JP2013161138A - アンテナを備えた暖簾及びそれを用いた移動検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、無線IDタグの所持者が通過する際に正確にIDデータを読み取ることができるとともに通過方向を識別可能なアンテナを備えた暖簾及びそれを用いた移動検知装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】暖簾1は、柔軟性を有するとともに絶縁材料からなるシート状の基体に複数のアンテナ線3a又は3bが所定間隔を空けて配列されて保持された一対のアンテナ保持体2a及び2bと、アンテナ保持体2a及び2bのアンテナ線を配列した領域を被覆可能な大きさに形成されて電波を遮蔽する導電性シート体7とを備え、アンテナ保持体2a及び2bの間に導電性シート体7がアンテナ線を配列した領域に対向する位置に配置されて積層して一体化されており、導電性シート体7とアンテナ線3a及び3bとの間には両者が接触しないように絶縁材が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、RFID等の無線IDタグを検知するアンテナを備えた布製の暖簾及びそれを用いた移動検知装置に関する。
近年RFID等の無線IDタグの小型化が進み、無線IDタグを様々な移動体に取り付けて識別するシステムが開発されている。無線IDタグを認識するためには、無線IDタグとの間で情報を送受信するためのアンテナが必要となる。
無線IDタグの小型化により移動体に対する取付位置の制約が少なくなり、例えば人間に取り付ける場合でも衣服、身の回り品、所持品といった既存の身に付ける物に無線IDタグを取り付けて人間の識別や位置認識が可能となっている。そのため、無線IDタグと送受信するアンテナについても人間が移動する際に無線IDタグに近接する様々な既存の物品に取り付けて、人間の移動を制約することなく自然な動作の中で識別や位置認識を行うことが望まれている。
無線IDタグを用いた管理手法としては、例えば、特許文献1及び2では、入退室を検知する出入口にRFID受信用アンテナ及び赤外線検知装置を設け、赤外線検知装置により人体の通過を検知するとともに所持されたRFIDタグにより通過した保持者を特定して入退室を把握するようにした管理システムが記載されている。
また、物品の識別管理手法としては、例えば、特許文献3及び4では、アンテナを備えた暖簾状のシート体に、IDタグを取り付けた物品を接触するように通過させることでIDタグをアンテナにより読み取るようにした点が記載されている。
また、アンテナを備えた布地としては、例えば、特許文献5では、経糸として、ポリエステル繊維等からなる非電気的伝導性の糸を用い、緯糸として、金属繊維等からなる電気的伝導性の糸を用いて織成された織物アンテナが記載されている。また、特許文献6では、少なくとも一部又は全部に導電性を示す導電部を有する金銀糸と絶縁性を示す絹糸とによって構成した織物に、導電部の配置パターンにより形成される導電性領域及び絶縁性を有するスロットを具備するアンテナが記載されている。
特開2001−028090号公報 特開2003−021679号公報 特開平11−301843号公報 特開2009−290512号公報 特開2008−546209号公報 特開2009−044439号公報
特許文献1及び2に記載されているように、従来の入退室管理システムでは、RFIDタグの所持者を赤外線検知装置で通過検知する必要があり、また所持者から離れた位置に取り付けられたRFID受信用アンテナで検知するため、複数の所持者が近接した状態で通過する場合正確に所持者を特定できないおそれがある。
特許文献3及び4に記載されているように、暖簾状のシート体にIDタグを取り付けた物品を接触するように一方向に通過させる場合には、物品が順次接触することで物品を正確に特定して読み取ることができるが、IDタグの所持者がランダムに通過することを想定したものではない。
