JP2013150960A - ダクトクリーニング用エアランス及びダクトクリーニング方法 - Google Patents

ダクトクリーニング用エアランス及びダクトクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ダクトの一方の側からのみエアランスの挿入と汚れの吸引を行う方法に適したダクトクリーニング用エアランスを提供する。
【解決手段】 ランス本体1の先端のヘッド3には、叩きホース2を取り付けるホース用孔32と叩きホース2を取り付けない空気孔33とが設けられ、ホース用孔32及び空気孔33はヘッド3の内部から見た際に後方に向かって延びている。叩きホース2の先端から圧縮空気が噴射される際の叩きホース3の動きによりダクト8の内面が叩かれて汚れ81が叩き出される。噴射された圧縮空気が作る気流S1、S2により、汚れ81は後方にのみ飛んでいく。
【選択図】 図3

Description

本願の発明は、ダクトのクリーニングに関するものである。
各種施設における空調ダクトや排気ダクト等のダクトについては、一定期間使用した後、内部をクリーニングすることが必要になる場合が多々ある。例えば空調ダクトについては、長期間使用するとダクト内面に塵や埃等の汚れが付着することが避けられない。これら汚れを放置すると、屋内環境の悪化(ハウスダスト等)や空調機器の機能低下、故障等を招く問題がある。このため、従来から、定期的にダクト内をクリーニングして汚れを除去するメンテナンスが行われている。
ダクトクリーニングは、専門のクリーニング業者によって行われることが多い。クリーニング業者は、ダクトの一部にクリーニング用の孔を開け、そこに吸引ダクトを取り付け、吸引ダクトを集塵機に接続することで行われる。この際、エアランスと呼ばれる治具により、ダクト内面に付着した塵や埃等の汚れを予め叩き落とし、より効率良く十分に汚れを取り除くようにしている。
図7は、従来のダクトクリーニング用エアランスの概略図であり、図8は、従来のエアランスを使用したダクトクリーニングについて示した概略図である。図7や図8には、一例として、ビル等における空調用のダクトのクリーニングが示されている。
従来のエアランスは、ランス本体1の先端に柔らかい叩きホース2を取り付けた構造となっている。図7に示す例では、叩きホース2は3本取り付けられている。3本の叩きホース2は、ヘッド3を介してランス本体1の先端部に接続されている。
ランス本体1も中空のホース状の部材である。クリーニングのため、天井パネル7に孔(以下、クリーニング用パネル孔)71を開け、ダクト8についてもクリーニングのために孔(以下、クリーニング用ダクト孔)801を開ける。そして、図8に示すように、ランス本体1をクリーニング用パネル孔71及びクリーニング用ダクト孔801を通して挿通し、叩きホース2をダクト8内に進入させる。ランス本体1の後端は、不図示のコンプレッサが接続される。コンプレッサにより圧縮空気が送られ、圧縮空気はランス本体1を通って叩きホース2から勢いよく噴射される。この際、柔らかい叩きホース2はバタバタと踊るような状態となり、これによってダクト3の内面が叩かれて汚れが落とされる。
実用新案登録公報第2514418号公報
上述したダクトクリーニングにおいて、通常は、エアランスを挿入する側と、叩き落とした汚れを吸引する側とは別である。一方の側からエアランスを挿入して汚れを叩き落とし、他方の側から吸引して汚れを吸い出す。
しかしながら、何らかの事情で、両者を同じ側から行わなければならない場合がある。典型的には、クリーニング用の孔を同じ側にしか設けることができないとか、クリーニング用の孔を一箇所しか設けることができず、最初にエアランスを挿入して汚れを叩き落とし、その後、同じ孔に吸引ダクトを接続して吸引するとかの場合である。
このようなダクトに対してエアランスの挿入と汚れの吸引とを同じ側から行う構成において、ダクトの形状の関係で汚れの吸引が十分にできない問題がある。以下、この問題について説明する。
従来のエアランスでは、圧縮空気が叩きホースに供給されて叩きホースが踊るような動きをする際、叩きホースはランス本体から前方に延び、圧縮空気は前方に噴射される。したがって、叩きホースがダクトの内面を叩いて汚れを叩き出した際、汚れは、叩きホースからの気流の影響で前方に飛んでいく場合が多い。
前方に飛んでいってしまった汚れは、ダクトの形状等の影響で吸引ができなくなってしまう場合があり、ダクト内に汚れが残ってしまう場合がある。この問題は、鉄道車両などの乗り物内のダクトの場合にしばしば生じる。この点について、図9を使用して説明する。図9は、乗り物内のダクトのクリーニングにおける問題点について示した概略図である。
多くの鉄道車両では、車内環境を良好に維持するため空調が設けられている。図9には、新幹線や特急列車等における空調用のダクトの構造例が概略的に示されている。
図9に示すように、床91の下にはメインのダクト(以下、メインダクト)92が設けられて水平に延びている。そして、メインダクト92から垂直に分岐して上に延びるサブのダクト(以下、サブダクト)93が設けられている。サブダクト93は、車両の窓と窓との間の車体部分の壁面に埋め込まれた状態となっている。壁面パネル94には、車内への清浄な空気の送風口941が設けられており、サブダクト93の上部開口931は送風口941につながっている。清浄な空気は、メインダクト92を通ってサブダクト93に供給され、サブダクト93の上部開口931を通って送風口941から車内に供給されるようになっている。
