JP2013150743A - 頭頚部姿勢計測装置と方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被計測者の頭頚部の三次元姿勢を、時と所を経て何度も再現できる汎用性のあるデータとして、容易に計測できる頭頚部姿勢計測装置と方法の提供を課題とする。
【解決手段】ベッドB面である計測基準面Fから仰向け姿勢にある被計測者Mの耳孔Yまでの垂直高さを、頭頚部前突高さHとして計測する頭頚部前突高さ計測手段と、仰向け姿勢にある被計測者Mの顔面部尾根線L上の予め定めた一点を被計測点Pとし、被計測点Pが、計測基準面Fから耳孔Yを通る垂直面V2に対して、耳孔Yの周りに幾らの角度で傾いているかを、頭頚部前屈角度θ2として計測する頭頚部前屈角度計測手段と、被計測姿勢での被計測点Pが、計測基準面Fから仰向け姿勢にある被計測者Mの顔面部尾根線Lを通る垂直面V1に対して、頭頂点Qの周りに幾らの角度で回旋しているかを、頭頚部回旋角度θ1として計測する頭頚部回旋角度計測手段とを備えている。
【選択図】 図8

Description

本発明は頭頚部姿勢計測装置と方法に関する。
摂食嚥下障害者が誤嚥を起こさないようにするための方法として、誤嚥を起し難い食事姿勢を採ることが重要であることが判っている。
しかし、そのような誤嚥を起し難い食事姿勢をどのようにして見つけ、またベッド上等において、前記誤嚥を起し難い姿勢を容易に再現できるようにするにはどのようにすればよいか、更に誤嚥を起し難い姿勢を容易に採ることができる枕を摂食嚥下障害者に直接接してデータを取得することなく、作製するにはどのようにすればよいか等については、有効な考え方が確率されていないのが現状である。
例えば嚥下造影検査(VF検査)が、摂食嚥下障害者に対して行われている。このVF検査は、摂食嚥下障害者の飲み込み状況をエックス線等で観察し、患者が安全に飲み込みができるか否か等を検査するものである。従って患者が色々の姿勢を採ることで、誤嚥し難い姿勢を知ることは可能である。
しかしながら、撮影されたX線写真に示された姿勢を正確に再現するには、X線装置が再度必要となる。
また前記VF検査で判って誤嚥し難い姿勢を普通の光学写真で記憶させた場合でも、姿勢再現にはその写真が必要となる。
そうでなければ、食事介護者の経験に基づいて食事姿勢が再現される。しかし、これも同じ食事介護者が常に必要となる。
勿論、VF検査時に、誤嚥し難い姿勢に関して、ベッドのギャッチ角度等は簡単にデータとして得ることができる。しかし、患者の頭頚部姿勢に対するそれ以上の情報については、ほとんど定性的な範囲に止まっていた。
従って従来は、誤嚥防止に適した姿勢が例え見つかっても、その姿勢を正確に再現することが可能な定量的データを医療現場において構築することができず、姿勢再現を正確に且つ安定して行うことができなかった。
特開平10−234710号公報 特開平10−168631号公報 特開2000−201924公報 特開2005−137597号公報 実用新案登録第3126940号公報
上記特許文献1は頭部計測器に関し、垂直姿勢又は着座姿勢において、基準点(O)から測定点(P)までの水平距離(x)及び垂直距離(y)を計測し、これによって人体頸部から後頭部にかけての曲線形状を数値化することが開示されている。
しかしながら、この特許文献1の発明では、頭部の姿勢を1平面上における(x)、(y)座標でしか表すことができないものであり、頭頚部の姿勢についての詳細な位置情報を十分に得ることができない。
上記特許文献2は頭部計測器に関し、仰臥又は横臥した者の頭部の形状に従って変形可能な頭部支持部材と、同様に変形可能な頸部支持部材とに対して、それら頭部支持部材と頸部支持部材の上面の高さを計測する装置が開示されている。
しかしながら、この特許文献2の発明においても、人体頸部から後頭部にかけての曲面各部の高さしか計測できないものであり、頭頚部の姿勢についての詳細で正確な位置情報を十分には得ることはできない。
上記特許文献3は嚥下造影撮影記録用撮影台に関し、背部(32)の座部(31)からの傾斜角度計(4)と頸部と上体との角度を測る関節角度計(5)を設けることが開示されている。
しかしながら、この特許文献3の発明では、撮影台をベッドに置き換えて言えば、前記傾斜角度計(4)はギャッチ角度に相当し、前記関節角度計(5)は頸部のベッドからの持ち上げ角度に相当するのに過ぎず、頭頚部の姿勢の十分に正確な位置情報を得ることができない。
上記特許文献4は、椅子型の頭部形状測定器及び枕使用状態体感用椅子に関し、椅子の背もたれ部(11)からの後頭部及び頸部の距離を計測する装置が開示されている。
しかし、この特許文献4は、上記特許文献1の場合と同様に、頭部の姿勢を1平面上における(x)、(y)座標でしか表すことができない程度のものであり、頭頚部の姿勢についての詳細な位置情報を十分に得ることができない。
上記特許文献5は摂食・嚥下用の枕に関し、枕部(1)と台座部(2)とからなり、枕部(1)には角度計(12)を設け、また台座部(2)には水平方向の目盛り(13)と垂直方向の目盛り(14)を設ける構成が開示されている。
