JP2013155089A - 連続繊維補強材及び連続繊維補強材の製造方法 - Google Patents

連続繊維補強材及び連続繊維補強材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】付着性能と引張強度に優れた連続繊維補強材を得る。
【解決手段】任意の長さ1mの試験片に対し、試験片の平均断面積より大となる断面積をとる箇所について直径を求め、直径の大きい上位5点の平均値をxとしたとき、試験片の平均直径yとの比x/yが1.05以上2.00以下となることを特徴とする、連続繊維補強材。
【選択図】図2

Description

本発明は構造物を補強する、繊維補強材に関する。より詳しくは連続繊維補強材に関する。
連続繊維補強材は一般に高強度繊維を連続繊維束とし、結合材として樹脂を含浸させ、熱処理を行い一体化させて製造される。連続繊維補強材は様々な産業分野において使用されており、とりわけ土木や建築の分野においては鉄筋以上の引張強度、耐腐食性に加えて軽量、非磁性の特徴を有するため、鉄筋代替材料としての利用がなされている。
一般に鉄筋はコンクリートと組み合わせて構造材料として使用される。そのため鉄筋代替材料として連続繊維補強材を使用するためには高強度、耐腐食性に加えてコンクリートとの付着性能が高いことが求められる。付着性能は一般に、(1)コンクリートと連続繊維補強材との界面接着と摩擦抵抗、および(2)コンクリートと連続繊維補強材とのアンカー効果で生じると言われているが、一般に連続繊維補強材の表面は結合材である樹脂で覆われているため(1)が付着性能へ与える影響は小さい。そのため付着性能の向上には(2)の検討が重要であり、アンカー効果を高めるために種々の工夫がなされた連続繊維補強材が各メーカーから提案されている。
連続繊維補強材にアンカー効果を生じさせるためには、長さ方向に対して断面積をとったとき、平均断面積に対して大となる断面積を持つ箇所、つまり突起(凸)が存在する必要がある。連続繊維補強材に突起を作る方法としては、大きく以下の2種類が考えられる。それは(i)結合材を熱処理して連続繊維束と一体化させる際に連続繊維補強材の表面に突起を作る方法と、(ii)連続繊維束を編成する際に連続繊維束を長さ方向に対して直行する軸方向への角度が大きくなる様に形成することにより、表面に突起を作る方法である。
(i)の例として、プラスチックロッドの表面に、繊維束等を綾状または螺旋状に巻きつけ付けたものがある。しかしながらこの構造では、突起が破壊され易く、アンカー効果を維持することが難しい問題があった(例えば特許文献1を参照)。
(ii)の例として、連続繊維を組紐や撚糸に編成したものがある。しかしながらアンカー効果を有する突起を作るためには連続繊維束の長さ方向に対して直行する軸方向への角度が大きくなる様に形成する必要がある。つまり組紐では組紐ピッチ(組紐2節当たりの長さ)を減少させることが必要であり、撚糸では撚数を増加させることが必要である。しかしながら組紐ピッチを減少させたり撚数を増加させると連続繊維補強材の引張強度は減少する問題が生じる。すなわちコンクリートの引張強度を補強するために必要な連続繊維補強材の付着性能と引張強度について両者は反比例する関係にあることから、付着性能と引張強度の両方に優れた連続繊維補強材は存在していない。(例えば特許文献2を参照)
社団法人土木学会,コンクリートライブラリー, vol. 72,「連続繊維補強材のコンクリート構造物への適用」(平成4年) 社団法人土木学会,コンクリートライブラリー, vol. 88,「連続繊維補強材を用いたコンクリート構造物の設計・施工指針(案)」(平成14年)
特開平08−199733 特開2003−074146
本発明は、従来技術の課題を背景になされたもので、付着性能と引張強度の両方に優れた連続繊維補強材を提供することを課題とするものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により上記課題を解決できることを見出し本発明に到達した。すなわち本発明は以下の構成からなる。
1.引張強度が12cN/dtex以上60cN/dtex以下である繊維を使用した補強材であって、任意の長さ1mの試験片に対し、試験片の平均断面積より大となる断面積をとる箇所について直径を求め、直径の大きい上位5点の平均値をxとしたとき、試験片の平均直径yとの比x/yが1.05以上2.00以下となることを特徴とする、連続繊維補強材。
2.任意の長さ1mの試験片に対し、試験片の平均断面積より大となる断面積をとる箇所が5〜30個存在することを特徴とする、上記1に記載の連続繊維補強材。
3. 繊維が組紐または撚糸により形状を形成し、組紐または撚糸の内側に芯材があることを特徴とする、上記1、2いずれかに記載の連続繊維補強材。
4.連続繊維補強材に用いる繊維が炭素繊維、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアセタール繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維のうち少なくとも1種類以上で構成されていることを特徴とする、上記1〜3いずれかに記載の連続繊維補強材。
5.繊維のヤング係数が400cN/dtex以上3000cN/dtex以下であることを特徴とする、上記1〜4いずれかに記載の連続繊維補強材。
6.連続繊維補強材に熱硬化性樹脂が使用されていること特徴とする、上記1〜5いずれかに記載の連続繊維補強材。
