JP2013143888A - 電力変換部制御装置、電動機特性測定方法及びプログラム - Google Patents

電力変換部制御装置、電動機特性測定方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】交流電動機の電動機定数を演算し、交流電動機のベクトル制御に必要となる制御定数として、定格トルク電流と定格励磁電流を求める。
【解決手段】電動機特性測定部15は、交流電動機3に供給する交流電源の電力の電圧及び周波数を可変する電力変換部2に対して、電圧及び周波数の比を変える制御を行う。そして、第1及び第2の測定モードにおいて、交流電動機3の1次抵抗、合成抵抗及び合成漏れインダクタンスを測定する。さらに、第3の測定モードにおいて、交流電動機3の励磁インダクタンス、定格トルク電流及び定格励磁電流を演算した結果より、交流電動機3の電動機特性を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電動機に供給する電力を変換する電力変換部を制御して交流電動機の電動機特性を測定する場合に適用できる電力変換部制御装置、電動機特性測定方法及びプログラムに関する。
一般に、圧延機に鋼板を移動させる圧延ローラなどを回転駆動する交流電動機は、ベクトル制御を行って駆動することが主流になっている。ここで、ベクトル制御装置を用いて交流電動機のベクトル制御を行うためには、制御対象となる交流電動機に特有の電動機定数に基づいて、ベクトル制御に必要な制御定数を設定する必要がある。このため、オペレータは、予め電動機定数の設計値を取得すると共に、各種の抵抗測定試験、無負荷試験、拘束試験の測定結果によって電動機定数を演算した上で制御定数を設定していた。電動機定数には、例えば、一次側の直流抵抗である一次抵抗(r1)、二次側の直流抵抗である二次抵抗(r2′)、一次と二次の合成抵抗(rσ=r1+r2′)、一次と二次の合成漏れインダクタンス(Lσ=L1+L2′)等がある。また、交流電動機をベクトル制御するために定格トルク電流と定格励磁電流を設定する必要があるため、以下の説明では、電動機定数並びに、後述する定格トルク電流及び励磁電流特性を、総称して「電動機特性」ということにする。
ところで、同一規格の交流電動機であっても製品毎に電動機定数の誤差が生じる場合があるが、1台毎に電動機定数を演算する作業は煩雑であった。このため、自動的に電動機定数を演算し、制御定数を設定できる技術が求められていた。例えば、特許文献1には、電力変換部制御装置に交流電動機を接続した状態で各種の測定条件を与え、交流電圧指令値と電流検出値に従って演算した電動機定数に基づいて制御定数を設定する技術が開示されている。
また、特許文献2には、電力変換部制御装置を用いて電動機定数を演算する方法が開示されている。この特許文献2に記載される技術は、交流電動機を停止したまま任意の周波数とした電圧を交流電動機に印加し、この印加した電圧の電圧値と、PWMインバータから取り出した電流検出値との関係から電動機定数を演算して制御定数を設定するものである。
さらに、特許文献3には、電力変換部制御装置に1次角周波数指令値及び1次電圧指令値を与え、定常状態で運転する交流電動機から検出した電流検出値に基づいて交流電動機の相互インダクタンスを演算する技術が開示されている。
特開昭62−262697号公報 特開平7−55899号公報 特開平6−265607号公報
ところで、電動機定数が不明である交流電動機を駆動する際、交流電動機の筐体に貼付けられている銘板に記載された情報(以下、「銘板情報」と呼ぶ)からしか交流電動機の特性を把握できない場合がある。この銘板情報には、定格周波数、定格電圧、定格電流等の特性に限って記載されるのが一般的である。このため、銘板情報から定格トルク電流と定格励磁電流を設定することは難しかった。
また、交流電動機が通常運転される運転範囲において界磁弱めの制御を行う場合がある。この場合、交流電動機が磁気飽和する特性(以下、「飽和特性」と略記する。)を持つので、磁気飽和の影響を考慮して励磁電流を変更し、界磁弱めを行わなければならない。しかし、この界磁弱めの制御において、交流電動機の速度毎に励磁電流を設定することは困難であった。
本発明の目的は、交流電動機の電動機定数を演算し、交流電動機のベクトル制御に必要な制御定数である定格トルク電流と定格励磁電流を、また、界磁弱めの制御を行う場合の励磁電流を、簡便な手法で限られた情報から設定できるようにすることである。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の座標変換部が1次角周波数指令、d軸電圧指令及びq軸電圧指令を三相交流電圧指令に変換し、パルス生成部が三相交流電圧指令により、交流電源から入力する交流電力の電圧及び周波数を変換し、交流電動機を駆動する電力変換部を制御するためのパルス信号を生成する。次に、第2の座標変換部が電流検出部によって検出された電力変換部が出力する交流電流の検出値を、1次角周波数指令に基づいて、d軸の励磁電流及びq軸のトルク電流に変換する。そして、電動機特性測定部が第1の座標変換部に1次角周波数指令、d軸電圧指令及びq軸電圧指令を出力することにより、電力変換部が交流電動機に出力する電圧及び周波数の比を変える制御を行い、第2の座標変換部から入力する、d軸の励磁電流及びq軸のトルク電流に基づいて、交流電動機の電動機特性を測定する第1の測定モードにおいて、交流電動機の1次抵抗を測定し、第2の測定モードにおいて、交流電動機の合成抵抗及び合成漏れインダクタンスを測定し、第3の測定モードにおいて、交流電動機の励磁インダクタンス、定格トルク電流及び定格励磁電流を演算した結果より、少なくとも定格トルク電流及び定格励磁電流を含む交流電動機の電動機特性を求めるものである。
本発明によれば、電力変換部に対して、交流電動機に出力する電圧及び周波数の比を変える制御を行う。そして、第2の座標変換部から入力する、d軸の励磁電流及びq軸のトルク電流に基づいて、第1〜第3の測定モードにおいて、少なくとも定格トルク電流及び定格励磁電流を含む交流電動機の電動機特性を求めることができる。このため、例えば、銘板情報から得られる限られた情報から定格トルク電流と定格励磁電流を自動的に設定することで、交流電動機を駆動するまでの手間を大幅に軽減し、適切な制御定数により交流電動機のベクトル制御を行うことが可能となる。
本発明の第1の実施の形態例における電力変換部制御装置の内部構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態例における電動機特性測定部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態例における電動機特性測定部が交流電動機の電動機特性を測定する際に切替えられる第1〜第3の測定モード(mode1〜3)の例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態例における定格周波数fとしたまま、V/f比を変更する例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態例における定格速度(トップ速度)で交流電動機をV/f一定速で運転しながら定格トルク電流IT、励磁電流Id及び励磁インダクタンスLm’を演算する処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態例におけるベース速度において交流電動機をV/f一定速で運転しながらV/f比を変更して電圧を測定する様子を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態例における交流電動機を界磁弱めで運転する時の電圧と磁束と励磁電流の関係を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態例における交流電動機の飽和特性の例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態例における交流電動機をV/f一定速運転しながらV/f比を変更した場合に測定する電圧と励磁インダクタンスと励磁電流の関係を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態例におけるベース速度において交流電動機をV/f一定速で運転して測定する励磁電流Idと磁束演算値Φの関係を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態例における電動機特性測定部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態例におけるベース速度において交流電動機をV/f一定速で運転して測定する励磁電流Idと磁束演算値Φの関係を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態例におけるベース速度において交流電動機のV/f一定速運転を行う場合に、ベース速度における励磁インダクタンスLmB’と励磁電流IdBを決定する処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態例における磁束飽和特性から得られる界磁弱め運転時における磁束Φと励磁電流Idの関係を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態例におけるベース速度において交流電動機をV/f一定速で運転して測定する励磁電流Idと磁束演算値Φの関係を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態例におけるベース速度とトップ速度の間において交流電動機をV/f一定速で運転して測定する励磁電流Idと磁束演算値Φの関係を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態例におけるベース速度とトップ速度の間において交流電動機をV/f一定速で運転して、ベース速度における励磁インダクタンスLmB’と励磁電流IdBを決定する処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態例における交流電動機の飽和特性の例を示す説明図である。
