JP2013143330A - 円筒形電池、蓋構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常時の内圧の急激な上昇に対する安全性を確保しつつ充放電サイクル寿命をより向上させた円筒形電池を提供する。
【解決手段】円筒形電池は、有底円筒形状の外装缶と、外装缶に収容された電極体と、ガス抜き孔311が形成された蓋板31、弾性を有する材料で形成され、ガス抜き孔311を塞ぐように蓋板31に当接する弁体33を含み、外装缶の開口を封止する蓋構造体とを備え、蓋構造体は、ガス抜き孔311の開口面積に対して、弁体33と蓋板31とが当接する面積の比率が0.6〜0.7に設定されており、ガス抜き孔311を通じて弁体33に0.05MPa/秒で上昇する圧力が作用したときに弁体33が弾性変形してガス抜き孔311が開く弁作動圧が3MPa以上となるように、弁体33の硬度と圧縮率が設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、円筒形電池及びその蓋構造体に関する。
有底円筒形状の外装缶と、外装缶に収容された電極体と、外装缶の開口を封止する蓋構造体とを備える円筒形電池として、例えばアルカリマンガン乾電池等の一次電池、ニカド二次電池、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池が公知である。このような円筒形電池は、例えば過放電や誤充電等によって内部にガスが異常発生して内圧が上昇する虞があり、また例えば二次電池は充放電サイクルによって内圧が上昇する場合がある。そのため一般的に円筒形電池の蓋構造体には、内圧が一定の弁作動圧に達すると開弁して内部のガスを外部に放出し、そのガスの放出により内圧が弁作動圧より低下すると閉弁する復帰式の安全弁機構が設けられている。この安全弁機構が設けられた蓋構造体によって、円筒形電池の内圧は一定の圧力以下に維持される。
このような円筒形電池の蓋構造体の一例としては、ガス抜き孔が形成された蓋板と、弾性を有する材料で形成され、ガス抜き孔を塞ぐように蓋板に当接する弁体とを備えるものが公知である(例えば特許文献1又は2を参照)。このような構成の蓋構造体は、円筒形電池の内圧が弁作動圧に達すると、その内圧によって弁体が弾性変形して弁体と蓋板との当接面に隙間が生じてガス抜き孔が開いた状態となり、円筒形電池の内部のガスがガス抜き孔から外部へ放出される。そして円筒形電池の内圧が弁作動圧より低下すると、その弁体の弾性変形が元に戻り、ガス抜き孔が弁体に塞がれて閉じた状態に復帰する。
特開2007−242510号公報 特開2008−251206号公報
近年、特に円筒形の二次電池において充放電サイクル寿命を向上させるために、より高い弁作動圧の蓋構造体に対するニーズが高まりつつある。そして上記構成の蓋構造体は、例えば弁体の硬度を高めることによって弁作動圧を高めることができる。また弁体を圧縮した状態で設ける場合には、その圧縮率を高めることによってさらに弁作動圧を高めることができる。
しかしながら弁体を形成する材料の物性限界等により、弁体の硬度や圧縮率を高めるのには自ずと限界がある。そのため従来の蓋構造体は、3MPaを越えるような高い弁作動圧を設定した場合、例えば内部短絡等、何らかの異常によって円筒形電池の内圧が急激に上昇したときに、その内圧の上昇に弁体の弾性変形が追従できない虞が生ずる。つまり従来の蓋構造体は、3MPaを越えるような高い弁作動圧を設定した場合、急激な内圧の上昇に対して本来作動すべき弁作動圧で作動せず、円筒形電池の内圧が高圧になる虞があり、円筒形電池の安全性という点で課題が生ずる。このようなことから従来の円筒形電池の蓋構造体は、弁機構の弁作動圧が3MPaより低く設定されている。
このような状況に鑑み本発明はなされたものであり、その目的は、異常時の内圧の急激な上昇に対する安全性を確保しつつ充放電サイクル寿命をより向上させた円筒形電池を提供することにある。
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、有底円筒形状の外装缶と、前記外装缶に収容された電極体と、ガス抜き孔が形成された蓋板、弾性を有する材料で形成され、前記ガス抜き孔を塞ぐように前記蓋板に当接する弁体を含み、前記外装缶の開口を封止する蓋構造体と、を備え、前記蓋構造体は、前記ガス抜き孔の開口面積に対して、前記弁体と前記蓋板とが当接する面積の比率が0.6〜0.7に設定されており、前記ガス抜き孔を通じて前記弁体に0.05MPa/秒で上昇する圧力が作用したときに前記弁体が弾性変形して前記ガス抜き孔が開く第1弁作動圧が3MPa以上となるように、前記弁体の硬度と圧縮率が設定されている、ことを特徴とする円筒形電池である。
