JP2013155505A - 通信対象認証システム - Google Patents

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俊樹 平松
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Abstract

【課題】通信対象認証システムにおいて、通信対象である電子制御ユニットの認証までに要する時間の長期化を抑制しつつ、通信のセキュリティ性を向上させることができる。
【解決手段】イモビライザECU21は、エンジンECU25からの第1〜第4の乱数データA1〜A4を特定の順序で並び替えたうえで演算式を順に適用して第1〜第4の演算データB1〜B4を得て、その演算データB1〜B4をエンジンECU25に送信する。エンジンECU25は、送信した第1〜第4の乱数データA1〜A4を特定の順序で並び替えたうえで順に演算式を適用して特定の順序の第1〜第4の演算データB1〜B4を得て、その特定の順序の第1〜第4の演算データB1〜B4と、イモビライザECU21からの特定の順序の第1〜第4の演算データB1〜B4との照合を行う。
【選択図】図2

Description

この発明は、通信対象認証システムに関する。
従来、車両には複数のECU(電子制御ユニット)が互いに有線通信可能に配設されている。例えば、特許文献1には、イモビライザECU及びエンジンECUが通信可能に設けられている。エンジンECUは、イモビライザECUとの間で通信を行うにあたってイモビライザECUの認証を行う。
具体的には、イモビライザECU及びエンジンECUには、同一の暗号演算式が登録されている。エンジンECUは、複数の乱数データ(例えば、各乱数データは4bitからなる)をイモビライザECUに送信する。
エンジンECUは、複数の乱数データを送信する際、複数の乱数データに登録された暗号演算式を順に適用して複数の演算データを得る。
イモビライザECUは、複数の乱数データを受けると、その複数の乱数データに登録された暗号演算式を順に適用して複数の演算データを得て、その演算データをエンジンECUに送信する。
エンジンECUは、イモビライザECUからの演算データと、上記自身が演算した演算データとの照合を行う。そして、エンジンECUは、この照合が成立したとき、イモビライザECUとの間の通信を可能とする。すなわち、エンジンECUは、イモビライザECUとの通信を通じて、正規の電子キーとの無線通信が成立した旨判断することを条件の一つとして、エンジンの始動を許可する。
特開平8−156742号公報
上記構成において、通信のセキュリティ性を向上させるためには、乱数データのデータ量を増やすことや、上記照合に係る通信回数を増やすことが考えられる。しかし、これらの場合には、データの送受信時間及び演算時間が長くなるため、イモビライザECU及びエンジンECU間の通信開始までの時間、ひいてはエンジンの始動までの時間が長くなるおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信対象である電子制御ユニットの認証までに要する時間の長期化を抑制しつつ、通信のセキュリティ性を向上させた通信対象認証システムを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、双方向通信を行う第1及び第2の電子制御ユニットを備え、前記第1及び第2の電子制御ユニットには同一の演算式が記憶され、前記第1の電子制御ユニットは、複数の乱数データを前記第2の電子制御ユニットに順に送信するとともに、それら乱数データに自身に記憶される前記演算式を適用して複数の演算データを演算し、前記第2の電子制御ユニットは、受信した前記複数の乱数データに自身に記憶される前記演算式を適用して複数の演算データを演算し、それら演算データを前記第1の電子制御ユニットに送信し、前記第1の電子制御ユニットは、自身で演算した前記各演算データと、前記第2の電子制御ユニットからの前記各演算データとの照合の成立の可否を通じて正規の前記第2の電子制御ユニットであるか否かの認証を行う通信対象認証システムにおいて、前記第1の電子制御ユニットは、送信した前記複数の乱数データに前記演算式を適用して複数の演算データを演算する第1の処理と、送信した前記複数の乱数データ又は自身が演算した前記複数の演算データを特定の順序で並び替える第2の処理と、を第1及び第2の処理の順、若しくは第2及び第1の処理の順で実行することで前記照合に係る複数の演算データを得て、前記第2の電子制御ユニットは、受信した前記複数の乱数データに前記演算式を適用して複数の演算データを演算する第3の処理と、受信した前記複数の乱数データ又は自身が演算した前記複数の演算データを前記第2の処理と同じ特定の順序で並び替える第4の処理と、を第3及び第4の処理の順、若しくは第4及び第3の処理の順で実行することで前記照合に係る複数の演算データを得て、これら演算データを前記第1の電子制御ユニットに送信することをその要旨としている。
