JP2013148380A - 外観検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】煩雑な作業を必要とせずに、パターンの欠陥検査を効率よく行う技術を提供する。
【解決手段】外観検査装置1は、撮影部3が撮影したパターンの形成された基板9表面の画像に基づいて、パターンの欠陥を検出する検査部5を備えている。検査部5は、検査内容を規定する複数の検査タスクを保持する検査タスク保持部51と、欠陥検出に関する画像処理を実行する複数のGPU591と、検査タスクに従って、複数の前記画像処理部のそれぞれを制御する画像処理制御部55とを備えている。画像処理制御部55は、複数のGPU591に対し、検査タスクに基づく画像処理を終えた順に、検査タスク保持部51に保持された次の検査タスクに従って、新たな画像処理を順次実行させる。
【選択図】図2
【解決手段】外観検査装置1は、撮影部3が撮影したパターンの形成された基板9表面の画像に基づいて、パターンの欠陥を検出する検査部5を備えている。検査部5は、検査内容を規定する複数の検査タスクを保持する検査タスク保持部51と、欠陥検出に関する画像処理を実行する複数のGPU591と、検査タスクに従って、複数の前記画像処理部のそれぞれを制御する画像処理制御部55とを備えている。画像処理制御部55は、複数のGPU591に対し、検査タスクに基づく画像処理を終えた順に、検査タスク保持部51に保持された次の検査タスクに従って、新たな画像処理を順次実行させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、基板に形成されたパターンの欠陥を検査する技術に関する。
従来、半導体ウエハなどの基板上に形成された回路パターンの欠陥を検出する場合、回路パターンの画像を取得し、基準となる参照画像との比較に基づいて、欠陥箇所を抽出する外観検査が行われている。最近では、処理を高速に行うため、複数のプロセッサエレメントを備えた並列データ処理型の外観検査装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
具体的に、特許文献1に記載の外観検査装置では、ラインセンサでスキャン撮影した画像を分割する際、全体制御コンピュータが、複数のプロセッサエレメントの各々に分割された画像を分配する条件を設定する。そして画像分配処理部は、その分配条件に従って上記画像を分割し、それぞれをプロセッサエレメントに転送する。そして各プロセッサエレメントは、規定された検査処理を行って、回路パターンの欠陥を抽出する。
また、特許文献1に記載の外観検査装置では、プロセッサエレメントの処理能力や、検査アルゴリズム毎の演算負荷に基づいて、切り出す画像の範囲を調整している。これにより、各プロセッサエレメントに負荷が均等にかかるようにして、プロセッサエレメントの処理能力を効率よく活用するようにしている。
しかしながら、特許文献1に記載の外観検査装置では、複数のプロセッサエレメントに対して、バランスよく演算処理の負荷をかけるために、あらかじめ、試験的に検査を行って、各プロセッサエレメントに対する負荷比率を調整する必要がある。また、検査時間の短縮のために、プロセッサエレメントを増やすような場合には、プロセッサエレメントに対する負荷比率を再調整する煩雑な作業を必要とする。
また、特許文献1に記載の外観検査装置では、検査が開始される前に、切り出された画像と、それを処理するプロセッサエレメントとが結びつけられる。このため、切り出された画像に含まれる欠陥の大きさまたは量に応じて、処理時間が変化してしまう場合もあり、複数のプロセッサエレメントにかかる負荷のバランスが崩れてしまう可能性が高くなっている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、煩雑な作業を必要とせずに、パターンの欠陥検査を効率よく行う技術を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、パターンが形成された基板を撮影した画像に基づいて、前記パターンの欠陥を検出する外観検査装置であって、検査内容を規定する複数の検査タスクを保持する検査タスク保持部と、欠陥検出に関する画像処理を実行する複数の画像処理部と、前記検査タスクに従って、複数の前記画像処理部のそれぞれを制御する画像処理制御部とを備え、前記画像処理制御部は、複数の前記画像処理部に対し、前記検査タスクに基づく画像処理を終えた順に、前記検査タスク保持部に保持された次の前記検査タスクに従って、新たな画像処理を順次実行させる。
