JP2013159146A - 車両用データ通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の通信ネットワークにおいて同期的なデータ通信を可能とする。
【解決手段】ハイブリッド制御装置2は、第1の通信バス8と第2の通信バス9との両方に接続されている。ハイブリッド制御装置2は、2つの通信バス8、9を経由して同時に送信および/または同時に受信されるべき一組の同期メッセージを取り扱う。ハイブリッド制御装置2は、蓄積部21、27と、同期転送部34、43とを備える。蓄積部21、27は、一組の同期メッセージが揃うように、複数の同期メッセージを蓄積する。同期転送部34、43は、一組の同期メッセージを蓄積部21、27に蓄積した後に、その一組の同期メッセージを転送する。送信においては、一組の同期メッセージは、送信キュー25、26の同じ順位に格納される。受信側の制御装置は同期メッセージを同時に解凍する。この結果、2つの通信バス8、9を通して同期的な通信が提供される。
【選択図】図2
【解決手段】ハイブリッド制御装置2は、第1の通信バス8と第2の通信バス9との両方に接続されている。ハイブリッド制御装置2は、2つの通信バス8、9を経由して同時に送信および/または同時に受信されるべき一組の同期メッセージを取り扱う。ハイブリッド制御装置2は、蓄積部21、27と、同期転送部34、43とを備える。蓄積部21、27は、一組の同期メッセージが揃うように、複数の同期メッセージを蓄積する。同期転送部34、43は、一組の同期メッセージを蓄積部21、27に蓄積した後に、その一組の同期メッセージを転送する。送信においては、一組の同期メッセージは、送信キュー25、26の同じ順位に格納される。受信側の制御装置は同期メッセージを同時に解凍する。この結果、2つの通信バス8、9を通して同期的な通信が提供される。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数の通信ネットワークにおいて一群のデータを同期して伝送することができる車両用データ通信装置に関する。
特許文献1は、ネットワークによって複数の計算機を結合することにより構築された計算機システムを開示している。車両に搭載された制御システムにおいても、LIN(Local Interconnect Network)、またはCAN(Controller Area Network)のような通信ネットワークが用いられている。車両用制御システムにおいては、ひとつの制御装置と他の制御装置とを通信ネットワークによって接続することにより、指令値の通信、センサ検出値の通信などが提供されている。
従来技術の構成では、車両の仕様毎に通信ネットワークを構築する必要がある。例えば、車両の搭載機器の違いに対応して、車両毎に異なる通信ネットワークを構築する必要があった。また、動力源としてエンジンのみを搭載する車両と、動力源としてエンジンと回転電機とを搭載する車両とでは、異なる通信ネットワークを構築する必要があった。
上記のような多種類の通信ネットワークを効率的に構築するために、複数の仕様に共通の標準的な第1の通信ネットワークと、仕様毎に特有の第2の通信ネットワークとを構築することが考えられる。しかし、複数の通信ネットワークを設けると、それらの通信プロトコルの差に起因して、または、それらのトラフィックの差に起因して、両方の通信ネットワークにおいて同期的な通信を実施することが困難であった。
例えば、車両用制御システムにおいては、車両の挙動を安定的に制御するために、複数の通信ネットワークにおいて、同期的なデータ通信を実行することが求められる場合がある。ところが、複数の通信ネットワークの通信プロトコルが異なると、両方の通信ネットワークにおいて同時に一群のデータを通信することができない場合がある。また、複数の通信ネットワークの通信負荷、すなわちトラフィックに差があると、両方の通信ネットワークにおいて同時に一群のデータを通信することができない場合がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の通信ネットワークにおいて同期的なデータ通信を可能とする車両用データ通信装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲および下記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明は、第1の制御装置(2)と第2の制御装置(3)との間の通信を第1の通信バス(8)を経由することによって提供するとともに、第1の制御装置(2)と第3の制御装置(5、6)との間の通信を第2の通信バス(9)を経由することによって提供する車両用データ通信装置において、第1の制御装置は、2つの通信バスを経由して同時に送信および/または受信されるべき一組の同期メッセージを蓄積する同期メッセージのための蓄積部(21、27)と、一組の同期メッセージを蓄積部に蓄積した後に、一組の同期メッセージを転送する同期転送部(34、43)とを備えることを特徴とする。
この構成によると、第1の制御装置は、第1の通信バスと第2の通信バスとの両方に接続される。第1の制御装置は、2つの通信バスを経由して同時に送信および/または受信されるべき一組の同期メッセージを取り扱う。第1の制御装置は、一組の同期メッセージを送信および/受信するために、蓄積部と、同期転送部とを備える。蓄積部は、一組の同期メッセージが揃うように、複数の同期メッセージを蓄積する。同期転送部は、一組の同期メッセージを蓄積部に蓄積した後に、その一組の同期メッセージを転送する。この結果、2つの通信バスの性能、トラフィックなどの通信特性が異なっていても、同期的に通信を提供することができる。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1において、車両用の制御システム1は、車両に搭載されている。車両は、走行用の動力源として車両に搭載されたエンジン(ENG)3aを備える。エンジン3aは、内燃機関によって提供することができる。車両は、走行用の動力源として車両に搭載された第1電機(MG1)5a、および第2電機(MG2)6aを備える。これら第1電機5aおよび第2電機6aは、回転電機5a、6aとして総称されることがある。第1電機5aおよび第2電機6aは、電動機または発電機として選択的に機能することができる電動発電機である。エンジン3a、第1電機5a、および第2電機6aは、車両の駆動系統に組み込まれている。第1電機5aおよび第2電機6aは、電動機として機能することにより、車両の走行用の動力を供給する。車両は、エンジン3aと回転電機5a、6aとを備えるいわゆるハイブリッド車両である。
