JP2013162476A - Wan側インタフェースを個別に起動可能な無線ルータ、wan通信起動方法及びプログラム - Google Patents

Wan側インタフェースを個別に起動可能な無線ルータ、wan通信起動方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ウェイクアップ時の消費電力を抑制し、通信確立の所要時間を短縮可能な無線ルータを提供する。
【解決手段】本無線ルータは、スリープ状態の設定が可能であり、複数のアクセスネットワークにそれぞれ接続される複数のWAN側インタフェースと、複数のアクセスネットワークのうちの1つを指示するWAN選択情報を含むウェイクアップ信号を受信可能なウェイクアップ信号受信部と、ウェイクアップ信号受信部によって受信された信号がウェイクアップ信号であるか否かを判定するウェイクアップ判定部と、ウェイクアップ判定部が真の判定を行った際、受信されたウェイクアップ信号からWAN選択情報を抽出し、このWAN選択情報の指示に応じて、停止状態にある複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させるWAN起動手段とを有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、通信機器のウェイクアップ機能に係る技術に関する。
近年、モバイル機器を用い、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信を利用することによって、生活の様々な場面で、種々の情報・サービスが享受可能である。このモバイル機器は、いつ何時でも情報・サービスをユーザに提供し得るように、常時、受信待機状態をとる。ここで、受信待機電力は現状相当に大きく、モバイル機器の電池持続時間を押し下げる原因となっている。
この問題に対処する省電力化技術として、例えば、無線LANのアクセスポイント(AP)を未使用時にスリープ状態とし、使用する際には、ウェイクアップ信号をAPに送信してこのAPを起動させる技術が存在する(例えば、非特許文献1)。非特許文献1では、特定のフレーム長の無線LAN信号をウェイクアップ信号として送信することにより、この特定のフレーム長の信号を自身宛と認識するAPのみを起動させる。
また、ウェイクアップ信号を検知する専用モジュールを受信側無線通信デバイスに設け、受信待機電力を低減する技術も存在する(例えば、非特許文献2)。非特許文献2では、低消費電力型の専用モジュールによって受信待機を行い、受信待機に必要のない回路の電源を切って受信待機電力を抑制する。
さらに、特許文献1には、ウェイクアップ電波検知部を備え、無線APからのウェイクアップ電波を受信することによって自らのスリープ状態を解除する無線LAN端末が開示されている。
特開2011−40988号公報
近藤良久、四方博之、湯素華、岩井優仁、田中利康、筒井英夫、小花貞夫、「無線LAN信号を用いたオンデマンドウェイクアップ方式」、電子情報通信学会技術研究報告、Vol.110、No.448、NS2010-185、123-128ページ、2011年 石田繁巳、瀧口貴啓、猿渡俊介、南正輝、森川博之、「ブルームフィルタを用いたウェイクアップ型通信システム」、電子情報通信学会論文誌B、Vol.J94-B、No.10、1397-1407ページ、2011年
しかしながら、上述したような従来技術は全て、無線APや無線端末を対象としたウェイクアップ技術である。即ち、例えば、複数のアクセスネットワークと接続するための複数のWAN(Wide Area Network)側無線インタフェースを備えたモバイルルータへの適用は想定されていない。
ここで、アクセスネットワークは、通信事業者ネットワークであり、ゲートウェイを介して、インターネットに相互接続される。モバイルルータが接続可能なアクセスネットワークとして、例えば、無線LAN、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、3G(3rd Generation)、及びLTE(Long Term Evolution)が挙げられる。
このようなモバイルルータをスリープ状態からウェイクアップさせ、通信を確立する場合、最初に、ウェイクアップ信号受信時に、WAN側無線インタフェースを全て起動させる。次いで、各アクセスネットワークをモニタした上で、最適なWAN側無線インタフェースを選択することになる。
従って、このモニタ・選択動作を実行するために、各WAN側無線インタフェースの回路に通電する電源部を全て立ち上げねばならない。その結果、相当の電力が消費されてしまう。さらに、起動させてから、最適なWAN側無線インタフェースを選択するまでに、相当の時間を必要としてしまう。
そこで、本発明は、ウェイクアップ時の消費電力を抑制し、通信確立のための所要時間を短縮可能な無線ルータ、WAN通信起動方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明によれば、複数のアクセスネットワークにそれぞれ接続される複数のWAN側インタフェースと、無線端末が接続されるローカルネットワークに接続されるLAN側インタフェースとを有し、スリープ状態の設定が可能な無線ルータであって、
複数のアクセスネットワークのうちの1つを指示するWAN選択情報を含むウェイクアップ信号を受信可能なウェイクアップ信号受信部と、
ウェイクアップ信号受信部によって受信された信号がウェイクアップ信号であるか否かを判定するウェイクアップ判定部と、
ウェイクアップ判定部が真の判定を行った際、受信されたウェイクアップ信号からWAN選択情報を抽出し、このWAN選択情報の指示に応じて、停止状態にある複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させるWAN起動手段と
を有する無線ルータが提供される。
この本発明による無線ルータにおいて、WAN起動手段は、
複数のWAN側インタフェースにそれぞれ割り当てられた互いに異なるフレーム長の組を記憶しており、
