JP2013144078A - スペーサおよびループワイヤー - Google Patents

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Abstract

【課題】間隙部に設置されたスペーサに亀裂・割れ等を生じることなく、容易に固定することができるスペーサ、およびかかるスペーサに用いられるループワイヤーを提供すること。
【解決手段】スペーサ1は、骨と骨との間隙部に設置して固定されるものであり、間隙部に設置され、骨同士が対向する方向に貫通する貫通孔21を有するブロック体2と、貫通孔21に挿通されるループ状をなすループワイヤー3とを備え、ループワイヤー3は、貫通孔21に長尺状に変形させた状態のまま挿通され、貫通孔21の一端から突出する一端突出部32と、貫通孔21の他端から突出する他端突出部33とを備えており、一端突出部32および他端突出部33で支持して用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スペーサ、特に、棘突起、椎弓の切断により形成された切断部に設置される棘突起・椎弓スペーサ、およびかかるスペーサに用いられるループワイヤーに関する。
例えば、頚椎脊椎症性脊髄症や、後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症、椎間板ヘルニア等に対する治療として、正中縦割式頚椎拡大椎弓形成術、片側侵入片開き式脊柱管拡大術が行われている。
正中縦割式拡大椎弓形成術の場合では、棘突起の正中部(中央部)を切断し、正中部を境にして、両側の椎弓を、ヒンジのようにして開くことにより、脊柱管を拡大する。この際、棘突起を切断して形成された間隙部(骨欠損部)には、スペーサが挿入される(例えば、特許文献1参照。)。
このスペーサは、椎弓または棘突起の切断部と、スペーサが有する一対の当接面とが接触するように前記間隙部に挿入され、前記切断部に設けられた貫通孔と、前記一対の当接面を貫通して設けられた貫通孔とに糸を挿通して縛る結紮固定により、間隙部内に固定される。
しかしながら、この結紮固定は操作が煩雑であり、視野が狭く、貫通孔に血液等が入り込むため、糸を通すのが困難になるおそれがある。
さらに、金属製のプレートを用いて、スペーサと切断部とをスクリューで固定することで、スペーサを間隙部内に固定する方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、このプレートを用いた方法では、スクリューで固定するために、スペーサに穴を形成する必要があり、この穴の形成の際にスペーサに亀裂・割れ等が生じるという問題がある。また、プレート状であるため骨への固定位置が限定される。
特開平8−638号公報 特許第4482445号公報
本発明の目的は、間隙部に設置されたスペーサに亀裂・割れ等を生じることなく、容易に固定することができるスペーサ、およびかかるスペーサに用いられるループワイヤーを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)に記載の本発明により達成される。
(1) 骨と骨との間隙部に設置して固定されるスペーサであって、
前記間隙部に設置され、前記骨同士が対向する方向に貫通する貫通孔を有するブロック体と、前記貫通孔に挿通されるループ状をなすループワイヤーとを備え、
前記ループワイヤーは、前記貫通孔に長尺状に変形させた状態のまま挿通され、前記貫通孔の一端から突出する一端突出部と、前記貫通孔の他端から突出する他端突出部とを備えており、前記一端突出部および前記他端突出部で支持して用いられることを特徴とするスペーサ。
これにより、間隙部に設置されたスペーサ(ブロック体)に亀裂・割れ等を生じることなく、スペーサを間隙部に容易に固定することができる。
(2) 一方の前記骨の一部に前記一端突出部を挿通し、他方の前記骨の一部に前記他端突出部を挿通することで前記ループワイヤーが支持される上記(1)に記載のスペーサ。
これにより、ブロック体を間隙部内に固定することができる。
(3) さらに、前記ループワイヤーに設けられ、前記一端突出部と前記他端突出部との離間距離を調整する調整手段を有する上記(1)または(2)に記載のスペーサ。
これにより、ブロック体を間隙部内により強固に固定することができる。
