JP2013152236A - Copd診断 - Google Patents

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Abstract

【課題】疾患の初期からヒト被験体においてCOPDであると明確に診断すること、または発症する危険性を決定することさえも可能にする方法及び手段を提供する。
【解決手段】ヒト被験体における慢性閉塞性肺疾患(COPD)または発症する危険性を診断するための方法に関し、以下の以下のステップを包含している:ヒト被験体由来の試料を供与するステップ、上記試料における、ヒートショックプロテイン27(HSP27)とインターロイキン−1受容体4(ST2)の量を決定するステップ、HSP27とST2の量が、健康なヒト被験体における各々の量と比較するステップ、またはその比較からCOPDを診断すること、またはCOPDを発症する危険性があると診断するステップ。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、ヒト被験体においてCOPDを診断するための方法に関する。
慢性閉塞性肺疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD))は、世界的に、主な死因の1つである。2020年に、虚血性の心疾患および脳血管の疾患は、世界の人口の中で、より高い死亡率を占めるだろう。罹患率および入院率は、過去数年にわたって劇的に傾斜している。全ての喫煙者がCOPDの臨床的な徴候を発現するわけではないが、いくつかの研究は、喫煙とCOPDの発症との間の強い相関関係を示している(Higenbottam T et al. (1980) Lancet 315:409-411)。発症機序は、気道の再構築と異常な炎症とによる気流の閉塞によって特徴付けられる。COPDは、慢性的な気管支炎と肺気腫とを包含し、両者の状態は、組織の破壊によって特徴付けられる。気流の制限は徐々に進行し、呼吸困難および身体の運動能力の制限をもたらす。しかし、COPD患者は、心血管の疾患を含む全身性の障害の危険性も高いので、機能的な障害は肺に限定されない。慢性閉塞性肺疾患に関するグローバルイニシアチブ(the Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Diseases (GOLD))の指針に従った気道の閉塞の診断は、スパイロメトリーの使用を求めている。気管支拡張剤投与後のFEV1/FVC(1秒間の努力呼気肺活量/努力肺活量)比が70%に満たない場合は、不可逆的な気流の閉塞を示唆し、それゆえ、COPDの診断のための主要なパラメーターであると考えられる(Global Strategy for Diagnosis, Management, and Prevention of COPD. Global Initiative FOR Chronic Obstructive Lung Disease, 2007, www.goldcopd.com)。現在、スパイロメトリーデータおよび臨床所見に従って、患者はGOLDのステージに分類される。疾患の活動性を示している血清マーカーの検出は、診断過程および治療過程において特に関心が寄せられている。
喫煙は、COPDの発症にとっての主要な危険因子として広く認知されているが、特定の発症経路および関与している機構の説明は曖昧なままである。肺の実質における酸化的ストレスは、タバコの煙への曝露に対する炎症性の反応の誘発に関与しているようである。自然免疫の一部としての好中球およびマクロファージは、COPDにおける気道の再構築の過程において極めて重要であると考えられていた。この再構築の過程は、COPDを有している患者または喫煙者の肺における慢性的なアポトーシス誘導の結果である。アポトーシスは、細胞の収縮、膜の小疱形成、クロマチンの凝縮およびDNAの断片化を含む、“活発に”死んでいる細胞によって提示される形態学的な変化をいう。実質における上皮細胞はもちろん、アポトーシスは、肺胞および気管支の上皮細胞をも含む。制御されたアポトーシスは必要な過程であり、細胞の恒常性にとって不可欠である。しかし、過度のアポトーシスの誘発および肺胞細胞の増加したターンオーバーは、組織の破壊を引き起こすかもしれない。
COPD患者に由来する肺組織における免疫組織化学的な観察は、可変的な数の肥満細胞、好中球、および好酸球と、Tリンパ球およびマクロファージとから構成された、炎症性の浸潤を明らかにした。免疫反応における進歩は、Tヘルパー1型細胞(TH1)およびTヘルパー2型細胞(TH2)の不均衡が、種々の疾患の炎症性の反応における役割を担っていることを示した。研究は、COPDにおける浸潤性の間質性の炎症における優勢なTH1サイトカインパターンを明らかにした。気道の上皮組織は、免疫反応の重要な要素であり、腫瘍壊死因子α(TNFα)およびインターロイキン−1β(IL−1β)を含む炎症誘発性のサイトカイン、およびケモカインを産生する。肺の上皮細胞は、また、急性の悪化およびCOPDに罹患している患者において共通している病原体に対する反応を調節する。
COPDを診断するために臨床的な実務において用いられている唯一の方法は、スパイロメトリーであり、これは、肺の機能を測定する肺機能検査であり、具体的には、吸入および吐出され得る空気の量(体積)および/または速さ(流量)の測定である。しかし、そのような試験は、喘息や肺線維症のような他の肺疾患を診断するためにも用いられている。それゆえ、そのような方法は、COPDを確実に診断するための単独の試験としては機能し得ない。それゆえ、医師は、COPDを診断するために、呼吸困難、慢性的な咳もしくは喀痰等の症状、および/または危険因子に対する曝露の履歴を考慮する。COPDの診断またはCOPDの種々の形態の識別におけるそのような方法の使用は、誤診を招くかもしれないことは明白である。その結果、患者は、疾患の初期から直ちに最適な形態の治療を利用することができない。
それゆえ、本発明の目的は、疾患の初期からヒト被験体においてCOPDであると明確に診断すること、またはヒト被験体がCOPDを発症する危険性を決定することさえも可能にする方法および手段を提供することである。
本発明は、ヒト被験体における慢性閉塞性肺疾患(COPD)またはヒト被験体がCOPDを発症する危険性を診断するための方法に関し、以下のステップを包含している:
− ヒト被験体由来の試料を供与するステップ、
− 上記試料における、カスパーゼ切断型サイトケラチン−18(caspase-cleaved cytokeratin-18)(ccCK−18)、ヒストン群(histones)、ヒートショックプロテイン27(HSP27)、ヒートショックプロテイン70(HSP70)および/またはヒートショックプロテイン90α(HSP90α)の量を決定するステップ、
− ccCK−18、ヒストン群、HSP27、HSP70および/またはHSP90αの量が、健康なヒト被験体におけるccCK−18、ヒストン群、HSP27、HSP70および/またはHSP90αの量と比較して増加している場合に、COPDを診断するステップ、または
− ccCK−18、ヒストン群および/またはHSP70の量が、健康なヒト被験体におけるccCK−18、ヒストン群および/またはHSP70の量と比較して減少している場合に、COPDを発症する危険性があると診断するステップ。
ヒトの試料におけるccCK−18、ヒストン群、HSP27、HSP70および/またはHSP90αの濃度は、COPD、特に、上記ヒト被験体におけるCOPDステージI/IIおよびIII/IVであると診断することを可能にするマーカーとして機能し得ることが明らかになった。上記マーカーは、将来、ヒト被験体がCOPDを発症する危険性を決定することさえも可能にする。生活様式の理由からCOPDを発症する危険性があると考えられたヒト(例えば、煙を被っているヒト、喫煙者等)の全てが、COPDに罹患するわけではないだろう。それゆえ、ヒト被験体がCOPDを発症する危険性があることを診断することは、COPDの予防において非常に有用である。
本発明の方法において用いられる上記マーカーは、単独または組み合わせて用いられてもよく、それによってインターロイキン−1受容体4(ST2)の量がさらに測定されてもよい。この場合、ST2の量が、健康なヒト被験体におけるST2の量と比較して増加しているときに、COPDであると診断されるか、またはST2の量が、健康なヒト被験体におけるST2の量と比較して減少しているときに、COPDを発症する危険性があると診断される。好ましい組合せは、ST2およびccCK−18、ST2およびヒストン群、ccCK−18およびヒストン群、ST2、HSP27、SHP70および/またはHSP90αを包含している。