同構成によれば、第2の電子制御ユニットは、第1の電子制御ユニットからの複数の乱数データを特定の順序で並び替えたうえで演算式を適用して順に演算し、その演算データを第1の電子制御ユニットに送信する。第1の電子制御ユニットは、送信した複数の乱数データを特定の順序で並び替えたうえで演算式を適用して順に演算し、その演算した演算データと、第2の電子制御ユニットからの演算データとの照合を行う。この第1及び第2の電子制御ユニットにおけるデータの演算及び並び替えの処理は逆の順番であってもよい。
このように、複数の乱数データ又は演算データを特定の順序で並び替えることで、第1及び第2の電子制御ユニット間で送受信されるデータ(乱数データ及び演算データ)に基づき、不正に演算式が取得されることを抑制できる。よって、通信のセキュリティ性を向上させることができる。また、第1及び第2の電子制御ユニットにおいて、乱数データを演算する前又は後にデータの順序を並び替えるだけなので、第2の電子制御ユニットの認証までに要する時間の長期化を抑制できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の通信対象認証システムにおいて、前記第1及び第2の電子制御ユニットには、前記第1及び第2の電子制御ユニット間で前記複数の乱数データ又は前記複数の演算データの並び替えの同期をとるための通信事前データの内容と、前記複数の乱数データ又は前記複数の演算データの順序とが対応付けられたテーブルが記憶され、前記第1の電子制御ユニットは、前記複数の乱数データを送信する際に前記通信事前データを送信し、その通信事前データに基づき自身に記憶された前記テーブルを参照することで認識した順序に前記複数の乱数データ又は前記複数の演算データを並び替えることで前記第2の処理を実行し、前記第2の電子制御ユニットは、受信した前記通信事前データに基づき自身に記憶された前記テーブルを参照することで認識した順序に前記複数の乱数データ又は前記複数の演算データを並び替えることで前記第4の処理を実行することをその要旨としている。
同構成によれば、通信事前データを通じて、第1及び第2の電子制御ユニット間でデータの並び替えの同期がとられる。よって、事前に第1及び第2の電子制御ユニット間で、乱数データ又は演算データの順序の変化パターンを取り決めておく必要がない。このため、第1及び第2の電子制御ユニット間で送受信されるデータの傍受を通じて、データ順序の変化パターンが解析されること、ひいては演算式が解読されることが抑制される。よって、通信のセキュリティ性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の通信対象認証システムにおいて、前記第1の電子制御ユニットは、車両のエンジンの制御を行うエンジン制御ユニットであって、前記第2の電子制御ユニットは、ユーザが所持する電子キーからの無線信号に含まれる識別コードの照合を行う照合用制御ユニットであって、前記エンジン制御ユニットは、正規の前記照合用制御ユニットである旨の認証をすると、前記照合用制御ユニットとの通信を開始し、この通信の開始後に前記照合用制御ユニットにおいて前記識別コードの照合が成立することを条件の一つとしてエンジンを始動することをその要旨としている。
同構成によれば、エンジン制御ユニットにおいて正規の照合用制御ユニットである旨の認証がされると、照合用制御ユニット及びエンジン制御ユニット間の通信、ひいてはエンジンの始動が可能となる。よって、エンジン制御ユニット及び照合用制御ユニット間の通信のセキュリティ性を向上させることで、不正にエンジンが始動されることを抑制できる。
本発明によれば、通信対象認証システムにおいて、通信対象である電子制御ユニットの認証までに要する時間の長期化を抑制しつつ、通信のセキュリティ性を向上させることができる。
本発明の一実施形態における電子キーシステムの構成を示すブロック図。 本発明の一実施形態における(a)はイモビライザECU及びエンジンECUの構成を示すブロック図、(b)はチャレンジ信号の内容を示した信号図、(c)はデータ読み出し順序を規定するテーブル、(d)はレスポンス信号の内容を示した信号図。 本発明の一実施形態におけるイモビライザECU及びエンジンECUの制御内容を示したシーケンスチャート。
