JP2013159763A - 着色組成物、インク組成物並びにインクジェット記録用インク - Google Patents

着色組成物、インク組成物並びにインクジェット記録用インク Download PDF

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嘉治 矢吹
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Abstract

【課題】色相に優れ広い色再現性を与える着色組成物を提供することであり、さらには高い発色濃度を有し、普通紙に印字した場合のコックリングが軽減できる着色組成物を提供すること。
【解決手段】下記一般式(Y)で表される少なくとも1種の化合物を、水性媒体中に含有する着色組成物であって、
該着色組成物が、さらに、無機イオン及び多価金属イオンより選択される少なくとも1種のイオンを含有し、
該少なくとも1種のイオンの着色組成物中の濃度が、無機イオンの場合それぞれ200ppm以下、多価金属イオンの場合50ppm以下であることを特徴とする着色組成物。

Figure 2013159763

(一般式(Y)において、Aは特定構造のケト体を表す。Aはの酸性核のエノール体を表す。Lはそれぞれ独立に置換されていてもよいメチン基を表す。Mは水素原子又は一価の対カチオンを表し、nは一般式(C)の正電荷数と負電荷数とが等しくなるために必要な数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は着色組成物、インク組成物並びにインクジェット記録用インクに関する。
インクジェット印刷は、デジタル信号に応答して画像記録要素に画素毎の様式でインク滴を付着させることにより画像を生成する非インパクト方法である。所望の画像を得るために、画像記録要素上へのインク滴の付着を制御するのに用いることができる種々の方法が存在する。一つのプロセスは、コンティニュアスインクジェットとして知られており、液滴の連続ストリームを荷電させ、画像記録要素の表面に像様に偏向させるが、画像形成されない液滴は捕捉されインク溜に戻される。もう一つのプロセスは、ドロップオンデマンドインクジェットとして知られており、個々のインク液滴を必要なときに画像記録要素上に放出して所望の画像を形成する。ドロップオンデマンド印刷でインク滴の放出を制御する一般的な方法には、圧電変換器及び熱バブル形成が含まれる。インクジェットプリンタは、工業用ラベリングから事務文書の少量印刷及びピクトリアル画像形成の範囲のマーケットにわたる広範囲の用途を有している。
インクジェットプリンタに用いられるインクは、一般的に、染料系か顔料系に分類される。染料は、キャリア媒体に溶解される着色剤である。顔料はキャリア媒体に不溶性であるが、小粒子の形態で分散もしくは懸濁され、分散剤の使用によって凝集と沈降に対して安定化されていることが多い。双方の場合において、キャリア媒体は、室温で液体もしくは固体となることができる。通常用いられるキャリア媒体には、水、水と有機補助溶媒との混合物並びに炭化水素類、エステル類、ケトン類等の高沸点有機溶媒である。
インクジェットシステムにおける着色剤の選定は画質にとって重要であり、溶剤に対する溶解性又は分散性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、空気、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。
画像保存性の中でも特に、画像の耐光性を向上させるために、従来から数多くの提案がなされている。例えば、シアン、マゼンタ、及びイエローの各インクの中でも特に画像の耐光性が低いイエローインクにおいて、画像の耐光性を向上させることができ、かつ発色濃度が良好な画像を形成することができるモノメチンオキソノール染料が開示されている(特許文献1)。
また、特許文献2には、耐光性をはじめとする堅牢性に優れ、かつ良好な色相を有する画像を形成することができるオキソノール化合物が開示されている。
特開2001−011351号公報 特開2001−348520号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、上記で挙げたような特許文献に記載された技術を用いたとしても、以下の課題があることがわかった。
近年、インクの長期貯蔵保存性に対する要求が特に高まってきており、特許文献1に記載された色材を含有してなるインクを用いた際に、インクの長期貯蔵安定性とインクジェット記録画像の高湿下における濃度変化の両立が課題であることが判明した。また、特許文献2に記載された化合物を含有してなるインクを用いた際も、同様の課題が判明した。さらに、水への溶解度が小さいため、色材としての実用性が限定されるという課題が残っていた。
さらに、インク中には、色材などの製造中に除去できずに残留した物質などに由来する不純物や、インクカートリッジやインク供給経路を構成する部材からインク中に溶出したと考えられる不純物が存在する場合がある。一方で、インクジェットインクの特性(例えば、液物性調整・画像保存性向上)を向上させる目的でインク中に着色剤の構造類似体を添加剤と併用する方法が知られている。
インク中に混入した上記の物質は、インク供給経路の目詰まりやインク供給特性、さらにはインク保存安定性の低下の要因となる場合があるため、特に、近年必要とされる高画質な記録を行う上では、信頼性の観点から解決すべき課題とされている。
したがって、本発明の目的は、色相に優れ広い色再現性を与える着色組成物を提供することであり、さらには高い発色濃度を有し、普通紙に印字した場合のコックリングが軽減でき、かつ、インク供給経路の目詰まり防止や保存安定性を十分満足させることができるイエローのインクジェット記録用インクに有用な着色組成物を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。
〔1〕
下記一般式(Y)で表される少なくとも1種の化合物を、水性媒体中に含有する着色組成物であって、
該着色組成物が、さらに、無機イオン及び多価金属イオンより選択される少なくとも1種のイオンを含有し、
該少なくとも1種のイオンの着色組成物中の濃度が、無機イオンの場合それぞれ200ppm以下、多価金属イオンの場合50ppm以下であることを特徴とする着色組成物。
一般式(Y)
Figure 2013159763


