JP2013145212A - 時計用動力発生装置並びに該装置を用いた香箱及び時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】香箱と同様な入出力構造で定トルクが得られる時計用動力発生装置並びにこれを用いた香箱及び時計の提供
【解決手段】時計2の動力発生装置である香箱1は、支持体に対して回転可能に支持される保持器5と、該保持器の回転中心及び偏心位置の夫々において該保持器に回転自在に支持された第一及び第二の巻軸6,7と、両端51,52が第一及び第二の巻軸の間で定トルクばねを構成する弾性帯状体50の形態のぜんまい8とを有し、ぜんまいが第一及び第二の巻軸の一方に巻かれた巻解け状態にあり支持体に対する保持器の回転が規制された状態にある際に、保持器に対して第一の巻軸が回転されてぜんまいが第一の巻軸に巻取られ、ぜんまいが第一及び第二の巻軸の他方に巻上げられた状態にあり支持体に対する第一の巻軸の回転が規制された状態にある際に、第一の巻軸に対して保持器が回転されて動力が取出されるように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、時計用動力発生装置並びに該装置を用いた香箱及び時計に係わる。
従来の動力ぜんまいを搭載した香箱車では、ぜんまいの巻数が最大付近で最大の出力トルクが得られ、ぜんまいが巻き解けるにしたがい出力トルクが低下する。機械式時計においては、出力トルクが変化すると、調速脱進機の調速性能が変化して、歩度変動(進み遅れ)をまねくので、出力トルクの変動を出来るだけ小さくすることが望まれる。
ぜんまいの巻解けに伴う出力トルクの変動の影響を緩和することを目的として、香箱車を複数設けることや、出力トルクの変動が比較的少ない範囲のみを使用するように一定以上の巻き上げ及び巻き解けを防止する機構を設けること等が提案されている。
しかしこれらは、ぜんまいの巻解けに伴う出力トルクの変動の影響を緩和する効果はあっても、トルク変動そのものをなくすものではないので、根本的な解決とはならない。
なお、フューゼと呼ばれる回転中心からの距離が徐変するタケノコ状の渦巻きカム車と香箱車を鎖等で連結しこれをカムに巻き取ることによってトルクを一定化しようとすることは知られている。
しかしながら、この場合、カム車の占有体積が大きくなるのを避け難いことから、腕時計等に適用しようとすると、結果として持続時間が短くなるか又はムーブメントの大型化や製造が困難なほど微小な鎖の製造が必要になる。
一方で定トルクを出力する機構として,定トルクばね自体は知られている(例えば、特許文献1)。これはばねと2つの巻軸を用いる構造である。
しかしこの構造をそのまま時計の動力源に適用しようとすると、巻上げに伴い巻軸が2つ共回転するので、ばねを巻上げるたびに運針用輪列から外す必要があり、実用的とはいえない。
なお、定トルクばねについては、いわゆる「O形(又はO型)トルクばね」および「N形(又はN型)トルクばね」のそれぞれに関して、「低トルクばね特性の理論解析」として「荷重/変形特性」や「負荷/変形特性」について、ドラム(巻軸)の径が一定等の点を除いて現実的なモデルに基づいて、詳細な理論的な計算等が行われている(非特許文献1及び2)
実願昭54−152617号(実開昭56−72798号)のマイクロフイルム。
大槻敦巳外、「定トルクばね特性の理論解析(O形トルクばねにおける荷重/変形特性)」、日本機械学会論文集(C編)2003年11月、第69巻、第687号、p.290−p.296 大槻敦巳外、「定トルクばね特性の理論解析(N形トルクばねにおける負荷/変形特性)」、日本機械学会論文集(C編)2001年11月、第67巻、第663号、p.232−p.239
本発明は、前記諸点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、香箱と実際上同様な入出力構造で定トルクを得ることができる時計用動力発生装置並びに該装置を用いた香箱及び時計を提供することにある。
本発明の時計用動力発生装置は、前記目的を達成すべく、支持体によって回転可能に支持される保持器と、該保持器の回転中心と一致する回転中心において該保持器に回転自在に支持された第一の巻軸と、前記保持器の偏心位置において該保持器に回転自在に支持された第二の巻軸と、一端が第一の巻軸に取付けられ他端が第二の巻軸に取付けられた弾性帯状体の形態のぜんまいであって第一及び第二の巻軸の間で定トルクばねの形態で巻回されるものとを有する時計用動力発生装置であって、ぜんまいが第一及び第二の巻軸のうちの一方の巻軸に巻かれた巻解け状態にあり且つ支持体に対する保持器の回転が規制された状態にある際に、保持器に対して第一の巻軸が回転されてぜんまいが第一及び第二の巻軸のうちの他方の巻軸に巻取られるように構成され、ぜんまいが前記他方の巻軸に少なくとも部分的に巻上げられた状態にあり且つ支持体に対する第一の巻軸の回転が規制された状態にある際に、第一の巻軸に対して保持器が回転されて動力が取出されるように構成される。
本発明の時計用動力発生装置では、「支持体によって回転可能に支持される保持器と、該保持器の回転中心と一致する回転中心において該保持器に回転自在に支持された第一の巻軸と、前記保持器の偏心位置において該保持器に回転自在に支持された第二の巻軸と、一端が第一の巻軸に取付けられ他端が第二の巻軸に取付けられた弾性帯状体の形態のぜんまいであって第一及び第二の巻軸の間で定トルクばねの形態で巻回されるものとを有する」ので、定トルクを得ることができる。また、本発明の時計用動力発生装置では、「ぜんまいが第一及び第二の巻軸のうちの一方の巻軸に巻かれた巻解け状態にあり且つ支持体に対する保持器の回転が規制された状態にある際に、保持器に対して第一の巻軸が回転されてぜんまいが第一及び第二の巻軸のうちの他方の巻軸に巻取られるように構成され、ぜんまいが前記他方の巻軸に少なくとも部分的に巻上げられた状態にあり且つ支持体に対する第一の巻軸の回転が規制された状態にある際に、第一の巻軸に対して保持器が回転されて動力が取出されるように構成される」ので、保持器が香箱本体と実際上同様な働きをする。従って、本発明の時計用動力発生装置では、香箱と実際上同様な入出力構造で定トルクを得ることができる。