このような車両内のダクトも、定期的なクリーニングが必要である。しかしながら、鉄道車両のような乗り物内のダクトの場合、クリーニングのために孔を開けることは許されない場合が多い。即ち、乗り物の製造会社にとっては、そのような孔を事後的に開けること(一種の改良に当たる)は許可できないことが多いし、乗り物を運行する交通会社にとっても安全基準上認めていないか好ましくないとする場合が多い。
このため、既存の開口からダクト内にエアランスを挿入してクリーニングをすることになる。図9に示す構造の場合、送風口941に設けられた不図示の目隠し(ルーバー)を取り外し、接続チューブ6により圧縮空気の供給源に接続したエアランスを上部開口931から挿入してクリーニングする。その後、同様に上部開口931に吸引ダクトを接続し、叩き出した汚れを吸引して除去する。
しかしながら、この方法では、エアランスの叩きホース2から噴射される圧縮空気は、下方に向けた気流Sを作り出すため、叩き出された汚れ90が下方に落下し、メインダクト92に達してしまう。メインダクト92に落下した汚れ90は、吸引ダクトで吸引しても十分に吸引ができず、残留し易い。特に、サブダクト93の接続箇所(分岐した箇所)からさらに奥に(側方に)汚れ90がいってしまうと、吸引ダクトを接続しても吸引できず、残留してしまう可能性が高い。メインダクト92のどこかで吸引ダクトを接続して吸引ができれば良いのであるが、構造的に吸引ダクトが接続できる開口は存在しないことが多い。また、新たに開口を設けることも、前述したように許されていないことが多い。
このようにメインダクト92に落下、残留した汚れ90は、空調を動作させた際に舞い上がり、送風口941から車内に放出されてしまう。これでは、ダクトをクリーニングした意味がない。
汚れが落下、残留しないようにしてクリーニングする方法としては、吸引ダクトを接続した状態でエアランスを挿入できるようにし、吸引と並行してエアランスによる汚れの叩き出しを行うことが考えられる。しかしながら、このようにしても、エアランスの叩きホース2からは前方に(下方に)向けて圧縮空気が噴射されており、下方に向けた気流が存在しているため、汚れが下方に飛び易く、メインダクト92に落下して残留し易い。
本願の発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ダクトの一方の側からのみエアランスの挿入と汚れの吸引を行う方法に適したダクトクリーニング用エアランスを提供することを目的とするものである。
また、本願の発明は、垂直に配置されたダクトの上部開口からエアランスの挿入と汚れの吸引を行う際、汚れを落下させずに十分に除去できるダクトクリーニング方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、圧縮空気を先端から噴射する際の動きによりダクトの内面を叩いて汚れを叩き出すダクトクリーニング用エアランスであって、
後端が圧縮空気の供給源に連通される管状のランス本体と、ランス本体の先端に設けられたヘッドと、ヘッドに取り付けられた叩きホースとより成っており、
ヘッドは中空の部材であって内部がランス本体に連通しており、
ヘッドには、叩きホースを差し込んで取り付けるためのホース用孔と、叩きホースは取り付けずに圧縮空気を噴射する空気孔とが形成されており、
ホース用孔及び空気孔は、ヘッドの内部から見た際、後方に向けて圧縮空気が噴射されるよう後方に向かって延びているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記ホース用孔は、斜め後方に延びているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項2の構成において、前記空気孔は、斜め後方に延びているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記ヘッドは、後方側で断面積が小さくなるよう段差を有しており、前記ホース用孔は、この段差の部分に設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項4の構成において、前記段差は、斜めの斜面の形成しており、前記ホース用孔は斜め後方に延びているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項1乃至5いずれかの構成において、前記空気孔は、前記ランス本体の長さ方向において前記ホース用孔よりも先端側に設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項6の構成において、前記空気孔の位置と前記ホース用孔の位置との距離は、前記叩きホースの長さ以上であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、垂直に配置されたダクトの内面の汚れを除去するダクトクリーニング方法であって、
ダクトの上部に形成されている開口から内部を吸引した状態で、ダクトの上部に形成されている開口からエアランスを挿入する挿入ステップと、
ダクトの内部の吸引を継続しつつ、挿入されたエアランスによりダクトの内面を叩いて汚れを落とす叩きステップとを有しており、
エアランスは、管状のランス本体と、ランス本体の先端に設けられたヘッドと、ヘッドに取り付けられた叩きホースとより成っており、