図1において、車両用の制御システム1は、車両に搭載されている。車両は、走行用の動力源として車両に搭載されたエンジン(ENG)3aを備える。エンジン3aは、内燃機関によって提供することができる。車両は、走行用の動力源として車両に搭載された第1電機(MG1)5a、および第2電機(MG2)6aを備える。これら第1電機5aおよび第2電機6aは、回転電機5a、6aとして総称されることがある。第1電機5aおよび第2電機6aは、電動機または発電機として選択的に機能することができる電動発電機である。エンジン3a、第1電機5a、および第2電機6aは、車両の駆動系統に組み込まれている。第1電機5aおよび第2電機6aは、電動機として機能することにより、車両の走行用の動力を供給する。車両は、エンジン3aと回転電機5a、6aとを備えるいわゆるハイブリッド車両である。
制御システム1は、複数の制御装置2−7を備える。制御装置2−7は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納している。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクによって提供されうる。プログラムは、制御装置2−7によって実行されることによって、制御装置2−7をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される制御方法を実行するように制御装置2−7を機能させる。制御装置2−7が提供する手段は、所定の機能を達成する機能的ブロック、またはモジュールとも呼ぶことができる。
制御システム1は、車両の走行用の動力源として車両に搭載されたエンジン3aと回転電機5a、6aとを総合的に制御するためのハイブリッド制御装置(HV−ECU)2を備える。ハイブリッド制御装置2は、ハイブリッド車両における主要制御装置、または第1の制御装置とも呼ばれる。
制御システム1は、ハイブリッド制御装置2からの指示に応じてエンジン3aを制御するエンジン制御装置(ENG−ECU)3を備える。エンジン制御装置3は、エンジン3aの燃料噴射装置および/または点火装置を制御することによりエンジン3aの運転状態を調節する。エンジン制御装置3は、ハイブリッド車両における従属的な従属制御装置、または第2の制御装置とも呼ばれる。
制御システム1は、車両のドアのロック装置、車両のメータ、車両の灯火装置を含むボディ機器を制御するボディ制御装置(BDY−ECU)4を備える。ボディ制御装置4は、ハイブリッド制御装置2と通信する。ボディ制御装置4は、ハイブリッド制御装置2に制御用の情報を提供するとともに、ハイブリッド制御装置2からの指示に応じた制御を実行する。
制御システム1は、ハイブリッド制御装置2からの指示に応じて第1電機5aを制御する第1電機制御装置(MG1−ECU)5を備える。制御システム1は、ハイブリッド制御装置2からの指示に応じて第2電機6aを制御する第2電機制御装置(MG2−ECU)6を備える。第1電機制御装置5および第2電機制御装置6は、回転電機制御装置5、6として総称されることがある。回転電機制御装置5、6は、ハイブリッド車両における従属的な従属制御装置、または第3の制御装置とも呼ばれる。
制御システム1は、車両に搭載されたエアコン装置を制御するエアコン制御装置(AC−ECU)7を備える。エアコン装置は、電動コンプレッサによって冷凍サイクルを駆動する電動型エアコンである。エアコン装置は、ハイブリッド車両がエンジン3aを停止しているときにも室内を空調する。エアコン制御装置7は、ハイブリッド制御装置2と通信する。エアコン制御装置7は、ハイブリッド制御装置2に制御用の情報を提供するとともに、ハイブリッド制御装置2からの指示に応じた制御を実行する。
制御システム1は、第1の通信バス(BUS1)8と、第2の通信バス(BUS2)9とを備える。第1の通信バス8と第2の通信バス9とは、通信バス8、9と総称されることがある。第1の通信バス8と第2の通信バス9とは、互いに独立している。第1の通信バス8は通信ネットワークにおける伝送路を提供する。第1の通信バス8は、LIN(Local Interconnect Network)、またはCAN(Controller Area Network)のようなLAN(Local Area Network)のプロトコルに準拠している。第2の通信バス9は通信ネットワークにおける伝送路を提供する。第2の通信バス9は、LINまたはCANのようなLANのプロトコルに準拠している。
第1の通信バス8は、ハイブリッド制御装置2、エンジン制御装置3、およびボディ制御装置4を通信可能に接続する。よって、制御システム1は、第1の制御装置2と第2の制御装置3との間の通信を第1の通信バス8を経由することによって提供する。第2の通信バス9は、ハイブリッド制御装置2、第1電機制御装置5、第2電機制御装置6、およびエアコン制御装置7を通信可能に接続する。よって、制御システム1は、第1の制御装置2と第3の制御装置5、6との間の通信を第2の通信バス9を経由することによって提供する。
通信バス8は、エンジン3aだけを搭載する車両において利用することができる標準的な第1の通信ネットワークを提供している。言い換えると、第1の通信ネットワークは、基本的な仕様の車両においても利用できるように設計されている。基本的な仕様の車両においては、通信ネットワークに接続されるべきノード、すなわち制御装置の数が比較的少ない。第1の通信ネットワークは、比較的少ないノードに対して十分な通信性能を提供することができる。
通信バス9は、エンジン3aと回転電機5a、6aとを備えるハイブリッド車両において利用される第2の通信ネットワークを提供している。第2の通信ネットワークは、第1の通信ネットワークとは重複することのない独立した通信機能を担っている。第2の通信ネットワークは、第1の通信ネットワークに付加することができるように設計されている。言い換えると、第2の通信ネットワークは、付加的な仕様の車両において利用できるように設計されている。別の観点では、第2の通信ネットワークは、ノードの数の増加に対応して十分な通信性能を提供するために付加された追加的な通信ネットワークである。
通信バス8に接続された複数の制御装置3、4は、通信バス9に接続されることなく、通信バス8だけに直接的に接続されている。通信バス9に接続された複数の制御装置5、6、7は、通信バス8に接続されることなく、通信バス9だけに直接的に接続されている。第1の通信バス8に接続されたノード3、7の数と、第2の通信バス9に接続されたノード5、6、7の数とは、異なる。