以上は、支持体に対する保持器の回転が規制された状態において、保持器に対して第一の巻軸が回転されてぜんまいを巻き上げる場合について説明したけれども、支持体に対する第一の巻軸の回転が規制された状態において、第一の巻軸に対して保持器が回転されることで、ぜんまいを巻き上げてもよい。また、少なくとも部分的にぜんまいが巻き上げられた状態にある際に、支持体に対する第一の巻軸の回転が規制された状態において、第一の巻軸に対して保持器が回転されて動力が取出される場合について説明したけれども、支持体に対する保持器の回転が規制された状態において、保持器に対して第一の巻軸が回転されて動力が取出されてもよい。
本発明の一つの典型的な時計用動力発生装置では、保持器が円板状保持器本体部を備え、第一の巻軸が該円板状本体部の中心において保持器に対して回転自在に支持された第一中心巻軸部からなり、第二の巻軸が円板状保持器本体部の中心に対して偏心した位置において保持器に対して保持器に対して回転自在に支持された一本の第二偏心巻軸部からなる。
本発明の別の典型的な時計用動力発生装置では、保持器が円板状保持器本体部を備え、第一の巻軸が該円板状本体部の中心において保持器に対して回転自在に支持された第一中心巻軸部からなり、第二の巻軸が該円板状本体部の中心に対して偏心した位置の夫々において保持器に対して回転自在に支持された複数本の第二偏心巻軸部からなり、該第二偏心巻軸部の夫々と第一中心巻軸部との間に前記ぜんまいが設けられている。
その場合、スペースが有効に利用されて体積効率が高められ得る。例えば、断面形状の弾性帯状体からなるぜんまいを用いる場合、トルクが高められ得る。
本発明の時計用動力発生装置では、典型的には、巻解け状態において、ぜんまいが前記一方の巻軸に対して実質的に密着巻き状態にある。
その場合、定トルク動作が確実に得られ易い。
本発明の一つの典型的な時計用動力発生装置では、第一の巻軸が前記他方の巻軸である。
その場合、回転が規制された保持器に対して第一の巻軸を回転させることにより中央にある第一の巻軸にぜんまいが巻き上げられ、中央の第一の巻軸の回転が規制された状態で保持器が回転されることにより中央の第一の巻軸に巻かれたぜんまいの巻解けが進行してトルクが取り出される。
本発明の別の典型的な時計用動力発生装置では、第一の巻軸が前記一方の巻軸である。
その場合、回転が規制された保持器に対して第一の巻軸を回転させることにより偏心位置にある第二の巻軸にぜんまいが巻き上げられ、中央の第一の巻軸の回転が規制された状態で保持器が回転されることにより偏心位置にある第二の巻軸に巻かれたぜんまいの巻解けが進行してトルクが取り出される。
本発明の時計用動力発生装置では、
(1)ぜんまいが第一の巻軸に巻かれた状態と第二の巻軸に巻かれた状態の両方の状態においてぜんまいを構成する帯状体の二つの主面のうちの同一の主面が内側に位置するように構成されても(いわゆる「O形」の形態でも)、
(2)ぜんまいが第一の巻軸に巻かれた状態と第二の巻軸に巻かれた状態の夫々の状態においてぜんまいを構成する帯状体の二つの主面のうちの異なる主面が内側に位置するように構成されても(いわゆる「N形」の形態でも)
よい。
後者の場合、大きなトルクを得やすい。
本発明の時計用動力発生装置では、典型的には、ぜんまいを構成する帯状体が外力を受けていない場合において該帯状体の長手方向の各部が有する曲率である自然曲率が該帯状体の長手方向に沿って変化している。
その場合、帯状体の厚さや巻取径の変動を考慮して所望に応じた適切な定トルク構造が実現され得る。
本発明の時計用動力発生装置では、典型的には、時計用動力発生装置が香箱からなる。すなわち、本発明の香箱は、前記目的を達成すべく、上述のような時計用動力発生装置を備える。この場合、保持器は例えば香箱本体からなり、支持体は、例えば、運針輪列等を支える地板その他を含む時計本体からなる。
その場合、周辺部の構造を生かしたまま、従来の香箱に置き換えることも可能である。但し、時計用動力発生装置は、所望ならば、香箱以外の時計部品として用いられ得る。
本発明の時計は、前記目的を達成すべく、上述のような時計用動力発生装置を備える。
本発明の好ましい一実施例の香箱を備えた本発明の好ましい一実施例の時計においてO形の定トルクばね機構のぜんまいが偏心巻軸に巻取られた状態を示したもので、(a)は主として香箱部分ついて香箱蓋を取除いた状態で示した平面説明図、(b)は(a)の主として香箱部分の断面説明図。 図1の香箱を備えた時計においてO形の定トルク機構のぜんまいが中央巻軸に巻取られた状態を示したもので、(a)は主として香箱部分ついて香箱蓋を取除いた状態で示した平面説明図、(b)は(a)の主として香箱部分の断面説明図。 本発明の好ましい別の一実施例の香箱を備えた本発明の好ましい一実施例の時計を示したもので、(a)はO形の定トルクばね機構を構成するぜんまいが複数本の偏心巻軸に巻取られた状態に関して主として香箱部分ついて香箱蓋を取除いた状態で示した平面説明図、(b)は(a)のぜんまいが中央巻軸に巻取られた状態に関して主として香箱部分ついて香箱蓋を取除いた状態で示した平面説明図。 本発明の好ましい更に別の一実施例の香箱を備えた本発明の好ましい一実施例の時計においてN形の定トルクばね機構のぜんまいが偏心巻軸に巻取られた状態を示したもので、(a)は主として香箱部分ついて香箱蓋を取除いた状態で示した平面説明図、(b)は(a)の主として香箱部分の断面説明図。 図4の香箱を備えた時計においてN形の定トルク機構のぜんまいが中央巻軸に巻取られた状態を示したもので、(a)は主として香箱部分ついて香箱蓋を取除いた状態で示した平面説明図、(b)は(a)の主として香箱部分の断面説明図。 本発明の好ましい更に別の一実施例の香箱を備えた本発明の好ましい一実施例の時計を示したもので、(a)はN形の定トルクばね機構を構成するぜんまいが複数本の偏心巻軸に巻取られた状態に関して主として香箱部分ついて香箱蓋を取除いた状態で示した平面説明図、(b)は(a)のぜんまいが中央巻軸に巻取られた状態に関して主として香箱部分ついて香箱蓋を取除いた状態で示した平面説明図。 