JP2013146737A - レーザ接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合部の外観不良の発生を抑制することができるレーザ接合方法を提供する。
【解決手段】レーザビームは、進行方向Fの前側に位置する先行ビーム110と、進行方向Fの後側に位置する後行ビーム120から構成される。先行ビーム110は、少なくともAl系金属部材2に照射して予熱を行うためのレーザビームである。後行ビーム120は、Zn系ろう材3に照射してZn系ろう材3を溶融させるためのレーザビームである。先行ビーム110の照射では、Al系金属部材2への単位面積当たりの入熱量をFe系金属部材1への単位面積当たりの入熱量よりも大きくなるように設定する。この場合、先行ビーム110は、Al用先行ビーム111(照射スポットの中心は図2のP1)およびFe用先行ビーム112(照射スポットの中心は図2のP2)から構成されることが好適である。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱源としてレーザビームを用いて複数の金属部材をろう材により接合するレーザ接合方法に係り、特にレーザビームの照射手法の改良に関する。
各種継手等の金属部材の接合構造は、たとえば異種金属部材の接合により製造されている。異種金属部材の接合では、金属部材の間に介在させたろう材をレーザビーム照射で加熱することにより、ブレージング(ろう付)を行っている。これにより、異種金属部材の間に接合部を形成することにより、金属部材の接合構造を製造している。この場合、異種金属部材として、たとえばFe系材料からなるFe系金属部材およびAl系材料からなるAl系金属部材を用いる場合、ろう材として、たとえばZn系ろう材が用いられている。
このような金属部材の接合方法では、たとえば異種金属部材同士の境界部にワイヤ状のZn系ろう材を送出しながら、その先端部にレーザビームを照射する。このようなレーザビーム照射による加熱を異種金属部材同士の境界部の延在方向に沿って行っている。
金属部材の良好な接合構造を得るために、各種レーザ照射手法が提案されている。たとえば特許文献1では、一対のレーザビームの照射スポットを進行方向の前後に位置させ、それら照射スポットを進行方向に沿って移動させる。Fe系金属部材として合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用い、Al系金属部材としてAl系板材を用いている。
特許文献1の技術では、前側レーザビームの照射により、合金化溶融亜鉛めっき鋼板側被接合部のめっき層を除去し、後側レーザビームの照射により、ろう材であるワイヤを溶融して、前側レーザビームの照射でめっき層が除去された部分にワイヤを溶融・凝固させている。この場合、前側レーザビームの照射スポットは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(Fe系金属部材)に位置している。
特開2007−75872号公報
ところで、Fe系金属部材とAl系金属部材とを接合する場合、Al系材料は、Fe系材料よりも、レーザビーム反射率および熱伝導率が高い。このため、Al系金属部材に入熱し難く、かつ熱拡散し易いから、Fe系金属部材側被接合部とAl系金属部材側被接合部とでは、冷却速度が異なる。その結果、溶融ろう材のFe系金属部材側とAl系金属部材側とで収縮速度が異なるため、たとえば接合部であるビード表面の凹凸差が大きくなり、接合部に外観不良が生じる虞がある。
したがって、本発明は、接合部の外観不良の発生を抑制することができるレーザ接合方法を提供することを目的としている。
本発明のレーザ接合方法は、熱源としてのレーザビームを移動させることにより、複数の金属部材をろう材により接合するレーザ接合方法であって、金属部材として、Fe系材料からなるFe系金属部材とAl系材料からなるAl系金属部材を用い、レーザビームとして、進行方向前側に位置する先行ビームと、進行方向後側に位置する後行ビームとを用い、先行ビームを少なくともAl系金属部材に照射して予熱を行い、後行ビームをろう材に照射してろう材を溶融させ、先行ビームは、Al系金属部材への単位面積当たりの入熱量がFe系金属部材への単位面積当たりの入熱量よりも大きくなるように照射することを特徴としている。なお、下記被接合部とは、Fe系金属部材とAl系金属部材との接合予定部のことを表し、接合部とは、接合後の接合予定部のことを表している。
