JP2013139719A - エンジンの動弁系潤滑装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動弁機構まわりを適正且つ安定的に潤滑すると共に、構成の簡素化等を実現可能なエンジンの動弁系潤滑装置を提供する。
【解決手段】ロッカーシャフト12Aに対するシリンダヘッド106の軸受部においてその軸方向に形成した溝とロッカーシャフト12Aとの間で構成された第1のオイル通路28Aと、ロッカーシャフト12Aに軸支されるロッカーアーム13Aの軸支部に設けた第2のオイル通路29Aとを有する。記第1のオイル通路28Aと第2のオイル通路29Aはロッカーアーム13A揺動時に、所定位相で連通する。
【選択図】図14

Description

本発明は、特にロッカーアーム式の動弁機構をエンジンにおいてその動弁系を潤滑する動弁系潤滑装置に関するものである。
従来より低燃費化を図るために、オイルポンプを必要最低限の容量に設定してエンジンのメカニカルロスを低減する等の手法がとられている。ロッカーアームを採用したエンジンにおいては特に、シリンダヘッドに対するオイル供給量を絞ることが可能である。ロッカーアームタイプのバルブ駆動方式において、カムに対する潤滑油の給油はバルブ直打式の潤滑の場合と実質的に同一にできる(例えば特許文献1等参照)。この場合、オイル通路及びオイル穴については製造上限界があり、要求の穴径まで小さくすることが実質的に困難になることがある。更に、オイル穴が開放構造であると、そのオイル穴からシリンダヘッドにオイルが必要以上に供給される。
特開平5−156904号公報
ロッカーアーム給油方式では、ロッカーシャフトのオイル穴をロッカーアームが蓋をしている構造になっており、ロッカーシャフトに設けられたオイル溝でオイル供給を制限することが可能である。一方、タペットの潤滑のためにロッカーシャフトのオイル溝上に対応位置するロッカーアームにオイル穴が設けられる。エンジン運転中にロッカーシャフトが回転して、ロッカーシャフトのオイル穴とロッカーアームのオイル穴とが重なる配置関係になる場合があり、この場合シリンダヘッドのカム室に必要以上のオイルが供給されてしまう。
このような場合、そのままではエンジン全体の油圧が不安定になり、適正に分配されたエンジンの潤滑に影響を及ぼすこととなってしまう。また、タペットの潤滑はロッカーアームのオイル穴から出たオイルがカムの下方に設けられたオイルバスに溜まり、この溜まったオイルをカムによって掻き上げることで潤滑するようになっている(特許文献1)。ところが、カムの回転方向に応じてインテークバルブ側のタペットにはオイルが届くが、エキゾースト側はインテーク側に比べて少なくなる。結果として、エキゾースト側のタペットに対する潤滑が不十分となり、そのままではタペット音等の発生原因となることがあった。
本発明はかかる実情に鑑み、動弁機構まわりを適正且つ安定的に潤滑すると共に、構成の簡素化等を実現可能なエンジンの動弁系潤滑装置を提供することを目的とする。
本発明のエンジンの動弁系潤滑装置は、シリンダヘッドに軸支されるカムシャフト及びロッカーシャフトと、前記ロッカーシャフトに揺動自在に軸支されたロッカーアームとを有し、前記ロッカーアームの一端部側に吸気バルブ又は排気バルブが当接すると共に他端部側にカムが当接して、前記カムシャフトの回転により前記吸気バルブ又は前記排気バルブを開閉駆動する動弁系を備えたエンジンにおいて、前記ロッカーシャフトに対する前記シリンダヘッドの軸受部においてその軸方向に形成した溝と前記ロッカーシャフトとの間で構成された第1のオイル通路と、前記ロッカーシャフトに軸支される前記ロッカーアームの軸支部に設けた第2のオイル通路とを有し、前記第1のオイル通路と前記第2のオイル通路は前記ロッカーアーム揺動時に、所定位相で連通することを特徴とする。
また、本発明のエンジンの動弁系潤滑装置において、前記シリンダヘッドの軸受部及び前記ロッカーアームの軸支部それぞれの軸方向端部に相互に対向する平端面を有し、前記第1のオイル通路は軸方向視で、前記ロッカーアームの平端面と重なるように形成されたことを特徴とする。
また、本発明のエンジンの動弁系潤滑装置において、前記第1のオイル通路と前記第2のオイル通路は前記ロッカーアーム揺動時に、前記吸気バルブ及び前記排気バルブが作動しない位相で連通することを特徴とする。
また、本発明のエンジンの動弁系潤滑装置において、前記第1のオイル通路と前記第2のオイル通路は、前記ロッカーシャフトの下方部位であって、該ロッカーシャフトの中心軸に対して前記吸気バルブ又は前記排気バルブ側に形成されていることを特徴とする。
また、本発明のエンジンの動弁系潤滑装置において、前記第1のオイル通路と前記第2のオイル通路は、前記ロッカーシャフトの下方部位であって、該ロッカーシャフトの中心軸に対して前記カムシャフト側に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、第2のオイル通路から常時潤滑オイルが流出するのではなく、ロッカーアーム揺動時に所定の位相でのみ、潤滑オイルが流出し、動弁系部品に対して間欠的な給油が行なわれる。それ以外の位相では給油されないので、適量の潤滑オイルを無駄なく供給することができる。また、ロッカーアームがリフトするに従ってその動作で、それに付着したオイルが弾き飛ばされ、シリンダヘッド内部のカム室の摺動部品に満遍なくオイルの飛沫を付着させることができる。
