JP2013152201A - レーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物の方位を短時間で高精度に行えるレーダ装置を提供すること。
【解決手段】レーダ装置は、信号生成手段10と、位相器20と、送信アンテナ40−1〜40−4と、受信アンテナ50と、信号処理手段70と、を有している。互いに周波数が直交した3つの信号を生成し出力する。3つの信号は4分配され、それぞれ位相差が制御された後合成されて送信アンテナ40−1〜40−4に出力される。送信アンテナ40−1〜40−4からは3つの信号の周波数ごとに異なる3つの方向にビームが同時に放射される。信号処理手段70は、受信信号の周波数解析を行い、3つの信号の周波数における信号強度から対象物の方位を測定する。周波数の直交性により、それぞれのビームを干渉させずに同時に複数の方向にビームを放射させることができる。また、周波数帯域を狭域として効率的かつ有効に活用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、周波数が互いに直交した信号を異なる方向に同時に送信するレーダ装置に関する。
従来、車載レーダ装置では、送信アンテナを1つ、受信アンテナを複数用意して、位相モノパルス方式やデジタル・ビーム・フォーミング方式などによって対象物の方位推定を行っている。また、対象物の距離、速度を測定する方式として、多周波CW方式(たとえば特許文献1)、FMCW方式、パルス圧縮方式などの方式が用いられている。これらの方式における距離測定の原理は、多周波CW方式は位相差、FMCW方式は周波数、パルス圧縮方式は時間遅延、によるものである。
また、特許文献2には、複数のアンテナと、各アンテナのオンオフを切り換えるスイッチとを有したレーダ装置が示されている。このレーダ装置では、スイッチによってオンにするアンテナを選択することにより、デジタルマルチビーム形成を行っている。
また、特許文献3には、複数の受信アンテナとデジタルマルチビーム形成器とを有したレーダ装置が示されている。このレーダ装置では、マルチビーム形成荷重行列とマルチビーム数を観測対象距離に応じて変えることにより、近距離測定と遠距離測定の双方を行うことができるようにしている。
また、特許文献4には、異なる擬似ランダム符号を用いることにより、異なる方向にビームを放射させるレーダ装置が示されている。異なる擬似ランダム符号を用いているため相互相関が低く、干渉する可能性が低いためマルチビームとして成立している。
特開2008−145425 特開2009−31185 特開2008−286696 特開2009−69022
しかし、送信アンテナが1つである従来の車載レーダ装置では、対象物を検出したい範囲全体に電波を照射する必要があり、多くの対象物が様々な方向に存在する場合、受信方式に工夫をしても正しく対象物を区別してそれぞれの方位を検出することは困難である。特にモノパルス方式では、ほぼ同じ距離にある複数の対象物からの反射波は合成され、反射波の位相や強度だけでは対象物の方位を区別することができなくなってしまう。
また、特許文献2のレーダ装置では、スイッチによってアンテナのオンオフを切り換えることでビームパターンを変化させる方式であり、同時刻に様々な方向へ送信するものではない。よって方位の測定に時間がかかるという問題がある。また、車載用レーダ装置で用いられる60GHz帯や76GHz帯の周波数帯域では、スイッチング素子が高価であり、レーダ装置のコストが高くなってしまう問題もある。
また、特許文献3のレーダ装置では、後段での信号処理負荷が非常に高く、精度よく方位推定を行うことは困難である。
また、特許文献4のレーダ装置では、ビームの指向性を変化させることができないという問題がある。
そこで本発明の目的は、対象物の方位測定を精度よく、かつ短時間で行うことができるレーダ装置を提供することである。
第1の発明は、信号を送信し、対象物による反射波を受信して対象物を検出するレーダ装置において、全体でのビームの放射方向がM通りであり、それらのビームが同時に放射されるN(≧2)本の送信アンテナと、互いに周波数が直交するM(≧2)個の信号を生成する信号生成手段と、信号生成手段からのM個の信号それぞれをN個に分配し、送信アンテナから放射されるビームの放射方向がM通りとなるよう各信号の位相差を制御し、各送信アンテナに対応したM個の信号をそれぞれ合成して、各送信アンテナでそれぞれ送信されるN個の信号とする位相制御手段と、対象物からの反射波を受信する受信アンテナと、受信アンテナにより受信した受信信号を処理して対象物の検出を行う信号処理手段と、を有することを特徴とするレーダ装置である。
