Bの大きさについては、蛍光用受光装置フォトマル90や散乱用受光装置フォトダイオード110に入射する光量に応じ、さらに、散乱光の大きさは生物粒子35又は非生物粒子37の大きさに応じたものとなる。したがって、生物粒子35の存在の有無だけではなく、信号Aや信号Bの大きさに基づいて、生物粒子35又は非生物粒子37の大きさについても測定することができる。
ここで、予めメモリ324に生物粒子35の大きさ(0.1μm〜0.3μm、0.3μm〜0.5μm、0.5μm〜1.0μm、…)に対応する閾値Bが複数個(VthB1、VthB2、VthB3、VthB4、…)記憶してあると想定する。例えば、時刻t2の信号Bについては、VthB1よりも大きくVthB2よりも小さいことから、生物粒子35の大きさは0.1μm〜0.3μmであると測定することができる。なお、生物粒子35の大きさ(0.1μm以上、0.2μm以上、…)に対応する閾値Bとしてもよく、閾値Bは所望により決めればよい。
本実施例では信号記憶処理ステップS310で保存したデータに対して解析処理S340を行っているが、保存せずに閾値B,Aと逐次比較することにより生物粒子35又は非生物粒子37を検出し、リアルタイムに信号Bのピークを検出し、粒径区分を求めてもよい。また、自家蛍光35eの光量に応じた信号Aの大きさは、生物粒子の種類や活性状態にも対応していることから、信号Aのピークを検出することでそれらの情報についても求めてもよい。
上記のように、信号A及び信号Bにより、リアルタイムで生物粒子35の存在の有無を検出することができ、さらに、生物粒子35の大きさも測定することができる。生物粒子35の存在の有無の検出により検出フラグがONにセットされると、次に解析結果出力処理ステップS400により生物粒子35の計数処理が行われる。
〔解析結果出力装置〕
解析結果出力装置330は、データ解析装置320により解析された生物粒子35の個数を計数し、その計数値を報知部400に送信する装置である。
〔解析結果出力処理〕
図10は、解析結果出力処理の手順例を示すフローチャートである。
まず、解析結果出力装置330は、データ解析装置320よりフラグ信号(検出フラグ)を受信する。そして、検出フラグがONにセットされているか否かを判定する(ステップS410)。その結果、検出フラグがONであった場合(ステップS410:Yes)、生物粒子35を検出したとして、カウント数を1増加し計数値を算出する(ステップS420)。そして、計数値(カウント数)を報知部400に送信する(ステップS430)。ここで、図示していないが、リセットボタン(図示せず)が押下された場合や、スタートボタン(図示せず)が押下された場合、カウント数をリセットする処理をステップS410の前に実行してもよい。また、受信したフラグ信号(大きさフラグ)に基づいて、生物粒子35の大きさ別に生物粒子35の個数を計数してもよい。
〔報知部〕
報知部400は、例えば、表示装置410、スピーカー420から構成されている。
〔報知処理〕
図11は、報知処理の手順例を示すフローチャートである。
まず、報知部400は、データ処理部300の解析結果出力装置330が送信してきた計数値を受信する(ステップS510)。次に、表示装置410に受信した計数値に更新し検出した生物粒子35の個数を表示する(ステップS520)。また、スピーカーから報知音を出力する(ステップS530)。ここで、表示装置410に生物粒子35の大きさ別に検出した生物粒子35の個数を表示してもよい。また、リアルタイムでカウントを1づつ増加するといった表示形態でもよく、所定の時間(例えば、5秒間隔)後にその更新した計数値を表示する形態でもよい。
報知音については計数値の増加頻度に対応して出力態様(報知音の出力回数、報知音の高低)を変化させてもよい。また、生物粒子35の大きさに応じて報知音の出力態様も変化させてもよい。例えば、単位時間における0.2μm以上の生物粒子35の計数値が1〜9個である場合は「ピ!」といった単音を1回出力し、その計数値が10〜99個である場合は「ピ!ピ!」といった単音を2回出力し、その計数値が100個以上である場合は「ピ!ピ!ピ!」といった単音を3回出力するといった出力態様でもよい。
図12は、生物粒子35の計数結果を報知する表示装置及びスピーカーの一例を示す図である。表示装置として生物粒子35の大きさ別に計数結果を報知する表示パネル410と、生物粒子35が検出されたことを音で報知するスピーカー420が備えられている。例えば、表示パネル410は、生物粒子35の大きさの基準を示す「Size(μm)」の表示部と、各大きさに対応する検出した生物粒子35の個数(計数値)を示す「Count」の表示部からなる。生物粒子35の大きさの基準を示す「Size(μm)」の表示部には、例えば、3つの値「0.2」「1.0」「5.0」予め表示されている。それぞれの値に関して、「0.2」については、0.2μm以上の生物粒子35の大きさ、「1.0」については1.0μm以上の生物粒子35の大きさ「5.0」については5.0μm以上の生物粒子35の大きさにそれぞれ対応する。又は、「0.2」については0.2μm〜1.0μmの生物粒子35の大きさ、「1.0」については1.0μm〜5.0μmの生物粒子35の大きさ、「5.0」については5.0μm〜の生物粒子35の大きさにそれぞれ対応するように表示してもよく、表示は所望により決めればよい。
