以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体による始動領域の通過により変動表示の実行条件が成立した後、変動表示の開始を許容する開始条件が成立したときに、各々を識別可能な複数種類の識別情報を変動表示する変動表示部を備え、該変動表示部に導出表示された識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで所定の遊技が行なわれる遊技機である。縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、後述する第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄、および、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄のそれぞれの変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。演出表示装置9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示部)に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rがあるが、図柄表示エリア9Aの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L,9C,9Rの3つの領域が離れていてもよい。「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rでは、配列が予め定められた複数の図柄よりなる演出図柄が、配列順序にしたがって変動表示される。第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれは、主基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
なお、本実施の形態においては、演出表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、その他の画像表示式のものであってもよい。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
なお、本実施の形態においては、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、7セグメントLEDを用いた例について説明するが、これに限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、画像表示式のものであってもよい。また、特別図柄表示器8は、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。
小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)または第2始動条件(遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)が成立した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。以下の説明においては、第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。
入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことであり、当該領域を遊技球が通過したことを含む概念である。始動条件(第1始動条件,第2始動条件)は、少なくとも、遊技球が始動領域(第1始動入賞口13,第2始動入賞口14)を遊技球が通過したことに基づいて成立するものであればよい。つまり、始動条件は、第1始動入賞口13,第2始動入賞口14の構成のような通過した遊技球が始動領域内部に取込まれる構成における遊技球の当該通過に基づいて成立するものであってもよく、通過ゲートのような通過した遊技球が内部に取込まれずに遊技領域7を流下する構成における遊技球の当該通過に基づいて成立するものであってもよい。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞とのうち第2始動入賞口14への入賞を優先させ、変動表示の開始条件を成立させる。つまり、第2始動入賞の保留記憶データがあるときには、第1始動入賞の変動表示の開始条件よりも第2始動入賞の変動表示の開始条件が優先して成立させられる。たとえば第2始動入賞口14への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の変動表示を続けて実行する。なお第1始動入賞口13への入賞を優先させ、変動表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。また、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に変動表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。また、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(変動表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として変動表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞(通過)可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1状態)になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技者にとって不利な状態(第2状態)であり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには、可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。具体的には、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を、円形の保留記憶表示の個数により表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合算保留記憶表示部18cにおいては、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを異なる色で表示することにより、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別して把握することが可能とされている。たとえば、合算保留記憶表示部18cにおいては、左側の領域で第1保留記憶数が赤色の円形で表示され、右側の表示領域で第2保留記憶数が黄色の円形で表示される。このように、保留記憶の合算合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく同じ色で表示してもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく同じ色で表示する場合に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを左右で区別することなく左端または右端から順番に表示してもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを色で区別する場合に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを左右で区別することなく左端または右端から変動表示の優先順位に応じて順番に表示してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、上側には、回転動作をする星形状の可動部材84が設けられている。可動部材84は、演出表示装置9の周囲の飾り部というような遊技者に視認可能な位置に設けられ、所定の演出に応じて動作する部材である。より具体的に、可動部材84は、モータ88の回転軸に取付けられ、モータ88が回転することにしたがって駆動され、回転動作をする。可動部材84は、予め定められた動作条件が成立したときに動作させられる。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cが設けられている。上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cは、特定演出が実行されるときに点滅する。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリア9L,9Rで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリア9Cで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリア9L,9Rで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、所定の演出が実行されるときに動作する。なお、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍には、各LEDの取付部分を振動させる振動モータ(図示せず)が設けられている。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられている。特別可変入賞球装置20は、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときとにそれぞれ生起する特定遊技状態としての大当り遊技状態において、開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球(賞球)の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10での変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが高められる。また、特別図柄の変動時間が短縮される時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)では、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠における所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。なお、操作ボタン130は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン130に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン130は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての(後述する演出制御用マイクロコンピュータ100)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御と、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御とを行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、操作ボタン130からの操作検出信号が入力され、その信号に応じて、各種演出を行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(たとえば、「1」,「3」,または、「7」というような大当り図柄)が停止表示される。そのときには、演出表示装置9において、特定の演出図柄の組合せ(「左」,「中」,「右」の演出図柄として、後述する突確大当りを除く大当りの種別については、たとえば、「7,7,7」というようなゾロ目となる大当り図柄の組合せ、また、突確大当りの種別については、たとえば、「1,2,3」というようなチャンス目となる突確大当り図柄の組合せ)が停止表示される。また、小当りとすることに決定されている場合には、所定の特別図柄(たとえば、「5」というような小当り図柄)が停止表示される。そのときには、演出表示装置9において、突確大当り図柄の組合せと同じ図柄の組合せが停止表示される。また、はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄以外の特別図柄(たとえば、「−」というはずれ図柄)が停止表示される。そのときには、演出表示装置9において、大当りの演出図柄の組合せおよび小当りの演出図柄の組合せ以外の演出図柄の組合せが停止表示される。
変動表示の停止時の第1,第2特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、所定の開放終了条件が成立するまで開放する。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値に達するまで繰返される。このように特別可変入賞球装置20の開放が繰返し継続される制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。継続権が発生する開放回数の上限値は、大当りの種類により異なり、たとえば15ラウンドまたは2ラウンドのような所定回数に設定されている。
この実施の形態の場合は、大当りの種類として、第15ラウンドを最終ラウンドとして第15ラウンドとなるまで継続権が成立する15ラウンド大当り(以下、15R大当りという場合がある)と、第2ラウンドを最終ラウンドとして第2ラウンドとなるまで継続権が成立する2ラウンド大当り(以下、2R大当りという場合がある)とが設けられている。これにより、15R大当りの場合は、特別可変入賞球装置20が必ず15回開放される制御が行なわれ、2R大当りの場合は、特別可変入賞球装置20が必ず2回開放される制御が行なわれることとなる。ただし、15R大当りのときの開放終了条件は、開放してから29秒間(所定時間)経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに成立する。また、2R大当りのときの開放終了条件は、開放してから0.5秒間(所定時間)経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに成立する。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの変動表示の停止時における第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうち予め定められた特別な大当り図柄としての確変図柄(たとえば、「7」)である場合には、大当り遊技状態に制御されることに加え、大当り遊技状態終了後に、遊技者にとって有利な特別遊技状態として、大当り遊技状態後に大当りになる確率が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態(後述する低確低ベース状態)よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとって有利な状態になる。15R大当りのうち、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるものは、確変大当りと呼ばれる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態(確変状態以外の状態)は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。確変状態は、たとえば、次に変動表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。また、大当り遊技状態に制御されたり、確変状態に制御されたりするような遊技者にとって有利な状態にされることは、遊技価値を付与するとも呼ばれる。遊技価値とは、たとえば、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、所定の入賞が発生しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、遊技者にとって有利な大当り遊技状態になるための確率を向上させたりする(確変状態にする)ことや、遊技媒体の払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
なお、特別遊技状態は、次のような遊技状態であってもよい。a第1,第2特別図柄の変動時間短縮制御(変動開始から表示結果の導出表示までの時間が変動時間短縮制御状態以外の通常状態での当該時間よりも短縮される制御)が行なわれる状態、b普通図柄の変動時間短縮制御が行なわれる状態、c普通図柄の当りの発生確率を向上させる制御が行なわれる状態、d普通図柄が当りとなったときに可変入賞球装置15が開放される回数を増加させる開放回数増加制御が行なわれる状態、e可変入賞球装置15の1回の開放時間を延長させる開放時間延長制御。特別遊技状態としては、確変状態および前記a〜前記eのうちのいずれかの単独制御、または、確変状態および前記a〜eのうちから2つ〜5つの状態が適宜組合わされた制御でもよい。つまり、前述したような制御を実行する対象となる特別遊技状態としては、図27のS347で大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りに決定されたときというような、予め定められた特別遊技状態発生条件が成立したときに、特定遊技状態に加えて遊技者に有利な特別状態を付与する特別遊技状態であれば、どのような特別遊技状態であってもよい。
15R大当りのうち、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの変動表示の停止時における第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうち予め定められた通常図柄(たとえば、「3」)である場合には、大当り遊技状態後に大当りになる確率が、確変状態とならない。このような15R大当りの大当り遊技状態の終了後に確変状態とならないものは、通常大当りと呼ばれる。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
15R大当りについては、通常大当りと確変大当りとを問わず、大当り遊技状態が終了した後、所定期間に亘り、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示時間が通常状態よりも短縮される遊技状態としての時短状態に制御される。遊技状態をこのような時短状態に制御すれば、第1特別図柄または第2特特別図柄の変動表示時間が短縮されるので、保留記憶数が早期に消化され、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれの上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
15R大当りの大当り遊技状態終了後の時短状態においては、普通図柄に関する特別遊技状態として、普通図柄の変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。
このような時短状態は、たとえば、所定回数(たとえば、100回)の特別図柄の変動表示が実行されること、および、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り遊技状態の終了後、特別図柄の変動表示回数に制限されることなく、次の大当りが発生するまで時短状態を継続させる制御をしてもよい。また、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。また、普通図柄に関する特別遊技状態としては、普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうちいずれか1つ、または、いずれか複数を組合せた制御を行なうようにしてもよい。
このような普通図柄に関する特別遊技状態となる時短状態においては、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、当り時における可変入賞球装置15の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて可変入賞球装置15が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動入賞口14への入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
なお、15R大当りの大当り遊技状態終了後においては、特別図柄の時短制御を行なわず、普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうちいずれか1つ、または、いずれか複数を組合せた制御を行なうようにしてもよい。
また、このような大当り遊技状態後の時短状態とは別に、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合算保留記憶数が所定個数以上であるときには、合算保留記憶数が所定個数未満であるときと比べて第1特別図柄および第2特別図柄の変動時間を短縮する保留数短縮制御が実行される。
また、第1特別図柄表示器8aでの変動表示の停止時における第1特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうち予め定められた突確図柄(たとえば、「1」)である場合には、大当り遊技状態後に大当りになる確率が確変状態となる2R大当りとなる。このように、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるものは、突確大当りと呼ばれる。突確大当りの大当り遊技状態では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短い(たとえば、0.5秒)。よって、遊技者は、大当りが発生したことを感じずに、あたかも、突然に遊技状態が確変状態になったかのように感じる。したがって、このような2R大当りが、突然確変大当り(以下、突確大当りという)と呼ばれるのである。なお、第2特別図柄表示器8bについても、第1特別図柄表示器8aと同様に突確大当りとなる表示結果を停止表示することを可能にし、突確大当りの遊技状態に制御されるようにしてもよい。突確大当りとなったときには、前述のような時短状態には制御されない。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの変動表示の停止時における第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が、小当り図柄(たとえば、「5」)である場合には、大当り遊技状態後に大当りになる確率が変更されない小当りとなる。小当りとなったときには、突確大当りとなったときと実質的に同じ開放態様(開放時間0.5秒)で大入賞口が2回開放状態になる小当り遊技状態に制御される。これにより、遊技者は、当り遊技の開放態様から、小当りであったのか突確大当りであったのかを特定することができない。また、小当りとなったときには、前述のような時短状態には制御されない。その結果、小当りとなって当り遊技が行なわれたときにも、遊技者に対して突確大当りが発生したかのような印象を抱かせることができる。すなわち、小当りを突確大当りのいわゆる偽(ガセ)の当りとして用いることができる。また、小当りは、大入賞口の開放態様から「突確大当り」であるのか「小当り」であるのか見分けが付かない。このため、大入賞口の開放態様から、確変になったのか否か特定できないような状態(いわゆる隠れ確変状態)を作ることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。なお、第2特別図柄表示器8bについては、小当りとなる表示結果を停止表示することを可能にし、小当り遊技状態に制御されるようにしてもよい。なお、小当りとなったときには、小当り遊技状態に制御される前の制御状態が継続されるが、時短状態が終了するときの変動表示時(時短状態開始後100回目の変動表示時)において小当りが発生したときは、小当り遊技状態の発生前の状態が時短状態であっても、時短状態における変動表示回数の消化による時短状態の終了条件の成立(時短状態開始後100回目の変動表示実行)により、小当り遊技状態後に制御状態が通常状態に変化する。
なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
特別可変入賞球装置20を所定期間(29秒間)開状態に変化させることを所定回数(15回)行なうことにより終了し、大当り遊技状態終了後、通常遊技状態または確変状態に制御される15R大当りを第1遊技状態として定義した場合、突確大当りは、次のように定義される。
第2遊技状態としての突確大当りは、特別可変入賞球装置20を所定期間(29秒間)よりも短い期間(0.5秒間)および所定回数(15回)よりも少ない回数(2回)の少なくともいずれかで開状態に変化させることにより終了し、大当り遊技状態終了後、確変状態に制御されるものであればよい。つまり、第2遊技状態は、第1遊技状態に対して、特別可変入賞球装置20の1回の開放時間が短いことと、特別可変入賞球装置20の合計開放回数とが少ないこととの少なくともいずれかで、特別可変入賞球装置20が開状態に制御されるものであればよい。
確変状態ではなく、かつ、時短状態ではない状態は、低確率状態かつ低ベース状態であり、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、時短状態になることにより、高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態になる大当りである。このような、低確率状態かつ高ベース状態となった状態は、低確高ベース状態と呼ばれる。突確大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、時短状態にならない大当りである。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りおよび通常大当りのような15R大当りとなったときには、前述したように、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の変動表示が行なわれるまで、時短状態となることに基づいて高ベース状態となる。また、小当りとなったときには、大当りとなる確率およびベースが変更されない。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
演出表示装置9において変動表示される演出図柄は、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始されたときに演出図柄の変動表示が開始する関係、および、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の終了時に第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が導出表示されるときに演出図柄の表示結果が導出表示されて演出図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにより予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、演出表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目(15R大当りのとき)、または、ゾロ目以外の図柄の組合せにより構成されたチャンス目(突確大当り)となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。ここで、チャンス目は、前述したゾロ目以外の図柄の組合せにより構成される図柄の組合せであり、遊技者にチャンスをもたらす表示結果として予め定められている。また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにより予め定められた小当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、演出表示装置9により突確大当りの場合と同様のチャンス目よりなる小当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および演出図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。また、特別図柄による小当り図柄の表示結果および演出図柄による小当り図柄の組合せの表示結果は、小当り表示結果という。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bと演出表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
また、演出表示装置9については、大当りとなることを予告する報知をする予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。予告演出としては、第1予告演出である第1特別図柄を対象とした先読み予告と、第2予告演出である第2特別図柄を対象とした先読み予告とが行なわれる場合がある。先読み予告は、保留記憶データに基づく変動表示が行なわれる際よりも前の段階で保留記憶データを先読みし、その先読み判定結果に応じて、大当りを発生させる契機となる変動表示よりも前に行なわれる変動表示において、大当りとなることを報知する予告(大当りとなりやすいことを予告してもよい)である。ここで、先読みとは、変動を開始するときに乱数の抽出値に基づいて各種遊技制御に関わる判定を行なうタイミングに先立って、乱数の抽出値を読出し、読出した抽出値に基づいて後に判定されるであろう判定結果を判定すること(たとえば、抽出値が所定の判定値と合致するか否かを判定すること)をいう。また、先読み判定結果とは、先読みによって得た判定結果をいう。本実施の形態では、始動入賞時に抽出した乱数の値に基づいて、始動入賞時に早々と、当り判定結果(はずれ、大当り、小当り)、当り種別判定結果(突確大当り、通常大当り、確変大当り)、変動パターン種別(リーチの有無も含む)を先読みして先読み判定結果を得るための制御が実行される。このような先読み予告は、1回の変動表示において予告報知を行なうものであってもよく、予告演出複数回の変動表示に亘って連続的に行なわれるもの(連続予告とも呼ばれる)であってもよい。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(この実施の形態では演出制御用マイクロコンピュータ100にROMが設けられている)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
また、操作ボタン130からの操作信号が、入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、操作ボタン130からの操作信号に基づいて、各種の遊技演出を行なう。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍に設けられ、各LEDの取付部分を振動させる3つの振動モータ(図示省略)を出力ポート106を介して駆動する。これら振動モータは、上演出LED85a、中演出LED85b、および、下演出LED85cを個別に振動させる。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材84を動作させるためにモータ88を駆動する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて枠LED28等の枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSと呼ぶ)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態とを電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時に、電力供給が復旧したことを示すコマンドとしての停電復旧指定コマンド(停電復旧1指定コマンド)を演出制御基板80に送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(S13)。たとえば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503に大当り判定用乱数(ランダムR)の値を更新させるための設定を行なう。
そして、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(S15)。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、パチンコ遊技機1に設けられている変動表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、本実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、大当り判定用乱数発生カウンタとして、内蔵されている乱数回路503によるハードウェア乱数を用いる。したがって、大当り判定用乱数については、このような初期値の設定は行なわれない。ただし、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大当り判定用乱数発生カウンタとしてソフトウェア乱数を用いる場合には、当該カウンタについて、前述のような初期値用乱数を用いた初期値の設定を行なうようにしてもよい。このようにした場合には、大当り判定用乱数発生カウンタが最大値まで歩進した後の初期値がランダムな値となるので、大当りの判定値と同じ乱数値を不正に狙って取出して大当りを発生させる不正行為が行なわれにくくなるようにすることができる。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、パチンコ遊技1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を実行する(S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する判定用乱数更新処理を行なう(S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する初期値用乱数更新処理(S24)および表示用乱数更新処理(S25)を実行する。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する演出制御コマンド制御処理を行なう(S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的にCPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する出力処理を実行する(S31)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