また、第2の態様は、第1の態様に係る外観検査装置において、撮影部が撮影した画像データを保持する画像データ保持部と、前記画像処理部が画像処理を実行する画像データであり、前記撮影部が撮影した領域を分割した分割領域の画像データが保存される画像処理用メモリとをさらに備え、前記画像処理制御部は、前記画像データ保持部に保持された画像データに、前記画像処理部が処理する前記分割領域の画像データが含まれているか否か判定し、含まれている場合には、該分割領域の画像データを前記画像処理用メモリに転送させる。
また、第3の態様は、第1または第2の態様に係る外観検査装置において、前記撮影部は、ラインセンサを含み、前記画像処理制御部は、前記撮影部によって、あらかじめ定められたライン数の画像データが取得され、画像保存メモリに保存された場合に、該画像データを前記画像処理用メモリに転送させる。
また、第4の態様は、第1から第3の態様までのいずれか1態様に係る外観検査装置において、前記画像処理部がGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
第1の態様に係る外観検査装置によると、各画像処理部に対して、画像処理を終えた順に、次の新たな画像処理を実行させため、各画像処理部を常に稼働状態とすることができる。したがって、複数の画像処理部の処理能力を無駄なく活用できる。また、欠陥の程度に応じて、個々の画像処理時間が変動しても、全ての画像処理部に対して、バランスよく負荷をかけることができる。したがって、検査前に煩雑な準備を必要とせず、容易に検査効率の向上を図ることができる。
第2の態様に係る外観検査装置によると、画像処理部が画像処理を実行する分割領域の撮影が完了した場合に、その画像データを画像処理用メモリに転送することができる。これにより、画像処理を実施することが可能となる。
第3の態様に係る外観検査装置によると、ライセンサーが検出した回数(ライン数)に応じて、画像データの転送を行うことができる。
第4の態様に係る外観検査装置によると、画像処理部としてGPUを利用することにより、欠陥検出に関する画像処理演算を高速に行うことができる。
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<1. 実施形態>
<1.1. 外観検査装置1の構成>
図1は、実施形態に係る外観検査装置1の概略構成図である。また図2は、実施形態に係る外観検査装置1の機能ブロック図である。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている場合がある。また、図1および以降の各図においては、それぞれの位置関係の理解を容易にするため、Z軸方向を鉛直方向、XY平面を水平面とする左手系のXYZ直交座標系を適宜付している場合がある。
<1.1. 外観検査装置1の構成>
図1は、実施形態に係る外観検査装置1の概略構成図である。また図2は、実施形態に係る外観検査装置1の機能ブロック図である。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている場合がある。また、図1および以降の各図においては、それぞれの位置関係の理解を容易にするため、Z軸方向を鉛直方向、XY平面を水平面とする左手系のXYZ直交座標系を適宜付している場合がある。
外観検査装置1は、被検査物である半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)に形成されたパターン(回路パターンなど)の欠陥を、撮影部3によって撮影された画像に基づいて検査する装置である。外観検査装置1は、基板9を保持するステージ2(基板保持部)、ステージ2を水平方向(X軸方向およびY軸方向)に移動させるステージ移動機構21、基板9の鉛直方向上側(+Z側)の主面(以下、「上面」という。)を撮影する撮影部3、ステージ2などの外観検査装置1の各構成の動作を制御する制御部4、撮影部3によって撮影された画像に基づいてパターンの欠陥検出を行う検査部5、および、検査部5によって取得された欠陥データを処理する欠陥データ処理部6とを備えている。
ステージ移動機構21は、ステージ2を、Y軸方向に移動させるY方向移動機構22、X方向に移動するX方向移動機構23、および、ステージ2をZ軸方向に移動させてフォーカス調整を行うステージ昇降機構24を備えている。Y方向移動機構22はモータ221に接続されたボールねじ(図示せず。)と、X方向移動機構23に固定されたボールねじに螺合するナット部材(図示せず。)とを有している。モータ221が回転することにより、X方向移動機構23がガイドレール222に沿ってY軸方向に移動する。X方向移動機構23もY方向移動機構22と同様の構成を備えており、モータ231により図示しないボールねじを回転させることで、ステージ2を一対のガイドレール232に沿ってX方向に移動させる。なお、ステージ移動機構21には、本実施形態のようにボールねじを利用するものの他、リニアモータなどの直動機構を利用することも考えられる。
