JP2013140764A - 超電導ケーブル、超電導ケーブル線路、超電導ケーブルの布設方法、及び超電導ケーブル線路の運転方法 - Google Patents

超電導ケーブル、超電導ケーブル線路、超電導ケーブルの布設方法、及び超電導ケーブル線路の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の超電導ケーブルに比べてより長距離の送電が可能な超電導ケーブル、そのケーブルで構築した線路、同ケーブルの布設方法、及び超電導ケーブル線路の運転方法を提供する。
【解決手段】超電導ケーブル1000は、超電導導体層と、この超電導導体層を超電導状態に冷却する冷媒の流路とを備える。このケーブル1000は、超電導導体層と絶縁層とを備えるコア110と、冷媒流路を構成すると共に、超電導導体層を冷却するようにコア110に並設される冷媒管130と、コア110及び冷媒管130の収納管150とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導ケーブル、超電導ケーブル線路、超電導ケーブルの布設方法、超電導ケーブル線路の運転方法に関する。特に、長距離、或いは超長距離の送電線路を構築することに好適な超電導ケーブルに関する。
一般に、超電導ケーブルは、フォーマの外周に超電導導体層及び絶縁層を形成したケーブルコアと、ケーブルコアを内部に収納するケーブル断熱管とを備え、ケーブルコアを液体窒素などの冷媒で極低温に冷却した状態で使用される(例えば、特許文献1参照)。
このような超電導ケーブルとして、図20に示すように、複数心のケーブルコア110を一つのケーブル断熱管120内に収納した超電導ケーブル100が知られている。
代表的なケーブルコア110は、中心から順に、フォーマ111、内側超電導導体層112、内部半導電層(図示せず)、ケーブル絶縁層113、外部半導電層(図示せず)、外側超電導導体層114、常電導層115、保護層116を有している。一方、ケーブル断熱管120は、内管121と外管122とを備え、両管121,122の間が真空引きされ、その真空空間にスーパーインシュレーションなどの断熱材123が配置されている。さらに、外管122の外周には防食層124が形成されている。各ケーブルコア110と断熱管120の間の空間は、冷媒の流路として利用される。
特開2011-28936号公報
しかし、上記の超電導ケーブルは、その製造上、構成上、布設上の以下に述べる理由により、長距離の線路を構築することが難しい。
(1)通常、超電導ケーブルは、コアを断熱管内に収納した状態でドラムに巻回して工場から出荷し、それを布設現場に搬送して布設している。そのため、超電導ケーブルの径が太く、搬送可能な最大サイズのドラムを用いても、一つのドラムに巻回できる超電導ケーブルの長さには制約がある。その上、コアと断熱管とを組み合わせた状態で工場から出荷する必要上、長尺の超電導ケーブルを製造することは困難である。
(2)長距離の線路を構築するには、線路の全長にわたって冷媒を円滑に流通させる必要がある。冷媒流路は内管とコアとの間の空間に形成されており、特に3心一括超電導ケーブルの場合、その断面形状が複雑である。その上、布設経路にはケーブルの屈曲箇所が存在し、内管内のコアの位置がケーブルの屈曲箇所近傍などでは内管の中心から偏るため、3心一括超電導ケーブルは勿論、単心超電導ケーブルであっても冷媒流路の断面形状はケーブルの長手方向で一様ではない。そのため、従来の超電導ケーブルの構成では、線路が長距離になるほど冷媒を円滑に流通させることが困難になる。
(3)断熱管はケーブルの布設現場で真空引きする必要がある。しかし、通常、200m程度の断熱管の真空引きには一ヶ月程度要するため、線路が長距離になれば、布設作業上、真空引きに要する手間や期間が大きな制約になる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、従来の超電導ケーブルに比べてより長距離の送電が可能な超電導ケーブルと、そのケーブルで構築した線路を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記本発明の超電導ケーブルの布設方法を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、上記本発明の超電導ケーブル線路の運転方法を提供することにある。
本発明者は、超電導ケーブルに用いられる冷媒を長距離にわたって円滑に流通させるために、冷媒流路の断面形状を同流路の長手方向にわたってできるだけ一様に構成することを検討した。その結果、断熱管とコアとの間の空間を冷媒流路として利用するのではなく、断熱管ともコアとも独立した冷媒流通用の管路を別途用いることを着想し、本発明を完成するに至った。本発明は、次に述べる構成の超電導ケーブルを基本構成とし、その超電導ケーブルの布設方法、超電導ケーブルを用いた線路、超電導ケーブル線路の運転方法を規定する。
〔超電導ケーブル〕
本発明の超電導ケーブルは、超電導導体層と、この超電導導体層を超電導状態に冷却する冷媒の流路とを備える。このケーブルは、上記超電導導体層と絶縁層とを備えるコアと、上記冷媒流路を構成すると共に、上記超電導導体層を冷却するようにコアに並設される冷媒管と、上記コア及び冷媒管の収納管とを備える。
この構成によれば、収納管とは独立した冷媒管をコアに並設することで、冷媒管の断面形状を選択することで冷媒流路の断面形状を決定することができる。そのため、冷媒管として、その長手方向にわたってほぼ一様な断面形状の管路を選択することで冷媒を円滑に流通させることができ、長尺の超電導ケーブルを構成することができる。
従来の超電導ケーブルでは、冷媒流路中にコアが配置されていたが、本発明の超電導ケーブルでは、基本的に冷媒流路をコアと独立させている。そのため、冷媒流路の単位区間長と関係なくコアの長さを決定でき、長尺のコアを製造することで、長尺の超電導ケーブルを得ることができる。この超電導ケーブルを製造する方法については後述する。なお、冷媒流路の単位区間長は、冷却ステーションから冷媒管に供給された冷媒が同じ冷却ステーション又は別の冷却ステーションに到達するまでの距離である。前者の場合、冷却単位長は、循環される冷媒流路の往復路となり、後者の場合、冷却単位長は、冷媒流路の往路又は復路となる。長尺の超電導ケーブルを利用して線路を構築すれば、冷媒流路の単位区間長も長くできるため、冷媒の冷却と圧送を行う冷却ステーションの数も線路全長の間で削減できる。
本発明の超電導ケーブルの一形態として、上記冷媒管は、上記コアの外周を取り囲むように複数本を撚り合わせてなることが挙げられる。
この構成によれば、複数本の冷媒管がコアを取り囲むことで、効率的にコアを冷却することができる。特に、複数の冷媒管をコアの外周に撚り合わせることで、コアの周方向及び長手方向の全域にわたって、ほぼ均等にコアを冷却することができる。その上、複数の冷媒管内の冷媒の状態を、コアの長手方向のいずれの断面においてもほぼ均一にすることができる。これは、冷媒管のコアに対する偏在を防ぐことができるからである。
本発明の超電導ケーブルの一形態として、前記複数の冷媒管に取り囲まれる前記コアが複数本であることが挙げられる。
この構成によれば、一つの収納管内に複数のコアを収納することで、超大容量の送電を確保したり、複数回線の送電を容易に実現することができる。それにより、一部の回線が不通になっても、他の回線で送電を確保したり、布設当初は一部のコアを利用して送電を行い、事後的に残部のコアの少なくとも一部を利用して容量増大を図ることができる。特に、複数のコアを複数の冷媒管で取り囲むことにより一括して冷却でき、複数のコア(複数回線)の冷却に用いる冷却ステーション(冷凍機やポンプを含む)を共用することができる。
本発明の超電導ケーブルの一形態として、前記コアと、そのコアの外周を取り囲むように撚り合された複数本の冷媒管との組合せを複合コアユニットとし、その複合コアユニットを前記収納管内に複数組備えることが挙げられる。
この構成によれば、一つの収納管内に複数の複合コアユニットを収納することで、超大容量の送電を確保したり、複数回線の送電を容易に実現することができる。それにより、一部の回線が不通になっても、他の回線で送電を確保したり、布設当初は一部のコアを利用して送電を行い、事後的に残部のコアの少なくとも一部を利用して容量増大を図ることができる。特に、複合コアユニット毎の単位で、そのユニットを構成するコア又はコア群を冷却できるため、いずれかのコア(コア群)の冷却ステーションに不備が生じても、他のコア(コア群)の冷却に支障が生じない。
本発明の超電導ケーブルの一形態として、前記コアと、そのコアの外周を取り囲むように撚り合された複数本の前記冷媒管との組合せを複合コアユニットとし、その複合コアユニットの外周を取り囲むように配される複数の追加冷媒管を備えることが挙げられる。
この構成によれば、複合コアユニットを構成する冷媒管に加え、さらに追加冷媒管を備えることで、より一層十分にコアを冷却することができる。そのため、超長距離の超電導ケーブル線路において、冷媒を冷却・循環させるための冷却ステーションの設置間隔が長くなっても、コアの全長にわたって十分な冷却ができる。特に、後述するように、収納管内を真空にせず断熱材を充填する場合でも、コアを十分に冷却することが可能である。また、複合コアユニットを構成するいずれかの冷媒管、又はいずれかの追加冷媒管に不備が生じても、他の追加冷媒管を用いてコアの冷却が可能であり、長距離であっても信頼性の高い超電導ケーブル線路を構築できる。その他、各追加冷媒管の冷媒の温度や流量を変えること、或いは冷媒が流通される追加冷媒管の数を変えることで、コアの冷却程度を調整しやすく、送電容量を調整することも可能である。
本発明の超電導ケーブルの一形態として、前記複数の冷媒管を、その撚り合わせ状態がずれないように結束する結束帯を備えることが挙げられる。
この構成によれば、結束帯により冷媒管の撚り合わせ状態が保持されるため、確実にコアを冷却することができる。
結束帯を備える本発明の超電導ケーブルの一形態として、前記複数の冷媒管はコアに対してSZ撚りされており、前記結束帯は、下記の少なくとも一つの結束構造を備えることが挙げられる。
(A)前記結束帯が、複数の冷媒管のうち、ある冷媒管C1の内周側から別の冷媒管C2の外周側を通り、さらに別の冷媒管C3の内周側に至る部分を有するように冷媒管を結束する結束構造。
(B)前記結束帯が、複数の冷媒管の外周を結束する主結束帯と、ある冷媒管C1の内周側から当該冷媒管C1とそれに隣接する冷媒管C2との間に跨る主結束帯の外周側に掛けられて、さらに前記冷媒管C2の内周側に至る部分を有する副結束帯とを備える結束構造。
(C)前記結束帯が、SZ撚りされた冷媒管の撚り方向が反転される反転部のうち、冷媒管が凸型に曲げられる凸型反転部と、この凸型反転部に隣接されて冷媒管が凹型に曲げられる凹型反転部とを、互いにコアの周方向の逆方向で、かつ各反転部における冷媒管の曲げの外側に捻るように結束する結束構造。
冷媒管がSZ撚りされている場合、複数の冷媒管は、S撚り部とZ撚り部とが反転部を介して交互に繰り返される撚り合わせ構造であるため、冷媒管の撚りが解け易く、この撚り解けに伴いコアが十分に冷却できない虞がある。上記(A)〜(C)の少なくとも一つの結束構造を備えることで、SZ撚りされた複数の冷媒管の撚り合せ状態のずれを抑制し、コアを確実に冷却することができる。
結束帯を備える本発明の超電導ケーブルの一形態として、さらに前記冷媒管を結束帯の外周側からコア側に押える押え巻きを備えることが挙げられる。
結束帯は、特に冷媒管がSZ撚りされている場合に、その撚り合わせ状態を保持することに寄与するが、SZ撚りの撚り合わせが解けなくても、冷媒管がコアから離れたり、複数の冷媒管の包絡円を設計円径及び設計形状に保持できないことがある。上記押え巻きを用いることで、これらの不具合を抑制することができる。
本発明の超電導ケーブルの一形態として、上記冷媒管は、ストレート管又はコルゲート管であることが挙げられる。
この構成によれば、冷媒管をストレート管にすることで、冷媒流路を全長にわたって一様な断面形状とすることができる。それに伴い、長手方向の断面形状が一様でない冷媒流路に比べ、長尺の超電導ケーブルであっても円滑に冷媒を流通させたり、より小さい出力のポンプで冷媒を流通させたりできる。一方、冷媒管をコルゲート管とすることで、その長手方向にわたってほぼ一様な断面形状を確保しながら、冷媒管に可撓性を持たせることができる。
本発明の超電導ケーブルの一形態として、上記コアは複数心を撚り合わせて構成され、この撚り合わせは冷却時の各心のコアの収縮分を吸収できるように弛みが設けられていることが挙げられる。
この構成によれば、複数心のコアが弛みをもって撚り合されていることで、コアを冷却した際の収縮分を弛みのある撚りが締まることで吸収することができ、超電導ケーブルに過度の張力が作用することを回避できる。
本発明の超電導ケーブルの一形態として、上記収納管の内部が真空に形成されていることが挙げられる。
この構成によれば、収納管内を真空に構成することで、冷媒管及びコアを収納管の外部から効果的に断熱することができる。
本発明の超電導ケーブルの一形態として、上記冷媒管の内部に充填される断熱材を備えることが挙げられる。
この構成によれば、収納管内に断熱材を充填することで、収納管内を真空引きする必要がなく、布設作業性に優れた超電導ケーブルとすることができる。
本発明の超電導ケーブルの一形態として、上記コアを収納し、上記複数の冷媒管の内側に配置される内側収納管を備えることが挙げられる。
この構成によれば、内側収納管により、その内部に収納されるコアを機械的に保護できる。特に、内側収納管の断面を円形とすることで、3心を撚り合わせたコアの場合であっても、円筒面を有する内側収納管の外側に冷媒管を配置できるため、冷媒管の配置が行い易い。
上記内側収納管を備える本発明の超電導ケーブルの一形態として、上記内側収納管は、その内側収納管と上記コアとの間の空間に充填される補助冷媒の流路を形成することが挙げられる。
この構成によれば、内側収納管内に補助冷媒を充填させることで、直接コアを冷媒と接触させ、より効率的にコアを冷却することができると共に、コアの絶縁特性を向上できる。この形態の超電導ケーブルでは、冷媒管内を流れる冷媒を用いて内側収納管内の補助冷媒を冷却し、その補助冷媒を介してコアを冷却できる。つまり、コアの冷却は、基本的に冷媒管内の冷媒により行われるため、補助冷媒は、冷媒管内の冷媒よりも少量でもよく、冷媒管内の冷媒よりも遅い流速でも構わない。特に、コアの冷却状態を監視できる程度に少量の補助冷媒を流通させることでもよい。従って、超電導ケーブルが長尺であっても、通常、補助冷媒を流通させるための負荷は小さい。特に、直流超電導ケーブルのように、コアでの発熱が実質的にない場合などは、補助冷媒は流通していなくてもよい場合がある。或いは、冷媒管での冷媒の循環に関して様々な不測の事態が生じてコアの冷却能力を上げる必要がある場合は、それに応じて補助冷媒の流量を上げてもよい。
本発明の超電導ケーブルの一形態として、直流送電用であることが挙げられる。
直流送電用のケーブルであれば、送電に伴う発熱がコアに実質的に生じないため、コアが直接冷媒に浸漬されない構成であっても、コア外部の冷媒管内を流れる冷媒によって、効果的にコアを冷却することができる。そのため、本発明の超電導ケーブルは、直流送電用途に特に好適である。勿論、本発明の超電導ケーブルは、交流送電用に利用することもできる。その場合、交流損失に伴う発熱分も十分に冷却できるよう、冷媒の流速を早くする、或いは冷媒管の断面積を大きくするなどして、単位時間当たりの冷媒流量を多くしたり、冷媒管とコアとの接触箇所に高熱伝導性の材料を介在したり、冷媒管の断面形状をコアの外周面に面接触するような形状としたりすることが好ましい。
〔超電導ケーブルの布設方法〕
本発明の超電導ケーブルの布設方法は、以下の工程を備えることを特徴とする。
ドラム準備工程:超電導導体層と絶縁層とを備えるコア、又は1本以上のコアを収納する内側収納管を巻回した第一ドラムと、上記超電導導体層を冷却する冷媒の流路を構成する冷媒管を巻回した第二ドラムとを用意する。
撚り合わせ工程:上記第一ドラムからコア又は内側収納管を繰り出し、上記第二ドラムから冷媒管を繰り出し、これらを集束して、上記コア又は内側収納管の外周に上記冷媒管を撚り合わせる。
収納管布設工程:収納管を布設経路に布設する。
引き込み工程:撚り合されたコアと冷媒管との複合コアユニットを、布設経路に布設された上記収納管に引き込んで収納する。
この方法によれば、コアと収納管とを別々に用意して、布設現場で組み合わせることができる。そのため、工場からコアと収納管を別々の状態で出荷すればよく、両者を独立して製造できることから長尺の超電導ケーブル線路を構築し易い。コアが複数心ある場合、複数心のコアの撚合体又は内側収納管の外周に冷媒管を撚り合わせれば良い。複数心のコアを備える場合であっても、各コアごとにドラムに巻回して工場から布設現場に搬送したり、予め工場で撚り合わせた複数心のコアを布設現場に搬送することができ、3心一括超電導ケーブルに比べれば、一つのドラムでより長尺のコアを布設現場に搬送できる。さらに、工場でコアを撚り合わせなくてもよく、布設現場でコアを撚り合わせることができるため、工場で長尺の1心のコアを作製し、これを適宜な長さに切断して複数心のコアとしてから布設現場に搬送したり、工場で作製した1心の長尺のコアを布設現場まで搬送し、布設現場で所定の長さに切断して複数心のコアを得ることも可能となる。
本発明の超電導ケーブルの布設方法の一形態として、上記収納管の設置側となる内周面に、後に複合コアユニットを引き込んだ際に、上記複合コアユニットを収納管と実質的に同軸に支持する部分断熱層を設けておき、上記収納管に複合コアユニットを収納した後、上記収納管内の残部の空間に断熱材を充填する工程を備えることが挙げられる。
この方法によれば、収納管とその内部に収納する複合コアユニットとの軸合わせを容易に行うことができる。収納管を布設経路に布設する際、収納管の上下は決められる。そのため、収納管の内周面における周方向の一部に部分断熱層を設けておき、その部分断熱層の設けられた側が下方となるように収納管を布設すればよい。この部分断熱層の厚さは、その部分断熱層の上に複合コアユニットを載せた際、複合コアユニットの中心が収納管の中心となるような厚さを選択しておけば良い。或いは、超電導ケーブルの断熱効果を示す熱抵抗が、収納管内でラジアル方向に均等になる熱抵抗の中心位置を求めて、その位置に複合コアユニットの中心が配置されるように当該断熱層の厚さを決めればよい。このような部分断熱層の上に複合コアユニットを引き込むことで、収納管と複合コアユニットとを容易に軸合わせすることができる。その後、収納管と複合コアユニットとの残部の空間に断熱材を充填することで、複合コアユニットを収納管に軸合わせした状態で、複合コアユニットの全周にわたって断熱性を均等に確保することができる。
〔超電導ケーブル線路〕
本発明の超電導ケーブル線路は、上述した本発明の超電導ケーブルを備え、さらに以下の少なくとも一つの構成を備える。
《区分機構》
この超電導ケーブル線路は、超電導ケーブルの途中に区分機構を備える。この区分機構は、仕切部材と、一方引出部と、他方引出部と、連結冷媒管とを備える。仕切部材は、上記収納管の内部を、その長手方向の一方の空間と他方の空間に仕切る。一方引出部は、一方の空間内の冷媒管を収納管の外部に引き出す。他方引出部は、他方の空間内の冷媒管を収納管の外部に引き出す。連結冷媒管は、両引出部をつなぐ。