COPDの重症度を分類するために、スパイロメトリーのパラメーターが用いられる。これらのパラメーターは、COPDの重症度を4つのステージに分類することを可能にする(表Aを参照)。スパイロメトリーは診断のために不可欠であり、そして、COPDにおける病理学的な変化の重症度の有用な説明を提供する。特定のスパイロメトリーの切点(cut-points)(例えば、気管支拡張剤投与後のFEV/FVC比 <0.70、またはFEV <予測値の80%、50%、もしくは30%)は、COPDのステージIからIVを決定するために用いられる。
Figure 2013152236
FEVおよびFVCを決定するための方法は、COPDを体系化するために用いられ得(表Aを参照)、当該技術分野において周知である(例えば、Eaton T, et al. Chest (1999) 116:416-23; Schermer TR, et al. Thorax (2003) 58:861-6; Bolton CE, et al. Respir Med (2005) 99:493-500を参照)。
個々の患者におけるCOPDの影響は、気流の制限の程度のみならず、症状(特に、息切れや低下した運動能力)の重症度にもよる。気流の制限の程度と症状の存在との間には不完全な関連のみがある。COPDの特有の症状は、慢性的で且つ進行性の呼吸困難、咳、および喀痰である。慢性的な咳および喀痰は、気流の制限の発生に何年か先行するかもしれない。この傾向は、喫煙者およびCOPDの危険性がある他者を特定するための唯一の機会を提供し、そして、この疾患がまだ主たる健康問題ではない時期に起こる。
反対に、重大な気流の制限は、慢性的な咳および喀痰を伴わずに発生するかもしれない。COPDは、気流の制限に基づいて定義づけられるが、実際には、医学的な助けを求める(そして診断することを可能にする)ための決定は、通常、患者の生活様式における特有の症状の影響によって決定される。
ステージI:軽度のCOPD − 軽度の気流の制限(FEV/FVC <0.70;FEV <予測値の80%)によって特徴付けられる。慢性的な咳および喀痰の症状が存在するかもしれないが、常にではない。このステージでは、個人は、通常、彼または彼女の肺機能が正常ではないことに気付かない。
ステージII:中等度のCOPD − 悪化する気流の制限(FEV/FVC <0.70;50% FEV <予測値の80%)によって特徴付けられ、激しい活動によって一般的に息切れをおこし、且つ咳および喀痰も時々ある。患者は、通常、慢性的な呼吸器官の症状または疾患の悪化のせいで、医学的な手当てを求めるステージである。
ステージIII:重度のCOPD − さらに悪化した気流の制限(FEV/FVC
<0.70;30% FEV <予測値の50%)によって特徴付けられ、よりひどい息切れ、低下した運動能力、疲労を伴う。そして、ほとんどの場合に患者の生活の質に対して影響する悪化が繰り返される。
ステージIV:極めて重度のCOPD − 重度の気流の制限(FEV/FVC <0.70;FEV <予測値の30%またはFEV <予測値の50%、加えて、慢性的な呼吸不全の存在)によって特徴付けられる。呼吸不全は、海面レベルで呼吸する際の6.7kPa(50mmHg)より高いCOの動脈血分圧(PaCO)の有無に関わらず、8.0kPa(60mmHg)よりも低いOの動脈血分圧(PaO)によって定義付けられる。呼吸不全は、肺性心(右心不全)のような心臓における影響も引き起こすかもしれない。肺性心の臨床的な徴候は、頚動脈圧の上昇および足首の圧痕水腫を含む。これらの合併症が存在している場合はいつでも、FEVが>予測値の30%であっても、患者は、ステージIV:極めて重度のCOPDであるかもしれない。このステージでは、生活の質は極めて損なわれ、そして、悪化は生死に関わるかもしれない。
用語「COPDを発症する危険性」は、本明細書において用いられる場合、環境からの脅威を受けているか、またはCOPDを発症する遺伝的な要素を有していてもよいヒト被験体のプールをいう。COPDの形成を助ける要因は、遺伝的な要素、タバコの煙、職業的な塵(有機および無機)、通気性に乏しい住居におけるバイオマスを用いた加熱および冷却からの屋内大気汚染および屋外大気汚染といった粒子への曝露、肺の成長および発達、酸化的ストレス、性別、年齢、呼吸器官の感染症、社会的経済的な地位、栄養および共存症を含んでいる。COPDを発症する危険性があるヒトは、慢性的な咳、慢性的な喀痰を患い、そして正常なスパイロメトリーであるかもしれない。しかし、これらの症状を患っているヒト被験体は、必ず、COPDステージIに向かって進行している。
本明細書において用いられる場合、用語「健康なヒト被験体」は、COPDまたはあらゆる他の肺疾患に罹患していないヒトをいう。さらに、これらのヒトは、人生において、いかなる重度の肺疾患も有していない。「健康なヒト」は、また、煙または他の有毒な物質のような危険因子に定期的に暴露されているヒトは含まない。
本発明によれば、「健康なヒト被験体」におけるマーカーの量は、少なくとも、5人、10人、15人、または20人の「健康なヒト被験体」におけるこれらのマーカーを定量化することによって決定される。
本発明に係る方法を用いて決定されるCOPDマーカーは、血液において見出されるので、本発明に従って用いられる試料は、血液、血清または血漿である。試料のこれらの種類は、当該技術分野において公知の方法を用いてヒトから取得され得る。
試料中のインターロイキン−1受容体4(ST2)、カスパーゼ切断型サイトケラチン−18(ccCK−18)およびヒストン群、ヒートショックプロテイン27(HSP27)、ヒートショックプロテイン70(HSP70)および/またはヒートショックプロテイン90α(HSP90α)の量を明確に決定するために、上記のCOPDマーカーに対する抗体を含む方法を用いることが好ましい。抗体を用いる適切な方法は、好ましくは、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)およびウエスタンブロットからなる群から選択される、免疫学的検定である。
用語「抗体」は、本明細書において用いられる場合、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体または抗原に結合可能なこれらの断片をいう。ファージディスプレイライブラリーをスクリーニングすることによって選択される断片のみならず、組換え抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、FabもしくはFv断片等の抗体断片等の、他の抗体および抗体断片等も、本明細書に記載された方法において有用である。
ポリクローナル抗体と同様、モノクローナル抗体の調製方法は十分に確立されている(Harlow E. et ah, 1988. Antibodies. New York: Cold Spring Harbour Laboratory)。ポリクローナル抗体は、限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ラクダおよびウマを含む種々の種において、標準的な免疫および採血手段を用いて産生させられる。高い抗体価を有している動物の血液は、硫酸アンモニウムを用いた沈殿等の所定の選択的な塩析手段によって分画され、そして特異的な免疫グロブリン画分は、標準的な方法に従って、プロテインAセファロースおよびレプチンセファロースカラムにおける連続的な親和性クロマトグラフィーによって分離される。精製されたポリクローナル抗体は、モノクローナル抗体と同様に、その後、特異性に関して特徴付けられる。そのような特徴付けは、標識されていない可能性のある抗体結合に関する交差反応体のレベルを増加させた競合において、放射性同位体またはビオチンのようなトレーサーを用いて標識されたタンパク質を用いた標準的な方法によって実施される。結合研究は、還元条件または非還元条件下における、十分に確立されたドデシルスルホン酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAGE)およびウエスタンイムノブロット法等の他の標準的な方法によってさらに評価される。
モノクローナル抗体は、十分に確立された標準的な実験手段に従って調製される("Practice and Theory of Enzyme Immunoassays" by P. Tijssen (hi Laboratory Techniquesin Biochemistry and Molecular Biology, Eds: R.H. Burdon and P.H. van Kinppenberg; Elsevier Publishers Biomedical Division, 1985))。この方法は、クーラーおよびミルスタインの元の技術に基づいている(Kohler G., Milstein C. Nature 256:495, 1975)。この技術は、免疫された動物から脾臓細胞を除去し、そしてミエローマ細胞と融合するまたはエプスタイン−バーウイルスを用いた形質転換によって抗体産生細胞を不死化し、そしてその後、所望の抗体を発現しているクローンをスクリーニングすることによって行われる。しかし、当該技術分野において公知の他の技術も用いられ得る。抗体は、限定されないが、特異的なDNAを用いた免疫を含む、当業者にとって公知の他の方法によっても生産される。
