JP2013152334A - 顕微鏡システムおよび顕微鏡観察方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】顕微鏡により観察する被写体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された被写体画像に対して画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段により画像処理が施された被写体画像を表示する表示手段とを備え、前記画像処理手段が、ダイナミックレンジ改善モードと微細構造強調モードとを有し、前記ダイナミックレンジ改善モードと前記微細構造強調モードのそれぞれにおいて、高速モードと高精度モードとを有する。
【選択図】図1
Description
HDR処理は、異露光画像合成処理を伴うため動画に適用した場合に特有の課題が発生する。すなわち、処理時間がかかるために表示フレームレートが落ちることや、異露光画像が位置ずれして合成されることなどである。合成枚数を減らせばそれらの課題は緩和されるが、合成枚数(1枚も含む)が少なくなって合成後階調数が低い場合は、適応型階調変換処理の方が画質改善効果が大きい。
例えば、暗視野観察では暗い背景にエッジやキズやゴミが輝く。ところが、小さなキズやゴミは画像が暗すぎると暗い背景に埋もれてしまうため観察できない。一方で、画像を明るくすると、それまで良く識別できていた箇所が飽和する。大きなエッジやキズ・ゴミがある場合も飽和が発生してその箇所が観察しにくくなる。この課題は暗視野観察へダイナミックレンジ拡大処理を適用することによって解決できる。HDR処理と適応型階調変換処理のどちらにもダイナミックレンジ拡大の効果がある。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の顕微鏡システムは、顕微鏡により観察する被写体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された被写体画像に対して画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段により画像処理が施された被写体画像を表示する表示手段とを備え、前記画像処理手段が、ダイナミックレンジ改善モードと微細構造強調モードとを有し、前記ダイナミックレンジ改善モードと前記微細構造強調モードのそれぞれにおいて、高速モードと高精度モードとを有することを特徴とする。
前述したHDR処理や適応型階調変換処理は、エッジ、コントラスト、テクスチャ、微細構造を強調する目的で適用することが出来る。HDR処理においては照明光成分に比べて反射率成分を強くすればよい。また、適応型階調変換処理においては階調変換カーブをコントラストが強調できる形にすればよい。
本発明を適用した顕微鏡システムは、顕微鏡により観察する被写体を撮像するデジタルカメラ等の撮像手段を有する。また、撮像手段と接続されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置が、撮像手段から出力された被写体画像に対して画像処理を実行する。そして、画像処理が施された被写体画像を表示装置に表示する。画像処理は、ダイナミックレンジ改善モードと微細構造強調モードとを有する。そして、前記ダイナミックレンジ改善モードと前記微細構造強調モードは、それぞれ高速モードと高精度モードとを有する。
図1は、第1の実施の形態における顕微鏡システムの構成を例示する図である。図2は、第1の実施の形態における顕微鏡システムの表示部に表示されるGUI(Graphical User Interface)画面を例示する図である。図3は、第1の実施の形態における画像改善処理の流れを示すフローチャートである。図4は、ヒストグラム平滑化処理と組み合わせる重み関数とその効果を説明するための図である。図5は、第1の実施の形態における適応型階調変換処理の流れを示すフローチャートである。図6は、検鏡法と撮影モード別の重み関数等の設定例を示す図である。図7は、第1の実施の形態における階調圧縮処理の流れを示すフローチャートである。図8は、反射率線分の強調係数と仮の強調圧縮率との関係を示す図である。図9は、検鏡法と撮影モードとの組み合わせの概要を示す図である。
まず、落射照明用の光源4から射出された照明光は、コンデンサレンズを通過して、図示しないFS、ASを介してハーフミラー15へ入射する。ハーフミラー15で反射された照明光は、対物レンズ12により標本11に照射される。