また、特許文献5では金属繊維を用いているが、金属繊維は伸縮性に乏しく、合成繊維と組み合わせて織物にすると、合成繊維の伸縮に追随せずに断線したり、撓んでしまうといった欠点があり、アンテナの素材としてはそのまま用いることは難しい。特許文献6では、PETからなる基材にアルミニウムを蒸着した金銀糸を導電性糸に用いているが、金銀糸は断線しやすく電気抵抗が高いといった欠点がある。そして、金銀糸を捻れた状態で使用すると、捻れた部分では所定の方向からみて導電性を有する部分が不均一となるためアンテナ特性が一定しないといった問題がある。いずれにしても、RFID等の無線通信用のアンテナとして十分な性能を備えた布地とはいえない。
そこで、本発明は、無線IDタグの所持者が通過する際に正確にIDデータを読み取ることができるとともに通過方向を識別可能なアンテナを備えた暖簾及びそれを用いた移動検知装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る暖簾は、柔軟性を有するとともに絶縁材料からなるシート状の基体に複数のアンテナ線が所定間隔を空けて配列されて保持された一対のアンテナ保持体と、前記アンテナ保持体の前記アンテナ線を配列した領域を被覆可能な大きさに形成されるとともに電波を遮蔽する導電性シート体とを備え、一対の前記アンテナ保持体の間に前記導電性シート体が前記アンテナ線を配列した領域に対向する位置に配置されて積層して一体化されており、前記導電性シート体及び前記アンテナ線の間には両者が接触しないように絶縁材が設けられている。さらに、前記アンテナ保持体の前記基体は、比誘電率が4以下の絶縁糸からなる地糸により組織された布体であり、前記アンテナ保持体の前記アンテナ線は、前記地糸と同一の芯糸に金属繊維をカバーリング加工した抵抗が1Ω/m〜15Ω/mの導電糸からなる。さらに、前記絶縁材は、前記布体の前記地糸からなる。さらに、前記アンテナ線は、前記布体の経糸方向及び/又は緯糸方向に挿入されて交差する地糸により保持されている。さらに、前記アンテナ線は、当該アンテナ線に交差するように前記布体に縫い込まれた縫糸により保持されている。
本発明に係る移動検知装置は、上記の暖簾と、前記アンテナ保持体に保持された前記アンテナ線で受信した無線IDタグからの信号に基づいてIDデータを読み取るとともにいずれの前記アンテナ保持体で受信したかを識別する情報読取部と、前記アンテナ保持体の識別データに基づいて移動方向を検知する検知処理部とを備えている。
本発明に係る暖簾は、上記のような構成を有することで、アンテナ線を保持する一対のアンテナ保持体の間に導電性シート体を配置して積層一体化しているので、一方の側からIDタグが暖簾に接触した場合に一方の側のアンテナ保持体のアンテナ線のみIDタグの読取動作が行われ、他方の側のアンテナ保持体のアンテナ線は導電性シート体により電波が遮蔽されてIDタグの読取動作が行われなくなる。そのため、一対のアンテナ保持体のうちいずれのアンテナ保持体のアンテナ線で読取動作が行われたか識別することで、暖簾のいずれの側からIDタグが到来したか検知可能となり、移動方向を検知することができる。
また、アンテナ保持体の基体を比誘電率が4以下の地糸により組織された布体とし、布体に対して抵抗が1Ω/m〜15Ω/mの導電糸からなるアンテナ線を保持させることで、絶縁体の地組織に低抵抗のアンテナ線を用いた感度のよいアンテナとして使用することができる。
また、アンテナ線として芯糸に金属繊維をカバーリング加工した導電糸を用いているので、アンテナ線が柔軟性及び伸縮性に優れたものとなり、布体に密着保持させた状態で地組織が湾曲変形した場合でも布体の変形に追従することができる。そして、金属線が芯糸に巻き付くようにカバーリング加工されているので、合成繊維からなる糸と同様の力学特性を有しており、アンテナ線が湾曲した場合でも断線することがなく、かつ金属繊維が撓むこともない。