(一般式(Y)において、
は下記一般式1−aから1−xより選ばれる酸性核のケト体を表す。
は下記一般式1−aから1−xより選ばれる酸性核のエノール体を表す。
オキソノール染料を構成する2つの酸性核は、同じであっても、異なっていても良い。エノール体の水酸基は解離していても良い。
は置換されていてもよいメチン基を表す。
は水素原子又は一価の対カチオンを表し、nは一般式(Y)の正電荷数と負電荷数とが等しくなるために必要な数を表す。)
Figure 2013159763

(一般式1−aから1−xにおいて、
*は酸性核のケト体又はエノール体がLとそれぞれ独立に結合する位置を示す。
Xは酸素原子、又は硫黄原子を表す。
Yは電子求引性基を表す。
Zは水素原子、又はカルバモイル基、アルキル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基、、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びスルホ基から選ばれる置換基を表す。
、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
〔2〕
前記一般式(Y)で表される化合物が、一般式(Y−1)で表される化合物である、〔1〕に記載の着色組成物。
一般式(Y−1)
Figure 2013159763

(一般式(Y−1)において、R11、R12、R13、及びR14はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。ピラゾール環上の水酸基は解離して、一価の対カチオンと共に塩を形成しても良い。)
〔3〕
前記無機イオンが塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、及びリン酸イオンのイオンより選択される少なくとも1種であることを特徴とする〔1〕〜〔2〕のいずれか1項に記載の着色組成物。
〔4〕
前記多価金属イオンがMg,Ca,Sr,Ba,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Mo,Pd,Ag,Cd,及びHgのイオンより選択される少なくとも1種であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の着色組成物。
〔5〕
前記一般式(Y)で表される化合物の含有量(質量%)が、着色組成物全質量を基準として、0.2質量%以上15質量%以下である〔4〕に記載の着色組成物。
〔6〕
前記一般式(Y)で表される化合物の含有量(質量%)が、着色組成物全質量を基準として、1質量%以上10質量%以下である〔4〕又は〔5〕に記載の着色組成物。
〔7〕
〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の着色組成物を含有することを特徴とするインク組成物。
〔8〕
〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の着色組成物又は〔7〕に記載のインク組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
本発明によれば、色相に優れ広い色再現性を与えることが可能であり、さらには高い発色濃度の画像記録が可能であり、普通紙に印字した際のコックリングが軽減され、かつ、インク供給経路の目詰まり防止や保存安定性を十分満足させることができるイエローの着色組成物を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、詳細に説明する。
なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、着色組成物及びそれを用いたインク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。一般式(Y)で表される化合物、及び後述する一般式(Y−1)で表される化合物は本発明の着色組成物に有用である。
本発明者らは、上述の従来技術の課題を踏まえて、イエローインクに用いる色材について、詳細な検討を行う必要があると考えた。
本発明者らは、色材として一般式(Y)の化合物のみを含有する着色組成物及びそれを用いたインクを調製し、該インクを用いて形成した種々の画像や、インク供給経路の目詰まりや保存安定性の検討を行った。その結果、色材として一般式(Y)の化合物のみを含有する着色組成物を用いて得られたインクジェット記録用インクは、ある一定以上の性能を有するものの、特にインクジェット記録用インクの貯蔵安定性においては、近年の高い要求を満足させるのには未だ不十分であるとの結論に至った。特に、該インクをインクジェット記録装置に搭載した状態でインクジェット記録装置を使用せずに長期間放置させると、インクジェット記録装置によっては吐出性の低下やインクの保存安定性の低下が起こることがわかった。
これらの現象について本発明者らが詳細に検討した結果、一般式(Y)の化合物の含有量が多いインクをインクジェット記録装置に搭載した状態でインクジェット記録装置を使用せずに長期間放置した後に、記録ヘッドを観察したところ、ノズル内部に異物が発生しているものがあった。この異物について検討した結果、着色剤の結晶析出に由来するものであることがわかった。このような異物が発生している記録ヘッドを使用すると、異物によって吐出性が低下することや、また、異物に起因してインクの保存安定性が低下することがわかった。
すなわち、一般式(Y)の化合物を含有するインクを用いて形成した画像について広い色再現域、優れた発色濃度、さらにインク供給経路の目詰まり防止や保存安定性を満足するという全ての性能を両立させることは、従来の技術では不十分であった。より具体的には、下記の3つの性能を同時に満足するインクの提供は、従来の技術では十分に達成できなかった。本願の課題は、上記特定の色材を含むインクを用いた印画物の発色濃度を近年要求される高いレベルを満足させるまで向上させ、さらにインク供給経路の目詰まり防止や保存安定性を満足したものにすることである。
本発明者らは、一般式(Y)の化合物を使用した場合に生じる上記の技術課題を解決するために検討を行い、本発明を為すに至った。すなわち、本発明では、下記一般式(Y)で表される少なくとも1種の化合物と無機イオン及び多価金属イオンより選択される少なくとも1種のイオンを特定の質量比率で含有する着色組成物及びインクにより、上記技術課題の解決を図る。
以下に、本発明の化合物について詳細に説明する。
〔一般式(Y)で表される化合物〕
一般式(Y)で表される化合物は、発色濃度が高く、水への溶解性が高いため、着色組成物、インク組成物、インクジェット記録用インクに有用である。
一般式(Y)
Figure 2013159763