ここでは、0.2μm以上の大きさの生物粒子35が321個、1.0μm以上の大きさの生物粒子35が7個、5.0μm以上の大きさの生物粒子35が0個とそれぞれ計数されたことを表している。
上記のように、報知部400は、表示装置410からリアルタイムで生物粒子35の計数値を報知し、スピーカー420から生物粒子35を検出した際に報知音を出力することができる。なお、他にも、報知部400は外部出力端子を備えてもよく、端子を通して別の装置にデータを出力してもよい。
このように、本実施形態によれば、検出(計測)対象とする生物粒子35の細胞内のリボフラビンやNAD(P)Hといった生体内で行っている生命活動の代謝に必要となる物質からの自家蛍光35eの検出を指標とし、物質に対応した波長のレーザー光31を照射し、対象物による散乱光を反射するためのダイクロイックミラー60と、水などによるラマン散乱光33sを遮光し、生物粒子35からの自家蛍光35eを透過する偏光フィルター70とを備えることで、生物粒子35に対する計数精度を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
この第2実施形態では、レーザー光と相互作用して放出される散乱光が進行する散乱面と、その散乱される散乱角度との関係に基づき、光検出システム1をセットアップすることで、ラマン散乱光33sに対して自家蛍光35eの比を高めるものであり、図面を用いてその関係及びセットアップについて具体的に説明する。なお、第1実施形態と同様な構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
〔散乱光強度の角度分布〕
図13は、散乱光強度の角度分布を示す図である。
図13に示すように、縦軸を散乱強度Iの相対値、横軸を散乱角度〔°〕(レーザー光の進行する方向である前方方向に散乱される散乱角度θを0°、後方方向に散乱される散乱角度θを180°)として、異なる粒径パラメータα(=πD/λ)(D:生物粒子35や非生物粒子37についての大きさ(粒径)、λ:入射光の波長)毎に散乱強度Iが異なることが表されている。また、図13内の実線に対応する強度分布i1は、直線偏光しているレーザー光の水平面B(yz面)に散乱される光の強度を示している。そして、図13内の破線に対応する強度分布i2は、レーザー光の垂直面A(xz面)に散乱される光の強度を示している。
例えば、粒径Dが1.16μmの対象物に波長λが405nmの光が入射した場合、粒径パラメータαは9.0であることから、図13のα=9.0に対応した光が散乱され、具体的には、垂直面A(xz面)には散乱強度i2で散乱され、水平面B(yz面)には散乱強度i1で散乱されることが表されている。他にも、対象物に波長λが405nmの光が入射した場合、粒径Dの値(0.52μm、0.26μm、0.13μm、0.06μm)に基づいた粒径パラメータα(4.0、2.0、1.0、0.5)に対応した散乱強度分布i1とi2が表されている。
図14は、粒径パラメータα=1における散乱光の強度の角度分布を示す図である。なお、この図14は、図13の粒径パラメータα=1.0の強度分布i1とi2を半円状のグラフを用いたものであり、同一の強度分布を示すものである。また、一点鎖線は強度分布i1とi2とを合計した強度を示している。
図14に示すように、粒径パラメータαの値が1である場合、すなわち、粒径Dが0.13μmの対象物に波長λが405nmの光が入射した場合の垂直面A(xz面)又は水平面B(yz面)に散乱される光の強度分布i1、i2が表されている。また、前方散乱(散乱角度θ=0°)や後方散乱(散乱角度θ=180°)の場合では、散乱強度分布i1とi2の散乱強度の値が10−2〜10−1であることが示されている。一方、側方方向散乱の場合(散乱角度が90°である場合)では、散乱強度分布i1の散乱強度の値が10−2〜10−1であり、散乱強度分布i2の散乱強度の値はほぼ0であることが示されている。したがって、レーザー光が粒径0.13μmの対象物に入射した際、水平面B(yz面)についてはある程度強弱はあるものの一様に光が散乱されるのに対し、垂直面A(xz面)については前方方向や後方方向(散乱角度θ=0°、180°)に比して側方方向(散乱角度θ=90°)には光が散乱されにくいことを表している。
なお、図13に示すように、粒径パラメータαの値が0.5についても、散乱強度分布i1及びi2が粒径パラメータα=1.0のときと同様な分布をしていることから、垂直面A(xz面)と水平面B(yz面)において散乱される光が同様な振る舞いをすることがわかる。したがって、粒径パラメータαの値が1.0よりも小さい対象物、すなわち、粒径Dが0.13μmよりも小さい対象物から光が散乱される場合、水平面B(yz面)についてはある程度強弱はあるものの一様に光が散乱されるのに対し、垂直面A(xz面)については前方方向や後方方向(散乱角度θ=0°、180°)に比して側方方向(散乱角度θ=90°)には光が散乱されにくいことを表している。
〔水のラマン散乱光の散乱角度に依存する強度関係〕