本発明のレーザ接合方法では、後行ビームをろう材に照射してろう材を溶融させ、後行ビームよりも先行ビームを進行方向前側に位置させ、先行ビーム照射による予熱を行う。ここで、Al系金属部材は、入熱し難くてかつ熱拡散し易いため、予熱において、たとえばAl系金属部材とFe系金属部材とを同等の熱量で同時に加熱した場合、Al系金属部材は、Fe系金属部材よりも冷却速度が速いため、従来技術と同様な上記不具合が生じる。
しかしながら、本発明のレーザ接合方法では、予熱において、先行ビームを少なくともAl系金属部材に照射しており、この場合、先行ビームの照射は、入熱し難くてかつ熱拡散し易いAl系金属部材への単位面積当たりの入熱量をFe系金属部材への単位面積当たりの入熱量よりも大きくなるように設定している。これにより、Al系金属部材の冷却速度を遅くすることができるから、Al系金属部材の熱履歴をFe系金属部材のものに近づけることができる。その結果、Al系金属部材の収縮速度をFe系金属部材のものに近づけることができるから、たとえば接合部であるビード表面の凹凸差が小さくなって滑らかになる。このように接合部の外観不良の発生を抑制することができる。
本発明のレーザ接合方法は、種々の構成を用いることができる。たとえば先行ビームを第1先行ビームおよび第2先行ビームから構成し、第1先行ビームをAl系金属部材に選択的に照射し、第2先行ビームをFe系金属部材に選択的に照射する態様を用いることができる。この態様では、Al系金属部材およびFe系金属部材への入熱量の制御を容易に行うことができる結果、接合部の外観不良の発生を効果的に抑制することができる。
本発明のレーザ接合方法によれば、接合部の外観不良の発生を抑制することができる。
本発明に係る一実施形態のレーザ接合方法により金属部材の接合構造体を製造する状態の概略構成を表す斜視図である。 図1に示す各レーザビームの照射スポット中心を表す概略上面図である。 (A),(B)は、本発明に係るレーザ接合方法により得られた金属部材の接合構造体の一例を表す断面構成図である。 実施形態のレーザ接合方法の実施例により得られたFe系金属部材およびAl系金属部材の温度履歴データを表すグラフである。 レーザ接合方法の比較例により得られたFe系金属部材およびAl系金属部材の温度履歴データを表すグラフである。 本発明に係る一実施形態のレーザ接合方法により金属部材の接合構造体の変形例を製造する状態の概略構成を表し、(A)は斜視図、(B)は側面図である。 本発明に係る一実施形態のレーザ接合方法により得られた金属部材の接合構造体の変形例を表す断面構成図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る一実施形態のレーザ接合方法により金属部材の接合構造体を製造する状態の概略構成を表す斜視図である。図2は、図1に示す各レーザビームの照射スポット中心を表し、金属部材の被接合部の拡大概略上面図である。
レーザ接合方法は、たとえばフレア継手を製造する配置を用いている。金属部材として、たとえばFe系材料からなるFe系金属部材1およびAl系材料からなるAl系金属部材2を用いている。Fe系金属部材1およびAl系金属部材2は、たとえば湾曲部11,12を有している。Fe系金属部材1およびAl系金属部材2の配置では、たとえば湾曲部11,12どうしが対向し、それら湾曲部11,12により開先形状13を形成している。この場合、たとえばFe系金属部材1とAl系金属部材2との対向部に段差を設けている。
レーザ接合方法では、熱源としてレーザビームを用いることにより、Fe系金属部材1とAl系金属部材2をZn系ろう材3により接合する。Zn系ろう材3は、たとえばワイヤ状をなし、ワイヤガイド(図示略)を通じて開先形状13の中心部に送出される。Zn系ろう材3は、Sn系ろう材よりも十分な接合強度が得られるから、好適である。Zn系ろう材3は、添加元素としてAlやSiを含有していてもよいし、含有していなくてもよい。添加元素としてSiを用いる場合、Siを0.25〜2.5重量%含有し、残部がZnおよび不可避不純物からなることが好適である。
レーザビームは、進行方向Fの前側に位置する先行ビーム110と、進行方向Fの後側に位置する後行ビーム120から構成される。先行ビーム110は、少なくともAl系金属部材2に照射して予熱を行うためのレーザビームである。後行ビーム120は、Zn系ろう材3に照射してZn系ろう材3を溶融させるためのレーザビームである。後行ビーム120は、たとえばZn系ろう材3の先端部に照射される。