ヘッドは中空の部材であって内部がランス本体に連通しており、
ヘッドには、叩きホースが差し込まれて取り付けられたホース用孔が形成されており、ホース用孔は、ヘッドの内部から見た際、後方に向かって延びており、
前記叩きステップは、ランス本体を通して圧縮空気を叩きホースに流入させ、圧縮空気が叩きホースから噴射される際の叩きホースの動きによりダクトの内面を叩くステップであり、叩きホースから噴射される圧縮空気の気流を上方に向かわせながら行うことで、叩き出した汚れを落下させることなく前記開口から吸引するステップであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9の発明は、前記請求項8の構成において、前記挿入ステップは、圧縮空気をランス本体を通して叩きホースに流入させ、圧縮空気を叩きホースから噴射させて叩きホースを後方に延びる姿勢にしながらエアランスを挿入するステップであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項8又は9の構成において、前記エアランスのヘッドには、叩きホースが取り付けられずに圧縮空気を噴射する空気孔が形成されており、空気孔は、ヘッドの内部から見た際、後方に向かって延びており、
前記叩きステップは、空気孔孔から圧縮空気を上方に噴射させることで上方への気流を強化しながら前記汚れの叩き出しを行うステップであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項11記載の発明は、前記請求項8乃至10いずれかの構成において、前記ダクトは、乗り物内に配置されたダクトであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1記載の発明によれば、ホース用孔が後方に延びているので、汚れを叩き出す際に叩きホースが後方に延びた姿勢となる。このため、叩き出された汚れが叩きホースからの気流によって後方に飛んでいく。したがって、ダクトの一方の側からのみエアランスの挿入とダクトの吸引とを行わなければならない場合、好適なエアランスとなる。そして、空気孔も後方に延びていて空気孔から噴射される圧縮空気も後方への気流を作り出すので、この効果がより高められる。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、ホース用孔が斜め後方に延びているため、叩きホースも斜め後方に延びた状態になる。このため、内部の幅が大きいダクトの場合でも、エアランスを左右に大きく動かすことなく汚れの叩き出しが行え、作業効率の点で好適なものとなる。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、空気孔も斜め後方に延びているので、空気孔から噴射される圧縮空気による気流も斜め後方に向かうことになり、斜め後方の位置で叩きホースが叩き出した汚れを後方に向けて飛ばす効果がより高められる。
また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、ホース用孔が段差の部分に設けられているので、叩きホースがホース用孔の縁に当たることによる摩耗が激しくなることがない。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、ホース用孔が斜め後方に延びているため、叩きホースも斜め後方に延びた状態になる。このため、内部の幅が大きいダクトの場合でも、エアランスを左右に大きく動かすことなく汚れの叩き出しが行え、作業効率の点で好適なものとなる。
また、請求項6記載の発明によれば、上記効果に加え、空気孔がホース用孔よりも先端側に設けられているので、叩きホースが先端を前方に向けた姿勢の際に汚れの叩き出しが行われた場合でも、その叩きホースから噴射される圧縮空気の気流を空気孔からの気流が押し戻すように作用するので、汚れが先端側に飛んでいってしまうことがない。
また、請求項7記載の発明によれば、空気孔の位置とホース用孔の位置との距離が叩きホースの長さ以上であるので、上記汚れが先端側に飛んでいってしまうのを防止する効果がより高められる。
また、請求項8記載の発明によれば、垂直に配置されたダクトの上部開口からエアランスを挿入して汚れを叩き出し、汚れを下方に落下させることなく上部開口から吸引、除去するので、鉄道車両内のダクトのように下方から汚れの吸引、除去ができない構造の場合に好適な方法となる。
また、請求項9記載の発明によれば、上記効果に加え、圧縮空気を叩きホースから噴射させて叩きホースを後方に延びる姿勢にしながらエアランスを挿入するので、エアランスの挿入の際に汚れを下方に落下させてしまうことがない。
また、請求項10記載の発明によれば、上記効果に加え、空気孔から噴射される圧縮空気が上方への気流を作り出すので、下方への汚れの落下がさらになくなる。
本願発明の第一の実施形態に係るダクトクリーニング用エアランスの概略図である。 図1に示すヘッド3の平面断面概略図である。 図1及び図2に示すエアランスの動作例について示した正面概略図である。 実施形態のダクトクリーニング方法について示した正面概略図である。 第二の実施形態のダクトクリーニング用エアランスの主要部の斜視概略図である。 ダクトクリーニング用エアランスの他の実施形態について説明した概略図である。 従来のダクトクリーニング用エアランスの概略図である。 従来のエアランスを使用したダクトクリーニングについて示した概略図である。 乗り物内のダクトのクリーニングにおける問題点について示した概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