ハイブリッド制御装置2は、CPU(中央演算装置)11、およびメモリ(MMR)12を備える。CPU11は、エンジン3aおよび回転電機5a、6aを制御するための制御処理を実行するための制御処理部(CNTL)15と、通信処理のためのゲートウェイ部(GTWY)16とを提供する。ゲートウェイ部16およびそれに関連する機器は、車両用データ通信装置を提供する。ゲートウェイ部16は、ハイブリッド制御装置2とエンジン制御装置3との間の通信を第1の通信バス8を経由することによって提供する。また、ゲートウェイ部16は、ハイブリッド制御装置2と回転電機制御装置5、6との間の通信を第2の通信バス9を経由することによって提供する。
ゲートウェイ部16は、第1の通信バス8へのメッセージの送信と、第2の通信バス9へのメッセージの送信とを、メッセージの優先順位に従った順序で実行する非同期的な送信処理を実行する。さらに、ゲートウェイ部16は、第1の通信バス8へのメッセージの送信と、第2の通信バス9へのメッセージの送信とを同時に実行する同期的な送信処理を実行する。また、ゲートウェイ部16は、第1の通信バス8からのメッセージの受信と、第2の通信バス9からのメッセージの受信とを、メッセージの優先順位に従った順序、またはメッセージを受信した順序で実行する非同期的な受信処理を実行する。さらに、ゲートウェイ部16は、第1の通信バス8からのメッセージの受信と、第2の通信バス9からのメッセージの受信とを同時に実行する同期的な受信処理を実行する。
ハイブリッド制御装置2は、第1の通信バス8との物理層の接続を提供する第1のインターフェース(INF1)13を備える。インターフェース13は、通信バス8を経由する通信のプロトコルに適合している。ハイブリッド制御装置2は、第2の通信バス9との物理層の接続を提供する第2のインターフェース(INF2)14を備える。インターフェース14は、通信バス9を経由する通信のプロトコルに適合している。この実施形態では、第1のインターフェース13が提供する通信プロトコルと、第2のインターフェース14が提供する通信プロトコルとは、同一である。
同期メッセージを受信する各制御装置においては、同期メッセージに対する処理優先度が高く設定されている。また、それらの制御装置は、異なる制御装置においても、ほぼ同時に同期メッセージを解凍するように構成されている。よって、それらの制御装置は、同期メッセージの処理優先度を高く設定、例えば最高順位に設定することにより、同期メッセージを同期的に解凍する同期解凍手段を提供している。すなわち、同期メッセージを受信する制御装置2、3、5、6は、同期メッセージを他のメッセージに優先して処理する処理手段を提供する。
この実施形態では、すべての制御装置2−7は、同期メッセージを優先的に処理する同期メッセージのための処理手段を提供する。同期メッセージを高い優先度をもって処理する手段は、同期メッセージの通信に関与する制御装置だけによって提供されてもよい。例えば、第1の制御装置2、第2の制御装置3、および第3の制御装置5、6だけによって提供されてもよい。
同期メッセージの一方と他方とを受信した異なる制御装置は、同時に同期メッセージをデコード、解凍する。よって、同期メッセージを受信した異なる制御装置は、ほぼ同時に同期メッセージを解凍し、解釈し、同期メッセージに対応する制御処理をほぼ同時に実行する。例えば、同期メッセージが第1の制御装置2から同時に送信されると、同期メッセージの一方を受信した第2の制御装置3と、同期メッセージの他方を受信した第3の制御装置5、6とは、同期メッセージを他のメッセージに優先して処理する。この結果、第2の制御装置3と第3の制御装置5、6とに応じて同時に同期メッセージに対応した制御が実行される。
また、ふたつの同期メッセージがひとつの制御装置に受信された場合も、それらの同期メッセージはほぼ同時に解凍され、それら同期メッセージに対応する処理がほぼ同時に実行される。例えば、同期メッセージが第1の制御装置2に受信された場合、第1の制御装置2においては、同期メッセージが優先的に処理される。この結果、2つの異なる制御装置から送信された同期メッセージをほぼ同時に受信し、しかもほぼ同時に処理することができる。
図2において、主としてゲートウェイ部16によって提供されるメッセージを管理するための要素を説明する。以下の説明において、ハイブリッド制御装置2から送信されるメッセージを送信メッセージと呼ぶ。ハイブリッド制御装置2によって受信されるメッセージを受信メッセージと呼ぶ。ゲートウェイ部16は、送信メッセージの送信順序および受信メッセージの受信順序を編成するための複数の要素21−26、27、31−35、41-43を備える。
ゲートウェイ部16は、メッセージの属性に応じた順序で複数のメッセージの送信順序、および受信順序を管理する。メッセージの送信順序、および受信順序を管理するためのメッセージの属性には、メッセージの発生順位と、予め設定された優先順位と、メッセージが同期メッセージであるか否かとが含まれる。
送信メッセージは、受信側の制御装置を示すコードと、ハイブリッド制御装置2から受信側の制御装置へ伝送する情報、例えば指示を示すコードとを含むことができる。送信メッセージは、原則的には、その発生順位と、予め設定された優先順位とに基づいて管理される。送信メッセージは、原則的には、発生順位と優先順位とに基づいて設定される順序で送信される。さらに、送信メッセージは、同時に送信されるべき一組の同期メッセージであるか否かに基づいても管理される。一組の同期メッセージは、同時に送信、すなわち同期的に送信される。一組の同期メッセージを同期的に送信するために、発生順位と優先順位とに基づいて設定された順位は修正されることがある。
ゲートウェイ部16は、複数の送信メッセージを処理するために、複数の送信メッセージの送信順序を編成する構成を備える。ゲートウェイ部16は、古い送信メッセージが新しい送信メッセージより早く送信されるように、送信順序を編成する構成を備える。しかも、ゲートウェイ部16は、高い優先順位をもつ送信メッセージが低い優先順位をもつ送信メッセージより早く送信されるように、送信順序を編成する構成を備える。さらに、ゲートウェイ部16は、一組の同期メッセージが複数の通信ネットワークに向けて同時に送信されるように、送信順序を編成する構成を備える。
受信メッセージは、送信側の制御装置を示すコードと、ハイブリッド制御装置2へ伝送する情報、例えば指示を示すコードとを含むことができる。受信メッセージは、原則的には、その発生順位と、予め設定された優先順位とに基づいて管理される。受信メッセージは、原則的には、発生順位と優先順位とに基づいて設定される順序で送信される。さらに、受信メッセージは、制御処理部15において同時に処理されるべき一組の同期メッセージであるか否かに基づいても管理される。一組の同期メッセージは、同時に受信、すなわち同期的に受信される。ここでは、ゲートウェイ部16から制御処理部15への読み込み処理が受信に相当する。一組の同期メッセージを同期的に受信するために、発生順位と優先順位とに基づいて設定された順位は修正されることがある。