しかし、この特許文献5は、実際には枕部(1)の台座部(2)に対する角度等が明らかになるだけであり、誤嚥防止に適した患者自身の姿勢を正確に再現できるような不変性のある値を必ずしも得ることができない問題を含んでいる。
そこで本発明は上記従来技術の問題を解消し、被計測者の頭頚部の三次元姿勢を被計測姿勢として容易に計測することができ、且つ得られたデータに汎用性があり、得られたデータに基づいて時と所を経て何度も同じ頭頚部の姿勢を再現することができ、更に得られたデータに基づいて必要な頭頚部の姿勢に適した枕を容易に製作することができる頭頚部姿勢計測装置と方法の提供を課題とする。
上記課題を達成するため本発明の頭頚部姿勢計測装置は、被計測者の頭頚部の一定の三次元姿勢を被計測姿勢として計測する頭頚部姿勢計測装置であって、
ベッド面を計測基準面とし、該計測基準面から仰向け姿勢にある被計測者の耳孔までの垂直高さを、頭頚部前突高さとして計測する頭頚部前突高さ計測手段と、
仰向け姿勢にある被計測者の顔面部尾根線上の予め定めた一点を被計測点とし、該被計測点が、前記計測基準面から耳孔を通る垂直面に対して、耳孔の周りに幾らの角度で傾いているかを、頭頚部前屈角度として計測する頭頚部前屈角度計測手段と、
被計測姿勢での前記被計測点が、前記計測基準面から仰向け姿勢にある被計測者の顔面部尾根線を通る垂直面に対して、頭頂点の周りに幾らの角度で回旋しているかを、頭頚部回旋角度として計測する頭頚部回旋角度計測手段とを備えていることを第1の特徴としている。
また本発明の頭頚部姿勢計測装置は、上記第1の特徴に加えて、頭頚部前突高さ計測手段は、頭頚部を被計測姿勢から頭頚部回旋角度がゼロとなる仰向け姿勢まで戻した状態において、計測基準面から予め定めた左右何れか一方の耳孔までの垂直高さを計測するものとし、
頭頚部前屈角度計測手段は、頭頚部を被計測姿勢から頭頚部回旋角度がゼロとなる仰向け姿勢まで戻した状態において、被計測点が、前記計測基準面から耳孔を通る垂直面に対して、耳孔の周りに幾らの角度で前屈しているかを計測するものとすることを第2の特徴としている。
また本発明の頭頚部姿勢計測装置は、上記第1又は第2の特徴に加えて、ベッド面に載置するベース体と、被計測者の頭頚部を保持する頭頚部保持体と、該頭頚部保持体を頭頚部と共にベッド面から持ち上げる頭頚部持上手段と、被計測者の頭頚部の顎引き動作に伴う前屈に応じて前記頭頚部保持体をスライドさせるスライド移動手段と、被計測者の頭頚部の回旋動作に応じて前記頭頚部保持体を回旋させる頭頚部回旋手段とを備えたことを第3の特徴としている。
また本発明の頭頚部姿勢計測装置は、上記第1〜第3の何れかの特徴に加えて、装置各部の計測手段で得られた計測データ値から被計測者の頭頚部の被計測姿勢を特定する値として、頭頚部前突高さと頭頚部前屈角度と頭頚部回旋角度とを演算して表示する演算表示部を備えたことを第4の特徴としている。
また本発明の頭頚部姿勢計測装置は、上記第1〜第4の何れかの特徴に加えて、被計測点を鼻根点としたことを第5の特徴としている。
また本発明の頭頚部姿勢計測方法は、頭頚部の一定の三次元姿勢を被計測姿勢として計測する頭頚部姿勢計測方法であって、
ベッド面を計測基準面とし、該計測基準面から仰向け姿勢にある被計測者の耳孔までの垂直高さを、頭頚部前突高さとして計測し、
仰向け姿勢にある被計測者の顔面部尾根線上の予め定めた一点を被計測点とし、該被計測点が、前記計測基準面から耳孔を通る垂直面に対して、耳孔の周りに幾らの角度で傾いているかを、頭頚部前屈角度として計測し、
被計測姿勢での前記被計測点が、前記計測基準面から仰向け姿勢にある被計測者の顔面部尾根線を通る垂直面に対して、頭頂点の周りに幾らの角度で回旋しているかを、頭頚部回旋角度として計測し、
前記頭頚部前突高さと前記頭頚部前屈角度と前記頭頚部回旋角度とで、被計測者の頭頚部の被計測姿勢を特定することを第6の特徴としている。
また本発明の頭頚部姿勢計測方法は、上記第6の特徴に加えて、水平面に対するベッド面の傾斜角度をギャッチ角度として計測し、該ギャッチ角度を頭頚部前突高さと、頭頚部前屈角度と、頭頚部回旋角度とに加えた4つの値で、被計測者の頭頚部の被計測姿勢を特定することを第7の特徴としている。
請求項1に記載の頭頚部姿勢計測装置によれば、頭頚部前突高さ計測手段により、計測基準面であるベッド面から被計測者の耳孔までの垂直高さが、頭頚部前突高さとして計測される。
また頭頚部前屈角度計側手段により、計測基準面であるベッド面から耳孔線を通る垂直面に対する予め定めた被計測点の前屈による傾きが、頭頚部前屈角度として計測される。
また頭頚部回旋角度計測手段により、被計測点が仰向き状態から被計測姿勢に至るまでに、頭頂点の周りに幾らの角度で回旋しているかが、頭頚部回旋角度として計測される。
前記頭頚部前突高さ、頭頚部前屈角度、頭頚部回旋角度は、ベッド面の他、耳孔、仰向け姿勢にある被計測者の顔面部尾根線上にある鼻根点、その他の地点等、人体の外観上の顕点を利用して、普遍的な値(データ)として容易に計測することができる。と同時に、その3つのデータにより頭頚部の三次元姿勢を確実に特定することができると共に、容易に再現することができる。