好適に用いられるイムノアッセイは、興味のある抗原または固体の担体に結合された抗原に対して特異的に結合し得る捕捉抗体を利用する方法に基づいている。捕捉抗体は、望まれる分析的要件および/または固相の分離要件に応じて、標準的な非共有結合法もしくは共有結合法を用いて、種々の固層の担体と結合されているか、または連結されている。固体の担体は、試験管、ビーズ、微粒子、濾紙、膜、ガラスフィルター、磁気粒子、ガラスもしくはシリコンチップまたは他の材料の形態であり、そして、方法は当業者に公知である。抗体を用いて直接被覆された微粒子、特に、磁化できる粒子(磁気粒子−捕捉抗体)または一般的な結合剤(例えば、アビジンまたは抗種抗体)を用いて標識された粒子の使用は、検定のインキュベーション時間を大幅に短縮するために有用である。当該技術分野において公知の他の代替的な方法を加えたこれらの方法は、望まれる感度を制限することなく数分以内に検定を完了させることを可能にする。
興味がある抗原に対して特異的に結合し得る検出抗体は、レポーター分子と一緒に直接連結されるか、または二次的な検出系によって間接的に検出される抗原の検出のために用いられる。後者は、標識された抗種抗体および免疫学的または非免疫学的な架橋の他の形態による抗体認識、並びにシグナル増幅検出系(例えば、ビオチン−ストレプトアビジン法)を含む、当該技術分野において公知のいくつかの異なる原理に基づいている。シグナル増幅の方法は、測定の感度および低レベルの再現性および性能を大幅に向上するために用いられる。直接的または間接的な抗体結合のために用いられる標識は、あらゆる検出可能なレポーター分子である。適切な標識の例は、酵素等の他の適切な薬剤によって検出され得た成分のみならず、蛍光体、発光標識、金属複合体および放射性標識等の免疫学的および非免疫学的な検出系の分野において広範に用いられているもの、または酵素等の直接的もしくは間接的な標識と発光性の基質との種々の組合せである。
COPDであるまたはCOPDを発症する危険性があると診断するために、それを上回るかまたはそれより低い場合に疾患が診断され得るカットオフレベルを規定することは有利である。健康なヒト被験体の血液試料におけるインターロイキン−1受容体4(ST2)の量は、好ましくは、50〜150pg/ml、好ましくは、60〜140pg/ml、より好ましくは70〜130pg/mlの範囲である。
本発明の他の実施の形態によれば、健康なヒト被験体の血液試料におけるカスパーゼ切断型サイトケラチン−18(ccCK−18)の量は、200〜350U/l、好ましくは200〜330U/l、より好ましくは250〜300U/lの範囲であり、サイトケラチン−18の新たなエピトープM30として測定される。
本発明の他の実施の形態によれば、健康なヒト被験体の血液試料におけるヒートショックプロテイン27(HSP27)の量は、1500〜2500pg/ml、好ましくは1600〜2400pg/ml、より好ましくは1700〜2300pg/mlの範囲である。
本発明の他の実施の形態によれば、健康なヒト被験体の血液試料におけるヒートショックプロテイン70(HSP70)の量は、50〜200pg/ml、好ましくは70〜190pg/ml、より好ましくは80〜180pg/mlの範囲である。
本発明の他の実施の形態によれば、健康なヒト被験体の血液試料におけるヒートショックプロテイン90α(HSP90α)の量は、10,000〜15,000pg/ml、好ましくは11,000〜14,500pg/ml、より好ましくは12,000〜14,000pg/mlの範囲である。
本発明のさらなる実施の形態によれば、健康なヒト被験体の血液試料におけるヒストン群の量は、COPDに罹患しているヒトの血液試料における量よりも20〜50%低い、好ましくは、25〜40%低い範囲である。
本発明の好ましい実施の形態によれば、試料におけるインターロイキン−1受容体4(ST2)、カスパーゼ切断型サイトケラチン−18(ccCK−18)、ヒストン群、HSP27、HSP70および/またはHSP90αが、健康なヒト被験体におけるST2、ccCK−18、ヒストン群、HSP27、HSP70および/またはHSP90αの量と比較して、少なくとも10%、好ましくは20%増加する場合に、COPDは診断される。もちろん、ST2、ccCK−18、ヒストン群、HSP27、HSP70および/またはHSP90αの量が、少なくとも15%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%まで増加してもよい。
試料におけるインターロイキン−1受容体4(ST2)、カスパーゼ切断型サイトケラチン−18(ccCK−18)および/またはヒストン群の量が、健康なヒト被験体におけるST2、ccCK−18および/またはヒストン群の量と比較して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%減少した場合に、COPDを発症する危険性があると望ましくは診断される。もちろん、ST2、ccCK−18および/またはヒストン群の量が、少なくとも15%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%まで減少してもよい。
本発明に係る方法は、他の種類の動物に対しても適用さえ得、当該動物は、ウマ、イヌ、ネコおよび畜牛からなる群から好ましく選択される。
本発明の他の局面は、ヒト被験体におけるCOPDステージI/IIとCOPDステージIII/IVとを識別するための方法に関し、以下のステップを包含している:
− COPDに罹患しているヒト被験体由来の試料を供与するステップ、
− 上記試料における、カスパーゼ切断型サイトケラチン−18(ccCK-18)、ヒストン群、ヒートショックプロテイン27(HSP27)および/またはヒートショックプロテイン70(HSP70)の量を決定するステップ、
− COPDステージIII/IVに罹患しているヒト被験体由来の試料において決定されたccCK−18、ヒストン群および/またはHSP27の量と比較して、ccCK−18、ヒストン群、および/またはHSP27の量が減少している場合、および/またはCOPDステージIII/IVに罹患しているヒト被験体由来の試料において決定されたHSP70の量と比較して、HSP70の量が増加している場合に、COPDステージI/IIであると診断するステップ、または、
− COPDステージI/IIに罹患しているヒト被験体由来の試料において決定されたccCK−18、ヒストン群および/またはHSP27の量と比較して、ccCK−18、ヒストン群、および/またはHSP27の量が増加している場合、および/またはCOPDステージI/IIに罹患しているヒト被験体由来の試料において決定されたHSP70の量と比較して、HSP70の量が減少している場合に、COPDステージIII/IVであると診断するステップ。
本発明の好ましい実施の形態によれば、インターロイキン−1受容体4(ST2)の量がさらに決定され、この場合、COPDステージIII/IVに罹患しているヒト被験体由来の試料において決定されたST2の量と比較して、ST2の量が増加しているとき、またはCOPDステージI/IIに罹患しているヒト被験体由来の試料において決定されたST2の量と比較して、ST2の量が減少しているときに、COPDステージI/IIであると診断される。
本明細書に開示されたCOPDマーカーは、上記に規定されたように、COPDステージI/IIに罹患しているヒトとCOPDステージIII/IVに罹患しているヒトとを識別するためにも適している。これらのCOPDステージ間の識別は、治療を決定するために重要である。少しまたは断続的な症状(ステージIおよびII)を有している患者にとっては、例えば、呼吸困難を制御するための必要に応じた短時間作用型の吸入性の気管支拡張剤の使用で十分である。吸入性の気管支拡張剤が利用できない場合は、持続放出性のテオフィリンを用いた定期的な治療が考慮されるべきである。必要に応じた短時間作用型の気管支拡張剤を用いた治療にも関わらず、日常の活動の間の呼吸困難が軽減されないヒトにおいて、長時間作用型の吸入性の気管支拡張剤を用いた定期的な治療を追加することが推奨される。COPDステージIII/IVに罹患しているヒトにおいて、吸入性のグルココルチコステロイドを用いた定期的な治療は、悪化の頻度を低下し、そして健康状態を改善する。これらのヒトにおいて、吸入性のグルココルチコステロイドを用いた定期的な治療が、長時間作用型の吸入性の気管支拡張剤に追加されるべきである。COPDステージIII/IVに罹患しているヒトに関して、慢性的な呼吸不全が起こる場合は、外科的治療および/または長期間の酸素が考慮されるべきである。
