JP2013149910A - 発光体及び発光体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材と発光素子とを接合する際に加圧しなくても接合層の内部に空隙が生じ難く、基材と発光素子との接合信頼性に優れた発光体、及び、この発光体の製造方法を提供する。
【解決手段】発光素子11と、この発光素子11を支持する基材12と、を備えた発光体10であって、発光素子11と基材12との間には、酸化銀が還元されたAgとAg粒子との焼成体からなる接合層13が形成されていることを特徴とする。ここで、接合層13は、酸化銀粒子と、還元剤と、Ag粒子と、溶剤と、を含むAg含有酸化銀ペーストの焼成体とされている。
【選択図】図1
【解決手段】発光素子11と、この発光素子11を支持する基材12と、を備えた発光体10であって、発光素子11と基材12との間には、酸化銀が還元されたAgとAg粒子との焼成体からなる接合層13が形成されていることを特徴とする。ここで、接合層13は、酸化銀粒子と、還元剤と、Ag粒子と、溶剤と、を含むAg含有酸化銀ペーストの焼成体とされている。
【選択図】図1
Description
この発明は、例えば半導体からなる発光層を備えたLED装置等の発光体、及び、この発光体の製造方法に関するものである。
上述の発光体の一種であるLED装置は、様々な分野で広く利用されており、最近では、照明器具や液晶ディスプレイのバックライトとしても使用されている。
従来のLED装置は、例えば特許文献1に示すように、Si等からなる基材の上に発光素子(LED素子)が接合された構造とされている。なお、発光素子(LED素子)は、サファイア基板上に半導体膜からなる発光層が形成された構造とされており、このサファイア基板の発光層とは反対側の面には、発光層からの光を反射する反射膜が形成されている。
従来のLED装置は、例えば特許文献1に示すように、Si等からなる基材の上に発光素子(LED素子)が接合された構造とされている。なお、発光素子(LED素子)は、サファイア基板上に半導体膜からなる発光層が形成された構造とされており、このサファイア基板の発光層とは反対側の面には、発光層からの光を反射する反射膜が形成されている。
ここで、基材と発光素子とは、金属からなる接合層を介して接合されている。
例えば特許文献1,2には、Au−Sn合金はんだペーストを焼成したはんだ接合層を介して、基材と発光素子とを接合する技術が提案されている。
また、特許文献3には、酸化銀粒子と還元剤とを含む酸化銀ペーストを使用し、酸化銀粒子を還元処理して得られる銀系接合層を介して、半導体素子とアルミニウムを主材とした導体とを接合する技術が提案されている。
例えば特許文献1,2には、Au−Sn合金はんだペーストを焼成したはんだ接合層を介して、基材と発光素子とを接合する技術が提案されている。
また、特許文献3には、酸化銀粒子と還元剤とを含む酸化銀ペーストを使用し、酸化銀粒子を還元処理して得られる銀系接合層を介して、半導体素子とアルミニウムを主材とした導体とを接合する技術が提案されている。
ところで、特許文献1,2に記載されたAu−Sn合金はんだペーストは、製造コストが高くなるため、大量生産には適用できなかった。また、はんだ接合層の融点が低いために、使用環境によっては、はんだ接合層の内部に空隙が発生するおそれがあり、接合信頼性を確保できないおそれがあった。
また、特許文献3に記載された酸化銀ペーストにおいては、酸化銀粒子が還元処理されることによって生成するAg粒子の密度が低いため、接合層内部に空隙が生じ易く、接合強度が確保できないおそれがあった。この空隙の発生を防止するためには、接合時に発光素子及び基材を互いに近接するように加圧する必要がある。ここで、LED素子等の発光素子はサイズが小さく、十分に加圧することができないため、接合層に空隙が発生し易いといった問題があった。また、加圧によって発光素子が破損してしまうおそれがあった。このため、特許文献3により発光体を製造することは困難であった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、基材と発光素子とを接合する際に加圧しなくても接合層の内部に空隙が生じ難く、基材と発光素子との接合信頼性に優れた発光体、及び、この発光体の製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の発光体は、発光素子と、この発光素子を支持する基材と、を備えた発光体であって、前記発光素子と前記基材との間には、酸化銀が還元されたAgとAg粒子との焼成体からなる接合層が形成されていることを特徴としている。
また、前記接合層は、酸化銀粒子と、還元剤と、Ag粒子と、溶剤と、を含むAg含有酸化銀ペーストの焼成体とされていることが望ましい。
また、前記接合層は、酸化銀粒子と、還元剤と、Ag粒子と、溶剤と、を含むAg含有酸化銀ペーストの焼成体とされていることが望ましい。
この場合、接合層を形成する際には、酸化銀粒子が還元されて生成する還元Ag粒子の周囲にAg粒子が存在し、還元Ag粒子とAg粒子とが接触して焼結することになる。つまり、酸化銀が還元されたAgとAg粒子によるAg粒子層の密度が高くなるのである。これにより、発光素子と基材とを互いに近接するように加圧しなくても、緻密な構造の接合層を形成することが可能となる。
ここで、前記Ag粒子の平均粒径が20nm以上800nm以下であることが望ましい。
この場合、Ag粒子の平均粒径が20nm以上800nm以下の範囲内とされていることから、還元Ag粒子の周囲にAg粒子が接触して焼結し易くなり、緻密な構造の接合層を形成することができる。