ガス抜き孔を通じて弁体に0.05MPa/秒で上昇する圧力は、具体的には、充放電サイクルによる緩やかな内圧の変動に相当する。つまり第1弁作動圧は、充放電サイクルによる緩やかな内圧の変動に対して、弁体が弾性変形してガス抜き孔が開く弁作動圧である。この第1弁作動圧を高く設定すれば、充放電サイクルによる緩やかな内圧の変動によって外部へ放出されるガスの量が少なくなるので、それによってガス抜き孔からのガスの放出により減少する電解液の量が少なくなるため、円筒形電池の寿命を長くすることができる。
他方、異常時の急激な内圧の変動に対しては、電池の破裂等を未然に防止する観点から、より低い圧力で弁体が弾性変形してガス抜き孔が開くのが望ましい。しかし異常時の急激な内圧の変動に対する弁作動圧は、内圧の急激な上昇に弁体の弾性変形が瞬時に追従できずに遅れるため、必然的に上記の第1弁作動圧より高くなってしまう。さらに第1弁作動圧を3MPa以上に設定すると、内圧の急激な上昇に対する弁体の弾性変形の遅れが顕著になり、異常時の急激な内圧の変動に対する弁作動圧が第1弁作動圧よりも大幅に高くなってしまう虞が生ずる。
本発明の第1の態様における円筒形電池は、蓋構造体の第1弁作動圧が3MPa以上に設定されていることによって、充放電サイクル寿命をより向上させることができる。またガス抜き孔の開口面積に対して、弁体と蓋板とが当接する面積の比率が0.6〜0.7に設定されていることによって、異常時の内圧の急激な上昇に対して弁体が弾性変形してガス抜き孔が開く圧力が第1弁作動圧より大幅に高くなってしまうことを抑制することができる。つまり異常時の内圧の急激な上昇に対して、第1弁作動圧より僅かに高い圧力で弁体が弾性変形してガス抜き孔が開くので、異常時の内圧の急激な上昇に起因する破裂等を未然に防止して安全性を確保することができる。
これにより本発明の第1の態様によれば、異常時の内圧の急激な上昇に対する安全性を確保しつつ充放電サイクル寿命をより向上させた円筒形電池を提供することができるという作用効果が得られる。
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、前記蓋構造体は、前記第1弁作動圧と、前記ガス抜き孔を通じて前記弁体に5MPa/秒で上昇する圧力が作用したときに前記弁体が弾性変形して前記ガス抜き孔が開く第2弁作動圧との差が0.3MPa以下となるように、前記弁体の硬度と圧縮率が設定されている、ことを特徴とする円筒形電池である。
ガス抜き孔を通じて弁体に5MPa/秒で上昇する圧力は、具体的には、異常時の急激な内圧の変動に相当する。つまり第2弁作動圧は、異常時の急激な内圧の変動に対して、弁体が弾性変形してガス抜き孔が開く弁作動圧である。本発明の第2の態様によれば、第1弁作動圧と第2弁作動圧との差が0.3MPa以下となるように弁体の硬度と圧縮率を設定することによって、円筒形電池の充放電サイクル寿命をより向上させつつ異常時の内圧の急激な上昇に対する安全性をさらに高めることができる。
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、有底円筒形状の外装缶と、前記外装缶に収容された電極体と、を備える円筒形電池の前記外装缶の開口を封止する蓋構造体であって、ガス抜き孔が形成された蓋板、弾性を有する材料で形成され、前記ガス抜き孔を塞ぐように前記蓋板に当接する弁体を含み、前記ガス抜き孔の開口面積に対して、前記弁体と前記蓋板とが当接する面積の比率が0.6〜0.7に設定されており、前記ガス抜き孔を通じて前記弁体に0.05MPa/秒で上昇する圧力が作用したときに前記弁体が弾性変形して前記ガス抜き孔が開く第1弁作動圧が3MPa以上となるように、前記弁体の硬度と圧縮率が設定されている、ことを特徴とする蓋構造体である。
本発明の第3の態様によれば、この蓋構造体を備える円筒形電池において、前述した本発明の第1の態様と同様の作用効果が得られる。
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、前述した本発明の第3の態様において、前記第1弁作動圧と、前記ガス抜き孔を通じて前記弁体に5MPa/秒で上昇する圧力が作用したときに前記弁体が弾性変形して前記ガス抜き孔が開く第2弁作動圧との差が0.3MPa以下となるように、前記弁体の硬度と圧縮率が設定されている、ことを特徴とする蓋構造体である。