O形の定トルクばね機構を備えた香箱におけるぜんまい(弾性帯状体)の曲率半径に関して、自然曲率半径Rn、中央巻軸の最外層におけるぜんまい(弾性帯状体)の曲率半径R2及び偏心巻軸の最外層におけるぜんまい(弾性帯状体)の曲率半径R1の夫々について中央巻軸のまわりでの巻数Nに対する依存状態を表したグラフであって、(a)は図1の(a)及び(b)並びに図2の(a)及び(b)に示したように一対の巻軸を有する場合のグラフ、(b)は図3の(a)及び(b)に示したように四対の巻軸を有する場合のグラフ。 N形の定トルクばね機構を備えた香箱におけるぜんまい(弾性帯状体)の曲率半径に関して、自然曲率半径Rn、中央巻軸の最外層におけるぜんまい(弾性帯状体)の曲率半径R2及び偏心巻軸の最外層におけるぜんまい(弾性帯状体)の曲率半径R1の夫々について中央巻軸のまわりでの巻数Nに対する依存状態を表したグラフであって、(a)は図4の(a)及び(b)並びに図5の(a)及び(b)に示したように一対の巻軸を有する場合のグラフ、(b)は図6の(a)及び(b)に示したように四対の巻軸を有する場合のグラフ。
本発明の好ましい実施の形態のいくつかを添付図面に示した好ましい実施例に基づいて説明する。
図1の(a)及び(b)には、本発明の好ましい一実施例の時計用動力発生装置を用いた本発明の好ましい一実施例の香箱1を有する時計2の一部が示されている。
香箱1は、保持器としての香箱本体5と、該香箱本体5に対して回転自在な第一の巻軸としての中央巻軸6及び第二の巻軸としての偏心巻軸7と、ぜんまい8とを有する。
香箱本体5は、香箱筐体部10と香箱蓋20とを有する。香箱筐体部10は、円環状板状底壁部11と、該底壁部11の外周縁12から立ち上がった外周壁部13と、底壁部11を構成する円環の中央孔部14の内周縁15すなわち円環状板状底壁部11の内周縁15から立ち上がった低い内周壁部16と、外周壁部13の下端部近傍の外周側に形成された香箱歯車部17とを備える。香箱筐体部10の底壁部11には、偏心孔部18が形成されている。外周壁部13の立上り端部の内周縁には円形の係合凹部19が形成されている。
香箱蓋20は、香箱筐体部10の底壁部11と概ね同様な円環状板状体21を有する。該円環状板状体21は、外周縁部が係合縁部22として香箱筐体部10の外周壁部13の係合凹部19に嵌り合って内部に室Aを備えた香箱本体5を形成する。
香箱蓋20の円環状板状体21は、香箱蓋20が香箱筐体部10に嵌合された状態において底壁部11の中央孔部14及び偏心孔部18と丁度向き合う位置に、中央孔部23及び偏心孔部24を備える。なお、香箱蓋20は、香箱筐体部10の低い内周壁部16と丁度向き合うように円環状板状体21の内周縁25から垂下した短い内周壁部26を備える。
偏心巻軸7は、巻軸本体部30と該本体部30の両端に一体的に形成されたほぞ部ないし小径軸部31,32とを備える。偏心巻軸7の本体部30と小径軸部31,32とは同心であり、香箱本体5が組立てられた状態では、香箱筐体部10の底壁部11の偏心孔部18及び香箱蓋20の円環状板状体21の偏心孔部24には、偏心巻軸7の両端の小径軸部31,32がその中心軸線BのまわりでB1,B2方向に回転自在に嵌合されている。なお、小径軸部31,32が偏心孔部18,24に対して回転自在である代わりに、小径軸部31,32が偏心孔部18,24に嵌着され、巻軸本体部30が中心軸線Bのまわりで小径軸部31,32に対して回転自在になっていてもよい。
中央巻軸6は、偏心巻軸7と同様に、巻軸本体部40と該本体部40の両端に一体的に形成されたほぞ部ないし中径軸部41,42と、該中径軸部41,42の先端側に一体的に形成されたより小径の軸部43,44とを備える。中央巻軸6の本体部40と中径軸部41,42及び小径軸部43,44とは同心であり、香箱本体5が組立てられた状態では、香箱筐体部10の底壁部11の中央孔部14及び香箱蓋20の円環状板状体21の中央孔部23には、中央巻軸6の両端側の中径軸部41,42がその中心軸線CのまわりでC1,C2方向に回転自在に嵌合されている。なお、図1の例では、中央巻軸本体部40の外径は、偏心巻軸本体部30の外径よりも大きい。
中央巻軸本体部40は、香箱筐体部10の底壁部11の中央孔部14の内周壁部16の端面16aと、香箱蓋20の円環状板状体21の中央孔部23の内周壁部26の端面26aとの間において回転される。中央巻軸本体部40のうち香箱蓋20のある側の小径部44には、角穴歯車80が嵌着されて、中央巻軸6と一体的に回転される。
中央巻軸6を構成する中央巻軸本体部40と偏心巻軸7を構成する偏心巻軸本体部30との間には、弾性帯状体50の形態のぜんまい8が取付けられている。より詳しくは、ぜんまい8は、弾性帯状体50の一端51が中央巻軸6を構成する中央巻軸本体部40に取付けられ、他端52(図2の(a))が偏心巻軸本体部30に取付けられ、中央巻軸6と偏心巻軸7との間でいわゆる「O形」の定トルクばねの形態で巻回されている。
ぜんまい8は、次の特性を有する。
すなわち、ぜんまい8は、O形定トルクばねとして働くべく、非特許文献1の式(26)に対応する次の(1)を満たす。
2/E・I=(R2−R1)/Rn1+(R1 2−R2 2)/2R1 2・R2 (1)
ここで、T2は中央巻軸本体部40に作用するトルク、Eは弾性帯状体50の縦弾性係数(ヤング率)、Iは弾性帯状体50の中立軸に関する断面二次モーメント、R1は偏心巻軸7の側において巻回状態にある弾性帯状体50の(曲率)半径、R2は中央巻軸6の側において巻回状態にある弾性帯状体50の(曲率)半径、Rnは弾性帯状体50の自然曲率半径である。
非特許文献1の式(26)に相当する上記式(1)では弾性帯状体50の厚みtや長さLfが相対的に小さいものとして中央巻軸本体部40及び偏心巻軸本体部30に巻回される弾性帯状体50の曲率半径の変化を考慮していないので、この点を考慮すると、
偏心巻軸本体部30の真径をR10、中央巻軸本体部40の真径をR20として、中央巻軸本体部40に巻回状態にある弾性帯状体50の最外層の半径R2は、中央巻軸本体部40に巻取った長さをL2とすると