受信された信号がウェイクアップ信号であるとの判定がなされた後、WAN選択情報として上記互いに異なるフレーム長のうちの1つをフレーム長とする信号を受信した際、これら互いに異なるフレーム長のうちの1つが割り当てられたWAN側インタフェースを起動させることも好ましい。
また、本発明による無線ルータにおいて、ウェイクアップ信号は、選択すべきアクセスネットワークを指示するWAN選択情報としてのWAN識別子を含み、
WAN起動手段は、ウェイクアップ信号からWAN識別子を抽出し、このWAN識別子の指示に応じて、停止状態にある複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させることも好ましい。
さらに、本発明による無線ルータの一実施形態として、ウェイクアップ判定部は、
所定のn個(n≧2)のフレーム長の順列を記憶しており、この順列における1つのフレーム長の信号を受信した際、この順列におけるその次にあるフレーム長の信号の受信を待つ処理を、この順列の最初のフレーム長から実施し、この順列における最後のフレーム長の信号を待った上でこの最後のフレーム長の信号を受信した場合に、受信された信号がウェイクアップ信号であると判定する
ことも好ましい。
また、本発明による無線ルータの一実施形態として、ウェイクアップ信号に含まれるWAN選択情報は、
複数のアクセスネットワークが接続したインターネットに設けられたサーバによって生成された推奨WAN情報であって、複数のアクセスネットワークのうちの少なくとも1つを推奨する推奨WAN情報に基づいて、この無線端末によって生成された情報であることも好ましい。
本発明によれば、また、複数のアクセスネットワークと、ローカルネットワークと、このローカルネットワークに接続される無線端末と、複数のアクセスネットワークにそれぞれ接続される複数のWAN側インタフェース及びローカルネットワークに接続されるLAN側インタフェースを有する無線ルータとを備えたシステムにおけるWAN通信起動方法であって、
無線端末が、複数のアクセスネットワークのうちの1つを指示するWAN選択情報を含むウェイクアップ信号を、無線ルータに送信する第1のステップと、
無線ルータが、受信された信号がウェイクアップ信号であるか否かを判定する第2のステップと、
無線ルータが、第2のステップで真の判定を行った際、受信されたウェイクアップ信号から、WAN選択情報を抽出し、このWAN選択情報の指示に応じて、停止状態にある複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させ、選択されたアクセスネットワークを介した通信を確立する第3のステップと
を有するWAN通信起動方法が提供される。
この本発明のWAN通信起動方法において、無線ルータは、複数のWAN側インタフェースにそれぞれ割り当てられた互いに異なるフレーム長の組を記憶しており、
第3のステップにおいて、WAN選択情報として上記互いに異なるフレーム長のうちの1つをフレーム長とする信号を受信した際、これら互いに異なるフレーム長のうちの1つが割り当てられたWAN側インタフェースを起動させることも好ましい。
また、本発明のWAN通信起動方法において、ウェイクアップ信号は、選択すべきアクセスネットワークを指示するWAN選択情報としてのWAN識別子を含み、
第3のステップにおいて、ウェイクアップ信号からWAN選択情報を抽出し、このWAN識別子の指示に応じて、停止状態にある複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させることも好ましい。
さらに、本発明のWAN通信起動方法の一実施形態として、無線ルータは、所定のn個(n≧2)のフレーム長の順列を記憶しており、第2のステップにおいて、この順列における1つのフレーム長の信号を受信した際、この順列におけるその次にあるフレーム長の信号の受信を待つ処理を、この順列の最初のフレーム長から実施し、この順列における最後のフレーム長の信号を待った上でこの最後のフレーム長の信号を受信した場合に、受信された信号がウェイクアップ信号であると判定することも好ましい。
本発明によれば、さらにまた、複数のアクセスネットワークにそれぞれ接続される複数のWAN側インタフェースと、無線端末が接続されるローカルネットワークに接続されるLAN側インタフェースとを有し、スリープ状態の設定が可能な無線ルータに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
複数のアクセスネットワークのうちの1つを指示するWAN選択情報を含むウェイクアップ信号を受信可能なウェイクアップ信号受信部と、
ウェイクアップ信号受信部によって受信された信号がウェイクアップ信号であるか否かを判定するウェイクアップ判定部と、
ウェイクアップ判定部が真の判定を行った際、受信されたウェイクアップ信号からWAN選択情報を抽出し、このWAN選択情報の指示に応じて、停止状態にある複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させるWAN起動手段と
してコンピュータを機能させる無線ルータ用のプログラムが提供される。
本発明の無線ルータ、WAN通信起動方法及びプログラムによれば、無線ルータにおけるウェイクアップ時の消費電力を抑制し、通信確立のための所要時間を短縮できる。
本発明によるモバイルルータを備えたWAN通信起動システムのシステム構成図である。 本発明によるWAN通信起動方法のシーケンス図である。 無線端末が自身の位置情報に基づいた推奨WAN情報を取得する手順(図2のステップS201〜S203)を示す、WAN通信起動システムの一部の概略図である。 ウェイクアップの判定及び選択するWANの決定についての一実施形態を示す状態遷移図である。 ウェイクアップの判定及び選択するWANの決定についての他の実施形態を示す概略図である。 本発明によるモバイルルータの一実施形態における機能構成図である。
本発明による無線ルータは、複数のアクセスネットワークにそれぞれ接続される複数のWAN側インタフェースを有し、受信待機電力の抑制を図ったスリープ状態の設定が可能である。本無線ルータは、
(a)信号受信部で受信された信号が、このスリープ状態を解除するウェイクアップ信号か否かを判定し、