基板9は、検査中、ステージ2の上面に吸着固定されている。このため、ステージ移動機構21によりステージ2をX方向またはY方向に移動させることで、撮影部3に対して基板9を相対的に移動させることができる。外観検査装置1においては、基板9をX軸方向またはY軸方向に移動させて、図示を省略するハロゲンランプやLEDなどの照射部から、可視光が基板9に面照射またはライン状に照射される。そして、そして、基板9にて反射した反射光が、撮影部3の備える検出器(ここでは、ラインセンサ31)によって検出される。なお、可視光に代えて、紫外光、赤外光を照射するようにしてもよい。また、光源として、電子線またはレーザ光を出射するものが利用されてもよい。
なお、本実施形態では、ステージ移動機構21がステージ2を移動させることで、基板9を撮影部3に対し、XY平面内で相対的に移動させている。しかしながら、ステージ2を固定して、撮影部3を移動させてもよい。もちろん、ステージ2および撮影部3の双方を個別に移動させてもよい。つまり、撮影部3に対して基板9を相対的に移動させることができるのであれば、外観検査装置1はどのように構成されていてもよい。
撮影部3は、ラインセンサ31を備えている。ラインセンサ31は、基板9に照射された電子線またはレーザ光などを検出する複数の検出素子が一列に配列されることで構成されている。ラインセンサ31によって検出された検出信号は、図示しないADコンバータによって適宜デジタルデータ化され、補正処理などの所定の処理を経て、画像信号として検査部5のバッファメモリ53に順次送信される。バッファメモリ53は、画像保存メモリの一例である。なお、ラインセンサ31の代わりに、CCDなどのエリアセンサを適用することも考えられる。
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)を備える一般的なコンピュータとして構成されている。図2に示される、検査レシピ作成部41、検査タスク生成部43およびステージ制御部45は、CPUがプログラムに従って動作することによりソフトウェア的に実現される機能ブロックである。なお、これらの機能の一部または全部が、専用の回路などによってハードウェア的に実現されてもよい。
検査レシピ作成部41は、オペレータが外観検査装置1において実行する検査内容を決定するために、検査レシピを作成するGUIを提供するものである。検査レシピは、検査前にオペレータから与えられる検査条件である。オペレータは、操作部49を介して検査条件(例えば、検査範囲や、検査方法、検査に用いられるパラメータなど)の設定を行う。検査パラメータとしては、例えば、画像上におけるノイズ除去のためのフィルタの設定値、または、パターン欠陥を判断するための閾値となる設定値(例えば、画素の濃度値)などが含まれる。
検査タスク生成部43は、検査レシピ作成部41によって作成された検査レシピに基づいて、検査タスクを生成する。検査タスクは、後述する画像処理ユニット59が実行する検査処理の単位である。検査タスクには、例えば、後述する各画像処理ユニット59が検査処理を行う部分の座標情報、検査タイプ(後述するダイ比較検査またはセル比較検査など。)、または、個々の検査処理に適用される検査パラメータなどが含まれる。
ステージ制御部45は、モータ221,231の駆動を制御することにより、ステージ2のX軸方向またはY軸方向の移動量、移動速度などを制御する。ステージ制御部45は、検査レシピによって指定された基板9上の特定領域を撮影するように、ステージ2の移動を制御する。
制御部4には、各種情報を表示する液晶モニタなどで構成される表示部47、および、制御部4に対してオペレータが各種情報を操作入力するためのマウスまたはキーボードなどで構成される操作部49が接続されている。なお、表示部47をタッチパネルで構成することにより、表示部47が操作部49の機能の一部または全部を兼ねることも考えられる。表示部47に表示される情報に基づいて、制御部4に対して、操作部49を介した各種指示入力を行うことができる。
