JP2013162741A - 非接地配電系統の三相電力潮流解析のための方法およびシステム - Google Patents

非接地配電系統の三相電力潮流解析のための方法およびシステム Download PDF

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Abstract

【課題】非接地配電系統のための三相電力潮流解析方法を提供する。
【解決手段】非接地配電系統の三相電力潮流解析のための方法が、配電系統のトポロジーを主線系統と一組のタップ系統とに分割し、主線系統は、スイングバスと、一組の定有効電力および電圧大きさ(PV)バスとを接続する主線バスによって形成され、タップ系統は、1つまたは多数のタップバスによって形成され、各タップ系統のルートバスが主線バスに対応するようになっている。本方法は、次に、主線バスの電圧を、各タップ系統の総負荷の関数に基づいて求め、タップバスの電圧を、主線バスの対応するルートバスと、各タップバスの負荷とに基づいて求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、包括的には配電系統に関し、より詳細には非接地配電系統のための三相電力潮流解析に関する。
配電系統の機能は、伝送システムから顧客に電力を送達することである。配電系統は、三相四線式または三相三線式のいずれかとすることができる。伝送システムまたは分散型発電機(distribution generator)からの電力は、伝送線路と、電圧レギュレータ、二巻線変圧器、または三巻線変圧器等の様々な電圧調整デバイスとを通して顧客に送達される。顧客負荷は、単相または三相とすることができる。負荷は、定電力負荷、定電流負荷、または定インピーダンス負荷とすることができる。
図1は、三相表現101および単線接続図102の双方を含むサンプル配電系統の概略図を示している。サンプル系統は、1つのΔ結線された三相電源110と、2つの三相伝送線路120および140と、1つのΔ結線された三相負荷150と、Y/Δ結線を有する1つの二巻線変圧器130とを備える。系統内に、バス115と、バス125と、バス135と、バス145とを含む4つの三相バスが存在する。このサンプル配電系統は、非接地配電系統である。
三相電力潮流解析の目的は、特定の電源および負荷状態について、配電系統における任意のバスの各相において電圧を得ることである。電圧が既知となった後、各相における各分岐内の電流および電力、並びに発生源(generation source)の出力を解析的に求めることができる。
非接地配電系統は、配電系統の特殊な例である。非接地配電系統は、三相三線構成を採用する。変圧器または電圧レギュレータの巻線は、Δ結線、非接地Y結線、またはV結線を用いる。Δ結線またはV結線は、一般に、分散負荷または分路コンデンサのために用いられる。電力潮流計算法(power flow method)の効率性は、どのタイプのデバイスがモデル化されるか、およびデバイスが、そのデバイス自体において、および他のデバイスとどのように接続されるかに大きく依拠している。
既知のパラメータに依拠して、配電系統のバスは、(1)電圧の大きさ|V|および位相角θが既知である場合、スイングバスとして、(2)有効電力Pおよび無効電力Qが既知である場合、PQバスとして、(3)有効電力Pおよび電圧の大きさ|V|が既知である場合、PVバスとして、分類することができる。バスタイプは、接続された電源および負荷の既知のパラメータによって決まる。
三相電力潮流問題を解く様々な方法が既知である。これらの方法は、システムを記述する式の形式、または用いられる数値手法において異なり、通常、トポロジーに基づくか、または行列に基づく。通常のトポロジーに基づく方法は、後方/前方掃引法と、ラダー法とを含む。通常の行列に基づく方法は、暗黙的Zバス行列法と、ニュートン−ラプソン法と、高速分割法とを含む。これらの方法の全てが、大きなシステムに適用されると、モデル化機能または計算効率のいずれかにおいて、それらの方法独自の制限を有する。
本発明の様々な実施の形態の目的は、大規模な非接地配電系統に適した電力潮流解析のための、高速で正確な方法を提供することである。
本発明の実施の形態は、配電系統を、そのトポロジーに従って分割することによって、各タイプの系統の詳細な解析が簡単になるという認識に基づいている。これは、なぜなら、そのような分割によって、複数のPVバスを扱うのに行列に基づく方法を利用することができ、また、放射状系統のためのトポロジーに基づく方法によって提供される計算効率を利用することができるためである。このため、そのような分割および再帰的解析によって、電力潮流解析の効率性を増大させることが可能になる。
トポロジーの接続性の解析に基づいて、配電系統は、主線系統とタップ系統とに分割され、主線系統およびタップ系統は、例えば、それぞれ、ノードアドミタンス行列に基づくニュートン法、およびトポロジーに基づく後方/前方掃引によって再帰的に解析される。本方法は、複数のPVバスを扱う行列に基づく方法によって提供される強力な機能、および放射状系統のためのトポロジーに基づく方法によって提供される計算効率を最大限に利用している。分割の間、三巻線変圧器は、検討される3つの二巻線変圧器に分割される。
幾つかの実施の形態では、電圧レギュレータ等のゼロインピーダンス分岐の影響は、これらの分岐を隣接したインピーダンス分岐と一体化することによってモデル化されており、従来の方法によって用いられていた、これらの分岐に小さなインピーダンスを付加することによって生じる誤差または乖離の問題は、回避されている。位相ごとに有効電力を任意に設定する一般的な慣例と異なり、本方法は、厳密に電圧の平衡がとられた三相PVバスの制御要件をモデル化し、これによって三相有効電力の和が一定に維持され、3つの相電圧が、平衡がとられた一定の大きさを有する状態に維持される。正確度の改善に加えて、本方法は、また、PVバスの3つの相を1つの相に一体化し、ゼロインピーダンス分岐バスのうちの1つをモデルから除去することによって、アドミタンス行列をさらに縮小する。
バス初期電圧にスイングバス値を設定し、初期化ループ補償電流をゼロとして初期化する代わりに、幾つかの実施の形態は、バス電圧およびループ補償電流を適切に初期化し、このため、収束した電圧およびループ補償を解く反復数を、さらに低減する。例えば、初期ループ補償電流は、接続されたループ負荷と、ループ経路インピーダンスのみによって定義される配分係数行列とに基づくことができる。初期バス電圧は、各バスをスイングバスと接続する経路に沿った変圧器およびレギュレータの増幅器係数に基づいて設定することができる。
幾つかの実施の形態は、非接地バスについて、線間電圧を、相−接地間電圧に一意に変換する解析式を用いる。この解析式を用いることにより、タップ系統における非接地変圧器は、線間電圧に基づくアドミタンスモデルを用いることによって解かれ、相−接地間電圧に基づくアドミタンスモデルを用いた場合に、結果として生じる行列特異性が回避される。この式は、ゼロインピーダンス分岐の線間電圧に基づく増幅係数行列に基づいて、主線系統のノードアドミタンス行列を構築することも可能にする。タップ解決プロセスは、線路充電を、接続されたバスに統合することによってさらに単純化され、直列線路電流のみが反復中に用いられる。
したがって、本発明の様々な実施の形態は、非接地配電系統を、主線系統とタップ系統とに分割することによって解析するハイブリッド三相電流潮流法を開示する。主線系統は、スイングバスおよびPVバスを接続する経路を含み、幾つかの実施の形態では、主線系統は、ゼロインピーダンス分岐を隣接するインピーダンスに一体化し、PVバスの3つの相を、平衡を取られた電源電圧とまとめて単相にすることによって単純化される。有効電力式および無効電力式は、極座標において定式化し、ニュートン法によって、定ヤコビ行列を用いてスパース行列分解アルゴリズムにより解くことができる。
タップ系統は、主線バスのうちの1つによって給電され、バスの下流の全ての負荷にサービス提供し、補償法を用いて後方/前方掃引によって解くことができる。タップ系統のループを切断して放射状経路にすることができ、ループのインピーダンスに基づく配分行列を用いて、並行なループ経路間で下流電流を最初に配分することができる。
