JP2013148047A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回スクロールに圧縮室と固定スクロール吐出口とを連通する溝を設けると、過圧縮損失を低減することができるが、逆流作用により吐出圧力空間から吸込圧力空間への冷媒の洩れは増大する。吐出圧力空間から吸込圧力空間への冷媒の洩れによる容積効率の低下を抑制する。
【解決手段】固定スクロールは圧縮室にある冷媒を吐出する吐出口を有し、旋回スクロールは吐出口と圧縮室とを連通する溝を有し、旋回スクロールのラップの内線側に第1の圧縮室が形成され、溝が第1の圧縮室及び吐出口の両方に連通する前に、旋回スクロールのラップの内線側に第2の圧縮室が形成される。
【選択図】 図3

Description

本発明は容積形圧縮機に係り、冷凍機や給湯機、空調機器等の冷媒を用いた圧縮機に関するものである。
スクロール圧縮機では、旋回スクロールが回転することにより、旋回スクロールラップと固定スクロールラップによって形成される圧縮室の面積が減少し、圧縮室の冷媒が圧縮される。その後、圧縮室が吐出口に連通することで、圧縮された冷媒が吐出口から吐出される。ここで、圧縮室が吐出口に連通した後、圧縮室にある全ての冷媒が吐出口から吐出されるまでに、一定の時間が必要である。そのため、吐出口に連通した直後に吐出されない冷媒はさらに圧縮され、過圧縮損失となっていた。
これに対し、従来から、旋回スクロールの中央部に固定スクロール吐出口と連通する溝を設け、吐出流路を拡大させることで、過圧縮損失の低減を図っていた。例えば、特許文献1に記載のスクロール圧縮機は、固定スクロールに圧縮された冷媒ガスを吐き出す吐出口を設け、旋回スクロールの渦巻中央部に円錐状凹部を設けている。そして、吐出時に、圧縮室から直接吐出口へ流れる流路に加えて、圧縮室から円錐状凹部を介して、吐出口へ流れる流路を形成することで、吐出流路を広げ、過圧縮損失を低減している。
また、特許文献2に記載のスクロール圧縮機は、旋回スクロールの中央部に固定スクロール吐出口と連通する溝を設け、旋回スクロールラップと固定スクロールラップによって形成される圧縮室の圧力が設計上必要な圧力以上にならないようにすることで、旋回スクロールの揺動を抑制すると共に過圧縮損失低減を図っている。
特開平9−296786号公報 特開平3−3990号公報
ところで、空気調和機の運転状態によって、圧縮室が吐出圧力空間に連通した時に圧縮室にある冷媒の圧力が吐出圧力空間にある冷媒よりも低圧となる。かかる場合、冷媒が吐出圧力空間から圧縮室へ逆流する。
ここで、スクロール圧縮機は、固定スクロールラップと旋回スクロールラップとの間に側面隙間が存在する。冷媒が吐出圧力空間から圧縮室へ逆流した際に、圧縮室の冷媒が側面隙間から洩れる。
さらに、容積比が小さく設計されるスクロール圧縮機は、旋回スクロールが1回転しないうちに圧縮室が吐出口と連通し、吸込圧力空間と吐出圧力空間とが上述したラップ側面間隙間を介して隣り合う。かかる場合、吐出圧力空間の冷媒は圧縮室に逆流し、さらに、圧縮室からラップ側面隙間を通じて吸込圧力空間に洩れる。吸込圧力空間に高温高圧の冷媒が流れることで、吸込圧力空間が加熱されて容積効率が低下し、圧縮機の性能が低下する。
ここで、特許文献1及び特許文献2は、旋回スクロールの中央部に溝を設け、吐出流路を拡大しているため、逆流時により多くの冷媒が吐出圧力空間から圧縮室へ逆流する。すると、圧縮室の冷媒の圧力が急激に上昇するため、より多くの圧縮室の冷媒がラップ側面隙間から吸込圧力空間に洩れる。つまり、旋回スクロールに溝を設けると、過圧縮損失を低減することができるが、吐出圧力空間から吸込圧力空間への冷媒の洩れは増大する。
本願発明の目的は、吐出圧力空間から吸込圧力空間への冷媒の洩れによる損失を低減することにある。