検査部5は、制御部4と同様に、CPUやRAMなどを備えた一般的なコンピュータとして構成されており、パターン欠陥検出に関する各種演算処理を行う。検査部5は、検査タスク保持部51、バッファメモリ53および画像処理制御部55を備えている。画像処理制御部55は、複数のGPU制御部57を含んでいる。また、検査部5は、複数のGPU制御部57の各々によって、その動作が制御される画像処理ユニット59を複数備えている。画像処理制御部55は、CPUが図示しないプログラムに従って動作することによりソフトウェア的に実現される機能ブロックである。なお、制御部4および検査部5は、LANなどの通信回線で接続された2台のコンピュータで構成されるが、1台のコンピュータで構成されることも考えられる。
検査タスク保持部51は、検査タスク生成部43が生成した検査タスクを保存するための記憶部(RAMなどの一時的に情報を記憶するものも含む。)である。検査タスク保持部51に対しては、画像処理制御部55がアクセスする(具体的には、複数のGPU制御部57が非同期かつ排他的にアクセスする)。そして、検査タスク保持部51において、所定の順序で並べられた複数の検査タスクのうちの1つが、適宜取り出される。
バッファメモリ53は、上述したように、ラインセンサ31が順次検出する検出信号に基づいた画像信号(画像データ)を逐次保存する記憶部である。バッファメモリ53に蓄積される画像信号は、ラインセンサ31が検出した回数(つまりライン数)に応じたデータ量の画像データとなる。バッファメモリ53は、画像データ保持部の一例である。
画像処理制御部55は、複数の画像処理ユニット59に対して、検査タスクに基づく画像処理を完了した順に、検査タスク保持部51に保持された次の新たな検査タスクに従って、新たな画像処理を順次実行させる。したがって、画像処理を終えた画像処理部59に対して、次々と、新たな検査タスクに従った画像処理の指示が与えられる。このように、外観検査装置1においては、複数の検査タスクがどの画像処理部59で実行されるかはあらかじめ定められていない。したがって、外観検査装置1においては、複数の検査タスクのうちの1つを実行する画像処理ユニット59が、実際に検査が開始されてから順次決定されるようになっている。
GPU制御部57は、複数の画像処理ユニット59のうちの特定の画像処理ユニット59が備えるGPU591を制御する機能を有している。GPU制御部57は、検査タスク保持部51にアクセスして検査タスクを取得し、該検査タスクに記述された指示に沿って、GPU591を動作させる。上述したように、検査タスクには、処理対象領域の座標位置、検査タイプ(ダイ比較検査またはセル比較検査など)、検査パラメータなどに関する情報が記述されているので、GPU制御部57は、該検査情報を解釈してその内容に沿った画像処理をGPU591に実行させる。
画像処理ユニット59は、GPU591と画像処理用メモリ593とを備えている。画像処理ユニット59は、例えばビデオカード(グラフィックカード)で構成されており、PCI Express規格のシリアルバスなどを介して、画像処理ユニット59がバッファメモリ53またはGPU制御部57と通信可能に接続される。
GPU591は、例えば、米国nVIDA社などが提供するGPGPU(General Purpose Computing on Graphics Processing Unit)などを利用することができる。GPU591は、複数のプログラマブルシェーダ(3Dグラフィックスにおいて定義された3Dモデルや光源の情報を元に、その見え方を計算するプログラムのコード(ソフトウェア)およびそれを実行するハードウェアであり、処理内容がプログラム可能なもの)を備えており、該プログラマブルシェーダが所定のプログラムに従って動作することにより、パターン欠陥検出に関わる並列性の高い演算処理を行う。プログラムシェーダを動作させるためのプログラム開発には、例えば、米国nVIDIA社が提供するCUDA(Compute Unified Device Architecture)、OpenCLなどの様々な開発環境を利用することができる。GPU591は、画像処理部の一例である。
画像処理用メモリ593は、GPU591が作業を行う領域を供する記憶部である。画像処理用メモリ593は、例えば、一般的なビデオカードに搭載される、グラフィック処理に適したGDDR(Graphics Double Data Rate)規格のメモリが使用される。なお、近年市販されているビデオカードには、数ギガバイトのビデオメモリが搭載されているものが多数あり、画像処理用メモリ593としては十分な容量を備えている。