なお、S32において、開始フラグがセットされたことに基づいて特別図柄の変動を開始するのではなく、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン決定後の特別図柄変動中処理を示す値(具体的には3)となった(または、表示結果特定コマンド送信処理を示す値(具体的には2)となった)ことに基づいて、特別図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理を示す値(具体的には4)となったことに基づいて、特別図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
なお、S33において、開始フラグがセットされたことに基づいて普通図柄の変動を開始するのではなく、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動中処理を示す値となったことに基づいて、普通図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値となったことに基づいて、普通図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、遊技制御に用いる乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。ランダムRは、大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム2は、大当りの種別(たとえば、確変大当り、通常大当り、突確大当り)を判定(決定)する大当り種別判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム3は、変動パターンの種別(種類)を決定する変動パターン種別判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム4は、変動パターン(変動時間)を決定する変動パターン判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム5は、普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する普通図柄当り判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム6は、ランダム5の初期値を決定するランダム5初期値決定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム2,5は、2msec毎に1ずつ加算される。ランダム3,4,6は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算される。このようなランダムR,1〜6のそれぞれは、所定の数値範囲内の数値データを所定の更新周期で順次更新することにより、当該数値範囲内の数値データから1つの数値データを抽出可能とするカウンタにより実現される。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム2)の大当り種別判定用乱数、および(ランダム5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。また、大当り種別判定用乱数についても、前述のような初期値用乱数を用いた初期値の設定を行なうようにしてもよい。このようにした場合には、大当り種別判定用乱数発生カウンタが最大値まで歩進した後の初期値がランダムな値となるので、確変となる大当り種別の判定値と同じ乱数値を不正に狙って取出し、確変となる種別の大当りを発生させる不正行為が、行なわれにくくなるようにすることができる。
なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)を更新する場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載する乱数回路503が発生するハードウェア乱数の値を用いて加算値を決定し、決定した加算値を加算することによって変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)と変動パターン判定用乱数(ランダム4)との少なくとも一方を更新してもよい。そのようにすれば、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)と変動パターン判定用乱数(ランダム4)との少なくとも一方を更新するための加算値用のソフトウェア乱数を発生させる等の処理を不要とすることができる。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を増大させることなく、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)をランダムに更新することができる。ここで、変動パターン種別とは、変動パターンを種類によって区別すること、または、その区別をいい、本実施の形態では、予め定められた条件に基づいて、変動パターンの種類をいくつかのグループに分けた区別をいい、変動パターンの大まかな振分けを示すものである。より具体的に、本実施の形態では、変動パターンを、たとえば、リーチの有無、および、リーチの種類(ノーマルリーチ、スーパーリーチ等)等の変動表示の種類によって区別した変動パターン種別を用いている。
図7は、大当り判定テーブル、および、大当り種別判定テーブル等の各種判定テーブルを示す説明図である。図7において、(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているデータテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。図7(A)に示されるように、確変時であるときの方が、通常時であるときよりも、大当り判定値が多く設定されている。なお、ランダムRから抽出した値が「1000〜1080」または「13320〜13477」のいずれかの判定値と合致したときには、確変時であるか否かに関わらず、大当りと判定される。「1000〜1080」または「13320〜13477」の範囲内の判定値は、通常状態と確変状態とに関わらず、これら遊技状態で共通の大当り判定値である。
図7(B)は、ROM54に記憶されている小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の小当り判定に用いられる第1特別図柄用判定テーブルと、第2特別図柄の小当り判定に用いられる第2特別図柄用判定テーブルとがある。第1特別図柄用判定テーブルには、図7(B)の左欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定され、第2特別図柄用判定テーブルには、図7(B)の右欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定されている。小当り判定は、ランダムRから抽出した値が、遊技状態に応じて設定されている小当り判定値と合致するか否かを判定することにより行なわれる。合致すると判定したときには、小当り遊技状態に制御される。図7(B)に示されるように、第1特別図柄用の方が、第2特別図柄用よりも、小当り判定値が多く設定されている。
図7(A),(B)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。なお、以下、ランダムRの値に対応する大当り判定値と小当り判定値とを、「当り判定値」とまとめて表現することがある。また、ランダムRの値に対応する大当り判定と小当り判定とを、「当り判定」とまとめて表現することがある。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値をランダムRの値とするのであるが、ランダムRの値が図7(A),(B)に示すいずれかの判定値に合致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、確変大当りまたは突確大当り)または小当りにすることに決定する。なお、図7(A),(B)に示す「確率」は、各々、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りまたは小当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄または小当りにするか否か決定するということでもある。
図7(C)は、ROM54に記憶されている第1特別図柄大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第1特別図柄大当り種別判定テーブルは、第1特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム2の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに合致した場合に、大当りの種別を、合致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図7(D)は、ROM54に記憶されている第2特別図柄大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第2特別図柄大当り種別判定テーブルは、第2特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム2の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに合致した場合に、大当りの種別を、合致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと異なり、「突確大当り」に対応した判定値が設定されていない。したがって、第2特別図柄の変動表示結果に基づいて大当りとなるときには、「突確大当り」の大当り種別が選択されず、「突確大当り」に制御される場合がない。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、変動表示結果に応じて制御される大当りの種別が一部異なる。このように第2特別図柄の変動表示において「突確大当り」が生じないようにすることにより、時短状態である場合には、可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなるのであるから、15ラウンドの大当りとなる確率を高めることができ、出球率が向上し、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、第1特別図柄の変動表示を行なう場合と第2特別図柄の変動表示を行なう場合とで、同じ大当り種別判定テーブルを用い、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのそれぞれにおいて、通常大当り、確変大当りおよび突確大当りを大当り種別として決定するようにしてもよい。
可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口14に対応する第2特別図柄については、大当り種別のうち、「突確大当り」を割振らないように設定されている。これにより、第2始動入賞口14への始動入賞については15R大当りが発生しやすくなり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、可変入賞球装置15が設けられていない第1始動入賞口13に対応する第1特別図柄については、大当り種別のうち、「突確大当り」を割振らないようにしてもよい。その場合には、第1特別図柄について「確変大当り」(「突確大当り」は選択されない)の大当り種別が選択される割合と、第2特別図柄について「確変大当り」および「突確大当り」を合せた大当り種別が選択される割合とが等しくなるような設定を行なう。このようにすれば、第1始動入賞口13への始動入賞について、15R大当りが発生しやすくなり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、複数種類設けられた大当りおよび小当りについて、それぞれの特徴を説明する。図8は、各種の大当りおよび小当りのそれぞれの特徴を表形式で示す図である。
通常大当りについては、演出図柄の表示結果を、通常大当り表示結果用のゾロ目の組合せ(たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄の組合せ)とすることが決定される。通常大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、低確高ベース状態に制御される。通常大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は15回である。高ベース状態は、次の大当りが発生していない状態で特別図柄の変動表示が100回実行された後に終了し、低ベース状態に移行する。
確変大当りについては、演出図柄の表示結果を、確変大当り表示結果用のゾロ目の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せ)とすることが決定される。確変大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、高確高ベース状態に制御される。確変大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は15回である。高ベース状態は、次の大当りが発生していない状態で特別図柄の変動表示が100回実行された後に終了し、低ベース状態に移行する。確変大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、確変状態である旨を報知する演出が行なわれる。なお、確変大当りとなったときにおける高ベース状態(時短状態)は、確変状態と同様に、次回の大当りが発生するまで継続する制御を行なうようにしてもよい。
突確大当りについては、演出図柄の表示結果を、たとえば左,中,右が「6,4,6」または「4,6,4」というような突確大当り表示結果用のチャンス目として予め定められた複数のチャンス目のうちいずれかとすることが決定される。突確大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、高確低ベース状態に制御される。突確大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は2回である。
なお、突確大当りについては、高ベース状態において突確大当りとなったときに、大当り遊技状態終了後に、高確高ベース状態に制御されるようにしてもよい。具体的に、突確大当り遊技状態に制御される前に、時短フラグがセットされているか否かを判断することに基づいて高ベース状態であるかどうかを判断し、その判断結果を示すデータをRAM55に設けたベース記憶領域に記憶しておき、突確大当り遊技状態が終了した後に、ベース記憶領域の記憶データにより突確大当り遊技状態前に高ベース状態であったことが示されているときには、時短フラグをセットし、高ベース状態に制御すればよい。
小当りについては、演出図柄の表示結果を、たとえば左,中,右が「6,4,6」または「4,6,4」というような突確大当り表示結果用のチャンス目として予め定められた複数のチャンス目と同じチャンス目のうちいずれかとすることが決定される。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態開始前に対して変更されない。小当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は、突確大当りの場合と同じ2回である。
次に、パチンコ遊技機1で実行される大当り予告の予告演出の表示例を説明する。大当り予告としては、今回予告として、操作演出手段が操作されたことによって所定の演出を実行する操作演出が行なわれ、先読み予告として、操作演出が行なわれる前の変動表示において操作演出が実行されることを予告する操作演出予告が行なわれる例を示す。
図9は、操作演出としての単発操作演出と先読み予告としての単発操作演出予告とが行なわれるときの演出表示装置9の表示例を示す表示画面図である。ここで、単発操作演出とは、遊技者が操作ボタン130を1回押す操作(単発操作)に応じて、所定の演出が行なわれる操作演出をいう。また、単発操作演出予告とは、単発操作演出が行なわれる変動表示の前の変動表示において単発操作演出が実行されることを予告する操作演出予告をいう。図9においては、単発操作演出が行なわれる変動表示の前の変動表示において先読み予告として単発操作演出予告が行なわれ、その後の変動表示の単発操作演出において大当りとならないことが報知される例が示されている。
図9(A)は、演出表示装置9において、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rのすべてで演出図柄の変動が開始された状態を示している。その後、演出図柄は、「左」,「右」,「中」の図柄表示エリア9L,9R,9Cの順番で順次停止表示されていく。
図9(B)は、図9(A)で開始した変動表示中に始動入賞が生じて合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示が加算された状態を示している。図9(B)では、保留記憶数が2個である旨が合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている。
図9(C)は、特別図柄の変動停止に対応して、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rのすべてで演出図柄が停止表示されて変動表示が終了し、はずれ表示結果が確定している状態を示している。この時点において、保留記憶数が2個であり、2個目の保留記憶に対応する変動表示で単発操作演出を行なう判定がされており、1個目の保留記憶に対応する変動表示で単発操作演出予告を行なう判定がされている。
そして、図9(D)のように1個目の保留記憶に対応する演出図柄の変動表示が開始され、その変動表示中において、先読み予告として、図9(E)のように「次の変動でボタンを押せ!」というメッセージ901、および、操作ボタン130が操作対象であることを示す操作対象画像903を表示する単発操作演出予告が行なわれ、その後、図9(F)のようにはずれ表示結果が停止表示されて変動表示が終了する。
次に、図9(G)のように2個目の保留記憶(最後の保留記憶)に対応する演出図柄の変動表示が開始された後、図9(H)のように「左」,「右」の図柄表示エリア9L,9Rの停止図柄が一致してリーチ状態となった後、図9(I)のように、「ボタンを押して爆発させろ!」という操作案内メッセージ902、および、操作対象画像903が表示され、単発操作演出が開始される。この時点において、リーチ状態の演出図柄は、演出表示装置9の表示画面の右下隅部で縮小表示される。
そして、図9(J)のように爆弾904が表示され、遊技者により操作ボタン130が操作されると、操作に対応した操作結果画像が表示される。変動表示結果がはずれとなるときには、操作結果画像として、図9(K)のように爆弾904が爆発しない画像が表示された後、図9(L)のように「残念」というメッセージ905が表示される。一方、変動表示結果が大当りとなるときには、操作結果画像として、図示を省略するが、爆弾904が爆発した画像が表示された後、「達成」というメッセージが表示される。このような操作結果画像が表示された後、図9(M)のように、すべての演出図柄の表示結果が導出表示(停止表示)されて変動表示が終了する。停止図柄としては、「残念」というメッセージ905が表示された後には、はずれの表示結果が導出表示され、「達成」というメッセージが表示された後には、大当りの表示結果が導出表示されることとなる。
図10は、操作演出としてのタイミング操作演出と先読み予告としてのタイミング操作演出予告とが行なわれるときの演出表示装置9の表示例を示す表示画面図である。ここで、タイミング操作演出とは、遊技者が操作ボタン130を適当なタイミングで押す操作(タイミング操作)に応じて、所定の演出が行なわれる操作演出をいう。また、タイミング操作演出予告とは、タイミング操作演出が行なわれる変動表示の前の変動表示においてタイミング操作演出が実行されることを予告する操作演出予告をいう。図10においては、タイミング操作演出が行なわれる変動表示の前の変動表示においてタイミング操作演出予告が行なわれ、その後の変動表示のタイミング操作演出において大当りとならないことが報知される例が示されている。
図10(A)〜図10(C)により、図9(A)〜図9(C)と同様の表示が行なわれる。そして、図10(D)のように1個目の保留記憶に対応する演出図柄の変動表示が開始され、その変動表示中において、先読み予告として、図10(E)のように「次の変動でタイミングよくボタンを押せ!」というメッセージ906、および、操作対象画像903を表示するタイミング操作演出予告が行なわれ、その後、図10(F)のようにはずれ表示結果が停止表示されて変動表示が終了する。
次に、図10(G)のように2個目の保留記憶(最後の保留記憶)に対応する演出図柄の変動表示が開始された後、図10(H)のように「左」,「右」の図柄表示エリア9L,9Rの停止図柄が一致してリーチ状態となった後、図10(I)のように、「タイミングよくボタンを押せ!」という操作案内メッセージ907、および、操作対象画像903が表示され、タイミング操作演出が開始される。この時点において、リーチ状態の演出図柄は、演出表示装置9の表示画面の右下隅部で縮小表示される。
そして、図10(J),(K)のように、変動表示中の演出図柄(中図柄)の停止図柄が取り得る数字範囲が連続的に示されたステージ908上を台車に乗って移動するキャラクタ909が表示される。具体的に、タイミング操作演出では、ステージ908においてキャラクタ909が停止した場所の数字が変動表示中の演出図柄(中図柄)の停止図柄となることを示す演出が行なわれ、操作ボタン130がタイミングよく操作されることにより変動表示中の演出図柄(中図柄)の停止図柄が大当り表示結果となり得ることが示唆される。
遊技者により操作ボタン130が操作されると、操作に対応した操作結果画像が表示される。変動表示結果がはずれとなるときには、操作結果画像として、図10(L)のようにキャラクタ909がはずれ表示結果となる図柄(たとえば「6」)の上で停止する画像が表示された後、図10(M)のように「残念」というメッセージ905が表示される。一方、変動表示結果が大当りとなるときには、操作結果画像として、図示を省略するが、キャラクタ909が大当り表示結果となる図柄(たとえば「7」)の上で停止する画像が表示された後、「達成」というメッセージが表示される。このような操作結果画像が表示された後、図10(N)のように、すべての演出図柄の表示結果が導出表示(停止表示)されて変動表示が終了する。停止図柄としては、「残念」というメッセージ905が表示された後には、はずれの表示結果が導出表示され、「達成」というメッセージが表示された後には、大当りの表示結果が導出表示されることとなる。
図11は、操作演出としての連打操作演出と先読み予告としての連打操作演出予告とが行なわれるときの演出表示装置9の表示例を示す表示画面図である。ここで、連打操作演出とは、遊技者が操作ボタン130を連続して押す操作(連打操作)に応じて、所定の演出が行なわれる操作演出をいう。また、連打操作演出予告とは、連打操作演出が行なわれる変動表示の前の変動表示において連打操作演出が実行されることを予告する操作演出予告をいう。図11においては、連打操作演出が行なわれる変動表示の前の変動表示において連打操作演出予告が行なわれ、その後の変動表示の連打操作演出において大当りとなることが報知される例が示されている。
図11(A)〜図11(C)により、図9(A)〜図9(C)と同様の表示が行なわれる。そして、図11(D)のように1個目の保留記憶に対応する演出図柄の変動表示が開始され、その変動表示中において、先読み予告として、図11(E)のように「次の変動でボタンを連打!」というメッセージ910、および、操作対象画像903を表示する連打操作演出予告が行なわれ、その後、図11(F)のようにはずれ表示結果が停止表示されて変動表示が終了する。
次に、図11(G)のように2個目の保留記憶(最後の保留記憶)に対応する演出図柄の変動表示が開始された後、図11(H)のように「左」,「右」の図柄表示エリア9L,9Rの停止図柄が一致してリーチ状態となった後、図11(I)のように、「ボタンを連打して100人倒せ!」という操作案内メッセージ911、および、操作対象画像903が表示され、連打操作演出が開始される。この時点において、リーチ状態の演出図柄は、演出表示装置9の表示画面の右下隅部で縮小表示される。
そして、図11(J),(K)のように、敵と戦う侍のキャラクタ912、および、倒した敵数914が表示される。具体的に、連打操作演出では、操作ボタン130が連打されていると、侍のキャラクタ912が動いて次々と敵を倒していき、それに応じて、倒した敵数914の表示が更新されていく。一方、操作ボタン130が連打されていなければ侍のキャラクタ912が動かなくなる。これにより、操作ボタン130の連打操作を続けることによって敵を100人倒し得ることが示唆される。
連打操作演出が開始された後、所定時間が経過すると、操作に対応した操作結果画像が表示される。変動表示結果が大当りとなるときには、操作結果画像として、図11(L)のように侍のキャラクタ912が100人目の敵を倒す画像が表示された後、図11(M)のように「達成」というメッセージ913が表示される。一方、変動表示結果がはずれとなるときには、操作結果画像として、図示を省略するが、侍のキャラクタ912が倒した敵数が100人目に達しない状態で、「失敗」というメッセージが表示される。このような操作結果画像が表示された後、図11(N)のように、すべての演出図柄の表示結果が導出表示(停止表示)されて変動表示が終了する。停止図柄としては、「達成」というメッセージが表示された後には、大当りの表示結果が導出表示され、「残念」というメッセージ905が表示された後には、はずれの表示結果が導出表示されることとなる。
図9〜図11に示した単発操作演出、タイミング操作演出、および、連打操作演出という複数種類の操作演出は、大当りとなるときに選択される割合が異なる。たとえば、連打操作演出>タイミング操作演出>単発操作演出という大小関係で、大当りとなる割合が異なるように設定されている。なお、複数種類の操作演出について、大当りとなるときに選択される割合は、同じであってもよい。
このように、操作演出が行なわれると、遊技者が遊技に参加することが可能となるので、遊技に関与することができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、操作演出が行なわれる変動表示以前の変動表示(1回前の変動表示)において、先読み予告として操作演出予告が行なわれるので、操作演出が実行されることを遊技者が予め認識できるようになる。これにより、遊技者が、操作演出が実行されることに対して操作ボタン130を操作する準備をすることが可能となる。これにより、操作手段を用いた遊技への遊技者の参加意欲を向上させ、遊技者が遊技に積極的に参加できるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、複数種類設けられた操作演出のうち、実行される操作演出に対応する操作演出予告が行なわれるので、遊技者が操作演出に対する準備がしやすくなるようにすることができる。さらに、複数種類の操作演出について、大当りとなるとなる割合が異なるように設定されているので、選択される操作演出に応じて、遊技者の期待感が異なるようになるので、遊技者の興趣をより一層向上させることができる。
なお、先読み予告としての操作演出予告は、操作演出が行なわれる変動表示の1回前に行なわれる例を示した。しかし、これに限らず、操作演出予告は、操作演出が行なわれる変動表示の2回前または3回前等の複数回前に行なわれるようにしてもよい。また、先読み予告としての操作演出予告は、1回の変動表示だけで行なわれる例を示した。しかし、これに限らず、操作演出予告は、複数回の変動表示において行なうようにしてもよい。そのように複数回の変動表示において操作演出予告を行なうときには、複数回の変動表示に亘って連続的に行なう連続予告形式で予告するようにしてもよく、予告をする変動表示の間隔を空けて間欠予告形式で予告するようにしてもよい。さらに、複数回の変動表示に亘って連続予告形式で操作演出予告を行なうときには、同じ予告態様の予告演出を複数回の変動表示で繰返し実行してもよく、異なる予告態様の予告演出を複数回の変動表示で実行するようにしてもよい。具体的に、複数回の変動表示に亘って連続予告形式で異なる演出予告を行なうときには、たとえば、予告対象の3回前の変動表示で単発操作演出、予告対象の2回前の変動表示でタイミング操作演出、予告対象の1回前の変動表示で連打操作演出というように、段階的に大当り期待度が高くなる予告演出を実行するようにしてもよい。
次に、変動パターン種別判定用のランダム3と変動パターン種別との関係を説明する。図12は、表示結果がはずれとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係を示す図である。図13は、表示結果が大当りとなるときおよび表示結果結果が小当りとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係を示す図である。
変動パターンは、変動パターンの演出の態様に基づいて複数種類の変動パターン種別に分類されている。各変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。したがって、変動パターンを決定するときには、まず、複数種類設けられた変動パターン種別からいずれかの種別を選択することにより、変動パターンの大分類(種別)を特定し、その後、選択した変動パターン種別に属する変動パターンの中から変動パターンを選択することにより具体的な変動パターンを決定する処理が行なわれる。
図12を参照して、表示結果がはずれとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係を説明する。表示結果がはずれとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係は、時短時(時短状態)と、時短時以外の通常時(通常状態)とで異なる。さらに、時短時および通常時のそれぞれについて、ランダム3と変動パターン種別との関係は、始動入賞後の合算保留記憶数が1〜4のときと、始動入賞後の合算保留記憶数が5〜8のときとで異なる。これは、始動入賞後の合算保留記憶数が5〜8のときには、前述した保留数短縮制御が実行されるからである。
通常時で始動入賞後の合算保留記憶数が1〜4のときには、(A)に示すように、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜250の数値範囲が、「通常」の変動パターン種別に割振られている。ランダム3の251〜350の数値範囲が、「ノーマル」の変動パターン種別に割振られている。ランダム3の351〜385の数値範囲が、「スーパー1」の変動パターン種別に割振られている。ランダム3の386〜395の数値範囲が、「スーパー2」の変動パターン種別に割振られている。ランダム3の396〜400の数値範囲が、「スーパー3」の変動パターン種別に割振られている。
「通常」の変動パターン種別は、リーチとならずはずれとなる通常変動の変動パターンが属する種別である。「ノーマル」の変動パターン種別は、変動中にリーチになるものの、リーチ演出が行なわれることなく停止する変動パターンとしてのノーマルリーチの変動パターンが属する種別である。
「スーパー1」の変動パターン種別は、単発操作演出を含むリーチ演出がされるスーパーリーチの変動パターンが属する種別である。「スーパー2」の変動パターン種別は、タイミング操作演出を含むリーチ演出がされるスーパーリーチの変動パターンが属する種別である。「スーパー3」の変動パターン種別は、連打操作演出を含むリーチ演出がされるスーパーリーチの変動パターンが属する種別である。
通常時で始動入賞後の合算保留記憶数が5〜8のときには、(B)に示すように、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜300の数値範囲が、通常に割振られている。ランダム3の301〜350の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の351〜392の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の393〜397の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の398〜400の数値範囲が、スーパー3に割振られている。
時短時で始動入賞後の合算保留記憶数が1〜4のときには、(C)に示すように、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜300の数値範囲が、通常に割振られている。ランダム3の301〜350の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の351〜392の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の393〜397の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の398〜400の数値範囲が、スーパー3に割振られている。
時短時で始動入賞後の合算保留記憶数が5〜8のときには、(D)に示すように、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜320の数値範囲が、通常(非リーチ)に割振られている。ランダム3の321〜350の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の351〜395の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の395〜398の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の399〜400の数値範囲が、スーパー3に割振られている。
