JP2013148040A - 蒸気タービン制御装置および蒸気タービン制御方法 - Google Patents

蒸気タービン制御装置および蒸気タービン制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸気タービンについて更に高い効率で運用可能にする。
【解決手段】タービンの設定回転数と実回転数の間の偏差値に速度調定率の逆数を積算した値を速度調定率演算部が出力する。タービンの負荷設定値を負荷設定部が出力する。タービンが起動された状態のときに、負荷設定値に関連付けて調定率補正係数が設定された調定率補正関数を用いて、負荷設定部から出力された負荷設定値に対応する調定率補正係数を調定率補正係数演算部が出力する。その速度調定率演算部が出力した値に、調定率補正係数演算部が出力した調定率補正係数を積算した値を調定率補正演算部が出力する。その調定率補正演算部が出力した値に負荷設定値を加算した値と、負荷制限値とのうちの低値を、蒸気加減弁の開度指令として低値優先回路部が出力する。
【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、蒸気タービン制御装置および蒸気タービン制御方法に関する。
蒸気タービンは、外燃機関であり、ボイラから供給される蒸気によってタービンの軸が回転し、発電機などの装置を駆動させる。
具体的には、蒸気タービンにおいては、蒸気がボイラから、主蒸気止め弁,蒸気加減弁を介して高圧タービンに供給される。そして、高圧タービンから排出された蒸気が、再熱器で再熱された後、再熱蒸気止め弁,インターセプト弁を介して、中圧タービンに供給される。そして、中圧タービンから排出された蒸気が、低圧タービンに供給される。その後、蒸気は、復水器で凝縮され、その復水がボイラに戻る。蒸気タービンでは、高圧タービンと中圧タービンと低圧タービンとにおいて、蒸気の仕事によってタービン軸が回転する。そして、その回転するタービン軸によって発電機が駆動し、その発電機から電力が系統に供給される。
蒸気タービンでは、蒸気加減弁を流れる蒸気の流量が最大流量に対して90〜95%であるときの負荷を、定格負荷としており、たとえば、この定格負荷を与えるように運転が行われる。また、最大流量で蒸気加減弁から蒸気を流すことで最大流量負荷を与えるように、運転が行われる。このような最大流量負荷運転は、バルブ・ワイド・オープン(Valve Wide Open(VWO))と称される。たとえば、蒸気加減弁の弁開度指令(負荷設定)を140%とし、蒸気加減弁の開度を全開にすることで、バルブ・ワイド・オープンでの運転が行われる。このバルブ・ワイド・オープンでの運転は、蒸気の圧力損失が少なく、発電プラント効率を向上可能であるので、多く行われている。
蒸気タービンは、制御装置によって動作が制御される。具体的には、制御装置がタービンの回転数などに応じて蒸気加減弁の動作を制御することで、タービンへの蒸気の流量を調整し、安定な運転を実現している。たとえば、速度調定率が5%である場合には、タービンの実回転数が設定回転数に対して5%上昇したときに、蒸気加減弁の弁開度を100%分、降下させる。すなわち、定格負荷の運転において、系統の事故などによって系統周波数(速度)が5%上昇したときには、無負荷になるように、蒸気加減弁の弁開度を制御して、実回転数を低下させている。この他に、運転の安定化のために、種々の制御が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2008−2337号公報
上記のような蒸気タービンの制御では、運転の安定化を十分に実現することが容易でない場合がある。特に、バルブ・ワイド・オープンでの運転において、系統周波数の変動や負荷しゃ断が生じた時のタービンの瞬時最大回転数について、好適に抑制することが容易でない。
このような事情で、蒸気タービンにおいては、さらに高い効率で運用することが容易でない場合がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、蒸気タービンについて更に高い効率で運用可能な、蒸気タービン制御装置および蒸気タービン制御方法を提供することである。
本実施形態の蒸気タービン制御装置では、タービンの設定回転数と実回転数の間の偏差値に速度調定率の逆数を積算した値を速度調定率演算部が出力する。タービンの負荷設定値を負荷設定部が出力する。タービンが起動された状態のときに、負荷設定値に関連付けて調定率補正係数が設定された調定率補正関数を用いて、負荷設定部から出力された負荷設定値に対応する調定率補正係数を調定率補正係数演算部が出力する。その速度調定率演算部が出力した値に、調定率補正係数演算部が出力した調定率補正係数を積算した値を調定率補正演算部が出力する。その調定率補正演算部が出力した値に負荷設定値を加算した値と、負荷制限値とのうちの低値を、蒸気加減弁の開度指令として低値優先回路部が出力する。
本発明によれば、蒸気タービンの運転安定化を容易に実現可能な蒸気タービン制御装置および蒸気タービン制御方法を提供できる。