ここで、生物粒子35の粒径が0.3μm以上のものを検出対象とすると、粒径パラメータαは2.0以上であり、図13によると散乱強度分布i1、i2共にある程度強弱はあるものの一様に光が散乱され、散乱強度分布i2の散乱強度の値がほぼ0になることはない。一方、ラマン散乱光33sを放出する水については、水分子の粒径Dは約0.3nmであると考えると、粒径パラメータαは非常に小さい(約0.002)値となる。したがって、上記で説明したように、水によるラマン散乱光33sは垂直面A(xz面)については、前方方向(散乱角度θ=0°)や後方方向(散乱角度θ=180°)に放出されるのに対し、側方方向(散乱角度θ=90°)には放出されにくい。
そこで、水によるラマン散乱光33sは垂直面A(xz面)の側方方向(散乱角度θ=90°)には放出されにくいことに基づいて、垂直面A(xz面)の側方方向(散乱角度θ=90°)の自家蛍光33eを測定する。
〔光検出システムのセットアップ〕
図15は、第2実施形態における光検出システムのセットアップの一例を示す図である。
図15に示すように、第1実施形態と同様に、光検出システム1は、発光装置10、照射光学レンズ系20、対象流動装置30、遮光装置50、自家蛍光選択光学装置71、第2集光光学レンズ系80、蛍光用受光装置90(フォトマル90)から構成されている。ここで、自家蛍光選択光学装置71の前方方向に設置される集光レンズ系や、自家蛍光選択光学装置71から蛍光用受光装置90の間に設置される遮光壁については図示していない。なお、第1実施形態で説明した偏光フィルター70を自家蛍光選択光学装置71の前方や自家蛍光選択光学装置71から蛍光用受光装置90の間などに設置してもよい。
また、第1実施形態では散乱光選択光学装置60として、図1において散乱光選択光学装置としてダイクロイックミラー60(カットオフ波長410nm)を設置したものを説明していたが、第2実施形態では、ロングパスフィルター71(カットオフ波長490nm)を設置したものを説明する。このロングパスフィルター71(カットオフ波長490nm)により、散乱光を透過させずそれ以外の光を蛍光用受光装置90に向けて透過させる。
発光装置10のレーザーダイオード10の垂直面A(xz面)が図15に示すようになっている。レーザーダイオード10から直線偏光しているレーザー光を照射する方向をz方向とする。このレーザー光は照射光学レンズ系20、対象流動装置30(フローセル30)を通り、レーザー光の進行方向となる前方方向(θ=0°)に設置される遮光装置50(レーザートラップ50)で終端されることとなる。
また、図15に示すように、ロングパスフィルター71、第2集光光学レンズ系80、及び、フォトマル90は、垂直面A(xz面)の側方方向(散乱角度θ1=90°)に設置される。上記で説明したように、水によるラマン散乱光33sは垂直面A(xz面)の側方方向(散乱角度θ=90°)にはほとんど放出されないことから、ロングパスフィルター71に入射する光は、生物粒子35又は非生物粒子37による散乱光と生物粒子35による自家蛍光35eとなる。そして、カットオフ波長が490nmのロングパスフィルター71により、生物粒子35又は非生物粒子37による散乱光は遮光されることとなり、それ以外の光である生物粒子35による自家蛍光35eが透過することとなる。したがって、フォトマル90に入射する光のほとんどは自家蛍光35eとなる。なお、図示していないが、ロングパスフィルター71の前後などに偏光フィルター70を設置すれば、さらにラマン散乱光33sを低減し、自家蛍光35eのSN比を向上できる。また、対象物の散乱光を検出するのであれば、適宜設置すればよい。
このように、本実施形態によれば、水によるラマン散乱光がレーザー光の垂直面(xz面)の側方方向に散乱されにくいことに基づいて、ロングパスフィルター71やフォトマル90を設置することで、生物粒子35に対する計数精度を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
この第3実施形態では、水平面B(yz面)において散乱される自家蛍光35eが散乱角度により異なる関係にあることに基づき、ラマン散乱光33sに対して、自家蛍光35eの比を高めるものであり、図面を用いて具体的に説明する。なお、第1、第2実施形態と同様な構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
〔偏光面と直交する面における光の散乱角度に依存する強度関係〕
図13に示すように、レーザー光の水平面B(yz面)について、散乱される光は粒径パラメータα毎にそれぞれ異なる散乱強度分布i1をしている。例えば、粒径Dが0.3μm以上の検出対象である生物粒子35については、粒径パラメータαは2.0以上の散乱強度分布i1に基づき、後方方向(散乱角度θ=180°)から前方方向(散乱角度θ=0°)になる程散乱強度が大きいことを表している。一方、粒径Dが約0.3nmである水分子については、全周方向に同程度の強度で散乱することを表している。
そこで、水によるラマン散乱光33sは水平面B(yz面)の全方位に同程度放出されること、及び、生物粒子35による自家蛍光35eは前方方向(散乱角度θ=0°)の方が側方方向(散乱角度θ=90°)よりも多く放出されることに基づいて、水平面B(yz面)の前方方向(散乱角度θ=0°)と側方方向(散乱角度θ=90°)からのラマン散乱光33s及び自家蛍光35eを測定し、差分をとる。なお、前方方向(散乱角度θ=0°)で測定することは、ダイクロイックミラーを使用することで可能であるが、散乱角度θ=0°に限らず、前方方向の近傍から測定してもほぼ同様である。