2={(L2・t/π)+R20 21/2 (2)
である。なお、中央巻軸本体部40に巻回状態にある弾性帯状体50の最外層の半径R2は、中央巻軸本体部40のまわりでのぜんまい8の弾性帯状体50の巻数N依存の形態で示すと、次式でも表される。
2=R20+t・N (2a)
一方、弾性帯状体50が偏心巻軸7から巻取られて、偏心巻軸本体部30に巻回状態にある弾性帯状体50の最外層の半径R1は、
1=〔{(Lf−L2)・t/π}+R10 21/2 (3)
であり、上記式(2)から
2=π(R2 2−R20 2)/t (2b)
であるので、偏心巻軸本体部30に巻回状態にある弾性帯状体50の最外層の半径R1は、中央巻軸本体部40に巻回状態にある弾性帯状体50の最外層の半径R2の関数として表されるから、中央巻軸本体部40のまわりでのぜんまい8の弾性帯状体50の巻数Nの関数として表される。
すなわち、上記(1)から、トルクT2を一定(Tc)にするために、ぜんまい8の弾性帯状体50の自然曲率半径Rn
n=(R2−R1)/{Tc・R1/E・I−(R1 2−R2 2)/2R1・R2} (4)
とすればよい。ここで、式(4)では、自然曲率半径Rnが中央巻軸本体部40に巻回状態にある弾性帯状体50の最外層の半径R2及び偏心巻軸本体部30に巻回状態にある弾性帯状体50の最外層の半径R1で表される。一方、上記式(2a)並びに式(3)及び(2b)からして、半径R2,R1は、いずれも、巻数Nの関数として表されるので、上記式(4)は、帯状体50の自然曲率半径Rnを巻数Nの関数として表したものと解し得る。
以上のことから、香箱1では、偏心巻軸本体部30の真径R10=1.0mm、中央巻軸本体部40の真径をR20=1.8mmとして、長さLf=120mm、厚さt=0.03mm、幅w=1.5mmでヤング率E=190GPaのぜんまい8の弾性帯状体50の場合、トルクT2を一定値Tc=0.20N・mmに設定するためには、上記の式(4)に従って、その長さ方向に沿って図7の(a)に示した自然曲率半径Rnを有する状態にすればよいことがわかる。換言すれば、上記条件下では、ぜんまい8の弾性帯状体50の自然曲率半径Rnを図7の(a)のグラフで示したように設定すれば、ぜんまい8の解けの程度にかかわらず、香箱1の中央巻軸6について、一定のトルクT2=Tc(この例では、0.20N・mm)が取り出され得る。
なお、図7の(a)において、横軸は、中央巻軸本体部40の周りのぜんまいの巻数Nを示し、曲線R1,R2は、夫々、中央巻軸本体部40のまわりでのぜんまい8の(巻上状態ないし解け状態)巻数Nの場合における、偏心巻軸本体部30に巻回状態にある弾性帯状体50の最外層の半径及び中央巻軸本体部40に巻回状態にある弾性帯状体50の最外層の半径である。この例では、フル巻上げ状態における巻数Nf=9.8巻である。また、図7の(a)からわかるように、Rn(N)<R1(N)<R2(N)であるから、ぜんまい8の帯状弾性体50は全長において、偏心巻軸本体部30及び中央巻軸本体部40に密着巻きされていることがわかる。
時計2では、C2方向回転がこはぜ81によって規制された角穴歯車80は、巻上輪列82に係合され、例えば、巻真を回すと、巻上輪列82を介して角穴歯車80がC1方向に回転されて、ぜんまい8が中央巻軸6に巻き上げられるように構成される点は、従来の時計と同様である。
また、時計2では、香箱1の香箱筐体部10の香箱歯車部17は、調速脱進機86及び増速輪列87を含む運針輪列85に噛合され、中心軸線Cのまわりでの香箱歯車部17のC1方向回転に従って、調速脱進機86で規制された速さで増速輪列87を回転させ、該増速輪列87に取付けられた時刻表示針88を回して時刻表示を行わせる点においても、従来の時計と同様である。この例では、支持体は、運針輪列85等を支える地板(図示せず)その他を含む時計本体からなる。
この時計2では、ぜんまい8が、図2の(a)及び(b)に示したフル巻上げ状態から、香箱本体5の中心軸線CのまわりでのC1方向回転に伴って図1の(a)及び(b)に示した完全な解け状態(巻解け状態)に至るまで、トルクT2が一定Tcに保たれ得るので、ぜんまい8の巻上ないし解けの程度にかかわらず調速脱進機86の歩度が一定に保たれ得るから、時計2の運針がぜんまい8の状態にかかわらず一定速度で、従って正確に行われ得る。
以上においては、偏心巻軸が一本である例について説明したけれども、図3の(a)及び(b)に示したように、偏心巻軸が複数本(図3の(a)及び(b)の例では4本)の偏心巻軸部7A1,7A2,7A3,7A4(以下において、総称するとき又は相互に区別しないときは符号「7A」で表すこともある)からなっていてもよい。複数本の偏心巻軸部7Aは、典型的には、回転対称(この例では4回回転対称)に配置される。図3の(a)及び(b)に示した時計2Aの香箱1Aにおいて、時計2の香箱と同様な要素には同一の符号が付され、概ね同様であるけれども異なるところのある要素には、同一の符号の最後に添字A(偏心軸部の要素の場合には同一の符号の最後に添字A1,A2,A3,若しくはA4)が付されている。
時計2Aの香箱1Aでは、四本の偏心巻軸部7A1,7A2,7A3,7A4は、相互に同様に構成されていて、四本の偏心巻軸部7A1,7A2,7A3,7A4の夫々は、時計2の香箱1の偏心巻軸7と実際上同様に構成されている。
時計2Aの香箱1Aでは、ぜんまい8Aも四本のぜんまい8A1,8A2,8A3,8A4(以下において、総称するとき又は相互に区別しないときは符号「8A」で表すこともある)から構成され、ぜんまい8A1,8A2,8A3,8A4を構成する弾性帯状体50A1,50A2,50A3,50A4は、夫々、四本の偏心巻軸部7A1,7A2,7A3,7A4と、中央巻軸6との間で巻回されていて、時計2の香箱1のぜんまい8の弾性帯状体50と比較して、その長さが1/4程度である点を除いて概ね同様に構成されている。中央巻軸6は四つのぜんまい8A1,8A2,8A3,8A4に共用されている。