(一般式(Y)において、
は下記一般式1−aから1−xより選ばれる酸性核(活性メチレン化合物)のケト体を表す。
は下記一般式1−aから1−xより選ばれる酸性核のエノール体を表す。
オキソノール染料を構成する2つの酸性核は、同じであっても、異なっていても良い。エノール体の水酸基は解離していても良い。
L1は置換されていてもよいメチン基を表す。
は水素原子又は一価の対カチオンを表し、nは一般式(Y)の正電荷数と負電荷数とが等しくなるために必要な数を表す。)
Figure 2013159763

(一般式1−aから1−xにおいて、
*は酸性核のケト体又はエノール体がLとそれぞれ独立に結合する位置を示す。
Xは酸素原子、又は硫黄原子を表す。
Yは電子求引性基を表す。
Zは水素原子又はカルバモイル基、アルキル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基、、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びスルホ基から選ばれる置換基を表す。
、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
一般式(Y)において、Lは置換されていてもよいメチン基を表す。置換基としてはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、若しくはアシルアミノ基をあげることができる。Lは無置換のメチン基であることが好ましい。
一般式(Y)において、Mは水素原子又は一価の対カチオンを表す。一価の対カチオンとしては、アルカリ金属(例えばNa、K、Liなど)、NH、NMe、HNEt、グアニジニウム、ピリジニウム、トリエタノールアンモニウムを好ましい例として挙げることができる。ここで、Meはメチル基を、Etはエチル基をそれぞれ表す。Mは水素原子、Na、K、Li、又はNHであることが好ましい。
一般式(Y)において、Aは上記一般式1−aから1−xより選ばれる酸性核(活性メチレン化合物)のケト体を表し、Aは上記一般式1−aから1−xより選ばれる酸性核のエノール体を表す。
例として1−aについて、ケト体及びエノール体の構造を記す。一般式1−bから1−xについてもケト体と共にエノール体が存在する。
Figure 2013159763