(4) 前記調整手段は、前記ループワイヤーの長手方向の途中で挾持するよう構成されている上記(3)に記載のスペーサ。
これにより、一端突出部と他端突出部との離間距離を容易に調整することができる。
(5) 前記ループワイヤーに設けられ、該ループワイヤーに引張り力を加えて、その引張り状態を維持する維持手段を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のスペーサ。
これにより、ブロック体を間隙部内により強固に固定することができる。
(6) 前記維持手段は、前記一端突出部の端部に設けられたリングと、該リングに挿入されるボルトとを有し、前記ボルトを一方の前記骨に固定するよう構成されている上記(5)に記載のスペーサ。
これにより、ループワイヤーに引張り力を加えて、その引張り力を確実に維持することができる。
(7) 棘突起の縦割、椎弓の切断により形成された切断部に設置される棘突起スペーサもしくは椎弓スペーサである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のスペーサ。
本発明のスペーサは、棘突起スペーサまたは椎弓スペーサとして特に好ましく適用される。
(8) 骨と骨との間隙部に設置して固定されるスペーサに用いられるループワイヤーであって、
前記スペーサは、前記間隙部に設置され、前記骨同士が対向する方向に貫通する貫通孔を有するブロック体を備え、
当該ループワイヤーは、その全体形状がループ状をなし、前記貫通孔に長尺状に変形させた状態のまま挿通した際に、前記貫通孔の一端から突出する一端突出部と、前記貫通孔の他端から突出する他端突出部とを備えており、前記一端突出部および前記他端突出部で支持して用いられることを特徴とするループワイヤー。
スペーサに用いられるループワイヤーをかかる構成として、このループワイヤーを備えるスペーサを用いることにより、間隙部に設置されたスペーサ(ブロック体)に亀裂・割れ等を生じることなく、スペーサを間隙部に容易に固定することができる。
本発明によれば、糸を挿通して縛ることなく、予めブロック体に挿通されたループワイヤーが備える一端突出部および他端突出部でループワイヤーを支持してブロック体を骨に固定することができる。そのため、ループワイヤーを用いて、容易にスペーサを間隙部に固定することができるようになる。
本発明のスペーサの第1実施形態を示す図である。 正中縦割式拡大椎弓形成術について順を追って説明するための図である。 正中縦割式拡大椎弓形成術について順を追って説明するための図である。 正中縦割式拡大椎弓形成術について順を追って説明するための図である。 正中縦割式拡大椎弓形成術について順を追って説明するための図である。 本発明のスペーサの第2実施形態を示す図である。 図6に示すスペーサが間隙部に設置して固定された状態を示す図である。 本発明のスペーサの第3実施形態を示す図である。 図8に示すスペーサが間隙部に設置して固定された状態を示す図である。 図8に示すスペーサが備える留具を説明するための図である。
以下、本発明のスペーサおよびループワイヤーを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、以下では、本発明のスペーサを正中縦割式拡大椎弓形成術に用いられる棘突起スペーサに適用した場合を一例に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のスペーサの第1実施形態を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)側面図)、図2〜図5は、それぞれ、正中縦割式拡大椎弓形成術について順を追って説明するための図である。
<<スペーサ>>
まず、本発明のスペーサの第1実施形態について、図1および図5を参照して説明する。
なお、以下の説明では、特に断らない限り、スペーサ1を患者の施術部位(図5に示す間隙部150)に挿入(設置)した状態を基本として方向を特定する。すなわち、患者の腹側(脊柱管140側)を「前」、背側(脊柱管140と反対側)を「後」といい、患者の頭側を「上」、患者の脚側を「下」という。
図1および図5に示すように、スペーサ1は、椎弓120に形成された間隙部150に設置して固定されるものであり、貫通孔21を有するブロック体(スペーサ本体)2と、この貫通孔21に挿通されるループ状をなすループワイヤー3とを有している。