[第1の実施の形態例]
以下、本発明の第1の実施の形態例について、図1〜図5を参照して説明する。本実施の形態例では、交流電力によって駆動する交流電動機3の電動機特性に基づいて電動機定数及び制御定数を求められるようにした交流電動機制御システム10について説明する。交流電動機制御システム10は、コンピュータがプログラムを実行することにより、後述する内部ブロックが連携して交流電動機3の電動機定数を演算し、少なくとも定格トルク電流、定格励磁電流を含む電動機特性を測定する電動機特性測定方法を実現する。
図1は、交流電動機制御システム10の内部構成を示すブロック図である。
交流電動機制御システム10は、交流電力を出力する交流電源1、交流電源1から入力する交流電力を所望の周波数の交流電力及び電圧に変換して出力する電力変換部2と、電力変換部2の動作を制御する電力変換部制御装置4とを備える。また、交流電動機制御システム10は、電力変換部2が出力する交流電流の検出値を出力する電流検出部5と、オペレータが銘板情報を入力する入力部6と、後述する各種のモードを切替えるモード切替部18と、交流電動機3とを備える。電力変換部2は、トランジスタ等のスイッチング素子を備え、パルス幅変調(PWM:pulse width modulation)インバータ等によって構成される。また、オペレータが入力部6から入力する銘板情報には、例えば、交流電動機3の容量P(ワット)、定格周波数f、定格電圧V、定格電流Iがある。
電力変換部制御装置4は、交流電動機3の電動機特性を測定する電動機特性測定部15を備える。電動機特性測定部15は、第1の座標変換部12に1次角周波数指令、d軸電圧指令及びq軸電圧指令を出力することにより、電力変換部2が交流電動機に出力する電圧及び周波数の比を変える制御を行う。そして、電動機特性測定部15は、交流電動機3の電動機定数として、交流電動機3を定格周波数、定格電圧で駆動するための定格トルク電流と定格励磁電流を設定する。
また、電力変換部制御装置4は、ベクトル制御部11と制御定数演算部16を備える。ベクトル制御部11は、交流電動機3の出力トルクや速度が所望の電動機特性を満たすように交流電動機3に出力する各種の指令を演算し、交流電動機3のベクトル制御を行う。制御定数演算部16は、電動機特性測定部15から入力する電動機定数に基づいて演算した制御定数をベクトル制御部11に出力する。
また、電力変換部制御装置4は、電動機特性測定部15又はベクトル制御部11からの入力を切替える切替部17と、第1の座標変換部12とを備える。第1の座標変換部12は、切替部17から入力する1次角周波数指令ωrefに基づいて、d軸電圧指令Vdrefとq軸電圧指令Vqrefを三相交流電圧指令に座標変換する。
また、電力変換部制御装置4は、電力変換部2にパルス信号を出力するパルス生成部13を備える。パルス生成部13は、第1の座標変換部12から入力する三相交流電圧指令によりパルス信号を生成している。そして、このパルス信号によって、電力変換部2を構成するスイッチング素子のオン又はオフを制御し、交流電源1から入力する交流電力の電圧及び周波数を変換し、交流電動機3を駆動する電力変換部2を制御することができる。このパルス信号は、電力変換部2が出力する交流電圧の値が、第1の座標変換部12が出力する三相交流電圧指令の値に一致するように演算される。
また、電力変換部制御装置4は、第2の座標変換部14を備える。第2の座標変換部14は、切替部17から入力する1次角周波数指令ωrefに基づいて、電流検出部5によって検出された電力変換部2が出力する交流電流の検出値を、d軸の励磁電流Id、q軸のトルク電流Iq(以下、「Id,Iq」とも略記する。)に変換する。そして、第2の座標変換部14は、変換したId,Iqを電動機特性測定部15に出力する。電動機特性測定部15は、第2の座標変換部14から入力する、Id,Iqに基づいて、交流電動機3の電動機特性を求める。
次に、各部の具体的な動作例を説明する。
電力変換部制御装置4は、電力変換部2を制御して交流電動機3を駆動する。このとき、電力変換部制御装置4は、交流電動機3の電動機定数を演算して電動機特性を求め、交流電動機3の定格トルク電流及び定格励磁電流を設定している。
電力変換部制御装置4は、電力変換部2が出力する交流電圧の値が、第1の座標変換部12が出力する三相交流電圧指令値に一致するように電力変換部2を制御する。そして、電流検出部5は、電力変換部2が出力する交流電力から検出した交流電流の検出値を第2の座標変換部14に出力する。
ここで、電動機特性測定部15は、交流電動機3の電動機特性を測定する第1〜第3の測定モード(それぞれmode1〜mode3と表記)において、交流電動機3に所定の交流電圧及び交流周波数を印加するように電力変換部2を制御している。第1〜第3の測定モードについては、詳細な処理例を後述する。そして、電動機特性測定部15は、交流電動機3を定格電圧、定格周波数で制御するために必要となる電動機定数、定格トルク電流、定格励磁電流の特性(以下、「励磁電流特性」とも呼ぶ。)を測定する。
また、電動機特性測定部15は、第1〜第3の測定モードにおいて、電動機特性を測定するための測定信号を出力する。この測定信号には、1次角周波数指令ωref、d軸電圧指令Vdref、q軸電圧指令Vqref等が含まれている。このとき、電動機特性測定部15は、第2の座標変換部14から入力するId,Iqと、第1の座標変換部12に出力する1次角周波数指令ωrefに基づいて、電動機定数、定格トルク電流及び励磁電流特性を求める。
制御定数演算部16は、交流電動機3をベクトル制御するベクトル制御モードにおいて、電動機特性測定部15で演算された電動機定数、定格トルク電流及び励磁電流特性等の電動機特性から求めた電動機定数によりベクトル制御部11の制御定数を演算する。ベクトル制御部11は、第2の座標変換部14から入力するId,Iq、並びに制御定数演算部16から入力する制御定数に基づいて生成した1次角周波数指令、d軸電圧指令及びq軸電圧指令により、電力変換部2に交流電動機3をベクトル制御させる。
なお、電動機定数、定格トルク電流及び励磁電流特性を測定する時には、電力変換部制御装置4は、切替部17への入力をベクトル制御部11から電動機特性測定部15に切替える。そして、電動機特性測定部15が第1〜第3の測定モードにおいて様々に測定条件を変えた測定信号を交流電動機3に与える。このとき、電動機特性測定部15は、測定条件に基づいて変えた1次角周波数指令ωref、d軸電圧指令Vdref、q軸電圧指令Vqrefを第1の座標変換部12に出力する。一方、交流電動機3をベクトル制御する時には、電力変換部制御装置4は、切替部17への入力を電動機特性測定部15からベクトル制御部11に切替え、適切な制御定数により交流電動機3をベクトル制御する。
そして、切替部17は、第1〜第3の測定モードにおいて電動機特性測定部15から入力する1次角周波数指令、d軸電圧指令及びq軸電圧指令を第1の座標変換部12に出力する。一方、切替部17は、ベクトル制御モードにおいてベクトル制御部11から入力する1次角周波数指令、d軸電圧指令及びq軸電圧指令を第1の座標変換部12に出力するように入力を切替える。
図2は、電動機特性測定部15の内部構成を示すブロック図である。図2では、交流電動機制御システム10における電動機特性測定部15以外の構成を簡略化して図示している。
電動機特性測定部15は、交流電動機3の電動機定数、定格トルク電流、定格励磁電流特性を測定する時に、1次角周波数指令ωref、d軸電圧指令Vdref、q軸電圧指令Vqrefを切替部17に出力する制御部20を備える。制御部20にはモード切替部18が接続されており、ベクトル制御モード又は第1〜第3の測定モードの切替えにより、制御定数演算部16又は切替部17への各指令が切替えられる。また、制御部20には入力部6から銘板情報が入力される。また、制御部20には、第2の座標変換部14からId,Iqのデータが入力する。
また、電動機特性測定部15は、Id,Iqのデータから励磁電流を測定する励磁電流測定部21と、励磁インダクタンスLm’を測定する励磁インダクタンス測定部22と、定格トルク電流を演算する定格トルク電流演算部23を備える。励磁インダクタンス測定部22は、交流電動機3に印加する電流及び電圧の関係より、励磁インダクタンスLm’を測定する。定格トルク電流演算部23は、後述する演算式を用いて第2の座標変換部14から入力するId,Iqから定格トルク電流を演算する。
また、電動機特性測定部15は定格電圧演算部24を備える。定格電圧演算部24は、交流電動機3に印加する電圧及び周波数のV/f比を一定にしたまま、測定電圧を変えて交流電動機3の定格電圧演算値Vを演算する。以下の説明では、交流電動機3に出力する交流電源1の電圧及び周波数の比を「V/f比」と呼ぶ。そして、V/f比を一定にして交流電動機3を運転することを「V/f一定速運転」と呼ぶ。
また、電動機特性測定部15は測定条件判定部25を備える。測定条件判定部25は、定格電圧演算値Vが、銘板情報から得た定格電圧Vに一致する時点における交流電動機3の測定条件を判定する。また、定格電圧演算部24は、オペレータが銘板情報から読出し、入力部6から入力する定格電圧Vと、定格トルク電流演算部23から入力するId,Iqとにより、定格電圧演算値Vを演算する。測定条件判定部25は、定格電圧Vが定格電圧演算値Vに一致する場合に、交流電動機3の測定条件を確定し、定格励磁電流及び定格トルク電流を求めることによって交流電動機3の定格運転を実現する。