(R,及びRは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。)
以下、一般式1−aから1−xについて説明する。
一般式1−aから1−xにおいて、Xは酸素原子、又は硫黄原子を表す。Xは酸素原子であることが好ましい。
一般式1−aから1−xにおいて、Yは電子求引性基を表す。
該電子求引性基は、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基
が挙げられ、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、アシル基、置換されていても良いスルファモイル基、置換されていても良いカルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基から選ばれる置換基が好ましい。ここで、スルファモイル基、カルバモイル基が置換基を有する場合の置換基としては、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が挙げられる。
Zは水素原子、又はカルバモイル基、アルキル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基、、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びスルホ基から選ばれる置換基を表し、水素原子、カルバモイル基、アルキル基、シアノ基、アシル基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アルキルスルホニル基、スルホ基が好ましく、水素原子、カルバモイル基、シアノ基がより好ましい。各置換基は更に置換基を有していても良い。
一般式1−aから1−xにおいて、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
、R、R、R、R、及びRが置換基を表す場合、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスホン酸基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、又はシリル基であり、これらの置換基は更に上記置換基によって置換されていても良く、置換基同士が結合して環を形成しても良い。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、トリアジニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
(イオン性親水性基)
スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、4級アンモニウム基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩が最も好ましい。
、R、R、R、R、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、カルボキシル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、カルバモイルオキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、スルファモイル基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、カルボキシル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、スルファモイル基、が更に好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アシルアミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基が最も好ましい。
、R、R、R、R、及びRが表す置換基は更に置換されていてもよく、更なる置換基としては、R、R、R、R、R、及びRが表す上記置換基が挙げられ、スルホ基、ヒドロキシル基、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基が好ましく、スルホ基、ヒドロキシル基、アルキル基がより好ましい。
一般式(Y)におけるオキソノール染料を構成するA及びAが表す2つの酸性核は、同じであっても異なっていても良いが、同じであることがより好ましい。
オキソノール染料は、置換基として解離性の水溶性基を有することが好ましい。該水溶性基としては、イオン性親水性基が好ましく、スルホ基、カルボキシル基、ホスホン酸基をより好ましい例として挙げることができる。
及びAは好ましくは、1−a、1−c、1−f、1−n、1−o、1−p、1−q、1−r、1−v、1−w、1−xから選ばれたものであり、更に好ましくは1−a、1−f、1−p、1−q、1−v、1−xから選ばれたものであり、A及びAが共に1−aであるものが最も好ましい。
上記一般式(Y)の化合物の中でも特に、下記一般式(Y−1)の化合物を使用することが好ましい。
一般式(Y−1)
Figure 2013159763

