JP2013144640A - ハニカム構造体 - Google Patents

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【課題】 耐熱性に優れたハニカム構造体を提供すること。
【解決手段】本発明のハニカム構造体1は、ハニカム分体2と、SiCハニカム接合材層5と、を有するハニカム構造体1であって、SiCハニカム接合材層5は、微細粉末と、粗大粉末と、無機繊維と、分散媒と、バインダと、を有する接合材により形成され、かつ主に微細粉末よりなるハニカム分体の表面との当接部を形成する表層部と、表層部の間に位置し主に粗大粉末と無機繊維とから構成され多数の細孔を有する中間層部と、が積層していることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、ハニカム構造体に関し、詳しくは、SiCセラミックスよりなるハニカム分体を接合してなるハニカム構造体に関する。
内燃機関、ボイラー、化学反応機器、燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体、排ガス中のスス等の微粒子(特にディーゼルエンジンからの排気ガス中の微粒子物質(PM))の捕集フィルタ(以下、DPFという)等には、セラミックス製のハニカム構造体が用いられている。
SiCセラミックス製のハニカム構造体よりなるDPFは、隔壁部のセルを区画する隔壁を排気ガスが通過するウォールフロー型のフィルタとして用いられている。ウォールフロー型のフィルタは、セル壁に形成された連続した細孔を排気ガスが通過し、細孔を通過できない排気ガス中のPMを捕集する。
DPFは、捕集したPMが堆積したままでは目詰まりを起こすため、捕集したPMを除去する必要がある。捕集したPMを除去する方法のひとつに燃焼等によりPMを分解・除去する方法がある。また、DPFは、触媒活性を発揮する触媒金属を担持し、この触媒金属でPMを分解する方法もある。
燃焼によりPMを除去するときには、ハニカム構造体が加熱される。そして、加熱による急激な温度変化により、ハニカム構造体を構成するセラミックスに体積変化(熱膨張)が生じる。この結果、ハニカム構造体に熱膨張による応力が発生し、より高い温度に加熱されると、応力が集中してヒビや割れが生じるという問題が発生していた。
この熱膨張による破壊の問題を解決するためにハニカム構造体はいくつかのセグメントに分割されたハニカム分体を接合材で接合して形成されているが、ハニカム分体を接合材で接合してなるハニカム構造体において、接合材の熱膨張率が大きい場合や接合材が非常に固い構造を有する場合には、接合材層がハニカム分体の体積変化を吸収できず、ハニカム分体が破壊される、もしくは接合材層が破壊され、ハニカム分体が剥離するおそれがあった。
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、より高い温度に晒されても損傷を生じないハニカム構造体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者等は、ハニカム分体を接合する接合材から形成されるSiCハニカム接合材層について検討を重ねた結果本発明をなすに至った。
すなわち、本発明のハニカム構造体は、多孔質のSiCセラミックスよりなるハニカム分体と、二つのハニカム分体の間に位置し、ハニカム分体を接合するSiCハニカム接合材層と、を有するハニカム構造体であって、SiCハニカム接合材層は、平均粒径(D50)が5μm以下のSiCよりなる微細粉末と、平均粒径(D50)が5〜100μmのSiCよりなる粗大粉末と、繊維長が10μm〜1mmの無機繊維と、各粉末および無機繊維が分散した分散媒と、有機バインダおよび/または無機バインダよりなるバインダと、を有する接合材により形成され、かつ主に微細粉末よりなるハニカム分体の表面との当接部を形成する表層部と、表層部の間に位置し主に粗大粉末と無機繊維とから構成され多数の細孔を有する中間層部と、が積層していることを特徴とする。
本発明のハニカム構造体は、ハニカム分体との当接部を形成する表層部と、表層部の内部に位置する多孔質の中間層部と、を有するSiCハニカム接合材層を有する。つまり、ハニカム構造体において、接合材から形成されるSiCハニカム接合材層がすき間を有する構成となっている。このすき間が、ハニカム分体の体積変化を緩衝することとなり、ハニカム構造体の耐熱性が向上する。