図2の例示では、高速モードのラジオボタン508が初期状態として選択されている。この状態でボタン510がオン状態にされボタン512が押し下げられれば、ダイナミックレンジ改善処理を適用した動画処理が、低精度ではあるが高速に実行される。一方ボタン511がオン状態にされボタン512が押し下げられれば、微細構造強調処理を適用した動画処理が、低精度ではあるが高速に実行される。また、高精度モードのラジオボタン509が選択され、同様の操作が行われれば、ダイナミックレンジ改善処理または微細構造強調処理が、低速ではあるが高精度に実行される。
図1に例示される顕微鏡システム1では、検鏡法に由来する画像的特徴を改善するプログラムが起動されると、コンピュータ30の表示部34へ、図2に例示されるGUI画面500が表示される。
ユーザによる操作で、ラジオボタン508が選択された状態でボタン510がオン状態にされボタン512が押下されると、顕微鏡システム1では、高速モードおよびダイナミックレンジ改善モードで、図3に例示される画像改善処理が実行される。
具体的には、まず、制御部31の指示により、設定取得部41は、顕微鏡システム1の制御状態を含むGUIの設定情報を取り込む。これらの設定情報には、入力設定手段であるGUI画面500から入力された検鏡法の種類、高速モードか高精度モード、ダイナミックレンジ改善モードか微細構造強調モード、後述するAE条件などがあり、これらの設定情報を撮影モードと定義する。
高速モードの場合は、ステップS103において、適応型階調変換部44による適応型階調変換処理が実行される。高精度モードの場合は、ステップS104において、異露光画像合成部43による異露光画像合成処理が実行され、ステップS105において、階調圧縮部45による階調圧縮処理が実行される。ここで、異露光画像合成部43は、露光条件の異なる複数の画像を合成して、ダイナミックレンジを拡大する処理であり、高精度にダイナミックレンジ改善または微細構造強調を行うときに必要となる。
まず、ステップS130において、適応型階調変換部44は、検鏡法と撮影モード別にあらかじめ最適化されたAE条件を設定する。検鏡法によって被写体のダイナミックレンジやヒストグラムの形などに傾向があり、検鏡法別に最適化されたAE条件が望ましい。具体例として、AEアルゴリズムの目標値を各検鏡法別に分けて設定するなどである。AEのアルゴリズムは既存のものを用いて構わない。また、先に述べたように、DR改善目的の場合はAE条件を暗めにするとよい。
(Kは強度係数であり、0<K<1)
次に、ステップS139において、彩度を調整する。既知の技術として知られているように、RGBデータを一度YCbCrデータなどに変換して、色差信号を調整すればよい。
次に、ユーザはスライダー531、532、533を調整することによって、動画を観察しながら重み関数、強度、彩度を変更することができる。高速モードが選択されている場合は、効果が変調された画像も高速に表示される。
次に、図3のステップS102で高精度モードとして判断され、ステップS104おいて、異露光画像合成処理が実行される。異露光画像合成部43による異露光画像合成処理は、露光条件の異なる複数の画像を合成して、ダイナミックレンジを拡大する処理である。既存のアルゴリズムを利用して合成処理を行って構わない。また、既存のアルゴリズムを利用して異露光画像の露光条件を決めて構わない。
ステップS110において、画像から照明光成分と反射率成分を抽出する。階調圧縮処理には様々なアルゴリズムがあるが、本第1の実施の形態では、画像を照明光成分と反射率成分に分け、照明光成分の階調情報を圧縮した後に、照明光成分と反射率成分を合成している。画像から照明光成分と反射率成分を抽出するためにはエッジを保存したLPF(Low-Pass filter:ローパスフィルタ)がよく用いられるが、それに限らず既存のアルゴリズムを利用して構わない。
照明光成分の階調範囲=MAX(照明光成分)−MIN(照明光成分)
仮の階調圧縮率=照明光成分の階調範囲/目標階調範囲
目標階調範囲とは、仮に表示可能な階調数が8bitであれば256に相当する。ここで、仮の階調圧縮率を求める式はこの例に限らない。例えば、照明光成分ではなく、入力された高階調画像そのものから仮の階調圧縮率を求めてもよい。
反射率線分の強調係数と仮の強調圧縮率との関係を図8に例示した。横軸はステップS111で求めた仮の階調圧縮率である。縦軸は反射率成分の強調係数である。
強調後反射率成分=強調係数×反射率成分
目標最大値=MAX(照明光成分+強調後反射率成分)
階調圧縮率=(目標最大値−目標最小値)/目標階調範囲
なお、ここで例示した階調圧縮率の計算方法を用いずに、既存のアルゴリズムを利用しても構わない。
次に、ステップS117において、圧縮した照明光成分と強調後反射率成分を合成する。