詳述すると、Ag粒子の平均粒径を20nm以上とすることによって、酸化銀粒子が還元されて生成する還元Ag粒子と大きさが揃うため、還元Ag粒子及びAg粒子の焼結がより均一に進行するとともに緻密な構造の接合層が形成されるのである。一方、Ag粒子の平均粒径を800nm以下とすることによって、Ag粒子の低温焼結性が向上し、還元Ag粒子との焼結を促進させることが可能となる。
この場合、Ag粒子の平均粒径が20nm以上800nm以下の範囲内とされていることから、還元Ag粒子の周囲にAg粒子が接触して焼結し易くなり、緻密な構造の接合層を形成することができる。
詳述すると、Ag粒子の平均粒径を20nm以上とすることによって、酸化銀粒子が還元されて生成する還元Ag粒子と大きさが揃うため、還元Ag粒子及びAg粒子の焼結がより均一に進行するとともに緻密な構造の接合層が形成されるのである。一方、Ag粒子の平均粒径を800nm以下とすることによって、Ag粒子の低温焼結性が向上し、還元Ag粒子との焼結を促進させることが可能となる。
また、前記発光素子と前記接合層との間に、前記発光素子からの光を反射する導電性反射膜が形成されており、この導電性反射膜は、金属ナノ粒子を含むことが好ましい。
この場合、導電性反射膜によって発光素子からの光を反射することで、発光体の輝度を向上させることが可能となる。また、この導電性反射膜が金属ナノ粒子を含んでいるので、導電性反射膜の耐熱性及び耐食性を向上させることができる。
この場合、導電性反射膜によって発光素子からの光を反射することで、発光体の輝度を向上させることが可能となる。また、この導電性反射膜が金属ナノ粒子を含んでいるので、導電性反射膜の耐熱性及び耐食性を向上させることができる。
本発明の発光体の製造方法は、発光素子と、この発光素子を支持する基材と、を備えた発光体の製造方法であって、前記基材と前記発光素子との間に、酸化銀粒子と、還元剤と、溶剤と、Ag粒子と、を含むAg含有酸化銀ペーストを介在させた状態で加熱処理を行い、前記発光素子と前記基材との間に、前記Ag含有酸化銀ペーストの焼成体からなる接合層を形成することを特徴としている。
この構成の発光体の製造方法によれば、酸化銀粒子が還元されて生成する還元Ag粒子とAg粒子とを焼結することによって形成される緻密な構造の接合層を介して、発光素子と基材とが接合されることになり、接合信頼性に優れた発光体を製造することが可能となる。
また、Ag含有酸化銀ペーストが、酸化銀粒子とAg粒子とを含んでいることから、Ag粒子層の密度が高くなり、発光素子と基材とを互いに近接するように加圧しなくても、緻密な構造の接合層を形成することが可能となる。よって、接合時における発光素子や基材の破損を防止できる。
また、Ag含有酸化銀ペーストが、酸化銀粒子とAg粒子とを含んでいることから、Ag粒子層の密度が高くなり、発光素子と基材とを互いに近接するように加圧しなくても、緻密な構造の接合層を形成することが可能となる。よって、接合時における発光素子や基材の破損を防止できる。
ここで、前記Ag粒子の平均粒径が20nm以上800nm以下であることが望ましい。
この場合、Ag粒子の平均粒径が20nm以上800nm以下の範囲内とされていることから、還元Ag粒子の周囲にAg粒子が接触して焼結しやすくなり、緻密な構造の接合層を形成することができる。
この場合、Ag粒子の平均粒径が20nm以上800nm以下の範囲内とされていることから、還元Ag粒子の周囲にAg粒子が接触して焼結しやすくなり、緻密な構造の接合層を形成することができる。
また、前記Ag含有酸化銀ペーストにおける前記酸化銀粒子と前記Ag粒子との質量比Ag−O/Agが、3/7≦Ag−O/Ag≦97/3の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、酸化銀粒子とAg粒子との質量比Ag−O/Agが、3/7≦Ag−O/Ag≦97/3の範囲内とされていることから、酸化銀粒子同士の間にAg粒子が確実に存在し、発光素子と基材とを互いに近接するように加圧しなくても、緻密な構造の接合層を形成することが可能となる。具体的には、Ag−O/Agが97/3以下の場合には、Ag粒子を十分に焼成体内部に存在させることができる。一方、Ag−O/Agが3/7以上であれば、酸化銀の還元による発熱によって、確実に焼結させることができる。したがって、前記酸化銀粒子と前記Ag粒子との質量比Ag−O/Agを、3/7≦Ag−O/Ag≦97/3の範囲内に設定することが望ましい。
この場合、酸化銀粒子とAg粒子との質量比Ag−O/Agが、3/7≦Ag−O/Ag≦97/3の範囲内とされていることから、酸化銀粒子同士の間にAg粒子が確実に存在し、発光素子と基材とを互いに近接するように加圧しなくても、緻密な構造の接合層を形成することが可能となる。具体的には、Ag−O/Agが97/3以下の場合には、Ag粒子を十分に焼成体内部に存在させることができる。一方、Ag−O/Agが3/7以上であれば、酸化銀の還元による発熱によって、確実に焼結させることができる。したがって、前記酸化銀粒子と前記Ag粒子との質量比Ag−O/Agを、3/7≦Ag−O/Ag≦97/3の範囲内に設定することが望ましい。
また、前記Ag含有酸化銀ペーストにおける前記酸化銀粒子と前記還元剤との質量比Ag−O/Rが、3/1≦Ag−O/R≦12/1の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、酸化銀粒子に対して必要な還元剤が確保されているので、酸化銀粒子を確実に還元することができるとともに、還元剤が余剰に添加されていないので、接合層の内部に還元剤成分が残存することを抑制できる。
この場合、酸化銀粒子に対して必要な還元剤が確保されているので、酸化銀粒子を確実に還元することができるとともに、還元剤が余剰に添加されていないので、接合層の内部に還元剤成分が残存することを抑制できる。