以下、本発明にかかる通信対象認証システムを車両の電子キーシステムに具体化した一実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、電子キーシステムは、電子キー10に内蔵されるトランスポンダ10aと、車両に搭載されるイモビライザ20と、を備える。以下、トランスポンダ10a及びイモビライザ20の構成について説明する。
トランスポンダ10aは、トランスポンダ制御部11と、トランスポンダ側送受信部12と備える。トランスポンダ制御部11は、不揮発性のメモリ11aを有し、そのメモリ11aにはキーIDコードと、データ読み出し順序を規定するテーブルと、が記憶されている。データ読み出し順序については後で詳述する。
トランスポンダ10aは、イモビライザ20からの駆動電波により駆動する。すなわち、トランスポンダ制御部11は、トランスポンダ側送受信部12を介して受信される駆動電波により活性化し、自身のメモリ11aに記憶されるキーIDコードを含むID信号を生成し、その生成した信号をトランスポンダ側送受信部12に出力する。トランスポンダ側送受信部12は、ID信号を変調し、その変調した信号を無線送信する。
イモビライザ20は、イモビライザECU21と、車両側送受信部22とを備える。
また、車両はエンジンECU25及びボデーECU31を有し、各ECU21,25,31間では、例えばCAN(Controller Area Network)などの通信バス60を通じて通信を行うことが可能となっている。
イモビライザECU21は、不揮発性のメモリ21aを有し、そのメモリ21aには、電子キー10のメモリ11aと同様に、キーIDコード及びデータの読み出し順序を規定するテーブルが記憶されている。
ボデーECU31は、エンジンECU25を介してエンジンの停止を認識している状態で、例えば車両のフットブレーキが操作された旨認識すると、イモビライザECU21に駆動電波の送信を要求する指令信号を送信する。
イモビライザECU21は、ボデーECU31からの指令信号を受けると、車両側送受信部22を通じて駆動電波を送信する。この駆動電波は、運転席近傍に設けられるエンジンスイッチ32の周辺に送信される。よって、電子キー10がエンジンスイッチ32にかざされると、車両側送受信部22は電子キー10からのID信号を受信する。そして、車両側送受信部22は、受信したID信号を復調し、その復調した信号をイモビライザECU21に出力する。イモビライザECU21は、ID信号を受けると、その信号に含まれるキーIDコードと、メモリ21aに記憶されるキーIDコードとの照合を行う。イモビライザECU21は、キーIDコードの照合が成立した旨判断すると、その旨をエンジンECU25に出力する。
エンジンECU25は、イモビライザECU21との通信を通じてID照合が成立した旨認識した状態においてエンジンスイッチ32が押し操作された旨認識すると、エンジン装置30を通じてエンジンを始動する。
このように、エンジンECU25はイモビライザECU21との通信を通じてエンジン始動の条件の一つであるID照合の成否を判断するため、特に、イモビライザECU21及びエンジンECU25間の通信にはセキュリティ性が要求される。
そこで、エンジンECU25は、上記ID照合の成否判断に係る通信を行う前に、イモビライザECU21との間でイモビライザECU21の認証に係る通信を行う。
本例では、チャレンジ・レスポンス認証を行う。すなわち、図2(a)に示すように、エンジンECU25はイモビライザECU21に対してチャレンジ信号を送信し、このチャレンジ信号に対するレスポンス信号の妥当性の有無に基づきイモビライザECU21を認証する。このチャレンジ・レスポンス認証に係る通信について、図2(a)〜(d)及び図3のシーケンスチャートを参照しつつ説明する。
図3に示すように、まず、エンジンECU25は、チャレンジ信号を生成し、そのチャレンジ信号をイモビライザECU21に送信する(S101)。ここで、図2(b)に示すように、チャレンジ信号は、先頭から順に通信事前データX及び第1〜第4の乱数データA1〜A4からなる。例えば、通信事前データX及び第1〜第4の乱数データA1〜A4は、それぞれ4bitのデータからなる。ここで、両メモリ21a,25aには、同一のデータ読み出し順序を規定するテーブル41が記憶されている。図2(c)に示すように、テーブル41は、通信事前データXに割り当てられた16進法の1〜Fに対して、それぞれ異なる第1〜第4の乱数データA1〜A4を読み出す順序を規定する。通信事前データXには、認証を行うたびに16進法の1〜Fまでの何れか数字がランダムで割り当てられる。