(一般式(Y−1)において、R11、R12、R13、及びR14はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。ピラゾール環上の水酸基(酸性核のエノール体の水酸基)は解離して、一価の対カチオンと共に塩を形成しても良い。))
一般式(Y−1)において、R11、R12、R13、及びR14はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基は更に置換されていてもよく、更なる置換基の例示及び好ましい例は上記一般式(Y)におけるRの例示及び好ましい例と同様である。
11、R13はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、カルボキシル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、カルバモイルオキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基であることが好ましく、中でもアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基がさらに好ましく、
アルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アシルアミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基が最も好ましい。各基は更に置換されていてもよく、更なる置換基の例示及び好ましい例はRからRの例示及び好ましい例と同様である。
12,R14はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、カルバモイルオキシ基が好ましく、
水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基が更に好ましく、
水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、カルバモイル基が最も好ましい。各基は更に置換されていてもよく、更なる置換基の例示及び好ましい例はRからRの例示及び好ましい例と同様である。
一般式(Y−1)のオキソノール染料は、イオン性親水性基を有することが好ましい。該イオン性親水性基としては、スルホ基、カルボキシル基、ホスホン酸基を好ましい例として挙げることができる。
以下に前記一般式(Y)、一般式(Y−1)で表されるモノメチンオキソノール化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるモノメチンオキソノール化合物は、下記の例に限定されるものではない。また、以下の具体例の構造は化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示されるが、記載された構造以外の互変異性体構造であってもよいことは言うまでもない。
Figure 2013159763
Figure 2013159763
Figure 2013159763
一般式(Y)及び式(Y−1)で表される染料は、一般的な合成法で合成することが可能であり、例えば特公昭43−13168号および特公昭52−128125号の記載の方法と同様に合成することができる。
<着色組成物>
本発明の着色組成物は、上記一般式(Y)で表される少なくとも1種の化合物を、水性媒体中に含有する着色組成物であって、該着色組成物が、さらに、無機イオン及び多価金属イオンより選択される少なくとも1種のイオンを含有し、該少なくとも1種のイオンの着色組成物中の濃度が、無機イオンの場合それぞれ200ppm以下、多価金属イオンの場合50ppm以下である。
本発明の着色組成物及びそれを用いたインクは、貯蔵安定性、インクジェット記録画像の着色性及びインクジェット記録画像の発色濃度が高くなるという特徴を有する。
本発明の着色組成物は、インクジェット記録用インクに用いることができる。
以下、本発明にかかる着色組成物及びインクジェット記録用インク(以下、単にインクと呼ぶこともある)を構成する成分や、インクの物性などについて詳細に述べる。
ここで本発明が意図する無機イオンおよび多価金属イオンについて説明する。
本発明の無機イオンとは、一般式(Y)中のM、すなわち染料構造に含まれる一価の対カチオンを除外する。
〔色材の含有量〕
本発明の着色組成物においては、一般式(Y)で表される化合物の含有量(質量%)は、着色組成物全質量を基準として、0.2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
なお、本発明のインクジェット記録用インクがイエローインクである場合、イエローインクとして好ましい色調とは、以下の二つのことを意味する。すなわち、イエローインクのみを用いて形成した画像が赤味を帯びていないことを意味する。さらに、これに加えて、イエローインクを用いて形成する2次色の画像、つまりレッドやグリーンの画像を形成する際に、レッド及びグリーンの色再現範囲をいずれも大きく損失することがない色調を有することを意味する。
本発明の化合物を含有する着色組成物は、インクジェット記録用インクに用いることができる。
以下、本発明にかかる着色組成物及びインクジェット記録用インク(以下、単にインクと呼ぶこともある)を構成する成分や、インクの物性などについて詳細に述べる。
ここで本発明が意図する無機イオンおよび多価金属イオンについて説明する。
本発明の無機イオンとは、一般式(Y)中のM、すなわち染料構造に含まれる一価の対カチオンを除外する。
〔無機イオン〕
次に、本発明にかかる着色組成物が含有し得る無機イオンについて説明する。
該無機イオンとしては、無機カチオンと無機アニオンに分けられる。無機カチオンとして、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンが挙げられる。好ましくはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンであり、更にナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましい。但し、一般式(C)中のMは明細書中の無機イオンから除外する。
無機アニオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオンが挙げられ、より好ましくは、塩化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオンが好ましく、塩化物イオン、硫酸イオンが更に好ましい。
着色組成物に含まれる無機イオンの少なくとも1種について、その濃度が200ppm以下であることが好ましい。0ppm以上200ppm未満がより好ましく、0ppm以上100ppm未満が更に好ましい。無機カチオンにおいては30ppm未満が最も好ましい。
〔多価金属イオン〕
次に、本発明にかかるインクに含まれる多価金属イオンについて説明する。多価金属イオンには重金属イオンの他にアルカリ土類金属も含まれる。
重金属イオンとしてはTi,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Mo,Pd,Ag,Cd,及びHgのイオンであり、Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ag,およびCdがより好ましく、Fe,Cr,Ni,およびZnのイオンが更に好ましい。
また、アルカリ土類金属としては、Mg、Ca、SrおよびBaのイオンであり、Mg、Ca、およびSrのイオンが好ましく、MgおよびCaのイオンが更に好ましい。
これらの多価金属イオンは反応釜や水道管のステンレスや鉄に由来することが考えられる。
着色組成物に含まれる多価金属イオンの少なくとも1種について、その濃度が50ppm以下であることが好ましい。0ppm以上50ppm未満であることがより好ましく、0ppm以上30ppm未満であることが更に好ましく、20ppm未満であることが最も好ましい。
染料およびそれを使用した着色組成物およびインク組成物への無機イオンおよび多価金属イオンの汚染は、染料を合成する際の使用原料や使用溶媒、触媒、反応容器を代表する反応設備からの汚染が関与する。また、着色組成物およびインク組成物を調整する際の使用原料や使用溶媒、添加剤、調液容器を代表する調液設備からの汚染が関与する。この汚染、一般的にはコンタミネーションというが、これらイオンのコンタミネーションによって染料がそのイオン強度で析出したり、あるいは染料がイオンと錯形成して析出したりすることで、吐出ヘッドへの析出やノズル詰まりの原因となったり、形成した画像のくすみなどを引き起こしたり、紙への浸透阻害を引き起こしたり、染料を過度に凝集させたりする。特に淡い色の画像や分子量の大きな2量体型の染料やヘテロ原子を多く含む染料などで顕著である。完全に除去することが好ましいが、効果と効率のバランスで、上限値と下限値が決まる。