本発明に係る自動二輪車の全体構成を示す側面図である。 本発明の実施形態におけるエンジンユニットまわりの具体的な構成例を示す側面図である。 本発明の実施形態におけるエンジンユニットのシリンダ軸線と平行な縦断面図である。 本発明の実施形態におけるエンジンユニットのシリンダヘッドまわりの斜視図である。 本発明の実施形態におけるエンジンユニットのシリンダヘッドまわりの破断斜視図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーシャフトの例を示すそれぞれ斜視図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーシャフトの支持部まわりを示す破断斜視図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるロッカーアームまわりを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるロッカーアームまわりを示す平面図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるロッカーアームまわりを示す斜視図である。 本発明の実施形態における潤滑装置の油路の例を示す破断斜視図である。 本発明の実施形態における潤滑装置の油路の例を示す破断平面図である。 本発明の実施形態における潤滑装置のオイル通路の例を示す破断斜視図である。 本発明の実施形態における潤滑装置の作動例を示すそれぞれ部分拡大斜視図である。 本発明の実施形態における潤滑装置の作用を示す斜視図である。 本発明の実施形態における潤滑装置の作用を示す斜視図である。
以下、図面に基づき、本発明によるエンジンの動弁系潤滑装置における好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る自動二輪車1の側面図である。先ず図1を用いて、自動二輪車1の全体構成について説明する。なお、図1を含め、以下の説明で用いる図においては、必要に応じて車両の前方を矢印Frにより、車両の後方を矢印Rrにより示す。
図1に示す自動二輪車1において、車両前部にフロントフォーク2により軸支された前輪3が配置され、車両後部にはエンジンユニット100により駆動される後輪4が配置される。車体上部のシート5に跨ったライダがハンドル6を操って運転を行なうようになっている。エンジンユニット100は車体フレーム7の中央下部に搭載され、シート5は車体フレーム7の中央上部に設置される。なお、自動二輪車1として所謂ビジネスバイク型のものであってよい。
次に図2は、エンジンユニット100まわりの構成例を示している。この例ではエンジンユニット100は4サイクルエンジンを含んで構成され、図2に示すようにクランクシャフト101や図示しないトランスミッションを収容するクランクケース102と、このクランクケース102に結合すると共にピストン103(図3参照)を収容するシリンダブロック104と、このシリンダブロック104に結合すると共にピストン103との間で燃焼室105(図3)を構成するシリンダヘッド106とを備える。
燃焼室105内での混合気の爆発によるピストン103の往復運動が、コンロッド(図示せず)を介してクランクシャフト101において回転運動に変換され、この回転運動は図示しないトランスミッションにて減速されて、その出力端であるドライブスプロケットへ伝達される。このドライブスプロケットと後輪4側のドリブンスプロケットとの間には駆動チェーン(図示せず)が巻回されていて、これによりエンジンの回転力が後輪4へ伝達されるようになっている。
エンジンユニット100のシリンダヘッド106には図4にも示すように、それぞれ燃焼室105に連通するインテークポート107及びエキゾーストポート108が形成される。インテークポート107は図2に示されるように吸気管109を介して、キャブレタ110に接続され、このキャブレタ110からインテークポート107、即ち燃焼室105へ混合気が供給される。また、エキゾーストポート108は図2に示されるように排気管111に接続され、燃焼室105で生じた燃焼ガスを排気ガスとして排気管111からマフラへと排気する。なお、燃焼室105には、供給された混合気に着火するための点火プラグ112が装着されている(図3、図4)。
燃焼室105とインテークポート107及びエキゾーストポート108との間は各々、吸気バルブ及び排気バルブにより所定のタイミングで開閉され、即ち連通又は閉塞されるようになっている。なお、図3においては、吸気バルブ及び排気バルブ自体は図示されておらず、ここではそれらのバルブステム113A,113B等のみが図示されている。これらのバルブステム113A,113Bが軸方向に往復動することで、それらの先端部に付設された吸気バルブ及び排気バルブが、燃焼室105とインテークポート107及びエキゾーストポート108とをそれぞれ連通する開口を開閉する。