図1は、第1実施形態に係る蒸気タービンの全体構成について、要部を模式的に示す概念図である。 図2は、第1実施形態に係る蒸気加減弁の詳細構成について、要部を模式的に示す断面図である。 図3は、一般的な蒸気加減弁の流量特性線図を示す図である。 図4は、第1実施形態に係る蒸気タービン制御装置14の詳細構成について、要部を模式的に示す概念図である。 図5は、第1実施形態に係る蒸気タービン制御装置において、調定率補正係数演算部で用いる調定率補正関数Kを示す図である。 図6は、第1実施形態に係る蒸気タービンにおける蒸気加減弁の流量特性線図を示す図である。 図7は、第2実施形態に係る蒸気タービン制御装置において、調定率補正係数演算部で用いる調定率補正関数Kを示す図である。 図8は、第3実施形態に係る蒸気タービン制御装置の要部を示す図である。 図9は、複数の蒸気加減弁を用いた場合の一般的な流量特性線図を示す図である。 図10は、第3実施形態に係る蒸気タービン制御装置において、調定率補正係数演算部で用いる調定率補正関数Kを示す図である。 図11は、第3実施形態において、複数の蒸気加減弁を用いた場合の流量特性線図を示す図である。 図12は、第4実施形態に係る蒸気タービン制御装置において、調定率補正係数演算部で用いる調定率補正関数Kを示す図である。
実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
[A]構成等
[A−1]蒸気タービンの全体について
図1は、第1実施形態に係る蒸気タービンの全体構成について、要部を模式的に示す概念図である。
蒸気タービンは、図1に示すように、ボイラ1、高圧タービン2、再熱器3、中圧タービン4、低圧タービン5、復水器6、および、発電機7を有する。蒸気タービンにおいて、ボイラ1と高圧タービン2との間は、主蒸気管8で接続されており、主蒸気管8には、主蒸気止め弁9と蒸気加減弁10とが設けられている。再熱器3と中圧タービン4との間は、再熱蒸気管11で接続されており、再熱蒸気止め弁12とインターセプト弁13とが設けられている。
図1に示すように、蒸気タービンにおいては、蒸気が、ボイラ1から、主蒸気止め弁9,蒸気加減弁10を介して高圧タービン2に供給される。そして、高圧タービン2から排出された蒸気が、再熱器3で再熱された後、再熱蒸気止め弁12,インターセプト弁13を介して、中圧タービン4に供給される。そして、中圧タービン4から排出された蒸気が、低圧タービン5に供給される。その後、蒸気は、復水器6で凝縮され、図示を省略しているが、その復水は、浄化処理された後に、ボイラ1に戻される。蒸気タービンでは、高圧タービン2と中圧タービン4と低圧タービン5とにおいて、蒸気の仕事によりタービン軸が回転する。そして、その回転するタービン軸によって発電機7が駆動し、発電が実施され、その発電による電力が系統に供給される。
蒸気タービンは、上記の他に、蒸気タービン制御装置14を有する。蒸気タービン制御装置14は、たとえば、蒸気加減弁10とインターセプト弁13との動作を制御する。具体的には、蒸気タービン制御装置14は、タービン回転数検出器101が検出した実回転数の信号を受け、その実回転数に応じて、蒸気加減弁10の動作を制御する。また、蒸気タービン制御装置14は、系統に事故が発生したとき、蒸気加減弁10とインターセプト弁13とが急速に閉塞して、ボイラ1から高圧タービン2に供給する蒸気を断つように制御する。
蒸気加減弁10と蒸気タービン制御装置14との詳細に関しては後述する。
[A−2]蒸気加減弁10の詳細について
図2は、第1実施形態に係る蒸気加減弁の詳細構成について、要部を模式的に示す断面図である。
蒸気加減弁10は、図2に示すように、弁ケーシング15,スリーブ16,弁棒17,弁体18,駆動装置19,および,弁座20を有する。
蒸気加減弁10において、弁ケーシング15は、管状体であって、側部に蒸気入口21が設けられ、底部に蒸気出口22が設けられている。スリーブ16は、弁ケーシング15の内部に設けられている。弁棒17は、弁ケーシング15の内部において、スリーブ16の上部を貫通するように設けられている。弁体18は、弁ケーシング15内において、スリーブ16の内部に設置されており、上部が弁棒17に接続されている。駆動装置19は、弁ケーシング15の外部において、弁棒17に連結されており、弁棒17を駆動し、弁体18を上下方向にスライドさせる。弁座20は、弁ケーシング15の内部において、弁体18の下方に設けられている。弁座20は、弁体18が下方にスライドしたときに弁体18の底面に密接するように設けられている。
蒸気加減弁10では、弁体18と弁座20との間の開度が駆動装置19の動作によって調整されて、蒸気の流量が制御される。具体的には、弁ケーシング15の内部において、弁体18が上方に位置するとき、蒸気入口21から蒸気出口22へ蒸気が流れる。一方で、弁体18が下方に位置して弁座20に密着したとき、蒸気入口21から蒸気出口22への蒸気の流れは、止められる。
図3は、一般的な蒸気加減弁の流量特性線図を示す図である。図3において、縦軸は、流量Fであり、横軸は、負荷設定値S(弁開度指令)である。
図3に示すように、負荷設定値Sが大きくなって、蒸気加減弁の開度が広くなるに伴い、蒸気加減弁を通る蒸気の流量Fは、増加する。
ここでは、負荷設定値Sが無負荷から定格負荷に対応する値までの部分R1(たとえば、負荷設定値が0〜95%の部分)では、流量Fが負荷設定値Sに比例して大きくなる。つまり、この部分R1では、負荷設定値Sに対して流量Fが増加する割合が一定値であって、線形(直線)である。
一方で、図3に示すように、負荷設定値Sが定格負荷に対応する値を超えて最大流量Fmaxになるまでの間の部分R2(たとえば、負荷設定値95〜140%の部分)では、流量Fと負荷設定値Sとの間に比例関係が成立しない。この部分R2では、負荷設定値Sが無負荷から定格負荷に対応する値までの部分R1(たとえば、負荷設定値が0〜95%の部分)よりも、流量Fの増加割合が小さい。つまり、この部分R2は、流量Fが増加する割合が、負荷設定値Sの増加に伴って減少しており、非線形(曲線)である。これは、弁座20(図2参照)の下流側において、2次側圧力が高くなるために生ずる。