〔光検出システムのセットアップ〕
図16は、第3実施形態における光検出システムのセットアップの一例を示す図である。
図16に示すように、光検出システム1は、発光装置10、照射光学レンズ系20、対象流動装置30、遮光装置50、自家蛍光選択光学装置71s、71k(第1自家蛍光選択光学手段、第2自家蛍光選択光学手段、第1自家蛍光選択光学工程、第2自家蛍光選択光学工程)、第2集光光学レンズ系80s、80k、蛍光用受光装置90s、90k(フォトマル90s、90k)(第1自家蛍光受光手段、第2自家蛍光受光手段、第1自家蛍光受光工程、第2自家蛍光受光工程)から構成されている。ここで、自家蛍光選択光学装置71s、71kの前方に設置される集光レンズ系や、自家蛍光選択光学装置71s、71kから蛍光用受光装置90s、90kの間に設置される遮光壁については図示していない。なお、第1実施形態で説明した偏光フィルター70を自家蛍光選択光学装置71s、71kの前方や自家蛍光選択光学装置71s、71kから蛍光用受光装置90s、90kの間に設置してもよい。
図16に示すように、発光装置10(レーザーダイオード10)から照射される直線偏光しているレーザ光の水平面B(yz面)にそれぞれの装置を設置しており、レーザー光が照射される方向をz方向とする。このレーザー光は照射光学レンズ系20、対象流動装置30のフローセル30内を通りレーザー光の進行方向である前方方向(散乱角度θ=0°)に設置される遮光装置50(レーザートラップ50)で終端されることとなる。
また、ロングパスフィルター71s、第2集光光学レンズ系80s、及び、フォトマル90sは、水平面B(yz面)の側方方向(散乱角度θ1s=90°)に設置され、ロングパスフィルター71k、第2集光光学レンズ系80k、及び、フォトマル90kは、水平面B(yz面)の前方方向(散乱角度θ1k=0°)に設置される。なお、図示していないが、ラマン散乱光33sをさらに低減するために、ロングパスフィルター71s、71kの前後に偏光フィルター70を設置してもよい。また、対象物の散乱光を検出するのであれば、第1実施形態のように適宜設置すればよい。
このように、2箇所にフォトマル90s、90kを設置した場合、上記で説明したように、生物粒子35による自家蛍光35eは前方方向(散乱角度θ1k=0°)の方が側方方向(散乱角度θ1s=90°)よりも多く放出されることとなる。具体的には、粒径と光の波長から粒径パラメータαを算出し、図13のグラフから求めることができる。一方、水によるラマン散乱光33sについては、全方位に同程度放出されることとなる。同様に、ロングパスフィルター71s、71kで遮蔽しきれず、透過するラマン散乱光33s(ラマン散乱光の透過波長帯域成分)も同程度となる。
〔データ解析処理〕
図17は、第3実施形態におけるデータ解析処理の手順例を示すフローチャートである。
図17に示すように、第1実施形態と異なり、第3実施形態におけるデータ解析処理では、変換信号受信処理(ステップS310)の後に、差分処理(ステップS320)が行われる。なお、変換信号受信処理(ステップS310)では、蛍光用出力信号処理装置210により、フォトマル90sから出力された検出信号に基づいて処理された信号Asとフォトマル90kから出力された検出信号に基づいて処理された信号Akとが受信されたと想定する。
〔差分処理(差分手段、差分工程)〕
上記で受信された信号Akと信号Asは、差分装置(例えば、図示しない差分回路)に送られる。差分回路では信号Akと信号Asとの差分(Ak−As)が計算され、計算結果が信号Aとして出力されることなる。
例えば、フォトマル90sの信号(As)は、ラマン散乱光33sの信号(Ass)と自家蛍光35eの信号(Aes)とからなり、フォトマル90kの信号(Ak)は、ラマン散乱光33sの信号(Ask)と自家蛍光35eの信号(Aek)とからなるので、水平面Bに放出される自家蛍光35eについては、フォトマル90kの検出信号に対応する信号Akの大きさに対し、フォトマル90sの検出信号に対応する信号Asは非常に小さいおおきさであることから、その差分はほぼ信号Aek(Aek≫Aes)に基づくものとなる。一方、水平面Bにおいては、ラマン散乱光33sが全周方向に一様に放出され、フォトマル90kと90sから同程度の大きさの検出信号(Ass=Ask)が出力されることから、ラマン散乱光33sに対応する信号は差分計算によりほぼ消去され、自家蛍光35eに対応する信号(Aek)が残ることとなる。その後、それらを用いて解析処理(ステップS340)が行われる。
このように、本実施形態によれば、水平面B(yz面)において、自家蛍光が前方方向(θ〜0°)になるほど多く散乱されることに基づき、2つのフォトマル90s、90kをそれぞれ水平面の前方方向(θ=0°)側方方向(θ=90°)とに設置し、それぞれの出力信号As、Akの差分を算出することで、生物粒子35に対する計数精度を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