実施例1でハニカム分体となる成形体を示した図である。 実施例1のハニカム分体の接合体を示した図である。 実施例1のハニカム構造体の端面を示した図である。 実施例1のハニカム構造体の接合材層の構成を模式的に示した図である。
本発明のハニカム構造体は、多孔質のSiCセラミックスよりなるハニカム分体と、二つのハニカム分体の間に位置し、ハニカム分体を接合するSiCハニカム接合材層と、を有するハニカム構造体である。すなわち、本発明のハニカム構造体は、従来公知のハニカム構造体のように、複数部のハニカム分体を接合材で接合した構成となっている。このような構成は、ハニカム分体ごとにその特性(細孔特性など)を変化させることができ、ハニカム構造体全体に所望の性能を付与できる。
そして、本発明のハニカム構造体では、SiCハニカム接合材層が、平均粒径(D50)が5μm以下のSiCよりなる微細粉末と、平均粒径(D50)が5〜100μmのSiCよりなる粗大粉末と、繊維長が10μm〜1mmの無機繊維と、各粉末および無機繊維が分散した分散媒と、有機バインダおよび/または無機バインダよりなるバインダと、を有する接合材により形成される。すなわち、SiCハニカム接合材層は、下記の接合材から形成される。
また、SiCハニカム接合材層は、主に微細粉末よりなるハニカム分体の表面との当接部を形成する表層部と、表層部の間に位置し主に粗大粉末と無機繊維とから構成され多数の細孔を有する中間層部と、が積層している。
(接合材)
接合材は、多孔質のSiCセラミックスよりなるハニカム分体を接合してハニカム構造体とするSiCハニカム用接合材である。つまり、本発明に用いられる接合材は、多孔質のSiCセラミックスよりなるハニカム分体を接合してハニカム構造体を形成するときに、ハニカム分体を接合するために用いられる接合材である。
そして、本発明に用いられる接合材は、平均粒径(D50)が5μm以下のSiCよりなる微細粉末と、平均粒径(D50)が5〜100μmのSiCよりなる粗大粉末と、繊維長が10μm〜1mmの無機繊維と、各粉末および無機繊維が分散した分散媒と、有機バインダおよび/または無機バインダよりなるバインダと、を有する。
接合材をハニカム分体の接合のために、ハニカム分体の表面に塗布して別のハニカム分体を重ね合わせると、ハニカム分体が多孔質のセラミックスよりなることから、毛細管現象により分散媒の一部(特に、ハニカム分体の表面近傍に位置する分散媒の一部)がハニカム分体の細孔内に侵入することとなり、分散媒がハニカム分体に吸収される。この分散媒の吸収(移動)に伴って、微細粉末もハニカム分体に向かって移動する。そして、微細粉末がハニカム分体の表面側に多く存在するようになる。このとき、粗大粉末および無機繊維は、移動しない(あるいは移動量がごくわずか)ため、それぞれの粒子の位置が保持される。そして、この状態で、接合材を構成する粗大粉末および無機繊維が固定され、二つのハニカム分体を接合する接合材層が形成される。
本発明に用いられる接合材でハニカム分体を接合して形成される接合材層の断面を観察すると、ハニカム分体の表面近傍側には微細粉末が大きな割合で含まれる(ほぼ微細粉末よりなる)表層部と、表層部の間に粗大粉末と無機繊維が多く含まれる(ほぼ粗大粉末と無機繊維とからなる)中間層部と、が確認できるようになる。すなわち、SiCハニカム接合材層は、主に微細粉末よりなるハニカム分体の表面との当接部を形成する表層部と、表層部の間に位置し主に粗大粉末と無機繊維とから構成され多数の細孔を有する中間層部と、が積層している。
このように、本発明に用いられる接合材を用いてハニカム分体を接合すると、ハニカム分体との当接部を形成する表層部と、表層部の内部に位置する多孔質の中間層部と、を有する接合材層が形成される。つまり、ハニカム構造体を形成したときに接合材よりなる接合材層がすき間を有する構成となっている。このすき間が、ハニカム分体の体積変化を緩衝することとなり、本発明のハニカム構造体の耐熱性が向上する。
また、表層部は、ハニカム分体を接合したときに、ハニカム分体との当接部を形成する。この表層部は、ほぼ微細粉末よりなるため、充填密度が高くなり、中間層部のようなすき間がほとんど存在しない。すき間が存在しないことから、ハニカム分体との当接面にすき間による細孔が存在せず、接合材層とハニカム分体の当接面積が確保される。