(b)ウェイクアップ信号であると判定した際、受信されたウェイクアップ信号から、複数のアクセスネットワークのうちの1つを指示するWAN選択情報を抽出し、このWAN選択情報の指示に応じて、停止状態にある複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させる点に特徴を有する。
ここで、ウェイクアップ信号は、WAN選択情報としてのフレームを含む一連のフレームの組であることも好ましく、WAN選択情報としてのWAN識別子を有するフレームを含むものであることも好ましい。
また、この無線ルータは、無線端末が接続された無線ローカルネットワークに接続されるLAN側インタフェースを有し、さらに、アクセスネットワークの基地局又はアクセスポイント(AP)とも無線で接続される。このため、以下に説明する実施形態では、本無線ルータを、通常このような接続環境に置かれて使用される「モバイルルータ」としている。但し、本無線ルータは、当然にモバイルルータに限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明によるモバイルルータを備えたWAN通信起動システムのシステム構成図である。
図1によれば、無線端末2は、無線ネットワーク3を介してモバイルルータ1に接続する。無線ネットワーク3は、Wi−Fi(Wireless Fidelity)のような無線LAN又はBluetooth(登録商標)等の、ローカルネットワークである。モバイルルータ1は、自身との接続が確立した無線端末2をクライアントとして把握・管理する一方、複数のアクセスネットワーク4、5、60及び61の基地局又はAPと接続可能となっている。
複数のアクセスネットワーク4、5、60及び61は、無線の通信事業者ネットワークであり、ゲートウェイを介して、インターネット7に相互接続される。本実施形態では、
アクセスネットワーク4: Wi−Fiのような無線LAN、
アクセスネットワーク5: WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、
アクセスネットワーク60: LTE(Long Term Evolution)、及び
アクセスネットワーク61: 3G(3rd Generation)
である。当然に、アクセスネットワークの数及び種類はこれらに限定されるものではなく、例えば、アクセスネットワークの数は、アクセスネットワーク(3G)61を除いた3つでもよい。
モバイルルータ1では、スリープ状態の設定が可能である。また、モバイルルータ1は、無線端末2から送信されるウェイクアップ信号を受信してこのスリープ状態を解除し、通信機能を起動させるウェイクアップ機能を備えている。
ここで、スリープ状態とは、少なくとも、複数の(図1では4つの)アクセスネットワーク4、5、60及び61にそれぞれ接続される複数の(図1では4つの)WAN側インタフェースの電源、及び無線ネットワーク3と接続されるLAN側インタフェースを停止状態(インタフェース通信回路への通電を停止した状態)の電源を全てOFFにし、受信待機電力を抑制して省電力化を実現する状態である。これにより、例えば電池持続時間を延長可能とする。
本発明のモバイルルータ1では、スリープ状態においてもウェイクアップ信号が受信可能であるウェイクアップ信号受信部105(図6)を備えている。スリープ状態にあるモバイルルータ1は、ウェイクアップ信号受信部105でウェイクアップ信号を受信した際、装置の電源をONにし、さらに、ウェイクアップ信号から複数のアクセスネットワークのうちの何れを選択するかを指示したWAN選択情報を抽出する。
この抽出されたWAN選択情報が、例えばアクセスネットワーク(WiMAX)5の選択を指示する場合、モバイルルータ1は、4つのWAN側インタフェースのうちでアクセスネットワーク5に接続されるWAN側インタフェースのみを起動させる。即ち、このWAN側インタフェースの通信回路のみに通電する。その結果、WAN側では、選択されたアクセスネットワーク(WiMAX)5を介した通信のみが確立する。
同じく図1に示すように、無線端末2は、モバイルルータ1との通信を確立する機能と共に、直接にアクセスネットワーク(3G)61を介する通信を確立する機能も備えている。本実施形態では、無線端末2は、無線LAN通信機能と共に、3G通信機能も備えている。これにより、無線端末2は、モバイルルータ1を介さずに、インターネット7に設けられたWAN管理サーバ8と通信することができる。
WAN管理サーバ8は、良好な通信を実現する観点から各無線端末2にとって選択すべきアクセスネットワークを、当該無線端末2の位置情報を基にして決定する。WAN管理サーバ8は、アクセスネットワーク4、5、60及び61のそれぞれを介した通信の状態、例えば通信速度又は輻輳状態をモニタし、定期的に最も効率の良い通信が可能なアクセスネットワーク(図1では、WiMAX5)を決定する。尚、無線端末2の位置情報(緯度経度情報)は、後に図3を用いて説明するように、例えば、GPS(Global Positioning System)測位方式を用いて決定され、無線端末2からWAN管理サーバ8に送信される。
WAN管理サーバ8は、無線端末2の要求に応じて、決定したアクセスネットワーク(WiMAX)5(の基地局)を推奨する旨の推奨WAN情報を生成し、無線端末2に送信する。無線端末2は、受信したこの推奨WAN情報に基づいて、複数のアクセスネットワークのうちアクセスネットワーク5を指示するWAN選択情報を生成し、このWAN選択情報を含むウェイクアップ信号を形成する。
尚、変更態様として、無線端末2は、直接的に、アクセスネットワークの1つ、例えばアクセスネットワーク(WiMAX)5と接続すると共に、モバイルルータ1とも接続することによって、「キャリアアグリゲーション」方式を適用した通信を行う機能を備えていることも好ましい。
このキャリアアグリゲーション方式は、例えば、広域無線ネットワークとしてのWiMAX(アクセスネットワーク5)と、狭域無線ネットワークとしての無線LAN(無線ネットワーク3)とを束ね合わせて通信を行い、複数の周波数帯域からより広い帯域幅を確保する技術である。この技術では、これら異なる無線ネットワークを経由した複数のデータを統合するパケットゲートウェイが設けられる。