さらに、前記Ag含有酸化銀ペーストの組成は、前記酸化銀粒子を10質量%以上40質量%以下、前記還元剤を1質量%以上10質量%以下、前記Ag粒子を2質量%以上20質量%以下、樹脂を0質量%以上2質量%以下の範囲で含有し、残部が溶剤とされていることが好ましい。
この場合、酸化銀粒子が還元されて生成する還元Ag粒子とAg粒子とが焼結することになり、緻密な構造の接合層を確実に形成することが可能となる。なお、樹脂は、前記Ag含有酸化銀ペーストの粘性を調整するものであり、取り扱い性を考慮して必要に応じて添加すればよい。
この場合、酸化銀粒子が還元されて生成する還元Ag粒子とAg粒子とが焼結することになり、緻密な構造の接合層を確実に形成することが可能となる。なお、樹脂は、前記Ag含有酸化銀ペーストの粘性を調整するものであり、取り扱い性を考慮して必要に応じて添加すればよい。
また、前記Ag含有酸化銀ペーストにおける前記Ag粒子が有機物を含有することが好ましい。
この場合、Ag粒子に含有される有機物が分解する際の発熱を利用して焼結を促進することができる。これにより、接合温度(焼結温度)を低くすることが可能となる。
この場合、Ag粒子に含有される有機物が分解する際の発熱を利用して焼結を促進することができる。これにより、接合温度(焼結温度)を低くすることが可能となる。
さらに、前記発光素子と前記接合層との間に、金属ナノ粒子を含む金属ナノ粒子ペーストを介在させた状態で加熱処理を行い、前記金属ナノ粒子を含む導電性反射膜を形成する構成としてもよい。
この場合、金属ナノ粒子を含む導電性反射膜を形成することができ、発光体の輝度を向上させることが可能となる。
この場合、金属ナノ粒子を含む導電性反射膜を形成することができ、発光体の輝度を向上させることが可能となる。
本発明によれば、基材と発光素子とを接合する際に加圧しなくても接合層の内部に空隙が生じ難く、基材と発光素子との接合信頼性に優れた発光体、及び、この発光体の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態である発光体、及び、発光体の製造方法について、添付した図面を参照して説明する。
本実施形態である発光体10は、発光素子11としてLED素子を備えたLED装置とされている。
図1に示すように、本実施形態である発光体10は、発光素子11と、この発光素子11を支持する基材12と、を備えている。発光素子11は、ボンディングワイヤ17によって基材12と電気的に接続されており、発光素子11及びボンディングワイヤ17が封止材18によって封止された構造とされている。
図1に示すように、本実施形態である発光体10は、発光素子11と、この発光素子11を支持する基材12と、を備えている。発光素子11は、ボンディングワイヤ17によって基材12と電気的に接続されており、発光素子11及びボンディングワイヤ17が封止材18によって封止された構造とされている。
ここで、基材12の一方の面(図1において上面)と発光素子11の他方の面(図1において下面)との間には、第一保護層14と、接合層13と、第二保護層15と、が積層配置されている。また、本実施形態では、発光素子11の他方の面に導電性反射膜16が形成されている。
基材12は、発光素子11を支持するものであり、セラミックス(アルミナ、窒化アルミニウム)、金属(Al、Fe、Cu)、樹脂(エポキシ系、ポリイミド系、ガラス―エポキシ系、ポリエステル系、フェノール、異種基材の組み合わせ)等を適用することが可能である。
第一保護層14及び第二保護層15としては、SiO2/TiO2コーティング膜、Au、Ni金属膜等を適用することができる。
なお、基材12の材質に応じて、第一保護層14及び第二保護層15を選択的に形成することが好ましい。
なお、基材12の材質に応じて、第一保護層14及び第二保護層15を選択的に形成することが好ましい。
導電性反射膜16は、発光素子11からの光を反射することによって発光体10の輝度を向上させるために設けられるものである。この導電性反射膜16は、金属ナノ粒子を含むペーストを焼結した焼成体で構成されている。金属ナノ粒子としては、銀、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロムおよびマンガンからなる1種又は2種以上のものを適用することができる。本実施形態では、導電性反射膜16は、平均粒径が20nm以上30nm以下のAgナノ粒子を含むペーストの焼成層とされている。
そして、接合層13は、酸化銀粒子と、還元剤と、溶剤と、平均粒径20nm以上800nm以下のAg粒子と、を含むAg含有酸化銀ペーストの焼成体で構成されている。この接合層13は、酸化銀粒子の表面に析出する還元Ag粒子とAg粒子とが焼結したものである。ここで、還元Ag粒子は、例えば粒径10nm〜1μmと非常に微細であることから、緻密な構造の接合層13が形成されることになる。
ここで、Ag含有酸化銀ペーストは、酸化銀粒子とAg粒子との質量比Ag−O/Agが、3/7≦Ag−O/Ag≦97/3の範囲内に設定されている。また、酸化銀粒子と還元剤との質量比Ag−O/Rが、3/1≦Ag−O/R≦12/1の範囲内に設定されている。
具体的には、Ag含有酸化銀ペーストの組成は、酸化銀粒子を10質量%以上80質量%以下、前記還元剤を1質量%以上10質量%以下、前記Ag粒子を2質量%以上60質量%以下、樹脂を0質量%以上2質量%以下の範囲で含有し、残部が溶剤とされている。
なお、本実施形態におけるAg含有酸化銀ペーストは、その粘度が10Pa・s以上400Pa・s以下、より好ましくは30Pa・s以上300Pa・s以下に調整されている。
なお、本実施形態におけるAg含有酸化銀ペーストは、その粘度が10Pa・s以上400Pa・s以下、より好ましくは30Pa・s以上300Pa・s以下に調整されている。