このように、一般的な蒸気加減弁10の流量特性は、無負荷から定格負荷までの間は線形であり、定格負荷を超えると、非線形になる。
本実施形態では、蒸気加減弁10は、たとえば、開度を全開にして運用される。
[A−3]蒸気タービン制御装置14の詳細について
図4は、第1実施形態に係る蒸気タービン制御装置14の詳細構成について、要部を模式的に示す概念図である。
蒸気タービン制御装置14は、図4に示すように、偏差演算部141,速度調定率演算部142,負荷設定部151,負荷制限部161,調定率補正係数演算部171,調定率補正演算部172,加算部181,および,低値優先回路部191を有している。蒸気タービン制御装置14において、各部は演算器によって構成されている。蒸気タービン制御装置14では、各部の演算器で演算処理を実施後、その演算処理で得た開度指令を蒸気加減弁10へ出力し、タービンへ供給する蒸気の流量を調整する。蒸気タービン制御装置14は、蒸気加減弁10の開度を全開にして運用する蒸気タービンに用いられる。
蒸気タービン制御装置14を構成する各部について順次説明する。
偏差演算部141は、図4に示すように、タービンの設定回転数S10と実回転数S11の間の偏差値S12(=S10−S11)を算出する。つまり、予め設定された設定回転数S10と、タービン回転数検出器101(図1参照)によって検出された実回転数S11との間において差分処理を行う。そして、偏差演算部141は、その差分処理で得た偏差値S12を出力信号として速度調定率演算部142へ出力する。
速度調定率演算部142は、図4に示すように、偏差値S12に速度調定率S21の逆数を積算する。速度調定率S21は、予め設定された値であって、たとえば、5%であり、この場合には、偏差値S12に対して20倍(=1/0.05)する。そして、速度調定率演算部142は、その積算により得た値S22(=S12/S21)を出力信号として調定率補正演算部172へ出力する。
負荷設定部151は、図4に示すように、設定されたタービンの負荷設定値S32を、出力信号として出力する。たとえば、負荷設定部151は、負荷設定増減回路151aからの出力信号S31に基づいて、タービンの負荷設定値S32を設定し、その設定した負荷設定値S32を調定率補正係数演算部171,加算部181へ出力する。
負荷制限部161は、図4に示すように、負荷制限増減回路161aの出力信号S71に基づいて、負荷制限値S72を出力信号として出力する。
調定率補正係数演算部171は、図4に示すように、負荷設定値S32に関連付けて調定率補正係数S41が設定された調定率補正関数Kを用いて、負荷設定部151から出力された負荷設定値S32に対応する調定率補正係数S41を出力する。つまり、調定率補正係数演算部171は、負荷設定部151から出力された負荷設定値S32を受けた後に、調定率補正関数Kにおいて、その負荷設定値S32に対応する調定率補正係数S41を求める。そして、その求めた調定率補正係数S41を調定率補正演算部172へ出力信号として出力する。
ここでは、調定率補正係数演算部171は、タービンが起動された状態のときに、上記の処理を実施する。すなわち、タービンの起動操作に合わせて接点173が閉じてオンされたときに、調定率補正係数演算部171は、負荷設定部151との間で通電し、上記の処理を実施する。一方で、負荷しゃ断が発生したときには、接点173が開いてオフ状態になり、調定率補正係数演算部171は、上記の処理が実施されない。
負荷しゃ断が発生し開いてオフ状態になった接点173は、系統への再同期併入操作の前に、接点173のリセット操作、すなわち、接点173を閉じてオン状態とされ、その後の負荷運転に供される。
また、接点173は、タービントリップ事象にて開いてオフ状態になり、次のタービンの起動操作が行われるまで、そのオフ状態が継続される。
図5は、第1実施形態に係る蒸気タービン制御装置において、調定率補正係数演算部で用いる調定率補正関数Kを示す図である。図5において、横軸は、負荷設定値S32を示しており、縦軸は、調定率補正関数S41を示している。
図5に示すように、調定率補正関数Kにおいて、調定率補正係数S41は、負荷設定値S32がゼロから定格負荷に対応する値までの部分R1よりも、定格負荷に対応する値を超えた部分R2の方が大きい値になるように設定されている。
また、調定率補正係数S41は、負荷設定値S32がゼロから定格負荷に対応する値を超えた範囲R1,R2に亘って、蒸気加減弁10の流量が、負荷設定値S32に対して比例関係になるように設定されている。
具体的には、負荷設定値S32がゼロから定格負荷に対応する値までの部分R1については、図3に示したように、蒸気加減弁10の流量Fと負荷設定値Sと間は、比例関係にある。このため、図5に示すように、この部分R1に関しては、調定率補正係数S41は、一定値であり、たとえば、「1.0」に設定されている。
これに対して、負荷設定値S32が定格負荷に対応する値を超えた部分R2においては、図3に示したように、蒸気加減弁10の流量Fと負荷設定値Sと間は、比例関係にない。この部分R2では、負荷設定値Sの増加に伴って、流量Fは増加するが、その流量Fが増加する割合は、減少している。このため、図5に示すように、この部分R2に関しては、調定率補正係数S41は、一定値でなく、負荷設定値Sの増加に伴って増加するように設定されている。また、調定率補正係数S41の増加割合が、負荷設定値Sの増加に伴って大きくなるように設定されている。たとえば、負荷設定値S32が定格負荷に対応する値(95%)において、調定率補正係数S41が「1.0」であったところから、調定率補正係数S41が曲線を描いて増加し、負荷設定値S32が「100%」であるところで、「1.4」になるように設定されている。