ここで、WAN管理サーバ8からの推奨WAN情報がアクセスネットワーク(WiMAX)5である場合を考える。無線端末2は、この推奨WAN情報に従って、モバイルルータ1にアクセスネットワーク5との通信を確立させることは、キャリアアグリゲーションの利点を損なうことを認識する。即ち、この場合、無線端末2が直接接続されているアクセスネットワーク(WiMAX)5の基地局に、モバイルルータ1もまた接続されてしまう。その結果、キャリアアグリゲーションの利点を享受できなくなる。
そこで、無線端末2は、アクセスネットワーク(WiMAX)5を推奨する推奨WAN情報を得たにも拘わらず、自らの判断で、例えば、アクセスネットワーク(LTE)60を指示したWAN選択情報を含むウェイクアップ信号を形成することも好ましい。これにより、キャリアアグリゲーションによるスループットの改善及び耐伝搬障害性の向上が奏功される。
図1の本実施形態に戻って、モバイルルータ1は、無線端末2から受信した信号がウェイクアップ信号であるか否かを判定する。ここで、真の判定を行った際、受信したウェイクアップ信号から、複数のアクセスネットワークのうちアクセスネットワーク(WiMAX)5を選択する、との指示を含むWAN選択情報を抽出する。
モバイルルータ1は、抽出したこのWAN選択情報に応じて、停止状態にある4つのWAN側インタフェースのうち、アクセスネットワーク(WiMAX)5に接続されるWAN側インタフェースを起動させ、アクセスネットワーク5との通信を確立する。また、受信したウェイクアップ信号に応じて、停止状態にあるLAN側インタフェースを起動させ、無線ネットワーク3を介した無線端末2との通信を確立する。
以上説明したように、本発明によれば、ウェイクアップ信号によってモバイルルータ1をスリープ状態から立ち上げる際、複数のWAN側インタフェースのうちで必要とされるインタフェースのみを起動させるので、ウェイクアップ時の消費電力が十分に抑制される。
さらに、ウェイクアップ信号に含まれるWAN選択情報に基づいて、起動するWAN側インタフェースを決定するので、ウェイクアップ信号受信時にWAN側インタフェースを全て起動させて各アクセスネットワークをモニタする必要がない。その結果、起動させてから、最適なWAN側インタフェースを選択し通信を確立するまでの所要時間が短縮される。
図2は、本発明によるWAN通信起動方法のシーケンス図である。
ここで、最初に、モバイルルータ1はスリープ状態にあり、アクセスネットワーク4、5、60及び61にそれぞれ接続される4つのWAN側インタフェースの電源、及び無線ネットワーク3に接続されるLAN側インタフェースの電源は、全てOFFとなっている。また、モバイルルータ1は、後に説明する、電源として例えば電池を備えたウェイクアップ信号受信部105及びウェイクアップ判定部106(図6)を有しており、スリープ状態でも無線端末2からのウェイクアップ信号を受信することができる。
(S200)無線端末2は、アクセスネットワーク(3G)61の基地局との直接的な通信を確立する。これにより、無線端末2は、インターネット7内のサーバと通信可能となる。
(S201)無線端末2は、後に図3を用いて説明するGPS測位方式を用いて現在位置を測位し、自身の位置情報(緯度経度情報)を記憶する。
(S202)無線端末2は、WAN管理サーバ8に自身の位置情報を送信し、何れのアクセスネットワークの使用を推奨するかの推奨WAN情報を問い合わせる。
(S203)WAN管理サーバ8は、無線端末2の位置情報を基にして推奨すべきアクセスネットワーク(図2ではアクセスネットワーク(WiMAX)5)を決定し、この決定した推奨WAN情報を無線端末2に応答する。
(S204)無線端末2は、受信した推奨WAN情報に基づいて、何れのアクセスネットワークを選択するかのWAN選択情報(図2ではアクセスネットワーク5を選択する旨の情報)を生成し、この情報を含むウェイクアップ信号を、モバイルルータ1に送信する。
(S205〜S207)モバイルルータ1は、ウェイクアップ信号の受信部(ウェイクアップ信号受信部105(図6))で受信された信号がウェイクアップ信号であるか否かを判定する(S205)。ここで、ウェイクアップ信号であると判定した場合、モバイルルータ1は、ウェイクアップし(S206)、装置の電源をONにして、無線ネットワーク3に接続されるLAN側インタフェースを起動させる(S207)。尚、このLAN側インタフェースの起動は、少なくとも、後に述べるビーコン報知の開始(S211)までに完了させればよい。一方、ウェイクアップ信号ではないと判定した場合、この信号は破棄され、モバイルルータ1はスリープ状態を継続する。
(S208)モバイルルータ1は、このウェイクアップ信号から、WAN選択情報を抽出し、何れのアクセスネットワークが選択されるのかを判定し決定する。
(S209a〜209d)モバイルルータ1は、ステップS207で選択すると決定されたアクセスネットワーク(図2ではアクセスネットワーク5)に接続されるWAN側インタフェースを起動させる。
(S210)モバイルルータ1は、選択されたアクセスネットワーク(WiMAX)5の基地局に、接続を要求する。
(S211)モバイルルータ1は、無線端末2(及び他の無線端末)に対し、ビーコンの報知を開始する。
(S212)アクセスネットワーク5の基地局から、アクセスネットワーク5との接続を受け入れる旨がモバイルルータ1に応答される。
(S213)モバイルルータ1とアクセスネットワーク5との通信が確立する。
(S214)ビーコンの報知をモバイルルータ1から受信した無線端末2は、起動されたLAN側インタフェースを介して、モバイルルータ1に、無線ネットワーク3を介した接続を要求する。
(S215)モバイルルータ1は、無線ネットワーク3を介した接続を受け入れる旨を無線端末2に応答する。
(S216)モバイルルータ1と無線端末2との通信が確立する。
以上、モバイルルータ1において選択されたWAN側接続が起動し、所望のアクセスネットワークと無線端末2とのモバイルルータ1を介した接続が完了する。
図3は、無線端末2が自身の位置情報に基づいた推奨WAN情報を取得する手順(図2のステップS201〜S203)を示す、WAN通信起動システムの一部の概略図である。