信号生成手段は、M個の信号の周波数間隔を、基本周波数とすることが望ましい。つまり、M個の信号の周波数は、基本周波数の連続した整数倍となるようにすることが望ましい。レーダ装置が使用する周波数帯域がより狭域となり、周波数帯域をより有効に活用することができる。M個の信号の生成は、IFFT(逆高速フーリエ変換)を用いることで容易に行うことができる。
また、本発明のレーダ装置には、多周波CW方式、2周波CW方式、FMCW方式などの従来知られた対象物の速度・距離測定方式を組み合わることができる。その場合、信号生成手段から出力される複数の信号が互いに周波数直交性を保持した状態で、それぞれの信号が多周波CW方式、2周波CW方式、FMCW方式などの方式により時間的に周波数が変化するように変調すればよい。多周波CW方式や2周波CW方式とする場合、時間的に変化させる周波数のステップ間隔は、基本周波数の整数倍とすることが望ましく、基本周波数とすることがさらに望ましい。レーダ装置が使用する周波数帯域がより狭域となり、周波数帯域をより有効に活用することができるためである。また、多周波CW方式の場合には、必ずしも各ステップの周波数間隔を一定とする必要はない。
送信アンテナは一次元的に配列されていてもよいし、2次元的に配列されていてもよい。それぞれ、ビームの放射方向を1次元的、2次元的とすることができ、対象物の方位測定を1次元的、2次元的とすることができる。送信アンテナが一次元的に配列されている場合には、位相制御手段により位相差を時間的に変化させることでビームを一次元的に走査することが可能であり、2次元的に配列されている場合には、ビームを2次元的に走査することが可能である。送信アンテナを一次元的に配列する場合、その配列方向は水平方向に平行であってもよいし、垂直方向であってもよい。また、ビームを走査させる場合、M通りのビーム放射方向をそれぞれ独立に走査させることが可能である。たとえばM通りの放射方向のビームすべてを走査させる必要はなく、たとえばM通りのうち1つのビームのみを走査させるようにしてもよい。
第2の発明は、第1の発明において、信号生成手段は、生成する信号の周波数間隔を基本周波数とする、ことを特徴とするレーダ装置である。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、信号生成手段は、生成する信号それぞれを多周波CW方式に変調することを特徴とするレーダ装置である。
第4の発明は、第3の発明において、多周波CW方式における周波数のステップ間隔は、基本周波数であることを特徴とするレーダ装置である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明において、M通りの放射方向のビームのうち、少なくとも1つのビームは、位相制御手段により位相差を変化させることにより放射方向を走査させる、ことを特徴とするレーダ装置である。
第6の発明は、信号を送信し、対象物による反射波を受信して対象物を検出するレーダ装置において、互いに周波数が直交する少なくともM(≧2)個の信号を生成する信号生成手段と、互いに放射方向が異なり、信号生成手段により生成された信号をそれぞれM通りの放射方向に同時に放射させるM個の送信アンテナと、対象物からの反射波を受信する受信アンテナと、受信アンテナにより受信した受信信号を処理して前記対象物の検出を行う信号処理手段と、を有することを特徴とするレーダ装置である。
本発明のレーダ装置では、周波数を直交させ、それぞれの周波数で異なる方向に同時にビームを形成している。この周波数の直交性により、それぞれのビームを干渉させずに同時に複数の方向にビームを放射させることができる。また、周波数を直交させているため、各ビームの周波数を近接させて周波数帯域を狭域とすることができ、電力の利用効率を高めることができるとともに、周波数帯域を効率的かつ有効に活用することができる。また、複数の方向に同時にビームを放射させることができるため、短時間で高精度に対象物の方位測定を行うことができる。また、第1の発明のレーダ装置では、位相制御手段により位相を変化させることで、それぞれのビームを走査させることも可能である。
また、第1の発明のレーダ装置では、それぞれのビームを異なる用途に用いることもできる。たとえば、車載用レーダ装置として用いる場合に、車両正面方向、車両前方斜め右方向、車両前方斜め左方向にそれぞれビームを形成し、車両前方斜め右方向および左方向へのビームは、走査させずに放射方向を固定して走路形状認識用に用い、車両正面方向のビームは走査させて障害物等の監視用に用いる、というような使用も可能である。
また本発明のレーダ装置は、多周波CW方式を併用するのに適している。周波数帯域を効率的に利用して電力の利用効率を高めつつ、複数の方向にビームを出すことができ、複数の対象物を識別して距離、速度を測定することができる。
