JP2013142547A - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】被測定対象物と磁電変換素子とを正確に位置決めして安定したセンシングを行うことができるとともに電流分布が安定して高精度に測定することができる電流センサを提供する。
【解決手段】回動規制部材50,51により、第1の部材20の被測定対象物挟持面21に形成した凹部22にバスバー70が嵌合して第1の部材20と第2の部材30の間にバスバー70を挟持した状態で第1の部材20と第2の部材30の回動を規制する。そして、ホールIC60,62が第1の部材20、第2の部材30に固定され、バスバー70に流れる被測定電流の大きさに応じた信号が出力される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流センサに関するものである。
磁電変換素子を実装した回路基板に対し被測定対象物を配置する場合において、被測定対象物に対し回路基板を直交(貫通)する状態で取り付ける構造が知られている(例えば特許文献1)。
特開2006−194650号公報
ところで、被測定対象物と回路基板(磁電変換素子)との位置決めについて取り付けのガタがあると、磁界の強さ(磁力)がばらつき、そのために検出精度に悪影響を与えてしまう。
本発明の目的は、被測定対象物と磁電変換素子とを正確に位置決めして安定したセンシングを行うことができるとともに電流分布が安定して高精度に測定することができる電流センサを提供することにある。
請求項1に記載の発明では、被測定対象物挟持面を有する第1の部材と、被測定対象物挟持面を有し、当該被測定対象物挟持面が前記第1の部材の被測定対象物挟持面と対向する第2の部材と、前記第1の部材の端部と前記第2の部材の端部とを連結し、前記第1の部材と前記第2の部材とを回動可能に支持する連結部材と、前記第1の部材の被測定対象物挟持面および前記第2の部材の被測定対象物挟持面の少なくとも一方の面に形成した凹部に被測定対象物が嵌合して前記第1の部材と前記第2の部材の間に前記被測定対象物を挟持した状態で前記第1の部材と前記第2の部材の回動を規制する回動規制部材と、前記第1の部材および前記第2の部材の少なくとも一方に固定され、前記被測定対象物に流れる被測定電流の大きさに応じた信号を出力する磁電変換素子と、を備えたことを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、連結部材により、第1の部材の端部と第2の部材の端部とが連結され、第1の部材と第2の部材とが回動可能に支持される。第1の部材の被測定対象物挟持面および第2の部材の被測定対象物挟持面の少なくとも一方の面に形成した凹部に被測定対象物が嵌合して第1の部材と第2の部材の間に被測定対象物が挟持される。この状態で、回動規制部材により、第1の部材と第2の部材の回動が規制される。そして、第1の部材および第2の部材の少なくとも一方に固定された磁電変換素子から、磁電変換素子により、被測定対象物に流れる被測定電流の大きさに応じた信号が出力される。
よって、被測定対象物が第1の部材と第2の部材との間に挟持され、被測定対象物と磁電変換素子とを正確に位置決めすることができ、安定したセンシングを行うことができる。また、被測定対象物には貫通孔を設ける等の加工が不要となり、電流分布が安定して高精度に測定することができる。
請求項2に記載のように、請求項1に記載の電流センサにおいて、前記回動規制部材は、前記第1の部材および前記第2の部材の一方に形成した突起と、他方に形成され前記第1の部材と前記第2の部材の間に前記被測定対象物を挟持した状態で前記突起に係合する係合部とからなるとよい。
請求項3に記載のように、請求項1または2に記載の電流センサにおいて、前記被測定対象物は、断面が長方形をなすバスバーであるとよい。
本発明によれば、被測定対象物と磁電変換素子とを正確に位置決めして安定したセンシングを行うことができるとともに電流分布が安定して高精度に測定することができる。
