JP2013157794A - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像の読み取りに特別な時間を要せず、また一般の原稿でも裏写りの現象を軽減あるいは防止の対策を採ることのできる画像処理装置、方法およびプログラムを得ること。
【解決手段】角度センサ13、14を使用してプラテンカバー12の2種類の開き角で原稿の2種類の読み取りを行い、それぞれについて階調のヒストグラムを作成する。各ヒストグラムにおける画素の出現数がしきい値以上の区間の距離で近いもの同士を合併し、各区間における画素の出現数が最多となる階調同士の差を最頻階調差分算出手段27で求め、これが所定の値よりも低いとき裏写りの可能性のある原稿と判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、原稿の画像を読み取る画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに係わり、特に原稿の裏の画像が写ってしまう裏写りの現象を軽減あるいは解消できる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
原稿の画像の読み取りを行ってこれを記録したり編集等のために保存する画像処理装置は、複写機、ファクシミリ装置、スキャナあるいは複合機に広く使用されている。これらの画像処理装置の読み取りの対象となる原稿は、シート状のものもあれば、いわゆるブック物と呼ばれる厚いものもある。
画像処理装置における画像の読み取りの方式としては、ブックスキャナ方式とADF(Automatic Document Feeder)方式の2つがよく知られている。このうちブックスキャナ方式では、原稿を載置したプラテンガラス自体あるいはその下方に配置された読取機構が往復動して、原稿の画像を平面走査するようになっている。
一方、ADF方式では、原稿を原稿トレイから装置内に固定配置された読取機構まで1枚ずつ送り出し、定速で搬送される原稿をこの読取機構がライン状に繰り返し走査して画像の読み取りを行う。したがってADF方式では複数枚の原稿を自動的に読み取ることができるが、これらの原稿がシート状である必要がある。
ブックスキャナ方式では原稿がブック物であってもシート状であっても、画像情報の読み取りが可能である。しかしながら、プラテンガラス上にセットした原稿が薄い場合には、その原稿の裏の画像がプラテンカバーの原稿押さえの面に写って反射され、読取素子に入射して画像として読み取られるという現象が発生することがある。このような現象が発生すると、読み取りの対象となる画像に原稿の裏の画像がノイズ成分として混入することになり、画像の鮮明さが失われるだけでなく、写し出された画像によっては情報が漏洩する場合もあるという問題があった。
そこで、裏写りの現象を軽減あるいは防止する関連技術が従来から提案されている。このうち第1の関連技術では、原稿をプラテンガラスに押え付けるプラテンカバーの表面の濃度を変更した状態で原稿のプリスキャンを行って、裏写りの現象が発生したかを判別するようにしている(たとえば特許文献1参照)。そして、裏写りの現象が発生したと判別した場合には、プラテンカバーの濃度を暗い側に設定した後に、本来の画像を読み取るためのスキャンを実行するようにしている。
図22は、第1の関連技術における画像処理装置の読み取りと記録制御の概要を表わしたものである。この第1の関連技術の画像処理装置では、プラテンカバーの表面にいわゆる電子ペーパからなるシート体を配置している。このシート体はマイクロカプセル内粒子の電気泳動を利用して、電圧の印加極性に応じて、第1濃度の色である白色と第2濃度の色である黒色とに変更可能となっている。
プリスキャンの第1回目では、シート体を白色にして原稿を走査し、第1画像データを取得する(ステップS101)。プリスキャンの第2回目では、シート体を黒色にして原稿を走査し、第2画像データを取得する(ステップS102)。
この後、画像処理装置は第1画像データと第2画像データとの差分を表わす差分画像データを求める(ステップS103)。この差分画像データについて、所定の値よりも大きな画素の数をカウントする(ステップS104)。その画素のカウント値を、予め定めた第1のしきい値TH1と比較し、第1のしきい値TH1よりも小さければ(Y)、裏写りのない原稿であると判定する(ステップS106)。
一方、画素のカウント値が第1のしきい値TH1以上であった場合には(ステップS105:N)、そのカウント値が第1のしきい値TH1よりも大きい予め定めた第2のしきい値TH2を超えたかをチェックする(ステップS107)。画素のカウント値が第2のしきい値TH2を超えるような場合(Y)、原稿の厚さが薄いと判定する(ステップS108)。ステップS102で第2画像データを取得した際に、シート体が黒色であると、薄い原稿の場合にはこの黒色が読み取られてしまうからである。
以上と異なり、画素のカウント値が第1のしきい値TH1以上で第2のしきい値TH2以下の場合には(ステップS105:N、ステップS107:N)、原稿に裏写りの現象が発生していると判定する(ステップS109)。
以上のようにして原稿の2回のプリスキャンでこの原稿の読み取りの状態がチェックされたら、裏写りの現象が発生したかを判定する(ステップS110)。裏写りの現象が発生していないと判定した場合には(N)、シート体を白色にして原稿の本スキャンを実行する(ステップS111)。そして、得られた画像データに応じた画像の記録を行って(ステップS112)、画像処理装置の読み取りと記録の制御を終了する(エンド)。これにより、厚さが薄い原稿の場合にはシート体が白色に設定されるので、背景が黒色に読み取られることが防止される。
裏写りの現象が発生したと判定された場合には(ステップS110:Y)、シート体を黒色にして原稿の本スキャンを実行する(ステップS113)。そして、得られた画像データに応じた画像の記録を行って(ステップS112)、画像処理装置の読み取りと記録の制御を終了する(エンド)。これにより、原稿の裏面とシート体の色がほぼ同一濃度となるので、裏写りの現象を軽減あるいは解消できることになる。
ところが、この第1の関連技術を用いるとプラテンカバーの表面に特殊なシート体を使用する必要があるだけでなく、画像処理装置が原稿の記録を行うまでに3回のスキャンを行う必要がある。したがって、画像の読み取りのコストダウンを図ることが困難になるという問題と、画像の読取処理に時間が掛かるという問題がある。また、この第1の関連技術では裏写りが発生したときにこれを除去するためにシート体を黒色にして原稿の本スキャンを実行する。これによって、裏写りを除去または改善できるものの、原稿が薄いほど全体的に黒ずんだ画像が得られることになるという問題もある。
そこで本発明の第2の関連技術としてプラテンカバーの開閉に伴って原稿の光の透過率を調べることで裏写りの現象を軽減あるいは解消する提案が行われている(たとえば特許文献2参照)。すなわち、第2の関連技術では角度検出センサを用いて、プラテンガラスとプラテンカバーのなす角度を検出する。そして、プラテンカバーが閉じた状態のときに原稿から得られる画像情報と開いたときに原稿から得られる1ライン分の画像情報とを比較して、透過率情報を取得する。
この結果として、透過率情報の値が先の第1の関連技術とは異なる第1のしきい値TH1以下であれば、原稿についての読み取りの結果がプラテンカバーの開閉状態による影響を受けていない。したがって、光透過率が低く、裏写りが生じないと判断する。また、第1のしきい値TH1よりも大きければ、原稿についての読み取りの結果がプラテンカバーの開閉状態による影響を受けている。したがって、この場合には原稿の光透過率が高く、裏写りする可能性があると判断する。
この第2の関連技術の場合には、透過率情報の値が第1のしきい値TH1よりも大きい場合に、地肌濃度値を基にした地肌除去処理によって裏写りを除去することになる。
特開2009−207093号公報(第0031段落〜第0035段落、図4) 特開2000−207533号公報(第0045段落、第0051段落、図3)
この第2の関連技術が採用する手法によれば、原稿の地肌が白い普通紙で、「白」がデータの最大値であると仮定した場合、読み取った1ラインに黒字が含まれていると、データの最小値には黒字部分が選ばれることとなる。黒字部分は白い下地(地肌)部分と比べて光源の光が吸収されることから透過率が非常に小さい値になる。第2の関連技術では一律のしきい値を設定して裏写りの発生を判定している。したがって、データの最小値は読み取った1ラインが白い下地部のときと黒字部のときでは透過率が異なるため別々のしきい値を用いて判定を行う必要がある。
平均値を用いた比較方法も同様であり、読み取った1ラインのデータに黒字が含まれていた場合、1ラインの平均値は黒字の量によって変化してしまう。このように1ラインにおける黒字の量に依存して変化してしまう値に対し、一律のしきい値を用いて判定を行うことは無意味である。
このため、第2の関連技術で採用する2つの読み取りデータの透過率情報を用いた裏写りの判定技術は、読み取った1ラインのデータが下地一色のときにしか効果がないことになる。すなわち、黒字等の濃度変化が存在する一般的な原稿の読み取りに第2の関連技術を使用することはできない。
そこで本発明の目的は、画像の読み取りに特別な時間を要せず、また読み取った画像が下地一色となっていない一般の原稿でも裏写りの現象を軽減あるいは防止する対策を採ることのできる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することにある。
本発明では、(イ)画像の読み取りの対象となる原稿を載置するプラテンと、(ロ)このプラテンの一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられたプラテンカバーと、(ハ)このプラテンカバーが前記したプラテンの他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度を検出する第1の角度センサと、(ニ)前記したプラテンカバーが前記したプラテンを完全に覆う角度としての第2の角度を検出する第2の角度センサと、(ホ)前記したプラテンよりも下方から前記したプラテンを介して前記した原稿の読取面を照射する光源と、(へ)この光源から照射された光線が前記したプラテンを介して前記した原稿に照射されたその反射光を用いてその原稿の画像を読み取る読取素子と、(ト)前記したプラテンカバーが前記したプラテンに対して前記した第1の角度よりも開いた状態から前記した第1の角度センサが前記した第1の角度を検出したとき、前記したプラテン側から前記した光源を点灯させて前記した原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する第1の画像取得手段と、(チ)この第1の画像取得手段が第1の画像を取得した後に前記した第2の角度センサが前記した第2の角度を検出したとき、前記したプラテン側から前記した光源を点灯させて前記した原稿の前記した所定の部位の画像を第2の画像として取得する第2の画像取得手段と、(リ)前記した第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第1の画像用ヒストグラム作成手段と、(ヌ)前記した第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第2の画像用ヒストグラム作成手段と、(ル)前記した第1の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第1の画像用区間特定手段と、(ヲ)前記した第2の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記した第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第2の画像用区間特定手段と、(ワ)前記した第1の画像用区間特定手段で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第1の画像用区間併合手段と、(カ)前記した第2の画像用区間特定手段で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記した第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第2の画像用区間併合手段と、(ヨ)前記した第1の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける前記した第1の画像用区間併合手段によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第1の画像用最頻階調値算出手段と、(タ)前記した第2の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける前記した第2の画像用区間併合手段によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第2の画像用最頻階調値算出手段と、(レ)第1の画像用最頻階調値算出手段と第2の画像用最頻階調値算出手段のそれぞれ算出した最頻階調の差分を算出する最頻階調差分算出手段と、(ソ)この最頻階調差分算出手段の算出した前記した最頻階調の差分を前記した原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する比較手段と、(ツ)この比較手段の比較により前記した最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記した原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記した原稿が裏写りの可能性があると判定する裏写り判定手段とを画像処理装置が具備する。