従って、例えばVF検査の際に判明した頭頚部の姿勢を本装置で計測し、頭頚部前突高さと頭頚部前屈角度と頭頚部回旋角度とのデータを取得することで、該データを用いて、その後における介護、治療、更には誤嚥防止枕の製作等を非常に効率よく確実に行うことが可能となる。
ここで「顔面部尾根線」とは、人により多少ずれがあるものの、鼻根点や鼻の一番高い線等を通る、いわゆる顔の正中(中心)線を意味するものとする。
また請求項2に記載の頭頚部姿勢計測装置によれば、上記請求項1に記載の構成による作用効果に加えて、頭頚部前突高さ計測手段による頭頚部前突高さは、頭頚部を被計測姿勢から頭頚部回旋角度がゼロの状態まで戻した状態において、計測基準面から予め定めた左右何れかの一方の耳孔までの高さを測ることで簡単に得ることができる。なお、仰向き姿勢にあるときの左右の耳孔の位置は同じ高さにあるのが一般的であるが、人によっては耳孔の高さが左右で異なる場合もあるので、予め定めた左右何れか一方の耳孔までの高さとすることで、計測不良が生じるのを予防している。
前記計測された頭頚部前突高さを、その後において患者に再現する場合には、ベッド上に患者を仰臥させ、その状態で患者の頭頚部を、耳孔の高さが前記頭頚部前突高さの計測データ値と同じになるまで持ち上げることで、容易に頭頚部前突高さの再現ができる。
同様に、頭頚部前屈角度計測手段による頭頚部前屈角度は、頭頚部を被計測姿勢から頭頚部回旋角度がゼロ、即ち仰向け姿勢まで戻した状態において、被計測点が、計測基準面から耳孔を通る垂直面に対して、耳孔の周りに幾らの角度で傾いているかを計測することで、簡単に得ることができる。
そして前記計測された頭頚部前屈角度を、その後において患者に再現する場合には、頭頚部前突高さが計測データ値まで持ち上げられた状態に仰臥する患者に対し、患者の被計測点が頭頚部前屈角度の計測データ値と同じ角度になるまで、頭頚部を前屈(顎引き)させることで、容易に頭頚部前屈角度を再現することができる。
よって請求項2に記載の装置によれば、患者がベッドに仰臥した状態から、順次、頭頚部前突高さの計測データ値と、頭頚部前屈角度の計測データ値と、頭頚部回旋角度の計測データ値とを用いて、前記計測の手順とは逆の手順で、患者の三次元姿勢を容易に、確実に再現することができる。
また請求項3に記載の頭頚部姿勢計測装置によれば、上記請求項1又は2に記載の構成による作用効果に加えて、ベッド面に載置するベース体と、被計測者の頭頚部を保持する頭頚部保持体と、該頭頚部保持体を頭頚部と共にベッド面から持ち上げる頭頚部持上手段と、被計測者の頭頚部の顎引き動作に伴う前屈に応じて前記頭頚部保持体をスライドさせるスライド移動手段と、被計測者の頭頚部の回旋動作に応じて前記頭頚部保持体を回旋させる頭頚部回旋手段とを備えているので、
本装置のベース体でベッド面に載置し、頭頚部保持体で被計測者の頭頚部を保持し、頭頚部持上手段で前記頭頚部保持体を持ち上げ、被計測者の頭頚部を持ち上げることができる。これにより頭頚部前突高さを自由に調整することができる。
またスライド移動手段により、被計測者の頭頚部の前屈(顎引き)動作に応じて頭頚部保持体をスライドさせることができる。
更に頭頚部回旋手段により、被計測者の頭頚部の回旋動作に応じて頭頚部保持体を回旋させることができる。
よって、これらベース体、頭頚部保持体、頭頚部持上手段、スライド移動手段、頭頚部回旋手段と、頭頚部前突高さ計測手段、頭頚部前屈角度計測手段、頭頚部回旋角度計測手段とを備えた本装置によれば、例えばVF検査に伴って患者の頭頚部の姿勢を誤嚥防止等に適した姿勢に容易に調整し、また再現することができると共に、調整された頭頚部の三次元姿勢を汎用データとして計測し、再現可能なデータとして残すことが可能となる。
また請求項4に記載の頭頚部姿勢計測装置によれば、上記請求項1〜3の何れかに記載の構成による作用効果に加えて、装置各部の計測手段で得られたデータから被計測者の頭頚部の被計測姿勢を特定する値として、頭頚部前突高さと頭頚部前屈角度と頭頚部回旋角度とを演算して表示する演算表示部を備えたので、
装置各部の計測手段で得られた計測データ値を演算表示部に自動的に入力し或いは手動入力することで、頭頚部前突高さと頭頚部前屈角度と頭頚部回旋角度とを演算し、表示することができる。よって、計測者は表示された値を、容易に診断書等に記録することができる。
また請求項5に記載の頭頚部姿勢計測装置によれば、上記請求項1〜4の何れかに記載の構成による作用効果に加えて、被計測点を鼻根点としたので、
仰向け姿勢における顔面の尾根線上にある計測し易い顕点として、計測者において特定し易く、計測点にバラツキが生じるのをなくすことができる。
また請求項6に記載の頭頚部姿勢計測方法によれば、患者等の被計測者の頭頚部の被計測姿勢は、頭頚部前突高さと、頭頚部前屈角度と、頭頚部回旋角度とを計測して行うことができる。そして前記頭頚部前突高さは、ベッド面から耳孔までの垂直高さを計測することで得ることができる。また前記頭頚部前屈角度は、ベッド面から耳孔を通る垂直面に対して、被計測点が耳孔の回りに幾らの角度で前屈しているかを計測することで得ることができる。更に前記頭頚部回旋角度は、ベッド面から仰向け姿勢にある被計測者の顔面部尾根線を通る垂直面に対して、被計測点が頭頂点の回りに幾らの角度で回旋しているかを計測することで得ることができる。