吸気バルブ及び排気バルブを開閉駆動するための動弁機構を有し、更にこの動弁機構で構成される動弁系を潤滑するための潤滑装置を備える。この実施形態では動弁機構はロッカーアームタイプとし、図3あるいは図5に示すように動弁機構10において単一のカムシャフト11が、シリンダヘッド106内の略中央部で吸気側バルブステム112及び排気側バルブステム112B間に位置して、クランクシャフト101(図2)と平行に回転自在に軸支される。また、カムシャフト11の上方でこれと平行に、且つカムシャフト11の軸心からそれぞれ吸気側バルブステム113A及び排気側バルブステム113B側へ偏倚して、吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bが各々回転自在に軸支される。これらの吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bにはそれぞれロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bが揺動自在に軸支される。
カムシャフト11には図6(a)のように吸気カム14A及び排気カム14Bが隣接して一体に成形される。カムシャフト11の一端側に、図示しないドリブンスプロケットが取り付けられる。一方、クランクシャフト101の一端側に、図示しないドライブスプロケットが取り付けられ、これらドライブスプロケット及びドリブンスプロケットの間に巻回されたカムチェーンを介して、カムシャフト11とクランクシャフト101が相互に連結される。これによりクランクシャフト101の回転で、カムシャフト11が所定のタイミングで回転駆動される。カムシャフト11は上述のようにシリンダヘッド106において回転自在に支持されるが、シリンダヘッド106には図7のようにカムシャフト11の両端部を支持するための対向して対をなす軸受部15(図7では対の一方が図示されている)が設けられている。なお、軸受部15には図示しないベアリングが装着され、このベアリングを介してカムシャフト11の端部を支持する。
吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bは、図6(b)のようにロッド状に形成され、上述のようにシリンダヘッド106において回転自在に支持される。シリンダヘッド106には図7のように吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bそれぞれの両端部を支持するための対向して対をなす軸受孔16A及び軸受孔16B(図7では対の一方が図示されている)が形成されている。吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bはその端部が各々、軸受孔16A及び軸受孔16Bに嵌装され、図5のように相互に平行になるようにシリンダヘッド106内に支持される。なお、吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bがシリンダヘッド106内に組み付けられた際には、それらの軸方向位置が規制されるようになっている。
次に図8〜図10は、本実施形態におけるロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bの具体例を示している。これらのロッカーアーム13A,13Bは概して弓状に緩く湾曲する長尺状を呈し、長手方向がカムシャフト11と直交するように配置される。吸気側と排気側のそれぞれロッカーアーム13A,13Bは図8のように、後述するタペットローラがカムシャフト11の軸方向に隔置されるように相互にオフセットして配置されるが、両者の基本構成は実質的に同様である。ロッカーアーム13A,13Bの長手方向略中央部に円筒状のボス部13aを有し、このボス部13aに形成された挿通孔13bにそれぞれ吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bが挿通する。吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bにそれぞれ支持されたロッカーアーム13A,13Bはそれらのボス部13aの端面が、軸受孔16A及び軸受孔16Bの開口端面に当接もしくは接触し、カムシャフト11に対する軸方向位置が固定される。
吸気側のロッカーアーム13Aにおいてカムシャフト11側の一端部には吸気カム14Aに当接するタペットローラ17が回転自在に軸支されると共に、吸気バルブ側の他端部には吸気側バルブステム113Aの頂部に当接するアジャストスクリュ18が螺着する。アジャストスクリュ18はロックナット19により固定される。同様に排気側のロッカーアーム13Bにおいてカムシャフト11側の一端部には排気カム14Bに当接するタペットローラ17が回転自在に軸支されると共に、排気バルブ側の他端部には排気側バルブステム113Bの頂部に当接するアジャストスクリュ18が螺着する。アジャストスクリュ18はロックナット19により固定される。