また、本発明では、(イ)プラテンの一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられたプラテンカバーが前記したプラテンの他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度よりも開いた状態から閉じ始め前記した第1の角度となったとき、前記したプラテン側から光源を点灯させてプラテン上に載置された原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する第1の画像取得ステップと、(ロ)この第1の画像取得ステップで第1の画像を取得した後に前記したプラテンカバーが前記したプラテンを完全に覆う角度としての第2の角度となったとき、前記したプラテン側から前記した光源を点灯させて前記した原稿の前記した所定の部位の画像を第2の画像として取得する第2の画像取得ステップと、(ハ)前記した第1の画像取得ステップで取得した第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第1の画像用ヒストグラム作成ステップと、(ニ)前記した第2の画像取得ステップで取得した第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第2の画像用ヒストグラム作成ステップと、(ホ)前記した第1の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第1の画像用区間特定ステップと、(へ)前記した第2の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記した第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第2の画像用区間特定ステップと、(ト)前記した第1の画像用区間特定ステップで求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第1の画像用区間併合ステップと、(チ)前記した第2の画像用区間特定ステップで求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記した第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第2の画像用区間併合ステップと、(リ)前記した第1の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける前記した第1の画像用区間併合ステップによって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第1の画像用最頻階調値算出ステップと、(ヌ)前記した第2の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける前記した第2の画像用区間併合ステップによって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第2の画像用最頻階調値算出ステップと、(ル)第1の画像用最頻階調値算出ステップと第2の画像用最頻階調値算出ステップのそれぞれで算出した最頻階調の差分を算出する最頻階調差分算出ステップと、(ヲ)この最頻階調差分算出ステップで算出した前記した最頻階調の差分を前記した原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する比較ステップと、(ワ)この比較ステップによる比較により前記した最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記した原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記した原稿が裏写りの可能性があると判定する裏写り判定ステップとを画像処理方法が具備する。
更に本発明では、コンピュータに、画像処理プログラムとして、(イ)プラテンの一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられたプラテンカバーが前記したプラテンの他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度よりも開いた状態から閉じ始め前記した第1の角度となったとき、前記したプラテン側から光源を点灯させてプラテン上に載置された原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する第1の画像取得処理と、(ロ)この第1の画像取得処理で第1の画像を取得した後に前記したプラテンカバーが前記したプラテンを完全に覆う角度としての第2の角度となったとき、前記したプラテン側から前記した光源を点灯させて前記した原稿の前記した所定の部位の画像を第2の画像として取得する第2の画像取得処理と、(ハ)前記した第1の画像取得処理で取得した第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第1の画像用ヒストグラム作成処理と、(ニ)前記した第2の画像取得処理で取得した第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第2の画像用ヒストグラム作成処理と、(ホ)前記した第1の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第1の画像用区間特定処理と、(へ)前記した第2の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記した第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第2の画像用区間特定処理と、(ト)前記した第1の画像用区間特定処理で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第1の画像用区間併合処理と、(チ)前記した第2の画像用区間特定処理で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記した第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第2の画像用区間併合処理と、(リ)前記した第1の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける前記した第1の画像用区間併合処理によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第1の画像用最頻階調値算出処理と、(ヌ)前記した第2の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける前記した第2の画像用区間併合処理によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第2の画像用最頻階調値算出処理と、(ル)第1の画像用最頻階調値算出処理と第2の画像用最頻階調値算出処理のそれぞれで算出した最頻階調の差分を算出する最頻階調差分算出処理と、(ヲ)この最頻階調差分算出処理で算出した前記した最頻階調の差分を前記した原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する比較処理と、(ワ)この比較処理による比較により前記した最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記した原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記した原稿が裏写りの可能性があると判定する裏写り判定処理とを実行させることを特徴とする。
以上説明したように本発明によれば、プラテンカバーを開いた状態から閉じて原稿の読み取りを開始するまでの一連の動作の中で原稿の同一部分について第1の画像と第2の画像の2種類の画像を取得し、これを処理して原稿の裏写りの可能性の有無を判定することにした。したがって、画像の読み取りに特別な時間を要せずに原稿でも裏写りの現象を軽減あるいは防止する対策を採ることができる。すなわち、画像処理を行った後にプリントアウトを行う複写機のような装置では、最初の1枚目のプリントを迅速に排出することが可能である。
また、本発明によれば、第1の画像と第2の画像のそれぞれについてヒストグラムを作成し、第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求めると共に、これらの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合するようにした。そして、併合処理を行った後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を前記した第1の画像と第2の画像のそれぞれについて求め、これら最頻階調の差分を算出した値を原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較して、原稿が裏写りの可能性があるかを判定することにした。これにより、原稿の透過率が判明することになり、これを用いて原稿の裏写り防止の対策をより適切に採る可能性が生じる。
本発明の画像処理装置のクレーム対応図である。 本発明の画像処理方法のクレーム対応図である。 本発明の画像処理プログラムのクレーム対応図である。 本発明の実施の形態のプラテンカバーを開いた状態の画像処理装置を表わした斜視図である。 本実施の形態の画像処理装置の要部を側方から一部透過した状態で表わした側面図である。 本実施の形態の画像処理装置の回路構成の概要を表わしたブロック図である。 プラテンカバー部が大きく開いた状態における本実施の形態の画像処理装置の要部を側方から一部透過した状態で表わした側面図である。 プラテンカバー部が角度θだけ開いた状態における本実施の形態の画像処理装置の要部を側方から一部透過した状態で表わした側面図である。 プラテンカバー部が閉じた状態における本実施の形態の画像処理装置の要部を側方から一部透過した状態で表わした側面図である。 ブックスキャナ方式で画像の読み取りを行う際の原稿をセットしてから裏写りの判定が行われるまでの本実施の形態における画像処理装置の処理の流れを表わした流れ図である。 本実施の形態で原稿サイズをマニュアルで指定せず、原稿のサイズを自動で検知する場合の処理の概要を表わした流れ図である。 図10のステップS310で示した裏写り判定処理を具体的に表わした流れ図である。 原稿の存在する領域におけるオープンデータとクローズデータの双方についての階調ごとのヒストグラムの一例を表わした特性図である。 比較的単純なヒストグラムの例を示した説明図である。 比較的単純なヒストグラムの例を示した説明図である。 本実施の形態で使用するしきい値テーブルの一例を示した説明図である。 図12に示した処理の次の処理として行われる下地除去マニュアルによる裏写り防止処理の一例についてその流れを表わした流れ図である。 本実施の形態の下地除去オートを実現する裏写り防止用のオフセット値の概念を示した説明図である。 本実施の形態の原稿の透過率とオフセット値の関係を示したオフセットテーブルの一例についてその最初の3分の1の部分を示した説明図である。 本実施の形態の原稿の透過率とオフセット値の関係を示したオフセットテーブルの一例について次の3分の1の部分を示した説明図である。 本実施の形態の原稿の透過率とオフセット値の関係を示したオフセットテーブルの一例について残りの部分を示した説明図である。 第1の関連技術における画像処理装置の読み取りと記録制御の概要を表わした流れ図である。
図1は、本発明の画像処理装置のクレーム対応図を示したものである。本発明の画像処理装置10は、プラテン11と、プラテンカバー12と、第1の角度センサ13と、第2の角度センサ14と、光源15と、読取素子16と、第1の画像取得手段17と、第2の画像取得手段18と、第1の画像用ヒストグラム作成手段19と、第2の画像用ヒストグラム作成手段20と、第1の画像用区間特定手段21と、第2の画像用区間特定手段22と、第1の画像用区間併合手段23と、第2の画像用区間併合手段24と、第1の画像用最頻階調値算出手段25と、第2の画像用最頻階調値算出手段26と、最頻階調差分算出手段27と、比較手段28と、裏写り判定手段29を備えている。ここで、プラテン11は、画像の読み取りの対象となる原稿を載置する。プラテンカバー12は、プラテン11の一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられている。第1の角度センサ13は、プラテンカバー12がプラテン11の他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度を検出する。第2の角度センサ14は、プラテンカバー12がプラテン11を完全に覆う角度としての第2の角度を検出する。光源15は、プラテン11よりも下方からプラテン11を介して前記した原稿の読取面を照射する。読取素子16は、光源15から照射された光線がプラテン11を介して前記した原稿に照射されたその反射光を用いてその原稿の画像を読み取る。第1の画像取得手段17は、プラテンカバー12がプラテン11に対して前記した第1の角度よりも開いた状態から第1の角度センサ13が前記した第1の角度を検出したとき、プラテン11側から前記した光源を点灯させて前記した原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する。第2の画像取得手段18は、第1の画像取得手段17が第1の画像を取得した後に第2の角度センサ14が前記した第2の角度を検出したとき、プラテン11側から前記した光源を点灯させて前記した原稿の前記した所定の部位の画像を第2の画像として取得する。第1の画像用ヒストグラム作成手段19は、前記した第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する。第2の画像用ヒストグラム作成手段20は、前記した第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する。第1の画像用区間特定手段21は、第1の画像用ヒストグラム作成手段19の作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める。第2の画像用区間特定手段22は、第2の画像用ヒストグラム作成手段20の作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記した第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める。第1の画像用区間併合手段23は、第1の画像用区間特定手段21で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する。第2の画像用区間併合手段24は、第2の画像用区間特定手段22で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記した第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する。第1の画像用最頻階調値算出手段25は、第1の画像用ヒストグラム作成手段19の作成したヒストグラムにおける第1の画像用区間併合手段23によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める。第2の画像用最頻階調値算出手段26は、第2の画像用ヒストグラム作成手段20の作成したヒストグラムにおける第2の画像用区間併合手段24によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める。最頻階調差分算出手段27は、第1の画像用最頻階調値算出手段25と第2の画像用最頻階調値算出手段26のそれぞれ算出した最頻階調の差分を算出する。比較手段28は、最頻階調差分算出手段27の算出した前記した最頻階調の差分を前記した原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する。裏写り判定手段29は、比較手段28の比較により前記した最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記した原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記した原稿が裏写りの可能性があると判定する。
