JP2013142950A - 繊維製品へのrfid糸装着方法およびrfid糸装着の繊維製品 - Google Patents

繊維製品へのrfid糸装着方法およびrfid糸装着の繊維製品 Download PDF

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Abstract

【課題】
繊維製品または布ラベルにおいて、高度なデータ管理機能を具備するRFID糸を装着する方法を提供する。
【解決手段】
糸表面において1対の導電パターンで触媒層ついで無電解または電解メッキ層を積層し、さらにICチップを1対の導電パターン間に接着してRFID糸を製造し、このRFID糸を繊維製品に取り付ける際に、RFID糸を連続的に供給しながら、各ICチップの位置を常時検知して取付位置からのズレを検出し、このズレをICチップごとに調整することにより、RFID糸のICチップを繊維製品の取付位置において常に正確に配列させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、RFID糸を繊維製品に正確且つ安定して装着する方法に関し、且つ高度なデータ管理機能を具備するRFID糸装着の繊維製品に関する。
病院や介護施設において、手術着、看護服、ベッド敷布、手術用ガーゼのような多用繊維製品は、衛生および安全管理のために出入数、在庫数、使用開始時、使用時間、洗濯回数、使用場所などを正確に管理することが必要であり、この管理を怠ると院内感染や手術ミスを発生することになる。従来では、これらの繊維製品の管理は、看護服や敷布などの多用繊維製品にプリントしたバーコードで行っていたが、保存データ量が少なく、単一読み出ししかできない。また、これらの繊維製品の管理を完全に行うことは不可能であり、その抜本的な改善が求められている。
この管理の問題に対し、既にRFID(Radio Frequency Identification)を利用することが提案されている。RFIDとは、一般に、ICチップとアンテナを内蔵したタグやカードを媒体として、電波による情報交信で人や物を正確に認識したり、追加情報を書き込んだりできるシステム技術である。特開2010−128860号、特開2010−26678号、特開2010−26633号などで開示するRFIDタグは、ICチップを備えているので、バーコードと比べて商品管理に要する保存データ量が飛躍的に増大し、商品コードだけでなく、出入数、入荷日、使用者などの豊富な情報を商品と一体で管理することが可能である。このため、RFIDタグまたはRFIDラベルを手術着、看護服、ベッド敷布、手術用ガーゼに取り付ければ、専用のデータ読み書き装置によって看護服や敷布などの多用繊維製品のデータを読み書きし、看護服や敷布の出入庫管理、在庫管理、貸し出し管理などを容易に行うことが可能になる。
特開2010−128860号公報 特開2010−26678号公報 特開2010−26633号公報
RFIDタグまたはRFIDラベルは、現在、看護服や敷布などの多用繊維製品の管理に使用されているけれども、多用繊維製品を多数回使用するために水洗い洗濯を繰り返す際に、RFIDタグが洗剤、水、曲げなどに対する耐久性を欠いているため、使用後には、一旦、看護服や敷布から取り外さなければならない。病院においてRFIDタグを多量の看護服や敷布から取り外しさらに取り付ける作業は非常に煩雑であり、その作業時にRFIDタグの取り付け間違いが発生しがちである。RFIDタグの再取り付けを誤ると、データ管理が無意味になり、院内感染や手術ミスの発生も防止できない。
RFIDタグまたはRFIDラベルは、より小型のICチップと細いアンテナを利用して繊維製品自体に織り込みまたは縫い付け可能とするため、糸状つまりRFID糸に形態変更しようとする試みも存在する。この糸状化には導電性繊維を使用することが一般的であり、導電性繊維を製造するには、繊維表面をエッチング処理などで粗面化して極性親水化した後に、触媒付与さらにメッキ処理を行っている。この場合には、導電性繊維は、その用途や形態によって屈曲疲労を生じることがあり、繊維表面のメッキ層にクラックが生じ、性能低下を引き起こしがちである。この点から、金属メッキ用の繊維は、従来のものより金属との耐剥離性が良いことを要し、導電性繊維として導電性および耐屈曲性がいっそう優れたものが要求されている。
本発明は、繊維製品に取り付けるRFIDタグまたはRFIDラベルに関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、洗濯可能なRFID糸を製造し、該RFID糸を繊維製品に正確に装着する方法を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、RFID糸が安定して装着され、該RFID糸で高度なデータ管理機能を有するRFID糸装着の繊維製品を提供することである。本発明の別の目的は、各種の繊維製品に縫着することにより、その繊維製品に高度なセキュリティ機能を付与するRFID糸装着の布ラベルを提供することである。
本発明に係るRFID糸装着方法では、糸表面において1対の導電パターンで触媒層ついで無電解または電解メッキ層を積層し、さらにICチップを1対の導電パターン間に接着してRFID糸を製造する。このRFID糸を繊維製品に取り付ける際に、RFID糸を連続的に供給しながら、各ICチップの位置を常時検知して取付位置からのズレを検出し、このズレをICチップごとに調整することにより、RFID糸のICチップを繊維製品の取付位置において常に正確に配列させる。好ましくは、各ICチップを1対の導電パターンの中央に接着した後に、さらに糸表面に保護層を形成する。