上記課題の解決は、それぞれ渦巻状のラップを有し、それぞれのラップを噛み合わせて圧縮室を形成する固定スクロール及び旋回スクロールと、を備え、固定スクロールは圧縮室にある冷媒を吐出する吐出口を有し、旋回スクロールは吐出口と圧縮室とを連通する溝を有し、旋回スクロールのラップの内線側に第1の圧縮室が形成され、溝が第1の圧縮室及び吐出口の両方に連通する前に、旋回スクロールのラップの内線側に第2の圧縮室が形成されることによって達成される。
本発明によれば、吐出圧力空間から吸込圧力空間への冷媒洩れによる損失を低減することができる。
実施例1を示す、代表的なスクロール圧縮機の縦断面図である。 旋回スクロールの中央溝断面図と上面図である。 旋回スクロールラップ内線と固定スクロールラップ外線により圧縮開始される最大密閉空間を形成した時のラップ噛み合わせ状態図である。 図3における前後の圧縮行程を示したラップ噛み合わせ状態図である。 クランク角と圧縮室圧力との関係を示す指圧線図である。 本発明の他の実施例2を示す固定スクロールの断面図である。 本発明の他の実施例3を示す固定スクロールの断面図である。
近年の環境問題の観点から二酸化炭素排出量削減を背景とし、電化製品の省エネ化のニーズがあり、高性能・高Annual Performance Factor(以下「APF」と言う。)が強く求められるようになり、エアコンの運転も冷房中間条件、暖房中間条件と呼ばれるような低速・低圧力比における運転での性能が重視されるようになった背景から、スクロールラップ間で形成される圧縮室の容積比は予め過圧縮になり難いように小さく設計されるようになってきた。
スクロールラップにはラップの歯先の隙間、ラップの側面間での隙間がそれぞれ存在する。圧縮機の効率を向上させるためには、上記の隙間を狭める必要がある。ラップ歯先の隙間については、旋回スクロールに設けた馴染み性を持たせた表面処理やチップシールなどによるシール材によって、狭めることができる。一方、ラップの側面間の隙間については、馴染み性を持たせた表面処理等である程度は狭めることはできるが、側面隙間を狭めてしまうと、圧縮機の軸受クリアランスや軸の偏芯量などの複数の要因により組立性が悪化してしまうため、結果として歯先隙間よりも側面隙間のほうが隙間としては大きくなる。このように組立性や信頼性を考慮すると、スクロールラップの側面隙間がどうしても必要になるが、逆にその隙間からの洩れが原因で性能が低下する。なお、旋回スクロールが大きくなると、摺動面積が大きくなり、且つ、重くなると外部から回転させるトルクが大きくなり、ロックしやすくなる。そのため、圧縮機が大型化するほど必要な隙間も大きくなる。
そして、容積比が小さく設計され、旋回スクロールが1回転しないうちに吐出口と連通することにより、スクロールラップの間で形成される圧縮室において吸込室と吐出圧縮室が上述したラップ側面間隙間の部分により隣り合い、固定スクロールの吐出口から旋回スクロール中央部に設けられた溝を介して吐出圧力となった高圧高温の冷媒ガスと油が吸込室へと洩れ込み、吸込圧力空間が加熱されてしまい、圧縮する冷媒の密度が小さくなる。すると、吸込圧力空間にある冷媒の一部が吸込管14のほうに戻されるため、容積効率が低下し、圧縮機の性能が低下する場合があった。
以下、本発明の実施形態について図1〜図5を用いて説明する。図1は本実施形態を示すスクロール圧縮機の縦断面図、図2は旋回スクロールの中央溝断面図と上面図を示している。
図1において、符号の1は密閉容器、2は圧縮機構部、3は旋回スクロール、3aは旋回スクロールの渦巻状ラップ、4は固定スクロール、4aは固定スクロールの渦巻状ラップ、5はクランク軸である。また、フレーム6は固定スクロール4とクランク軸5の回転を支持する軸受を具備する。7は電動機部、オルダムリング8は旋回スクロール3の自転を阻止し旋回運動させるための自転阻止部材に係り、11は密閉容器の蓋体、12はターミナル、13はターミナルカバー取付け用ピンである。電動機部7はターミナル12にリード線を介して接続される。
