JP2013154735A - 空調用レジスタ - Google Patents

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一 高井
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実 柴田
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Abstract

【課題】設計、製造が容易で、組付けが容易なレジスタであり、さらに意匠性が良好なバレル型の空調用レジスタを提供することにある。
【解決手段】空調用レジスタ1は、リテーナ本体10と、リテーナ本体10に軸支される第1バレル20と、第1バレル20に、リテーナ本体10に軸支された第1バレル20の軸支の方向と異なる方向で軸支される第2バレル30からなり、第1バレル20に設けられた軸部22に摺動し摺動抵抗を得るための第1シム部材28と、第2バレル30に設けられた軸部32に摺動し摺動抵抗を得るための第2シム部材38とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両の車室内換気用エア吹出口を形成する空調装置の空調用レジスタに関し、バレル構造のレジスタ構造に関するものである。
従来の球形レジスタ(図3参照)では、レジスタケース51の球状内周の全面にフエルト等の摩擦抵抗材59を貼ることでレジスタ本体54の摺動抵抗の管理をしているので、レジスタケース51の球状内周に摩擦抵抗材59を貼る作業が困難で、その作業に長い時間がかかり球形レジスタの製造コストの上昇を招いていた。
また、レジスタケースの球状内周の全面に摩擦抵抗材59を貼っているので、その使用量が多くなり、このことも球形レジスタの製造コストの上昇要因となっている。
更に、レジスタケース51の球状内周の全面に摩擦抵抗材を貼ることで、レジスタ本体54の摺動抵抗を管理しているので、その管理面積が大きくなり容易に摺動抵抗の管理ができ難いという問題もある。
そのため、このような問題を解決するためになされたもので、製造コストの低減を図りつつ容易にレジスタ本体の摺動抵抗を管理できる球形レジスタを提供するものとして、2つ割りのレジスタケース内に摺動自在に球状のレジスタ本体を組付け、このレジスタ本体を摺動させることでレジスタケース内に送風されるエアの吹出し方向を調整する球形レジスタにおいて、レジスタケースには、エアの送風方向に延びる長孔が形成され、レジスタ本体には、長孔を貫通してレジスタケースに回転、及び送風方向への摺動を自在として軸支された軸部を設け、レジスタケースから突出する軸部には、レジスタケースに対する回転が規制され、所望の回転力でレジスタ本体を回転させうる程度に圧入される軸受と、軸受で前記レジスタケースに押し付けられ、送風方向への所望の摺動力でレジスタ本体を摺動させる摩擦抵抗材とを設けたものがある。(特許文献1)
これにより、各軸受の各軸部に対する圧入代を調整するだけで、レジスタ本体の回転の際に各軸部と各軸受との間で発生する摺動抵抗を容易に管理でき、この摺動抵抗に打ち勝つ所望の回転力の作用でレジスタ本体を回転させることができる。しかも、摩擦抵抗材を軸受で押し付けるようにすると、レジスタ本体のエアの送風方向への摺動の際に摩擦抵抗材とレジスタケースとの間で発生する摺動抵抗を容易に管理でき、この摺動抵抗に打ち勝つ所望の摺動力の作用でレジスタ本体を摺動させることができる。
特開平10−287126号公報
しかし、上記のような構成でも球形レジスタでは、球形のレジスタ本体の真円度が問題となり摺動抵抗が一定しないなどの問題が発生する。すなわち、レジスタ本体とその外側で接するレジスタケースは二次曲面を有するため、2方向に対する成形精度が求められ、さらに、経年変化を考慮した設計を行う必要があるため、部品の成形精度がよく耐久性の良いものを使用する必要があり、全体として高価なものとなっていた。
また、球形レジスタではインストルメントパネルの意匠に応じた形状変更はほとんど行うことができず、意匠性を考慮した設計を行うことはできなかった。