ゲートウェイ部16は、複数の受信メッセージを処理するために、複数の受信メッセージの読込順序を編成する構成を備える。ゲートウェイ部16は、古い受信メッセージが新しい受信メッセージより早く読み込まれるように、受信順序を編成する構成を備える。しかも、ゲートウェイ部16は、高い優先順位をもつ受信メッセージが低い優先順位をもつ受信メッセージより早く読み込まれるように、受信順序を編成する構成を備える。さらに、ゲートウェイ部16は、一組の同期メッセージがゲートウェイ部16から制御処理部15へ同時に読み込まれるように、受信順序を編成する構成を備える。
ゲートウェイ部16は、送信メッセージの送信順序を編成するための複数の要素21−26、31−35を備える。これらの要素は、送信順序を編成するための編成部を提供する。メッセージキュー21と送信キュー24とは、送信処理のための送信バッファを提供する。要素31−35は、送信バッファ21、24内において送信メッセージを発生順序、優先順位、同時送信の必要有無に応じて並べることにより送信順序を編成する。
メッセージキュー(MSG−QUEUE)21は、送信順序を編成するために、複数の送信メッセージを一時的に蓄積する。メッセージキュー21は、FIFO(First In First Out)型のメモリ構造によって提供することができる。メッセージキュー21は、非同期キュー(Q(ASY))22と、同期キュー(Q(SYN))23とを備える。
非同期キュー22は、ハイブリッド制御装置2から第1の通信バス8または第2の通信バス9へ送信するべき非同期メッセージを蓄積する。非同期キュー22は、非同期メッセージの発生順序に従って非同期メッセージを蓄積する。さらに、非同期キュー22は、非同期メッセージの優先順位の順序で非同期メッセージを蓄積する。この結果、複数の非同期メッセージは、発生順序の昇順を基本として、優先順位の昇順を修正要因として並べられる。非同期メッセージは非同期キュー22に一時的に蓄積される。非同期キュー22は、非同期メッセージの送信順序を編成する。
図示の例においては、最も古い非同期メッセージMSG(n)と、次の非同期メッセージMSG(n+1)と、最新の非同期メッセージMSG(n+4)とが図示されている。非同期メッセージの優先順位は、MSG(n)>MSG(n+4)>MSG(n+1)である。図中には、破線の矢印によって、発生順序に従って並べられた非同期メッセージMSG(n)と非同期メッセージMSG(n+1)との間に、優先順位に従って非同期メッセージMSG(n+4)が挿入されるプロセスが図示されている。
同期キュー23は、ハイブリッド制御装置2から第1の通信バス8および第2の通信バス9の両方へ同時に送信するべき同期メッセージを蓄積する。同期メッセージは同期キュー23に一時的に蓄積される。この結果、同期キュー23には、複数の同期メッセージが蓄積される。
図示の例においては、同期メッセージENG_0X001と、同期メッセージMG2_0X001とが図示されている。図中には、破線の矢印によって、発生順序に従って同期メッセージENG_0X001の次に、同期メッセージMG2_0X001を蓄積するプロセスが図示されている。
送信キュー24は、送信順序を編成するために、複数の送信メッセージを一時的に蓄積する。送信キュー24は、FIFO型のメモリ構造によって提供することができる。送信キュー24は、第1の送信キュー(Q(IF1))25と、第2送信キュー(Q(IF2))26とを備える。
第1の送信キュー25は、編成された順序で複数の送信メッセージを蓄積することにより、第1の通信バス8への送信順序を設定する。第1の送信キュー25は、蓄積された順序に従って、送信メッセージを第1のインターフェース13に送り出す。
第2の送信キュー26は、編成された順序で複数の送信メッセージを蓄積することにより、第2の通信バス9への送信順序を設定する。第2の送信キュー26は、蓄積された順序に従って、送信メッセージを第2のインターフェース14に送り出す。
送信のための同期メッセージリスト(TLST)31は、複数組の同期メッセージを定義する。ひとつの組(GRPn)を構成する複数の同期メッセージ(MSG(SYN))は予め定められている。一組の同期メッセージは、同時に送信されるべき複数の送信メッセージである。よって、同期メッセージリスト31を参照することにより、同時に送信されるべき複数の同期メッセージを特定することができる。
さらに、同期メッセージリスト31は、一組の同期メッセージと制御モード(MDn)との対応関係を定義している。制御モードは、ハイブリッド車両の走行モードを含む。よって、同期メッセージリスト31を参照することにより、一組の同期メッセージが必要とされる、または有効とされる制御モードを特定することができる。
さらに、同期メッセージリスト31は、同期キュー23における同期メッセージの有無を示すフラグ(FLG)を含む。複数のフラグのそれぞれは、同期メッセージリスト31内に登録された同期メッセージが、同期キュー23内に蓄積されたか否かに応じてセット、またはリセットされる。よって、同期メッセージリスト31のフラグを参照することにより、同期キュー23に現実に蓄積されている同期メッセージを特定することができる。さらには、同期メッセージリスト31のフラグを参照することにより、同期キュー23に現実に蓄積されている同期メッセージが、ひとつの組を構成するか否かを特定することができる。
図示の例では、第1の組GRP1は、制御モードMD1に対応する。制御モードMD1は、回転電機だけによる走行モード、すなわちEVモードである。第1の組GRP1には、同期メッセージMG1_0X001と、同期メッセージMG2_0X001とが含まれている。図示の例では、同期メッセージMG1_0X001、MG2_0X001は、同期キュー23に蓄積されていないから、フラグはリセット状態「0」である。第2の組GRP2は、制御モードMD2に対応する。制御モードMD2は、エンジンと回転電機とを併用する走行モード、すなわちHVモードである。第2の組GRP2には、同期メッセージENG_0X001と、同期メッセージMG2_0X003とが含まれている。図示の例では、同期メッセージENG_0X001、MG2_0X003は、同期キュー23に蓄積されているから、フラグはセット状態「1」である。
ゲートウェイ部16は、キューカウンタ(QCNT)32を備える。キューカウンタ32は、第1の送信キュー25に蓄積されたメッセージの数N(IF1)と、第2の送信キュー26に蓄積されたメッセージの数N(IF2)とを計数する。
