JP2013139661A - フッ素樹脂繊維の製造方法、エアフィルター用ろ材およびその製造方法 - Google Patents

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康 油谷
Naoko Hayashi
直子 林
Tomohiro Nakagawa
智洋 中川
Hiroyuki Fukushima
博之 福島
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Abstract

【課題】圧力損失が低く、粒子、特に粒径が0.1〜0.3μm程度の粒子の捕集率が高いエアフィルター用ろ材、ならびにこのようなエアフィルター用ろ材に適した繊維材料、ならびにこれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】フッ素樹脂、イオン性界面活性剤および溶媒を含む紡糸液から電界紡糸法により前記フッ素樹脂の繊維を製造することを特徴とするフッ素樹脂繊維の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素樹脂繊維の製造方法、エアフィルター用ろ材およびその製造方法に関し、より詳しくは、エアフィルター用ろ材層として適したフッ素樹脂繊維の製造方法、およびこれを用いたエアフィルター用ろ材等に関する。
空気中の微細な粒子を捕集(捕捉)するためのエアフィルターには、粒子を高い効率で捕集できることや、圧力損失が低いことが求められる。
特許文献1〜5には、電界紡糸法により得られた繊維径が数百nm前後である繊維から製造されたフィルター(用ろ材層)が開示されており、これらは、粒子の捕集率が高く、圧力損失も低い。
また、特許文献6にも、液体の処理に用いられるフィルターに関する技術ではあるが、ポリフッ化ビニリデンなどから電界紡糸法により得られた繊維径が数百nm前後である繊維から製造されたフィルターが開示されている。
特許文献7〜8には、界面活性剤を含んでもよい紡糸液から電界紡糸法によりフッ素樹脂繊維を製造する技術が開示され、このフッ素樹脂繊維の集積体をフィルター(用ろ材層)にも使用できる旨が記載されている。
さらに、特許文献9にも界面活性剤を含んでもよい紡糸液から電界紡糸法によりフッ素樹脂繊維を製造する技術が開示されている。
特開2007−30175号公報 国際公開WO2009/51263号パンフレット 特開2010−253449号公報 特開2010−275663号公報 特開2010−275665号公報 特開2009−202116号公報 特開平3−161502号公報 特表2008−515668号公報 特開2006−283240号公報
しかしながら、従来のエアフィルターには、高い捕集率で粒子、特に粒径が0.1〜0.3μm程度の粒子を捕集するという点で、さらなる改良の余地があった。また、エアフィルターが取り付けられる空調機等の送風に要する消費電力を低減するため、つまり省エネルギー化のためには、エアフィルターの圧力損失の低減が必要である。
したがって本発明は、圧力損失が低く、粒子、特に粒径が0.1〜0.3μm程度の粒子の捕集率が高いエアフィルター用ろ材、およびこのようなエアフィルター用ろ材に適した繊維材料、ならびにこれらの製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは鋭意研究した結果、特定の方法により製造された繊維材料をエアフィルター用ろ材層に用いると、圧力損失が低く、粒子、特に粒径が0.1〜0.3μm程度の粒子の捕集率が高いエアフィルター用ろ材を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明に係るフッ素樹脂繊維の製造方法は、フッ素樹脂、イオン性界面活性剤および溶媒を含む紡糸液から電界紡糸法により前記フッ素樹脂の繊維を製造することを特徴としている。
前記イオン性界面活性剤としてはフッ素系界面活性剤が挙げられる。
本発明に係るエアフィルター用ろ材の製造方法は、
前記の方法によりフッ素樹脂繊維を製造する工程、および
支持体層の少なくとも一方の表面に前記フッ素樹脂繊維をシート状に集積してエアフィルター用ろ材層を形成する工程
を含むことを特徴としている。