この構成によれば、超電導ケーブル線路の構築後、冷媒管に冷媒を初期導入する際、この区分機構を介して仕切られた空間内の冷媒管の各々に冷媒を供給することができる。例えば、区分機構の連結冷媒管を両引出部から取り外しておく。その状態で、各引出部から一方の空間と他方の空間内に配置された冷媒管の各々に冷媒を供給する。冷媒管内に冷媒が充填できれば、両引出部に連結冷媒管を取り付けて、両引出部を連通させる。それにより、一方の空間内の連通管と他方の空間内の連通管とで構成される一連の冷媒管に冷媒を流通させることができる。
このような区分機構を用いれば、一方の空間内の冷媒管と他方の空間内の冷媒管との合計で一連の冷媒流通区間とした場合、この冷媒流通区間の途中から冷媒を導入できることになる。この区分機構から冷媒の導入を開始すれば、区分機構に近接する側から冷却が始まり、区分機構から離隔する側ほど冷却が遅れて開始される。つまり、区分機構を用いれば、上記冷媒流通区間の一端側から他端側に向かって冷媒を導入する場合に比べて、冷媒導入側の端部からその反対側の端部までの冷媒流路が短いため、冷媒導入側の超電導ケーブルに作用する収縮応力の積算を緩和することができる。よって、超電導ケーブルに過度の張力が作用することを回避できる。特に、この冷媒流通区間の中間に区分機構を設ければ、区分機構を境とする両空間内の冷媒管が同じ長さとなり、各空間内の冷媒管の収縮度合いの相違を一層小さく且つ均等にし易い。従って、単心コアの超電導ケーブルを採用し、その冷却による収縮を、超電導ケーブル線路両端に設置される両端末を可動式にして吸収する場合には、単心コアの収縮を吸収する両端末の可動量をほぼ均一にできるので好ましい。
しかも、各冷媒管は、長手方向にわたってほぼ一様な断面形状のものが選択できるため、冷却に伴い冷媒管に収縮が生じても、一方の空間内の冷媒管と他方の空間内の冷媒管とで収縮の度合いに違いが生じ難い。この収縮の度合いの生じ難さは、超電導ケーブルの布設経路に屈曲箇所があり、その存在箇所や屈曲形態が区分機構を境とする両側で異なる場合でも、冷媒流路の断面形状が収納管内でのコアの配置に依存しないため、従来の超電導ケーブル線路に比べれば、十分優位であるといえる。
上記区分機構を備える本発明の超電導ケーブル線路の一形態として、上記収納管の内部が真空に形成された形態が挙げられる。この形態は、上記収納管の外部から一方の空間に連通する一方排気管と、上記収納管の外部から他方の空間に連通する他方排気管と、両排気管をつなぐ連通管とを備える。
この構成によれば、区分機構から収納管の内部を真空引きすることができる。例えば、区分機構の連通管を両排気管から取り外しておく。その状態で、各排気管から一方の空間と他方の空間内を真空引きする。各空間内が真空引きできれば、両排気管に連通管を取り付けて、両排気管を連通させる。それにより、一方の空間内と他方の空間内とが連通された一連の真空空間を形成することができる。
この場合、一方の空間と他方の空間との合計で一連の真空区間とした場合、この真空区間の途中から真空引きできることになる。つまり、区分機構を用いれば、上記真空区間の全長をいずれかの端部から真空引きする場合に比べて、仕切り板を境とする各空間ごとの真空引きが可能なため、より小型の真空ポンプを利用したり、より短期間で真空引きを行うことができる。また、異常事態発生時に、その位置を特定したり、異常を修復したりすることにも、超電導ケーブル線路を区分できることは好ましいことである。
《冷却ステーション:個別往復路》
この超電導ケーブル線路は、本発明の超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える。上記超電導ケーブルが備える冷媒管は、冷媒往路となる冷媒管αgと、この冷媒管αgに並列されて冷媒復路となる冷媒管αrと、別の冷媒往路となる冷媒管βgと、この冷媒管βgに並列されて別の冷媒復路となる冷媒管βrとを有する。上記冷却ステーションは、冷媒管αg及び冷媒管αrの両端部につながる冷却ステーションA1、A2と、冷媒管βg及び冷媒管βrの両端部につながる冷却ステーションB1、B2とを備える。そして、上記冷媒管αg、αrの配置区間と、冷媒管βg、βrの配置区間とが超電導ケーブルの長手方向にずれるように、冷却ステーションA1、A2及び冷却ステーションB1、B2が設けられている。
この構成によれば、コアと冷媒管とが独立して並列されているため、終端接続部間のコアの長さや、中間接続部間のコアの長さに関係なく、冷媒管の配置区間を決定することができる。また、往路を構成する冷媒管αgと復路を構成する冷媒管αrへの冷媒の供給とを個別の冷却ステーションにより行い、往路を構成する冷媒管βgと復路を構成する冷媒管βrへの冷媒の供給についても同様とすることで、冷却ステーションA1、A2間及び冷却ステーションB1、B2間の距離を長距離としやすい。特に、冷媒管αg、αrの配置区間と、冷媒管βg、βrの配置区間とが超電導ケーブルの長手方向にずれるように、冷却ステーションA1、A2及び冷却ステーションB1、B2を設けることで、一部の冷却ステーションが動作不能となった場合でも、残りの冷却ステーションを利用して、コアの全長にわたる冷却を行うことができる。この点については、超電導ケーブル線路の運転方法として後述する。なお、冷媒管αg、αr、βg、βrの各々は、少なくとも一つあればよく、単数でも複数でも構わない。
《冷却ステーション:一連往復路》
この超電導ケーブル線路は、本発明の超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える。上記超電導ケーブルが備える冷媒管は、上記収納管内で一連の往復流路を形成する冷媒管αgrと、上記収納管内で別の一連の往復流路を形成する冷媒管βgrとを有する。上記冷却ステーションは、上記冷媒管αgrにおける冷媒の供給端と復帰端とにつながる冷却ステーションX1と、上記冷媒管βgrにおける冷媒の供給端と復帰端とにつながる冷却ステーションY1とを備える。そして、上記冷媒管αgrの配置区間と、冷媒管βgrの配置区間とが超電導ケーブルの長手方向にずれるように、冷却ステーションX1、Y1が設けられている。
この構成によれば、コアと冷媒管とが独立して並列されているため、終端接続部間のコアの長さや、中間接続部間のコアの長さに関係なく、冷媒管の配置区間を決定することができる。また、冷媒管αgrと冷媒管βgrとは、一連の往復流路を形成するため、冷媒を送るポンプ1台で一連の往復流路を流れる冷媒量を常時自動的に均一に保つことが可能になり、ポンプの台数を減らしつつ冷媒の流通制御を容易にすることができる。特に、αgrの配置区間と冷媒管βgrの配置区間とが超電導ケーブルの長手方向にずれるように、冷却ステーションX1、Y1、一部の冷却ステーションが動作不能となった場合でも、残りの冷却ステーションを利用して、コアの全長にわたる冷却を行うことができる。この点については、超電導ケーブル線路の運転方法として後述する。なお、冷媒管αgr、βgrの各々は、少なくとも一つあればよく、単数でも複数でも構わない。
《電力取出部》
この超電導ケーブル線路は、本発明の超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える。その超電導ケーブルの超電導導体層は、上記絶縁層の内側に配置される内側導体層と、上記絶縁層の外側に配置される外側導体層とを備える。さらに、上記超電導ケーブルの途中に、上記冷却ステーションに電力を供給する電力取出部を備える。この電力取出部は、超電導内側引出導体と、超電導外側引出導体と、端子ボックスと、一方の常電導リードと、他方の常電導リードとを備える。超電導内側引出導体は、上記コアから引き出された内側導体層につながる。超電導外側引出導体は、上記コアから引き出された外側導体層につながる。端子ボックスは、これら両引出導体を冷却する冷媒が充填される。一方の常電導リードは、上記超電導内側引出導体につながって、上記端子ボックスから常温側に電路を形成する。他方の常電導リードは、上記超電導外側引出導体につながって、上記端子ボックスから常温側に電路を形成する。上記冷却ステーションは、上記超電導ケーブルから両常電導リードを介した電力供給により冷媒を冷却し、各冷媒管に冷媒を供給するように構成されている。
この構成によれば、電力取出部を介して、コアに送電される電力の一部を収納管の外部に取り出すことで、その取り出した電力を冷却ステーションなどの超電導ケーブル線路を構成する付属機器を駆動するために利用することができる。特に、超電導ケーブル線路が砂漠や荒野などに布設され、冷却ステーションの駆動電力を超電導ケーブル線路の近くから供給できない場合であっても、上記付属機器の駆動が可能である。
《補助冷媒用冷却ステーション》
この超電導ケーブル線路は、上述の補助冷媒が流通される内側収納管を備える本発明の超電導ケーブルを有する。さらに、この線路は、上記内側収納管の内部に充填される補助冷媒を、上記冷媒管の内部を流れる冷媒よりも遅く流通させる補助冷媒用冷却ステーションを備える。この補助冷媒用冷却ステーションは、冷媒管に冷媒(主冷媒)を供給する冷却ステーション(主冷却ステーション)と兼用してもよい。
この構成によれば、補助冷媒用冷却ステーションにより、内側収納管内に補助冷媒を流通させることで、効率的にコアを冷却することができる。その補助冷媒用冷却ステーションは、上記冷媒管の内部を流れる冷媒よりも遅く補助冷媒を流通できればよいため、上記冷媒を流通させるための冷却ステーションよりも小規模なものとすることができる。また、補助冷媒用冷却ステーションの間隔を、(主)冷媒を流通させる(主)冷却ステーションの間隔より長くできる。
《冷却調整用断熱材:平坦布設型》
この超電導ケーブル線路は、本発明の超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える。この超電導ケーブルが備える上記冷媒管は、冷媒往路となる冷媒管αgと、この冷媒管αgに並列されて冷媒復路となる冷媒管αrとを有する。上記冷却ステーションは、冷媒管αg及び冷媒管αrの両端部につながる冷却ステーションA1、A2を有する。そして、上記冷媒管αgのうち冷却ステーションA1につながる冷媒の供給端側と、上記冷媒管αrのうち冷却ステーションA2につながる冷媒の供給端側との各々に、各冷媒管αg、αrを覆う冷却調整断熱材を備える。
この構成によれば、冷媒管に冷媒を導入する際、超電導ケーブルの全長にわたってほぼ均一に冷却を行うことができる。超電導ケーブルの冷却は、既述したように、冷媒の導入側から始まり、その導入側から離隔するほど遅れる。冷媒管αg、αrのうち、この冷媒の導入側に相当する箇所に冷却調整断熱材を設けることで、冷媒の導入側の冷却を緩和し、当該導入側とその反対側との冷却程度を均一化することができる。すなわち、端末機器からの応力の影響を受けるケーブル端末から冷却を開始するより、ケーブルの中央部から冷却を開始して、冷却が進むにつれて徐々に中央部から端末部に冷却収縮応力を発生させてゆく方が、ケーブルの冷却による収縮応力の一様性とそれによるケーブルの健全性の確保のためには好ましいことである。この超電導ケーブル線路は、布設経路がほぼ平坦な場合に好適に利用できる。
《冷却調整用断熱材:傾斜布設型》
この超電導ケーブル線路は、本発明の超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える。この超電導ケーブルが備える上記冷媒管は、冷媒往路となる冷媒管αgと、この冷媒管αgに並列されて冷媒復路となる冷媒管αrとを有する。上記冷却ステーションは、冷媒管αg及び冷媒管αrの両端部につながると共に、低位置に配置される冷却ステーションA1と、高位置に配置される冷却ステーションA2とを有する。そして、上記冷媒管αgのうち低位置の冷却ステーションA1につながる冷媒の供給端側と、上記冷媒管αrのうち低位置の冷却ステーションA1につながる冷媒の復帰端側との各々に、各冷媒管αg、αrを覆う冷却調整断熱材を備える。
この構成によれば、超電導ケーブルの布設経路に高低差があり、一方の冷却ステーションが低位置に、他方の冷却ステーションが高位置に設置されている場合であっても、冷媒管に冷媒を導入する際、超電導ケーブルの全長にわたって冷却収縮応力をほぼ均一に制御することができる。両冷却ステーションの設置箇所に高低差がある場合、重力がケーブルに及ぶので、重力による応力と初期冷却で発生する冷却収縮応力が合算されてケーブルの下部方向への応力が大きくなり、甚だしくはケーブル又はケーブルコアが低位置側に移動することになる。この構成により、ケーブルの高位置側から初期冷却を早く進行させれば、重力による応力の加算に伴う下部方向への応力集中を緩和させることが可能になる。つまり、高低差のある布設経路に布設される超電導ケーブルの初期冷却によって発生する応力を制御して、ケーブル全長における冷却応力の一様性をより良く達成する道が開けることになる。
《スラッシュ窒素》
この超電導ケーブル線路は、本発明の超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える。上記超電導ケーブルは、上記本発明の超電導ケーブルであり、上記冷媒管に流通される冷媒がスラッシュ窒素である。
冷媒にスラッシュ窒素を用いることで、より冷却区間長を長くしたり、通電容量を増加させることができる。
《冷却判定手段》
この超電導ケーブル線路は、本発明の超電導ケーブルを備え、さらに信号送出手段、信号受信手段及び冷却判定手段を備える。信号送出手段は、超電導ケーブル線路の一端側から上記超電導導体層に電気信号を入力させる。信号受信手段は、超電導ケーブルの他端側でその出力信号を受信する。冷却判定手段は、上記信号受信手段で受信された出力信号の状態により、上記超電導導体層が上記線路の全長にわたって超電導状態になる温度にまで到達したか否かを判定する。
超電導導体層は、一般に、十分に冷却されていなければ、電気抵抗が大きくほぼ絶縁体であり、十分に冷却されると、実質的に抵抗が零の超電導状態になる。そのため、この超電導導体層に電気信号を入力した際、超電導ケーブル線路の全長にわたって超電導導体層の冷却が十分にできていなければ、出力信号を線路の他端側で検出することができない。一方、線路の全長にわたって超電導導体層の冷却が十分にできれば、出力信号を線路の他端側で検出することができる。そのため、冷却判定手段を用いることで、例えば出力信号のレベル(出力信号の受信の有無)により超電導導体層が上記線路の全長にわたって超電導状態になる温度にまで到達したか否かを判定することができる。特に、長距離の超電導ケーブル線路の場合、その全長にわたって超電導導体層の冷却が十分に行われているか否かを確実に検知することは、極めて重要である。
《事故点特定手段》
この超電導ケーブル線路は、本発明の超電導ケーブル及び上記信号送出手段を備え、さらに反射信号受信手段と事故点特定手段とを備える。この超電導ケーブル線路の途中において、超電導導体層の冷却が局所的に不十分な箇所を事故点とする。反射信号受信手段は、上記事故点における上記電気信号の反射信号を超電導ケーブル線路の一端側で受信する。事故点特定手段は、上記電気信号及び反射信号の伝送速度と、上記信号送出手段で電気信号を入力してから上記反射信号受信手段で反射信号を受信するまでの時間とから事故点の位置を演算する。
超電導ケーブル線路の途中に事故点が存在する場合、その事故点では超電導導体層が超電導状態にならず、抵抗を有するほぼ絶縁体になっている。そのため、この事故点はインピーダンスの不整合箇所とみることができ、線路の一端側から入力した電気信号は事故点で反射され、当該電気信号の入力端である線路の一端側に反射信号として伝達される。この反射信号を反射信号受信手段で受信し、上記信号送出手段で電気信号を入力してから上記反射信号受信手段で反射信号を受信するまでの時間を計測すれば、上記電気信号及び反射信号の伝送速度は既知であることから、事故点の位置を演算することができる。特に、長距離の超電導ケーブル線路の場合、事故点がどこに存在するかを確実に検知することは、極めて重要である。
〔超電導ケーブル線路の運転方法〕
本発明の超電導ケーブル線路の運転方法は、上記「冷却ステーション:個別往復路」又は「冷却ステーション:一連往復路」のいずれかの構成の超電導ケーブル線路を運転する方法である。その各々は次の通りである。
《個別往復路》
この超電導ケーブル線路の運転方法は、「冷却ステーション:個別往復路」の構成の超電導ケーブル線路を運転する方法である。この超電導ケーブル線路は、冷却ステーションA1、A2及び冷媒管αg、αrの冷却区間と、冷却ステーションB1、B2及び冷媒管βg、βrの冷却区間の各々が超電導ケーブルの長手方向に複数組設けられている。上記冷却ステーションA1、A2及び冷却ステーションB1、B2のいずれかが動作不能の場合、その動作不能な冷却ステーションに対応する冷却区間を、動作可能な冷却ステーションであって、互いに隣接する冷却区間の冷却を分担する複数の冷却ステーションを用いて冷却する。
この運転方法によれば、冷媒管αg、αrの配置区間と、冷媒管βg、βrの配置区間とが超電導ケーブルの長手方向にずれるように、冷却ステーションA1、A2及び冷却ステーションB1、B2が設けられているため、一部の冷却ステーションが動作不能となっても、その動作不能な冷却ステーションに対応する冷却区間(冷却不能区間)は、他の動作可能な冷却ステーションの冷却区間と重複している。そのため、この動作可能な冷却ステーションを用いることで、冷却不能区間を冷却することができる。よって、一部の冷却ステーションが動作不能になっても超電導ケーブル線路の全長を冷却することができ、より信頼性の高い線路とすることができる。ここで、補助冷媒が流通される内側収納管を備える本発明の超電導ケーブルの場合には、上述のように一部の冷却ステーションの動作が不能になった場合には、この冷却不能区間の冷却を、補助冷媒の流通量を増加させることで対応することも有効である。
《一連往復路》
この超電導ケーブル線路の運転方法は、「冷却ステーション:一連往復路」の構成の超電導ケーブル線路を運転する方法である。この超電導ケーブル線路は、上記冷却ステーションX1及び複数又は単数の冷媒管αgrの冷却区間と、冷却ステーションY1及び複数又は単数の冷媒管βgrの冷却区間の各々が超電導ケーブルの長手方向に複数組設けられている。冷却ステーションX1及び冷却ステーションY1のいずれかが動作不能の場合、その動作不能な冷却ステーションに対応する冷却区間を、動作可能な冷却ステーションであって、互いに隣接する冷却区間の冷却を分担する複数の冷却ステーションを用いて冷却する。
この運転方法によれば、冷媒管αgrの配置区間と、冷媒管βgrの配置区間とが超電導ケーブルの長手方向にずれるように、冷却ステーションX1、Y1が設けられているため、一部の冷却ステーションが動作不能となっても、その動作不能な冷却ステーションに対応する冷却区間(冷却不能区間)は、他の動作可能な冷却ステーションの冷却区間と重複している。そのため、この動作可能な冷却ステーションを用いることで、冷却不能区間を冷却することができる。よって、一部の冷却ステーションが動作不能になっても超電導ケーブル線路の全長を冷却することができ、より信頼性の高い線路とすることができる。ここで、補助冷媒が流通される内側収納管を備える本発明の超電導ケーブルの場合には、上述のように一部の冷却ステーションの動作が不能になった場合には、この冷却不能区間の冷却を、補助冷媒の流通量を増加させることで対応することも有効である。
