JP2013144548A - 負圧式倍力装置 - Google Patents

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真大 淡路
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Abstract

【課題】負圧式倍力装置にて、作動応答性を維持しつつ、吸気音を低減すること。
【解決手段】負圧式倍力装置は、ハウジング10に組付けられた可動隔壁20とバルブピストン30を備えると共に、バルブピストン30に組付けられた入力部材40と出力部材50と反力部材60と制御弁70とキー部材80等を備えている。制御弁70は、入力部材40に設けた環状の大気弁部41aとにより変圧室R2と大気との連通・遮断を制御する大気制御弁部70bと、バルブピストン30に設けた負圧弁座30iとにより変圧室R2と負圧室R1との連通・遮断を制御する負圧制御弁部70aを有している。大気弁部41aおよび大気制御弁部70bの前方にて、入力部材40とバルブピストン30間に形成されている空気通路Paには、大気弁部41aの外径より径外方に突出しない形状に形成されて大気弁部41aの所定量前方に配置される整流部(整流部材141)が設けられている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両用ブレーキ装置に採用される負圧式倍力装置に関するものである。
この種の負圧式倍力装置の一つとして、内部に圧力室を形成するハウジングと、このハウジング内に前進後退可能に組付けられて前記圧力室を前方の負圧室と後方の変圧室とに区画する可動隔壁と、前記ハウジングに前進後退可能に組付けられて前記ハウジング内に収容されている前端部にて前記可動隔壁に結合されたバルブピストンと、このバルブピストン内にて同バルブピストンに対し前進後退可能に設置されかつ外部からの操作力を受ける入力部材と、前記バルブピストンの前端部に組付けられて前記バルブピストンの推進力を外部に出力する出力部材と、前記バルブピストン内にて前記入力部材と前記出力部材間に介装されて前記出力部材に作用する力の反力を前記バルブピストンと前記入力部材に分けて伝達する反力部材とを備えるとともに、前記入力部材に設けた環状の大気弁部とにより前記変圧室と大気との連通・遮断を制御する大気制御弁部と前記バルブピストンに設けた負圧弁座とにより前記変圧室と前記負圧室との連通・遮断を制御する負圧制御弁部を有して前記バルブピストン内に組付けられた制御弁と、前記入力部材と前記バルブピストンに対して前進後退可能に組付けられて前記入力部材の前記バルブピストンに対する前進後退移動の限度を規定するキー部材を備える負圧式倍力装置があり、例えば下記特許文献1に記載されている。なお、後方とは、負圧式倍力装置に対してブレーキペダル側あるいは車両後方側を意味し、前方とは、負圧式倍力装置に対してブレーキマスタシリンダ側あるいは車両前方側を意味する。
特許第3635677号公報
上記した特許文献1に記載されている負圧式倍力装置では、制御弁の大気制御弁部と負圧制御弁部を軸方向に所定寸法だけ離隔させて、大気制御弁部と負圧制御弁部との間に、それらを接続する筒状部分を形成し、この筒状部分に円筒状の消音部材を設けたものである。このため、大気弁部と大気制御弁部間を通して流入する空気が変圧室に導かれる際の吸気音(大気弁部の前方にて渦流が発生することに起因するもの)が、消音部材によって低減される。
しかし、上記した特許文献1に記載されている消音部材は、円筒状に形成されていて、空気の通過を許容するものであり、その内径は大気弁部の外径より大きくて、大気弁部と大気制御弁部間を通して流入する空気は、その略全量が消音部材を通過することとなる。このため、変圧室への空気流入が消音部材によって阻害されて(すなわち、空気を変圧室に導く空気通路での流路抵抗が消音部材によって増大されて)、当該負圧式倍力装置の作動応答性が悪化するおそれがある。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたもの(作動応答性を維持しつつ、吸気音を低減するもの)であり、