ブロック体2は、骨と骨との間に形成された間隙部150に挿入され、拡大された椎弓160を形成するためのものである。
このブロック体2は、本実施形態では、図1に示すように、上面視または下面視で、前面11側に凹部を備えるほぼ台形状をなしており、複数の角部を有している。
このブロック体2において、前面11は、湾曲凹面で構成されており、前面11に対向する後面13は、平面で構成されている。前面11を湾曲凹面で構成することにより、ブロック体2を間隙部150に挿入した際に、脊柱管140をより大きく(広く)拡大することができ、脊髄神経の圧迫を確実に防止することができる。
また、ブロック体2の一対の側面12は、それぞれ、間隙部150に挿入した状態で、間隙部150を設けることにより形成された椎弓120の切断部120a、120bが当接する当接面を構成する。
さらに、このようなブロック体2は、その長手方向(切断部120a、120b同士が対向する方向)に貫通して設けられた貫通孔21、すなわち一対の側面12を貫通する貫通孔21を有している。この貫通孔21にループワイヤー3が挿通され、本実施形態では、貫通孔21内に固定されず、遊嵌されており、ループワイヤー3の挿通方向に対する移動が規制されていない。貫通孔21内にループワイヤー3が遊嵌されることで、ブロック体2の左右から突出するループワイヤー3の突出割合を変更すること、すなわち、後述する一端突出部32および他端突出部33の突出量を調整することができる。
なお、ブロック体2において、各部の寸法は、それぞれ、次のように設定される。
ブロック体2の前後方向の長さ(図1中L)は、3〜12mm程度であるのが好ましく、5〜7mm程度であるのがより好ましい。
また、ブロック体2の上下方向の長さ(図1中H)は、5〜12mm程度であるのが好ましく、5〜8mm程度であるのがより好ましい。
また、ブロック体2の左右方向の長さ(図1中W)は、6〜23mm程度であるのが好ましく、10〜21mm程度であるのがより好ましい。
また、前面11の湾曲凹面の平均曲率半径は、20〜120mm程度であるのが好ましく、23〜53mm程度であるのがより好ましい。
さらに、貫通孔21の口径の平均径は、φ0.15〜φ2.5mm程度であるのが好ましく、φ0.5〜φ1.5mm程度であるのがより好ましい。
スペーサ1における各部の寸法を上述した範囲内に設定することにより、ブロック体2に優れた機械的強度をより確実に付与することができる。
このようなブロック体2は、特に限定されないが、セラミックス材料を主材料として構成されたものが好ましい。セラミックス材料は安定かつ無機質な材料のため、有機物の溶出という生体への負荷がない。
セラミックス材料としては、各種のものが挙げられるが、特に、アルミナ、ジルコニア、リン酸カルシウム系化合物等のバイオセラミックスが好ましい。なかでもリン酸カルシウム系化合物は、優れた生体親和性を備えているため、ブロック体2の構成材料として特に好ましい。
リン酸カルシウム系化合物としては、例えば、ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト、炭酸アパタイト等のアパタイト類、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのリン酸カルシウム系化合物のなかでもCa/P比が1.0〜2.0のものが好ましく用いられる。
このようなリン酸カルシウム系化合物のうち、ハイドロキシアパタイトがより好ましい。ハイドロキシアパタイトは、骨の無機質主成分と同様の構造であるため、優れた生体適合性を有している。また、ブロック体2自体と切断部120a、120bとの癒合を期待することもできる。
また、ブロック体2は、緻密体であっても、多孔質体であってもよいが、多孔質体であるのが好ましい。ブロック体2を多孔質体で構成することにより、ブロック体2内への骨芽細胞の侵入を可能とし、ブロック体2内において骨新生を行うことができ、特にブロック体2を、ハイドロキシアパタイトを主材料として構成する場合、ブロック体2自体と切断部120a、120bとの確実な癒合を期待することができる。