この実施の形態では、図12に示されるように、時短状態のときに、通常状態と比べて、たとえば、変動表示時間が比較的短い非リーチの通常変動パターンが属する通常の選択割合を高くすること、および、スーパーリーチ1〜3のうちの変動表示時間が比較的短いスーパーリーチが属するスーパー1の選択割合を高くすること等により、特別図柄の変動表示期間を短縮する制御が行なわれる。
また、この実施の形態では、図12に示されるように、変動パターン決定時の合算保留記憶数(変動表示開始により保留記憶数が減算される前の合算保留記憶数)が、所定数以上(たとえば5以上)となったときに、所定数未満のときと比べて、たとえば、変動表示時間が比較的短い非リーチの通常変動パターンが属する通常の選択割合を高くすること、および、スーパーリーチ1〜4のうちの変動表示時間が比較的短いスーパーリーチ1が属するスーパー1の選択割合を高くすること等により、合算保留記憶数が所定数未満であるときよりも特別図柄の変動表示期間を短縮する保留数短縮制御が行なわれる。このような保留数短縮制御が行なわれることにより特別図柄の変動表示の実行効率を向上させることができる。
図12に示すようなランダム3の数値の割振りによれば、はずれとなるときのランダム3の数値範囲は、遊技状態に応じて変動パターン種別を選択するための複数種類の数値範囲に基づいて、1〜250、251〜300、301〜320、321〜350、351〜385、386〜392、393〜395、396〜397、398、399〜400という複数の数値範囲に分類することができる。
ランダム3の抽出値をこのように分類された数値範囲で特定する場合、表示結果がはずれとなるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100の側においては、このような数値範囲の情報と、通常時であるか確変時であるかの情報とがあれば、変動パターン種別について次のような判断をすることが可能である。
通常状態においては、ランダム3の数値範囲が1〜250であれば、合算保留記憶数の多少によらず必ず通常(非リーチ)となると判断することができる。通常状態においては、ランダム3の数値範囲が301〜350であれば、合算保留記憶数の多少によらず必ずノーマルとなると判断することが可能である。
時短状態においては、ランダム3の数値範囲が1〜300であれば、合算保留記憶数の多少によらず必ず通常(非リーチ)となると判断することができる。通常状態においては、ランダム3の数値範囲が321〜350であれば、合算保留記憶数の多少によらず必ずノーマルとなると判断することが可能である。
さらに、ランダム3の数値範囲が351〜400であれば、通常状態か時短状態かによらず、かつ、合算保留記憶数の多少によらず、必ずスーパーリーチの変動パターン種別(スーパー1〜スーパー3のすべてを含むスーパーリーチの変動パターン種別)となると判断することができる。
次に、図13を参照して、表示結果が大当りまたは小当りとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係を説明する。表示結果が大当りまたは小当りとなるときのランダム3と変動パターン種別との関係は、時短時(時短状態)と、時短時以外の通常時(通常状態)とで異なる。
通常状態で確変大当りとなるときには、(A)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜60の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の61〜120の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の121〜400の数値範囲が、スーパー3に割振られている。
時短状態で確変大当りとなるときには、(B)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜70の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の71〜140の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の141〜400の数値範囲が、スーパー3に割振られている。
通常状態で通常大当りとなるときには、(C)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜80の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の81〜160の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の161〜400の数値範囲が、スーパー3に割振られている。
時短状態で通常大当りとなるときには、(D)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜80の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の81〜160の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の161〜400の数値範囲が、スーパー3に割振られている。
通常状態で突確大当りとなるときには、(E)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜160の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の161〜300の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の301〜400の数値範囲が、スーパー3に割振られている。
時短状態で突確大当りとなるときには、(F)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜180の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の181〜320の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の321〜400の数値範囲が、スーパー3に割振られている。
通常状態で小当りとなるときには、(G)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜320の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の321〜380の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の381〜400の数値範囲が、スーパー3に割振られている。
時短状態で小当りとなるときには、(H)に示すように、合算保留記憶数によらず、次のようにランダム3の数値範囲が各変動パターン種別に割振られている。ランダム3の1〜20の数値範囲が、ノーマルに割振られている。ランダム3の21〜340の数値範囲が、スーパー1に割振られている。ランダム3の341〜390の数値範囲が、スーパー2に割振られている。ランダム3の391〜400の数値範囲が、スーパー3に割振られている。
また、この実施の形態では、図13に示されるように、確変大当り、通常大当り、突確大当り、および、小当りのそれぞれとなる場合において、時短状態のときに、通常状態と比べて、たとえば、スーパーリーチ1〜3のうちの変動表示時間が比較的短いスーパーリーチ1が属するスーパー1の選択割合を高くすること等により、合算保留記憶数が所定数未満であるときよりも特別図柄の変動表示期間を短縮する制御が行なわれる。
この実施の形態では、図12に示されるように、はずれとなるときに、ノーマル>スーパー1〜スーパー3という割合の大小関係で、リーチとなる変動パターン種別の選択割合が設定されている。一方、図13に示されるように、大当りまたは小当りとなるときに、スーパー1〜スーパー3>ノーマルという割合の大小関係で、リーチとなる変動パターン種別の選択割合が設定されている。したがって、このような大小関係にしたがい、スーパーリーチとなるときには、大当りまたは小当りとなる割合が高いので、スーパーリーチが選択されることに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、この実施の形態では、図12に示されるように、はずれ、小当り、または、突確大当りとなるときに、スーパー1>スーパー2>スーパー3という割合の大小関係で、スーパー1〜スーパー3の変動パターン種別の選択割合が設定されている。一方、図13に示されるように、15ラウンドの大当りとなるときに、スーパー3>スーパー2>スーパー1という割合の大小関係で、スーパー1〜スーパー3の変動パターン種別が選択されるように設定されている。したがって、スーパー3>スーパー2>スーパー1という大小関係にしたがい15ラウンド大当りとなる割合が高いので、スーパーリーチの種別に基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、この実施の形態では、図13に示されるように、確変大当り>通常大当り>突確大当り>小当りという割合の大小関係で、スーパー3の選択割合が設定されている。したがって、このような大小関係にしたがいスーパー3が選択される割合が高いので、スーパーリーチの種別に基づいて、大当りの種別に関する遊技者の期待感を向上させることができる。
図13に示すようなランダム3の数値の割振りによれば、大当りまたは小当りとなるときのランダム3の数値範囲は、遊技状態に応じて変動パターン種別を選択するための複数種類の数値範囲に基づいて、1〜20、21〜60、61〜70、71〜80、81〜120、121〜140、141〜160、161〜180、181〜300、301〜320、321〜340、341〜380、381〜390、391〜400という複数の数値範囲に分類することができる。
ランダム3の抽出値をこのように分類された数値範囲で特定する場合、表示結果が大当りまたは小当りとなるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100の側においては、このような数値範囲の情報と、通常時であるか確変時であるかの情報とがあれば、大当りまたは小当りとなるときの変動パターン種別について次のような判断をすることが可能である。
たとえば、(A)のように通常状態において確変大当りとなるときには、ランダム3の数値範囲が1〜20であれば、ノーマルとなると判断することが可能である。通常状態において確変大当りとなるときには、ランダム3の数値範囲が21〜60であれば、スーパー1となると判断することが可能である。通常状態において確変大当りとなるときには、ランダム3の数値範囲が61〜120であれば、スーパー2となると判断することが可能である。通常状態において確変大当りとなるときには、ランダム4の数値範囲が121〜400であれば、スーパー3となると判断することが可能である。
このような判断は、(B)〜(H)のような大当りまたは小当りとなるときにも同様に行なうことができる。
次に、図14〜図19を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。変動パターンテーブルとしては、ROM54に、通常状態はずれ時第1判定テーブル、通常状態はずれ時第2判定テーブル、時短状態はずれ時第1判定テーブル、時短状態はずれ時第2判定テーブル、通常状態確変大当り時判定テーブル、時短状態確変大当り時判定テーブル、通常状態通常大当り時判定テーブル、時短状態通常大当り時判定テーブル、通常状態突確大当り時判定テーブル、時短状態突確大当り時判定テーブル、通常状態小当り時判定テーブル、および、時短状態小当り時判定テーブルという複数種類のデータテーブルが記憶されており、選択的に用いられる。
図14は、通常状態はずれ時第1判定テーブルおよび通常状態はずれ時第2判定テーブルを示す図である。図14(a)に示される通常状態はずれ時第1判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が1〜4であるときに用いられる変動パターンテーブルである。図14(b)に示される通常状態はずれ時第2判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が5〜8であるときに用いられる変動パターンテーブルである。
図15は、時短状態はずれ時第1判定テーブルおよび時短状態はずれ時第2判定テーブルを示す図である。図15(a)に示される時短状態はずれ時第1判定テーブルは、時短状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が1〜4であるときに用いられる変動パターンテーブルである。図15(b)に示される時短状態はずれ時第2判定テーブルは、時短状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が5〜8であるときに用いられる変動パターンテーブルである。
図16は、通常状態確変大当り時判定テーブルおよび時短状態確変大当り時判定テーブルを示す図である。図16(a)に示される通常状態確変大当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定および大当り種別判定により確変大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。図16(b)に示される時短状態確変大当り時判定テーブルは、時短状態において、大当り判定および大当り種別判定により確変大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。
図17は、通常状態通常大当り時判定テーブルおよび時短状態通常大当り時判定テーブルを示す図である。図17(a)に示される通常状態通常大当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定および大当り種別判定により通常大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。図17(b)に示される時短状態通常大当り時判定テーブルは、時短状態において、大当り判定および大当り種別判定により通常大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。
図18は、通常状態突確大当り時判定テーブルおよび時短状態突確大当り時判定テーブルを示す図である。図18(a)に示される通常状態突確大当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定および大当り種別判定により突確大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。図18(b)に示される時短状態突確大当り時判定テーブルは、時短状態において、大当り判定および大当り種別判定により突確大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。
図19は、通常状態小当り時判定テーブルおよび時短状態小当り時判定テーブルを示す図である。図19(a)に示される通常状態小当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、小当り判定により小当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。図19(b)に示される時短状態小当り時判定テーブルは、時短状態において、小当り判定により小当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。
図14〜図19に示すテーブルのそれぞれは、ランダム3と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム4と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図14〜図19の各テーブルでの変動パターンの欄において、「操作演出なし」は、操作演出が行なわれない変動パターンである。「通常変動」はリーチとならずはずれとなる変動表示を示している。
また、「ノーマルリーチA,ノーマルリーチB」は、ノーマルリーチの変動パターンを示している。「ノーマルリーチA」と「ノーマルリーチB」とは、変動表示時の背景が異なる。「スーパーリーチA,スーパーリーチB」は、リーチ状態となったときに特別な背景画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。「スーパーリーチA」は、第1の背景画像を用いたリーチ演出Aを行なうスーパーリーチの変動パターンである。「スーパーリーチB」は、第2の背景画像を用いたリーチ演出Bを行なうスーパーリーチの変動パターンである。
「単発操作演出」は、単発操作演出を含むリーチ演出が行なわれる変動パターンである。「タイミング操作演出」は、タイミング操作演出を含むリーチ演出が行なわれる変動パターンである。「連打操作演出」は、連打操作を含むリーチ演出が行なわれる変動パターンである。「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「確変大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。「通常大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。「突確大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「突確大当り」の表示結果となる変動パターンである。「小当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「小当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「単発操作演出 スーパーリーチA はずれ」という変動パターンは、「単発操作演出を含むリーチ演出Aが行なわれた後、はずれ表示結果となるスーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
次に、複数の変動パターンにおける変動時間の長さの関係について説明する。操作演出が行なわれる変動パターンの変動時間の長さは、単発操作演出<タイミング操作演出<連打操作演出というように設定されている。また、「通常」の変動パターン種別に属する通常変動は、「ノーマルリーチA」、「ノーマルリーチB」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」のような「リーチ」の変動パターン種別に属する変動パターンよりも全般的に変動時間が短くなるように設定されている。また、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」のような「スーパーリーチ」の変動パターン種別に属する変動パターンは、「ノーマルリーチA」、および、「ノーマルリーチB」のような「ノーマル」の変動パターン種別に属する変動パターンよりも全般的に変動時間が長くなるように設定されている。
図14〜図19のテーブルにおいて、「ランダム3範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブルを示す欄である。たとえば、図14(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマル」、「スーパー1」、「スーパー2」、「スーパー3」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム3(1〜400)のすべての値が、r1で示される数値範囲、r2で示される数値範囲、r3で示される数値範囲、r4で示される数値範囲、および、r5で示される数値範囲のような複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、所定のタイミングで抽出したランダム3の値がr3の数値範囲のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「スーパー1」とすることが決定される。
図14(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルにおいては、図14(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図14(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルにおいては、図14(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図15(a)の時短状態はずれ時第1判定テーブルにおいては、図15(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図15(b)の時短状態はずれ時第2判定テーブルにおいては、図15(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。
図16(a)の通常状態確変大当り判定テーブルにおいては、図16(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図16(b)の時短状態確変大当り判定テーブルにおいては、図16(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図17(a)の通常状態通常大当り判定テーブルにおいては、図17(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図17(b)の時短状態通常大当り判定テーブルにおいては、図17(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。
図18(a)の通常状態突確大当り判定テーブルにおいては、図18(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図18(b)の時短状態突確大当り判定テーブルにおいては、図18(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図19(a)の通常状態小当り判定テーブルにおいては、図19(a)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。図19(b)の時短状態小当り大当り判定テーブルにおいては、図19(b)に示す割合で、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係が設定されている。
また、図14〜図19のそれぞれのテーブルにおいて、「ランダム4範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム4範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブルを示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図14(a)を例にとれば、「ノーマル」の種別に属する変動パターンは、「操作演出なし ノーマルリーチA はずれ」、「操作演出なし ノーマルリーチB はずれ」である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム4(0〜99)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、「スーパー1」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム4の値に応じて、「操作演出 スーパーリーチA はずれ」または「操作演出 スーパーリーチB はずれ」の変動パターンが選択決定される。
図14〜図19のそれぞれのテーブルにおいて、はずれとなるときには「ノーマルリーチA」の方が「ノーマルリーチB」よりも選択される割合が大きくなり、大当りとなるときには「ノーマルリーチB」の方が「ノーマルリーチA」よりも選択される割合が大きくなるように設定されている。
また、図14〜図19のそれぞれのテーブルにおいて、はずれとなるときには「スーパーリーチA」の方が「スーパーリーチB」よりも選択される割合が大きくなり、大当りとなるときには「スーパーリーチB」の方が「スーパーリーチA」よりも選択される割合が大きくなるように設定されている。なお、突確大当りとなるとき、および、小当りとなるときには、「スーパーリーチA」の方が「スーパーリーチB」よりも選択される割合が大きくなるようにデータが設定されてもよい。
また、図14〜図19のそれぞれのテーブルにおいては、スーパー1<スーパー2<スーパー3という大小関係で、「スーパーリーチB」が選択される割合が大きくなるように設定されている。
なお、図14および図15に示すような保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合を異ならせるときの保留記憶数の閾値(たとえば、保留記憶数が所定個以上でテーブルを異ならせるときの所定値、たとえば、図14および図15でテーブル選択をするための閾値である保留記憶数「5」のような値)を、遊技状態に応じて異ならせるようにしてもよい。たとえば、保留記憶数が所定数以上のときに変動時間が長い変動パターン種別とする決定をする割合を低くするテーブルについて、確変状態においては、非確変状態よりも少ない保留記憶数が当該閾値となるように設定してもよい。
また、図14および図15に示すような保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合を異ならせるときに用いるテーブルとしては、「1」,「2」,「3」・・・というような1つの保留記憶数別にテーブルを設け、これらテーブルを、保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合が異なる(たとえば、保留記憶数が多い程変動時間が長い変動パターン種別とする決定をする割合が低くなる等)ようにデータが設定されたテーブルとしてもよい。具体的には、保留記憶数に応じて、変動パターン種別の決定をする判定値の数が異なるようにデータを設定すればよい。
図20は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図21は、演出制御コマンドのうちの第1始動入賞時変動種別指定コマンドおよび第2始動入賞時変動種別指定コマンドの具体的内容を示す説明図である。
以下に説明するた演出制御コマンドは、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、このようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図20に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図14〜図19に示された使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンド(変動パターン指定コマンドともいう)がある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄変動表示を開始するように制御し、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、当りとするか否か、および当りの種別(はずれ、通常大当り、確変大当り、突確大当り、小当り)を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
図20に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の変動表示(変動)と、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。第1図柄変動指定コマンドおよび第2図柄変動指定コマンドのそれぞれは、特別図柄の変動表示の開始時において、変動パターンコマンドが送信された後に送信される。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
なお、コマンド8D01(H)(第1図柄変動指定コマンド)およびコマンド8D02(H)(第2図柄変動指定コマンド)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aにおいて飾り図柄の変動を行なうのか、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄の変動を行なうのかを判定するために使用される。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(および飾り図柄)の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄および飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンドには、大当りの種類または小当りに応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突確開始指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り遊技の終了または突然確変の遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突確終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C0」により第1始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により前述したような大当り判定、大当り種別の判定、および、小当り判定のような当り判定の先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C1」により第2始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により前述の当り判定の先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
具体的に、第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンドのそれぞれについては、下位バイトである「XX」により、たとえば、「はずれ」、「確変大当り」、「通常大当り」、「突確大当り」、「小当り」というような、当り判定結果を特定する先読み判定結果が指定され、時短状態中および大当り遊技状態中のように、先読みの禁止状態において始動入賞に対する先読みが行なわれなかった場合には、下位バイトである「XX」により、「判定なし」が指定される。
コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を特定するための合算保留記憶数指定コマンドを送信して指定するようにしてもよい。また、このような保留記憶数に関連するコマンドを用いず、演出制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信するごとに、保留記憶数を1ずつ減算するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C4」により第1始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により前述したような変動パターン種別の先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞時変動種別指定コマンド)である。コマンドC5XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C5」により第2始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により変動パターン種別の先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞時変動種別指定コマンド)である。第1始動入賞時変動種別指定コマンドと第2始動入賞時変動種別指定コマンドとを、始動入賞時変動種別指定コマンドと総称することがある。
具体的に、第1始動入賞時変動種別指定コマンドおよび第2始動入賞時変動種別指定コマンドのそれぞれについては、下位バイト(EXT)である「XX」により、たとえば、図21に示すような数値範囲により変動パターン種別の先読み判定結果が指定される。
図21においては、(a)に当り判定の先読み判定結果がはずれとなった時の変動種別指定コマンドの下位バイト(EXT)の指定内容が示され、(b)に当り判定の先読み判定結果が大当りまたは小当りとなった時の変動種別指定コマンドの下位バイト(EXT)の指定内容が示されている。
図21(a)に示すように、当り判定の先読み判定結果がはずれとなった時には、図12に示すようなはずれとなるときのランダム3の数値範囲の分類(1〜250、251〜300、301〜320、321〜350、351〜385、386〜392、393〜395、396〜397、398、399〜400という複数の数値範囲の分類)にしたがって区分されたはずれ第1種別〜はずれ第10種別の数値範囲のうちいずれかにより、変動パターン種別の先読み判定結果が指定される。
図21(b)に示すように、当り判定の先読み判定結果が大当りまたは小当りとなった時には、図13に示すような大当りまたは小当りとなるときのランダム3の数値範囲の分類(1〜20、21〜60、61〜70、71〜80、81〜120、121〜140、141〜160、161〜180、181〜300、301〜320、321〜340、341〜380、381〜390、391〜400という複数の数値範囲の分類)にしたがって区分された当り第1種別〜当り第14種別の数値範囲のうちいずれかにより、変動パターン種別の先読み判定結果が指定される。
次に、図20を参照して、コマンドC601(H)は、遊技状態が通常状態(確変状態および時短状態以外の状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドC602(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。