そして、測定条件判定部25は、確定した測定条件における定格励磁電流及び定格トルク電流を制御部20に通知する。制御部20は、交流電動機3の動作を制御する際には、通知された定格励磁電流及び定格トルク電流を制御定数演算部16に出力する。その後、制御定数演算部16が演算した制御定数をベクトル制御部11に出力することにより、ベクトル制御部11が交流電動機3のベクトル制御を行う。
図3は、電動機特性測定部15が交流電動機3の電動機特性を測定する際に切替えられ、交流電動機3の電動機特性を測定する第1〜第3の測定モード(mode1〜3)の例を示すフローチャートである。
始めに、オペレータは、入力部6を操作して、交流電動機3の銘板情報を電動機特性測定部15の制御部20に予め入力し(ステップS1)、第1〜第3の測定モードで用いる。この銘板情報は、交流電動機3に印加する複数の測定電圧(Vmode1(1)、Vmode1(2)・・・)の設定範囲や、交流電流検出値の基準、定格トルク電流ITの演算基準、測定条件の判定基準等を定める際に用いられる。
次に、切替部17は、第1の測定モードに切替えて、交流電動機3に単相直流励磁を行い、交流電動機3の1次抵抗rの値を測定する(ステップS2)。第1の測定モードにおいて制御部20は、測定条件として、1次角周波数指令ωref=0、q軸電圧指令Vqref=0、d軸電圧指令Vdrefに複数の測定電圧(Vmode1(1)、Vmode1(2)・・・)を設定し、これらを交流電動機3に与える。そして、制御部20は、第1の座標変換部12にd軸電圧指令Vdrefを出力する。その後、電力変換部2は、d軸電圧指令Vdrefを変換した測定電圧を交流電動機3に印加する。
このとき、第2の座標変換部14は、電流検出部5が検出した交流電流の検出値を、Id,Iqに変換し、電動機特性測定部15に出力する。電動機特性測定部15は、交流電動機3に印加した測定電圧と、この測定電圧に対応して電力変換部2が出力する交流電流を変換したId,Iqとの関係により、交流電動機3の1次抵抗rの値を演算する。
次に、切替部17は、第2の測定モードに切替えて、交流電動機3に単相交流励磁を行う(ステップS3)。第2の測定モードでは、制御部20は測定条件として、1次角周波数指令ωref=0、q軸電圧指令Vqref=0、単相交流励磁を行うためのd軸電圧指令Vdrefを正弦波の測定電圧(Vmode2×sin(ωmode2×t))として交流電動機3に与える。そして、制御部20は、第1の座標変換部12に正弦波の測定電圧としたd軸電圧指令Vdrefを出力する。その後、電力変換部2は、d軸電圧指令Vdrefを変換した測定電圧を交流電動機3に印加する。
電動機特性測定部15は、電力変換部2に印加した電圧と、電力変換部2が出力する交流電流を変換したId,Iqの関係により、交流電動機3の合成抵抗rσ(=r+r’)、合成漏れインダクタンスLσ(=L1+L2’)の値を演算する。
次に、切替部17は、第3の測定モードに切替えて、交流電動機3のトップ速度を一定にし、V/f比を一定に保ちながら交流電動機3を運転する(ステップS4)。第3の測定モードでは、制御部20は測定条件として、d軸電圧指令Vdref=0、1次角周波数指令ωref=ωmode3、q軸電圧指令Vqref=Vmode3として、V/f一定速運転を行う電圧指令を第1の座標変換部12に出力する。そして、制御部20は、第1の座標変換部12に測定電圧を出力する。その後、電力変換部2は、V/f一定速運転を行う電圧指令を変換した測定電圧を交流電動機3に印加する。
電動機特性測定部15は、電動機定数を演算するために電力変換部2に印加した電圧と、第2の座標変換部14から入力するId,Iqとの関係に基づいてトップ速度における電圧演算値Vを演算する。そして、電圧演算値Vを、判定基準として用いる定格電圧Vに近づける制御を繰り返す。そして、トップ速度における電圧演算値Vが定格電圧Vに一致する場合に、トップ速度における励磁インダクタンスLm’を確定し、d軸の励磁電流Idを定格励磁電流と設定し、定格励磁電流Idから演算した定格トルク電流ITを設定する。そして、交流電動機3の励磁インダクタンスLm’、定格トルク電流、及び定格励磁電流を、トップ速度における交流電動機3の電動機特性として求め、磁束飽和の影響を考慮した励磁電流特性を求める。
最後に、制御定数演算部16は、演算した電動機定数と定格トルク電流、励磁電流特性を用いて制御定数を演算し(ステップS5)、不図示のメモリへ制御定数を書き込む。以上の処理が終了した後、電動機特性測定部15は、第1〜第3の測定モードを終了する。そして、切替部17は測定モードからベクトル制御モードに切替え、ベクトル制御部11は、ベクトル制御によって交流電動機3を可変速駆動する。
次に、図3のステップS4で実施される第3の測定モードにおける定格トルク電流と励磁電流特性を測定する処理例について説明する。
交流電動機3をベクトル制御するためには、直交するd軸とq軸で定格トルク電流(q軸電流Iq)と定格励磁電流(d軸電流Id)を確定することが必要となる。しかし、予め交流電動機3の設計値を取得できない場合には、交流電動機3の情報は銘板情報に限られる。このような交流電動機3をベクトル制御するために、上述した図3のフローチャートに従って電動機定数を演算し、ベクトル制御に用いる制御定数を設定する。しかし、従来は定格トルク電流ITや励磁電流Idを適切に設定することが困難であった。
本実施の形態例では、図3のステップS4に示すように、交流電動機3のV/f一定速運転を行って励磁インダクタンスLm’を測定する。この測定に際して、次のように定格トルク電流ITと定格励磁電流IdTを設定している。ここで、銘板情報から得たトップ速度における定格周波数fを用いて交流電動機3のV/f一定速運転を行うことにより、トップ速度における励磁インダクタンスLmT’とd軸の励磁電流IdTを測定する。以下の説明では、交流電動機3のトップ(Top)速度(「最高回転速度」とも呼ばれる。)で測定される励磁インダクタンスLm’を「LmT’」と表し、d軸の励磁電流Idを「IdT」と表す。また、交流電動機3のベース(Base)速度(「基底回転速度」とも呼ばれる。)で測定される励磁インダクタンスLm’を「LmB’」と表し、d軸の励磁電流Idを「IdB」と表す。
上述したように、励磁インダクタンスLm’は、励磁インダクタンス測定部22が交流電動機3に印加する電流及び電圧の関係より既に測定している。そして、定格トルク電流演算部23は、銘板情報から読み取った定格電流Iと、測定した励磁電流IdTを用いて、次の(1)式により、定格トルク電流ITを演算する。
Figure 2013143888
ここで、交流電動機3のトップ速度における適正な定格トルク電流ITと定格励磁電流IdTを演算するためには、V/f一定速運転を行う際に必要な測定条件を確定する必要がある。本実施の形態例では、測定条件を確定するための判定基準として、銘板情報から読み取った定格電圧Vを用いる。
そこで、定格電圧演算部24は、第1の測定モードで測定したr、第2の測定モードで測定した合成漏れインダクタンスLσ、第3の測定モードで測定したトップ速度における励磁インダクタンスLmT’、定格トルク電流IT、定格励磁電流IdTを用いて、次の(2)式、(3)式、(4)式に示す電圧方程式より定格電圧演算値Vを演算する。この定格電圧演算値Vは、d軸とq軸に対して、それぞれVdとVqとして求めた後、VdとVqの二乗和によって演算される。
Vd=r×IdT−ω×Lσ×IT…(2)
Vq=r×IT+ω×Lσ×IdT+ω×LmT’×IdT
=r×IT+ω×(Lσ+LmT’)×IdT…(3)
Figure 2013143888
ここで、ω=ωr+ωsである。そして、すべり周波数ωsは、次の(5)式で示すように第1の測定モードで測定した1次抵抗r、第2の測定モードで測定した合成抵抗rσ、第3の測定モードで測定した励磁インダクタンスLmT’より演算される。
Figure 2013143888
次に、定格周波数fとしたまま、V/f比を変更する例を説明する。
図4は、トップ速度における定格周波数fを一定に保ったまま、電圧Vを変更することによってV/f比を変更する例を示す説明図である。
電力変換部2が交流電動機3に出力する電力の定格周波数f(ωref=ωmode3=2×π×f)を一定に保ったまま、測定電圧を変えることによりV/f比を変更し、定格電圧演算値Vを演算する。本実施の形態例では、第3の測定モードにおける測定条件であるq軸電圧指令Vqref=Vmode3を変更し、定格電圧演算値Vが、定格電圧Vに一致する測定条件における測定値を選択する。
次に、図3のステップS4で切替えられる第3の測定モードにおいて実施される演算処理の例を詳述する。
図5は、定格速度(トップ速度)で交流電動機をV/f一定速で運転しながら定格トルク電流IT、励磁電流Id及び励磁インダクタンスLm’を演算する処理の例を示すフローチャートである。
始めに、電動機特性測定部15の制御部20は、定格周波数f、定格電圧V、定格電流Iと、第1の測定モードで測定した1次抵抗r、第2の測定モードで測定した合成抵抗rσ、合成漏れインダクタンスLσを取り込む(ステップS11)。
次に、制御部20は、第3の測定モードにおける交流電動機3のV/f一定速運転を行う(ステップS12)。このとき、制御部20は、測定条件として、d軸電圧指令Vdref=0、1次角周波数指令ωref=ωmode3(=2×π×f)とし、q軸電圧指令Vqrefを初期値Viniに設定する。初期値Viniには、例えば銘板情報から得た定格電圧Vが設定される。そして、制御部20は、V/f一定速運転を行う電圧指令を電力変換部2に出力する。これにより、電力変換部2は、交流電動機3がV/f一定速運転を行うように、交流電動機3に測定電圧を印加する。