よって、負荷設定部151から調定率補正係数演算部171へ出力された負荷設定値S32が「95%」の場合には、図5に示すように、調定率補正関数Kから、その「95%」の負荷設定値S32に対応する調定率補正係数S41として、「1.0」が求められる。また、負荷設定部151から調定率補正係数演算部171へ出力された負荷設定値S32が「100%」の場合には、図5に示すように、調定率補正関数Kから、その「100%」の負荷設定値S32に対応する調定率補正係数S41として、「1.4」が求められる。そして、その求められた調定率補正係数S41は、調定率補正演算部172(図4)へ出力される。
ここで、図3に示した一般的な流量特性線図では、負荷設定値Sを「140%」として蒸気加減弁10を全開にし、最大流量Fmaxを得るようにしていたが、本実施形態に係る蒸気タービン制御装置においては、負荷設定値S32が、「100%」で最大流量Fmaxを得ることができる(図6参照)。したがって、本実施形態では、負荷設定値S32を「100%」を超えた値に設定する必要がない。
調定率補正演算部172は、図4に示すように、速度調定率演算部142が出力した値S22に、調定率補正係数演算部171が出力した調定率補正係数S41を積算する。そして、その積算した値S51(=S22×S41)を加算部181へ出力信号として出力する。たとえば、「1.4」の調定率補正係数S41が調定率補正係数演算部171から出力された場合には、速度調定率演算部142から出力された値S22に「1.4」を積算し、その積算した値S51を加算部181へ出力する。
加算部181は、図4に示すように、調定率補正演算部172が出力した値S51と、負荷設定部151が出力した負荷設定値S32とを加算する。そして、その加算した値S61を低値優先回路部191へ出力信号として出力する。
低値優先回路部191は、図4に示すように、加算部181が出力した値S61と、負荷制限値S72とにおいて低い方の値を選択する。そして、その選択した低値(S61またはS72)を、蒸気加減弁10の開度指令S81として出力する。
蒸気タービンにおいては、負荷制限値S72に基づいて、蒸気加減弁10の開度が制御されたときには、負荷制限運転が実施される。これに対して、加算部181が出力した値S61に基づいて、蒸気加減弁10の開度が制御されたときには、調速運転が実施される。
図6は、第1実施形態に係る蒸気タービンにおける蒸気加減弁の流量特性線図を示す図である。図6において、縦軸は、流量Fであり、横軸は、負荷設定値S32である。
蒸気加減弁10へ上記の開度指令S81を出力して蒸気加減弁10の開度を制御しているので、図6に示すように、蒸気加減弁10の流量は、負荷設定値S32が定格負荷に対応する値を超えた範囲R2においても、負荷設定値S32に対して比例関係になる。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態の蒸気タービン制御装置14は、まず、タービンの設定回転数S10と実回転数S11の間の偏差値S12(=S10−S11)に速度調定率S21の逆数を積算した値S22(=S12/S21)を速度調定率演算部142が出力する。つぎに、タービンが起動された状態のときに、負荷設定値S32に関連付けて調定率補正係数S41が設定された調定率補正関数Kを用いて、負荷設定部151から出力された負荷設定値S32に対応する調定率補正係数S41を調定率補正係数演算部171が出力する。つぎに、速度調定率演算部142が出力した値S22に、調定率補正係数演算部171が出力した調定率補正係数S41を積算した値S51(=S22×S41)を、調定率補正演算部172が出力する。つぎに、調定率補正演算部172が出力した値S51に負荷設定値S32を加算した値S61と、負荷制限値S72とのうち、低い値を、蒸気加減弁10の開度指令S81として低値優先回路部191が出力する。
本実施形態では、調定率補正係数S41は、負荷設定値S32がゼロから定格負荷に対応する値までの部分R1よりも、定格負荷に対応する値を超えた部分R2の方が大きい値である。ここでは、調定率補正係数S41は、負荷設定値S32がゼロから定格負荷に対応する値を超えた範囲R1,R2に亘って、蒸気加減弁10の流量が、負荷設定値S32に対して比例関係になるように設定されている。
このため、本実施形態は、蒸気タービンについて更に高い効率で運用することができる。この理由について以下に説明する。
本実施形態の場合と異なり、速度調定率演算部142が出力した値S22について調定率補正係数S41で補正をしない場合において、最大負荷運転のように、負荷設定値S32が定格負荷に対応する値を超えたときは、負荷設定値と流量との間が比例関係にない(図3参照)。このため、実回転数(系統周波数)が設定回転数に対して変動した場合に、十分に負荷を変動させるように開度を制御することが困難である。具体的には、実回転数(系統周波数)が設定回転数に対して2.5%分まで上昇しないとタービン負荷が、10%分、低下しない。比例関係が成立する場合には、0.5%分の実回転数(系統周波数)の上昇で、タービン負荷が、10%分、低下する。また、最大負荷運転の場合において、実回転数(系統周波数)が上昇した状態で負荷しゃ断が生じた場合には、タービンの瞬時最大回転数が大きくなる。よって、送電線系統が不安定な状態になる場合がある。