7.樹脂としてエポキシ樹脂又はビニルエステル樹脂が使用されていることを特徴とする、上記1〜6いずれかに記載の連続繊維を使用した補強材。
8.引張強度が12cN/dtex以上60cN/dtex以下である繊維を芯材の外周に組紐、撚糸により配することで、任意の長さ1mの試験片に対し、長さ1cm間隔で直径を100箇所測定し、直径の大きさが上位5点の平均値をx、100点の平均値をyとしたとき、x/yが1.05以上2.00以下となることを特徴とする、連続繊維補強材の製造方法。
本発明により付着性能および引張強度に優れた連続繊維補強材を提供することができる。
本発明の連続繊維補強材の形状を示す概略図である。 本発明の連続繊維補強材の作製方法を示す概略図である。 組紐ピッチの求め方を示す図である。 突起の数が多い連続繊維補強材を用いて付着性能を測定する際の概略図である。 突起の数が少ない連続繊維補強材を用いて付着性能を測定する際の概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に好ましく使用される高強度繊維は、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアセタール繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール(PBO)繊維などであり、この中から1種類以上の繊維を用いて構成されていることが望ましい。非磁性、耐アルカリ性、耐薬品性、耐候性に優れた高強度ポリエチレン繊維、又は引張強度に優れたポリパラフェニレンベンゾオキサゾール(PBO)繊維を用いるとより望ましい。
本発明に用いる高強度繊維の引張強度は12cN/dtex以上60cN/dtex以下が望ましい。より好ましくは14N/dtex以上50N/dtex以下、さらに好ましくは18cN/dtex以上、45cN/dtex以下である。
連続繊維補強材のヤング係数は一般に鋼材よりも小さい。そのため連続繊維補強材はコンクリートのクリープや乾燥収縮によるプレストレスの減少が少なくなるため、プレストレスコンクリート用緊張材として優れている。しかし鋼材と比較して、同一荷重における弾性ひずみが大きいため、コンクリートのひび割れ幅やたわみ量が大きくなることも分かっている。以上の点から連続繊維補強材を使用する場合は、使用される用途や状態に応じて必要なヤング係数を求めて選定していくことが望ましい。
本発明の目的は付着性能と引張強度に優れた連続繊維補強材を提供することであり、ヤング係数が低いとひび割れによって補強効果の減少が懸念されることから、本発明ではヤング係数の高い繊維を用いることが必要である。すなわち本発明における高強度繊維束に用いられる高強度繊維は、400cN/dtex以上3000cN/dtex以下であることが望ましい。より望ましくは500cN/dtex以上2500cN/dtex以下である。
本発明に使用する組紐や撚糸を作るための製造装置(製紐機や撚糸機など)は一般的な製造装置であれば良い。また必要に応じて組紐や撚糸の内側に芯材挿入するためのガイドなどを用いても良い。これら製造装置については本発明品が得られるものであれば良く、特に限定しない。
製造装置に供給する繊維の繊度および供給する繊維の本数については生産性、芯材を挿入する際の作業性、作製した連続繊維補強材の付着性能および引張強度を著しく阻害しないものであれば良く、特に限定しない。
製造装置で編成して得られる組紐または撚糸の総繊度は、一般に用いられる連続繊維補強材の公称径である2mm以上35mm以下になる様に設計することが望ましい。公称径とは連続繊維補強材の直径であり、公称断面積を円周率で除した値の平方根を2倍した値の平均値である。試験片の採り方や試験片の個数については、土木学会刊、「連続繊維補強材を用いたコンクリート構造物の設計・施工指針(案)」 8.2(2)「公称断面積測定方法」に準じた。公称断面積とは連続繊維補強材の体積を長さで除した値であり、土木学会刊、「連続繊維補強材を用いたコンクリート構造物の設計・施工指針(案)」 8.2(2)「公称断面積測定方法」で求めた値とする。
組紐ピッチや撚数は本発明が用いられる各用途に応じて必要な付着性能、引張強度を得られれば良いため特に限定しない。
本発明に用いる芯材の素材に例えば天然ゴムやシリコーンなど圧縮強度の低い素材を用いると突起の圧縮強度が低いため破壊されて連続繊維補強材とコンクートにおける付着性能が低くなる。よって本発明に用いる芯材の素材は圧縮強度が高いものを選定することが望ましい。具体的には金属、樹脂、FRPなど圧縮強度が高い物を各用途に応じて選定することが望ましいが、非磁性用途に用いる場合は非磁性金属(アルミなど)、樹脂、非磁性のFRPを選定することが望ましい。芯材の具体的な圧縮強度の数値については特に限定しないが、一般的な非磁性金属(アルミなど)や樹脂や非磁性のFRPの圧縮強度である47N/mm以上1079N/mm以下が望ましく、より望ましくは167N/mm以上343N/mm以下である。この値はJIS K 7181により求めた。
芯材に突起を施す方法については切削を施す方法、凹溝の金型でプレス成型を施す方法、プリプレグ樹脂を含浸させた繊維束を凹溝のあるローラー対に通す方法、熱硬化性樹脂などにより成形加工を行い、凸部を形成する方法が挙げられる。また意匠撚糸を用いてもよく、樹脂を含浸・硬化させることで突起のあるFRPを得ることも可能である。しかしこれらに限定されることなく各目的に応じて様々な加工方法を使い分けることが望ましい。