図2は、本発明の画像処理方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の画像処理方法40は、第1の画像取得ステップ41と、第2の画像取得ステップ42と、第1の画像用ヒストグラム作成ステップ43と、第2の画像用ヒストグラム作成ステップ44と、第1の画像用区間特定ステップ45と、第2の画像用区間特定ステップ46と、第1の画像用区間併合ステップ47と、第2の画像用区間併合ステップ48と、第1の画像用最頻階調値算出ステップ49と、第2の画像用最頻階調値算出ステップ50と、最頻階調差分算出ステップ51と、比較ステップ52と、裏写り判定ステップ53を備えている。ここで、第1の画像取得ステップ41では、プラテンの一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられたプラテンカバーが前記したプラテンの他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度よりも開いた状態から閉じ始め前記した第1の角度となったとき、前記したプラテン側から光源を点灯させてプラテン上に載置された原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する。第2の画像取得ステップ42では、第1の画像取得ステップ41で第1の画像を取得した後に前記したプラテンカバーが前記したプラテンを完全に覆う角度としての第2の角度となったとき、前記したプラテン側から前記した光源を点灯させて前記した原稿の前記した所定の部位の画像を第2の画像として取得する。第1の画像用ヒストグラム作成ステップ43では、第1の画像取得ステップ41で取得した第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する。第2の画像用ヒストグラム作成ステップ44では、第2の画像取得ステップ42で取得した第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する。第1の画像用区間特定ステップ45では、第1の画像用ヒストグラム作成ステップ43で作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める。第2の画像用区間特定ステップ46では、第2の画像用ヒストグラム作成ステップ44で作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記した第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める。第1の画像用区間併合ステップ47では、第1の画像用区間特定ステップ45で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する。第2の画像用区間併合ステップ48では、第2の画像用区間特定ステップ46で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記した第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する。第1の画像用最頻階調値算出ステップ49では、第1の画像用ヒストグラム作成ステップ43で作成したヒストグラムにおける第1の画像用区間併合ステップ47によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める。第2の画像用最頻階調値算出ステップ50では、第2の画像用ヒストグラム作成ステップ44で作成したヒストグラムにおける第2の画像用区間併合ステップ48によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める。最頻階調差分算出ステップ51では、第1の画像用最頻階調値算出ステップ49と第2の画像用最頻階調値算出ステップ50のそれぞれで算出した最頻階調の差分を算出する。比較ステップ52では、最頻階調差分算出ステップ51で算出した前記した最頻階調の差分を前記した原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する。裏写り判定ステップ53では、比較ステップ52による比較により前記した最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記した原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記した原稿が裏写りの可能性があると判定する。
図3は、本発明の画像処理プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の画像処理プログラム70は、コンピュータに第1の画像取得処理71と、第2の画像取得処理72と、第1の画像用ヒストグラム作成処理73と、第2の画像用ヒストグラム作成処理74と、第1の画像用区間特定処理75と、第2の画像用区間特定処理76と、第1の画像用区間併合処理77と、第2の画像用区間併合処理78と、第1の画像用最頻階調値算出処理79と、第2の画像用最頻階調値算出処理80と、最頻階調差分算出処理81と、比較処理82と、裏写り判定処理83を実行させるようにしている。ここで、第1の画像取得処理71では、プラテンの一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられたプラテンカバーが前記したプラテンの他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度よりも開いた状態から閉じ始め前記した第1の角度となったとき、前記したプラテン側から光源を点灯させてプラテン上に載置された原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する。第2の画像取得処理72では、第1の画像取得処理71で第1の画像を取得した後に前記したプラテンカバーが前記したプラテンを完全に覆う角度としての第2の角度となったとき、前記したプラテン側から前記した光源を点灯させて前記した原稿の前記した所定の部位の画像を第2の画像として取得する。第1の画像用ヒストグラム作成処理73では、第1の画像取得処理71で取得した第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する。第2の画像用ヒストグラム作成処理74では、第2の画像取得処理72で取得した第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する。第1の画像用区間特定処理75では、第1の画像用ヒストグラム作成処理73で作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める。第2の画像用区間特定処理76では、第2の画像用ヒストグラム作成処理74で作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記した第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める。第1の画像用区間併合処理77では、第1の画像用区間特定処理75で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する。第2の画像用区間併合処理78では、第2の画像用区間特定処理76で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記した第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する。第1の画像用最頻階調値算出処理79では、第1の画像用ヒストグラム作成処理73で作成したヒストグラムにおける第1の画像用区間併合処理75によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める。第2の画像用最頻階調値算出処理80では、第2の画像用ヒストグラム作成処理74で作成したヒストグラムにおける第2の画像用区間併合処理79によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める。最頻階調差分算出処理81では、第1の画像用最頻階調値算出処理79と第2の画像用最頻階調値算出処理80のそれぞれで算出した最頻階調の差分を算出する。比較処理82では、最頻階調差分算出処理81で算出した前記した最頻階調の差分を前記した原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する。裏写り判定処理83では、比較処理82による比較により前記した最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記した原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記した原稿が裏写りの可能性があると判定する。
<発明の実施の形態>
次に本発明の実施の形態を説明する。
図4は、本発明の実施の形態でプラテンカバーを開いた状態の画像処理装置を表わしたものである。この画像処理装置200はブックスキャナ方式とADF方式の双方で画像を読み取ることを可能にした装置であり、装置本体201上にヒンジ機構202、202によって開閉自在とされたプラテンカバー部203が取り付けられている。プラテンカバー部203の上部には、シート原稿用トレイ204を備えたADF機構205が配置されている。
装置本体201の上部には、原稿の最大サイズに対応した面積のプラテンガラス211が配置されており、その下方には図示しないが画像読取部を備えたキャリッジがプラテンガラス211の長手方向に往復動可能に配置されている。プラテンガラス211の図で左端部に隣接して細長い固定読取用領域212が配置されている。固定読取用領域212はADF機構205によって搬送される図示しないシート状の原稿を読み取るための領域である。
プラテンカバー部203におけるプラテンガラス211と対向する位置には、原稿押さえ213が配置されている。原稿押さえ213の左端部に隣接して細長い固定読取用窓214が配置されている。固定読取用窓214はADF機構205によってシート原稿用トレイ204から送り出された図示しないシート状の原稿を読み取るための窓である。読み取りの終了した原稿はプラテンカバー部203の上面を構成する原稿排出部215に1枚ずつ排出されることになる。
装置本体201の上部奥側に寄った位置には角度検出アクチュエータ216が進退自在に配置されている。この角度検出アクチュエータ216は、プラテンカバー部203の開き角を検出するセンサとしてのこの図に示していない角度センサのアクチュエータ部分を構成している。
角度検出アクチュエータ216は、プラテンカバー部203が装置本体201の上面に対して所定角度に開くまでは、その上端がプラテンカバー部203に常に接触している。そして、開き角がこの所定角度よりも小さいほど角度検出アクチュエータ216が装置本体201の内部に押し下げられるようになっている。また、開き角が前記した所定角度に到達するまでは、図示しないスプリング機構によって角度検出アクチュエータ216の上部が押し上げられる習性を持っている。
図5は、この画像処理装置の要部を側方から見たものである。この図5およびそれ以降に示す図では、プラテンカバー部203の上部に配置されるシート原稿用トレイおよびADF機構の図示を省略している。
装置本体201の内部には、キャリッジ221が矢印222方向(副走査方向)に往復動自在に配置されている。また、このキャリッジ221の移動に障害とならない場所には角度検出アクチュエータ216と、この角度検出アクチュエータ216の上下動する位置を2段階で検出する第1および第2の角度センサ223、224が上下方向の位置をずらして固定されている。これら第1および第2の角度センサ223、224は、本実施の形態で発光素子と受光素子の対によってそれぞれ構成されており、発光素子から受光素子に向かう光線が角度検出アクチュエータ216によって遮断されるか否かによってプラテンカバー部203の開いた角度を検出する。
図6は、本実施の形態の画像処理装置の回路構成の概要を表わしたものである。図4および図5と共に説明する。