このようにして、画像改善後の画像が表示部34によって図2の画像表示領域501に表示される。高精度モードが選択されている場合は、改善後画像が高精度に表示される。同時に、GUI540も別ウィンドウまたは画面500の一部に表示される。次に、GUI540のスライダー541、542、543に、それぞれ階調圧縮部45で決定された、照明光成分の圧縮率、反射率成分の強度、彩度の値が設定される。ユーザは、DF(暗視野)観察において、ダイナミックレンジを改善した画像を高精度に観察することが出来る。
以上、本発明の実施の形態における検鏡法と撮影モードとの組み合わせを纏めると図9に示したようになる。
顕微鏡システム1の構成は、図1を用いて説明した第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
図10に示した画面600では、ダイナミックレンジ改善モードと微細構造強調モードの切り替えをラジオボタン610と611で例示している。ボタン660がオフ状態でボタン612が押し下げられた場合は、通常ライブが開始され、ボタン660がオン状態でボタン612が押し下げられた場合は画質改善処理が適用された動画が開始する。
また、図10に示した画面600には、照明強度を調整するスライダー650と、露出時間またはAE目標値をマニュアル調整するスライダー651と、AEをオンまたはオフするボタン652と、ISO感度を調整するリスト653と、倍率を調整するスライダー659(ズームレンズの場合)が例示されている。また、図10に示したGUI630には、ノイズリダクション強度を選択するラジオボタン655乃至658が例示されている。
例えば、ユーザがGUI600において高速モードのラジオボタン608を選択して、ダイナミックレンジ改善モードのラジオボタン610を選択し、ボタン660をオン状態にして、ボタン612を押してライブを開始したとする。高速モードにおけるパラメータ調整のGUI630が表示され、スライダー631のコントラスト(重み関数の強度)が高めに設定される。このとき、ノイズリダクション強度は中がデフォルト設定となり、ラジオボタン657が選択される。ただし、被写体の内容やユーザの好みによってはノイズ感が強すぎたり弱すぎたりすることもあるので、ユーザはラジオボタン655乃至ラジオボタン658を使って任意のNR強度へ選択しなおすことが出来る。
被写体のダイナミックレンジやコントラストが変化するのは、検鏡法だけによらない。例えば、倍率が高くなると画素飽和もコントラストも弱くなる傾向があるため、画質改善処理に使う内部パラメータや内部データテーブル類を低倍率側と高倍率側で別々に用意してもよい。ユーザは画面600のスライダー659を操作して倍率を変更するが、倍率に合わせて異なる内部パラメータを適用して画質調整されることになる。なお、スライダー659はズームレンズを想定したものである。従来の光学顕微鏡にあるように対物レンズ12をレボルバーで切り替える場合は、対物レンズ12の種類などが画面に表示され、対物レンズ12の倍率に合わせて異なる内部パラメータを適用して画質調整されることになる。
この変形例2は、高速モードと高精度モードの切り替えについての変形例である。
上述の第1の実施の形態において、ユーザが高速モードを使用したい主な状況は、ユーザが標本11を置いて見たい場所を探して決めるまでと想定している。これを高速利用シーンと定義する。また、ユーザが高精度モードを使用したい主な状況は、ユーザが観察位置を決めた後に撮像および測定するタイミングと想定している。これを高精度利用シーンと定義する。
ユーザは標本11を置いた直後は、見たい位置を決定するためにステージのXY操作とピント合わせ等の操作をするのが通常であるので、ライブ開始直後は高速利用シーンである。ライブ開始直後のデフォルト設定として高速モードを設定する。
顕微鏡システム1の構成は、図1を用いて説明した第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。
工業系の標本11は電気基板や金属など白トビしやすいものが多い。その標本11に奥行きがあるとさらに白トビ、黒つぶれが起こりやすくなる。白トビ、黒つぶれを解消して画像の階調表現を向上させるためには、HDRや適応型階調変換処理など上述したダイナミックレンジ改善処理が必要とされる。他にも様々な標本11が対象となるので、上述の微細構造強調処理が必要とされることも多い。
検鏡法を暗視野に切り替えると、明視野では観察しにくかった被写体標本11の細かい凹凸が観察しやすくなる。標本11がウェハーなどであれば、キズやゴミ、異純物などの欠陥検査に使える。暗視野では暗い背景をベースとして、被写体標本11による散乱光を観察する。そのために被写体標本11のダイナミックレンジが広い訳であり、ダイナミックレンジ改善処理と相性が良い。