本発明に係る他のRFID糸装着方法は、所定の工程で製造したRFID糸を布テープに取り付ける際に、該テープを長手方向に向けて立てて送り込むと同時に、RFID糸を少なくとも一方の側縁と接するように送り込む。このミシンが水平作動のミシン針と前後揺動のルーパとを備えることにより、ラベル側縁の近辺に沿って縫い糸を前後に送りながら横方向に続く単環縫い部を形成し、その単環縫い部によってRFID糸を直線状に封入する。
本発明に係る別のRFID糸装着方法は、所定の工程で製造したRFID糸を布テープに取り付ける際に、該テープを長手方向に向けて水平に送り込むと同時に、RFID糸を少なくとも一方の側縁と接するように送り込む。オーバーロックミシンにおいて、ラベル側縁の近辺に沿って縫い糸を前後に送りながら横方向に続く縁縫い部を形成し、その縁縫い部によってRFID糸を直線状に封入する。
本発明に係るRFID糸装着の繊維製品は、糸表面において1対の導電パターンで触媒層ついで無電解または電解メッキ層を積層し、さらにICチップをパターンごとに接着した後に保護コートを形成したRFID糸を用いる。この繊維製品を縫製する際に、布地縁の一部にパイピング、玉縁縫い、袋縫いまたは伏せ縫いを施し、縫い合わせた2枚の布地または縫い付けた別布の中にRFID糸を介在させ、該縫い合わせ部に封入されたRFID糸には少なくとも1個のICチップが存在する。好ましくは、繊維製品の表面または裏面の一部において、バーコードをプリント、レーザー刻印または織成する。
本発明に係るRFID糸装着の布ラベルは、糸表面において1対の導電パターンで触媒層ついで無電解または電解メッキ層を積層し、さらにICチップをパターンごとに接着した後に保護コートを形成したRFID糸を用いる。細幅テープまたは広幅織物のヒートカットによって得た布テープにおいて、ヒートカットで形成された繊維溶融部または耳組織であるテープ両側縁と、オーバーロックミシンなどでテープ側縁の近辺に沿って形成する縁縫い部と、少なくとも一方の側縁において縁縫い部内に封入される直線状のRFID糸とを有し、縁縫い部によって繊維溶融部または耳組織を被覆するとともに、該縁縫い部に封入されたRFID糸には少なくとも1個のICチップが存在する。好ましくは、ラベル表面またはその裏面の一部において、バーコードをプリント、レーザー刻印または織成する。
本発明に係るRFID糸装着の繊維製品は、RFIDがバーコードに比べて一括して多数のデータを読み取ることができるので、RFID糸を装着することによってきわめて効率的に管理できる。本発明に係るRFID糸装着方法を利用すると、糸本体の表面において金属メッキ層が1対の導電パターンで形成され、1対の導電パターン間にICチップが等間隔に接着されたRFID糸を製造することができる。このRFID糸は、各ICチップが糸本体の表面に突き出て部分的に径が大きくなり、小突起が等間隔で生じた繊維形状になるけれども、柔軟性があって所定の洗濯耐性を有している。このRFID糸は、通常の織機を用いる繊維製品に直接織り込めなくても、自動ミシン、縁縫いミシンやオーバーロックミシンによって繊維製品に縫製時または事後に縫い込むことができる。
本発明のRFID糸装着方法では、RFIDを部分的に接着し且つアンテナ機能のために部分的に金属層を形成している形態により、この部分のみが硬くなっている糸を用いて、織布、編み立てまたは挿入かがり込みによって正確に二次元構造にすることができる。本発明に係る方法により、適宜の繊維製品または布ラベルを取り付けた商品について、複雑な商品管理が可能になり、正確に商品管理を達成できる。本発明のRFID糸装着方法は、ICチップが接着されたRFID糸を縫製時に損傷することなく、縫い込み後に繊維製品から脱離することもなく、さらに繊維製品について所定のRFID機能を付与する。
本発明のRFID糸装着の繊維製品は、RFID糸が安定且つ局所的に存在することにより、内在のRFID糸によって高度なデータ管理機能を発揮し、しかも洗濯によって使用を繰り返すことができる。本発明の繊維製品が医療用白衣や作業着であると、病院や作業所においてその出入庫管理、在庫管理、貸し出し管理などを容易に行える。このRFID糸を白衣や作業着などの袖口に縫い込むと、カードで入出室を管理する管理棟などにおいて、入出室と同時に着用衣服のRFID糸から必要データを読み取り、入出室した者の氏名および入出室の時刻もチェックできる。この管理棟が病院の薬品管理庫であれば、白衣を着て入出室した者が所望の薬瓶を持った際に、その薬物の品名を音声で読み上げて、使用薬品の誤りを未然に防止するという特殊な機能を付与することも可能である。
本発明のRFID糸装着の布ラベルは、各種の繊維製品に縫着することにより、その繊維製品について高度なデータ管理機能を付与するとともに高度なセキュリティ機能を付与することが可能である。この布ラベルは、縫着した繊維製品とともに洗濯が可能であり、使用を繰り返すことができる。この布ラベルを医療用の白衣や病院のベッド敷布などに縫着すれば、その在庫数、使用開始時、使用時間、洗濯回数、使用場所などを管理して衛生および安全管理を維持し、院内感染や手術ミスを未然に防止できる。
本発明の繊維製品またはラベルにおいて、その表面または裏面の一部にバーコードをプリントやレーザー刻印するか、またはプリントなどの代わりに織成しておくことは、いわゆるフェイルセーフ手法に基づいた安全措置である。本発明の繊維製品またはラベルにフェイルセーフ手法を施すと、RFID糸のICチップが使用時に操作ミスや故障などによって不具合などの障害が発生しても、データ管理に関する被害を最小限に止めることができる。
本発明で用いるRFID糸を拡大して示す部分平面図である。 図1のRFID糸をさらに拡大して示す断面図である。 糸本体を部分メッキするために用いるロールコータを示す側面図である。 RFID糸1を縫製ミシンに対して連続供給する装置の一例を部分的に示す概略平面図である。 繊維製品のパイピングの際にRFID糸を縫い込む状態を示す部分斜視図である。 RFID糸を縫い込んだ白衣を示す正面図である。 RFID糸を縫い込んだ作業着を示す正面図である。 両側縁を縁縫いする際に一側縁にRFID糸を縫い込んだ布テープの一例を示す概略平面図であり、該テープを寸断すると布ラベルを得る。 図8のA−A線に沿って切断した織テープを示す拡大断面図である。 布テープの側縁を片側ずつ縁縫いするミシンの一例を示す部分正面図である。 図10のB−B線において拡大して示す要部平面図である。 縁縫いしたテープ側縁を裏側から示す拡大側面図であり、縁縫い状態を判りやすいようにデフォルメした部分側面図である。