画像処理装置200は、この装置の各部を制御する制御部231を備えている。制御部231は、CPU(Central Processing Unit)232と、このCPU232の実行する制御プログラムを格納したメモリ233を有している。制御部231は、データバス等のバス234を介して画像処理装置200の各部と接続されている。
このうち画像読取部235は、図示しない原稿の画像を読み取るデバイスであり、図5に示したキャリッジ221と、これを副走査方向に移動させる移動制御機構から構成されている。画像処理部236は画像読取部235の読み取ったR(赤)、G(緑)およびB(青)の3原色からなる画像データに対して、シェーディング補正やYCbCr表色系への変換等の画像処理を行う回路で構成されている。原稿サイズ検知部237は、原稿の主走査サイズを検出することで定型サイズの原稿のサイズを判別するようになっている。
角度検出部238は、角度検出アクチュエータ216の上下動に基づく第1および第2の角度センサ223、224の検知動作でプラテンカバー部203の開き角を検出する。この角度検出部238は、原稿サイズ検知部237の検知動作にも使用される他に、原稿の裏写りの判別にも使用されるようになっている。裏写り判定部239は、原稿の裏写りの発生の可能性を判定する。裏写り判定部239が裏写り発生の可能性有りと判定した場合には、画像処理部236が裏写り防止のため通常とは異なる下地除去処理を行うことになる。
しきい値格納部240は、本実施の形態の画像処理装置200で使用される各種のしきい値を格納する不揮発性メモリで構成されている。このしきい値格納部240はメモリ233の一部として構成することも可能である。画像出力部241は、画像処理部236で処理した後の画像データを用いて、図示しない用紙に画像をプリントするプリンタで構成されている。操作部242は図示しない各種キースイッチやディスプレイから構成されている。画像処理装置のオペレータは、この操作部242からブックスキャナ方式やADF方式を選択したり、原稿をコピーする場合の枚数の指定等の各種操作を行うことができる。
図7〜図9は、本実施の形態の画像処理装置におけるプラテンカバー部の開き角と第1および第2の角度センサの検出の関係を説明するためのものである。図7〜図9で図5と同一部分には同一の符号を付している。
まず、図7はプラテンカバー部203の一端を十分上方に持ち上げて、画像処理装置200の上部のプラテンガラス211の位置に原稿251を載置した状態、あるいは載置した原稿251を回収する直前の状態を表わしている。この状態ではプラテンカバー部203の開き角が前記した所定角度よりも大きいので、角度検出アクチュエータ216の上端はこのプラテンカバー部203の下面と接触していない。このとき、角度検出アクチュエータ216は前記したスプリング機構によって上限位置まで移動した状態にあり、装置本体201の内部に存在する部分216Aの下端部が第1の角度センサ223よりも上側に移動している。
この状態では、第1および第2の角度センサ223、224のいずれの受光素子もそれぞれに対応して配置された発光素子からの光を角度検出アクチュエータ216で遮られることなく受光することができる。この状態のとき、角度検出部238は、第1および第2の角度センサ223、224が共にオープンであると判別する。このとき、キャリッジ221は副走査方向におけるホームポジションとしての位置に停止した状態にあり、画像の読み取りは行われていない。
図8は、図7に示した状態からプラテンカバー部203が閉じられていき、開き角が予め定められた角度θになった状態を示したものである。画像処理装置200の上部のプラテンガラス211の位置には、画像の読み取りを行おうとする原稿251が載置されている。
開き角が角度θになるよりもわずかに大きな角度としての前記した所定角度のとき、プラテンカバー部203の下面が角度検出アクチュエータ216の上端と接触するように設定されている。このため、開き角が角度θになった時点では角度検出アクチュエータ216がわずかに下方に押し下げられている。これにより、装置本体201の内部に存在する部分216Aは、第1の角度センサ223の発光素子から受光素子に至る光線を遮断している。第2の角度センサ224の発光素子から受光素子に至る光線は遮断されていない。この状態のとき、角度検出部238は、第1の角度センサ223がクローズであると判別する。第2の角度センサ224については、図7に示した状態と同一であるので、オープンであると判別することになる。
プラテンカバー部203がこの状態まで閉じると画像処理装置200の画像読取部235は、キャリッジ221内の光源ランプ261を点灯させる。すると、光源ランプ261から発せられた光は、原稿251の読取面を照射し、その反射光が複数枚のミラー262〜264を順次反射して光学レンズ265を通過し、1次元イメージセンサ266上に画像を結像する。このようにして1ライン分の画像が読み取られることになる。キャリッジ221は、図示しないモータによって図5に示す矢印222方向(副走査方向)に往復動可能である。
図9は、図8に示した状態から更に進行してプラテンカバー部203が完全に閉じられた状態を表わしたものである。この状態ではプラテンカバー部203の開き角がゼロになり、角度検出アクチュエータ216は下限位置まで下方に押し下げられている。これにより、装置本体201の内部に存在する角度検出アクチュエータ部分216Aは、第1の角度センサ223の発光素子から受光素子に至る光線を遮断するだけでなく、第2の角度センサ224の発光素子から受光素子に至る光線も遮断する。この状態のとき、角度検出部238は、第1および第2の角度センサ223、224を、共にクローズであると判別することになる。
後に説明するように、この時点までに画像処理装置200の裏写り判定部239は原稿251の裏写りの発生の可能性の有無を判定している。したがって、キャリッジ221が原稿251の操作を開始すると、画像処理部236は裏写り判定部239の判定結果を基にして画像の処理を行い、画像出力部241に適切な処理を行った画像データを供給してプリントを行わせることになる。
図10は、ブックスキャナ方式で画像の読み取りを行う際の原稿をセットしてから裏写りの判定が行われるまでの画像処理装置の処理の流れを表わしたものである。この処理は図6に示したメモリ233に格納された制御プログラムをCPU232が実行することによって実現する。図6〜図9と共に説明する。
図7に示すようにオペレータが原稿251をプラテンガラス211にセットした状態で、角度検出部238は第1の角度センサ223がクローズの状態になっているかを監視している(ステップS301)。図7に示すようにプラテンカバー部203が十分開いた状態で第1の角度センサ223はオープンの状態となっており(ステップS301:N)、この状態で第1の角度センサ223の監視が継続する。
ある時点でオペレータがプラテンカバー部203を閉じる動作を開始したとする。すると、図8に示すようにプラテンカバー部203の開き角が角度θにまで減少した時点で第1の角度センサ223がクローズに変化する(ステップS301:Y)。すると角度検出部238の検出結果を基にして制御部231は画像読取部235に対してキャリッジ221内の光源ランプ261の点灯を指示し、光源ランプ261が点灯する(ステップS302)。
光源ランプ261の点灯状態で制御部231は第1の角度センサ223がこの後もオープンの状態であるかをチェックする(ステップS303)。プラテンカバー部203が継続的に閉じられる方向に移動している場合、第1の角度センサ223はクローズのままである(N)。そうであれば、制御部231は画像読取部235に対して1次元イメージセンサ266による1ライン分のスキャンを指示する(ステップS304)。これにより、図8に示した配置関係で原稿251の所定の副走査位置における1ライン分の画像の読み取りが行われることになる。
1ライン分の画像の読み取りが行われたこの副走査位置は、原稿251の領域で、かつリードエッジに比較的近い位置と定められている。したがって、原稿251のサイズがどのようなものであっても、その副走査位置における1ライン分の読み取りが行われることになる。このとき読み取られた1ライン分の画像データは、プラテンカバー部203がオープンとなった状態におけるデータなので、「オープンデータ」としてメモリ233内部の所定の領域に格納される。
一方、ステップS303で第1の角度センサ223がオープンとなっていた場合には(Y)、オペレータが何らかの事情でプラテンカバー部203を再び開く方向に移動させて、画像の読み取りを停止した可能性がある。そこで、この場合には光源ランプ261を消灯させて(ステップS305)、再度、ステップS301の待機状態に戻ることになる。
これに対して、ステップS304で1ライン分のスキャンが行われた場合、制御部231は角度検出部238から第2の角度センサ224がクローズであるとの検出結果が到来したかをチェックする(ステップS306)。図8に示した状態から図9に示した状態にまで変化する途中までは、第2の角度センサ224がオープンの状態を保持している。このような場合(ステップS306:N)、制御部231は角度検出部238から第1の角度センサ223がオープンになったとの検出結果が到来するかをチェックする(ステップS307)。そして、第2の角度センサ224がオープンで第1の角度センサ223がクローズの状態を保持している間は(ステップS306:N、ステップS307:N)、処理をステップS306に戻して、このループ処理を保持した状態で第2の角度センサ224がクローズになるのを待機することになる。
この待機状態で第2の角度センサ224がクローズになると(ステップS306:Y)、制御部231は画像読取部235に対して1次元イメージセンサ266による1ライン分のスキャンを再度指示する(ステップS308)。これにより、図9に示した配置関係で原稿251の前記した所定の副走査位置における1ライン分の画像の読み取りが行われることになる。このとき読み取られた1ライン分の画像データは、プラテンカバー部203がクローズとなった状態のデータなので、「クローズデータ」としてメモリ233内部の他の所定の領域に格納される。
このようにして図8に示した配置状態と図9に示した配置状態の双方で原稿251の同一副走査位置で主走査方向に1ライン分の画像の読み取りが行われたら、原稿サイズ検知部237が原稿251のサイズ判定を行う(ステップS309)。続いて裏写り判定部239が原稿251の原稿の裏写りの発生の可能性の判定を行って(ステップS310)、処理を終了する(エンド)。
一方、第2の角度センサ224がオープンの状態となり、第1の角度センサ223もオープンの状態になった場合には(ステップS306:N、ステップS307:Y)、図9に示した配置状態になってから図8に示した配置状態に変化したと推察される。これは、画像読取部235による画像の読み取りが終了したか、その他の理由でオペレータがプラテンカバー部203を持ち上げた場合である。そこで、この場合にはステップS305に進んで光源ランプ261を消灯させ、再度、ステップS301の待機状態に戻ることになる。
ステップS309の原稿サイズ検知部237による原稿251のサイズ判定の処理は、オペレータが図10に示した処理を開始するに先立って原稿サイズをマニュアルで指定したような場合は省略される。原稿サイズをマニュアルで指定した場合には、原稿251の実際のサイズとは関係なく、その指定したサイズの領域を読み取ることになるからである。
図11は、原稿サイズをマニュアルで指定せず、原稿のサイズを自動で検知する場合の処理の概要を表わしたものである。この処理は、図6に示した原稿サイズ検知部237が行うものであるが、メモリ233内に格納された制御プログラムをCPU232が実行することによって実現する。図4、図6、図8および図9と共に説明する。
まず原稿サイズ検知部237は、メモリ233に格納されたオープンデータとクローズデータの双方を読み出して、それぞれの主走査方向の同一画素位置ごとに階調の差分をとる(ステップS321)。次に、これらの差分が、予め定めたしきい値以下から最大の差分に変化する主走査方向の位置を判別する(ステップS322)。この処理で用いられるしきい値は、しきい値格納部240に原稿サイズ判別用として格納されている。ここで設定されるしきい値は、図8のように原稿251の読取面と反対側に原稿押さえ213が密着していない場合と、図9に示すように原稿251の読取面と反対側に原稿押さえ213が密着している場合の同一読取位置での階調の差分よりも多少大きな値である。
一方、主走査方向における原稿251を外れた領域では、原稿251の読取面と反対側に原稿押さえ213が密着している場合とそうでない場合とで一般に階調の差が大きく異なってくる。これは、図9に示した配置だと光源ランプ261の発した光が原稿押さえ213で反射されて1次元イメージセンサ266入射する量が非常に多いが、図8に示した配置だと光源ランプ261の発した光が空間に放出されてしまう割合が大きくなるからである。そこで主走査方向における原稿251の存在しない位置ではオープンデータとクローズデータの階調の差分が最大あるいはこれに近い値となる。
したがって、この階調の差分がしきい値以下から最大の差分(あるいはこれに近い値)に急変する主走査位置を2点判別する。そして、これら2点間の主走査方向の長さに一致する用紙の一辺を、定型サイズの用紙の辺の長さを表わした予め用意したデータ一覧から検索する(ステップS323)。ただし、原稿251の端部をプラテンガラス211の主走査方向の開始点と一致させるようにセットする場合には、最大の差分(あるいはこれに近い値)に急変する主走査位置は1点となる。このような画像処理装置200の場合には、主走査方向の開始点の位置から、階調の急変する主走査位置までの長さを検索の対象とする。
このようにしてステップS323の処理で一致した定型サイズを、今回読み取りの対象とする原稿251のサイズとして検知し(ステップS324)、原稿のサイズの自動検知の処理を終了する(エンド)。
図12は、図10のステップS310で示した裏写り判定処理を具体的に表わしたものである。この処理は、図6に示した裏写り判定部239が行うものであるが、メモリ233内に格納された制御プログラムをCPU232が実行することによって実現する。図6、図8〜図10と共に説明する。