第4実施形態においては、ラマン散乱光33sと自家蛍光35eとが放出される時間に基づき、自家蛍光35eの比を高めるものであり、図面を用いて具体的に説明する。なお、他の実施形態と同様な構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
第4実施形態における生物粒子計数器システムは、第1〜第3実施形態と同様に、対象物に光を照射し、対象物からの散乱光や自家蛍光を検出する光検出システム1と、光検出システム1から出力された信号に基づいて自家蛍光数をカウントする自家蛍光計数システム2とから構成されている。ここで、第4実施形態では、他の実施形態と異なり、光検出システム1の発光装置10として、高周波パルスレーザー10を使用し、自家蛍光計測システム2として超高速信号処理装置2を使用する。
図18は、第4実施形態におけるレーザー光と蛍光用受光装置に入射する光に関するタイミングチャートの一例を示す図である。
図18に示すように、高周波パルスレーザー10から時刻t1〜t2のパルスレーザー光を所定の間隔(例、1μs)で照射すると想定する。なお、このパルス幅t1〜t2は、ラマン散乱光33sが出現するまでに要する所定の時間(例、数ps)だけ設定される。
パルスレーザー光は、その後、フローセル30内の水33、生物粒子35、非生物粒子37と相互作用することとなる。ここで、水によるラマン散乱光33sや生物粒子35や非生物粒子37による散乱光については、時刻t3〜時刻t4の間に出現し、そのラマン散乱光33sはほぼ同時刻t3〜t4の間にフォトマル90に散乱光が入射することとなる。なお、この時刻t2〜t3、及び、t3〜t4の間の時間は、数fs〜数psで出現する。
一方、生物粒子35による自家蛍光35eは、パルスレーザー光が照射された後の数ps〜数nsの間に出現することとなる。したがって、図18に示すように、時刻t1〜t4の間の時間(数ps)に比して非常に長い時間(数ns)が経過した時刻t5にフォトマル90に自家蛍光35eが入射することとなる。
例えば、フォトマル90にゲート信号を入力し、上記時刻t4から数ns間に受光した光だけの検出信号を出力させることで、フォトマル90からはラマン散乱光33sに対応する検出信号は出力せずに自家蛍光35eに対応する検出信号だけを出力することができる。
他にも、データ解析処理において、上記時刻t4から数ps〜数ns間に受光した光に対応するものだけ信号Aに変換し出力(記録)し解析を進めてもよい。
上記のように、ラマン散乱光33sと自家蛍光35eとが異なる時間にフォトマル90に到達することに基づいて、超高速信号処理装置2により、高周波パルスレーザー10からパルスレーザー光を照射した時刻の数ps〜数ns後に信号Aが存在するか否かを判定すること、すなわち、自家蛍光35eを検出したことに基づいて生物粒子35が存在するか否かが判定することができ、生物粒子35に対する計数精度を向上させることができる。
〔第5実施形態〕
上記第1〜第3実施形態では、レーザーダイオード10から照射されたレーザー光は、フローセル30内の検出領域において、液体を流す流路方向については照射幅(検出幅)を狭く設定し、流路方向に対して垂直方向はフローセル30内をカバーするために照射幅(検出幅)を広く設定している。したがって、フローセル30に照射されたレーザー光と相互作用を起こすこととなる検出領域はほぼ平面をなしている。例えば、図16で示すならば、フローセル30内の水平面B(yz面)が平面状の検出領域となる。また、このフローセル30の検出領域、すなわち、レーザー光が照射されている平面状の検出領域に対して、蛍光用受光装置90(フォトマル90)をその平面がある面上に設置して散乱光や自家蛍光35eを検出している。
ここで、フローセル30の平面状の検出領域を真横(フォトマル90側)から見るとほぼ線状(上記照射幅の長さの線)となり、この線状の検出領域全体からの光を1つの受光素子で集光している。水によるラマン散乱光33sについては、検出領域全体を占めている水から放出されるのに対し、自家蛍光35eについては、検出領域の生物粒子35が位置する場所から放出される。したがって、自家蛍光35eと比較すると、ラマン散乱光33sは検出領域全体から放出されていることから非常に多く放出されることとなっている。
そこで、第5実施形態においては、検出領域全体から放射される光をまとめて1つの受光素子で検出するのではなく2次元に配置された複数の受光素子(多分割受光素子)で検出することで、ラマン散乱光33sを各受光素子に分散して自家蛍光35eの比を高めるものであり、図面を用いて具体的に説明する。
〔フローセル〜集光光学レンズ系〜蛍光用受光装置〕
図19は、第5実施形態におけるフローセルの検出領域と蛍光用受光装置の検出位置を説明する図である。
図19に示すように、例えば、レーザー光が照射される検出領域30t近辺のフローセル30の形状をL字形状とし、液体が流動している進行方向に対して直交する方向に照射することで、検出領域30tを形成している。そして、液体が流動している進行方向の中心軸上に第2集光光学レンズ系80の中心軸を合わせて設置し、同様にその軸上の第2集光光学レンズ系80の後方に蛍光用受光装置90の中心軸を合わせて設置する。このように第2集光光学レンズ系80と蛍光用受光装置90を設置することで検出領域30tを2次元の平面として捉えることができる。ここでは、フローセル30をL字形状としたが、限定するものではなく、中空の四角柱の筒形状であっても、照射光を適度に傾ければ、検出領域の平面側を観測できる。また、検出領域の線状側を観測したとしても、線として捉えることができるので、二次元の平面ほどではないがラマン散乱光を分散させる効果がある。