本発明の超電導ケーブルは、コアと冷媒管とを独立させることで、長距離にわたる冷媒の流通を円滑にすることができる。また、コアと冷媒管とを独立させることで、コア及び冷媒管の製造を容易にし、その各々の製造単位長を長くすることによって、製造コストを大きく低減することができる。
本発明の超電導ケーブル線路は、本発明の超電導ケーブルを用いることで、長距離の送電線路を構築することができる。
本発明の超電導ケーブルの布設方法は、本発明の超電導ケーブルを容易に布設することができる。
本発明の超電導ケーブルの運転方法は、一部の冷却ステーションが動作不能であっても、残部の冷却ステーションを利用することで超電導ケーブルの全長にわたる十分な冷却を維持することができる。
(A)は実施形態1に係る本発明超電導ケーブルの基本構成を示す断面図、(B)は概略斜視図である。 (A)は実施形態1の超電導ケーブルのコアの部分断面図、(B)は同ケーブルの冷却ゾーンの説明図である。 収納管内を真空にした実施形態1の本発明超電導ケーブルを示し、(A)は冷媒管が4心の場合の断面図、(B)は冷媒管が3心の場合の断面図である。 収納管内に断熱材を充填した実施形態1の本発明超電導ケーブルを示し、(A)は冷媒管が4心の場合の断面図、(B)は冷媒管が3心の場合の断面図である。 実施形態3に係る本発明の超電導ケーブルの布設方法の説明図で、(A)は平面説明図、(B)は正面説明図である。 実施形態4に係る本発明の超電導ケーブル線路の概略構成図である。 実施形態5に係る本発明の超電導ケーブル線路の概略構成図である。 実施形態6に係る本発明の超電導ケーブル線路の区分機構を示す概略構成図である。 実施形態7に係る本発明の超電導ケーブル線路の電力取出部を示す概略構成図である。 実施形態8に係る本発明の超電導ケーブル線路の概略構成図である。 実施形態9に係る本発明の超電導ケーブル線路の概略構成図である。 実施形態10に係る本発明の超電導ケーブル線路の概略構成図である。 実施形態11に係る本発明の超電導ケーブル線路の概略構成図である。 実施形態12に係る本発明の超電導ケーブル線路の概略構成図である。 実施形態13に係る本発明の超電導ケーブル線路の概略構成図である。 (A)は実施形態14に係る本発明の超電導ケーブル線路の概略構成図、(B)はその変形例の概略構成図である。 実施形態15に係る本発明の超電導ケーブル線路の概略構成図である。 実施形態16及び実施形態17に係る本発明の超電導ケーブル線路における結束帯の取付状態説明図である。 実施形態18に係る本発明の超電導ケーブル線路における結束帯の取付状態説明図である。 従来の超電導ケーブルの構成を示す斜視図である。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態を説明する。まず、本発明の超電導ケーブルについて説明し、順次、同ケーブルの布設方法、同ケーブルを用いた線路を説明する。各図において、同一符号は、同一部材又は相当部材を示している。
〔実施形態1:超電導ケーブル〕
{概要}
本発明の超電導ケーブルの基本構成を図1、図2に基づいて説明し、変形例を図3、図4に基づいて説明する。この超電導ケーブル1000は、複合コアユニット100cと、同ユニット100cを収納する収納管150とを備える。複合コアユニット100cは、コア110と冷媒管130とを組み合わせたもので、必要に応じて内側収納管170も含む。コア110の冷却は冷媒管130内を流れる冷媒130cにより行う。このケーブル1000のより具体的な構成を以下に説明する。
{構成}
(コア)
コア110は、図2(A)に示すように、その内側から順にフォーマ111、内側超電導導体層112、絶縁層113、外側超電導導体層114及び保護層116を備える。このうち、内側超電導導体層112と外側超電導導体層114が超電導導体層を構成している。
《フォーマ》
フォーマ111は、次述する内側超電導導体層112を保形すると共に、異常電流の分流路として機能する。フォーマ111は、複数の素線を撚り合わせた撚り線構造のものや、金属パイプやスパイラル帯を用いた中空構造のものがある。前者の場合、特に交流用途の場合には素線には絶縁被覆を有する銅線などの被覆金属線が好適に利用できるが、特に直流用途の場合には裸の銅線などの金属線も利用できる。後者の場合、ステンレス管やアルミニウム(合金)管などが好適に利用でき、その内部を冷媒の流路とすることもできる。アルミニウム(合金)管の場合、可撓性に優れるため、ストレートパイプの利用も期待される。フォーマ111は、異常電流の分流路として利用されることがあるが、その異常電流が小さい場合は絶縁材料をフォーマ111に適用する場合がある。本例では、被覆又は非被覆(裸)金属線を撚り合わせた撚り線構造のフォーマ111を示している。フォーマ111と内側超電導導体層112の間にクッション層(図示せず)を設けても良い。
《内側超電導導体層》
内側超電導導体層112は、送電路を構成する。内側超電導導体層112としては、例えば、酸化物超電導体を備えるテープ状線材が好適に利用できる。テープ状線材は、例えば、Bi2223系超電導テープ線や、RE123系薄膜線材が利用できる。Bi2223系超電導テープ線としては、Ag−MnやAgなどの安定化金属中にBi2223系酸化物超電導体からなるフィラメントが配されたシース線が挙げられる。RE123系薄膜線材としては、金属基板にY、Ho、Nd、Sm、Gdなどの希土類元素REの酸化物超電導相が成膜された積層線材が挙げられる。内側超電導導体層112は、上記テープ状線材を螺旋状に巻回して形成した単層構造、又は多層構造のものが挙げられる。図1、2では簡略化して示しているが、多層構造の内側超電導導体層112としている。
《絶縁層》
絶縁層113は、内側超電導導体層112での使用電圧に対して要求される絶縁を確保するための層である。この絶縁層113には、常電導ケーブルで実績があり電気絶縁強度に優れる材料、例えば絶縁紙とプラスチック層との複合テープや、クラフト紙が好適に利用できる。複合テープとしては、PPLP(住友電気工業株式会社の登録商標)が挙げられる。このような積層テープ絶縁の場合には、その隙間を絶縁性液体で含浸されてなる複合絶縁体を用いることができる。その場合の絶縁性液体の具体例としては、冷媒と兼用される液体窒素が挙げられる。液体窒素は、内側収納管170(図1)内に充填することでコア110に含浸されて、絶縁層113を絶縁性液体とテープ材の複合絶縁体とする。コア110が冷媒130cに含浸されない場合、絶縁層113には絶縁性液体が不要のCVケーブルなどで実績がある架橋ポリエチレンの押出層などが利用できる。コア110が補助冷媒に浸漬される場合、上記複合テープやクラフト紙などの絶縁紙が絶縁層に好適に利用できる。この絶縁層113と内側超電導導体層112との間及び絶縁層113と外側超電導導体層114との間には、一般に、安定した電気特性を得るのに有効な半導電層(図示せず)が設けられる。
《外側超電導導体層》
外側超電導導体層114は、直流ケーブルの場合、単極送電では、内側超電導導体層112と外側超電導導体層114とで電流の往路と帰路を構成する往路導体層又は帰路導体層として利用できる。双極送電では、例えば2条の超電導ケーブルを用い、各超電導ケーブルの各内側超電導導体層112を往路導体層及び帰路導体層とし、各外側超電導導体層114を中性線として利用できる。交流ケーブルの場合、外側超電導導体層は、磁気シールドとして利用できる。この外側超電導導体層114も内側超電導導体層112と同様の超電導線材により構成される。外側超電導導体層114は、通常設けられるが必須ではなく、必要に応じて設ければ良い。
特に、直流送電において、内側超電導導体層を電流の往路、外側超電導導体層を電流の帰路とする場合、各導体層の断面積から決まる通電容量を両導体層で同等として、往路電流と同等の帰路電流を外側超電導導体層に流すようにすることが重要である。
帰路導体を別のケーブルで構成したり、帰路導体を用いず、大地を通して帰路電流を電源側に戻した場合、往路電流による磁界と帰路電流による磁界が打ち消し合わない空間を生じるため、超電導ケーブルにインダクタンスLLを生じてしまう。このインダクタンスLLは、超電導ケーブルの長さに比例して大きくなり、長尺な超電導ケーブルの場合、巨大なインダクタンスLLとなる。通電電流iが変化すると、このインダクタンスLLと通電電流の単位時間当たりの変化率(di/dt)との積により求められる過渡電圧Δvがケーブルに生じる(次式参照)。
Δv=LL(di/dt)
この過渡電圧Δvの値によっては、機器の損傷を生じたり、継続して必要な電流まで変化させる制御ができなくなる虞がある。
その点、絶縁層の外側で電位が零の箇所に密着して外側超電導導体層を配置し、その通電容量(断面積)を内側超電導導体層の通電容量(断面積)と同等とした外側超電導導体層を帰路導体として利用すれば、超電導ケーブルの外側に直流磁界が実質的に生じないようにすることができる。これは、内側超電導導体層と外側超電導導体層に180°位相が異なった同量の電流が流れることにより、逆方向で同強度の磁界同士が相殺し合うからである。それに伴い、ケーブルのインダクタンスLLを実質的に零にすることが可能となり、誘導による過渡電圧Δvも実質的に零にすることができる。よって、超電導ケーブルの回路のスイッチをオン・オフしたり、通電電流を変化させるような送電の過渡状態の制御も十分容易に行うことができる。
《保護層》
保護層116は、外側超電導導体層114の外周を覆い、外側超電導導体層114を保護すると共に、収納管150との絶縁を確保する。この保護層116は、クラフト紙などを巻回することで形成できる。この保護層116の内側に、図20の超電導ケーブルと同様に、常電導層(図示略)を設けても良い。この常電導層は異常電流の流路として利用できる。
《その他》
コア110の本数は、単心であっても複数心であっても構わない。図1では撚り合わせた3心のコアを示している。コア110を複数心用いる場合、交流ケーブルコアであれば、3相交流ケーブルのコアとして利用でき、直流ケーブルのコアであれば複数心コアを並列接続して電気的に一体のコアとしたり、1心コアを事故時の代用コアとすることもできる。また、別のケースとしては、いずれかのコア110を送電路の往路、他のコア110を帰路としたり、いずれかのコア110を中性線として利用したりすることもできる。
複数心のコア110を撚り合わせている場合、その撚り合わせにはコア110を冷却した際の収縮分を吸収できる程度の弛みを持たせておくことが好ましい。超電導ケーブルの布設後の冷却作業によってケーブルコアに収縮力が発生しても前記弛みによってこの収縮力に対応する収縮量が吸収されるので、いかなる長さのコアであっても、そのケーブル全体が収縮することがない。このことは、特に長距離ケーブル線路の場合、(1)ケーブル線路の長さに比例した収縮量がその両端に現れることがなく、(2)ケーブル線路に中間接続部を施す場合、この接続部が冷却開始によって収縮方向に移動してしまうことを防ぐことができる。これにより、超電導ケーブルの冷却作業時及び運転時に、コア110にはどの部分であっても過度の張力が作用することを抑制できる。
単心コアの場合、後述する内側収納管170内でコア110を蛇行させることにより、コア110を冷却した際の収縮分を吸収できる程度の弛みを持たせておくことが、特に長距離超電導ケーブル線路の場合、必須になる。
(冷媒管)
冷媒管130内には冷媒が流通され、上記コア110の超電導導体層を超電導状態に維持できるように冷却する。この冷媒管130は、ストレートパイプやコルゲートパイプが好適に利用できる。ストレートパイプは小さな圧損で冷媒を円滑に流通させやすく、コルゲートパイプはストレートパイプに比べれば若干圧損が大きくなるが、可撓性に優れる。冷媒管130の断面形状は、その長手方向にわたってほぼ一様な断面形状であることが好ましい。冷媒130cを長距離にわたって円滑に流通させるためである。断面形状の具体例としては円形が挙げられる。円形であれば、冷媒管の外周に当該冷媒管130と同軸状に等温領域を形成できる。
冷媒管130のコア110に対する配置形態や本数としては、冷媒管130がコア110に沿って配置されていて、この冷媒管内を流れる冷媒によってコア110が必要な温度にまで冷却される条件を満たす限り、いかなる形態あるいは本数でも良い。例えば、コア110の外周に必要内径を有する冷媒管130を必要本数撚り合わせたり、コア110に冷媒管130を縦添えすることが挙げられる。図1(B)に示すように、コア110の外周に冷媒管130を一方向に撚り合わせれば、コア110をその全周にわたって均一に冷却し易い。特に、3心のコア110が撚り合わされている場合、各コア110の撚り溝に嵌り込むように冷媒管130を配置すれば、冷媒管130とコア110との接触領域を増大させ、より効率的にコア110を冷却できる。冷媒管130の内径と本数と、ケーブルコア110又は内側収納管170の外側への冷媒管130の配置の稠密度は、冷却区間長と冷媒流量と冷媒管130を収納する収納管150の外径をいかに設計するかによって、コア110を十分冷却できる様に定めればよい。
冷媒管130はコア110の外周に縦添えしてもよいし、予め工場で冷媒管130をコア110の外周に撚り合わせてもよい。撚り合せる場合、コア110の全長にわたって一方向の螺旋状に巻回するS撚り又はZ撚りが利用できる。いずれにおいても、巻回ピッチはケーブルの区間長や冷媒の流通条件などに応じて決定すれば良い。例えば、巻回ピッチをコア110(複数心の場合はコア群の外接円)又は内側収納管170が存在する場合は内側収納管170の外径の5倍〜20倍程度とすることが挙げられる。冷媒管130のコア110への撚り合わせ形態としては、SZ撚りも利用できる。冷媒管130を一方向のS撚り又はZ撚りする場合、コア110と冷媒管130の集合機は複雑で大型になる。これは、冷媒管130の巻取りボビンを集合機で一方向に回転させ続ける必要があることに加え、長尺の冷媒管130を用いるには、巻取りボビンも大型化するためである。一方、小型の集合機を用いたのでは、集合機に装備できる冷媒管130やコア110の長さが制約され、コア110に冷媒管130を撚り合わせた長尺の複合コアユニット100c(内側収納管170がある場合は、その収納管170も含む)を作製することが難しい。これに対し、冷媒管130をSZ撚りすれば、各冷媒管130は一方向に例えば0.3ターン位から数ターン位まで巻回し、続いて逆方向におよそ同ターン巻回し、巻回直後にSZ撚りが戻らないように横巻きテープの巻回でこの撚りを固定し、以後これを繰り返せば良いため、巻取りボビン自体を回転させる必要がない。そのため、長尺の冷媒管130とコア110を個別に大型のドラムに巻取り、布設現場に運搬し、そのまま各ドラムを定置し、しかる後に各ドラムから冷媒管130とコア110を繰り出すことで、長尺の複合コアユニット100cを作製することができる。この方法を利用した超電導ケーブルの布設方法については後述する。
コア110と各冷媒管130との間には、若干のギャップ又はクッション材(図示略)を設けることが好ましい。このギャップやクッション材により、冷媒管130の熱収縮に伴う巻付径の縮小分を吸収できる。このクッション材は、コアの外周や冷媒管の外周に形成することができる。
冷媒管130の本数は、コア110を全周にわたって十分に冷却できることを必要条件とし、冷却区間長と収納管の外径を要求条件として、最適設計して適宜な本数を選択することができる。一般に、複数本の冷媒管130を用い、各冷媒管130をコア110の外周(複数心のコアであれば、それらコア群の外周)に均等に配置することが好適である。図1では4本の冷媒管130を示している。もっとも、コアを収納する内側冷媒管と、その内側冷媒管の外周に同軸に配された外側冷媒管とを備える1本の二重冷媒管を用いても良い。その場合、内側冷媒管と外側冷媒管との間の空間を冷媒流路とする。
冷媒管130の材質としては、鋼、ステンレスやアルミニウム(合金)などが好適に利用できる。さらにこれら金属管の外周にプラスチックなどからなる保護外被(図示略)を設けても良い。保護外被を断熱性に優れる材料で構成すれば、この保護外被を後述する断熱材の一部として機能させることができる。冷媒管130の径は、その本数や冷却区間長の要求条件の下にケーブルコア110が十分に冷却される必要な冷媒流路の断面積を確保できる寸法を適宜選択すればよい。
冷媒管130とコア110とは結束帯140(図1(A)参照、図1(B)では省略)により一体化することが好ましい。コア110と冷媒管130又は冷媒管130同士を所定の配置に位置決めすることで、安定してコア110の冷却を行うことができ、コア110と冷媒管130を組み合わせた複合コアユニット100cを次述する収納管へ引き込み易いからである。特に、冷媒管をSZ撚りした場合、結束帯により冷媒管がばらけることを抑制することが好ましい。結束帯は、冷媒管とコアとのばらけを抑制できれば良く、金属テープや布テープなどのテープ材が好適に利用できる。特に、金属テープは、その強度上、ゆるみが生じ難い上、その高熱伝導性により、結束帯で囲まれた領域を均一に冷却する効果も期待できる。金属テープの上に布テープを巻回しても良い。このようなテープ材は、コア110に撚り合わせた冷媒管130の外周に巻き付けて使用する。テープ材の巻回の仕方は、突合わせ巻きや重ね巻きでも良いが、ギャップ巻きして、隣接するターン間に隙間が設けられていても良い。この隙間は、後述する断熱材を収納管内に充填する際の流路となる。
(収納管)
収納管150は、上記の複合コアユニット100cを収納する。この収納管150には、ストレートパイプやコルゲートパイプが好適に利用できる。収納管150の材質としては、鋼、ステンレスなど挙げられる。収納管150のサイズとしては、内部に複合コアユニット100cを収納し、さらに複合コアユニット100cとの間に十分な断熱距離を確保できる大きさとすることが好ましい。例えば、内径:400mm〜1000mm程度、厚さは、鋼管に内圧が実質的にかからないので、例えば収納管150が土中埋設のケースでは、この土圧に耐えるものでよく、例えば3mm〜15mm程度が挙げられる。一方、収納管150が気中布設鋼管の場合は、その支持構造に留意しつつ、例えば3mm〜5mm程度が挙げられる。
従来の超電導ケーブルでは、断熱管の内管内に加圧した冷媒が流通されるため、その内管の周方向にはフープストレスが引張応力として作用する。一方、本発明の超電導ケーブルでは、後述するように収納管150内に断熱材160が充填される場合、断熱材160により内側から収納管150が支持されて過度の引張応力が収納管150に作用することがなく、収納管150内が真空の場合、収納管150の外部に大気圧が作用するため、収納管の周方向には圧縮力が作用することになる。そのため、径が大きく厚みが薄いパイプを収納管150に用いられることになる。
収納管150の内部空間は、複合コアユニットの断熱空間として利用される。この内部空間は、真空としてもよいし、断熱材を充填しても良い。