以上のようにして、頭頚部前突高さと、頭頚部前屈角度と、頭頚部回旋角度とを計測することにより、被計測者の頭頚部の被計測姿勢を三次元的に特定することが容易にできる。しかも3つのデータ値は、ベッド面と人体の外観上の顕点を用いて計測しているので、汎用性があり、よってこのデータ値を用いて姿勢再現を容易に行うことが可能となる。また例えばVF検査の際に本発明の方法を併用することで、その後における介護、治療、誤嚥防止枕の製作等に非常に役立つデータを得ることができる。
また請求項7に記載の頭頚部姿勢計測方法によれば、上記請求項6に記載の構成による作用効果に加えて、頭頚部前突高さの計測、頭頚部前屈角度の計測、頭頚部回旋角度の計測に併せて、ベッドのギャッチ角度も計測するようにしているので、4つの計測データ値により、被計測者の頭頚部の姿勢を、頭頚部以下の身体の傾斜姿勢(ベッドの傾斜角度)も含めた形で、より詳しく確定することができる。よってこの方法によれば、誤嚥防止に適した姿勢をより詳細に特定して、且つ再現することができる。
本発明の実施形態に係る頭頚部姿勢計測装置の全体正面図である。 本発明の実施形態に係る頭頚部姿勢計測装置の全体平面図である。 本発明の実施形態に係る頭頚部姿勢計測装置の全体右側面図である。 本発明の実施形態に係る頭頚部姿勢計測装置の全体背面図である。 本発明の実施形態に係る頭頚部姿勢計測装置のベース体上面に配置される部材の平面図である。 本発明の実施形態に係る頭頚部姿勢計測装置による頭頚部前突を行う際の動作と頭頚部前屈を行う動作を説明する図で、(A)は頭頚部を装置に載せた初期状態を示し、(B)は頭頚部を前突させた状態を示し、(C)は被計測者が顎を引いて頭頚部を前屈させた状態を示す。 本発明の実施形態に係る頭頚部姿勢計測装置を用いた頭頚部の回旋を行う動作を説明する装置の右側面図である。 本発明の実施形態に係る頭頚部姿勢計測装置を用いた被計測者の被計測姿勢を計測する仕方を説明する図で、(A)は頭頚部が載置された装置の正面図、(B)頭頚部の頭頂点を真上からみた図である。
先ず図1〜5を参照して、本発明実の施形態に係る頭頚部姿勢計測装置は、ベース体10と頭頚部保持体20を有する。
前記ベース体10は、ベッドBの上面Fに置かれるもので、少なくとも下面が真っ直ぐな平坦面とされている。
前記ベッドBの上面Fは、本実施形態において計測基準面Fとなる。
ベース体10には支柱11が立設され、またベース体10上に空気袋30が配置されている。空気袋30は前記ベース体10と前記頭頚部保持体20の基板21との間に介在する形で設けられている。
前記ベース体10には前記支柱11が立設されている。この支柱11は前記頭頚部保持体20の基板21を貫通しており、基板21が支柱11をガイド柱として上下に移動できるようになされている。
基板21には支柱11に対する移動と固定とを行う移動固定手段として、締付レバー21aとその受板21bとが設けられている。締付レバー21aを締め付けることで、支柱11に対する基板21の固定状態が成立し、基板21が不動状態となる。締付けレバー21aを緩めれば、基板21の支柱11に沿った上下移動が可能となる。
なお前記支柱11は、基板21の中央付近を貫通して設けられているが、貫通することなく、代わりに、基板21の両側に一対で、或いは片側に設けて、基板21の上下移動をガイドするものであってもよい。
また支柱11は基板21の上下移動をガイドさせることが必須であるが、必ずしも基板21を固定状態に締め付ける必要はない。支柱11の所望の位置に基板21が係脱自在に係止する係止手段、或いは支柱11の所望の位置に離脱自在に載った状態で保持する保持手段を付属するものであればよい。
前記空気袋30は、そのエアーチューブ31がベース体10の外方まで延長されて手動のエアーポンプ32に接続されている。エアーポンプ32を操作することで、図示しない逆支弁を介して前記空気袋30に空気が送り込み、膨張させることができる。また膨張した空気袋30の空気を抜いて、収縮させることができる。
空気袋30を膨張させることで前記頭頚部保持体20をベース体10(ベッドBの上面F)から持ち上げることができる。
前記空気袋30とそれに空気を供給するエアーポンプ32は、頭頚部をベッドBの上面Fから上方へ持ち上げる頭頚部持上手段を構成している。この頭頚部持上手段は、更に加えて、チューブ31、支柱11、基板21の移動固定手段(21a、21b)を含めた広い概念のものとすることもできる。
空気袋30の膨張、収縮により、頭頚部保持体20の基板21全体をベース体10に対して持ち上げ、或いは持ち下げることができる。基板21の持ち上げ及び持ち下げは、該基板21に貫通する前記支柱11にガイドされて行われる。
なお、前記エアーポンプ32は電動のポンプであってもよい。
前記ベース体10と頭頚部保持体20の基板21との間には、前記空気袋30の他に、リンク機構40を設けている。
図5も参照して、リンク機構40は、一対のリンク棒41、41と、該リンク棒41の基端側をベース体10の上面で軸受けする一対の軸受部42、42と、リンク棒41の先端側に取り付けられた一対のローラ43、43と、前記一対のリンク棒41、41間を連結する連結棒44と、前記基板21の下面に沿って一定の長さで取り付けられた一対のローラガイド45、45を有している。