先行ビーム110の照射では、Al系金属部材2への単位面積当たりの入熱量をFe系金属部材1への単位面積当たりの入熱量よりも大きくなるように設定する。この場合、先行ビーム110は、Al用先行ビーム111(第1先行ビーム)およびFe用先行ビーム112(第2先行ビーム)から構成されることが好適である。なお、単位面積当たりの入熱量は、エネルギー密度(mW/cm)である。
Al用先行ビーム111は、Al系金属部材2に選択的に照射するためのレーザビームである。この場合、たとえば図2に示すように、Al用先行ビーム111の照射スポットの中心P1は、Al系金属部材2の被接合部上に位置している。Fe用先行ビーム112は、Fe系金属部材1に選択的に照射するレーザビームである。Fe用先行ビーム112の照射スポットの中心P2は、Fe系金属部材1の被接合部上に位置している。
Al用先行ビーム111の照射スポットの中心P1は、たとえばFe用先行ビーム112の照射スポットの中心P2よりも進行方向Fの前側に位置している。なお、図2の符号Qは、後行ビーム120の照射スポットの中心を示している。各ビームは、ハーフミラー等を用いて1つのレーザ光源から分岐させて得てもよいし、各ビームに対応してレーザ光源を設けてもよい。各部材への単位面積当たりの入熱量は、各ビームのエネルギー密度(=ビームのエネルギー/照射スポット面積)や照射スポットの中心位置等を変更することにより調整することができる。
本実施形態では、レーザビームを進行方向Fに移動させることにより、Fe系金属部材1とAl系金属部材2をZn系ろう材3により接合する。後行ビーム120については、たとえば特開2010−137277で本出願人が提案している手法を用いることが好適である。具体的には、後行ビーム120の照射により、Zn系ろう材3を蒸発させるとともに、Fe系金属部材1とAl系金属部材2で形成した開先形状13の表面で後行ビーム120を多重反射させる。
このような後行ビーム120の照射による加熱を開先形状13の延在方向に沿って進行方向Fに行うことにより、図3(A),(B)に示すように、Fe系金属部材1とAl系金属部材2との接合構造体10を製造することができる。接合構造体10は、Fe系金属部材1とAl系金属部材2とを備え、Fe系金属部材1とAl系金属部材2の間には、Zn系材料からなる接合部4が形成されている。
Zn系ろう材3への添加元素としてSiを用いない場合、図3(A)に示すように、Fe系金属部材1と接合部4との境界部には、均一な層状の金属間化合物層5が形成されている。Zn系ろう材3への添加元素としてSiを用いる場合、図3(B)に示すように、従来の接合構造体と異なり、Fe系金属部材1と接合部4との境界部には、金属間化合物層(反応層)が存在しない。この場合、接合部4では、Si粒がマトリックス中に散在し、その粒径が小さい方が好適である。具体的には、Siの粒径は、Znの有する機械的伸びを阻害しないサイズ(たとえば10μm以下)が好適である。
なお、後行ビーム120の多重反射は、Fe系金属部材1とAl系金属部材2で形成した開先形状13の表面で行う代わりに、Fe系金属部材1とAl系金属部材2の被溶接部を溶融して形成したキーホール内で行うようにしてもよい。この場合、後行ビーム120の照射による加熱では、Fe系金属部材1およびAl系金属部材2の被接合部をFe系材料の融点以上の温度に設定することが好適である。
ここで本実施形態では、後行ビーム120よりも先行ビーム110を進行方向Fの前側に位置させ、先行ビーム110を少なくともAl系金属部材2に照射して予熱を行っている。この場合、先行ビーム110の照射では、入熱し難くてかつ熱拡散し易いAl系金属部材2への単位面積当たりの入熱量をFe系金属部材1への単位面積当たりの入熱量よりも大きくなるように設定しているから、Al系金属部材の冷却速度を遅くすることができる。
これについて実施例および比較例を用いて具体的に説明する。実施例および比較例では、図1に示す配置形態と同様にFe系金属部材およびAl系金属部材を配置し、それら金属部材の湾曲部により開先形状を形成し、Zn系ろう材としてワイヤを用いた。この場合、添加元素としてSiを添加させた。これにより、図1に示す構成を有するフレア継手形状の金属部材の接合構造体を製造した。
実施例および比較例では、ワイヤの挿入角度は、(Rx(X方向挿入角度),Ry(Y方向挿入角度))を(25°,25°)に設定した。Fe系金属部材として鋼板(板厚1.0mm)、Al系金属部材としてAl合金板(板厚1.2mm)を用いた。レーザとしてYAGレーザ(波長λ1064nm)を用い、そのレーザビーム(総出力1.3kW)を先行ビームおよび後行ビームとして分岐させた。