図示の例では、ハッチングでマスクされたメッセージが格納される前に、第1の送信キュー25にはひとつのメッセージBDY_0X01Aが格納されている。よって、第1の送信キュー25に蓄積されたメッセージの数N(IF1)は「1」である。ハッチングでマスクされたメッセージが格納される前に、第2の送信キュー26にはふたつのメッセージAC_0X001、AC_0X002が格納されている。よって、第2の送信キュー26に蓄積されたメッセージの数N(IF1)は「2」である。
編成部21−26、31−35は、メッセージキュー21への送信メッセージの格納順序と、メッセージキュー21から送信キュー24への送出順序、すなわち転送順序とを管理することによって、送信順序を編成する。
非同期送出部(ASTM)33は、非同期キュー22に蓄積された非同期メッセージを第1の送信キュー25または第2の送信キュー26に格納する。非同期送出部33は非同期転送部とも呼ぶことができる。非同期送出部33は、所定のタイミングが到来すると、非同期キュー22から非同期メッセージ取り出す。非同期送出部33は、取り出した非同期メッセージの受信側の制御装置に応じて、取り出した非同期メッセージを、第1の送信キュー25または第2の送信キュー26へ格納する。よって、非同期送出部33は、非同期メッセージを第1の送信キュー25または第2の送信キュー26へ分配する。
図示の例では、ボディ制御装置4へのメッセージBDY_0X01Aは、第1の送信キュー25に格納される。エアコン制御装置7へのメッセージAC_0X001、AC_0X002は、第2の送信キュー26に格納される。
非同期キュー22は、上述のように非同期メッセージの発生順序と、優先順位とに基づいて非同期メッセージを並べる。よって、非同期キュー22と非同期送出部33とは、非同期メッセージについて予め定められた優先順位に従って、優先順位が高い非同期メッセージを先に第1の送信キュー25または第2の送信キュー26に格納する。この結果、非同期メッセージは予め定められた優先順位に従って第1の通信バス8または第2の通信バス9へ送信される。
同期送出部(SYTM)34は、一組の同期メッセージを同期キュー23に蓄積した後に、一組の同期メッセージを2つの通信バス8、9に向けて同時に送信するために、まとめて転送する。同期送出部34は、同期キュー23に蓄積された一組の同期メッセージの一方の同期メッセージを第1の送信キュー25に格納する。同期送出部34は、同期キュー23に蓄積された一組の同期メッセージの他方の同期メッセージを第2の送信キュー26に格納する。図示の例では、同期メッセージENG_0X001が第1の送信キュー25に格納され、同期メッセージMG2_0X003が第2の送金キュー26に格納されている。図中には、破線の矢印によって同期メッセージの送出処理の流れが図示されている。
ダミー送出部(DMYM)35は、一方の同期メッセージと、他方の同期メッセージとを第1の送信キュー25と第2の送信キュー26との同じ送信順位に格納するために、同期送出部34を補助する。ダミー送出部35は、一組の同期メッセージを、第1の送信キュー25と第2の送信キュー26との同一の送信順位に格納するために、いずれか一方の送信キューにダミーメッセージMSG(d)を格納する。ダミー送出部35はキューカウンタ32により計数された数に応答して、ダミーメッセージの必要な数を設定し、必要な数のダミーメッセージを生成する。ダミー送出部35は、第1の送信キュー25に蓄積されたメッセージの数と、第2の送信キュー26に蓄積されたメッセージの数との差に相当する数のダミーメッセージを生成する。ダミー送出部35は、蓄積されたメッセージの数が少ない送信キューにダミーメッセージを格納する。この構成によると、送信キューにダミーメッセージを格納することによって、一組の同期メッセージの送信順位を同じに調節することができる。
この結果、同期送出部34は、一方の同期メッセージと、他方の同期メッセージとを第1の送信キュー25と第2の送信キュー26との同じ送信順位に格納する。
図示の例では、第1の送信キュー25に蓄積されたメッセージの数は、第2の送信キュー26に蓄積されたメッセージの数より1だけ少ない。よって、ダミー送出部35は、ひとつのダミーメッセージMSG(d)を生成し、それを第1の送信キュー25に格納する。メッセージ同期送出部34は、ダミーメッセージMSG(d)が格納された後に、同期メッセージENG_0X001を格納する。この結果、同期メッセージENG_0X001と、同期メッセージMG2_0X003とは、同じ第3番目に格納される。
この構成では、2つの送信キュー25、26に蓄積されたメッセージの数に応じて、それらの数を等しくするようにダミーメッセージを生成し、格納する。よって、一組の同期メッセージを同一の送信順位に格納することができる。この結果、2つの送信キュー25、26から、一組の同期メッセージが同時に送信されるように、送信順序を編成することができる。
ゲートウェイ部16は、受信メッセージの受信順序、すなわち読み込み順序を編成するための複数の要素27、41−43を備える。これらの要素は、受信順序を編成するための編成部を提供する。要素41−43は、受信バッファ27内において受信メッセージを発生順序、優先順位、同時送信の必要有無に応じて並べることにより受信順序を編成する。
受信バッファ(RVBF)27は、第1の通信バス8から受信されたメッセージと第2の通信バス9から受信されたメッセージとを蓄積する。
受信用の同期メッセージリスト(RLST)41は、受信処理のために利用される。同期メッセージリスト41は、送信処理のための同期メッセージリスト31とほぼ同じ構成を有する。同期メッセージリスト41は、複数組の同期メッセージを定義する。ひとつの組を構成する複数の同期メッセージは予め定められている。一組の同期メッセージは、同時に受信され、処理されるべき複数の受信メッセージである。よって、同期メッセージリスト41を参照することにより、同時に受信されるべき複数の同期メッセージを特定することができる。
さらに、同期メッセージリスト41は、一組の同期メッセージと制御モードとの対応関係を定義している。制御モードは、ハイブリッド車両の走行モードを含む。よって、同期メッセージリスト41を参照することにより、一組の同期メッセージが必要とされる、または有効とされる制御モードを特定することができる。
さらに、同期メッセージリスト41は、受信バッファ27における同期メッセージの有無を示すフラグを含む。複数のフラグのそれぞれは、同期メッセージリスト41内に登録された同期メッセージが、受信バッファ27内に蓄積されたか否かに応じてセット、またはリセットされる。よって、同期メッセージリスト41のフラグを参照することにより、受信バッファ27に現実に蓄積されている同期メッセージを特定することができる。さらには、同期メッセージリスト41のフラグを参照することにより、受信バッファ27に現実に蓄積されている同期メッセージが、ひとつの組を構成するか否かを特定することができる。