図1に示した欠陥データ処理部6は、各画像処理ユニット59において検出された欠陥情報を収集して、検査結果を図示しない記憶部(RAMなどの一時的に情報を記憶するものも含む。)に保存する。欠陥情報としては、具体的には、パターン欠陥が検出された位置の座標情報、欠陥箇所の面積情報、または、欠陥画素の濃度値などが含まれる。もちろん、欠陥情報はこれらのようなものに限定されるものではない。なお、欠陥データ処理部6は、CPUおよびRAMを備えた1台のコンピュータで構成されてもよいが、制御部4または検査部5が欠陥データ処理部6の機能を兼ね備えるようにすることも考えられる。
<1.2. パターン欠陥の検査処理>
外観検査装置1において検査処理が開始される場合、まず、オペレータの操作入力に基づいて、検査レシピ作成部41により検査レシピが生成される。この検査レシピ作成時には、オペレータは、検査範囲や、適用する検査方法などの各種検査条件の指定を行う。検査タスク生成部43は、この作成された検査レシピに基づいて、検査タスクを作成する。作成された検査タスクは、検査タスク保持部51に保存される。また、外観検査装置1は、ステージ制御部45によって、検査レシピに従ってステージ2を移動させるとともに、撮影部3により検査範囲の撮影を行う。
外観検査装置1において検査処理が開始される場合、まず、オペレータの操作入力に基づいて、検査レシピ作成部41により検査レシピが生成される。この検査レシピ作成時には、オペレータは、検査範囲や、適用する検査方法などの各種検査条件の指定を行う。検査タスク生成部43は、この作成された検査レシピに基づいて、検査タスクを作成する。作成された検査タスクは、検査タスク保持部51に保存される。また、外観検査装置1は、ステージ制御部45によって、検査レシピに従ってステージ2を移動させるとともに、撮影部3により検査範囲の撮影を行う。
図3は、基板9の一例を示す概略平面図である。図3に示した基板9は、円形状の半導体ウエハであり、その表面には、複数のダイ91が形成されている。図3に示した撮影領域300は、ラインセンサ31がY軸方向に沿ってスキャン撮影した領域を示している。
図4は、図3に示した1つのダイ91の概略平面図である。図4に示したダイ91は、同一領域内で回路パターンの繰り返し性が低い領域(以下、非繰り返しパターン領域93という。)と、メモリセルなどのように同一領域内で回路パターンの繰り返し性がある領域(以下、繰り返しパターン領域95という。)とが混在している。
図5は、検査タスク生成時における、撮影領域300の分割例を示す説明図である。なお、図5においては、特定のダイ91について、非繰り返しパターン領域93と繰り返しパターン領域95とに撮影領域300が跨がっている例を図示している。
図5に示したように、検査タスク生成部43が検査タスクを生成する際、撮影領域300を複数の部分領域(ここでは、分割領域70a〜70d)に分割する。具体的には、検査タスク生成部43は、まず、非繰り返しパターン領域93に対応する領域(ここでは、分割領域70a,70b,70c)と、繰り返しパターン領域95に対応する領域(ここでは、分割領域70d)とに分割する。そして、検査タスク生成部43は、分割したそれぞれ領域を、さらに矩形状の領域に分割する。これにより、矩形状の分割領域70a〜70dが個別の検査対象領域として設定される。ただし、撮影領域300を分割する方法は、上記のようなものに限定されるものではなく、様々な方法が考えられる。例えば、検査タスク生成部43が、撮影領域300を任意の形状で均等な大きさに分割してそれぞれを分割領域に設定することも考えられる。
このようにして分割された各分割領域70a〜70dについての座標情報が、検査タスクに登録される。また、各分割領域70a〜70dのそれぞれに対して、適用すべき欠陥処理の検査タイプに関する情報も、検査タスクに登録される。
例えば分割領域70a〜70cについては非繰り返しパターン領域93であるので、いわゆるダイ比較検査が適用される。ダイ比較検査とは、ラインセンサ31の長手方向と平行な方向に隣接する2つのダイ91,91を比較することによって、パターン欠陥を検出する検査方法である。
また、分割領域70dについては、繰り返しパターン領域95であり、該分割領域70d内においても同じ回路パターンが繰り返し出現する。そこで、分割領域70dに対しては、いわゆるセル比較検査が適用される。セル比較検査とは、隣接する繰り返しパターン同士を比較して、パターン欠陥を検出する検査方法である。
このように、分割された分割領70a〜70dが、非繰り返しパターン領域93か繰り返しパターン領域95のどちらに対応するかによって、検査タイプが決定され、検査タスクに登録される。