また、導電糸の芯糸に布体の地糸と同一の糸を用いることで、導電糸を地糸と同様の柔軟性及び伸縮性を持たせることができ、布体にアンテナ線を密着保持した状態で両者がずれることなく同じように変形させることが可能となる。
本発明に係る実施形態に関する正面図である。 暖簾の分解斜視図である。 アンテナ線が配列された布地部分に関する部分拡大図である。 導電糸に関する一部拡大図である。 アンテナ線が織り込まれた場合に関する部分拡大図である。 アンテナ線が縫製された場合に関する部分拡大図である。 暖簾の作製方法に関する説明図である。 暖簾の別の作製方法に関する説明図である。 無線IDタグの所持者が暖簾を通過する場合の説明図である。 無線IDタグの所持者に関する正面図である。
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る実施形態である暖簾に関する正面図であり、図2は、暖簾の分解斜視図である。暖簾1は、人が通過するスリットSを空けて吊り下げられており、一対のアンテナ保持体2a及び2bの間に電波を遮蔽する導電性シート体7を挟むように積層して一体化されている。アンテナ保持体2aは、柔軟性を有するとともに絶縁材料からなるシート状の基体に複数のアンテナ線3aが所定間隔を空けて配列されて保持されており、アンテナ保持体2bも同様のシート状の基体に複数のアンテナ線3bが所定間隔を空けて配列されて保持されている。
導電性シート体7は、アンテナ保持体2a及び2bのアンテナ線3a及び3bが配列された領域を被覆可能な大きさに形成されている。そのため、アンテナ保持体2a側から発信された電波に対して、アンテナ保持体2aのアンテナ線3aでは電波を受信できるが、導電性シート体7により電波が遮蔽されるためアンテナ保持体2bのアンテナ線3bでは受信できない。また、アンテナ保持体2b側から発信された電波に対しては、アンテナ線3bで受信可能であるが、アンテナ線3aでは受信できない。したがって、アンテナ保持体2aのアンテナ線3a及びアンテナ保持体2bのアンテナ線3bのうちいずれのアンテナ線で電波が受信されたか識別することで、アンテナ保持体2a側又はアンテナ保持体2b側から電波が発信されたことを特定することができる。そして、アンテナ保持体2a側から電波が発信された場合には、アンテナ保持体2a側からアンテナ保持体2b側に移動していることになり、アンテナ保持体2b側から電波が発信された場合には、アンテナ保持体2b側からアンテナ保持体2a側に移動していることになるため、移動方向を検知することが可能となる。
各アンテナ線3a及び3bは、それぞれ配線コード4a及び4bを介して読取装置5に接続されている。そして、アンテナ線3a又は3bに無線IDタグが近接することで無線IDタグからアンテナ線3a又は3bに受信された信号は読取装置5に入力され、読取装置5は、受信したIDデータを読み取るとともにアンテナ保持体2a及び2bのうちいずれのアンテナ線で受信したかを識別する。また、各アンテナ線3a及び3bは、配線コード4a及び4bを介して読取装置5に並列で接続されており、読取装置5では交互に切り換えて作動させるようにしてICタグを識別する方法が適している。この識別方法を使用することで、各アンテナ線3a及び3bのアンテナ間の電波干渉がなくなり、良好な認識処理を行うことができる。
読み取られたIDデータは、受信したアンテナ保持体の識別データとともに読取装置5から検知処理装置6に無線通信により送信される。検知処理装置6では、送信されたIDデータ及びアンテナ保持体の識別データを格納するとともに、識別データに基づいて移動方向を決定してIDデータと関連づけた移動情報を作成する。暖簾1を出入口に吊り下げた場合には、移動情報を入退室情報として作成することもできる。なお、読取装置5と検知処理装置6との間のデータ通信は有線でもよい。