本発明の第4の態様によれば、この蓋構造体を備える円筒形電池において、前述した本発明の第2の態様と同様の作用効果が得られる。
本発明によれば、異常時の内圧の急激な上昇に対する安全性を確保しつつ充放電サイクル寿命をより向上させた円筒形電池を提供することができる。
ニッケル水素二次電池の縦断面を図示した斜視図。 ニッケル水素二次電池における正極板と正極集電板及び負極板と負極集電板との接続部を示す断面図。 蓋構造体の要部を図示した縦断面図。 蓋構造体の実験装置の概略構成を図示したブロック図。 弁作動圧が3MPa未満となる弁体を用いて行った実験の結果を図示したグラフ。 弁作動圧が3MPaを越える弁体を用いて行った実験の結果を図示したグラフ。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、本発明は、以下説明する実施例に特に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
<ニッケル水素二次電池の構成>
ニッケル水素二次電池1の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、ニッケル水素二次電池1の縦断面を図示した斜視図である。図2は、ニッケル水素二次電池1の縦断面を図示した平面図である。
「円筒形電池」の一例である円筒型のニッケル水素二次電池1は、外装缶10、電極体20及び蓋構造体30を備える。外装缶10は、一端が開口した有底円筒形状の部材であり導電性を有している。電極体20は、セパレータ23を介して正極板21と負極板22とを重ねて渦巻き状に巻くことによって略円筒状に構成されている。蓋構造体30は、外装缶10の開口を封止する構造体である。ニッケル水素二次電池1は、外装缶10に電極体20が収容され、さらにアルカリ電解液(図示せず)が充填され、外装缶10の開口が蓋構造体30に閉塞されて構成されている。
正極板21は、非焼結式ニッケル極であり、正極芯体(図示せず)と正極芯体に保持された正極合剤とからなる。正極芯体は、耐アルカリ性を有する金属材料からなり、金属繊維によって構成されたフェルト状の3次元の網目構造を有する。耐アルカリ性を有する金属材料としては、例えばニッケルを用いることができる。正極合剤は、正極活物質粒子、正極板の特性を改善するための種々の添加剤粒子、これら正極活物質粒子及び添加剤粒子の混合粒子を正極芯体に結着するための結着剤からなる。
正極活物質粒子は水酸化ニッケル粒子である。水酸化ニッケル粒子は、ニッケルの平均価数が2よりも大の高次水酸化ニッケル粒子であってもよい。また水酸化ニッケル粒子は、コバルト、亜鉛、カドミウム等を固溶していてもよく、あるいはコバルト化合物で表面が被覆されていてもよい。添加剤は、酸化イットリウムの他に、酸化コバルト、金属コバルト、水酸化コバルト等のコバルト化合物、金属亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等の亜鉛化合物、酸化エルビウム等の希土類化合物等を用いることができる。結着剤は、親水性又は疎水性のポリマー等を用いることができる。より具体的には結着剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸ナトリウム(SPA)のうちから選択される1種以上を使用することができる。結着剤は、例えば正極活物質粒子100質量部に対して0.1質量部以上0.5質量部以下となるようにすればよい。
負極板22は、帯状をなす導電性の負極芯体(図示せず)に負極合剤が保持されて形成されている。負極芯体は、複数の貫通孔を有するシート状の金属材からなり、例えばパンチングメタル、金属粉末焼結体基板、エキスパンデッドメタル、ニッケルネット等を用いることができる。特にパンチングメタルや金属粉末を成型してから焼結した金属粉末焼結体基板は負極芯体に好適である。
負極合剤は、水素を吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金粒子と結着剤とからなる。水素吸蔵合金粒子は、電池の充電時にアルカリ電解液中で電気化学的に発生させた水素を吸蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出できるものであればよい。このような水素吸蔵合金としては、特に限定されないが、例えばLaNi5やMmNi5(Mmはミッシュメタル)等のAB5型系のものを用いることができる。また負極合剤は、水素吸蔵合金に代えて、例えばカドミウム化合物を用いることもできる。結着剤は、例えば親水性又は疎水性のポリマー等を用いることができる。