次に、電流検出部5は、電力変換部2が出力する第3の測定モードにおける交流電流を検出し、第2の座標変換部14は、Id,Iqのデータを出力する。そして、励磁電流測定部21は、第2の座標変換部14からのId,Iqのデータを取り込む(ステップS13)。
次に、励磁インダクタンス測定部22は、励磁インダクタンスLmT’を求めるための関数Fに各パラメータを入力し、交流電動機3の励磁インダクタンスLmT’の値を演算する(ステップS14)。このパラメータには、ステップS11で取り込んだ1次抵抗r、合成漏れインダクタンスLσと、1次角周波数指令ωref、q軸電圧指令Vqrefと、ステップS13で取り込んだId,Iqがある。
次に、定格トルク電流演算部23は、ステップS13で取り込んだデータIdと、ステップS11で取り込んだ定格電流Iから(1)式に従って、定格トルク電流ITを演算する。また、ステップS11で取り込んだ1次抵抗r、合成抵抗rσと、ステップS14で演算した励磁インダクタンスLm’と励磁電流Idと定格トルク電流ITから上述した(5)式に従って、すべり周波数ωsを演算する。さらに、電動機特性測定部15は、定格周波数ω=2×π×f+ωsを演算する(ステップS15)。
次に、定格電圧演算部24は、(2)式、(3)式、(4)式に基づいて、定格電圧演算値Vを演算する(ステップS16)。次に、測定条件判定部25は、定格電圧演算値VとステップS11で取り込んだ銘板情報の定格電圧V(線間電圧の場合はV/√3)を比較する(ステップS17)。
ここで定格電圧演算値Vが定格電圧Vより大きい場合は、ステップS12にて設定したq軸電圧指令Vqref(例えば、385V)から減少電圧Vstep(例えば、5V)を差し引き(ステップS18)、ステップS12に処理を戻す。そして、定格電圧演算値Vが定格電圧Vに一致するまでステップS12〜S18の処理を繰り返す。
一方、定格電圧演算値Vが定格電圧Vに一致すると、測定条件判定部25は、電動機特性の測定を終了する。このとき、測定条件判定部25は、定格電圧演算値Vが定格電圧Vに一致した測定条件における励磁インダクタンスLm’を定格励磁インダクタンスLmT’とし、励磁電流Idを定格励磁電流IdTとする。さらに、定格励磁電流IdTから演算したトルク電流を定格トルク電流ITとして確定し(ステップS19)、不図示のメモリへ確定した値を書き込む。この値は、ベクトル制御モードにおいて、制御定数演算部16から読み出され、制御定数の演算に用いられる。
以上説明した第1の実施の形態例における電動機特性測定部15によれば、第1〜第3の測定モードにおいて、銘板情報から得た定格電圧Vと定格電流Iで交流電動機3を定格運転するために、電動機定数及び定格励磁電流IdT、定格トルク電流ITを自動的に選定する。このため、ベクトル制御モードにおいて、制御定数演算部16は、演算した電動機特性から制御定数を設定し、ベクトル制御に切替えて運転する場合に、銘板情報に記されたように交流電動機3の定格運転を行うことが可能となる。
また、電動機特性測定部15は、トップ速度における電圧演算値Vが、定格電圧Vに一致するまで、交流電動機3に印加する電圧を定格電圧Vより低い値から増加させ、又は、定格電圧Vから減少させる制御を繰り返し行う。これにより、定格電圧Vに近づけた電圧演算値Vを求めることができる。
ここで、図5において定格電圧Vより高い電圧から定格電圧演算値Vの判定を開始し、定格電圧演算値Vが定格電圧Vに一致するまで、測定電圧を減少させている。これとは逆に、例えばV/f比の設定を定格電圧Vの半分の電圧から開始し、定格電圧演算値Vが定格電圧Vに一致するまで、測定電圧を増加させても同様に測定条件を判定することができる。
また、常温で測定した数値に対して通常運転時の温度上昇分を考慮して、(2)式、(3)式、(5)式の演算に用いる1次抵抗の値を設定する。このため、交流電動機3の温度が上昇することによって変化する1次抵抗の値を、トップ速度における電圧演算値Vの演算に取り込む。これにより、通常運転時に定格運転を行って演算する定格電圧演算値Vと電流の値が、銘板情報から得られる定格電圧Vと定格電流Iに一致するように、トップ速度における電動機定数及び定格励磁電流IdT、定格トルク電流ITを選定できる。
[第2の実施の形態例]
次に、本発明の第2の実施の形態例について図6〜図10を参照して説明する。
図6は、ベース速度において交流電動機3をV/f一定速で運転しながらV/f比を変更して測定する様子を示す説明図である。このV/f一定速運転をベース速度で実施する処理は、図3のステップS4で示す処理を変形したものである。
交流電動機3を界磁弱め付きで駆動する場合は、図5で確定したトップ速度時における励磁電流IdTの値に基づいて、ベース速度とトップ速度の間で励磁電流Idを変えて、ベース速度における励磁電流IdBを求める。
図7は、交流電動機3を界磁弱めで運転する時の、トップ速度及びベース速度と、電圧、磁束、及び励磁電流の関係を示す説明図である。図7Aは速度起電力と言われる電圧Vemf(=ωre×Φ)の例、図7Bは界磁弱めにおける磁束Φの例、図7Cはベース速度における励磁電流IdBと、トップ速度における励磁電流IdTの例をそれぞれ示している。
図7Bに示すように、ベース速度までは、磁束Φを強めた状態(界磁強め)で一定としているため、電圧Vemfは速度に比例して増加する(図7A)。また、図7Bに示すように、ベース速度からトップ速度にかけては速度に反比例するように磁束Φを減少(界磁弱め)させている。このように界磁弱めを行うと、電圧Vemfは一定となり、ベース速度からトップ速度の間では、交流電動機3が定出力特性となる(図7A)。
なお、このとき、磁束Φは「Φ=Lm’×Id」として求められる。このため、励磁インダクタンスLm’が一定である場合には、図7Cの実線に示すように磁束Φの変化に合わせて、励磁電流Idは速度に反比例して変化する。そして、上述した第1の実施の形態例で決定したトップ速度における定格励磁電流IdTに基づいて、図7Cの実線に示すベース速度からトップ速度までの励磁電流特性を確定することが可能となる。
図8は、交流電動機3の飽和特性の例を示す説明図である。
交流電動機3の磁束Φに飽和特性がある場合は、界磁弱め域(非飽和点)における磁束Φは、トップ速度での磁束ΦT=LmT’×IdTとなり、界磁強め域(飽和点)における磁束Φは、ベース速度での磁束ΦB=LmB’×IdBとなる。ここで、励磁インダクタンスは、LmB’<LmT’である。このため、磁束Φに飽和特性があると、図7Cの破線に示すように、ベース速度からトップ速度までの励磁電流特性を、実線の励磁電流Idよりも大きめに設定する必要がある。また、磁束Φが飽和するため、適正な値の励磁電流Idを設定し、無駄な励磁電流Idを交流電動機3に流さないようにする必要がある。
そこで、本実施の形態例では、図6で示すように第3の測定モードにおける交流電動機3のV/f一定速運転をベース速度で実施することによって、磁束Φの飽和による励磁電流特性の変化を測定している。
図9は、交流電動機3をV/f一定速運転しながらV/f比を変更した場合に、トップ速度及びベース速度に対する、電圧、励磁インダクタンス、及び励磁電流の関係を示す説明図である。図9Aは、速度に対する電圧Vの関係を示し、図9Bは、速度に対する励磁インダクタンスLm’の関係を示し、図9Cは、速度に対する励磁電流Idの関係を示す。
図9Aに示すように、電動機特性測定部15の制御部20は、トップ速度における低いV/f比から、ベース速度における高いV/f比になるまで交流電動機3に印加する電圧を上げている。ベース速度とトップ速度の間で磁束Φが非飽和点(界磁弱め)となる場合は、図9Bに実線で示すように励磁インダクタンスLm’がほぼ一定となる。このため、図9Cに実線で示すようにベース速度とトップ速度の間における励磁電流特性は速度に反比例する関係となる。なお、トップ速度で測定した定格励磁電流IdTからベース速度で測定した定格励磁電流IdBを演算で求めて設定することも可能である。
一方、交流電動機3に磁束Φの飽和がある場合には、図9Bの破線に示すように励磁インダクタンスLm’が変化する。このとき、V/f比が高い界磁強め域になるに従って励磁インダクタンスLm’が小さくなり、図9Cの破線に示すように過大な励磁電流IdBが交流電動機3に流れてしまう。このため、交流電動機3をベース速度で運転する時に適正な値となる励磁電流IdB及び励磁インダクタンスLmB’を測定する必要がある。そこで、第2の実施の形態例における電動機特性測定部15は、図6で示す第3の測定モードのV/f一定速運転をベース速度で実施することによって、磁束Φの飽和による励磁電流特性の変化を測定している。
励磁電流特性を測定する際には、上述した第1の実施の形態例で示したように、制御部20は、トップ速度の定格点で交流電動機3のV/f一定速運転を行う。そして、トップ速度における定格トルク電流ITと励磁電流IdTを演算した後に、V/f比を変更して励磁電流特性を測定する。V/f比が同じ条件では、励磁電流Idや励磁インダクタンスLm’の測定値はほぼ同じ値となる。このため、ベース速度においては、V/f比が低くなる電圧より測定を開始する。
ベース速度においてV/f比が低い電圧とは、例えばトップ速度で決定した測定条件におけるV/f比から得られる電圧である。このようにV/f比が低い電圧より励磁電流特性の測定を開始するのは、交流電動機3の磁気飽和の影響で励磁電流Idが過大となることを防ぐためである。このため、V/f比を低くした状態、言い換えれば低い測定電圧を交流電動機3に印加しながら励磁電流特性の測定を始める。