図3に示すように、イモビライザECU21は、チャレンジ信号を受けると、その信号に含まれる通信事前データXを認識し、その通信事前データXに基づきメモリ21aに記憶されるテーブル41を参照することで、第1〜第4の乱数データA1〜A4の読み出し順序を認識する(S102)。
そして、イモビライザECU21は、認識した特定の順序で第1〜第4の乱数データA1〜A4を読み出すとともに、その特定の順序で第1〜第4の乱数データA1〜A4にメモリ21aに記憶される暗号演算式を適用して第1〜第4の演算データB1〜B4を演算する(S103)。次に、イモビライザECU21は、特定の順序の第1〜第4の演算データB1〜B4をレスポンス信号としてエンジンECU25に出力する(S104)。
例えば、通信事前データXが「2」の場合には、イモビライザECU21は、乱数データを第4の乱数データA4、第1の乱数データA1、第2の乱数データA2及び第3の乱数データA3の順序で読み出し、それらに暗号演算式を適用することで第4の演算データB4、第1の演算データB1、第2の演算データB2及び第3の演算データB3を得る。そして、図2(d)に示すように、イモビライザECU21は、その演算データをそのままの順序でレスポンス信号としてエンジンECU25に出力する。
ここで、エンジンECU25は、上記ステップS101においてチャレンジ信号を送信した後、上記ステップS102,S103と同様に、通信事前データXに基づき自身のメモリ25aに記憶されるテーブル41を参照することで、特定の順序で第1〜第4の乱数データA1〜A4を演算することで第1〜第4の演算データB1〜B4を得る(S105,S106)。
そして、エンジンECU25は、レスポンス信号に含まれる特定の順序の第1〜第4の演算データB1〜B4と、自ら演算した特定の順序の第1〜第4の演算データB1〜B4との照合を行い、この照合が成立した旨判断したとき(S107)、正規のイモビライザECU21であると認証する(S108)。エンジンECU25は、この認証後のイモビライザECU21との通信においてID照合が成立した旨判断することを条件の一つとしてエンジンを始動する。
なお、エンジンECU25は、第1の制御ユニットに相当し、イモビライザECU21は、第2の制御ユニット又は照合用制御ユニットに相当する。
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)イモビライザECU21は、エンジンECU25からの第1〜第4の乱数データA1〜A4を特定の順序で並び替えたうえで演算式を順に適用して第1〜第4の演算データB1〜B4を得て、その演算データB1〜B4をエンジンECU25に送信する。エンジンECU25は、送信した第1〜第4の乱数データA1〜A4を特定の順序で並び替えたうえで順に演算式を適用して特定の順序の第1〜第4の演算データB1〜B4を得て、その特定の順序の第1〜第4の演算データB1〜B4と、イモビライザECU21からの特定の順序の第1〜第4の演算データB1〜B4との照合を行う。このように、第1〜第4の乱数データA1〜A4を特定の順序で並び替えることで、エンジンECU25及びイモビライザECU21間で送受信されるデータ(乱数データ及び演算データ)に基づき、不正に演算式が取得されることを抑制できる。よって、通信のセキュリティ性を向上させることができる。また、エンジンECU25及びイモビライザECU21において、乱数データA1〜A4を演算する際にデータの順序を並び替えるだけなので、イモビライザECU21の認証までに要する時間を、上記背景技術の構成と同等にできる。
(2)通信事前データXを通じて、エンジンECU25及びイモビライザECU21間で乱数データA1〜A4の読み出し順序の同期がとられる。よって、事前にエンジンECU25及びイモビライザECU21間で乱数データの読み出し順序の変化パターンを取り決めておく必要がなく、乱数データの読み出し順序の変化パターンをランダムとすることができる。このため、通信のセキュリティ性を向上させることができる。
(3)エンジンECU25において正規のイモビライザECU21であると認証されると、エンジンECU25及びイモビライザECU21間の通信、ひいてはエンジンの始動が可能となる。よって、上述のようにエンジンECU25及びイモビライザECU21間の通信のセキュリティ性を向上させることで、不正にエンジンが始動されることを抑制できる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態においては、各乱数データA1〜A4及び各演算データB1〜B4は4bitのデータで構成されていたが、bit数はこれに限らず、例えば、8bit、16bit及び32bit等であってもよい。また、乱数データA1〜A4の数は4つであったが、4つに限定されない。乱数データの数に応じて演算データの数が決まる。