COPDステージI/IIとIII/IVとを識別することを可能にする参照値は、COPDステージI/IIおよびIII/IVに罹患しているヒトから取得された試料のプールにおけるST2、ccCK−18、ヒストン群、HSP27および/またはHSP70のそれぞれの量を決定することによって見積もられ得る。そのようなプールは、少なくとも5人、好ましくは少なくとも10人、より好ましくは少なくとも20人の、COPDに罹患しているヒトから取得された試料を含んでいてもよく、そして種々のCOPDステージは、代替的な方法(例えば、スパイロメトリー)によって診断される。
上記被険体の試料におけるHSP27の量が、2,600〜3,300pg/ml、好ましくは2,700〜3,200pg/mlの範囲である場合に、COPD I/IIがヒト被験体において診断され得る。もし、ヒト被験体の試料におけるHSP27の量が、3,400〜5,500pg/ml、好ましくは3,500〜5,000pg/ml、より好ましくは3,600〜4,500pg/mlの範囲である場合、COPD III/IVであると診断される。
上記被験体の試料のST2の量が、160〜400pg/ml、好ましくは170〜380pg/ml、より好ましくは180〜350pg/mlの範囲である場合に、COPD I/IIがヒト被験体において診断され得る。上記試料において、ST2の量が、160pg/mlを超える、好ましくは170pg/mlを超える、より好ましくは180pg/mlを超える場合に、COPD I/IIがさらに診断され得る。
ヒト被験体の試料におけるHSP70の量が、少なくとも250pg/ml、好ましくは少なくとも300pg/mlである場合に、COPD I/IIおよびCOPD III/IVであると診断され得る。
ヒト被験体の試料におけるHSP90αの量が、少なくとも15,000pg/ml、好ましくは少なくとも16,000pg/mlである場合に、COPD I/IIおよびCOPD III/IVであると診断され得る。
本発明の他の局面は、ヒト被験体における慢性閉塞性肺疾患(COPD)の進行をモニタリングするための方法に関し、以下のステップを包含している:
− ヒト被験体由来の試料を供与するステップ、
− 上記試料におけるカスパーゼ切断型サイトケラチン−18(ccCK-18)、ヒストン群、ヒートショックプロテイン27(HSP27)および/またはヒートショックプロテイン70(HSP70)の量を決定するステップ、
− 上記ヒト被験体の試料におけるccCK−18、ヒストン群、HSP27および/またはHSP70の量を、上記ヒト被験体の初期の試料において決定された上記ヒト被験体由来の試料におけるccCK−18、ヒストン群、HSP27および/またはHSP70の量と比較するステップ。
本明細書において開示された上記マーカーは、COPDの進行およびCOPD療法の進展をモニタリングするためにも用いられ得る。そのような方法は、異なる時間間隔でヒトから取得された試料におけるccCK−18、ヒストン群、HSP27および/またはHSP70の量を比較することを包含している。上記方法から取得された結果は、医師が適切な療法を決定することを可能にする。
本発明は、以下の図および実施例によってさらに説明される。しかし、これらに制限されることはない。
図1は、抗体M30を用いることによって検出された、可溶性のアポトーシス特異的カスパーゼ、すなわち、切断型サイトケラチン−18の血清濃度を示している(+/− SEM)。
図2は、血清試料における、循環しているヒストン関連DNA断片の測定された光学濃度(O.D.)値を示している(+/− SEM)。
図3は、対象患者の末梢の血清試料におけるカスパーゼ−1/ICEのレベルを示している(+/− SEM)。
図4は、COPD IおよびIIを有している患者において最大となった可溶性のST2の血清濃度を示している(+/− SEM)。
図5は、血清試料におけるIL−10は、試験群間で違いが無いことを示したことを表している(+/− SEM)。
図6は、ICEの血清濃度と患者のパックイヤーの数との間の相関関係(A)、循環しているヒストン関連DNA断片と血清ICEレベルとの間の相関関係(B)、FEV1%VCと血清カスパーゼ切断型サイトケラチン−18との間の相関関係(C)、および抗炎症性マーカーST2とIL−10との間の相関関係(D)を、それぞれ示している。Rは、スピアマンの順位相関係数(spearman’s rank correlation coefficient)。
図7(a、b、c、d、e、f)は、患者および対照群の全身の血流において決定されたヒートショックプロテインおよび20Sプロテアソームの血清レベルを示している。結果は、平均値+/−SEMとして表される。
図8a〜図8dは、HSP27、HSP70と、炎症性サイトカインIL−6および肺の機能パラメーターFEW1%VCとの間のノンパラメトリックな相関関係を示している。R:相関係数
図9は、喫煙している試験群においてCOPDを診断するための、HSP27およびHSP70の感度および特異性を表している受信者動作特性(ROC)曲線を示している。
〔実施例〕
実施例1:
材料および方法:
患者
総数64名の患者を、この場合の対照試験に含んだ。有志で構成された健康な被験者(n=15)、COPDを有していない喫煙者(n=14)、軽度から中等度のCOPDを有している患者(n=19)および重度または極めて重度のCOPDを有している患者(n=16)を、4つの試験群において評価した。患者の特徴を表1に示す。
Figure 2013152236
除外基準は、WHOの指針および慢性閉塞性肺疾患に関する国際指針(GOLD; www.goldcopd.com)または過去14日以内の免疫調節剤の使用、喘息歴、自己免疫疾患、他の関連する肺の疾患(例えば、肺癌、公知のa1−抗トリプシン欠乏症)、またはあらゆる公知の心臓および肺の並存疾患によって規定された急性の悪化であった。身長および体重(Seca; Vogel and Halke, Germany)を測定し、そして体格指数(BMI)を決定した。肺機能のパラメータ−(FEV1,FVC,FEV1:FVC比)は、同じモデルの肺活量計(AutoboxV6200, SensorMedics, Austria)を用いて測定した。測定は、200μgサルブタモールの吸入前に行ない、もし、気流の閉塞に関する基準を満たした場合は、200μgサルブタモールの吸入後15〜30分で行った。動脈血ガス(PaO、PaCO)は、座位にて室内の空気を呼吸しながら、安静時に取得した。動脈血ガスの測定は、ABL 510ガス分析器(Radiometer, Denmark)を用いて行った。結果は、絶対値として表し、そして鉄および石炭に関する欧州共同体が定めた予測方程式(the European Community for Steel and Coal prediction equations)(Quanje PH et al. Eur Respir J Suppl 16 (1993): 5-40)に従って、年齢、性別および身長に関する予測値の割合として表した。予測された正常値は、オーストリア肺医薬学会の参照値に由来した(Harnoncourt K et al., Osterreich Arztetg. 37 (1982): 1640-1642)。血液試料は、肺の評価時に収集した。血清は、遠心分離後に獲得し、そしてさらに試験を行うまで、一定分量に分けて−20℃にて冷凍状態を維持した。
カスパーゼ切断型サイトケラチン−18(ccCK-18)の定量化
M30-Apoptosense ELISA(Peviva, Sweden)を用いて、サイトケラチン−18の新たなエピトープM30のレベルを試料において測定した。つまり、このELISAは、抗体、すなわちアポトーシスによって誘導されるサイトケラチン−18の切断後に露呈する新たなエピトープを認識する抗体を用いる。製造業者によると、M30抗原レベルは、リッターあたりの単位(U/L)にて測定し得る。すなわち、1U/Lは、M30認識モチーフの合成されたペプチドの1.24pmolに相当する。ELISAの感度を、25U/Lであると定めた。試験内および試験間の再現性は<10%であった。試料のOD値を標準希釈物のOD値と比較することによって、血清濃度を算出した。
血清ヒストン関連DNA断片の評価
ヒストン−DNA複合体の血清含有量を定量するために、市販のELISAキットを用いた(Roche Applied Science, Germany)。96ウェルマイクロタイトレーションプレートにおいて、ビオチン共役型マウスモノクローナル抗ヒストン抗体(クローンH11−4)およびペルオキシダーゼ共役型マウスモノクローナル抗DNA抗体(クローンMCA−33)と共に、試料を、室温にて2時間にわたってインキュベートした。ウェルを洗浄した後に、ABTS溶液をそれぞれのウェルに加えた。十分な着色が達成されるまで酵素反応をモニタリングし、そしてプレートを405nmにて読み取った。試料ウェルの平均からブランクウェルのOD値を減じることによって、OD値を算出した。