被写体標本11の一部に露出条件を合わせた場合に発生する、暗い背景に埋もれた細い線、小さな輝点を発見しやすくする。
これにより、線の太さを識別しやすくする。
ユーザが画面600において、ボタン603を押し下げして暗視野観察に切り替えた場合、ラジオボタン610が自動的に選択され、ダイナミックレンジ改善モードが選択される。ボタン660がオフ状態でボタン612が押されれば通常ライブが開始されるが、ボタン660が押されてオン状態になり、ボタン612が押し下げられれば画質改善処理が適用された動画が開始される。
明視野では観察しにくい、または観察できない微弱な輪郭や微小段差を検出したい場合に用いられる。光学的な原理から被写体標本11のダイナミックレンジはさほど広くならず、ダイナミックレンジ改善処理はあまり必要とされない。一方で、コントラストは弱くなりがちなので、微細構造強調処理は必要となる。
以上本発明を適用した各実施の形態を説明してきたが、本発明は、以上に述べた各実施の形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。
(付記1)
顕微鏡により観察する被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された被写体画像に対して画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段により画像処理が施された被写体画像を表示する表示手段と、
を備え、
前記画像処理手段は、ダイナミックレンジ改善モードと微細構造強調モードとを有し、前記ダイナミックレンジ改善モードと前記微細構造強調モードのそれぞれにおいて、高速モードと高精度モードとを有する、
ことを特徴とする顕微鏡システム。
(付記2)
前記高速モードは、ヒストグラム平滑化処理と重み関数を組み合わせたものであり、
前記重み関数によって、前記ヒストグラム平滑化効果が階調に依存して変化する、
ことを特徴とする付記1に記載の顕微鏡システム。
(付記3)
前記重み関数は、前記微細構造強調モードの場合は全階調に渡って同一の重みを有し、前記ダイナミックレンジ改善モードの場合は低階調側において効果が強く高階調側で効果が弱くなるように重みを有する、
ことを特徴とする付記2に記載の顕微鏡システム。
(付記4)
前記重み関数を調整することにより、前記ダイナミックレンジ改善モードと前記微細構造強調モードの間の性質を有する複数のモードを有する、
ことを特徴とする付記2または3に記載の顕微鏡システム。
(付記5)
前記重み関数の調整の他に、ゲイン調整手段と、自動露出手段と、画像処理効果全体の強度を調整する手段と、ノイズリダクション手段の何れかを備え、前記重み関数と組み合わせることを特徴とし、
前記ダイナミックレンジ改善モードのデフォルト設定を検鏡法別に有し、検鏡法の切り替えに応じて、ゲイン調整と自動露出条件と重み関数と強度とノイズリダクション強度が組み合わせられ、
前記微細構造強調モードのデフォルト設定を検鏡法別に有し、検鏡法の切り替えに応じて、ゲイン調整と自動露出条件と重み関数と強度とノイズリダクション強度が組み合わせられる、
ことを特徴とする付記2乃至4の何れか1つに記載の顕微鏡システム。
(付記6)
前記高精度モードにおいて、異なる露光条件の複数枚の画像を合成する異露光画像合成手段と、前記異露光画像合成手段によって作成された高階調画像を前記表示手段の階調へ変換するための階調変換手段と、
を備えたことを特徴とする付記1に記載の顕微鏡システム。
(付記7)
前記階調変換手段は、前記高階調画像を照明光成分と反射率成分へ分離する手段と、照明光成分と反射率成分をそれぞれ異なる方法で階調操作する手段と、階調操作した照明光成分と反射率成分を合成する手段と、
を備えたことを特徴とする付記2に記載の顕微鏡システム。
(付記8)
前記階調変換手段は、ダイナミックレンジ改善モードの場合は、前記照明光成分の階調変換率に比べて前記反射率成分の階調変換率が低くなるように調整して、階調情報がつぶれない程度に階調変換し、
微細構造強調モードの場合は、ダイナミックレンジ改善モードに比べて前記反射率成分を強くして、微細構造を強調しつつ階調変換する、
ことを特徴とする付記7に記載の顕微鏡システム。
(付記9)
ユーザからの顕微鏡制御に合わせて、前記高速モードと前記高精度モード、及びそれらの間の性質を有するモードのうち何れかが選択される、
ことを特徴とする付記2乃至8の何れか1つに記載の顕微鏡システム。
(付記10)
前記顕微鏡操作はXYZ移動量であり、