本発明の目的は、このような問題点に着目してなされたものであり、設計、製造及び製造管理が容易で、組付けが容易なレジスタであり、さらに意匠性が良好なバレル型の空調用レジスタを提供することにある。
本発明の請求項1に記載の発明は、リテーナ本体と、リテーナ本体に軸支される第1バレルと、第1バレルに、リテーナ本体に軸支された第1バレルの軸支の方向と異なる方向で軸支される第2バレルからなり、レテーナ本体と第1バレルのいずれかに設けられた軸部に摺動し摺動抵抗を得るための第1シム部材と、第1バレルと第2バレルのいずれかに設けられた軸部に摺動し摺動抵抗を得るための第2シム部材とを有する。
上記構成により、本発明の空調用レジスタはそれぞれの軸を中心とした各バレルの回転形状を考慮した形状に成形すればよくその成形品の設計、製造及び製造管理が容易であり、安価部品で製造することができる。また、各バレルの摺動抵抗は、各軸部に設けられた第1シム部材、第2シム部材により調整されており、各軸方向の摺動抵抗が独立に調整することができ結果として製造管理が容易な空調用レジスタが安価に想像することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、リテーナ本体と第1バレルを軸支する軸部は、第1バレルの外周面に設けられている。
上記構成により、本発明の空調用レジスタは第1バレルの外周面に突出する軸部が形成されているので、第1バレルの金型構造が簡単で、安価に製造することができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、第1バレルと第2バレルを軸支する軸部は、第2バレルの外周面に設けられている。
上記構成により、本発明の空調用レジスタは第2バレルの外周面に突出する軸部が形成されているので、第2バレルの金型構造が簡単で、安価に製造することができる。
本発明の空調用レジスタは、設計、製造が容易で、組付けが容易なレジスタであり、さらに意匠性が良好なバレル型の空調用レジスタを得ることができる。
本発明に係る空調用レジスタの構成部品を示す分解斜視図である。(実施例1) 本発明に係る空調用レジスタの構成部品を示す分解斜視図である。(実施例2) 従来技術の球形レジスタの構成部品を示す分解斜視図である。
以下に本発明の実施形態の実施例1の空調用レジスタを示す。
図1は、本発明に空調用レジスタの構成部品を示す分解斜視図である。
この空調用レジスタ1は、車両のインストルメントパネルの中央及び、両サイドに配置され運転手、助手席の乗員のエア吹出し口とし機能するものであり、車両乗員の操作により、吹出しの方向調整するものである。
この空調用レジスタ1は、インストルメントパネルの前面側に設けられる意匠部品としてのベゼル40と、インストルメントパネルに取付けるための取付部16を有するリテーナ本体10と、このリテーナ本体10内に軸支される第1バレル20、第2バレル30より構成されている。これらの部材は、樹脂材料で構成されており、射出成形により製造される。
ベゼル40は、インストルメントパネルの前面側に設けられる意匠部品であり、ベゼル40の裏面側に設けられるクリップ取付座に組付けられたクリップ(図示せず)により、リテーナ本体10に組付けられるようになっている。
ベゼル40の中央部は、リテーナ本体10及び該リテーナ本体10の内部に軸支される第1バレル20、第2バレル30が配置される略円筒状の空間部が形成されており、この円筒状の空間部は、この空調用レジスタ1のエア吹出し流路の一部を形成する。
第1バレル20は、その内部に略筒状の空間を有し、この内部に第2バレル30が軸支される。この第2バレル30の内部には、ハニカム形状のフィン部36が形成されている。このハニカム形状のフィン部36は、内部を流れる空気を整流し、第1バレル20、第2バレル30により方向が調整された時、吹出し方向調整する機能を有している。第2バレル30の上下面には、一対の軸部32が形成されており、一端側の軸部32に摺動して摺動抵抗得るための第2シム部材38が配置される。本実施例では、下側に第2シム部材38が配置され、第1バレル20の下側面の内側には、この第2シム部材38の四角形の形状に合わせた穴部が形成され、軸部32が回転しても同時に回転しないようになっている。さらに、第1バレル20の上下面には、軸穴24が形成されており、第2バレルの軸部32が第2シム部材38とともに、第1バレル前面側より樹脂の弾性を利用し挿入され、軸穴24に軸部32が軸支される。