アンテナ保持体2a及び2bの基体は、比誘電率が4以下の絶縁材料から構成することが好ましく、絶縁糸からなる地糸により組織された布体、絶縁性を有する合成樹脂製のフィルム等の柔軟性のあるシート体を用いることができる。フィルムの場合、素材としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等が挙げられる。布体を用いる場合には、通常の暖簾に使用される織物、編物又は不織布なる布地を用いればよく、布地を組織する地糸又は繊維としては、PET、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)又はPBT(ポリブチレンテレフタレート)等のポリエステル系繊維、ナイロン(ポリアミド繊維)、アラミド(芳香族ポリアミド繊維)、ポリプロピレン又はポリエチレン等のポリオレフイン系繊維、アクリル等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の化学繊維、綿、麻、ウール又は絹等の天然繊維が挙げられる。また、これらの繊維を複数種類混合した複合繊維を用いてもよい。
アンテナ線3aは、導電線で構成されており、図3に示すように、スリットSの形成方向と直交する方向に沿って直線状に配列された一対の導電線30及び31を組み合せたダイポールアンテナ形状に設定されている。導電線30及び31の対向する端部は所定の間隔が空けられており、導電線30及び31の対向する端部とは反対側の端部の間の間隔に基づいてアンテナの周波数特性が決定される。なお、上述した導電線の端部間の間隔は、導電線の実際の長さではなく平面視での端部の間の直線距離により設定される。そして、複数のアンテナ線3aがスリットSに沿って所定間隔を空けて配列されている。アンテナ保持体2bのアンテナ線3bについてもアンテナ線3aと同様の構成を備えており、スリットSの形成方向に沿って配列されている。図3では、アンテナ線の形状としてダイポールアンテナの例で説明しているが、ループアンテナやマイクロストリップアンテナなどの他のアンテナ形状を使用することもできる。
アンテナ線3a及び3bには、導電性を有する線材を用いることができる。フィルム状の基体を用いる場合には、基体表面に銅やアルミニウム等の導電材料による配線パターンを形成する、もしくは基体内に配線パターンを埋め込むこともできる。基体に布体を用いる場合には、アンテナ線として導電糸を用いることができる。導電糸としては、金属繊維、金属メッキ繊維等の導電性繊維を撚り合せた糸もしくは組紐、又はこうした導電性繊維に絶縁材料からなる繊維を合わせて撚り合せた糸もしくは組紐といったものが挙げられる。特に、銅繊維、錫メッキ銅繊維、錫青銅繊維、ステンレス繊維等の金属繊維を芯糸の周囲にカバーリング加工したものが布体に密着保持した場合の追従性に優れている。芯糸としては、PET、PTT又はPBT等のポリエステル系繊維、ナイロン(ポリアミド繊維)、アラミド(芳香族ポリアミド繊維)、ポリプロピレン又はポリエチレン等のポリオレフイン系繊維、アクリル等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の化学繊維、綿、麻、ウール又は絹等の天然繊維といった繊維からなる糸を用いるとよく、これらの繊維を複数種類混合した複合繊維からなる糸を用いてもよい。
カバーリング加工としては、シングルカバーリング加工及びダブルカバーリング加工があり、図4には、芯糸33の周囲に金属繊維34を2重に巻き付けたダブルカバーリング加工を施した導電糸を示している。
導電糸は、電気的に低抵抗のものが望ましく、電気抵抗が1Ω/m〜15Ω/mに設定するとよい。電気抵抗が15Ω/mを超えると、アンテナとしての感度が悪化する。
導電糸の力学特性は、カバーリング加工する金属繊維の撚り数が3000T/m以上になると、芯糸とほぼ同じ特性を有するようになる。芯糸に金属繊維をカバーリング加工した導電糸をアンテナ線に用いることで、柔軟性及び伸縮性を有するアンテナ線を得ることができ、布体にアンテナ線を密着保持した場合に布体が湾曲又は伸縮しても、アンテナ線が断線したりずれることなく布体の変形に追従することが可能となる。