なお、検査タスク生成部43は、生成した複数の検査タスクを、撮影部3のスキャン方向にあわせて並べ替えて、検査タスク保持部51に保存する。つまり、撮影部3によりスキャン撮影がより早く行われる領域が、優先して画像処理ユニット59にて処理されるように、複数の検査タスクの実行権が割り当て(キューイング)。画像処理制御部55(具体的には、複数のGPU制御部57)は、このキューイングされた順に検査タスクを取得する。このため、検査対象である各分割領域は、撮影を終えた順に、各GPU591によって画像処理されることとなる。したがって、検査部5は、撮影部3がスキャンした撮影領域300の検査処理を効率的に進めることができる。
撮影部3は、ラインセンサ31による撮影によって取得される画像データをバッファメモリ53に順次保存する。一方、画像処理制御部55が備える複数のGPU制御部57のそれぞれは、対応する画像処理ユニット59において欠陥検査に関する画像処理を実行させるべく、検査タスク保持部51に非同期かつ排他的にアクセスして、検査タスクを1つずつ取得する。
各GPU制御部57は、取得した検査タスクを元に、まず、バッファメモリ53に、検査タスクに規定された検査対象である分割領域(例えば、図5に示した分割領域70a,70b,70cまたは70d)の画像データが、既に撮影済みであるかどうかを判定する(撮影済みの画像データに関する判定)。具体的には、バッファメモリ53に取り込み済みのライン数と、分割領域に対応するライン数とを比較する。そして、GPU制御部57は、取り込み済みライン数の方が大きい場合(すなわち、撮影済みの画像データに、分割領域の画像データが含まれている場合)に、該分割領域の画像データを、対応する画像処理用メモリ593に転送させる。そして、GPU制御部57は、GPU591に対して、検査パラメータを渡すとともに、検査タスクに登録されている検査タイプの検査に関する画像処理を実行させる。
一方、分割領域に対応するライン数よりも、取り込み済みライン数よりも小さい場合(すなわち、撮影済みの画像データに、分割領域の画像データが含まれていない場合)には、GPU制御部57は、検査対象の分割領域が撮影されるまで、GPU591を待機させる。
上記撮影済みの画像データに関する判定を行うため、撮影部3がバッファメモリ53に取り込んだライン数に関する情報を、バッファメモリ53に保存しておき、この情報を各GPU制御部57が適宜参照するようにしてもよい。また、撮影部3がバッファメモリ53に取り込んだライン数に関する情報を、適宜画像処理制御部55に通知するようにすることも考えられる。
GPU591は、GPU制御部57から検査処理を開始する旨の指示を受けると、画像処理用メモリ593にアクセスして、検査する分割領域の画像データと、参照領域の画像データとを取り出す。そして、GPU591は、検査する分割領域と参照領域との画像データについて、ノイズの除去やコントラスト調整などの所定の画像処理を行った後、パターン欠陥検出のための比較処理を行う。この比較処理については、特定の方法に限定されるものではなく、様々な方法が考えられる。例えば、画素比較の濃度値の差をしきい値で2値化して、欠陥の有無を判定するようにしてもよい。また、2値化によりモノクロ化された画像間の画素比較に基づいて、相違部分(パターン欠陥)が抽出されるようにしてもよい。また、各画像に対してエッジ抽出を行い、抽出されたエッジの形状比較に基づいて、相違部分が抽出されるようにしてもよい。GPU591は、このような処理により取得される欠陥情報の結果を、画像処理用メモリ593に適宜書き込む。
GPU591による検査処理が完了すると、GPU制御部57は、画像処理用メモリ593に保存された欠陥情報を欠陥データ処理部6へ転送する。そして、GPU制御部57は、再び検査タスク保持部51へアクセスし、別の検査タスクを取得する。このようにして、検査部5は、複数の画像処理ユニット59によって、検査タスク保持部51に保存された全検査タスクを並列的に実行する。
欠陥データ処理部6は、複数の画像処理ユニット59が抽出したパターン欠陥の座標情報、欠陥箇所の面積情報、または、欠陥画素の濃度値などの欠陥情報を収集して、記憶部に保存する。このとき、欠陥のタイプ分け(例えば、異物の付着によるパターン異常、または、回路の欠けなどのパターン形成の異常)が行われるようにしてもよい。また、複数の1つのパターン欠陥が、複数のスキャン画像に跨がって存在するような場合に、欠陥データ処理部6が、これらの複数のスキャン画像をつなぎ合わせて、欠陥箇所の全体が含まれる1つの画像を生成する処理(マージ処理)を行うようにしてもよい。
<1.3. 効果>