前記のエアフィルター用ろ材の製造方法においては、好ましくは、
前記フッ素樹脂繊維として、繊維径が10〜300nmの範囲にある繊維の割合が90%以上であり、平均繊維径が40〜250nmであるフッ素樹脂繊維を用い、
前記エアフィルター用ろ材層を、目付が0.05〜0.50g/m2となり、厚さが20μm以下となるように形成し、さらに好ましくは、
前記フッ素樹脂繊維として、繊維径が10〜150nmの範囲にある繊維の割合が90%以上であり、平均繊維径が40〜100nmであるフッ素樹脂繊維を用い、
前記エアフィルター用ろ材層を、目付が0.05〜0.50g/m2となり、厚さが15μm以下となるように形成する。
前記フッ素樹脂繊維としては、アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)が1000以上のフッ素樹脂繊維が好ましく、走査型電子顕微鏡で観察した際に、前記フッ素樹脂繊維に繊維状部および任意に非細繊維状部が認められ、これらの部分の面積比が繊維状部:非細繊維状部=100:0〜95:5であるフッ素樹脂繊維が好ましい。
本発明に係るエアフィルター用ろ材は、前記の方法により製造されることを特徴としている。
また、本発明に係るエアフィルター用ろ材は、支持体層、および該支持体層の少なくとも一方の表面に、繊維径が10〜300nmの範囲にある繊維の割合が90%以上であり、平均繊維径が40〜250nmであるフッ素樹脂繊維からなり、目付が0.05〜0.50g/m2であり、厚さが20μm以下である前記エアフィルター用ろ材層を有することを特徴としている。
本発明に係るフッ素樹脂繊維の製造方法によれば、繊維径が小さくかつ均一なフッ素樹脂繊維を製造することができる。
また本発明に係るエアフィルター用ろ材は、圧力損失が低く、かつ粒子(特に粒径が0.1〜0.3μm程度の粒子)捕集率が高く、本発明に係るエアフィルター用ろ材の製造方法によれば、このようなエアフィルター用ろ材を製造することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
[フッ素樹脂繊維の製造方法]
本発明に係るフッ素樹脂繊維の製造方法は、フッ素樹脂、イオン性界面活性剤ならびに溶媒を含む紡糸液から電界紡糸(静電紡糸)法により前記フッ素樹脂の繊維を製造することを特徴としている。
<紡糸液>
前記フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリパーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレンなどが挙げられる。また、これらの共重合体、またはポリマーブレンドなどを用いてもよく、その例としては、フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体(FEVE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソール共重合体などが挙げられる。
前記フッ素樹脂としては、市販品であれば、「ルミフロン(登録商標)LF−200」(FEVE、旭硝子(株))、「CYTOP」(登録商標)(脂肪族環含有共重合体、旭硝子(株))などが挙げられる。
前記フッ素樹脂は、樹脂の種類などにも依存するが、紡糸液中にたとえば5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%含まれる。
前記イオン性界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤(すなわち、フッ素原子を有する界面活性剤。たとえば、パーフルオロアルキル基を有する酸のアンモニウム塩。)、炭化水素系界面活性剤(主鎖がアルキル基よりなる界面活性剤)、シリコーン系界面活性剤(ケイ素原子を有する界面活性剤)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、市販品であれば、フタージェント(登録商標)100(アニオン系のフッ素系界面活性剤)、フタージェント(登録商標)310(カチオン系のフッ素系界面活性剤)(以上、(株)ネオス)、メガファックF114(アニオン系のフッ素系界面活性剤、DIC(株))、サーフロンS−231(両性のフッ素系界面活性剤、旭硝子(株))などが挙げられる。