また、インクを調液する際の溶媒からイオンを取り除くことも重要である。特にメインの溶媒である水については、脱イオン水を使用することが好ましい。
〔無機イオン及び多価金属イオン濃度〕
本発明においては、さらに、着色組成物中の無機イオン濃度が200ppm以下、多価金属イオン濃度が50ppm以下であることが好ましい。無機イオン濃度及び多価金属イオン濃度を上記範囲内とすることで、着色組成物をインクジェット記録用インクとして用いた場合の吐出安定性が良好となる。
〔無機イオン及び多価金属イオン濃度の測定〕
本発明で用いる染料、着色組成物及びインク中に含まれている無機イオンおよび多価金属イオンの濃度の検証には、イオンクロマト分析装置(IC)およびICP発光分光分析装置(ICP)を用いた方法が適用できる。
(1)イオンクロマト分析(1価カチオン分析)
(2)イオンクロマト分析(1価アニオン分析)
(3)ICP発光分光分析(多価金属イオン分析)
以下測定方法を記載する。
(1)イオンクロマト分析(1価カチオン分析)
イオンクロマト分析装置(IC)として、DIONEX DX−320を使用し、カラムにはIonpac CS12Aを、ガードカラムにはガードカラムNo.1としてIonpac CG12A−SCを、ガードカラムNo.2としてNG1を、カラム温度を35℃、溶離液として20mMメタンスルホン酸水溶液を、流量は1.0mL/minを、サプレッサーとして、ASRS−ULTRA(リサイクルモード)電流値 100mA、検出器は電気伝導度検出器を、注入量として50μLを選択した。
試料の調液方法を以下に示す。
染料試料50mg(着色組成物の場合は10mg、インクの場合は5mg)を50mLのメスフラスコに精秤し、超純水を加えて50mLまでメスアップした(A溶液)。この溶液を使って上記の装置および条件でリチウムイオン濃度およびアンモニウムイオン濃度を測定した。A溶液を50mLのメスフラスコにホールピペットで5mL分取し、超純水で50mLまでメスアップした。この溶液を使って上記の装置および条件でナトリウムイオン濃度およびカリウムイオン濃度を測定した。
(2)イオンクロマト分析(1価アニオン分析)
イオンクロマト分析装置(IC)として、DIONEX DX−320を使用し、カラムにはIonpac AS4A−SCを、ガードカラムにはガードカラムNo.1としてIonpac AG4A−SCを、ガードカラムNo.2としてNG1*2を、カラム温度を35℃、溶離液として1.5mM 炭酸ナトリウム水溶液と1.4mM炭酸水素ナトリウム液を、流量は1.0mL/minを、サプレッサーとして、ASRS−ULTRA(リサイクルモード)電流値 50mA、検出器は電気伝導度検出器を、注入量として50μLを選択した。
試料の調整方法を以下に示す。
染料試料50mg(着色組成物の場合は10mg、インクの場合は5mg)を50mLのメスフラスコに精秤し、超純水を加えて50mLまでメスアップした。この溶液を使って、上記の装置および条件でクロロイオン濃度、硫酸イオン濃度、酢酸イオン濃度を測定した。
(3)ICP分析(多価金属イオン分析)
ICP分析として、装置はICPS−8100を使用し、以下の装置パラメータで分析した。
高周波出力:1.2kw
トーチ観測高:11.0mm
クーラントガス流量:14.0L/min
プラズマガス流量:1.2L/min
キャリアガス流量:0.7L/min
試料の調整方法を以下に示す。
試料100mg(着色組成物の場合は20mg、インクの場合は10mg)を25mLのメスフラスコに精秤し、超純水を加えて超音波溶解後、超純水を更に加え25mLまでメスアップした。この溶液を使って、上記の装置及び条件で、カルシウムイオン濃度、マグネシウムイオン濃度、鉄イオン濃度、アルミニウムイオン濃度、亜鉛イオン濃度、シリケートイオン濃度を測定した。
[インクジェット記録用インク]
次に本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
インクジェット記録用インク(以下単に「インク」と称する場合がある)は、親油性媒体や水性媒体中に本発明の染料を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いたインクである。必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有される。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。
乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
浸透促進剤は、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール,ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。前記褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
pH調整剤としては前記中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。前記pH調整剤はインクジェット記録用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット記録用インクがpH6〜10と夏用に添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
表面張力調整剤としてはノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。なお、本発明のインクジェット用インクの表面張力は25〜70mN/mが好ましい。さらに25〜60mN/mが好ましい。また本発明のインクジェット記録用インクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
本発明の染料を水性媒体に分散させる場合は、特開平11−286637号、特願平2000−78491号、同2000−80259号、同2000−62370号等の各公報に記載されるように、色素と油溶性ポリマーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分散したり、特願平2000−78454号、同2000−78491号、同2000−203856号,同2000−203857号の各明細書のように高沸点有機溶媒に溶解した本発明の化合物を水性媒体中に分散することが好ましい。本発明の化合物を水性媒体に分散させる場合の具体的な方法,使用する油溶性ポリマー、高沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は、上記特許公報等に記載されたものを好
ましく使用することができる。あるいは、前記フタロシアニン化合物を固体のまま微粒子状態に分散してもよい。分散時には、分散剤や界面活性剤を使用することができる。分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。上記のインクジェット記録用インクの調製方法については、先述の特許以外にも特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号、特開平11−286637号、特願2000−87539号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
本発明のインク100質量部中は、本発明の染料を0.2質量部以上15質量部以下含有するのが好ましい。また、本発明のインクジェット用インクには、前記オキソノール化合物とともに、他の色素を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
