JP2013156342A - 表示素子及び表示素子製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示パターンごとに配線を行うことなく、対向する一対の電極間の電圧値の制御のみで表示パターンを変化させることが可能な表示素子を提供する。
【解決手段】対向して配設される一対の透明基板2a,2bの対向面にそれぞれ付設される一対の透明電極3a,3bと、透明電極3a,3bが対向している対向空間4に形成される高分子ネットワーク5及び高分子ネットワーク5に内在し、電場に応じて配向性を有する液晶分子6からなる液晶層7と、透明電極3a,3b間に電圧を印加する電圧印加手段20とを備え、透明電極3a,3bの面領域が複数の区画領域8,9に区画されており、当該区画領域8,9に対応する対向空間4に形成される高分子ネットワーク5が、区画領域8,9に応じて異なる電気光学特性を有する。
【選択図】図1
【解決手段】対向して配設される一対の透明基板2a,2bの対向面にそれぞれ付設される一対の透明電極3a,3bと、透明電極3a,3bが対向している対向空間4に形成される高分子ネットワーク5及び高分子ネットワーク5に内在し、電場に応じて配向性を有する液晶分子6からなる液晶層7と、透明電極3a,3b間に電圧を印加する電圧印加手段20とを備え、透明電極3a,3bの面領域が複数の区画領域8,9に区画されており、当該区画領域8,9に対応する対向空間4に形成される高分子ネットワーク5が、区画領域8,9に応じて異なる電気光学特性を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、PDLC(高分子分散型液晶)を用いた表示素子に関する。
通常、液晶ディスプレイなどに画像を表示する場合は、画素ごとに配線及び駆動素子を配設し、各画素ごとに色調等を制御することで画面全体に所望の画像を表示している。これは、画素ごとの制御により実現されるものであるが、PDLCを用いた表示素子の場合は、液晶ディスプレイと原理が全く異なっており、画素ごとの制御で画像を表示することが困難であり、特に大型のディスプレイにおいては画素ごとの制御による画像の表示が極めて困難となっている。
PDLCの原理を図9に示す。PDLCは、一対の対向する平面状の透明基板2a,2bの内面側に、一対の平面状の透明電極3a,3bを備え、透明電極3a,3b間の対向空間4に高分子がネットワーク状に形成されており(高分子ネットワーク5)、その中に液晶分子6が不規則に並んで内在している。透明電極3a,3b間には電圧印加手段20により電圧が印加される。透明電極3a,3b間に電圧が印加されない状態(以下、OFF状態とする)では、不規則に並んだ液晶分子6が入射光を散乱し、白濁した不透明な状態を作る(図9(A)を参照)。一方、透明電極3a,3b間に電圧が印加された状態(以下、ON状態とする)では、不規則に並んでいた液晶分子6が透明電極に対して垂直方向に揃うため、入射光を透過して透明な状態を作る(図9(B)を参照)。
この高分子分散型液晶を用いた表示装置で、所望の画像を表示する技術として、例えば特許文献1に示す技術が開示されている。特許文献1に示す技術は、表示マークへの配線部分が表示されたり、表示マークの縁取りだけが表示されたりするといった不都合を防止しつつ、背景となる画像に所望の表示をスーパーインポーズすることができる液晶表示装置に関するものであり、所望の表示を実現するために表示パターンごとに配線パターンが結線されており、当該表示パターンごとに電圧を制御して所望の表示を行うことが開示されている。また、表示パターンの輪郭が表示されない効果について言及されている。
しかしながら、特許文献1に示す技術は、表示パターンごとに配線されているため、配線パターンが複雑化するのに伴って電圧の制御が複雑化してしまうという課題を有する。また、配線パターンが複雑化するため、製造工程も複雑化してしまい、製造効率が悪くなってしまうという課題を有する。さらにまた、配線の引き回し等により抵抗値が増大し、駆動電圧が上昇してしまうという課題を有する。さらにまた、表示パターンごとに結線されているため、表示面内に結線が見えてしまい美観性が損なわれるという課題を有する。
本発明は、表示パターンごとに配線を行うことなく、対向する一対の電極間の電圧値の制御のみで表示パターンを変化させることが可能な表示素子を提供する。