酸化銀粒子は、その粒径が0.1μm以上40μm以下とされたものを使用した。なお、このような酸化銀粉末は、市販品として入手可能なものである。
還元剤は、還元性を有する有機物とされており、例えば、アルコール、有機酸を用いることができる。
アルコールであれば、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の1級アルコールを用いることができる。なお、これら以外にも、多数のアルコール基を有する化合物を用いてもよい。
有機酸であれば、例えば、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナンデカン酸などの飽和脂肪酸を用いることができる。なお、これら以外にも、不飽和脂肪酸を用いてもよい。
なお、接合層13内部における空隙の発生を抑制するために、熱分解性に優れた分子構造を有する有機物を用いることが好ましい。
アルコールであれば、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の1級アルコールを用いることができる。なお、これら以外にも、多数のアルコール基を有する化合物を用いてもよい。
有機酸であれば、例えば、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナンデカン酸などの飽和脂肪酸を用いることができる。なお、これら以外にも、不飽和脂肪酸を用いてもよい。
なお、接合層13内部における空隙の発生を抑制するために、熱分解性に優れた分子構造を有する有機物を用いることが好ましい。
なお、酸化銀粉末と混合した後に還元反応が容易に進行しない還元剤であれば、Ag含有酸化銀ペーストの保存安定性が向上することになる。そこで、還元剤としては、融点が室温以上のものが好ましく、具体的には、ミリスチルアルコール、1−ドデカノール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,10−デカンジオール、ミリスチン酸、デカン酸等を用いることが好ましい。
また、接合時における発光体の他の部位への熱影響(例えば反射膜の反射効率の低下)を抑えるために接合温度をさらに低温化する場合には、より低温で酸化銀を還元できる還元剤を選択することが好ましい。具体的には、ミリスチルアルコール、1−ドデカノール等を用いることが好ましい。
また、接合時における発光体の他の部位への熱影響(例えば反射膜の反射効率の低下)を抑えるために接合温度をさらに低温化する場合には、より低温で酸化銀を還元できる還元剤を選択することが好ましい。具体的には、ミリスチルアルコール、1−ドデカノール等を用いることが好ましい。
溶剤は、Ag含有酸化銀ペーストの保存安定性、印刷性を確保する観点から、高沸点(150℃〜300℃)のものを用いることが好ましい。
具体的には、α-テルピネオール、酢酸2エチルヘキシル、酢酸3メチルブチル等を用いることができる。
具体的には、α-テルピネオール、酢酸2エチルヘキシル、酢酸3メチルブチル等を用いることができる。
樹脂は、Ag含有酸化銀ペーストの取り扱い性(例えば印刷性)の向上を目的として添加されるものである。
例えば、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等を適用することができる。なお、本実施形態では、焼結時に樹脂が焼結温度以下で完全に酸化・分解して接合層13内に残存しないようにするため、熱分解性の良いアクリル樹脂を用いた。
例えば、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等を適用することができる。なお、本実施形態では、焼結時に樹脂が焼結温度以下で完全に酸化・分解して接合層13内に残存しないようにするため、熱分解性の良いアクリル樹脂を用いた。
そして、本実施形態におけるAg粒子は、その平均粒径が20nm以上30nm以下とされたナノAg粒子とされている。なお、このAg粒子(ナノAg粒子)の平均粒径は、TEM(透過型電子顕微鏡)によって約50万倍程度の倍率で撮影し、得られた画像からAg粒子200個について一次粒径を測定して粒径分布を作成し、作成した粒径分布から得られた平均値を平均粒径として算出したものである。
このAg粒子(ナノAg粒子)は、カルボン酸類水溶液に還元剤水溶液を添加して得られたカルボン酸塩懸濁液を反応場として用い、これを加熱反応させることによって得られるものである。ここで、カルボン酸はリコール酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸及び酒石酸からなる群より選ばれた1種又は2種以上からなる化合物とした。また、還元剤はヒドラジン、アスコルビン酸、シュウ酸、ギ酸及びこれらの塩類からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物とした。
このようにして得られたAg粒子(ナノAg粒子)においては、炭素鎖1〜3の原料由来の有機化合物(例えばカルボン酸など)を含有しており、有機化合物のAg粒子中の含有量は、1質量%未満とされている。
このようにして得られたAg粒子(ナノAg粒子)においては、炭素鎖1〜3の原料由来の有機化合物(例えばカルボン酸など)を含有しており、有機化合物のAg粒子中の含有量は、1質量%未満とされている。
次に、本実施形態であるAg含有酸化銀ペーストの製造方法について、図2に示すフロー図を参照して説明する。
本実施形態においては、酸化銀粉末を含有する酸化銀ペーストと、Ag粉末を含有するAgペーストと、を混合、撹拌することで、Ag含有酸化銀ペーストを製造する構成とされている。
本実施形態においては、酸化銀粉末を含有する酸化銀ペーストと、Ag粉末を含有するAgペーストと、を混合、撹拌することで、Ag含有酸化銀ペーストを製造する構成とされている。