また、多孔質体の気孔率は、0〜90%程度であるのが好ましく、15〜60%程度であるのがより好ましい。これにより、ブロック体2の機械的強度が低下するのを防止しつつ、ブロック体2内への骨芽細胞のより円滑な侵入を可能とし、ブロック体2内における骨新生が促進することとなる。その結果、切断部120a、120bと側面12との間における骨癒合をより確実かつ早期に生じさせることができる。
なお、ブロック体2の構成材料としては、上記セラミックス材料の他、該セラミックス材料とチタン等の生体為害性の小さい金属材料との複合材料等を用いることも可能である。
なお、ブロック体2を構成する各部は、その全体に亘って、角部が丸みを帯びた形状をなしている(R付けがなされている)ものであってもよい。かかる構成とすることにより、ブロック体2(スペーサ1)を間隙部150に挿入する際に、周辺組織を傷付けるのを防止することができるという利点が得られる。
ループワイヤー3は、ブロック体2の貫通孔21に挿通して用いられ、ブロック体2を間隙部150に固定するためのものである。
このループワイヤー3は、可撓性を有する線状体を、ループ状(円環状)をなすように端部同士を連結させた構成をなしており、図1、5に示すように、貫通孔21に長尺状に変形させた状態のまま挿通して使用される。
そして、上記のようにループワイヤー3を貫通孔21に挿通した際に、ループワイヤー3は、貫通孔21内に位置する挿通部31と、貫通孔21の切断部120a側の端部(一端)から突出する一端突出部32と、貫通孔21の切断部120b側の端部(他端)から突出する他端突出部33とを備える構成のものとなる。
かかる構成のループワイヤー3において、一端突出部32を切断部120aに挿通し、さらに他端突出部33を切断部120bに挿通することで、挿通部31が貫通孔21内に位置していることから、ブロック体2が間隙部150に固定される。
また、ループワイヤー3は、挿通部31において、本実施形態では、貫通孔21内に固定されず遊嵌されており、ループワイヤー3の挿通方向に対する移動が許容される。そのため、ブロック体2の側面12すなわち貫通孔21の端部から突出する一端突出部32および他端突出部33の長さを適宜変えることができる。したがって、たとえば、突出部32、33を挿通すべき切断部120a、120bの横断面積が異なる場合においても、その大きさに応じて前記長さを調整することで、一端突出部32を切断部120aに挿通し、かつ他端突出部33を切断部120bに挿通することができる。
長尺状に変形させた際のループワイヤー3の長さは、ブロック体2からその両端が突出して突出部32、33が形成されるように設定され、ブロック体2の左右方向の長さ(図1中W)に応じて設定される。具体的には、ブロック体2の左右方向の長さより、好ましくは1〜100mm程度大きく設定され、より好ましくは5〜40mm程度大きく設定される。これにより、形成された突出部32、33を切断部120a、bに挿通することで、強固にブロック体2を固定することができる。
また、ループワイヤー3の外径の平均径は、φ0.1〜φ2.0mm程度であるのが好ましく、φ0.3〜φ1.0mm程度であるのがより好ましい。これにより、長尺状に変形させた状態のループワイヤー3を貫通孔21内に挿通することができる。さらに、間隙部150内に固定したブロック体2に応力が付与されたとしても、ループワイヤー3が切断されることなく、ブロック体2を間隙部150内に強固に固定することができる。
このようなループワイヤー3は、特に限定されないが、金属材料または高分子材料を主材料として構成されたものが好ましい。金属材料と高分子材料は、優れた強度と弾性を有しているため、ブロック体2をより確実に間隙部150内に固定することができ、ワイヤーを変形させてもブロック体2に負荷が掛からない。
金属材料としては、各種のものが挙げられるが、特に、チタンまたはチタン合金であるのが好ましい。チタンまたはチタン合金は、生体適合性が高く、また、優れた強度を有することからループワイヤー3の構成材料として好ましく用いられる。なお、チタン合金としては、特に限定されないが、例えば、Ti−6Al−4Vや、Ti−29Nb−13Ta−4.6ZrのようなTiを主成分とし、Al、Sn、Cr、Zr、Mo、Ni、Pd、Ta、Nb、V、Pt等が添加されたものが挙げられる。