本発明のインクは、粘度が40cp以下であるのが好ましい。また、その表面張力は20mN/m以上70mN/m以下であるのが好ましい。粘度及び表面張力は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤及び界面活性剤を添加することによって、調整できる。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フイルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマー微粒子分散物(ポリマーラテックスともいう)を併用してもよい。ポリマーラテックスを受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても、後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特願2000−363090号、同2000−315231号、同2000−354380号、同2000−343944号、同2000−268952号、同2000−299465号、同2000−297365号等の各明細書に記載された方法を好ましく用いることが出きる。
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/mが望ましい。
支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体として、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
インク受容層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。なお、インク受容層は1層でも2層でもよい。
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬べーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント,ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−136648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
本発明のインクは、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
ある種のモノメチンオキソノールイエロー染料が、従来技術のイエロー染料よりも優れた、色相、高い印字濃度、インク保存安定性、吐出安定性、耐久記録性を提供することがわかった。
以下、実施例に本発明について詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例)
本発明の式2−1で表される染料は、例えば下記合成ルートから誘導することができる。
Figure 2013159763
合成には特公昭43−13168号および特公昭52−128125号に記載の方法を参考にできる。
〔インク組成物の調製〕
本実施例のインク組成物に使用する色材を表1に示す。
[実施例1〜10]
インク組成物の調整には表2に示した組成に基づき、各成分を常温において30分間攪拌した後、得られた溶液を目開き1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより各インク組成物を得た。なお表2中において、各成分の数値はインク組成物の質量を100%とした場合の各成分の質量%を示し、更に水の量を示す「残」は、水以外の成分とあわせて合計100%になる量を示す。
[比較例1〜3]
実施例1で使用した色材(2−1)の代わりに表1に示す比較化合物を用いた以外は、実施例1と同様の操作を表2に示す組成で調整した。
Figure 2013159763
Figure 2013159763
表2中に記載のインク構成を用いてインクジェット用水溶性インクの作成を実施した。
Figure 2013159763
上記実施例および比較例に加え、それぞれの色材のロットについても同様のインク組成物を調整した。下表はインク組成物中に含まれる無機イオンと多価金属イオンの濃度に関する分析結果である。ただし、化学構造に含まれる対カチオンはαと表記した。
Figure 2013159763
Figure 2013159763
(1)色調
上記で得られた各インクをそれぞれ、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置(商品名:PIXUS iP8600;キヤノン製)に搭載した。記録条件を、温度23℃、相対湿度55%、記録密度2,400dpi×1,200dpi、吐出量2.5pLとした。そして、上記と同様の記録媒体に記録デューティを60%とした画像を形成して、画像を温度23℃、相対湿度55%で24時間自然乾燥した。このようにして得られた記録物の画像の部分について、分光光度計(Spectorolino;Gretag Macbeth製)を用いて色相角を測定し、色調の評価を行った。色調の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示した。本発明においては、下記の評価基準でAA、A及びBを許容できるレベル、Cを許容できないレベルとした。
AA:色相角が88°以上110°以下。
A:色相角が86°以上113°以下。
B:色相角が84°以上116°以下。
C:色相角が82°以上120°以下。
(2)最大印字濃度
上記記録条件にて、打滴回数に応じた画像を普通紙(GF−500)で作成し、反射濃度計(X−Rite310TR)を使用して、それぞれの画像のOD値を測定した。最大OD値について以下の評価基準でAA、A及びBを許容できるレベル、Cを許容できないレベルとした。
AA:最大ODが1.30以上。
A:最大ODが1.20以上。
B:最大ODが1.00以上1.20未満。
C:最大ODが1.00未満。
(3)インクの保存安定性
上記で得られた各インクをそれぞれ、インクジェット記録装置(商品名:PIXUS iP8600;キヤノン製)用のインクカートリッジに充填し、インクカートリッジ内のインクが蒸発しないようにインク供給口を閉じた。このインクカートリッジを密閉容器に入れて、温度60℃の恒温槽の中で3ヶ月間保存した。その後、インクカートリッジを恒温槽から取り出し、上記インクジェット記録装置のヘッドカートリッジに装着した。そして、ヘッドカートリッジの吐出口を露出した状態で、温度35℃、湿度10%で2週間保存した。その後、ヘッドカートリッジを上記と同様のインクジェット記録装置に装着して、吸引を所定の回数行い、回復性を確認することで、インクの保存安定性の評価を行った。なお、吸引とは、前記インクジェット記録装置(商品名:PIXUS iP8600;キヤノン製)に具備された機能の一つである、「プリントヘッドのクリーニング」のことである。保存安定性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示した。本発明においては、下記の評価基準でAA及びAを許容できるレベル、B及びCを許容できないレベルとした。
AA:4回以下の吸引で全ての吐出口が問題なく吐出できる状態に回復した。
A:5回の吸引で全ての吐出口が問題なく吐出できる状態に回復した。
B:6回の吸引で全ての吐出口が問題なく吐出できる状態に回復した。
C:7回以上の吸引を行っても吐出できない吐出口があった。
(4)吐出安定性(目詰まり性)
吐出安定性については、熱安定性試験後のインク組成物を使用した。カートリッジをプリンターにセットし全ノズルからのインクの突出を確認した後、A4 20枚出力し、以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れがない。
B:印字の乱れがある出力が発生するが実用上許容レベルである。
C:印刷開始から終了まで印字の乱れがあり、実用上問題のあるレベルであった。
(5)記録耐久性
上記で得られたインクをそれぞれ、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置(商品名:BJ F890;キヤノン製)のイエローインクの位置に搭載した。そして、A4サイズの記録媒体(商品名:オフィスプランナー:キヤノン製)の全面に記録デューティを100%とした画像を記録して、記録耐久性の評価を行った。記録耐久性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示した。本発明においては、下記の評価基準でAA及びAを許容できるレベル、B及びCを許容できないレベルとした。
AA:20,000枚の記録を行ってもヨレやコックリング、カスレが生じず実用上許容レベルであった。
A:15,000枚〜19,999枚の記録を行うと、微小ヨレやコックリングによる若干のかすれが生じたが実用上許容レベルであった。
B:10,000枚〜14,999枚の記録を行うと、微小ヨレやコックリングによる若干のかすれが生じ実用上の限界レベルであった。
C:10,000枚の記録に至る前に、かすれが生じたか、断線による不吐出が生じ実用上問題のあるレベルであった。
Figure 2013159763
Figure 2013159763