図10は、ベース速度において交流電動機3をV/f一定速で運転して測定する励磁電流Idと磁束演算値Φの関係を示すフローチャートである。このベース速度でV/f一定速運転を行う処理は、図3のステップS4に示す第3の測定モードにおいて実施される処理を変形したものである。
第2の実施の形態における電動機特性測定部15は、第3の測定モードにおいて、交流電動機3のベース速度を一定とする周波数を維持し、交流電動機3に印加する電圧及び周波数の比を変更して、交流電動機3を界磁弱めで駆動させる。そして、第2の座標変換部14から入力するId,Iqに基づいて演算したベース速度における電圧演算値Vを、判定基準として用いる定格電圧に近づける制御を繰り返す。その後、電圧演算値Vが定格電圧に一致する場合に電動機特性測定部15は、ベース速度における励磁インダクタンス及び励磁電流を確定し、励磁インダクタンス及び励磁電流をベース速度における交流電動機3の電動機特性として求める。
始めに、制御部20は、銘板情報の定格電圧V、トップ速度にて確定した定格トルク電流IT、第1の測定モードで測定した1次抵抗r、第2の測定モードで測定した合成抵抗rσ、合成漏れインダクタンスLσを、演算に使用するために取り込む(ステップS21)。
次に、制御部20は、第3の測定モードにおける測定条件として、d軸電圧指令Vdref=0、1次角周波数指令ωref=ωmode3(=2×π×fB)、及びベース速度を設定し、q軸電圧指令Vqrefを初期値Viniに設定する。ここでfBはベース速度の周波数である。初期値Viniには、トップ速度での測定によって確定した測定条件におけるV/f比となる電圧を設定してもよい。そして、制御部20は、V/f一定速運転を行う電圧指令を出力し、交流電動機3に測定電圧を印加する(ステップS22)。
次に、制御部20は、電力変換部2を制御して交流電動機3に測定電圧を印加する。そして、電流検出部5が交流電流の検出値を検出すると、励磁電流測定部21は、第2の座標変換部14からId,Iqのデータを取り込む(ステップS23)。
続いて、励磁インダクタンス測定部22は、ステップS21で取り込んだ1次抵抗r、合成漏れインダクタンスLσ、1次角周波数指令ωref、q軸電圧指令Vqref、及びId,Iqのデータを関数Fに入れて、ベース速度における交流電動機3の励磁インダクタンスLm’の値を演算する(ステップS24)。
次に、定格トルク電流演算部23は、ステップS21で取り込んだ定格トルク電流ITと、ステップS23で取り込んだ励磁電流Idと、ステップS21で取り込んだ1次抵抗r、合成抵抗rσと、ステップS24で演算した励磁インダクタンスLm’から(5)式に従って、すべり周波数ωsを演算し、ω=2×π×fB+ωsとする(ステップS25)。
そして、定格電圧演算部24は、(2)式、(3)式、(4)式に基づき、定格電圧演算値Vを演算する(ステップS26)。次に、測定条件判定部25は、定格電圧演算値Vと、ステップS21で取り込んだ銘板情報から得られた定格電圧V(線間電圧の場合はV/√3)を比較する(ステップS27)。ベース速度においては1次角周波数ωが小さくなるので、ω×Lσ×ITやω×Lσ×IdBの成分が小さくなる。このため、測定条件判定部25は、定格電圧Vの代わりに、速度比分だけ小さくなるように低めに設定した判定基準電圧Vαを定格電圧演算値Vとの比較に用いる。
定格電圧演算値Vが判定基準電圧Vαより小さい場合は、ステップS22にて設定したq軸電圧指令Vqrefに増加分Vstepを加えて、ステップS22に戻る(ステップS28)。そして、定格電圧演算値Vが判定基準電圧Vαに一致するまでステップS22〜S27の処理を繰り返す。一方、ステップS27で、定格電圧演算値Vが判定基準電圧Vαに一致したと判定された場合には、測定を終了する。そして、測定条件判定部25は、判定基準電圧Vαに一致した測定条件におけるLm’をベース速度における励磁インダクタンスLmB’、Idをベース速度における励磁電流IdBとして決定する(ステップS29)。
以上説明した第2の実施の形態例における電動機特性測定部15によれば、交流電動機3をベース速度で定格運転する時に交流電動機3に出力する交流電圧と交流電流の値が、少なくとも銘板情報から得られる値より小さくなるように、電動機定数及びベース速度における励磁電流IdBを選定する。このため、得られた電動機特性に基づいて、制御定数演算部16が交流電動機3の界磁弱めを考慮した制御定数を設定することができる。また、電動機特性測定部15がベクトル制御モードに切替えて交流電動機3を運転した場合においても、励磁電流及び電圧を過大にせずに交流電動機3の定格運転を行うことが可能となる。
また、電動機特性測定部15は、ベース速度における電圧演算値Vが、定格電圧Vに一致するまで、交流電動機3に印加する電圧を定格電圧Vより低い値から増加させ、又は、定格電圧Vから減少させる制御を繰り返し行う。これにより、定格電圧Vに近づけた電圧演算値Vを求めることができる。
第2の実施の形態例においても、常温で測定した数値に対して交流電動機3を通常運転する時に温度上昇によって抵抗値が上がることを考慮して、(2)式、(3)式、(5)式の演算に用いる抵抗値を設定する。このため、交流電動機3の温度が上昇することによって変化する1次抵抗の値を、ベース速度における電圧演算値Vの演算に取り込む。これにより、通常運転時の定格運転における電圧と電流が銘板情報から得られる定格電圧Vを超えないようにしながら、電動機定数と、ベース速度における励磁電流IdBを選定できる。
[第3の実施の形態例]
次に、本発明の第3の実施の形態例における電力変換部制御装置4の動作例について図11〜図14を参照して説明する。
第3の実施の形態例では、磁束を判定基準とした点で、電圧を判定基準とした第1及び第2の実施の形態例とは異なっている。以下の説明において、既に第1の実施の形態で説明した部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図11は、第3の実施の形態例における電動機特性測定部30の内部構成を示すブロック図である。
電動機特性測定部30の内部構成は、上述した第1の実施の形態例における電動機特性測定部15とほとんど同じ構成を採用している。ただし、図11の電動機特性測定部30では、図2の電動機特性測定部15の定格電圧演算部24の代わりに、交流電動機3の磁束を演算する磁束演算部26を用いている点が異なる。この磁束演算部26は、交流電動機3をV/f一定速運転する際に、測定した励磁電流Idと励磁インダクタンスLm’から磁束Φを演算するものである。
図12は、ベース速度において交流電動機3をV/f一定速で運転して測定する励磁電流Idと磁束演算値Φの関係の例を示す説明図である。図12Aは、ベース速度を一定としたまま、V/f比が高い状態で測定電圧を上げる例を示し、図12Bは、励磁電流Idによって変化する磁束Φの特性の例を示す。
図12Aに示すように、磁束演算部26は、(α)、(β)、(γ)が示す各V/f比で測定した励磁電流Idと、励磁インダクタンスLm’から、(6)式に従って磁束Φを演算する。
Φ=Lm’×Id…(6)
このとき、図12Bに示す(α)、(β)、(γ)のように磁束Φの飽和特性が得られる。
ここで、図7に示すように界磁弱めを行う場合における磁束Φは、ベース速度からトップ速度にかけて速度に反比例となる関係にある。このため、第1の実施の形態例において決定したトップ速度における励磁電流IdTと励磁インダクタンスLmT’から得たトップ速度時における磁束ΦT=LmT’×IdTを予め演算する。そして、次の(7)式を用いて、磁束ΦTにトップ速度ωreTとベース速度ωreBの比率を掛け合わせたベース速度における磁束ΦBの値を判定基準磁束ΦBとして演算する。
判定基準磁束ΦB=ΦT×ωreT/ωreB…(7)
そして、電動機特性測定部30は、測定電圧を増加してV/f比を変更しながら励磁電流特性を測定する。このとき、電動機特性測定部30は、各V/f比において測定した励磁電流及び励磁インダクタンスより磁束Φを演算し、この磁束Φが(7)式で演算した判定基準磁束ΦBに一致した時に測定を終了する。そして、測定の終了時点における測定条件で測定した励磁電流Idをベース速度における励磁電流IdBとし、励磁インダクタンスLm’をベース速度における励磁インダクタンスLmB’とする。
次に、図3のステップS4に示す第3の測定モードにおいて実施される演算処理について説明する。
図13は、ベース速度において交流電動機3のV/f一定速運転を行う場合に、ベース速度における励磁インダクタンスLmB’と励磁電流IdBを決定する処理の例を示すフローチャートである。
第3の実施の形態における電動機特性測定部30は、第3の測定モードにおいて、交流電動機3のベース速度を一定とする周波数を維持する。そして、交流電動機3に印加する電圧及び周波数の比を変更して、交流電動機3を界磁弱めで駆動させて演算した磁束演算値Φを、トップ速度における磁束よりベース速度とトップ速度の比率で演算した判定基準磁束ΦBに近づける制御を行う。その後、磁束演算値Φが判定基準磁束ΦBに一致する場合における、励磁インダクタンスLm’及び励磁電流Idをベース速度における交流電動機3の電動機特性として求める。
始めに、電動機特性測定部30の制御部20は、第1の測定モードで測定した1次抵抗rと、第2の測定モードで測定した合成抵抗rσと、合成漏れインダクタンスLσを演算に使用するために取り込む。また、トップ速度における磁束ΦTから(7)式に従って演算したベース速度における磁束ΦBを、判定基準磁束ΦBとして取り込む(ステップS31)。
次に、制御部20は、第3の測定モードにおける測定条件として、d軸電圧指令Vdref=0、1次角周波数指令ωref=ωmode3(=2×π×fB)とベース速度を設定し、q軸電圧指令Vqrefを初期値Viniに設定する。初期値Viniには、トップ速度での測定にて確定した測定条件におけるV/f比となる電圧を設定してもよい。