血清カスペース−1/ICEの定量化
市販の酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)(BenderMedSystems, Austria)を、血清試料における可溶性のカスペース−1/ICEの血清含有量を決定するために用いた。ヒトICEに対するモノクローナル抗体を用いて前もって表面を覆ったマイクロタイトレーションプレートを、試料材料または希釈した標準濃度(400pg/ml〜6.25pg/ml、7段階希釈)と共に、室温にて1.5時間にわたってインキュベートした。プレートを、洗浄バッファーを用いて3回洗浄し、そしてポリクローナルウサギICE抗血清を30分間にわたって加えた。さらなる洗浄ステップ後に、西洋わさびペルオキシダーゼ共役型を30分間適用した。ウェルを洗浄し、そして、TMB基質溶液を、酵素活性を検出するために用いた。硫酸(2N)を用いて反応を停止した。プレートを、Wallac Multilabel counter 1420(PerkinElmer, USA)にて450nmにて読み取った。試料の光学濃度(OD)値を既知の濃度の標準物質のODと比較することによって、濃度を算出した。
インターロイキン−1受容体4/ST2の定量化
我々の試料におけるインターロイキン−1受容体4/ST2(ST2)の血清含有量を決定するために、市販の酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)(R&D Systems, USA)を用いた。マイクロタイトレーションプレートは、ヒトST2に対する捕捉抗体を用いて前もって表面を覆った。プレートを、その後洗浄し、そしてブロッキングした。試料および標準希釈物(2000pg/ml〜31.25pg/ml)を、室温にてインキュベートした。ビオチン化ヤギ抗ヒトIL−1 R4抗体を検出のために用いた。西洋わさびペルオキシダーゼに対して共役したストレプトアビジンの添加後に、TMB基質溶液を酵素活性の検出のために用いた。硫酸(1N)を用いて反応を停止した。プレートを、Wallac Multilabel counter 1420(PerkinElmer, USA)にて、450nmにて読み取った。試料の光学濃度(OD)値を既知の濃度の標準物質のODと比較することによって、濃度を算出した。
インターロイキンー10の定量化
全血の遠心分離後に取得された血清試料におけるインターロイキン−10(IL−10)のレベルを定量化するために、ELISA技術(BenderMedSystems, Austria)を用いた。96ウェルプレートを、特異抗原に対するモノクローナル抗体を用いて表面を覆い、そして4℃にて一晩インキュベートした。洗浄ステップ後に、プレートを、試験バッファーを用いて2時間にわたってブロッキングした。さらなる洗浄ステップの後に、試料および規定された抗原濃度を有する標準物質を、製造業者によって記載されているようにインキュベートした。プレートを、その後洗浄し、そして酵素連結型ポリクローナル抗体を用いてインキュベートした。適切な時間のインキュベーションおよびさらなる洗浄ステップの後に、TMB基質溶液を適用した。その後、Wallac Multilabel counter 1420(PerkinElmer, USA)を用いて着色をモニタリングした。得られたO.D.値を、既知の濃度の抗原を有している標準物質のO.D.値から算出した標準曲線と比較した。
統計的方法
全ての結果を算出するために、SPSSソフトウェア(SPSS Inc., USA)を用いた。p値<0.05を、統計的に有意であると考えた。マン−ホイットニーU検定(Mann-Whitney-U-Test)を用いて、グループ間のペアワイズ比較を行った。スピアマン相関係数(Spearman-Correlation-Coefficient)を用いて相関関係を算出した。結果を、複数の試験に対して補正しなかった。
結果
アポトーシス誘導性のカスパーゼ切断型サイトケラチン−18は、COPDを有している患者において増加していた
健康な喫煙者(119.67U/L[93.85〜145.49])の血清含有量と比較して、COPD I&IIを有している患者(294.96U/L[87.81〜502.11],p=0.008)およびCOPD III&IVを有している患者(464.86U/L[79.69〜850.03],p=0.001)における新たなエピトープM30の上昇した血清レベルが示された。健康な対照群は、M30のレベルのわずかな上昇を示したが(284.08U/L[64.26〜503.90])、この違いは統計的に有意ではなかった(図1)。
ヒストン関連DNA断片の含有量は、重度または極めて重度のCOPDを有している患者において増大していた
COPD III&IVを有している患者における平均OD値を、0.43[0.26〜0.60]であると決定した。このレベルは、健康な対照群の血清におけるヒストンのレベル(0.27[0.12〜0.42],p=0.037)およびCOPDを有していない喫煙者におけるヒストンのレベル(0.26[0.08〜0.45],p=0.022)に対して統計的に有意に違っていた。COPD I&IIを有している患者は、血清のヒストン関連DNA断片のレベルが上昇していた(0.40[0.22〜0.59])、しかし他の群と比較して統計的な効果はなかった(図2)。
血清カスペース−1/ICEレベルは、統計的に有意な違いを示さなかった
血清試料におけるICEの濃度は、健康な対照群に関して84.86pg/ml([64.85〜104.87],95%信頼区間[CI])であり、COPDを有していない喫煙者に関して102.76pg/ml[56.59〜148.93]であった。COPD GOLDステージ I&IIを有している患者は、114.56pg/ml[78.98〜150.14]の中程度に高い平均含有量を示し、そして、COPD III&IVを有している患者は、COPD I&IIと比較して、111.87pg/ml[82.21〜141.53]の平均血清レベルを有していた。いずれの群間にも有意な違いは無かった(図3)。
ST2の血清レベルは、COPDを有している患者において増大している
健康な喫煙者の血清含有量(94.01pg/ml[11.57〜176.46])と比較して、COPD I&IIを有している患者におけるST2の血清レベルの上昇を示すことができた(251.80pg/ml[45.74〜457.85],p=0.031)。全ての他の群の比較は、有意な違いを示さなかった;健康な対照群(99.86pg/ml[41.86〜157.86]),COPD III&IV(127.24pg/ml[51.72〜202.75])(図4)。
血清IL−10レベルは、統計的に有意な違いを示さなかった
血清試料におけるIL−10の濃度は、健康な対照群に関して8.84pg/ml([−6.14〜23.81])であり、COPDを有していない喫煙者に関して10.25pg/ml[−3.84〜24.34]であった。COPD GOLDステージI&IIを有している患者は、11.57pg/ml[−8.49〜31.62]の含有量を示し、そしてCOPD III&IVを有している患者は、0.63pg/ml[−0.71〜1.97]のより低い平均血清レベルを有していた。いずれの群間にも有意な違いは無かった(図5)。
結論
慢性閉塞性肺疾患は、肺の組織の慢性的な炎症および他の臓器系の付随する疾患によって特徴付けられる。この過程は、長年の喫煙を通じて主に引き起こされると考えられる。パックイヤー(pack-years)の数と、炎症誘発性カスペース−1 ICE(ICE)の血清濃度との間の強い相関関係を示すことができた。これは、全身性の炎症反応における喫煙習慣の直接の影響を示唆している(図6A)。アポトーシス特異的な可溶性のccCK−18およびヒストン関連DNA断片(ヒストン群)の上昇したレベルを、COPD GOLD I&IIおよびGOLD III&IVを有している患者において見出すことができた(図1、2)。生物活性タンパク質ICEの血清含有量は、ヒストン群のレベルと有意に相関していた(図6B)。アポトーシスを起こしている細胞において、エンドヌクレオソーム活性は、DNAの切断をもたらし、そして、細胞核に対して付着されていない、長いクロマチン断片、H1リッチな短いオリゴヌクレオソームおよびモノヌクレオソーム(ヒストン群と称される)を生成する。アポトーシス特異的なヒストン−DNA複合体の放出は、免疫活性化に起因した恒常的な再構築の結果であると考えられる。