前記一対のローラガイド45は、前記ローラ43を受けるべく、基板21の下面に受け入れ溝を構成するようにして突出して構成され、或いは断面がL字状に突出して構成され、一対のローラ43が基板21の下面側に沿って転動しながらスライド移動するのをガイドする。
前記リンク棒41が軸受部42の周りに回動すると、ローラ43がローラガイド45に沿ってスライドし、同時に頭頚部保持体20の先端側が支柱11に沿って上下方向にスライドする。このとき、前記空気袋30内の保有空気量が同じである限りにおいて、空気袋30はその基端側30aにおける膨らみが縮小し、一方、先端側30bの膨らみが増加する。
図5等を参照して、前記リンク機構40のリンク棒41の軸受部42の位置には、リンク棒41の立ち上がり角度θβを検出するポテンショメータ71を設け、またリンク棒41の先端部のローラ43の位置に後述する基板21の傾斜角度θγを検出するポテンショメータ72を設けることができる。
前記頭頚部保持体20は、前記基板21の他、固定保持体22と可動保持体23とを備えている。
前記固定保持体22は基板21の上に固定状態に配置されている。
固定保持体22の上面には、断面が円弧状の受入溝22aが長手方向に設けられている(図3参照)。そしてこの円弧状断面の受入溝22aに対して、前記可動保持体23が丁度嵌り込み、長手方向を軸として回旋自在な状態に配置されている。
前記可動保持体23の底面は、前記固定保持体22の受入溝22aに対応した円弧状断面をもつ膨出部となっている。このようにして可動保持体23は固定保持体22上に、長手方向を軸として回旋自在に組み合わされている。
可動保持体23の上面は、全体として長手方向の基端側から先端側へと一定の傾斜で高くなるようにした傾斜面としている。また上面の中央部には、仰向け姿勢にある被計測者Mの頭頚部が安定して載るように、頭頚部安置凹所23aを設けている。
前記可動保持体23の回旋は、前記基板21に立設された回旋支持柱24によって支持される。即ち、該可動保持体23の先端に取手板23bが、回旋支持柱24と平行に固定されており、この取手板23bに設けられた回旋軸23cが回旋支持柱24によって軸受けされた構成となっている。
前記回旋軸23cの位置は、前記固定保持体22の受入講22aの円弧の中心線上となるようにしている。これにより可動保持体23の回旋が回旋軸23cを中心にして行われる。
加えて、前記回旋軸23cの位置は、可動保持体23の頭頚部安置凹所23aに仰向け姿勢で載った頭頚部の頭頂点に対応する位置とする。勿論、この回旋軸23cは、各被計測者Mの頭頚部の頭頂点に対してそれぞれ正確に一致させるために、回旋支持柱24の上下方向に移動調節可能に配置するようにしてもよい。
前記回旋軸23cの位置には、可動保持体23の回旋角度θ1、即ち頭頚部回旋角度θ1を検出するポテンショメータ73を設けている。
前記回旋支持柱24、回旋軸23c、固定保持体22の受入溝22aは頭頚部回旋手段を構成する。
この頭頚部回旋手段は、更に加えて、前記固定保持体22の受入溝22に丁度嵌り込む可動保持体23の底面の膨張部を含めた広い概念のものとすることもできる。
勿論、頭頚部回旋手段としては、前記部材から構成されるものに限定されるものではなく、要するに頭頚部を回旋できる手段であればよい。
なお、前記回旋角度θ1の計測は、前記ポテンショメータ73に加えて、回旋角度支持針と角度目盛りを前記回転支持柱24に設けて、視認により計測することができるようにすることができる。
前記ベース体10上に、計測用支持柱51を配設している。この計測用支持柱51は、ベース体10の上面に設けられたガイドレール52に沿って、前記頭頚部保持体20に対して側方に一定の間隔をもって、平行移動ができるようにしている。
計測用支持柱51には、カーソル53が移動自在に取り付けられている。このカーソル53は、被計測点を被計測者Mの耳孔Y(図6、図8参照)の位置に合わせるためのものである。カーソル53の中心に角度指示針54が設けられている。角度指示針54が示す角度θ2は、頭頚部前屈角度θ2となる。
前記カーソル53の背部には前記角度指示針54が示す角度θ2を頭頚部前屈角度θ2として計測するポテンショメータ74が設けられている。
前記計測用支持柱51には、ベッドBの上面Fから被計測者Mの耳孔Yまでの垂直高さを計測するための高さ目盛り55を設けておく。
前記高さ目盛り55は、予め前記ベース体10の厚みを加えた形で目盛を形成しておく。これにより、耳孔Yの位置を高さ目盛り55で計測するだけで、それがそのままベッドBの上面Fから耳孔Yまでの垂直高さH、即ち頭頚部前突高さHの計測データ値となる。
なお、前記角度指示針54に対しても、頭頚部前屈角度目盛りをカーソル53等に設けておくことができる。これによって、被計測者Mの頭頚部の前屈角度θ2を目視することができる。