非同期読込部(ASRM)42は、受信バッファ27に蓄積された非同期メッセージをそれらの受信順序に従って、および/または優先順位に従って、受信バッファ27から読み込む。非同期読込部42は、非同期メッセージを受信バッファ27から制御処理部15へ順に転送する。これにより、非同期メッセージを順に受信し、処理することができる。
同期読込部(SYRM)43は、一組の同期メッセージが受信バッファ27に蓄積されると、一組の同期メッセージを受信バッファ27から読み込む。同期読込部43は、一組の同期メッセージを受信バッファ27から制御処理部15へ同時に転送する。これにより、一組の同期メッセージを同時に受信し、同時に処理することができる。
ハイブリッド制御装置2は、ゲートウェイ部16に、2つの通信バス8、9を経由して同時に送信および/または受信されるべき一組の同期メッセージを蓄積する同期メッセージのための蓄積部21、27を備える。送信メッセージのための蓄積部はメッセージキュー21によって提供される。受信メッセージのための蓄積部は、受信バッファ27によって提供される。
ハイブリッド制御装置2は、ゲートウェイ部16に、一組の同期メッセージを蓄積部21、27に蓄積した後に、一組の同期メッセージを転送する同期転送部34、43を備える。送信メッセージのための同期転送部は、同期送出部34によって提供される。受信メッセージのための同期転送部は、同期読込部43によって提供される。
図3において、ハイブリッド制御装置2(以下、ECU2と呼ぶ)は、通信処理170を実行する。ECU2は、ステップ171において、送信処理TRXを実行する。ECU2は、ステップ172において、受信処理RCVを実行する。ECU2は、ステップ173−175において、少なくとも同期キュー23と、それに関連する一時的記録情報を消去するための処理を実行する。ECU2は、ステップ176において、キューカウンタ32の内容を更新する。
ステップ173−175は、ハイブリッド制御装置2による制御モードの変更に応答して蓄積部21、27に蓄積された同期メッセージを消去する消去部を提供する。これにより、制御モードの変更後に、制御モードが変更される前の古い同期メッセージが送信、または受信されることを回避することができる。
ECU2は、ステップ173において、制御モードが変化したか否かを判定する。ここでは、MD1からMD2への変化と、MD2からMD1への変化とが発生したか否かが判定される。制御モードが変化した場合、ステップ174へ進む。ECU2は、ステップ174において、同期キュー23の内容をリセットする。これにより、同期キュー23に蓄積された同期メッセージが消去される。同様に、受信バッファ27から同期メッセージを消去してもよい。ECU2は、ステップ175において、同期メッセージリスト31、41に記録されたフラグをリセットする。
図4において、送信処理171が詳細に図示されている。ECU2は、ステップ181において、制御処理部15からゲートウェイ16に転送された送信メッセージMSG(n)が、同期メッセージMSG(SYN)であるか否かを判定する。送信メッセージMSG(n)が非同期メッセージMSG(ASY)である場合、ECU2は、ステップ182において、送信メッセージMSG(n)を非同期キュー22に格納する。ステップ182では、送信メッセージの発生順序に従うFIFO型の格納処理と、送信メッセージの優先順位に従う並べ替えを伴う格納処理とが実行される。送信メッセージMSG(n)が同期メッセージMSG(SYN)である場合、ECU2は、ステップ183において、送信メッセージMSG(n)を同期キュー23に格納する。
ECU2は、ステップ184において、メッセージフラグを更新する。メッセージフラグは、ステップ183における同期キュー23への格納処理に応答して実行される。
ECU2は、ステップ185において、同期キュー23に蓄積された同期メッセージが、ひとつの組GRPnに属する一組の同期メッセージであるか否かを判定する。ECU2は、ステップ185の判定を実行するために、送信用の同期メッセージリスト31を参照する。一組の同期メッセージが蓄積されていない場合、ECU2は、ステップ186において、非同期送出処理を実行する。ステップ186では、非同期キュー22に蓄積された非同期メッセージが第1の送信キュー25と第2の送信キュー26とに送出される。
一組の同期メッセージが蓄積されている場合、ECU2は、ステップ187−188において、ダミー送出処理を実行し、その後、ステップ189において、同期送出処理を実行する。ECU2は、ステップ187において、キューカウンタ32の計数値N(IF1)、N(IF2)が等しいか否かを判定する。N(IF1)=N(IF2)の場合、ダミーメッセージは不要であるから、ステップ189へ進む。N(IF1)とN(IF2)とが等しくない場合、ECU2は、ステップ188において、ダミーメッセージMSG(d)を第1の送信キュー25または第2の送信キュー26に送出する。ステップ188では、N(IF1)とN(IF2)との差に相当する数のダミーメッセージが生成される。ステップ188では、蓄積されたメッセージの数が少ない送信キューにダミーメッセージが送出される。ECU2は、ステップ189において、同期送出処理を実行する。ステップ189では、同期キュー23に蓄積された同期メッセージが第1の送信キュー25と第2の送信キュー26とに送出される。
図5において、受信処理172が詳細に図示されている。ECU2は、ステップ191において、受信メッセージMSG(n)を受信バッファ27に格納する。ECU2は、ステップ192において、受信バッファ27にひとつの組GRPnに属する一組の同期メッセージが格納されているか否かを判定する。ECU2は、ステップ192の判定を実行するために、受信用の同期メッセージリスト41を参照する。一組の同期メッセージが受信バッファ27に格納されていない場合、ECU2は、ステップ193において、非同期読み込み処理を実行する。ステップ193では、受信バッファ27内の非同期メッセージMSG(ASY)が制御処理部15へ読み込まれる。一組の同期メッセージが受信バッファ27に格納されている場合、ECU2は、ステップ194において、同期読み込み処理を実行する。ステップ194では、受信バッファ27内の一組の同期メッセージGRPnが制御処理部15へ読み込まれる。
この実施形態では、すべての制御装置2−7が上記受信処理を実行する手段を備える。さらに、すべての制御装置2−7は、制御処理部15とゲートウェイ部16とを備える。これらの制御処理部は、同期メッセージを他のメッセージに優先して処理する処理手段を提供する。よって、ひとつの制御装置から異なる制御装置に一組の同期メッセージが同期的に送信された場合、受信側の異なる制御装置においても、それらの同期メッセージがほぼ同時に解凍される。また、受信側の異なる制御装置において、それらの同期メッセージに対応する制御処理が、ほぼ同時に実行される。