時計2Aの香箱1Aにおいても、ぜんまい8Aは、O形定トルクばねとして働くべく、非特許文献1の式(26)に対応する前記の(1)を満たす。一方、弾性帯状体50の厚みtや長さLfに依存して中央巻軸本体部40及び偏心巻軸本体部30A1,30A2,30A3,30A4(以下において、総称するとき又は相互に区別しないときは符号「30A」で表すこともある)に巻回される弾性帯状体50Aの曲率半径の変化を考慮する場合に、弾性帯状体50Aが偏心巻軸7Aから巻取られて、偏心巻軸本体部30Aに巻回状態にある弾性帯状体50Aの最外層の半径R1も前記の式(3)を満たす。
なお、時計2Aの香箱1Aの場合、偏心巻軸本体部30の真径をR10、中央巻軸本体部40の真径をR20として、中央巻軸本体部40に巻回状態にある弾性帯状体50Aの最外層の半径R2は、中央巻軸本体部40に巻取った長さをL2とすると、
2={(n・L2・t/π)+R20 21/2 (5)
である。ここで、nは偏心巻軸本体部30A1,30A2,30A3,30A4やぜんまい8Aの数で、この例では、n=4である。なお、中央巻軸本体部40に巻回状態にある弾性帯状体50Aの最外層の半径R2は、中央巻軸本体部40のまわりでのぜんまい8Aの弾性帯状体50Aの巻数Nの関数の形態で示すと、前述の式(2a)の場合と同様に、次式でも表される。
2=R20+n・t・N (5a)
従って、前記の式(1)から、トルクT2を一定(Tc)にするために、ぜんまい8Aの弾性帯状体50Aの自然曲率半径Rnを前記の場合と同様に、
n=(R2−R1)/{Tc・R1/E・I−(R1 2−R2 2)/2R1・R2} (4)
とする。但し、ここで、上述の通り、
2=R20+n・t・N (5a)
1=〔{(Lf−L2)・t/π}+R10 21/2 (3)
であり、上記式(5)から
2=π(R2 2−R20 2)/(n・t) (5b)
であるので、偏心巻軸本体部30Aに巻回状態にある弾性帯状体50Aの最外層の半径R1は、中央巻軸本体部40に巻回状態にある弾性帯状体50Aの最外層の半径R2の関数として表され、中央巻軸本体部40のまわりでのぜんまい8Aの弾性帯状体50Aの巻数Nの関数として表されることは前述の場合と同様である。
この香箱1Aの場合、偏心巻軸本体部30Aが四本すなわち本数n=4であり、それに応じて長さLfが1/4すなわち長さLf=30mmであって同じ形状の弾性帯状体50Aを用いるとトルクを大きくし得る点で異なる。換言すれば、この場合、スペースが有効に利用されて体積効率が高められ得る。
この香箱1Aにおいて、例えば、トルクT2を一定値Tc=1.93N・mmに設定するためには、上記の式(4)に従って、その長さ方向に沿って図7の(b)に示した自然曲率半径Rnを有する状態にすればよい。換言すれば、その他の点では図7の(a)の場合と同様な条件下では、ぜんまい8Aの弾性帯状体50Aの自然曲率半径Rnを式(4)に従って図7の(b)のグラフで示したように設定すれば、ぜんまい8Aの解けの程度にかかわらず、香箱1Aの中央巻軸6について、一定のトルクT2=Tc(この例では、1.93N・mm)が取り出され得る。
図7の(b)において、横軸は、中央巻軸本体部40のまわりのぜんまいの巻数Nを示し、曲線R1,R2は、夫々、中央巻軸本体部40のまわりでのぜんまい8Aの(巻上状態ないし解け状態)巻数Nの場合における、各偏心巻軸本体部30Aに巻回状態にある弾性帯状体50Aの最外層の半径及び中央巻軸本体部40に巻回状態にある弾性帯状体50Aの最外層の半径である。この例では、フル巻上げ状態における巻数Nf=2.5巻である。また、図7の(b)からわかるように、Rn(N)<R1(N)<R2(N)であるから、ぜんまい8の帯状弾性体50は全長において、偏心巻軸本体部30及び中央巻軸本体部40に密着巻きされていることがわかる。
以上のことは、nが4である場合(図3の(a)及び(b)の場合)に限られず、nが2又は3や5以上のO形定トルクばねの場合にも同様にあてはまる。例えば、n=4の代わりにn=8にした場合、ぜんまいを構成する弾性帯状体の断面形状を変えないで長さを1/2(この例では15mm)にすると、巻数Nは1.2巻になるけれども、トルクTcは、4.40N・mmになる。
この香箱1Aを備えた時計2Aでも、ぜんまい8Aが図3の(b)に示したフル巻上げ状態から、図3の(a)に示した完全な巻解け状態至るまで、トルクT2が一定Tcに保たれ得るので、ぜんまい8Aの巻上ないし巻解けの程度にかかわらず調速脱進機86の歩度が一定に保たれ、時計2Aの運針がぜんまい8Aの状態にかかわらず一定速度で、従って正確に行われ得る。
以上においては、ぜんまい8,8Aを構成する弾性帯状体50,50Aの同一の主面が内周側に位置するいわゆる「O形」の定トルクばねを用いた香箱1,1Aの例について説明したけれども、定トルクばね機構は、「O形」の代わりに、「N形」であってもよい。
図4の(a)及び(b)並びに図5の(a)及び(b)に示した時計2Bの香箱1Bにおいて、時計2の香箱と同様な要素には同一の符号が付され、概ね同様であるけれども異なるところのある要素には、同一の符号の最後に添字Bが付されている。
時計2Bの香箱1Bでは、ぜんまい8Bを構成する弾性帯状体50Bが「O形」の代わりに「N形」の形態を構成するように、偏心巻軸7Bのまわりにおいて中央巻軸6Bのまわりとは逆向きに巻回されている(中央巻軸6Bと偏心巻軸7Bとの間でいわゆる「N形」の定トルクばねの形態で巻回されている)点を除いて、時計2の香箱1のぜんまい8を構成する弾性帯状体50と同様に構成されている。
時計2Bの香箱1Bでは、ぜんまい8Bは、次の特性を有する。
すなわち、ぜんまい8Bは、N形定トルクばねとして働くべく、非特許文献2の式(40)に対応する次の(1)を満たす。
2/E・I=(R2+R1)/Rn1+(R1 2−R2 2)/2R1 2・R2 (6)
ここで、各変数T2,E,I,R1,R2,Rnの意味は、前述の場合と同様である。
その他の点は、時計2の香箱1の場合と同様である。即ち、この場合も、非特許文献2の式(40)に相当する上記式(6)では弾性帯状体50Bの厚さtや長さLfが相対的に小さいものとして中央巻軸本体部40B及び偏心巻軸本体部30Bに巻回される弾性帯状体50Bの曲率半径の変化を考慮していないので、この点を考慮すると、