また、高分子材料としては、各種のものが挙げられるが、特にポリエステルやナイロンが好ましい。この他にもポリエチレン、テフロン(「テフロン」は登録商標)、テトロン、ポリプロピレン、ポリグルコール酸、ポリ乳酸、シルクなど臨床で使用されているものが挙げられる。
以上のようなスペーサ1は、例えば、次のようにして製造することができる。
なお、以下では、ブロック体2がセラミックス材料で構成され、ループワイヤー3が金属材料で構成されるスペーサ1を製造する場合を一例に説明する。
なお、以下の説明では、特に断らない限り、スペーサ1を患者の施術部位(間隙部150)に挿入(装着)した状態を基本として方向を特定する。すなわち、患者の腹側(脊柱管140側)を「前」、背側(脊柱管140と反対側)を「後」といい、患者の頭側を「上」、患者の脚側を「下」という。
[A]まず、ブロック体2を用意する。
[A−1]まず、ブロック体2の形状に対応する成形体(グリーン体)を得る。
この成形体は、例えば、I:セラミックス原料粉末を含むスラリーを、所定の型内に充填して、成形する方法、II:前記スラリーに対して、沈殿または遠心分離により固形分を偏在させる方法、III:前記スラリーを所定の型内に入れ、脱水処理し、固形分を型内に残す方法、IV:圧縮成形法(粉末の場合、圧粉成形)、V:セラミックス原料粉末と水状の糊とを混ぜ、これを型に入れ乾燥させる方法等、種々の方法により製造することができる。
なお、前記スラリーは、予めスプレードライ法などにより造粒した二次粒子をセラミックス原料粉末として含むものであっても良い。
また、必要に応じて、成形体を、旋盤、ドリル等を用いた切削加工によりその形状、大きさ等を調整するようにしてもよい。
なお、成形体は、公知である経時的に硬化するペースト状のリン酸カルシウム系化合物を用いて得ることもできる。この場合は、後工程[A−2]の焼成は、行わなくても良い。
[A−2]次いで、成形体(グリーン体)に、その側面12同士を貫通する貫通孔21を、ドリル等を用いて形成した後、成形体を焼成することでブロック体2を得る。
成形体を焼成する際の焼成温度は、例えば、セラミックス材料がリン酸カルシウム系化合物である場合、700〜1300℃程度であるのが好ましい。
[B]次に、ループワイヤー3を用意する。
ループワイヤー3は、例えば、複数の線状体を用意し、これら線状体を撚り合わせた後、所定の長さで切断した後、両端部同士を連結することにより得ることができる。
また、かかる方法の他、シート状をなす金属製の緻密体を用意し、この緻密体を、ループワイヤー3の形状、大きさ等に成形する方法によっても容易に得ることができる。
この緻密体の成形には、例えば、レーザーカット、ウォータージェット、放電ワイヤー加工、超音波切断のような薄片切断加工法を用いることができる。
[C]次に、ブロック体2の貫通孔21に、長尺状に変形させたループワイヤー3を、貫通孔21の両端部から突出するように挿通することで、貫通孔21の一端から突出する一端突出部32と、貫通孔21の他端から突出する他端突出部33とを備えるスペーサ1を得る。
以上のようにして、ブロック体2とループワイヤー3とを有するスペーサ1が得られる。
<<正中縦割式拡大椎弓形成術>>
次に、前述した第1実施形態のスペーサ1を、図2〜図5を参照して、正中縦割式拡大椎弓形成術に適用した場合について説明する。なお、図2〜図5中の上側が背側、下側が腹側、である。
図2に示すように、椎骨100は、椎体110と、椎体110の後方(図2中の上側)に延び、脊柱管(椎孔)140を形成する椎弓120と、椎弓120の中央部から後方に突出する棘突起130とを有している。
[1] 次に、図3に示すように、椎弓120(棘突起130)の中央部(正中部)を、例えばエアドリル等を用いて切断する。
また、正中面200を境にして椎弓120の根元部の外側に、例えばエアドリル等を用いて溝121a、121bを形成する。
この溝121a、121bの深さは、外板のみ削り、内板を削らない程度とする。この溝121a、121bを形成した部位は、ヒンジ部(蝶番)122a、122bとなる。
[2] 次に、図4に示すように、ヒンジ部122a、122bを中心に、椎弓120を回動させ、椎弓120の切断した部分を広げる。これにより、切断部(骨)120a、120b同士の間に間隙部150が形成される。
なお、必要に応じて、椎弓120の間隙部150に臨む切断部120a、120bを整形する。