図3(A)は冷媒管130が4心で次述する内側収納管170を用いた形態を、図3(B)では冷媒管130が3心でコア110の撚り溝に各冷媒管130が配置された形態を示し、上述した結束帯は省略している。この複合コアユニット100cは、収納管150内の長手方向に適宜な間隔で配置されるスペーサ(図示略)により、収納管150とほぼ同軸状に配置されている。その他、真空空間内には、輻射熱の侵入を抑制するため、スーパーインシュレーション(商品名)等の断熱層(図示略)を形成することが好ましい。収納管150の内部空間を真空に保つことは、特に直流ケーブルの場合、収納管150の内部に影響を及ぼす熱が収納管150の外部からの侵入熱のみゆえ、冷媒管130やコア110に、その外部からの熱の侵入を最もよく防ぐ点で有効である。収納管150の内部空間を真空に保ちつつ複合コアユニット100cを構成する冷媒管130が所定の冷媒温度(液体窒素のサブクールの77K以下)になれば、自然に複合コアユニット100cの温度は冷却ゾーンCZの温度、すなわち冷媒管130の冷媒温度(液体窒素のサブクールの77K以下)になり、その温度が常時維持される。これは、図2の冷却ゾーンCZ内で全冷媒管130に外接する包絡円内では複合コアユニット100cを含めて実質的に発熱がないからである。そのため、コア110内の内側超電導体層112及び外側超電導導体層114は超電導状態になり、超電導ケーブル1000は所期の送電機能を果たすことになる。
しかし、超電導ケーブルの布設工事が終了し、冷媒管130に冷媒を流通開始して複合コアユニット100cを冷媒管130と同じ温度に到達させるには、冷媒管130とコア110との間に真空のギャップが存在すると、コア110の冷却には相対的に長時間を要することになる。これは、冷媒管130がコア110の温度を低下させるためにコア110からの熱流を吸収するには熱輻射作用しか利用できないからである。従って、物体の接触によって生ずる熱伝導作用を活用してコア110の冷却時間を大きく短縮することが好ましい。そのため、内側収納管170が存在する場合には、冷媒管130を金属からなる内側収納管170と直接接触させ(図3(A))、内側収納管が存在しない場合には、冷媒管130をコア110と直接接触させる(図3(B))ことが好ましい。
一方、内部空間に断熱材160を充填する場合、断熱材160の材料としては、熱抵抗が可及的に高い断熱材であることはもちろんのこと、予め流体状となって内部空間の隅々まで確実に充填されるものが好ましい。具体例としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどを主要原料樹脂とする発砲プラスチック系材料が挙げられる。また、断熱材は、収納管150内に複合コアユニット100cを収納する前に予め収納管150内に配置される部分断熱層162と、収納管150内に複合コアユニット100cを収納した後、残余の内部空間に充填される充填断熱部164とから構成することが好ましい。図4に、部分断熱層162と充填断熱部164とを備える超電導ケーブルを示す。図4(A)は冷媒管130が4心で次述する内側収納管170を用いた形態を、図4(B)では冷媒管130が3心でコア110の撚り溝に各冷媒管130が配置された形態を示し、上述した結束帯は省略した場合が示されている。部分断熱層162は、断熱材で構成される断面が円弧状の部材で、収納管162の内周面の周方向の一部に配置される。この部分断熱層162の厚さは、後に複合コアユニット100cを収納管150内に収納した際、複合コアユニット100cと収納管150とが同軸となるような厚さとしておく。部分断熱層162の収納管150の軸方向への長さは、収納管150の全長にわたって連続的に及ぶことが好ましいが、例えば溶接工法の適用が期待される収納管150の接続部近傍や、その他適宜な間隔をあけて離散的に配置されていても良い。収納管150の全長にわたって連続的に部分断熱層162が設けられていれば、複合コアユニット100cを収納管150に収納し易い。図4(A)及び(B)では、前述した結束帯は表示が省略されているが、複合コアユニット100cの各構成部材を強固に安定させて布設工事を容易にするためには、結束帯を用いることが好ましい。特に、この結束帯は、金網状または前記流体状の断熱材が透過する透過性材料(例えば多数の孔を有するテープ材)にしたり、テープ材をギャップ巻きにすることが好ましい。この構成によれば、結束帯内部にまで断熱材を充填することができ、複合コアユニット100cの周囲は全て断熱材160で囲まれる。
収納管150の外側には、ポリエチレンなどからなる防食層(図示略)を形成することが好ましい。
(内側収納管)
必要に応じて、コア110の外周(複数心のコア110であれば、それらコア群の外周)と各冷媒管130との間に内側収納管170を設けても良い。内側収納管170は、コア110を収納することで、コア110を機械的に保護する。収納されるコア110が複数心の場合、内側収納管170を断面が円形のストレートパイプとすれば、冷媒管130の配置される面を円筒面にすることで、冷媒管130の巻回が容易にできる。また、内側収納管170を用い、収納管150の内部を真空とする場合、収納管150と内側収納管170との間を真空引きすればよいため、内側収納管170を用いない場合に比べて、真空引きの負荷を低減することができる。
内側収納管170には、ストレートパイプやコルゲートパイプが利用できる。内側収納管170の断面形状は、円形が好適に利用できる。内側収納管の内径は、収納されるコア110のサイズや本数に応じて適宜選択できる。内側収納管170の材質としては、ステンレスやアルミニウム(合金)など挙げられる。内側収納管170の内部に液体が流通されない場合、内側収納管とコア110との間のギャップは極力小さくすることが好ましい。それにより、コア110を効率的に冷却できる。
内側収納管170とコア110との間の空間には、冷媒管130内の冷媒温度において気体となる物質や液体となる物質が充填されることが好ましい。これら液体や気体がコア110と冷媒管内の冷媒との間に介在される熱伝導物質となるため、コア110を効率的に冷却できる。冷媒管130内の冷媒として液体窒素を用いた場合、内側収納管170内に充填される気体としては、窒素の液化温度(-195.8℃)で液化しない水素、ヘリウムなどが挙げられる。但し、窒素の液化温度では既に液化してしまっている酸素(液化温度が-182.96℃)や乾燥空気を充填することも考えられる。この場合は、コア110が液体窒素温度で冷却された時には、内側収納管170内で気体は液化及び固化していることになりやや現象は複雑になるが、それによる熱伝導効果をコア110の冷却に活用することも考えられる。内側収納管170内に充填される液体としては、液体窒素が挙げられる。
内側収納管170内に液体を充填する場合、その液体を補助冷媒として利用できる。補助冷媒を用いることで、コア110は補助冷媒に浸漬され、より効率的に冷却される。但し、コア110の冷却は、基本的に冷媒管130を流通する冷媒により行われ、補助冷媒は上記冷媒によるコア110の冷却を促進する機能を有すればよい。そのため、補助冷媒は、冷媒管130内の冷媒よりも少量でもよく、冷媒管130内の冷媒よりも遅い流速でも構わない。それに伴い、超電導ケーブルが長尺であっても、補助冷媒を流通させるための負荷は小さい。補助冷媒を流通させる場合、冷媒管130内の冷媒の流通を行う冷却ステーション(図示略)と兼用してもよいし、補助冷媒循環用の冷却ステーションを別途設けてもよい。いずれにせよ冷媒管130内の冷媒の流通と補助冷媒の流通とは独立して行うので、補助冷媒の流量は独立して制御することができる。この循環流通される補助冷媒の温度を超電導ケーブルの端末でモニタすれば、コア110(超電導導体層)の温度分布の健全性を判断することもできる。特に直流ケーブルの場合、コア110に損失が実質的に生じず、発熱も実質的に生じないため、補助冷媒は循環することなく内側収納管170内に充填されているだけでもよい場合がある。また、いずれかの冷媒ステーションやいずれかの冷却区間の冷却管130で事故が生じてコアの冷却機能が低下するか損なわれた場合には、この補助冷媒の流量を増大させて超電導ケーブル線路の機能を正常なまま維持するように制御することが可能となる。
補助冷媒としては、冷媒管130内の冷媒と同じものが好適に利用できる。具体的には液体窒素が挙げられる。冷媒管130内の冷媒に液体水素や液体ヘリウムを用いた場合、補助冷媒も液体水素や液体ヘリウムにすればよい。
内側収納管170の外側には、クッション材或いは防食層(いずれも図示略)を設けても良い。これらは、冷媒管130の熱収縮による巻付け径の縮小分を吸収することに寄与することができる。
{作用効果}
上記の超電導ケーブルによれば、次の効果を奏することができる。
(1)冷媒管130をコア110または内側収納管170に並設することで、図2(B)に示すように、冷媒管130の近傍に冷却ゾーンCZを形成することができる。この冷却ゾーンCZは、二点鎖線で囲まれる領域で示すように、超電導導体層が超電導状態に維持できる程度の温度域に保持される。例えば、この冷却ゾーンCZが77K未満となるように77Kで液化する液体窒素を77K以下の過冷却液体窒素で冷媒管130に流通させればよい。特に、複数の冷媒管130でコア110を取り囲めば、少なくとも全冷媒管130を内包する外接円で囲まれる領域全体を冷却ゾーンCZとすることができ、効果的にコア110を冷却できる。とりわけ、直流ケーブルの場合、コア110自体に発熱が実質的に生じないため、コア自体の液体窒素による直接冷却を行わなくても、分離した冷媒管130でコア110を超電導状態に必要な冷却温度に保持することが可能になる。なお、交流ケーブルの場合でも、交流損失に伴う発熱分を冷却できるように、冷却特性に関わるパラメータ、例えば冷媒管130の断面積と本数や配置間隔、冷媒流量などを調整することで、冷却ゾーンの必要な温度を保持することが可能となる。
(2)内側収納管170とは独立した冷媒管130をコア110に並設することで、冷媒管130の断面形状を任意に選択することが可能になり、従って冷媒流路の断面形状も任意に決定することができる。つまり、通常撚り合わされたコア110と内側収納管170との間の空間の断面形状や、ケーブルの断面における内側収納管170内のコア110のケーブル長さ方向における位置の変化や偏在に関係することなく、冷媒流路の断面形状を一定に決定できる。そのため、冷媒管130として、その長手方向にわたってほぼ一様な断面形状の管路を選択することで、冷媒の流通抵抗を大きく減じ且つ大容量の冷媒を円滑に流通させることができ、冷却区間長を大きく延伸した長尺の超電導ケーブル線路を構成することができる。例えば、10km以上、さらには50km以上の長距離の冷却区間を有する超長尺超電導ケーブル線路を構築できることが期待される。
(3)収納管内150を真空とすれば、高い断熱特性を得ることができる。その場合でも、真空空間を形成する収納管150自体が冷媒流路を構成するわけではなく、冷媒流路は別途冷媒管130により構成されるため、真空引きする単位区間長と、冷媒流路の単位区間長とを関連付けてケーブルの製造や布設作業を行う必要がない。そのため、長尺の超電導ケーブルを製造することができる。
一方、収納管150の内部を長尺にわたって真空引きして真空状態を形成し維持することは大変難しい。それは、(1)真空のリーク、(2)収納管150の内面の乾燥不十分等による吸着水分、(3)収納管150自身のアウトガス等による真空劣化を長尺管にわたって防ぐことが困難だからである。特に、真空封止後、いかなる不測の事態が収納管150の一か所に生じても収納管150の全長の真空劣化に直結するため、真空状態の維持は非常に難しい。従って、超電導電力ケーブル線路の建設及びその性能維持の観点から、長尺線路では、その長尺性に比例して真空の維持が非常に困難になってくる。本発明超電導ケーブルであれば、冷媒の流通量を従来ケーブルと比較して飛躍的に大きくすることによって、冷媒管130による冷媒の冷却容量を大きくできるので、真空断熱構造を用いなくても複合コアユニットの断熱を確保することができる。例えば、収納管150内を真空断熱する代わりに、収納管150内の空間に可及的に熱抵抗の大きい断熱材160を充填し、且つ断熱材160の厚さを大きく採るなどの対策をとることで、複合コアユニット100cの必要な冷却が十分維持可能な断熱特性を得ることができる。それにより、上述した種々の問題を抱える真空断熱構造を排除することができる。
(4)収納管150内に断熱材160を充填すれば、複合コアユニット100cの断熱構造に真空断熱を用いる必要がないために布設現場での真空引き作業を考慮する必要がなくなり、線路建設の分割実施が可能になってより短期に布設作業を終えることが期待出来ると共に、長時間を要する建設後の線路一括真空引き作業そのものを省略することが可能となり、超電導ケーブル線路建設を著しく容易かつ安価にし得ることになる。又、運転中に生じる事故等が広範囲に影響を及ぼすことを防ぎ、事故復旧も容易にし得ることになる。
(5)複数本の冷媒管130をコア110の外周に一定方向に撚り合わせること、又は交互方向にSZ撚り合わせすることで、コア110の全長・全周にわたって冷媒管130の各管の位置を平均的に均一にすることができるので、ほぼ均一にコア110を冷却することができると共に、複数の冷却管130内の冷媒の状態を各冷媒管で平均的に均一にすることができる。また、複数心のコア110を弛みを持たせて撚り合わせておけば、コア110の冷却収縮分をケーブルの各位置で吸収することができるので、超電導ケーブル線路を長尺化することによる冷却収縮分の積算巨大化や、超電導ケーブル線路の曲がりや鞍部への冷却収縮量の集中や偏在が生ずる恐れがない。
(6)内側収納管170を用い、内部に補助冷媒を充填することで、より効率的にコア110を冷却することができる。その補助冷媒を循環させる場合でも、コア110の冷却は冷媒管130内の冷媒により行われるため、補助冷媒は冷媒管130内の冷媒よりも少量としたり、ゆっくり流通させることができる。それに伴い、補助冷媒の流通負荷を低減できる。又、冷媒管130に関連する機器のどこかで異常が生じた場合、その冷却能力低下を補うだけこの補助冷媒冷却の能力を増強出来る様に設計しておくことによって、超電導ケーブル線路全体の信頼性と安定性を向上させ得る手段も提供する。
(7)冷媒管130とコア110又は内側収納管170より内部のコア部を分離して生産可能であり、大幅な量産化、製造期間の短縮及び歩留まり向上による生産性の著しい向上と、工場での製造単長を著しく長くできて、長尺超電導ケーブル線路建設の可能性を、製造コストの低減とケーブルの生産量的増強の両面より大幅に高めることができる。
{断面形状が長手方向に一様な冷媒管の優位性に関する検討}
冷媒管の断面が円形のストレートパイプにより冷媒が円滑に流通できることの優位性について、より詳しく検討する。流体が流路を流れる際の抵抗をR、流体の入口と出口間の差圧をP、流路を流れる流体の流量をQとすると、流量Qは次の式で表される。
Q=P/R…式1
このうち、流量Qは、超電導ケーブルにおけるあらゆる発熱や侵入熱に対して超電導導体を安定して超電導状態に維持することができるよう、冷媒が液体から気化することを防ぎ得る冷却能力を確保できる値とする必要がある。
差圧Pは、流体の流路を構成する管路の耐圧と、流体を圧送するポンプ(冷却ステーション)の能力などで自ずと定まる一定値以上には大きくできない。
抵抗Rは超電導ケーブルの冷却区間長Lに比例し、かつ流路の断面形状とサイズに大きく関係する。例えば、断面が円形の管路内に、円形断面のコアが収納されている場合に、管路とコアとの間の空間の断面積をSとし、その断面積Sの等価円半径をrとする。このrと上記Lとを用いてRを表すと、次式のようになる。但し、Kは一定係数、nはべき数である。
R=K(L/rn)…式2
一方、上記断面積をSの等価円の半径rは次式で表される。
r=(S/π)1/2…式3
従って、式1のQは、次式で示される。
Q=P/K・(L/rn)=rn・P/(K・L)…式4
式4よりLを求めると、次式のようになる。
L=rn・P/(K・Q)…式5
ここで、Kは一定値、Pは実用上の上限値がほぼ定まる値、Qは超電導ケーブルの発熱や侵入熱を除去して超電導導体を超電導状態に維持するために必要な最小の値で定まってくる数値である。よって、冷却区間長Lを長くして冷却ステーションの数を削減することに最も大きく寄与するのはrnである。rnを大きくすることで、冷却区間長Lを長くすることができる。rを大きくするには、冷媒流路の断面積を広くすれば良い。そのためには、本願発明の様に冷媒管130の本数を増やすことも有力であるが、1本当たりの長尺化を可能にするには1本当たりのrnを大きくする必要がある。ここで、べき数nは、内部が平滑な空洞で円形断面のストレートパイプであり、流体の乱流化の著しく大きくない範囲では、面積比に関係するn=2である。
コルゲートパイプ内に3心撚り合わせたコアを収納した従来のケーブルでは、冷媒流路となるコルゲートパイプと3心コアとの間の空間の断面形状がそもそも複雑であり、かつコルゲートパイプ内での3心コアの偏在も生じる。その場合、nは2から外れて小さくなり、必要な流量Qを得るには、冷却区間長Lが急激に短くなる。よって、冷却区間長Lを長くするには、断面が円形のストレートパイプの半径rを大きくし、n≒2でrnを大きくすることが必要であることがわかる。
また、長尺のパイプ内を層流で流れる流体は、パイプの内壁に不動域を作ることが知られており、この効果を勘案すると、べき数nについても、n=2〜3に拡大することが知られている。つまり、パイプの半径rを大きくすると、不動域の効果が低減するので、飛躍的に流体が流れ易くなり、n≒3程度にまで拡張されうる。この点からも、円形断面のストレートパイプであれば、冷却区間長Lを長くすることに有効であることがわかる。
以上の検討からすれば、冷却ステーションの間隔が50km〜200km程度まで延伸可能であると期待される。その場合、例えば1000kmの送電線路に対して、冷却ステーションの数を21〜6にできることになる。
〔実施形態2:超電導ケーブル;スラッシュ窒素〕
次に、冷媒管130内の冷媒にスラッシュ窒素を用いた実施形態に係る超電導ケーブルを説明する。この超電導ケーブルの構成は、冷媒管130内の冷媒がスラッシュ窒素である点を除いて、実施形態1と共通である。以下の説明は、主に実施形態1との相違点について行う。
スラッシュ窒素は、窒素の凝固点(約63K)よりもやや低い温度にて、液体窒素中に微細な固相の粒子が多数分散された固液混合状態の窒素である。
本発明の超電導ケーブルでは、スラッシュ窒素の冷媒流路となる冷媒管130が長手方向にほぼ一様な断面形状で、その口径の選択肢も広いため、スラッシュ窒素中の固相粒子が比較的粗粒であっても、冷媒の流通に支障を来たすことがない。従来の超電導ケーブルにスラッシュ窒素の適用を試みる場合、円滑な冷媒の流通を確保するには、スラッシュ窒素中の固相粒子を平均粒径が100μm未満程度の微粒にし、かつスラッシュ窒素全体に対する固相粒子の含有量を質量%で10%程度以下とする必要があると考えられる。これは、従来の超電導ケーブルでは、冷媒流路の断面形状が複雑で、かつ長手方向に一様な断面形状となっておらず、その上、冷媒が絶縁層に浸透して超電導導体層に到達する必要があるからである。一方、本例の超電導ケーブルでは、平均粒径が数ミリオーダー、例えば3mm以下程度の粗粒を固相粒子として利用でき、スラッシュ窒素全体に対する固相粒子の含有量も質量%で10%超、例えば30%以下程度としても、固相粒子の偏在や停滞を回避できると期待できる。特に、コア110は冷媒に浸漬する必要がないため、冷媒を絶縁層に浸透させる必要もない。