演出制御コマンドの送出方式としては、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図20および図21に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、有効な始動入賞に基づいて保留記憶表示を行なう場合に、始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に前述した先読み判定を行なった場合には、当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドおよび始動入賞時変動種別指定コマンドを送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、始動入賞指定コマンドおよび始動入賞時変動種別指定コマンド等が示す情報に基づき、先読み予告を実行するか否かを判定するための処理、および、先読み予告パターンを選択するための処理等を行なう。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示を開始する度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび図柄変動指定コマンドを送信し、さらに、表示結果指定コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、このように送信された変動パターンコマンド等に基づき、飾り図柄変動表示を開始するように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
図22は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図22には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、各種の演出決定用のSR2、および、先読み予告実行判定用のSR3が示されている。
SR1−1,SR1−2,SR1−3は、演出図柄の左,中,右の停止図柄(最終的な確定停止図柄)をランダムに決定するために用いられる。SR2は、演出表示装置9で表示される画像による演出内容等の各種の演出内容をランダムに決定するために用いられる。SR3は、先読み予告を実行するか否かの判定をするためのランダムカウンタである。
このような乱数SR1−1〜SR3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図22において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
図23は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしているか否か、すなわち、第1始動入賞が発生しているか否かを判断する(S311)。第1始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしていたか否かにかかわらず、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしているか否か、すなわち、第2始動入賞が発生しているか否かを判断する(S313)。第2始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(S314)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶データを記憶する第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶データを記憶する第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数の合算数(合算保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、変動パターンコマンドおよび第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを送信するための処理を行ない、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を開始させ、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信するための処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305またはS308に対応した値(この例では5または8)に更新する。大当りフラグも小当りフラグもがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。また、当該大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによってラウンド中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、すべてのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口を開放する時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残り開放回数がある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、すべての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図24は、S312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図25は、S314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図26は、第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理のそれぞれで呼出されて実行される入賞時演出処理を示すフローチャートである。図27は、第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理のそれぞれにおいて用いられる保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。
図24〜図27を用いて、第1始動口スイッチ処理および第2始動口スイッチ処理の内容を説明する。
図24の第1始動口スイッチ処理において、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値が4(上限値)であるか否かを確認する(S211)。第1保留記憶数カウンタは、第1始動入賞口13に始動入賞した第1始動入賞の数を示す第1保留記憶数をカウントするためのカウンタである。
S211において第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。一方、第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S212)。
図27に示すように、保留記憶バッファとしては、第1始動入賞のデータを記憶するための第1保留記憶バッファと、第2始動入賞のデータを記憶するための第2保留記憶バッファとが設けられている。第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶された始動入賞のデータは、保留記憶データと呼ばれる。また、第1保留記憶バッファに記憶された始動入賞のデータは、第1保留記憶データと呼ばれ、第2保留記憶バッファに記憶された始動入賞のデータは、第2保留記憶データと呼ばれる。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S213)。なお、S213の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)、ソフトウェア乱数であるランダム2、および、ランダム3(図6参照)が、保存領域に格納される。
そして、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かに基づいて、現在が時短状態であるか否かを確認する(S214)。時短状態であるときには、保留記憶データを先読みしないようにするために、入賞時演出処理を実行せず、先読み判定結果を特定しない第1始動入賞指定コマンドを送信し(S220)、S218に進む。一方、時短状態でないときに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグのデータが、大当り遊技状態においてなり得るデータ(大入賞開放前処理、大入賞口開放中処理、または、大当り終了処理を示すデータ)になっているか否かに基づいて、現在が大当り遊技状態中であるか否かを確認する(S215)。なお、小当り遊技状態中であるときに、第1始動入賞について、先読み判定が行なわれないようにしてもよい。
大当り遊技状態中であるときには、保留記憶データを先読みしないようにするために、入賞時演出処理を実行せず、先読み判定が行なわれなかったことを示す前述の「判定なし」を指定する第1始動入賞指定コマンドを送信し(S220)、S218に進む。このように、大当り遊技状態中であるときと、大当り遊技状態終了後の時短状態であるときとには、第1始動入賞について、先読み判定が行なわれない。大当り遊技状態の終了後の所定期間中において時短状態に制御されているときに、第1保留保留記憶バッファに対する先読み判定が禁止されるので、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。具体的に、時短状態に制御されているときには、第2始動入賞による保留記憶データが第1始動入賞による保留記憶データよりも優先的に処理されるので、たとえば第1始動入賞に基づく大当りがストックされたまま第2始動入賞に基づく大当りが実行されると、大当りがストックされた状態で大当り遊技が進行するような演出が行なわれることとなるので、過度に遊技者の射幸心を刺激してしまうおそれがあるからである。さらに、このような先読み判定の禁止が行なわれるときが、時短状態に制御されているときであるので、遊技の興趣の低下を招くことなく、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。また、大当り遊技状態中において第1保留保留記憶バッファに対する先読み判定が禁止されるので、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。さらに、このような先読み判定の禁止が行なわれるときが、大当り遊技状態に制御されているときであるので、遊技の興趣の低下を招くことなく、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。
なお、たとえば大当り遊技状態中および大当り遊技状態終了後の時短状態であるときのように、先読み判定を禁止するときには、先読み判定結果を示す始動入賞指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
一方、大当り遊技状態中ではないときに、CPU56は、サブルーチンプログラムとして、図26に示す入賞時演出処理を呼出して実行する(S216)。入賞時演出処理においては、前述したような先読み判定が行なわれ、先読み判定結果がRAM55に記憶される。
入賞時演出処理の実行後に、CPU56は、入賞時演出処理により得られた先読み判定結果のうち当り判定結果(「はずれ」、「確変大当り」、「通常大当り」、「突確大当り」、「小当り」のうちいずれか)を指定した第1始動入賞指定コマンドを送信するための処理を行なう(S217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理により得られた先読み判定結果のうち変動パターン種別の判定結果(ランダム3の数値範囲)を指定した第1始動入賞時変動種別指定コマンド(図21参照)を送信するための処理を行ない(S217A)、S218に進む。
S218において、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合算値である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やし(S218)、処理を終了する。なお、合算保留記憶数カウンタの値に基づいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信するための処理を行ない、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で合算保留記憶数を容易に把握できるようにしてもよい。
S217,S217A,S220のように、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
なお、第1保留記憶データと第2保留記憶データとについて、第2保留記憶データに基づく変動表示を優先せずに、始動入賞が発生した順番(保留記憶がされた順番)にしたがって変動表示をさせるようにしてもよく、その場合には、前述したような高ベース中および大当り遊技状態中に入賞時判定を禁止する処理を実行しないようにしてもよい。
次に、第2始動口スイッチ処理の内容を説明する。図25の第2始動口スイッチ処理において、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4(上限値)であるか否かを確認する(S221)。第2保留記憶数カウンタは、第2始動入賞口14に始動入賞した第2始動入賞の数を示す第2保留記憶数をカウントするためのカウンタである。
S221において第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。一方、第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S222)。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、図28に示すような第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S223)。なお、S223の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびソフトウェア乱数であるランダム2、および、ランダム3(図6参照)が、保存領域に格納される。
そして、CPU56は、サブルーチンプログラムとして、図25に示す入賞時演出処理を呼出して実行する(S224)。入賞時演出処理の内容は、図26を用いて後述する。入賞時演出処理においては、前述したような先読み判定が行なわれ、先読み判定結果がRAM55に記憶される。
入賞時演出処理の実行後に、CPU56は、入賞時演出処理により得られた先読み判定結果のうち当り判定結果(「はずれ」、「確変大当り」、「通常大当り」、「突確大当り」、「小当り」のうちいずれか)を指定した第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理により得られた先読み判定結果のうち変動パターン種別の判定結果(ランダム3の数値範囲)を指定した第2始動入賞時変動種別指定コマンド(図21(b)参照)を送信する制御を行なう(S225A)。
次に、CPU56は、前述の合算保留記憶数カウンタの値を1増やし(S226)、処理を終了する。なお、合算保留記憶数カウンタの値に基づいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行ない、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で合算保留記憶数を容易に把握できるようにしてもよい。
S225,S225Aのように、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
次に、入賞時演出処理の内容を説明する。図26は、S216,S224の入賞時演出処理を示すフローチャートである。
この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、確変大当り、通常大当り、突確大当り、小当り、はずれのうちのいずれの表示結果となるかを予め判定する先読み判定を行なうとともに、いずれの変動パターン種別となるか否かを予め判定する先読み判定を行なう。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に、当りはずれの判定結果、大当り種別、および、変動パターン種別を予測し、このような入賞時の先読み判定結果に基づき、先読み予告として、第1保留記憶または第2保留記憶に基づく予告対象の変動表示以前の変動表示において、たとえば、所定の演出が行なわれることを予告する先読み予告演出を演出制御用マイクロコンピュータ100によって実行する。
入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S213またはS223で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S230)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S230のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S231)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S213またはS223で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と、図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S232)。前述したように、図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値は、図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値と共通の大当り判定値に、確変時固有の大当り判定値が加えられたものである。したがって、S230では、通常時および確変時で共通の大当り判定値としての通常時大当り判定値で大当り判定が行なわれ、S232では、確変時固有の大当り判定値としての確変時大当り判定値で大当り判定が行なわれることとなる。これにより、遊技状態が通常状態であっても確変状態であっても、ランダムRが通常時および確変時で共通の大当り判定値であるときには、S231で通常時の大当り判定値と一致していると判定される。そして、ランダムRが確変時固有の大当り判定値であるときには、S232で確変時の大当り判定値と一致していると判定される。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時大当り判定値とも一致しなければ(S232のN)、S233に進む。
一方、S230またはS232で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合(大当りとなることが判定された場合)には、大当り種別を判定するために、始動入賞が生じた特別図柄の種別、すなわち、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれかの種別に応じた大当り種別判定テーブルを選択して設定する。具体的に、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図24に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S216)を実行する場合)には、図7(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルを設定する。一方、CPU56は、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図25に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S224)を実行する場合)には、図7(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルを設定する。
そして、CPU56は、S213またはS223で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて大当りの種別を判定する(S235)。次に、S235により判定された大当り種別を示す第1または第2始動入賞指定コマンドのデータをセットする(S236)。
そして、CPU56は、遊技状態が時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を確認することにより現在の遊技状態を判定し、その判定結果と、S235により判定された大当り種別とに応じて、図16〜図18に示す判定テーブルのうち、大当り種別に対応する変動パターン種別判定テーブルを選択して設定する(S237)。
具体的に、CPU56は、S235により確変大当りと判定されたときには、次のように判定テーブルを選択する。CPU56は、遊技状態が時短状態ではないと判定した場合には、図16(a)の通常状態確変大当り時判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、16(b)の時短状態確変大当り時判定テーブルを設定する。
また、CPU56は、S235により通常大当りと判定されたときには、次のように判定テーブルを選択する。CPU56は、遊技状態が時短状態でないと判定した場合には、図17(a)の通常状態通常大当り時判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、17(b)の時短状態通常大当り時判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。
また、CPU56は、S235により突確大当りと判定されたときには、次のように判定テーブルを選択する。CPU56は、遊技状態が時短状態でないと判定した場合には、図18(a)の通常状態突確大当り時判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、18(b)の時短状態突確大当り時判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値と一致しなければ(S232のN)、CPU56は、S213またはS223で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(B)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S233)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図24に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S216参照)を実行する場合)には、図7(B)に示す第1特別図柄用の小当り判定テーブルに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図25に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S224参照)を実行する場合)には、図7(B)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致しなければ(S233のN)、はずれとなるので、はずれを示す第1または第2始動入賞指定コマンドのデータをセットする(S240)。そして、CPU56は、この実施の形態では、CPU56は、S240において、遊技状態が時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を確認するとともに、合算保留記憶数が5以上であるか否か(具体的には、合算保留記憶数カウンタの値が5以上であるか否か)を確認することにより現在の遊技状態を判定し、その判定に応じて、図14および図15に示す判定テーブルの中から、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して設定する(S241)。
具体的に、CPU56は、遊技状態が時短状態ではなく、かつ、合算保留記憶数が5以上でないと判定した場合には、図14(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態ではなく、かつ、合算保留記憶数が5以上であると判定した場合には、図14(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態であり、かつ、合算保留記憶数が5以上でないと判定した場合には、図15(a)の時短状態はずれ時第1判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。また、CPU56は、遊技状態が時短状態であり、かつ、合算保留記憶数が5以上であると判定した場合には、図15(b)の時短状態はずれ時第2判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する。
なお、遊技状態や合算保留記憶数に応じていずれのはずれ判定テーブルを用いるかを区別するのではなく、遊技状態や合算保留記憶数に関係なく、いずれか一方の判定テーブルを選択して設定するようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S233のY)、小当りとなるので、小当りを示す第1または第2始動入賞指定コマンドのデータをセットする(S238)。そして、CPU56は、遊技状態が時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を確認することにより現在の遊技状態を判定し、その判定に応じて、図17(a)の通常状態小当り時変動パターン種別判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルまたは図17(b)の時短状態小当り時変動パターン種別判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを設定する(S239)。
次いで、CPU56は、S241,S239またはS237で設定した変動パターン種別判定テーブルと、S213またはS223で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)とを用いて、図12および図13に示すような変動パターン種別を特定するランダム3の数値範囲のうち、抽出したランダム3が該当する数値範囲を判定する(S242)。
S242においては、表示結果がはずれとなるときには、はずれ時の判定テーブルである図14の(a),(b)および図15の(a),(b)のすべての判定テーブルのデータを用いて、抽出されたランダム3の数値データが、図21(a)のはずれ時変動種別指定内容に示す第1または第2入賞時変動種別指定コマンドに対応する数値範囲のどの範囲に該当するかを判定する。表示結果がはずれとなるときには、たとえば、1〜250の数値範囲の250を最も低い閾値とし、1〜300の数値範囲の300を次に低い閾値とする等、はずれ時の各判定テーブルに設定されたランダム3範囲を小さい方から順に確認していき、抽出されたランダム3の数値データが図21の(a)のはずれ時変動種別指定内容に対応する数値範囲のどの範囲に該当するかを判定する閾値を設定する。そして、そのように設定された閾値を用いて、抽出されたランダム3の数値データが、図21(a)のはずれ時変動種別指定内容に示す第1または第2入賞時変動種別指定コマンドに対応する数値範囲のどの範囲に該当するかを判定する。
また、S242においては、表示結果が大当りまたは小当りとなるときには、大当り時および小当り時の判定テーブルである図16(a),(b)〜図19(a),(b)のすべての判定テーブルのデータを用いて、抽出されたランダム3の数値データが、図21(b)の大当り・小当り時変動種別指定内容に示す第1または第2入賞時変動種別指定コマンドに対応する数値範囲のどの範囲に該当するかを判定する。表示結果が大当りまたは小当りとなるときには、たとえば、1〜20の数値範囲の20を最も低い閾値とし、20〜60の数値範囲の60を次に低い閾値とする等、大当りおよび小当り時の各判定テーブルに設定されたランダム3範囲を小さい方から順に確認していき、抽出されたランダム3の数値データが図21(b)の大当り・小当り時変動種別指定内容に対応する数値範囲のどの範囲に該当するかを判定する閾値を設定する。そして、そのように設定された閾値を用いて、抽出されたランダム3の数値データが、図21(b)の大当り・小当り時変動種別指定内容に示す第1または第2入賞時変動種別指定コマンドに対応する数値範囲のどの範囲に該当するかを判定する。
なお、S242においては、判定テーブルを用いずに、プログラムとして、前述のようなはずれ時変動種別指定内容、および、大当り・小当り時変動種別指定内容のそれぞれに対応する数値範囲のどの範囲に該当するかを判定する予め設定された閾値データを用いて、抽出されたランダム3の数値データが、前述のような第1または第2入賞時変動種別指定コマンドに対応する数値範囲のどの範囲に該当するかを判定する一連の処理ステップを含む処理を設けてもよい。そして、このようなプログラムを呼出して実行することにより、前述のような判定テーブルを用いずに、抽出されたランダム3の数値データがどの範囲に該当するかを判定することができる。
そして、CPU56は、S242により判定されたランダム3の数値範囲に基づいて、当該数値範囲を特定する図21のような第1または第2入賞時変動種別指定コマンドを送信するためのデータ(コマンドデータ)を設定する処理を行なう(S243)。
以上に説明したように、入賞時演出処理においては、大当り判定、大当り種別判定、小当り判定、および、変動パターン種別判定を行なうことが可能である。このような大当り判定、大当り種別判定、小当り判定、および、変動パターン種別判定は、変動表示の開始を許容する開始条件が成立したときに、特別図柄通常処理および変動パターン設定処理において同様に実行される。
なお、S231およびS232により、確変状態であるときには、確変時の大当り判定値を用いて大当り判定をする例を示した。しかし、これに限らず、確変状態であるときにも、通常時大当り判定値のみを用いて大当り判定をするようにしてもよい。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。図29は、特別図柄プロセス処理により呼出されて実行される当り判定処理(S59)を示すフローチャートである。
図28を参照して、特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶バッファ(図27参照)に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器9aにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行なう一連の処理を実現するためのプログラムを指している。この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるS55〜S61の処理、S301の変動パターン設定処理、S302の表示結果特定コマンド送信処理、S303の特別図柄変動中処理およびS304の特別図柄停止処理が含まれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
このように第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示を第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行することにより、次のような効果を得ることができる。大当り遊技状態の終了後の所定期間中においては、時短制御が行なわれることにより、可変入賞球装置15において、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなる。したがって、大当り遊技状態の終了後の所定期間中には、それ以外のときに比べて、第2保留記憶のデータが発生しやすくなる。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファの両方に保留記憶データが記憶されている場合は、第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して実行されるので、大当り遊技状態の終了後の時短状態において発生しやすい保留記憶データを効率的に処理することができるから、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行効率を向上させることができる。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。S58において合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する前には、CPU56は、変動パターン設定処理において、合算保留記憶数に応じて変動パターンを決定するために必要なデータとして、S58でカウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。このように保存したカウンタ値は、変動パターン設定処理において、変動パターンを決定するために用いられる。
次いで、CPU56は、当り判定処理を呼出して実行する(S59)。図29を参照して、当り判定処理では、CPU56は、まず、S55により読出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S591)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S591N)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S592)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S55により読出した大当り判定用乱数(ランダムR)と、図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S593)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時大当り判定値とも一致しなければ(S593のN)、S598に進む。
一方、S591またはS593で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合(大当りとなることが判定された場合)に、CPU56は、大当りフラグをセットする(S594)。そして、大当り種別を判定するために、始動入賞が生じた特別図柄の種別、すなわち、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれかの種別に応じた大当り種別判定テーブルを設定する(S595)。具体的に、CPU56は、実行する変動表示が第1始動入賞口13への始動入賞による第1保留記憶データに基づく場合には、図7(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルを設定する。一方、CPU56は、実行する変動表示が第2始動入賞口14への始動入賞による第2保留記憶データに基づく場合には、図7(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルを設定する。