図5は、二重織により織成された布体にアンテナ線3a又は3bを密着保持した場合の布地部分の拡大図である。アンテナ線3a又は3bは、二重に織成された織地の上面側の織地に密着保持されている。アンテナ線である導電糸が緯糸20の間に配列されており、経糸21が導電糸の上下に交互に交差して緯糸20と同様に挟持されている。そのため、アンテナ線が布体に密着保持されて抜け落ちることはない。また、導電糸が柔軟性及び伸縮性を有しているため、布体が変形してもそれに追従して変形することができ、断線等のトラブルが生じることはない。導電糸の芯糸として緯糸20と同じものを使用すれば、導電糸の力学特性を経糸21とほぼ同様に設定することができ、布体の変形に対して導電糸がよりスムーズに追従することが可能となる。
また、導電糸に対して経糸21がほぼ等間隔で交差するため、交差する経糸21の本数に基づいて密着保持する導電糸の長さを設定することが可能となる。したがって、布体を織成する際に緯糸として導電糸を所定本数の経糸分だけ挿入して織成し、布体の織成後に経糸により保持された分だけ残して導電糸を切断し、アンテナ線として用いるようにすることもできる。このようにアンテナ線を形成することで、導電糸の端部間の間隔を精度よく設定することができ、アンテナの感度を向上させることが可能となる。
この例では、布体が二重織により織成されているので、アンテナ線の下面に電気的な絶縁性を有する織地が配設される構成となっており、アンテナ線が導電性シート体7に接触することを防止するようになっている。
なお、上述した例では、導電糸を緯方向に配列しているが、経糸方向に配列して保持することもでき、接続線32のように経方向に配列して緯糸により保持するようにしてもよい。
図6は、平織りにより織成された布体に縫糸22によりアンテナ線3a又は3bを密着保持した場合の布地部分の拡大図である。この場合には、布体の表面にアンテナ線である導電糸を直線状に配置して接着剤等により固定し、ミシン等の縫製機を用いて縫糸22でアンテナ線の両側に交互に縫い付けていき、アンテナ線を布体に密着保持するようにしている。導電糸だけでなく、フィルム表面又は内部にアンテナパターンを構成した材料を同様の方法で布体に固定することもできる。こうしたフィルム材料と布体で構成する場合は曲げ等の変形挙動が異なるため、接着剤等による全面固定は行わずに縫製による固定や布体に形成した挿入部に固定する方法が好ましい。
アンテナ線として導電糸を縫製により固定する場合には、布体として織物、編物又は不織布のいずれを用いてもよい。また、布体に後付けで導電糸を取り付けるので、縫い付けた導電糸の長さを測定しながらアンテナ線の設定どおりの間隔となっているかチェックして取り付けることができ、アンテナ線を布体に対して精度よく固定することができる。なお、縫糸22の縫付間隔が等間隔に設定できる場合には、布体に対する縫付回数に基づいて導電糸の長さを設定することもできる。
導電性シート体7としては、柔軟性を有するとともにアンテナ保持体と積層した場合に追従性の優れた素材が用いられ、RFIDによる無線通信における電波を遮蔽又は吸収する金属箔等の材料であればよい。また、暖簾として設置した場合の変形追従性や屈曲耐久性を有する材料が好ましく、例えば、導電層を形成した合成樹脂製フィルムや導電性繊維からなる薄地の布帛、金属メッキや導電材料をコーティングした布帛が挙げられる。また、導電性シート体7の厚さは、暖簾としての変形性や軽量化の観点から2mm以下とすることが好ましい。
導電性シート体7とアンテナ保持体2a及び2bを積層した場合に、アンテナ線3a及び3bと導電性シート体7が折衝しないように両者の間に絶縁材を設けておく。上述した例では、アンテナ保持体の基体がフィルムの場合には、アンテナ線と導電性シート体との間に絶縁材料からなる基体の一部を介在させることで接触しないようにすることができる。アンテナ保持体の基体が布体の場合にも、絶縁糸からなる地糸がアンテナ線と導電性シート体との間に介在することで接触しないようにすることができる。また、アンテナ線が外部に露出している場合でも、アンテナ線又は導電性シート体の表面に予め絶縁材料をコーティングしておけば、両者が接触して電気的に接続することを防止することが可能である。