内部に圧力室を形成するハウジングと、このハウジング内に前進後退可能に組付けられて前記圧力室を前方の負圧室と後方の変圧室とに区画する可動隔壁と、前記ハウジングに前進後退可能に組付けられて前記ハウジング内に収容されている前端部にて前記可動隔壁に結合されたバルブピストンと、このバルブピストン内にて同バルブピストンに対し前進後退可能に設置されかつ外部からの操作力を受ける入力部材と、前記バルブピストンの前端部に組付けられて前記バルブピストンの推進力を外部に出力する出力部材と、前記バルブピストン内にて前記入力部材と前記出力部材間に介装されて前記出力部材に作用する力の反力を前記バルブピストンと前記入力部材に分けて伝達する反力部材とを備えるとともに、前記入力部材に設けた環状の大気弁部とにより前記変圧室と大気との連通・遮断を制御する大気制御弁部と前記バルブピストンに設けた負圧弁座とにより前記変圧室と前記負圧室との連通・遮断を制御する負圧制御弁部を有して前記バルブピストン内に組付けられた制御弁と、前記入力部材と前記バルブピストンに対して前進後退可能に組付けられて前記入力部材の前記バルブピストンに対する前進後退移動の限度を規定するキー部材を備えた負圧式倍力装置において、
前記大気弁部および前記大気制御弁部の前方にて前記入力部材と前記バルブピストン間に形成されて前記大気弁部と前記大気制御弁部間を通して流入する空気を前記変圧室に導く空気通路に、前記大気弁部の外径より径外方に突出しない形状に形成されて前記大気弁部の所定量前方に配置される整流部が設けられていて、
前記整流部は前記入力部材および前記バルブピストンとは別体で円筒状に形成されていて、前記大気弁部より所定量前方にて前記バルブピストンに一体的に組付けられており、前記大気弁部と前記整流部間の軸方向間隔が前記入力部材の操作速度に応じて可変であること
に特徴がある。
この負圧式倍力装置においては、大気弁部の所定量前方に配置される整流部によって、空気が空気通路を通過する際に、大気弁部の前方にて渦流が発生することが抑制されて、渦流による不具合(空気通路での吸気音の発生)を抑制することが可能である。また、この負圧式倍力装置においては、空気通路に設けられている整流部が、大気弁部の外径より径外方に突出しない形状に形成されているため、整流部の外径より径外方には整流部によって流れを阻害されない流路が確保されて、空気通路での流路抵抗の増加を抑えることが可能であり、当該負圧式倍力装置の作動応答性を良好に維持することが可能である。
また、この負圧式倍力装置においては、前記整流部が前記入力部材および前記バルブピストンとは別体で円筒状に形成されていて、前記大気弁部より所定量前方にて前記バルブピストンに一体的に組付けられており、前記大気弁部と前記整流部間の軸方向間隔が前記入力部材の操作速度に応じて可変である。このため、大気弁部の前方に形成される渦流の発生可能な空間(空気が回り込み可能な空間)を、整流部にて小さくすることができて、渦流の発生を抑制することが可能である。
また、この負圧式倍力装置では、入力部材の操作速度(踏み込み速度)に応じて、大気弁部と整流部間の軸方向間隔が可変であり、操作速度(踏み込み速度)が基準値より大きいときには、上記した軸方向間隔が基準値より小さくて、良好な作動応答性が効果的に得られ、操作速度(踏み込み速度)が基準値より小さいときには、上記した軸方向間隔が基準値より大きくて、良好な静粛性が効果的に得られる(かかる作用効果は、実験および解析によって確認されている)。
また、本発明の実施に際して、前記入力部材および前記バルブピストンとは別体で円筒状に形成されている前記整流部の外周に、軸方向に延びる溝が複数個形成されていることも可能である。この場合には、整流部に設けた軸方向に延びる溝により整流効果を高めて、整流部による渦流の発生抑制効果を向上させることが可能である。
負圧式倍力装置の一実施形態を示す部分破断側面図である。 図1に示した負圧式倍力装置の要部拡大断面図である。 負圧式倍力装置の他の実施形態(本発明の一実施形態)を示す図2相当の要部拡大断面図である。 図3に示した整流部材単体の斜視図である。 整流部材の変形実施形態を示した斜視図である。 本発明による負圧式倍力装置の整流部によって得られる作動応答性の効果(空気通路を流れる空気流量)と大気弁部と整流部間の軸方向間隔との関係を示した線図である。 本発明による負圧式倍力装置の整流部によって得られる静粛性の効果(空気通路での音圧エネルギ)と大気弁部と整流部間の軸方向間隔との関係を示した線図である。
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1および図2に示した負圧式倍力装置は、ハウジング10に組付けられた可動隔壁20とバルブピストン30を備えるとともに、バルブピストン30に組付けられた入力部材40と出力部材50と反力部材60と制御弁70とキー部材80等を備えている。