幾つかの実施の形態では、線間電圧の、相−接地間電圧への変換を適用し、線間電圧に基づくレギュレータおよび変圧器パラメータを用いて、主線アドミタンス行列を構築し、タップ系統解法の計算を単純化することができる。各バスをスイングバスと接続する経路に沿った変圧器およびレギュレータの増幅器係数に基づいて初期電圧を求めることができる。2つの連続した反復間の最大電圧不一致が所定のしきい値未満となるまで、主線系統およびタップ系統は、反復的に解かれる。
したがって、1つの実施の形態は、非接地配電系統の三相電力潮流解析のための方法であって、配電系統のトポロジーを主線系統と一組のタップ系統とに分割することであって、主線系統は、スイングバスと、一組の定有効電力および電圧大きさ(PV)バスとを接続する主線バスによって形成され、タップ系統は、1つまたは多数のタップバスによって形成され、各タップ系統のルートバスが主線バスに対応するようになっている、分割することと、主線バスの電圧を、各タップ系統の総負荷の関数に基づいて求めることと、タップバスの電圧を、主線バスの対応するルートバスの電圧と、各タップバスの負荷とに基づいて求めることと、を含み、本方法のステップは、プロセッサによって実行される、非接地配電系統の三相電力潮流解析のための方法を開示する。
別の実施の形態は、非接地配電系統の三相電力潮流解析のためのシステムを開示する。本システムは、配電系統のトポロジーを主線系統と一組のタップ系統とに分割し、収束判断基準が満たされるまで、配電系統の各バスの電圧を再帰的に求めるためのプロセッサであって、各反復は、タップ系統の総負荷と、主線系統のルートバスの電圧とを更新する、プロセッサを備える。
従来の三相非接地配電系統の例である。 本発明の幾つかの実施の形態による、三相負荷潮流解析方法のブロック図である。 本発明の幾つかの実施の形態による、配電系統を、1つの主線系統、および複数のタップ系統に分割する例を示す図である。 本発明の幾つかの実施の形態による、三巻線三相変圧器を、3つの統合された二巻線三相変圧器に分割する例を示す図である。 本発明の幾つかの実施の形態による、タップ系統のループを切断してタップ系統の2つの別個の放射状経路にする例を示す図である。 本発明の幾つかの実施の形態による、タップ系統の線路の線路充電を隣接したバスに一体化し、線モデルを、単なる直列インピーダンスモデルとして単純化する例を示す図である。 本発明の幾つかの実施の形態による、三相ゼロインピーダンス分岐を有する主線系統を、非ゼロインピーダンス分岐を有する主線系統の等価モデルに変換する例を示す図である。 本発明の幾つかの実施の形態による、三相平衡電圧PVバスを有する主線系統を、等価な単相PVバスを有する主線系統の等価モデルに変換する例を示す図である。 本発明の幾つかの実施の形態による、非接地配電系統のモデルを解析するためのハイブリッド三相電力潮流解析法のブロック図である。
主線系統およびタップ系統
図2は、非接地配電系統等の、配電系統の三相電力潮流解析のための方法200のブロック図を示している。トポロジー接続性解析210に基づいて、配電系統は、主線系統230と、一組のタップ系統240とに分割される(220)。主線系統およびタップ系統は、本発明の様々な実施の形態に従って再帰的に解析される(290)。例えば、主線バスの電圧270は、タップ系統の総タップ負荷255に基づいて求められる(260)。総タップ負荷は、例えば、スイングバスの電圧および配電系統のトポロジーに基づいて初期化することができる(250)。次に、主線電圧270を用いて、主線の対応するルートバスの電圧に基づいて、タップバスの電圧285が求められる(280)。方法200は、プロセッサ201によって実行することができる。系統のトポロジー210は、あらかじめ定め、メモリ内に記憶することができる。
負荷が電圧に依拠することにより、収束判断基準295が満たされるまで主線系統およびタップ系統の電圧が再帰的に求められる(290)。例えば、1つの実施の形態では、反復は、総タップ負荷と、例えば、主線バスのノードアドミタンス行列とに基づいて主線バスの電圧を更新すること(260)と、主線の対応するルートバスの電圧に基づいてタップバスの電圧を更新すること(280)と、対応するタップ系統のタップバスの電圧に基づいて総タップ負荷を更新すること(250)とを含む。
本発明の様々な実施の形態は、配電系統のトポロジーに従ってその配電系統を分割することによって、各タイプの系統の詳細な解析が単純化されるという認識に基づいている。これは、なぜなら、そのような分割は、複数のPVバスを扱うのに行列に基づく方法を利用することができ、また、放射状系統のためのトポロジーに基づく方法によって提供される計算効率を利用することができるためである。このため、そのような分割および反復的な解析によって、電力潮流解析の効率性を増大させることが可能になる。
例えば、本発明の1つの実施の形態は、以下でより詳細に説明するように、各タップ系統の総負荷を、後方掃引に基づいて求め、一組の現在の総負荷を生成し、主線バスの電圧を、一組の現在の総負荷と、主線バスのアドミタンス行列とに基づいて更新し、主線バスの現在の電圧を得る。実施の形態は、次に、タップバスの電圧を、前方掃引を用いて主線バスの現在の電圧に基づいて更新する。
図3は、配電系統を、対応する主線系統350と、2つのタップ系統360および370とに分割する例を示している。本明細書において用いられるとき、主線系統は、スイングバスと、一組の定有効電力および定電圧大きさ(PV)バスとを接続する主線バスによって形成され、タップ系統は、1つまたは複数のタップバスによって形成され、各タップ系統のルートバスが主線バスに対応するようになっている。
例において、主線系統350は、1つのスイングバス310と、1つのPVバス320と、2つのタップ系統360および370のための2つのルートバス330および340とを含む、6つのバスを含む。例示的な主線系統350のバスは、ループを形成する。タップ系統360は、タップ系統360のルートバスである主線バス330から開始して、バス330の下流の全てのバスおよびデバイスを含む。見てとることができるように、タップ系統360もループを形成する。タップ系統370は、主線系統の対応するルートバス340から開始し、バス340の下流の全てのバスおよびデバイスを含む。タップ系統370は、ループを有せず、放射状系統である。
検討中のバスとルートとの間に接続されるデバイス数に基づいて、タップ系統を層に分割することができる。例えば、タップ系統360は、4つの層に分割することができ、第1の層は、1つのバスを含み、最後の層は、3つのバスを含む。同様に、タップ系統370は、3つの層に分割することができる。幾つかの実施の形態は、前方/後方掃引解析においてタップ系統の層を用いる。
本発明の幾つかの実施の形態は、配電系統のモデルを、本発明の様々な実施の形態による電力潮流解析に適した等価モデルに変換することができるという別の認識に基づいている。例えば、幾つかの実施の形態は、一組の三巻線変圧器を一組の二巻線変圧器として表すことによってトポロジーを更新するか、タップバスのサブセットによって形成されたタップ系統のトポロジーのループを放射状経路に変換するか、またはゼロインピーダンス主線分岐および隣接するインピーダンス主線分岐を、新たなインピーダンス分岐に一体化する。これらの実施の形態は、電力潮流解析の効率性および正確度をさらに増大させる。
また、本発明の幾つかの実施の形態は、三相PVバスに接続されたインピーダンス分岐のノードアドミタンス行列を、単相バスのモデルに基づいて求めるべきであるというさらに別の認識に基づいている。なぜなら、PVバスは平衡電圧源に接続されており、調整されるパラメータは、平衡電圧の電圧大きさと、3つの相の総有効電力とであるためである。したがって、幾つかの実施の形態は、単相バスの位相を、PVバスの3つの相の和に対応するものとして求め、ノードアドミタンス行列に基づいて主線バスの電圧を更新する。