セパレータ23は、例えばポリアミド繊維製不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを材料として用いることができる。
蓋構造体30は、蓋板31、絶縁ガスケット32、弁体33、正極端子34、正極リード35及び正極集電板36を含む。蓋板31は、略円形をなし、中央にガス抜き孔311が設けられている。蓋板31は、絶縁ガスケット32が介装された状態で、外装缶10の開口縁をかしめ加工することによって外装缶10に固定されている。弁体33は、ゴム等の弾性を有する材料で形成された部材であり、ガス抜き孔311を塞ぐように蓋板31に当接した状態で、蓋板31と正極端子34との間に縮設されている。正極端子34は、フランジ付きの円筒形状をなし、弁体33を覆うように固定されている。正極リード35は、折り曲げられた状態で設けられており、蓋板31の内面に一端が溶接され、正極集電板36に他端が溶接されている。正極集電板36は、円板形状の部材であり、外装缶10にアルカリ電解液を注液するための孔361が中央に形成されている。
正極板21の正極芯体は、正極集電板36側の端部に連結部211が形成されている。連結部211の径方向内面には、例えば溶接又は導電性接着剤によって、ニッケルリボン等からなる帯状の金属薄板212が固定されている。金属薄板212は、連結部211から突出して正極集電板36に当接している。つまり正極集電板36と正極板21とは、金属薄板212を介して電気的に接続されている。他方、負極板22は、ニッケル水素二次電池1の負極端子をなす外装缶10の内周面に接した状態で、その外装缶10と電気的に接続されている。
<蓋構造体>
蓋構造体30の構成及び機能・作用について、図3〜図6を参照しながら説明する。
図3は、蓋構造体30の要部を図示した縦断面図である。
蓋板31のガス抜き孔311は、蓋板31の円形凹部312の中央に形成された直径R1の円形孔である。弁体33は、例えばEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)を主成分とするゴムで形成されており、円板形状の鍔部331と、直径R2の円柱体形状の弁本体部332とからなる。弁本体部332の直径R2は、ガス抜き孔311の直径R1より長い。正極端子34は、蓋板31の上面にスポット溶接によって固定されている。正極端子34には、ガス抜き孔311から放出されたガスを外部へ排出する排出孔341が形成されている。弁体33は、弁本体部332の底面333がガス抜き孔311を塞ぐように蓋板31の円形凹部312に当接し、鍔部331の上面が正極端子34の内周面に当接した状態で、蓋板31と正極端子34との間に所望の圧縮率で縮設されている。
上記構成の本願発明に係る蓋構造体30は、ガス抜き孔311の開口面積S1に対して、弁体33と蓋板31とが当接する面積S2(以下、「当接面積S2」という。)の比率が0.6〜0.7に設定されている。より具体的にはガス抜き孔311の開口面積S1は、(R1/2)2×πであり、弁体33の当接面積S2は、{(R2/2)2×π}−{(R1/2)2×π}である(πは円周率)。ガス抜き孔311の直径R1と弁本体部332の底面333の直径R2は、ガス抜き孔311の開口面積S1と弁体33の当接面積S2との面積比S2/S1が0.6〜0.7になるように設定されている。弁体33の硬度及び圧縮率は、ガス抜き孔311を通じて弁本体部332の底面333に0.05MPa/秒で上昇する圧力が作用したときに、弁体33が弾性変形してガス抜き孔311が開く圧力(弁作動圧)が3MPa以上となるように設定されている。
図4は、蓋構造体30の実験装置の概略構成を図示したブロック図である。
出願人は、図4に図示した実験装置を用いて、蓋構造体30の弁作動圧と面積比S2/S1との相関関係を解析する実験を行った。以下、実験装置の構成と実験方法について説明する。
実験装置50は、上部が開口しているワークホルダ51、窒素ガスのガスボンベ52、ガスボンベ52からワークホルダ51へ送出する窒素ガスのガス圧を調整する圧力調整装置53、ワークホルダ51の内圧を検出する圧力検出装置54を備える。実験は、ワークホルダ51の上部開口に蓋構造体30を取り付け、ガスボンベ52からワークホルダ51へ窒素ガスを送出してワークホルダ51の内圧を所定の昇圧速度で昇圧したときの弁作動圧を段階的に面積比S2/S1を変化させて測定した。