図1および図2は、本発明で用いるRFID糸の一例を拡大して示す。RFID糸1は、糸本体2の表面に1対の導電パターンHでメッキを施して無電解または電解メッキ層3を形成する。RFID糸1において、メッキ層3が存在しない部分は糸素地部4である。さらに、ICチップ5を1対の導電パターンH間に配置して接着し、該チップの端子部7,7を各メッキ層3に接続する。1対のメッキ層3およびICチップ5の組は、糸本体2の表面において所定間隔をおいて配列し、さらに所望に応じて糸表面に保護層10(図2)を形成する。
本発明に用いる糸本体2は、電気絶縁性を有する天然または合成系繊維糸であって、その表面に銀、銅、ニッケルまたは錫の少なくとも1種を部分的に無電解または電解法でメッキすればよい。糸本体2は、マルチフィラメント、モノフィラメント、紡績糸のいずれでもよく、例えば、合成系繊維として、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、メタアラミド、パラアラミド、レーヨンの単独または混紡が例示でき、天然繊維として、絹、羊毛、綿、麻などが例示できる。
一般に、糸本体2は、価格や加工性の点でポリエステルまたはナイロンであると好ましい。糸本体2の太さは、例えば10〜150デシテックスであり、好ましくは30〜75デシテックスであり、単位フィラメントで0.5〜5デシテックスであり。この際に、糸本体2が10デシテックス未満であると繊維強度が劣り、150デシテックスを超えると糸本体2の風合いが低下する。また、単糸フィラメントが0.5デシテックス未満であるとメッキ加工性が悪く、5デシテックスを超えると風合いが硬くなる場合がある。
糸本体2には、通常、エッチング処理などによって糸表面を粗面化して極性親水化し、この後に部分的に触媒の付与つまり触媒層8(図2)を形成し、ついで銅やニッケルによってメッキ処理を行えばよい。一般に、糸本体2へのメッキは、前処理、粗面化処理、増感処理、活性化処理、化学メッキ、コーティング処理などを行い、糸表面に無電解または電解メッキ法によって薄膜の金属メッキ層3を形成する。無電解または電解メッキの素材には、導電性、耐腐食性などの点から銅、銀、金、錫、ニッケルおよびそれらの合金などの種々の金属が適用可能であり、導電性、取り扱い性、汎用性およびコストの点から銅または銀が好適である。メッキ層3は単独層であっても、必要に応じて2層以上の多層皮膜を形成させることも可能である。合成繊維への金属のメッキ量は、使用する金属の種類、要求される導電性、加工コストなどによって適宜調節し、通常はコスト等の点から10〜30%(o.w.f)程度とすると好ましい。
一例として、糸本体2に無電解メッキを施すには、その表面へのメッキ性を向上させるために、酸性もしくはアルカリ性の水溶液に浸漬して精練またはエッチング処理したり、または大気圧プラズマ処理して糸表面を減量粗面化し且つ極性化する必要がある。一方、糸本体2について、熱可塑性PVAなどが糸表面に付着するように変性加工したならば、糸本体2が良好な親水性を有しているので、エッチング処理などを実施しなくとも、通常のメッキ処理で良好な金属層を形成することが可能であり、この場合でもさらにメッキ性を向上させるために、エッチング処理などを実施してもよい。
糸本体2は、その表面を粗面化して極性親水化した後に、部分的にパラジウムなどの触媒を糸表面に吸着させたり、または錫銀インクなどを付着させて所定の触媒層8を形成した後に、各種の金属メッキ浴に浸漬するかまたは金属付着させて、糸表面に金属メッキ層3を形成する。メッキ浴から取り出した糸はその後に水洗しそして乾燥する。この乾燥方法は特に制約がなく、所望の装置や温度を適宜選択すればよく、柔軟性などの性能を維持するには乾燥温度が120℃以下であり、100℃以下であるとより好ましく、90℃以下であるといっそう好ましく、室温で乾燥を行なうことも可能である。また、乾燥時間は、連続メッキ処理の場合には1時間以内であると好ましい。
糸本体2において、触媒層8およびメッキ層3は、図1に示すように、1対の導電パターンHで所定間隔をおいて正確に配列・形成することが必要である。この配列手段として、ディスペンサなどの全自動塗布装置、インクジェットプリンタ、ロールコータ、凸版印刷機、グラビア印刷機、スクリーン印刷機などを用いて,糸本体2に触媒層8を部分的に付着させる直接法であっても、または触媒層8を付着させない個所に遮蔽樹脂を部分的に塗布し、メッキ完了後に遮蔽樹脂を剥離する間接法でもよい。
図3は、糸本体2において1対の導電パターンHを直接的に形成する一例を示し、水平に走行する糸本体2は、所望に応じて前処理ついでエッチング処理またはプラズマ処理を施されてから、2組のロールコータ12,14を通過させる。ロールコータ12は、1対のプレッシャロール16,16と、印刷ヘッド18を円周に等間隔に設けた1対の印刷用ロール20,20とからなり、両ロール20,20では、相互にかみ合う歯車(図示しない)を軸22にそれぞれ嵌合固着して連動させ、ロール16を回転自在に取付けたアーム24,24は、両者に係止させた引張りバネ26によって両ロール16,16を相互に押圧する。
ロールコータ12,14は同期作動し、前のロールコータ12で触媒を付与して触媒層8を形成し、後のロールコータ14で無電解または電解メッキ層3を形成する。回転する印刷用ロール20において、触媒またはメッキ液を含有する個々の印刷ヘッド18は、ロール16,16から受け取った糸本体2を挟んで正確に上下に対向し、触媒またはメッキ液の付着によって付着量が減少すれば適宜交換すればよい。また、1対の印刷用ロール20,20は交換可能であり、導電パターンHに応じて、触媒層8およびメッキ層3のパターンを適宜変更できる。