まず、前述した酸化銀粉末と還元剤(固体粉末)とを混合し、固体成分混合物を生成する(粉末混合工程S01)。
また、樹脂と溶剤とを混合して、有機混合物を生成する(有機物混合工程S02)。
また、樹脂と溶剤とを混合して、有機混合物を生成する(有機物混合工程S02)。
粉末混合工程S01で得られた固体成分混合物と、有機物混合工程S02で得られた有機混合物と、を混合して撹拌する(第一撹拌工程S03)。そして、第一撹拌工程S03で得られた撹拌物を、例えば複数のロールを有するロールミル機を用いて練り込みながら混合する(混錬工程S04)。
このようにして、前述の酸化銀ペーストが製出されることになる。なお、得られた酸化銀ペーストは、冷蔵庫等によって低温(例えば5〜15℃)で保存しておくことが好ましい。
このようにして、前述の酸化銀ペーストが製出されることになる。なお、得られた酸化銀ペーストは、冷蔵庫等によって低温(例えば5〜15℃)で保存しておくことが好ましい。
一方、前述のAg粉末(ナノAg粒子)と溶剤とを混合して撹拌する(第二撹拌工程S05)。これにより、前述のAgペーストが製出されることになる。
なお、溶剤は酸化銀ペーストに用いられた溶剤と同種の溶剤を用いることが望ましい。また、このAgペーストの組成は、Ag粉末の含有量が50質量%以上80質量%以下とされ、残りが溶剤とすることが好ましい。
なお、溶剤は酸化銀ペーストに用いられた溶剤と同種の溶剤を用いることが望ましい。また、このAgペーストの組成は、Ag粉末の含有量が50質量%以上80質量%以下とされ、残りが溶剤とすることが好ましい。
そして、酸化銀ペーストとAgペーストとを、混合して撹拌する(ペースト混合工程S06)。
このようにして、Ag含有酸化銀ペーストが製造されることになる。
このようにして、Ag含有酸化銀ペーストが製造されることになる。
次に、本実施形態である発光体10の製造方法について、図3のフロー図を参照して説明する。
まず、発光素子11の他方の面に導電性反射膜16を形成する(導電性反射膜形成工程S11)。本実施形態では、Agナノ粒子を含むペーストを塗布して焼結することによって、導電性反射膜16を形成する。
まず、発光素子11の他方の面に導電性反射膜16を形成する(導電性反射膜形成工程S11)。本実施形態では、Agナノ粒子を含むペーストを塗布して焼結することによって、導電性反射膜16を形成する。
次に、基材12の一方の面側に第一保護層14を形成し、発光素子11の他方の面側に第二保護層15を形成する(保護層形成工程S12)。本実施形態では、めっき法や真空成膜法によって、第一保護層14及び第二保護層15を形成する。
そして、発光素子11と基材12素子とを接合する(接合工程S13)。
本実施形態では、まず、基材12の一方の面に形成された第一保護層14の上に、上述のAg含有酸化銀ペーストを塗布する(Ag含有酸化銀ペースト塗布工程S31)。なお、Ag含有酸化銀ペースト塗布工程S31においては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、感光性プロセス、スプレーコーティング法、ディスペンサーコーティング法、スピンコーティング法、ナイフコーティング法、スリットコーティング法、インクジェットコーティング法、またはダイコーティング法等の種々の手段を採用することができる。本実施形態では、スクリーン印刷法を用いている。
本実施形態では、まず、基材12の一方の面に形成された第一保護層14の上に、上述のAg含有酸化銀ペーストを塗布する(Ag含有酸化銀ペースト塗布工程S31)。なお、Ag含有酸化銀ペースト塗布工程S31においては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、感光性プロセス、スプレーコーティング法、ディスペンサーコーティング法、スピンコーティング法、ナイフコーティング法、スリットコーティング法、インクジェットコーティング法、またはダイコーティング法等の種々の手段を採用することができる。本実施形態では、スクリーン印刷法を用いている。
次に、塗布したAg含有酸化銀ペーストを介して、基材12と発光素子11とを積層する(積層工程S32)。
そして、基材12と発光素子11とを積層した状態で加熱炉内に装入し、Ag含有酸化銀ペーストの焼結を行う(焼結工程S33)。このとき、加熱炉内は大気雰囲気とし、加熱温度を150℃以上300℃以下、ピーク温度での加熱時間を1分以上2時間以下とした。また、基材12と発光素子11と積層方向に加圧しなかった。
この焼結工程S33により、基材12と発光素子11との間に、Ag含有酸化銀ペーストの焼成体からなる接合層13が形成され、基材12と発光素子11とが接合されることなる。
そして、基材12と発光素子11とを積層した状態で加熱炉内に装入し、Ag含有酸化銀ペーストの焼結を行う(焼結工程S33)。このとき、加熱炉内は大気雰囲気とし、加熱温度を150℃以上300℃以下、ピーク温度での加熱時間を1分以上2時間以下とした。また、基材12と発光素子11と積層方向に加圧しなかった。
この焼結工程S33により、基材12と発光素子11との間に、Ag含有酸化銀ペーストの焼成体からなる接合層13が形成され、基材12と発光素子11とが接合されることなる。
次に、発光素子11と基材12とをボンディングワイヤ17を用いて電気的に接続する(ボンディング工程S14)。
そして、基材12の上のボンディングワイヤ17及び発光素子11を、封止材18によって封止する(封止工程S15)。
このようにして本実施形態である発光体10(LED装置)が製造されることになる。
そして、基材12の上のボンディングワイヤ17及び発光素子11を、封止材18によって封止する(封止工程S15)。
このようにして本実施形態である発光体10(LED装置)が製造されることになる。