具体的には、蓋板31のガス抜き孔311の直径を段階的に変化させることにより面積比S2/S1を段階的に0.1〜0.95まで変化させ、各面積比S2/S1のそれぞれについて弁作動圧を測定した。また弁作動圧の測定は、昇圧速度を0.05MPa/秒としたときと、昇圧速度を5MPa/秒としたときのそれぞれについて行った。さらに弁体33は、硬度を異ならせることによって、昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧が3MPaを越えるものと3MPa未満となるものとを2種類作成し、それぞれについて上記の実験を行った。
図5は、昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧が3MPa未満となる弁体33を用いて行った実験の結果を図示したグラフである。
昇圧速度を0.05MPa/秒としたときの弁作動圧は、面積比S2/S1が0.6以上の範囲では、昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧より約0.3MPa程度低い値でほぼ一定となり安定していた。それに対して面積比S2/S1が0.6未満の範囲では、面積比S2/S1が小さくなるに従って低くなっていった。他方、昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧は、面積比S2/S1の変化に対し、約2.4〜2.8MPaの範囲となり、全体的にほぼ一定で安定していた。つまり図5のグラフからは、昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧が3MPa未満となる蓋構造体30は、面積比S2/S1が0.6以上であれば、昇圧速度の相違に対して比較的安定した弁作動圧となることが分かる。
図6は、昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧が3MPaを越える弁体33を用いて行った実験の結果を図示したグラフである。
昇圧速度を0.05MPa/秒としたときの弁作動圧は、昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧が3MPa未満となる弁体33を用いて行った実験結果(図5)とほぼ同様の傾向となった。具体的には面積比S2/S1が0.6以上の範囲では、約3.0MPaでほぼ一定となり、面積比S2/S1が0.6未満の範囲では、面積比S2/S1が小さくなるに従って低くなっていった。
他方、昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧は、面積比S2/S1が0.7以下の範囲では、図5と同様の傾向となった。具体的には、面積比S2/S1の変化に対し、約3.3〜3.8MPaの範囲となり、全体的にほぼ一定で安定していた。
しかし昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧は、面積比S2/S1が0.7を越える範囲では、面積比S2/S1が大きくなるに従って弁作動圧が高くなっていった。これは昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧が3MPa未満となる弁体33を用いて行った実験結果(図5)では見られない傾向である。これは弁体33を形成する材料の物性限界等により、3MPaを越える弁作動圧を実現する上で弁体33の硬度や圧縮率が限界に近い状態であることに起因していると考えられる。つまり昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧が3MPaを越える蓋構造体30は、面積比S2/S1が0.7を越える範囲では、弁作動圧が大幅に高くなってしまう虞が生ずることになる。
このようなことから昇圧速度を5MPa/秒としたときの弁作動圧が3MPaを越える蓋構造体30は、面積比S2/S1が0.6〜0.7の範囲で、第1弁作動圧と第2弁作動圧との差が約0.3MPa以下となり、昇圧速度の相違に対して比較的安定した弁作動圧となることが分かる。
ここで昇圧速度を0.05MPa/秒は、ニッケル水素二次電池1の充放電サイクルによる緩やかな内圧の変動に相当する。つまり昇圧速度を0.05MPa/秒に対する弁作動圧は、充放電サイクルによる緩やかな内圧の変動に対して、弁体33が弾性変形してガス抜き孔311が開く弁作動圧である(第1弁作動圧)。この第1弁作動圧を高く設定すれば、充放電サイクルによる緩やかな内圧の変動によって外部へ放出されるガスの量が少なくなるので、それによってガス抜き孔311からのガスの放出により減少する電解液の量が少なくなるため、ニッケル水素二次電池1の寿命を長くすることができる。