しかし、本実施形態の場合には、速度調定率演算部142が出力した値S22について調定率補正係数S41で補正をしているので、最大負荷運転のように、負荷設定値S32が定格負荷に対応する値を超えた部分についても、負荷設定値と流量との間が比例関係にある(図6参照)。よって、実回転数(系統周波数)が設定回転数に対して変動した場合に、十分に負荷を変動させるように開度を制御可能であるので、系統を安定化できる。つまり、蒸気加減弁10の開度が負荷の変化に追従して流量を遅れずに減少できる。また、本実施形態では、最大負荷運転のような負荷設定値S32が定格負荷を超えた運転においても、系統を安定化可能であるので、蒸気タービンについて高い効率で運用可能である。
この他に、本実施形態では、負荷しゃ断が発生したとき、接点173が開いてオフ状態になると、負荷設定部151からの通電を遮断すると共に、瞬時に調定率補正計数演算部171は、無負荷状態である負荷設定値S32がゼロの位置(0%位置)に戻るように動作する。このため、調定率補正係数演算部171の出力は、負荷設定値をゼロ位置(0%位置)の「1.0」の値を出力するように動作するので、調定率補正演算部172では、信号S22に「1.0」の値を積算する。よって、タービンの瞬時最大回転数の上昇を抑制可能である。
なお、上記において設定した調定率補正関数Kは、例示したものであって、上述した値に限らない。蒸気加減弁の流量特性やタービン発電ユニットの運用に応じて、適宜、設定可能である。
また、上記の各演算部において積算する処理については、その処理順序を問わない。たとえば、予め定められた速度調定率S21の逆数を積算する処理については、偏差値S12に対して実施せずに、調定率補正係数演算部171の調定率補正関数Kに対して、予め積算させても良い。
<第2実施形態>
[A]構成等
図7は、第2実施形態に係る蒸気タービン制御装置において、調定率補正係数演算部で用いる調定率補正関数Kを示す図である。図7において、横軸は、負荷設定値S32を示しており、縦軸は、調定率補正関数S41を示している。
本実施形態においては、図7に示すように、調定率補正関数Kが、第1実施形態の場合と異なる。本実施形態は、この点、および、これに関連する点を除き、第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、この実施形態と重複する個所については、適宜、記載を省略する。
図7に示すように、調定率補正関数Kにおいて、調定率補正係数S41は、第1実施形態と同様に、負荷設定値S32がゼロから定格負荷に対応する値までの部分R1よりも、定格負荷に対応する値を超えた部分R2の方が大きい。
しかし、第1実施形態と異なり、負荷設定値S32がゼロから定格負荷に対応する値までの部分R1においては、調定率補正係数S41は、図7に示すように、一定値でなく、負荷設定値S32に比例して大きくなる。たとえば、負荷設定値S32が0%において調定率補正係数S41が「0.5」であるところから、調定率補正係数S41が直線を描いて増加し、負荷設定値S32が「95%」であるところで、「1.0」になるように設定されている。
そして、図7に示すように、負荷設定値S32が定格負荷に対応する値を超えた部分R2においては、第1実施形態の場合と同様に、調定率補正係数S41は、一定値でなく、負荷設定値Sの増加に伴って増加する。
このため、本実施形態では、負荷設定部151から調定率補正係数演算部171へ出力された負荷設定値S32が「50%」の場合には、その「50%」の負荷設定値S32に対応する調定率補正係数S41として、「0.763」が求められる。そして、その求められた調定率補正係数S41は、調定率補正演算部172(図4)へ出力される。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態の調定率補正関数Kは、負荷設定値S32がゼロから定格負荷に対応する値までの部分R1において、調定率補正係数S41が負荷設定値S32の増加に伴って大きくなるように設定されている。
このため、本実施形態は、部分負荷運転を行う場合において系統の事故等によって実回転数(系統周波数)が設定回転数から上昇したときに、速度調定率に沿って負荷を低下させる場合に、その負荷の変化が大きくなることを抑制可能である。この理由について以下に説明する。
負荷設定値S32が「50%」に設定され、部分負荷運転を行う場合において、たとえば、実回転数(系統周波数)が設定回転数よりも、0.5%分、大きくなったとき、第1実施形態の場合には、タービンの負荷が、10%分、減少する。このように、部分負荷運転の際に、負荷が一律に10%分減少することは、負荷の変化が大きいため、好適でない。
しかしながら、本実施形態では、調定率補正係数S41は、負荷設定値S32がゼロから定格負荷に対応する値までの部分R1において、1より低い値から、負荷設定値S32の増加に伴って大きくなる。よって、上記のように「50%」の部分負荷運転を行う場合において、たとえば、0.5%分の実回転数(系統周波数)の上昇があったときは、第1実施形態の場合よりもタービンの負荷の減少が小さく、7.63%分の負荷が減少する。
したがって、本実施形態では、部分負荷運転を行う場合において、負荷の変化が大きくなることを抑制可能であって、運転を安定化することができる。
なお、上記において設定した調定率補正関数Kは、例示したものであって、上述した値に限らない。蒸気加減弁の流量特性やタービン発電ユニットの運用に応じて適宜設定可能である。
また、本実施形態においては、部分負荷運転以外に、第1実施形態と同様に、最大流量負荷運転(バルブ・ワイド・オープンでの運転)を実施しても好適である。
<第3実施形態>
[A]構成等
図8は、第3実施形態に係る蒸気タービン制御装置の要部を示す図である。図8に示すグラフにおいて、横軸は、時間(t)を示し、縦軸は、弁の開度(W)を示している。