XYZ移動のうち何れかの方向の操作量が大きい場合は前記高速モードを選択し、XYZ移動のうち何れの方向でも操作量が大きくない場合は前記高精度モードを選択する、
ことを特徴とする付記9に記載の顕微鏡システム。
(付記11)
前記顕微鏡操作は動画画面の変化量が大きくなる操作であり、
動画画面の変化量が大きい操作の場合は前記高速モードを選択し、動画画面の変化量が小さい操作の場合は前記高精度モードを選択する、
ことを特徴とする付記9に記載の顕微鏡システム。
(付記12)
前記顕微鏡操作は動画、撮像、録画の開始ボタンや停止ボタンの操作であり、
動画においては前記高速モードを選択し、撮像と録画においては前記高精度モードを選択する、
ことを特徴とする付記9に記載の顕微鏡システム。
(付記13)
顕微鏡により観察する被写体を撮像装置で撮像し、
前記撮像された被写体画像に対して画像処理を行ない、
前記画像処理が施された被写体画像を表示装置に表示する、
顕微鏡システムが実行する顕微鏡観察方法であって、
前記画像処理は、ダイナミックレンジ改善モードと微細構造強調モードとを有し、前記ダイナミックレンジ改善モードと前記微細構造強調モードのそれぞれにおいて、高速モードと高精度モードとを有する、
ことを特徴とする顕微鏡観察方法。
(付記14)
検鏡法を切り替え可能な顕微鏡と、
前記顕微鏡により観察する被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された被写体画像に対して画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段により画像処理が施された被写体画像を表示する表示手段と、
を備え、
前記画像処理手段は、ダイナミックレンジ改善モードと微細構造強調モードとを有する、
ことを特徴とする顕微鏡システム。
(付記15)
前記画像処理手段は、ヒストグラム平滑化処理と重み関数を組み合わせたものであり、
前記重み関数によって、前記ヒストグラム平滑化効果が階調に依存して変化する、
ことを特徴とする付記14に記載の顕微鏡システム。
(付記16)
前記重み関数は、微細構造強調モードの場合は全階調に渡って同一の重みを有し、ダイナミックレンジ改善モードの場合は低階調側において効果が強く高階調側で効果が弱くなるように重みを有する、
ことを特徴とする付記15に記載の顕微鏡システム。
(付記17)
前記重み関数を調整することにより、前記ダイナミックレンジ改善モードと前記微細構造強調モードの間の性質を有する複数のモードを有する、
ことを特徴とする顕微鏡システム。
(付記18)
前記重み関数の調整の他に、ゲイン調整手段と、自動露出手段と、画像処理効果全体の強度を調整する手段と、ノイズリダクション手段の何れかを備え、前記重み関数と組み合わせることを特徴とし、
前記ダイナミックレンジ改善モードのデフォルト設定を検鏡法別に有し、検鏡法の切り替えに応じて、ゲイン調整と自動露出条件と重み関数と強度とノイズリダクション強度が組み合わせられ、
前記微細構造強調モードのデフォルト設定を検鏡法別に有し、検鏡法の切り替えに応じて、ゲイン調整と自動露出条件と重み関数と強度とノイズリダクション強度が組み合わせられ、
前記自動調整は、観察像のダイナミックレンジまたは観察したい階調範囲の検鏡法別に異なる傾向を有する情報によって調整される、
ことを特徴とする付記15乃至17の何れか1つに記載の顕微鏡システム。
(付記19)
検鏡法の違いに加えて、検鏡法以外の情報も用いて各モードのデフォルト値が調整されることを特徴とし、
前記検鏡法以外の情報は、対物レンズの種類または観察倍率の変化量または被写体の種類を含む、
ことを特徴とする付記18に記載の顕微鏡システム。
(付記20)
明視野観察や暗視野観察に代表されるように観察像のダイナミックレンジが広い検鏡法においてはデフォルトモードとして前記ダイナミックレンジ改善モードを選択し、
位相差観察や微分干渉観察に代表されるように観察像のダイナミックレンジが狭い一方で、観察像のコントラストが弱くなりがちな検鏡法においてはデフォルトモードとして前記微細構造強調モードを選択し、
それ以外の検鏡法においては間の性質を有する複数のモードのうち、いずれかのモードをデフォルトモードとして選択すること、
ことを特徴とする付記15乃至19の何れか1つの顕微鏡システム。
(付記21)
前記画像処理手段は、異なる露光条件の1枚以上の画像を合成する異露光画像合成手段と、異露光画像合成手段によって作成された高階調画像を表示機器の階調へ変換するための階調変換手段と、
を備えたことを特徴とする付記14に記載の顕微鏡システム。
(付記22)