本発明に用いられる接合材は、接合された二つのハニカム分体の間で接合材層を形成する。そして、接合材層は、ハニカム分体が積層した厚さ方向で、表層部、中間層部、表層部の順序で表層部及び中間層部を有する。このとき、中間層部は、すき間を確保しつつ二つの表層部を固定している。
中間層部のすき間は、中間層部に均一に分散した細孔よりなることが好ましい。このとき、中間層部に形成された細孔の細孔径や気孔率などは、接合されるハニカム分体により異なる。
接合材を構成する粗大粉末は、D50が5μmを超え、100μm以下である。粗大粉末のD50が、5μm以下となると、粒径が小さくなり、中間層部にすき間ができなくなり、ハニカム構造体を形成したときにハニカム分体の熱膨張による伸びを吸収できなくなる。また、粗大粉末のD50が100μmを超えると、粒径が大きくなりすぎて粗大粉末が沈降するなど、接合材でハニカム分体を接合するときの取り扱いが困難となるだけでなく、形成される接合材層の強度低下を招くようになる。
本発明に用いられる接合材において、粗大粉末の含有割合については特に限定されるものではない。接合材において、接合材全体の重量を100wt%としたときに、20〜50wt%で粗大粉末が含まれることが好ましい。粗大粉末の割合がこの範囲内となることで、粗大粉末を含有する効果が発揮される。粗大粉末が20wt%未満では、粗大粉末の割合が低すぎ、中間層部に十分なすき間が形成できなくなる(十分な気孔率が得られなくなる)。粗大粉末が50wt%を超えると、大きなすき間が形成され、接合材層の強度が低下する。
また、接合材を構成する微細粉末は、D50が5μm以下である。微細粉末のD50が5μm以上となると、ハニカム分体の表面に塗布されたときに微細粉末がハニカム分体側に移動しにくくなり、接合材層が表層部と中間層部を形成できなくなる。また、接合材層の接合力が低下する。また、粗大粉末との粒径差が小さくなり、粗大粉末と微細粉末とを混在させる効果が十分に得られなくなる。微細粉末のD50は、3μm以下であることより好ましい。
本発明に用いられる接合材において、微細粉末の含有割合については特に限定されるものではない。接合材において、接合材全体の重量を100wt%としたときに、15〜40wt%で微細粉末が含まれることが好ましい。微細粉末の割合がこの範囲内となることで、微細粉末を含有する効果が発揮される。微細粉末が15wt%未満では、微細粉末の割合が低すぎ、表層部が形成できなくなる。微細粉末が40wt%を超えると、表層部の厚さが過剰に厚くなるとともに、表層部に十分なすき間が形成できなくなる。
ここで、微細粉末及び粗大粉末を構成するSiCは、SiCを主成分とする材料であればよく、好ましくはSiCのみからなる材料である。
接合材を構成する無機繊維は、繊維長が10μm〜1mmである。無機繊維は、接合材層において、中間層部で粗大粉末を固定するとともに中間層部の補強材として機能する。無機繊維の繊維長が10μm以下では、繊維長が短すぎて、粗大粉末と形状が近似することとなり、無機繊維としての機能が果たせなくなる。また、繊維長が1mm以上となると、無機繊維が長手方向に配向し、どちらも補強材としての役割を果たせなくなる。
接合材を構成する無機繊維は、その材質が特に限定されるものではなく、従来公知の材質を用いることができる。無機繊維としては、たとえば、ムライト、シリカ、アルミナ、SiC等よりなる無機繊維を用いることができる。
本発明に用いられる接合材において、無機繊維の含有割合については特に限定されるものではない。接合材において、接合材全体の重量を100wt%としたときに、3〜10wt%で無機繊維が含まれることが好ましい。無機繊維の割合がこの範囲内となることで、無機繊維を含有する効果が発揮される。無機繊維が3wt%未満では、無機繊維の割合が低すぎ、添加の効果が無くなり、接合材層の強度が低下する。無機繊維が10wt%を超えると、無機繊維が過剰となり、補強材として機能しない繊維が存在するようになる。
接合材において、微細粉末,粗大粉末および無機繊維が分散する分散媒は、これらの粒子及び繊維を分散させることができる分散媒であれば特に限定されるものではない。
バインダは、有機バインダおよび/または無機バインダよりなる。バインダは、微細粉末、粗大粉末及び無機繊維を均一に分散させる。バインダを有することで、粉末及び繊維が均一に分散した接合材となり、接合材を塗布した時に粉末及び繊維が均一な状態で展伸される。無機バインダは、粉末及び繊維を結合し、有機バインダは接合材の塗布性を向上させる。バインダは、無機バインダを有することがより好ましい。