前記ベース体10の上に、演算表示部60を設けている。この演算表示部60は、マイクロコンピュータを内蔵させており、手動入力部、演算部、記憶部、表示部を備え、頭頚部姿勢計測装置の各部で計測された計測データ値を手動入力若しくは自動入力にて受入れ、予め定めた所定のプログラムに従って演算し、記憶し、表示できるようにしたものである。該演算表示部60で演算、記憶、表示できる計測データ値は、頭頚部前突高さH、頭頚部前屈角度θ2、頭頚部回旋角度θ1とする。しかし、必要に応じて他の計測データ値も演算、記憶、表示できるようにしてもよい。
前記頭頚部前突高さHは計測者による計測値が手動入力される。また頭頚部前屈角度θ2、頭頚部回旋角度θ1は、ポテンショメータ74、73から自動的に入力されるが、計測者において目視したものを手動入力することもできる。
なお図5において、符号61はポテンショメータ71〜74からの入力線を例示的に示したものである。
図6〜図8も参照して、更に説明する。
今、患者を被計測者Mとし、例として被計測者Mの誤嚥を防止し易い三次元姿勢を計測する場合を説明する。
先ず、本発明に係る頭頚部姿勢計測装置をそのベース体10でベッドBの上面Fに載置する。そしてベッドBに寝ている被計測者Mを仰向け姿勢にして、頭頚部を頭頚部保持体20の可動保持体23の頭頚部安置凹所23aに載せる。これで計測のための頭頚部設置の準備が整う(図6(A))。
前記準備が整った状態で、エアーポンプ32で空気を空気袋30に送り込むと、空気袋30が膨らみ、頭頚部保持体20の基板21をベース体10に対して持ち上げることができる。このとき空気袋30のクッション性により、被計測者Mの頭頚部は、その首の付け根から斜めに傾斜した状態に持ち上がる。即ち、頭頚部が前突する(図6(B))。
空気袋30内の空気量をエアーポンプ32で調整することで、頭頚部保持体20の持ち上げ量を調整することができる。即ち、頭頚部の前突量(高さ)を調整することができる。 空気袋30に空気が供給されるにつれ、前記リンク機構40のリンク棒41は軸受部42を中心に回動して斜めに立ち上がる。このリンク棒41の立ち上がり角度θβはポテンショメータ71で計測される。
一方、前記頭頚部保持体20の持ち上げに伴う頭頚部の前突に伴い、被計測者Mが顎引き動作を行って、頭頚部を前屈させると、その顎引き動作に追従して、頭頚部保持体20がスライド移動される。即ち、被計測者Mが顎引き動作を行うと、前記リンク棒41のローラ43がローラガイド45に沿って基端側(図6(B)上の左側)へスライドする。と同時に、空気袋30がその基端側30a側で縮小すると共に先端側30bで膨出するように変形する。これによって頭頚部保持体30がその先端側30bで支柱11に沿って上昇し、基端側30aで低下し、傾斜角度が調整される(図6(C))。この顎引き動作に伴う頭頚部保持体30の傾斜角度の変化θγは、ポテンショメータ72で計測される。
前記リンク機構40のリンク棒41、ローラ43、ローラガイド45はスライド移動手段を構成する。
このスライド移動手段は、更に加えて、軸受部42、支柱11を含めた広い概念のものとすることもできる。
勿論、スライド移動手段は、前記した構成のものに限定されるものではない。頭頚部保持体20を顎引き動作に伴って上記のようにスライド移動することができる手段であればよい。
更に被計測者Mが仰向け姿勢から、頭頚部を捻ると、それに伴って前記頭頚部保持体20の可動保持体23が固定保持体22に対して回旋する。この回旋角度θ1はポテンショメータ74により計測される。
以上のようにして、頭頚部姿勢計測装置の空気袋30の空気量や頭頚部保持体20のスライド量、回旋量を患者である被計測者Mと共にあれこれ調整することで、被計測者Mが飲食物を一番飲み込み易い最適姿勢(誤嚥防止姿勢)が得られる。
患者(被計測者M)の最適姿勢が得られると、この最適姿勢を患者(被計測者M)の被計測姿勢として、その三次元姿勢を頭頚部姿勢計測装置で計測する。
本実施形態に係る頭頚部姿勢計測装置による被計測者Mの誤嚥防止の最適姿勢(被計測姿勢)の計測は、頭頚部回旋角度θ1と、頭頚部前屈角度θ2と、頭頚部前突高さHを計測して、この3つの計測データ値で表す。
前記頭頚部回旋角度θ1は、概念的に言えば、被計測者Mの頭頚部が仰向け姿勢から被計測姿勢までに幾らの角度で捻られているかを示す角度である。
頭頚部回旋角度θ1は、具体的には、被計測者Mの鼻根点を被計測点Pとし、前記計測基準面F(ベッドBの上面)から仰向け姿勢にある被計測者Mの顔面尾根線Lを通る垂直面V1を回旋角度ゼロ面として、前記被計測点Pが前記回旋角度ゼロ面V1に対して被計測者Mの頭頂点Qを中心に幾らの角度θ1で回旋しているかを計測することで得られる。
前記頭頚部回旋角度θ1の計測は、実際には被計測者Mが被計測姿勢にあるときに、前記ポテンショメータ73の検出する値を計測すればよい。ポテンショメータ73による計測データ値は、自動的に若しくは手動的に演算表示部60に入力することができる。
勿論、頭頚部回旋角度θ1の計測は、前記ポテンショメータ73に加えて、上記回旋支持柱24に設けた回旋角度支持針と角度目盛りを用いて視認により手動計測してもよい。
前記ポテンショメータ73とその配置構成は頭頚部回旋角度計測手段を構成する。この頭頚部回旋角度計測手段は、更に加えて、前記回旋支持柱24、可動保持体23の構成を含めた広い概念のものとすることもできる。