上記の場合、吸気側バルブステム113A及び排気側バルブステム113の周囲には、図3等に示されるリテーナ114A及びリテーナ114Bによって保持されるバルブスプリング(図示せず)が装着される。このバルブスプリングの弾力により吸気側バルブステム113A及び排気側バルブステム113はそれぞれアジャストスクリュ18側へ付勢されている。
上述の動弁機構10において、クランクシャフト101の回転によりカムシャフト11が回転駆動されると、吸気カム14A及び排気カム14Bがタペットローラ17を介してロッカーアーム13A,13Bを揺動させる。吸気側のロッカーアーム13Aは、吸気カム14Aのバルブリフト量及びバルブタイミングで吸気バルブを開閉操作し、また、排気側のロッカーアーム13Bは、排気カム14Bのバルブリフト量及びバルブタイミングで排気バルブを開閉する。
次に、動弁機構10等を潤滑するための潤滑装置を備える。この実施形態では図11に模式的に図示するが、クランクシャフト101を駆動源として作動するオイルポンプ21を含んで構成される潤滑装置20を有する。この場合、クランクケース102、シリンダブロック104及びシリンダヘッド106の適所には潤滑オイルを給送するための油路が形成され、潤滑を要するエンジンユニット100の各部に潤滑装置20により潤滑オイルが供給され、各部を潤滑する。
特に動弁機構10まわりの潤滑において、カムシャフト11には図6(a)のようにオイル通路22が貫通形成されており、上記のようにシリンダヘッド106等に形成されている油路からオイル通路22へ潤滑オイルが供給される。吸気カム14A及び排気カム14Bのそれぞれカム面には、オイル通路22に連通するオイル孔23A,23Bが形成されている。カムシャフト11のオイル通路22に供給された潤滑オイルは、オイル孔23A,23Bから流出して吸気カム14A及び排気カム14Bのカム面やタペットローラ17を潤滑する。
また、図6(b)のように例えば吸気側ロッカーシャフト12A(排気側ロッカーシャフト12Bについても同様である)にはオイル通路24が貫通形成されており、シリンダヘッド106等に形成されている油路からオイル通路24へ潤滑オイルが供給される。吸気側ロッカーシャフト12A(及び排気側ロッカーシャフト12B)におけるロッカーアーム13A(及びロッカーアーム13B)のボス部13aが嵌合する部位には、複数のオイル孔25A(及びオイル孔25B)が形成されている。本実施形態において、オイル孔25Aは吸気側ロッカーシャフト12Aの直径方向に対向して一対設けられる。オイル孔25Aから流出する潤滑オイルは、ボス部13aの挿通孔13bを潤滑する。
ここで、従来では図6(b)において二点鎖線により付記するようにオイル孔200を含めて、吸気側ロッカーシャフト12Aの円周4分割位置に対して例えば4つのオイル孔が設けられていた。また、従来では図8あるいは図10において二点鎖線により付記するようにボス部13aにオイル穴201を設け、このオイル穴201からボス部13a周辺に潤滑オイルを流出させるようにしていた。
次に、図11に示されるようにシリンダブロック104及びシリンダヘッド106にはオイルポンプ21からの潤滑オイルを給送するための油路26が形成される。この油路26はシリンダブロック104内のシリンダボアの側近にてシリンダ軸線Zと平行に、シリンダヘッド106側へと延設され、軸受孔16A及び軸受孔16Bと連通するように形成される。上述のようにシリンダヘッド106には軸受孔16A及び軸受孔16Bが形成されており(図7)、油路26は図12のように一方側の軸受孔16A及び軸受孔16Bの手前で分岐して、油路26A及び油路26Bとしてこれらの軸受孔16A及び軸受孔16Bと連通する。
更に、吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bの端部が嵌装される軸受孔16A及び軸受孔16Bには、図12及び図13等に示すように軸方向に溝27A及び溝27Bが形成される。そして、これらの溝27A及び溝27Bと吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bのそれぞれ外周面との間にオイル通路28A及びオイル通路28B(第1のオイル通路)が形成される。
また、ロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bの軸支部であるボス部13aにおいてそれぞれ、図8〜図10に示されるようにオイル通路29A及びオイル通路29B(第2のオイル通路;なお、これらの図示例では切欠き状の形態となっているが、ここでは「通路」とする)が形成される。そして、オイル通路28Aとオイル通路29A、及びオイル通路28Bとオイル通路29Bはそれぞれ、ロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bの揺動時に、所定位相で連通するようになっている。