本発明に用いられる接合材は、多孔質のSiCセラミックスよりなるハニカム分体の接合される表面に塗布され、別のハニカム分体が重ね合わせられて張り合わされた状態で、SiCの焼結温度よりも低い温度で加熱することで、ハニカム分体を接合することができる。
本発明に用いられる接合材は、接合材全体の重量を100wt%としたときに、微細粉末が15〜40wt%、粗大粉末が20〜50wt%、無機繊維が3〜10wt%の割合でそれぞれが含まれることが好ましい。
(ハニカム構造体)
本発明のハニカム構造体は、多孔質のSiCセラミックスよりなるハニカム分体と、二つのハニカム分体の間に位置し、ハニカム分体を接合するSiCハニカム接合材層と、を有するハニカム構造体である。すなわち、本発明のハニカム構造体は、従来公知のハニカム構造体のように、複数部のハニカム分体を接合材で接合した構成となっている。このような構成は、ハニカム分体ごとにその特性(細孔特性など)を変化させることができ、ハニカム構造体全体に所望の性能を付与できる。
そして、SiCハニカム接合材層は、平均粒径(D50)が5μm以下のSiCよりなる微細粉末と、平均粒径(D50)が5〜100μmのSiCよりなる粗大粉末と、繊維長が10μm〜1mmの無機繊維と、各粉末および無機繊維が分散した分散媒と、有機バインダおよび/または無機バインダよりなるバインダと、を有する接合材より形成される。すなわち、本発明のハニカム構造体は、上記の接合材でハニカム分体を接合してなるハニカム構造体であり、耐熱性に優れたハニカム構造体である。
本発明のハニカム構造体において、ハニカム分体を構成する多孔質のSiCセラミックスは、SiCを主成分として構成された多孔質のセラミックスであればよく、SiCのみからなるものだけに限定されるものではない。また、ハニカム分体を構成する多孔質のSiCセラミックスの細孔径(平均細孔径)や気孔率は、特に限定されるものではない。
本発明のハニカム構造体は、上記したように、ハニカム分体に塗布された接合材の水分等がハニカム分体に吸収されることで、中間層部及び表層部を備えた中間層部を形成できる。ハニカム分体の吸水性に寄与する細孔径や気孔率は、特に限定されるものではない。すなわち、ハニカム分体は、平均細孔径が2〜30μm、気孔率が20〜70%であることが好ましい。平均細孔径が5〜20μm、気孔率が30〜60%であることがより好ましい。ここで、平均細孔径や気孔率がこれらの範囲未満となると、吸水性が低下して所望の接合材層が形成できなくなり、平均細孔径や気孔率がこれらの範囲を超えると、フィルタ触媒として使用したときに所望の径のPMを捕集できなくなる。
ハニカム分体は、多数のセルの一方の端部または他方の端部がセラミックスよりなる封止材に封止されていることが好ましい。セルの一方の端部または他方の端部が封止材で封止されることで、ウォールフロー型のハニカム構造体を形成できる。封止材を構成するセラミックスは、その材質が特に限定されるものではなく、ハニカム分体を構成する多孔質のSiCセラミックスと同じ材質であっても、異なる材質であっても、いずれでもよい。より好ましくは、多孔質のSiCセラミックスを主成分としてなるセラミックスである。
本発明のハニカム構造体において、セルの形状(断面形状)は、特に限定されるものではなく、従来公知の断面形状とすることができる。従来公知のセル形状のうち、正方形状であることがより好ましい。
本発明のハニカム構造体は、ディーゼルエンジンからの排気ガス中の粒子状物質(PM)を除去するDPFに用いることが好ましい。本発明のハニカム構造体は、セルを区画する隔壁を排気ガス(気体)が通過するウォールフロー型のフィルタとして用いることができ、このようなフィルタのうち特に、DPFとして用いることが好ましい。
本発明のハニカム構造体をDPFとして用いるときに、少なくとも隔壁部の細孔表面に、アルミナ等よりなる多孔質酸化物、Pt,Pd,Rh等の触媒金属の少なくともひとつを担持してもよい。これらの物質を担持したことで、DPFとしてパティキュレートなどの浄化性能が向上する。
本発明のハニカム構造体は、その外周形状が特に限定されるものではなく、従来公知の形状とすることができる。たとえば、断面が真円や楕円の略円柱状、断面が方形や多角形の角柱状とすることができ、より好ましくは円柱形状である。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
本発明の実施例として、SiCハニカム用接合材を調製し、調製された接合材を用いてハニカム構造体を製造した。