勿論、頭頚部回旋角度計測手段は、前記した構成のものに限定されるものではない。頭頚部の回旋角度を計測することができる種々の手動的或いは自動的な手段を含む。
なお、前記被計測点Pは、被計測者Mが仰向け姿勢にあるときの被計測者Mの顔面の尾根線L上の予め定めた一点を採用することができる。前記一点としては、計測が容易で且つ計測誤差が出にくい点が好ましい。そのような一点として前記鼻根点がある。勿論、鼻根点以外の一点を採用することもできる。
前記頭頚部前屈角度θ2は、概念的に言えば、被計測者Mの頭頚部における顎引き角度を示す角度である。
頭頚部前屈角度θ2は、具体的には、被計測者Mの鼻根点を被計測点Pとし、前記計測基準面F(ベッドBの上面)から仰向け姿勢にある被計測者Mの耳孔Yを通る垂直面V2を前屈角度ゼロ面として、被前記被計測点Pが前記前屈角度ゼロ面V2に対して前記耳孔Yを中心に幾らの角度θ2で傾いているかを計測することで得られる。
前記頭頚部前屈角度θ2の計測は、実際には被計測者Mの頭頚部の姿勢を確定した一定の被計測姿勢から、頭頚部回旋角度θ1だけを角度ゼロとなる仰向け姿勢まで戻し、その状態において前記ポテンショメータ74の検出する値を計測すればよい。
頭頚部前屈角度θ2の計測は、角度支持針54による視認にて手動計測することもできる。
ポテンショメータ74或いは角度支持針54による計測データ値は、自動的に若しくは手動的に演算表示部60に入力することができる。
前記ポテンショメータ74の位置は、計測用支持柱51と共にベース体10上を移動し、またカーソル53と共に計測用支持柱51を上下動し、耳孔Yの位置に照準される。
前記ポテンショメータ74とその配置構成は頭頚部前屈角度計測手段を構成する。この頭頚部前屈角度計測手段は、更に加えて、前記回旋支持柱24、可動保持体23の構成を含めた広い概念のものとすることもできる。
勿論、頭頚部前屈角度計測手段は、前記した構成のものに限定されるものではない。頭頚部の前屈角度を計測することができる種々の手動的、自動的な手段を含むものとする。
前記頭頚部前突高さHは、概念的に言えば、ベッドBの上面である計測基準面Fから仰向け姿勢にある被計測者Mの耳孔Yまでの垂直高さということができる。
頭頚部前突高さHは、具体的には、被計測者Mの頭頚部の姿勢を確定した一定の被計測姿勢から頭頚部回旋角度θ1だけを角度ゼロとなる仰向け姿勢まで戻し、その状態において前記計測基準面F(ベッドBの上面)から、予め定めた左右何れか一方の耳孔Yまでの垂直高さを計測することで得られる。
前記頭頚部前突高さHの計測は、実際には被計測者Mの頭頚部の姿勢を被計測姿勢から頭頚部回旋角度θ1がゼロの仰向け姿勢まで戻し、その状態において前記計測用支持柱51とカーソル53とを移動調節して、カーソル53を被計測者Mの耳孔Y(図面上では左の耳孔となる)に照準し、そのときの計測基準面Fから照準した耳孔Yまでの垂直高さを計測用支持柱51の高さ目盛り55で読むことで行うことができる。
前記高さ目盛り55で計測された頭頚部前突高さHは、手動で演算表示部60に入力することができる。
勿論、前記計測用支持柱51を上下方向に移動するカーソル53の高さ位置を自動認識させることで、頭頚部前突高さHを自動的に演算表示部60に入力することも可能である。
前記計測用支持柱51、カーソル53、高さ目盛り55とその配置構成は頭頚部前突高さ計測手段を構成する。この頭頚部前突高さ計測手段は、更に加えて、ガイドレール52の構成を含めた広い概念のものとすることもできる。
勿論、頭頚部前突高さ計測手段は、前記した構成のものに限定されるものではない。頭頚部の前突の高さを計測することができる種々の手動的、自動的な手段もまた頭頚部前突高さ計測手段である。
以上のようにして、被計測者Mの頭頚部前突高さH、頭頚部前屈角度θ2、頭頚部回線角度θ1が得られると、被計測者Mの三次元の被計測姿勢が特定される。そして前記3つの計測データ値は何れも客観的なデータ値であるので、この3つの計測データ値を、被計測人Mの名前等のデータと共にカルテ、その他の書類に記録し或いは本発明に係る頭頚部姿勢計測装置の演算表示60に記憶させておくことで、後日、被計測者Mの一定の三次元姿勢(被計測姿勢)を確実に再現させることができる。
即ち、本発明に係る装置を用いて、或いは用いることなく、先ず患者をベッドBに仰向けに寝かせ、次に患者の頭頚部を、耳孔Yの位置が計測済みの頭頚部前突高さHになるまで持ち上げ、更に患者の頭頚部を、その顎の位置が計測済みの頭頚部前屈角度θ2になるまで顎引き調整し、そして更に患者の頭頚部を、計測済みの頭頚部回旋角度θ1になるまで回旋させることで、患者の一定の三次元姿勢を容易に、確実に再現させることができる。
なお上記の説明では、ベッドB自体の傾き、即ち計測基準面F(ベッドBの上面F)の傾斜角度、即ちギャッチ角度については言及していない。しかし、患者の被計測姿勢を計測した際のベッド面F(計測基準面F)のギャッチ角度を計測し、このギャッチ角度を計測データ値として、頭頚部前突高さH、頭頚部前屈角度θ2、頭頚部回線角度θ1と共に計4つの計測データ値として書類に記録し、或いは本発明の頭頚部姿勢計測装置の演算表示部60、その他の記憶装置に記憶することで、患者の被計測姿勢を頭頚部以下の身体の傾斜姿勢(ベッドBの傾斜姿勢)も含めた形でより詳しく特定し、誤嚥防止により適した患者の姿勢等を再現することが可能になる。