図3によれば、最初に、無線端末2は、GPS衛星9からの測位電波を受信することによって現在位置を測位し、自身の位置情報(緯度経度情報):
(N:35.FF.GG,E:140.VV.WW)
をメモリ20に記憶する(ステップS201)。次いで、無線端末2は、WAN管理サーバ8に対して、何れのアクセスネットワークの使用を推奨するかの推奨WAN情報を問い合わせ、この際、この位置情報をWAN管理サーバ8に送信する(S202)。
尚、無線端末2の現在位置の測位方法として、このGPS測位方式の代わりに、複数基地局測位方式を用いることも好ましい。複数基地局測位方式は、複数の周辺基地局から受信する電波によって、現在位置を測位する。
ここで、無線端末2は、推奨WAN情報を問い合わせる際、自身の位置情報に代えて、又は当該位置情報と共に、無線端末2が直接取得する周囲の基地局(アクセスポイント)との通信における品質情報を、WAN管理サーバ8に送信することも好ましい。ここで、送信可能な品質情報として、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indication)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)、混雑度等が挙げられる。
WAN管理サーバ8は、アクセスネットワーク4、5、60及び61のそれぞれを介した通信の状態、例えば通信速度又は輻輳状態をモニタし、定期的に、最も効率の良い通信が可能なアクセスネットワークを、通信エリア内の所定の位置範囲毎に決定する。
このモニタ結果は、WAN管理サーバ8の有する最適WAN管理テーブル80に記録される。最適WAN管理テーブル80は、一形態として、
(a)位置範囲:以下の2つの地点を結ぶ線分を一対角線とする四角形領域
(N:35.PP.QQ,E:140.XX.YY)−(N:35.RR.SS,E:140.ZZ.AA)
(b)最適基地局:位置範囲(a)内にある無線端末2にとって、最も効率の良い通信が可能であるとされたアクセスネットワークの基地局(アクセスポイント)
(c)最適基地局識別子:最適基地局(b)を識別する値ID
を記載したテーブルとなる。
ここで、最適WAN管理テーブル80は、追加の項目として、
(d)準最適基地局:位置範囲(a)内にある無線端末2にとって、最適基地局(b)に次いで効率の良い通信が可能であるとされたアクセスネットワークの基地局(アクセスポイント)
(e)準最適基地局識別子:準最適基地局(d)を識別する値ID
を有することも好ましい。さらに、次いで推奨する基地局(識別子)を挙げて、合計3つ以上の基地局(識別子)を項目として備えていてもよい。
WAN管理サーバ8は、送信された無線端末2の位置情報を最適WAN管理テーブル80に照らし合わせ、この位置情報の緯度経度位置が含まれる位置範囲(a)に対応した最適基地局(b)を、この無線端末2にとって推奨される基地局に決定する。次いで、この最適基地局(b)に対応する最適基地局識別子(c)を含む推奨WAN情報を作成し、この推奨WAN情報を無線端末2に応答する(ステップS203)。
ここで、準最適基地局(d)に対応する準最適基地局識別子(e)も、推奨WAN情報に含ませることも可能である。この場合、推奨WAN情報は、推奨する2つの基地局の情報を含むことになる。さらに、推奨WAN情報は、最適WAN管理テーブル80に推奨すべきとして挙げられた3つ以上の基地局を含むように形成されてもよい。
さらに、WAN管理サーバ8は、無線端末2から送信された上述の品質情報(RSSI、SINR、混雑度等)に基づき、最適基地局(b)(更には他の推奨する基地局)を決定することも可能である。
無線端末2は、受信した推奨WAN情報をメモリ20に記憶し、この推奨WAN情報に基づいてWAN選択情報を生成する。ここで、推奨WAN情報が2つ以上の基地局(アクセスポイント)を推奨し、アクセスネットワークとして2つ以上が推奨されたことになる場合、無線端末2は、例えば、上述した「キャリアアグリゲーション」方式を適用した通信を行うことを前提にし、2つ以上の基地局のうちの1つを選択してアクセスネットワークを指定することも可能である。即ち、モバイルルータ1との間で基地局が重複しないようにアクセスネットワークを指定するWAN選択情報を作成することもできる。以上、無線端末2は、自身の位置情報に基づいた推奨WAN情報を、WAN管理サーバ8から取得することができる。
図4は、ウェイクアップの判定及び選択するWANの決定についての一実施形態を示す状態遷移図である。
図4によれば、モバイルルータ1は、
(a)所定のn個(n≧2)のフレーム長の順列l1,l2,・・・,lと、
(b)4つのWAN側インタフェースにそれぞれ割り当てられた互いに異なるフレーム長の組{ln+1,ln+1',ln+1'',ln+1'''}と
を予め記憶している。
ここで、本実施形態では、
(a)フレーム長ln+1は、
アクセスネットワーク(無線LAN)4のWAN側インタフェースに、
(b)フレーム長ln+1'は、
アクセスネットワーク(WiMAX)5のWAN側インタフェースに、
(c)フレーム長ln+1''は、
アクセスネットワーク(LTE)60のWAN側インタフェースに、
(d)フレーム長ln+1'''は、
アクセスネットワーク(3G)61のWAN側インタフェースに
それぞれ割り当てられている。
スリープ状態にあるモバイルルータ1は、最初に、フレームlの信号が受信されるのを待つl待ち状態をとる。次いで、モバイルルータ1は、受信した信号の中でフレームlの信号を検知した際、フレームlの信号が受信されるのを待つl待ち状態をとる。
モバイルルータ1は、このように、フレーム長の順列l1,l2,・・・,lにおける1つのフレーム長の信号を受信した際、この順列におけるその次にあるフレーム長の信号の受信を待つ処理を、順列の最初のフレーム長l1から実施する。その結果、この順列における最後のフレーム長lを待った上で、この最後のフレーム長lの信号を受信した場合に、受信された一連のフレーム信号がウェイクアップ信号(の一部)である、と判定する。