また、1対の導電パターンHを間接的に形成する場合には、糸本体2に前処理ついでエッチング処理またはプラズマ処理を施してから、図3と同様の1組のロールコータを通して遮蔽樹脂を部分的に塗布し、その後に触媒槽およびメッキ槽を通過させる。遮蔽樹脂を塗布するロールコータは、図3に示すロールコータ12と反対の凹凸周面を有し、印刷ヘッド18に相当する個所が凹んでいる。遮蔽樹脂がポバールである場合には、メッキ後に後処理の水洗槽を通すときに同時に除去できる。また、遮蔽樹脂が紫外線硬化型レジストであれば、メチレンクロライドなどの溶剤槽に通すことによって剥離し、この際にこの溶剤が糸本体2を溶かさないものを選択することを要する。
遮蔽樹脂の付与工程において、糸本体2にあらかじめ遮蔽樹脂を各ピッチごとに部分的に付与してから乾燥する。この遮蔽樹脂の付与工程は、部分印刷によって液状樹脂を所定の導電パターンHを除いて塗布すればよい。糸本体2に遮蔽樹脂を部分的に付与して乾燥させた後に、触媒層8ついでメッキ層3を連続的に形成する。次に、遮蔽樹脂の剥離工程では、所定のメッキ処理の後に遮蔽樹脂を水または適宜の溶剤槽に浸漬して剥離する。糸本体2において、遮蔽樹脂を付与させた個所はメッキされないため、遮蔽樹脂の剥離後に、導電パターンHに応じた金属メッキ層3が存在する。
RFID糸1では、アンテナ態様の導電パターンHを有する糸本体2に対して、1対の導電パターンH間にそれぞれRFID用のICチップ(例えば商品名:ミューチップ、日立製作所製)5を配置して接着する。この接着の際に、ICチップ5の両側の端子部7,7を長さ2cmに定め、該ICチップを1対の導電パターンH間の中央に配置し、各端子部7を導電パターンH,Hと接着して固定する。この接着では、端子部7が導電パターンHと近接していれば、電気的に接続していなくてもよい。
RFID糸1は、通常の非導電性糸の直径とほぼ同じかまたはそれ以上の径であり、金属メッキ層3が糸表面に露出しているため、耐洗濯性、耐感電性、耐アレルギー性などの点から、その表面にアクリルやポリウレタンのような非導電性樹脂をコーティングして保護層10を形成すると好ましい。保護層10のコーティング量は、RFID糸1のしなやかさを阻害しない範囲に定め、通常は乾燥状態において非導電性樹脂を5〜10g/m2 程度塗布することが好ましい。
得たRFID糸1は、図1に示すように、糸本体2の表面に1対の導電パターンHで金属メッキ層3が形成され、1対の導電パターンH間にICチップ5を接着している。ICチップ5は、厚さが60μmで縦横400μmであるために、糸本体2の表面に突き出て径がかなり大きくなり、RFID糸1において小突起が等間隔で生じた繊維形状になる。このICチップは、厚さ50μmで縦横50μmのものも製造開始されたという報道があるけれども、RFID糸1において小突起が等間隔で生じる点では同様である。小突起が等間隔で存在するRFID糸1は、柔軟性があって洗濯耐性を有していても、通常の織機を用いて繊維製品に直接織り込むことが困難であり、このために該RFID糸を縫製時に繊維製品に縫い込んだり、布ラベルの縁縫い処理と同時に取り付けることが好ましい。
RFID糸1を自動ミシンやオーバーロックミシンなどに連続的に供給し、該ミシンにおいて繊維製品に取り付ける際に、所定幅の縫い込み個所において、1対の導電パターンH,Hおよび1個のICチップ5が少なくとも1組完全な状態で存在することを要する。この点から、縫い込み個所の幅は、1対の導電パターンH,Hの外寸よりも大きいことが必要である。また、RFID糸1においてICチップ5,5間の距離を比較的大きく設定しておくと、縫い込み対象の繊維製品によって縫い込み個所の幅が増減しても、該縫い込み個所の幅が導電パターンH,Hの外寸に比べて狭いならば、RFID糸1における余分な糸長部分を横方向へ引き出しながら縫製ミシンへ連続的に供給すればよい。
図4には、縫製ミシンに対するRFID糸1の連続供給装置30の一例を概略的に示する。図4の連続供給装置30において、水平に走行するRFID糸1に対して、その上方においてRFID糸1とともに走行するベルト32を架設する。ベルト32には、縫い込み個所34の幅に相当する間隔で1対のガイドピン36,36を連続配置し、可動片38は、所定間隔のガイドピン36,36間において直交方向に移動可能である。各対のガイドピン36,36および可動片38は、ベルト32から下向きに垂直に延設され、水平走行のRFID糸1と接触する。ガイドピン36,36の各対の間隔は、縫い込み個所34の幅に応じて適宜に調整できる。
可動片38は、始動時には、同期走行のRFID糸1に関して、直交方向でガイドピン36,36と反対側に位置する。ベルト32がRFID糸1と併走していくうちに、各ICチップ5がガイドピン36,36の各対の中央に位置するように横方向へ移動して、RFID糸1の糸素地部4を横方向に引き出して維持する。ガイドピン36,36は、縫い込み個所34の直前位置36bで接触移動してRFID糸1を挟着し、この挟着状態を縫い込み後の位置36aまで維持してから解放する。
各ICチップ5の位置は、縫い込み個所34において常時検知され、該縫い込み個所34の中央線Cつまり取付位置からのズレの有無を検出する。このズレが図4の右側にあると、この値を検出して可動片38cが下方向にさらに移動し、同時に可動片38eが上方向に移動することにより、ICチップ5dを左方向へ移行させる。また、このズレが図4の左側にあると、この値を検出して可動片38eが下方向にさらに移動し、同時に可動片38cが上方向に移動することにより、ICチップ5dを右方向へ移行させる。この結果、縫い込み個所34において、各ICチップ5は必ず縫製中心Cと一致する。