スラッシュ窒素を冷媒に用いることで、次の効果を奏することができる。
スラッシュ窒素は、液体窒素に比べて熱容量の大きい固相粒子を含む。加えて、固相粒子が液化する溶解潜熱分の熱量をスラッシュ窒素が吸収しても、その間冷媒を一定温度(例えば63K)に保持できる。よって、冷媒が吸収する一定の熱量に対して、より長期間にわたって冷媒を一定温度に保持できることから、液体窒素に比べて冷媒流路の単位区間長を長く採れる。更に、77Kを液化点としてこれ以上で気化する液体窒素を用いた場合、例えば冷凍機出口で、かつ超電導ケーブル入口の液体窒素温度をTT(K)、超電導状態を保つ冷媒の許容温度差をΔT(K)とすると、ΔT=77-TTで表される。その際、TTを凝固点である63K近傍の限界まで下げれば、ΔTを最大にすることができるので、これら効果よっても冷却区間長を長くした長距離の超電導ケーブル線路を構築できる。
スラッシュ窒素を含む冷媒は、液体窒素に比べて低温である。一般に超電導線材の許容電流(臨界電流ともいう)は、温度が低いほど大きくなる。そのため、例えばBi2223系超電導線材の場合、約63Kのスラッシュ窒素を用いることで、約77Kの液体窒素を用いる場合に比べて、約2倍の送電容量を確保することができる。
〔実施形態3:超電導ケーブルの布設方法〕
次に、上記超電導ケーブルの布設方法を図5に基づいて説明する。超電導ケーブルの各構成部材は、実施形態1や2で説明した部材が利用できる。必要心のコア110の一定方向撚り合わせと、撚り合わせ後のコア110或いはその外側に配置された内側収納管170と複数の冷媒管130の一定方向撚り合わせとを予め工場内で行い、工場内で複合コアユニット100cを得ておき、それをドラムに巻きとって布設現場まで搬送して、そのままで布設する方法もあり得る。しかし、この方法では超電導ケーブルの生産が複雑になり、出荷超電導ケーブル単長も短くなる。そこで、本発明超電導ケーブルの特徴を活かした布設現場での撚り合わせ及びその直後に直接タンデムに複合コアユニット100cを布設してゆく方法を以下に説明する。
{概要}
本例の方法は、超電導ケーブルの布設現場において、1心コア110の外周に4心の冷媒管130をSZ撚りすることで複合コアユニット100cを作製し、その複合コアユニット100cを地中に、又は地中の洞道内に布設された収納管150内に引き込むことにより行う場合を例として説明する。より具体的には、ドラム準備工程、撚り合わせ工程、収納管布設工程、及び引き込み工程とを有する。勿論、コアが3心など複数心の場合は工場で撚り合わせた複数心一体となったコア群の外周に冷媒管を撚り合わせれば良い。また、コア(コア群)に被覆した内側収納管170(図1など)を用いる場合には、コア(コア群)を収納する内側収納管170の外側に冷媒管を撚り合せれば良い。
{構成}
(ドラム準備工程)
ドラム準備工程は、上記単心又は複数心のコア110或いは内側収納管170を巻回した第一ドラム210cと、上記冷媒管130を巻回した第二ドラム210pとを用意する。コア110或いは内側収納管170と冷媒管130は、個別に第一ドラム210c及び第二ドラム210pに巻き取って準備できるため、大型の各ドラム210c,210pに長尺のコア110或いは内側収納管170及び冷媒管130を巻回しておくことができる。各ドラム210c,210pのサイズは、船便の制限又は道路交通法などの法令上、搬送が許容される最大サイズとすることが一括長尺布設を可能にして望ましい。
コア110或いは内側収納管170及び冷媒管130は、各ドラム210c,210pの巻取り長に応じた長さに工場で作製して巻回しておいても良いが、それぞれの長尺材を工場で作製しておき、その長尺材を個々のドラム210c,210pに応じた長さに切断して巻き取っても良い。長尺材を切断してコア110或いは内側収納管170や冷媒管130を作製すれば、より効率的な超電導ケーブルの製造が可能である。
各ドラムは210c,210p、工場から布設現場に搬送され、その布設現場で各々アンダーローラ220上に配置されて、第一ドラム210cを中央に、その両側に一対ずつの第二ドラム210pを並列配置する。
(撚り合わせ工程)
撚り合わせ工程では、コア110或いは内側収納管170を第一ドラム210cから、各冷媒管130を第二ドラム210pから繰り出し、コア110の外周に冷媒管130をSZ撚りして複合コアユニット100cを作製する。
第一ドラム210c及び第二ドラム210pから繰り出されたコア110或いは内側収納管170と冷媒管130は、多段の一括回転式ガイドローラ230により集束され、ラッパ嚮導管240を通過して、順次SZ撚り合わせ機250、テープ巻き機260に導入される。ラッパ嚮導管240はコア110或いは内側収納管170と各冷媒管130を一纏めにしてSZ撚り合わせ機250に案内する。SZ撚り合わせ機250は、コア110或いは内側収納管170の外周に冷媒管130をSZ撚りする。その際、冷媒管130は一方向に0.3ターンから数ターン巻回し、続いて逆方向に同ターン分巻回することを繰り返せば良いため、SZ撚り合わせ機250自体は上述した集合機に比べれば小型のものが利用できる。複合コアユニット100cはそのまま収納管150内に布設されて径の小さい曲げを受けることがないので、この撚り合わせターンのピッチは、例えば、コア110或いは内側収納管170の外径の50〜100倍と非常に大きくとってもよい。
SZ撚り合わせ機250は、コア110或いは内側収納管170と冷媒管130の各々が挿通される回転ダイス(図示略)又は複数の貫通孔を持った目板(図示略)及び多段の一括回転式ガイドローラ230を所定の角度内で正逆転させることでコア110或いは内側収納管170に冷媒管130を撚り合わせて複合させる。この時、ドラム210p側の冷媒管130はSZ撚り合わせ機の撚り合わせ方向とは逆方向に捻れてくる。従って、多段のガイドローラ230は逆回転してこの捻れをドラム210p側に向かって大きく緩めることによって、冷媒管130のどの部分にも局所的な過度の曲げが生じないように調整する。この多段回転式ガイドローラ群の多段の数、ローラ間隔、ドラム210pとSZ撚り合わせ機250間の長さは、SZ撚りのターン数とピッチ長に適合するように定めるものとする。
続いて、コア110或いは内側収納管170に撚り合せた冷媒管130の外周にテープ巻き機260でテープ材を巻回して結束帯140を形成し、冷媒管130がコア110或いは内側収納管170からばらけないようにする。このテープ巻き機250を通過することで、複合コアユニット100cが形成される。
尚、布設現場に上述のドラム210c 、210p群及び一括回転式ガイドローラ230やSZ撚り合わせ機250を展開する広いスペースがとれない場合は、冷媒管130をコア110或いは内側収納管170に単に縦添えし、それをテープ巻き機260に装着した結束帯140で固定して複合コアユニット100cを形成し、そのまま収納管150に導入すれば良い。
その他、冷媒管130を、例えば500m等の一定距離分直線状に繰り出し、その一定距離分進む毎に冷却管130のサプライ位置を一定方向に一つづつ隣接する冷媒管130の位置にずらすことによって、コア110或いは内側収納管170に対する冷媒管130の配置位置を変位させてゆく方法も採用可能である。サプライ位置の変位は上述した目板の回転などにより行えば良い。この冷媒管130のサプライ位置の変異が大きくなると、サプライ位置と第二ドラム210pとの間で複数の冷媒管130が撚られる。そのため、この冷媒管130のサプライ位置の変異が第二ドラム210pから冷媒管130が繰り出せない程大きくなってくる場合には、冷媒管130を切断して、この変位をキャンセルする位置のドラム210pから繰り出されてくる冷媒管130と再接合すればよい。
ここに示す冷媒管130のコア110或いは内側収納管170への各種撚り合わせ工法が布設現場で採用可能になるのは、冷媒管130をコア110或いは内側収納管170から分離可能にする本発明超電導ケーブルの特徴が活かせるからである。
(収納管布設工程)
収納管布設工程は、収納管150を地中又は地中の洞道内など、所定の布設経路に布設する。収納管布設工程は上記準備工程と並行して行っても良いし、準備工程の後に行っても良い。撚り合わせ工程を行う際に、所定の布設経路に収納管150が配置された状態となっていればよい。布設された収納管150内には、次の引き込み工程で用いるガイドワイヤ290を挿通させておく。
(引き込み工程)
引き込み工程は、地中又は洞道内に布設された収納管150内に、撚り合わせ工程で作製した複合コアユニット100cを引き込む。撚り合わせ工程で作製された複合コアユニット100cの先端に上記ガイドワイヤ290の一端を接続する。このガイドワイヤ290の他端を牽引することで、複合コアユニット100cを収納管150内に引き込む。その際、テープ巻き機260の下流には、キャタピラ送り出し機270を配置して複合コアユニット100cを収納管150側に繰り出し、さらに地上から収納管150の一端の開口までの間には、適宜なガイド管280を配置して、複合コアユニット100cを収納管150まで案内する。
{作用効果}
この布設方法によれば、長尺のコア110と冷媒管130の各々を大型のドラム210c,210pに巻き取り、そのドラム210c,210pから順次繰り出してコア110と冷媒管130とを複合することで、長尺の超電導ケーブルを洞道内に布設することができる。
〔実施形態4:超電導ケーブル線路;個別往復路〕
次に、超電導ケーブル線路と、その運転方法について、図6に基づいて説明する。本例の超電導ケーブル線路は、実施形態1や2の超電導ケーブルを備えている。以下の説明では、ケーブル自体の説明は省略し、主に運転方法に関連する線路の構造について説明する。
{構成}
本例では、超電導ケーブルの長手方向に所定間隔ごとに配置した複数の冷却ステーションを備える。冷却ステーションは、少なくとも冷媒を冷却する冷凍機と冷媒を圧送するポンプとを備える。各冷却ステーションの間隔を、冷媒の圧送が可能な冷媒流路の単位区間長Lとする。その単位区間長Lの冷却区間が超電導ケーブルの長手方向に複数直列される。各冷却ステーションA1,A2…(B1,B2…)は、2つの独立した分割ステーションA12,A21(B11,B12,B21,B22…)を備える。各分割ステーションA11,A12、A21,A22…(B12,B21、B22,B31…)は、同一区間における逆方向の冷媒流路を構成する一対の冷媒管αgr(βg1,βr1、βg2,βr2)に冷媒を供給する。尚、この冷媒管αgr(βg1,βr1、βg2,βr2)の対数については、複数対であってもよい。つまり、一つの分割ステーションでは、図示されたように往路又は復路を構成する1本、或いは図示していないが複数本の冷媒管に冷媒を供給する。この超電導ケーブル線路では、例として超電導ケーブルの横断面において4心の冷媒管を備えている場合について示す。そのうち、一対の冷媒管αgrは冷却ステーションA1,A2側に、他の一対の冷媒管βg1,βr1…は冷却ステーションB1,B2…側につながれている。この冷却ステーションA1,A2の間をつなぐ冷媒管αgrの冷却区間は、冷却ステーションB1,B2の間をつなぐ冷媒管βg1,βr1の冷却区間の半分と重複し、さらに、冷却ステーションB2,B3の間をつなぐ冷媒管βg2,βr2の冷却区間の半分と重複している。換言すれば、冷却ステーションA1,A2の中間に冷却ステーションB2が配置されている。
{運転方法}
このような構成の超電導ケーブル線路において、分割ステーションA12,A21の少なくとも一方が故障し、冷媒管αgrに冷媒を流通できない場合を想定する。その場合、冷媒管αgrの冷却区間は、冷媒管βg1,βr1の冷却区間の半分及び冷媒管βg2,βr2の冷却区間の半分と重複しているため、冷却ステーションB1〜B3を用いて冷媒管βg1,βr1、βg2,βr2に冷媒を供給すれば、冷媒管αgrの冷却区間も冷却することができる。必要に応じて、冷媒管βg1,βr1、βg2,βr2を流れる冷媒は、その温度を下げたり、単位時間当たりの流量を増加させるなどして、冷却能力を向上させることが好ましい。説明の便宜上、図6(後述の図7)では冷媒管αgr(βg1,βr1、βg2,βr2)は直線状に示しているが、実際にはコア110の外周に螺旋状にSZ撚りされている場合も含む。各冷媒管がSZ撚りされている場合は勿論、ほぼ直線状に配置されている場合でも、コア110は、その全周・全長にわたって十分に冷却される。各冷媒管がほぼ直線状の場合には、上述したように、直線状の冷媒管の所定長毎に冷媒管の位置を一つづつ隣接する冷媒管の位置へずらすことにより、又SZ撚りされている場合にはそのまま、全ケーブル線路にわたって冷媒管は均等にその位置を変えてゆき、複合コアユニット全体として平均的に均一性を保つように配慮されているためである。
{作用効果}
超電導ケーブル線路が長距離になれば、その全長にわたって効率良く冷却が行われると共に、コアに対する冷媒の配置を均一に保ちつつ確実且つ信頼性高く流通させることが重要になる。本例の超電導ケーブル線路によれば、複数の冷媒管のうち、一部の冷媒管の冷却区間を他の冷媒管の冷却区間と重複させておくことで、一部の冷媒管の冷却区間の冷却が不能になった場合でも、他の冷媒管の冷却区間を冷却することで、線路全長にわたる冷却を担保できる。
〔実施形態5:超電導ケーブル線路;一連往復流路〕
次に、超電導ケーブル線路と、その運転方法について、図7に基づいて説明する。この超電導ケーブル線路も、実施形態1や2の超電導ケーブルを備えている。
{構成}
本例でも、超電導ケーブルの長手方向に所定間隔ごとに配置した複数の冷却ステーションX1,X2…Y1,Y2…を備える。各冷却ステーションX1,X2…Y1,Y2…は、一連の往復流路を構成する冷媒管αgrgr1,βgr1…の各々に冷媒を供給する。この複数又は単一の往復流路の全長が単位区間長Lであるため、隣接する冷却ステーションX1,X2…(Y1,Y2…)は、L/2の間隔で並列されている。そして、冷媒管αgrの冷却区間は、冷媒管βgr1の冷却区間の半分及び冷媒管βgr2の冷却区間の半分と重複している。換言すれば、冷却ステーションY1,Y2の中間に冷却ステーションX1が存在し、その冷却ステーションX1から冷却ステーションY1,Y2の各々までの線路長手方向の距離はL/4である。冷媒管αgrgr1,βgr1…の折り返し点は、例えばコア110或いは内側収納管170に密接又は近接する冷媒管130を収納管150の接続部等で切断の上、別途容易したU字連結管等で、対応する往路用の冷媒管と復路用の冷媒管130に再接続して形成する。
{運転方法}
この線路において、冷却ステーションX1が故障により冷媒管αgrに冷媒を供給できない場合を想定する。その場合、冷却ステーションY1により冷媒管βgr1に冷媒を供給し、冷却ステーションY2により冷媒管βgr2に冷媒を供給すれば、冷媒管αgrの冷却区間のコアも冷却することができる。冷媒管αgrの冷却区間は、冷媒管βgr1の冷却区間の半分及び冷媒管βgr2の冷却区間の半分と重複しているからである。勿論、必要に応じて、冷媒管βgr1,βgr2を流れる冷媒は、その温度を下げたり、単位時間当たりの流量を増加させるなどして、冷却能力を向上させることが好ましい。また、内側収納管等を備える場合は、この中を流れる補助冷媒を増加させる等の制御を行うことが更に有効である。
{作用効果}
本例の超電導ケーブル線路によれば、複数の冷媒管のうち、一部の冷媒管の冷却区間を他の冷媒管の冷却区間と重複させておくことで、一部の冷媒管の冷却区間の冷却が不能になった場合でも、他の冷媒管の冷却区間を冷却することで、線路全長にわたる冷却を担保できる。
〔実施形態6:超電導ケーブル線路;区分機構〕
次に、超電導ケーブルの途中に区分機構を備えた超電導ケーブル線路について、図8に基づいて説明する。この超電導ケーブル線路も、実施形態1や2の超電導ケーブルを備えている。本例では、主に区分機構300の構成について説明する。説明の便宜上、図8では冷媒管の本数を少なくしている。
{構成}
区分機構300は、超電導ケーブルを構成する収納管150内の空間を長手方向の一方と他方の各空間に仕切り、その空間ごとに冷媒管130への冷媒の導入や、収納管150内の真空引きなどを行うための機構である。超電導ケーブル線路が長距離になると、冷媒管130への冷媒の導入や収納管150内の真空引きを線路の全長にわたって行うことは非現実的である。そのため、複数の区間に区分して、その区分ごとに冷媒管130への冷媒の導入や、収納管150内の真空引きなどの作業を行ない、各区間ごとに作業状況を監視すれば、全長にわたって信頼性の高い超電導ケーブル線路を構築し易い。通常、この種の区分はケーブルコア110の接続部で行われるが、本発明超電導のケーブルのように、冷媒管130とコア110が分離され、且つそれらの一連長が必ずしも接続部で一致しない場合には、区分機構300が好適に利用できる。
具体的には、この区分機構300は、仕切部材310、一方引出部130L、他方引出部130R、及び連結冷媒管130mを備える。仕切部材310は、収納管150の内部を、その長手方向の一方の空間と他方の空間に仕切る。この仕切部材310には、コア110(内側収納管170)の貫通孔が形成されている円盤が利用できる。一方引出部130Lは、一方の空間内の冷媒管130の端部を屈曲して、又は直線状の冷媒管130の端部にL型分岐管を接続して収納管150に貫通させ、収納管150の外部に引き出すことで構成される。他方引出部130Rは、他方の空間内の冷媒管130を屈曲して、又は同じく直線状の冷媒管130の端部にL型分岐管を接続して収納管150に貫通させ、収納管150の外部に引き出すことで構成される。本例では、各引出部130L,130Rにバルブ320L,320Rを設けている。これら両引出部130L,130Rは、連結冷媒管130mにより接続される。この連結冷媒管130mは、各引出部130L,130Rに取付可能に構成されるC型又はU型管で、冷媒管130への冷媒の導入作業を行う際には、両引出部130L,130Rから取り外された状態である。
本例の区分機構300では、収納管150内を真空にする場合に対応するため、収納管150の外部から一方の空間に連通する一方排気管330Lと、収納管150の外部から他方の空間に連通する他方排気管330Rと、両排気管330L,330Rをつなぐ連通管330mも設けている。いずれの排気管330L,330Rにもバルブ340L,340Rが設けられている。連通管330mは連結冷媒管130mと同様に略C型又はU型管で構成され、収納管150内の各空間の真空引きを行う際には、両排気管330L,330Rから取り外された状態である。
これら両引出部130L,130Rと連結冷媒管130m、及び両排気管330L,330Rと連通管330mを備える冷媒流路と排気経路は、収納管の外周面に取り付けられた開口可能な区分ケース350内に収納されている。区分ケース350は、収納管150の全周にわたって取り付けられる環状のケースである。この区分ケース350の取付部では、図示されていないが、収納管150が接続されるケースが多く、その接続用配管を収納管150の途中にはめ込んで接続する場合が多い。この区分ケース350の外周面には、同ケース350の内部空間に連通する短管が設けられ、その短管にもバルブ360が設けられている。この短管とバルブ360は、区分ケース350を取り付け後、その内部を真空引きして、区分ケース350内の保温効果を高めるために用いられる。