以上のような構成とされた本実施形態である発光体10(LED装置)、及び、発光体10(LED装置)の製造方法によれば、発光素子11と基材12との間に介在する接合層13が、酸化銀粒子と、還元剤と、溶剤と、平均粒径20nm以上800nm以下のAg粒子と、を含むAg含有酸化銀ペーストの焼成体とされており、緻密な構造とされているので、発光素子11と基材12との接合信頼性を向上させることができる。
すなわち、本実施形態であるAg含有酸化銀ペーストにおいては、酸化銀粒子同士の間にAg粒子が存在することになるため、接合層13を形成する際には、酸化銀粒子が還元されて生成する還元Ag粒子の周囲にAg粒子が存在し、還元Ag粒子とAg粒子とが接触して焼結することになる。つまり、還元Ag粒子とAg粒子とで構成されたAg粒子層の密度が高くなるのである。これにより、発光素子11と基材12とを互いに近接するように加圧しなくても、緻密な構造の接合層13を形成することが可能となるのである。
すなわち、本実施形態であるAg含有酸化銀ペーストにおいては、酸化銀粒子同士の間にAg粒子が存在することになるため、接合層13を形成する際には、酸化銀粒子が還元されて生成する還元Ag粒子の周囲にAg粒子が存在し、還元Ag粒子とAg粒子とが接触して焼結することになる。つまり、還元Ag粒子とAg粒子とで構成されたAg粒子層の密度が高くなるのである。これにより、発光素子11と基材12とを互いに近接するように加圧しなくても、緻密な構造の接合層13を形成することが可能となるのである。
本実施形態では、Ag含有酸化銀ペーストにおける酸化銀粒子とAg粒子との質量比Ag−O/Agが、3/7≦Ag−O/Ag≦97/3の範囲内とされているので、接合層13を緻密な構造とすることができる。
また、本実施形態では、酸化銀粒子と還元剤との質量比Ag−O/Rが、3/1≦Ag−O/R≦12/1の範囲内に設定されているので、酸化銀粒子を確実に還元することができるとともに、接合層13の内部に還元剤成分が残存することを抑制できる。
また、Ag含有酸化銀ペーストの組成が、前記酸化銀粒子を10質量%以上40質量%以下、前記還元剤を1質量%以上10質量%以下、前記Ag粒子を2質量%以上20質量%以下、樹脂を0質量%以上2質量%以下の範囲で含有し、残部が溶剤とされているので、酸化銀粒子が還元されて生成する還元Ag粒子とAg粒子とを焼結することができ、緻密な構造の接合層13を確実に形成することが可能となる。
また、本実施形態では、酸化銀粒子と還元剤との質量比Ag−O/Rが、3/1≦Ag−O/R≦12/1の範囲内に設定されているので、酸化銀粒子を確実に還元することができるとともに、接合層13の内部に還元剤成分が残存することを抑制できる。
また、Ag含有酸化銀ペーストの組成が、前記酸化銀粒子を10質量%以上40質量%以下、前記還元剤を1質量%以上10質量%以下、前記Ag粒子を2質量%以上20質量%以下、樹脂を0質量%以上2質量%以下の範囲で含有し、残部が溶剤とされているので、酸化銀粒子が還元されて生成する還元Ag粒子とAg粒子とを焼結することができ、緻密な構造の接合層13を確実に形成することが可能となる。
また、樹脂の含有量を調整することにより、Ag含有酸化銀ペーストの粘性が10Pa・s以上400Pa・s以下、より好ましくは30Pa・s以上300Pa・s以下に調整されているので、スクリーン印刷法等によって塗布することが可能となる。よって、必要な部分のみに選択的にAg含有酸化銀ペーストを塗布することができ、Ag含有酸化銀ペーストの使用量を削減することが可能となる。
さらに、本実施形態では、Ag粒子(ナノAg粒子)が炭素鎖1〜3の原料由来の有機化合物(例えばカルボン酸など)を含有しているので、この有機化合物が分解する際の発熱を利用して焼結を促進することができる。これにより、焼結工程S33における焼結温度を低くすることが可能となる。
また、本実施形態においては、Ag含有酸化銀ペーストに混合する還元剤として、室温で固体であるものを用いているので、焼結工程S33の前に還元反応が進行することを防止できる。
また、本実施形態においては、Ag含有酸化銀ペーストに混合する還元剤として、室温で固体であるものを用いているので、焼結工程S33の前に還元反応が進行することを防止できる。
また、本実施形態の発光体10においては、発光素子11の他方の面に、発光素子11からの光を反射する導電性反射膜16が形成されているので、発光体10の輝度を向上させることができる。
さらに、導電性反射膜16が、Agナノ粒子を含むペーストの焼成体とされているので、導電性反射膜16の耐熱性及び耐食性を向上させることができる。
さらに、導電性反射膜16が、Agナノ粒子を含むペーストの焼成体とされているので、導電性反射膜16の耐熱性及び耐食性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態では、Ag含有酸化銀ペーストに含有されるAg粒子として、平均粒径が20nm以上30nm以下とされたナノAg粒子を用いるものとして説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、サブミクロンAg粒子であってもよい。このサブミクロンAg粒子は、銀イオン溶液に還元剤を添加して銀微粒子を還元析出させることによって製造される。具体的にはハロゲン化物イオン源として塩化アンモニウム(NH4Cl)、臭化アンモニウム(NH4Br)、ヨウ化アンモニウム(NH4I)、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、またはヨウ化ナトリウム、還元剤としては例えばヒドロキノン等といったフェノール類が用いられる。なお、銀濃度に対するハロゲン濃度を調整することによって析出する銀微粒子の粒径(0.2〜1μm)が制御可能である。