本実施形態においては、図8に示すように、弁開度関数部34が設けられている。また、詳細については後述するが、ノズル調速方式を採用しているため、蒸気加減弁10が複数であり、その複数の蒸気加減弁10の開度が負荷設定値S32に応じて順次全開になるように制御される。また、調定率補正関数Kが、第2実施形態の場合と異なる。本実施形態は、この点、および、これに関連する点を除き、第2実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、この実施形態と重複する個所については、適宜、記載を省略する。
弁開度関数部34は、図8に示すように、低値優先回路部191(図4)から出力された開度指令S81が入力される。また、弁開度関数部34は、蒸気加減弁10の数に対応するように、複数の弁開度関数器341〜344を有する。本実施形態では、蒸気加減弁10が、たとえば、4つであって、弁開度関数部34は、その蒸気加減弁10の数に対応して、第1弁開度関数器341,第2弁開度関数器342,第3弁開度関数器343,および,第4弁開度関数器344の合計で4つの弁開度関数器を有する。
複数の弁開度関数器341〜344のそれぞれにおいては、低値優先回路部191(図4)から出力された開度指令S81に基づいて、第1から第4の開度指令S91〜S94を求め、複数の弁開度関数器341〜344のそれぞれに出力する。ここでは、第1から第4の開度指令S91〜S94は、複数の蒸気加減弁10の開度が負荷設定値に応じて順次全開になるように求められる。
具体的には、第1弁開度関数器341は、最初の開度(W)がゼロの状態から時間tに比例して開度(W)が大きくなり、第1の時点t1以降において全開(Wa)になるように、第1の開度指令S91を求める。第2弁開度関数器342は、第1の時点t1の開度(W)がゼロの状態から開度(W)が時間tに比例して大きくなり、第2の時点t2以降において開度(W)が全開(Wa)になるように、第2の開度指令S92を求める。第3弁開度関数器343は、第2の時点t2の開度(W)がゼロの状態から開度(W)が時間tに比例して大きくなり、第3の時点t3以降において開度(W)が全開(Wa)になるように、第3の開度指令S93を求める。第4弁開度関数器344は、第3の時点t3の開度(W)がゼロの状態から開度(W)が時間tに比例して大きくなり、第4の時点t4において開度(W)が全開(Wa)になるように、第4の開度指令S94を求める。
図9は、複数の蒸気加減弁を用いた場合の一般的な流量特性線図を示す図である。図9において、縦軸は、流量Fであり、横軸は、負荷設定値S(弁開度指令)である。
図9に示すように、負荷設定値Sに従って、複数の蒸気加減弁10の全体の開度が大きくなるに伴い、複数の蒸気加減弁10を通る蒸気の全体の流量Fは、増加する。
図9に示すように、第1の開度指令S91に基づいて、一の蒸気加減弁10の開度が、開始時点t0にてゼロの状態から時間tに比例して増加し、第1の時点t1以降において全開になる。そして、第2の開度指令S92に基づいて、他の一の蒸気加減弁10の開度が、ゼロの状態から時間tに比例して増加し、第2の時点t2以降において全開になる。そして、第3の開度指令S93に基づいて、上記以外の一の蒸気加減弁10の開度が、ゼロの状態から時間tに比例して増加し、第3の時点t3以降において全開になる。そして、第4の開度指令S94に基づいて、上記以外の一の蒸気加減弁10の開度が、ゼロの状態から時間tに比例して増加し、第4の時点t4において全開になる。このように、複数の蒸気加減弁10のそれぞれの開度が、負荷設定値Sに応じて順次全開になるように、その複数の蒸気加減弁10のそれぞれの動作が制御される。
図9に示すように、複数の蒸気加減弁10のそれぞれにおいては、流量Fが負荷設定値Sに比例して大きくなる状態を経た後、流量Fが負荷設定値Sに比例せずに大きくなる状態になる。つまり、負荷設定値Sに対して流量Fが増加する割合が一定値である線形状態を経た後、流量Fが増加する割合が負荷設定値Sの増加に伴って減少する非線形状態になる。具体的には、開始時点t0から第1の時点t1よりも前の時点t1aまでの間は、流量Fが負荷設定値Sに比例して大きくなる。その後、その時点t1aから第1の時点t1までの間は、流量Fが増加する割合が負荷設定値Sの増加に伴って減少する。その後においても、同様に推移する。この現象は、ノズルボックス毎に分割された複数の蒸気加減弁10のそれぞれの弁座20(図2参照)の下流側において、2次側圧力が高くなるために生ずる。
図10は、第3実施形態に係る蒸気タービン制御装置において、調定率補正係数演算部で用いる調定率補正関数Kを示す図である。図10において、横軸は、負荷設定値S32を示しており、縦軸は、調定率補正関数S41を示している。
図10に示すように、調定率補正関数Kにおいて、調定率補正係数S41は、負荷設定値S32がゼロから定格負荷に対応する値までの部分R1が、第2実施形態の場合(図7参照)と異なる。
本実施形態では、図10に示すように、負荷設定値S32に応じて調定率補正係数S41が増加する割合は、複数の蒸気加減弁10のそれぞれにおいて、負荷設定値Sに対する流量Fの増加の割合が一定値である部分(t0〜t1aの間など,図9参照)よりも、負荷設定値Sの増加に伴って減少する部分(t1a〜t1の間など,図9参照)において、大きくなるように設定されている。
図11は、第3実施形態において、複数の蒸気加減弁を用いた場合の流量特性線図を示す図である。