この実施形態によると、ハイブリッド制御装置2は、第1の通信バス8と第2の通信バス9との両方に接続される。ハイブリッド制御装置2は、2つの通信バス8、9を経由して同時に送信および/または同時に受信されるべき一組の同期メッセージを取り扱う。ハイブリッド制御装置2は、一組の同期メッセージを送信および/受信するために、蓄積部21、27と、同期転送部34、43とを備える。蓄積部21、27は、一組の同期メッセージが揃うように、複数の同期メッセージを蓄積する。同期転送部34、43は、一組の同期メッセージを蓄積部に蓄積した後に、その一組の同期メッセージを転送する。この結果、2つの通信バス8、9の性能、トラフィックなどの通信特性が異なっていても、第1の通信バス8を経由して通信される同期メッセージと、第2の通信バス9を経由して通信される同期メッセージとが、同時に送信および/または同時に受信される。
この実施形態によると、ハイブリッド制御装置2とエンジン制御装置3との間の通信が第1の通信バス8によって提供される。また、ハイブリッド制御装置2と回転電機制御装置5、6との間の通信が第2の通信バス9によって提供される。このような構成においても、車両の駆動系統に属するエンジン3aと回転電機5a、6aとに対して、同期的な通信に基づく制御を提供することができる。この結果、車両が望ましい挙動を示すようにエンジン3aと回転電機5a、6aとを制御することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
例えば、制御装置が提供する手段と機能は、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置をアナログ回路によって構成してもよい。
上記実施形態では、メッセージキュー21と送信キュー24との両方をゲートウェイ部16内に配置した。これに代えて、送信キュー24を第1のインターフェース13および第2のインターフェース14に配置してもよい。同様に、受信バッファ27を第1のインターフェース13および第2のインターフェース14に配置してもよい。
上記実施形態では、第1の通信バス8を経由する通信ネットワークと、第2の通信バス9を経由する通信ネットワークとに、同一の通信プロトコルを採用した。これに代えて、第1の通信バス8を経由する通信ネットワークと、第2の通信バス9を経由する通信ネットワークとに異なる通信プロトコルを採用してもよい。例えば、第1の通信バス8にLINを採用し、第2の通信バス9にCANを採用することができる。
上記実施形態では、一組の同期メッセージを、第1の送信キュー25と第2の送信キュー26との同一の送信順位に格納するために、いずれか一方の送信キューにダミーメッセージを格納した。これに代えて、一組の同期メッセージを、第1の送信キュー25と第2の送信キュー26との同一の送信順位に挿入することによって格納してもよい。かかる構成によると、送信キューの並べ替え処理が必要となるが、ダミーメッセージの追加を回避することができる。
また、上記実施形態では、ハイブリッド制御装置2からの送信処理と受信処理との両方に同期的な転送処理を適用した。これに代えて、送信処理と受信処理との一方にのみ同期的な転送処理を適用してもよい。
1 車両用制御システム、 2 ハイブリッド制御装置(第1の制御装置)、
3 エンジン制御装置(第2の制御装置)、
5 第1電機制御装置、 6 第2電機制御装置(第3の制御装置)、
8 第1の通信バス、 9 第2の通信バス、
21 メッセージキュー(蓄積部)、 22 非同期キュー、 23 同期キュー、
24 送信キュー、 25 第1の送信キュー、 26 第2の送信キュー、
31 同期メッセージリスト、 32 キューカウンタ、
33 非同期送出部、 34 同期送出部(同期転送部)、 35 ダミー送出部、
27 受信バッファ(蓄積部)、 41 同期メッセージリスト、
42 非同期読込部、 43 同期読込部(同期転送部)。
3 エンジン制御装置(第2の制御装置)、
5 第1電機制御装置、 6 第2電機制御装置(第3の制御装置)、
8 第1の通信バス、 9 第2の通信バス、
21 メッセージキュー(蓄積部)、 22 非同期キュー、 23 同期キュー、
24 送信キュー、 25 第1の送信キュー、 26 第2の送信キュー、
31 同期メッセージリスト、 32 キューカウンタ、
33 非同期送出部、 34 同期送出部(同期転送部)、 35 ダミー送出部、
27 受信バッファ(蓄積部)、 41 同期メッセージリスト、
42 非同期読込部、 43 同期読込部(同期転送部)。
Claims (12)
- 第1の制御装置(2)と第2の制御装置(3)との間の通信を第1の通信バス(8)を経由することによって提供するとともに、前記第1の制御装置(2)と第3の制御装置(5、6)との間の通信を第2の通信バス(9)を経由することによって提供する車両用データ通信装置において、
前記第1の制御装置は、
2つの前記通信バスを経由して同時に送信および/または受信されるべき一組の同期メッセージを蓄積する同期メッセージのための蓄積部(21、27)と、
前記一組の同期メッセージを前記蓄積部に蓄積した後に、前記一組の同期メッセージを転送する同期転送部(34、43)と
を備えることを特徴とする車両用データ通信装置。 - さらに、前記第1の通信バスへの送信順序を設定する第1の送信キュー(25)と、
前記第2の通信バスへの送信順序を設定する第2の送信キュー(26)とを備え、
前記蓄積部(21)は、前記第1の制御装置から前記第1の通信バスおよび前記第2の通信バスの両方へ同時に送信するべき前記同期メッセージを蓄積するための同期キュー(23)を備え、
前記同期転送部は、前記同期キューに蓄積された前記一組の同期メッセージの一方の同期メッセージを前記第1の送信キューに格納し、前記同期キューに蓄積された前記一組の同期メッセージの他方の同期メッセージを前記第2の送信キューに格納し、しかも前記一方の同期メッセージと、前記他方の同期メッセージとを前記第1の送信キューと前記第2の送信キューとの同じ送信順位に格納する同期送出部(34)を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用データ通信装置。 - さらに、前記一組の同期メッセージを、前記第1の送信キューと前記第2の送信キューとの同一の送信順位に格納するために、いずれか一方の送信キューにダミーメッセージを格納するダミー送出部(35)を備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用データ通信装置。