・上記実施形態においては、通信事前データXはチャレンジ信号に含まれていたが、レスポンス信号に含ませてもよい。この場合には、例えば、エンジンECU25は、チャレンジ信号の送信後に第1〜第4の乱数データA1〜A4を並び替えずに順に演算し、演算データB1〜B4を得る。そして、エンジンECU25は、レスポンス信号を受信した後、その信号に含まれる通信事前データXに基づき、演算データB1〜B4を並び替える。なお、エンジンECU25は、レスポンス信号を受信した後に、その信号に含まれる通信事前データXに基づき乱数データA1〜A4の並び替え及びその演算を行ってもよい。
・また、通信事前データXを省略してもよい。この場合、イモビライザECU21及びエンジンECU25間で同期をとるため、互いに予め認証に係る通信毎のデータの読み出し順序を取り決めていてもよい。この順序は、予め取り決めた順番に変化する。この場合、通信事前データXの送受信等が不要となるため、上記認証に係る通信をより迅速に行える。
・上記実施形態における電子キーシステムは、電子キー10をエンジンスイッチ32の周辺にかざすと、トランスポンダ10a及びイモビライザ20間で近距離無線通信が可能となる、いわゆるイモビライザ通信システムであった。しかし、電子キー10が車室内に送信される要求信号を受信するとID信号を送信し、車両制御部は受信したID信号についてID照合が成立したとき、エンジンの始動を許可する、いわゆるキー操作フリーシステムであってもよい。このID照合は、イモビライザECU21ではなく、セキュリティECUで実行される。従って、エンジンECU25は、図3のシーケンスチャートと同様にセキュリティECUの認証を行う。なお、車両にイモビライザ通信システム及びキー操作フリーシステムを併設してもよい。
さらに、イモビライザ通信システムにおいて、トランスポンダ10aがメカニカルキーのキーグリップ部に内蔵される構成であってもよい。この場合、メカニカルキーが、車室内のキーシリンダに挿入された状態で、上記実施形態と同様に、トランスポンダ10a及びイモビライザ20間で近距離無線通信が行われる。そして、イモビライザECU21においてID照合が成立したときにのみメカニカルキーを通じたエンジンの始動が可能となる。
・上記実施形態においては、エンジンの始動に係る電子キーシステムであったが、車両ドアの施解錠に係る電子キーシステムであってもよい。また、車両用の電子キーシステムに限らず、例えば住宅用の電子キーシステムであってもよい。この場合、エンジンECU25に代えて、ドアロック制御ECUが設けられる。ドアロック制御ECUは、上記実施形態と同様に、正規のイモビライザECU21である旨の認証がされたとき、車両ドアの施解錠状態の切り替えを可能とする。
・上記実施形態においては、エンジンECU25及びイモビライザECU21は、第1〜第4の乱数データA1〜A4を特定の順序で並び替えた後に演算していた。しかし、エンジンECU25及びイモビライザECU21は、第1〜第4の乱数データA1〜A4を演算した後に、その演算データB1〜B4を特定の順序で並び替えてもよい。
・上記実施形態においては、各ECU21,25は全ての乱数データA1〜A4を演算していたが、乱数データのうち少なくとも何れか一つを演算すればよい。
例えば、エンジンECU25は4つの乱数データA1〜A4を送信するとともに、その乱数データA1〜A4を並び替えたうえで何れか2つの乱数データを演算する。イモビライザECU21も同様に、受信した乱数データA1〜A4を並び替えたうえで何れか2つの乱数データを演算し、その乱数データ及び演算データが混在したデータをエンジンECU25に送信する。ここで、演算する乱数データについては両ECU21,25間で予め取り決められて、その取り決めがメモリ21a,25aに記憶されている。以下、上記実施形態と同様にエンジンECU25は、イモビライザECU21からのデータと、自ら演算したデータとの照合を行う。なお、イモビライザECU21は、上記混在したデータでなく、演算された2つの演算データのみを送信してもよい。この場合、エンジンECU25において2つの演算データを利用して照合が行われる。また、イモビライザECU21は、上記混在したデータを排他的論理和、論理和及び論理積等を通じて再演算することで、例えば2つの演算データとしてもよい。この場合、エンジンECU25においてもこの再演算が行われる。上記各構成において乱数データの数及びその乱数データのうち演算するデータの数は適宜変更可能である。