ここで、図示していないが、散乱光選択光学手段、遮光壁、偏光フィルター等は必要に応じて、上記第1実施形態などと同様に設置する。
また、図19に示すように、第5実施形態における蛍光用受光装置90として多分割受光素子90を備えることとする。この多分割受光素子は、縦横にn×m(複数)個の受光素子を配列したものであり、例えば、16個ずつ配列したとすると計256個(16×16個)の検出信号を出力することができる。したがって、この多分割受光素子90を備えることで、検出領域30t全体をn×m個に分割して、分割された各分割領域からの光をそれぞれ検出することができる。
そして、生物粒子35が検出領域30tの特定の位置に存在していた場合、生物粒子35から放出された自家蛍光35eは、第2集光光学レンズ系80により多分割受光素子90の入射面97の位置97eに集光されることとなる。多分割受光素子90の入射面97の位置97eに入射した自家蛍光35eは、その位置97eに対応した受光素子により検出されることとなる。
一方、検出領域30tにおいて放出される水によるラマン散乱光33sも同様に第2集光光学レンズ系80により多分割受光素子90に結像されることとなる。ここで、検出領域30t全体をn×m個に分割しているので、各分割領域からのラマン散乱光33sはそれぞれに対応した多分割受光素子90の受光素子において検出するので、1つの分割領域から放出されるラマン散乱光の強さは全体の強さの1/(n×m)にすることができる。
例えば、上記16×16個の多分割受光素子90の場合、1つあたりの受光素子から出力される検出信号について、生物粒子35による自家蛍光35eでは、上記第1実施形態〜第4実施形態と同様の大きさの検出信号を出力するのに対し、水によるラマン散乱光33sでは、上記第1実施形態〜第4実施形態の約1/256の大きさの検出信号を出力することとなる。したがって、ラマン散乱光33sの検出信号は低減され、自家蛍光35eがより検出しやすくなる。
このように、本実施形態によれば、検出領域を平面で検出するとともに、マルチチャンネルの蛍光用受光装置を備えることで、生物粒子35に対する計数精度をより向上させることができる。
1 光検出システム
2 自家蛍光計数システム
10 発光装置
20 照射光学レンズ系
30 対象流動装置
40 第1集光光学レンズ系
50 遮光装置
60 散乱光選択光学装置
65 遮光壁
70 自家蛍光選択光学装置
80 第2集光光学レンズ系
90 蛍光用受光装置
100 第3集光光学レンズ系
110 散乱用受光装置
200 検出信号処理部
300 データ処理部
400 報知部

Claims (12)

  1. 検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光手段と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光について、前記発光手段により照射される前記光の偏光方向と同じ偏光方向を有する光を遮蔽する偏光光学選択手段と、
    前記偏光光学選択手段により透過された後の光の有無に基づいて、前記液体に生物粒子が含まれるか否かを判定する生物粒子判定手段と
    を備えることを特徴とする生物粒子計数器。
  2. 請求項1に記載の生物粒子計数器において、
    前記偏光光学選択手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第1信号を出力する自家蛍光受光手段と、
    前記対象物から放出される散乱光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第2信号を出力する散乱光受光手段と、
    前記散乱光受光手段により出力された前記第2信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記液体に含まれる対象物から放出された散乱光を検出したとして検出信号を出力する散乱光検出信号出力手段と、
    前記散乱光選択光学手段から前記自家蛍光受光手段までの光路に、前記光路以外から入射する光が入り込むことを防ぐ遮光壁と
    をさらに備え、
    前記生物粒子判定手段は、
    前記散乱光検出信号出力手段により前記検出信号が出力された場合であって、前記散乱光受光手段により前記対象物から放出された前記散乱光が受光された時点と同時期に前記自家蛍光受光手段により光が受光され、前記時点と同時期に前記自家蛍光受光手段により前記受光された光に対応する前記第1信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記散乱光検出信号出力手段により出力された前記検出信号に対応する前記液体に含まれる前記対象物を生物粒子であると判定することを特徴とする生物粒子計数器。
  3. 検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光手段と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光のうち、前記対象物から放出される自家蛍光の波長帯域を透過させる自家蛍光選択光学手段と、