次に、制御部20は、V/f一定速運転を行う電圧指令を出力し、交流電動機3に測定電圧を印加する(ステップS32)。そして、電流検出部5が交流電流の検出値を検出すると、励磁電流測定部21は、第2の座標変換部14からId,Iqのデータを取り込む(ステップS33)。
続いて、励磁インダクタンス測定部22は、ステップS31で取り込んだ1次抵抗r、合成漏れインダクタンスLσと、1次角周波数指令ωref、q軸電圧指令Vqref、Id,Iqのデータを関数Fに入れて、ベース速度における交流電動機3の励磁インダクタンスLm’の値を演算する(ステップS34)。
そして、磁束演算部26は、ステップS33で取り込んだ励磁電流Idと、ステップS34で演算した励磁インダクタンスLm’より、(6)式に従って磁束Φを演算する(ステップS35)。
次に、測定条件判定部25は、演算磁束ΦとステップS31で取り込んだベース速度時における判定基準磁束ΦBを比較する(ステップS36)。演算磁束Φが判定基準磁束ΦBより小さい場合は、ステップS32にて設定したq軸電圧指令Vqrefに増加分Vstepを加えて(ステップS37)、ステップS32に戻る。そして、演算磁束Φが判定基準磁束ΦBに一致するまでステップS32〜S35の処理を繰り返す。
ステップS36で、演算磁束Φが判定基準磁束ΦBに一致したと判定された場合は測定を終了する。そして、判定基準磁束ΦBに一致した測定条件における励磁インダクタンスLm’をベース速度における励磁インダクタンスLmB’として決定し、励磁電流Idをベース速度における励磁電流IdBとして決定する(ステップS38)。
図14は、磁束飽和特性から得られる界磁弱め運転時における磁束Φと励磁電流Idの関係を示す説明図である。図14Aは励磁電流Idと磁束Φの関係、図14Bは速度と磁束Φの関係、及び図14Cは速度と励磁電流IdB,IdTの関係をそれぞれ示している。
図14Aに示すように、トップ速度の励磁電流IdTにおける磁束ΦTより、ベース速度の励磁電流IdBにおける磁束ΦBが高いことが分かる。
また、図14Bより、ベース速度とトップ速度の間において、速度に対する磁束Φは反比例の関係にあることが分かる。また、図14Cより、ベース速度とトップ速度の間において、速度に対する励磁電流Idは磁束飽和の影響を考慮した関係にあることが分かる。
このため、電動機定数の測定過程によって得られる磁束飽和特性に基づいて、ベース速度からトップ速度の間における励磁電流特性を決定できる。
以上説明した第3の実施の形態例に係る電動機特性測定部30によれば、界磁弱め付きで交流電動機3を運転し、また交流電動機3に飽和特性がある場合においても、ベース速度にてV/f比を変更する。このとき、電動機特性測定部30は、磁束演算値Φが、判定基準磁束ΦBに一致するまで、交流電動機3に印加する電圧を定格電圧Vより低い値から増加させる制御を繰り返し行い、磁束演算値Φが判定基準磁束ΦBを超えない範囲で磁束を測定する。これにより、測定時の過電流を防止し、ベース速度における適正な励磁電流IdBを決定できる。
また、電動機特性測定部15は、磁束演算値Φが、判定基準磁束ΦBに一致するまで、交流電動機3に印加する電圧を定格電圧Vより低い値から増加させる制御を繰り返し行う。この過程において、磁束演算値Φの飽和特性より、ベース速度からトップ速度の間における励磁電流特性を演算する。このため、測定の過程で得られる磁束飽和特性からベース速度からトップ速度にかけての励磁電流Idの励磁電流特性を設定することができる。さらに界磁弱め付きで交流電動機3を運転する場合においても、磁束Φの飽和特性を考慮して各速度における励磁電流Idを設定することができる。このため、電動機定数が不明な交流電動機3であっても界磁弱め付きで容易にベクトル制御することができる。
[第4の実施の形態例]
次に、本発明の第4の実施の形態例における電力変換部制御装置4の動作例について図15〜図18を参照して説明する。
本実施の形態例における電力変換部制御装置4は、第3の実施形態例に示した磁束による判定を行う場合において、励磁電流リミッタIdlimによる保護機能を持たせたものである。つまり、第4の実施の形態例では、励磁電流リミッタIdlimにより測定が制限された場合に、測定する速度を変更して最適なベース速度を決定する点が第3の実施の形態例と異なっている。
図15は、ベース速度において交流電動機3をV/f一定速で運転して測定する励磁電流Idと磁束演算値Φの関係の例を示す説明図である。図15Aは、ベース速度を一定のまま、V/f比が高い状態で電圧Vを高める状態の例を示し、図15Bは、励磁電流Idによって変化する磁束Φの特性の例を示す。
交流電動機3の磁束Φの飽和特性によっては、図12Bに示すような判定基準磁束ΦBに磁束Φが一致する条件がなく、交流電動機3に過電流が流入する場合がある。このとき、図15Bに示すように磁束Φが判定基準磁束ΦBとなる前に励磁電流Idが過大となり、ベース速度における励磁電流IdBを特定できない。ここで、測定した励磁電流Idが過大にならないようにし、電動機特性測定部30が電力変換部2の許容電流の範囲内で励磁電流特性の測定を行えるように、励磁電流Idを一定の値に抑える保護機能としての励磁電流リミッタIdlimを設定する。ここで、励磁電流リミッタIdlimは、電力変換部2の許容電流Iinvに安全率αを乗じ、定格トルク電流ITに過負荷率OLを乗じた値を考慮して、次の(8)式により演算する。
Figure 2013143888
しかし、励磁電流リミッタIdlimにより励磁電流特性の測定が制限されると、交流電動機3の飽和特性によりベース速度において必要な磁束Φを生じさせることができない。このことは、図7に示したような界磁弱め運転時における電圧Vemf、磁束Φ及び励磁電流Idの関係が成立せず、ベース速度とトップ速度の間において定出力特性にならないことを意味する。従って、交流電動機3の飽和特性に応じて最適なベース速度と、ベース速度における励磁電流IdBを設定する必要がある。
図16は、ベース速度とトップ速度の間において交流電動機3をV/f一定速で運転して測定する励磁電流Idと磁束演算値Φの関係の例を示す説明図である。図16Aは、ベース速度とトップ速度の間で交流電動機3の速度を変える例、図16Bは、判定基準磁束ΦBに基づいてベース速度の励磁電流IdBを確定する例を示す。
図16Aに示すように、第4の実施の形態例における電動機特性測定部30は、励磁電流リミッタIdlimにより励磁電流特性の測定が制限されると、当初設定したベース速度とトップ速度の中間速度である第1中間速度(ωre1c)に交流電動機3の速度を変更する。そして、トップ速度で確定した測定条件におけるV/f比と同じになる点に測定電圧の初期値を設定する。その後、電動機特性測定部30は、測定電圧を徐々に増加させて測定を行い、(7)式を用いて演算される速度比から得た判定基準磁束Φ1cに一致するか、又は励磁電流リミッタIdlimにより測定が制限されるかを判定する。
励磁電流リミッタIdlimにより励磁電流特性の測定が制限された場合は、さらに、図16Aに示す第1中間速度(ωre1c)とトップ速度の中間速度である第2中間速度で測定を繰り返す。逆に、測定した磁束Φが判定基準磁束Φ1cに一致する場合は、当初設定したベース速度と第1中間速度の中間速度である第3中間速度で再び測定を実施する。このように速度を変える処理を繰り返していき、この過程で得たデータから示される磁束の飽和特性により、最適なベース速度と励磁電流IdBを設定することが可能となる。
次に、図3のステップS4に示す第3の測定モードにおいて実施される演算処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
図17は、ベース速度とトップ速度の間において交流電動機3をV/f一定速で運転して、ベース速度における励磁インダクタンスLmB’と励磁電流IdBを決定する処理の例を示すフローチャートである。
電動機特性測定部30は、第3の測定モードにおいて、交流電動機3のベース速度を一定とする周波数を維持する。そして、交流電動機3に印加する電圧及び周波数の比を変更して、交流電動機3を界磁弱めで駆動させて演算した磁束演算値Φを、トップ速度における磁束よりベース速度とトップ速度の比率で演算した判定基準磁束ΦBに近づける制御を行う。この過程で、第2の座標変換部14から入力するd軸の励磁電流が励磁電流リミッタを超えた場合には、ベース速度からトップ速度の間で交流電動機3の速度を変更する。そして、磁束演算値Φが変更した速度とトップ速度の比率でトップ速度における磁束より演算した判定基準磁束に一致する場合における、変更した速度をベース速度とし、励磁インダクタンス及び励磁電流をベース速度における交流電動機3の電動機特性として求める。
始めに、電動機特性測定部30の制御部20は、第1の測定モードで測定した一次抵抗rとモード2で測定した合成抵抗rσと合成漏れインダクタンスLσを演算に使用するために取り込む(ステップS41)。
次に、制御部20は、第3の測定モードにおける測定条件として、周波数指令の初期値finiにベース速度における周波数fBを設定し、一次角周波数指令ωref=ωmode3(=2×π×fini)とする。そして、トップ速度における磁束ΦT、トップ周波数ωreTと、設定した一次角周波数指令ωrefを用いて、(7)式に従って、判定基準磁束Φrを演算する(ステップS42)。
そして、制御部20は、d軸電圧指令Vdref=0、q軸電圧指令Vqrefを初期値Viniに設定する。初期値Viniには、トップ速度での測定にて確定した測定条件において、V/f比となる電圧を設定してもよい。続いて、制御部20は、V/f一定速運転を行うd軸電圧指令Vdref,q軸電圧指令Vqrefを出力し、交流電動機3に測定電圧を印加する(ステップS43)。