土木学会刊、「連続繊維補強材を用いたコンクリート構造物の設計・施工指針(案)」では連続繊維補強材に使用できる結合材はエポキシ樹脂とビニルエステル樹脂の2種であると定められており、本発明で用いる結合材はエポキシおよびビニルエステル樹脂であることが好ましい。製造時の取り扱い易さを考慮し、熱硬化性樹脂を使用する。熱硬化塑性樹脂は連続繊維束と芯材との結合に適したものを選定すればよい。
主剤、硬化剤、促進剤の種類と処方比は各用途によって使い分けることが望ましいが、とりわけ繊維との接着性が良好であり硬化発熱による温度変化が小さい酸無水系エポキシ樹脂の使用が特に望ましい。熱硬化時間の短縮にはアミン系エポキシ樹脂の使用が特に望ましい。
熱硬化樹脂の含浸方法や硬化方法については特に限定しないが生産性を考慮すると引抜成形法を用いることが望ましい。具体的には、樹脂浴で結合材を含浸させた後、ダイスなどで繊維体積率を調節し、その後熱硬化させる方法が望ましい。また必要に応じて硬化後にアフターキュアを行っても良い。硬化時間や硬化温度については特に限定はなく、用いる連続繊維束、芯材、結合材、設備条件などを考慮して設計することが望ましい。
組紐のピッチは図3に示す様に、組紐の長さ方向について節2つ当たりの長さを組紐ピッチと定義した。これは、製紐機の巻取り速度とボビンの回転数により制御できる。
撚糸の撚数は単位長さあたりの撚数T/mで定義し撚糸品の拡大写真から、撚数を測定した。これは、撚糸機の巻取り速度とボビンの回転数により制御できる。
本発明において平均直径および平均断面積については、以下の通り求めた。
(1)連続繊維補強材から長さ1mを切り出し、さらに長さ1cm間隔で切断し100個のサンプルを得る。
(2)全てのサンプルについて最大直径をノギスを当てて0.1mmまで計測する。
(3)全てのサンプルから得られた結果について平均値を求め、平均直径とする。
(4)(3)で得られた平均直径から平均半径を求め、以下の式から平均断面積を求める。
平均断面積=(平均半径)2×円周率
なお上記の平均直径は公称径と同意と見なしてよく、また平均断面積は公称断面積と同意と見なしてよい。
また、1m長さが入手できない場合は、各サンプルから1cm間隔で100ケのサンプルを集めることで評価可能である。
本発明では長さ1mの試験片を取ったとき、試験片の平均断面積より大となる断面積をとる箇所について最大直径を求め上位5点の平均値をxとして求めている。容易に想像できることであるが平均直径yとの比、x/yを大きくするとアンカー効果が大きくなるため付着性能が増加する。x/yの値については大きいほど付着性能の増加が期待できるが、生産速度、製造難度を考慮して適切な値を決定するのが望ましい。本発明において、x/yは1.05以上2.00以下が望ましく、1.10以上1.90以下がより好ましい。
連続繊維補強材の突起の数は多い方が好ましいが、多すぎるとアンカー効果が減少するため好ましくない。具体的には30個/m以下が好ましく、より好ましくは25個/m以下である。突起の数が少ないとコンクリートとの優れた付着性が低下するため、好ましく無い。具体的には、突起の数が5個/m以上であり、より好ましくは10個/以上である。
さらに、凸部の形状に制限はないが、組紐または撚糸形状の内側に芯材を配する構造を考慮すると、凸部は球形状等の尖った形状を含まないものが好ましい。これは凸部とコンクリートとの間に存在する繊維が、引抜きの等の力が生じた際にも凸部によるダメージを受けにくい構造とすることが好ましいためである。
コンクリート補強効果の確認試験のため以下に述べる方法で連続繊維補強材の引抜試験を行った。
(1)試験用サンプル(コンクリートサンプル)の作製方法
a.長さ50cm、幅25cm、厚さ25cmの型枠を2個作製した。
b.連続繊維補強材を長さ150cmとした。
c.連続繊維補強材の両端部に型枠を以下の通り配置した。つまり型枠のZ軸に平行で、XY軸に対して中心となる位置に連続繊維補強材を配置した。
d.家庭化学工業(株)製インスタントセメントを用いて、水:セメント = 1:4の比で混合して型枠に注入し、温度20℃湿度65%R.H.で1週間養生した。
(2)引抜試験方法
コンクリートサンプルのZ軸方向が引張方向となるように試験機に取り付けた後、試験速度10mm/minで引抜試験を行い、最大荷重を引抜荷重として求めた。計2回の測定を行い、平均値を求めた。
以下に実施例と比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下に記す方法でサンプルを作製した。
a.連続繊維
高強度ポリエチレン連続繊維(東洋紡績(株)製高強力ポリエチレン繊維ダイニーマ(登録商標)(SK60))を使用した。
b.連続繊維束の形状
2,400dの高強度連続繊維束を8本用意し、8打製紐機を用いて製紐の中心に突起のある棒状の芯材を配して製紐した。
c.芯材の素材
熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂を使用した。樹脂処方を以下に記す。エピコート827(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、硬化剤酸無水物硬化剤HN7200(日立化成工業株式会社製、商品名)、エポメートBMI−12(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、キュアゾール2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名)を重量比100:85:1:1で混合したものを使用した。型枠に流し込んだ後、120℃、2時間で硬化させたものを使用した。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.0mmの樹脂球体が長さ方向に20個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