さらに、バス初期電圧にスイングバス値を設定し、補償電流をゼロとして初期化する代わりに、幾つかの実施の形態は、接続されたループ負荷と、ループ経路インピーダンスのみによって定義された配分係数行列とに基づいてループ補償電流を初期化し、各バスをスイングバスと接続する経路に沿った変圧器およびレギュレータの増幅器係数に基づいて初期バス電圧を設定する。これらの実施の形態は、電力潮流解析中の再帰の収束を高める。
付加的にまたは代替的に、幾つかの実施の形態は、非接地バスについて、線間電圧を、相−接地間電圧に一意に変換する解析式を用いる。この解析式を用いることにより、タップ系統における非接地変圧器は、線間電圧に基づくアドミタンスモデルを用いることによって解析され、相−接地間電圧に基づくアドミタンスモデルを用いた場合に結果として生じる行列特異性が回避される。この式は、ゼロインピーダンス分岐の線間電圧に基づく増幅係数行列に基づいて、主線系統のノードアドミタンス行列を構築することも可能にする。タップ解決プロセスは、線路充電を、接続されたバスに統合することによってさらに単純化され、直列線路電流のみが反復中に用いられる。
三巻線変圧器
本発明の幾つかの実施の形態は、3つの統合された二巻線変圧器として三巻線変圧器を表し、二端子に基づく接続性解析法を、配電系統の分割に適用するのを容易にする。これらの二巻線変圧器は、別個にモデル化され、様々なシステムに存在することができる。二巻線接続は、三巻線接続に基づいて求めることができる。例えば、W/W/Wで接続された三巻線変圧器の場合、W、W、およびWは、その一次巻線、二次巻線、および三次巻線の対応する接続タイプであり、3つの二巻線変圧器の接続は、それぞれ、W/W、W/W、およびW/Wとして設定される。
図4は、三巻線変圧器410を3つの二巻線変圧器460、470、および480に変換する例を示している。この例における三巻線変圧器の結線タイプは、Y/Y/Δ411である。変圧器410は、一次バス420、二次バス430、および三次バス440を含む3つのバスに接続される。変換490中、三巻線変圧器は3つの二巻線変圧器に置き換えられ、新たなバスである中性バス450が加えられる。巻線接続タイプは、一次バス420と中性バス450との間の変圧器460についてY/Y421として、中性バス450と二次バス430との間の変圧器470についてY/Y431として、中性バス450と三次バス440との間の変圧器480についてY/Δ441として設定される。他の変形も可能である。
一次側、二次側、および三次側のタップ位置は、三巻線によって与えられた設定に保持される。中性側のタップ位置は、ゼロとして設定される。各二巻線の変圧器インピーダンスは、三巻線変圧器の場合の一次側、二次側、および三次側間の変圧器インピーダンスに基づいて計算される。
Figure 2013162741
pn、zsn、およびztnは、一次と中性との間、二次と中性との間、および三次と中性との間の変圧器の等価インピーダンスである。zps、zpt、およびzstは、一次側、二次側、および三次側間の所与のインピーダンスパラメータである。
ループ
幾つかの実施の形態では、主線系統は、ノードアドミタンス行列に基づく方法を用いて解析され、このため、本方法において、ループは直接モデル化することができる。一方、タップ系統は、放射状系統のために設計された後方/前方掃引法を用いて解析される。したがって、本発明の幾つかの実施の形態は、後述するように、ループを切断して放射状経路のモデルにする。ループによって供給される下流負荷電流は、切断点における電圧を同一にするために、適切に配分される。
図5は、上流交点バスと下流交点バスとの間、例えば、バス510とバス520との間で形成されるループを有するタップ系統の等価モデルの構築例を示している。上流または下流は、例えば、スイングバスへの距離によって定義される相対的な用語である。例えば、スイングバスにより近いバスは、上流バスであり、スイングバスからより遠いバスは、下流バスと呼ばれる。バス510からバス520まで利用可能な2つの経路が存在する。一方の経路は、バス512、516、および518を通るものであり、他方の経路は、バス526および524を通るものである。バス520における負荷電流は、Idn550である。
1つの実施の形態は、下流交点バスを2つの切断点、すなわち、一方は、元のバス520であり、他方は、新たな補償バス560である2つの切断点と置き換えることによってループをモデル化する(501)。補償電流Icomp570が、負荷として補償バス560に加えられ、負の負荷として元のバス520に加えられる。バス520の負荷電流580は、元の負荷電流Idn550から補償電流Icomp570を減算したものとして設定される。
相a、b、およびcにおける補償電流Icompのベクトルは、以下に従って求めることができる。
Figure 2013162741
ここで、ベクトルIdnは、下流交点バス520を通して供給された電流を含み、配分係数行列Acompは、2つの平行なループ経路間の下流電流を配分するのに用いられる。配分係数行列は、以下に従って、2つの経路の直列インピーダンス行列に基づいて計算される。
Figure 2013162741
ここで、Zup−dnは、上流バス510と下流バス520との間の経路のインピーダンス行列であり、Zup−compは、上流バス510と補償バス570との間の経路のインピーダンス行列である。
経路インピーダンス行列を構築するとき、線路部分の並列アドミタンスは、無視され、変圧器または電圧レギュレータは、ゼロインピーダンスとして扱われ、直列インピーダンスのみが用いられる。経路に沿ったデバイスが全て三相のデバイスである場合、経路インピーダンス行列は、3×3の行列である。
配分係数行列を用いて、最初に、下流バスにおける負荷を2つの並列な経路に配分する。1つの実施の形態は、2つの切断点における電圧が互いに整合しないとき、2つの経路における電流を調整する。増分補償電流ΔIcompは、以下に従って求めることができる。
Figure 2013162741
ここで、ベクトルΔVcompは、補償バスとループ下流交点バスとの間の電圧差である。
Figure 2013162741
ここで、Vcomp575は、バス560における相−接地間電圧であり、Vdn585は、バス520における相−接地間電圧であり、Zcompは、ループインピーダンス行列であり、独立ループの場合、以下に従って2つの経路インピーダンス行列の和として求めることができる。
Figure 2013162741
ループのうちの幾つかが異なるループ間の共通経路を共有している場合も、式(4)を依然として適用することができる。この場合、ベクトルΔIcompおよびΔVcompは、ループごとに、対応する補償電流および電圧変化を含む。ループインピーダンス行列Zcompは、ループごとの経路インピーダンス行列と、ループ間の共通経路インピーダンスとに基づいて形成される。対角部分行列は、ループ内の全ての分岐の分岐インピーダンスの和に等しく、非対角部分行列は、2つのループが1つまたは複数の共通分岐を共有する場合のみ非ゼロである。非対角部分行列の符号は、2つのループの補償電流の相対的方向に依拠する。
配電線
バスpとバスsとの間のインピーダンス分岐についての分岐電流とバス電圧との間の関係は、以下のように記述することができる。
Figure 2013162741
ここで、Ipsは、バスpを通って分岐に流れる相電流のベクトルであり、Ispは、バスsを通って分岐に流れる相電流のベクトルである。Vは、バスpにおける相電圧のベクトルであり、Vは、バスsにおける相電圧のベクトルであり、Yppは、バスpにおける自己アドミタンス行列であり、Yssは、バスsにおける自己アドミタンス行列であり、Ypsは、バスpとバスsとの間の相互アドミタンス行列であり、Yspは、バスsとバスpとの間の相互アドミタンス行列である。これらのベクトルおよび行列の次元は、分岐における利用可能な位相および2つの端子バスによって求めることができる。例えば、三相分岐の場合、全ての分岐電流およびバス電圧は、3×1のベクトルとすることができ、自己アドミタンス行列および相互アドミタンス行列は、3×3の行列とすることができる。式(7)は、主線系統またはタップ系統の任意のデバイスに用いることができる。