ここで、例えば、n=16とし、l=約100μ秒(例えば40バイトに相当)、l=約150μ秒、l=約200μ秒、・・・といった様に、順次より大きいフレーム長の待ち状態をとることもできる。当然に、他の態様のフレーム長の順列をもって待ち状態をとることも可能である。尚、いずれの待ち状態においても、所定のm(>n)個のフレーム以上を受信した段階で、最初のl待ち状態に戻り、改めて状態遷移を開始することも好ましい。
次いで、モバイルルータ1は、受信された信号がウェイクアップ信号であると判定した際、互いに異なるフレーム長の組{ln+1,ln+1',ln+1'',ln+1'''}における各フレーム長の信号を同時に待つ待ち状態をとる。ここで、例えば、フレーム長ln+1'の信号を受信した際、この信号を、ウェイクアップ信号中のWAN選択情報と判定し、このWAN選択情報に基づいて、フレーム長ln+1'が割り当てられたアクセスネットワーク(WiMAX)5の選択を決定する。この決定に従い、アクセスネットワーク(WiMAX)5のWAN側インタフェースを起動する。
以上説明した実施形態では、所定の順序のフレーム長の信号を順次待ち受けることによって、ウェイクアップ信号の受信が可能となり、ウェイクアップの判定を、フレーム長の信号処理だけで実施することができる。さらに、所定のフレーム長の信号を待ち受けることによって、WAN選択情報がウェイクアップ信号から抽出可能となり、フレーム長の信号処理だけで、所望のWAN側インタフェースのみを起動させることができる。その結果、ウェイクアップ時の消費電力を大幅に抑制し、所望の通信確立のための所要時間を大幅に短縮できる。
また、ウェイクアップ判定の変更態様として、モバイルルータ1は、所定のn個(n≧2)のフレームの順列f1,f2,・・・,fを予め記憶し、以下のフレーム信号処理を行ってもよい。
スリープ状態にあるモバイルルータ1は、最初に、フレームfが受信されるのを待つf待ち状態をとる。次いで、モバイルルータ1は、受信した信号の中でフレームfを検知した際、フレームfが受信されるのを待つf待ち状態をとる。
モバイルルータ1は、このように、順列f1,f2,・・・,fにおける1つのフレームを受信した際、この順列におけるその次にあるフレームの受信を待つ処理を、順列の最初のフレームf1から実施する。その結果、この順列における最後のフレームfを待った上で、この最後のフレームfを受信した場合に、受信された一連のフレーム信号がウェイクアップ信号(の一部)である、と判定する。
ここで、例えば、n=17とし、フレームfを、
FF:FF:FF:FF:FF:FF
のブロードキャストアドレスとし、フレームf〜f17(16個のフレーム)を全て、モバイルルータ1のMAC(Media Access Control)アドレスとすることも好ましい。また、いずれの待ち状態においても、所定のm(>n)個のフレーム以上を受信した段階で、最初のf待ち状態に戻り、改めて状態遷移を開始することも好ましい。
尚、以上に述べたフレームの順列f1,f2,・・・,fを用いたウェイクアップ判定では、フレームの内容(例えばMACアドレス)を識別する必要があるため、LAN側インタフェースの大部分の機能を起動させねばならない。これに対し、図4に示した、フレーム長の順列l1,l2,・・・,lを用いたウェイクアップ判定では、フレーム長の信号処理だけを実施すればよく、後述するウェイクアップ信号受信部105及びウェイクアップ判定部106(図6)のみが機能していればよい。その結果、図4のフレーム長によるウェイクアップ判定は、ウェイクアップ時の消費電力をより大幅に抑制可能とする。
図5は、ウェイクアップの判定及び選択するWANの決定についての他の実施形態を示す概略図である。
図5の実施形態では、ウェイクアップ信号は、WAN選択情報としてのWAN識別子を含む。WAN識別子は、所定のビット数を有し、複数の(本実施形態では4つの)アクセスネットワークそれぞれに対応した値を取り得る識別子である。尚、このWAN識別子は、WAN管理サーバ8から取得された最適基地局識別子(c)(図3)によって指定された基地局が属するアクセスネットワークを指示する値、に設定可能である。
また、モバイルルータ1は、図5に示すように、WAN識別子の値とアクセスネットワーク(基地局(アクセスポイント))との対応関係を記録したWAN対応テーブル10を有する。
図5によれば、受信した信号がウェイクアップ信号か否かの判定は、図4の実施形態と同様であり、フレーム長の順列l1,l2,・・・,lを用いて実施される。ここで、真の判定がなされた際、その後受信したフレームからWAN識別子を抽出する(ステップS500)。
次いで、抽出されたWAN識別子を読み取り、WAN対応テーブル10を用いて何れのアクセスネットワークが選択されるのかを判定する(ステップS501)。ここで、例えば、WAN識別子がアクセスネットワーク(WiMAX)5に割り当てられた値をとる場合、このアクセスネットワーク5に接続されるWAN側インタフェースが選択され、同インタフェースが起動される。
以上説明した実施形態では、所定の順序のフレーム長を有する複数の信号、及びアクセスネットワークに割り当てられた値をとるWAN識別子を含むフレームを順次待ち受けることによって、ウェイクアップ信号の受信が可能となり、さらに、WAN選択情報がウェイクアップ信号から抽出可能となる。ここで、WAN識別子を含むフレームの処理で所望のWAN側インタフェースのみを起動させることができるため、ウェイクアップ時の消費電力を大幅に抑制し、所望の通信確立のための所要時間を大幅に短縮できる。
図6は、本発明によるモバイルルータ1の一実施形態における機能構成図である。
図6によれば、モバイルルータ1は、第1のWAN側インタフェース100と、第2のWAN側インタフェース101と、第3のWAN側インタフェース102と、第4のWAN側インタフェース103と、LAN側インタフェース104と、ウェイクアップ信号受信部105及びウェイクアップ判定部106とを備えている。
さらに、モバイルルータ1は、WAN起動部110と、通信部111と、経路制御部112とを有する。尚、これら機能構成部は、モバイルルータ1に搭載されたコンピュータ(プロセッサ・メモリ)を機能させるプログラムを実行することによって実現される。