その他、コア110を収納する内側収納管170内に補助冷媒や気体を充填する場合に対応するため、或いはケーブル線路に異常が生じた場合に異常点を特定するために、内側収納管170から伸延し、収納管150を貫通して外部にまで及ぶ分岐管が設けられ、その分岐管にもバルブ370が取り付けられている。必要時、区分ケース350を開口し、バルブ370を用いて内側収納管170内部の真空状態や冷媒の状況を調査し、且つその後、真空引きまたは液体窒素の注入を行って線路を元の状態に復帰可能にしている。
このような区分機構300は、超電導ケーブルの布設場所の条件にもよるが、例えば5km〜20km程度の間隔で設けることが好ましい。また、ケーブル線路に曲がり部や鞍部や他の温熱水管と交絡している様な特異点が存在する場合、その特異点近傍に区分機構300を設けておくこともケーブル線路運営を円滑且つ信頼性高く安定したものにする点で好ましい。
{利用手順と作用効果}
冷媒管に冷媒を初期導入する場合、連結冷媒管130mを取り外しておき、各バルブ320L,320Rをあけて、冷媒管130に個別に冷媒を導入すれば、各冷媒管ごとに冷媒の供給状況を監視することができる。冷媒管130に冷媒の導入が完了したら、両引出部130L,130Rに連結冷媒管130mを取り付ける。各バルブ320L,320Rを開けば、両冷媒管130を一連の冷媒流路として構成できる。
収納管150の内部を真空引きする場合も同様である。両排気管330L,330Rから連通管330mを取り外した状態にしておく。その状態で各排気管330L,330Rから仕切部材310を境とする左右の空間の各々を真空引きする。その後、両排気管330L,330Rに連通管330mを取り付けてバルブ340L,340Rを開けば、仕切部材310を境とする左右の各空間内が連通された真空状態とすることができる。
内側収納管170内に補助冷媒などを供給する際、その供給はバルブ370を開け、分岐管を介して行うことができる。充填後はバルブ370を閉めれば良い。異常時に補助冷媒の流量を増強して循環させる場合、この分岐管を補助冷媒用冷却ステーションに接続することもできる。又、内側収納管内の異常検出や異常点の特定のためにもバルブ370は有効に活用可能である。
〔実施形態7:超電導ケーブル線路;電力取出部〕
次に、超電導ケーブルの途中、特に冷却ステーションの設置箇所で電力取出部を備えた超電導ケーブル線路について、図9に基づいて説明する。この超電導ケーブル線路も、実施形態1や2の超電導ケーブルを備えている。本例では、内側超電導導体層を直流往路導体(高圧側)、外側超電導導体を直流帰路導体(低圧側)として送電する場合を例として、主に電力取出部400の構成について説明する。説明の便宜上、図9では冷媒管の本数を少なくしている。
{構成}
この電力取出部400は、実施形態4、5に示した冷却ステーションなどの駆動用の電力をコア110L,110Rから取り出すための分岐構造である。超電導ケーブル線路が長距離となった場合、荒野や砂漠など、近隣に発電設備がない地域に超電導ケーブルの一部が布設される場合がある。その場合、冷却ステーションなどの付属機器を駆動するための電力を外部から調達することが困難なため、コアの送電電力を分岐させて利用する。より詳しくは、電力取出部400は、超電導内側引出導体410、超電導外側引出導体440、端子ボックス470、一方の常電導リード420、他方の常電導リード450を備える。
超電導内側引出導体410は、コア110L,110Rから引き出された内側導体層112L,112R自体、及び内側導体層112L,112Rにつながる連結超電導部材410mで構成される。超電導外側引出導体440は、コア110L,110Rから引き出された外側導体層自体、及び外側導体層につながる連結超電導部材440mで構成される。電力取出部400を境とする左右のコア110L,110Rは、段剥ぎして内側導体層と外側導体層とが露出される。両コア110L,110Rの内側導体同士は連結超電導部材410mを介して接続される。両コアの外側導体同士は連結超電導部材440mを介して接続される。コア110L,110Rから引き出された内側(外側)導体層の外周には、絶縁筒や碍子等の絶縁構造物を形成することが好ましい。
端子ボックス470は、これら両引出導体410,440を冷却する冷媒が充填される。この端子ボックス470内の冷媒は、端子ボックス470の周囲に冷媒管130を配置することで、冷媒管130内の冷媒を利用して冷却することができる。勿論、端子ボックス470内の冷媒用に小型の冷却ステーション(図示略)を設けても良い。
一方の常電導リード420は、超電導内側引出導体410を構成する連結超電導部材410mにつながって、端子ボックス470から常温側に電路を形成する。他方の常電導リード450は、超電導外側引出導体440につながって、端子ボックス470から常温側に電路を形成する。各常電導リード420,450の外周には、絶縁筒や碍子等の絶縁構造物430,460が配置される。各常電導リード420,450から取り出される電力は、冷却ステーションの構成部材、例えば冷凍機やポンプの駆動用に用いられるが、冷却ステーション用のバッテリに接続されて、そのバッテリを常に必要量充電しておくために用いても良い。
これら超電導内側引出導体410、超電導外側引出導体440、端子ボックス470、各常電導リード420,450の一部は、引出ボックス480内に収納される。引出ボックス480は、収納管150の外周に設けられる容器状の部材である。引出ボックス480の内部空間は、収納管150と連通しており、必要に応じて真空としたり、断熱材を充填したりされる。図9では、引出ボックス480の真空引き等のために必要なバルブ類は表示を省略している。
一方、冷媒管130は、各コア110L,110Rに沿って伸び、引出ボックス480内を通って収納管150の内部から外部に引き出される。これら冷媒管130も冷却ステーションに接続される。
{作用効果}
本線路が超電導ケーブル線路であり、内外導体の抵抗が実質的に零であるため、線路の途中で電力を分岐して取り出しても、送電先の受電端電圧に些かの影響を与えることもない。この特徴を活かして、線路の途中に電力取出部を備えることで、冷却ステーション用の電力を、その冷却ステーションの駆動に支えられて送電そのものが可能になる当の送電線であるコア110L,110Rから取り出すことができる。そのため、冷却ステーション用の電力として、別途発電所などから送電してきたり、冷却ステーションごとに太陽電池や風力発電機などの再生可能エネルギーを利用した発電手段を冷却ステーションに近接させて配置する必要がない。コア110L,110Rから電力を分岐させるため、再生可能エネルギーを利用した発電手段のように、天候などにより発電出力が左右されることもなく、安定して冷却ステーションを駆動させることができるので、特に長距離超電導ケーブル線路の信頼性を飛躍的に向上させるために有効である。超電導ケーブル線路建設後、始動するために必要な冷却ステーション用電源としては、仮設電源又は非常用電源をその時のみ用いるようにすればよい。
通常、冷却ステーションの駆動に要する電力は、超電導ケーブルの送電電力の0.01〜0.1%程度にすぎないため、超電導ケーブル線路で送電する間の前記電力分岐による電力損失はごく僅かに抑えられる。
〔実施形態8:超電導ケーブル線路;冷却調整用断熱材(平坦布設)〕
次に、超電導ケーブルの途中に冷却調整用断熱材を備えた超電導ケーブル線路について、図10に基づいて説明する。この超電導ケーブル線路も、実施形態1や2の超電導ケーブルを備え、冷却ステーションと各冷媒管との関係は実施形態4と共通である。
{構成}
この線路は、高低差のほぼない位置に設置された分割ステーションA12とA21の間をつなぐ冷媒管αgと、同じく分割ステーションA12とA21の間をつなぐ冷媒管αrとを備える。冷媒管αgが冷媒の往路管、冷媒管αrが冷媒の復路管である。
この冷媒管αgの冷媒導入側の半分、つまり冷却ステーションA12側の半分と、冷媒管αrの冷媒導入側の半分、つまり冷却ステーションA21側の半分との区間に冷却調整用断熱材500g、500rを備える。この断熱材500g、500rには、公知の断熱材を各冷媒管の外周に巻き付けたりして利用することができる。図10では、各冷媒管の長手方向に沿って一様な厚さの冷却調整用断熱材500g、500rを記載しているが、導入側から復帰側に向かって厚みが小さくなるテーパ状の断熱材を用いても良い。
{作用効果}
この線路によれば、線路建設後の初期冷却や何らかの線路停止後の冷却復帰時に冷媒管に冷媒を導入する際、超電導ケーブルの全長にわたってほぼ均一に冷却を行うことができる。超電導ケーブルの冷却は、冷媒の導入側ほど早く、冷媒の復帰側ほど遅い。そのため、冷媒の導入側に相当する箇所に冷却調整断熱材500g、500rを設けることで、冷媒の導入側の冷却を緩和し、当該導入側とその反対側との冷却程度を均一化することができる。冷媒の導入側から復帰側に向かって厚みが小さくなるテーパ状の断熱材を用いた場合、冷却が早く始まる導入側ほど断熱材が厚く、冷却が遅れる復帰側ほど断熱材を薄くすることで、コアを全長にわたって一層均一に冷却することができる。また、単心コアケーブル等のように、冷却によるコアの収縮が積算して出現し易い場合、冷却調整用断熱材を利用することによって、ケーブル線路の両端末へ出てくる収縮量を等しくすることが可能になる。
〔実施形態9:超電導ケーブル線路;冷却調整用断熱材(傾斜布設)〕
次に、超電導ケーブルの途中に冷却調整用断熱材を備えた超電導ケーブル線路について、図10に基づいて説明する。この超電導ケーブル線路も、実施形態1や2の超電導ケーブルを備え、冷却ステーションと各冷媒管との関係は実施形態4と共通である。但し、各冷却ステーションは高低差のある位置に設置され、その間の冷却区間は傾斜を有している。以下、主に実施形態8との相違点について説明する。
{構成}
本例では、冷却ステーションA12が低位置に、冷却ステーションA21が高位置に設置され、その間をつなぐ冷媒管αgrは、角度θの傾斜を有して配置されている。冷媒管αgが冷媒の往路管、冷媒管αrが冷媒の復路管である。
この冷媒管αgの冷媒導入側、及び冷媒管αrの冷媒復帰側、つまり冷却ステーションA12側の各冷媒管αgrの半分の区間には、冷却調整用断熱材500g,500rが設けられている。この冷媒調整用断熱材500g,500rの厚さは、その長手方向にわたって一様であってもよいが、冷却が進行し易い低位置側ほど薄くなるテーパ状の断熱材であっても良い。
{作用効果}
上記の線路によれば、超電導ケーブルの布設経路に高低差があり、一方の冷却ステーションが低位置に、他方の冷却ステーションが高位置に設置されている場合であっても、冷媒管αgrに冷媒を導入する際、超電導ケーブルの冷却によって発生する収縮応力を全長にわたってほぼ均一にしながら冷却を行うことができる。両冷却ステーションの設置箇所に高低差がある場合、両冷却ステーション間をつなぐ冷媒管に冷媒を導入すると、重力による応力がケーブルの低位置側に加算されて現れ易いために、ケーブルコアは上記低位置側に移動し易くなる。超電導ケーブルの冷却と常温までの温度復帰を繰り返すと、ケーブルコアは更に上記低位置側に滑落してゆくことになり、遂にはケーブルコアに損傷を与える虞が生ずる。一方、各冷媒管αgrの上記低位置側に冷却調整断熱材500g,500rを設ければ、この低位置側への超電導ケーブルの冷却による応力集中を緩和し、ケーブルコアの上記低位置側と高位置側への滑落現象を食い止めることが可能になる。
〔実施形態10:超電導ケーブル線路;冷却程度の監視〕
次に、超電導ケーブルの布設初期段階などで、超電導ケーブル線路の全長にわたって十分に超電導導体層を冷却できたか否かを確認できる超電導ケーブル線路を図12に基づいて説明する。
超電導ケーブルは、冷媒による冷却が十分に進み、その超電導導体層の全長が液体窒素温度(77K)以下になると、運用が可能になる。一方、全線路の一部でも冷却が不十分であると運用できないばかりか、無理に通電すると冷却不十分箇所で超電導状態が破れて有限の抵抗が現れるいわゆるクエンチ事故が生じて、ケーブルに大損傷を与えてしまう虞がある。従って、長尺超電導ケーブル線路の布設直後の初冷却時や再冷却時等に、全超電導ケーブル線路が必要な冷却温度に達したかどうかを判定することは非常に重要なことである。特に、本発明の超電導ケーブルでは、十分な冷却を達成するまでの時間がコアを冷媒に浸漬する既存の超電導ケーブルに比して長い場合があり、全長冷却の十分性の判定技術は重要である。
〔構成〕
この超電導ケーブル線路は、両端部に終端接続部1100E,1200Eを備え、その間が上述した本発明の超電導ケーブル1000で繋がれている。ここでは、超電導ケーブル1000同士を途中で接続する中間接続部1000Cも示している。このような超電導ケーブル線路において、以下に詳述する信号送出手段1300、信号受信手段1310、及び冷却判定手段1320を備える。
信号送出手段1300は、一方(本例では図の左側)の終端接続部1100E側から超電導ケーブル1000のコア(超電導導体層)に電気信号を入力させる。例えば、直流から高周波までのいずれかの周波数の電気信号発生機が信号送出手段1300として利用できる。図12では、電気信号を白抜き矢印で示している。
信号受信手段1310は、他方(本例では図の右側)の終端接続部1200Eで超電導ケーブル1000のコア(超電導導体層)に接続され、超電導ケーブル1000を伝送されてきた上記電気信号を出力信号として受信する。
一方、冷却判定手段1320は、信号受信手段1310で受信された出力信号のレベルにより、コアの超電導導体層が線路の全長にわたって超電導状態になる温度にまで到達したか否かを判定する。具体的な判定手法については、後述する。この冷却判定手段1320は、コンピュータが好適に利用でき、例えば信号送出手段1300または信号受信手段1310に近接して配置されたり、これら各手段1300,1310から離れた箇所に設置することができる。信号送出手段1300または信号受信手段1310から離れた箇所に冷却判定手段1320を設置する場合、判定に必要なデータは無線または有線により、冷却判定手段1320に出力すれば良い。
〔作用効果〕
一般に、電力ケーブルの導体抵抗をR、静電容量をCとする(ここでは、簡便のために分布定数を用いずに、全抵抗Rと全静電容量Cで代用して説明する)と、電力ケーブル中の電気信号の伝搬は、いわゆる「時常数」であるτ(タウ)=CRを用いてその状況が表される。このτが大きくなると電力ケーブル中の電気信号伝搬に遅延が生じ、出力波形が乱れると共に伝搬出力自身が減衰してくる。しかし、超電導ケーブル線路が全長にわたって超電導状態になるまで十分に冷却されるとRがゼロになるので、電気信号が線路の一端から入力されると、それは伝搬遅延がなく瞬時に他端に到達する。しかも、伝搬出力の減衰も無く波形の乱れも生じずに他端で受信される。従って、コアの冷却過程の少なくとも後半の段階で、超電導ケーブル線路の一端側から信号送出手段1300で電気信号を入力し続け、他端側に設置した信号受信手段1310で出力信号をモニタし続ける。それにより、電気信号が波形の乱れも無く遅延も生じずに受信された瞬間を冷却判定手段1320で判断すれば、その時点をもって超電導ケーブル全線路が超電導状態まで冷却されたことが判定できることになる。
上述のように、補助冷媒が流れる内側収納管をもつ超電導ケーブルの場合には、このコア中の内側収納管から流出される冷媒の温度を測定することによって、上記冷却程度の適正判定が容易に行える。しかし、そうでない超電導ケーブル線路の場合には、線路全長にわたって適正な冷却が行われているか否かを判定することは難しい。これに対し、本例の線路であれば、内側収納管のない超電導ケーブルでもコアの冷却程度を的確に判定することができる。
一方、短尺超電導ケーブル線路の場合は、光ファイバ分布型温度センサ(DTS)を用いることで、センサとなる光ファイバをケーブルコアに沿わせ、ケーブルコア全長の温度分布を直接測定して判定することが可能である。しかし、長尺の超電導ケーブル線路になれば、光ファイバの利用長に制約があるため、DTSを用いた冷却程度の判定も困難である。これに対し、本例の線路であれば、光ファイバなどのセンサを用いることなく、長尺の線路全長にわたって、コアの冷却程度を的確に判定することができる。
〔実施形態11:超電導ケーブルの冷却程度のモニタ〕
次に、実施形態10の超電導ケーブル線路において、さらに超電導ケーブル線との途中で生じた冷却異常の位置(事故点)を特定できる超電導ケーブル線路を図13に基づいて説明する。本例では、主に実施形態10との相違点について説明し、共通点については説明を省略する。
〔構成〕
この超電導ケーブル線路は、実施形態10の構成に加え、反射信号受信手段1400と、事故点特定手段1410とを備える。この説明では、超電導ケーブル線路の途中において、超電導導体層の冷却が局所的に不十分な箇所を事故点Eとする。
反射信号受信手段1400は、事故点Eにおける電気信号の反射信号を超電導ケーブル線路の一端側で受信する。この電気信号は、実施形態10における信号送出手段から超電導導体層に入力された信号である。反射信号は、図13では黒塗り矢印で示している。
事故点特定手段1410は、上記電気信号及び反射信号の伝送速度と、信号送出手段1300で電気信号を入力してから反射信号受信手段1400で反射信号を受信するまでの時間とから事故点Eの位置を演算する。この事故点特定手段1410もコンピュータが好適に利用できる。その設置箇所についても実施形態10と同様である。図13では、超電導ケーブル線路の一端側(図13の左側)の終端接続部1100Eに近接して事故点特定手段1410を設けている。
〔作用効果〕
上記の超電導ケーブル線路において、電気信号送出手段1300から出力された電気信号は、超電導ケーブル1000の途中に事故点Eがあれば、その箇所で電気信号の一部が反射され、電気信号の出力端である超電導ケーブル線路の一端側に戻される。これは、事故点Eで局所的に電気抵抗が増大し、インピーダンスの不整合が生じているためである。
一方、電気信号及び反射信号は既知であるため、信号送出手段で電気信号を入力してから反射信号受信手段で反射信号を受信するまでの時間がわかれば、事故点特定手段1410により事故点Eの位置を演算して求めることができる。
〔実施形態12:超電導ケーブル:複数コア群〕
次に、実施形態1に係る超電導ケーブルの変形例を図14に基づいて説明する。本例の超電導ケーブルは、内側収納管内に複数のコアユニットを収納した点が実施形態1との相違点であり、その他の構成は実施形態1と同様である。以下の説明は、主としてその相違点について行う。
{構成}
本例の超電導ケーブルは、内側収納管170内に複数回線のコア110を収納している。具体的には、撚り合わされた3心のコア110をコアユニット110uとするとき、各コアユニット110uを一回線の送電路とし、図14では2組のコアユニット110uを内側収納管170内に配置している。勿論、コアユニット110uの数は3組以上であっても構わない。コアユニット110uの形態で一回線を構成するのではなく、単心のコア110を一回線とし、複数のコア110を内側収納管170内に収納することで、複数回線の送電路を形成しても良い。