図6は、バスp610およびバス620を接続する配電線600を示している。地中系統のための三相架空および地中線路は、3つの配線を有し、3×3の直列インピーダンス行列および3×3の並列アドミタンス行列によって記述することができる。例えば、図6は、1つの直列インピーダンス行列
Figure 2013162741
630が直列分岐に適用され、1つの並列アドミタンス行列
Figure 2013162741
が2つの並列分岐640および650に分割される、配電線の従来のπモデルを示している。配電線のπモデルは、並列アドミタンスの線路充電を端子バスに一体化することによって、直列インピーダンス分岐と置き換えることができる。例えば、直列インピーダンス630を通って直接流れる内部電流I’ps680およびI’sp690は、解かれるモデルの変数として、実際の分岐電流Ips660およびIsp670に置き換わることができる。実際の分岐電流は、収束した電力潮流解が得られた後に、内部電流に線路充電電流を加えることによって求めることができる。
主線系統内の線路について、式(7)を用いてアドミタンスモデルを記述することができる。ここで、自己アドミタンス行列は、線路直列アドミタンス(line series admittance)
Figure 2013162741
に等しく、
Figure 2013162741
であり、相互アドミタンスは直列アドミタンス行列の負値に等しく、
Figure 2013162741
であり、直列アドミタンスは、直列インピーダンス行列の逆行列であり、
Figure 2013162741
である。
タップ系統内の線路について、後方/前方掃引は、以下のように記述することができる。後方掃引手順の場合、I’spおよびVは、既知であり、I’psは、以下に従って求められる。
Figure 2013162741
ここで、
Figure 2013162741
および
Figure 2013162741
は、相xにおいてバスpから入る分岐電流およびバスsから入る分岐電流であり、利用可能な相a、b、またはcのうちの1つとすることができる。
前方掃引手順について、送信側における分岐電流I’psおよびバス電圧Vは、既知であり、受信側Vにおけるバス電圧は、以下に従って求められる。
Figure 2013162741
ゼロインピーダンス分岐
配電系統における幾つかの分岐は、ステップ電圧レギュレータ、スイッチ、理想変圧器、非常に短い線路、およびジャンパー等の、ゼロインピーダンス分岐とみなすことができる。通常、従来の方法は、これらの分岐のインピーダンスを無視し、インピーダンスをゼロに設定する。しかしながら、その結果、結果として得られるノードアドミタンス行列内の幾つかのエントリーが無限大となり、このため、アドミタンス行列に基づく手法が適用不可能となる。アドミタンス行列に基づく手法を用いるために、従来の方法は、これらの分岐に小さな非ゼロインピーダンスを任意に割り当てた。しかしながら、そのような小さなインピーダンスを割り当てることによって、解析の状態が悪化し、電力潮流は、収束が困難となる。
したがって、本発明の幾つかの実施の形態は、ゼロインピーダンス分岐を隣接するインピーダンス分岐と一体化し、新たな非ゼロインピーダンス分岐としてモデル化する。
図7は、ゼロインピーダンス主線分岐および隣接するインピーダンス主線分岐を新たなインピーダンス分岐に一体化し、それらのノードアドミタンス行列を、隣接する分岐のアドミタンス行列と、ゼロインピーダンス分岐の増幅係数行列とに基づいて設定することによって、非ゼロインピーダンス分岐のみを有する等価な配電系統を求める(701)例を示している。例えば、バスm710とバスp720との間の分岐は、一般化された三相ゼロインピーダンス分岐を表す。バスのうちの一方、例えば、バス710は、マスターバスとなるように割り当てられ、他方のバスは、スレーブバスとして割り当てられる。バスは、理想変圧器によって接続される。スレーブバスは、負荷電流I770と接続される。変圧器の機能は、2つの電圧増幅係数行列
Figure 2013162741
740および
Figure 2013162741
742と、2つの電流増幅係数行列
Figure 2013162741
744および
Figure 2013162741
746とによって表される。これらの増幅係数行列は、変圧器または電圧レギュレータの巻線接続およびタップ位置と、スイッチ、短い線路、またはジャンパーの相接続とによって求められる。
マスターバスm710を通って入る相電流Imp750は、以下に従って、スレーブバスを通って入る相電流Ipm752に増幅係数行列
Figure 2013162741
744を乗算することによって求めることができる。
Figure 2013162741
逆に、スレーブバスp720を通って入る相電流Ipm752は、以下に従って、マスターバスを通って入る相電流Imp750に増幅係数行列
Figure 2013162741
746を乗算することによって求めることができる。
Figure 2013162741
マスターバスm710における相−接地間電圧V760は、以下に従って、スレーブバスp720における相−接地間電圧V764に増幅係数行列
Figure 2013162741
740を乗算することによって求めることができ、
Figure 2013162741
スレーブバスp720における電圧V764は、以下に従って、マスターバスm710における電圧V760に増幅係数行列
Figure 2013162741
742を乗算することによって求めることができる。
Figure 2013162741
非接地電圧レギュレータおよび変圧器について、電圧増幅係数行列は、線間電圧
Figure 2013162741
および
Figure 2013162741
によって定義することができる。マスターバスにおける線間電圧
Figure 2013162741
およびスレーブバスにおける線間電圧
Figure 2013162741
は、以下に従って求めることができる。
Figure 2013162741
タップ系統内のゼロインピーダンス分岐について、マスターバスmが送信側バスであると仮定すると、スレーブバスpは、受信側バスであり、式(10)を用いて、後方掃引ステップのための送信側電流を計算することができ、式(13)または式(15)を用いて、前方掃引ステップのための受信側の電圧を計算することができる。
本発明の幾つかの実施の形態は、上記の式が、相−接地間電圧または線間電圧を用いるということに基づいている。したがって、幾つかの実施の形態は、2つの異なるタイプの電圧間で変換する。任意のバスpについて、相−接地間電圧Vは、以下に従って、電圧変換係数行列
Figure 2013162741
を用いて線間電圧
Figure 2013162741
に一意に変換することができる。
Figure 2013162741
ベクトル
Figure 2013162741
は3×1のベクトルであり、相aと相bとの間の電圧、すなわち
Figure 2013162741
、相bと相cとの間の電圧、すなわち
Figure 2013162741
、および相cと相aとの間の電圧、すなわち
Figure 2013162741
を含む。ベクトルVも3×1のベクトルであり、相aにおける電圧
Figure 2013162741
、相bにおける電圧、
Figure 2013162741
、および相cにおける電圧
Figure 2013162741
を含む。
線間電圧から相−接地間電圧への変換は、容易ではない。中性−接地間電圧が知られていないので、同じ線間電圧に基づいて複数の結果が得られる場合がある。本開示において説明される変換式は、線間電圧を相−接地間電圧に一意に変換する。変換式は、電圧が正相分および逆相分のみを含む場合、正確であり、零相分が十分に小さい場合、良好な近似となる。
以下に従って、線間電圧
Figure 2013162741
に変換行列
Figure 2013162741
を乗算することによって、相−接地間電圧Vを求めることができる。
Figure 2013162741