    前記自家蛍光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する自家蛍光受光手段と、
    前記自家蛍光受光手段からの前記信号に基づいて、前記液体に生物粒子が含まれるか否かを判定する生物粒子判定手段と
    を備え、
    前記自家蛍光受光手段は、
    前記発光手段により照射される前記光の偏光方向から前記対象物により放出される光を受光することを特徴とする生物粒子計数器。
  4. 検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光手段と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光のうち、前記発光手段により照射される前記光の偏光方向と進行方向に直交する方向に前記対象物から放出される自家蛍光の波長帯域を透過させる第1自家蛍光選択光学手段と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光のうち、前記発光手段により照射される前記光の進行方向に前記対象物から放出される自家蛍光の波長帯域を透過させる第2自家蛍光選択光学手段と、
    前記第1自家蛍光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する第1自家蛍光受光手段と、
    前記第2自家蛍光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する第2自家蛍光受光手段と、
    前記第1自家蛍光受光手段により出力された信号と前記第2自家蛍光受光手段により出力された信号を差分した差分信号を出力する差分手段と、
    前記差分手段からの前記差分信号に基づいて、前記液体に生物粒子が含まれるか否かを判定する生物粒子判定手段と
    を備えることを特徴とする生物粒子計数器。
  5. 検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光のパルスを照射する発光手段と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する受光手段と、
    前記受光手段により出力された信号ついて、散乱光による信号が出力された後から、数ナノ秒以内に自家蛍光による信号が出力されたか否かに基づいて、前記液体に含まれる前記対象物が生物粒子であるか否かを判定する生物粒子判定手段と
    を備えることを特徴とする生物粒子計数器。
  6. 検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光手段と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により側方に放出される光のうち、透過する前記液体から放出されるラマン散乱光を低減し、且つ前記対象物から放出される自家蛍光を透過させる自家蛍光選択光学手段と、
    前記自家蛍光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する受光素子を複数配列した多分割受光素子からなる自家蛍光受光手段と、
    前記自家蛍光受光手段の前記各受光素子からの前記信号について、一部の前記受光素子からの前記信号が他の前記受光素子からの前記信号よりも大きい場合に、前記液体に生物粒子が含まれると判定する生物粒子判定手段と
    を備えることを特徴とする生物粒子計数器。
  7. 検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光工程と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光工程により照射された光との相互作用により放出される光について、前記発光工程により照射される前記光の偏光方向と同じ偏光方向を有する光を遮蔽する偏光光学選択工程と、
    前記偏光光学選択工程により透過された後の光の有無に基づいて、前記液体に生物粒子が含まれるか否かを判定する生物粒子判定工程と
    を含むことを特徴とする生物粒子計数方法。
  8. 請求項7に記載の生物粒子計数方法において、
    前記偏光光学選択工程を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第1信号を出力する自家蛍光受光工程と、
    前記対象物から放出される散乱光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第2信号を出力する散乱光受光工程と、
    前記散乱光受光工程により出力された前記第2信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記液体に含まれる対象物から放出された散乱光を検出したとして検出信号を出力する散乱光検出信号出力工程と、
    前記散乱光選択光学工程から前記自家蛍光受光工程までの光路に、前記光路以外から入射する光が入り込むことを防ぐ遮光工程と
    をさらに含み、
    前記生物粒子判定工程は、
