JP2013148301A - 太陽熱集熱装置 - Google Patents
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Abstract
互いに共同して太陽熱集熱装置を構成する複数の太陽熱集熱器のうち、互いに隣合うものの一方の集熱管の端部である排液端部と、他方の集熱管の端部である受液端部とを接続する接続装置を改善する。
【解決手段】
排液端部52と受液端部54とを互いに同軸に対向させ、それら2つの端部52,54を接続する接続装置50を、(a)2つの端部52,54の外周側に嵌合され、それら2つの端部の各々に対応する2部分の内周面に一対のOリング溝56が形成された接続装置本体58と、(b)一対のOリング溝の各々に装着された一対のOリング62と、(c)接続装置本体の2つの端部に対する軸方向の相対移動を許容するとともに、その相対移動を、複数の太陽熱集熱器の温度のいかんを問わず一対のOリングが2つの端部から外れることがない大きさに制限する相対移動制限部(集熱器の側壁24)とを含むものとする。
【選択図】図5
Description
しかし、両突出端部の間に接続管を介在させることが常に可能あるいは望ましいとは限らない。両突出端部同士を直接接続することが望ましい場合があるのである。
本発明は、以上の事情を背景として、互いに隣接する集熱器の集熱管の、互いに同軸に対向する突出端部同士を、接続する接続装置を改善することを課題として為されたものであり、安価にかつ十分な耐久性を以て接続することを可能にすることと、接続作業を簡単にして集熱装置を設置する作業に要する時間を短縮することとの少なくとも一方を課題として為されたものである。
その上、集熱器の構造上、互いに同軸に対向する2つの突出端部間の距離が、集熱器、特に集熱体の温度変化に伴って変化する場合には、その距離の変化が接続装置の突出端部に対する相対移動により吸収されるため、接続装置に無理な力が作用することがなく、接続装置の耐久性低下の問題が発生しない。
それら複数の太陽熱集熱器のうちの互いに隣合うものの一方の前記集熱管の排液端部と他方の前記集熱管の受液端部とを接続する接続装置と
を含み、前記排液端部と前記受液端部とがそれぞれ前記集熱器本体の外部に突出させられるとともに、それら2つ突出端部が互いに同軸に対向させられ、かつ、前記接続装置が、
前記互いに同軸に対向する2つの突出端部の外周側に嵌合され、それら2つの突出端部の各々に対応する2部分の内周面に一対のOリング溝が形成された接続装置本体と、
前記一対のOリング溝の各々に装着された一対のOリングと、
前記接続装置本体の前記2つの突出端部に対する軸方向の相対移動を許容するとともに、その相対移動を、前記複数の太陽熱集熱器の温度のいかんを問わず前記一対のOリングが前記2つの突出端部から外れることがない大きさに制限する相対移動制限部と
を含むことを特徴とする太陽熱集熱装置。
本項に係る発明は、互いに隣合って配設される2つ以上の太陽熱集熱器であって、一方の太陽熱集熱器の集熱管から排出された液が他方の太陽熱集熱器の集熱管に受けられるものを含む種々の態様の太陽熱集熱装置に適用可能である。
(2)各々が、(a)互いに平行な給液ヘッダと排液ヘッダとが、それら両ヘッダの各々の複数個所同士において複数の通液管によって接続されるととともに、前記複数の通液管の各々に集熱板が固着されて成る集熱体と、(b)上方へ開いた開口を有する箱状を成し、内部に前記集熱体を、前記集熱板が前記開口に対向する状態で収容するとともに、前記給液ヘッダと前記排液ヘッダとの各突出端部を外部へ突出させる集熱器本体と、(c)その集熱器本体の前記開口を塞ぐ透明板とを含む複数の太陽熱集熱器が、前記給液ヘッダおよび前記排出ヘッダの前記集熱器本体から突出した2つの突出端部同士が互いに対向する状態で並べられた集熱器列と、
その集熱器列の、前記給液ヘッダと前記排液ヘッダとの互いに対向する突出端部同士を液密に接続する接続装置と
を含む太陽熱集熱装置であって、
前記接続装置が、
前記互いに対向する2つの突出端部の外周側に嵌合され、それら2つの突出端部の各々に対応する2部分の内周面に一対のOリング溝が形成された接続装置本体と、
前記一対のOリング溝の各々に装着された一対のOリングと、
前記接続装置本体の前記2つの突出端部に対する軸方向の相対移動を許容するとともに、その相対移動を、前記太陽熱集熱器の温度のいかんを問わず前記一対のOリングが前記2つの突出端部から外れることがない大きさに制限する相対移動制限部と
を含むことを特徴とする太陽熱集熱装置。
複数の太陽熱集熱器を効率的に配列するためには、複数(特に3つ以上)を互いに隣合う状態に、一列あるいは複数列に並べて配設することが望ましく、本項の態様は、そのような配設が可能な場合に特に適している。