本実施形態では、複数の蒸気加減弁10のそれぞれへ上記の開度指令S91〜S94のそれぞれを順次出力して、複数の蒸気加減弁10の開度を制御する。このため、図11に示すように、複数の蒸気加減弁10による流量は、負荷設定値S32が定格負荷に対応する値以下の範囲R1、および、負荷設定値S32が定格負荷に対応する値を超えた範囲R2において、負荷設定値S32に対して比例関係になる。
ここで、図9に示した一般的な流量特性線図では、負荷設定値Sを「140%」として複数の蒸気加減弁10を全開にし、最大流量Fmaxを得るようにしていたが、本実施形態では、負荷設定値S32が、「100%」で最大流量Fmaxを得ることができる(図11参照)。したがって、本実施形態では、負荷設定値S32を「100%」を超えた値に設定する必要がない。この点は、第1実施形態の場合と同様である(図6参照)。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態では、調定率補正関数Kは、負荷設定値Sに対する調定率補正係数S41の増加割合について、負荷設定値Sに対する流量Fの増加の割合が一定値である部分よりも、負荷設定値Sの増加に伴って減少する部分で大きい。
このため、本実施形態では、部分負荷運転を安定化することができる。この理由について以下に説明する。
複数の蒸気加減弁10において次の蒸気加減弁10を開ける動作の開始前(t1a〜t1の間)は、図9で示したように、一般には、流量Fが負荷設定値Sに比例して大きくならず、流量Fが増加する割合が負荷設定値Sの増加に伴って減少する。このため、複数の蒸気加減弁10のクラッキングポイント(たとえば、t1,t2,t3のような次の蒸気加減弁10の開き始め点)では、十分な流量でなく、負荷の制御を好適に実施することができない場合がある。
しかしながら、本実施形態では、調定率補正関数Kが上記の図10のように設定されているので、次の蒸気加減弁10を開ける動作の開始前(t1a〜t1の間)においても、流量Fが負荷設定値Sに比例して大きくなり(図11参照)、複数の蒸気加減弁10のクラッキングポイントにおいて、負荷設定値Sに対して比例して増加するので、十分な流量を得ることができる。よって、負荷の制御を好適に実施可能である。したがって、本実施形態では、部分負荷運転を安定化することができる。
なお、本実施形態においては、部分負荷運転以外に、他の実施形態と同様に、最大流量負荷運転(バルブ・ワイド・オープンでの運転)を実施しても好適である。
<第4実施形態>
[A]構成等
図12は、第4実施形態に係る蒸気タービン制御装置において、調定率補正係数演算部で用いる調定率補正関数Kを示す図である。図12において、横軸は、負荷設定値が0%の無負荷状態において系統に同期併入する前におけるタービンの回転数について、定格回転数を100%としたときの割合を示している。縦軸は、調定率補正関数S41を示している。
本実施形態においては、負荷設定値S32がゼロであって、系統に同期併入する前において蒸気タービンの回転開始から定格運転の回転数に到達するまでの間は、図12に示す調定率補正関数Kを用いて制御を行う。本実施形態は、この点、および、これに関連する点を除き、第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、この実施形態と重複する個所については、適宜、記載を省略する。
図12に示すように、負荷設定値がゼロであって系統に同期併入前の蒸気タービンの回転開始から定格運転の回転数に到達するまでの間においては、調定率補正関数Kの調定率補正係数S41は、同期併入後よりも小さい一定値に設定されている。
具体的には、図5で示したように、系統に同期併入した後は、調定率補正関数Kの調定率補正係数S41は、1.0以上である。これに対して、系統に同期併入する前においては、本実施形態では、図12に示すように、調定率補正係数S41は、「0.5」であって、一定値である。
このため、本実施形態において、系統に同期併入する前は、蒸気加減弁10の開度を系統に同期併入した後よりも小さく開くように、開度指令S81(図4参照)が出力される。具体的には、蒸気加減弁10の開度は、第1実施形態の場合に対して、半分になる。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態では、負荷設定値S32がゼロであって、系統に同期併入する前で蒸気タービンの回転開始から定格運転の回転数に到達するまでの間においては、調定率補正関数Kの調定率補正係数S41は、その同期併入後よりも小さい一定値である。
このため、本実施形態では、上記のように、系統に同期併入する前は同期併入後よりも蒸気加減弁10の開度が小さいので、無負荷での運転を安定化することができる。
なお、本実施形態については、第1実施形態の場合と組みわせて実施される以外に、他の実施形態に組み合わせて実施しても好適である。その他、他の実施形態と組み合わせずに、上記の制御を実施するように構成しても良い。
また、図12では、調定率補正係数S41は、「0.5」の一定値であるが、これに限らない。調定率補正係数S41については、低回転数域から定格回転数までの間、回転数の上昇に比例して増加するように傾斜させてもよい。この場合には、より低回転数域の運転について安定性が増す利点がある。
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上述したように、最大流量負荷運転(バルブ・ワイド・オープンでの運転)以外の運転において実施可能である。
14…蒸気タービン制御装置、141…偏差演算部、142…速度調定率演算部、151…負荷設定部、171…調定率補正係数演算部、172…調定率補正演算部、173…接点、181…加算部、191…低値優先回路部