可動片38で下方向に引き出された個々の余剰糸40は、適当な時期に除去が必要である。例えば、余剰糸40をロール36b,36b間で挟んだ後に、該ロール近傍で切断と接着すればよく、この切断と接着を超音波や高周波で処理したり、カッタで切断した後にホットメルトさせて接着してもよく、接着の代わりにスプライサーというエアー結束も可能である。また、可動片38c,38cおよび38e,38eの段階で余剰糸40を切断・接着するならば、RFID糸1が走行中であるので、この段階でRFID糸1を挟着してから切断・接着を行うことになる。一方、繊維製品が布ラベル59であるならば、布テープ60を寸断する位置まで余剰糸40を引き出した可動片38を走行させ、寸断処理と同時に余剰糸40を切断・除去してもよい。
RFID糸1の連続供給において、両ICチップ5の間隔がたとえ繊維製品の縫い込み長さと一致していても、RFID糸1は走行中の引っ張りによって不均一に伸びやすく、
その連続供給を続けるうちにICチップ5の位置が次第にずれていくので、図4のような連続供給装置30が必要である。繊維製品への縫い込みの際に、そのつどRFID糸1を切断するならば連続供給装置30は必要がなく、縫い込み個所34において、RFID糸1を引き出して各ICチップ5を縫製中心Cと一致させればよい。
図5に例示するように、RFID糸1aは、繊維製品を縫製する際に、表地44の布地縁の一部にパイピング42を施し、該表地に縫い付けたパイプ状の別布46の中にくるみ込んで適宜に縫着すればよい。このパイピングは、1枚の表地44と別布46の組み合わせのほかに、表地と裏地の間に別布を縫い付けたり、縫い目を表のみに出さないために縫製する場合もある。パイピング42のほかに、袋縫い、玉縁縫い、または伏せ縫いなどを施す際に、RFID糸1をくるみ込んでもよい。縫い合わせ部に封入されたRFID糸1には少なくとも1個のICチップ5が存在することを要し、連続的に自動縫製が可能な場合にはRFID糸1の連続供給装置30を利用すればよい。
図6および図7は、RFID糸1を縫い込んだ繊維製品の例を示している。図6に示す医療用白衣48は、長袖50の袖口52にRFID糸1bを縫い込んだり、またはポケット54の上辺にRFID糸1cを縫い込んでもよい。袖口52のRFID糸1bは、通常、袋縫いによって封入され、ポケット54のRFID糸1cは、玉縁縫いやパイピングによって封入されることが多い。また、図7に示す作業着56は、長袖57の袖口58にRFID糸1dを縫い込んだり、またはポケット55の上辺にRFID糸1eを縫い込んでいる。白衣48や作業着56などにおいて、袖口52またはポケット54のほかに衿先、肩口などにRFID糸1を織り込んでもよく、上衣の代わりにズボンやパンツにRFID糸1を織り込むことも可能である。
一方、RFID糸1を装着する布ラベル59(図8)は、通常の細幅テープまたは広幅織物のヒートカットで形成された布テープ60からなり、通常はテープの一側縁62だけにRFID糸1を封入し、他側縁63には通常の糸64(図9)を封入するかまたは糸封入しないけれども、その両側縁に封入することも当然可能である。RFID糸1は、図10から図12に例示する縁縫いミシン66またはオーバーロックミシンなどの工業用ミシンを用いて、通常、図4に示すような連続供給装置30を付設して連続的に供給したり、ローラ88,86,88(図10)のような案内機構を経て供給すると好ましい。RFID糸1は、縁縫いミシンなどで縁縫い部を形成すると同時に、その縁縫い部の内に直線状に側縁と接するように封入される。
布テープ60は、例えば、広幅織物のヒートカットによって形成された繊維溶融部が存在する一側縁の近辺に沿って、縫い糸84をテープの前後に送りながら横方向に続く単環縫い部を設ける。この縁縫い部を形成すると同時に、その縁縫い部の内に直線状のRFID糸1を側縁の繊維溶融部と接するように封入する。縁縫いした布テープ60は、帯状のままで織テープとして使用しても、横方向に寸断して布ラベル59として使用してもよい。RFID糸1および縫い糸84は、布テープ60の横糸と同じ糸を用いることができるならば、テープ全体の色調が統一できるので好ましい。布テープ60は、後処理の熱プレスによって平らにし、テープ全体をほぼ同じ厚みにしてもよい。
図10から図12には、RFID糸1のICチップ5の位置を調整可能な布テープ60用の縁縫いミシン66の一例を示す。縁縫いミシン66は、テーブル裏側に取り付けたマイコン制御のトルクモータ(図示しない)で駆動する。ミシン66の前方中央には、回転可能な円形平面の突出台68を水平に取り付け、周面に刻み目を有する水平の押え円盤70を突出台68の周面と近接させて設置する(図11参照)。押え円盤70は、ミシン前面上方から前方斜め下向きに張り出したアーム72によって回転可能に支承する。図11に示すように、湾曲平面の押え金74は、突出台68の上方において近接設置し、該突出台の左側方から前方突出面まで延びてテープ側縁62と接触し(図12参照)、突出台68および押え円盤70は矢印方向に間欠的に回動する。押え金74の上面は、図12のようにテープ側縁62から約0.2mm上方に位置する。
ミシン66において、ミシン針76は、突出台68の上面と近接させて水平に取り付け、図11の一点鎖線で示すように押え円盤70上まで水平方向に往復作動し、この際に図12の位置76aで示すように押え金74の先端部の下方を通過する。一方、ルーパ78は、図10に示すように垂直バー80の下端に横向きに突出させた爪部材であり、該垂直バーはミシン前面上方から前方へ水平に突き出した揺動バー82に固着する。ルーパ78は、ミシン針76が前端まで前進して後退作動する直後に該針の針穴後方の位置まで下降し、該針の後退とともに上昇し、後端まで後退した際に針尖端の前方位置まで下降する。縫い糸84の糸巻き載置台は、テーブルの後方中央に配置し、ミシン66の後側に位置する。ミシン針76に通す縫い糸84は、載置台の糸巻きから糸案内バーを越え、ミシン66の上方に設置した糸案内台組を経てミシン針76へ供給する。