第1のWAN側インタフェース100は、アクセスネットワーク(無線LAN)4に接続され、第2のWAN側インタフェース101は、アクセスネットワーク(WiMAX)5に接続され、第3のWAN側インタフェース102は、アクセスネットワーク(LTE)60に接続され、第4のWANインタフェース103は、アクセスネットワーク(3G)61に接続される。また、LAN側インタフェース104は、無線ネットワーク3に接続される。
また、第1〜第4のWAN側インタフェース100〜103はそれぞれ、インタフェース通信回路を有し、また、このインタフェース通信回路に通電する回路電源部を備えている。各回路電源部は、外部(WAN起動部110)からの指示信号に従い、WAN側インタフェースを、インタフェース通信回路への通電が停止した停止状態にしたり、インタフェース通信回路に通電された起動状態にしたりする。
モバイルルータ1がスリープ状態にある際、第1〜第4のWAN側インタフェース100〜103及びLAN側インタフェース104と、WAN起動部110、通信部111及び経路制御部112とは、電源OFFの状態となっている。
一方、ウェイクアップ信号受信部105及びウェイクアップ判定部106は、LAN側インタフェース104の内部に設けられているが、装置(LAN側インタフェース104)とは独立した電源、例えば電池、を有しており、スリープ状態でも電源ONの状態となっている。
ウェイクアップ信号受信部105は、無線端末2からのウェイクアップ信号を受信可能な受信機能部である。また、ウェイクアップ判定部106は、ウェイクアップ信号受信部105によって受信された信号を入力し、この信号がウェイクアップ信号であるか否かを判定する。
この判定の一実施形態として、ウェイクアップ判定部106は、所定のn個(n≧2)のフレーム長の順列l1,l2,・・・,lを予め記憶し、図4及び図5に示した、この順列を用いた方法によって判定を行う。ここで、真の判定、即ち受信された信号がウェイクアップ信号であるとの判定を行った際、ウェイクアップ判定部106は、装置の電源にON指示の信号を出力し、装置をウェイクアップさせる。さらに、WAN起動部110に、ウェイクアップ信号を出力する。
WAN起動部110は、ウェイクアップ判定部106から入力したウェイクアップ信号から、4つのアクセスネットワーク4、5、60及び61のうちの1つを指示するWAN選択情報を抽出し、このWAN選択情報の指示に応じて、停止状態にある第1〜第4のWAN側インタフェース100〜103のうちの1つを起動させる。具体的には、起動させるWAN側インタフェースに備えられた回路電源部に、インタフェース通信回路への通電指示を行う。
ここで、WAN起動部110は、WAN決定部110aを有しており、このWAN決定部110aは、第1〜第4のWAN側インタフェース100〜103にそれぞれ割り当てられた互いに異なるフレーム長の組{ln+1,ln+1',ln+1'',ln+1'''}を予め記憶していることも好ましい。この場合、WAN決定部110aは、図4に示したように、このフレーム長の組における各フレーム長の信号を同時に待つ待ち状態をとり、その中の1つフレーム長の信号をウェイクアップ判定部106から入力した際、この信号を、ウェイクアップ信号中のWAN選択情報と判定し、選択すべきアクセスネットワークを決定する。
また、変更態様として、WAN決定部110aは、図5に示したように、ウェイクアップ判定部106から入力したフレームからWAN識別子を抽出し、抽出したWAN識別子の値が、何れのアクセスネットワークに割り当てられたものかを判定し、選択すべきアクセスネットワークを決定する。
WAN起動部110は、第1〜第4のWAN側インタフェース100〜103のうちの1つを起動させた際、その旨の信号を経路制御部112に出力する。
通信部111は、無線ネットワーク3を介した無線端末2との通信、アクセスネットワーク4、5、60又は61を介した通信、及び無線端末2のアクセスネットワーク4、5、60又は61を介した通信を実施・制御する。
経路制御部112は、WAN起動部110から第1〜第4のWAN側インタフェース100〜103のいずれを起動させるかの信号を入力した際、装置内の通信経路を制御して、この起動させるWAN側インタフェースと通信部111とを接続させる。
以上、モバイルルータ1は、ウェイクアップ信号及びそれに含まれるWAN選択情報に従って、複数のWAN側インタフェースをそれぞれ個別に起動させることができる。その結果、ウェイクアップ時の消費電力を大幅に抑制することができる。また、所望のWAN側インタフェースだけを起動させ、所望のアクセスネットワークを介した通信を速やかに立ち上げることが可能となる。
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
1 モバイルルータ(無線ルータ)
10 WAN対応テーブル
100 第1のWAN側インタフェース
101 第2のWAN側インタフェース
102 第3のWAN側インタフェース
103 第4のWAN側インタフェース
104 LAN側インタフェース
105 ウェイクアップ信号受信部
116 ウェイクアップ判定部
110 WAN起動部
111 通信部
112 経路制御部
2 無線端末
20 メモリ
3 無線ネットワーク(ローカルネットワーク)
4、5、60、61 アクセスネットワーク
7 インターネット
8 WAN管理サーバ
80 最適WAN管理テーブル
9 GPS衛星

Claims (10)

  1. 複数のアクセスネットワークにそれぞれ接続される複数のWAN(Wide Area Network)側インタフェースと、無線端末が接続されるローカルネットワークに接続されるLAN(Local Area Network)側インタフェースとを有し、スリープ状態の設定が可能な無線ルータであって、
    前記複数のアクセスネットワークのうちの1つを指示するWAN選択情報を含むウェイクアップ信号を受信可能なウェイクアップ信号受信部と、
    前記ウェイクアップ信号受信部によって受信された信号がウェイクアップ信号であるか否かを判定するウェイクアップ判定部と、
    ウェイクアップ判定部が真の判定を行った際、受信されたウェイクアップ信号から当該WAN選択情報を抽出し、当該WAN選択情報の指示に応じて、停止状態にある前記複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させるWAN起動手段と