図7に示すように、主線系統におけるゼロインピーダンス分岐は、隣接するインピーダンス分岐に一体化され、それによって、スレーブバスは、モデルの解析において検討されない。図7の例では、ゼロインピーダンス分岐は、スレーブバス720によって2つの分岐に接続され、マスターバス710によって別の2つの分岐に接続される。スレーブバスp720とバスs730との間の1つの隣接する分岐を例としてとると、分岐電流と分岐のバス電圧との間の関係は、式(7)750によって記述することができる。等価モデルにおいて、ゼロインピーダンス分岐およびスレーブバスp720は、除去される。マスターバスm710に接続された分岐には変更がない。スレーブバスp720に接続された分岐は、バスm710に再接続され、それに従って、マスターバスm710における分岐アドミタンス行列および電流注入が変更される。
バスp720における負荷電流I770は、バスm710における等価電流として、すなわち
Figure 2013162741
775としてモデル化される。系統内のバスp720とバスs730との間の分岐は、バスm710とバスs730との間で直接新たな分岐に置き換えられ、分岐電流Ims780、Ism785、並びにノード電圧V760およびV768は以下のように関係付けられる。
Figure 2013162741
バスm710における自己アドミタンスは、電流増幅行列
Figure 2013162741
744と、バスpにおける自己アドミタンスと、電圧増幅行列
Figure 2013162741
742との負の積から求められる。バスm710のバスs730への相互アドミタンスは、電流増幅行列
Figure 2013162741
744と、バスp720のバスs730への相互アドミタンスとの負の積である。バスs730のバスm710への相互アドミタンスは、バスsのバスpへの相互アドミタンスと、電圧増幅行列
Figure 2013162741
742との積である。
増幅行列が線間電圧を用いて表される場合、式(20)は、以下の式(21)によって置き換えられる。
Figure 2013162741
式(17)および式(19)において定義される電圧変換係数行列は、式(21)において、線間電圧に基づく行列から相−接地間電圧に基づく行列を推論するのに用いられる。
平衡電圧を有する三相PVバス
図8は、三相連結調整されたPVバスを有する配電系統のモデル803の等価モデル802を求める(801)例を示している。主線系統におけるPVバスは、各相の電力および電圧大きさが独立して調整される場合、3つのPVノードとしてモデル化することができる。しかしながら、様々な実施の形態において、PVバスは平衡電圧源に接続され、調整されるパラメータは、平衡電圧の電圧大きさおよび3つの相の総有効電力である。したがって、幾つかの実施の形態は、三相バスを、アドミタンス行列に基づく電力潮流式においてモデル化される1つの単相バスに一体化する。
例えば、1つの実施の形態は、三相PVバスを有する配電系統のモデルを、等価な単相PVバスを有する等価な配電系統モデルに変換する。三相PVバスp810の総発電Sは、全ての相の相電力の和として求めることができ、任意の相xについて、相における相電力は、相−接地間電圧
Figure 2013162741
と、相電流の共役
Figure 2013162741
との積である。このため、総発電Sは以下に従って求めることができる。
Figure 2013162741
1つの実施の形態において、3つの相a、b、およびcは、等価な単相eとして結合される。等価な相eは、任意の相とすることができる。相aを例としてとると、等価な相の相電圧
Figure 2013162741
は、選択された相と同じに設定することができる。
Figure 2013162741
等価な相eにおける電流
Figure 2013162741
は、選択された相に回転された後、例えば、相bにおける電流が120度回転され、相cにおける電流が−120度回転された後、それらを相aの電流に加える前に、3つ全ての相電流の総和として計算することができる。等価電流は、以下に従って、三相電流ベクトルIに、回転ベクトルRの転置を乗算することによって計算される。
Figure 2013162741
ベクトルIおよびRの双方が3×1のベクトルである。回転ベクトルは、相ごとに必要とされる回転係数を表すのに用いられる。相aを等価な相としてとると、回転ベクトルは、以下のように定義される。
Figure 2013162741
バスpにおける3つの相の総電力は、等価な相における電力と置き換えることができる。
Figure 2013162741
それに従って、三相PVバスと接続された分岐ごとのノードアドミタンスモデルを変更する必要がある。図8において、三相PVバスp810は、2つの分岐に接続される。バスp810とバスs820との間の一方の分岐を例としてとると、Ips830は、バスpを通って分岐に流れる相電流のベクトルであり、Isp835は、バスsを通って分岐に流れる相電流のベクトルである。相電流と相電圧との間の関係は式(7)850によって記述され、Yppは、バスpにおける自己アドミタンス行列であり、Yssは、バスsにおける自己アドミタンス行列であり、Ypsは、バスpとバスsとの間の相互アドミタンス行列であり、Yspは、バスsとバスpとの間の相互アドミタンス行列である。
等価モデルにおいて、平衡電圧を有するPVバスの3つの相は、1つの単相に結合され、新たな分岐モデルを以下のように記述することができる。
Figure 2013162741
ここで、
Figure 2013162741
860は、バスpを通って入る等価電流のベクトルであり、
Figure 2013162741
870は、選択された相eにおけるバスpの相電圧のベクトルであり、
Figure 2013162741
および
Figure 2013162741
は、1×1のベクトルであり、Isp835およびV845は、3×1のベクトルである。等価分岐のアドミタンス行列880は、4×4の行列である。バスp810における自己アドミタンスは、転置回転ベクトルと、バスp810における分岐の自己アドミタンスと、回転ベクトルの共役との積から求められる。バスp810のバスs820への相互アドミタンスは、転置回転ベクトルと、バスp810のバスs820への相互アドミタンスとの積である。バスs820のバスp810への相互アドミタンスは、バスs820のバスp810への相互アドミタンスと、回転ベクトルの共役との積である。
二巻線変圧器
本発明の幾つかの実施の形態は、式(7)を用いて、変圧器の一次側および二次側における関連する電流と電圧との間の関係を求める。式(7)において、Ipsは、一次側の三相電流を表す3×1のベクトルであり、Ispは、二次側の三相電流を表す3×1のベクトルであり、Vは、一次側における相−接地間電圧を表す3×1のベクトルであり、Vは、二次側における相−接地間電圧を表す3×1のベクトルである。アドミタンス行列は、6×6の行列であり、一次自己アドミタンス行列Yppおよび二次自己アドミタンス行列Yssと、一次側と二次側との間の相互アドミタンスYpsおよびYspとを含む、4つの3×3のブロックに分割することができる。
アドミタンスは、変圧器のインピーダンスおよびそのタップ位置に基づいて求められる。相−接地間電圧は、式(7)において用いられる。この式は、主線系統において変圧器をモデル化するのに非常に適しているが、タップ系統にはあまり適していない。タップ系統の場合、後方/前方掃引ステップがアドミタンス行列の逆行列を計算する必要があり、不都合なことに、非接地接続の場合、これらの行列のうちの幾つかが特異である。このため、タップ系統における変圧器モデルを表現するのに、線間電圧および相電流が用いられる。一次バスおよび二次バスは非接地であるので、3つの相電流の和は、ゼロであり、このため2つの相電流のみが必要である。そして、3つの線間電圧のうちの2つのみが同様に必要である。例として、相aおよび相bにおける電流を電流変数としてとり、相aと相bとの間の線間電圧および相bと相cとの間の線間電圧を電圧変数としてとると、変圧器モデルは、以下のように記述することができる。
Figure 2013162741
ここで、I’psは、一次側における相aおよび相bの電流を表す2×1のベクトルであり、I’spは、二次側における相aおよび相bの電流を表す2×1のベクトルであり、