RFID糸1は、ミシン66の前面上方に取り付けた案内機構つまり可動ロール86および1対のガイドロール88を経て供給し、該案内機構は視認のために位置と配置を変えて図示している。RFID糸1の案内機構は、縁縫いミシン66において図4の連続供給装置30を付設できないために代用し、押え円盤70の上方において該円盤と近接させて水平に配置する。この案内機構は、ラベル幅とICチップ5の間隔がほぼ等しい場合においてICチップ5の位置を調整できる。RFID糸1は、図12のようにローラ86,88,86を通ってテープ側縁62と接触させ、図9のように単環縫いの縫い糸84の内に封入する。RFID糸1において、ICチップ5の位置さらにその張力を可動ロール86を昇降させることによって調整する。
一方、布テープ60は、図10に示す第1および第2案内部材90,92の垂直バー94の周囲を左右交互に回り込みながら水平板96と案内板98との間を通過する。第1および第2案内部材90,92は、ミシン66の前方両側において、ガイドプレート100,102と一直線状になるように配列する。案内部材90,92は、それぞれ支持板104と水平板96との間に多数本の垂直バー94を垂直且つ平行に設置し、各垂直バー94と嵌合する貫通孔を設けた案内板98を支持板104と水平板96との間に取り付ける。案内板98は、布テープ60の横幅に応じて、任意の水平位置で固定できる。
布テープ60は、通常、RFID糸1を側縁62または63の近辺に沿って縫い糸84の単環縫いによって封入し、ついで横方向に寸断して布ラベル59として個々に使用するけれども、連続模様であれば縁縫い後にそのまま織テープとして使用することも可能である。布テープ60における文字85や図柄などは、広幅織物の織成時に同時に織り込んでも、多数本の布テープ60にヒートカットした後に、プリントによって一部または全部を形成してもよい。布ラベル59は、白衣や敷布などの繊維製品に縫着されたり、消防ホースや血液袋などの柔軟な製品に接着することができる。
布ラベル59において、その表面または裏面の一部にバーコード87(図8)をプリントしておくことは、いわゆるフェイルセーフ手法に基づいた安全措置である。フェイルセーフとは、操作ミスや故障または設計上の不具合などの障害が発生することをあらかじめ想定し、起きた際の被害を最小限に止めるような工夫をしておくという設計思想であり、病院関連の製品には行政の指導によって行われる場合が多い。バーコード87は、細線の集合であるのでプリントが一般的であり、細線を織り出すことが可能ならば織成によって文字85や図柄と同時に形成してもよい。また、バーコード87は、ラベル表面に直接あるいは表面に樹脂膜や人工皮革などを貼り付け、それにレーザー刻印することによって形成してもよい。
布ラベル59に設けるバーコード87は、その表面または裏面において図8のように水平に配置するか、または垂直や斜めに配置してもよく、その大きさも任意である。このバーコードをラベル裏面にプリントやレーザー刻印しても、該ラベルがセンターホールド型であると比較的認識が容易である。バーコード付きの布ラベル59は、通常の繊維製品に縫着されるほかに、軟質プラスチック容器に接着したり、病理検査の検体ガラス容器などに接着することも可能である。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。図6には、RFID糸1を縫い込んだ医療用白衣48を示し、該白衣の長袖50の袖口52にRFID糸1bを縫い込んでいる。
実施例1で用いるRFID糸1(図1)において、糸本体2は、20デシテックスであるポリエステル繊維のマルチフィラメントである。糸本体2は、大気圧プラズマ処理して糸表面を減量粗面化しておく。次に、糸本体2に1対の導電パターンHを直接的に形成するために、該糸本体を図3に示す2組のロールコータ12,14を通過させる。前方のロールコータ12において、錫銀インクを付着させて触媒層8を形成し、後方のロールコータ14において、標準的な銅メッキ液を25℃、15分で付着させ、無電解メッキによって銅メッキ層3を形成する。1対の導電パターンHを等間隔に形成した糸本体2は、ロールコータ12,14を通過させた後に水洗しそして乾燥する。
得た糸本体2において、銅メッキ層3が形成された各導電パターンHは幅25mmであり、1対の導電パターンHの間隙は2mmである。ICチップ5は、1対の導電パターンH間にそれぞれ接着され、ICチップ5の小突起が等間隔に生じたRFID糸1を得る。RFID糸1は、銅メッキ層3が糸表面に露出しているため、その表面にポリウレタン樹脂をコーティングして保護層10を形成する。ICチップ5は、厚さが60μmで縦横400μmであるので糸本体2の表面に突き出て径がかなり大きく、長寸のRFID糸1において30cm間隔で接着される。小突起が等間隔で存在するRFID糸1は、柔軟性があって耐洗濯性、耐感電性、耐皮膚刺激性などを有している。
RFID糸1を医療用白衣48に縫い込むには、図4に示す連続供給装置30を縫製用の自動ミシン(図示しない)を付設する。連続供給装置30によってRFID糸1を自動ミシンに供給しながら、該自動ミシンにおいて、RFID糸1を長袖50用の裁断生地に玉縁縫いで縫い込むことにより、縫製完了後には、白衣長袖50の袖口52にRFID糸1bが存在する。袖口52におけるRFID糸1bは、必ず1個のICチップ5を有している。
図示しないけれども、RFID糸1を縫い込んだ白衣48は、リーダ/ライタ、コントローラ、パソコンなどの上位機器で構成された公知の装置で管理する。RFID糸1のICチップ5に内蔵した半導体メモリには、リーダ/ライタでデータの書き込み且つ読み込みを行い、そのデータをコントローラに通して上位機器でデータ処理する。ワイヤレスで識別するためのシステムは、通常、白衣48に縫い込んだRFIDラベル糸1と、該RFIDラベル糸からデータが読み出されるかまたは電送される書込み/読取り装置とからなり、例えば、信号を受像すると自動的に応答を送受信するトランスポンダは、白衣の出入数、在庫数、使用開始時、使用時間、洗濯回数、使用場所などの複雑なデータを記憶し、所定の測定データも記憶できる。このトランスポンダは、通常、組み込まれた回路と、アンテナと、別の受動的な構成要素とで構成される。
