以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかるデータ送信装置およびデータ受信装置を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、データ送受信装置のハードウェアの構成例を示す図である。データ送受信装置1は、画像表示を行い、またタッチ操作を受け付けるタッチパネル部2を備える。また、他のデータ送受信装置1とデータ送受信を行うため、ここでは、トランスファージェット部3と、カプラ4と、を装置内部に備える。トランスファージェット部3およびカプラ4を用いることにより、同じ構成(トランスファージェット部3、カプラ4)を備える装置との間では、カプラ4を近接させて無線接続することによりデータの送受信を簡易な方法で行うことができる。なお、これらの構成は一例であり、タッチパネル部2を用いずに、表示部および操作部が分離された構成を用いることも可能である。また、データを送受信する方法は、トランスファージェット以外の方法を用いてもよい。
図2は、データ送受信装置1における機能ブロックの構成例を示す図である。データ送受信装置1は、CPU(Central Processing Unit)部10と、記憶部20と、表示部30と、操作部40と、無線部50と、を備える。また、CPU部10は、制御部11と、PROFILE制御部12と、WEBLINK制御部13と、VIDEO制御部14と、PHOTO制御部15と、MUSIC制御部16と、OTHER制御部17と、無線制御部18と、を備える。
制御部11は、他の構成と連携し、全てのデータ種別においてデータの送受信を制御する。PROFILE制御部12は、データ種別がPROFILEの場合に、データの送受信処理を制御する。WEBLINK制御部13は、データ種別がWEBLINKの場合に、データの送受信処理を制御する。VIDEO制御部14は、データ種別がVIDEO(動画)の場合に、データの送受信処理を制御する。PHOTO制御部15は、データ種別がPHOTO(静止画)の場合に、データの送受信処理を制御する。MUSIC制御部16は、データ種別がMUSIC(音楽)の場合に、データの送受信処理を制御する。OTHER制御部17は、データ種別が上記で示したデータ以外、例えば、PDF等の場合にデータの送受信処理を制御する。無線制御部18は、無線部50を介して、データ送受信の相手方との間で接続処理や認証処理を行う。PROFILE制御部12からOTHER制御部17までのそれぞれが、データの送受信処理を制御するデータ制御部である。なお、各データ制御部は一例であり、データ送受信装置1は、扱うデータの種別に応じて対応するデータ制御部を備えるものとする。
記憶部20は、上記で示す各データ、例えば、後述するVIDEOファイルのデータを保存する。記憶部20としては、例えば、SSD(Solid State Drive)があるが、これに限定するものではない。
表示部30は、データ送受信を行う前の待受け画面やデータのサムネイル表示等を行う。図1では、タッチパネル部2に相当する。
操作部40は、ユーザからの送信対象のデータの選択等を受け付ける。図1では、タッチパネル部2に相当する。
無線部50は、無線制御部18の制御により、実際に通信相手のデバイスとの間でデータの送受信を行う。図1では、トランスファージェット部3およびカプラ4に相当する。
つづいて、データ送受信装置1が行うデータ送受信処理について説明する。ここでは、2つのデータ送受信装置1を用いて、一方を送信側、他方を受信側とした場合について説明する。図3は、データ送受信処理を示すフローチャートである。また、図4は、データ送受信処理の各段階におけるデータ送受信装置の表示内容を示す図である。
まず、送信側のデータ送受信装置1では、制御部11が、表示部30を制御して、データ種別を示す待受け画面を表示する(図4(a))。待受け画面に示すデータ種別は、CPU部10内の各データ制御部と対応している。待受け画面において、ユーザが、送信するデータ種別を選択する。ここでは、一例として、VIDEOを選択する(ステップS101)。
制御部11は、ユーザによる操作部40からの操作を受け付けて、VIDEO制御部14を起動する。VIDEO制御部14は、制御部11を介して記憶部20からVIDEOファイルを抽出してサムネイルを作成し、制御部11を介して表示部30にサムネイル画面を表示する(図4(b))。サムネイル画面において、ユーザが送信したいVIDEOファイルを選択する(ステップS102)。
VIDEO制御部14は、制御部11を介してユーザによる操作部40からの操作を受け付け、制御部11を介して表示部30で、選択されたVIDEOファイルの再生を行う(ステップS103)。