また、第2〜5の発明によると、レーダ装置が使用する周波数帯域をより狭域とすることができ、周波数帯域をより効率的かつ有効に活用することができる。
実施例1のレーダ装置の構成を示した図。 信号の周波数と時間との関係を示したグラフ。 各信号の位相関係を示した表。 ビームの放射方向を示した図。 信号の周波数と時間との関係を示した他の例のグラフ。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1のレーダ装置の構成を示した図である。図1のように、実施例1のレーダ装置は、信号生成手段10と、信号生成手段10に接続された位相器20(本発明の位相制御手段)と、位相器20に接続されたミキサ30−1〜30−4と、各ミキサ30−1〜30−4にそれぞれ接続された送信アンテナ40−1〜40−4と、受信アンテナ50と、受信アンテナ50に接続されたミキサ60と、ミキサ60に接続された信号処理手段70と、キャリア周波数発生器80と、によって構成されている。このレーダ装置は車載用であり、車両のフロントグリル部に取り付けられ、車両の進行方向前方の対象物を検出するのに用いる。
以下、実施例1のレーダ装置の構成について、より詳細に説明する。
信号生成手段10は、互いに周波数が直交した3つの信号を生成し出力する。3つの信号は、互いに周波数直交性を保持した状態で、それぞれが多周波CW方式により時間的に周波数が変化する。図2は、3つの信号の周波数と時間との関係を示したグラフである。図2のように、3つの信号の周波数は、いずれの時間においても、基本周波数f0の連続した整数倍となっていて、3つの信号はf0の間隔で連続している。以下では、3つの信号のうち最も周波数の低い信号を第1信号、次に低い信号を第2信号、最も周波数の高い信号を第3信号と呼ぶこととする。また、第1〜3信号それぞれは、Δtの間隔で周波数がf0増加していて、図2のように時間経過とともにステップ状に周波数が増加している。このステップ状の周波数変化を周期nΔt(nは2以上の整数)で繰り返している。すなわち、第1〜3信号それぞれは、多周波CW方式によって周波数が時間変化している。具体的には、第1信号は、Δt経過ごとに周波数がf0、2f0、3f0、・・・ 、nf0、f0、2f0、・・・ と繰り返し、第2信号は、Δt経過ごとに周波数が2f0、3f0、・・・ 、nf0、(n+1)f0、2f0、・・・ と繰り返し、第3信号は、Δt経過ごとに周波数が3f0、4f0、・・・ 、(n+1)f0、(n+2)f0、3f0、・・・ と繰り返している。信号生成手段10における信号の生成は、IFFTを用いることで容易に行うことができる。
なお、実施例1では第1〜3信号の周波数はf0の間隔で連続するようにしているが、必ずしもそのようにする必要はなく、基本周波数をf0として第1〜3信号の周波数が互いに直交していればよい。たとえば2f0の間隔で連続していたり、第1信号と第2信号の間隔がf0、第2信号と第3信号の間隔が2f0であったりしてもよい。ただし、実施例1のように第1〜3信号の周波数をf0の間隔で連続するようにすることが望ましい。周波数帯域を狭域として、周波数帯域を効率的かつ有効に活用することができるためである。
同様に、多周波CW方式における周波数のステップ間隔も、第1〜3信号の直交性を維持するために、基本周波数の整数倍となっているのであれば任意の間隔でよい。ただし、周波数帯域を狭域として、周波数帯域を効率的かつ有効に活用するためには、実施例1のように、周波数のステップ間隔は基本周波数とすることが望ましい。
位相器20は、信号生成手段10からの3つの信号(第1〜3信号)を、それぞれ4つに分配する。そして、送信アンテナ40−1〜40−4全体でのビーム放射方向が、車両前方斜め右方向、車両正面方向、車両前方斜め左方向、の3通りの方向となるように、それぞれの信号の位相差を制御する。具体的には、図3に示した表のように、第1信号については、送信アンテナ40−1〜4にそれぞれ出力される信号の位相差を、0°、+a°、+2a°、+3a°とし、第2信号については、送信アンテナ40−1〜40−4に出力される信号の位相差をすべて0°とし、第3信号については、送信アンテナ40−1〜40−4にそれぞれ出力される信号の位相差を、0°、−a°、−2a°、−3a°とする。次に、それらの信号を送信アンテナ40−1〜40−4ごとに合成して(図3の表において各行ごとの3つの信号を合成する)、4つの信号を生成し出力する。すなわち、送信アンテナ40−1によって送出する、位相差が0°の第1〜3信号を合成し、送信アンテナ40−2によって送出する、位相差が+a°の第1信号と、位相差が0°の第2信号と、位相差が−a°の第3信号とを合成し、送信アンテナ40−3によって送出する、位相差が+2a°の第1信号と、位相差が0°の第2信号と、位相差が−2a°の第3信号とを合成し、送信アンテナ40−4によって送出する、位相差が+3a°の第1信号と、位相差が0°の第2信号と、位相差が−3a°の第3信号とを合成して、それら4つの信号を出力する。