本発明に係る表示素子は、対向して配設される一対の透明基板と、前記透明基板の対向面にそれぞれ付設される一対の透明電極と、前記透明電極が対向している対向空間に形成されるネットーワーク状の高分子からなる高分子ネットワークと、前記高分子ネットワークに内在し、電場に応じて配向性を有する液晶分子と、前記透明電極間に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記透明電極の面領域が複数の区画領域に区画されており、当該区画領域に対応する前記対向空間に形成される前記高分子ネットワークが、当該区画領域に応じて少なくとも二以上の異なる電気光学特性を有するものである。
このように、本発明に係る表示素子においては、PDLCの高分子ネットワークが、区画された区画領域に応じて異なる電気光学特性を有するため、透明電極間の電圧値を制御するだけで、簡単に区画領域ごとのON/OFFの状態を制御することができ、所望のパターンを表示することができるという効果を奏する。
また、区画領域ごとに配線パターンの結線等の特別な処理を行う必要がないため、構造を簡略化することができ、製造の手間を省いて製造効率を上げることができるという効果を奏する。さらに、複雑な配線等を用いた複雑な制御を行う必要がないため、利用者の使い勝手が良くなるという効果を奏する。さらにまた、配線の引き回し等による抵抗値の増大を防止し、駆動電圧を上げることなく所望のパターンを表示することができるという効果を奏する。さらにまた、配線パターンの結線等が不要であるため、表示面内に結線が見えてしまい美観性が損なわれてしまうといったことがなくなる。
本発明に係る表示素子は、前記高分子ネットワークが前記透明電極の面全体において一の共通した材料からなり、前記区画領域に応じて前記高分子ネットワークが変質されているものである。
このように、本発明に係る表示素子においては、高分子ネットワークが透明電極の面全体において一の共通した材料からなり、区画領域に応じて高分子ネットワークが変質されているため、区画領域に応じて高分子ネットワークを変質させるだけで、容易に区画領域ごとの電気光学特性を変えることができ、一対の透明電極の電圧値のみで所望の表示パターンを確実に表示しつつ、製造工程を簡略化することができるという効果を奏する。
本発明に係る表示素子は、前記高分子ネットワークが、外部からの光及び/又は熱エネルギーにより変質する材料からなり、前記区画領域に応じて異なる大きさの前記光及び/又は熱エネルギーの付加により、前記高分子ネットワークの電気光学特性を前記区画領域に応じて異ならせるものである。
このように、本発明に係る表示素子においては、高分子ネットワークの電気光学特性が、区画領域ごとに付加された大きさが異なる光及び/又は熱エネルギーにより形成されるため、付加するエネルギーの大きさを調整するだけで、区画領域に応じて電気光学特性を変えることができ、製造工程において格段に効率化が図れるという効果を奏する。
本発明に係る表示素子は、前記高分子ネットワークが紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型の高分子ネットワークであり、前記区画領域に応じて異なる強度の紫外線を照射することにより、前記高分子ネットワークの電気光学特性を前記区画領域に応じて異ならせるものである。
このように、本発明に係る表示素子においては、高分子ネットワークが紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型の高分子ネットワークであり、当該高分子ネットワークの電気光学特性が、区画領域ごとに照射された強度が異なる紫外線により形成されるため、紫外線強度を調整するだけで、区画領域ごとに電気光学特性を変えることができ、製造工程において格段に効率化が図れるという効果を奏する。
本発明に係る表示素子は、前記電圧印加手段が、前記区画領域に応じた異なる電気光学特性に基づいて、前記透明電極間に印加する電圧値を制御し、前記区画領域における光の透過及び散乱を制御するものである。
このように、本発明に係る表示素子においては、一対の透明電極間に印加する電圧値を制御し、区画領域における光の透過及び散乱を制御するため、区画領域ごとに電圧値を制御するような複雑な処理を行う必要がなく、電圧値の値のみを調整することで簡単に所望の表示パターンを表示することができるという効果を奏する。