まず、第一の実施形態のダクトクリーニング用エアランスについて説明する。図1は、本願発明の第一の実施形態に係るダクトクリーニング用エアランスの概略図である。
図1に示すエアランスは、ランス本体1と、ランス本体1の前端に取り付けた叩きホース2とより成っている。ランス本体1は管状のものであり、本実施形態ではアルミ等の金属製である。ランス本体1の材質として塑性変形可能なものを使用し、適宜の形状に変形させてから使用する場合もあり得る。
尚、ランス本体1は、後述するように、一端に圧縮空気の供給源が接続され、内部を通して圧縮空気が叩きホース2に供給される。各実施形態の説明における「前」、「後ろ」の概念は、ランス本体1における圧縮空気の流れを基準にしたものであり、圧縮空気の流れにおける前方を「前」とし、その逆を「後ろ」としている。
叩きホース2は、柔軟で弾力性に富む材料で形成されており、例えばポリ塩化ビニール製、シリコーンゴム製、ポリウレタン製等のものを使用することができる。散水用で使用される水道ホースと同じものを使用することもできる。
汚れの叩き落としの効率を高めるため、通常、複数の叩きホース2がランス本体1に取り付けられる。本実施形態では、二本の叩きホース2が取り付けられている。
ランス本体1の先端には、ヘッド3が設けられている。ヘッド3は、叩きホース2を取り付けるための部材である。ヘッド3がランス本体1と一体になっている場合もあるが、本実施形態では、別の部材となっている。
本実施形態のエアランスは、叩きホース2の取り付け構造に特徴点の一つがあり、それはヘッド3の構造によって達成されている。ヘッド3の断面構造の一部が、図1中に拡大して示されている。
ヘッド3は、短いほぼ円筒状の部材であり、中空となっている。ヘッド3の先端は、キャップ31で塞がれている。キャップ31は、ヘッド3の先端開口はねじ切りされており、キャップ31はヘッド3の先端開口にねじ込まれている。ヘッド3は、材質的には、金属、ABS樹脂のような硬質なプラスチック、セラミックス等、耐久性のあるものであれば任意のものを使用し得る。
ヘッド3は、ジョイント4を介してランス本体1に取り付けられている。ジョイント4は金属製の部材であり、先端側がねじ切りされている。後端側はランス本体1の先端に接着等によって固定されている。ヘッド3の後端開口もネジきりされており、ヘッド3は、後端開口にジョイント4の先端をねじ込むことで取り付けられている。尚、ジョイント4は短い管状の部材であり、ランス本体1とヘッド3はジョイント4を介して内部が連通している。
図1に拡大して示すように、ヘッド3には、叩きホース2を取り付けるためのホース用孔32が設けられている。叩きホース2は、後端がホース用孔32に差し込まれた状態で取り付けられている。
叩きホース2の後端には、リング状の抜け止め金具21が設けられている。抜け止め金具21は、叩きホース2の後端を若干収縮させた状態で叩きホース2の後端に嵌め込まれている。抜け止め金具21の大きさは、ホース用孔32よりも大きい。抜け止め金具21は、叩きホース2の弾力性や叩きホース2との摩擦力によって固定されている。
抜け止め金具21は、叩きホース2の後端を若干収縮させただけであるので、叩きホース2の後端は閉鎖されておらず、先端に向かって連通している。したがって、圧縮空気がランス本体1を介してヘッド3に供給された際、圧縮空気は叩きホース2内に進入し、叩きホース2の先端から噴射されるようになっている。この際、叩きホース2には、ホース用孔32から抜け出ようとする力が働くが、抜け止め金具21があるため、抜け出るのが防止される。
本実施形態の大きな特徴点の一つは、ホース用孔32が、ヘッド3の内部から見た際、後方に向かって延びている点である。図1に示すように、ホース用孔32はランス本体1の長さ方向に平行ではないので、厳密には斜め後方に延びている。
ホース用孔32は、ヘッド3の中心軸A(ランス本体1の中心軸と同軸)に対して対称になるよう(180度間隔で)設けられている。したがって、二本の叩きホース2も、ランス本体1の中心軸に対して180度間隔の位置から延びた状態となっている。尚、図1では、下側に位置する叩きホース2の取り付け構造が拡大して示されているが、上側に位置する叩きホース2も同様の構造であり、上下対称であるので拡大図示は省略されている。
尚、ヘッド3は、後端側で若干径が細くなっており、段差が形成されている。段差は斜面を形成しており、ホース用孔32は段差の部分に形成されている。
本実施形態のエアランスの別の大きな特徴点は、ホース用孔32に加えて空気孔がヘッド3に形成されている点である。空気孔は、叩きホース2は取り付けずに圧縮空気を噴射するためのものである。空気孔について、図2を使用して説明する。図2は、図1に示すヘッド3の平面断面概略図である。
本実施形態では、図2に示すように、空気孔33は、ヘッド3において、前後方向における位置がホース用孔32と同じ位置となっている。したがって、空気孔33は、ホース用孔32と同様、ヘッド3の段差の部分に形成されている。