偏心巻軸本体部30Bの真径をR10、中央巻軸本体部40Bの真径をR20として、中央巻軸本体部40Bに巻回状態にある弾性帯状体50Bの最外層の半径R2は、
中央巻軸本体部40Bに巻取った長さをL2とすると、前述の場合と同様に、
2={(L2・t/π)+R20 21/2 (2)
である。なお、中央巻軸本体部40Bに巻回状態にある弾性帯状体50Bの最外層の半径R2は、中央巻軸本体部40Bのまわりでのぜんまい8Bの弾性帯状体50Bの巻数N依存の形態で示すと、次式でも表されることも前述の通りである。
2=R20+t・N (2a)
一方、弾性帯状体50Bが偏心巻軸7Bから巻取られて、偏心巻軸本体部30Bに巻回状態にある弾性帯状体50Bの最外層の半径R1も、前述の場合と同様に、
1=〔{(Lf−L2)・t/π}+R10 21/2 (3)
であり、上記式(2)から
2=π(R2 2−R20 2)/t (2b)
であるので、偏心巻軸本体部30Bに巻回状態にある弾性帯状体50Bの最外層の半径R1は、中央巻軸本体部40Bに巻回状態にある弾性帯状体50Bの最外層の半径R2の関数として表されるから、中央巻軸本体部40Bのまわりでのぜんまい8Bの弾性帯状体50Bの巻数Nの関数として表される点も同様である。
すなわち、上記(6)から、トルクT2を一定(Tc)にするために、ぜんまい8Bの弾性帯状体50Bの自然曲率半径Rn
n=(R2+R1)/{Tc・R1/E・I−(R1 2−R2 2)/2R1・R2} (7)
とすればよい。ここで、式(4)では、自然曲率半径Rnが中央巻軸本体部40Bに巻回状態にある弾性帯状体50Bの最外層の半径R2及び偏心巻軸本体部30Bに巻回状態にある弾性帯状体50Bの最外層の半径R1で表される。一方、上記式(2a)並びに式(3)及び(2b)からして、半径R2,R1は、いずれも、巻数Nの関数として表されるので、上記式(4)は、帯状体50Bの自然曲率半径Rnを巻数Nの関数として表したものと解し得ることも前述の場合と同様である。
この香箱1Bの場合、O形の代わりにN形であるので、弾性帯状体50Bの撓みが大きくなり、トルクを大きくし得る点で異なる。また、弾性帯状体50BがN形に巻かれた香箱1Bでは、中央巻軸本体部40Bの径R20が偏心巻軸本体部30Bの径R10と同程度(典型的には、この例のように同一即ちR20=R10)であるので、弾性帯状体50Bの長さを長くし得る点でも、中央巻軸本体部40Bの径R20が偏心巻軸本体部30Bの径R10よりも大きいO形の場合と異なる。
従って、香箱1Bでは、偏心巻軸本体部30Bの真径R10=1.0mm、中央巻軸本体部40Bの真径を真径R10と同様にR20=1.0mmとして、長さLf=360mm、厚さt=0.03mm、幅w=1.5mmでヤング率E=190GPaのぜんまい8Bの弾性帯状体50Bの場合、トルクT2を一定値Tc=1.60N・mmに設定するためには、上記の式(7)に従って、その長さ方向に沿って図8の(a)に示した自然曲率半径Rnを有する状態にすればよいことがわかる。換言すれば、上記条件下では、ぜんまい8Bの弾性帯状体50Bの自然曲率半径Rnを図8の(a)のグラフで示したように設定すれば、ぜんまい8Bの解けの程度にかかわらず、香箱1Bの中央巻軸6Bについて、一定のトルクT2=Tc(この例では、1.60N・mm)が取り出され得る。
なお、図8の(a)においても、横軸は、中央巻軸本体部40Bの周りのぜんまいの巻数Nを示し、曲線R1,R2は、夫々、中央巻軸本体部40Bのまわりでのぜんまい8Bの(巻上状態ないし解け状態)巻数Nの場合における、偏心巻軸本体部30Bに巻回状態にある弾性帯状体50Bの最外層の半径及び中央巻軸本体部40Bに巻回状態にある弾性帯状体50Bの最外層の半径である。この例では、フル巻上げ状態における巻数Nf=36.9巻である。また、図8の(a)からわかるように、(Rn(N)の大きさ)<(R1(N)の大きさ),(R2(N)の大きさ)である。但し、N形の場合、巻解けの際に対応する巻軸30に密着巻の形態で巻き付くことを考慮すると、Rn(N)の湾曲曲率の向き(符号)は、R1(N)の湾曲曲率の向き(符号)と一致し、R2(N)の湾曲曲率の向き(符号)とは逆である。
この香箱1Bを備えた時計2Bでも、ぜんまい8Bが図4の(a)及び(b)に示したように完全巻解け状態にある際に角穴歯車80を介して中央巻軸6BをC1方向に回すことにより偏心巻軸7BをB2方向に回して図5の(a)及び(b)に示したフル巻上げ状態又はこれに近い状態にする。一方、ぜんまい8Bが図5の(a)及び(b)のフル巻上げ状態から図4の(a)及び(b)の完全巻解け状態に至るまで、ぜんまい8Bの巻解けに応じて、中央巻軸6Bに対して香箱本体5の受けるトルクT2が一定Tcに保たれ得るので、ぜんまい8Bの巻上ないし巻解けの程度にかかわらず調速脱進機86の歩度が一定に保たれ、時計2Bの運針がぜんまい8Bの状態にかかわらず一定速度で、従って正確に行われ得る。
図6の(a)及び(b)に示したように、ぜんまいの弾性帯状体がN形に巻回される場合においても、偏心巻軸が複数本(図6の(a)及び(b)の例では4本)の偏心巻軸部7C1,7C2,7C3,7C4(総称するとき又は相互に区別しないときは符号「7C」でも表す)からなっていてもよい。図6の(a)及び(b)に示した時計2Cの香箱1Cにおいて、時計2の香箱1と同様な要素には同一の符号が付され、概ね同様であるけれども異なるところのある要素には、同一の符号の最後に添字C(偏心軸部の要素の場合には同一の符号の最後に添字C1,C2,C3,若しくはC4)が付されている。なお、時計2Bの香箱1Bと同様な要素には同一の符号が付され、概ね同様であるけれども異なるところのある要素には、同一の符号の最後に添字C(但し、添字の最後に符号Bがある場合には該Bを除いた符合の後に添字C)が付されている。
時計2Cの香箱1Cでは、四本の偏心巻軸部7C1,7C2,7C3,7C4は、相互に同様に構成されていて、四本の偏心巻軸部7C1,7C2,7C3,7C4の夫々は、時計2の香箱1の偏心巻軸7と実際上同様に構成されている。