本発明に係る表示素子製造方法は、液晶分子が混在する高分子材料を、透明電極及び透明基板が一体となった平板状の一対のフィルム間に充填して挟着し、前記高分子材料及び前記液晶分子が充填されたフィルムに外部からの光及び/又は熱エネルギーを付加して、前記高分子材料を重合して高分子ネットワークを形成する重合工程を含み、当該重合工程が、複数の区画領域に区画された前記フィルムの当該区画領域に応じて、付加する前記光及び/又は熱エネルギーの大きさを調整するものである。
このように、本発明に係る表示素子製造方法においては、高分子材料と液晶分子を透明電極と透明基板が一体化したフィルムで挟着し、光及び/又は熱を付加して高分子材料を重合して表示素子を製造する際に、予め区画された複数の区画領域に応じて、付加する光及び/又は熱エネルギーの大きさを調整するため、エネルギーの大きさを変えるだけで、区画領域ごとに電気光学特性を簡単に異ならせることができ、所望の画像を表示することができる表示素子を効率的に製造することができるという効果を奏する。
本発明に係る表示素子製造方法は、前記重合工程が、前記フィルムに照射する紫外線の強度及び/又は前記フィルムの温度を調整するものである。
このように、本発明に係る表示素子製造方法においては、フィルムに照射する紫外線の強度及び/又はフィルムの温度を調整するため、紫外線強度や温度により、高分子ネットワークの電気光学特性をより厳密に調整することができるという効果を奏する。
本発明に係る表示素子製造方法は、前記重合工程が、前記区画領域に応じて紫外線透過率が異なるマスクを通して前記紫外線を照射するものである。
このように、本発明に係る表示素子製造方法においては、区画領域に応じて紫外線透過率が異なるマスクを通して紫外線を照射するため、マスクを用意するだけで簡単に区画領域ごとに電気光学特性を異ならせることができ、製造効率を格段に向上させることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は多くの異なる形態で実施可能である。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る表示素子について、図1ないし図6を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る表示素子の構造を示す図、図2は、図1の表示素子における閾値電圧と表示態様を示す図、図3は、本実施形態に係る表示素子の表示態様の一例並びに電圧及びヘイズ値の関係を示す図、図4は、図3の表示素子における表示態様を示す図、図5は、本実施形態に係る表示素子の製造工程を示すフローチャート、図6は、紫外線照射工程の処理を示す図である。
本実施形態に係る表示素子について、図1ないし図6を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る表示素子の構造を示す図、図2は、図1の表示素子における閾値電圧と表示態様を示す図、図3は、本実施形態に係る表示素子の表示態様の一例並びに電圧及びヘイズ値の関係を示す図、図4は、図3の表示素子における表示態様を示す図、図5は、本実施形態に係る表示素子の製造工程を示すフローチャート、図6は、紫外線照射工程の処理を示す図である。
本実施形態に係る表示素子は、図9に示したようなPDLCを用いた表示素子であり、予め区画された区画領域ごとにON状態/OFF状態を制御するものである。図1において、表示素子1は、一対の透明基板2a,2b(図1においては図示しない)の内面側に一対の透明電極3a,3b(例えば、ITO等)を備える。透明電極3a,3bは、電圧値を任意に可変することが可能な電圧印加部20に接続されており、透明電極3a,3b間に任意の電圧が印加される。対向する透明電極3a,3b間の対向空間4には、高分子がネットワーク状に形成された高分子ネットワーク5(図1においては図示しない)と、その高分子ネットワーク5の中に不規則に並んで内在する液晶分子6(図1においては図示しない)とからなる液晶層7を有する。
透明電極3a,3bの面領域は、予め複数の区画領域(図1においては、区画領域8,9)に区画されており、当該区画領域8,9に対応する対向空間4に形成される液晶層7の高分子ネットワーク5が、区画領域8,9に応じて異なる電気光学特性を有する。なお、区画領域8,9に応じた異なる電気光学特性の実現は、例えば、区画領域8,9ごとに電気光学特性が異なる材料を用いるようにしてもよいし、後述するように、紫外線により硬化する紫外線硬化型の高分子ネットーワーク5を形成し、照射する紫外線強度や温度特性を利用することにより区画領域8,9ごとに電気光学特性を異ならせるようにしてもよい。