空気孔33は、図2に示すように、ヘッド3の内部から見た際、斜め後方に向かって延びている。また、図2に示すように、空気孔33は二つ設けられている。二つの空気孔33は、ヘッド3の中心軸)に対して対称に(180度間隔で)設けられている。ヘッド3において左右に空気孔33が設けられ、上下にホース用孔32が設けられた構造となっている。但し、エアランスは中心軸の回りに回しながら使用することもあるので、図1図2に示す上下左右は実使用状態における配置を意味するものではない。
このような構成のエアランスの動作について、図3を使用しながら説明する。図3は、図1及び図2に示すエアランスの動作例について示した正面概略図である。
図3に示す動作例は、図9に示したものと同様、垂直に配置されたダクトのクリーニングの際の動作となっている。
エアランスは、ダクト9の上部開口(不図示)からダクト8内に挿入される。この際、図3に示すように、エアランスは、先端側を下方にした状態で挿入される。ランス本体1の後端は、不図示の接続チューブにより圧縮空気の供給源(コンプレッサ等)に接続される。供給源から圧縮空気が送られると、圧縮空気はランス本体1を通してヘッド3に進入し、ヘッド3から各叩きホース2を通して噴射される。この際、各ホース用孔32が斜め後方に延びているので、各叩きホース2も斜め後方に延びる。
そして、圧縮空気が内部を通って噴射される際の反動により各叩きホース2が踊るような動きをし、ダクト8の内面が各叩きホース2により叩かれる。これにより、ダクト8の内面の汚れ81が叩き出される。この際も、各ホース用孔32が斜め後方に延びていて各叩きホース2の後端が斜め後方に延びた姿勢で固定されているので、各叩きホース2は全体としては斜め後方に延びた姿勢で踊るような動作をする。したがって、各叩きホース2から噴射される圧縮空気も、噴射位置はその時々で変わるが、後方に向けて噴射された状態となる。即ち、各叩きホース2から噴射された圧縮空気は、後方に向かう気流S1を作り出す。
一方、ヘッド3に進入した圧縮空気は、空気孔33からも噴射される。空気孔33も斜め後方に延びているので、圧縮空気は空気孔33から斜め後方に噴射され、斜め後方に向かう気流S2を作り出す。
本実施形態のエアランスを使用してダクトのクリーニングをする場合、集塵機による吸引とエアランスによる汚れの叩き落としを同時に行うことが望ましい。即ち、ダクト8の上部開口からエアランスを挿入するとともに、上部開口に吸引ダクトを接続し、吸引しながらエアランスに上記汚れの叩き出し動作をさせる。
上記汚れの叩き出し動作の際、各叩きホース2から圧縮空気が後方、即ち上方に向けて噴射され、上方に向かう気流S1が作り出される。このため、叩き出された汚れ81もこの気流により上方に向けて飛んでいく。したがって、吸引ダクトで吸引しながら叩き出しを行うようにすれば、汚れ81を下方に落下させることなく除去し集塵機で集めることができる。そしてこの際、空気孔33から噴射される圧縮空気が上方に向かう気流S2を作り出すので、上方に向かう気流S1が強化され、汚れ81が上方に向かって飛んでいくのが促進される。このため、汚れ81を下方に落下させることなく除去する効果がより高められる。
この動作例では、垂直に配置されたダクト9のクリーニングであったが、水平や斜めに配置されたダクトについても同様に使用することができる。水平に配置されたダクトの場合、吸引ダクトによる吸引を同時に行う必要がなく、エアランスによる汚れの叩き出しを行ってから吸引ダクトで吸引しても良い場合もある。この場合、エアランスを挿入する開口から見て最も遠い位置で汚れの叩き出しを開始し、エアランスを徐々に手前に移動させながら汚れを叩き出しを行うようにすると好適である。このようにすると、手前側に汚れが溜まっていくので、開口に吸引ダクトを接続して吸引した際、全ての汚れを容易に吸引、除去することができる。
次に、ダクトクリーニング方法の発明の実施形態について説明する。図4は、実施形態のダクトクリーニング方法について示した正面概略図である。この実施形態は、図9に示したのと同様、鉄道車両内のダクトのクリーニングの例となっている。
まず、壁面パネル94の送風口941に設けられた目隠し(ルーバー)を取り外し、サブダクト93の上部開口931を露出させる。そして、送風口941を飛散防止用のシート51で覆う。シート51は、ビニールシートやポリエチレンシートである。汚れが車内の漏れ出ないよう、シート51の縁は壁面パネル94に粘着テープでしっかりと接着する。
次に、シート51に孔を開け、図4に示すように吸引ダクト52を装着する。同様に汚れが漏れ出ないよう、吸引ダクト52の先端とシート51の孔の縁との隙間をテープで塞ぐ。
次に、予めエアランスを接続チューブ6で圧縮空気の供給源(コンプレッサ等)に接続しておき、このエアランスをサブダクト93に挿入する。吸引ダクト52とシート51の孔の縁との間に少しだけ隙間を作り、そこからエアランスを挿入する。
図4に示すように、サブダクト93の上部側は少し湾曲しているので、エアランスのランス本体1が屈曲しない材料である場合、ランス本体1があまり長くないものを使用する。エアランスは、先端を下方に向けて徐々に下に降ろされる。そして、エアランスのヘッド3がサブダクト93の下端部付近に達したら、汚れの叩き出しを開始する。
この際、エアランスの挿入を開始する前から集塵機による吸引を開始しておき、吸引ダクト52がサブダクト93内を吸引している状態でエアランスの挿入をする。また、エアランスを吸引ダクト52の脇の隙間から挿入する際、各叩きホース2が後方に延びる姿勢とする。即ち、各叩きホース2をランス本体1に沿った状態にして各叩きホース2をランス本体1とともに手で掴みながら隙間から通す。