図1に示す本実施形態のスクロール圧縮機は、密閉容器1内に、圧縮機構部2と電動機部7とがクランク軸5を介して連結して収納されるものである。圧縮機構部2は、渦巻状ラップ4a、3aをそれぞれ互いに噛み合わせて圧縮室9を形成する。さらに、旋回スクロール3の自転を阻止し旋回運動させるための自転阻止部材に係るオルダムリング8と、固定スクロール4と結合されたフレーム6により構成されている。
次に、スクロール圧縮機の圧縮作用について説明する。ロータ15はステータ16が発生する回転磁界により回転力を与えられ、ロータ15に固定されたクランク軸5はロータ15の回転に伴い回転動作を行い、旋回スクロール3はオルダムリングリング8の作用により自転することなく旋回運動(公転)する。旋回スクロール3の偏心回動により、吸込管14を介して吸い込まれたガス冷媒は吸込室10から圧縮室9で徐々に圧縮され、固定スクロール吐出口4cから密閉容器1の中に放出される。放出されたガス冷媒は電動機部7を冷却して吐出管17から外部の冷凍サイクルへ供給される。
スクロール圧縮機はその歯形形状で圧縮できる容積比(以下「設計容積比」と言う。)が決まる。圧縮機は様々な運転条件で運転され、設計容積比よりも吐出圧力と吸込圧力の比が大きいと、不足圧縮となる。特に、寒冷地などで高い暖房能力が必要な条件で不足圧縮となりやすい。
図2を用いて旋回スクロールの中央溝19の構造について説明する。断面図に示すように中央溝の形状については流路抵抗を抑制し、加工時に発生するバリの防止を目的として円錐形状としている。図3は、固定スクロール吐出口4cと高圧側圧縮室29とが連通して、高圧側圧縮室29からの吐出が開始された後であって、高圧側圧縮室29から旋回スクロールの中央溝19を介しても固定スクロール吐出口4cに連通する時の配置を示している。図4は高圧側圧縮室29の圧縮行程、高圧側圧縮室29の吐出開始、低圧側圧縮室28の圧縮開始、高圧側圧縮室29から旋回スクロールの中央溝19を介しても固定スクロール吐出口4cに連通開始時点における配置を示している。
図4に示すように、本実施例ではまず固定スクロール吐出口4cと高圧側圧縮室29とが連通して、高圧側圧縮室29からの吐出が開始される。このときに高圧側圧縮室29は最小密閉空間となった旋回スクロールラップ内線側圧縮室である。次に、低圧側圧縮室28が形成される。このときの低圧側圧縮室28は最大密閉空間である旋回スクロールラップ内線側圧縮室である。その後、旋回スクロールの中央溝19が固定スクロール吐出口4c及び高圧側圧縮室29の両方に連通する。
また、本実施例のスクロールラップ形状は設計容積比が小さく設計されており、次の旋回スクロールラップ内線側圧縮室である低圧側圧縮室28が形成される前に高圧側圧縮室29が吐出口に連通する。そのため、図3に示すように圧縮開始点である低圧側圧縮室28と固定スクロール吐出口に繋がる高圧側圧縮室29が隣り合う関係となっている。この場合、旋回スクロールの中央溝19を介して吐出圧力の冷媒ガスと油が高圧側圧縮室29と吸込室10をシールするラップ間の側面隙間から吸込圧力空間へと洩れ込み、吸込圧力空間39が加熱されてしまい、容積効率が低下する。
第一圧縮行程で吐出開始点である最小密閉空間を形成する圧縮行程では未だ旋回スクロールの中央溝19を介して高圧側圧縮室29と固定スクロール吐出口4cは連通しておらず、低圧側圧縮室28が吸込み完了後に圧縮開始する第二圧縮行程で連通するように設計されていることが本発明の特徴である。これにより吐出圧力の冷媒ガスによって吸込圧力空間39が加熱されてしまい、容積効率が低下するといった現象を抑制することができる。
本実施例について、図5を用いて説明する。横軸に旋回スクロールの旋回運動の位相(以下「クランク角」と言う。)、縦軸に旋回スクロールラップ3a内線と固定スクロールの渦巻状ラップ4a外線で形成される圧縮室の圧力を示している。