ミキサ30−1〜30−4、60は、側帯波を抑制するSSBミキサである。ミキサ30−1〜30−4は、キャリア周波数発生器80からの搬送波と位相器20からの信号とを混合し、アップコンバートして送信アンテナ40−1〜40−4に出力する。キャリア周波数発生器80は、車載用レーダ装置に用いられる76GHz帯の周波数の搬送波を出力する。
送信アンテナ40−1〜40−4は、水平方向に等間隔で配列されている。送信アンテナ40−1〜40−4は、ミキサ30−1〜30−4からの信号を空間に出力する。
ここで、図3の表に示したように信号に位相差が設けられているため、第2信号については車両正面方向に、第1信号については車両正面方向に対して角度−A°を成して車両前方斜め左方向に、第3信号については車両正面方向に対して角度+A°を成して車両前方斜め右方向に、ビームが放射される(図4参照)。ここで、角度A°は、位相差a°と送信アンテナ40−1〜40−4の配列間隔、および信号の周波数により決定される値である。
なお、ビームの放射角度は、位相差だけでなく周波数にも依存しているため、図2のように時間的に周波数を変化させるとビームの放射方向も時間的に変化してしまうが、ビームの放射方向の変化は微量であり、方位、距離、相対速度の測定精度にはほとんど影響しない。
受信アンテナ50は、送信アンテナ40−1〜40−4から放射されたビームが対象物に照射されて反射された場合に、その反射波を受信する。
なお、実施例1のレーダ装置では受信アンテナ50は1つであるが、複数設けてもよく、複数のうち1つをスイッチにより選択するようにしてもよい。受信アンテナ50を複数設けることにより、従来知られた位相モノパルス方式による方位測定方法を、後述する本発明による方位測定に併用することができ、より精度よく対象物の方位測定を行うことができる。
ミキサ60は、受信アンテナ50により受信した信号とキャリア周波数発生器80からの搬送波とを混合し、ダウンコンバートして信号処理手段70に出力する。
信号処理手段70は、受信信号を解析することにより、複数の対象物ごとに、方位、距離、相対速度を測定する。それらの測定には、後述するように本発明による方位測定方法と、多周波CW方式による距離・相対速度の測定方法を用いる。
信号生成手段10、位相器20、信号処理手段70は、すべてデジタルで信号処理を行う。位相器20から出力される信号は、図示しないD/A変換器によってデジタル信号からアナログ信号に変換されてミキサ30−1〜30−4に出力される。また、ミキサ60から出力される信号は、図示しないA/D変換器によってアナログ信号からデジタル信号に変換されて信号処理手段70に入力される。
なお、実施例1では、信号生成手段10、位相器20、信号処理手段70における信号処理はデジタルで行っているが、もちろん、信号生成手段10、位相器20、信号処理手段70における信号処理の一部ないし全部をアナログで行うようにしてもよい。ただし、デジタルで信号処理を行えば、FFTやIFFTなどを用いて高速で信号処理することができるため、実施例1のように信号生成手段10、位相器20、信号処理手段70における信号処理はすべてデジタルで行うことが望ましい。
次に、実施例1のレーダ装置を用いた対象物の方位測定方法および距離・速度測定方法について説明する。
まず、対象物の方位測定方法について述べる。
送信アンテナ40−1〜40−4からは、車両前方斜め左方向、車両正面方向、車両前方斜め右方向、の3つの方向に同時にビームが放射される。そして、対象物によって反射された反射波を受信アンテナ50により受信する。放射される車両前方斜め左方向、車両正面方向、車両前方斜め右方向の3つのビームは、それぞれ第1〜3信号に対応したものである。また、第1〜3信号の周波数は、図2に示したように、互いに直交している。したがって、これら3つのビームは同時に放射されていても互いに干渉してしまうことはない。
信号処理手段70では、受信アンテナ50により受信した受信信号の周波数解析を行う。この周波数解析には、たとえばFFT(高速フーリエ変換)を用いる。上述のように、車両前方斜め左方向、車両正面方向、車両前方斜め右方向の3つのビームはそれぞれ放射方向が異なっており、それぞれのビームは第1〜3信号に対応し、さらに第1〜3信号は周波数が互いに直交して異なっている。そのため、ビームの放射方向と周波数とが対応している。よって、周波数解析によって第1〜3信号の周波数の強度を比較すれば、対象物の方位を測定することができる。たとえば、図2に示すような時刻ti〜tjの間(ステップ状の周波数変化の第3ステップ目)に受信した反射波の周波数解析を行った結果、周波数3f0の信号強度がほとんどなく、周波数4f0、5f0に信号強度のピークが見られた場合、対象物は車両正面方向および車両前方斜め右方向に存在しているものと推定することができる。