ハウジング10は、図1に示したように、内部に圧力室Roを形成する前方シェル11と後方シェル12を備えていて、内部の圧力室Roが可動隔壁20によって負圧導入管13を通して負圧源(例えば、図示省略のエンジンの吸気マニホールド)に常時連通する前方の負圧室R1と、この負圧室R1と大気にそれぞれ連通・遮断する後方の変圧室R2とに区画されている。このハウジング10は、後方シェル12を気密的に貫通する複数本(図1では1本が示されている)のボルト14と、これに螺着されるナット(図示省略)を用いて、車体(図示省略)に固定されるように構成されている。また、ハウジング10の前方には、前方シェル11を気密的に貫通する複数本(図1では1本が示されている)のボルト15と、これに螺着されるナット16を用いて、ブレーキマスタシリンダ100が組付けられている。なお、ボルト14とボルト15が一本のボルト(中間部にて可動隔壁20を気密的に貫通するボルト)で構成されることもある。
可動隔壁20は、金属製のプレート21とゴム製のダイアフラム22とから成り、ハウジング10内に前進後退可能に組付けられている。ダイアフラム22は、その外周縁に形成されたビード部にて、後方シェル12の外周縁に設けられた折り返し部と前方シェル11とにより気密的に挟持されている。また、ダイアフラム22は、その内周縁に形成されたビード部にて、バルブピストン30の前方フランジ部外周に設けられた溝に、プレート21とともに気密的に固定されている。
図1に示したブレーキマスタシリンダ100は、そのシリンダ本体101の後端部101aが前方シェル11に形成された中心筒部を貫通して負圧室R1内に気密的に突入し、またシリンダ本体101に形成されたフランジ部101bの後面が前方シェル11の前面に当接している。また、ブレーキマスタシリンダ100のピストン102は、シリンダ本体101から後方に突出して負圧室R1内に突入しており、出力部材50の先端によって前方に押動されるように構成されている。
バルブピストン30は、ハウジング10内に収容されている前端部にて可動隔壁20に結合された中空状のピストンであって、円筒状に形成された部位にてハウジング10の後方シェル12に気密的かつ前進後退可能に組付けられており、ハウジング10の前方シェル11との間に介装されたスプリング31によって後方に付勢されている。また、バルブピストン30の軸心には、図2に示したように、前端面から後端面に向けて、反力室孔30a、反力室孔30aより小径のプランジャ先端部収納孔30b、プランジャ収納孔30c、プランジャ収納孔30cより大径のプランジャ収容孔30d、制御弁収納孔30e、フィルタ収納孔30f等からなり、前後方向に貫通する軸孔が設けられている。
また、バルブピストン30には、プランジャ収納孔30cに対応してキー部材挿通孔30gが径方向に設けられている。また、バルブピストン30には、負圧室R1と制御弁収納孔30eを連通可能な一対の連通孔30h(一方は図示省略)が設けられていて、これら各連通孔30hの後端部には制御弁70の負圧制御弁部70aが着座可能な円弧状の負圧弁座30iが形成されている。また、バルブピストン30には、キー部材80の軸中央部分を収容する収容孔30jと、この収容孔30jとプランジャ収容孔30dを連通させる複数の軸方向連通孔30kと、収容孔30jと軸方向連通孔30kを変圧室R2に連通させる径方向連通孔30mが形成されている。
入力部材40は、バルブピストン30内にて同バルブピストン30に対し前進後退可能に設置されかつ外部からの操作力(入力)を受ける部材であり、バルブピストン30のプランジャ先端部収納孔30bから制御弁収納孔30eに収容されてバルブピストン30に対して軸方向(前後方向)に移動可能なプランジャ41と、このプランジャ41に球状先端部42aにて関節状に連結されて後端部42b(図1参照)にてブレーキペダル(図示省略)に連結される入力ロッド42を備えている。
プランジャ41は、図2にて示したように、先端部にてバルブピストン30のプランジャ先端部収納孔30bに軸方向へ摺動可能に組付けられ、中間部にてバルブピストン30のプランジャ収納孔30cに軸方向へ摺動可能に組付けられていて、バルブピストン30によってガイド支持されている。また、プランジャ41は、先端(前端面)にてバルブピストン30の反力室孔30aに収容された反力部材60に係合可能であり、その後端には制御弁70の大気制御弁部70bに離座可能に着座する環状の大気弁部41aが形成されている。