従来技術ではスクロールラップの設計容積比が大きかったため、旋回スクロールが1回転以降に吐出口と連通していた。しかし、旋回スクロールの中央溝19を高圧側圧縮室29が吐出開始した直後に固定スクロールの渦巻状ラップ4a外線から開口させていたが、設計容積比の小さいスクロールラップは旋回スクロールが1回転しないうちに吐出口と連通するので、吸込み完了前の吸込圧力空間39と高圧側圧縮室29が隣り合うため、高圧側圧縮室29からシールするラップ間の側面隙間を通って吸込圧力空間39へと洩れ込み、吸込圧力空間39が過熱されてしまい、容積効率が低下する要因となっていた。
この従来技術の課題と本発明の効果について図5に示している。区間40は従来技術の圧縮室間の圧力差と冷媒ガス・油の洩れる方向及び洩れ込む区間を示しており、高圧側圧縮室29から吸込圧力空間39へと冷媒ガス・油が洩れ込む。同様に、区間41は本発明による圧縮室間の圧力差の低減と冷媒ガス・油の洩れ位置・区間改善について示しており、高圧側圧縮室29から第二圧縮行程の指圧線38上の圧縮室へと冷媒ガス・油が洩れ込むこととなり、吸込圧力空間39が加熱されてしまい、容積効率が低下するといった現象を抑制することができる。
また、本実施例の固定スクロール4は過圧縮条件下における効率低下を防ぐため、圧縮室9と吐出圧力空間18とを連通するリリース弁装置20を備えている。リリース弁機構を構成する弁体は一種の逆止弁であり、圧縮室9内の圧力が吐出圧力より高くなる過圧縮条件においてのみ弁が開き、圧縮室9内の冷媒ガスを吐出圧力空間18へ放出して圧縮室9の圧力上昇を抑える働きをする。図3に示すように本実施例のリリース弁気孔は固定スクロール吐出口4cに連通する高圧側圧縮室29に連通する。
過圧縮条件下の運転における過圧縮条件時の理論断熱圧縮線31に対して、従来技術の旋回スクロールの中央溝19配置による過圧縮時の指圧線30を図5に示す。従来技術は高圧側圧縮室29が吐出開始し、低圧側圧縮室28は未だ吸込み完了前に、旋回スクロールの中央溝19が固定スクロールの渦巻状ラップ4a外線から開口し、固定スクロール吐出口4cと高圧側圧縮室29を連通する構成である。それに対して、本実施例ではリリース弁装置20を固定スクロール4に設置し、低圧側圧縮室28が吸込み完了後の第二圧縮行程に入った直後に旋回スクロールの中央溝19が固定スクロールの渦巻状ラップ4a外線から開口する。本実施例は旋回スクロールの中央溝19配置とリリース弁装置20による過圧縮時の指圧線32となる。旋回スクロールの中央溝19は領域34で過圧縮低減に有効である。
また、不足圧縮条件時の運転における理論断熱圧縮線43に対して、従来技術の例は不足圧縮条件時の指圧線42のような指圧線を示す。それに対して、本実施例の指圧線は旋回スクロールの中央溝19配置とリリース弁装置20による不足圧縮条件時の指圧線44となる。不足圧縮条件では旋回スクロールの中央溝19を介して吐出圧力空間18から冷媒ガスが高圧側圧縮室29に逆流してくるため、従来技術のように高圧側圧縮室29が吐出開始した直後に旋回スクロールの中央溝19が固定スクロールの渦巻状ラップ4a外線から開口するよりも、本発明のように低圧側圧縮室28が吸込み完了してから旋回スクロールの中央溝19が固定スクロールの渦巻状ラップ4a外線から開口する配置の方が逆流の程度を抑えられ、旋回スクロールの中央溝19配置とリリース弁装置20による不足圧縮条件時の指圧線44に示す如く図示効率が改善する。
更に、過圧縮条件時と同様に、従来技術の圧縮室間の圧力差と冷媒ガス・油の洩れる方向及び洩れ込む区間を区間45で示し、高圧側圧縮室29から吸込圧力空間39へと冷媒ガス・油が洩れ込むこととなる。一方、本発明の圧縮室間の圧力差の低減と冷媒ガス・油の洩れ位置・区間改善を区間46で示し、高圧側圧縮室29から第二圧縮行程の指圧線38上の圧縮室へと冷媒ガス・油が洩れ込むこととなり、吸込圧力空間39が加熱されてしまい、容積効率が低下するといった現象を抑制することができる。