また、エアランスの挿入の際、圧縮空気の供給源を弱く動作させておき、各叩きホース2やヘッド3の各空気孔33から弱い圧力で圧縮空気が流出するようにしておくことが望ましい。このようにすると、エアランスを手から離し、エアランスがサブダクト93の中に完全に挿入された状態でも、圧縮空気の流出により各叩きホース2は後方に(即ち、上方に)延びる姿勢を維持する。
集塵機による吸引を継続しながら、上記のようにエアランスを挿入し、エアランスのヘッド3がサブダクト93の下端部付近に達したら、圧縮空気の供給源の出力を通常の値にまで高め、汚れの叩き出し動作を開始する。圧縮空気の圧力が高まるので、各叩きホース2が踊るような動きをし、サブダクト93の内面を叩く。これにより、サブダクト93の内面に付着した汚れが叩き出される。叩き出された汚れは、吸引ダクト52からの吸引により上昇し、上部開口を通って吸引ダクト52に進入し、吸引ダクト52を介して集塵機に取り込まれる。
このようにして汚れの叩き出しと吸引・除去を行いながら、徐々にエアランスを上方に移動させていく。即ち、接続チューブ6を少し引っぱり上げ、エアランスを少しずつ上方に引き上げていく。これにより、サブダクト93の内面の汚れが順次除去される。このようにして、エアランスの先端がサブダクト93の上端開口の位置まで達すると、クリーニングは終了である。その後、エアランスを引き抜き、吸引ダクト52及びシート51を取り外し後、目隠し(ルーバー)を元の通りセットしておく。
上述したように、各叩きホース2が後方(上方)に延びた姿勢で叩き出しを行うので、叩き出された汚れは上方への気流により上方へ飛んで行き、吸引ダクト52により確実に吸引、除去される。また、各空気孔33から噴射される圧縮空気は後方(上方)への流れを強化するので、この効果がより高められる。このため、汚れがメインダクト92に落下して除去できなくなってしまう問題がない。
また、吸引ダクト52を装着してサブダクト93内を吸引している状態でエアランスを挿入するので、挿入の際にエアランスのどこかの箇所がサブダクト93の内面に当たり、その弾みで汚れが剥がれてしまった場合でも、汚れは吸引により上昇して上部開口931からサブダクト93を抜け出る。このため、エアランスの挿入の際にも汚れが下方に落下してしまうことがない。
尚、図4では、サブダクト93は内部の幅が狭く描かれているが、実際には幅が広い場合があり、この場合には、エアランスを左右に移動させ、各叩きホース2がサブダクト93の内面に十分に当たるようにする。
上記実施形態の方法において、エアランスを上端開口から徐々に下降させながら汚れの叩き出しをしても良いのであるが、上記方法と比べると、汚れが落下し易い欠点がある。即ち、圧縮空気を噴射させることで各叩きホース2を後方に延びる姿勢にしたとしても、エアランスが全体に下方に移動する際、叩きホース2の先端がサブダクト93の内面を下側に向かって擦る状態になり易い。このため、汚れを剥がして下方に落としてしまうことになり易い。上記実施形態のように、下から上に移動させながら汚れの叩き出しをすれば、このような問題はない。
また、エアランスを最初に下まで下げる際、上述したような圧縮空気の圧力の調整が難しいようであれば、圧縮空気の供給はせずに下方に垂れた状態としてエアランスを下まで下げても良い。この場合、圧縮空気の供給を開始して汚れの叩き出しを始めた際、各叩きホース2は最初に大きく激しく動くので、汚れを下方に叩き落としてしまい易い。したがって、できれば、上述したように圧力の調整により各叩きホース2が後方に(上方に)延びた姿勢でエアランスを下まで下げていくべきである。
尚、エアランスを繰り返しクリーニングに使用していくと、叩きホース2が摩耗することが避けられない。摩耗が激しくなると、叩きホース2が割れたりひびが入ったりするので、ある程度摩耗した段階で新しいものと交換する必要がある。
実施形態のエアランスは、各叩きホース2の交換が容易にできる構造を有している。以下、この点について説明する。
叩きホース2を交換する場合、図1に示すキャップ31をヘッド3から取り外す。そして、交換する叩きホース2の抜け止め金具21のところを持って引き抜き、ヘッド3から取り外す。
次に、新しい叩きホース2を用意し、後端に抜け止め金具21を装着する。抜け止め金具21は、工具でかしめるが、叩きホース2を通って圧縮空気が十分に流れるよう、後端が少しつぶれる程度にする。
抜け止め金具21を装着した後、叩きホース2の先端を持ってヘッド3の先端開口に挿入し、ヘッド3の内側からホース用孔32に通す。そして、外側に出た叩きホース2の先端を引っ張り、抜け止め金具21がホース用孔32に引っ掛かった状態とする。これで叩きホース2の装着は完了であり、キャップ31を元のようにヘッド3にねじ込んでおく。
次に、第二の実施形態のダクトクリーニング用エアランスについて説明する。
図5は、第二の実施形態のダクトクリーニング用エアランスの主要部の斜視概略図である。この実施形態のエアランスは、ヘッド3の形状が第一の実施形態と異なっており、各叩きホース2の取り付け位置と各空気孔33の位置とが第一の実施形態と異なっている。即ち、各空気孔33は、ランス本体1の長さ方向において各ホース用孔32よりも先端側に設けられている。具体的に説明すると、図5に示すように、第二の実施形態では、ヘッド3は少し長い円柱状の部材となっている。同様に、先端にはキャップ31が取り付けられている。