本例の超電導ケーブルにおいて、内側収納管170や結束帯140(図1参照)は必須ではなく、必要に応じて設ければ良い。また、各回線を構成するコア110同士或いはコアユニット110u同士は、互いに適宜な仕切部材(図示略)で絶縁したり、内側収納管170内での互いの位置を適宜なスペーサ(図示略)で位置決めすることにより、互いを非接触に保持したりすることができる。コア110と冷媒管130とを複合した複合コアユニット100cと収納管150との間は、真空に保持しても良いし、断熱材(図示略)を充填しても良い。
{作用効果}
本例の超電導ケーブルによれば、複数回線の送電路を一つの収納管150内に配置することができる。そのため、超電導ケーブルの布設スペースを省スペース化しながら信頼性の高い超電導ケーブル線路を構築することができる。
サハラソーラーブリーダー計画などで、超長距離(例えば100km〜1000km以上)の超電導ケーブル線路を構築する場合、その送電容量は非常に大きくなることに加え、送電の信頼性の観点から複数回線を布設することになる。その際、ケーブルの布設スペースは、その地上権との関係上、省スペースであることが好ましい。特に、複数回線を並列布設すれば、ケーブル自体の設置スペースの増大に加え、各回線ごとに冷媒の冷凍機、ポンプ、タンクなど付属設備も必要になり、布設スペースが大きく拡大する。
そこで、一つの収納管150内に複数(回線)のコア110(コアユニット110u)を配置することで、超大容量の送電を可能としたり、複数回線の送電を容易に実現することができる。それにより、一部の回線が不通になっても、他の回線で送電を確保したり、布設当初は一部のコア110を利用して送電を行い、事後的に残部のコア110の少なくとも一部を利用して容量の増大を図ったりすることができる。特に、本例の構成では、複数のコア110(コアユニット110u)を一括して冷却でき、複数回線のコア(コアユニット110u)の冷却に用いる冷凍機やポンプを共用することができる。
〔実施形態13:超電導ケーブル:複数の複合コアユニット〕
次に、実施形態1に係る超電導ケーブルの変形例を図15に基づいて説明する。本例の超電導ケーブルは、一つの収納管内に複数の複合コアユニットを収納した点が実施形態1との相違点であり、その他の構成は実施形態1と同様である。以下の説明は、主としてその相違点について行う。
{構成}
本例では、3組の複合コアユニット100cを一つの収納管150内に収納している。そのため、一組の複合コアユニット100cで3相交流を送電する場合、3回線の3相交流の送電が可能である。勿論、複合コアユニット100cの数が3組に限定されるわけではなく、2組や4組以上であっても良い。
各組の複合コアユニット100cは正三角形の頂点に位置するように配置されている。この配置により、いずれの複合コアユニット100cを構成するコア110も均一に冷却することができる。勿論、各組の複合コアユニット100cは異なる配置としても良い。各組の複合コアユニット100cは、収納管150内を真空にした場合は収納管150内面と各複合コアユニット100cとの間に収納管長手方向に適宜な間隔で介在されるスペーサ(図示略)で保持し、収納管150内に断熱材(図示略)を充填した場合は、その断熱材で保持される。
{作用効果}
本例の超電導ケーブルも実施形態12と同様に、複数回線の送電路を一つの収納管150内に配置することができる。そのため、超電導ケーブルの布設スペースを省スペース化しながら信頼性の高い超電導ケーブル線路を構築することができる。また、一つの収納管150内に複数の複合コアユニット100cを備えるため、省スペースの設置が可能である。その他、複合コアユニット100c毎の単位で、そのユニット100cを構成するコア110又はコア群を冷却できるため、いずれかのコア(コア群)の冷却ステーションに不備が生じても、他のコア(コア群)の冷却に支障が生じない。勿論、一部の複数の複合コアユニット100c又は全部の複合コアユニット100cの冷却ステーションを共有化することで、冷却ステーションの削減を図っても良い。
〔実施形態14:超電導ケーブル:追加冷媒管〕
次に、実施形態1に係る超電導ケーブルの変形例を図16に基づいて説明する。本例の超電導ケーブルは、一つの収納管内に一組の複合コアユニットを備える点で実施形態1の超電導ケーブルと同じであるが、その複合コアユニットの周囲に、さらに複数の追加冷媒管を配置している点で異なる。その他の構成は実施形態1と同様である。以下の説明は、主としてその相違点について行う。
{構成}
図16(A)に記載の超電導ケーブルは、収納管150内の中央に一組の複合コアユニット100cを備え、その周囲を取り囲むように四組の冷媒管ユニット130uが配置されている。各冷媒管ユニット130uは、複数の冷媒管130を並列又は撚り合わせた構成である。本例では3本の冷媒管130を並列配置して冷媒管ユニット130uを構成し、各冷媒管ユニット130uが正方形の頂点に位置するように収納管150内に配置している。
一方、図16(B)に記載の超電導ケーブルは、同(A)に記載の各冷媒管ユニット130uを1本の追加冷媒管130aに置換した構成である。但し、図16(B)の複合コアユニット100cを取り囲む追加冷媒管130aは、図16(A)の冷媒管ユニット130uを構成する個々の冷媒管よりも大きな径となっている。
{作用効果}
超長距離の超電導ケーブルになれば、冷却ステーションの設置間隔を長くしても、コア110を十分に冷却できる必要がある。複数の冷媒管ユニット130u又は追加冷媒管130a(以下、単に冷媒管ユニット等という)を一つの収納管150内に配置することで、ケーブル布設スペースの増大を伴うことなく、十分にコア110を冷却できる。特に、収納管150内を真空にしない場合(断熱材充填)でも、コア110を十分に冷却することが可能である。いずれかの冷媒管ユニット等に不備が生じても、他の冷媒管ユニット等を用いてコア110を冷却することができる。
その他、各冷媒管ユニット等の冷媒の温度や流量を変えること、或いは冷媒が流通される冷媒管ユニット等の数を変えることでコア110の冷却程度を調整しやすく、送電容量を調整することもできる。
〔実施形態15:超電導ケーブル:複合コアユニットの全周に冷媒管〕
次に、実施形態1に係る超電導ケーブルの変形例を図17に基づいて説明する。本例の超電導ケーブルは、一つの収納管内に一組の複合コアユニットを備える点で実施形態1の超電導ケーブルと同じであるが、その複合コアユニットは、内側収納管の全周が冷媒管で取り囲まれ、部分断熱層上に配置されている。その他の構成は実施形態1と同様である。以下の説明は、主としてその相違点について行う。
{構成}
本例の超電導ケーブルでは、収納管150内の下方に断面形状が円弧状の部分断熱層162を配置している。この部分断熱層162は、収納管150の内部空間の一部を占有する断面積を有し、その上に複合コアユニット100cを配置することで、同ユニット100cを収納管150とほぼ同軸状に配置させることができる。
収納管150内のうち、複合コアユニット100c及び部分断熱層162以外の空間は、真空としても良いし、適宜な充填材を充填して、図4と同様に充填断熱部を形成しても良い。
一方、複合コアユニット100cにおける内側収納管170の外周は、周方向の全域にわたって、ほぼ隙間なく冷媒管130が並列されている。本例では、合計8本の冷媒管130を用いている。勿論、冷媒管130の本数は特に限定されず、内側収納管170又はコア110(コア群)の外周をほぼ隙間なく取り囲むことができるような本数とすれば良い。
内側収納管170と各冷媒管130との間には、適宜なクッション材180を配置することが好ましい。クッション材180により、内側収納管170と冷媒管130との接触に伴う損傷を抑制するとともに、両者間の熱伝導を向上することで、より一層効率的にコア110を冷却することができる。クッション材180には、各種プラスチック材料や布、繊維などが利用できる。
{作用効果}
この構成によれば、内側収納管170内に配置されたコア110の全周をほぼ隙間なく冷媒管130で覆うことで、実施形態1に比べてより効率的にコアを冷却することができる。特に、収納管150内に充填断熱部を形成した場合、収納管150内を真空引きする必要がなく、真空断熱層を用いなくてもコア110を十分に冷却することができる。また、この冷媒管130を複数本毎、例えば2本毎にヘッダーでまとめて、それらを冷却ステーションに接続することで、冷媒管1本毎に冷却ステーションを接続する必要がなく、冷却ステーションの数の削減を実現できる。逆に冷媒管130を個別に冷却した場合は、いずれかの冷媒管130の冷却ステーションに支障が生じても、他の冷媒管130を用いてコア110を冷却することができる。その他、一部の冷媒管130と残部の冷媒管130、例えば隣接する冷媒管同士を冷媒の往路と復路として構成し、冷媒管130の冷媒導入側と排出側とでコア110の冷却程度に差が生じることを緩和することができる。
〔実施形態16:超電導ケーブル:冷媒管の結束構造A〕
次に、実施形態1に係る超電導ケーブルの変形例を図18に基づいて説明する。この超電導ケーブルは、実施形態1に係る超電導ケーブルに対して、次の点で異なり、他の点は同様である。
(1)冷媒管の本数が実施形態1のそれよりも多い(例えば6本)。
(2)複数の冷媒管がコアの外周にSZ撚りされている。
(3)結束帯による冷媒管の結束構造が実施形態1のそれと異なる。
以下、本例に係る超電導ケーブルの構成のうち、主として、SZ撚りされた複数の冷媒管の撚り合わせ状態を保持し易い結束帯の結束構造を説明する。この結束帯は、紐状のものでも良いが、テープ状のものであれば、コアと冷媒管との間や冷媒管同士の間に通し易く好ましい。また、収納管150(図1)は図示を省略している。これらの点は後述する実施形態17、18においても同様である。
{構成}
SZ撚りされた冷媒管130は、コア110の外周において一方向に冷媒管130を撚り合せるS撚り部と、その逆方向に冷媒管130を撚り合せるZ撚り部と、これらS撚り部とZ撚り部との間に介在されて冷媒管130の撚り合わせ方向が反転される反転部とを備える。図18は、コア110(内側収納管がある場合は内側収納管170)に冷媒管130を撚り合わせた複合コアユニット100cを側方から見た図で、冷媒管130が凹型に曲げられた凹型反転部134における一部の冷媒管130を示し、同図の凹型反転部134よりも右側がS撚り部、左側がZ撚り部である。
このような冷媒管130は、その撚り合わせ方向が途中で反転されることを繰り返すため、撚りが解け易い。そのため、コア110に冷媒管130を撚り合わせた複合コアユニット100cの外周に環状の結束帯140(140A,140B)を同ユニット100cの長手方向に所定間隔で設けたり、同ユニット100cの外周に結束帯140を螺旋状に巻き付けたりしただけでは冷媒管130の撚り合わせ状態がずれる虞がある。
本例では、冷媒管130の上記のずれに対処すべく、図18の左側に示すように、結束帯140が、複数の冷媒管130のうち、ある冷媒管C1の内周側から別の冷媒管C2の外周側を通り、さらに別の冷媒管C3の内周側に至る部分を有するように冷媒管130を結束している。より具体的には、隣接する冷媒管130における外周側(コア110から離れる側)と内周側(コア110側)とを交互に通るように結束帯140をコア110の外周に波形に配置する。コア110の外周に配置された結束帯140は、環状としても螺旋状としてもいずれでも良い。この結束帯140が冷媒管130の外周側と内周側に蛇行される周期は、上述のようにコア110の周方向に隣接する冷媒管130の交互となるようにできる他、同方向に並ぶ複数本の冷媒管130毎となるようにしても良いし、同方向に並ぶ任意の本数の冷媒管130毎となる不均一な周期としても良い。
本例の結束構造によれば、複数本の冷媒管130のうち、その外周側に結束帯140が掛け渡された冷媒管130のみがコア110側に結束される。例えば、図18に示す結束構造では、3本の冷媒管130のうち、並列方向の中間に位置する冷媒管C2だけが結束帯140Aによりコア110側に結束される。そのため、ある結束帯140Aでコア110側に結束されなかった冷媒管C1 、C3は、別の結束帯140Bで冷媒管C1、C3の外周側からコア110側に結束されるようにすることが好ましい。この別の結束帯140Bも、複数の冷媒管130への取り回しは、上述したある結束帯140Aと同様にすれば良い。本例の結束構造は、コア110の外周に撚り合される冷媒管130の数が偶数である場合に好適である。これらの全冷媒管を偶数の結束帯140でコア110に結束する場合、一つの結束帯140でコア110に結束する冷媒管130の数を等しくすることができるからである。
{作用効果}
本例の結束構造によれば、コア110の外周に並列された複数の冷媒管130に対して、隣接する冷媒管130の間を縫うように結束帯140を配置することで、冷媒管130がSZ撚りされていても、その撚り合わせ状態を保持することができる。そのため、コア110に対する冷媒管130の配置状態を保持でき、コア110をより確実に冷却することができる。
〔実施形態17:超電導ケーブル:冷媒管の結束構造B〕
次に、実施形態1に係る超電導ケーブルの変形例を図18に基づいて説明する。本例もコアの外周に複数の冷媒管がSZ撚りされている超電導ケーブルにおいて、それらの冷媒管を撚りが解けないように結束帯で結束する構造に関するもので、以下の説明は、主として実施形態16との相違点について行う。
{構成}
本例では、図18の右側に示すように、主結束帯140Mと副結束帯140Sの2種類の結束帯140を用いる。主結束帯140Mは、複数の冷媒管130の外周を一括して結束する。つまり複合コアユニット100cの外周を結束する。より具体的には、主結束帯140Mは、複合コアユニット100cの外周に環状に配置されたり、同ユニット100cの外周に螺旋状に配置される。一方、副結束帯140Sは、主結束帯140Mに対して、一部の冷媒管130の位置を保持するために利用される。より具体的には、副結束帯140Sは、ある冷媒管C1の内周側から当該冷媒管C1とそれに隣接する冷媒管C2との間に跨る主結束帯140Mの外周側に掛けられて、さらに前記冷媒管C2の内周側に至る部分を有する。この結束構造を別な見方をすれば、コア110の外周に並列される3本の冷媒管C1、C2、C3のうち、中間に位置する冷媒管をC2とするとき、副結束部140Sが、次の3つの部位に連続して掛け渡されるように配置される結束構造といえる。
(1)主結束帯140Mのうち、互いに隣接する冷媒管C1、C2の間に跨る第一張架部141Mの外周側(コア110から離れる側)
(2)冷媒管C2の内周側(コア110側)
(3)主結束帯140Mのうち、互いに隣接する冷媒管C2、C3の間に跨る第二張架部142Mの外周側(コア110から離れる側)
第一張架部141Mの外周に掛けられた副結束帯140Sは、さらに冷媒管C1の内周側(コア110側)に引き込まれ、第二張架部142Mの外周に掛けられた副結束帯140Sは、さらに冷媒管C3の内周側(コア110側)に引き込まれることで、順次同様に上記(1)〜(3)の3つの部位に副結束帯140Sが掛け渡された結束構造を繰り返すことができる。それにより、この結束構造を各冷媒管130に対して施すことができる。
{作用効果}
本例の結束構造によれば、コア110の外周に並列された複数の冷媒管130の外周を主結束帯140Mで一括して結束し、その主結束帯140Mに対して副結束帯140Sで各冷媒管130を結束するため、主結束帯140Mの長手方向に対する各冷媒管130の位置が保持される。そのため、冷媒管130がSZ撚りされていても、コア110に対する冷媒管の配置状態を保持でき、コア110をより確実に冷却することができる。
〔実施形態18:超電導ケーブル:冷媒管の結束構造C〕
次に、実施形態1に係る超電導ケーブルの変形例を図19に基づいて説明する。本例もコアの外周に複数の冷媒管がSZ撚りされている超電導ケーブルにおいて、それらの冷媒管を撚りが解けないように結束帯で結束する構造に関するもので、以下の説明は、主として実施形態16との相違点について行う。
{構成}
本例では、コア110の外周(内側収納管170がある場合は、内側収納管170の外周)に複数の冷媒管130をSZ撚りした複合コアユニット100cを側方から見た際、冷媒管130の撚り方向が反転される反転部のうち、冷媒管130が凸型に曲げられる反転部を凸型反転部132とし、この凸型反転部132に隣接されて冷媒管130が凹型に曲げられる反転部を凹型反転部134とする。このような冷媒管130に対し、結束帯140は、凸型反転部132と凹型反転部134とを、互いにコアの周方向の逆方向で、かつ凸型反転部132と凹型反転部134の各々における冷媒管130の曲げの外側に捻るように結束する。
図19は、上記複合コアユニット100cを側方から見た状態の一部を示す。このユニットは、左から順に左凹型反転部134L、凸型反転部132、右凹型反転部134Rが順次形成されている。ここで、左側から順に結束帯140の取り回し構成を説明する。まず、コア110の外周で冷媒管130との間に巻回された結束帯140は、図におけるコア110の手前側を通って左凹型反転部134Lにおける冷媒管130の曲げの内側に掛けられ、冷媒管130の外周側(コア110から離れる側)に引き出される。次に、結束帯140は、左凹型反転部134Lと凸型反転部132との間に形成されるS撚り部136の外周を通り、図の手前側から奥側に巻回される。続いてS撚り部136の凸型反転部132との境界付近において、隣接する冷媒管130の隙間から結束帯140を冷媒管130とコア110との間に差し込み、図におけるコア110の手前側に巻回する。次に、結束帯140は、凸型反転部132における冷媒管130の曲げの内側に掛けられて、凸型反転部132を構成する冷媒管130の外周側に引き出される。次に、その結束帯140は、凸型反転部132とZ撚り部138との境界付近において、隣接する冷媒管130の隙間から冷媒管130とコア110との間に差し込まれ、図におけるコア110の奥側に巻回される。続いて、結束帯140は、Z撚り部138におけるコア110と冷媒管130との間であって、図におけるコア110の手前側を通り、さらに右凹型反転部134Rにおける冷媒管130の曲げの内側に掛けられ、右凹型反転部134Rの冷媒管130の外周側に引き出される。
このように結束帯140で冷媒管130を結束すれば、左凹型反転部134Lは、その冷媒管130の曲げの外側(図の下側)に捻られ、凸型反転部132は、その冷媒管130の曲げの外側(図の上側)に捻られ、右凹型反転部134Rは、その冷媒管130の曲げの外側(図の下側)に捻られることになる。その結果、左凹型反転部134Lと凸型反転部132との間ではS撚り部136の撚りが締まり、凸型反転部132と右凹型反転部134Rとの間ではZ撚り部138の撚りが締まることになる。同様の結束帯140の取り回しを順次複合コアユニット100cの長手方向に繰り返すことで、同ユニット100cの全長に亘って冷媒管130を結束することができる。
各反転部132、134において、1本の結束帯140で冷媒管130の曲げの外側に捻られる冷媒管130の数は、例えばコア110の外周に撚り合される全冷媒管の本数の半分程度以下とすることが好適である。それは、全冷媒管130を、その撚りが締まる方向に結束し易いからである。
{作用効果}