高圧側圧縮室29から吸込室10に冷媒が洩れた場合、吸込室10が加熱されてしまい、圧縮する冷媒の密度が小さくなる。すると、吸込室10の空間にある冷媒の一部が吸込管14のほうに戻されるため、容積効率が低下し、圧縮機の性能が低下する場合があった。
一方、高圧側圧縮室29から低圧側圧縮室28に冷媒が洩れた場合、低圧側圧縮室28が加熱されてしまい、圧縮する冷媒の密度が小さくなるが、低圧側圧縮室28は密閉空間であるため、冷媒の一部が吸込管14のほうに戻されることはない。従って、容積効率は低下しない。
また、高圧側圧縮室29から低圧側圧縮室28に冷媒が洩れた場合、低圧側圧縮室28の圧力は上昇し、当該低圧側圧縮室28の冷媒が圧縮されると、通常以上に高圧となる。
しかし、本願発明は、不足圧縮時に吐出圧力空間18から高圧側圧縮室29へ通常以上に多くの冷媒が逆流する場合において、当該冷媒が吸込室10への洩れを低圧側圧縮室28への洩れに変えるものである。つまり、低圧側圧縮室28に通常以上に多くの冷媒が洩れる際は、不足圧縮時であるため、当該低圧側圧縮室28の冷媒が圧縮されても、過圧縮となる可能性は少ない。
さらに、低圧側圧縮室28の圧力が上昇するため、図示効率は低下するが、容積効率の低下に比べて少ない。
なお、中央溝19の位置を調整することで、低圧側圧縮室28が形成された後に、中央溝19が固定スクロール吐出口4c及び高圧側圧縮室29の両方に連通するようにすることができる。
なお、設計容積比を稼ぐため、固定スクロール吐出口4cは固定スクロールラップ4aの内線側に設置されている。
なお、本実施例の固定スクロール吐出口4cの出口には吐出弁装置を設置していない。吐出弁装置を設置すれば不足圧縮は起こらないが、吐出弁自体が流路抵抗となり、吐出圧損を低減するという観点からは好ましくない。よって、本実施例では固定スクロール吐出口4cの出口を吐出圧力空間18に直接連通した構成としている。
一方、図6は本発明の他の実施例2を構成する固定スクロール断面図であり、固定スクロールにリリース弁装置20を具備しない構成である。圧縮室9と密閉容器1内の吐出圧力空間18を連通させる溝を設けていない構成であっても、本発明の旋回スクロールの中央溝19により過圧縮低減を図ることができ、同様に高性能のスクロール圧縮機を提供することができる。
図7は本発明の他の実施例3を構成する固定スクロール上面図及び断面図であり、固定スクロールの吐出口に吐出弁装置47を具備した構成である。吐出弁装置47は鋼板リードバルブ48と吐出弁用リテーナ49により構成され、吐出弁装置47の設置により不足圧縮条件下における図示効率の改善効果はなくなるが、同様に過圧縮条件下における過圧縮損失の低減、過圧縮・不足圧縮条件下における容積効率の向上を図ることができる。
以上の構成により、過圧縮条件はもちろん、不足圧縮条件下の運転においても更に過圧縮損失の低減が図られ、固定スクロールの吐出口を介して吐出圧力空間からの冷媒洩れによる容積効率の低下を抑制でき、高性能のスクロール圧縮機を提供することができる。更に、本発明はエアコン用の圧縮機以外にもスクロール圧縮機が搭載される冷凍サイクル用装置、例えば給湯機に用いても同様の効果が得られる。特に給湯機の場合は、使用する冷媒が二酸化炭素であり、高圧側圧縮室29と吸込圧力空間39の差圧がエアコン用に対して3倍以上と大きくなるため、本発明の効果が大きい。
以上のように、それぞれ渦巻状のラップを有し、それぞれのラップを噛み合わせて圧縮室を形成する固定スクロール及び旋回スクロールと、を備え、固定スクロールは圧縮室にある冷媒を吐出する吐出口を有し、旋回スクロールは吐出口と圧縮室とを連通する溝を有し、旋回スクロールのラップの内線側に第1の圧縮室が形成され、溝が第1の圧縮室及び吐出口の両方に連通する前に、旋回スクロールのラップの内線側に第2の圧縮室が形成される。
さらに、第1の圧縮室が吐出口に連通した後に、第2の圧縮室が形成される。