(a)は実施形態の電流センサの一部断面平面図、(b)は電流センサの正面図、(c)は電流センサの右側面図、(d)は電流センサの下面図。 実施形態の電流センサの斜視図。 (a)は実施形態の電流センサの平面図、(b)は電流センサの正面図。 実施形態の電流センサの斜視図。 別例の電流センサの右側面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
なお、図面において、水平面を、直交するX,Y方向で規定するとともに、上下方向をZ方向で規定している。
図1,2に示すように、電流センサ10は、第1の部材20と、第2の部材30と、連結部材40と、回動規制部材50,51と、磁電変換素子としてのホールIC60,62を備えている。被測定対象物としてのバスバー70は断面が長方形をなす帯状の導電板であり、X方向に延設されると共に断面長方形の長辺がZ方向となっている。
樹脂製の第1の部材20は四角板状をなし、一つの面が被測定対象物挟持面21となっている。樹脂製の第2の部材30も四角板状をなし、一つの面が被測定対象物挟持面31となっている。Y方向において第1の部材20の被測定対象物挟持面21と第2の部材30の被測定対象物挟持面31とが対向している。
第1の部材20の被測定対象物挟持面21と第2の部材30の被測定対象物挟持面31とは、同一形状、同一寸法となっている。第1の部材20と第2の部材30とは立設した状態で使用され、第1の部材20の被測定対象物挟持面21と第2の部材30の被測定対象物挟持面31はX−Z面に形成されている(立設面となっている)。
第1の部材20と第2の部材30とは、端部としての下面部において連結部材40により連結されている。連結部材40は樹脂よりなり、板状をなしている。板状の連結部材40は第1の部材20の下面部と第2の部材30とをU字状につないでいる。連結部材40により、図3,4に示すように、第1の部材20と第2の部材30は下端を回動中心にして第1の部材20の上側と第2の部材30の上側とは開閉できるようになっている。詳しくは、U字状の連結部材40における中央部において薄肉部41が形成されており、この薄肉部41を中心にして回動しやすくなっている。
このようにして、第1の部材20は被測定対象物挟持面21を有するとともに、第2の部材30は被測定対象物挟持面31を有し、被測定対象物挟持面31が第1の部材20の被測定対象物挟持面21と対向している。そして、連結部材40により、第1の部材20の端部と第2の部材30の端部とを連結し、第1の部材20と第2の部材30とを回動可能に支持している。
図3,4に示すように、第1の部材20の被測定対象物挟持面21には凹部(溝)22が形成されている。凹部22はバスバー70の延設方向であるX方向に延びている。凹部22には、図1,2に示すように、被測定対象物としてのバスバー70が嵌合し、第1の部材20と第2の部材30の間にバスバー70が挟持される。凹部(溝)22の深さはバスバー70を嵌入した状態で第1の部材20の被測定対象物挟持面21と面一となる深さとなっている。つまり、凹部22の内面とバスバー70の外表面とは密着しているとともに被測定対象物挟持面31とバスバー70の外表面とは密着している。即ち、断面長方形のバスバー70における4つの辺のうち3つの辺は凹部22の内面に面接触するとともに残りの1つの辺は被測定対象物挟持面31に面接触している。
回動規制部材50は、図4に示すように、四角形状の突起50aと、コ字状をなす係合部50bとからなる。突起50aは、第2の部材30の右側面に形成されている。係合部50bは、第1の部材20の右側面に形成されている。コ字状をなす係合部50bの両基端が第1の部材20の右側面から突出して先端側が突起50aに向かって延び、先端側は突起50aを外周側から囲うようになっている。係合部50bは、第1の部材20と第2の部材30の間にバスバー70を挟持した状態で突起50aに係合する。
同様に、回動規制部材51も、四角形状の突起51aと、コ字状をなす係合部51bとからなる。突起51aは、第2の部材30の左側面に形成されている。係合部51bは、第1の部材20の左側面に形成されている。コ字状をなす係合部51bの両基端が第1の部材20の左側面から突出して先端側が突起51aに向かって延び、先端側は突起51aを外周側から囲うようになっている。係合部51bは、第1の部材20と第2の部材30の間にバスバー70を挟持した状態で突起51aに係合する。