そして、CPU56は、S55により読出した大当り種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて大当りの種別を判定する(S596)。次に、S596により判定された大当り種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに記憶し(S597)、処理を終了する。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突確大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
また、S593により大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S593のN)、CPU56は、S55により読出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(B)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S598)。この場合、CPU56は、実行する変動表示が第1始動入賞口13への始動入賞による第1保留記憶データに基づく場合には、図7(B)に示す第1特別図柄用の小当り判定テーブルに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、CPU56は、実行する変動表示が第2始動入賞口14への始動入賞による第2保留記憶データに基づく場合には、図7(B)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。そして、ランダムRが小当り判定値と一致した場合(大当りとなることが判定された場合)に、CPU56は、小当りフラグをセットし(S599)、処理を終了する。
このように、当り判定処理においては、始動入賞時に実行される入賞時演出処理における大当り判定、大当り種別判定、および、小当り判定と同様の処理が行なわれる。したがって、前述した入賞時演出処理によれば、変動表示の開始時に行なわれる大当り判定、大当り種別判定、および、小当り判定の判定結果を先読みすることが可能となる。
なお、始動入賞時に実行される処理である第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理のそれぞれにおいて実行される入賞時演出処理と、特別図柄通常処理とで、共通のサブルーチンプログラムを使用して前述のような大当り判定等を行なうようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S60)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「2」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」,「3」,「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突確大当り」に決定した場合には、2ラウンド大当り図柄となる「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には、「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「確変大当り」に決定した場合には、「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S61)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または、第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象にする場合と第2特別図柄を対象にする場合とで共通化することができる。
図30は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。
大当りフラグがセットされているときには、S59の当り判定処理において判定された大当り種別に対応する変動パターン種別判定テーブルとして、通常状態か時短状態かの遊技状態に応じて(時短フラグに基づいて遊技状態を判断する)、図16〜図18に示す通常状態確変大当り時判定テーブル、時短状態確変大当り時判定テーブル、通常状態通常大当り時判定テーブル、時短状態通常大当り時判定テーブル、通常状態突確大当り時判定テーブル、および、時短状態突確大当り時判定テーブルのうちいずれかの判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを選択し、変動パターン種別を決定するための判定テーブルとして設定し(S92)、S96に進む。
S91により大当りフラグがセットされていないと確認されたときには、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされているときには、S59の当り判定処理において判定された小当りに対応する変動パターン種別判定テーブルとして、通常状態か時短状態かの遊技状態に応じて(時短フラグに基づいて遊技状態を判断する)、図19に示す通常状態小当り時判定テーブル、および、時短状態小当り時判定テーブルのいずれかの判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを選択し、変動パターン種別を決定するための判定テーブルとして設定し(S94)、S96に進む。
一方、S93により小当りフラグがセットされていないと確認されたときは、はずれとなるときであり、現在の保留記憶数として、S57により保存された合算保留記憶数を読出す(S94a)。そして、読出した合算保留記憶数よりなる現在の保留記憶数、および、通常状態か時短状態かの遊技状態に応じて(時短フラグに基づいて遊技状態を判断する)、図14および図15に示す通常状態はずれ時第1判定テーブル、通常状態はずれ時第2判定テーブル、時短状態はずれ時第1判定テーブル、および、時短状態はずれ時第2判定テーブルのうちいずれかの判定テーブルにおける変動パターン種別テーブルを選択し、変動パターン種別を決定するための判定テーブルとして設定し(S95)、S96に進む。
次に、S96では、S92,S94,S95のいずれかで設定された変動パターン種別判定テーブルを用いて、S55により読出されたランダム3から、変動パターン種別を選択決定する(S96)。前述したように、先読み予告の対象となる変動パターン種別(スーパー1〜3のすべてを含むスーパーリーチの種別)については、時短状態であるか否か、および、保留記憶数の多少に関わらず共通の判定値(351〜400)が割振られていることにより、表示結果がはずれとなることが決定された場合は、時短状態であるか否か、および、保留記憶数がいくつであるかによらず、始動入賞時の先読み判定により判定された変動パターン種別(操作演出を伴うスーパー1〜3のすべてを含むスーパーリーチの種別)と、当該始動入賞後、当該始動入賞の保留記憶データに基づく変動表示開始時に当該変動表示における変動パターン種別として判定された変動パターン種別(操作演出を伴うスーパー1〜3のすべてを含むスーパーリーチの種別)とが必ず一致することとなる。これにより、先読み判定を正確に行なうことができる。
次いで、CPU56は、S96で決定された変動パターン種別に応じた変動パターン判定テーブル(図14〜図19参照)を選択する(S97)。そして、CPU56は、ランダム4を抽出し、S97により選択されたテーブルを用いて、抽出したランダム4から、変動パターンを決定する(S98)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)をセットする(S99)。これにより、変動パターンコマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、変動表示を開始する特別図柄に応じて、第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドをセットする(S99a)。具体的に、S99aでは、特別図柄ポインタで指定された方の特別図柄に対応する図柄変動指定コマンドをセットする。これにより、変動パターンコマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドが送信された後の送信タイミングで送信される。なお、前述のように、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めることにより、S99aを設けず、第1図柄変動指定コマンドおよび第2図柄変動指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
そして、特別図柄ポインタで指定された方の特別図柄の変動を開始する(S100)。また、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S101)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S102)。
図31は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種別、小当り、はずれの情報に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図20参照)を送信するための制御を行なう。
表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。
大当りフラグがセットされている場合には、大当りの種別に応じた表示結果指定コマンドをセットする(S111)。具体的に、大当りの種別が確変大当りであるときには、確変大当りを示す表示結果3指定コマンドを送信する処理を行なう。一方、大当りの種別が確変大当りでなく、突確大当りであるときには、突確大当りであることを示す表示結果4指定コマンドを送信する処理を行なう。大当りの種別が確変大当りでも突確大当りでもないときには、通常大当りを示す表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう。これにより、大当りの種別に応じた表示結果指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
S110において、大当りフラグがセットされていない場合には、S116に移行し、小当りフラグがセットされているか否か確認する。CPU56は、S116の処理で小当りフラグがセットされていることを確認したときには、表示結果5指定コマンドをセットする(S117)。小当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドをセットする(S118)。これにより、セットされた小当りまたははずれを指定する表示結果指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを送信する(S119)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果指定コマンドをRAM55における演出図柄種類格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S120)。
図32は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図33は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドをセットする(S135)。これにより、大当り開始指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突確大当りである場合には小当り/突確開始指定コマンドを送信する。そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであるか否かは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、大当り種別に応じた開放態様をセットする(S137)。開放態様としては、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、通常大当りおよび確変大当り(15ラウンド大当り)の場合には15回。突確大当り(2ラウンド大当り)の場合には2回。)をセットする(S137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S138)。
S139では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S140)。そして、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認し(S141)、時短回数カウンタの値が0になった場合には、時短フラグをリセットする(S142)。そして、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認し(S142A)、確変フラグがセットされていないときは、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する通常状態指定コマンドをセットする(S143)。これにより、通常状態指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。一方、確変フラグがセットされているときは、通常状態指定コマンドをセットしない。
また、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S144)。小当りフラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する小当り/突確開始指定コマンドをセットする(S145)。これにより、小当り/突確開始指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、大入賞口制御タイマに、小当り表示時間(小当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S146)。以降、小当り開始前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放開始される。
また、小当りに応じた開放態様をセットする(S147)。小当りに応じた開放態様としては、開放回数が2回、1回開放時間が0.5秒であることを特定するためのデータがセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新する(S148)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S149)。
図34は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、開放回数カウンタの値を−1する(S405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値を設定する(S406)。たとえば、15ラウンド大当りの場合には最大時間は29秒であり、突確大当りの場合には最大時間は0.5秒である。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップ大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S415)。
図35および図36は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(S440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。なお、インターバル期間は、たとえば5秒である。突確大当りのときは15R大当りより短い期間としてもよい。
開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータであるときに、大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S442,S447)。なお、S442で確変大当りであるか否かは、具体的には、S74でRAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータが確変大当りを示す値(本例では「02」)であるか否かを確認することにより判定できる。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S449)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新する(S450)。
CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータでなく、突確大当りを示すデータである場合には、小当り/突確終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S443,S444)。なお、S443で突確大当りであるか否かは、具体的には、S74でRAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータが突確大当りを示す値(本例では「03」)であるか否かを確認することにより判定できる。大当り種別を示すデータが突確大当りを示すデータでもないときには、大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S445)。そして、S449に移行する。
図37は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了時間が設定された大入賞口制御タイマの値を1減算する(S154)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否(大当り終了時間が経過したか否か)確認する(S155)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば、大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであったか否か確認する(S158)。
大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであった場合には、確変フラグをセットし(S159)、遊技状態を確変状態に移行させる。そして、大当りの種別が突確大当りであるか否か確認する(S160)。大当りの種別が突確大当りであるときには、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S164)、処理を終了する。一方、大当りの種別が突確大当りでないとき(確変大当りであるとき)には、S161に移行する。また、S158において大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りでなかった場合(通常大当りである場合)には、S161に移行する。
S161では、時短フラグをセットする(S161)。そして、時短回数カウンタにたとえば100をセットする(S162)。これにより、確変大当りおよび通常大当りのような15ラウンドの大当り遊技状態の終了後には、時短状態に制御されることとなる。一方、突確大当りのときには、前述のように時短フラグをセットせずに特別図柄通常処理に移行する(S160から直接S164に進む)ことにより、突確大当りの大当り遊技状態の終了後には、時短状態に制御されない。そして、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行なう(S163)。これにより、時短状態指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S164)、処理を終了する。
なお、大当り終了判定において、確変大当りのときには時短回数カウンタに0をセットする一方、通常大当りのときは時短回数カウンタに100をセットし、時短回数カウンタに100がセットされた通常大当り後のときだけ時短回数を変動表示ごとに減算更新し、その減算更新により時短回数カウンタが0になったとき(確変フラグがセットされている状態で時短カウンタが0になったとき)に時短フラグをリセットするようにしてもよい。
また、取り扱うタイマやフラグは異なるものの、S308の小当り開放前処理はS305の大当り開放前処理と同様の処理であり、S309の小当り開放中処理はS306のラウンド中処理と同様の処理であり、S310の小当り終了処理はS307の大当り終了処理と同様の処理である。ただし、小当り終了処理においては、大当り終了処理の場合と異なり、確変フラグおよび時短フラグのセットは行なわれない。したがって、小当りのときには、確変フラグおよび時短フラグのセット/リセットは行なわれない。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(S27)について説明する。図38は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(S911)、ゲートスイッチ通過処理(S912)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてS900〜S903に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(S912):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム5)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行なう。
普通図柄通常処理(S900):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(たとえば普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことに基づく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。普通図柄通常処理においては、特別遊技状態としての時短状態であるときに、時短状態以外の通常遊技状態よりも、普通図柄の当りと判定する判定値を増加させる設定が行なわれる。これにより、時短状態においては、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。さらに、普通図柄通常処理においては、時短状態であるときに、時短状態以外の通常遊技状態よりも、普通図柄の変動時間を短縮する設定が行なわれる。これにより、時短状態においては、普通図柄表示器10における変動時間が短縮される。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S901)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(S901):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S902)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(S902):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S900)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が時短状態のような特別遊技状態であるか否かを確認し、特別遊技状態であれば、特別遊技状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターン(2秒×2回開放)を選択し、特別遊技状態以外の通常遊技状態であれば、通常遊技状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターン(1秒×1回開放)を選択し、選択した開放パターンを設定する。具体的には、特別遊技状態のときには、通常遊技状態のときよりも、可変入賞球装置15の開放時間が長く、かつ、開放回数が多い開放パターンが設定される。これにより、特別遊技状態においては、通常遊技状態よりも可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが時短状態でないときよりも高められる(多くされる)。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S903)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(S903):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行なう(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S900)を示す値(具体的には「0」)に更新する。また、普通電動役物入賞カウント処理において、カウントした入賞個数がたとえば8個のような予め定められた上限個数となったときには、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトする前であっても、普通電動役物作動処理が終了され、可変入賞球装置15の開放状態が終了させられる。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図39は、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、8ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、S704〜S710の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等をするコマンド解析処理を行なう(S704)。次に、受信した演出制御コマンドに基づいて、保留記憶データの内容を特定可能な情報をRAMに設けられた第1,第2当り判定結果記憶バッファおよび第1,第2変動種別記憶バッファに記憶させるとともに、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶処理を実行する(S705)。また、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S707)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S708)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。さらに、演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタ(図22のSR1−1〜SR3のランダムカウンタ)のカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S709)。その後、S702に移行する。なお、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とについては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図40、図41および図42は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。図43は、第1当り判定結果記憶バッファ、第1変動種別記憶バッファ、第2当り判定結果記憶バッファ、第2変動種別記憶バッファの構成を示す図である。
主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
図40を参照して、コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに形成されているコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
コマンド受信バッファとして、たとえば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、コマンド受信バッファに保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドが、予め定められたコマンドのうち、どのコマンド(図20参照)であるのか解析する。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのいずれか)を、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確開始指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU101は、小当り/突確開始指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S629)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)。そして、停電復旧フラグをセットする(S635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、対応するフラグとして、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確終了指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、小当り/突確終了指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S648)。
ここで、図43を参照して、第1当り判定結果記憶バッファ、第1変動種別記憶バッファ、第2当り判定結果記憶バッファ、および、第2変動種別記憶バッファについて説明する。図43においては、(A)に第1当り判定結果記憶バッファと第1変動種別記憶バッファとが示され、(B)に第2当り判定結果記憶バッファと第2変動種別記憶バッファとが示されている。
図43に示すように、第1当り判定結果記憶バッファは、第1特別図柄に対応する第1始動入賞指定コマンドが指定する当り判定の先読み判定結果に対応するデータ(「はずれ」、「確変大当り」、「通常大当り」、「突確大当り」、「小当り」のいずれかを特定するデータ)をコマンドの受信した順番、すなわち、始動入賞順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。第1変動種別記憶バッファは、第1当り判定結果記憶バッファに対応して設けられ、第1始動入賞時変動種別指定コマンドが指定する変動パターン種別の先読み判定結果に対応するデータ(図21に示す数値範囲のいずれかを特定するデータ)をコマンドの受信した順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。図43において、第1変動種別記憶バッファと第1当り判定結果記憶バッファとの間の矢印は、これらバッファ間での記憶領域の対応関係を示すものである。
また、図43に示すように、第2当り判定結果記憶バッファは、第2特別図柄に対応する第2始動入賞指定コマンドが指定する当り判定の先読み判定結果に対応するデータ(「はずれ」、「確変大当り」、「通常大当り」、「突確大当り」、「小当り」のいずれかを特定するデータ)を受信した順番、すなわち、始動入賞順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。第2変動種別記憶バッファは、第2当り判定結果記憶バッファに対応して設けられ、第2始動入賞時変動種別指定コマンドが指定する変動パターン種別の先読み判定結果に対応するデータ(図21に示す数値範囲のいずれかを特定するデータ)を受信した順番にしたがって記憶する複数(保留記憶上限数に対応する数)の記憶領域を有するバッファである。図43において、第2変動種別記憶バッファと第2当り判定結果記憶バッファとの間の矢印は、これらバッファ間での記憶領域の対応関係を示すものである。
これら第1当り判定結果記憶バッファ、第1変動種別記憶バッファ、第2当り判定結果記憶バッファ、および、第2変動種別記憶バッファのそれぞれにおいては、コマンドを受信した順番にしたがって、図中の「1」、「2」、「3」、「4」の領域の順番でデータが記憶されていき、保留記憶数減算指定コマンドを受信するごとに、古いデータ(「1」の領域のデータ)から順番に削除され、かつ、残りのデータが領域を1つずつ、古いデータを記憶する領域側にシフトするようにデータが管理される。これにより、第1変動種別記憶バッファおよび第2当り判定結果記憶バッファにおいては、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶されたデータに対応した保留記憶データが記憶される。
図41を参照して、受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドであれば(S649)、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。第1始動入賞指定コマンドを受信したときには、RAMに設けられた第1当り判定結果記憶バッファに、受信した第1始動入賞指定コマンドに対応したデータを記憶する(S650)。また、第2始動入賞指定コマンドを受信したときには、RAMに設けられた第2当り判定結果記憶バッファに、受信した第2始動入賞指定コマンドに対応したデータを記憶する(S650)。そして、未処理数カウンタを1加算する(S650A)。後述するように、未処理数カウンタの値に基づき、保留記憶数が加算表示される。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞時変動種別指定コマンドまたは第2始動入賞時変動種別指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。第1始動入賞時変動種別指定コマンドを受信したときには、RAMに設けられた第1変動種別記憶バッファに、受信した第1始動入賞時変動種別指定コマンドに対応したデータを記憶する(S652)。また、第2始動入賞時変動種別指定コマンドを受信したときには、RAMに設けられた第2変動種別記憶バッファに、受信した第2始動入賞時変動種別指定コマンドに対応したデータを記憶する(S652)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数減算指定コマンド(図21のC300)である場合には(S653)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示を減算更新させるための保留減算カウンタを1加算する処理を行なう(S654)。この保留減算カウンタの値に基づき、後述するように保留記憶表示が減算表示される。