また、このサブミクロンAg粒子の平均粒径は、レーザ散乱法(粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって求めることが可能である。
例えば、サブミクロンAg粒子であってもよい。このサブミクロンAg粒子は、銀イオン溶液に還元剤を添加して銀微粒子を還元析出させることによって製造される。具体的にはハロゲン化物イオン源として塩化アンモニウム(NH4Cl)、臭化アンモニウム(NH4Br)、ヨウ化アンモニウム(NH4I)、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、またはヨウ化ナトリウム、還元剤としては例えばヒドロキノン等といったフェノール類が用いられる。なお、銀濃度に対するハロゲン濃度を調整することによって析出する銀微粒子の粒径(0.2〜1μm)が制御可能である。
また、このサブミクロンAg粒子の平均粒径は、レーザ散乱法(粒子群にレーザ光を照射し、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンから計算によって求めることが可能である。
また、本実施形態では、酸化銀ペーストとAgペーストとを混合することでAg含有酸化銀ペーストを製造するものとして説明したが、これに限定されることはなく、酸化銀粉末とAg粉末とを混合した後に、溶剤や樹脂を混合してもよい。
さらに、本実施形態では、発光素子(LED素子)からの光を反射する導電性反射膜を形成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、導電性反射膜が形成されていなくてもよい。ただし、導電性反射膜を形成することにより、発光体の輝度を向上させることができる。
また、第一保護膜及び第二保護膜を形成したもので説明したが、これ限定されることはなく、第一保護膜及び第二保護膜が形成されていなくてもよい。ただし、第一保護膜及び第二保護膜を形成することで接合強度の向上を図ることができる。
また、第一保護膜及び第二保護膜を形成したもので説明したが、これ限定されることはなく、第一保護膜及び第二保護膜が形成されていなくてもよい。ただし、第一保護膜及び第二保護膜を形成することで接合強度の向上を図ることができる。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
本実施形態に記載された方法によってAg含有酸化銀ペーストを製造した。このとき、表1に示すように、酸化銀粉末とAg粉末との混合比を変更して、Ag含有酸化銀ペーストを製造した。
ここで、本発明例1−3では、還元剤としてミリスチルアルコール、平均粒径10μmの酸化銀粉末、平均粒径50nmのAg粉末を用いた。本発明例4−6では、還元剤として、ミリスチルアルコールよりもアルキル鎖の短いノニルアルコール、平均粒径0.6μmのサブミクロンAg粉末、平均粒径50nmのAg粉末を用いた。Ag含有酸化銀ペーストの組成を表1に示す。
また、比較例として、粉末成分としてAg粉末を添加せず、粉末成分以外は還元剤としてミリスチルアルコールを用いた本発明例1−3と同様として、酸化銀ペーストを準備した。
本実施形態に記載された方法によってAg含有酸化銀ペーストを製造した。このとき、表1に示すように、酸化銀粉末とAg粉末との混合比を変更して、Ag含有酸化銀ペーストを製造した。
ここで、本発明例1−3では、還元剤としてミリスチルアルコール、平均粒径10μmの酸化銀粉末、平均粒径50nmのAg粉末を用いた。本発明例4−6では、還元剤として、ミリスチルアルコールよりもアルキル鎖の短いノニルアルコール、平均粒径0.6μmのサブミクロンAg粉末、平均粒径50nmのAg粉末を用いた。Ag含有酸化銀ペーストの組成を表1に示す。
また、比較例として、粉末成分としてAg粉末を添加せず、粉末成分以外は還元剤としてミリスチルアルコールを用いた本発明例1−3と同様として、酸化銀ペーストを準備した。
長さ5mm,幅5mm,厚さ5mmのサファイア基板を素子として用意した。
表面にAuめっきが施されたSi製基板の表面に、表1に示すAg含有酸化銀ペースト及び酸化銀ペーストを塗布し、上述のサファイア基板を積層した。そして、大気中において表1に示す温度で2時間の条件で焼結を行い、接合体を製造した。このとき、本発明例1−6では、積層方向への加圧圧力を0MPaとした。比較例では、積層方向への加圧圧力を1MPaとした。
表面にAuめっきが施されたSi製基板の表面に、表1に示すAg含有酸化銀ペースト及び酸化銀ペーストを塗布し、上述のサファイア基板を積層した。そして、大気中において表1に示す温度で2時間の条件で焼結を行い、接合体を製造した。このとき、本発明例1−6では、積層方向への加圧圧力を0MPaとした。比較例では、積層方向への加圧圧力を1MPaとした。
得られた接合体について、せん断強度を測定した。せん断強度の測定には、デイジ・ジャパン株式会社製ボンドテスター(型番:シリーズ4000)を用いた。接合体を、Si製基板を下にして水平に固定し、サファイア基板をシェアツールで横から水平に押して、サファイア基板をSi製基板の接合面が破断されたときの強度を測定した。なお、一条件に付き3回強度試験を行い、それらの平均値を測定値とした。評価結果を表1に示す。
比較例においては、接合層の内部破壊によって、Si製基板とサファイア基板とを接合することができなかった。接合層内部に空隙が多く存在することから、接合層の内部破壊が発生したと推測される。
これに対して、本発明例1−6においては、せん断強度が10MPa以上であり、接合時に積層方向に加圧しなくても強固に接合が可能であることが確認された。
これに対して、本発明例1−6においては、せん断強度が10MPa以上であり、接合時に積層方向に加圧しなくても強固に接合が可能であることが確認された。