Claims (12)

  1. 蒸気加減弁の開度を制御して、タービンへ供給する蒸気の流量を調整する蒸気タービン制御装置であって、
    前記タービンの設定回転数と実回転数との間の偏差値に速度調定率の逆数を積算した値を出力する速度調定率演算部と、
    前記タービンの負荷設定値を出力する負荷設定部と、
    前記タービンが起動された状態のときに、前記負荷設定値に関連付けて調定率補正係数が設定された調定率補正関数を用いて、前記負荷設定部から出力された負荷設定値に対応する前記調定率補正係数を出力する調定率補正係数演算部と、
    前記速度調定率演算部が出力した値に、前記調定率補正係数演算部が出力した前記調定率補正係数を積算した値を出力する調定率補正演算部と、
    前記調定率補正演算部が出力した値に前記負荷設定値を加算した値と、負荷制限値とのうちの低値を、前記蒸気加減弁の開度指令として出力する低値優先回路部と
    を有する
    蒸気タービン制御装置。
  2. 前記蒸気加減弁の開度を全開にして運用する蒸気タービンに用いられる、
    請求項1に記載の蒸気タービン制御装置。
  3. 前記調定率補正関数において、前記調定率補正係数は、前記負荷設定値がゼロから定格負荷に対応する値までの部分よりも、前記定格負荷に対応する値を超えた部分の方が大きい値になるように設定されている、
    請求項1または2に記載の蒸気タービン制御装置。
  4. 前記調定率補正関数において、前記調定率補正係数は、前記負荷設定値がゼロから定格負荷に対応する値までの部分において一定値である、
    請求項1から3のいずれかに記載の蒸気タービン制御装置。
  5. 前記調定率補正関数において、前記調定率補正係数は、前記負荷設定値がゼロから定格負荷に対応する値までの部分において、前記負荷設定値の増加に伴って大きくなるように設定されている、
    請求項1から3のいずれかに記載の蒸気タービン制御装置。
  6. 前記調定率補正関数において、前記調定率補正係数は、前記負荷設定値が定格負荷に対応する値を超えた部分において、前記負荷設定値の増加に伴って大きくなるように設定されている、
    請求項1から5のいずれかに記載の蒸気タービン制御装置。
  7. 前記蒸気加減弁が複数であり、当該複数の蒸気加減弁の開度が前記負荷設定値に応じて順次全開になるように、当該複数の蒸気加減弁の動作を制御し、
    前記調定率補正関数は、前記複数の蒸気加減弁のそれぞれにおいて、前記負荷設定値に対する前記調定率補正係数の増加割合について、前記負荷設定値に対する流量の増加の割合が一定値である部分よりも、前記負荷設定値の増加に伴って流量が増加する割合が減少する部分で大きくなるように設定されている、
    請求項1から6のいずれかに記載の蒸気タービン制御装置。
  8. 前記調定率補正関数において、前記調定率補正係数は、前記負荷設定値がゼロから前記定格負荷に対応する値を超えた範囲に亘って、前記蒸気加減弁の流量が、前記負荷設定値に対して比例関係になるように設定されている、
    請求項1から7のいずれかに記載の蒸気タービン制御装置。
  9. 前記負荷設定値がゼロであって、系統に同期併入前の蒸気タービンの回転開始から定格運転の回転数に到達するまでの間においては、前記調定率補正関数の前記調定率補正係数は、同期併入後よりも小さい一定値に設定されている、
    請求項1から8のいずれかに記載の蒸気タービン制御装置。
  10. 前記負荷設定値がゼロであって、系統に同期併入前の蒸気タービンの回転開始から定格運転の回転数に到達するまでの間においては、前記調定率補正関数の前記調定率補正係数は、同期併入後よりも小さく、前記回転数の増加に比例して大きくなるように設定されている、
    請求項1から8のいずれかに記載の蒸気タービン制御装置。
  11. 前記負荷設定部と前記調定率補正係数演算部との間に接点を備えており、
    蒸気タービンが負荷遮断した時、前記接点が開き、前記負荷設定部から前記調定率補正係数演算部への通電を遮断すると共に、
    前記調定率補正係数演算部から前記調定率補正演算部に対して負荷設定値がゼロ位置の前記調定率補正係数を出力するように設定されている、
    請求項1から10のいずれかに記載の蒸気タービン制御装置。
  12. 蒸気加減弁の開度を制御して、タービンへ供給する蒸気の流量を調整する蒸気タービン制御方法であって、
    前記タービンの設定回転数と実回転数の間の偏差値に速度調定率の逆数を積算した値を出力する速度調定率演算ステップと、
    前記タービンの負荷設定値を出力する負荷設定ステップと、
    前記タービンが起動された状態のときに、前記負荷設定値に関連付けて調定率補正係数が設定された調定率補正関数を用いて、前記負荷設定ステップで出力された負荷設定値に対応する前記調定率補正係数を出力する調定率補正係数演算ステップと、
    前記速度調定率演算ステップで出力した値に、前記調定率補正係数演算ステップで出力した前記調定率補正係数を積算した値を出力する調定率補正演算ステップと、
    前記調定率補正演算ステップで出力した値に前記負荷設定値を加算した値と、負荷制限値とのうちの低値を、前記蒸気加減弁の開度指令として出力する低値選択ステップと
    を有する
    蒸気タービンの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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