次に、対象物の距離・相対速度測定方法について述べる。
信号処理手段70では、受信信号を第1信号の周波数、第2信号の周波数、第3信号の周波数にそれぞれ分離し、上記方位測定方法によって対象物が測定された周波数の信号について、多周波CW方式により対象物の距離・相対速度の測定を行う。なお、多周波CW方式によれば、相対速度の等しい複数の対象物が存在する場合であっても、各対象物ごとに距離・相対速度を測定することが可能である。
以上のように、実施例1のレーダ装置では、それぞれの信号を周波数直交させているため、干渉してしまうことなく同時に複数のビームを送出することができる。よって対象物の方位を短時間で高精度に測定することが可能である。また、多周波CW方式を組み合わることで、方位とともに対象物の距離、相対速度も測定することができる。また、周波数直交させているため、周波数帯域を狭域とすることができ、電力の利用効率を高めることができるとともに、効率的な周波数帯域利用が可能となる。また、実施例1のレーダ装置では、位相器20によって信号の位相差を制御することによって3方向のビームの方向を制御しているため、位相差を変化させることで容易に3方向のビームをそれぞれ独立に走査させることができる。さらには、3方向のビームのうち、特定の1ないし2方向のみを走査させて、残りの方向については固定するような制御も容易に行うことができる。
なお、実施例1のレーダ装置では、信号生成手段10から生成される3つの信号それぞれについて多周波CW方式により周波数が時間変化する場合を示したが、多周波CW方式以外の距離・速度測定方式を用いることも可能である。たとえば、FMCW方式、2周波CW方式などを用いることもできる。また、周波数を時間的に変化させずに単に対象物の方位のみを測定するものであってもよい。これらの方式を、信号生成手段10によって生成される3つの信号ごとに異なるようにしてもよい。たとえば、車両前方斜め右方向および左方向へ放射されるビームとなる2つの信号については、周波数を時間的に変化させずに対象物の方位測定にのみ用いるようにし、車両正面方向へ放射されるビームとなる信号のみを多周波CW方式やFMCW方式として対象物の距離・速度測定に用いるようにしてもよい。もちろんこれらの方式を用いた際にも、信号生成手段10が出力する3つの信号は周波数直交性を保持した状態とすることが必須である。
また、実施例1では、1の方向に対して1の周波数の信号を対応させているが、1の方向に対して2以上の互いに周波数が直交した信号を対応させてもよい。周波数を直交させているため、これにより同一方向に2以上のビームが放射されることとなったとしても、干渉を生じることはない。
信号生成手段10によって生成される信号の周波数と時間との関係の他の例を図5に示す。図5のように、周波数はΔtごとにステップ状に変化しており、各ステップではf0、2f0、・・・ 、nf0、(n+1)f0、(n+2)f0の計n+2個の互いに直交した信号が同時に生成される。また、第1ステップでは、周波数が小さい順(f0、2f0、・・・ の順)に、第1信号、第2信号、第3信号、第1信号、第2信号、・・・ と繰り返して第1〜3信号が割り当てられている。また、第2ステップでは、第1ステップの割り当てを1つずらして、周波数が小さい順に、第3信号、第1信号、第2信号、第3信号、・・・ と第1〜3信号が割り当てられている。同様に第3ステップ以降も、1つステップが増すごとに、第1〜3信号の割り当てを1つずらしている。つまり、第1〜3信号の割り当てをΔtごとにサイクリックにシフトさせている。生成される信号の周波数と時間との関係を図5のようにすれば、周波数帯域を非常に効率よく利用することができる。また、実施例1と同様の方法により、対象物の方位、距離、相対速度を測定することができる。また、1つのステップ中に、第1〜3信号それぞれが複数存在するため、その1つのステップ中で多周波CW方式、あるいは2周波CW方式と同様の手法により距離・相対速度の測定が可能である。したがって、距離・相対速度の測定時間を短くすることができる。
また、実施例1のレーダ装置では、同時に放射するビームの方向を3方向としているが、もちろんこれに限るものではなく、2方向以上であれば任意である。また、実施例1のレーダ装置では送信アンテナの数を4つとしているが、これに限るものではなく、2以上であればよい。ただし、送信アンテナの数が多い方が位相差によるビームの指向性をより鋭くすることができる。