出力部材50は、バルブピストン30の推進力を外部に出力するものであり、反力部材60とともにバルブピストン30の反力室孔30aに軸方向へ移動可能に組付けられた後方部材51と、この後方部材51の先端部に一体的に組付けられた出力ロッド52(図1参照)によって構成されている。出力ロッド52の先端は、図1に示したように、ブレーキマスタシリンダ100におけるピストン102の係合部に押動可能に当接している。
反力部材60は、バルブピストン30内にて入力部材40と出力部材50間に介装されたリアクションゴムディスクであり、その前端面にて出力部材50における後方部材51の後端面に当接し、その後端面にて、バルブピストン30の環状反力受け面30nに当接するとともに、プランジャ41の前端面に当接可能となっていて、出力部材50に作用する力の反力をバルブピストン30と入力部材40(プランジャ41)に分けて伝達可能である。
制御弁70は、上記した負圧制御弁部70aと大気制御弁部70bを有する環状の可動部70Aと、バルブピストン30の制御弁収納孔30eに形成された段部に気密的に嵌合固定された環状の固定部70Bと、環状の可動部70Aと環状の固定部70Bを連結する円筒状の伸縮部70Dによって構成されている。環状の可動部70Aは、入力ロッド42に組付けたリテーナ43間に介装したスプリングS1によって前方に向けて付勢されていて、前後方向に移動可能である。環状の固定部70Bは、環状のリテーナ71によってバルブピストン30に固定されていて、入力ロッド42に組付けたリテーナ43間に介装したスプリングS2によって前方に向けて付勢されている。
スプリングS2は、バルブピストン30と入力部材40間に介装されて入力部材40をバルブピストン30に対して後方所定位置に向けて後方に付勢するリターンスプリングであり、前端にてリテーナ71を介してバルブピストン30に係合し、後端にてリテーナ43を介して入力部材40の入力ロッド42に係合している。リテーナ71は、バルブピストン30に組付けられていて、バルブピストン30の内孔段部に固定されており、制御弁70の固定部70Bをバルブピストン30に固定する機能をも備えている。リテーナ43は、入力ロッド42に組付けられていて、入力ロッド42の外周段部に固定されている。
負圧制御弁部70aは、バルブピストン30に形成された一対の円弧状負圧弁座30iに着座・離座可能であり、円弧状負圧弁座30iへの着座によって負圧室R1と変圧室R2の連通を遮断し、円弧状負圧弁座30iからの離座によって負圧室R1と変圧室R2を連通させる。大気制御弁部(弁座)70bは、プランジャ41に形成された環状の大気弁部41aに着座・離座可能であり、環状の大気弁部41aへの着座によって変圧室R2と大気の連通を遮断し、環状の大気弁部41aからの離座によって変圧室R2と大気を連通させる。
キー部材80は、バルブピストン30に対するプランジャ41の軸方向移動(前進後退移動)の限度を規定するとともに、バルブピストン30のハウジング10に対する後退位置を規定するためのものであり、プランジャ41とバルブピストン30に対して前進後退可能に組付けられていて、バルブピストン30に形成された径方向のキー部材挿通孔30gに挿通されている。キー部材80の前後方向の肉厚寸法は、キー部材挿通孔30gの前後方向寸法よりも小さくされていて、キー部材80はバルブピストン30に対して所定量だけ前後方向に移動可能である。
このキー部材80は、バルブピストン30から径外方に突出した両端部の後端面にて後方シェル12に当接可能であり、ハウジング10に対するバルブピストン30の後方への移動限界位置(後退位置)は、図2に示すように、キー部材挿通孔30gの前方壁がキー部材80の前端面に当接しかつキー部材80の両端部の後端面が後方シェル12に当接した位置である。
また、キー部材80は、その中央部にて、プランジャ41の中央部に形成された環状溝の前後両端面41b,41cに当接可能であって、プランジャ41がバルブピストン30に組付けられた後に、バルブピストン30に組付けられている。バルブピストン30に対するプランジャ41の後方への移動限界位置は、環状溝の前端面41bがキー部材80の前端面に当接しかつキー部材80の後端面がキー部材挿通孔30hの後方壁に当接した位置である。また、バルブピストン30に対するプランジャ41の前方への移動限界位置は、環状溝の後端面41cがキー部材80の後端面に当接しかつキー部材80の前端面がキー部材挿通孔30gの前方壁に当接した位置である。