[3] 次に、図5に示すように、間隙部150に、スペーサ1が備えるブロック体2を挿入した後、環状の一端突出部32を切断部120aに引っ掛けるようにして挿通し、さらに他端突出部33も同様に切断部120bに挿通する。
これにより、ループワイヤー3は、一端突出部32および他端突出部33で切断部120aおよび切断部120bにより支持される。その結果、スペーサ1が間隙部150内に固定されるため、患者の椎弓120と、スペーサ1とで、拡大された椎弓160が形成される。
なお、ループワイヤー3を貫通孔21に挿通して形成された突出部32、33に、それぞれ切断部120a、120bを挿通することで、ブロック体2(スペーサ1)を間隙部150内に固定する構成とすることにより、スペーサ1が椎弓120に対して位置ズレするのを防止することができ、術後早期に、切断部120a、120bと側面12との間における骨癒合を確実に生じさせることができる。
また、前述した結紮固定のように、スペーサに形成した貫通孔に糸を挿通して縛る場合と比較して、ループワイヤー3に形成された一端突出部32を切断部120aに挿通し、かつ他端突出部33を切断部120bに挿通するという単純な作業で、スペーサ1を間隙部150内に容易に固定することができる。
さらに、後に詳述するように、ブロック体2にループワイヤー3が予め挿通されていることから、ブロック体2にスクリュー等で穴を形成する必要がないため、ブロック体2に亀裂・割れ等が生じるのを確実に防止することができる。
なお、前記工程[1]に先立って、棘突起130を切離し、本工程[2]において、スペーサ1の後面13の中央(正中)に切離した棘突起130を戻して、スペーサ1に糸等により固定してもよい。
また、本明細書中において、上述した「間隙部」とは、本実施形態のように椎弓拡幅のために形成される空間の他、例えば、腸骨等の自家骨採取によって形成される空間や、事故や病気で骨を失った空間等を含むこととする。
なお、腸骨等に形成された空間(間隙部)にスペーサ1を固定する場合には、一端突出部32および他端突出部33にそれぞれボルトを挿通し、ブロック体2を空間に設置した状態で、突出部32、33が対応する位置の腸骨に、各ボルトを固定することでループワイヤー3が支持され、その結果、空間内にスペーサ1が固定される。
<第2実施形態>
次に、本発明のスペーサの第2実施形態について説明する。
図6は、本発明のスペーサの第2実施形態を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)側面図)、図7は、図6に示すスペーサが間隙部に設置して固定された状態を示す図である。
以下、第2実施形態のスペーサ1について、前記第1実施形態のスペーサ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図7に示すスペーサ1は、ループワイヤー3の構成が異なる以外は、図1に示すスペーサ1と同様である。
すなわち、第2実施形態のスペーサ1において、ループワイヤー3は、さらに、他端突出部33の端部に設けられたリング34を有している。
このリング34は、その厚さ方向に貫通する貫通孔を備えるOリングであり、この貫通孔にネジ(ボルト)4を挿通して使用される。
かかる構成の本実施形態のスペーサ1においては、まず、前記第1実施形態のスペーサ1と同様に、まず、一端突出部32を切断部120aに挿通し、さらに他端突出部33を切断部120bに挿通する。その後、図7に示すように、このリング34にネジ(ボルト)4を挿通した状態で、他端突出部33にテンション(張力)を掛けて、切断部120bの後面124bにネジ止めする。これにより、一端突出部32は、挿通された切断部120aの形状に追従するようにその開口径が小さくなり、一端突出部32は、リング34のネジ(ボルト)4による固定により切断部120bに固定されているため、ブロック体2が間隙部150内により強固に固定される。
すなわち、本実施形態では、スペーサ1は、リング34とネジ4とを有し、リング34に挿通されたネジ4を切断部120bに固定するよう構成されている。したがって、リング34とネジ4とは、ループワイヤー3に引張り力を加えて、その引っ張り状態を維持する維持手段として機能する。スペーサ1をかかる構成とすることで、ブロック体2を間隙部150内により強固に固定することができる。