また、実施例1のレーダ装置では、送信アンテナを水平方向に等間隔で配列し、水平面内での対象物の方位を測定しているが、送信アンテナを垂直方向に配列することで、垂直面内での対象物の方位を測定することも可能である。また、実施例1のレーダ装置はビームの放射方向が1次元的であり、対象物の方位測定も1次元的であるが、送信アンテナを平面的に配列することで、ビームの放射方向を2次元的にすることも可能である。これにより、対象物の方位を2次元的に測定することもできる。また、このように2次元的とする場合にも、位相差の制御によってビームを2次元的に走査させることができる。
また、実施例1のレーダ装置はヘテロダイン方式であるが、ホモダイン方式にも適用することができる。また、実施例1ではレーダ装置を車載用として用いる例を示したが、本発明のレーダ装置は車載用以外にも利用することができる。
実施例1のレーダ装置では、4つの送信アンテナ40−1〜40−4と位相器20とを用いて位相差により放射方向を異なるようにしているが、放射方向を走査させずに固定する場合には、位相器20を省き、送信アンテナ40−1〜40−4に替えて放射方向がそれぞれ異なる3つの送信アンテナを設け、信号生成手段10が生成する3つの信号を、3つの送信アンテナによりそれぞれ放射させる構成としてもよい。
このようなレーダ装置においても、実施例1のレーダ装置と同様の効果が得られる。つまり、それぞれの信号を周波数直交させているため、干渉してしまうことなく同時に複数のビームを送出することができる。よって対象物の方位を短時間で高精度に測定することが可能である。また、多周波CW方式を組み合わることで、方位とともに対象物の距離、相対速度も測定することができる。また、周波数直交させているため、周波数帯域を狭域とすることができ、電力の利用効率を高めることができるとともに、効率的な周波数帯域利用が可能となる。
本発明のレーダ装置は、車載用レーダ装置などに利用することができる。
10:信号生成手段
20:位相器
30−1〜30−4、60:ミキサ
40−1〜40−4:送信アンテナ
50:受信アンテナ
70:信号処理手段
80:キャリア周波数発生器

Claims (6)

  1. 信号を送信し、対象物による反射波を受信して対象物を検出するレーダ装置において、
    全体でのビームの放射方向がM通りであり、それらのビームが同時に放射されるN(≧2)本の送信アンテナと、
    互いに周波数が直交する少なくともM(≧2)個の信号を生成する信号生成手段と、
    前記信号生成手段からの信号それぞれをN個に分配し、前記送信アンテナから放射されるビームの放射方向がM通りとなるよう各信号の位相差を制御し、各前記送信アンテナに対応した信号をそれぞれ合成して、各前記送信アンテナでそれぞれ送信されるN個の信号とする位相制御手段と、
    前記対象物からの反射波を受信する受信アンテナと、
    前記受信アンテナにより受信した受信信号を処理して前記対象物の検出を行う信号処理手段と、
    を有することを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記信号生成手段は、生成する信号の周波数間隔を基本周波数とする、ことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記信号生成手段は、生成する信号それぞれの周波数を時間的に変化させて多周波CW方式とする、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 多周波CW方式における周波数のステップ間隔は、基本周波数であることを特徴とする請求項3に記載のレーダ装置。
  5. M通りの放射方向のビームのうち、少なくとも1つのビームは、前記位相制御手段により位相差を変化させることにより放射方向を走査させる、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  6. 信号を送信し、対象物による反射波を受信して対象物を検出するレーダ装置において、
    互いに周波数が直交する少なくともM(≧2)個の信号を生成する信号生成手段と、
    互いに放射方向が異なり、前記信号生成手段により生成された信号をそれぞれM通りの放射方向に同時に放射させるM個の送信アンテナと、
    前記対象物からの反射波を受信する受信アンテナと、
    前記受信アンテナにより受信した受信信号を処理して前記対象物の検出を行う信号処理手段と、
    を有することを特徴とするレーダ装置。
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