フィルタ91,92は、バルブピストン30のフィルタ収納孔30f内にて入力ロッド42間に装着されていて、これらのフィルタ91,92にはバルブピストン30の摺動部を外周から保護するブーツ93に形成された通気孔93aを通して大気(空気)が流入可能である。ブーツ93は、前端部にてハウジング10における後方シェル12の後端筒部に嵌合固定され、後端部にて入力ロッド42の中間部外周に嵌合固定されている。
上記のように構成したこの実施形態の負圧式倍力装置においては、ブレーキ操作時、入力部材40のバルブピストン30に対する前方移動に伴って、変圧室R2が負圧室R1との連通を遮断されて大気に連通し、変圧室R2に流入する空気によってバルブピストン30が前方に移動する。このとき、反力部材60からの反力は、バルブピストン30と入力部材40のプランジャ41に伝達される。なお、上記したブレーキ操作後のブレーキ解除時には、入力部材40のバルブピストン30に対する後方移動に伴って、変圧室R2が大気との連通を遮断されて負圧室R1に連通し、変圧室R2が負圧とされることによりスプリング31によってバルブピストン30が後方に移動する。これにより、各部材が図2に示した原位置に復帰し、次のブレーキ動作に備えることになる。
ところで、この実施形態の負圧式倍力装置においては、大気弁部41aおよび大気制御弁部70bの前方にて、プランジャ41に環状の整流部41dが形成されている。環状の整流部41dは、大気弁部41aより所定量前方にて、プランジャ41に大気弁部41aとともに一体的に形成されていて、大気弁部41aとの間にカシメ形成部41e(プランジャ41を入力ロッド42の球状先端部42aに連結する部分)が設定されている。また、環状の整流部41dは、大気弁部41aの外径より径外方に突出しない形状に形成されていて、プランジャ収容孔30dとプランジャ41の外周間に形成される空気通路Paに設けられている。この空気通路Paは、バルブピストン30の軸方向連通孔30kと径方向連通孔30mを通して変圧室R2に連通していて、大気弁部41aと大気制御弁部70b間を通して流入する空気を変圧室R2に導入可能である。
このため、この実施形態の負圧式倍力装置においては、大気弁部41aの所定量前方に配置される整流部41dによって、空気が空気通路Paを通過する際に、大気弁部41aの前方にて渦流が発生することが抑制されて、渦流による不具合(空気通路Paでの吸気音の発生)を抑制することが可能である。また、この負圧式倍力装置においては、空気通路Paに設けられている整流部41dが、大気弁部41aの外径より径外方に突出しない形状に形成されているため、空気通路Paでの流路抵抗の増加を抑えることが可能であり、当該負圧式倍力装置の作動応答性を良好に維持することが可能である。
また、この実施形態の負圧式倍力装置においては、整流部41dが環状に形成されていて、大気弁部41aより所定量前方にて大気弁部41aと一体的に形成されている。このため、大気弁部41aの前方に形成される渦流の発生可能な空間(空気が回り込み可能な空間)を、環状の整流部41dにて分断することができて、渦流の発生を効果的に抑制することが可能である。また、この実施形態では、構成部品の増加が無くて、組付工程に増加がなく、生産性を維持して安価に実施することが可能である。
上記した実施形態においては、整流部41dを大気弁部41aとともにプランジャ41に一体的に形成して実施したが、図3および図4に示した他の実施形態(本発明の一実施形態)のように、上記した整流部41dと同様に機能する整流部材(整流部)141を入力部材40およびバルブピストン30とは別体で段付円筒状に形成して、整流部材(整流部)141が、大気弁部41aより所定量前方にてバルブピストン30に一体的に(プランジャ41に対しては軸方向に相対移動可能に)組付けられ、大気弁部41aと整流部材141間の軸方向間隔が、入力部材40の操作速度(踏み込み速度)に応じて、可変であるように構成して実施することも可能である。この場合には、大気弁部41aの前方に形成される渦流の発生可能な空間(空気が回り込み可能な空間)を、段付円筒状の整流部材141にて小さくすることができて、渦流の発生を抑制することが可能である。なお、入力部材40の操作速度(踏み込み速度)に応じて、大気弁部41aと整流部材141間の軸方向間隔が可変であるのは、入力部材40の操作速度(踏み込み速度)に応じて、反力部材60(リアクションゴムディスク)の軸方向弾性変形量が変化することに因るものである。