送信側のデータ送受信装置1では、VIDEOファイルを再生している状態で、無線制御部18が、無線部50を用いて無線電波を送出し、近接した範囲に無線電波を送出するデバイス、すなわちデータの送信先であるデータ受信装置(ここでは、受信側のデータ送受信装置1)があるかどうかをサーチする(ステップS104)。このとき、無線制御部18は、制御部11を介して、表示部30にサーチ状態であることを示すオレンジ色の波紋を表示する(図4(c))。波紋は、図1に示すカプラ4の位置を中心とする。なお、波紋の色は一例であり、他の色を用いてもよい。
一方、受信側のデータ送受信装置1では、待受け画面(図4(d))の状態から(ステップS201)、同様に、近接した範囲に無線電波を送出するデバイス、すなわちデータの送信元であるデータ送信装置(ここでは、送信側のデータ送受信装置1)をサーチする(ステップS202)。このとき、送信側のデータ送受信装置1同様、無線制御部18は、制御部11を介して、表示部30にサーチ状態であることを示すオレンジ色の波紋を表示する。
そして、送信側および受信側のデータ送受信装置1を近接させる(ステップS105、S203)。トラスファージェットの場合、近接させることをタッチさせるといい(図4(c)、(d))、具体的には、図1に示す双方のカプラ4の部分を近接させる。
送信側のデータ送受信装置1では、無線制御部18が、無線部50から受信側のデータ送受信装置1へCNL(Connection Layer)接続要求を送信する。CNL接続要求を受信した受信側データ送受信装置1では、無線制御部18が、無線部50から送信側データ送受信装置1へCNLacceptを送信する。そして、送信側データ送受信装置1では、CNLacceptを受信する。これらの処理により、送信側および受信側データ送受信装置1では、CNL接続を完了する(ステップS106、S204)。
このとき、送信側および受信側のデータ送受信装置1では、無線制御部18が、ユーザに対して接続完了を示す効果音を出力し、また接続完了を示す白色の波紋を、制御部11を介して表示部30に表示する(図4(e)、(f))。これにより、ユーザは、無線接続が完了したことを容易に認識することができる。なお、波紋の色は一例であり、他の色を用いてもよい。
ここで、無線制御部18は、サーチ状態であることを示すオレンジ色の波紋、および接続完了を示す白色の波紋を表示部30に表示する場合、図1に示すカプラ4の位置を波紋の中心とする。これにより、ユーザは、相手方のデバイス(データ送受信装置1)に近接させる部分を把握することができる。
つぎに、送信側および受信側のデータ送受信装置1では、VIDEO制御部14が、相手方が初めて接続されたデバイスであるかどうかを確認する(ステップS107、S205)。初めての場合(ステップS107:Yes、S205:Yes)、VIDEO制御部14は、認証確認を行う(ステップS108、S206)。具体的に、送信側および受信側のデータ送受信装置1では、VIDEO制御部14が、制御部11を介して表示部30に認証確認のポップアップ等を表示し、操作部40および制御部11を介してユーザからの判断を受け付ける。これにより、予期しない相手へのデータの送信を防ぐことができる。
認証確認の結果OKの場合(ステップS108:Yes、S206:Yes)、送信側および受信側のデータ送受信装置1では、無線制御部18が、OBEX(OBject EXchange)接続を行う(ステップS109、S207)。具体的には、送信側のデータ送受信装置1では、無線制御部18が、無線部50から受信側データ送受信装置1へOBEX接続要求を送信する。OBEX接続要求を受信した受信側データ送受信装置1では、無線制御部18が、無線部50から送信側データ送受信装置1へOBEXacceptを送信する。そして、送信側データ送受信装置1では、OBEXacceptを受信する。これらの処理により、送信側および受信側データ送受信装置1では、OBEX接続を完了する。
なお、送信側および受信側のデータ送受信装置1では、VIDEO制御部14は、相手方のデバイスが初めてではない場合(ステップS107:No、S205:No)、認証確認(ステップS108、S206)を省略する。また、送信側のデータ送受信装置1では、認証確認の結果NGの場合(ステップS108:No)、VIDEOファイル選択前のサムネイル表示画面の状態に戻り(ステップS102)、受信側のデータ送受信装置1では、認証確認の結果NGの場合(ステップS206:No)、待受け画面の状態に戻る(ステップS201)。