e.結合材に使用した樹脂
熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂を使用した。樹脂処方を以下に記す。エピコート827(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、硬化剤酸無水物硬化剤HN7200(日立化成工業株式会社製、商品名)、エポメートBMI−12(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、キュアゾール2E4MZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名)を重量比100:85:1:1で混合したものを使用した。
f.樹脂含浸、硬化方法
引抜成形方法で実施した。芯材を含む組紐を樹脂浴に通した後、高強度連続繊維束の繊維体積率65%±10%となる様にダイス(絞り)で樹脂量を調節し、オーブンで120℃、2時間熱硬化させた。
g.連続繊維補強材の組紐ピッチ
36mmとなる様に製紐条件を設定した。
(実施例2)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.1mmの樹脂球体が長さ方向に20個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
(実施例3)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.5mmの樹脂球体が長さ方向に20個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
(実施例4)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径2.0mmの樹脂球体が長さ方向に20個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
(実施例5)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.5mmの樹脂球体が長さ方向に5個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
(実施例6)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.5mmの樹脂球体が長さ方向に30個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
(実施例7)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
a.連続繊維
PBO連続繊維(東洋紡績株式会社製ザイロン(登録商標)(HM))を使用した。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.5mmの樹脂球体が長さ方向に20個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
(実施例8)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
a.連続繊維
溶融高強度ポリエチレン連続繊維(東洋紡績株式会社製ツヌーガ(登録商標))を使用した。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.5mmの樹脂球体が長さ方向に20個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
(実施例9)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.5mmの樹脂球体が長さ方向に20個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
e.結合材に使用した樹脂
熱硬化性樹脂のビニルエステル樹脂を使用した。樹脂処方を以下に記す。リポキシR806(昭和電工株式会社製(登録商標))、ナイパー(日本油脂株式会社製(登録商標))NSを重量比100:1で混合し120℃、2時間で硬化させたものを使用した。
(実施例10)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
b.連続繊維束の形状
6,400dの高強度連続繊維束を3本用意し、3打撚糸機を用いて撚糸の中心に突起のある棒状の芯材を配して撚掛けした。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.5mmの樹脂球体が長さ方向に20個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
g.連続繊維繊維補強材の組紐ピッチまたは撚数
1)6,400dの高強度連続繊維束に撚(S方向に20T/m)をかけた。
2)1)の連続繊維束を3つ束ねて撚掛け(Z方向に10T/m)して3打撚糸を作製した。
(比較例1)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製した。