前記界面活性剤は、紡糸液中にたとえば0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%含まれる。
本発明に係るフッ素樹脂繊維の製造方法によれば、紡糸液がイオン性界面活性剤を含んでいるため、電界紡糸時に電荷に対する紡糸溶液の安定性を高め、以てフッ素樹脂繊維を細径化することができると考えられる。中でも、イオン性界面活性剤としてフッ素系界面活性剤を用いることで、電界紡糸時の紡糸溶液の安定性を特に高められると考えられる。
前記溶媒としては、前記フッ素樹脂を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルピロリドン、キシレン、アセトン、クロロホルム、エチルベンゼン、シクロヘキサンなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせた混合溶媒として用いてもよい。
前記溶媒は、紡糸液中にたとえば10〜95重量%、好ましくは40〜90重量%含まれる。
前記紡糸液は、さらに粘度調整剤等の添加剤を含んでいてもよい。
前記紡糸液は、上述したフッ素樹脂、界面活性剤、溶媒、および必要に応じて添加剤を従来公知の方法で混合することにより製造できる。
前記紡糸液の好ましい態様の例としては、以下の紡糸液(1)、(2)が挙げられる。
紡糸液(1):PVDFを5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%含み、イオン性界面活性剤を1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%含む紡糸液
紡糸液(2):FEVEを30〜60重量%、好ましくは40〜50重量%含み、イオン性界面活性剤を1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%含む紡糸液
<電界紡糸>
本発明に係るフッ素樹脂繊維の製造方法においては、前記紡糸液から電界紡糸(静電紡糸)法により前記フッ素樹脂の繊維を製造する。
この電界紡糸を行う際の印加電圧は、好ましくは5〜50kV、より好ましくは20〜40kVである。
紡糸ノズルの先端径(外径)は、好ましくは0.1〜2.0mm、より好ましくは0.2〜1.0mm、さらに好ましくは0.20〜0.85mmである。
より具体的には、たとえば前記紡糸液(1)または前記紡糸液(2)を用いる場合であれば、前記印加電圧は、好ましくは10〜50kV、より好ましくは20〜40kVであり、前記の紡糸ノズルの先端径(外径)は、好ましくは0.2〜0.85mmである。
このような本発明に係るフッ素樹脂繊維の製造方法によれば、繊維径が小さく、繊維径のばらつきが小さいフッ素樹脂繊維、具体的には、平均繊維径が40〜250nmであり、繊維径が10〜300nmの範囲にある繊維の割合(本数基準)が90%以上であるフッ素樹脂繊維(以下「本発明に係るフッ素樹脂繊維」ともいう。)を製造することができる。
本発明に係るフッ素樹脂繊維においては、平均繊維径は好ましくは40〜200nm、より好ましくは40〜150nm、より好ましくは40〜100nmであり、これらの範囲の下限値は50nmであってもよく、また、好ましくは繊維径が10〜250nmの範囲にある繊維の割合(本数基準)が90%以上であり、より好ましくは繊維径が10〜200nmの範囲にある繊維の割合(本数基準)が90%以上であり、さらに好ましくは繊維径が10〜150nmの範囲にある繊維の割合(本数基準)が90%以上である。
本発明に係るフッ素樹脂は、後述するように、圧力損失が低く、粒子(特に粒径が0.1〜0.3μm程度の粒子)捕集率が高いエアフィルター用ろ材層およびエアフィルター用ろ材の構成材料として適している。
また、本発明に係るフッ素樹脂繊維のアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は、好ましくは1000以上、より好ましくは10000以上であり、その上限はたとえば1000000程度であってもよい。