COPDの発症機序は、病気に感染し易い患者における自然免疫系および獲得免疫系の活性化およびアポトーシス誘発性シグナルの増加に起因した肺の組織の変性に関連している。慢性的な炎症は、ICE、すなわち触媒残基として備えられたCys285を有し、21kDaの生物学的に不活性型のIL−1β前駆体をAsp116〜Ala117において切断し、IL−1βの17.5kDaの成熟した形態を生成する、タンパク質分解酵素のレベルの増加を引き起こす。活性型酵素は、2つの同一ではないサブユニット(p10およびp20)からなり、これらの両方は、酵素の活性にとって不可欠であり、そしてそれゆえ、内皮および上皮細胞を含む種々の細胞のアポトーシスにおいて重要な役割を担っている。アポトーシスによるターンオーバーは、サイトケラチン−18(CK−18)等の細胞の中間径フィラメントの遊離をもたらす。CK−18は、中間径フィラメントの主要な構成要素であり、そして上皮および内皮組織によって広範囲にわたって発現されている。アポトーシスを起こしている細胞において、CK−18は、リン酸化され、そしてマイクロフィラメントは速やかにに凝集する。細胞のストレスの異なる状態は、CK−18の重合を変化させるだけでなく、細胞質性のマイクロフィラメントの再編成を増加させる。その結果、カスペース媒介型のCK−18の切断がアポトーシスの間にわたって生じ、そして抗体M30によって認識される、特異的な新たなエピトープの形成を引き起こす。この抗体の結合特異性は、アポトーシス性のCK−18の変性産物(カスペース切断型CK−18[ccCK−18])に制限される。興味深いことに、GOLD指針を用いたCOPDの分類によると、可溶性のccCK−18の存在は、肺の機能の障害に関連していた(図6C)。
上記のデータは、血清試料におけるアポトーシスに依存した肺の変性を示唆している。サイトケラチン−18の切断およびccCK−18の血流への放出は、疾患の進行と共に起こり、そして患者の罹患をモニタリングするために用いられ得る。
以前の研究は、COPD患者におけるTH1サイトカイン環境の優位性を実証した。炎症は、IL−10のような抗炎症特性を有していることが知られているタンパク質の分泌と常に付随して起こるので、T1/ST2と称される、自然免疫系に関連することが知られている他のタンパク質を調査した。この可溶性の分子は、TH1/TH2に関連した免疫反応を調節すると考えられる。COPD I&IIを有している患者における抗炎症性ST2血清レベルの有意な増大が観察されたが、重度のCOPDにおいては観察されなかった。これらの観察は、自己免疫疾患、敗血症、並びに線維症および喘息のような肺特異的な疾患と同様に、COPDは自然免疫の活性化および制御の増加したマーカーを明示することを示唆している。
最近の研究は、自然免疫細胞に対する微生物成分の存在下において、Toll様受容体(TLRs)が、哺乳類のパターン認識受容体シグナルとして機能することを示した。少なくとも10種類の哺乳類TLRファミリーが報告され、それぞれのTLRは微生物の分子パターンに関する明確な特異性を示している。活性化リガンド、例えば、リポ多糖類(LPS)のTLRへの結合は、NF−κBの活性化を誘導し、これによって、炎症誘発性サイトカインの産生および放出を引き起こす。LPSに対する前曝露は、LPSを用いた第2の暴露に対する感度を低下させ、その結果、げっ歯類およびヒトの両方における多数のサイトカインの産生の低下をもたらすことが一般に受け入れられている。TLRによって誘導される寛容の分子メカニズムは、TLR4−MD2複合体の下方制御を含んでいてもよく、この複合体は、TLRシグナルの低下を引き起こすかもしれない。さらに、サイトカインシグナルの抑制因子(suppressor of cytokine signalling)(SOCS−1)と同様に、IRAK−MおよびIRAK−1の発現は、内毒素耐性(endotoxin tolerance)に関与していることが示された。
いくつかの研究は、内毒素耐性の誘導におけるToll/IL−1受容体(TIR)ファミリーメンバーであるST2に関する重要な役割を想定している。ST2はTH2細胞、肥満細胞およびマクロファージによって発現される。急性肺障害のモデルにおいて、LPS刺激後に上方制御されることおよびサイトカインの発現を制御することが示されている。COPDの開始におけるST2の分泌は、MyD88の分離を介したTLR4およびIL−1Rシグナルの負の制御因子として働く。臨床的な状況において、これは、過剰に活性化した獲得免疫系および自然免疫系による肺の破壊を予防するために、全身性のT1/ST2が防御性の血清タンパク質として機能することを意味しているかもしれない。この知見は、試験対象群におけるT1/ST2が血清IL−10レベルに大いに相関しているという観察に関連している。
結果は、COPDを有している患者が、アポトーシス性のターンオーバー並びに全身性の血流におけるccCK−18およびヒストン−DNA複合体の放出の増加を明示することを示唆している。健康な喫煙者と比較して、COPD I&IIを有している患者における可溶性のT1/ST2の増加がさらに見出された。COPDの初期における抗炎症性ST2のレベルの増加は、慢性的な炎症反応を制御するための負のフィードバックループである可能性があるかもしれない。さらに、可溶性のICEが喫煙歴(パックイヤー)に大いに相関し、有害な吸引に起因する炎症の誘発を示唆していることを示すことができた。同定された血清マーカーは、COPDの発症および進行の危険性がある患者を特定するために役立つ。
実施例2:
材料および方法
患者
この実施例において用いられた患者のプールは、実施例1において用いられた患者のプールと同じであった。
ヒートショックプロテイン27、60および70
HSP27、HSP60、およびHSP70のレベルを、細胞内のHSPの定量化に適した酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)キット(Duoset IC; R&D Systems, USA)を用いて決定した。96ウェルマイクロタイタープレートを、1μg/mlの濃度における捕捉抗体を用いて、4℃にて一晩、表面を覆った。プレートのブロッキングの後に、異なる濃度における血清試料および標準タンパク質をウェルに添加した。洗浄ステップの後に、ビオチン標識された抗体を、それぞれのウェルに添加し、そして1時間にわたってインキュベートした。プレートを洗浄し、そしてストレプトアビジン−HRPを添加した。着色反応をテトラメチルベンジジン(TMB; Sigma, USA)を用いて達成し、そして酸停止溶液によって停止した。光学濃度をELISAリーダーにおいて450nmにて測定した。
ヒートショックプロテイン90α
HSP90αの血清レベルを、市販の既製のELISAキット(Stressgen, USA)を用いて測定した。つまり、抗ヒトHSP90抗体を用いて前もって表面を覆った96ウェルマイクロタイタープレートにおいて、血清試料および標準物質をインキュベートした。洗浄ステップ後に、抗HSP90:HRP共役型抗体を添加し、そしてプレートを24時間にわたってインキュベートした。プレートを洗浄し、そしてTMB基質を加えた。着色を酸停止溶液によって停止し、そして光学濃度を450nmにて決定した。それぞれの試料におけるタンパク質の量を、既知のレベルのHSP90に関して作成した光学濃度値の標準曲線に従って算出した。ELISAの感度は、50pg/mlであると決定した;製造業者によって試験間のばらつきは10%より小さいと述べられている。
20Sプロテアソーム
マイクロタイタープレートを、20Sプロテアソームのα6−サブユニットに対するモノクローナル抗体(Biomol, USA)を用いて、4℃にて一晩インキュベートした。プレートを洗浄し、そしてリン酸緩衝生理食塩水における1%BSAを用いて、1時間にわたってブロッキングした。血清試料および異なる濃度の標準タンパク質(Biomol)を添加し、その後、プレートを密封し、そして4℃にて24時間にわたってインキュベートした。検出抗体として、20Sプロテアソームα/βサブユニットに対するウサギポリクローナル抗体(Biomol)を添加した;そして洗浄ステップの後で、ペルオキシダーゼ標識されたロバ抗ウサギIgG(Jackson ImmunoResearch, United Kingdom)を用いて、さらに2時間にわたってプレートをインキュベートした。テトラメチルベンジジンは、着色基質として働いた。1N硫酸を添加することによって反応を停止した。プレートを、Wallac Multilabel counter 1420(PerkinElmer, USA)を用いて450nmにて読み取った。
インターロイキン−6
IL−6の血清レベルを、市販のELISAキット(BenderMedSystems, Austria)を用いて決定した。検定を、製造業者の指示に従って実施した。プレートを、ELISAリーダーにおいて450nmにて読み取り、そして、試料の光学濃度値を、既知のIL−6濃度の光学濃度値と比較することによってIL−6含有量を算出した。
統計的方法
全ての結果を算出するために、SPSSソフトウェア(SPSS Inc., USA)を用いた。p値<0.05を、統計的に有意であると考えた。マン−ホイットニーU検定を用いて、グループ間でペアワイズ比較を行った。スピアマン相関係数を用いて相関関係を算出した。
結果
HSP27