(比較例2)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径5.0mmの樹脂球体が長さ方向に20個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
(比較例3)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.5mmの樹脂球体が長さ方向に1個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
(比較例4)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.5mmの樹脂球体が長さ方向に50個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
(比較例5)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
a.連続繊維
ポリエステル長繊維(強度 8.5cN/dtex)を使用した。
d.芯材の形状
上記熱硬化性樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.5mmの樹脂球体が長さ方向に20個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
(参考例1)
実施例1に準じてサンプルを作製した。なお、変更点は次の通りである。
c.芯材の素材
軟質塩化ビニル樹脂(CH=CHCl)を使用した。
d.芯材の形状
上記樹脂を用い、平均直径0.7mmの棒体形状を作製し、その外周に直径1.5mmの樹脂球体が長さ方向に20個/mの頻度で存在する様に棒体形状へ樹脂加工を行った。
比較例1では連続繊維補強材に突起がないため付着性能は低かった。また、比較例2 ではx/yの値が過大と考えらる形状のため、コンクリートとの境界面で連続繊維補強材に対しての応力集中と見られる破壊が生じ、引抜荷重が低かった。
比較例3の試験形態を図5に示す。連続繊維補強材の突起の数が少ないため付着性能が低く、引抜荷重が低い結果であった。比較例4、では、突起の数を多くしたが、多すぎるためにアンカー効果が減少し、引抜強度が低くなった。
比較例5において、強度が7.0cN/dtexを有するポリエステル糸を用いたため、連続繊維の引張強度が低く、連続繊維補強材が破壊した。
参考例1の結果より、軟質塩化ビニル樹脂を用いると、アンカー効果が減少し、引張強度が低くなることが分かった。
付着性能と引張強度に優れた連続繊維補強材を得ることができ、鉄筋代替材料として特に耐腐食性、軽量、非磁性の特徴を生かした用途への利用が可能である。
10−1 本発明品の連続繊維補強材
10−2 突起の直径
10−3 突起のない箇所の直径
20−1 高強度連続繊維束
20−2 突起のある芯材
20−3 形成箇所(製紐、撚掛)
30−1 ピッチは組紐の2節当たりの長さである。
40−1 連続繊維補強材(突起の個数:多)
40−2 コンクリート
40−3 金属型枠
40−4 引張試験把持箇所
50−1 連続繊維補強材(突起の個数:少)
50−2 コンクリート
50−3 金属型枠
50−4 引張試験把持箇所

Claims (8)

  1. 引張強度が12cN/dtex以上60cN/dtex以下である繊維を使用した補強材であって、任意の長さ1mの試験片に対し、試験片の平均断面積より大となる断面積をとる箇所について直径を求め、直径の大きい上位5点の平均値をxとしたとき、試験片の平均直径yとの比x/yが1.05以上2.00以下となることを特徴とする、連続繊維補強材。
  2. 任意の長さ1mの試験片に対し、試験片の平均断面積より大となる断面積をとる箇所が5〜30個存在することを特徴とする、請求項1に記載の連続繊維補強材。
  3. 繊維が組紐または撚糸により形状を形成し、組紐または撚糸の内側に芯材があることを特徴とする、請求項1または2にいずれかに記載の連続繊維補強材。
  4. 連続繊維補強材に用いる繊維が炭素繊維、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアセタール繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維のうち少なくとも1種類以上で構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の連続繊維補強材。
  5. 繊維のヤング係数が400cN/dtex以上3000cN/dtex以下であることを特徴とする、請求項1から4いずれかに記載の連続繊維補強材。
  6. 連続繊維補強材に熱硬化性樹脂が使用されていること特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の連続繊維補強材。
  7. 熱硬化樹脂としてエポキシ樹脂又はビニルエステル樹脂が使用されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の連続繊維を使用した補強材。
  8. 引張強度が12cN/dtex以上60cN/dtex以下である繊維を芯材の外周に組紐、撚糸により配することで、任意の長さ1mの試験片に対し、長さ1cm間隔で直径を100箇所測定し、直径の大きさが上位5点の平均値をx、100点の平均値をyとしたとき、x/yが1.05以上2.00以下となる形状を有することを特徴とする、連続繊維補強材の製造方法。
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