次に、電流検出部5が交流電流を検出すると、励磁電流測定部21は、第2の座標変換部14からId,Iqのデータを取り込む(ステップS44)。そして、測定条件判定部25は、ステップS44で取り込んだ励磁電流Idと、(8)式で演算した励磁電流リミッタIdlimを比較する(ステップS45)。
励磁電流Idが励磁電流リミッタIdlimより大きい場合は、電動機特性測定部30が測定条件である周波数指令を変更し、交流電動機3を増速する(ステップS46)。このとき、例えば、トップ速度と前回設定値の中間値を演算した後、ステップS42に戻りステップS42〜S45の処理を繰り返す。以下の説明では、前ステップS42〜S45までの処理を行って前回設定した速度の値を、「前回設定値」と呼び、ステップS42〜S45までの処理を行って今回設定した速度を、「今回設定値」と呼ぶ。このため、ステップS46の処理を繰り返すと、徐々に中間値がトップ速度に近づいていく。
次に、ステップS44で取り込んだ励磁電流Idが励磁電流リミッタIdlim以下である場合、ステップS41で取り込んだ一次抵抗r、合成漏れインダクタンスLσと、測定条件として設定した1次角周波数指令ωref、q軸電圧指令Vqrefと、測定のため印加した各電圧に対応して流れるId,Iqのデータを用いて、交流電動機3の励磁インダクタンスLm’の値を演算する(ステップS47)。
次に、電動機特性測定部30は、ステップS44で取り込んだデータIdと、ステップS47で演算した励磁インダクタンスLm’より、(6)式に従って磁束演算値Φを演算する(ステップS48)。そして、磁束演算値ΦとステップS42で演算した判定基準磁束Φrを比較する(ステップS49)。
磁束演算値Φが判定基準磁束Φrより小さい場合は、ステップS43にて設定したq軸電圧指令Vqrefに増加分Vstepを追加する(ステップS50)。その後、ステップS43に戻り、磁束演算値Φが判定基準磁束Φrに一致するまでステップS42〜S49の処理を繰り返す。
一方、ステップS49で、磁束演算値Φが判定基準磁束Φrに一致したと判定された場合、励磁インダクタンスLm’と励磁電流Idを、設定した測定周波数(速度)における励磁インダクタンスLmc’、励磁電流Idcとして決定する(ステップS51)。
次に、前回測定と今回測定における磁束演算値Φの変化量に対する励磁電流Idの変化量を示す飽和度判定基準値ΔΦ/ΔIdを飽和度判定基準値として用いて、基準値dΦと比較する(ステップS52)。この飽和度判定基準値ΔΦ/ΔIdは、トップ速度における励磁電流の変化に対する磁束変化を示す値からベース速度における励磁電流の変化に対する磁束変化を示す値である。そして、電動機特性測定部30は、交流電動機3の速度を変更して測定したd軸の励磁電流の変化に対する磁束の変化の値が飽和度判定基準値に一致した場合における交流電動機3の速度をベース速度として確定し、励磁電流をベース速度における励磁電流と確定する。
ここで、界磁弱め範囲を広くとり、無駄に励磁電流を流さないようにする必要がある。ここで、交流電動機3の飽和特性における励磁電流Idと磁束Φの関係について図18を参照して説明する。
図18は、交流電動機3の飽和特性の例を示す説明図である。
リミッタ励磁電流Idlimより小さな励磁電流IdBが最適点であるとする。ここで、非飽和点である界磁弱め域では、飽和度判定基準値ΔΦ/ΔId≒LmT’となるため、トップ速度における磁束ΦTは、LmT’×IdTとして求めることができる。
一方、磁束Φが飽和するに従って、界磁弱め範囲を広くし、無駄な励磁電流を流さないように励磁電流Idを小さくし、飽和度判定基準値ΔΦ/ΔId<基準値dΦの範囲で励磁電流Idに制限をかける(0<dΦ<LmT’)。このとき、ベース速度における最適点となる励磁電流IdBにより、ベース速度における磁束ΦBが、LmB’×IdBとして求めることができる。
このように交流電動機3の飽和特性における飽和度合いを示す励磁電流Idの変化に対する磁束の変化量が基準値dΦより小さくならないように励磁電流Idの制限をかける。こうすることで、磁束の変化量が規定の判定基準磁束ΦBより小さくなった時点において、ベース速度における最適な励磁電流IdBを設定することができる。
図17のフローチャートの説明に戻る。図17のステップS52で飽和度判定基準値ΔΦ/ΔIdが基準値dΦよりも大きいと判定された場合は、測定条件である周波数指令を変更する(ステップS53)。例えば、ベース速度と前回設定値の中間値を演算した後、ステップS42に戻りステップS43以降の処理を繰り返す。
電動機特性測定部30は、ステップS52で飽和度判定基準値ΔΦ/ΔIdが基準値dΦに一致したと判定された場合は、測定を終了する。そして、ステップS54にて、条件成立時の速度をベース速度とし、励磁インダクタンスLm’をベース速度における励磁インダクタンスLmB’とし、励磁電流Idをベース速度における励磁電流IdBとして決定する。このとき、測定過程によって得られる各速度における磁束飽和特性から、図14に示すようなベース速度からトップ速度における励磁電流特性を決定できる。
以上説明した第4の実施の形態例に係る電動機特性測定部30によれば、交流電動機3を界磁弱め付きで運転する際に、磁束Φの飽和特性によって当初のベース速度で励磁電流IdBを特定できない場合においても、速度条件とV/f比を変更して励磁電流特性を測定することが可能となる。これにより測定時に交流電動機3へ過電流が流入することを防止しながら、適正なベース速度とベース励磁電流IdBの値を決定できる。また、測定の過程で得られる磁束飽和特性からベース速度からトップ速度にかけての励磁電流特性を設定することができる。
また、電動機特性測定部30は、交流電動機3の速度を変更してd軸の励磁電流及び磁束演算値Φを繰り返し求める過程において、演算した磁束の飽和特性より、ベース速度からトップ速度におけるd軸の励磁電流の励磁電流特性を求めることができる。
なお、上述した第1〜第4の実施の形態例では、V/f比を変更して測定を行うときに周波数をトップ速度又はベース速度に固定して、電圧を変更している。しかし、電圧を固定して周波数を変更したり、任意の組み合わせでV/f比を変更したりして測定を行ってもよい。
また、上述した実施の形態例における一連の処理は、ハードウェアにより実行することができるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、又は各種の機能を実行するためのプログラムをインストールしたコンピュータにより、実行可能である。例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に所望のソフトウェアを構成するプログラムをインストールして実行させればよい。
また、上述した実施の形態例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給してもよい。また、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPU等の制御装置)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、機能が実現されることは言うまでもない。
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態例の機能が実現される。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施の形態例の機能が実現される場合も含まれる。
また、本発明は上述した実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
1…交流電源、2…電力変換部、3…交流電動機、4…電力変換部制御装置、5…電流検出部、6…入力部、10…交流電動機制御システム、11…ベクトル制御部、12…第1の座標変換部、13…パルス生成部、14…第2の座標変換部、15…電動機特性測定部、16…制御定数演算部、17…切替部、18…モード切替部、20…制御部、21…励磁電流測定部、22…励磁インダクタンス測定部、23…定格トルク電流演算部、24…定格電圧演算部、25…測定条件判定部

Claims (16)

  1. 1次角周波数指令、d軸電圧指令及びq軸電圧指令を三相交流電圧指令に座標変換する第1の座標変換部と、
    前記三相交流電圧指令により、交流電源から入力する交流電力の電圧及び周波数を変換し、交流電動機を駆動する電力変換部を制御するためのパルス信号を生成するパルス生成部と、
    電流検出部によって検出された前記電力変換部が出力する交流電流の検出値を、前記1次角周波数指令に基づいて、d軸の励磁電流及びq軸のトルク電流に変換する第2の座標変換部と、
    前記第1の座標変換部に前記1次角周波数指令、前記d軸電圧指令及び前記q軸電圧指令を出力することにより、前記電力変換部が前記交流電動機に出力する電圧及び周波数の比を変える制御を行い、前記第2の座標変換部から入力する、前記d軸の励磁電流及び前記q軸のトルク電流に基づいて、少なくとも定格トルク電流及び定格励磁電流を含む前記交流電動機の電動機特性を求める電動機特性測定部と、を備え、
    前記電動機特性測定部は、
    前記交流電動機の電動機特性を測定する第1の測定モードにおいて、前記交流電動機の1次抵抗を測定し、
    前記交流電動機の電動機特性を測定する第2の測定モードにおいて、前記交流電動機の合成抵抗及び合成漏れインダクタンスを測定し、
    前記交流電動機の電動機特性を測定する第3の測定モードにおいて、前記交流電動機の励磁インダクタンス、定格トルク電流及び定格励磁電流を演算する、