HSP27の血清レベルは、健康な対照群において2042.57pg/ml[1599.58〜2485.57](平均値[95%信頼区間])、健康な喫煙者において2199.64[1641.52〜2757.75]、COPD GOLD I−IIにおいて2862.62[2280.49〜3444.74]、およびCOPD GOLD III−IVにおいて3717.58[3079.35〜4355.81]であった。健康な対照群とCOPD I−IIとの間(p=0.025)、健康な対照群とCOPD III−IVとの間(p<0.001)、健康な喫煙者とCOPD III−IVとの間(p=0.001)、およびCOPD I−IIとCOPD III−IVとの間(p<0.001)には、統計的に有意な違いが見出された(図7a)。
HSP60
HSP60の血清レベルは、健康な対照群において1836.69pg/ml[153.30〜3520.08]、健康な喫煙者において4378.40[−3851.48〜12608.28]、COPD GOLD I−IIにおいて3497.42[−1561.38〜8556.23]、およびCOPD GOLD III−IVにおいて531.81[132.57〜931.05]であった。群間に統計的に有意な違いは見出されなかった(図7b)。
HSP70
HSP70の血清レベルは、健康な対照群において140.50pg/ml[67.97〜213.04]、健康な喫煙者において108.50[43.30〜173.69]、COPD GOLD I−IIにおいて454.29[327.05〜581.52]、およびCOPD GOLD III−IVにおいて437.92[143.41〜732.42]であった。健康な対照群とCOPD I−IIとの間(p<0.001)、健康な対照群とCOPD III−IVとの間(p=0.009)、健康な喫煙者とCOPD I−IIとの間(p<0.001)、および健康な喫煙者とCOPD III−IVとの間(p<0.001)において統計的に有意な違いが見出された(図7c)。
HSP90α
HSP90αの血清レベルは、健康な対照群において13133.78pg/ml[9791.40〜16476.15]、健康な喫煙者において12827.91[10838.21〜14817.62]、COPD GOLD I−IIにおいて17884.50[13307.14〜22461.85]、およびCOPD GOLD III−IVにおいて17273.02[12573.96〜21972.08]であった。健康な対照群とCOPD I−IIとの間(p=0.025)、および健康な対照群とCOPD III−IVとの間(p=0.049)において統計的に有意な違いが見出された(図7d)。
20Sプロテアソーム
20Sプロテアソームの血清レベルは、健康な対照群において194.78ng/ml[164.94〜224.62]、健康な喫煙者において188.25[159.26〜217.25]、COPD GOLD I−IIにおいて172.33[133.78〜210.88]、およびCOPD GOLD III−IVにおいて187.50[145.54〜229.46]であった。群間に統計的に有意な違いは見出されなかった(図7e)。
インターロイキン−6
IL−6の血清レベルは、健康な対照群において5.18pg/ml[0.17〜10.19]、健康な喫煙者において1.65[−0.11〜3.42]、COPD GOLD I−IIにおいて7.14[1.19〜13.09]、およびCOPD GOLD III−IVにおいて2.99[0.99〜5.00]であった。健康な喫煙者とCOPD I−IIとの間に統計的に有意な違いが見出された(p=0.017)。
相関関係および回帰モデル
HSP、FEV1%VCおよびIL−6間の相関を図8a〜8dに示す。健康な喫煙者およびCOPDを有している患者のみを含む一変量ロジスティック回帰モデルにおいて、HSP27は、受信者動作特性(ROC)曲線における曲線下面積(AUC)が0.763(0.624〜0.902:95%Cl;p=0.004)であり、そしてHSP70は、AUCが0.885(0.786〜0.983:95%Cl;p<0.001)であった。全ての他の変数は、一変量ロジスティック回帰検定によってもたらされる有意な結果を示さなかった(図9)。
結論:
慢性閉塞性肺疾患に罹患している患者は、気管支の気道、末梢の気道、および肺の実質の進行性の炎症を提示している。肺の生検は、自然免疫系および獲得免疫系の一部としての好中球、マクロファージ、およびリンパ球による、末梢気管支組織の広範囲の浸潤を明らかにした。これらの細胞の活性化は、肺の組織の再構築を引き起こすと信じられている。組織の再構築のゆっくりとした進行過程には、かなりの量の細胞の破壊が付随して起こる。COPDにおいて、好中球および細胞傷害性T細胞を含む両方の内因性の因子は、タバコの煙のような外因的な刺激と同様に、組織の破壊の一因となると考えられる。しかし、喫煙の停止によって、炎症性の反応の機能的な障害は変らない。
炎症性のシグナルの誘導および増加した細胞のターンオーバーは、細胞内のヒートショックプロテインの上方制御および細胞外環境への増大された放出をもたらす。この実施例において、健康な喫煙者と比較した場合の、COPDに罹患している患者の末梢の血流から取得された血清試料におけるHSP27の有意な増加を示すことができた。HSP27は、アポトーシスによる細胞死の防止のみならず、細胞内のタンパク質の安定性および正確な翻訳後の折りたたみを目的とした修復機構として機能する。HSP27の上昇した血清レベルは、急性の冠不全症候群および慢性的な同種移植腎症を含む炎症性の障害において報告された。HSP27の発現は、ストレスイベントに対する応答として一時的に誘導される。急性的な誘発の終了は、HSP27濃度の正常レベルへの迅速な下方制御をもたらす。それゆえ、HSP27は、細胞保護作用が要求される場合に上方制御されるだけである。興味深いことに、結果は、疾病の重症度に付随した血清HSP27濃度の継続的な増加と、血清の炎症性IL−6との強い相関とを示す。この効果は、血管床へのHSP27の全身性の漏出をもたらす、特にCOPDの後期における増加した組織の荒廃および他の臓器系への炎症性の疾患の広がりが原因であるかもしれない。HSP27は、一般に、抗アポトーシス媒介物として働き、そしてCOPDの臨床的な環境における過剰な炎症を制御するための、内因性の免疫抑制性の試みとして考えられ得る。さらに、HSP27の血清含有量は、ロジスティック回帰モデルにおいてCOPDの発症を決定するための高い感度と特異性とを示した。
細胞外のHCP60の役割は十分に明らかにされていない。本明細書において提供されたデータは、COPDの発症機序における重要な要素であるHSP60に関するいずれのサポートも提供していない。HSP60の血清濃度は、他のHSPのレベルと相関しなかった。
HSP70の血清レベルは、COPDの初期および後期のGOLDステージにおける患者において上昇していた。症状のない喫煙者と比較したGOLD I−II群において、4倍の増加が証明された。HSP70は、細胞死の結果としてまたは種々の分泌経路を使って細胞外の空間に放出される細胞内シャペロンである。細胞外のHSP70は、自然免疫系および獲得免疫系の細胞を活性化し、そしてサイトカイン産生を刺激することが報告されている。COPD試料における可溶性のHSP70の増加した濃度が見出された。値は、COPD I−II群において最大となった。これは、疾患の初期のステージにおいて最初の膨大な免疫活性化が開始することを示唆している。さらに、HSP70レベルは、HSP27、HSP90αおよびIL−6のレベルと有意に相関し、そしてそれゆえ、COPDにおける免疫活性化に付随する全身性の「危険シグナル」の一部である。さらに、HSP27の血清含有量は、ロジスティック回帰モデルにおいてCOPDの発症を決定するための高い感度と特異性を示した。
可溶性のHSP90αは、健康な非喫煙者と比較した場合に、COPD群における末梢の血流において有意に上方制御されていた。HSP90αの上昇したレベルは、オンポンプの冠動脈バイパス術および低酸素症後の創傷治癒において以前に示されていた。HSP90は、主要組織適合複合体クラスII分子(MHCII)を介したTリンパ球に対する抗原提示における中心的な因子としても特徴付けられた。データを用いた概要において、COPDにおける細胞外のHSP90αの上昇したレベルは、獲得免疫系の必須の誘導因子であり、自己抗原に対する可能性のある自己反応性の応答を引き起こす。HSP90αのこの機能は、関連付けられた抗原の免疫原性を変えるかもしれない。それゆえ、HSP90αは、主要組織適合複合体分子との関連において、関連付けられたペプチドのクロスプレゼンテーションを介した免疫調節作用を有している。
20Sプロテアソームの細胞外の血清含有量は、調査された試験群において統計的に増加または減少していなかった。レベルは、全ての群において200ng/mL未満にとどまり、そしてCOPDの進行において補助的に重要であるようである。