Figure 2013162741
は、一次側における、相aと相bとの間、および相bと相cとの間の線間電圧を表す2×1のベクトルであり、
Figure 2013162741
は、二次側における、相aと相bとの間、および相bと相cとの間の線間電圧を表す2×1のベクトルである。アドミタンス行列は、4×4の行列であり、一次自己アドミタンス行列および二次自己アドミタンス行列と、一次側と二次側との間の相互アドミタンスとを含む、4つの2×2のブロックに分割される。
1つの実施の形態では、式(28)において表わされる線間電圧に基づく行列は、相−接地間電圧に基づく行列に、式(30)において定義される電圧変換係数行列
Figure 2013162741
を乗算することによって、相−接地間電圧に基づく行列から変換される。
Figure 2013162741
相aと相bとの間、相bと相cとの間の2つの線間電圧が既知である場合、電圧変換係数行列
Figure 2013162741
を用いて、3つの相−接地間電圧を求めることができる。
タップ系統の変圧器の場合、後方掃引計算および前方掃引について、式(28)を用いることができる。後方掃引手順では、I’spおよび
Figure 2013162741
が既知である一方、I’psが以下に従って求められる。
Figure 2013162741
前方掃引手順では、I’spおよび
Figure 2013162741
が既知である一方、
Figure 2013162741
が以下に従って求められる。
Figure 2013162741
タップ系統の解析例
ループ切断点補償を用いた、電流総和に基づく後方/前方掃引方式が適用される。この方式は、2つの統合されたステップを含む。一方は、後方掃引ステップ、すなわち、電流総和ステップであり、最後の層の分岐から開始して、ルートバスに接続された分岐に向かって移動して、分岐電流を計算する。他方は、前方掃引ステップ、すなわち、電圧更新ステップであり、第1の層内の分岐から開始して、最後の層の分岐に向かって分岐端子電圧を更新する。送信バスpと受信バスsとの間の分岐ごとに、受信バスsにおける電圧が、送信バスpにおける更新された電圧を用いて計算される。
後方掃引において、送信バスpと受信バスsとの間の任意の分岐について、受信バスsに入る分岐電流が以下に従って求められる。
Figure 2013162741
ここで、
Figure 2013162741
は、相xにおけるバスsの等価電流であり、DNは、バスsに接続された一組の下流バスであり、
Figure 2013162741
は、バスsを通ってバスsとバスtとの間の分岐に入る相電流である。送信バスを通って入る分岐電流は、線路について式(8)を用いて、変圧器について式(31)を用いて、ゼロインピーダンス分岐について式(10)を用いて求めることができる。
バスの等価相電流は、接続された負荷と、コンデンサと、接続された線路からの線路充電と、このバスがループ切断点である場合、ループ補償電流とによる寄与を受ける。負荷およびコンデンサは、非接地系統においてΔ結線される。負荷は、定電力負荷、定電流負荷、および定インピーダンス負荷を含む。バスpにおける等価相電流は、以下に従って求めることができる。
Figure 2013162741
式(34)の右辺の第1の成分は、線間電流
Figure 2013162741
として計算される、接続された負荷およびコンデンサからの寄与であり、次に、
Figure 2013162741
として定義された電流変換係数行列
Figure 2013162741
を用いて相電流に変換される。
式(34)の右辺の第2の成分は、バスpに接続された全ての線路の線路充電の寄与であり、
Figure 2013162741
は、バスpとバスsとの間の線路の並列アドミタンスである。第3の成分Icompは、バスpがループ切断点のうちの1つである場合、式(2)および式(4)を用いて求めることができるループ補償電流の寄与である。
相xと相yとの間のバスpにおける線間電流は、以下のように求められる。
Figure 2013162741
ここで
Figure 2013162741
は、バスpにおける、相xと相yとの間の定電力負荷の定格有効電力であり、
Figure 2013162741
は、バスpにおける、相xと相yとの間の定電力負荷の定格無効電力であり、
Figure 2013162741
は、定電流負荷の定格有効電力であり、
Figure 2013162741
は、定電流負荷の定格無効電力であり、
Figure 2013162741
は、定インピーダンス負荷の定格有効電力であり、
Figure 2013162741
は、定インピーダンス負荷の定格無効電力であり、
Figure 2013162741
は、バスpにおいて、相xとyとの間で生成される定格無効電力であり、
Figure 2013162741
は、バスpにおける、相xと相yとの間の定格電圧である。
前方掃引において、変圧器および電圧レギュレータの計算に線間電圧が用いられ、次に、電圧変換係数を用いることによって相−接地間電圧に変換される。相−接地間電圧は、線路の計算のために用いられ、接続されたデバイスが変圧器または電圧レギュレータである場合、線間電圧に変換される。線路について式(9)が用いられ、変圧器について式(32)が用いられ、ゼロインピーダンスデバイスについて式(13)が用いられる。
主線系統解析例
本発明の幾つかの実施の形態によれば、主線系統におけるモデル化されたバスおよび相は、電力潮流式を構築するためにノードに変換される。バスごとのノード数は、バスにおけるモデル化されるかまたは利用可能な相の数に等しい。電力潮流式は、極座標において定式化され、ニュートン法によって定ヤコビ行列を用いて解かれる。
主線系統における、PVバスでもスイングバスでもない任意のバスは、PQバスとして扱われる。PQバスの等価相電力は、接続された負荷と、コンデンサと、隣接する線路充電と、このバスがタップ系統のルートバスである場合、下流分岐とによって決まる。相xにおけるバスpの等価電力
Figure 2013162741
は、以下に従って求められる。
Figure 2013162741
ここで、
Figure 2013162741
は、式(34)を用いて求めることができる等価相電流であり、ループ補償電流はゼロとして設定される。Tapは、バスpと接続され、バスpによって給電されるタップ系統内に位置する一組のバスである。
電力潮流式は、
Figure 2013162741
であり、ここで、Pは、ノードiにおける正味の注入有効電力であり、Qは、ノードiにおける正味の注入無効電力であり、|V|は、ノードiにおける電圧大きさであり、θは、ノードiにおける位相角であり、Gijは、ノードiおよびノードjと関連付けられたノードアドミタンス要素の実数部であり、Bijは、ノードiおよびノードjと関連付けられたノードアドミタンス要素の虚数部である。
式(38)および式(39)へのテイラー展開の適用によって、
Figure 2013162741
が得られる。ここで、ΔPおよびΔQは、スケジューリングされた値と計算された値との間のノード電力不一致のベクトルであり、Δθは、ノード位相角変化のベクトルであり、Δ|V|は、電圧大きさ変化のベクトルであり、Jは、ノード位相角およびノード電圧大きさに関するノード有効電力およびノード無効電力のヤコビ行列である。
ヤコビ行列は、例えば、スパースLU分解技法またはスパースコレスキー分解技法を用いることによって因数分解される。ヤコビ行列は、初期電圧設定によって求められる。1つの実施の形態では、式(40)は、有効および無効の不一致が、所与の最大許容度よりも小さくなるまで反復的に解かれる。
初期電圧は、スイングバスにおける値に、スイングバスとバスとの間の最も短い経路に沿った変圧器または電圧レギュレータによって生じる集約された電圧増幅係数行列を乗算したものとして設定される。
Figure 2013162741
ここで、
Figure 2013162741
は、バスpの初期電圧のベクトルであり、Vswingは、スイングバスの電圧であり、
Figure 2013162741