シリンダヘッド106側の軸受部である軸受孔16A及び軸受孔16Bの開口部に平端面30A,30Bを有し、これらの平端面30A,30Bにてオイル通路28A及びオイル通路28Bがそれぞれ開口する。また、ロッカーアーム13A及びロッカーアーム13B側の軸支部であるボス部13aの軸方向端部には、図8等に示されるように平端面31A,31Bを有する。平端面30Aと平端面31A同士、及び平端面30Bと平端面31B同士は相互に対向し合い、また、オイル通路28A及びオイル通路28Bは軸方向視で、平端面31A,31Bと重なるように形成される。
また、より具体的には、オイル通路28Aとオイル通路29A、及びオイル通路28Bとオイル通路29Bはそれぞれ、吸気側バルブ及び排気側バルブが作動しない位相におけるロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bの揺動時に互いに連通する。
更に、オイル通路29A及びオイル通路29Bは図8等に示されるように図中、ボス部13aの下方部位であって、吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bの中心軸に対してそれぞれ吸気バルブ及び排気バルブ側に形成される。
次に、潤滑装置20における主要な作用効果等について説明する。オイルポンプ21が作動することで潤滑オイルは、シリンダブロック104及びシリンダヘッド106に形成されている油路26を経由して、油路26A及び油路26Bを介してオイル通路28A及びオイル通路28Bへ給送される。ロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bはエンジン作動時所定のタイミングで揺動するが、この揺動動作に応じてオイル通路28Aとオイル通路29A、及びオイル通路28Bとオイル通路29Bはそれぞれ、所定位相でのみ連通する。
例えばオイル通路28A及びオイル通路29Aの場合で説明すると、図14(a)に示すように両者の位置が一致して相互に連通し、オイル通路28Aからオイル通路29Aへと潤滑オイルが供給される。これにより図15のようにオイル通路29Aから、矢印Aで示すように潤滑オイルが流出し、吸気側バルブステム113A、リテーナ114A及びバンプスプリング等を潤滑することができる。なお、排気側についてもオイル通路28Bとオイル通路29Bの位置が一致して相互に連通することで、図16のようにオイル通路29Bから、矢印Bで示すように潤滑オイルが流出し、排気側バルブステム113B、リテーナ114B及びバンプスプリング等を潤滑することができる。
一方、図14(b)に示すようにオイル通路28A及びオイル通路29Aの位置がずれると、オイル通路29Aは、ロッカーアーム13Aのボス部13aの平端面31Aによって閉塞されるため、オイル通路28A及びオイル通路29Aの連通は遮断される。なお、排気側についてもオイル通路28Bとオイル通路29Bの位置がずれることで、両者の連通が遮断される。
このようにオイル通路29A又はオイル通路29Bから常時潤滑オイルが流出するのではなく、ロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bの揺動時に所定の位相でのみ、潤滑オイルが流出する。即ち、動弁系部品に対して間欠的な給油が行われ、それ以外では給油されないので、適量の潤滑オイルを無駄なく供給することができる。
また、平端面30Aと平端面31A同士、及び平端面30Bと平端面31B同士は相互に対向し合うと共に、オイル通路28A及びオイル通路28Bは軸方向視で、平端面31A,31Bと重なるように形成される。
オイル通路28A及びオイル通路28B共に常にオイルポンプ21による油圧がかかっているが、平端面31A,31Bとの相対位置を上記のように設定することで、オイル通路29A又はオイル通路29Bと連通しない時は、できるだけオイルの流出を防ぐことができオイル流量低減のために有効である。このようにオイル通路28A及びオイル通路28Bは、ロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bの平端面31A,31Bとオーバーラップしていることがよい。
また、オイル通路28Aとオイル通路29A同士、及びオイル通路28Bとオイル通路29B同士はそれぞれ、吸気側バルブ及び排気側バルブが作動しない位相で連通する。ロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bの動作に対して、吸気バルブ及び排気バルブが実際に作動するまでのアソビがあるが、このアソビ分を含めて動弁系部品が潤滑される。即ち、ロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bがリフトするに従って上方に動くことで、それらに付着したオイルが弾き飛ばされ、シリンダヘッド106内部のカム室の摺動部品に満遍なくオイルの飛沫を付着させることができる。