実施例では、先行ビームをAl用先行ビームおよびFe用先行ビームに分岐し、各ビームのエネルギー比率(Al用先行ビーム:Fe用先行ビーム:後行ビーム)を2:2:6に設定した。
Al用先行ビームについて、ワイヤに対する相対的位置(x,y)を(1.0mm,−0.5mm)、照射角度(Rx(X方向照射角度),Ry(Y方向照射角度))を(0°,50°)、集光径φを1.8mmに設定した。Fe用先行ビームについて、ワイヤに対する相対的位置(x,y)を(0.5mm,1.0mm)、照射角度(Rx(X方向照射角度),Ry(Y方向照射角度))を(25°,50°)、集光径φを3.0mmに設定した。後行ビームについて、ワイヤに対する相対的位置(x,y)を(−0.5mm,0mm)、照射角度(Rx(X方向照射角度),Ry(Y方向照射角度))を(25°,0°)、集光径φを3.0mmに設定した。
比較例では、実施例と異なる点は、先行ビームを分岐しないこと(すなわち、先行ビームをFe用先行ビームとしてのみ用いること)であって、それ以外は、実施例と同様な条件に設定した。この場合、各ビームのエネルギー比率(Fe用先行ビーム:後行ビーム)を4:6に設定した。
実施例および比較例の実験結果を図4,5に示す。図4は、実施形態に係るレーザ接合方法の実施例により得られたFe系金属部材およびAl系金属部材の温度履歴データを表すグラフである。図5は、レーザ接合方法の比較例により得られたFe系金属部材およびAl系金属部材の温度履歴データを表すグラフである。Fe系金属部材およびAl系金属部材の温度は、Fe系金属部材およびAl系金属部材の裏面(接合部が形成されていない面)における接合部下端部に対応する位置で測定した。
比較例では、先行ビームとして、照射スポット中心がFe系金属部材の被接合部に位置するFe用先行ビームのみを用い、Fe系金属部材側の被接合部を集中的に予熱した。このように入熱し難くてかつ熱拡散し易いAl系金属部材への単位面積当たりの入熱量をFe系金属部材への単位面積当たりの入熱量よりも小さくなるように設定したから、図5中の枠Hで囲まれる部分から判るように、Al系金属部材の冷却速度が速く、Fe系金属部材の冷却速度と大きく異なった。また、得られた接合構造体の接合部であるビードを調べた結果、最大凹凸差0.2mm程度の大きな凹凸が観察された。
これに対して実施例では、先行ビームとして、照射スポット中心がAl系金属部材側の被接合部に位置するAl用先行ビーム、および、照射スポット中心がFe系金属部材側の被接合部に位置するFe用先行ビームを用いるとともに、Al用先行ビームの集光径を小さく設定した。これによりAl系金属部材側の被接合部を集中的に予熱した。
このように入熱し難くてかつ熱拡散し易いAl系金属部材への単位面積当たりの入熱量をFe系金属部材への単位面積当たりの入熱量よりも大きくなるように設定したから、図4,5中の枠Hで囲まれる部分から判るように、実施例のAl系金属部材の冷却速度は、比較例のAl系金属部材の冷却速度よりも遅くなり、Fe系金属部材の冷却速度と略同等となった。また、得られた接合構造体の接合部であるビードを調べた結果、最大凹凸差0.06mm程度の極めて小さな凹凸が観察された。このように実施例では、Al系金属部材の熱履歴をFe系金属部材のものと略同等にすることができるとともに、接合部の外観不良の抑制を図ることができることを確認した。なお、実施例および比較例のAl系金属部材の温度履歴では、図4,5から判るようにピーク温度が略同等であるが、これはAl系金属部材側の被接合部近傍において温度が飽和していたためである。
以上のように本実施形態では、先行ビーム110の照射では、入熱し難くてかつ熱拡散し易いAl系金属部材2への単位面積当たりの入熱量をFe系金属部材1への単位面積当たりの入熱量よりも大きくなるように設定しているから、Al系金属部材2の被接合部の冷却速度を遅くすることができる。これにより、Al系金属部材2の被接合部の熱履歴をFe系金属部材1の被接合部のものに近づけることができるから、Al系金属部材2の被接合部の収縮速度をFe系金属部材1の被接合部のものに近づけることができる。したがって、接合部4であるビード表面の凹凸差が小さくなって滑らかになるから、接合部4の外観不良の発生を抑制することができる。たとえば接合構造体10に塗装を施した場合、接合部4の塗装を良好に行うことができる。
特に、先行ビーム110による金属部材への予熱後、後行ビーム120を、キーホール内あるいは開先形状13の表面で多重反射させることにより、その全表面を略均一に加熱することができる結果、たとえば特開2010−137277で本出願人が提案している手法と同様、Fe系金属部材1と接合部4との境界部の接合強度を向上させることができる等の効果を得ることができる。また、先行ビーム110をFe系金属部材1の被接合部に照射することにより、その被接合部のめっき部を除去することができる。