なお、上記平均繊維径、特定の径の繊維の割合、および平均アスペクト比の値は、いずれも、測定対象となるフッ素樹脂繊維(群)について、無作為に走査型電子顕微鏡(SEM)観察の領域を選び、この領域をSEM観察(倍率:10000倍)して無作為に10本のフッ素樹脂繊維を選び、これらのフッ素樹脂繊維の測定結果に基づいて算出される値である。
前記アスペクト比が上記範囲内にある前記フッ素樹脂繊維は、実質的にダマを形成しない。「実質的にダマを形成しない」とは、たとえば、前記エアフィルター用ろ材層の無作為に選んだ領域をSEM観察(倍率:1000倍)した際に、前記フッ素樹脂繊維に繊維状部および任意に非細繊維状部が認められ、これらの部分の面積比が繊維状部:非細繊維状部=100:0〜95:5、好ましくは100:0〜97:3であることをいう。なお「非細繊維状部分」とは、繊維状であるが繊維径が上述した平均繊維径の5倍以上である部分およびフッ素樹脂が繊維状ではなく粒子状である部分を意味し、ここでは、SEM観察(倍率:1000倍)されるアスペクト比が10以上である部分を繊維状、10未満である部分を粒子状とする。
実質的にダマを形成しない前記フッ素樹脂繊維は、圧力損失が低く、粒子(特に粒径が0.1〜0.3μm程度の粒子)捕集率が高いエアフィルター用ろ材層およびエアフィルター用ろ材の構成材料として特に適している。
前記平均繊維径は、電界紡糸の際に、濃度(フッ素樹脂濃度)の低い前記紡糸液を用いる、湿度を下げる、ノズル径を小さくする、印加電圧を大きくする、あるいは電圧密度を大きくすることにより小さくなる傾向にある。
一方、特定の範囲の繊維径を有するフッ素樹脂繊維の割合は、電界紡糸の際に、濃度(フッ素樹脂濃度)の高い前記紡糸液を用いる、湿度を上げる、ノズル径を大きくする、印加電圧を小さくする、あるいは電圧密度を小さくすることにより高くなる傾向にある。
[エアフィルター用ろ材層、エアフィルター用ろ材、これらの製造方法]
本発明に係るエアフィルター用ろ材層は、上述した本発明に係るフッ素樹脂繊維からなり、目付が0.05〜0.50g/m2であり、厚さが20μm以下であることを特徴としている。
前記目付は、好ましくは0.10〜0.50g/m2である。
前記厚さは、好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、その下限値は、たとえば1μm程度であってもよい。
前記目付および厚さは、紡糸時間を長くする、紡糸ノズル数を増やすなどにより、増大する傾向にある。
本発明に係るエアフィルター用ろ材層は、圧力損失が低く、直径が0.1〜0.3μm程度の粒子の捕集率が高い。
本発明に係るエアフィルター用ろ材層の製造方法は、上述した本発明に係るフッ素樹脂繊維の製造方法によりフッ素樹脂繊維を製造する工程、および前記フッ素樹脂繊維をシート状に集積してエアフィルター用ろ材層を形成する工程を含むことを特徴としている。
これら2つの工程は、別途独立に行ってもよく、同時に行ってもよい(すなわち、フッ素樹脂繊維を、製造しつつシート状に集積して、エアフィルター用ろ材層を形成してもよい)。
また、本発明に係るエアフィルター用ろ材は、支持体層と該支持体層の少なくとも一方の面に設けられた本発明に係るエアフィルター用ろ材層とを有することを特徴としている。
前記エアフィルター用ろ材には、その性能を損なわない範囲で従来公知の加工が施されていてもよく、たとえばプリーツ加工が施されていてもよい。
本発明に係るエアフィルター用ろ材の製造方法は、上述した本発明に係るフッ素樹脂繊維の製造方法によりフッ素樹脂繊維を製造する工程、および支持体層の少なくとも一方の表面に前記フッ素樹脂繊維をシート状に集積してエアフィルター用ろ材層を形成する工程を含むことを特徴としている。
これら2つの工程は、別途独立に行ってもよく、同時に行ってもよい(すなわち、フッ素樹脂繊維を、製造しつつ支持体層の少なくとも一方の表面にシート状に集積して、エアフィルター用ろ材を形成してもよい)。
前記フッ素樹脂繊維をシート状に集積してエアフィルター用ろ材層を形成する工程においては、樹脂繊維が上述した本発明に係るフッ素樹脂繊維であることを除けば、従来公知の方法によってエアフィルター用ろ材層を形成することができる。