    前記散乱光検出信号出力工程により前記検出信号が出力された場合であって、前記散乱光受光工程により前記対象物から放出された前記散乱光が受光された時点と同時期に前記自家蛍光受光工程により光が受光され、前記時点と同時期に前記自家蛍光受光工程により前記受光された光に対応する前記第1信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記散乱光検出信号出力工程により出力された前記検出信号に対応する前記液体に含まれる前記対象物を生物粒子であると判定することを特徴とする生物粒子計数方法。
  9. 検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光工程と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光工程により照射された光との相互作用により放出される光のうち、前記対象物から放出される自家蛍光の波長帯域を透過させる自家蛍光選択光学工程と、
    前記自家蛍光選択光学工程を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する自家蛍光受光工程と、
    前記自家蛍光受光工程からの前記信号に基づいて、前記液体に生物粒子が含まれるか否かを判定する生物粒子判定工程と
    を含み、
    前記自家蛍光受光工程は、
    前記発光工程により照射される前記光の偏光方向から前記対象物により放出される光を受光することを特徴とする生物粒子計数方法。
  10. 検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光工程と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光工程により照射された光との相互作用により放出される光のうち、前記発光工程により照射される前記光の偏光方向と進行方向に直交する方向に前記対象物から放出される自家蛍光の波長帯域を透過させる第1自家蛍光選択光学工程と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光工程により照射された光との相互作用により放出される光のうち、前記発光工程により照射される前記光の進行方向に前記対象物から放出される自家蛍光の波長帯域を透過させる第2自家蛍光選択光学工程と、
    前記第1自家蛍光選択光学工程を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する第1自家蛍光受光工程と、
    前記第2自家蛍光選択光学工程を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する第2自家蛍光受光工程と、
    前記第1自家蛍光受光工程により出力された信号と前記第2自家蛍光受光工程により出力された信号を差分した差分信号を出力する差分工程と、
    前記差分工程からの前記差分信号に基づいて、前記液体に生物粒子が含まれるか否かを判定する生物粒子判定工程と
    を含むことを特徴とする生物粒子計数方法。
  11. 検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光のパルスを照射する発光工程と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光工程により照射された光との相互作用により放出される光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する受光工程と、
    前記受光工程により出力された信号ついて、散乱光による信号が出力された後から、数ナノ秒以内に自家蛍光による信号が出力されたか否かに基づいて、前記液体に含まれる前記対象物が生物粒子であるか否かを判定する生物粒子判定工程と
    を含むことを特徴とする生物粒子計数方法。
  12. 検出する対象物を含む液体に向けて直線偏光の所定の波長の光を照射する発光工程と、
    前記対象物又は前記液体と前記発光工程により照射された光との相互作用により側方に放出される光のうち、透過する前記液体から放出されるラマン散乱光を低減し、且つ前記対象物から放出される自家蛍光を透過させる自家蛍光選択光学工程と、
    前記自家蛍光選択光学工程を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じた大きさの信号を出力する受光素子を複数配列した多分割受光素子からなる自家蛍光受光工程と、
    前記自家蛍光受光工程の前記各受光素子からの前記信号について、一部の前記受光素子からの前記信号が他の前記受光素子からの前記信号よりも大きい場合に、前記液体に生物粒子が含まれると判定する生物粒子判定工程と
    を含むことを特徴とする生物粒子計数方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015118000A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 アズビル株式会社 粒子検出装置及び粒子の検出方法

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