それぞれの区画領域8,9に対応する閾値電圧を図2(A)に示す。図2(A)は、横軸が図1の透明電極における座標(A−A’及びB−B’)で縦軸が閾値電圧である。この閾値電圧とは、表示態様が白濁のOFF状態から透明のON状態に変化する際の透明電極3a,3b間の電圧値である。
図1及び図2(A)のグラフからわかる通り、区画領域9に相当するA−B及びB’−A’間の閾値電圧V1と、区画領域8に相当するB−B’間の閾値電圧V2とは異なっている。すなわち、電圧値が0からV1までの間は、図2(B)に示すように、表示素子1は全体が白濁したOFF状態となる。電圧値がV1〜V2までの間は、A−B及びB’−A’間、すなわち区画領域9のみが透明のON状態に変化する。電圧値がV2以上になると、表示素子1は全体が透明のON状態となる。したがって、透明電極3a,3bに印加する電圧値を制御するだけで、区画領域8,9ごとにON状態/OFF状態の制御が可能となる。
なお、ここでは、わかりやすくするために図2(B)及び図2(D)において図形の輪郭を記載しているが、本実施形態に係る表示素子1においては、後述するように特別なエッチング処理や配線等の処理を行う必要がないため、これらの輪郭が表示されることはない。また、電圧値の制御は、例えば、スライダック(SLIDAC)(登録商標)やタップ切替等により行うようにしてもよい。
図3及び図4を用いて、区画領域ごとの電気光学特性と表示態様の関係をより詳細に説明する。図3(A)に示すように、表示素子1の表示領域全体が区画領域8ないし11に区画されているとする。各区画領域8ないし11は、それぞれが異なる閾値電圧を持つ。区画領域ごとに異なる閾値を持たせるために、ここでは、高分子ネットワーク5に紫外線硬化型の材料を用い、区画領域8ないし11ごとに照射する紫外線強度を変える。区画領域8ないし11ごとに照射する紫外線強度を変えた場合の各区画領域8ないし11ごとの電気光学特性の一例を図3(B)に示す。
図3(B)において、横軸が透明電極3a,3b間に印加される電圧値であり、縦軸がヘイズ値である。また、図3(A)における区画領域8の閾値電圧をVth1、区画領域10の閾値電圧をVth2、区画領域11の閾値電圧をVth3、区画領域9の閾値電圧をVth4とする。照射する紫外線強度を区画領域ごとに、区画領域8<区画領域10<区画領域11<区画領域9とすることで、図3(B)に示す電気光学特性が得られ、それぞれの区画領域に応じた異なる値の閾値電圧を得ることができる。
なお、区画領域ごとに紫外線強度を変える際には、後述するように、予め区画領域に対応する領域ごとに、異なる紫外線透過率を有するマスクを用意し、そのマスクを用いることで区画領域ごとに照射する紫外線の強度を変えることができる。また、図3においては、区画領域8ないし11がそれぞれ異なる電気光学特性となる構成としたが、全てが異なる必要はなく、同じ電気光学特性を有する区画領域が存在してもよい。例えば、区画領域8と区画領域11は、同じ電気光学特性を有し、閾値電圧が共通のVth1となるようにしてもよい。
図3における各区画領域9ないし11の異なる電気光学特性を利用した表示素子1の駆動方法を具体的に説明する。図4(A)は、透明電極3a,3b間の電圧値Vが、V<Vth1の場合であり、このときは全ての区画領域において電圧値が閾値電圧未満であるため、表示素子1は全体が白濁のOFF状態となる。図4(B)は、Vth1<V<Vth2の場合であり、区画領域8においてのみ電圧値が閾値電圧以上であるため、区画領域8のみが透明のON状態となる。図4(C)は、Vth2<V<Vth3の場合であり、区画領域8及び10において電圧値が閾値電圧以上であるため、区画領域8及び10が透明のON状態となる。図4(D)は、Vth3<V<Vth4の場合であり、区画領域8、10及び11において電圧値が閾値電圧以上であるため、区画領域8、10及び11が透明のON状態となる。図4(E)は、Vth4<Vの場合であり、全ての区画領域9ないし11において電圧値が閾値電圧以上であるため、表示素子1は全体が透明のON状態となる。
このように、透明電極3a,3b間の印加電圧を制御するだけで、簡単に表示素子1の表示画像を切り替えて表示することができる。また、特別な配線等は必要なく、一対の透明電極3a,3b間の配線のみで制御可能である。さらに、従来から行われているように、表示する画像に応じてレーザや化学処理によりでエッチングし、領域ごとに配線して結線するような手間な作業が一切必要なくなる。さらにまた、そのようなエッチングを行うことがないため、画像の輪郭(境界線)等が浮き出て見えてしまうようなこともない。さらにまた、透明電極3a,3b間の印加電圧の制御により、表示された画像を切り替える際にワイプやフェード等の切替効果を実現することが可能となる。