前記階調変換手段は、前記高階調画像を照明光成分と反射率成分へ分離する手段と、照明光成分と反射率成分をそれぞれ異なる方法で階調操作する手段と、階調操作した照明光成分と反射率成分を合成する手段と、
を備えたことを特徴とする付記21に記載の顕微鏡システム。
(付記23)
前記階調変換手段は、ダイナミックレンジ改善モードの場合は、前記照明光成分の階調変換率に比べて前記反射率成分の階調変換率が低くなるように調整して、階調情報がつぶれない程度に階調変換し、
微細構造強調モードの場合は、ダイナミックレンジ改善モードに比べて前記反射率成分を強めにして、微細構造を強調しつつ階調変換する、
ことを特徴とする付記22に記載の顕微鏡システム。
(付記24)
検鏡法特有のダイナミックレンジまたは観察目的に応じて、前記照明光成分の階調変換率や前記反射率成分の階調変換率を検鏡別に調整すること、
を特徴とする付記23に記載の顕微鏡システム。
(付記25)
検鏡法の違いに加えて、検鏡法以外の情報も用いて各モードのデフォルト値が調整され、
前記検鏡法以外の情報は、対物レンズの種類または観察倍率の変化量または被写体の種類を含む、
ことを特徴とする付記24に記載の顕微鏡システム。
(付記26)
明視野観察に代表されるように観察像のダイナミックレンジが広い検鏡法においてはデフォルト値として前記ダイナミックレンジ改善モードを選択し、
位相差観察や微分干渉観察に代表されるように観察像のダイナミックレンジが狭い一方で、観察像のコントラストが弱くなりがちな検鏡法においてはデフォルト値として前記微細構造強調モードを選択し、
暗視野観察に代表されるように観察像のダイナミックレンジが広い一方で微細構造も強調したい検鏡法においては、異露光画像合成処理でダイナミックレンジを拡大した上で前記微細構造強調モードを選択し、
それ以外の検鏡法においてはダイナミックレンジ改善と微細構造強調の間の性質を有する複数のモードのうち、いずれかのモードを選択する、
ことを特徴とする付記21乃至25の何れか1つに記載の顕微鏡システム。
(付記27)
前記重み関数を伴った前記ヒストグラム平滑化処理と、異露光画像合成処理を組み合わせたこと、を特徴とする付記15乃至20の何れか1つの顕微鏡システム。
(付記28)
検鏡法を切り替え可能な顕微鏡により観察する被写体を撮像装置で撮像し、
前記撮像された被写体画像に対して画像処理を行ない、
前記画像処理が施された被写体画像を表示装置に表示する、
顕微鏡システムが実行する顕微鏡観察方法であって、
前記画像処理は、ダイナミックレンジ改善モードと微細構造強調モードとを有する、
ことを特徴とする顕微鏡観察方法。
2 顕微鏡
3 (透過照明用)光源
3a 透過照明光路
4 (落射照明用)光源
4a 落射照明光路
5 コレクタレンズ
6 ミラー
7 窓レンズ
8 視野絞り(FS)
9 開口絞り(AS)
10 コンデンサレンズ
11 標本
12 対物レンズ
13 結像レンズ
14 ポート
15 キューブユニット(ハーフミラー)
20 撮像装置
21 撮像素子
22 撮像素子駆動部
23 前置処理部
24 A/D変換部
25 信号処理部
26 バス
27 制御部
28 I/F部
30 コンピュータ
31 制御部
32 操作部
33 I/F部
34 表示部
35 記録部
40 画像改善部
41 設定取得部
43 異露光画像合成部
44 適応型階調変換部
45 階調圧縮部
150、151、152 関数
500 画面
501 画像表示領域
502、503、504、505、506、507 ボタン(設定入力手段)
508、509 ラジオボタン
510、511、512 ボタン
530 GUI
531、532、533 スライダー
540 GUI
541、542、543 スライダー
544、545 チェックボックス
600 画面
601 画像表示領域
602、603、604、605、606、607 ボタン(設定入力手段)
608、609、610、611 ラジオボタン
612 ボタン
630 GUI
631、632、633 スライダー
640 GUI
641、642、643 スライダー
644、645 チェックボックス
650、651 スライダー
652 ボタン
653 リスト
655、656、657、658 ラジオボタン
659 スライダー
660 ボタン
S 観察光路
Claims (13)
- 顕微鏡により観察する被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された被写体画像に対して画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段により画像処理が施された被写体画像を表示する表示手段と、
を備え、