(実施例)
平均粒径(D50)が38μmのSiC粉末(粗大粉末)(信濃電気製錬株式会社製、商品名:GP#400)、D50が1.0μmのSiC粉末(微細粉末)(信濃電気製錬株式会社製、商品名:SER−A10)、繊維長が1mm以下のムライトよりなる無機繊維(新日化サーマルセラミックス株式会社製、商品名:SC1260−A10)、1.5wt%でカルボキシルメチルセルロース(CMC)を含む水溶液よりなる有機バインダ(ダイセル化学工業株式会社製、商品名:DN400H)、コロイダルシリカよりなる無機バインダ(日産化学工業株式会社製、商品名:スノーテックスO)を表1に示した割合で秤量し、混練した。これにより、本実施例のSiCハニカム用接合材が調製された。
Figure 2013144640
つづいて、ハニカム構造体を製造した。
まず、SiCを主成分とするハニカム分体2のセラミックスの原料を秤量し、この原料を十分に混合(混練)した後に、軸方向に多数のセルが形成された柱状のSiCよりなる成形体を従来公知の製造方法である押出成形で製造した。この成形体は、断面が正方形状に区画されたセルをもつ。この成形体を図1に示した。
つづいて、固形分がほぼSiC粉末よりなるスラリーを調製した。なお、このスラリーは、粘度調整材等の添加剤を含む。そして、このスラリーを、乾燥させた成形体の両端の端部から所定のセルに注入し、乾燥させた。ここで、所定のセルとは、スラリーが注入されたセルが市松模様状をなすようにもうけられている。また、セルの一方の端部または他方の端部のみにスラリーが注入された。
そして、その後の工程で成形したときに、ハニカム構造体1の外周面を区画するセルには、その両端にスラリーを注入した。
その後、2300℃でセルにスラリーが注入された成形体を熱処理して成形体を焼成するとともにスラリーを固化させて封止材3とし、封止材3で封止されたセル(封止部)をもつハニカム分体2を形成した。セルの軸方向における封止材3の長さはそれぞれ3.0mmであった。
製造されたハニカム分体2を、実施例の接合材を用いて接合した。接合材による接合は、厚さが1.0±0.5mmとなるように接合材をハニカム分体2の外周面に塗布した後、別のハニカム分体2をこの面にすりあわせて接合した。この接合を繰り返して、断面が正方形をなすようにハニカム分体2を接合し、80℃で乾燥した。これにより、ハニカム分体2が接合材層5を介して接合された接合体が形成された。ハニカム分体2の接合体の端面を図2に示した。
そして、この接合体を旋盤もしくは円筒研削機を用いて切削して外周形状を成形した。そして、主成分がSiCよりなるスラリーを調製し、成形体の外周面に塗布し、80℃で乾燥した後に850℃で加熱して接合材およびスラリーを固化させた。これにより、外周面上に外周材層4が形成できた。
以上により、本実施例のハニカム構造体1を製造することができた。本実施例のハニカム構造体をその端面で図3に示した。
本実施例のハニカム構造体1は、多孔質のSiCセラミックスよりなるハニカム分体2と、ハニカム分体2の間に位置し、ハニカム分体2同士をを接合するSiCハニカム用接合材層5と、を有する構成となっている。
(比較例1)
D50が38μmのSiC粉末(粗大粉末)、D50が0.8μmのSiC粉末(微細粉末)、1.5wt%でカルボキシルメチルセルロース(CMC)を含む水溶液よりなる有機バインダ、コロイダルシリカよりなる無機バインダを表1に示した割合で秤量し、混練した。ここで、SiC粉末やバインダは実施例において用いたものと同様なものを用いた。これにより、本比較例のSiCハニカム用接合材が調製された。
その後、実施例1の時と同様にして本比較例のハニカム構造体が製造できた。
(比較例2)
D50が0.8μmのSiC粉末(微細粉末)、繊維長が1mm以下のムライトよりなる無機繊維、1.5wt%でカルボキシルメチルセルロース(CMC)を含む水溶液よりなる有機バインダ、コロイダルシリカよりなる無機バインダを表1に示した割合で秤量し、混練した。ここで、SiC粉末、無機繊維やバインダは実施例において用いたものと同様なものを用いた。これにより、本比較例のSiCハニカム用接合材が調製された。
その後、実施例の時と同様にして本比較例のハニカム構造体が製造できた。
(評価)
実施例および各比較例のハニカム構造体の評価として、まず、接合材層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。