時計2Cの香箱1Cでは、ぜんまい8Cも四本のぜんまい8C1,8C2,8C3,8C4(以下において、総称するとき又は相互に区別しないときは符号「8C」で表すこともある)から構成され、ぜんまい8C1,8C2,8C3,8C4を構成する弾性帯状体50C1,50C2,50C3,50C4は、夫々、四本の偏心巻軸部7C1,7C2,7C3,7C4と中央巻軸6Cとの間で巻回されていて、時計2Bの香箱1Bのぜんまい8Bと比較して、その長さが1/4程度である点を除いて概ね同様に構成されている。
時計2Cの香箱1Cにおいても、ぜんまい8Cは、N形定トルクばねとして働くべく、非特許文献2の式(40)に対応する前記の(6)を満たす。一方、弾性帯状体50Cの厚みtや長さLfに依存して中央巻軸本体部40及び偏心巻軸本体部30C1,30C2,30C3,30C4(以下において、総称するとき又は相互に区別しないときは符号「30C」で表すこともある)に巻回される弾性帯状体50Cの曲率半径の変化を考慮しても、する場合に、弾性帯状体50Cが偏心巻軸7Cから巻取られて、偏心巻軸本体部30Cに巻回状態にある弾性帯状体50Cの最外層の半径R1も前記の式(3)を満たす。
なお、時計2Cの香箱1Cの場合、偏心巻軸本体部30Cの真径をR10、中央巻軸本体部40Bの真径をR20として、中央巻軸本体部40Bに巻回状態にある弾性帯状体50Cの最外層の半径R2は、中央巻軸本体部40Bに巻取った長さをL2とすると、時計2Aの香箱1Aの場合と同様に、偏心巻軸本体部30Cやぜんまい8Cの数をnとして、
2={(n・L2・t/π)+R20 21/2 (5)
である。この例では、n=4である。なお、中央巻軸本体部40Bに巻回状態にある弾性帯状体50Cの最外層の半径R2は、中央巻軸本体部40Bのまわりでのぜんまい8Cの弾性帯状体50Cの巻数Nの関数の形態で示すと、前述の場合と同様に次式でも表される。
2=R20+n・t・N (5a)
従って、N形の場合の前記の式(6)から、トルクT2を一定(Tc)にするために、ぜんまい8Cの弾性帯状体50Cの自然曲率半径Rnを前記の場合と同様に、
n=(R2+R1)/{Tc・R1/E・I−(R1 2−R2 2)/2R1・R2} (7)
とする。但し、ここで、上述の通り、
2=R20+n・t・N (5a)
1=〔{(Lf−L2)・t/π}+R10 21/2 (3)
であり、上記式(5)から
2=π(R2 2−R20 2)/(n・t) (5b)
であるので、偏心巻軸本体部30Cに巻回状態にある弾性帯状体50Cの最外層の半径R1は、中央巻軸本体部40Bに巻回状態にある弾性帯状体50Cの最外層の半径R2の関数として表され、中央巻軸本体部40Bのまわりでのぜんまい8Cの弾性帯状体50Cの巻数Nの関数として表されることは前述の場合と同様である。
以上のことは、nが2又は3や5以上のN形定トルクばねの場合にもあてはまることも同様である。
この香箱1Cの場合、偏心巻軸本体部30Cが四本すなわち本数n=4であり、それに応じて長さLfが1/4すなわち長さLf=90mmであって同じ形状の弾性帯状体50Cを用いるとトルクを大きくし得る点で香箱1Bとは異なる。
この香箱1Cにおいて、例えば、トルクT2を一定値Tc=6.94N・mmに設定するためには、上記の式(7)に従って、その長さ方向に沿って図8の(b)に示した自然曲率半径Rnを有する状態にすればよい。換言すれば、その他の点では図8の(a)の場合と同様な条件下では、ぜんまい8Cの弾性帯状体50Cの自然曲率半径Rnを式(7)に従って図8の(b)のグラフで示したように設定すれば、ぜんまい8Cの巻解けの程度にかかわらず、香箱1Cの中央巻軸6Cについて、一定のトルクT2=Tc(この例では、6.94N・mm)が取り出され得る。
図8の(b)において、横軸は、中央巻軸本体部40Bのまわりのぜんまいの巻数Nを示し、曲線R1,R2は、夫々、中央巻軸本体部40Bのまわりでのぜんまい8Cの(巻上状態ないし巻解け状態にある)巻数Nの場合における、各偏心巻軸本体部30Cに巻回状態にある弾性帯状体50Cの最外層の半径及び中央巻軸本体部40Bに巻回状態にある弾性帯状体50Cの最外層の半径である。この例では、フル巻上げ状態における巻数Nf=9.2巻である。また、図8の(b)からわかるように、(Rn(N)の大きさ)<(R1(N)の大きさ),(R2(N)の大きさ)である。但し、この場合も、N形では巻解けの際に対応する巻軸30に密着巻の形態で巻き付くことを考慮すると、Rn(N)の湾曲曲率の向き(符号)は、R1(N)の湾曲曲率の向き(符号)と一致し、R2(N)の湾曲曲率の向き(符号)とは逆である。
この香箱1Cを備えた時計2Cでも、ぜんまい8Cが図6の(b)に示したフル巻上げ状態から、図6の(a)に示した完全な巻解け状態に至るまで、トルクT2が一定Tcに保たれ得るので、ぜんまい8Cの巻上ないし巻解けの程度にかかわらず調速脱進機86の歩度が一定に保たれ、時計2Cの運針がぜんまい8Cの状態にかかわらず一定速度で、従って正確に行われ得る。
なお、以上においては、フル巻上げ状態においては中央巻軸6B,6Bにぜんまい8B,8Cの弾性帯状体50B,50Cが巻回され、完全な巻解け状態においては偏心巻軸7B,7Cに弾性帯状体50B,50Cが巻回される例について説明したけれども、所望ならば、N形に巻かれたぜんまい8B,8Cを備えた香箱1B,1Cを有する時計2B,2Cにおいて、フル巻上げ状態においては偏心巻軸7B,7Cに弾性帯状体50B,50Cが巻回され、完全な巻解け状態においては中央巻軸6B,6Bにぜんまい8B,8Cの弾性帯状体50B,50Cが巻回されるようにしてもよい。その場合、中央巻軸6B,6BをC1方向に回した場合にぜんまい8B,8Cのフル巻上げが行われるように、ぜんまい8B,8Cの巻き方を図示の例とは逆にしてもよい。その場合でも、フル巻上げのために中央巻軸6B,6Bを回すべき向きに香箱本体5が回転されることにより、巻解けが進行することは同様であり、巻解けの際に、トルクT2が一定Tcに保たれ得ることも同様である。
なお、O形に巻かれたぜんまい8,8Aを備えた香箱1,1Aを有する時計2,2Aの場合においても、中央巻軸6,6Aの径R20と比較して偏心巻軸7,7Aの径R10が大きくなるように形成される点を除いて、同様である。