空気孔33は、図5に示すように、先端に近い位置に設けられている。図5では上側の空気孔33のみが描かれているが、下側にも同様の位置(ランス本体1の長さ方向における同じ位置)に空気孔33が設けられている。図5では示されていないが、各空気孔33は、同様に内部から見て斜め後方に延びた形状である。
一方、図5に示すように、叩きホース2は、各空気孔33よりも後方の位置から延びている。即ち、ホース用孔32は各空気孔33に比べて後方の位置に設けられている。尚、本実施形態でも叩きホース2は二本設けられており、図5に示す姿勢では左右に延びている。したがって、ホース用孔(図5中不図示)も左右に設けられている。同様に各ホース用孔はヘッド3の内部から見て斜め後方に延びており、したがって各叩きホース2も斜め後方に延びた姿勢である。
このような第二の実施形態の構成の意義について、以下に説明する。
前述したように、エアランスは、使用される際に各叩きホース2を通して圧縮空気が送られ、この反動で各叩きホース2が踊るような動きをする。この際、動きが激しくなると、先端が前方に向いた状態で屈曲する(中腹部が後方に突出する)ことがある。
この動きの際にダクトの内面を叩いて汚れが叩き出されると、汚れは、叩きホース2の後端から噴射される圧縮空気の流れにより前方に飛んでしまうことがある。この際、第一の実施形態のように、ホース用孔32と空気孔33とが長さ方向の同じ位置に設けられていると、空気孔33から噴出する圧縮空気の気流は、前方に飛ぶ汚れを押し戻すことができず、汚れがそのまま前方に飛んでいってしまうことがあり得る。
一方、この実施形態のように、空気孔33が先端側に設けられていると、空気孔33から噴射される圧縮空気の流れにより、前方に飛ぶ汚れを後方に押し戻すことができ、そのまま前方に飛んでいってしまうことがない。
空気孔33の位置をホース用孔32に対してどの程度先端側にもってくれば良いかは、叩きホース2の長さによる。望ましくは、長さ方向で見た空気孔33とホース用孔32との距離(図5にdで示す)は、叩きホース2の長さ(厳密には、ヘッド3から延びる長さであり、ヘッド3内に挿入されている部分は含まない)以上とすべきである。但し、叩きホース2は湾曲するので、距離dは、叩きホース2の長さよりも多少短くても良く、例えば叩きホース2の長さに対して80%以上の長さとしても良い。距離dについて一例を示すと、実用的な叩きホース2の長さは5〜20cm程度であり、この場合には、距離dは5〜15cm程度である。
次に、ダクトクリーニング用エアランスの他の実施形態について説明する。
図6は、ダクトクリーニング用エアランスの他の実施形態について説明した概略図である。図6(1)に示すように、ホース用孔32が設けられる箇所としては、斜面となっているヘッド3の段差部分でなくとも良く、径が一定の面のところに設けられていても良い。
但し、径が一定の部分にホース用孔32が設けられた場合、叩きホース2の耐久性の点で多少劣る。即ち、ホース用孔32の前側の縁が鋭利となるため、図6(1)に二点鎖線で示すように叩きホース2が前方に曲がる姿勢となった際、前側の縁に当たる部分で叩きホース2が摩耗ないし損傷し易い。これに比べると、図1に示す実施形態では、ホース用孔32はヘッド3の肉厚部分に対してほぼ垂直に延びるようにできるので、縁の部分での叩きホース2の摩耗等が少ない。
また、ホース用孔32は、図6(2)に示すように、斜め後方ではなく真後ろに延びる形状であっても良い。但し、この場合、叩きホース2もほぼ真後ろに延びる姿勢となるので、圧縮空気を噴射させて踊るような動きをさせた際、側方への動きの幅は小さい。したがって、内部の幅の大きなダクトをクリーニングする場合、左右にエアランスを頻繁に動かさなければならず、多少煩わしさが生じる問題がある。これに比べると、図1に示すエアランスは、各叩きホース2が斜め後方に延びた状態で踊るような動きをするので、幅の大きなダクトの場合でも、左右の動きをしなくて良いか又は少なくして汚れの叩き出しができることが多く、煩わしさが少ない。
また、空気孔33についても、図6(3)に示すように、真後ろに延びる形状であっても良い。この場合も、後方に向かう気流が形成され、叩きホース2から噴射される圧縮空気による気流を補強する。但し、ホース用孔32が斜め後方に延びており、叩きホース2が斜め後方の位置で汚れの叩き出しを行っている場合、真後ろに延びる空気孔33からの気流では、汚れの後方への吹き飛ばしが十分でなくなる可能性もある。したがって、叩きホース2が斜め後方の場合、空気用孔も斜め後方に延びる形状であることが望ましい。
上記各実施形態において、ヘッド3の形状は円筒状であるとしたが、角筒状や直方体状などの他の形状であっても良い。
叩きホース2の数や空気孔33の数についても、他の場合もあり得る。原理的には、一つのみのホース用孔32があり、叩きホース2が一本のみであっても、実施は可能である。空気孔33についても一個だけの場合もあり得る。但し、叩きホース2や空気孔33を数多く設けた方が作業性や効率の点で好適であり、三本ないし四本又はそれ以上の叩きホース2が一つのヘッド3に装着される場合もある。空気孔33についても、三つ、四つ又はそれ以上形成される場合もある。各叩きホース2や空気孔33は、ヘッド3の中心軸に対して軸対称に設けられることが望ましい。
尚、ランス本体1については、硬質な材料ではなく柔軟な材料で形成されたものが用いられることもある。圧縮空気の供給源に接続チューブ6を介してヘッド3が直接設けられる場合もあり、この場合は、接続チューブ6の先端部分がランス本体1ということになる。