次に、本実施形態に係る表示素子1の製造方法について説明する。図5は、製造工程の一例を簡略化したフローチャートである。まず、透明電極3aと透明基板2aが一体となったものを上フィルムとし、透明電極3bと透明基板2bが一体となったものを下フィルムとする。下フィルム上に、液晶分子6と、外部からの光エネルギー(ここでは、紫外線とするが高分子材料に応じて紫外線以外の波長領域の光エネルギーであってもよい)により変質する高分子材料とを少なくとも含む液晶層7を塗布する(S51)。液晶層7が塗布された下フィルムに上フィルムを重ね合わせて液晶層7を挟着して一体化する(S52)。
一体化されたフィルムに対して、紫外線(高分子材料に応じて紫外線以外の波長領域の光エネルギーであってもよい)を照射して液晶層7を重合する(S53)。この重合工程について、具体例を図6に示す。
図6において、図3の場合と同じように、表示素子1の表示領域が区画領域8ないし11に区画されるように電気光学特性を決める。この場合、前述したように区画領域8ないし11に対応する領域ごとに紫外線透過率が異なるマスク13を利用する。すなわち、図3の場合と同様の電気光学特性を得るために、マスク13における区画領域8aないし11aごとの紫外線透過率UVをUV8a<UV10a<UV11a<UV9aとする。このような紫外線透過率を有するマスク13を通して、切り出されたフィルム12に紫外線を照射することで、区画領域8ないし11ごとに異なる紫外線強度を容易に照射することが可能となる。
なお、このとき、紫外線強度に加えて局所的に重合温度を変えることでも電気光学特性を異ならせることが可能である。つまり、同じ紫外線強度であっても、温度に差がある場合は、その温度差に応じて電気光学特性を異ならせることができる。また、高分子材料として、光エネルギーにより変質するものではなく、熱エネルギーにより変質するものを用いてもよい。その場合は、重合工程において光を照射する必要はなく、フィルムの温度を調整することで区画領域に応じた異なる電気光学特性を生じさせる。
温度の調整により区画領域に応じた異なる電気光学特性を生じさせる場合は、熱伝導率を利用して熱源からの距離に応じて、電気光学特性を連続的に(アナログ的に)異ならせるようにすることができ、画像の切替効果のバリエーションをより幅広く実現することができる。同様に、紫外線を照射する紫外線強度を座標(位置)に応じて連続的に(アナログ的に)変化させることで、電気光学特性が座標(位置)について連続的に(アナログ的に)異なり、画像の切替効果のバリエーションをより幅広く実現することができる。
液晶層7が重合されたら、フィルム12をカッティングして外形を整えて(S54)、製造工程を終了する。このように、紫外線照射をする際にマスクを用したり、温度の調整を行うだけで、簡単に区画領域ごとに電気光学特性が異なる表示素子1を製造することができる。
なお、本実施形態に係る表示素子1を複数枚重ねて、1枚のパネル表示装置とすることもできる。その場合は、各表示素子1ごとに電圧印加部20が接続される構成となる。このように、複数枚の表示素子1を重ねて各表示素子1ごとに電圧印加部20の電圧値を制御することで、各表示素子1ごとの画像に加えて、各表示素子1間の画像の組み合わせにより、より多くの画像を表示することが可能になる。例えば、同じ画像をずらして表示することで3D立体視を可能とする像を表示することができる。
紫外線強度や温度変化に応じて、高分子ネットワークの電気光学特性を異ならせることができることを示す実験を行った。図7及び図8に実験結果を示す。
図7は、製膜時に照射する紫外線の強度を20mW/cm2、30mW/cm2、40mW/cm2とした場合のそれぞれにおける電圧値とP.T値(平行光透過率)との関係(図7(A))及び電圧値とヘイズ値との関係(図7(B))を示すグラフである。図から明らかなように、紫外線強度に応じて表示素子1の電気光学特性が異なっていることがわかる。すなわち、表示素子1の態様が白濁のOFF状態から透明のON状態に変化する際の透明電極3a,3b間の電圧値(閾値電圧)が、製膜時に照射する紫外線強度が強くなるほど大きくなっていることがわかる。