- さらに、前記第1の送信キューに蓄積されたメッセージの数と、前記第2の送信キューに蓄積されたメッセージの数とを計数するキューカウンタ(32)を備え、
前記ダミー送出部は前記キューカウンタにより計数された数に応答して、前記ダミーメッセージをいずれか一方の送信キューに格納することを特徴とする請求項3に記載の車両用データ通信装置。 - さらに、前記第1の制御装置から前記第1の通信バスまたは前記第2の通信バスへ送信するべき非同期メッセージを蓄積するための非同期キュー(22)を備え、
前記非同期キューに蓄積された前記非同期メッセージを前記第1の送信キューまたは前記第2の送信キューに格納する非同期送出部(33)を備えることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の車両用データ通信装置。 - 前記非同期キューと前記非同期送出部(33)とは、前記非同期メッセージについて予め定められた優先順位に従って、優先順位が高い前記非同期メッセージを先に前記第1の送信キューまたは前記第2の送信キューに格納することを特徴とする請求項5に記載の車両用データ通信装置。
- 前記非同期キューは、前記優先順位の順で前記非同期メッセージを蓄積することを特徴とする請求項6に記載の車両用データ通信装置。
- 前記蓄積部は、前記第1の通信バスから受信されたメッセージと前記第2の通信バスから受信されたメッセージとを蓄積する受信バッファ(27)を備え、
前記同期転送部(43)は、前記一組の同期メッセージが前記受信バッファに蓄積されると、前記一組の同期メッセージを前記受信バッファから読み込む同期読込部(43)を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の車両用データ通信装置。 - 前記第1の制御装置は、車両の走行用の動力源として前記車両に搭載されたエンジンと回転電機とを制御するためのハイブリッド制御装置(2)であり、
前記第2の制御装置は、前記ハイブリッド制御装置からの指示に応じて前記エンジンを制御するエンジン制御装置(3)であり、
前記第3の制御装置は、前記ハイブリッド制御装置からの指示に応じて前記回転電機を制御する回転電機制御装置(5、6)であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の車両用データ通信装置。 - 前記第1の制御装置は、
前記第1の通信バスとの物理層の接続を提供する第1のインターフェース(13)と、
前記第2の通信バスとの物理層の接続を提供する第2のインターフェース(14)とを備え、
前記第1の通信バスに接続されたノードの数と、前記第1の通信バスに接続されたノードの数とが異なることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の車両用データ通信装置。 - 前記蓄積部は、前記第1の制御装置による制御モードの変更に応答して前記蓄積部に蓄積された同期メッセージを消去することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の車両用データ通信装置。
- 前記同期メッセージを受信する制御装置(2、3、5、6)は、前記同期メッセージを他のメッセージに優先して処理する処理手段を提供することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の車両用データ通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012020174A JP2013159146A (ja) | 2012-02-01 | 2012-02-01 | 車両用データ通信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012020174A JP2013159146A (ja) | 2012-02-01 | 2012-02-01 | 車両用データ通信装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=49171776
Family Applications (1)
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JP2012020174A Pending JP2013159146A (ja) | 2012-02-01 | 2012-02-01 | 車両用データ通信装置 |
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JP (1) | JP2013159146A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106218555A (zh) * | 2016-09-22 | 2016-12-14 | 北京汽车研究总院有限公司 | 一种增程式混动汽车的网络架构系统及增程式混动汽车 |
KR20190130727A (ko) * | 2018-05-15 | 2019-11-25 | 현대자동차주식회사 | 차량용 제어기 및 그 데이터 전송 제어방법 |
US20230406286A1 (en) * | 2022-06-17 | 2023-12-21 | Bae Systems Controls Inc. | Parallel variable speed generator control |
-
2012
- 2012-02-01 JP JP2012020174A patent/JP2013159146A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN106218555B (zh) * | 2016-09-22 | 2019-07-09 | 北京汽车研究总院有限公司 | 一种增程式混动汽车的网络架构系统及增程式混动汽车 |
KR20190130727A (ko) * | 2018-05-15 | 2019-11-25 | 현대자동차주식회사 | 차량용 제어기 및 그 데이터 전송 제어방법 |
KR102456630B1 (ko) | 2018-05-15 | 2022-10-18 | 현대자동차주식회사 | 차량용 제어기 및 그 데이터 전송 제어방법 |
US20230406286A1 (en) * | 2022-06-17 | 2023-12-21 | Bae Systems Controls Inc. | Parallel variable speed generator control |
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