なお、リング34の内径は、好ましくはφ0.5〜φ5.0mm程度に設定され、より好ましくはφ1.0〜φ3.0mm程度に設定される。
また、リング34の外径は、好ましくはφ1.0〜φ6.0mm程度に設定され、より好ましくはφ1.5〜φ3.5mm程度に設定される。
さらに、リング34の厚さは、好ましくは0.1〜3.0mm程度に設定され、より好ましくは0.1〜1.0mm程度に設定される。
リング34の各部の寸法を、かかる範囲内に設定することにより、ブロック体2を間隙部150内に確実に固定することができる。
このような第2実施形態のスペーサ1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、各部の寸法は、前記第1実施形態のスペーサ1と同様である。また、第2実施形態のスペーサ1では、リング34とネジ(ボルト)4を他端突出部33側にのみ設けたが、一端突出部32側にも設けてもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明のスペーサの第3実施形態について説明する。
図8は、本発明のスペーサの第3実施形態を示す図((a)正面図、(b)平面図、(c)側面図)、図9は、図8に示すスペーサが間隙部に設置して固定された状態を示す図、図10は、図8に示すスペーサが備える留具を説明するための図である。
以下、第3実施形態のスペーサ1について、前記第1実施形態のスペーサ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図9に示すスペーサ1は、ループワイヤー3の構成が異なる以外は、図1に示すスペーサ1と同様である。
すなわち、第3実施形態のスペーサ1において、ループワイヤー3は、さらに、他端突出部33の途中に設けられた留具35を有している。
この留具35は、穴部354を備える第1の部材351と、穴部354内に配置される第2の部材352と、第2の部材352を穴部354の外方に付勢するコイルスプリング353とを有している。
かかる構成の留具35は、第2の部材352に外力を付与することにより、第2の部材352が穴部354の内部方向に位置する第1の位置(図10(a)参照。)と、外力を解除した際にコイルスプリング353の付勢により、第2の部材352が穴部354の外部方向に位置する第2の位置(図10(b)参照。)とを配置し得るよう構成されている。そして、第1の部材351および第2の部材352の双方は、第1の位置に位置させた際に、穴部354と直交する方向に貫通する貫通孔355を有しており、外力を解除してコイルスプリング353の付勢により第2の位置に位置させた際には、貫通孔355の開口面積が小さくなる。
したがって、第1の位置に位置させた際に、長尺状としたループワイヤー3を貫通孔355に挿通し、その後、第2の位置に位置させることで、ループワイヤー3の所望の位置に留具35を固定することができる。
かかる構成の本実施形態のスペーサ1においては、まず、前記第1実施形態のスペーサ1と同様に、まず、一端突出部32を切断部120aに挿通し、さらに他端突出部33を切断部120bに挿通する。その後、図9に示すように、一端突出部32および他端突出部33にテンション(張力)が掛かるように、他端突出部33の途中で留具35を固定する。これにより、突出部32、33は、挿通された切断部120a、120bの形状に追従するようにそれぞれの開口径が小さくなるため、ブロック体2が間隙部150内により強固に固定される。
すなわち、本実施形態では、スペーサ1は、留具35を有し、この留具35によりループワイヤー3の長手方向の途中で挾持するよう構成されている。したがって、留具35は、一端突出部32と他端突出部33との離間距離を調整する調整手段として機能する。スペーサ1をかかる構成とすることで、ブロック体2を間隙部150内により強固に固定することができる。
なお、留具35は、他端突出部33の一方に設置するようにしたが、一端突出部32および他端突出部33の双方に設置するようにしてもよい。
このような第3実施形態のスペーサ1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、各部の寸法は、前記第1実施形態のスペーサ1と同様である。