SEMによると、実施例および比較例1のハニカム構造体1では、図4に模式的に示したように、主に微細粉末よりなるハニカム分体2の表面との当接部を形成する表層部50と、表層部50の間に位置し主に粗大粉末と無機繊維とから構成され多数の細孔を有する中間層部51とが積層した構成であることが確認できた。これに対し、比較例2のハニカム構造体では、接合材層が細孔が形成されていない均一な構成となっていることが確認できた。
つづいて、実施例及び各比較例の試料を作成し、熱衝撃試験を施した。
まず、実施例の時と同様にして、35×35×75mmの角柱状のハニカム分体を製造した。そして、接合材を1mmの厚さでハニカム分体の外周面に塗布し、別のハニカム分体2を貼り付けた。そして、合計9本のハニカム分体が3×3本で配された状態で接合された試料を実施例と同様に製造した。
そして、内部の温度を調節できる加熱炉を準備し、炉内温度を600〜800℃の50℃ごとの所定の温度に加熱し保持する。炉内温度が所定の温度に保持されたことが確認できたら、試料を炉内に配置し、20分間保持する。
20分間保持した後に、炉内から試料を取り出し、急冷した。
放熱により、試料の温度が十分に低下するまで観察した。観察結果を表2に示した。表1においては、ハニカム体2にクラックおよびクラック音が確認できない場合には○で、ハニカム体2にクラックおよびクラック音が確認された場合には×で示した。
Figure 2013144640
ここで、確認されるクラック音は、ほとんどの場合に高周波音の金属音であり、ハニカム分体2にクラックが生じている。また、表2においては、クラック音の確認とクラックの視認との間に温度差がある例がある。これらの例においては、クラック音が確認された時点で破壊が始まり、更に熱膨張して視認できるクラックが生じるものと推測できる。
表2に示したように、実施例の試料は、各比較例の試料ではクラックが生じる温度である650℃以上に加熱しても、クラックが確認できなかった。つまり、実施例の試料は、各比較例よりも耐熱性に優れていることが確認できた。この耐熱性は、ハニカム分体間に形成された接合材層の中間層部の細孔がハニカム分体の体積変化を緩衝したことにより得られた。
上記したように、実施例のハニカム構造体と同様な構成の試料では高い耐熱性(耐熱衝撃性)を有することが確認できたことから、実施例のハニカム構造体も高い耐熱性を有するものとなった。
このように、ハニカム分体を接合する接合材を特定の構成とすることで、接合材から形成される接合材層が細孔を有するものとなり、この細孔がハニカム分体の体積変化を緩衝し、ハニカム構造体が高い耐熱性を有するものとなった。

Claims (4)

  1. 多孔質のSiCセラミックスよりなるハニカム分体と、
    二つの該ハニカム分体の間に位置し、該ハニカム分体を接合するSiCハニカム接合材層と、
    を有するハニカム構造体であって、
    該SiCハニカム接合材層は、
    平均粒径(D50)が5μm以下のSiCよりなる微細粉末と、
    平均粒径(D50)が5〜100μmのSiCよりなる粗大粉末と、
    繊維長が10μm〜1mmの無機繊維と、
    各該粉末および該無機繊維が分散した分散媒と、
    有機バインダおよび/または無機バインダよりなるバインダと、
    を有する接合材により形成され、
    かつ主に該微細粉末よりなる該ハニカム分体の表面との当接部を形成する表層部と、該表層部の間に位置し主に該粗大粉末と該無機繊維とから構成され多数の細孔を有する中間層部と、が積層していることを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記接合材は、該SiCハニカム接合材の前記分散媒を除いた全体の重量を100wt%としたときに、前記無機繊維を3〜10wt%で含有する請求項1記載のハニカム構造体。
  3. 前記接合材の前記分散媒を除いた全体の重量を100wt%としたときに、前記微細粉末を15〜40wt%で、前記粗大粉末を20〜50wt%で含有する請求項1〜2のいずれかに記載のハニカム構造体。
  4. 前記多孔質のSiCセラミックスは、平均細孔径が2〜30μm,気孔率が20〜70%である請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体。
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