白衣48は、RFID糸1が袖口52に存在することにより、内在のRFID糸によって高度で効率的なデータ管理機能を発揮し、しかも洗濯によって使用を繰り返すことができる。白衣48の使用により、病院においてその出入庫管理、在庫管理、貸し出し管理などを容易に行え、過度に汚染された白衣を検出したり、病院内において類似の白衣を着用した部外者などを見つけ出すことも可能である。白衣48の使用により、病院内の衛生および安全管理を維持し、院内感染や手術ミスを未然に防止できる。
実施例2で用いるRFID糸1は、実施例1とほぼ同じ工程で製造するけれども、糸本体2がアクリル繊維のマルチフィラメントである。糸本体2を精錬剤に浸漬してから水洗する。次に、糸本体を図3に示す2組のロールコータ12,14を通過させる。前方のロールコータ12において、錫インクを付着させて触媒層8を形成し、水洗を経て後方のロールコータ14において、銀メッキ液を付着させ、無電解メッキによって銀メッキ層3を25℃で10重量%被覆する。1対の導電パターンHを等間隔に形成した糸本体2は、ロールコータ12,14を通過させた後に水洗しそして乾燥する。
この無電解銀メッキの際に、用いる錫インクは、塩化第一錫10g/L、35%塩酸20mL/Lを含んだ水溶液である。また、銀めっき液は、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム 200g/2L 水酸化ナトリウム 50g/2L ホルマリン 100ml/2L 硝酸銀 31.6g アンモニア水100mLからなる。
得た糸本体2において、銀メッキ層3が形成された各導電パターンHは実施例1と同様であり、ICチップ5を1対の導電パターンH間にそれぞれ接着して、ICチップ5の小突起が等間隔に生じたRFID糸1を得る。RFID糸1は、銀メッキ層3が糸表面に露出しているため、その表面にアクリル樹脂をコーティングして保護層10を形成する。得たRFID糸1は、実施例1のそれと同様に、柔軟性があって耐洗濯性、耐感電性、耐アレルギー性などを有している。
RFID糸1を作業着56(図7)に縫い込むには、実施例1と同様に、長袖57の袖口58にRFID糸1を縫い付けてから全体を縫製する。連続供給装置30によってRFID糸1を自動ミシンに供給しながら、RFID糸1を長袖57用の裁断生地に袋縫いで縫い込むことにより、縫製完了後に作業着長袖57の袖口58にRFID糸1dが存在する。袖口58におけるRFID糸1dは、必ず1個のICチップ5を有している。
作業着56は、RFID糸1が袖口58に存在することにより、内在のRFID糸によって高度で効率的なデータ管理機能を発揮し、しかも洗濯によって使用を繰り返すことができる。作業着56の使用により、工場においてその出入庫管理、在庫管理、貸し出し管理などを容易に行える。カードで入出室を管理する危険物などの管理棟では、入出室と同時に作業着袖口58のRFID糸1dから必要データを読み取り、入出室した者の氏名および入出室の時刻もチェックできる。
実施例3は、実施例1で製造したRFID糸1を用い、ローラ88,86,88のような案内機構を経てRFID糸1を図10から図12に示す縁縫いミシン66に供給し、布テープ60の一側縁62の近辺に沿って縫い糸84の単環縫いによって封入していく。この際に、布テープ60を長手方向に向けて立てて縁縫いミシン66へ送り込む。製造すべき布ラベル59の幅は、RFID糸1におけるICチップ5間とほぼ等しいように定められ、連続縫い込み時に、RFID糸1におけるICチップ5の位置を微調整するだけであるから、図10に示すローラ88,86,88のような単純な案内機構による位置調整が可能である。
図8の布テープ60において、該テープは公知のように広幅織物を帯状にヒートカットして同時に多数本製造し、その両側縁にヒートカットによる繊維溶融部が発生している。この広幅織物は、ポリエステル繊維糸、ナイロン繊維糸などで織成され、該広幅織物には少なくともヒートカット部分に合成繊維糸を織り込む。布テープ60には、一側縁62の近辺に沿って縫い糸84を前後に送りながら横方向に続く単環縫いを設ける。この単環縫いの内には、それぞれ直線状のRFID糸1を繊維溶融部と接して封入し、他側縁63の単環縫いによって通常の糸64を封入する(図9参照)。
縁縫いした布テープ60において、単環縫いを形成する1本の縫い糸84がテープ側縁62,63で繊維溶融部と重合せずに交差し、実際には、糸環部ごとの縫い糸84は図12のような空隙が生じることなく相互に密接している。しかも、RFID糸1または通常の糸64が単環縫い内で繊維溶融部と接しているから、該繊維溶融部によるテープ側縁62,63の凹凸とざらつきを解消してテープの触感が格段に向上する。
布テープ60には、文字85や図柄を連続的に織り込んでおり、該布テープにおける文字85や図柄などは、広幅織物の織成時に同時に織り込む。布テープ60を図柄や文字単位ごとに図9の一点鎖線の位置で横方向にヒートカットすると、布ラベル59を得ることができる。布ラベル59は、後続の折り曲げ工程において両端をエンドホールドする。この際に、あらかじめ樹脂加工を行い、その後に別個のヒートカット装置でラベル1枚ごとに横方向にヒートカットしてもよい。得た布ラベル59は、後続の折り曲げ工程でエンドホールドしてからプレスする。