裏写り判定部239は、ステップS304で取得したオープンデータとステップS308で取得したクローズデータをメモリ233から読み出して、これらの階調ごとのヒストグラムを作成する(ステップS341)。このとき、オープンデータとクローズデータは、予めステップS310で判定した原稿251の存在する主走査領域のみのデータに制限しておく。
図13は、原稿の存在する領域におけるオープンデータとクローズデータの双方についての階調ごとのヒストグラムの一例を表わしたものである。この図で横軸は、「0」から「255」までの256段階の階調を示しており、「0」が最も階調の低い「黒」を表わし、「255」が最も階調の高い「白」を表わしている。縦軸は、該当する階調の画素数(度数)を表わしている。
図12に戻って説明を続ける。図13に示したような2つのヒストグラムを求めたら、裏写り判定部239はこれらのヒストグラムについて、第1のしきい値以上の階調となっている区間を求める(ステップS342)。ここで第1のしきい値は、しきい値格納部240に裏写り判定用として格納されている。
図14および図15は、図13に示したヒストグラムを用いた処理の説明を分かりやすくするために比較的単純なヒストグラムの例を示したものである。これらの図を適宜使用して裏写り判定部239の処理を説明する。これらの図でも横軸としてのX軸は階調を示しており、これと直交する図示しない縦軸としてのY軸方向はそれぞれの階調における画素の出現数を表わしている。ただし、これらの図では具体的な階調や出現数の表示は行っていない。
図14および図15では、図12のステップS342における第1のしきい値を「THL」で示している。また、第1のしきい値THL以上の度数の部分については、ハッチングを付している。ステップS342の処理では、区間a1、区間a2、区間a3および区間a4の4つの区間で画素の出現数が第1のしきい値THL以上となっている。
ステップS342に続くステップS343では、各区間a1、区間a2、区間a3、区間a4のそれぞれ隣接する部分の距離が第2のしきい値以下であるかを判別する。判別の結果、第2のしきい値以下であれば第1のしきい値THL未満のこれらの区域を隣接する区間に併合する。ここで第2のしきい値も、しきい値格納部240に裏写り判定用として格納されている。
図14について調べてみると、区間a1と区間a2の間の第1のしきい値THL未満の区域の距離は「1」(階調)であり、区間a2と区間a3の間の第1のしきい値THL未満の区域の距離は「2」(階調)であり、区間a3と区間a4の間の第1のしきい値THL未満の区域の距離は「7」(階調)である。第2のしきい値を「2」に設定していたとする。すると、図14における区間a1と区間a2の間および区間a2と区間a3の間が、図15に示すように1つの区間b1に統合される。
一方、区間a3と区間a4の間の距離は「7」(階調)であるため、区間a3が区間b1の一部になるのに対して、区間a4はそのままの区間として区間b2に変更される。このようにして図14で4つの区間a1、区間a2、区間a3、区間a4であったものが、ステップS343の処理で図15に示すように2つの区間b1、区間b2に変更になる。
次のステップS344では、ステップS343で処理後のヒストグラムの各区間bの中で、それぞれX軸(階調値)で最も大きな値を持つ区間の度数で最頻値を持つ階調値を求める(ステップS344)。これを、再び図13に戻って説明する。
図13では、図15で示した2つの区間b1、区間b2に相当する区間は次のようになる。ただし、第1のしきい値THLはここでは「100」としている。
(1)オープンデータについての第1のしきい値THL以上の区間
区間b1(オープン):[12:18]
区間b2(オープン):[152:169]
(2)クローズデータについての第1のしきい値THL以上の区間
区間b1(クローズ):[13:19]
区間b2(クローズ):[175:194]
これら2つのヒストグラムの内で階調の差としての階調値の最も大きな値を持つ区間は、区間b2(オープン)と区間b2(クローズ)である。また、区間b2(オープン)の度数で最頻値を持つ階調値(図で○印で示す度数に対応する階調値)をTopenとすると、この値は「160」である。区間b2(クローズ)の度数で最頻値を持つ階調値(図で○印で示す度数に対応する階調値)をTcloseとすると、この値は「184」である。
次のステップS345では、ステップS344で求めた2つの階調値Topenおよび階調値Tcloseの差分を求め、これをオープンデータとクローズデータの透過率とする。図13に示した例では、階調値Topenと階調値Tcloseの差分は、「160」と「184」の差分(絶対値)であり、「24」となる。
次のステップS346では、しきい値格納部240に格納されているしきい値テーブルからオープンデータの入力階調値に対応する第3のしきい値を読み出す。この例では階調値Topenが図13より「160」なので、用意されたしきい値テーブルから階調値Topenが「160」に対応する第3のしきい値を読み出すことになる。
図16は、しきい値テーブルの一例を示したものである。本実施の形態では、第3のしきい値を読み出すためのしきい値テーブル271は、入力階調が8ビットであるとして、256階調を10階調ずつに区分けした、入力階調値が「0」から「25」までの26段階の入力階調値に対応したものになっている。この例では入力階調値が大きいほど白側になる。
図16に示したしきい値テーブル271では、入力階調値が「21」以上の場合、第3のしきい値が設定されていない。これは、クローズデータの最頻値が最大値の「255」になることが考えられるため、裏写りの判定の対象外としたためである。
なお、裏写りの判定についての精度を上げたい場合は、図16に示したような26段階の入力階調値のそれぞれに対して第3のしきい値を定めるのではなく、256階調すべての入力階調値に対して第3のしきい値を設定したしきい値テーブルを用意するようにしてもよい。
図12に示した裏写り判定処理の説明に戻る。次のステップS347では、図16で示したしきい値テーブル271から求めた第3のしきい値を、ステップS345で求めたオープンデータとクローズデータの差分としての透過率と比較する。この結果、透過率が第3のしきい値以上であれば(Y)、裏写り判定部239は裏写りの可能性があると判定して(ステップS348)、裏写り判定処理を終了する(エンド)。
これに対して、透過率が第3のしきい値未満であれば(ステップS347:N)、裏写り判定部239は裏写りの可能性がないと判定して(ステップS349)、裏写り判定処理を終了する(エンド)。
図13に示した例では、ステップS347で階調値Topenが「160」に対応する第3のしきい値「30」を、透過率「24」と比較する。この結果、第3のしきい値の方が透過率よりも大きいと判定されるので(N)、ステップS349に進んで、裏写り判定部239は裏写りの可能性がないと判定することになる。
以上のようにして裏写り判定を行うその原理を次に説明する。まず、裏写り判定にオープンデータとクローズデータの差分を用いることについて説明する。裏写りの要因は、原稿押さえ213からの反射光によるところが大きい。そこで、原稿押さえからの反射光をほとんど受けないオープンデータと反射光を受けるクローズデータの差分を見て、その量が単純に大きいほど裏写りが発生する可能性があると考える。これが基本的な原理である。
次に、オープンデータのヒストグラムに対して、しきい値以上となる区間の中で最も大きい階調(白側の階調)を持つ区間の最頻度を有する階調値に対して用意されたしきい値テーブル271から判定のためのしきい値を求める理由について説明する。
本実施の形態では、裏写りの判定に透過率を用いる。単純に考えれば透過率が大きいほど裏写りしやすいと考えられる。このため、透過率にしきい値を設けて、しきい値以上となる場合には裏写りすると判定すればよいと考えられる。しかしながら、原稿の厚みや原稿の色、印字の有無等によって透過率が異なってくるので、このような単純な判定を行うことができない。
たとえば白一色の原稿と、地色は白でオープンデータの読み取り位置にグレーの帯がある原稿を比べた場合、透過率は白一色の原稿の方が高くなる。しきい値を設けて裏写りの有無を判定すると、白一色の原稿は裏写り有りと判定され、地色は白でグレーの帯がある原稿は裏写り無しと判定されることになる。これらの例の場合、2枚の原稿が同一の厚さであったとすると、グレーの帯がある原稿も地色の白の部分に裏写りが発生する可能性は白一色の原稿と変わらないのに、判定結果が異なることになる。
そこで、この例でグレーの帯がある原稿も裏写りありの判定にすべきであるとした場合、使用するしきい値を下げる手法を採ることが考えられる。ところが、グレーの帯の濃度がより濃くなった原稿があるとすると、この場合にはより透過率が下がるため、そのような原稿を裏写りありと判定できないおそれがある。
以上より、裏写りの判定には単純に透過率の大きさだけを基準にすることができないことが分かる。そこでグレーの帯のオープンデータに対しては、それぞれに応じたしきい値を設定するようにして、本実施の形態では帯の濃度が変わっても裏写りありの判定を可能にしている。以上の理由から本実施の形態では、オープンデータの最頻度を有する階調値に応じたしきい値テーブル271を使用して裏写りの判定を行っている。
ところで図12のステップS349で裏写り判定部239が原稿251について裏写りの可能性がないと判定したとする。この場合、図6に示す画像読取部235の読み取った画像データは画像処理部236で通常の処理を行った後に画像出力部241がプリントアウトすることになる。これに対して、図12のステップS348で裏写り可能性ありとされた画像データは、同様にプリントアウトすると裏写りの生じた画像が得られることになる。そこで本実施の形態では裏写り可能性ありとされた画像データに対して画像処理部236は、裏写り防止を行う下地除去処理を行うようにしている。
そこで、本実施の形態で行う裏写り防止を行う下地除去処理について次に説明する。一般に下地除去処理は新聞のように用紙の下地(地肌)に薄い色がついている原稿をコピーする際に、これによって得られた画像をより見やすくするために、下地となる部分に色を乗せないように「白地」として処理する機能として知られている。
下地除去処理の一般的な手法は、次のようなものである。
(1)まず原稿を読み取ってそのデータから下地の階調値を求める。
(2)次に、求めた下地の階調値までの階調値がプリント時に白色として記録されるように階調を補正する。たとえばプリント時の白色が階調値の「255」であるとすると、下地の階調値を「255」に補正することになる。
この一般的な下地除去処理の手法を、本明細書では「下地除去オート」と呼ぶことにする。「下地除去オート」以外の下地除去処理の手法として、本明細書で「下地除去マニュアル」と呼ぶことにする下地除去処理の手法が存在する。この「下地除去マニュアル」では、白として処理する階調を画像の読み取りによって求めるのではなく、予め固定値として決めている。また、固定値を複数のレベルに分けておき、オペレータが希望する下地除去量を選べるようにした手法も知られている。
本実施の形態では、以上説明した「下地除去オート」ならびに「下地除去マニュアル」とは異なる下地除去処理を行うことで、原稿の裏写りを防ぐようにしている。本実施の形態で実現する下地除去処理を、(a)下地除去マニュアルを持ったデジタル複合機と、(b)下地除去オートを持ったデジタル複合機の2つに分けて説明を行う。
(a)下地除去マニュアルを持ったデジタル複合機の場合
下地除去マニュアルの場合には、オペレータが下地除去量をマニュアルで調整することができる。たとえば、オペレータが図4に示した画像処理装置200のプラテンカバー部203を閉じて図12に示す裏写り判定処理を行った結果として、ステップS348で裏写り可能性ありと判定されたとする。
この場合には、図6に示す操作部242を構成するディスプレイに下地除去のレベルを上げるような警告を表示するようにすればよい。一例としては、「裏写りが発生する恐れがあるため、下地除去のレベルを上げてコピーすることを推奨します。」といったアラーム表示を表示する。オペレータが操作部242のアラーム表示を見て、原稿251の下地に合わせて下地除去のレベルを上げれば、裏写りを防止することができる。
もちろん、原稿251の状態に応じた透過率ごとに、予め、推奨する下地除去のレベルを決めておくことも可能である。この場合には、図12のステップS345で求めた透過率に対応させて推奨する下地除去のレベルを設定しておき、これをディスプレイに表示するようにすればよい。
図17は、図12に示した処理の次の処理として行われる下地除去マニュアルによる裏写り防止処理の一例についてその流れを表わしたものである。図6および図12と共に説明する。
CPU232は図12のステップS348で裏写り可能性ありと判定したら(ステップS361:Y)、ステップS345で算出した透過率の値をメモリ233の図示しない作業用メモリ領域から読み出す(ステップS362)。この時点よりも前の段階で、オペレータはマニュアル用テーブルを作成しており、これをメモリ233の図示しない不揮発性メモリ領域に格納している。もちろん、マニュアル用テーブルはしきい値格納部240の不揮発性メモリ領域に格納するようにしてもよい。
このマニュアル用テーブルは、オペレータが各種の原稿の透過率に対応して下地除去のレベルを設定してうまくいった場合を集めて作ったものである。もちろん、画像処理装置200の他のオペレータが提供したデータを基にしてマニュアル用テーブルを作成してもよい。
CPU232は、ステップS362で読み出した透過率に対応する下地除去のレベルを、このマニュアル用テーブルから読み出す(ステップS363)。そして、読み出した下地除去のレベルを操作部242を構成するディスプレイに表示すると共に、その値をオペレータが画像処理装置200に設定してプリントアウトすることを推奨表示して(ステップS364)、処理を終了する(エンド)。