Claims (8)

  1. 下記一般式(Y)で表される少なくとも1種の化合物を、水性媒体中に含有する着色組成物であって、
    該着色組成物が、さらに、無機イオン及び多価金属イオンより選択される少なくとも1種のイオンを含有し、
    該少なくとも1種のイオンの着色組成物中の濃度が、無機イオンの場合それぞれ200ppm以下、多価金属イオンの場合50ppm以下であることを特徴とする着色組成物。
    一般式(Y)
    Figure 2013159763


    (一般式(Y)において、
    は下記一般式1−aから1−xより選ばれる酸性核のケト体を表す。
    は下記一般式1−aから1−xより選ばれる酸性核のエノール体を表す。
    オキソノール染料を構成する2つの酸性核は、同じであっても、異なっていても良い。エノール体の水酸基は解離していても良い。
    は置換されていてもよいメチン基を表す。
    は水素原子又は一価の対カチオンを表し、nは一般式(Y)の正電荷数と負電荷数とが等しくなるために必要な数を表す。)
    Figure 2013159763

    (一般式1−aから1−xにおいて、
    *は酸性核のケト体又はエノール体がLとそれぞれ独立に結合する位置を示す。
    Xは酸素原子、又は硫黄原子を表す。
    Yは電子求引性基を表す。
    Zは水素原子、又はカルバモイル基、アルキル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基、、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びスルホ基から選ばれる置換基を表す。
    、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
  2. 前記一般式(Y)で表される化合物が、一般式(Y−1)で表される化合物である、請求項1に記載の着色組成物。
    一般式(Y−1)
    Figure 2013159763


    (一般式(Y−1)において、R11、R12、R13、及びR14はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。ピラゾール環上の水酸基は解離して、一価の対カチオンと共に塩を形成しても良い。)
  3. 前記無機イオンが塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、及びリン酸イオンのイオンより選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の着色組成物。
  4. 前記多価金属イオンがMg,Ca,Sr,Ba,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Mo,Pd,Ag,Cd,及びHgのイオンより選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色組成物。
  5. 前記一般式(Y)で表される化合物の含有量(質量%)が、着色組成物全質量を基準として、0.2質量%以上15質量%以下である請求項4に記載の着色組成物。
  6. 前記一般式(Y)で表される化合物の含有量(質量%)が、着色組成物全質量を基準として、1質量%以上10質量%以下である請求項4又は5に記載の着色組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色組成物を含有することを特徴とするインク組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色組成物又は請求項7に記載のインク組成物を含有することを特徴とするインクジェット記録用インク。
JP2012025441A 2012-02-08 2012-02-08 着色組成物、インク組成物並びにインクジェット記録用インク Pending JP2013159763A (ja)

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