図6は、複数のダイ911〜915に跨がって、スキャン撮影が実行された様子を示す図である。図6において、ダイ911〜915は、図3に示したダイ91と同一のチップであり、非繰り返しパターン領域93および繰り返しパターン領域95を有している。また、図示の例では、撮影領域300が、分割領域71a〜71d,72a〜72d,73a〜73d,74a〜74d、および、75a〜75dにそれぞれ分割されている。これらの分割領域のそれぞれについて、検査タスクが個別に設定される。
図6は、複数のダイ911〜915に跨がって、スキャン撮影が実行された様子を示す図である。図6において、ダイ911〜915は、図3に示したダイ91と同一のチップであり、非繰り返しパターン領域93および繰り返しパターン領域95を有している。また、図示の例では、撮影領域300が、分割領域71a〜71d,72a〜72d,73a〜73d,74a〜74d、および、75a〜75dにそれぞれ分割されている。これらの分割領域のそれぞれについて、検査タスクが個別に設定される。
図7は、複数のGPU591の動作シーケンスを示す図である。図7中、GPU00,GPU01,GPU02は、3つのGPU591にそれぞれ対応している。また、各ブロック81は、図6に示した各分割領域画像データについて、各GPU00〜GPU02のそれぞれが画像処理に対応するものであり、各ブロック81の横幅は、各画像処理にかかる処理時間の大きさに相当している。また、各ブロック81に記入された文字は、それぞれ、図6に示した分割領域71a〜71d,72a〜72d,73a〜73d,74a〜74d,75a〜75dに対応するものである。例えば、「71a」が記入されたブロック81は、分割領域71aについての画像処理に対応するものとなっている。
図7に示したように、各GPU制御部57は、対応する各GPU591(GPU00〜GPU02のいずれか)が1つの画像処理が完了した場合、検査タスク保持部51から次の検査タスクを取得して、対応するGPU591に対して、その検査処理を実行させる。このため、全てのGPU591は、検査タスク保持部51から検査タスクがなくなるまで、停止することなく常に検査処理を実行し続けることとなる。
ここで、例えば、1つの検査処理の処理時間が、通常よりも長引いた場合を想定する。具体例として、分割領域73cに関する画像処理に関して、該領域に欠陥が多数発生しているなどのために、図7においてハッチングで示したように画像処理の処理時間が通常よりも長引いたとする。
特許文献1に記載の外観検査装置のように、各画像処理部(本実施形態のGPU591に対応する。)のそれぞれが実行する検査処理が、あらかじめ決定されているような場合、各GPU591は自身にあらかじめ割り振られた検査タスクのみしか実行しないこととなる。このため、1つのGPU591に対して、処理時間の延長が発生した場合、そのGPU591に割り振られた全ての検査処理の完了時間が、その分遅延されることとなる。全検査タスクが終了する時間は、全てのGPU591がそれぞれに割り当てられた処理を完了する時間となるため、1つのGPU591の処理時間が長引くことで処理全体の完了時間も長引くこととなってしまう。
これに対して、本実施形態に係る外観検査装置1においては、1つのGPU591に対して、処理時間の延長が発生したとしても、他のGPU591が次々と次の検査タスクを実行していく。つまり、1つのGPU591の遅れを、他のGPU591の働きでカバーすることが可能となっている。その結果、全てのGPU591にかかる負荷がバランス良く保たれた状態を維持できるため、全検査タスクの完了時間を短縮できる。
また、本実施形態に係る外観検査装置1の場合、特許文献1に記載の外観検査装置のように、各GPU591に対する検査の割り振りを行うといったような、検査前の煩雑な準備を行う必要がない。また、GPU591の数を増やす(つまり、並列処理のスレッド数を増やす)ような場合にも、容易に対応することができる。
以上のように、本実施形態に係る外観検査装置1によると、各GPU591に対して、画像処理を終えた順に、次の新たな画像処理を順次実行させるため、各GPU591は、常に稼働状態となる。したがって、複数のGPU591の処理能力を無駄なく最大限に活用できるようになる。また、欠陥の程度に応じて、個々の画像処理時間が変動しても、全てのGPU591に対して、バランスよく負荷をかけることができる。すなわち、検査タスク毎にかかる処理時間の増大にも柔軟に対応できるため、検査効率の向上を図ることができる。
<2. 変形例>
以上、実施の形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