この推奨表示の内容を見て、オペレータが推奨された下地除去のレベルを操作部242から入力し、画像のプリントアウトを実行させれば、画像出力部241からは裏写りを防止したコピーが得られる可能性が高くなる。もちろん、下地除去マニュアルによる裏写り防止処理は、オペレータのマニュアル操作を前提とするので、オペレータは画像処理装置200にセットした原稿251の状態を思い出して、表示された下地除去のレベルを加減したより適切な下地除去のレベルをマニュアルで設定することもできる。
また、このようにそれぞれの透過率に対してオペレータが下地除去のレベルをマニュアルで設定して裏写りが適切に解消された場合、これをマニュアル用テーブルに反映させるようにすれば、マニュアル用テーブルの格納内容を充実させたり、信頼性を向上させることが可能になる。
なお、画像処理装置200が下地除去マニュアルを持ったデジタル複合機である場合、下地除去のレベルを調整するようにディスプレイにアラーム表示を常に行うことは必ずしも必要ない。このようなアラーム表示を省略して、下地除去のレベルを画像処理装置200に自動で設定するようにすることも可能である。
(b)下地除去オートを持ったデジタル複合機の場合
次に、画像処理装置200が下地除去オートを持ったデジタル複合機である場合についての説明を行う。この場合には、透過率の値に応じて除去量を予め変動させるオフセット値のテーブルを設定しておく。オフセット値のテーブルは、メモリ233の不揮発性メモリ領域に格納してもよいし、しきい値格納部240等の他の不揮発性メモリ領域に格納するようにしてもよい。したがって、下地除去オートを持ったデジタル複合機の場合には、図12のステップS345で透過率が求まると、オフセット値のテーブルを用いてこれに対応するオフセット値を得ることになる。
図18は、下地除去オートを実現する裏写り防止用のオフセット値の概念を説明するためのものである。本実施の形態で下地除去機能は、R(赤)G(緑)B(青)データからY(明度)Cb(色差)Cr(色差)変換した後の画像データを用いて行うようになっている。図18で横軸は入力画像データのY値を示しており、縦軸は出力画像データのY値を示している。本実施の形態でY値はそれぞれ8ビット(「0」〜「255」)で表記している。この場合、白色に相当する明度が「255」である。
この図18では、下地除去が行われない場合の入出力特性281と、下地除去オートとして従来から行われていた手法を採る場合の入出力特性282と、本実施の形態で裏写りを防止するようにした場合の入出力特性283のそれぞれを示している。横軸(入力)と縦軸(出力)で特定されるY値に関する座標を、(Yin,Yout)で表わすものとする。この場合、下地除去が行われない場合の入出力特性281の場合には、黒色の入力画像データのY値(Yin=「0」)に対して黒色の出力画像データのY値(Yout=「0」)が対応することになる。また、白色の入力画像データのY値(Yin=「255」)に対して白色の出力画像データのY値(Yout=「255」)が対応することになる。したがって、下地除去が行われない場合の入出力特性281は、黒色の座標(0,0)と白色の座標(255,255)の2点を単純に結んだ直線となる。
次に、従来から行われていた下地除去オートの場合を説明する。この場合には、原稿の下地と判定された入力画像データのY値(Yin=「YS」)を、出力画像データのY値として白色の出力画像データのY値(Yout=「255」)に引き上げる特性変更が行われる。すなわち、入力画像データのY値が「YS」〜「255」の領域Aでは、出力画像データのY値が「255」に画一化される。
この下地除去オートの入出力特性282で、下地除去が行われない場合の入出力特性281を表わした直線部分から、領域Aの部分を表わした出力画像データのY値が「255」に画一化された直線部分に至る特性曲線284を、簡単に一次関数で表わすものとする。このような一次関数は、直線の傾きが「1」以上の任意の傾きであるのが通常である。また、座標(YS,255)を上端位置とする特性曲線284が下地除去オートの入出力特性282の直線部分と交わる座標位置を座標(YA,YA)であるとする。この場合、下地除去オートの入出力特性282は、黒色の座標(0,0)と座標(YA,YA)を結ぶ第1の直線部分と、座標(YA,YA)と座標(YS,255)を結ぶ第2の直線部分と、座標(YS,255)と白色の座標(255,255)を結ぶ第3の直線部分で表わすことができることになる。
最後に、本実施の形態の下地除去オートの場合の特性曲線について説明する。この場合には裏写り防止の下地除去が行われる。このため、原稿の下地と判定された入力画像データのY値(Yin=「YS」)よりも、領域Bに相当する階調幅(裏写り防止のためのオフセット)だけ階調が小さくなった入力画像データのY値(Yin=「YU」)から、出力画像データのY値として白色の出力画像データのY値(Yout=「255」)に引き上げる特性変更が行われる。すなわち、入力画像データのY値が「YU」〜「255」の領域Aと領域Bの合わさった領域では、出力画像データのY値が「255」に画一化されることになる。
この裏写りを防止するようにした場合の入出力特性283でも、下地除去が行われない場合の入出力特性281を表わした直線部分の途中から、座標(YU,255)に至る特性曲線285を考える。この特性曲線285と下地除去が行われない場合の入出力特性281を表わした直線部分の交点の座標を座標(YB,YB)とする。すると、本実施の形態の裏写り防止の下地除去が行われた下地除去オートの入出力特性283は、黒色の座標(0,0)と座標(YB,YB)を結ぶ第1の直線部分と、座標(YB,YB)と座標(YU,255)を結ぶ第2の直線部分の特性曲線285と、座標(YU,255)と白色の座標(255,255)を結ぶ第3の直線部分で表わすことができることになる。
図19〜図21は、原稿の透過率とオフセット値の関係を示したオフセットテーブルの一例を、3つに分割して示したものである。オフセットテーブル291は、図18に示したオフセット値Bを図7に示す原稿251の透過率の違いによって決定するものである。原稿251の透過率は、既に説明したように図12のステップS345で求めたオープンデータとクローズデータの差分として求められる。本実施の形態で使用するオフセットテーブル291は、透過率を8ビット(「0」から「255」)の256段階で表わすことにしているが、段階数はこれに限るものではない。
以上説明したように、本実施の形態では図18に示した下地除去オートを実現するオフセット値のテーブルを用意しておき、図12のステップS348で裏写りの可能性があると判定したときであって、かつ下地除去オートの設定が行われているとき、裏写りの防止された下地除去を行う。すなわち、図6に示す画像出力部241は裏写りの防止された画像をプリントアウトすることになる。
なお、以上説明した裏写り防止の下地除去を行う際の裏写りの判定に使用する原稿251の画像データとしては、先に説明した裏写り判定に用いる1ラインの画像データの読取結果を使用すべきでない。この読取結果とは別に、下地除去オートの機能で読み取った下地の値を用いる。裏写り判定時に読める程度の1ラインまたは数ラインを基にすると、誤った値を下地としてしまう危険性が高いからである。たとえば原稿251が、裏写り判定の読取位置に下地よりも文字の占める面積が多い場合がある。このような場合、原稿251のヒストグラムの最頻値は文字部の階調値になる。この結果として最頻値付近の階調値を下地と判定すると、その値を白色にする処理が行われることになり、下地除去量にリミッタをかけている場合でも期待している画像よりもずっと薄い画像が得られるおそれがある。このため、下地の階調値はできるだけ多くの画像データから判断する必要性がある。たとえば下地除去オートで原稿251を複写する場合、原稿251の読み取りを開始してから、指定する開始ラインから終了ライン(間引くとしても5ミリメートル程度は必要。)を読んだとき、そのデータをラインごとにヒストグラム化して下地の階調値を求め、それを以後の画像データに適用して裏写りの除去された画像を得ることが好ましい。
以上説明したように本実施の形態の画像処理装置によれば、原稿251が薄く、その両面に印字がある場合に発生する恐れがある裏写りを効果的に防止することができる。しかも、裏写りを防止するために専用のセンサ等の部品を新たに設ける必要がない。更に裏写りが発生するおそれがあるかを判定するために原稿251の全面を複数回走査する必要がないので、画像のプリントアウトまでに要する時間を遅延させることがない。
また、本実施の形態の画像処理装置では、裏写り判定に用いる1ラインの画像データの読取結果とは別に、下地除去オートの機能で読み取った下地の値を用いるようにしている。これにより、原稿251の1ライン分読み取った画像が下地以外の文字等の黒字に近い濃度領域を有していても、これに影響されることなく裏写りの発生の有無を判定することができる。
なお、以上説明した実施の形態で画像処理装置200はブックスキャナ方式とADF方式の双方で画像を読み取ることを可能にした装置であるが、ブックスキャナ方式のみを採用する装置であってもよいことはもちろんである。
更に実施の形態では256段階(8ビット)の画像処理を例に挙げて説明したが、階調の総数は256段階に限るものでないことは当然である。また、256段階(8ビット)の画像処理では「0」が最も階調の低い「黒」を表わし、「255」が最も階調の高い「白」を表わすようにしたが、この逆に「0」が「白」を表わし、「255」が「黒」を表わすようにしてもよい。更に「白」と「黒」は濃度(階調)を表わす2つの両極端の概念の一例であり、たとえば「赤」1色で画像を記録する画像処理装置では、「白」と「赤」あるいは「地色」と「地色+赤」の概念を用いることも可能である。
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
(付記1)
画像の読み取りの対象となる原稿を載置するプラテンと、
このプラテンの一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられたプラテンカバーと、
このプラテンカバーが前記プラテンの他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度を検出する第1の角度センサと、
前記プラテンカバーが前記プラテンを完全に覆う角度としての第2の角度を検出する第2の角度センサと、
前記プラテンよりも下方から前記プラテンを介して前記原稿の読取面を照射する光源と、
この光源から照射された光線が前記プラテンを介して前記原稿に照射されたその反射光を用いてその原稿の画像を読み取る読取素子と、
前記プラテンカバーが前記プラテンに対して前記第1の角度よりも開いた状態から前記第1の角度センサが前記第1の角度を検出したとき、前記プラテン側から前記光源を点灯させて前記原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する第1の画像取得手段と、
この第1の画像取得手段が第1の画像を取得した後に前記第2の角度センサが前記第2の角度を検出したとき、前記プラテン側から前記光源を点灯させて前記原稿の前記所定の部位の画像を第2の画像として取得する第2の画像取得手段と、
前記第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第1の画像用ヒストグラム作成手段と、
前記第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第2の画像用ヒストグラム作成手段と、
前記第1の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第1の画像用区間特定手段と、
前記第2の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第2の画像用区間特定手段と、
前記第1の画像用区間特定手段で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第1の画像用区間併合手段と、
前記第2の画像用区間特定手段で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第2の画像用区間併合手段と、
前記第1の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける前記第1の画像用区間併合手段によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第1の画像用最頻階調値算出手段と、
前記第2の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける前記第2の画像用区間併合手段によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第2の画像用最頻階調値算出手段と、
第1の画像用最頻階調値算出手段と第2の画像用最頻階調値算出手段のそれぞれ算出した最頻階調の差分を算出する最頻階調差分算出手段と、
この最頻階調差分算出手段の算出した前記最頻階調の差分を前記原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する比較手段と、
この比較手段の比較により前記最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記原稿が裏写りの可能性があると判定する裏写り判定手段
とを具備することを特徴とする画像処理装置。
(付記2)
前記裏写り判定手段が裏写りの可能性があると判定した原稿に対して前記原稿の透過率に対応した裏写り防止用の階調の補正レベルを複数通り表示する補正レベル表示手段と、
この補正レベル表示手段の表示内容に応じて裏写りを防止した画像を取得するための階調補正の設定を入力させる階調補正手段
とを具備することを特徴とする付記1記載の画像処理装置。
(付記3)
前記第1の画像取得手段の取得する原稿の所定の部位よりも広い領域で前記原稿の画像を取得する第3の画像取得手段と、
この第3の画像取得手段の取得した画像から原稿の下地の階調を判定する下地階調判定手段と、
この下地階調判定手段の判定した下地の階調から下地除去用の階調を算出するためのオフセット量を前記原稿の透過率と対応付けてテーブル化したオフセットテーブルと、