    を有することを特徴とする無線ルータ。
  2. 前記WAN起動手段は、
    前記複数のWAN側インタフェースにそれぞれ割り当てられた互いに異なるフレーム長の組を記憶しており、
    受信された信号がウェイクアップ信号であるとの判定がなされた後、WAN選択情報として前記互いに異なるフレーム長のうちの1つをフレーム長とする信号を受信した際、該互いに異なるフレーム長のうちの1つが割り当てられたWAN側インタフェースを起動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線ルータ。
  3. 当該ウェイクアップ信号は、選択すべきアクセスネットワークを指示するWAN選択情報としてのWAN識別子を含み、
    前記WAN起動手段は、当該ウェイクアップ信号から当該WAN識別子を抽出し、当該WAN識別子の指示に応じて、停止状態にある前記複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線ルータ。
  4. 前記ウェイクアップ判定部は、
    所定のn個(n≧2)のフレーム長の順列を記憶しており、当該順列における1つのフレーム長の信号を受信した際、当該順列におけるその次にあるフレーム長の信号の受信を待つ処理を、当該順列の最初のフレーム長から実施し、当該順列における最後のフレーム長の信号を待った上で該最後のフレーム長の信号を受信した場合に、受信された信号がウェイクアップ信号であると判定する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線ルータ。
  5. 当該ウェイクアップ信号に含まれるWAN選択情報は、
    前記複数のアクセスネットワークが接続したインターネットに設けられたサーバによって生成された推奨WAN情報であって、前記複数のアクセスネットワークのうちの少なくとも1つを推奨する推奨WAN情報に基づいて、当該無線端末によって生成された情報である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の無線ルータ。
  6. 複数のアクセスネットワークと、ローカルネットワークと、該ローカルネットワークに接続される無線端末と、該複数のアクセスネットワークにそれぞれ接続される複数のWAN側インタフェース及び該ローカルネットワークに接続されるLAN側インタフェースを有する無線ルータとを備えたシステムにおけるWAN通信起動方法であって、
    当該無線端末が、前記複数のアクセスネットワークのうちの1つを指示するWAN選択情報を含むウェイクアップ信号を、前記無線ルータに送信する第1のステップと、
    前記無線ルータが、受信された信号がウェイクアップ信号であるか否かを判定する第2のステップと、
    前記無線ルータが、第2のステップで真の判定を行った際、受信されたウェイクアップ信号から、当該WAN選択情報を抽出し、当該WAN選択情報の指示に応じて、停止状態にある前記複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させ、選択されたアクセスネットワークを介した通信を確立する第3のステップと
    を有することを特徴とするWAN通信起動方法。
  7. 前記無線ルータは、前記複数のWAN側インタフェースにそれぞれ割り当てられた互いに異なるフレーム長の組を記憶しており、
    前記第3のステップにおいて、WAN選択情報として前記互いに異なるフレーム長のうちの1つをフレーム長とする信号を受信した際、該互いに異なるフレーム長のうちの1つが割り当てられたWAN側インタフェースを起動させる
    ことを特徴とする請求項6に記載のWAN通信起動方法。
  8. 当該ウェイクアップ信号は、選択すべきアクセスネットワークを指示するWAN選択情報としてのWAN識別子を含み、
    前記第3のステップにおいて、当該ウェイクアップ信号から当該WAN選択情報を抽出し、当該WAN識別子の指示に応じて、停止状態にある前記複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させる
    ことを特徴とする請求項6に記載のWAN通信起動方法。
  9. 前記無線ルータは、所定のn個(n≧2)のフレーム長の順列を記憶しており、
    前記第2のステップにおいて、当該順列における1つのフレーム長の信号を受信した際、当該順列におけるその次にあるフレーム長の信号の受信を待つ処理を、当該順列の最初のフレーム長から実施し、当該順列における最後のフレーム長の信号を待った上で該最後のフレーム長の信号を受信した場合に、受信された信号がウェイクアップ信号であると判定する
    ことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のWAN通信起動方法。
  10. 複数のアクセスネットワークにそれぞれ接続される複数のWAN側インタフェースと、無線端末が接続されるローカルネットワークに接続されるLAN側インタフェースとを有し、スリープ状態の設定が可能な無線ルータに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、前記無線ルータが、
    前記複数のアクセスネットワークのうちの1つを指示するWAN選択情報を含むウェイクアップ信号を受信可能なウェイクアップ信号受信部と、
    前記ウェイクアップ信号受信部によって受信された信号がウェイクアップ信号であるか否かを判定するウェイクアップ判定部と
    を有しており、前記プログラムが、
    ウェイクアップ判定部が真の判定を行った際、受信されたウェイクアップ信号から当該WAN選択情報を抽出し、当該WAN選択情報の指示に応じて、停止状態にある前記複数のWAN側インタフェースのうちの1つを起動させるWAN起動手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とする無線ルータ用のプログラム。
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