他方、昇圧速度を5MPa/秒は、ニッケル水素二次電池1の異常時の急激な内圧の変動に相当する。つまり昇圧速度を5MPa/秒に対する弁作動圧は、ニッケル水素二次電池1の異常時の急激な内圧の上昇に対して、弁体33が弾性変形してガス抜き孔311が開く弁作動圧である(第2弁作動圧)。この第2弁作動圧は、異常時の急激な内圧の変動に対しては、ニッケル水素二次電池1の破裂等を未然に防止する観点から、より低い圧力で弁体33が弾性変形してガス抜き孔311が開くのが望ましい。しかし第2弁作動圧は、内圧の急激な上昇に弁体33の弾性変形が瞬時に追従できずに遅れるため、必然的に第1弁作動圧より高くなってしまう。さらに第1弁作動圧を3MPa以上に設定すると、図6のグラフから分かるように、内圧の急激な上昇に対する弁体33の弾性変形の遅れが顕著になり、第2弁作動圧が第1弁作動圧よりも大幅に高くなってしまう虞が生ずる。
本発明に係るニッケル水素二次電池1は、蓋構造体30の第1弁作動圧が3MPa以上に設定されていることによって、充放電サイクル寿命をより向上させることができる。また面積比S2/S1が0.6〜0.7に設定されていることによって、第2弁作動圧が第1弁作動圧より大幅に高くなってしまうことを抑制することができる。つまり異常時の内圧の急激な上昇に対して、第1弁作動圧より僅かに高い圧力で弁体33が弾性変形してガス抜き孔311が開くので、異常時の内圧の急激な上昇に起因する破裂等を未然に防止して安全性を確保することができる。したがって本発明によれば、ニッケル水素二次電池1等の円筒形電池において、異常時の内圧の急激な上昇に対する安全性を確保しつつ充放電サイクル寿命をより向上させることができる。
また本発明に係るニッケル水素二次電池1の蓋構造体30は、第1弁作動圧と第2弁作動圧との差が0.3MPa以下となるように、弁体33の硬度と圧縮率が設定されているのが好ましい。それによってニッケル水素二次電池1の充放電サイクル寿命をより向上させつつ異常時の内圧の急激な上昇に対する安全性をさらに高めることができる。
1 ニッケル水素二次電池
10 外装缶
20 電極体
30 蓋構造体
31 蓋板
33 弁体
34 正極端子
311 ガス抜き孔

Claims (4)

  1. 有底円筒形状の外装缶と、
    前記外装缶に収容された電極体と、
    ガス抜き孔が形成された蓋板、弾性を有する材料で形成され、前記ガス抜き孔を塞ぐように前記蓋板に当接する弁体を含み、前記外装缶の開口を封止する蓋構造体と、を備え、
    前記蓋構造体は、前記ガス抜き孔の開口面積に対して、前記弁体と前記蓋板とが当接する面積の比率が0.6〜0.7に設定されており、
    前記ガス抜き孔を通じて前記弁体に0.05MPa/秒で上昇する圧力が作用したときに前記弁体が弾性変形して前記ガス抜き孔が開く第1弁作動圧が3MPa以上となるように、前記弁体の硬度と圧縮率が設定されている、ことを特徴とする円筒形電池。
  2. 請求項1に記載の円筒形電池において、前記蓋構造体は、前記第1弁作動圧と、前記ガス抜き孔を通じて前記弁体に5MPa/秒で上昇する圧力が作用したときに前記弁体が弾性変形して前記ガス抜き孔が開く第2弁作動圧との差が0.3MPa以下となるように、前記弁体の硬度と圧縮率が設定されている、ことを特徴とする円筒形電池。
  3. 有底円筒形状の外装缶と、前記外装缶に収容された電極体と、を備える円筒形電池の前記外装缶の開口を封止する蓋構造体であって、
    ガス抜き孔が形成された蓋板、弾性を有する材料で形成され、前記ガス抜き孔を塞ぐように前記蓋板に当接する弁体を含み、
    前記ガス抜き孔の開口面積に対して、前記弁体と前記蓋板とが当接する面積の比率が0.6〜0.7に設定されており、
    前記ガス抜き孔を通じて前記弁体に0.05MPa/秒で上昇する圧力が作用したときに前記弁体が弾性変形して前記ガス抜き孔が開く第1弁作動圧が3MPa以上となるように、前記弁体の硬度と圧縮率が設定されている、ことを特徴とする蓋構造体。
  4. 請求項3に記載の蓋構造体において、前記第1弁作動圧と、前記ガス抜き孔を通じて前記弁体に5MPa/秒で上昇する圧力が作用したときに前記弁体が弾性変形して前記ガス抜き孔が開く第2弁作動圧との差が0.3MPa以下となるように、前記弁体の硬度と圧縮率が設定されている、ことを特徴とする蓋構造体。
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