前記原稿が裏写りの可能性があると前記裏写り判定手段が判定したとき前記下地階調判定手段の判定した下地の階調に前記比較手段の比較の対象となった前記透過率に対応するオフセット量を前記オフセットテーブルから求めて、裏写りを防止するために白色とする階調の範囲を算出する裏写り防止用階調範囲算出手段と、
この裏写り防止用階調範囲算出手段の算出した階調の範囲を白色の階調に強制することで前記原稿の画像における裏写りを防止する階調補正手段
とを具備することを特徴とする付記1記載の画像処理装置。
(付記4)
前記階調補正手段の補正後の画像データを用いて前記原稿の画像をプリントアウトするプリント手段
を更に具備することを特徴とする付記2または付記3記載の画像処理装置。
(付記5)
プラテンの一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられたプラテンカバーが前記プラテンの他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度よりも開いた状態から閉じ始め前記第1の角度となったとき、前記プラテン側から光源を点灯させてプラテン上に載置された原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する第1の画像取得ステップと、
この第1の画像取得ステップで第1の画像を取得した後に前記プラテンカバーが前記プラテンを完全に覆う角度としての第2の角度となったとき、前記プラテン側から前記光源を点灯させて前記原稿の前記所定の部位の画像を第2の画像として取得する第2の画像取得ステップと、
前記第1の画像取得ステップで取得した第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第1の画像用ヒストグラム作成ステップと、
前記第2の画像取得ステップで取得した第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第2の画像用ヒストグラム作成ステップと、
前記第1の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第1の画像用区間特定ステップと、
前記第2の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第2の画像用区間特定ステップと、
前記第1の画像用区間特定ステップで求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第1の画像用区間併合ステップと、
前記第2の画像用区間特定ステップで求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第2の画像用区間併合ステップと、
前記第1の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける前記第1の画像用区間併合ステップによって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第1の画像用最頻階調値算出ステップと、
前記第2の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける前記第2の画像用区間併合ステップによって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第2の画像用最頻階調値算出ステップと、
第1の画像用最頻階調値算出ステップと第2の画像用最頻階調値算出ステップのそれぞれで算出した最頻階調の差分を算出する最頻階調差分算出ステップと、
この最頻階調差分算出ステップで算出した前記最頻階調の差分を前記原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する比較ステップと、
この比較ステップによる比較により前記最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記原稿が裏写りの可能性があると判定する裏写り判定ステップ
とを具備することを特徴とする画像処理方法。
(付記6)
前記裏写り判定ステップで裏写りの可能性があると判定した原稿に対して前記原稿の透過率に対応した裏写り防止用の階調の補正レベルを複数通り表示する補正レベル表示ステップと、
この補正レベル表示ステップにおける表示内容に応じて裏写りを防止した画像を取得するための階調補正の設定を入力させる階調補正ステップ
とを具備することを特徴とする付記5記載の画像処理方法。
(付記7)
前記第1の画像取得ステップで取得する原稿の所定の部位よりも広い領域で前記原稿の画像を取得する第3の画像取得ステップと、
この第3の画像取得ステップで取得した画像から原稿の下地の階調を判定する下地階調判定ステップと、
前記原稿が裏写りの可能性があると前記裏写り判定ステップで判定したとき前記下地階調判定ステップで判定した下地の階調に前記比較手段の比較の対象となった前記透過率に対応するオフセット量を、前記原稿の透過率と対応付けてテーブル化したオフセットテーブルから求めて、裏写りを防止するために白色とする階調の範囲を算出する裏写り防止用階調範囲算出ステップと、
この裏写り防止用階調範囲算出ステップで算出した階調の範囲を白色の階調に強制することで前記原稿の画像における裏写りを防止する階調補正ステップ
とを具備することを特徴とする付記5記載の画像処理方法。
(付記8)
前記階調補正ステップで補正後の画像データを用いて前記原稿の画像をプリントアウトするプリントステップ
を更に具備することを特徴とする付記6または付記7記載の画像処理方法。
(付記9)
コンピュータに、
プラテンの一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられたプラテンカバーが前記プラテンの他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度よりも開いた状態から閉じ始め前記第1の角度となったとき、前記プラテン側から光源を点灯させてプラテン上に載置された原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する第1の画像取得処理と、
この第1の画像取得処理で第1の画像を取得した後に前記プラテンカバーが前記プラテンを完全に覆う角度としての第2の角度となったとき、前記プラテン側から前記光源を点灯させて前記原稿の前記所定の部位の画像を第2の画像として取得する第2の画像取得処理と、
前記第1の画像取得処理で取得した第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第1の画像用ヒストグラム作成処理と、
前記第2の画像取得処理で取得した第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第2の画像用ヒストグラム作成処理と、
前記第1の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第1の画像用区間特定処理と、
前記第2の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第2の画像用区間特定処理と、
前記第1の画像用区間特定処理で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第1の画像用区間併合処理と、
前記第2の画像用区間特定処理で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第2の画像用区間併合処理と、
前記第1の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける前記第1の画像用区間併合処理によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第1の画像用最頻階調値算出処理と、
前記第2の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける前記第2の画像用区間併合処理によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第2の画像用最頻階調値算出処理と、
第1の画像用最頻階調値算出処理と第2の画像用最頻階調値算出処理のそれぞれで算出した最頻階調の差分を算出する最頻階調差分算出処理と、
この最頻階調差分算出処理で算出した前記最頻階調の差分を前記原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する比較処理と、
この比較処理による比較により前記最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記原稿が裏写りの可能性があると判定する裏写り判定処理
とを実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
(付記10)
前記裏写り判定処理で裏写りの可能性があると判定した原稿に対して前記原稿の透過率に対応した裏写り防止用の階調の補正レベルを複数通り表示する補正レベル表示処理と、
この補正レベル表示処理における表示内容に応じて裏写りを防止した画像を取得するための階調補正の設定を入力させる階調補正処理
とを更にコンピュータに実行させることを特徴とする付記9記載の画像処理プログラム。
(付記11)
前記第1の画像取得処理で取得する原稿の所定の部位よりも広い領域で前記原稿の画像を取得する第3の画像取得処理と、
この第3の画像取得処理で取得した画像から原稿の下地の階調を判定する下地階調判定処理と、
前記原稿が裏写りの可能性があると前記裏写り判定処理で判定したとき前記下地階調判定処理で判定した下地の階調に前記比較手段の比較の対象となった前記透過率に対応するオフセット量を、前記原稿の透過率と対応付けてテーブル化したオフセットテーブルから求めて、裏写りを防止するために白色とする階調の範囲を算出する裏写り防止用階調範囲算出処理と、
この裏写り防止用階調範囲算出処理で算出した階調の範囲を白色の階調に強制することで前記原稿の画像における裏写りを防止する階調補正処理
とを更にコンピュータに実行させることを特徴とする付記9記載の画像処理プログラム。
(付記12)
前記階調補正処理で補正後の画像データを用いて前記原稿の画像をプリントアウトするプリント処理
を更にコンピュータに実行させることを特徴とする付記10または付記11記載の画像処理方法。
以上説明した本発明は、複写機、ファクシミリ装置、スキャナあるいは複合機に限らず、画像を複数の階調で読み取るあらゆる分野に適用可能である。
10、200 画像処理装置
11 プラテン
12 プラテンカバー
13 第1の角度センサ
14 第2の角度センサ
15 光源
16 読取素子
17 第1の画像取得手段
18 第2の画像取得手段
19 第1の画像用ヒストグラム作成手段
20 第2の画像用ヒストグラム作成手段
21 第1の画像用区間特定手段
22 第2の画像用区間特定手段
23 第1の画像用区間併合手段
24 第2の画像用区間併合手段
25 第1の画像用最頻階調値算出手段
26 第2の画像用最頻階調値算出手段
27 最頻階調差分算出手段
28 比較手段
29 裏写り判定手段
40 画像処理方法
41 第1の画像取得ステップ
42 第2の画像取得ステップ
43 第1の画像用ヒストグラム作成ステップ
44 第2の画像用ヒストグラム作成ステップ
45 第1の画像用区間特定ステップ
46 第2の画像用区間特定ステップ
47 第1の画像用区間併合ステップ
48 第2の画像用区間併合ステップ
49 第1の画像用最頻階調値算出ステップ
50 第2の画像用最頻階調値算出ステップ
51 最頻階調差分算出ステップ
52 比較ステップ
53 裏写り判定ステップ
70 画像処理プログラム
71 第1の画像取得処理
72 第2の画像取得処理
73 第1の画像用ヒストグラム作成処理
74 第2の画像用ヒストグラム作成処理
75 第1の画像用区間特定処理
76 第2の画像用区間特定処理
77 第1の画像用区間併合処理
78 第2の画像用区間併合処理
79 第1の画像用最頻階調値算出処理
80 第2の画像用最頻階調値算出処理
81 最頻階調差分算出処理
82 比較処理
83 裏写り判定処理
201 装置本体
202、202 ヒンジ機構
203 プラテンカバー部
211 プラテンガラス(プラテン)
213 原稿押さえ
216 角度検出アクチュエータ
221 キャリッジ
223 第1の角度センサ
224 第2の角度センサ
231 制御部
232 CPU
233 メモリ
235 画像読取部
236 画像処理部
238 角度検出部
239 裏写り判定部
240 しきい値格納部
241 画像出力部
242 操作部
251 原稿
261 光源ランプ
262〜264 ミラー
265 光学レンズ
266 1次元イメージセンサ
271 しきい値テーブル
283 本実施の形態で裏写りを防止するようにした場合の入出力特性
291 オフセットテーブル
a、b 区間
THL 第1のしきい値
open 区間b(オープン)の度数で最頻値を持つ階調値
close 区間b(クローズ)の度数で最頻値を持つ階調値

Claims (10)

  1. 画像の読み取りの対象となる原稿を載置するプラテンと、
    このプラテンの一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられたプラテンカバーと、
    このプラテンカバーが前記プラテンの他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度を検出する第1の角度センサと、
    前記プラテンカバーが前記プラテンを完全に覆う角度としての第2の角度を検出する第2の角度センサと、
    前記プラテンよりも下方から前記プラテンを介して前記原稿の読取面を照射する光源と、
    この光源から照射された光線が前記プラテンを介して前記原稿に照射されたその反射光を用いてその原稿の画像を読み取る読取素子と、
    前記プラテンカバーが前記プラテンに対して前記第1の角度よりも開いた状態から前記第1の角度センサが前記第1の角度を検出したとき、前記プラテン側から前記光源を点灯させて前記原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する第1の画像取得手段と、