(3)前記接続装置本体が、円筒部材の内周面の両端部に、それぞれ内周側へ突出した円環状突部が形成されるとともに、その円環状突部の幅方向の中央部に前記Oリング溝が形成された(1)項または(2)項に記載の太陽熱集熱装置。
接続装置本体は円環状突部のみによって突出端部と嵌合されるため、互いに対向する2つの突出端部の同心度が比較的低くくても2つの突出端部を支障なく接続し得る。
(4)前記円環状突部の内周面が内周側へ凸の凸曲面を成し、その凸曲面の中央部に前記Oリング溝が形成された(3)項に記載の太陽熱集熱装置。
本態様の円環状突部を備えた接続装置本体は、上記(3)項のものよりさらに2つの突出端部同士の軸ずれを許容し得る。
(5)前記接続装置本体が、円筒部材の両端部に、塑性加工により外周側に凸、内周側に凹の円環状Oリング保持部が形成されたものである(1)項または(2)項に記載の太陽熱集熱装置。
円環状Oリング保持部の内周側に凹の部分がOリング溝として機能するのであるが、Oリング溝は、漏れを防止すべき液体の圧力が高いほど高い寸法精度を必要とする。円環状Oリング保持部の内周側に凹の部分の塑性加工精度が十分に高い場合はその内周面にOリングを装着することができ、塑性加工精度が不十分な場合は、内周側に凹の部分の内周面に機械加工を施して寸法精度を向上させればよい。
いずれにしても、接続装置本体を機械加工のみで製造する場合より、製造コストを低減し得る場合が多い。
(6)前記接続装置本体が、各々が前記2つの突出端部の各々に嵌合されるとともに互いに接続されることにより一体的な部材として機能する一対の接続部材を含む(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
本項の接続装置としては、例えば、ユニオンねじおよびユニオンつばがユニオンナットにより接続されるユニオン継手や、一対のフランジおよびそれらを締結するボルト,ナットを含むフランジ継手等の管継手を採用することができる。勿論、これらの管継手もシール手段を含んで液密を保ち得るものであることが必要である。
本項の態様の接続装置によれば、互いに隣合う太陽熱集熱器を必要に応じて分離することが容易となる。1つの集熱器列に属する太陽熱集熱器のすべてを本項の態様の接続装置で接続することも可能であるが、例えば、集熱器列の中央部に位置する2つの太陽熱集熱器を本項の態様の接続装置で接続する等、一部の接続装置を本項の態様の接続装置としておくことも可能である。
(7)前記互いに対向する2つの突出端部の前記集熱器本体からの突出長さが互いに等しくされるとともに、前記一対のOリング溝の各々が前記接続装置本体の両端面から等しい距離の位置に形成され、かつ、前記突出長さと、前記接続装置本体の長さと、前記互いに隣合う2つの太陽熱集熱器の間隔とが、前記接続装置本体の一端面が前記互いに隣合う2つの太陽熱集熱器の外側面の一方に当接した状態で、前記Oリングが前記突出端部の外周面から外れない大きさに決定されることにより、前記互いに隣合う2つの太陽熱集熱器の外側面が前記相対移動制限部として機能するようにされた(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
(8)前記互いに対向する2つの突出端部の各々の外周側に一対のスペーサが嵌合され、それら一対のスペーサが前記相対移動制限部として機能するようにされた(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
本態様は、例えば、太陽熱集熱装置の設置環境の都合等で、(7)項の態様を採用できない場合等に有効である。
(9)前記互いに対向する2つの突出端部の各々に、それら2つの突出端部の外周面から突出した状態で設けられた一対のストッパが設けられ、それら一対のストッパが前記相対移動制限部として機能するようにされた(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
一対のストッパは、互いに対向する2つの突出端部の各々の互いに同じ位置に設けられてもよく、互いに異なる位置に設けられてもよいが、太陽熱集熱器の製造コストを低減させる観点からは前者が望ましい。また、後者は、太陽熱集熱装置の設置環境の都合に合わせ易い利点がある。
2つの集熱器12の間隔:a
接続装置本体58の長さ:b
突出端部52,54の長さ:c
2つのOリング62の中心間距離:d
とした場合に
c>a−〔d+(b−d)/2〕