RFID糸1を縫い込んだ布ラベル59は、各種の繊維製品に縫着することにより、その繊維製品について高度なデータ管理機能を付与できる。布ラベル59は、縫着した繊維製品とともに洗濯が可能であり、使用を繰り返すことができる。布ラベル59を医療用の白衣や病院のベッド敷布などに縫着すると、その在庫数、使用開始時、使用時間、洗濯回数、使用場所などを管理して衛生および安全管理を維持し、院内感染や手術ミスを未然に防止できる。布ラベル59は、縫い込んだRFID糸1に繊維製品の製造業者、製造地、製造年月日など読み込ませておくと、異なる布ラベルを縫着した偽造製品を見つけ出すことによって、高度なセキュリティ機能を付与することもできる。
実施例4で用いるRFID糸1は、実施例1とほぼ同じ工程で製造し、糸本体2はポリエステル繊維のマルチフィラメントである。糸本体2をエッチング処理した後に、塩化パラジウム0.5g/L、塩化第一錫50g/L、35%塩酸500mL/Lを溶解した水溶液に30℃で300秒浸漬処理してから水洗して触媒層8を形成する。さらに、硫酸銅10g/L、30%ホルマリン50mL/L、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物100g/Lを溶解した無電解メッキ処理水溶液に室温で300秒浸漬処理し、水洗を行って銅メッキ層3を形成する。RFID糸1は、その表面にポリウレタン樹脂をコーティングして保護層10を形成する。
実施例4で製造したRFID糸1を布テープ60に縫い込むには、図4に示す連続供給装置30を公知のオーバーロックミシン(図示しない)を付設する。布テープ60は、長手方向に向けて水平にオーバーロックミシンへ送り込まれる。RFID糸1は、連続供給装置30を経てオーバーロックミシンに供給し、布テープ60の一側縁62の近辺に沿って縫い糸の縁縫いによって封入される。この際に、製造すべき布ラベル59の幅は、RFID糸1におけるICチップ5間隔よりも等しいかまたはそれ以下であり、連続供給装置30において、RFID糸1のICチップ5間の位置を常に調整するから、1個の布ラベル59に必ずICチップ5が1個存在する。
実施例4では、布テープ60は、図8のように文字85や図柄を連続的に織り込むほかにバーコード87がプリントまたはレーザー刻印されており、横方向に寸断して布ラベル59として個々に使用する。布テープ60における文字85や図柄などは、広幅織物の織成時に同時に織り込んでも、多数本の布テープ60にヒートカットした後に、プリントまたはレーザー刻印によって一部または全部を形成してもよい。バーコード87がプリントされた布ラベル59は、フェイルセーフ手法に基づいた安全措置を備えている。
1 RFID糸
2 糸本体
3 無電解メッキ層
5 ICチップ
7,7 チップの端子部
8 触媒層
10 保護層

Claims (7)

  1. 糸表面において1対の導電パターンで触媒層ついで無電解または電解メッキ層を積層し、さらにICチップを1対の導電パターン間に接着してRFID糸を製造し、このRFID糸を繊維製品に取り付ける際に、RFID糸を連続的に供給しながら、各ICチップの位置を常時検知して取付位置からのズレを検出し、このズレをICチップごとに調整することにより、RFID糸のICチップを繊維製品の取付位置において常に正確に配列させるRFID糸装着方法。
  2. 糸表面において1対の導電パターンで触媒層ついで無電解または電解メッキ層を積層し、さらにICチップを1対の導電パターン間に接着してRFID糸を製造し、このRFID糸を布テープに取り付ける際に、該テープを長手方向に向けて立てて送り込むと同時に、RFID糸を少なくとも一方の側縁と接するように送り込み、該ミシンが水平作動のミシン針と前後揺動のルーパとを備えることにより、ラベル側縁の近辺に沿って縫い糸を前後に送りながら横方向に続く単環縫い部を形成し、その単環縫い部によってRFID糸を直線状に封入するRFID糸装着方法。
  3. 糸表面において1対の導電パターンで触媒層ついで無電解または電解メッキ層を積層し、さらにICチップを1対の導電パターン間に接着してRFID糸を製造し、このRFID糸を布テープに取り付ける際に、該テープを長手方向に向けて水平に送り込むと同時に、RFID糸を少なくとも一方の側縁と接するように送り込み、オーバーロックミシンにおいて、ラベル側縁の近辺に沿って縫い糸を前後に送りながら横方向に続く縁縫い部を形成し、その縁縫い部によってRFID糸を直線状に封入するRFID糸装着方法。
  4. 各ICチップを1対の導電パターンの中央に接着した後に、さらに糸表面に保護層を形成する請求項1、2または3記載の装着方法。
  5. 糸表面において1対の導電パターンで触媒層ついで無電解または電解メッキ層を積層し、さらにICチップをパターンごとに接着した後に保護コートを形成したRFID糸を用い、繊維製品を縫製する際に、布地縁の一部にパイピング、玉縁縫い、袋縫いまたは伏せ縫いを施し、縫い合わせた2枚の布地または縫い付けた別布の中にRFID糸を介在させ、該縫い合わせ部に封入されたRFID糸には少なくとも1個のICチップが存在するRFID糸装着の繊維製品。
  6. 糸表面において1対の導電パターンで触媒層ついで無電解または電解メッキ層を積層し、さらにICチップをパターンごとに接着した後に保護コートを形成したRFID糸を用い、細幅テープまたは広幅織物のヒートカットによって得た布テープにおいて、ヒートカットで形成された繊維溶融部または耳組織であるテープ両側縁と、オーバーロックミシンなどでテープ側縁の近辺に沿って形成する縁縫い部と、少なくとも一方の側縁において縁縫い部内に封入される直線状のRFID糸とを有し、縁縫い部によって繊維溶融部または耳組織を被覆するとともに、該縁縫い部に封入されたRFID糸には少なくとも1個のICチップが存在するRFID糸装着の布ラベル。
  7. 繊維製品またはラベル表面または裏面の一部において、バーコードをプリント、レーザー刻印または織成する請求項5または6記載の繊維製品。
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