リテーナ本体10は、その略筒状の空間を有し、この内部に第2バレル30が軸支された第1バレル20が挿入され軸支される。この第1バレルの左右には一対の軸部22が形成されており、一端側の軸部22に摺動して摺動抵抗を得るための第1シム部材28が配置される。本実施例では、向かって左側に第1シム部材28が配置され、リテーナ本体10の左側側面の内側には、この第1シム部材28の四角形の形状に合わせた穴部(図示せず)が形成され、軸部22が回転しても同時に回転しないようになっている。さらに、リテーナ本体10の左右側面には、第1バレル20の軸部22が挿入される一対の軸穴14が形成されており、リテーナ本体10の前面側より樹脂の弾性を利用して挿入され、軸穴14に軸部22が軸支される。なお、第1シム部材28及び第2シム部材38は、ゴム系やエラストマー等の摩擦材より構成されている。
リテーナ本体10の外周面の上下面には、インストルメントパネルに取付けるための取付部16が4箇所設けられており、タッピングスクリュウによりインストルメントパネルに取付けられるようになっている。
リテーナ本体10、第1バレル20、第2バレル30は、軸支された方向に応じ側面及び上下面の形状が設計されている。すなわち、第1バレル20の上下の軸部32及び、第1バレルの軸穴24により、第1バレル20が軸支されているため、第1バレル20の内側側面及び、第2バレル30の外側側面は、軸を中心とした第2バレル30の回転形状に合せ曲面形状に設計されている。これは、空調ダクトより供給された空気が、第1バレル20と第2バレルの隙間(特に第2バレル30を回転させたときにできる隙間)をできるだけ少なくすることにより、隙間からの空気の通り抜けを少なくし、メインの空気の流れを阻害しないように設計されている。また、同様に第1バレル20とリテーナ本体10の隙間に関しても、第1バレル20の左右の軸部22及び、リテーナ本体10の軸穴24により軸支されているため、第1バレル20の外側上下面及び、リテーナ本体10の内側上下面は、軸部22を中心とした第1バレルの回転形状に合せ曲面形状に設計されている。
このように、軸支された方向と直行する方向の上下面又は、側面のみの形状を軸の回転形状に合わせた曲面形状に設計することにより、射出成形による製造及び製造管理が容易な形状とすることができる。また、軸部22、軸部32の少なくとも一端のみに摺動して摺動抵抗を調整する第1シム部材28、第2シム部材38を設ける構成となっているため、構成が簡単で、摺動抵抗の経年変化も少ない、安定的な製品を得ることができる。
次に、上記構成の組付け手順について、簡単に説明する。
はじめに、第1バレル20内に、第2バレル30を第2シム部材38と共に前面側から組付ける。この時、第1バレル20を樹脂の弾性を利用し若干変形させながら組付けることになる。この組付けを容易にするために、第1バレル20の軸穴24に繋がる、テーパー状の導入溝を形成しても良い。
次に、第2バレル30が組付けられた第1バレル20を、リテーナ本体10の前面より組付ける。この時、リテーナ本体10を樹脂の弾性を利用し若干変形させながら組付けることになる。この組付けを容易にするために、リテーナ本体10の軸穴14に繋がる、テーパー上の導入溝を形成しても良い。
これら、第1バレル20、第2バレル30が組みつけられたリテーナ本体10を取付部16にタッピングスクリュを挿入しインストルメントパネルに組付けた後、ベゼル40をリテーナ本体10に組付ける。なお、このベゼル40は、リテーナ本体10に組付ける構成としたが、インストルメントパネルに組付ける構成としても良い。
次に本発明の実施形態の実施例2の空調用レジスタを示す。
図2は、本発明に空調用レジスタの構成部品を示す分解斜視図である。
基本的な構成に関しては、実施例1に示した空調用レジスタ変更はない。以下に実施例2で特徴的な事項について、簡単に説明を行う。