受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(S655)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(S656)。受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(S657)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされていれば、時短状態フラグをリセットする(S658)。これは、時短状態が終了し通常状態に移行するときにおいては、時短状態であることに対応して、S656により時短フラグがセットされているからである。
S655〜S658の処理が行なわれることにより、通常状態指定コマンド、および、時短状態指定コマンドを受信することに基づき、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常状態と時短状態とのいずれの状態にあるかを演出制御用マイクロコンピュータ100において認識することができる。具体的に、遊技状態が通常状態であるときには、時短状態フラグがセットされていない状態となる。また、遊技状態が時短状態であるときには、時短状態フラグがセットされている状態となる。これにより、時短状態フラグの状態を確認することにより、遊技状態が通常状態、および、時短状態のいずれの状態にあるかを演出制御用マイクロコンピュータ100において認識することが可能である。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに対応する処理を実行し(S659)、S611に移行する。対応する処理とは、たとえば、受信したコマンドに対応するフラグ等のデータをセットする処理である。
図44は、S705の保留記憶処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、未処理数カウンタが「1」以上であるか否か判定する(S591)。この未処理数カウンタは、始動入賞指定コマンドを受信する度にS650Aで「1」加算され、後述するS593で「1」減算されるものである。
未処理数カウンタが「1」以上である場合には、図9(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示を加算更新する処理を行なう(S592)。具体的に、S650Aにより未処理数カウンタが1加算されたときに第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞時変動種別指定コマンドとのどちらのコマンドの受信に基づく未処理数カウンタの値であるかを示すデータをRAMの所定領域に記憶しておく。そして、S592で保留記憶表示を加算更新するときに、当該データに基づいて、第1始動入賞指定コマンドの受信に基づく未処理数カウンタの値であるときには、赤色の第1保留記憶の表示数を加算更新し、第2始動入賞指定コマンドの受信に基づく未処理数カウンタの値であるときには、黄色の第2保留記憶の表示数を加算更新する。そして、未処理数カウンタを、「1」減算し(S593)、S591に移行する。これにより、未処理数カウンタが「1」以上のときは、未処理数カウンタが「0」になるまで、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示が加算更新される。
一方、未処理数カウンタが「1」以上でない場合(「0」である場合)に、演出制御用CPU101は、保留減算カウンタが「1」以上であるか否かの判断を行なう(S594)。この保留減算カウンタは、保留記憶数減算指定コマンドが送信されてきたことによりS654により「1」加算されるものである。保留減算カウンタが「1」以上である場合は、演出制御用CPU101は、第2当り判定結果記憶バッファにデータが記憶されているかどうかを判断する(S595)。
第2当り判定結果記憶バッファにデータが記憶されているときに、演出制御用CPU101は、第2保留記憶データが第1保留記憶データよりも優先して変動表示に用いられるので、保留記憶数減算指定コマンドに応じて削除する保留記憶データが第2保留記憶データであると判断する。したがって、第2当り判定結果記憶バッファにデータが記憶されているときには、第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別記憶バッファのそれぞれで、「1」のデータを消去し、記憶バッファ内のデータ内容を前述のようにシフトする(S596)。
第2当り判定結果記憶バッファにデータが記憶されていないときに、演出制御用CPU101は、第1保留記憶データが変動表示に用いられるので、保留記憶数減算指定コマンドに応じて削除する保留記憶データが第1保留記憶データであると判断する。したがって、第2当り判定結果記憶バッファにデータが記憶されていないときには、第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別記憶バッファのそれぞれで、「1」のデータを消去し、記憶バッファ内のデータ内容を前述のようにシフトする(S597)。
S596またはS597によりデータを削除したときには、図9(D)に示すように、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示を減算更新する処理を行なう(S598)。具体的に、S598では、S596によりデータを削除したときには、黄色の第2保留記憶の表示数を減算更新し、S597によりデータを削除したときには、赤色の第1保留記憶の表示数を減算更新する。そして、保留減算カウンタを、「1」減算し(S599)、S594に移行する。これにより、保留減算カウンタが「1」以上のときは、保留減算カウンタが「0」になるまで、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示が減算更新される。保留減算カウンタが「1」以上でない場合は、処理を終了する。
図45は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の変動表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図45に示すように、所定時間(たとえば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図45(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図45(B)参照)。
図46は、図39に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットし、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図47は、図46に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S501)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、当り(大当り、小当り)とするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、リーチとならない非リーチ変動パターン(通常変動の変動パターン)に対応したコマンド(通常変動の変動パターンを示す変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する(S502)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S504)、S507へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S503の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然、大当り図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ、通常大当り図柄の組合せ、突確大当り図柄の組合せ(この実施形態では小当り図柄の組合せと同じ))、または、小当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然、リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S502の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S505)、S507へ進む。S505の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然、大当り図柄の組合せ、突確大当り図柄の組合せ(小当り図柄の組合せも同様)、または、小当り図柄の組合せとなってしまうときには、チャンス目以外のはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
はずれとすることに決定されていない場合に(S501)、演出制御用CPU101は、大当りおよび小当りを含む当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S503)、S507へ進む。
S503では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りの種別を判定するとともに、小当りであることを判定する。
確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、確変大当り図柄決定用テーブルを用いて、確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せ)を選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の確変大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、演出制御用CPU101は、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、通常大当り図柄決定用テーブルを用いて、通常大当り図柄の組合(たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄のゾロ目の組合せ)を選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の通常大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、演出制御用CPU101は、突確大当りにすることに決定されていると判定したときには、突確図柄決定用テーブルを用いて、突確大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「6,4,6」または「4,6,4」というようなチャンス目の組合せ)を選択決定する。突確図柄決定用テーブルは、複数種類の突確図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。突確大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、突確図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、突確図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
なお、突確大当り図柄の組合せとして、本実施の形態では、リーチとなる特定の図柄の組合せを一例として説明したが、これに限らず、突確大当り図柄の組合せとしては、左,中,右が「1,2,3」、「1,3,2」というようなリーチとならないチャンス目の組合せで構成されてもよい。また、突確大当り図柄の組合せとしては、リーチとなる図柄の組合せと、リーチとならない図柄の組合せとを含んで構成されてもよい。
また、演出制御用CPU101は、小当りにすることに決定されていると判定したときには、小当り図柄決定用テーブルを用いて、小当り大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「6,4,6」または「4,6,4」というようなチャンス目の組合せ)を選択決定する。小当り図柄決定用テーブルは、複数種類の小当り図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。小当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、小当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、小当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。なお、小当り図柄決定テーブルにおける複数種類のチャンス目は、すべてが突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と同じものであってもよく、一部が突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と同じものであってもよい。また、小当り図柄決定テーブルにおける複数種類のチャンス目は、すべてが突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と異なるが類似していて見分けがつきにくものであってもよい。
次に、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示を予告対象とした先読み予告を行なうための第1予告演出制御状態が中断されていることを示す先読み予告中断フラグがセットされているか否かを判定する(S507)。
先読み予告中断フラグがセットされていないときには、第1特別図柄を予告対象として予告演出をする第1予告演出を実行するための第1予告演出制御状態であることを示す第1予告演出フラグ、または、第2特別図柄を予告対象として予告演出をする第2予告演出を実行するための第2予告演出制御状態であることを示す第2予告演出フラグがセットされているか否かを判定する(S508)。第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグのいずれもセットされていないときには、先読み予告を実行するか否かの判定、および、先読み予告の演出内容を決定する先読み予告演出決定処理を実行し(S509)、S517に移行する。先読み予告演出決定処理の処理内容については、図49を用いて後述する。
一方、第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグのいずかがセットされているときには、第1予告演出フラグがセットされているか否かを判定する(S510)。第1予告演出フラグがセットされていないとき、すなわち、第2予告演出フラグがセットされているときには、S517に移行する。第1予告演出フラグがセットされているときには、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S511)。S511では、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているかを判定することにより、変動表示する図柄が第2特別図柄であるか否かを判定する。第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていないときには、S517に移行する。
第2特別図柄は、第1特別図柄よりも優先して変動表示が行なわれる。したがって、第1特別図柄を予告対象とした先読み予告を実行するための第1予告演出制御状態の期間中において、第2特別図柄の変動表示が実行されるときには、当該第1予告演出制御状態を中断または終了させるための処理をS512による先読み予告中断処理において行なう。したがって、S511で第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていると判定したときには、先読み予告中断処理を行なう(S512)。先読み予告中断処理の具体的な処理内容については、図52を用いて後述する。S510とS511とでは、このような先読み予告中断処理を実行するための条件が成立しているか否かを判定しているのである。
先読み予告中断処理(S512)においては、先読み予告を中断するために、先読み予告回数、先読み予告開始フラグ等の先読み予告内容のデータをRAMの作業領域からRAMの特定領域に退避記憶するか、または、これらデータをリセットする。具体的に、S511で第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていると判定した第2特別図柄の変動表示の表示結果がはずれ表示結果となるときには、前述のようなデータの退避を行ない、先読み予告中断フラグをセットする。一方、S511で第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていると判定した第2特別図柄の変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、前述のようなデータのリセットを行ない先読み予告中断フラグをセットしない。先読み予告中断処理の後、S517に移行する。
また、前述のS507において、先読み予告中断フラグがセットされていると判定したときには、第1特別図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S513)。この判定がされる状況は、第1特別図柄を対象とした先読み予告を行なうための第1予告演出制御状態中においてはずれとなる第2特別図柄の変動表示が優先して実行されることに基づいて当該先読み予告が中断されて当該変動表示が実行された後、新たな変動表示が実行される状況である。
第1特別図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていないときには、新たに第2特別図柄の変動表示が実行されるときであり、中断していた第1予告演出制御状態を再開できないので、S517に移行する。一方、第1特別図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているときには、新たに第1特別図柄の変動表示が実行されるときであり、中断していた第1予告演出制御状態を再開できるので、先読み予告中断処理により第1予告演出制御状態を中断するために特定領域に退避記憶していた先読み予告回数、先読み予告開始フラグ等の先読み予告内容のそれぞれデータをRAMの作業領域にセットする(復帰させる)。そして、第1予告演出フラグをセットし(S515)、先読み予告中断フラグをリセットする(S516)。これにより、中断していた先読み予告が再開されることとなる。そして、S517に移行する。
また、S517では、第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグがセットされているか否かを判定する(S517)。第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグのいずれもセットされていないときには、S520に移行する。一方、第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグのいずれかがセットされているときには、先読み予告を開始するとき(実行するとき)にS519でセットするフラグである先読み予告開始フラグがセットされているか否かを判定する(S517A)。先読み予告開始フラグがセットされているときには、S520に移行する。一方、先読み予告開始フラグがセットされていないときには、先読み予告回数カウンタの値が1となっている否かを判定する(S518)。先読み回数予告カウンタは、先読み予告を行なう変動表示の回を特定するために用いられるカウンタである。先読み回数予告カウンタは、第1予告演出制御状態が開始された後、先読み予告の予告対象の保留記憶データに基づく変動表示が実行される前に実行される変動表示の回数を減算更新する計数手段であり、変動表示が実行されるごとに、演出図柄停止処理において1回ずつ減算更新される。
S518で先読み予告回数カウンタの値が「1」となっていないときには、S520に移行する。一方、S518で先読み予告回数カウンタの値が「1」となっているときには、先読み予告を開始するときにセットするフラグである先読み予告開始フラグをセットし(S519)、S520に移行する。つまり、S518では、先読み予告演出決定処理(S509)において先読み予告を実行する決定をしたときに、予告対象の保留記憶データに基づく変動表示が実行される1回前の変動時において先読み予告が実行されるように、先読み予告の予告対象の保留記憶データに基づく変動表示が実行されるまでに実行される変動表示の回数が1回になった時点(予告対象の変動表示の前に行なわれる変動表示が1回となった時点)で、先読み予告の実行開始を許容する処理が行なわれるのである。
S520において、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンうちのいずれかに決定する(S520)。S520において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンにより指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを変動表示の演出として使用する演出制御パターンとして選択決定する。たとえば、変動表示において前述のような操作演出を実行する変動パターンであるときには、指定された操作演出動作を行なう演出制御パターンを実行するためのデータを決定してセットする(たとえば、単発操作演出を実行する変動パターンであるときには単発操作演出の演出制御パターンのデータをセットし、タイミング操作演出を実行する変動パターンであるときにはタイミング操作演出の演出制御パターンのデータをセットし、連打操作演出を実行する変動パターンであるときには連打操作演出の演出制御パターンのデータをセットする)。さらに、S520においては、先読み予告開始フラグがセットされているときは、S509の処理で決定した先読み予告の演出内容等により指定された先読み予告演出を含む演出制御パターンを、変動表示の演出として使用する演出制御パターンとして選択決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、操作演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、S520で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S521)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S522)。
演出制御用CPU101は、S519の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78,84)の制御を開始する(S524)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78を動作させるための駆動信号を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S525)。変動時間タイマは、演出図柄の変動を開始してから最終停止図柄を停止表示するまでの変動時間を計測するためのタイマである。演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S526)。
次に、先読み予告の実行条件について説明する。図48は、先読み予告が実行可能な例を示す図である。図48においては、(A)に第1特別図柄に関する先読み予告の実行可能例が示され、(B)に第2特別図柄に関する先読み予告の実行可能例が示されている。
本実施の形態において、先読み予告は、遊技状態に応じて、第1特別図柄に対応する第1保留記憶と、第2特別図柄に対応する第2保留記憶とのどちらかを対象として所定の予告判定範囲内の保留記憶の内容を先読みすることに基づいて行なわれる。第1保留記憶の保留記憶内容は、第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別記憶バッファの記憶情報を先読みすることに基づいて確認される。また、第2保留記憶の保留記憶内容は、第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別記憶バッファの記憶情報を先読みすることに基づいて確認される。
本実施の形態において、先読み予告は、保留記憶の先読みを行なったときに、データを抽出した予告判定範囲の保留記憶の中に1つでも、予告対象としての操作演出を行なうための保留記憶(操作演出保留記憶)、すなわち、スーパー1〜3のいずれかの変動パターン種別(確変大当り、通常大当り、突確大当り、小当り、または、はずれを含む)に該当する保留記憶があり、さらに、当該操作演出保留記憶の1つ前に、先読み予告を実行する保留記憶(先読み予告実行対象)、すなわち、「通常」(非リーチはずれ)の変動パターン種別となる保留記憶があり、かつ、当該先読み予告実行対象について所定確率の予告実行判定により、予告を実行する判定がされたことを条件として実行される。なお、先読み予告を実行する判定の対象として、「通常」(非リーチはずれ)の変動パターン種別となる保留記憶に限定されず、これに加えて、操作演出保留記憶の1つ前に、リーチはずれの変動パターン種別となる保留記憶についても判定対象に加えてもよい。
具体的に、図48に示すように、保留記憶の先読みを行なうときのデータを抽出する予告判定範囲は、第1保留記憶のすべて(最大4個)の保留記憶情報または第2保留記憶のすべて(最大4個)の保留記憶情報である。第1保留記憶の予告判定範囲は、第1当り判定結果記憶バッファおよび第1変動種別記憶バッファのすべての記憶情報である。第2保留記憶の予告判定範囲は、第2当り判定結果記憶バッファおよび第2変動種別記憶バッファのすべての記憶情報である。
そして、図48(A),(B)に示すように、予告判定範囲の保留記憶の中に1つでも操作演出の実行対象となる操作演出保留記憶があれば、表示結果(確変大当り、通常大当り、突確大当り、小当り、はずれ)にかかわらず、当該保留記憶を予告対象として特定する。
そして、図48(A)に示すように、予告判定範囲内において予告対象の操作演出保留記憶の1つ前に、「通常」(非リーチはずれ)の変動パターン種別となる先読み予告実行対象の保留記憶があるときには、当該予告対象について予告実行判定をする条件が成立する。そして、予告実行判定をする条件が成立した予告対象について、表示結果が、大当り表示結果と、小当り表示結果と、はずれ表示結果との表示結果の種別に応じて異なる割合で予告を実行するか否かの判定が行なわれる。大当り表示結果の場合は、大当り種別によっても、予告を実行するか否かの判定割合が異なる。このように、図48(A)のような予告対象が大当りとなるときであっても、図48(B)のような予告対象がはずれとなるときであっても、操作演出保留記憶がある場合には、先読み予告が実行可能となる。
図49および図50は、演出図柄変動開始処理における先読み予告演出決定処理(S509)を示すフローチャートである。図51は、先読み予告実行判定テーブルを示す図である。以下、図49〜図51を用いて、先読み予告演出決定処理を説明する。
演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否かに基づいて高ベース中であるか否かを判定する(S550)。S550について、時短状態フラグがセットされていれば高ベース中であると判定され、時短状態フラグがセットされていなければ高ベース中ではないと判定される。
高ベース中ではないと判定されたときは、第1当り判定結果記憶バッファに記憶されている全保留記憶のデータをRAMの所定領域に抽出する(S551A)。そして、第1変動種別記憶バッファに記憶されている全保留記憶のデータをRAMの所定領域に抽出する(S551B)。一方、高ベース中であると判定されたときは、第2当り判定結果記憶バッファに記憶されている全保留記憶のデータをRAMの所定領域に抽出する(S551C)。そして、第2変動種別記憶バッファに記憶されている全保留記憶のデータをRAMの所定領域に抽出する(S551D)。
このように抽出されたデータが先読み予告を実行するか否かを判定するために用いられる。したがって、低ベース状態(通常状態)においては第1特別図柄のみが先読み予告の予告対象とされ、高ベース状態(時短状態)においては第2特別図柄のみが先読み予告の予告対象とされる。
次に、S551BまたはS551Dにより第1変動種別記憶バッファまたは第2変動種別記憶バッファから抽出したデータ(保留記憶のデータ)に基づき、保留記憶の中に1つでも、予告対象としての操作演出保留記憶、すなわち、スーパー1〜3のいずれかの変動パターン種別(確変大当り、通常大当り、突確大当り、小当り、または、はずれを含む)に該当する保留記憶があるか否かを判定する(S552)。
保留記憶の中に1つでも操作演出保留記憶がないと判定したときには、処理を終了する。一方、保留記憶の中に1つでも操作演出保留記憶があると判定したときには、S551BまたはS551Dにより第1変動種別記憶バッファまたは第2変動種別記憶バッファから抽出したデータ(保留記憶のデータ)に基づき、当該操作演出保留記憶の1つ前に、「通常」(非リーチはずれ)の変動パターン種別となる保留記憶(先読み予告実行対象)があるか否かを判定する(S554)。操作演出保留記憶の1つ前に「通常」(非リーチはずれ)の変動パターン種別となる保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、操作演出保留記憶の1つ前に「通常」(非リーチはずれ)の変動パターン種別となる保留記憶があるときは、当該操作演出保留記憶を先読み予告の予告対象に決定する(S555)。
次に、予告対象について予告実行判定をするために、前述のように当り判定結果記憶バッファから抽出された保留記憶のデータに基づいて、予告対象の保留記憶に対応する当り判定結果(大当り、小当り、または、はずれ)を特定する(S556)。
次に、S556により特定された当り判定結果の情報に基づいて、予告対象が大当りとなるか否かを判定する(S557)。予告対象が大当りとなると判定したときは、前述のように当り判定結果記憶バッファから抽出された保留記憶のデータに基づいて、予告対象の大当り種別(確変大当り、通常大当り、または、突確大当り)を特定する(S558)。そして、先読み予告実行判定用のSR3の数値データを抽出し、S558で特定した大当り種別に対応する先読み予告実行判定テーブルに基づいて、先読み予告を実行するか否かを判定し(S559)、S564に進む。
ここで、図51を参照して、先読み予告実行判定テーブルについて説明する。先読み予告実行判定テーブルは、先読み予告を実行するか否かを判定するために用いるデータテーブルであり、先読み予告実行判定用のSR3(1〜100)が、先読み予告あり(先読み予告を実行する)と、先読み予告なし(先読み予告を実行しない)との判定結果に割振られている。先読み予告実行判定テーブルでは、SR3の抽出値に基づいて、先読み予告を実行するか否かを判定する。
先読み予告実行判定テーブルは、(A)の確変大当り時先読み予告実行判定テーブル、(B)の通常大当り時先読み予告実行判定テーブル、(C)の突確大当り時先読み予告実行判定テーブル、(D)の小当り時先読み予告実行判定テーブル、および、(E)のはずれ時先読み予告実行判定テーブルに示すように、予告対象の先読み判定結果別(表示結果別)に設けられている。
(A)の確変大当り時先読み予告実行判定テーブルは、予告対象が確変大当りとなるときに用いられる。(B)の通常大当り時先読み予告実行判定テーブルは、予告対象が通常大当りとなるときに用いられる。(C)の突確大当り時先読み予告実行判定テーブルは、予告対象が突確大当りとなるときに用いられる。(D)の小当り時先読み予告実行判定テーブルは、予告対象が小当りとなるときに用いられる。(E)のはずれ時先読み予告実行判定テーブルは、予告対象がはずれとなるとき(はずれのスーパーリーチ)に用いられる。
(A)〜(E)の先読み予告実行判定テーブルでは、先読み予告ありと先読み予告なしとについてのSR3のデータの割振りから明らかなように、SR3の抽出値に基づいて先読み予告を実行する決定がされる割合が、確変大当り時先読み予告実行判定テーブル>通常大当り時先読み予告実行判定テーブル>突確大当り時先読み予告実行判定テーブル>小当り時先読み予告実行判定テーブル>はずれ先読み予告実行判定テーブルという大小関係となるように設定されている。したがって、予告対象が確変大当りとなるときには、先読み予告が実行される割合が最も高いので、先読み予告が実行されたときに、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。また、確変大当りおよび通常大当りのような15R大当りとなるときの方が突確大当りのような2R大当りとなるときよりも先読み予告が実行される割合が高いので、先読み予告が実行されたときに、遊技者の15R大当りへの期待感を高めることができる。また、確変大当り、通常大当り、および、突確大当りのような大当りとなるときの方が小当りまたははずれとなるときよりも先読み予告が実行される割合が高いので、先読み予告が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
次に、図49を参照して、前述したS559では、S558で特定した大当り種別が確変大当りであるときには、図51(A)の確変大当り時先読み予告実行判定テーブルを用いて先読み予告の実行判定をする。また、S558で特定した大当り種別が通常大当りであるときには、図51(B)の通常大当り時先読み予告実行判定テーブルを用いて先読み予告の実行判定をする。また、S558で特定した大当り種別が突確大当りであるときには、図51(C)の突確大当り時先読み予告実行判定テーブルを用いて先読み予告の実行判定をする。
また、前述のS557により予告対象が大当りとならないと判定したときは、S556に基づいて特定された当り判定結果の情報に基づいて、予告対象が小当りとなるか否かを判定する(S560)。予告対象が小当りとなると判定したときは、先読み予告実行判定用のSR3の数値データを抽出し、図51(D)の小当り時先読み予告実行判定テーブルを用いて先読み予告の実行判定をし(S561)、S564に進む。
また、前述のS560により予告対象が小当りとならないと判定したときは、消去法的に、はずれとなるときであると判定できるので、先読み予告実行判定用のSR3の数値データを抽出し、図51(E)のはずれ時先読み予告実行判定テーブルを用いて先読み予告の実行判定をし(S563)、S564に進む。