また、エアランスを挿入する開口と吸引ダクト52を接続して吸引をする開口はダクトの一方の側に存在していることが前提であるが、開口は同じものである必要はなく、ダクトの一方の側にエアランス挿入用の開口と吸引用の開口とが別々に存在している場合もあり得る。
また、上記各実施形態では、クリーニングの対象は空調用のダクトであったが、工場や各種処理施設における排気ダクト、その他の用途のダクトについても本願発明は同様に実施可能である。
上述したように、本願発明は、一方の側からダクトに対してエアランスの挿入と汚れの吸引とを行うのに適したダクトクリーニング用エアランスを提供するものであって、垂直に配置されたダクトの上部開口からエアランスを挿入して汚れを下方に落下させることなく除去することができる優れた技術を提供するものであり、その産業上の利用可能性は著しい。
1 ランス本体
2 叩きホース
21 抜け止め金具
3 ヘッド
31 キャップ
32 ホース用孔
33 空気孔
4 ジョイント
51 シート
52 吸引ダクト
6 接続チューブ
8 ダクト
91 床
92 メインダクト
93 サブダクト
931 上部開口
94 壁面パネル
941 送風口

Claims (11)

  1. 圧縮空気を先端から噴射する際の動きによりダクトの内面を叩いて汚れを叩き出すダクトクリーニング用エアランスであって、
    後端が圧縮空気の供給源に連通される管状のランス本体と、ランス本体の先端に設けられたヘッドと、ヘッドに取り付けられた叩きホースとより成っており、
    ヘッドは中空の部材であって内部がランス本体に連通しており、
    ヘッドには、叩きホースを差し込んで取り付けるためのホース用孔と、叩きホースは取り付けずに圧縮空気を噴射する空気孔とが形成されており、
    ホース用孔及び空気孔は、ヘッドの内部から見た際、後方に向けて圧縮空気が噴射されるよう後方に向かって延びていることを特徴とするダクトクリーニング用エアランス。
  2. 前記ホース用孔は、斜め後方に延びていることを特徴とする請求項1記載のダクトクリーニング用エアランス。
  3. 前記空気孔は、斜め後方に延びていることを特徴とする請求項2記載のダクトクリーニング用エアランス。
  4. 前記ヘッドは、後方側で断面積が小さくなるよう段差を有しており、前記ホース用孔は、この段差の部分に設けられていることを特徴とする請求項1記載のダクトクリーニング用エアランス。
  5. 前記段差は、斜めの斜面の形成しており、前記ホース用孔は斜め後方に延びていることを特徴とする請求項4記載のダクトクリーニング用エアランス。
  6. 前記空気孔は、前記ランス本体の長さ方向において前記ホース用孔よりも先端側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のダクトクリーニング用エアランス。
  7. 前記空気孔の位置と前記ホース用孔の位置との距離は、前記叩きホースの長さ以上であることを特徴とする請求項6記載のダクトクリーニング用エアランス。
  8. 垂直に配置されたダクトの内面の汚れを除去するダクトクリーニング方法であって、
    ダクトの上部に形成されている開口から内部を吸引した状態で、ダクトの上部に形成されている開口からエアランスを挿入する挿入ステップと、
    ダクトの内部の吸引を継続しつつ、挿入されたエアランスによりダクトの内面を叩いて汚れを叩き出す叩きステップとを有しており、
    エアランスは、管状のランス本体と、ランス本体の先端に設けられたヘッドと、ヘッドに取り付けられた叩きホースとより成っており、
    ヘッドは中空の部材であって内部がランス本体に連通しており、
    ヘッドには、叩きホースが差し込まれて取り付けられたホース用孔が形成されており、ホース用孔は、ヘッドの内部から見た際、後方に向かって延びており、
    前記叩きステップは、ランス本体を通して圧縮空気を叩きホースに流入させ、圧縮空気が叩きホースから噴射される際の叩きホースの動きによりダクトの内面を叩くステップであり、叩きホースから噴射される圧縮空気の気流を上方に向かわせながら行うことで、叩き出した汚れを落下させることなく前記開口から吸引するステップであることを特徴とするダクトクリーニング方法。
  9. 前記挿入ステップは、圧縮空気をランス本体を通して叩きホースに流入させ、圧縮空気を叩きホースから噴射させて叩きホースを後方に延びた姿勢にしながらエアランスを挿入するステップであることを特徴とする請求項8記載のダクトクリーニング方法。
  10. 前記エアランスのヘッドには、叩きホースが取り付けられずに圧縮空気を噴射する空気孔が形成されており、空気孔は、ヘッドの内部から見た際、後方に向かって延びており、
    前記叩きステップは、空気孔孔から圧縮空気を上方に噴射させることで上方への気流を強化しながら前記汚れの叩き出しを行うステップであることを特徴とする請求項8又は9記載のダクトクリーニング方法。
  11. 前記ダクトは、乗り物内に配置されたダクトであることを特徴とする請求項8乃至10いずれかに記載のダクトクリーニング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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