第1の部材20と第2の部材30の間にバスバー70を挟持した状態で回動規制部材50における突起50aに係合部50bが係合するとともに回動規制部材51における突起51aに係合部51bが係合することによって第1の部材20と第2の部材30の回動が規制される。即ち、第1の部材20と第2の部材30とが開いている状態で第1の部材20と第2の部材30との間にバスバー70を挟み込んで、第1の部材20と第2の部材30を閉じて突起50a,51aに係合部50b,51bを嵌め入れることにより係合して回動が阻止される。
図1に示すように、第1の部材20の内部には、ホールIC60を実装した回路基板61が配置(樹脂モールド)されている。即ち、回路基板61の一方の面に、パッケージングされたホールIC60が実装されている。回路基板61は立設した状態で第1の部材20の内部にバスバー70と対向する状態で配置されている。
また、第2の部材30の内部には、ホールIC62を実装した回路基板63が配置(樹脂モールド)されている。即ち、回路基板63の一方の面に、パッケージングされたホールIC62が実装されている。回路基板63は立設した状態で第2の部材30の内部にバスバー70と対向する状態で配置されている。ホールIC60とホールIC62とはバスバー70を挟んで対向している。
ホールIC60,62は、ホール素子と周辺回路をワンチップ化したものである。そして、ホールIC60,62は、バスバー70に流れる被測定電流の大きさに応じた信号を出力する。つまり、ホールIC60,62を用いてバスバー70に流れる被測定電流の大きさを磁界B1の強さとして測定することができる。
2つのホールIC60,62の出力は差動がとられて出力されるようになっている。
次に、電流センサ10の作用を説明する。
バスバー70に電流が流れると、ホールIC60,62には、電流の大きさに応じた強さの磁界B1が加わる。ホールIC60,62の出力レベルは磁界B1の強さに応じたものとなる。
バスバー70に電流が流れてホールIC60,62による電流の測定値(ホールICの出力値)が出力される。そして、2つのホールIC60,62の出力は差動がとられて出力される。これによりノイズの影響を受けにくい。
なお、2つのホールIC60,62の出力の差動をとるのではなく、2つのホールIC60,62の出力を平均化して出力してもよい。こうすると、ホールIC個体の出力ばらつきや温度による変動の影響を少なくすることができる(誤差を少なくできる)。
このようにして、挟持体(第1の部材20と第2の部材30と連結部材40)を用いて折り曲げて取り付ける構成とし、バスバー70は挟み込んで固定し、回路基板61,63とホールIC(磁電変換素子)60,62は内蔵(樹脂モールド)する構成とした。また、バスバー70と電流センサ(ホールIC60,62)の位置関係を、回路基板61,63やバスバー70を加工することなく固定した。これにより、バスバー70や電流センサの位置関係のばらつきが低減される。その結果、センシング精度の向上を図ることができる。
また、バスバー70に取付用貫通孔を設けておらず(貫通孔や切欠による位置決めや取付を行っておらず)、電流分布が安定する。その結果、センシング精度の向上を図ることができる。
以上のごとく本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)回動規制部材50により、第1の部材20の被測定対象物挟持面21に形成した凹部22にバスバー70が嵌合して第1の部材20と第2の部材30の間にバスバー70を挟持した状態で第1の部材20と第2の部材30の回動を規制する。そして、ホールIC60,62が第1の部材20、第2の部材30に固定され、ホールIC60,62からバスバー70に流れる被測定電流の大きさに応じた信号が出力される。
よって、バスバー70が第1の部材20と第2の部材30との間に挟持され、バスバー70とホールIC60,62とを正確に位置決めすることができ、安定したセンシングを行うことができる。また、バスバー70には貫通孔を設ける等の加工が不要となり、電流分布が安定して高精度に測定することができる。
(2)センサに設けた貫通孔にバスバーを挿入する方式ではバスバーを挿入するための隙間を設ける必要があるが、本実施形態では凹部22に嵌める方式であるのでバスバーとの隙間を少なくでき、取付精度が高いものとなる。