本例の結束構造によれば、コア110の外周にSZ撚りされた複数の冷媒管130に対して、凸型反転部132と凹型反転部134とを、互いにコア周方向の逆方向であって、S撚り部136及びZ撚り部138の冷媒管130の撚り合わせが締まる方向に捻るように結束帯140を配置することで、冷媒管130の撚り合わせ状態を保持することができる。そのため、コア110に対する冷媒管130の配置状態を保持でき、コア110をより確実に冷却することができる。
〔実施形態19:超電導ケーブル:押え巻き〕
次に、冷媒管をSZ撚りした超電導ケーブル(例えば実施形態16〜18)において、さらに押え巻きを備える超電導ケーブルを説明する。本例も、基本構成は実施形態1と同様である。
結束帯の利用は、特に冷媒管がSZ撚りされている場合に、その撚り合わせの保持に有効である。しかし、SZ撚りが保持されていても、とりわけ実施形態16や18(図18)の場合に、冷媒管がコアから離れたり、複数の冷媒管の包絡円が設計円径や設計形状から外れる虞がある。その他、結束帯が破断する虞もある。そのため、冷媒管を結束帯の外側からコア側に押える押え巻きを施すことで、冷媒管とコアとを近接或いは接触させると共に、結束帯が破断した場合であっても、複数の冷媒管の包絡円が設計円径や設計形状を保持するように配置できる。
押え巻きの具体例としては、複数の冷媒管を一括するようにテープ材を螺旋状に巻回することが挙げられる。このテープ材の巻回の仕方は、ギャップ巻き、突合せ巻き、重ね巻きのいずれであっても構わない。勿論、冷媒管がSZ撚りでない場合においても、押え巻きを利用しても良い。その他、この押え巻きの具体例としては、複数の冷媒管を一括するようにテープ材を環状に巻き付けることも挙げられる。このような押え巻きは、複合コアユニットの長手方向に所定の間隔で複数設けることが好ましい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
本発明の超電導ケーブルは、長距離の超電導ケーブル線路の構築に利用できる。特に、長距離直流超電導ケーブル線路の構築に好適に利用できる。
100,1000 超電導ケーブル
100c 複合コアユニット
110,110L,110R コア 110u コアユニット
111 フォーマ 112 内側超電導導体層 113 絶縁層
114 外側超電導導体層 115 常電導層 116 保護層
112L,112R 内側導体層
120 断熱管
121 内管 122 外管 123 断熱材 124 防食層
130,αgrg1,βg2,βr1,βr2,αgrgr1,βgr2 冷媒管
130c 冷媒
130L 一方引出部 130R 他方引出部 130m 連結冷媒管
130u 冷媒管ユニット 130a 追加冷媒管
132 凸型反転部 134 凹型反転部
134L 左凹型反転部 134R 右凹型反転部
136 S撚り部 138 Z撚り部
140,140A,140B 結束帯 140M 主結束帯 140S 副結束帯
141M 第一張架部 142M 第二張架部
150 収納管
160 断熱材
162 部分断熱層 164 充填断熱部
170 内側収納管
180 クッション材
CZ 冷却ゾーン
210c 第一ドラム 210p 第二ドラム 220 アンダーローラ
230 ガイドローラ 240 ラッパ嚮導管 250 SZ撚り合わせ機
260 テープ巻き機 270 キャタピラ送り出し機
280 ガイド管 290 ガイドワイヤ
300 区分機構
310 仕切部材 320L,320R,340L,340R,360,370 バルブ
330L 一方排気管 330R 他方排気管 330m 連通管
350 区分ケース
400 電力取出部
410 超電導内側引出導体 410m,440m 連結超電導部材
420 一方の常電導リード 430,460 絶縁構造物
440 超電導外側引出導体 450 他方の常電導リード
470 端子ボックス 480 引出ボックス
500g,500r 冷却調整用断熱材
1100E、1200E 終端接続部 1000C 中間接続部
1300 信号送出手段 1310 信号受信手段 1320 冷却判定手段
1400 反射信号受信手段 1410 事故点特定手段
E 事故点

Claims (30)

  1. 超電導導体層と、この超電導導体層を超電導状態に冷却する冷媒の流路とを備える超電導ケーブルであって、
    前記超電導導体層と絶縁層とを備えるコアと、
    前記冷媒流路を構成すると共に、前記超電導導体層を冷却するようにコアに並設される冷媒管と、
    前記コア及び冷媒管の収納管とを備えることを特徴とする超電導ケーブル。
  2. 前記冷媒管は、前記コアの外周を取り囲むように複数本を撚り合わせてなることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブル。
  3. 前記複数の冷媒管に取り囲まれる前記コアが複数本であることを特徴とする請求項2に記載の超電導ケーブル。
  4. 前記コアと、そのコアの外周を取り囲むように撚り合された複数本の冷媒管との組合せを複合コアユニットとし、
    その複合コアユニットを前記収納管内に複数組備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の超電導ケーブル。
  5. 前記コアと、そのコアの外周を取り囲むように撚り合された複数本の前記冷媒管との組合せを複合コアユニットとし、
    その複合コアユニットの外周を取り囲むように配される複数の追加冷媒管を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の超電導ケーブル。
  6. 前記複数の冷媒管を、その撚り合わせ状態がずれないように結束する結束帯を備えることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の超電導ケーブル。
  7. 前記複数の冷媒管はコアに対してSZ撚りされており、
    前記結束帯は、下記の少なくとも一つの結束構造を備えることを特徴とする請求項6に記載の超電導ケーブル。
    (A)前記結束帯が、複数の冷媒管のうち、ある冷媒管C1の内周側から別の冷媒管C2の外周側を通り、さらに別の冷媒管C3の内周側に至る部分を有するように冷媒管を結束する結束構造。
    (B)前記結束帯が、複数の冷媒管の外周を結束する主結束帯と、ある冷媒管C1の内周側から当該冷媒管C1とそれに隣接する冷媒管C2との間に跨る主結束帯の外周側に掛けられて、さらに前記冷媒管C2の内周側に至る部分を有する副結束帯とを備える結束構造。
    (C)前記結束帯が、SZ撚りされた冷媒管の撚り方向が反転される反転部のうち、冷媒管が凸型に曲げられる凸型反転部と、この凸型反転部に隣接されて冷媒管が凹型に曲げられる凹型反転部とを、互いにコアの周方向の逆方向で、かつ各反転部における冷媒管の曲げの外側に捻るように結束する結束構造。
  8. さらに前記冷媒管を結束帯の外周側からコア側に押える押え巻きを備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の超電導ケーブル。
  9. 前記冷媒管は、ストレート管又はコルゲート管であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の超電導ケーブル。
  10. 前記コアは複数心を撚り合わせて構成され、
    この撚り合わせは冷却時の各心のコアの収縮分を吸収できるように弛みが設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の超電導ケーブル。
  11. 前記収納管の内部が真空に形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の超電導ケーブル。
  12. 前記冷媒管の内部に充填される断熱材を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の超電導ケーブル。
  13. 前記コアを収納し、前記複数の冷媒管の内側に配置される内側収納管を備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の超電導ケーブル。
  14. 前記内側収納管は、その内側収納管と前記コアとの間の空間に充填される補助冷媒の流路を形成することを特徴とする請求項13に記載の超電導ケーブル。
  15. 直流送電用であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の超電導ケーブル。
  16. 超電導導体層と絶縁層とを備えるコア、又は1本以上のコアを収納する内側収納管を巻回した第一ドラムと、前記超電導導体層を冷却する冷媒の流路を構成する冷媒管を巻回した第二ドラムとを用意する工程と、
    前記第一ドラムからコア又は内側収納管を繰り出し、前記第二ドラムから冷媒管を繰り出し、これらを集束して、前記コア又は内側収納管の外周に前記冷媒管を撚り合わせる工程と、
    収納管を布設経路に布設する工程と、
    撚り合されたコアと冷媒管との複合コアユニットを、布設経路に布設された前記収納管に引き込んで収納する工程とを備えることを特徴とする超電導ケーブルの布設方法。
  17. 前記収納管の設置側となる内周面に、後に複合コアユニットを引き込んだ際に、前記複合コアユニットを収納管と実質的に同軸に支持する部分断熱層を設けておき、前記収納管に複合コアユニットを収納した後、前記収納管内の残部の空間に断熱材を充填する工程を備えることを特徴とする請求項16に記載の超電導ケーブルの布設方法。
  18. 超電導ケーブルを備える超電導ケーブル線路であって、
    前記超電導ケーブルは、請求項1〜15のいずれか1項に記載の超電導ケーブルであり、
    さらに、前記超電導ケーブルの途中に区分機構を備え、
    その区分機構は、
    前記収納管の内部を、その長手方向の一方の空間と他方の空間に仕切る仕切部材と、
    一方の空間内の冷媒管を収納管の外部に引き出す一方引出部と、
    他方の空間内の冷媒管を収納管の外部に引き出す他方引出部と、
    両引出部をつなぐ連結冷媒管とを備えることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  19. 前記収納管の内部が真空に形成され、
    前記収納管の外部から一方の空間に連通する一方排気管と、
    前記収納管の外部から他方の空間に連通する他方排気管と、
    両排気管をつなぐ連通管とを備えることを特徴とする請求項18に記載の超電導ケーブル線路。
  20. 超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える超電導ケーブル線路であって、
    前記超電導ケーブルは、請求項1〜15のいずれか1項に記載の超電導ケーブルであり、
    前記冷媒管は、
    冷媒往路となる冷媒管αgと、
    この冷媒管αgに並列されて冷媒復路となる冷媒管αrと、
    別の冷媒往路となる冷媒管βgと、
    この冷媒管βgに並列されて別の冷媒復路となる冷媒管βrとを有し、
    前記冷却ステーションは、
    冷媒管αg及び冷媒管αrの両端部につながる冷却ステーションA1、A2と、
    冷媒管βg及び冷媒管βrの両端部につながる冷却ステーションB1、B2とを備え、
    前記冷媒管αg、αrの配置区間と、冷媒管βg、βrの配置区間とが超電導ケーブルの長手方向にずれるように、冷却ステーションA1、A2及び冷却ステーションB1、B2が設けられていることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  21. 超電導ケーブル線路の運転方法であって、
    前記超電導ケーブル線路は、請求項20に記載の超電導ケーブル線路であり、
    前記冷却ステーションA1、A2及び冷媒管αg、αrの冷却区間と、冷却ステーションB1、B2及び冷媒管βg、βrの冷却区間の各々が超電導ケーブルの長手方向に複数組設けられ、
    前記冷却ステーションA1、A2及び冷却ステーションB1、B2のいずれかが動作不能の場合、その動作不能な冷却ステーションに対応する冷却区間を、動作可能な冷却ステーションであって、互いに隣接する冷却区間の冷却を分担する複数の冷却ステーションを用いて冷却することを特徴とする超電導ケーブルの運転方法。
  22. 超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える超電導ケーブル線路であって、
    前記超電導ケーブルは、請求項1〜15のいずれか1項に記載の超電導ケーブルであり、
    前記冷媒管は、
    前記収納管内で一連の往復流路を形成する冷媒管αgrと、
    前記収納管内で別の一連の往復流路を形成する冷媒管βgrとを有し、
    前記冷却ステーションは、
    前記冷媒管αgrにおける冷媒の供給端と復帰端とにつながる冷却ステーションX1と、
    前記冷媒管βgrにおける冷媒の供給端と復帰端とにつながる冷却ステーションY1とを備え、
    前記冷媒管αgrの配置区間と、冷媒管βgrの配置区間とが超電導ケーブルの長手方向にずれるように、冷却ステーションX1、Y1が設けられていることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  23. 超電導ケーブル線路の運転方法であって、
    前記超電導ケーブル線路は、請求項22に記載の超電導ケーブル線路であり、前記冷却ステーションX1及び冷媒管αgrの冷却区間と、冷却ステーションY1及び冷媒管βgrの冷却区間の各々が超電導ケーブルの長手方向に複数組設けられ、
    冷却ステーションX1及び冷却ステーションY1のいずれかが動作不能の場合、その動作不能な冷却ステーションに対応する冷却区間を、動作可能な冷却ステーションであって、互いに隣接する冷却区間の冷却を分担する複数の冷却ステーションを用いて冷却することを特徴とする超電導ケーブルの運転方法。
  24. 超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える超電導ケーブル線路であって、
    前記超電導ケーブルは、請求項1〜15のいずれか1項に記載の超電導ケーブルであり、
    前記超電導導体層は、前記絶縁層の内側に配置される内側導体層と、絶縁層の外側に配置される外側導体層とを備え、
    さらに、前記超電導ケーブルの途中に、前記冷却ステーションに電力を供給する電力取出部を備え、
    この電力取出部は、
    前記コアから引き出された内側導体層につながる超電導内側引出導体と、
    前記コアから引き出された外側導体層につながる超電導外側引出導体と、
    これら両引出導体を冷却する冷媒が充填される端子ボックスと、
    前記超電導内側引出導体につながって、前記端子ボックスから常温側に電路を形成する一方の常電導リードと、
    前記超電導外側引出導体につながって、前記端子ボックスから常温側に電路を形成する他方の常電導リードとを備え、
    前記冷却ステーションは、前記超電導ケーブルから両常電導リードを介した電力供給により冷媒を冷却し、各冷媒管に冷媒を供給するように構成されていることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  25. 超電導ケーブルを有する超電導ケーブル線路であって、
    前記超電導ケーブルは、請求項14に記載の超電導ケーブルであり、
    前記内側収納管の内部に充填される補助冷媒を、前記冷媒管の内部を流れる冷媒よりも遅く流通させる補助冷媒用冷却ステーションを備えることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  26. 超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える超電導ケーブル線路であって、
    前記超電導ケーブルは、請求項1〜15のいずれか1項に記載の超電導ケーブルであり、
    前記冷媒管は、
    冷媒往路となる冷媒管αgと、
    この冷媒管αgに並列されて冷媒復路となる冷媒管αrとを有し、
    前記冷却ステーションは、冷媒管αg及び冷媒管αrの両端部につながる冷却ステーションA1、A2を有し、
    前記冷媒管αgのうち冷却ステーションA1につながる冷媒の供給端側と、前記冷媒管αrのうち冷却ステーションA2につながる冷媒の供給端側との各々に、各冷媒管αg、αrを覆う冷却調整断熱材を備えることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  27. 超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える超電導ケーブル線路であって、
    前記超電導ケーブルは、請求項1〜15のいずれか1項に記載の超電導ケーブルであり、
    前記冷媒管は、
    冷媒往路となる冷媒管αgと、
    この冷媒管αgに並列されて冷媒復路となる冷媒管αrとを有し、
    前記冷却ステーションは、
    冷媒管αg及び冷媒管αrの両端部につながると共に、低位置に配置される冷却ステーションA1と、
    高位置に配置される冷却ステーションA2とを有し、
    前記冷媒管αgのうち低位置の冷却ステーションA1につながる冷媒の供給端側と、前記冷媒管αrのうち低位置の冷却ステーションA1につながる冷媒の復帰端側との各々に、各冷媒管αg、αrを覆う冷却調整断熱材を備えることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  28. 超電導ケーブルと、このケーブルを冷却するための冷媒を同ケーブル沿いに流通させる複数の冷却ステーションとを備える超電導ケーブル線路であって、
    前記超電導ケーブルは、請求項1〜15のいずれか1項に記載の超電導ケーブルであり、
    前記冷媒管に流通される冷媒がスラッシュ窒素であることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  29. 超電導ケーブルを備える超電導ケーブル線路であって、
    前記超電導ケーブルは、請求項1〜15のいずれか1項に記載の超電導ケーブルであり、
    この超電導ケーブル線路の一端側から前記超電導導体層に電気信号を入力させる信号送出手段と、
    超電導ケーブルの他端側でその出力信号を受信する信号受信手段と、
    この信号受信手段で受信された出力信号の状態により、前記超電導導体層が前記線路の全長にわたって超電導状態になる温度にまで到達したか否かを判定する冷却判定手段とを備えることを特徴とする超電導ケーブル線路。
  30. 前記超電導ケーブル線路の途中において、超電導導体層の冷却が局所的に不十分な箇所を事故点とするとき、
    前記事故点における前記電気信号の反射信号を超電導ケーブル線路の一端側で受信する反射信号受信手段と、
    前記電気信号及び反射信号の伝送速度と、前記信号送出手段で電気信号を入力してから前記反射信号受信手段で反射信号を受信するまでの時間とから事故点の位置を演算する事故点特定手段とを備えることを特徴とする請求項29に記載の超電導ケーブル線路。
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