図7は、暖簾1の作製方法に関する説明図である。この例では、アンテナ保持体2bをアンテナ線3bが保持された片面が下側を向くように置き、その上に導電性シート体7を重ねる。導電性シート体7は、アンテナ線3bが配列された領域全体が被覆されるように配置する。そして、導電性シート体7の上にアンテナ保持体2aを重ねて置き、アンテナ保持体2aのアンテナ線3aが配列された領域が導電性シート体7と重なり合うように配置する。そして、3つのシートが積層した状態で一体化する。アンテナ保持体の基体が合成樹脂フィルムの場合にはアンテナ保持体同士を熱融着して一体化することができる。また、アンテナ保持体の基体が布体の場合には、アンテナ保持体同士を縫製等により一体化することができる。上述した作製方法においてシートを積層一体化する場合には、粘着剤又は接着剤等を使用して一体化することもできる。なお、接着剤等を使用する場合には、暖簾の柔軟性を維持するためにシートをドット状又はライン状に部分的に接着固定することが好ましい。
図8は、暖簾1の別の作製方法に関する説明図である。この例では、アンテナ保持体2a及び2bを合わせた大きさのシート23を用い、シート23の中心線Tで画定される半分の領域の片面側にそれぞれアンテナ線3a及び3bと配線コード4a及び4bを形成し、アンテナ線3a及び3bが保持された片面が下側を向くようにシート23を設定する(図8(a))。次に、シート23の半分の領域の上に導電性シート体7を重ね、アンテナ線3bが配列された領域全体が被覆されるように配置する。そして、中心線Tに沿ってシート23を折り曲げて(図8(b))重ね合わせ、積層一体化する。一体化する場合には、図7に示す例と同様に、熱融着又は縫製等により行うことができる。この場合には、シート23の半分がアンテナ保持体2aとなり、残りの半分がアンテナ保持体2bとなる。
図9は、無線IDタグの所持者Mが暖簾1を通過する場合の説明図である。所持者Mは、図10に示すように、両肩部分に無線IDタグを取り付けたパッドM1及びM2を装着している。パッドM1及びM2には、複数の短冊状のRFIDタグが所定間隔を空けて配設されており、その長手方向が肩のラインに沿うように配列されて装着した状態ではできるだけ水平方向となるように設定されている。M1及びM2のRFIDの設置方向は、暖簾のアンテナ線で検知できる方向であればよく、パッド内に設置するRFIDの個数は少なくとも1個あればよい。またM1及びM2の装着位置は左右の片側でもよく、さらに肩だけでなく袖口や背中、胸部等の暖簾通過時に認識しやすい位置に設定すればよい。
暖簾1を吊り下げた状態では、スリットSが垂直方向に設定されるためスリットSと直交するアンテナ線3a及び3bはほぼ水平方向に設定されるようになる(図9(a))。そして、アンテナ保持体2b側からスリットSに向かって所持者Mが前進し、スリットSの両側の布地部分をかき分けるようにして暖簾1をくぐると、両側のアンテナ保持体2bが所持者Mの両肩部分に接触した状態となる(図9(b))。そのため、パッドM1及びM2に配設されたRFIDタグが接触するアンテナ保持体2bのアンテナ線3bと近接した状態となる。そして、パッドM1及びM2に接触したアンテナ保持体2bは、所持者Mが前進するにつれてパッドM1及びM2に接触した状態で滑るように相対移動するようになり、アンテナ線3bが順次パッドM1及びM2に配設されたRFIDタグに近接した状態に設定されるようになる。