OBEX接続後(ステップS109、S207)、送信側のデータ送受信装置1では、無線制御部18が、無線部50を介して、無線接続時にVIDEO制御部14で再生されていたVIDEOファイルの転送(PUT)を行う(ステップS110)。そして、送信すべきデータがある場合(ステップS111:Yes)、無線制御部18は、無線部50を介してVIDEOファイルの転送(PUT)を継続する(ステップS110)。また、受信側のデータ送受信装置1では、無線制御部18が、無線部50を介してVIDEOファイルの受信(GET)を行う(ステップS208)。そして、受信すべきデータがある場合(ステップS209:Yes)、無線制御部18は、無線部50を介してVIDEOファイルの受信(GET)を継続する(ステップS208)。
なお、送信側データ送受信装置1では、接続状態になった場合、VIDEO制御部14は、VIDEOファイルの再生を中止することにより、送信側のデータ送受信装置1では、データ転送処理中の負荷を軽減することができる。送信側のデータ送受信装置1では、処理能力が十分あれば、VIDEO制御部14においてVIDEOファイルの再生を中止せず、データの転送を行うことも可能である。
受信側のデータ送受信装置1では、無線制御部18が、無線部50を介してVIDEOファイルの受信(GET)を終了すると(ステップS209:No)、VIDEO制御部14は、受信したVIDEOファイルを、制御部11を介して記憶部20に保存する(ステップS210)。
送信側のデータ送受信装置1でVIDEOファイルの送信(PUT)を終了後(ステップS111:No)、および受信側のデータ送受信装置1でVIDEOファイルを保存後(ステップS210)、送信側および受信側のデータ送受信装置1では、無線制御部18が、OBEX接続を切断し(ステップS112、S211)、また、CNL接続を開放する(ステップS113、S212)。このときの送信側および受信側のデータ送受信装置1の画面表示は、それぞれ図4(g)、(h)のようになる。送信側のデータ送受信装置1では、VIDEOファイル再生前のサムネイル画面となり、受信側のデータ送受信装置1では、受信したVIDEOファイルのアイコンが表示される。
そして、送信側のデータ送受信装置1は、データの送信処理を終了する。なお、受信側のデータ送受信装置1では、自動再生モードが設定されている場合(ステップS213:Yes)、VIDEO制御部14は、受信したVIDEOファイルを再生して、制御部11を介して表示部30に表示する(ステップS214)。自動再生モードが設定されていない場合(ステップS213:No)、またはVIDEOファイル再生後(ステップS214)、受信側のデータ送受信装置1は、データの受信処理を終了する。
このように、送信側および受信側のデータ送受信装置1では、相手方のデバイスをサーチ中に波紋表示を行うが、無線接続完了時には波紋の色を変更した表示を行う。そのため、効果音を出さない設定の場合においても、ユーザに対して、相手方のデバイスと無線接続したことを容易に認識させることができる。
なお、相手方との接続完了時の波紋の色を変える場合について説明したが、これに限定するものではない。例えば、相手方と接続完了した場合に、波紋の形状を変更することも可能である。また、波紋以外の表示方法、例えば、ポップアップ等を用いてユーザに対して、相手方のデバイスとの無線接続を認識させることができる。
また、送信側および受信側がともにデータ送受信装置1とする場合について説明したが、例えば、送信側のデータ送受信装置1を送信専用のデータ送信装置とし、受信側のデータ送受信装置1を受信専用のデータ受信装置とすることができる。この場合においても、上記同様の処理を実行し、同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態では、データ送受信装置1において、無線制御部18がデータを送信または受信する対象のデバイス(他のデータ送受信装置1)と無線接続する場合に、無線接続前においてはサーチ状態にあることを示すオレンジ色の波紋を表示し、対象のデバイスと無線接続が完了したときはサーチ状態とは色を変更して白色の波紋を表示することとした。これにより、送信側および受信側のデータ送受信装置1のユーザは、効果音が出ない設定の場合においても、無線接続が完了したことを容易に認識でき、ユーザの利便性を向上することが可能となる。
また、無線制御部18は、サーチ状態であることを示すオレンジ色の波紋、および接続完了を示す白色の波紋を、カプラ4の位置を波紋の中心として表示する。これにより、ユーザが、相手方のデバイスに近接させる部分を明確に把握することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。