また、この場合には、入力部材40の操作速度(踏み込み速度)に応じて、大気弁部41aと整流部材141間の軸方向間隔が可変であり、操作速度(踏み込み速度)が基準値より大きいときには、上記した軸方向間隔が基準値より小さくて、良好な作動応答性が効果的に得られ、操作速度(踏み込み速度)が基準値より小さいときには、上記した軸方向間隔が基準値より大きくて、良好な静粛性が効果的に得られる。かかる作用効果は、図6に示した線図(空気通路Paを流れる空気流量と大気弁部41aと整流部材141間の軸方向間隔との関係を示した線図)および図7に示した線図(空気通路Paでの音圧エネルギと大気弁部41aと整流部材141間の軸方向間隔との関係を示した線図)から容易に推測される。なお、図6に示した線図および図7に示した線図は、実験および解析によって確認されたものである。また、この場合には、整流部材141が入力部材40およびバルブピストン30とは別体であるため、形状(例えば、軸方向長さ)の異なる複数の整流部材(141)を予め準備しておいて適宜選択して使用することで、整流部材(141)により得られる作用効果を適宜に調整することも可能である。
図3および図4に示した実施形態において、整流部材141に代えて図5に示した整流部材141Aを採用して実施することも可能である。図5に示した整流部材141Aは、その外周に軸方向に延びる溝141aが複数個形成されている。このため、図5に示した整流部材141Aを採用した実施形態では、整流部材141Aに設けた軸方向に延びる溝141aにより整流効果を高めて、整流部材141Aによる渦流の発生抑制効果を向上させることが可能である。
なお、上記した実施形態においては、シングル型の負圧式倍力装置に本発明を実施したが、本発明はタンデム型やトリプル型の負圧式倍力装置にも同様に実施可能であることは勿論のこと、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更して実施することが可能である。
10…ハウジング、20…可動隔壁、30…バルブピストン、30i…負圧弁座、40…入力部材、41…プランジャ、41a…大気弁部、41d…整流部、141…整流部材(整流部)、50…出力部材、60…反力部材、70…制御弁、70a…負圧制御弁部、70b…大気制御弁部、80…キー部材、Ro…圧力室、R1…負圧室、R2…変圧室、Pa…空気通路

Claims (2)

  1. 内部に圧力室を形成するハウジングと、このハウジング内に前進後退可能に組付けられて前記圧力室を前方の負圧室と後方の変圧室とに区画する可動隔壁と、前記ハウジングに前進後退可能に組付けられて前記ハウジング内に収容されている前端部にて前記可動隔壁に結合されたバルブピストンと、このバルブピストン内にて同バルブピストンに対し前進後退可能に設置されかつ外部からの操作力を受ける入力部材と、前記バルブピストンの前端部に組付けられて前記バルブピストンの推進力を外部に出力する出力部材と、前記バルブピストン内にて前記入力部材と前記出力部材間に介装されて前記出力部材に作用する力の反力を前記バルブピストンと前記入力部材に分けて伝達する反力部材とを備えるとともに、前記入力部材に設けた環状の大気弁部とにより前記変圧室と大気との連通・遮断を制御する大気制御弁部と前記バルブピストンに設けた負圧弁座とにより前記変圧室と前記負圧室との連通・遮断を制御する負圧制御弁部を有して前記バルブピストン内に組付けられた制御弁と、前記入力部材と前記バルブピストンに対して前進後退可能に組付けられて前記入力部材の前記バルブピストンに対する前進後退移動の限度を規定するキー部材を備えた負圧式倍力装置において、
    前記大気弁部および前記大気制御弁部の前方にて前記入力部材と前記バルブピストン間に形成されて前記大気弁部と前記大気制御弁部間を通して流入する空気を前記変圧室に導く空気通路に、前記大気弁部の外径より径外方に突出しない形状に形成されて前記大気弁部の所定量前方に配置される整流部が設けられていて、
    前記整流部は前記入力部材および前記バルブピストンとは別体で円筒状に形成されていて、前記大気弁部より所定量前方にて前記バルブピストンに一体的に組付けられており、前記大気弁部と前記整流部間の軸方向間隔が前記入力部材の操作速度に応じて可変であることを特徴とする負圧式倍力装置。
  2. 請求項1に記載の負圧式倍力装置において、前記整流部の外周には軸方向に延びる溝が複数個形成されていることを特徴とする負圧式倍力装置。
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