10…電子キー、10a…トランスポンダ、11…トランスポンダ制御部、12…トランスポンダ側送受信部、20…イモビライザ、21…イモビライザECU、22…車両側送受信部、25…エンジンECU、30…エンジン装置、31…ボデーECU、32…エンジンスイッチ。

Claims (3)

  1. 双方向通信を行う第1及び第2の電子制御ユニットを備え、前記第1及び第2の電子制御ユニットには同一の演算式が記憶され、
    前記第1の電子制御ユニットは、複数の乱数データを前記第2の電子制御ユニットに順に送信するとともに、それら乱数データに自身に記憶される前記演算式を適用して複数の演算データを演算し、
    前記第2の電子制御ユニットは、受信した前記複数の乱数データに自身に記憶される前記演算式を適用して複数の演算データを演算し、それら演算データを前記第1の電子制御ユニットに送信し、
    前記第1の電子制御ユニットは、自身で演算した前記各演算データと、前記第2の電子制御ユニットからの前記各演算データとの照合の成立の可否を通じて正規の前記第2の電子制御ユニットであるか否かの認証を行う通信対象認証システムにおいて、
    前記第1の電子制御ユニットは、送信した前記複数の乱数データに前記演算式を適用して複数の演算データを演算する第1の処理と、送信した前記複数の乱数データ又は自身が演算した前記複数の演算データを特定の順序で並び替える第2の処理と、を第1及び第2の処理の順、若しくは第2及び第1の処理の順で実行することで前記照合に係る複数の演算データを得て、
    前記第2の電子制御ユニットは、受信した前記複数の乱数データに前記演算式を適用して複数の演算データを演算する第3の処理と、受信した前記複数の乱数データ又は自身が演算した前記複数の演算データを前記第2の処理と同じ特定の順序で並び替える第4の処理と、を第3及び第4の処理の順、若しくは第4及び第3の処理の順で実行することで前記照合に係る複数の演算データを得て、これら演算データを前記第1の電子制御ユニットに送信する通信対象認証システム。
  2. 請求項1に記載の通信対象認証システムにおいて、
    前記第1及び第2の電子制御ユニットには、前記第1及び第2の電子制御ユニット間で前記複数の乱数データ又は前記複数の演算データの並び替えの同期をとるための通信事前データの内容と、前記複数の乱数データ又は前記複数の演算データの順序とが対応付けられたテーブルが記憶され、
    前記第1の電子制御ユニットは、前記複数の乱数データを送信する際に前記通信事前データを送信し、その通信事前データに基づき自身に記憶された前記テーブルを参照することで認識した順序に前記複数の乱数データ又は前記複数の演算データを並び替えることで前記第2の処理を実行し、
    前記第2の電子制御ユニットは、受信した前記通信事前データに基づき自身に記憶された前記テーブルを参照することで認識した順序に前記複数の乱数データ又は前記複数の演算データを並び替えることで前記第4の処理を実行する通信対象認証システム。
  3. 請求項1又は2に記載の通信対象認証システムにおいて、
    前記第1の電子制御ユニットは、車両のエンジンの制御を行うエンジン制御ユニットであって、
    前記第2の電子制御ユニットは、ユーザが所持する電子キーからの無線信号に含まれる識別コードの照合を行う照合用制御ユニットであって、
    前記エンジン制御ユニットは、正規の前記照合用制御ユニットである旨の認証をすると、前記照合用制御ユニットとの通信を開始し、この通信の開始後に前記照合用制御ユニットにおいて前記識別コードの照合が成立することを条件の一つとしてエンジンを始動する通信対象認証システム。
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US9960915B2 (en) 2015-03-17 2018-05-01 Hyundai Motor Company Method and apparatus for performing cross-authentication based on secret information
CN116781263A (zh) * 2023-08-23 2023-09-19 合肥工业大学 车内ecu间身份认证及密钥自更新方法、可读存储介质

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