また、前記支持体層としては、エアフィルター用ろ材における従来公知の支持体層を用いることができ、たとえばガラス不織布、セルロース不織布、ポリオレフィン不織布、ナイロン不織布、ポリエステル不織布、アラミド不織布などが挙げられる。
耐久性の観点からは、ガラス不織布からなる支持体と本発明に係るエアフィルター用ろ材層とを有するエアフィルター用ろ材が好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
<測定方法>
実施例、比較例で作製されたフッ素樹脂繊維およびエアフィルター用ろ材の各種物性は、以下の方法により測定した。
1.フッ素樹脂繊維
実施例および比較例で製造された各フッ素樹脂繊維(群)について、無作為にSEM観察の領域を選び、この領域をSEM観察(装置:S−3400N((株)日立ハイテクノロジーズ製)、倍率:10000倍)して無作為に10本のフッ素樹脂繊維を選び、これらのフッ素樹脂繊維の測定結果に基づいて、平均(算術平均)繊維径、繊維径のばらつき(繊維径が特定の範囲にある繊維の本数の割合)およびアスペクト比(平均(算術平均)繊維長/平均繊維径)を求めた。
また、実施例および比較例で製造された各フッ素樹脂繊維(群)について、無作為にSEM観察の領域を選び、この領域をSEM観察(装置:S−3400N((株)日立ハイテクノロジーズ社製)、倍率:1000倍)し、繊維状部と非細繊維状部との面積比を求めた。面積の計測には画像解析処理ソフト(Image−J(National Institute of Health))を用いた。
2.エアフィルター用ろ材
(目付け)
エアフィルター用ろ材層の目付は、JIS L 1906(2000)に準じて測定した。この際、エアフィルター用ろ材層の重量は、ガラス不織布の重量と、ガラス不織布上にフッ素樹脂繊維を集積して形成されたエアフィルター用ろ材の重量との差より算出した。
(厚さ)
エアフィルター用ろ材層の厚さは、LITEMATIC VL-50((株)ミツトヨ製)により測定した。
(粒子捕集率、圧力損失)
実施例および比較例で製造された各エアフィルター用ろ材について、JIS B 9908に準じて、粒子捕集率を測定した。この際、フィルタユニットの替わりに200mm×200mmの大きさに切り出されたエアフィルター用ろ材を用い、測定用粉じんとして大気塵(粒径が0.10μm〜2.0μmの塵を含む)を用いた。粒子捕集率の測定の際には、空気の流量を面速度5.3cm/sとした。
また、この測定と共に、エアフィルター用ろ材の上流側および下流側での圧力の差(すなわち、圧力損失)を微差圧計により測定した。この測定は空気の流量を変えて行った。
[実施例1−1]
1.フッ素樹脂繊維の製造;
フッ素樹脂としてポリフッ化ビニリデン(重量平均分子量:275,000、アルドリッチ社製)を17重量%、界面活性剤としてアニオン系フッ素系界面活性剤(フタージェント(登録商標)100、(株)ネオス製)(以下「F100」ともいう。)を3重量%および溶媒としてジメチルアセトアミド(特級試薬、和光純薬工業(株)製)(以下「DMAc」ともいう。)を80重量%含有する紡糸液を調製した。
この紡糸液を電界紡糸装置(ES−2300(装置名)、ヒューエンス社製)の溶液充填部に充填し、20kVの電圧をかけて、30分間かけて電界紡糸を行い、フッ素樹脂繊維を製造した。なお、紡糸ノズルの先端径(外径)は0.8mm(ゲージ:21G)であり、コレクター(アルミ箔)までの距離は13cmであった。
得られたフッ素樹脂繊維の特性を表3に示す。
2.エアフィルター用ろ材の製造;
このフッ素樹脂繊維を、ガラス不織布(平均繊維径10μm、厚さ0.36mm、目付50g/m2の20cm×20cmの正方形のガラス不織布、商品名:グラベスト(登録商標)SAS−050、オリベスト(株)製)の一方の面の上に接着せずに集積してエアフィルター用ろ材層を形成し、エアフィルター用ろ材を製造した。
[実施例1−2〜1−8、比較例1−1〜1−3]
各種条件を表1に記載されたように変更した他は実施例1−1と同様の手順により、フッ素樹脂繊維およびエアフィルター用ろ材を製造した。これらの特性を表3および表4に示す。
[実施例2−1]
1.フッ素樹脂繊維の製造;