    電力変換部制御装置。
  2. 前記電動機特性測定部は、前記第3の測定モードにおいて、
    前記交流電動機のトップ速度を一定にし、前記交流電動機に印加する電圧及び周波数の比を変更して、前記第2の座標変換部から入力する前記d軸の励磁電流及び前記q軸のトルク電流に基づいて演算したトップ速度における電圧演算値を、判定基準として用いる定格電圧に近づける制御を繰り返し、
    前記電圧演算値が前記定格電圧に一致する場合に、トップ速度における励磁インダクタンスを確定し、前記d軸の励磁電流を定格励磁電流と設定し、
    前記定格励磁電流から演算した定格トルク電流を設定して、前記定格励磁電流及び前記定格トルク電流をトップ速度における前記交流電動機の電動機特性として求める
    請求項1記載の電力変換部制御装置。
  3. 前記電動機特性測定部は、トップ速度における前記電圧演算値が、前記定格電圧に一致するまで、前記交流電動機に印加する電圧を前記定格電圧より低い値から増加させ、又は、前記定格電圧から減少させる制御を繰り返し行う
    請求項2記載の電力変換部制御装置。
  4. 前記電動機特性測定部は、前記交流電動機の温度が上昇することによって変化する前記1次抵抗の値を、トップ速度における前記電圧演算値の演算に取り込む
    請求項3記載の電力変換部制御装置。
  5. さらに、前記交流電動機をベクトル制御するベクトル制御モードにおいて、前記電動機特性から求めた電動機定数により前記交流電動機の動作を制御するベクトル制御部の制御定数を演算する制御定数演算部と、
    前記第2の座標変換部から入力するd軸の励磁電流及びq軸のトルク電流、並びに前記制御定数演算部から入力する前記制御定数に基づいて生成した前記1次角周波数指令、前記d軸電圧指令及び前記q軸電圧指令により、前記電力変換部に前記交流電動機をベクトル制御させるベクトル制御部と、
    前記第1〜第3の測定モードにおいて前記電動機特性測定部から入力する前記1次角周波数指令、前記d軸電圧指令及び前記q軸電圧指令を前記第1の座標変換部に出力し、前記ベクトル制御モードにおいて前記ベクトル制御部から入力する前記1次角周波数指令、前記d軸電圧指令及び前記q軸電圧指令を前記第1の座標変換部に出力するように入力を切替える切替部と、を備える
    請求項4記載の電力変換部制御装置。
  6. 前記電動機特性測定部は、前記第3の測定モードにおいて、
    前記交流電動機のベース速度を一定とする周波数を維持し、前記交流電動機に印加する電圧及び周波数の比を変更して、前記交流電動機を界磁弱めで駆動させ、
    前記第2の座標変換部から入力する前記d軸の励磁電流及び前記q軸のトルク電流に基づいて演算したベース速度における電圧演算値を、判定基準として用いる定格電圧に近づける制御を繰り返し、
    前記電圧演算値が前記定格電圧に一致する場合にベース速度における励磁インダクタンス及び励磁電流を確定し、
    前記励磁インダクタンス及び前記励磁電流をベース速度における前記交流電動機の電動機特性として求める
    請求項1記載の電力変換部制御装置。
  7. 前記電動機特性測定部は、前記電圧演算値が、前記定格電圧に一致するまで、前記交流電動機に印加する電圧を前記定格電圧より低い値から増加させ、又は、前記定格電圧から減少させる制御を繰り返し行う
    請求項6記載の電力変換部制御装置。
  8. 前記電動機特性測定部は、前記交流電動機の温度が上昇することによって変化する前記1次抵抗の値を、前記定格電圧の演算に取り込む
    請求項7記載の電力変換部制御装置。
  9. 前記電動機特性測定部は、前記第3の測定モードにおいて、
    前記交流電動機のベース速度を一定とする周波数を維持し、
    前記交流電動機に印加する電圧及び周波数の比を変更して、前記交流電動機を界磁弱めで駆動させて演算した磁束演算値を、トップ速度における磁束よりベース速度とトップ速度の比率で演算した判定基準磁束に近づける制御を行い、
    前記磁束演算値が前記判定基準磁束に一致する場合における、前記励磁インダクタンス及び前記励磁電流をベース速度における前記交流電動機の電動機特性として求める
    請求項1記載の電力変換部制御装置。
  10. 前記電動機特性測定部は、前記磁束演算値が、前記判定基準磁束に一致するまで、前記交流電動機に印加する電圧を前記定格電圧より低い値から増加させる制御を繰り返し行う
    請求項9記載の電力変換部制御装置。
  11. 前記電動機特性測定部は、前記磁束演算値が、前記判定基準磁束に一致するまで、前記交流電動機に印加する電圧を前記定格電圧より低い値から増加させる制御を繰り返し行う過程において、前記磁束演算値の飽和特性より、ベース速度からトップ速度の間における励磁電流特性を演算する
    請求項10記載の電力変換部制御装置。
  12. 前記電動機特性測定部は、前記第3の測定モードにおいて、
    前記交流電動機のベース速度を一定とする周波数を維持し、
    前記交流電動機に印加する電圧及び周波数の比を変更して、前記交流電動機を界磁弱めで駆動させて演算した磁束演算値を、トップ速度における磁束よりベース速度とトップ速度の比率で演算した判定基準磁束に近づける制御を行う過程で、前記第2の座標変換部から入力する前記d軸の励磁電流が励磁電流リミッタを超えた場合には、前記ベース速度から前記トップ速度の間で前記交流電動機の速度を変更し、
    前記磁束演算値が、変更した速度とトップ速度の比率でトップ速度における磁束より演算した判定基準磁束に一致する場合における、変更した速度をベース速度とし、前記励磁インダクタンス及び前記励磁電流をベース速度における前記交流電動機の電動機特性として求める
    請求項1記載の電力変換部制御装置。
  13. 前記電動機特性測定部は、
    トップ速度における前記励磁電流の変化に対する磁束変化を示す値からベース速度における励磁電流の変化に対する磁束変化を示す飽和度判定基準値を設定し、
    前記交流電動機の速度を変更して測定した前記d軸の励磁電流の変化に対する磁束の変化の値が前記飽和度判定基準値に一致した場合における前記交流電動機の速度をベース速度として確定し、
    前記励磁電流をベース速度における励磁電流と確定する
    請求項12記載の電力変換部制御装置。
  14. 前記電動機特性測定部は、前記交流電動機の速度を変更して前記d軸の励磁電流及び磁束演算値を繰り返し求める過程において、演算した磁束の飽和特性より、ベース速度からトップ速度における前記d軸の励磁電流の励磁電流特性を求める
    請求項13記載の電力変換部制御装置。
  15. 第1の座標変換部が1次角周波数指令、d軸電圧指令及びq軸電圧指令を三相交流電圧指令に座標変換するステップと、
    パルス生成部が前記三相交流電圧指令により、交流電源から入力する交流電力の電圧及び周波数を変換し、交流電動機を駆動する電力変換部を制御するためのパルス信号を生成するステップと、
    第2の座標変換部が電流検出部によって検出された前記電力変換部が出力する交流電流の交流電流の検出値を、前記1次角周波数指令に基づいて、d軸の励磁電流及びq軸のトルク電流に変換するステップと、
    電動機特性測定部が前記第1の座標変換部に前記1次角周波数指令、前記d軸電圧指令及び前記q軸電圧指令を出力することにより、前記電力変換部が前記交流電動機に出力する電圧及び周波数の比を変える制御を行い、前記第2の座標変換部から入力する、前記d軸の励磁電流及び前記q軸のトルク電流に基づいて、少なくとも定格トルク電流及び定格励磁電流を含む前記交流電動機の電動機特性を求めるステップと、を含み、
    前記交流電動機の電動機特性を測定する第1の測定モードにおいて、前記交流電動機の1次抵抗を測定し、
    前記交流電動機の電動機特性を測定する第2の測定モードにおいて、前記交流電動機の合成抵抗及び合成漏れインダクタンスを測定し、
    前記交流電動機の電動機特性を測定する第3の測定モードにおいて、前記交流電動機の励磁インダクタンス、定格トルク電流及び定格励磁電流を演算する
    電動機特性測定方法。
  16. 第1の座標変換部が1次角周波数指令、d軸電圧指令及びq軸電圧指令を三相交流電圧指令に座標変換する手順、
    パルス生成部が前記三相交流電圧指令により、交流電源から入力する交流電力の電圧及び周波数を変換し、交流電動機を駆動する電力変換部を制御するためのパルス信号を生成する手順、
    第2の座標変換部が電流検出部によって検出された前記電力変換部が出力する交流電流の交流電流の検出値を、前記1次角周波数指令に基づいて、d軸の励磁電流及びq軸のトルク電流に変換する手順、
    電動機特性測定部が前記第1の座標変換部に前記1次角周波数指令、前記d軸電圧指令及び前記q軸電圧指令を出力することにより、前記電力変換部が前記交流電動機に出力する電圧及び周波数の比を変える制御を行い、前記第2の座標変換部から入力する、前記d軸の励磁電流及び前記q軸のトルク電流に基づいて、
    前記交流電動機の電動機特性を測定する第1の測定モードにおいて、前記交流電動機の1次抵抗を測定する手順、
    前記交流電動機の電動機特性を測定する第2の測定モードにおいて、前記交流電動機の合成抵抗及び合成漏れインダクタンスを測定する手順、
    前記交流電動機の電動機特性を測定する第3の測定モードにおいて、前記交流電動機の励磁インダクタンス、定格トルク電流及び定格励磁電流を演算する手順、
    をコンピュータで実行することにより、
    少なくとも定格トルク電流及び定格励磁電流を含む前記交流電動機の電動機特性を求めるためのプログラム。
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