は、スイングバスから検討中のバスへの最も短い経路上に位置するバスのうちの2つ、バスsおよびバスt間のレギュレータまたは変圧器の電圧増幅係数行列である。
実施例
図9は、本発明の1つの実施の形態による非接地配電系統のモデルを解析するための方法900のブロック図を示している。本発明の様々な実施の形態は、方法900のステップの少なくとも一部を用いる。
ステップ910において、三巻線変圧器が、図4に示すようにモデル化される3つの二巻線変圧器に変換される。変換後、系統のトポロジーモデルは、二端子経路のみを含む。
ステップ915において、配電系統のトポロジーがスイングバスから追跡され、系統は、主線系統とタップ系統とに分割される。主線系統は、図3に示すように、スイングバスとPVバスとの間の全ての利用可能な経路から構築される。主線系統は、スイングバスとPVバスとの任意の対間に複数の経路が存在する場合、メッシュ型系統である。タップ系統は、1つの主線バスと、バスと接続された全ての下流の支線とから構築される。バスから主線バスへの距離に依拠して、タップ系統は図3に示すように幾つかの層に分割することができ、ルートバスから遠ざかるほど、層番号が高くなる。
ステップ920において、主線系統におけるゼロインピーダンス分岐のスレーブバスが除去され、図7に示すように、ゼロインピーダンス分岐およびその隣接するインピーダンス分岐が、ゼロインピーダンス分岐のマスターバスと、隣接する分岐バスのうちの1つとの間の新たな分岐と置き換えられる。新たな分岐のノードアドミタンスは、隣接する分岐のノードアドミタンス行列と、ゼロインピーダンス分岐の電圧および電流増幅係数行列とに基づいて求められる。スレーブバスにおける負荷は、マスターバスにおける等価な負荷としてモデル化される。非接地系統の場合、線間電圧に基づく増幅係数行列は、相−接地間電圧に基づく増幅係数行列に変換される。
ステップ924において、本方法は、図8に示すように、平衡電圧を有する三相PVバスと接続されたインピーダンス分岐のノードアドミタンス行列を、三相PVバスを等価な単層PVバスモデルと置き換えることによって求める。
ステップ928において、本方法は、ステップ920およびステップ924において構築された新たな分岐または分岐モデルを含むインピーダンス分岐ごとのノードアドミタンス行列に基づいて主線系統のノードアドミタンス行列を構築する。
ステップ930において、本方法は、図5に示すように、タップ系統の構成が放射状のみとなるように、タップ系統内のループを切断して放射状経路にする。ステップ934において、各主線またはタップバスの電圧は、スイングバスの電圧と、スイングバスから検討中のバスへの最も短い経路上の変圧器およびレギュレータによって生じる集約された電圧増幅係数行列とに基づいて初期化される。
ステップ938において、ループ補償電流は、ループの等価負荷電流と、ループの2つの放射状経路のインピーダンス行列とに基づいて初期化される。ステップ940において、本方法は、タップバスごとの等価電流注入を求める。バス電流は、接続された負荷と、分路コンデンサと、隣接する線路充電と、バスがループ切断点のうちの1つである場合、ループ補償電流とによる寄与を受ける。図6に示すように、線路充電が、等価線路注入として端子バスに加えられ、それによって線路モデルは、純粋な直列インピーダンスとして単純化することができる。
ステップ942において、タップ系統ごとに、本方法は、最も遠いバスから開始し、主線バスのうちの1つであるルートにおいて終了するバスおよび分岐ごとに電流を総和する後方掃引を実行する。非接地変圧器またはレギュレータの場合、線間電圧に基づくアドミタンス行列または増幅係数行列が用いられる。ステップ944において、主線の等価バス電流は、バスによって供給されるタップ系統からの下流電流に、バスにおける負荷からの等価電流を加えることによって求められ、次に、これらの値は等価電力注入に変換される。
ステップ946において、本方法は、例えば、定ヤコビ行列を用いたニュートン法を用いて、主線系統の電力潮流式を解く。アドミタンス行列が対称である場合、スパースLU分解が用いられ、行列が非対称である場合、スパースコレスキー分解が用いられる。このステップにおいて、有効電力および無効電力の不一致の式が、要求された正確度に到達するまで反復的に解かれる。
ステップ948において、タップ系統ごとに、本方法は、前方掃引を実行し、第1の層の主線バスから開始し、最も遠い層におけるバスで終了するバスごとに電圧を計算する。非接地変圧器またはレギュレータについて、線間電圧に基づくアドミタンス行列または増幅係数行列を用いて線間電圧を求め、次に、これらの電圧を相−接地間に基づくものに変換する。
ステップ950において、ループごとの切断点間の最大電圧差が求められる。ステップ952において、要求される正確度が検査され、不一致が所与の最大許容度未満である場合、実行は、ステップ956に進み、そうでない場合、ステップ954に進む。ステップ954において、本方法は、ステップ950において求められた電圧差とループインピーダンス行列とに基づいて、タップループの補償電流を調整する。
ステップ956において、本方法は、現在の反復と最後の反復との間の全ての主線バスおよびタップバスについて電圧不一致を求める。ステップ958において、不一致が所与の最大許容度未満である場合、収束した解が得られ、次に、本方法は、ステップ960に進む。そうでない場合、本方法は、ステップ940に進み、次の反復を実行する。
ステップ960において、本方法は、ゼロインピーダンス分岐の解かれていないスレーブバスの電圧と、平衡がとられた三相電圧を有するPVバスの解かれていない相の電圧とを求める。ステップ970において、本方法は、主線系統およびタップ系統内の分岐ごとの電流および電力を、系統の電圧の全組に基づいて求める。
本発明の上述した実施の形態は、数多くの方法のいずれにおいても実施することができる。例えば、実施の形態は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組合せを用いて実施することができる。ソフトウェアで実施される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピューターに設けられるのかまたは複数のコンピューター間に分散されるのかにかかわらず、任意の適したプロセッサまたはプロセッサの集合体において実行することができる。そのようなプロセッサは、1つまたは複数のプロセッサを集積回路部品に有する集積回路として実装することができる。ただし、プロセッサは、任意の適したフォーマットの回路類を用いて実装することができる。
さらに、コンピューターは、ラックマウント型コンピューター、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、ミニコンピューターまたはタブレットコンピューター等の複数の形態のいずれにおいても具現化できることが理解されるべきである。そのようなコンピューターは、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワークとしてエンタープライズネットワークまたはインターネット等を含む1つまたは複数のネットワークによって任意の適した形態で相互接続することができる。そのようなネットワークは、任意の適した技術に基づくことができ、任意の適したプロトコルに従って動作することができ、無線ネットワーク、有線ネットワークまたは光ファイバーネットワークを含むことができる。
また、本明細書において概説される様々な方法またはプロセスは、様々なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのうちの任意のものを用いる1つまたは複数のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとして符号化することができる。加えて、そのようなソフトウェアは、複数の適切なプログラミング言語および/またはプログラミングツール若しくはスクリプティングツールのうちの任意のものを用いて書くことができ、フレームワークまたは仮想マシン上で実行される実行可能な機械語コードまたは中間コードとしてコンパイルすることもできる。