以上、本発明のスペーサおよびループワイヤーを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明のスペーサにおいて、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
例えば、本発明では、前記第1〜第3実施形態で示した任意の2以上の構成を組み合わせるようにしてもよい。
さらに、前記実施形態のスペーサでは、いずれもブロック体2の上面視での形状がほぼ台形状のものについて示したが、本発明のスペーサは、ブロック体2の全体形状が円柱状や四角柱状のような柱状をなすものであってもよい。また、後面13を曲面とした全体としてアーチ状の形状としてもよい。
また、前記第2実施形態のスペーサでは、リング34の後面視での形状が円環状のものについて示したが、リング34は環状形状を有するものであればよく、三角形、四角形のような多角形の形状をなす環状体であってもよい。
さらに、前記実施形態では、スペーサ1を正中縦割式拡大椎弓形成術に用いる場合について示したが、本発明では、スペーサを、椎弓の一方側(片側)を切断し、他方側をヒンジのようにして椎弓を開くことにより脊柱管を拡大する片側侵入片開き式脊柱管拡大術に用いるようにしてもよい。
また、スペーサ1を、椎弓に形成された間隙部に設置して固定する他、腸骨、大腿骨、頭蓋骨等の各種骨に形成された間隙部に配置して固定することもできる。
1 スペーサ
11 前面
12 側面
13 後面
2 ブロック体
21 貫通孔
3 ループワイヤー
31 挿通部
32 一端突出部
33 他端突出部
34 リング
35 留具
4 ネジ
100 椎骨
110 椎体
120 椎弓
120a、120b 切断部
121a、121b 溝
122a、122b ヒンジ部
124b 後面
130 棘突起
140 脊柱管
150 間隙部
160 拡大された椎弓
200 正中面
351 第1の部材
352 第2の部材
353 コイルスプリング
354 穴部
355 貫通孔

Claims (8)

  1. 骨と骨との間隙部に設置して固定されるスペーサであって、
    前記間隙部に設置され、前記骨同士が対向する方向に貫通する貫通孔を有するブロック体と、前記貫通孔に挿通されるループ状をなすループワイヤーとを備え、
    前記ループワイヤーは、前記貫通孔に長尺状に変形させた状態のまま挿通され、前記貫通孔の一端から突出する一端突出部と、前記貫通孔の他端から突出する他端突出部とを備えており、前記一端突出部および前記他端突出部で支持して用いられることを特徴とするスペーサ。
  2. 一方の前記骨の一部に前記一端突出部を挿通し、他方の前記骨の一部に前記他端突出部を挿通することで前記ループワイヤーが支持される請求項1に記載のスペーサ。
  3. さらに、前記ループワイヤーに設けられ、前記一端突出部と前記他端突出部との離間距離を調整する調整手段を有する請求項1または2に記載のスペーサ。
  4. 前記調整手段は、前記ループワイヤーの長手方向の途中で挾持するよう構成されている請求項3に記載のスペーサ。
  5. 前記ループワイヤーに設けられ、該ループワイヤーに引張り力を加えて、その引張り状態を維持する維持手段を有する請求項1ないし4のいずれかに記載のスペーサ。
  6. 前記維持手段は、前記一端突出部の端部に設けられたリングと、該リングに挿入されるボルトとを有し、前記ボルトを一方の前記骨に固定するよう構成されている請求項5に記載のスペーサ。
  7. 棘突起の縦割、椎弓の切断により形成された切断部に設置される棘突起スペーサもしくは椎弓スペーサである請求項1ないし6のいずれかに記載のスペーサ。
  8. 骨と骨との間隙部に設置して固定されるスペーサに用いられるループワイヤーであって、
    前記スペーサは、前記間隙部に設置され、前記骨同士が対向する方向に貫通する貫通孔を有するブロック体を備え、
    当該ループワイヤーは、その全体形状がループ状をなし、前記貫通孔に長尺状に変形させた状態のまま挿通した際に、前記貫通孔の一端から突出する一端突出部と、前記貫通孔の他端から突出する他端突出部とを備えており、前記一端突出部および前記他端突出部で支持して用いられることを特徴とするループワイヤー。
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