S564では、S559,S561またはS563の先読み予告実行判定により先読み予告を実行する判定がされたか否かを判定する(S564)。先読み予告を実行する判定がされていないときには、処理を終了する。一方、先読み予告を実行する判定がされたときには、先読み予告の予告対象の保留記憶が、実際に先読み予告の対象に決定されることとなるので、予告対象で実行する変動パターン種別に対応する先読み予告演出を、予告対象において実行する操作演出の演出パターン(操作演出パターン)に対応する先読み予告演出として決定する(S570)。この実施の形態の場合、前述のように、操作演出パターンは、変動パターン種別に対応して固定的に設定されている。たとえば、スーパー1の変動パターン種別では、操作演出パターンとして、単発操作演出が設定されている。また、スーパー2の変動パターン種別では、操作演出パターンとして、タイミング操作演出が設定されている。スーパー3の変動パターン種別では、操作演出パターンとして、連打操作演出が設定されている。したがって、S570では、このような対応関係に基づいて、操作演出パターンに対応する先読み予告演出が決定される。
次に、前述のように当り判定結果記憶バッファから抽出したデータまたは変動種別記憶バッファから抽出したデータに基づいて、現在の状態から先読み予告の変動表示となる前に変動表示を実行する保留記憶数を特定し、当該保留記憶数を先読み予告回数カウンタにセットする(S571)。具体的に、全保留記憶数が4個で予告対象が4個目の保留記憶であるときは、現在の状態から先読み予告の変動表示となる前に変動表示を3回実行することが特定されるので、S571においては、先読み予告回数カウンタに「3」をセットし、処理を終了する。そして、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらを対象とした予告演出を実行するかに応じて、第1予告演出フラグ、または、第2予告演出フラグをセットする(S572)。具体的に、S572では、第1特別図柄の保留記憶に基づいて先読み予告を実行することが決定されたときには、第1予告演出を実行するための第1予告演出制御状態であることを示す第1予告演出フラグをセットし、第2特別図柄の保留記憶に基づいて先読み予告を実行することが決定されたときには、第2予告演出を実行するための第2予告演出制御状態であることを示す第2予告演出フラグをセットする。
図52は、演出図柄変動開始処理における先読み予告中断処理(S512)を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドが示す大当りとするか否かの情報に基づいて、これから実行が開始される第2特別図柄の変動表示の表示結果が大当り(確変大当り、通常大当り、突確大当り)となるか否かを判定する(S581)。
第2特別図柄の変動表示の表示結果が大当りとなると判定したときに、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の予告対象に基づいて実行中の先読み予告を終了させるために、先読み予告を実行するためにRAMの作業領域に記憶されている先読み予告回数カウンタ、および、先読み予告開始フラグ等の先読み予告内容に関するデータをリセットし(S582)、S585に移行する。一方、第2特別図柄の変動表示の表示結果が大当りとならないと判定したとき(はずれとなるとき)に、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の予告対象に基づいて実行中の先読み予告を一時的に中断させるために、RAMの作業領域に記憶されている先読み予告回数カウンタ、および、先読み予告開始フラグ等の先読み予告内容に関するデータを、RAMにおいてデータの退避領域として設けられた特定領域に、退避させて記憶し(S583)、S584に移行する。
S584では、第1予告演出制御状態が中断されていることを示すフラグである先読み予告中断フラグをセットする(S584)。そして、S585に移行する。S585では、第1予告演出フラグをリセットし(S585)、処理を終了する。このように、先読み予告中断フラグがセットされ、かつ、第1予告演出フラグがリセットされると、図47の演出図柄変動開始処理においてS507からS513に移行するので、第1図柄指定コマンド受信フラグがセットされるまで、すなわち、新たに第1特別図柄の変動表示が開始されるまで、第1予告演出を実行するための第1予告演出制御状態が中断されることとなる。また、第1予告演出制御状態の中断後に第1図柄指定コマンド受信フラグがセットされると、図47の演出図柄変動開始処理のS514〜S516により、退避していたデータを復帰させる等、中断されていた第1予告演出制御状態を再開させるための処理が行なわれる。一方、先読み予告中断フラグがセットされず、かつ、第1予告演出フラグがリセットされたときには、S507からS513に移行せず、先読み予告に関するデータがリセットされているため、第1予告演出制御状態を再開させるための処理が実行できなくなり、第1予告演出制御状態が終了することとなる。したがって、第1特別図柄を予告対象とした第1予告演出制御状態が実行されているときに、表示結果が大当りとなる第2特別図柄の変動表示が行なわれるときには第1予告演出制御状態が終了させられ、一方、表示結果が大当りとならない第2特別図柄の変動表示が行なわれるときには第1予告演出制御状態が中断された後、再開されることとなる。
ここで、図53および図54を用いてプロセステーブルについて説明する。図53は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ、および、可動部材制御実行データの組合せが複数集まったデータとしてのプロセスデータにより構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。
また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行なう。
プロセステーブルにおいては、たとえば、演出図柄の演出動作ごとに異なるプロセスデータが設定されており、さらに、前述のような予告を行なうか否かおよび予告パターンの演出動作に応じて異なるプロセスデータが設定されている。したがって、たとえば、ある変動パターンに基づく変動表示において予告演出を実行することが決定されたときには、その決定に応じて、当該変動パターンにおいて決定された予告パターンによる予告演出を実行可能なプロセスデータが選択されることとなる。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。また、演出制御用CPU101は、可動部材制御データに設定されている態様で可動部材78、可動部材84、および、振動モータ(図示省略)のそれぞれを制御する。
プロセステーブルにおいては、たとえば、演出図柄の演出動作ごとに異なるプロセスデータが設定されており、さらに、前述のような予告を行なうか否かおよび予告パターンの演出動作に応じて異なるプロセスデータが設定されている。したがって、たとえば、ある変動パターンに基づく変動表示において予告演出を実行することが決定されたことに応じて、当該変動パターンにおいて決定された予告パターンによる予告演出を実行可能なプロセスデータが選択されることとなる。
図53に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。なお、プロセステーブルは、たとえば、前述した図柄変動制御パターンテーブルおよび各種演出制御パターンテーブル等を、より具体的に示したものに相当する。
図54は、プロセステーブルの内容にしたがって実行される演出を説明するための説明図である。演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データにしたがって表示制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データにしたがって、演出表示装置9、LED等の発光体、スピーカ27、可動部材78,84、および、振動モータを制御する処理を繰返すことによって、1回の演出図柄の変動における演出が実現される。なお、変動期間中に制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(たとえば、可動部材制御データ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されている。
図53を参照して、演出制御用CPU101は、S521の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78,84と振動モータ)の制御を開始する(S524)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78,84と振動モータとを動作させるための駆動信号を出力する。
図55は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。
演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S845)。
このように、プロセスタイマを用いて時間管理を行なって、プロセスデータを順次切替えていくことにより、図53および図54に示すような変動表示制御を含む各種演出制御が行なわれる。
次に、S846においては、操作ボタン130の操作に応じて演出をする操作演出処理が行なわれる。ここでは、先に操作演出処理の処理内容を説明した後、演出図柄変動中処理のその他の処理内容を説明する。図56は、演出制御プロセス処理において実行される操作演出処理(S846)を示すフローチャートである。
操作演出処理においては、まず、プロセスデータとして、操作演出を行なうプロセスデータが設定されているか否かを確認することに基づいて、操作演出の設定時であるか否かを判断する(S731)。これにより、操作演出を行なうことが可能な変動表示時であるか否かを確認することができる。操作演出の設定時ではないと判断したときは、操作演出処理を終了する。一方、操作演出の設定時であると判断したときは、現在が操作演出における操作有効期間中であるか否かを確認する(S732)。操作演出の操作有効期間については、変動表示の開始時から第1のタイミング(図柄の導出表示が開始される前の所定タイミング)が経過した時が操作有効期間の開始時として設定され、第1のタイミング後の第2のタイミング(図柄の導出表示が開始される前の所定タイミング)が経過した時が操作有効期間の終了時として設定されている。これにより、操作演出の操作有効期間の開始時および終了時は、変動表示の開始時から計数を開始する変動時間タイマの計時値に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識することができる。したがって、操作演出における操作有効期間中であるか否かは、変動時間タイマの計時値に基づいて判断される。
図9の(I),(J)のようなボタン操作前に行なわれる演出は、図55のS846によるプロセスデータ1の内容にしたがった演出装置の制御により実現される。
操作有効期間中ではないと判断したときは、処理を終了する。一方、操作有効期間中であると判断したときは、プロセスデータとして、単発操作演出を行なうプロセスデータが設定されているか否かを確認することに基づいて、単発操作演出中であるか否かを判断する(S733)。単発操作演出中であると判断したときは、操作ボタン130から入力される操作検出信号のレベルに基づいて、操作ボタン130が操作されたか否かを確認することに基づいて、単発操作が検出されたか否かを判断する(S734)。単発操作が検出されていないと判断したときは、処理を終了する。一方、単発操作が検出されたと判断したときは、検出された操作に応じて、単発操作演出を実行し(S735)、処理を終了する。具体的に、S735では、図9の(K),(L)に示すような大当りまたははずれの表示結果に対応した表示が行なわれる。
また、S733で単発操作演出中ではないと判断したときは、プロセスデータとして、タイミング操作演出を行なうプロセスデータが設定されているか否かを確認することに基づいて、タイミング操作演出中であるか否かを判断する(S736)。タイミング操作演出中であると判断したときは、操作ボタン130から入力される操作検出信号のレベルに基づいて、操作ボタン130が操作されたか否かを確認することに基づいて、タイミング操作が検出されたか否かを判断する(S737)。タイミング操作が検出されていないと判断したときは、処理を終了する。一方、タイミング操作が検出されたと判断したときは、検出された操作に応じて、タイミング操作演出を実行し(S738)、処理を終了する。具体的に、S738では、図10の(L),(M)に示すような大当りまたははずれの表示結果に対応した表示が行なわれる。
S737では、具体的に次のような処理が行なわれる。操作ボタン130によるタイミング操作に応じてタイミング操作演出を実行する操作対応時間として、たとえばタイミング操作演出が開始されてから15秒間等の所定時間が設定されている。表示結果が大当りとなるときには、0〜15秒のうちの8〜10秒というような第1期間中に操作ボタン130が操作されたときには、変動表示中の演出図柄(中図柄)が大当り表示結果となる図柄で停止することを示す演出が行なわれる。一方、0〜15秒のうち第1期間以外の第2期間に操作ボタン130が操作されたときには、変動表示中の演出図柄(中図柄)がはずれ表示結果となる図柄で停止することを示す演出(図10(L)参照)が行なわれて、「残念」というメッセージを表示する(図10(M)参照)ことにより一旦はずれと見せかける演出をした後、キャラクタ909が再登場してはずれ表示結果となった図柄を大当り表示結果となる図柄に変更して停止表示させる演出が行なわれる。なお、表示結果が大当りとなるときには、操作ボタン130がどのようなタイミングで操作されても、一旦はずれと見せかける演出をせずに、大当り表示結果となる図柄を停止表示するようにしてもよい。
また、表示結果がはずれとなるときには、0〜15秒のうちの第1期間中(8〜10秒)に操作ボタン130が操作されたときには、変動表示中の演出図柄(中図柄)がはずれ表示結果となる図柄で停止することを示す図10(L),(M)のような演出が行なわれるが、その際に、前述の第1期間中に操作ボタン130が操作されたときには、変動表示中の演出図柄(中図柄)が、大当り表示結果となる図柄と1図柄(1コマ)違いの図柄(たとえば、767の図柄の組合せのように図柄の配列上で1図柄違い)で停止することを示す演出が行なわれ、一方、0〜15秒のうち第1期間以外の第2期間に操作ボタン130が操作されたときには、操作されたタイミングに応じて、大当り表示結果となる図柄と2図柄(2コマ)以上違いの図柄で停止することを示す演出が行なわれる。このように、表示結果がはずれとなるときには、操作タイミングに応じて、異なるはずれ表示結果となる図柄を停止表示する演出が行なわれる。
また、S736でタイミング操作演出中ではないと判断したときは、消去法的に、連打操作演出中であると判断できるので、操作ボタン130から入力される操作検出信号のレベルに基づいて、操作ボタン130が操作されたか否かを確認することに基づいて、連打操作が検出されたか否かを判断する(S739)。なお、S739では、単に操作ボタン130が1回操作されたことが検出されたときに連打操作が検出されたと判断してもよく、また、所定の単位時間中に予め定められた回数以上の操作ボタン130の操作が検出されたときに連打操作が検出されたと判断してもよい。連打操作が検出されていないと判断したときは、処理を終了する。一方、連打操作が検出されたと判断したときは、検出された操作に応じて、連打操作演出を実行し(S740)、処理を終了する。S740では、図11の(K)〜(M)に示すような大当りまたははずれの表示結果に対応した表示が行なわれる。
S740では、具体的に次のような処理が行なわれる。連打操作演出においては、操作ボタン130による連打操作に応じて連打操作演出を実行する操作対応時間として、たとえば連打操作演出が開始されてから20秒間等の所定時間が設定されている。操作対応時間中において、操作ボタン130による操作が1回行なわれるごとに10人というような所定数の敵を倒していく演出が行なわれる。そして、大当りとなるときには、操作ボタン130が10回というような所定回数操作されたときに、100人目の敵を倒す演出が行なわれ、「達成」というメッセージが表示された後に、大当りの表示結果を導出表示する演出が行なわれる。また、操作対応時間中において、10回というような所定回数の操作がされなかったときには、操作対応時間が終了した時点で「「残念」というメッセージを表示してはずれ表示結果を表示することにより一旦はずれと見せかける演出をした後、キャラクタ912が再登場してはずれ表示結果となった図柄を大当り表示結果となる図柄に変更して停止表示させる演出が行なわれる。なお、表示結果が大当りとなるときには、操作ボタン130が所定回数連打されなくても、一旦はずれと見せかける演出をせずに大当り表示結果となる図柄を停止表示するようにしてもよい。
また、表示結果がはずれとなるときには、操作対応時間中において、操作ボタン130による操作回数がたとえば9回というような制限回数に達するまでは、操作ボタン130による操作が1回行なわれるごとに10人というような所定数の敵を倒していく演出が行なわれる。そして、操作ボタン130による操作回数が制限回数に達すると、それ以上敵を倒す演出が禁止されることにより、操作130を操作しても100人目の敵を倒す演出が行なわれず、操作対応時間が終了した時点で「残念」というメッセージが表示された後、はずれ表示結果を表示する演出が行なわれる。
なお、この実施の形態では、連打操作演出について、操作対応時間中において、操作ボタン130が1回操作されるごとに所定数の敵を倒していく演出を行なう例を示した。しかし、これに限らず、連打操作演出としては、操作ボタン130が予め定められた複数回操作されるごとに所定数の敵を倒していく演出を行なうようにしてもよい。
次に、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値に基づいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S847)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S847でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S849)。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていないときは(S847でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S848)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S848でN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S848でY)、S849に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても(S848でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図57は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S871)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S883に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄の組合せを表示した場合には、S882で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S872〜S882の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S883に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄、突確大当り図柄、または、通常大当り図柄、確変大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したとき、または、変動時間タイマがタイムアップしたことに基づいて演出図柄を停止表示する例を示した。しかし、これに限らず、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したとにのみ演出図柄を停止表示する制御を行なうようにしてもよい。
次に、第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグがセットされているか否かを判定する(S873)。第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグがセットされていないときには、S880に移行する。一方、第1予告演出フラグまたは第2予告演出フラグがセットされているときには、第1特別図柄または第2特別図柄の保留記憶を対象とした第1先読み予告制御状態または第2先読み予告制御状態中であるので、先読み予告回数カウンタを1減算する(S874)。これにより、第1先読み予告制御状態または第2先読み予告制御状態中においては、変動表示が実行されるごとに先読み予告回数カウンタが減算更新されていく。
次に、先読み予告開始フラグがセットされているか否かを判定する(S875)。先読み予告開始フラグがセットされていないときには、S880に移行する。一方、先読み予告開始フラグがセットされているときには、セットされている予告演出フラグをリセットする(S878)。そして、先読み予告開始フラグをリセットする(S879)。このように、先読み予告回数カウンタのカウント値が「0」になったときには、先読み予告開始フラグがリセットされることにより、先読み予告制御が終了させられる。
次に、S872の処理で小当り図柄、突確大当り図柄、通常大当り図柄、または、確変大当り図柄を表示したか否か(すなわち、大当りまたは小当りとなるか否か)を確認する(S880)。S872の処理で小当り図柄、突確大当り図柄、通常大当り図柄、または、確変大当り図柄を表示しなかったと判断した場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S881)、処理を終了する。
一方、S872の処理で小当り図柄、突確大当り図柄、通常大当り図柄、または、確変大当り図柄を停止表示したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S882)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または小当り/突確開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S883)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S884)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S885)。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、S885の処理では、演出制御用CPU101は、当り種別に対応するファンファーレ演出等のプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S886)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78,84、振動モータ)の制御を実行する(S887)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S888)。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560において操作演出を実行する変動パターンとするか否かを指定せず、演出制御用マイクロコンピュータ100において、操作演出を実行する変動パターンとするか否かを決定する例を説明する。
図58および図59は、第2実施形態による先読み予告演出決定処理の一部を示すフローチャートである。図60は、第1操作演出対象判定テーブル〜第3操作演出対象判定テーブルを示す図である。図61は、操作演出パターン決定テーブルを示す図である。以下、図58〜図61を用いて、先読み予告演出決定処理を説明する。
図58においては、第1実施形態において図49および図50に示された先読み予告演出決定処理のうち、図49に示されたS550〜S564と置換えられる処理が示される。図58の処理が図49の処理と異なるのは、S552A〜S552Cの処理である。また、図59においては、第1実施形態において図49および図50に示された先読み予告演出決定処理のうち、図50に示されたS570〜S572と置換えられる処理が示される。図59の処理が図50の処理と異なるのは、S564A〜S570Aの処理である。
第2実施形態の場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、第1始動入賞時変動種別指定コマンドまたは第2始動入賞時変動種別指定コマンドにより、通常、ノーマル、スーパー1、スーパー2、スーパー3という変動パターン種別を指定するが、各変動パターン種別のそれぞれには、操作演出が対応付けられていない。したがって、第2実施形態の場合は、始動入賞時において、スーパー1〜スーパー3のいずれかの変動パターン種別がコマンドにより指定されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ100により、操作演出を実行するか否かの判定をし、操作演出を実行する判定がされたときに、操作演出パターンを判定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、これらの判定結果に基づいて先読み予告を実行するか否かを判定し、先読み予告を実行する判定がされたときに、先読み予告の予告演出を決定する。また、こららの操作演出および先読み予告に関する判定結果のデータは、演出制御用マイクロコンピュータ100がRAMの所定領域に記憶しておき、先読み予告を実行する変動表示が行なわれるときに読出して先読み予告の予告演出を設定するために用い、さらに、操作演出を実行する変動表示が行なわれるときに読出して操作演出の操作演出パターンを設定するために用いる。
図58において、S552Aでは、S551BまたはS551Dにより第1変動種別記憶バッファまたは第2変動種別記憶バッファから抽出したデータ(保留記憶のデータ)に基づき、保留記憶の中に1つでも、スーパー1〜3のいずれかの変動パターン種別(確変大当り、通常大当り、突確大当り、小当り、または、はずれを含む)に該当する保留記憶があるか否かを判定する(S552A)。
保留記憶の中にスーパー1〜3のいずれかの変動パターン種別に該当する保留記憶がないと判定したときには、処理を終了する。一方、保留記憶の中に1つでもスーパー1〜3のいずれかの変動パターン種別に該当する保留記憶があると判定したときには、当該保留記憶について、操作演出を行なう対象とするか否かを判定する(S552B)。S552Bでは、操作演出対象判定用のランダムカウンタSR4の数値データを抽出し、S551BまたはS551Dより抽出した変動パターン種別のデータにより特定される変動パターン種別に対応する操作演出対象判定テーブルに基づいて、先読み予告を実行するか否かを判定する。
ここで、図60を参照して、操作演出対象判定テーブルについて説明する。操作演出対象判定テーブルは、操作演出を実行する対象とするか否かを判定するために用いるデータテーブルであり、操作演出対象判定用のSR4(1〜131)が、操作演出あり(操作演出を実行する)と、操作演出なし(操作演出を実行しない)との判定結果に割振られている。操作演出対象判定テーブルでは、SR4の抽出値に基づいて、操作演出を実行するか否かを判定する。
操作演出対象判定テーブルは、(A)の第1操作演出対象判定テーブル、(B)の第2操作演出対象判定テーブル、および、(C)の第3操作演出対象判定テーブルに示すように、変動パターン種別ごとに設けられている。
(A)の第1操作演出対象判定テーブルは、操作演出対象判定対象が第1スーパーとなるときに用いられる。(B)の第2操作演出対象判定テーブルは、操作演出対象判定対象が第2スーパーとなるときに用いられる。(C)の第3操作演出対象判定テーブルは、操作演出対象判定対象が第3スーパーとなるときに用いられる。第1〜第3操作演出対象判定テーブルでは、第3操作演出対象判定テーブル>第2操作演出対象判定テーブル>第1操作演出対象判定テーブルという大小関係で、操作演出を実行すると判定される割合が異なるように設定されている。これにより、スーパー3>スーパー2>スーパー1という大小関係で、操作演出を実行すると判定される割合が異なるように設定されている。なお、第1〜第3操作演出対象判定テーブルでは、複数種類の操作演出について、大当りとなるときに選択される割合は、同じであってもよい。また、はずれとなるときに、スーパー1>スーパー2>スーパー3という大小関係で操作演出を実行すると判定される割合が異なり、大当りとなるときに、スーパー3>スーパー2>スーパー1という大小関係で操作演出を実行すると判定される割合が異なるように設定し、操作演出を実行する判定をするようにしてもよい。
次に、S552Bにより判定の結果、操作演出対象に決定されたか否かを判断する(S552C)。操作演出対象に決定されたときには、当該操作演出対象の保留記憶を前述の操作演出保留記憶として特定し、前述のようなS554〜S5564を実行する。これにより、図51に示す先読み予告実行判定テーブルを用いて、予告対象の表示表示結果(大当り種別、小当り、はずれ)に応じて先読み予告を実行するか否かが判定される。一方、操作演出対象に決定されなかったときには、処理を終了する。
そして、S564により先読み予告を実行する判定がされたと判断されたときは、S564A〜S569により、図61に示す操作演出パターン決定テーブルと、操作演出パターン決定用のSR5(1〜105)とを用いて、実行する操作演出パターンを決定し、RAMの所定領域に、決定した操作演出パターンを特定するデータを記憶する。ここで、図61を参照して、操作演出パターン決定テーブルについて説明する。操作演出パターン決定テーブルは、操作演出パターンを判定するために用いるデータテーブルであり、操作演出パターン決定用のSR5(1〜105)が、単発操作演出と、タイミング操作演出と、連打操作演出との判定結果に割振られている。操作演出パターン決定テーブルでは、SR5の抽出値に基づいて、操作演出の演出パターンを決定する。
操作演出パターン決定テーブルは、(A)の確変大当り時操作演出パターン決定テーブル、(B)の通常大当り時操作演出パターン決定テーブル、(C)の突確大当り時操作演出パターン決定テーブル、(D)の小当り時操作演出パターン決定テーブル、および、(E)のはずれ時操作演出パターン決定テーブルに示すように、予告対象の先読み判定結果別(表示結果別)に設けられている。
(A)の確変大当り時操作演出パターン決定テーブルは、予告対象が確変大当りとなるときに用いられる。(B)の通常大当り時操作演出パターン決定テーブルは、予告対象が通常大当りとなるときに用いられる。(C)の突確大当り時操作演出パターン決定テーブルは、予告対象が突確大当りとなるときに用いられる。(D)の小当り時操作演出パターン決定テーブルは、予告対象が小当りとなるときに用いられる。(E)のはずれ時操作演出パターン決定テーブルは、予告対象がはずれとなるとき(はずれのスーパーリーチ)に用いられる。
(A)〜(E)の操作演出パターン決定テーブルでは、連打操作演出>タイミング操作演出>単発操作演出という大小関係で、大当りとなるときに選択する割合が異なるように設定されている。なお、複数種類の操作演出について、大当りとなるときに選択される割合は、同じであってもよい。
S564の後に、S556により特定された当り判定結果の情報に基づいて、予告対象が大当りとなるか否かを判定する(S564A)。予告対象が大当りとなると判定したときは、前述のように当り判定結果記憶バッファから抽出された保留記憶のデータに基づいて、予告対象の大当り種別(確変大当り、通常大当り、または、突確大当り)を特定する(S565)。そして、操作演出パターン決定用のSR5の数値データを抽出し、図61に示す操作演出パターン決定テーブルのうち、S565で特定した大当り種別に対応する操作演出パターン決定テーブルに基づいて、実行する操作演出パターンを決定し記憶する(S566)。そして、S570Aに進む。S566では、S565で特定した大当り種別が確変大当りであるときには、図61(A)の確変大当り時操作演出パターン決定テーブルを用いて操作演出パターンを決定する。また、S565で特定した大当り種別が通常大当りであるときには、図61(B)の通常大当り時操作演出パターン決定テーブルを用いて操作演出パターンを決定する。また、S565で特定した大当り種別が突確大当りであるときには、図61(C)の突確大当り時操作演出パターン決定テーブルを用いて操作演出パターンを決定する。
また、前述のS564Aにより予告対象が大当りとならないと判定したときは、S556に基づいて特定された当り判定結果の情報に基づいて、予告対象が小当りとなるか否かを判定する(S567)。予告対象が小当りとなると判定したときは、操作演出パターン決定用のSR5の数値データを抽出し、図61(D)の小当り時操作演出パターン決定テーブルを用いて操作演出パターンを決定し記憶する(S568)。そして、S570Aに進む。
また、前述のS567により予告対象が小当りとならないと判定したときは、消去法的に、はずれとなるときであると判定できるので、操作演出パターン決定用のSR5の数値データを抽出し、図61(E)のはずれ時操作演出パターン決定テーブルを用いて操作演出パターンを決定し記憶する(S569)、そして、S570Aに進む。
S570Aでは、S566,S568,S569のいずれかにより決定された予告対象で実行する操作演出パターンに対応する先読み予告演出を、予告対象において実行する操作演出の演出パターン(操作演出パターン)に対応する先読み予告演出として決定する(S570A)。具体的に、S566,S568,S569のいずれかにより単発操作演出の操作演出パターンが決定されたときには、その操作演出パターンに対応する先読み予告演出として、図9(E)のメッセージ901による予告演出を先読み予告演出として決定する。また、S566〜S569のいずれかによりタイミング操作演出の操作演出パターンが決定されたときには、その操作演出パターンに対応する先読み予告演出として、図10(E)のメッセージ906による予告演出を先読み予告演出として決定する。また、S566,S568,S569のいずれかにより連打操作演出の操作演出パターンが決定されたときには、その操作演出パターンに対応する先読み予告演出として、図11(E)のメッセージ910による予告演出を先読み予告演出として決定する。そして前述のS571およびS572と同様の処理が行なわれる。