    この第1の画像取得手段が第1の画像を取得した後に前記第2の角度センサが前記第2の角度を検出したとき、前記プラテン側から前記光源を点灯させて前記原稿の前記所定の部位の画像を第2の画像として取得する第2の画像取得手段と、
    前記第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第1の画像用ヒストグラム作成手段と、
    前記第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第2の画像用ヒストグラム作成手段と、
    前記第1の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第1の画像用区間特定手段と、
    前記第2の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第2の画像用区間特定手段と、
    前記第1の画像用区間特定手段で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第1の画像用区間併合手段と、
    前記第2の画像用区間特定手段で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第2の画像用区間併合手段と、
    前記第1の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける前記第1の画像用区間併合手段によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第1の画像用最頻階調値算出手段と、
    前記第2の画像用ヒストグラム作成手段の作成したヒストグラムにおける前記第2の画像用区間併合手段によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第2の画像用最頻階調値算出手段と、
    第1の画像用最頻階調値算出手段と第2の画像用最頻階調値算出手段のそれぞれ算出した最頻階調の差分を算出する最頻階調差分算出手段と、
    この最頻階調差分算出手段の算出した前記最頻階調の差分を前記原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する比較手段と、
    この比較手段の比較により前記最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記原稿が裏写りの可能性があると判定する裏写り判定手段
    とを具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記裏写り判定手段が裏写りの可能性があると判定した原稿に対して前記原稿の透過率に対応した裏写り防止用の階調の補正レベルを複数通り表示する補正レベル表示手段と、
    この補正レベル表示手段の表示内容に応じて裏写りを防止した画像を取得するための階調補正の設定を入力させる階調補正手段
    とを具備することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記第1の画像取得手段の取得する原稿の所定の部位よりも広い領域で前記原稿の画像を取得する第3の画像取得手段と、
    この第3の画像取得手段の取得した画像から原稿の下地の階調を判定する下地階調判定手段と、
    この下地階調判定手段の判定した下地の階調から下地除去用の階調を算出するためのオフセット量を前記原稿の透過率と対応付けてテーブル化したオフセットテーブルと、
    前記原稿が裏写りの可能性があると前記裏写り判定手段が判定したとき前記下地階調判定手段の判定した下地の階調に前記比較手段の比較の対象となった前記透過率に対応するオフセット量を前記オフセットテーブルから求めて、裏写りを防止するために白色とする階調の範囲を算出する裏写り防止用階調範囲算出手段と、
    この裏写り防止用階調範囲算出手段の算出した階調の範囲を白色の階調に強制することで前記原稿の画像における裏写りを防止する階調補正手段
    とを具備することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記階調補正手段の補正後の画像データを用いて前記原稿の画像をプリントアウトするプリント手段
    を更に具備することを特徴とする請求項2または請求項3記載の画像処理装置。
  5. プラテンの一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられたプラテンカバーが前記プラテンの他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度よりも開いた状態から閉じ始め前記第1の角度となったとき、前記プラテン側から光源を点灯させてプラテン上に載置された原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する第1の画像取得ステップと、
    この第1の画像取得ステップで第1の画像を取得した後に前記プラテンカバーが前記プラテンを完全に覆う角度としての第2の角度となったとき、前記プラテン側から前記光源を点灯させて前記原稿の前記所定の部位の画像を第2の画像として取得する第2の画像取得ステップと、
    前記第1の画像取得ステップで取得した第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第1の画像用ヒストグラム作成ステップと、
    前記第2の画像取得ステップで取得した第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第2の画像用ヒストグラム作成ステップと、
    前記第1の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第1の画像用区間特定ステップと、
    前記第2の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第2の画像用区間特定ステップと、
    前記第1の画像用区間特定ステップで求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第1の画像用区間併合ステップと、
    前記第2の画像用区間特定ステップで求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第2の画像用区間併合ステップと、
    前記第1の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける前記第1の画像用区間併合ステップによって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第1の画像用最頻階調値算出ステップと、
    前記第2の画像用ヒストグラム作成ステップで作成したヒストグラムにおける前記第2の画像用区間併合ステップによって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第2の画像用最頻階調値算出ステップと、
    第1の画像用最頻階調値算出ステップと第2の画像用最頻階調値算出ステップのそれぞれで算出した最頻階調の差分を算出する最頻階調差分算出ステップと、
    この最頻階調差分算出ステップで算出した前記最頻階調の差分を前記原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する比較ステップと、
    この比較ステップによる比較により前記最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記原稿が裏写りの可能性があると判定する裏写り判定ステップ
    とを具備することを特徴とする画像処理方法。
  6. 前記裏写り判定ステップで裏写りの可能性があると判定した原稿に対して前記原稿の透過率に対応した裏写り防止用の階調の補正レベルを複数通り表示する補正レベル表示ステップと、
    この補正レベル表示ステップにおける表示内容に応じて裏写りを防止した画像を取得するための階調補正の設定を入力させる階調補正ステップ
    とを具備することを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
  7. 前記第1の画像取得ステップで取得する原稿の所定の部位よりも広い領域で前記原稿の画像を取得する第3の画像取得ステップと、
    この第3の画像取得ステップで取得した画像から原稿の下地の階調を判定する下地階調判定ステップと、
    前記原稿が裏写りの可能性があると前記裏写り判定ステップで判定したとき前記下地階調判定ステップで判定した下地の階調に前記比較手段の比較の対象となった前記透過率に対応するオフセット量を、前記原稿の透過率と対応付けてテーブル化したオフセットテーブルから求めて、裏写りを防止するために白色とする階調の範囲を算出する裏写り防止用階調範囲算出ステップと、
    この裏写り防止用階調範囲算出ステップで算出した階調の範囲を白色の階調に強制することで前記原稿の画像における裏写りを防止する階調補正ステップ
    とを具備することを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
  8. コンピュータに、
    プラテンの一端を回転中心として上方に開閉自在に取り付けられたプラテンカバーが前記プラテンの他端から有限の距離だけ離れた角度としての第1の角度よりも開いた状態から閉じ始め前記第1の角度となったとき、前記プラテン側から光源を点灯させてプラテン上に載置された原稿の所定の部位の画像を第1の画像として取得する第1の画像取得処理と、
    この第1の画像取得処理で第1の画像を取得した後に前記プラテンカバーが前記プラテンを完全に覆う角度としての第2の角度となったとき、前記プラテン側から前記光源を点灯させて前記原稿の前記所定の部位の画像を第2の画像として取得する第2の画像取得処理と、
    前記第1の画像取得処理で取得した第1の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第1の画像用ヒストグラム作成処理と、
    前記第2の画像取得処理で取得した第2の画像について階調ごとのヒストグラムを作成する第2の画像用ヒストグラム作成処理と、
    前記第1の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける画素の出現数が第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第1の画像用区間特定処理と、
    前記第2の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける画素の出現数が前記第1のしきい値以上となる階調値の区間をそれぞれ求める第2の画像用区間特定処理と、
    前記第1の画像用区間特定処理で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第1の画像用区間併合処理と、
    前記第2の画像用区間特定処理で求めたそれぞれの区間の間の階調間の距離が予め定めた前記第2のしきい値以下であるときこれらの区間を連続区間として併合する第2の画像用区間併合処理と、
    前記第1の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける前記第1の画像用区間併合処理によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第1の画像用最頻階調値算出処理と、
    前記第2の画像用ヒストグラム作成処理で作成したヒストグラムにおける前記第2の画像用区間併合処理によって併合後の各区間の中で階調の差が最も大きな区間における画素の出現数が最多となる階調を求める第2の画像用最頻階調値算出処理と、
    第1の画像用最頻階調値算出処理と第2の画像用最頻階調値算出処理のそれぞれで算出した最頻階調の差分を算出する最頻階調差分算出処理と、
    この最頻階調差分算出処理で算出した前記最頻階調の差分を前記原稿の透過率を表わすデータとしてこれを予め定めた第3のしきい値と比較する比較処理と、
    この比較処理による比較により前記最頻階調の差分が第3のしきい値以上であるとき前記原稿が裏写りの可能性がないと判定し、それ以外は前記原稿が裏写りの可能性があると判定する裏写り判定処理
    とを実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
  9. 前記裏写り判定処理で裏写りの可能性があると判定した原稿に対して前記原稿の透過率に対応した裏写り防止用の階調の補正レベルを複数通り表示する補正レベル表示処理と、
    この補正レベル表示処理における表示内容に応じて裏写りを防止した画像を取得するための階調補正の設定を入力させる階調補正処理
    とを更にコンピュータに実行させることを特徴とする請求項8記載の画像処理プログラム。
  10. 前記第1の画像取得処理で取得する原稿の所定の部位よりも広い領域で前記原稿の画像を取得する第3の画像取得処理と、
    この第3の画像取得処理で取得した画像から原稿の下地の階調を判定する下地階調判定処理と、
    前記原稿が裏写りの可能性があると前記裏写り判定処理で判定したとき前記下地階調判定処理で判定した下地の階調に前記比較手段の比較の対象となった前記透過率に対応するオフセット量を、前記原稿の透過率と対応付けてテーブル化したオフセットテーブルから求めて、裏写りを防止するために白色とする階調の範囲を算出する裏写り防止用階調範囲算出処理と、
    この裏写り防止用階調範囲算出処理で算出した階調の範囲を白色の階調に強制することで前記原稿の画像における裏写りを防止する階調補正処理
    とを更にコンピュータに実行させることを特徴とする請求項8記載の画像処理プログラム。
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