さらに、固定スクロールは圧縮室から吐出口を通じて吐出された冷媒が導かれる吐出圧力空間と圧縮途中の前記圧縮室とを連通するリリース弁を有し、リリース弁は圧縮室の圧力が吐出圧力空間の圧力より大きい時に開く。
1 密閉容器
2 圧縮機構部
3 旋回スクロール
3a 旋回スクロールの渦巻状ラップ
3b 旋回スクロール台板
4 固定スクロール
4a 固定スクロールの渦巻状ラップ
4b 固定スクロール吸込口
4c 固定スクロール吐出口
5 クランク軸
6 フレーム
7 電動機部
8 オルダムリング
9 圧縮室
10 吸込室
11 密閉容器の蓋体
12 ターミナル
13 ターミナルカバー取付け用ピン
14 吸込管
15 ロータ
16 ステータ
17 吐出管
18 吐出圧力空間
19 中央溝
20 リリース弁装置
21 リリース流路
22 リリース弁
23 ストッパ
24 弾性体
25 リテーナ
28 低圧側圧縮室
29 高圧側圧縮室
30 過圧縮条件時の指圧線
31 過圧縮条件時の理論断熱圧縮線
32 旋回スクロールの中央溝19配置とリリース弁装置20による過圧縮条件時の指圧線
33 リリース弁装置による過圧縮低減領域
34 領域
35 第一圧縮行程における圧縮開始クランク角
36 第一圧縮行程における吐出開始クランク角
37 第一圧縮行程の開始から約360°回転後の第二圧縮行程開始クランク角
38 第二圧縮行程の指圧線
39 吸込圧力空間
40、41、45、46 区間
42 不足圧縮条件時の指圧線
43 不足圧縮条件時の理論断熱圧縮線
44 旋回スクロールの中央溝19配置とリリース弁装置20による不足圧縮条件時の指圧線
47 吐出弁装置
48 鋼板リードバルブ
49 吐出弁用リテーナ

Claims (6)

  1. それぞれ渦巻状のラップを有し、それぞれの前記ラップを噛み合わせて圧縮室を形成する固定スクロール及び旋回スクロールと、を備え、
    前記固定スクロールは前記圧縮室にある冷媒を吐出する吐出口を有し、
    前記旋回スクロールは前記吐出口と前記圧縮室とを連通する溝を有し、
    前記旋回スクロールの前記ラップの内線側に第1の圧縮室が形成され、
    前記溝が前記第1の圧縮室及び前記吐出口の両方に連通する前に、前記旋回スクロールの前記ラップの内線側に第2の圧縮室が形成されるスクロール圧縮機。
  2. 前記第1の圧縮室が前記吐出口に連通した後に、前記第2の圧縮室が形成されることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記固定スクロールは前記圧縮室から前記吐出口を通じて吐出された冷媒が導かれる吐出圧室と圧縮途中の前記圧縮室とを連通するリリース弁を有し、
    前記リリース弁は前記圧縮室の圧力が前記吐出圧室の圧力より大きい時に開くことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  4. それぞれ渦巻状のラップを有し、それぞれの前記ラップを噛み合わせて圧縮室を形成する固定スクロール及び旋回スクロールと、を備え、
    前記固定スクロールは前記圧縮室にある冷媒を吐出する吐出口を有し、
    前記旋回スクロールは前記吐出口と前記圧縮室とを連通する溝を有し、
    前記旋回スクロールの前記ラップの内線側に第1の圧縮室が形成され、
    前記溝が前記第1の圧縮室及び前記吐出口の両方に連通する時に、前記旋回スクロールの前記ラップの内線側に第2の圧縮室が形成されているスクロール圧縮機。
  5. 前記スクロール圧縮機の回転数を制御する制御手段を備えた請求項1乃至4のいずれかに記載の空気調和機。
  6. 前記スクロール圧縮機の回転数を制御する制御手段を備えた請求項1乃至4のいずれかに記載の給湯機。
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