図8は、製膜時に加熱する温度を23℃、29℃とした場合のそれぞれにおける電圧値とP.T値との関係(図8(A))及び電圧値とヘイズ値との関係(図8(B))を示すグラフである。図から明らかなように、加熱する温度に応じて表示素子1の電気光学特性が異なっていることがわかる。すなわち、表示素子1の態様が白濁のOFF状態から透明のON状態に変化する際の透明電極3a,3b間の電圧値(閾値電圧)が、製膜時に加熱する温度が高くなるほど大きくなっていることがわかる。
以上の結果から、製膜時に照射する紫外線強度や加熱する温度に応じて、表示素子1の電気光学特性を変えることができ、複数の区画領域ごとに表示素子1の電気光学特性を異ならせることで、上記の実施形態で示した画像表示の制御が可能であることが示された。
1 表示素子
2a,2b 透明基板
3a,3b 透明電極
4 対向空間
5 高分子ネットワーク
6 液晶分子
7 液晶層
8〜11(8a〜11a) 区画領域
12 フィルム
13 マスク
20 電圧印加手段
2a,2b 透明基板
3a,3b 透明電極
4 対向空間
5 高分子ネットワーク
6 液晶分子
7 液晶層
8〜11(8a〜11a) 区画領域
12 フィルム
13 マスク
20 電圧印加手段
Claims (8)
- 対向して配設される一対の透明基板と、
前記透明基板の対向面にそれぞれ付設される一対の透明電極と、
前記透明電極が対向している対向空間に形成されるネットーワーク状の高分子からなる高分子ネットワークと、
前記高分子ネットワークに内在し、電場に応じて配向性を有する液晶分子と、
前記透明電極間に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記透明電極の面領域が複数の区画領域に区画されており、当該区画領域に対応する前記対向空間に形成される前記高分子ネットワークが、当該区画領域に応じて少なくとも二以上の異なる電気光学特性を有することを特徴とする表示素子。 - 請求項1に記載の表示素子において、
前記高分子ネットワークが前記透明電極の面全体において一の共通した材料からなり、
前記区画領域に応じて前記高分子ネットワークが変質されていることを特徴とする表示素子。 - 請求項2に記載の表示素子において、
前記高分子ネットワークが、外部からの光及び/又は熱エネルギーにより変質する材料からなり、前記区画領域に応じて異なる大きさの前記光及び/又は熱エネルギーの付加により、前記高分子ネットワークの電気光学特性を前記区画領域に応じて異ならせることを特徴とする表示素子。 - 請求項3に記載の表示素子において、
前記高分子ネットワークが紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型の高分子ネットワークであり、前記区画領域に応じて異なる強度の紫外線を照射することにより、前記高分子ネットワークの電気光学特性を前記区画領域に応じて異ならせることを特徴とする表示素子。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の表示素子において、
前記電圧印加手段が、前記区画領域に応じた異なる電気光学特性に基づいて、前記透明電極間に印加する電圧値を制御し、前記区画領域における光の透過及び散乱を制御することを特徴とする表示素子。 - 液晶分子が混在する高分子材料を、透明電極及び透明基板が一体となった平板状の一対のフィルム間に充填して挟着し、前記高分子材料及び前記液晶分子が充填されたフィルムに外部からの光及び/又は熱エネルギーを付加して、前記高分子材料を重合して高分子ネットワークを形成する重合工程を含み、
当該重合工程が、複数の区画領域に区画された前記フィルムの当該区画領域に応じて、付加する前記光及び/又は熱エネルギーの大きさを調整することを特徴とする表示素子製造方法。 - 請求項6に記載の表示素子製造方法において、
前記重合工程が、前記フィルムに照射する紫外線の強度及び/又は前記フィルムの温度を調整することを特徴とする表示素子製造方法。 - 請求項7に記載の表示素子製造方法において、
前記重合工程が、前記区画領域に応じて紫外線透過率が異なるマスクを通して前記紫外線を照射する表示素子製造方法。
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2012
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