以上においては、香箱1,1A,1B,1Cの例を説明したけれども、上記の構造は、時計2,2A,2B,2Cの動力発生装置であれば、香箱以外に用いられてもよい。
1,1A,1B,1C 香箱
2,2A,2B,2C 時計
5,5A 香箱本体
6,6B 中央巻軸
7,7A,7A1,7A2,7A3,7A4,7B,7C、7C1,7C2,7C3,7C4 偏心巻軸
8,8A,8A1,8A2,8A3,8A4,8B,8C、8C1,8C2,8C3,8C4 ぜんまい
10,10A 香箱筐体部
11,11A 底壁部
12 外周縁
13 該周壁部
14 中央孔部
15 内周縁
16 内周壁部
16a 端面
17 香箱歯車部
18 偏心孔部
19 係合凹部
20 香箱蓋
21 円環状板状体
22 係合縁部
23 中央孔部
24 偏心孔部
25 内周縁
26 内周壁部
26a 端面
30,30A,30A1,30A2,30A3,30A4,30B,30C、30C1,30C2,30C3,30C4 巻軸本体部
31,32 小径軸部
40,40B 巻軸本体部
41,42 中径軸部
43,44 小径軸部
50,50A,50A1,50A2,50A3,50A4,50B,50C、50C1,50C2,50C3,50C4 弾性帯状体
51,51A,51A1,51A2,51A3,51A4,51B,51C、51C1,51C2,51C3,51C4 端部
52,52A,52A1,52A2,52A3,52A4,52B,52C、52C1,52C2,52C3,52C4 端部
80 角穴歯車
81 こはぜ
82 巻上輪列
85 運針輪列
86 調速脱進機
87 増速輪列
88 時刻表示針
A 室
B,BA1,BA2,BA3,BA4,BC1,BC2,BC3,BC4,C 中心軸線
B1,B2,C1,C2 方向
E ヤング率
I 断面二次モーメント
2 中央巻軸本体部に巻取った長さ
f 弾性帯状体50の長さ
N 弾性帯状体の巻数
n 弾性帯状体の本数
1 偏心巻軸の側において巻回状態にある弾性帯状体の最外層の(曲率)半径
10 偏心巻軸本体部の真径
2 中央巻軸の側において巻回状態にある弾性帯状体の最外層の(曲率)半径
20 中央巻軸本体部の真径
n 弾性帯状体の自然曲率半径
2 中央巻軸本体部に作用するトルク
c 一定のトルク
t 弾性帯状体の厚み
w 弾性帯状体の幅

Claims (11)

  1. 支持体によって回転可能に支持される保持器と、
    該保持器の回転中心と一致する回転中心において該保持器に回転自在に支持された第一の巻軸と、
    前記保持器の偏心位置において該保持器に回転自在に支持された第二の巻軸と、
    一端が第一の巻軸に取付けられ他端が第二の巻軸に取付けられた弾性帯状体の形態のぜんまいであって第一及び第二の巻軸の間で定トルクばねの形態で巻回されるものと
    を有する時計用動力発生装置であって、
    前記ぜんまいが前記第一及び第二の巻軸のうちの一方の巻軸に巻かれた巻解け状態にあり且つ前記支持体に対する前記保持器の回転が規制された状態にある際に、前記保持器に対して前記第一の巻軸が回転されて前記ぜんまいが前記第一及び第二の巻軸のうちの他方の巻軸に巻取られるように構成され、
    前記ぜんまいが前記他方の巻軸に少なくとも部分的に巻上げられた状態にあり且つ前記支持体に対する前記第一の巻軸の回転が規制された状態にある際に、前記第一の巻軸に対して前記保持器が回転されて動力が取出されるように構成された
    時計用動力発生装置。
  2. 前記保持器が円板状保持器本体部を備え、前記第一の巻軸が該円板状保持器本体部の中心において前記保持器に対して回転自在に支持された第一中心巻軸部からなり、前記第二の巻軸が前記円板状保持器本体部の中心に対して偏心した位置において前記保持器に対して回転自在に支持された一本の第二偏心巻軸部からなる請求項1に記載の時計用動力発生装置。
  3. 前記保持器が円板状保持器本体部を備え、前記第一の巻軸が該円板状保持器本体部の中心において前記保持器に対して回転自在に支持された第一中心巻軸部からなり、前記第二の巻軸が該円板状保持器本体部の中心に対して偏心した位置の夫々において前記保持器に対して回転自在に支持された複数本の第二偏心巻軸部からなり、該第二偏心巻軸部の夫々と前記第一中心巻軸部との間に前記ぜんまいが設けられている請求項1に記載の時計用動力発生装置。
  4. 巻解け状態において、前記ぜんまいが前記一方の巻軸に対して実質的に密着巻き状態にある請求項1から3までのいずれか一つの項に記載の時計用動力発生装置。
  5. 前記第一の巻軸が前記他方の巻軸である請求項1から4までのいずれか一つの項に記載の時計用動力発生装置。
  6. 第一の巻軸が前記一方の巻軸である請求項1から4までのいずれか一つの項に記載の時計用動力発生装置。
  7. 前記ぜんまいが前記第一の巻軸に巻かれた状態と前記第二の巻軸に巻かれた状態の両方の状態において前記ぜんまいを構成する前記弾性帯状体の二つの主面のうちの同一の主面が内側に位置するように構成された請求項1から6までのいずれか一つの項に記載の時計用動力発生装置。
  8. 前記ぜんまいが前記第一の巻軸に巻かれた状態と前記第二の巻軸に巻かれた状態の夫々の状態においてぜんまいを構成する前記弾性帯状体の二つの主面のうちの異なる主面が内側に位置するように構成された請求項1から6までのいずれか一つの項に記載の時計用動力発生装置。
  9. 前記ぜんまいを構成する前記弾性帯状体が外力を受けていない場合において該弾性帯状体の長手方向の各部が有する曲率である自然曲率が該弾性帯状体の長手方向に沿って変化している請求項1から8までのいずれか一つの項に記載の時計用動力発生装置。
  10. 時計用動力発生装置が香箱からなる請求項1から9までのいずれか一つの項に記載の時計用動力発生装置。
  11. 請求項1から10までのいずれか一つの項に記載の時計用動力発生装置を備えた時計。
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