(3)回動規制部材50,51は、第1の部材20および第2の部材30の一方に形成した突起50a,51aと、他方に形成され第1の部材20と第2の部材30の間にバスバー70を挟持した状態で突起50a,51aに係合する係合部50b,51bとからなる。よって、簡単な構成にて第1の部材20と第2の部材30の回動を規制することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・バスバー70は、第1の部材20の被測定対象物挟持面21に形成した凹部22に嵌合したが、第2の部材30の被測定対象物挟持面31に形成した凹部に嵌合してもよい。あるいは、図5に示すように、第1の部材20の被測定対象物挟持面21に形成した凹部25および第2の部材30の被測定対象物挟持面31に形成した凹部35にバスバー70が嵌合していてもよい。要は、第1の部材20の被測定対象物挟持面21および第2の部材30の被測定対象物挟持面31の少なくとも一方の面に形成した凹部にバスバー70が嵌合する構成であればよい。
・ホールIC(60,62)は、第1の部材20および第2の部材30に固定したが、第1の部材20または第2の部材30に固定してもよい。要は、ホールICは、第1の部材20および第2の部材30の少なくとも一方に固定され、バスバー70に流れる被測定電流の大きさに応じた信号を出力するものであればよい。
・回動規制部材50,51は、第2の部材30に形成した突起50a,51aと、第1の部材20に形成した係合部50b,51bとからなっていたが、第1の部材20に形成した突起と、第2の部材30に形成した係合部とからなっていてもよい。要は、回動規制部材50,51は、第1の部材20および第2の部材の一方に形成した突起と、他方に形成され第1の部材と第2の部材の間に被測定対象物を挟持した状態で突起に係合する係合部とからなるものであればよい。
・磁電変換素子(ホールIC)を実装した回路基板61,63は部材20,30にモールド(埋設)したが、これに代わり、部材20,30の表面に固定してもよい。
・磁電変換素子としてホールIC(ホール素子)を用いたが、これに代わり他の磁電変換素子、例えば磁気抵抗素子(GMR等)を用いてもよい。
・被測定対象物としてバスバー70を用いたが、これに限定されない。例えば、丸棒であってもよい。
20…第1の部材、21…被測定対象物挟持面、22…凹部、30…第2の部材、31…被測定対象物挟持面、40…連結部材、50…回動規制部材、50a…突起、50b…係合部、51…回動規制部材、51a…突起、51b…係合部、60…ホールIC、62…ホールIC、70…バスバー。

Claims (3)

  1. 被測定対象物挟持面を有する第1の部材と、
    被測定対象物挟持面を有し、当該被測定対象物挟持面が前記第1の部材の被測定対象物挟持面と対向する第2の部材と、
    前記第1の部材の端部と前記第2の部材の端部とを連結し、前記第1の部材と前記第2の部材とを回動可能に支持する連結部材と、
    前記第1の部材の被測定対象物挟持面および前記第2の部材の被測定対象物挟持面の少なくとも一方の面に形成した凹部に被測定対象物が嵌合して前記第1の部材と前記第2の部材の間に前記被測定対象物を挟持した状態で前記第1の部材と前記第2の部材の回動を規制する回動規制部材と、
    前記第1の部材および前記第2の部材の少なくとも一方に固定され、前記被測定対象物に流れる被測定電流の大きさに応じた信号を出力する磁電変換素子と、
    を備えたことを特徴とする電流センサ。
  2. 前記回動規制部材は、前記第1の部材および前記第2の部材の一方に形成した突起と、他方に形成され前記第1の部材と前記第2の部材の間に前記被測定対象物を挟持した状態で前記突起に係合する係合部とからなることを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記被測定対象物は、断面が長方形をなすバスバーであることを特徴とする請求項1または2に記載の電流センサ。
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