この第2実施例(図3)では、第1バレル20、第2バレル30、リテーナ本体10により、空調用レジスタ1が構成されている。なお、第1シム部材、第2シム部材に関しては、図示を省略したが、第1シム部材は向かって右側、第2シム部材は下側の各軸部に摺動抵抗を調整するために組付けられている。
第2バレルの内部(中央)には、略十字状のフィン部36が設けられている。乗員は、このフィン部36の内部の十字部を握持して第2バレル30及び、第1バレル20の吹出し方向を調整するように形状となっている。この時、軸部22、軸部32に組付けられ、摺動する第1シム部材、第2シム部材により摺動抵抗が調整され、十字部を操作したとき、適切な操作力を得ることができると共に、乗員が望む吹出し方向に固定することができる。
本件実施例のリテーナ本体10、第1バレル20、第2バレル30は、略矩形形状を有している。第1バレル20に設けられた軸部22に対応して、リテーナ本体10の内側上下面及び第1バレル20の外側上下面が軸部22を中心とした第1バレル20の回転形状に合わせた曲面形状を有している。また、第2バレル30に設けられた軸部32に対応して、第1バレル20の内側側面及び第2バレル30の外側側面が軸部32を中心とした第2バレル30の回転形状に合わせて曲面形状を有している。そのため軸方向に合わせた一方向のみの面を曲面形状とすることにより、各部材間の隙間をできるだけ少なくするとともに、射出成形による製造及び製造管理が容易な形状とすることができる。
尚、本発明にかかる空調用レジスタは、上記実施例にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・第1バレル20、第2バレル30に設けられる軸部22、軸部32は、一体的に形成しているが、別体の軸部材を挿入し固定するような構成としても良い。この場合は、各バレルの組付け時の余裕度(隙間)を少なくすることができ、隙間からの空気の通り抜けが少なくなり、空調用レジスタの送風特性を向上させることができる。
・各バレル形状は、矩形、略円形のものを示したが、意匠性を考慮して、楕円形、多角形、半楕円など形状とすることもでき、インストルメントパネルの意匠にマッチングさせることもでき、より意匠性を向上させることができる。
本件実施例では、車両のインストルメントパネルに設けられる空調用レジスタに適用したもので説明を行ったが、天井やコンソールボックスの後端に設けられる後部座席の乗員に設けられた空調用レジスタに適用することもできる。さらに飛行機や船舶などの空調用レジスタに適用することも可能であり、さらに家庭用のエアーコンデショナーや、家屋に直接取付けられる空調用の吹出口に適用することも可能である。
1 空調用レジスタ
10 リテーナ本体
14 軸穴
16 取付部
20 第1バレル
22 軸部
24 軸穴
28 第1シム部材
30 第2バレル
32 軸部
36 フィン部
38 第2シム部材
40 ベゼル

Claims (3)

  1. リテーナ本体と、
    前記リテーナ本体に軸支される第1バレルと、
    前記第1バレルに、前記リテーナ本体に軸支された前記第1バレルの軸支の方向と異なる方向で軸支される第2バレルからなり、
    前記リテーナ本体と前記第1バレルのいずれかに設けられた軸部に摺動し摺動抵抗を得るための第1シム部材と、
    前記第1バレルと第2バレルのいずれかに設けられた軸部に摺動し摺動抵抗を得るための第2シム部材とを有することを特徴とする空調用レジスタ。
  2. 前記リテーナ本体と前記第1バレルを軸支する軸部は、第1バレルの外周面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空調用レジスタ。
  3. 前記第1バレルと第2バレルを軸支する軸部は、第2バレルの外周面に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空調用レジスタ。
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