フッ素樹脂としてフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体溶液(LF−200、フッ素樹脂分を60重量%含む溶液、旭硝子(株)製)のフッ素樹脂分46.2重量%、界面活性剤としてカチオン系フッ素系界面活性剤(フタージェント310、(株)ネオス製)(以下「F310」ともいう。)を3重量%ならびに溶媒として前記LF−200由来の溶媒およびジメチルアセトアミド(特級試薬、和光純薬工業(株)製)を含有する紡糸液を調製した。
この紡糸液から、電界紡糸法によりフッ素樹脂繊維を製造した。電界紡糸の際の条件は以下のとおりである。
電圧:30kV
シリンジ径:0.4mm(ゲージ:27G)
得られたフッ素樹脂繊維の特性を表3に示す。
2.エアフィルター用ろ材の製造;
フッ素樹脂繊維としてこのフッ素樹脂繊維を用いたこと以外は実施例1−1と同様の方法によりエアフィルター用ろ材を製造した。このエアフィルター用ろ材の特性を表3に示す。
[実施例2−2〜2−3、比較例2−1〜2−3]
各種条件を表1に記載されたように変更した他は実施例2−1と同様の手順により、フッ素樹脂繊維およびエアフィルター用ろ材を製造した。これらの特性を表3に示す。
Figure 2013139661
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Figure 2013139661
Figure 2013139661

Claims (9)

  1. フッ素樹脂、イオン性界面活性剤および溶媒を含む紡糸液から電界紡糸法により前記フッ素樹脂の繊維を製造することを特徴とするフッ素樹脂繊維の製造方法。
  2. 前記イオン性界面活性剤がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素樹脂繊維の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法によりフッ素樹脂繊維を製造する工程、および
    支持体層の少なくとも一方の表面に前記フッ素樹脂繊維をシート状に集積してエアフィルター用ろ材層を形成する工程
    を含むことを特徴とするエアフィルター用ろ材の製造方法。
  4. 前記フッ素樹脂繊維として、繊維径が10〜300nmの範囲にある繊維の割合が90%以上であり、平均繊維径が40〜250nmであるフッ素樹脂繊維を用い、
    前記エアフィルター用ろ材層を、目付が0.05〜0.50g/m2となり、厚さが20μm以下となるように形成する
    ことを特徴とする請求項3に記載のエアフィルター用ろ材の製造方法。
  5. 前記フッ素樹脂繊維として、繊維径が10〜150nmの範囲にある繊維の割合が90%以上であり、平均繊維径が40〜100nmであるフッ素樹脂繊維を用い、
    前記エアフィルター用ろ材層を、目付が0.05〜0.50g/m2となり、厚さが15μm以下となるように形成する
    ことを特徴とする請求項4に記載のエアフィルター用ろ材の製造方法。
  6. 前記フッ素樹脂繊維のアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)が1000以上であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のエアフィルター用ろ材の製造方法。
  7. 走査型電子顕微鏡で観察した際に、前記フッ素樹脂繊維に繊維状部および任意に非細繊維状部が認められ、これらの部分の面積比が繊維状部:非細繊維状部=100:0〜95:5であることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のエアフィルター用ろ材の製造方法。
  8. 請求項3〜7のいずれかに記載の方法で製造されたエアフィルター用ろ材。
  9. 支持体層、および該支持体層の少なくとも一方の表面に、繊維径が10〜300nmの範囲にある繊維の割合が90%以上であり、平均繊維径が40〜250nmであるフッ素樹脂繊維からなり、目付が0.05〜0.50g/m2であり、厚さが20μm以下である前記エアフィルター用ろ材層を有することを特徴とするエアフィルター用ろ材。
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