上記実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。たとえば上記実施形態では、本発明が適用可能な継手としてフレア継手を用いたが、これに限定されるものではなく、種々の継手に適用することができる。たとえば図6,7に示す重ね隅肉継手に本発明を適用することができる。
上記態様では、Fe系金属部材1およびAl系金属部材2は板状をなし、Fe系金属部材1の表面の一部が露出するようにFe系金属部材1上にAl系金属部材2に配置している。Fe系金属部材1とAl系金属部材2との境界部は、Fe系金属部材1の表面露出部上のAl系金属部材2の端部に沿って形成される。レーザビームとして、上記実施形態と同様、図6(A),(B)に示すように先行ビーム110および後行ビーム120を用いる。Zn系ろう材3は、ワイヤガイド201を通じて上記境界部の中心部に送出される。そのようなレーザビームを進行方向Fに移動させることにより、Fe系金属部材1とAl系金属部材2をZn系ろう材3により接合する。これにより、たとえば図7に示す接合構造体10Aが得られる。
継手の種類によってFe系金属部材1とAl系金属部材2との境界部の形態が異なるため、ビームの反射率が異なる。重ね隅肉継手を用いる場合、そのようなビームの反射率を考慮すると、Al用先行ビーム111の照射スポット中心を、図2に示すフレア継手の場合と比較して、Al系金属部材2側(すなわち、Y方向のマイナス側)にシフトさせることが好適である。これにより、フレア継手の場合と同等の効果を得ることができる。本発明は、上記継手のほかに、レーザビームが照射可能なFe系金属部材1とAl系金属部材2との境界部に適用することができ、この場合、上記のように境界部の形態によってビームの反射率が異なるから、それに対応するために、各ビームのエネルギー密度 (=エネルギー/照射スポット面積)や照射スポットの中心位置等を変更する。
また、上記実施形態では、先行ビーム110をAl用先行ビーム111およびFe用先行ビーム112の2つのビームから構成したが、1つのビームから構成してもよい。この場合、たとえばビームの照射スポットの中心位置やビームの走査形態を適宜設定することにより、Al系金属部材2への単位面積当たりの入熱量がFe系金属部材1への単位面積当たりの入熱量よりも大きくなるように設定する。
たとえばビームの照射スポットの中心位置をAl系金属部材2側に位置させた状態でビームを進行方向Fに移動させる態様を用いることができる。また、たとえばビームの照射スポットの中心がFe系金属部材1側とAl系金属部材2側上に交互に位置するようにビームを進行方向Fに移動させ、その軌跡が波形状をなす態様を用いることができる。このようなビーム走査では、Al系金属部材2での照射面積がFe系金属部材1での照射面積よりも大きくなるように設定することができる。
1…Fe系金属部材、2…Al系金属部材、3…Zn系ろう材、4…接合部、5…金属間化合物層、10,10A…接合構造体、11,12…湾曲部、13…開先形状、110…先行ビーム、111…Al用先行ビーム(第1先行ビーム)、112…Fe用先行ビーム(第2先行ビーム)、120…後行ビーム、F…進行方向、P1,P2,Q…照射スポットの中心

Claims (2)

  1. 熱源としてのレーザビームを移動させることにより、複数の金属部材をろう材により接合するレーザ接合方法において、
    前記金属部材として、Fe系材料からなるFe系金属部材とAl系材料からなるAl系金属部材を用い、
    前記レーザビームとして、進行方向前側に位置する先行ビームと、進行方向後側に位置する後行ビームとを用い、
    前記先行ビームを少なくとも前記Al系金属部材に照射して予熱を行い、前記後行ビームを前記ろう材に照射して前記ろう材を溶融させ、
    前記先行ビームは、Al系金属部材への単位面積当たりの入熱量がFe系金属部材への単位面積当たりの入熱量よりも大きくなるように照射することを特徴とするレーザ接合方法。
  2. 前記先行ビームを第1先行ビームおよび第2先行ビームから構成し、前記第1先行ビームを前記Al系金属部材に選択的に照射し、前記第2先行ビームを前記Fe系金属部材に選択的に照射することを特徴とする請求項1に記載のレーザ接合方法。
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