こうしてアンテナ保持体2bのアンテナ線3bにおいてRFIDタグから発信される電波が受信されるようになる。一方、アンテナ保持体2aでは、RFIDタグから発信される電波は導電性シート体7により遮蔽されるため、電波が受信されることはない。同様に、アンテナ保持体2a側から所持者Mが暖簾1を通過する場合には、アンテナ保持体2aのみRFIDタグから発信される電波を受信するようになる。複数の所持者Mが暖簾を通過したことを確実に判定するためには、RFIDタグに対するアンテナ線の認識可能距離が短い方がよく、一般的に歩行者が前の歩行者に接近しないように歩行する場合30cmより間隔を空けて歩行することから、アンテナ線の認識距離を30cm以下に設定することが望ましい。また、RFIDタグがアンテナ線と接触しないと認識できない場合には、認識不良が発生しやすくなるため、RFIDタグがアンテナ線に接触しない場合でも認識可能であることが必要で、アンテナ線の認識可能距離が2cm以上に設定されていることが望ましい。こうした認識可能距離を考慮すれば、RFIDタグの周波数は、例えば2.45GHz又はUHF帯(860MHz〜960MHz)に設定するとよい。
本発明に係る暖簾は、通常の暖簾と同様に柔軟性のある素材で作成されるとともに線状のアンテナ線をアンテナ保持体に密着保持するようにしているので、通常の暖簾と遜色のない肌触り及びデザインを実現することができ、建物内の出入口や廊下に吊り下げてもインテリア製品として違和感なく取り付けることが可能となる。
また、読取装置及び暖簾をセットで簡単に取り付けることができるため、既存の建物内の必要な個所に取り付けて無線通信により容易に移動情報を管理することが可能となる。例えば、介護施設に設置して、認知症の被介護者に対する移動情報の確認及び入退室管理を行う上で好適である。
M1、M2・・・パッド、S・・・スリット、T・・・中心線、1・・・暖簾、2a、2b・・・アンテナ保持体、3a、3b・・・アンテナ線、4a、4b・・・配線コード、5・・・読取装置、6・・・検知処理装置、7・・・導電性シート体、20・・・緯糸、21・・・経糸、22・・・縫糸、23・・・シート、30・・・導電線、31・・・導電線、32・・・接続線、33・・・芯糸、34・・・金属繊維

Claims (6)

  1. 柔軟性を有するとともに絶縁材料からなるシート状の基体に複数のアンテナ線が所定間隔を空けて配列されて保持された一対のアンテナ保持体と、前記アンテナ保持体の前記アンテナ線を配列した領域を被覆可能な大きさに形成されるとともに電波を遮蔽する導電性シート体とを備え、一対の前記アンテナ保持体の間に前記導電性シート体が前記アンテナ線を配列した領域に対向する位置に配置されて積層して一体化されており、前記導電性シート体及び前記アンテナ線の間には両者が接触しないように絶縁材が設けられている暖簾。
  2. 前記アンテナ保持体の前記基体は、比誘電率が4以下の絶縁糸からなる地糸により組織された布体であり、前記アンテナ保持体の前記アンテナ線は、前記地糸と同一の芯糸に金属繊維をカバーリング加工した抵抗が1Ω/m〜15Ω/mの導電糸からなる請求項1に記載の暖簾。
  3. 前記絶縁材は、前記布体の前記地糸からなる請求項1又は2に記載の暖簾。
  4. 前記アンテナ線は、前記布体の経糸方向及び/又は緯糸方向に挿入されて交差する地糸により保持されている請求項1から3のいずれかに記載の暖簾。
  5. 前記アンテナ線は、当該アンテナ線に交差するように前記布体に縫い込まれた縫糸により保持されている請求項1から3のいずれかに記載の暖簾。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の暖簾と、前記アンテナ保持体に保持された前記アンテナ線で受信した無線IDタグからの信号に基づいてIDデータを読み取るとともにいずれの前記アンテナ保持体で受信したかを識別する情報読取部と、前記アンテナ保持体の識別データに基づいて移動方向を検知する検知処理部とを備えている移動検知装置。
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