COPDを有している患者において、可溶性の免疫調節性ヒートショックプロテイン27、70および90αの上昇した血清濃度をまとめることができた。血管床へのこの流出は、COPDの悪化における免疫系の継続的な活性化によって、内因性および外因性の誘発機構を介して、少なくとも部分的に引き起こされる。さらに、HSP27およびHSP70は、COPDの初期のステージにおける気道の閉塞を検出する診断的マーカーとしての機能を果たすための優れた統計的な動向を示した。
抗体M30を用いることによって検出された、可溶性のアポトーシス特異的カスパーゼ、すなわち、切断型サイトケラチン−18の血清濃度を示している(+/− SEM)。 血清試料における、循環しているヒストン関連DNA断片の測定された光学濃度(O.D.)値を示している(+/− SEM)。 対象患者の末梢の血清試料におけるカスパーゼ−1/ICEのレベルを示している(+/− SEM)。 COPD IおよびIIを有している患者において最大となった可溶性のST2の血清濃度を示している(+/− SEM)。 血清試料におけるIL−10は、試験群間で違いが無いことを示したことを表している(+/− SEM)。 ICEの血清濃度と患者のパックイヤーの数との間の相関関係を示している。Rは、スピアマンの順位相関係数 循環しているヒストン関連DNA断片と血清ICEレベルとの間の相関関係を示している。Rは、スピアマンの順位相関係数 FEV1%VCと血清カスパーゼ切断型サイトケラチン−18との間の相関関係を示している。Rは、スピアマンの順位相関係数 抗炎症性マーカーST2とIL−10との間の相関関係を示している。Rは、スピアマンの順位相関係数 患者および対照群の全身の血流において決定されたヒートショックプロテインの血清レベルを示している。結果は、平均値+/−SEMとして表される。 患者および対照群の全身の血流において決定されたヒートショックプロテインの血清レベルを示している。結果は、平均値+/−SEMとして表される。 患者および対照群の全身の血流において決定されたヒートショックプロテインの血清レベルを示している。結果は、平均値+/−SEMとして表される。 患者および対照群の全身の血流において決定されたヒートショックプロテインの血清レベルを示している。結果は、平均値+/−SEMとして表される。 患者および対照群の全身の血流において決定された20sプロテアソームの血清レベルを示している。結果は、平均値+/−SEMとして表される。 患者および対照群の全身の血流において決定されたヒートショックプロテインの血清レベルを示している。結果は、平均値+/−SEMとして表される。 HSP27と炎症性サイトカインIL−6との間のノンパラメトリックな相関関係を示している。 HSP27と肺の機能パラメーターFEW1%VCとの間のノンパラメトリックな相関関係を示している。 HSP70と炎症性サイトカインIL−6との間のノンパラメトリックな相関関係を示している。 HSP70と肺の機能パラメーターFEW1%VCとの間のノンパラメトリックな相関関係を示している。 喫煙している試験群においてCOPDを診断するための、HSP27およびHSP70の感度および特異性を表している受信者動作特性(ROC)曲線を示している。

Claims (17)

  1. ヒト被験体における慢性閉塞性肺疾患(COPD)またはヒト被験体がCOPDを発症する危険性を診断するために用いられるデータの取得方法であり、以下のステップを包含している方法:
    − ヒト被験体由来の試料における、ヒートショックプロテイン27(HSP27)の量を決定するステップ、
    − HSP27の量を、健康なヒト被験体におけるHSP27の量と比較するステップ。
  2. さらにインターロイキン−1受容体4(ST2)の量が決定され、
    この場合、ST2の量が、健康なヒト被験体におけるST2の量と比較されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 上記試料は、血液、血清または血漿であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)およびウエスタンブロットからなる群から選択される免疫学的検定によって、ヒートショックプロテイン27(HSP27)の量が決定されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 健康なヒト被験体の血液試料におけるインターロイキン−1受容体4(ST2)の量が、50〜150pg/mlの範囲であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 健康なヒト被験体の血液試料におけるインターロイキン−1受容体4(ST2)の量が、60〜140pg/mlの範囲であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 健康なヒト被験体の血液試料におけるインターロイキン−1受容体4(ST2)の量が、70〜130pg/mlの範囲であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 健康なヒト被験体の血液試料におけるヒートショックプロテイン27(HSP27)の量が、1500〜2000pg/mlの範囲であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  9. 健康なヒト被験体の血液試料におけるヒートショックプロテイン27(HSP27)の量が、1600〜2400pg/mlの範囲であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 健康なヒト被験体の血液試料におけるヒートショックプロテイン27(HSP27)の量が、1700〜2300pg/mlの範囲であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 試料におけるインターロイキン−1受容体4(ST2)および/またはHSP27の量が、健康なヒト被験体におけるST2および/またはHSP27の量と比較して、少なくとも10%増加していることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 試料におけるインターロイキン−1受容体4(ST2)および/またはHSP27の量が、健康なヒト被験体におけるST2および/またはHSP27の量と比較して、少なくとも20%増加していることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 試料におけるインターロイキン−1受容体4(ST2)および/またはHSP27の量が、健康な被験体におけるST2および/またはHSP27の量と比較して、少なくとも10%減少していることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  14. 試料におけるインターロイキン−1受容体4(ST2)および/またはHSP27の量が、健康な被験体におけるST2および/またはHSP27の量と比較して、少なくとも20%減少していることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. ヒト被験体において、COPDステージI/IIとCOPDステージIII/IVとを識別するために用いられるデータの取得方法であり、下記のステップを包含している方法:
    − COPDに罹患しているヒト被験体由来の試料における、ヒートショックプロテイン27(HSP27)の量を決定するステップ、
    − HSP27の量を、COPDステージIII/IVに罹患しているヒト被験体由来の試料において決定されたHSP27の量と比較するステップ、または、
    − HSP27の量を、COPDステージI/IIに罹患しているヒト被験体由来の試料において決定されたHSP27の量と比較するステップ。
  16. さらにインターロイキン−1受容体4(ST2)の量が決定され、
    この場合、ST2の量が、COPDステージIII/IVに罹患しているヒト被験体由来の試料において決定されたST2の量と比較されるか、または
    ST2の量が、COPDステージI/IIに罹患しているヒト被験体由来の試料において決定されたST2の量と比較される、請求項15に記載の方法。
  17. ヒト被験体における慢性閉塞性肺疾患(COPD)の進行をモニタリングするために用いられるデータの取得方法であり、以下のステップを包含している方法:
    − ヒト被験体由来の試料におけるヒートショックプロテイン27(HSP27)の量を決定するステップ、
    − 上記ヒト被験体の上記試料におけるHSP27の量を、上記ヒト被験体の初期の試料において決定された上記ヒト被験体由来の試料におけるHSP27の量と比較するステップ。
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