の関係が成り立つように(厳密には、集熱体18の温度変化により突出端部52,54の端面が最も離れた状態においても)各部の寸法が設定されているのである。それによって、接続装置50が図7に例示するように、両突出端部52,54に対して最も大きく相対移動した場合でも、Oリング62が突出端部52(54)の外周面から外れることがなく、液密が保たれる。換言すれば、互いに隣合う2つの集熱器12の集熱器本体16(厳密には、それらの互いに対向する2つの側壁24)が相対移動制限部として機能するのである。
なお、集熱体18が集熱器本体16に固定される(例えば、給液ヘッダ40,排液ヘッダ42が側壁24に溶接される等により)ことも、側壁24と給液ヘッダ40,排液ヘッダ42との間にゴム製や合成樹脂製の閉塞部材が配設されて、集熱器12内の温められた空気が外部に流出することが防止される一方、給液ヘッダ40,排液ヘッダ42の側壁24に対する相対移動が許容されることもあり、本実施形態においては、前者が採用されている。
なお、図1においては、集熱装置10に対する他の構成要素の接続が示されていないが、これは、集熱装置10が太陽光線のエネルギに基づいて集熱体18を流れる液体を加熱し、太陽光線のエネルギを液体の熱エネルギとして収集し得るものであればよく、液体がいかなるものであるかを問わないからである。例えば、集熱装置10により加熱される液体が通常の水で、加熱により得られた湯自体が台所,浴場等に供給され、消費されてもよく、集熱装置10により加熱される液体が防腐剤,防錆剤,氷点降下剤等の添加剤を含む水その他の液体であって、それ自体が消費されるわけではなく、消費されるべき水との間で熱交換を行ったり、床暖房装置の蓄熱体等、加熱対象物を加熱したりするための熱媒液でもよいのであり、それらのいずれであるかにより、集熱装置10に接続される構成要素が変わるのである。
図14の集熱装置においては、排液ヘッダ42と給液ヘッダ40とが、集熱器12の集熱器本体16から外部へ突出させられた後、90°曲げられ、その曲げられた突出端部122,124同士が互いに同軸に対向させられている。このような突出端部122,124を接続する場合でも、本請求可能発明に係る接続装置120は主として接続作業を容易にする上で有効である。
Claims (5)
- 上方へ開いた開口を有する箱状を成し、その開口が透明板により閉塞された集熱器本体内に、内部を流れる液体を前記透明板を透過した太陽光線のエネルギにより加熱する集熱管が配設されて成る複数の太陽熱集熱器と、
それら複数の太陽熱集熱器のうちの互いに隣合うものの一方の前記集熱管の排液端部と他方の前記集熱管の受液端部とを接続する接続装置と
を含み、前記排液端部と前記受液端部とがそれぞれ前記集熱器本体の外部に突出させられるとともに、それら2つ突出端部が互いに同軸に対向させられ、かつ、前記接続装置が、
前記互いに同軸に対向する2つの突出端部の外周側に嵌合され、それら2つの突出端部の各々に対応する2部分の内周面に一対のOリング溝が形成された接続装置本体と、
前記一対のOリング溝の各々に装着された一対のOリングと、
前記接続装置本体の前記2つの突出端部に対する軸方向の相対移動を許容するとともに、その相対移動を、前記複数の太陽熱集熱器の温度のいかんを問わず前記一対のOリングが前記2つの突出端部から外れることがない大きさに制限する相対移動制限部と
を含むことを特徴とする太陽熱集熱装置。 - 前記接続装置本体が、円筒部材の内周面の両端部に、それぞれ内周側へ突出した円環状突部が形成されるとともに、その円環状突部の幅方向の中央部に前記Oリング溝が形成された請求項1に記載の太陽熱集熱装置。
- 前記接続装置本体が、円筒部材の両端部に、塑性加工により外周側に凸、内周側に凹の円環状Oリング保持部が形成されたものである請求項1に記載の太陽熱集熱装置。
- 前記接続装置本体が、各々が前記2つの突出端部の各々に嵌合されるとともに互いに接続されることにより一体的な部材として機能する一対の接続部材を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
- 前記互いに対向する2つの突出端部の前記集熱器本体からの突出長さが互いに等しくされるとともに、前記一対のOリング溝の各々が前記接続装置本体の両端面から等しい距離の位置に形成され、かつ、前記突出長さと、前記接続装置本体の長さと、前記互いに隣合う2つの太陽熱集熱器の間隔とが、前記接続装置本体の一端面が前記互いに隣合う2つの太陽熱集熱器の外側面の一方に当接した状態で、前記Oリングが前記突出端部の外周面から外れない大きさに決定されることにより、前記互いに隣合う2つの太陽熱集熱器の外側面が前記相対移動制限部として機能するようにされた請求項1ないし4のいずれかに記載の太陽熱集熱装置。
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