また、オイル通路29A及びオイル通路29Bはボス部13aの下方部位であって、吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bの中心軸に対してそれぞれ吸気バルブ及び排気バルブ側に形成される。このような配置関係とすることで、ロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bの下方に配置される吸気側バルブステム113A、排気側バルブステム113Bの摺動部や、リテーナ114A及びリテーナ114Bの頂部にオイルが溜まり、これにより吸気側バルブステム113A、排気側バルブステム113Bのそれぞれ軸端とアジャストスクリュ18との接触部が潤滑される。
更に上記の場合、前述のように吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bに形成されるオイル孔25A及びオイル孔23Bは、従来に比較してその個数が半減している。また、従来ではロッカーアーム13A及びロッカーアーム13Bのボス部13aに形成されていたオイル穴201を廃止し、このようにオイル孔あるいはオイル穴を減少あるいはなくすることで、構成の簡素化を図ることができる。その場合でも適量の潤滑オイルでの適正且つ安定した潤滑が保証され、必要なオイルが最小限で済むため、結果的にオイルポンプ21の小型化することが可能になり、装置のコスト的にも極めて有利である。
ここで、本発明の変形例において、例えば第1のオイル通路と第2のオイル通路は、吸気側ロッカーシャフト12A及び排気側ロッカーシャフト12Bの下方部位であって、それらの中心軸に対してカムシャフト11側に形成し、吸気カム14A及び排気カム14Bに向けて潤滑オイルが流出するようにすることも可能である。
この場合、特にカムシャフト11、吸気カム14A及び排気カム14Bまわりの潤滑に極めて有効に作用する。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
また、上記実施形態においてタペットローラを使用する例を説明したが、スリッパを備えるものであってもよい。
10 動弁機構、11 カムシャフト、12A 吸気側ロッカーシャフト、12B 排気側ロッカーシャフト、13A,13B ロッカーアーム、14A 吸気カム、14B 排気カム、15 軸受部、16A,16B 軸受孔、17 タペットローラ、18 アジャストスクリュ、19 ロックナット、20 潤滑装置、21 オイルポンプ、22 オイル通路、23A,23B オイル孔、24 オイル通路、25A,25B オイル孔、26 油路、27A,27B 溝、28A,28B オイル通路、29A,29B オイル通路、30A,30B 平端面、31A,31B 平端面、100 エンジンユニット、101 クランクシャフト、102 クランクケース、103 ピストン、104 シリンダブロック、105 燃焼室、106 シリンダヘッド、107 インテークポート、108 エキゾーストポート、109 吸気管、110 キャブレタ、112 点火プラグ、113A,113B バルブステム、114A,114B リテーナ。

Claims (5)

  1. シリンダヘッドに軸支されるカムシャフト及びロッカーシャフトと、前記ロッカーシャフトに揺動自在に軸支されたロッカーアームとを有し、前記ロッカーアームの一端部側に吸気バルブ又は排気バルブが当接すると共に他端部側にカムが当接して、前記カムシャフトの回転により前記吸気バルブ又は前記排気バルブを開閉駆動する動弁系を備えたエンジンにおいて、
    前記ロッカーシャフトに対する前記シリンダヘッドの軸受部においてその軸方向に形成した溝と前記ロッカーシャフトとの間で構成された第1のオイル通路と、前記ロッカーシャフトに軸支される前記ロッカーアームの軸支部に設けた第2のオイル通路とを有し、
    前記第1のオイル通路と前記第2のオイル通路は前記ロッカーアーム揺動時に、所定位相で連通することを特徴とするエンジンの動弁系潤滑装置。
  2. 前記シリンダヘッドの軸受部及び前記ロッカーアームの軸支部それぞれの軸方向端部に相互に対向する平端面を有し、
    前記第1のオイル通路は軸方向視で、前記ロッカーアームの平端面と重なるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動弁系潤滑装置。
  3. 前記第1のオイル通路と前記第2のオイル通路は前記ロッカーアーム揺動時に、前記吸気バルブ及び前記排気バルブが作動しない位相で連通することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの動弁系潤滑装置。
  4. 前記第1のオイル通路と前記第2のオイル通路は、前記ロッカーシャフトの下方部位であって、該ロッカーシャフトの中心軸に対して前記吸気バルブ又は前記排気バルブ側に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの動弁系潤滑装置。
  5. 前記第1のオイル通路と前記第2のオイル通路は、前記ロッカーシャフトの下方部位であって、該ロッカーシャフトの中心軸に対して前記カムシャフト側に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの動弁系潤滑装置。
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