そして、第2実施形態では、図47のS520で先読み予告が開始されるときには、前述のようにRAMに記憶された先読み予告演出を特定するデータを読出し、当該データが特定する演出内容の先読み予告演出を実行するための演出制御パターンを決定する。そして、S520で操作演出が開始されるときには、前述のようにRAMに記憶された操作演出パターンを特定するデータを読出し、当該データが特定する演出内容の操作演出パターンを実行するための演出制御パターンを決定する。これにより、第2実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100での処理に基づいて、操作演出をするか否かが判定され、操作演出の演出パターンが決定されるので、操作演出が実行されることを予告するときの制御負担を遊技制御用マイクロコンピュータ560と、演出制御用マイクロコンピュータ100とで分担することができる。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、始動入賞時において、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、操作演出を実行する変動パターンとするか否かの判定、操作演出を実行するときの操作演出パターンの判定、および、先読み予告を実行するときの演出パターンの決定を決定する例を説明る。
図62は、第3実施形態による入賞時演出処理を示すフローチャートである。図62においては、第1実施形態において図26に示された入賞時演出処理と置換えられる処理が示される。図62の処理が図26の処理と異なるのは、S236、S240、S242、S243の処理が削除されたこと、および、S244〜S254の処理が追加されたことである。
図62を参照して、第3実施形態では、第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンドを用いないので、S236,S240,S242,S243の処理は設けられていない。そして、S241,S238,S237のいずれかにより変動パターン種別テーブルが設定された後に、S244に移行する。
S244では、S241,S238,S237のいずれかにより設定された変動パターン種別テーブルを用いて、変動パターン種別を判定する(S244)。そして、S244により判定された変動パターン種別が、操作演出を実行する変動パターン種別(スーパー1〜3のいずれかの変動パターン種別)であるか否かを判定する(S245)。操作演出を実行する変動パターン種別ではないと判定したときは、処理を終了する。一方、操作演出を実行する変動パターン種別であると判定したとき、すなわち、当該保留記憶が操作演出保留記憶であるときは、当該保留記憶のデータが記憶された第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファのデータを参照し、当該操作演出保留記憶の1つ前に、「通常」(非リーチはずれ)の変動パターン種別となる先読み予告実行対象の保留記憶があるか否かを判定する(S246)。操作演出保留記憶の1つ前に「通常」(非リーチはずれ)の変動パターン種別となる保留記憶がないときは、処理を終了する。一方、操作演出保留記憶の1つ前に「通常」(非リーチはずれ)の変動パターン種別となる保留記憶があるときは、当該操作演出保留記憶を先読み予告の予告対象に決定する(S247)。処理を終了する。
次に、操作演出保留記憶のデータが記憶された第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファのデータを参照し、予告対象としての操作演出保留記憶に対応する当り判定結果(確変大当り、通常大当り、突確大当り、小当り、または、はずれ)に応じた先読み予告実行判定テーブルに基づいて、先読み予告を実行するか否かを判定する(S248)。具体的に、図51に示す先読み予告実行判定テーブルがROM55に記憶されており、S248では、当り判定結果に応じて、当該先読み予告実行判定テーブルを選択して用いる。
そして、S248の先読み予告実行判定により先読み予告を実行する判定がされたか否かを判定する(S249)。先読み予告を実行する判定がされていないときには、処理を終了する。一方、先読み予告を実行する判定がされたときには、先読み予告の予告対象の保留記憶が、実際に先読み予告の対象に決定されることとなるので、予告対象で実行する変動パターン種別に対応する先読み予告演出を、予告対象において実行する操作演出の演出パターン(操作演出パターン)に対応する先読み予告演出として決定する(S250)。そして、先読み予告の予告対象の保留記憶が存在する保留記憶バッファにおいて、先読み予告の予告対象の保留記憶の1つ前の保留記憶に応じた変動表示を行なうときを、先読み予告を実行するタイミングとして決定する。
次に、予告対象で実行する変動パターン種別に対応する操作演出パターンを指定する操作演出パターン指定コマンドをセットする(S252)。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560において決定された予告対象で実行する操作演出パターンが、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して指定される。次に、S250により決定された先読み予告演出に応じて、当該先読み予告演出を指定する先読み予告演出指定コマンドをセットする(S253)。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560において決定された先読み予告演出が、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して指定される。次に、S251により決定された先読み予告タイミングに応じて、当該先読みタイミングを指定する先読み予告タイミング指定コマンドをセットする(S254)。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560において決定された先読み予告タイミングが、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して指定される。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、操作演出パターン指定コマンドに基づいて、先読み予告の予告対象において実行する操作演出の演出パターンを把握することができる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100では、先読み予告タイミング指定コマンドに基づいて、先読み予告を実行するタイミングを把握することができるので、そのコマンドにより指定されたタイミングで、先読み予告を実行する制御を行なう。その際の先読み予告演出は、先読み予告演出指定コマンドにより指定された演出を実行する演出制御データを用いて行なう。演出制御用マイクロコンピュータ100において、このような制御が行なわれることにより、第3実施形態では、第1実施形態で説明した演出と同様の演出を行なうことができる。
第3実施形態では、先読み予告を実行するか否か、先読み予告を実行するタイミング、および、先読み予告の演出パターンを遊技制御用マイクロコンピュータ560が決定するので、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御負担を軽減することができる。
なお、第3実施形態では、S239において操作演出を実行するか否かについて、変動パターン種別に基づいて判断する例を示した。しかし、これに限らず、操作演出を実行するか否かについては、変動パターン種別とは別に、操作演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態においては、第1の操作演出を行なうときに操作される第1の操作手段と、大当りとなるときに、第1操作演出が行なわれるときよりも高い割合で行なわれる第2の操作演出を行なうときに操作される第2の操作手段との2つの操作手段を備え、第2の操作演出が行なわれるときにのみ先読み予告を実行する例を説明する。
図63は、第4実施形態による操作部150の拡大斜視図である。図64は、第4実施形態による通常状態はずれ時第1判定テーブルおよび通常状態はずれ時第2判定テーブルを示す図である。図65は、第4実施形態による時短状態はずれ時第1判定テーブルおよび時短状態はずれ時第2判定テーブルを示す図である。図66は、第4実施形態による通常状態確変大当り時判定テーブルおよび時短状態確変大当り時判定テーブルを示す図である。図67は、第4実施形態による先読み予告演出決定処理を示すフローチャートである。
図63を参照して、操作部150は、第1〜第3実施形態において設けられた操作ボタン130と置換えられる操作手段である。操作部150は、前述した操作ボタン130と同様に打球供給皿3を構成する部材に設けられている。
操作部150には、遊技者が押圧操作することが可能な平面視円形の押しボタン(ジョグボタン)よりなる押圧操作部151が設けられている。また、操作部150には、押圧操作部151の周囲で回転可能に設けられ回転操作をすることが可能なダイヤル(ジョグタイヤル)よりなる遊技者が回転操作することが可能な回転操作部152も設けられている。遊技者は、操作部150において、押圧操作部151による押圧操作と、回転操作部152による回転操作との2種類の操作を行なうことができる。
操作部150には、押圧操作部151による押圧操作を検出する押圧操作検出部と、回転操作部152による回転操作を検出する回転操作検出部とが設けられており、これら検出部からの検出信号が演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。これら入力信号に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100では、押圧操作部151による押圧操作状態と、回転操作部152による回転操作状態とを把握することができる。
押圧操作部151および回転操作部152のそれぞれは、前述したような操作演出に用いられる。また、押圧操作部151と、回転操作部152とは、異なる操作演出に用いられる。たとえば、図64〜図66に示すように、押圧操作部151は、前述の単発操作演出およびタイミング操作演出において用いられる。そして、回転操作部152は、連続して回転操作がされるときに、前述の連打操作演出のような表示を行なう連続操作演出において用いられる。
表示結果がはずれとなるときには、たとえば、図64および図65に示すように、単発操作演出>タイミング操作演出>連続操作演出の大小関係で選択される割合が高くなるように、操作演出を選択するためのデータテーブルのデータが設定されている。一方、表示結果が大当りとなるときには、たとえば、図66に示すように、連続操作演出>タイミング操作演出>単発操作演出の大小関係で選択される割合が高くなるように、操作演出を選択するためのデータテーブルのデータが設定されている。このような連続操作演出>タイミング操作演出>単発操作演出の大小関係で選択される割合が高くなる設定は、図66に示す確変大当り時の判定テーブルと同様に、図示を省略した通常大当り時の判定テーブルにおいても同様になされている。このようなスーパー3の演出種別に該当する連続操作演出は、はずれとなるときにたとえば2/400〜5/400の割合で実行され、大当りとなるときに、たとえば80/400〜280/400の割合で実行される。これにより、この連続操作演出は、実行されたときに、大当りとなる割合が極めて高いので、予告がされた時点で遊技者の大当りへの期待感を高めることができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。このように連打操作演出が実行されたときに大当りとなる割合は、たとえば、50%以上に設定されることが望ましい。
また、図67のS552Bに示すように、この実施形態では、実行されたときに大当り表示結果となる割合が極めて高い連続操作演出が実行されると判定されたときにのみ、先読み予告を実行させる制御を行なう。具体的に、S552Bでは、S551BまたはS551Dにより第1変動種別記憶バッファまたは第2変動種別記憶バッファから抽出したデータ(保留記憶のデータ)に基づき、保留記憶の中に1つでも、スーパー3の変動パターン種別(確変大当り、通常大当り、突確大当り、小当り、または、はずれを含む)に該当する操作演出保留記憶があるか否かを判定する(S552D)。
保留記憶の中にスーパー3の変動パターン種別に該当する操作演出保留記憶がないと判定したときには、処理を終了する。一方、保留記憶の中に1つでもスーパー3の変動パターン種別に該当する保留記憶があると判定したときには、当該操作演出保留記憶について、S554以降の処理を実行することにより、操作演出に関する処理を実行する。
このようにすれば、押圧操作部151を用いた操作演出と、回転操作部152を用いた操作演出とのうち、大当りに制御されるときに高い割合で実行される回転操作部152を用いた操作演出が実行されると判定されたときにのみ先読み予告がされるので、当該予告がされた時点で遊技者の大当りへの期待感をより一層高めることができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
このように、2種類の操作手段を設けて操作演出を実行する場合において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する制御と、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する制御との組合せは、前述した第1〜第3実施形態のいずれの実施形態で説明したものであってもよい。
なお、上記の実施の形態では、変動表示部として2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)を備えた遊技機を例にしたが、1つの特別図柄表示器が設けられた遊技機にも同様の制御を行なうことができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
また、前述したように第2保留記憶データに基づく変動表示の開始条件を第1保留記憶データに基づく変動表示の開始条件よりも優先して成立させる制御、すなわち、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行させる制御は、前述のような時短制御(高ベース状態にする制御)を行なわない遊技機において適用してもよい。
なお、第4実施形態では、第1の操作手段として押圧操作部151を用い、第2の操作手段として回転操作部152を用いる例を示した。しかし、これに限らず、第1の操作手段として回転操作部152を用い、第2の操作手段として押圧操作部151を用いるようにしてもよい。また、第4実施形態では、第1の操作手段としての押圧操作部151と、第2の操作手段としての回転操作部152とが一体的に設けられた例を示した。しかし、これに限らず、第1の操作手段と第2の操作手段とは別体で構成されてもよい。また、第1の操作手段および第2の操作手段としては、押圧操作部151および回転操作部152以外の操作形式の操作手段を設けてもよい。たとえば、切替操作を行なう操作手段および摺動操作をする操作手段等のその他の操作形式の操作手段を第1の操作手段および第2の操作手段として用いてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図49のS552〜図50のS572、図47のS509,S517〜S524、図55のS845に示すように、決定された変動パターン種別に基づいて、操作演出が実行されるか否かが判定され、操作演出が実行されると判定されたときに、当該判定の対象となった変動表示の開始条件が成立する以前に実行される変動表示、たとえば、予告対象の変動表示の1回前に行なわれる変動表示において、操作演出が実行されることが先読み予告によって予告されるので、操作演出が実行されることを遊技者が予め認識できるようになる。したがって、遊技者が、操作演出が実行されることに対して操作ボタン130を操作する準備をすることが可能となる。これにより、操作手段を用いた遊技への遊技者の参加意欲を向上させ、遊技者が遊技に積極的に参加できるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図26のS243により、操作演出が実行されると判定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、操作演出が実行されることを指定する第1始動入賞時変動種別指定コマンドおよび第2始動入賞時変動種別指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信される。図9の(E)、図10の(E)、図11の(E)、図47のS520、図49のS552〜図50のS572の先読み予告のように、演出制御用マイクロコンピュータ100により、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されたコマンドに基づいて、操作演出が実行されることが予告されるので、操作演出が実行されることを予告するときの制御負担を遊技制御用マイクロコンピュータ560と、演出制御用マイクロコンピュータ100とで分担することができる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御負担を軽減することができる。
(3) 図58のS552A〜図59のS572に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されたスーパー1〜3の変動パターン種別の変動パターンコマンドに基づいて、実行条件が成立した変動表示の開始条件が成立する以前に、操作演出が実行されるか否かを判定するので、操作演出が実行されることを予告するときの制御負担を遊技制御用マイクロコンピュータ560と、演出制御用マイクロコンピュータ100とで分担することができる。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
(4) 図14および図15の判定テーブルで、スーパーリーチ(操作演出を伴なうスーパー1〜スーパー3の変動パターン種別)には、始動記憶数に関わらずランダム3の351〜400という同じ判定データが割振られていることを示したように、操作演出を行なう変動パターンであるスーパーリーチの変動パターンについては、保留記憶情報の記憶数に関わらずランダム3の351〜400という共通の判定値が割振られているので、保留記憶情報の記憶数に関わらず操作演出を行なう変動パターンとなるかを判定できる。また、図14および図15の判定テーブルで、通常およびノーマルの変動パターン種別の変動パターンには、始動記憶数により異なるランダム3の判定データが割振られていることを示したように、操作演出を行なう変動パターン以外の変動パターンについては保留記憶情報の記憶数に応じて異なる判定値が割振られているので、保留記憶情報の記憶数の多少に応じて異なる割合で変動パターンを選択することが可能となるので、特別図柄の変動表示の実行効率を向上させることが可能となり、変動表示の実行効率が低下してしまうことを極力防止することができる。
(5) 図9の(E)、図10の(E)、図11の(E)に示すように、単発操作演出、タイミング操作演出、および、連打操作演出という演出内容に応じて異なるメッセージの予告内容で予告をすることを示したように、操作演出が実行されることを予告するときに、操作演出の演出内容に応じて異なる予告内容で予告がされるので、遊技者を当該予告に注目させることができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(6) 図67のS552Dで連続操作演出を行なう変動パターン種別(スーパー3)が実行されると判定されたときのみS559,S561,S563で先読み予告を実行することが決定されることを示したように、第1の操作演出と第2の操作演出とのうち、特定遊技状態に制御されるときに高い割合で実行される第2の操作演出が実行されると判定されたときにのみ予告がされるので、当該予告がされた時点で遊技者の特定遊技状態への期待感を高めることができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(3) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(特別図柄表示器8a、特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができる。
(4) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した変動態様による変動表示演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
(5) 上記の各実施の形態では、特別図柄表示器として第2飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。たとえば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
(6) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(7) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) 前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを同じ種類の表示器(7セグメントLED)で構成する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、異なる種類の表示器で構成するようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方をドットマトリックス表示器で構成してもよい。また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方を前述の飾り図柄表示器9a,9bのようなLED表示器で構成してもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、識別情報としての図柄を変動表示する表示装置として、特別図柄の表示装置、飾り図柄の表示装置、および、演出図柄の表示装置の3種類の表示装置を設けた例を示した。しかし、これに限らず、識別情報としての図柄を変動表示する表示装置として、前述した演出図柄を表示する演出表示装置9のような画像を表示する1つの表示装置のみを設け、その表示装置により、前述したような特別図柄、飾り図柄、および、演出図柄を1種類の図柄に統一して、当該図柄の変動表示および各種の演出画像の表示を行なうようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、先読み予告用の演出パターンとしては、先読み予告用のメッセージを表示することに限られず、先読み予告用のキャラクタを表示すること、または、先読み予告用に設けられた複数種類の背景画像を選択的に表示すること等、先読み予告であることを特定可能な画像を表示する演出パターンであればどのような演出パターンを用いてもよい。また、先読み予告用の演出パターンとしては、複数種類の演出パターンから選択した演出パターンを用いてもよく、予め固定的に定められた1つの演出パターンを用いてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、先読み判定結果を示す演出制御コマンドとして、当り判定結果を示す第1,第2始動入賞指定コマンドと、変動パターン種別を特定可能な第1,第2始動入賞時変動種別指定コマンドとの2つのコマンドを送信する例を示した。しかし、これに限らず、先読み判定結果を示す演出制御コマンドとして、当り判定結果と変動パターン種別との両方の情報を特定可能な1つのコマンドを送信するようにしてもよい。このようにすれば、演出制御コマンドの種類を削減することができる。
(14) 前述した実施の形態では、先読み予告として、予告対象の保留記憶の1つ前の保留記憶に基づく変動表示において1回実行する例を示した。しかし、これに限らず、先読み予告としては、予告対象の保留記憶の2つ以上前の保留記憶に基づく変動表示において1回実行するものであってもよい。また、先読み予告としては、複数回の変動表示において複数回実行するものであってもよい。また、先読み予告として複数回の変動表示において複数回実行するものには、複数回の変動表示において連続的に複数回実行するものであってもよく。複数回の変動表示において不連続的に複数回実行するものであってもよい。また、先読み予告は、このように予め定められた複数種類の先読み予告のうちから選択的に実行させるようにしてもよい。このようにすれば、先読み予告の予告パターンのバリエーションが豊富となるようにすることができる。
(15) 前述した実施の形態では、図21に示すように、ランダム3の数値範囲の分類にしたがって区分された数値範囲のうちいずれかにより、変動パターン種別の先読み判定結果が指定される変動種別指定コマンドを用いる例を示した。しかし、これに限らず、数値範囲ではなく、変動パターン種別を直接指定した変動種別指定コマンドを用いるようにしてもよい。
(16) 先読み予告の演出の他に、大当りを発生させる契機となる変動表示(今回の変動表示)において、大当りとなることを報知する変動予告演出としての予告(大当りとなりやすことを予告してもよい)としての今回予告(以下、変動予告演出)を行なうようにしてもよい。変動予告演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100において、変動パターンコマンド等の当りはずれと変動パターンとを認識可能な演出制御コマンドが示す当りはずれの情報および変動パターンの情報に基づき、大当りとなるとき、および、特定の変動パターン(特定のスーパーリーチ)となるときに、実行される割合が高くなるようにデータが設定された判定テーブルに基づいて、変動予告演出(今回予告)を実行するか否かを判定すればよい。このようなこのような構成においては、優先的に実行される第2特別図柄を対象とした変動予告演出(今回予告)は、第1先読み予告演出フラグが実行されているとき、すなわち、第1特別図柄を予告対象とした第1予告演出制御状態のときには、第2特別図柄を対象とした変動予告演出を実行するか否かの判定を禁止する処理を行なうようにしてもよい。このような構成は、先読み予告演出が行なわれるときにおいて、操作演出に該当する数値データが記憶された保留記憶情報に基づく変動表示の開始条件成立前のすべての変動表示において、変動予告演出を行なうことを禁止する予告演出制限手段である。このような構成によれば、操作演出に該当する数値データが保留記憶情報として記憶されたことに基づいて先読み予告が行なわれ、当該先読み予告演出が行なわれるときにおいて、操作演出に該当する数値データが記憶された保留記憶情報に基づく変動表示の開始条件成立前のすべての変動表示において、変動予告演出(今回予告)を行なうことが禁止される。このように、先読み予告演出が行なわれるときにおいては、操作演出の変動パターンに該当する数値データが記憶された保留記憶情報に基づく変動表示の開始条件成立前のすべての変動表示において、変動予告演出を行なうことが禁止されるので、先読み予告を遊技者がより一層認識しやすくなるようにすることができる。
(17) 前述した予告演出制限手段については、次のように構成されてもよい。前記予告演出制限手段は、第1保留記憶手段(第1保留記憶バッファ)の保留記憶情報に基づいた前記先読み予告演出が行なわれるときにおいて、第2保留記憶手段(第2保留記憶バッファ)に保留記憶情報が記憶され、変動表示優先手段(図28のS52,S54)により第1開始条件(第1特別図柄の開始条件)よりも第2開始条件(第2特別図柄の開始条件)を優先して成立させられることに基づいて、当該第2保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた第2識別情報(第2特別図柄)の変動表示が、当該第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた第1識別情報(第1特別図柄)の変動表示よりも優先して実行されるときに、当該第2識別情報の変動表示について、当該先読み予告演出を行なうことを禁止する(図47において、S510で第1予告演出フラグがセットされており、かつ、S511で第2特別図柄変動指定コマンドを受信したと判定されたときに、S512で先読み予告中断処理を実行することにより、第2特別図柄の変動表示中における第1特別図柄の先読み予告演出の実行を禁止する)。このように構成すれば、このような状態で第2識別情報の変動表示が実行されるときに、何らの予告演出も行なわれなくなるので、先読み予告演出の対象が第2識別情報の変動表示ではないことが演出により明白に示されるため、先読み予告演出の対象となる識別情報の変動表示を遊技者が認識しやすくなるようにすることができる。
(18) 前述した予告演出制限手段については、次のように構成されてもよい。前記予告演出制限手段は、前記第1保留記憶手段の前記保留記憶情報に基づいた前記先読み予告演出が行なわれるときにおいて、少なくとも、前記第1保留記憶手段の前記保留記憶情報に基づく変動表示の前記第1開始条件成立前のすべての変動表示において、前記変動予告演出を行なうことを禁止する(たとえば、第1特別図柄による先読み予告が実行されているときに、第1特別図柄を対象とした変動予告演出を実行するか否かの判定、および、第2特別図柄を対象とした変動予告演出を実行するか否かの判定を禁止する処理を行なうようことにより、当該対象とする第1保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に実行されるすべての変動表示に関して、今回予告を禁止する)。このような構成によれば、第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた先読み予告演出が行なわれるときにおいて、少なくとも、第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づく変動表示の第1開始条件成立前のすべての変動表示において、変動予告演出を行なうことが禁止されるので、先読み予告演出が実行されていることを遊技者がより一層認識しやすくなるようにすることができる。
(19) 前記予告演出制限手段は、次のように構成されてもよい。通過容易化制御(普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる制御)が行なわれていない状態(低ベース状態)で、前記第1保留記憶手段の前記保留記憶情報に基づいた前記先読み予告演出が行なわれているときにおける前記第2識別情報の変動表示について、前記変動予告演出を行なうことを禁止する(高ベース状態のときは、低ベース状態と比べて、第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた第1識別情報の変動表示が生じる頻度が低いので、第1保留記憶データについての先読み判定が行なわれない。したがって、低ベースのときに限り、第1保留記憶データについての先読み判定が行なわれる。このような低ベース時において第1特別図柄を対象とする先読み予告が行なわれている状態で、第2特別図柄の変動表示を行なうときに、第2特別図柄を対象とした変動予告演出を実行するか否かの判定を禁止する処理を行なうことにより、第1保留記憶データを対象とする先読み予告が行なわれるときに、第2特別図柄の変動表示について今回予告を禁止する)。このような構成によれば、通過容易化制御が行なわれていない状態で、第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた先読み予告演出が行なわれているときにおける第2識別情報の変動表示について、変動予告演出を行なうことが禁止される。第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた第1識別情報の変動表示が実行される頻度は、第2保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた第2識別情報の変動表示が優先的に実行されることに基づいて、通過容易化制御が行なわれていない状態の方が、通過容易化制御が行なわれている状態と比べて高いので、第1保留記憶手段の保留記憶情報に基づいた変動表示が行なわれる頻度が高いときに第2識別情報の変動表示についての変動予告演出を行なうことが禁止されるため、第1識別情報の変動表示を対象として実行される先読み予告演出の存在をより一層明確に際立たせることができる。
(20) 前述の実施形態では、すべてのスーパーリーチの種別を対象として、操作演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、スーパーリーチの種別のうちの一部の種別を対象として、操作演出を実行するものであってもよい。
(21) また、次のような構成を採用してもよい。前記先読み予告演出(先読み予告)と、前記変動予告演出(今回予告)とは、異なるタイミングで実行される(先読み予告とは変動表示の開始時のように、演出図柄の変動表示が開始した後、まだすべての図柄が変動中である状態で実行し、今回予告の演出は、たとえば、演出図柄のうちの少なくとも1つの図柄が停止したとき以後の所定のタイミングで実行する)。このような構成によれば、先読み予告演出と、変動予告演出とが、異なるタイミングで実行されるので、1回の変動表示において予告に関する演出が重複して予告の内容が分かりにくくなるのを防ぐことができ、遊技者が混乱するのを防ぐことができる。
(22) 前述の実施の形態では、先読み予告の予告対象の操作演出に対応するメッセージを表示することによる先読み予告演出を行なう例を示した。しかし、これに限らず、合算保留記憶表示部18cのような保留記憶表示において、たとえば、先読み予告の予告対象に該当する保留記憶表示の形状、色等の表示状態を他の保留記憶表示と比べて変化させることにより先読み予告演出を行なうようにしてもよい。その場合には、先読み予告の予告対象に該当する保留記憶表示の表示状態が、当該保留記憶に基づく変動表示において行なわれる操作演出の種類を特定可能な表示状態とすればよい。たとえば、保留記憶表示について、前述の単発操作演出を特定可能な形状、タイミング操作演出形状を特定可能な形状、および、連打操作演出を特定可能な形状を予め定めておき、先読み予告の予告対象において表示する操作演出に対応する形状で保留記憶表示を行なえば、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
(23) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。