10 ベース体
11 支柱
20 頭頚部保持体
21 基板
21a 締付レバー
21b 受板
22 固定保持体
22a 受入溝
23 可動保持体
23a 頭頚部安置凹所
23b 取手板
23c 回旋軸
24 回旋支持柱
30 空気袋
30a 基端側
30b 先端側
31 エアーチューブ
32 エアーポンプ
40 リンク機構
41 リンク棒
42 軸受部
43 ローラ
44 連結棒
45 ローラガイド
51 計測用支持柱
52 ガイドレール
53 カーソル
54 角度支持針
55 高さ目盛り
60 演算表示部
61 入力線
71 ポテンショメータ
72 ポテンショメータ
73 ポテンショメータ
74 ポテンショメータ
θ1 頭頚部回旋角度
θ2 頭頚部前屈角度
θβ リンク棒41の立ち上がり角度
θγ 基板21の傾斜角度
B ベッド
F 計測基準面(ベッドの上面)
M 被計測者
Y 耳孔
H 頭頚部前突高さ
P 被計測点
Q 頭頂点
V1 回旋角度ゼロ面
V2 前屈角度ゼロ面

Claims (7)

  1. 被計測者の頭頚部の一定の三次元姿勢を被計測姿勢として計測する頭頚部姿勢計測装置であって、
    ベッド面を計測基準面とし、該計測基準面から仰向け姿勢にある被計測者の耳孔までの垂直高さを、頭頚部前突高さとして計測する頭頚部前突高さ計測手段と、
    仰向け姿勢にある被計測者の顔面部尾根線上の予め定めた一点を被計測点とし、該被計測点が、前記計測基準面から耳孔を通る垂直面に対して、耳孔の周りに幾らの角度で傾いているかを、頭頚部前屈角度として計測する頭頚部前屈角度計測手段と、
    被計測姿勢での前記被計測点が、前記計測基準面から仰向け姿勢にある被計測者の顔面部尾根線を通る垂直面に対して、頭頂点の周りに幾らの角度で回旋しているかを、頭頚部回旋角度として計測する頭頚部回旋角度計測手段とを備えていることを特徴とする頭頚部姿勢計測装置。
  2. 頭頚部前突高さ計測手段は、頭頚部を被計測姿勢から頭頚部回旋角度がゼロとなる仰向け姿勢まで戻した状態において、計測基準面から予め定めた左右何れか一方の耳孔までの垂直高さを計測するものとし、
    頭頚部前屈角度計測手段は、頭頚部を被計測姿勢から頭頚部回旋角度がゼロとなる仰向け姿勢まで戻した状態において、被計測点が、前記計測基準面から耳孔を通る垂直面に対して、耳孔の周りに幾らの角度で前屈しているかを計測するものとすることを特徴とする請求項1に記載の頭頚部姿勢計測装置。
  3. ベッド面に載置するベース体と、被計測者の頭頚部を保持する頭頚部保持体と、該頭頚部保持体を頭頚部と共にベッド面から持ち上げる頭頚部持上手段と、被計測者の頭頚部の顎引き動作に伴う前屈に応じて前記頭頚部保持体をスライドさせるスライド移動手段と、被計測者の頭頚部の回旋動作に応じて前記頭頚部保持体を回旋させる頭頚部回旋手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の頭頚部姿勢計測装置。
  4. 装置各部の計測手段で得られた計測データ値から被計測者の頭頚部の被計測姿勢を特定する値として、頭頚部前突高さと頭頚部前屈角度と頭頚部回旋角度とを演算して表示する演算表示部を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の頭頚部姿勢計測装置。
  5. 被計測点を鼻根点としたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の頭頚部姿勢計測装置。
  6. 頭頚部の一定の三次元姿勢を被計測姿勢として計測する頭頚部姿勢計測方法であって、
    ベッド面を計測基準面とし、該計測基準面から仰向け姿勢にある被計測者の耳孔までの垂直高さを、頭頚部前突高さとして計測し、
    仰向け姿勢にある被計測者の顔面部尾根線上の予め定めた一点を被計測点とし、該被計測点が、前記計測基準面から耳孔を通る垂直面に対して、耳孔の周りに幾らの角度で傾いているかを、頭頚部前屈角度として計測し、
    被計測姿勢での前記被計測点が、前記計測基準面から仰向け姿勢にある被計測者の顔面部尾根線を通る垂直面に対して、頭頂点の周りに幾らの角度で回旋しているかを、頭頚部回旋角度として計測し、
    前記頭頚部前突高さと前記頭頚部前屈角度と前記頭頚部回旋角度とで、被計測者の頭頚部の被計測姿勢を特定することを特徴とする頭頚部姿勢計測方法。
  7. 水平面に対するベッド面の傾斜角度をギャッチ角度として計測し、該ギャッチ角度を頭頚部前突高さと、頭頚部前屈角度と、頭頚部回旋角度とに加えた4つの値で、被計測者の頭頚部の被計測姿勢を特定することを特徴とする請求項6に記載の頭頚部姿勢計測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113425244A (zh) * 2021-06-25 2021-09-24 广西医科大学第二附属医院(广西医科大学第二临床医学院) 巩膜测量装置

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