前記画像処理手段は、ダイナミックレンジ改善モードと微細構造強調モードとを有し、前記ダイナミックレンジ改善モードと前記微細構造強調モードのそれぞれにおいて、高速モードと高精度モードとを有する、
ことを特徴とする顕微鏡システム。 - 前記高速モードは、ヒストグラム平滑化処理と重み関数を組み合わせたものであり、
前記重み関数によって、前記ヒストグラム平滑化効果が階調に依存して変化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。 - 前記重み関数は、前記微細構造強調モードの場合は全階調に渡って同一の重みを有し、前記ダイナミックレンジ改善モードの場合は低階調側において効果が強く高階調側で効果が弱くなるように重みを有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡システム。 - 前記重み関数を調整することにより、前記ダイナミックレンジ改善モードと前記微細構造強調モードの間の性質を有する複数のモードを有する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の顕微鏡システム。 - 前記重み関数の調整の他に、ゲイン調整手段と、自動露出手段と、画像処理効果全体の強度を調整する手段と、ノイズリダクション手段の何れかを備え、前記重み関数と組み合わせることを特徴とし、
前記ダイナミックレンジ改善モードのデフォルト設定を検鏡法別に有し、検鏡法の切り替えに応じて、ゲイン調整と自動露出条件と重み関数と強度とノイズリダクション強度が組み合わせられ、
前記微細構造強調モードのデフォルト設定を検鏡法別に有し、検鏡法の切り替えに応じて、ゲイン調整と自動露出条件と重み関数と強度とノイズリダクション強度が組み合わせられる、
ことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の顕微鏡システム。 - 前記高精度モードにおいて、異なる露光条件の複数枚の画像を合成する異露光画像合成手段と、前記異露光画像合成手段によって作成された高階調画像を前記表示手段の階調へ変換するための階調変換手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。 - 前記階調変換手段は、前記高階調画像を照明光成分と反射率成分へ分離する手段と、照明光成分と反射率成分をそれぞれ異なる方法で階調操作する手段と、階調操作した照明光成分と反射率成分を合成する手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡システム。 - 前記階調変換手段は、ダイナミックレンジ改善モードの場合は、前記照明光成分の階調変換率に比べて前記反射率成分の階調変換率が低くなるように調整して、階調情報がつぶれない程度に階調変換し、
微細構造強調モードの場合は、ダイナミックレンジ改善モードに比べて前記反射率成分を強くして、微細構造を強調しつつ階調変換する、
ことを特徴とする請求項7に記載の顕微鏡システム。 - ユーザからの顕微鏡制御に合わせて、前記高速モードと前記高精度モード、及びそれらの間の性質を有しモードのうちいずれかが選択される、
ことを特徴とする請求項2乃至8の何れか1項に記載の顕微鏡システム。 - 前記顕微鏡操作はXYZ移動量であり、
XYZ移動のうち何れかの方向の操作量が大きい場合は前記高速モードを選択し、XYZ移動のうち何れの方向でも操作量が大きくない場合は前記高精度モードを選択する、
ことを特徴とする請求項9に記載の顕微鏡システム。 - 前記顕微鏡操作は動画画面の変化量が大きくなる操作であり、
動画画面の変化量が大きい操作の場合は前記高速モードを選択し、動画画面の変化量が小さい操作の場合は前記高精度モードを選択する、
ことを特徴とする請求項9に記載の顕微鏡システム。 - 前記顕微鏡操作は動画、撮像、録画の開始ボタンや停止ボタンの操作であり、
動画においては前記高速モードを選択し、撮像と録画においては前記高精度モードを選択する、
ことを特徴とする請求項9に記載の顕微鏡システム。 - 顕微鏡により観察する被写体を撮像手段で撮像し、
前記撮像された被写体画像に対して画像処理を行ない、
前記画像処理が施された被写体画像を表示装置に表示する、
顕微鏡システムが実行する顕微鏡観察方法であって、
前記画像処理は、ダイナミックレンジ改善モードと微細構造強調モードとを有し、前記ダイナミックレンジ改善モードと前記微細構造強調モードのそれぞれにおいて、高速モードと高精度モードとを有する、
ことを特徴とする顕微鏡観察方法。
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