特に、ミリスチルアルコールよりもアルキル鎖の短いノニルアルコールを用いた本発明例4−6においては、接合温度を250℃とした場合であっても、接合温度を300℃とした本発明例1−3と同等の接合強度が得られることが確認された。これは、ノニルアルコールが低温で分解されやすいためと推測される。このように、250℃といった低温で十分な接合強度が得られることから、発光体の他の部位への熱影響をさらに抑制できるといった作用効果を有することになる。
10 発光体
11 発光素子
12 基材
13 接合層
16 導電性反射膜
11 発光素子
12 基材
13 接合層
16 導電性反射膜
Claims (11)
- 発光素子と、この発光素子を支持する基材と、を備えた発光体であって、
前記発光素子と前記基材との間には、酸化銀が還元されたAgとAg粒子との焼成体からなる接合層が形成されていることを特徴とする発光体。 - 前記接合層は、酸化銀粒子と、還元剤と、Ag粒子と、溶剤と、を含むAg含有酸化銀ペーストの焼成体とされていることを特徴とする請求項1に記載の発光体。
- 前記Ag粒子の平均粒径が20nm以上800nm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光体。
- 前記発光素子と前記接合層との間に、前記発光素子からの光を反射する導電性反射膜が形成されており、
この導電性反射膜は、金属ナノ粒子を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発光体。 - 発光素子と、この発光素子を支持する基材と、を備えた発光体の製造方法であって、
前記発光素子と前記基材との間に、酸化銀粒子と、還元剤と、溶剤と、Ag粒子と、を含むAg含有酸化銀ペーストを介在させた状態で加熱処理を行い、前記発光素子と前記基材との間に、前記Ag含有酸化銀ペーストの焼成体からなる接合層を形成することを特徴とする発光体の製造方法。 - 前記Ag粒子の平均粒径が20nm以上800nm以下であることを特徴とする請求項5に記載の発光体の製造方法。
- 前記Ag含有酸化銀ペーストにおける前記酸化銀粒子と前記Ag粒子との質量比Ag−O/Agが、3/7≦Ag−O/Ag≦97/3の範囲内とされていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の発光体の製造方法。
- 前記Ag含有酸化銀ペーストにおける前記酸化銀粒子と前記還元剤との質量比Ag−O/Rが、3/1≦Ag−O/R≦12/1の範囲内とされていることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の発光体の製造方法。
- 前記Ag含有酸化銀ペーストの組成は、前記酸化銀粒子を10質量%以上80質量%以下、前記還元剤を1質量%以上10質量%以下、前記Ag粒子を2質量%以上60質量%以下、樹脂を0質量%以上2質量%以下の範囲で含有し、残部が溶剤とされていることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の発光体の製造方法。
- 前記Ag含有酸化銀ペーストにおける前記Ag粒子が、有機物を含有することを特徴とする請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の発光体の製造方法。
- 前記発光素子と前記基材との間に、金属ナノ粒子を含む金属ナノ粒子ペーストを介在させた状態で加熱処理を行い、前記金属ナノ粒子を含む導電性反射膜を形成することを特徴とする請求項5から請求項10のいずれか一項に記載の発光体の製造方法。
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JP2012011139A JP2013149910A (ja) | 2012-01-23 | 2012-01-23 | 発光体及び発光体の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019046759A1 (en) * | 2017-09-01 | 2019-03-07 | Molecular Glasses, Inc. | OLED EMITTING COMPOSITION WHICH CAN BE COATED WITH A SOLVENT CONTAINING NON-PLASMONIC MOLECULAR NOBLE METAL NANOPARTICLES AND EMITTING MATERIALS IN NON-CRYSTALLIZABLE MOLECULAR ORGANIC SEMICONDUCTORS |
-
2012
- 2012-01-23 JP JP2012011139A patent/JP2013149910A/ja active Pending
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WO2019046759A1 (en) * | 2017-09-01 | 2019-03-07 | Molecular Glasses, Inc. | OLED EMITTING COMPOSITION WHICH CAN BE COATED WITH A SOLVENT CONTAINING NON-PLASMONIC MOLECULAR NOBLE METAL NANOPARTICLES AND EMITTING MATERIALS IN NON-CRYSTALLIZABLE MOLECULAR ORGANIC SEMICONDUCTORS |
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