以上、実施の形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、複数のGPU591を用いて、検査処理を並列に行うようにしているが、例えば、これを複数のCPUに代行させることも考えられる。この場合、例えばCPUとRAMを備えた複数台のコンピュータを用意し、GPU591をCPUで代用し、また、画像処理用メモリ593をRAMで代用すればよい。1台のコンピュータに、複数のCPUを搭載するいわゆるマルチCPUで代用することも考えられる。なお、一般的には、CPUを利用するよりも、GPU591を利用した方が、欠陥検出に関する画像処理を高速に行うことができる。
また、上記実施の形態では、画像処理ユニット59のいずれもが、画像処理用メモリ593を備えているが、複数のGPU591が、同じ画像処理用メモリ593にアクセスするようにすることも考えられる。
また、上記実施の形態では、基板9を半導体基板としているが、本発明は、フォトマスク用ガラス基板、表示装置用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、プリント基板、または、太陽電池用基板などの各種基板の外観検査を行う場合にも有効である。
さらに、上記実施形態および変形例で示した各構成は、矛盾が生じない限りにおいて相互に組み合わせたり、または、省略したりすることができることはいうまでもない。
1 外観検査装置
2 ステージ
21 ステージ移動機構
22 Y方向移動機構
221,231 モータ
222 ガイドレール
23 X方向移動機構
232 ガイドレール
24 ステージ昇降機構
3 撮影部
300 撮影領域
31 ラインセンサ
4 制御部
41 検査レシピ作成部
43 検査タスク生成部
5 検査部
51 検査タスク保持部
53 バッファメモリ
55 画像処理制御部
57 GPU制御部
59 画像処理ユニット
591 GPU
593 画像処理用メモリ
6 欠陥データ処理部
70a〜70d 分割領域
9 基板
91 ダイ
93 非繰り返しパターン領域
95 繰り返しパターン領域
2 ステージ
21 ステージ移動機構
22 Y方向移動機構
221,231 モータ
222 ガイドレール
23 X方向移動機構
232 ガイドレール
24 ステージ昇降機構
3 撮影部
300 撮影領域
31 ラインセンサ
4 制御部
41 検査レシピ作成部
43 検査タスク生成部
5 検査部
51 検査タスク保持部
53 バッファメモリ
55 画像処理制御部
57 GPU制御部
59 画像処理ユニット
591 GPU
593 画像処理用メモリ
6 欠陥データ処理部
70a〜70d 分割領域
9 基板
91 ダイ
93 非繰り返しパターン領域
95 繰り返しパターン領域
Claims (4)
- パターンが形成された基板を撮影した画像に基づいて、前記パターンの欠陥を検出する外観検査装置であって、
検査内容を規定する複数の検査タスクを保持する検査タスク保持部と、
欠陥検出に関する画像処理を実行する複数の画像処理部と、
前記検査タスクに従って、複数の前記画像処理部のそれぞれを制御する画像処理制御部と、
を備え、
前記画像処理制御部は、
複数の前記画像処理部に対し、前記検査タスクに基づく画像処理を終えた順に、前記検査タスク保持部に保持された次の前記検査タスクに従って、新たな画像処理を順次実行させる外観検査装置。 - 請求項1に記載の外観検査装置において、
撮影部が撮影した画像データを保持する画像データ保持部と、
前記画像処理部が画像処理を実行する画像データであり、前記撮影部が撮影した領域を分割した分割領域の画像データが保存される画像処理用メモリと、
をさらに備え、
前記画像処理制御部は、
前記画像データ保持部に保持された画像データに、前記画像処理部が処理する前記分割領域の画像データが含まれているか否か判定し、含まれている場合には、該分割領域の画像データを前記画像処理用メモリに転送させる外観検査装置。 - 請求項1または2に記載の外観検査装置において、
前記撮影部は、ラインセンサを含み、
前記画像処理制御部は、前記撮影部によって、あらかじめ定められたライン数の画像データが取得され、画像保存メモリに保存された場合に、該画像データを前記画像処理用メモリに転送させる外観検査装置。 - 請求項1から3までのいずれか1項に記載の外観検査装置において、
前記画像処理部がGPU(Graphics Processing Unit)を含む外観検査装置。
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