これに関して、本発明は、単数または複数の非一時的なコンピューター可読媒体、例えば、コンピューターメモリ、コンパクトディスク(CD)、光ディスク、デジタルビデオディスク(DVD)、磁気テープ、およびフラッシュメモリとして実現することができる。「プログラム」または「ソフトウェア」という用語は、本明細書において、一般的な意味で、上記で論考したような本発明の様々な態様を実施するようにコンピューターまたは他のプロセッサをプログラムするのに用いることができる任意のタイプのコンピューターコードまたはコンピューター実行可能命令のセットを指すように用いられる。
コンピューター実行可能命令は、1つ若しくは複数のコンピューターまたは他のデバイスによって実行される、プログラムモジュール等の多くの形式をとることができる。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するかまたは特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造を含む。通常、プログラムモジュールの機能は、様々な実施の形態において所望に応じて組み合わせることも分散することもできる。
また、本発明の実施の形態は、例が提供された方法として実施することができる。方法の一部として実行される動作は、任意の適切な方法で順序付けすることができる。したがって、示したものと異なる順序で動作を実行する実施の形態を構築することができ、これには、例示の実施の形態では一連の動作として示されたにもかかわらず、幾つかの動作を同時に実行することを含めることもできる。

Claims (17)

  1. 非接地配電系統の三相電力潮流解析のための方法であって、
    前記配電系統のトポロジーを主線系統と一組のタップ系統とに分割することであって、前記主線系統は、スイングバスと、一組の定有効電力および電圧大きさ(PV)バスとを接続する主線バスによって形成され、前記タップ系統は、1つまたは多数のタップバスによって形成され、該各タップ系統のルートバスが前記主線バスに対応するようになっている、分割することと、
    前記主線バスの電圧を、前記各タップ系統の総負荷の関数に基づいて求めることと、
    前記タップバスの電圧を、前記主線バスの前記対応するルートバスの電圧と、前記各タップバスの負荷とに基づいて求めることと
    を含み、該方法のステップは、プロセッサによって実行される、非接地配電系統の三相電力潮流解析のための方法。
  2. 前記スイングバスの電圧および前記配電系統のトポロジーに基づいて前記主線バスおよび前記タップバスの前記電圧を初期化することと、
    収束判断基準が満たされるまで前記配電系統の前記各バスの前記電圧を再帰的に求めることであって、各反復は、
    前記各タップ系統の総タップ負荷に基づいて前記主線バスの前記電圧を更新することと、
    前記主線バスの前記対応するルートバスの前記電圧に基づいて前記タップバスの前記電圧を更新することと、
    前記対応するタップ系統の前記タップバスの前記電圧に基づいて前記総タップ負荷を更新することと
    を含む、求めることと
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. ゼロインピーダンス主線分岐と、隣接するインピーダンス主線分岐とを、新たなインピーダンス分岐に一体化し、それらのノードアドミタンス行列を、前記隣接する分岐のアドミタンス行列と、前記ゼロインピーダンス分岐の増幅係数行列とに基づいて設定すること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 三相PVバスに接続されたインピーダンス分岐のノードアドミタンス行列を、単相バスのモデルに基づいて求めることであって、該単相バスの位相は、前記PVバスの3つの相の和に対応し、前記主線バスの前記電圧を更新することは、前記ノードアドミタンス行列に基づく、求めること
    をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記分割することは、
    一組の三巻線変圧器を一組の二巻線変圧器として表すことによって前記トポロジーを更新すること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記初期化することは、
    前記電圧を、前記各バスを前記スイングバスと接続する経路に沿った変圧器およびレギュレータの増幅器係数に基づいて初期化すること
    を含む、請求項2に記載の方法。
  7. 前記タップバスのサブセットによって形成された前記タップ系統のトポロジーのループを、放射状経路に変換すること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記変換することは、
    前記タップバスを2つのタップバスに分割することであって、前記ループを切断する、分割することと、
    前記タップバスの電流を2つの対応する電流に分割することと
    を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記各反復は、
    前記各タップ系統の前記総負荷を、後方掃引に基づいて求めることであって、一組の現在の総負荷を生成する、求めることと、
    前記主線バスの電圧を、前記一組の現在の総負荷と、前記主線バスのアドミタンス行列とに基づいて更新することであって、前記主線バスの現在の電圧を得る、更新することと、
    前記タップバスの前記電圧を、前方掃引を用いて前記主線バスの前記現在の電圧に基づいて更新することと
    を含む、請求項2に記載の方法。
  10. 前記タップバスのサブセットによって形成された前記タップ系統のトポロジーのループを放射状経路に変換することであって、前記各反復は、
    前記放射経路間の電圧差を検査することと、
    前記放射経路間の負荷配分を、前記電圧差とループのアドミタンス行列とに基づいて調整することと
    をさらに含む、変換すること
    をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記収束判断基準を、現在の反復中の最大電圧更新として求めることと、
    前記収束判断基準をしきい値と比較することであって、前記反復の収束を判断する、比較することと
    をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記ゼロインピーダンス分岐を有する前記主線バスの前記電圧を、前記隣接する主線バスの前記電圧と、前記ゼロインピーダンス分岐の前記増幅係数行列とに基づいて求めること
    をさらに含む、請求項3に記載の方法。
  13. 前記配電系統は非接地であり、前記方法は、
    線間電圧を表すゼロインピーダンス分岐の増幅係数を、線路−接地間電圧を表わす増幅係数に変換することによって前記増幅係数行列を求めること
    をさらに含む、請求項3に記載の方法。
  14. 前記PVバスの3つの相の前記電圧を、前記単相バスの前記モデルについて求められた前記PVバスの前記電圧に基づいて求めること
    をさらに含む、請求項4に記載の方法。
  15. 前記バスの前記電圧に基づいて前記配電系統における前記各分岐の電流および電力を求めること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  16. 非接地配電系統の三相電力潮流解析のためのシステムであって、
    前記配電系統のトポロジーを主線系統と一組のタップ系統とに分割し、収束判断基準が満たされるまで、前記配電系統の前記各バスの電圧を再帰的に求めるためのプロセッサであって、前記各反復は、タップ系統の総負荷と、前記主線系統のルートバスの電圧とを更新する、プロセッサ
    を備える、非接地配電系統の三相電力潮流解析のためのシステム。
  17. 前記配電系統の前記トポロジーを記憶するためのメモリ
    をさらに備える、請求項16に記載のシステム。
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