JP2013139570A

JP2013139570A - 生薬熟成湯液を用いた天然石鹸及びその製造方法

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Publication number: JP2013139570A
Application number: JP2013000237A
Authority: JP
Inventors: Eun Joo Ko; ウンジュゴ
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2012-01-05
Filing date: 2013-01-04
Publication date: 2013-07-18
Also published as: US8802163B2; CN103194333A; US20130196004A1; KR101128299B1

Abstract

【課題】本発明は、生薬材を高温熟成したのちに煎じて作った生薬熟成湯液を入れて製造された天然石鹸を提供する。
【解決手段】本発明は、蓮根、蓮の葉、紅参、スナジグミの葉及び茎、柿の葉、側柏、生姜、ローズマリー、黒豆、黒ごま、アロエ、桑の葉、瓦松、当帰、緑茶、松の葉、薄荷、ツルドクダミ、ブルーベリー及び石菖を含む生薬材を熟成器に入れ、６５〜９５℃で材料に応じて３〜１５日間保温熟成させた後、蒸留水又は軟水を入れて煎じて得られる生薬熟成湯液に、苛性ソーダを混合した後、４０〜５５℃に冷却させ、これと同一の温度で前記キャリアオイルを加熱した後、互いにゆっくり混合し、前記精油を添加して撹拌した後、枠に流し込んで３０〜４５℃の温度で４８〜７２時間保温熟成させ、枠から取り外し、風通しの良い物陰で４〜６週間２６℃で常温熟成させた後、ｐＨテストで酸度を確認して得られた、生薬熟成湯液を用いた天然石鹸及びその製造方法を提供する。
【選択図】図１

Description

本発明は、生薬材を高温熟成させたのちに煎じて作った生薬熟成湯液を入れて製造した天然石鹸に係り、より詳しくは、生薬材のむかつくような臭いを画期的に減少させて製品使用が容易であり、混合の際にキャリアオイルと分離される生薬材特性を減少させて多様な生薬材の混合が可能であり、生薬材の薬効成分を倍加させて長期間保管が可能であり、合成界面活性剤ではなく穀物粉末で洗浄力を高めて脱毛防止及び脱毛促進薬効に優れた、生薬熟成湯液を用いた天然石鹸及びその製造方法に関する。

一般に、天然石鹸(natural soap)とは、環境調和及びウェルビーイング(well-being)が重要となり且つ合成界面活性剤の有害性が浮き彫りとなっている近年の趨勢に伴い、工場で大規模に製造する工場製石鹸とは異なり、人体に有害な合成界面活性剤を一切添加することなく、個性と用途による機能性要素、例えば天然素材及びアロマオイルなどを添加することにより、家庭などで小規模に直接製造する石鹸をいう。

天然石鹸は、製造方法によってＭＰ(Melt & Pour)石鹸、ＨＰ(Hot Process)石鹸、及びＣＰ(Cold Process)石鹸に大別される。

ＭＰ石鹸は、石鹸ベースを溶かして添加物と共に枠に流し込んで固める方法で製造するものであって、洗浄力がよく、製造され次第使用することができるが、保湿成分が少なくてグリセリン、コラーゲン、蜂蜜などを必ず添加しなければならない。ＨＰ石鹸は、透明石鹸、グリセリン石鹸とも呼び、高温で苛性ソーダとオイルを混ぜて作る方法で製造するものであって、洗浄力がよく、香りが長く持続し、湯煎法では２〜３時間、非湯煎法では４０〜５０分で製造し、その後、２週間常温で熟成させて使用しなければならない。ＣＰ石鹸は、オイルと苛性ソーダとを低温で反応させ、さらに多様な添加物を入れて作る方法で製造するもので、石鹸が不透明であり、６週間常温で熟成させて使用しなければならない。

このような天然石鹸は、合成香料及び人工色素を含まず、保湿成分に優れるうえ、有害性が少ないため、脚光を浴びている。ところが、天然石鹸は、硬くないため、脆く割れ易いから、使用上の問題点があった。
また、天然石鹸は、天然素材を用いるものの防腐剤が添加されないため、工場製石鹸と比較して消費期限が６ヶ月程度と非常に短いという問題点があった。
また、近年、天然石鹸に機能性を付加するために、漢方薬に使用される幾つかの生薬材粉末を添加して製造された製品が登場している。

本出願人も、数多くの実験を通じて、生薬材が、粉末として使用されるよりは、煮たり煎じたりした汁として添加した方がさらに優れた薬効を示すということを確認した。そこで、煮たり煎じたりした生薬材液を天然石鹸に添加するために数多くの実験を繰り返し行ったが、幾つかの生薬材を除いては、天然石鹸に必ず入るべきキャリアオイル(carrier oil)と、煮たり煎じたりした生薬材液とが互いに混合せず相分離してしまい、石鹸が製造できないという問題点を数年間解決することができなかった。
したがって、粉末として添加する方式、或いは煮たり煎じたりして添加する方式などでは、多様な生薬材を添加した天然石鹸の製造が事実上不可能であった。

本発明は、上述した従来の問題点を解決するためのもので、その目的は、生薬材のむかつくような臭いを画期的に減少させて製品使用が容易であり、混合の際にキャリアオイルと分離される生薬材特性を減少させて多様な生薬材の混合が可能であり、生薬材の薬効成分を倍加させて長期間保管が可能であり、合成界面活性剤ではなく穀物粉末で洗浄力を高めて脱毛防止及び脱毛促進薬効に優れた、生薬熟成湯液を用いた天然石鹸及びその製造方法を提供することにある

上記目的を達成するために、本発明は、蓮根、蓮の葉、紅参、スナジグミの葉及び茎、柿の葉、側柏、生姜、ローズマリー、黒豆、黒ごま、アロエ、桑の葉、瓦松、当帰、緑茶、松の葉、薄荷、ツルドクダミ、ブルーベリー及び石菖を含む生薬材を熟成器に入れ、６５〜９５℃で材料に応じて３〜１５日間高温熟成させた後、蒸留水又は軟水を入れて煎じて生薬熟成湯液を得、該生薬熟成湯液を添加することにより得られることを特徴とする、生薬熟成湯液を用いた天然石鹸を提供する。

また、前記生薬熟成湯液を用いた天然石鹸において、前記生薬熟成湯液は、前記高温熟成させた生薬材を蒸留水又は軟水と共に煎じ器に投入し、強火で煮立てた後、弱火で煮詰めて一番煎じ液を作り、この一番煎じ液を他の容器に移した後、蒸留水又は軟水を再び投入し、強火で煮立てた後、弱火で煮詰めて二番煎じ液を作り、生薬材を除去した後、一番煎じ液と二番煎じ液とを混合し、弱火で煎じて得られることが好ましい。

上記目的を達成するために、本発明は、苛性ソーダを入れて天然石鹸を製造する方法において、蓮根６〜９重量％、蓮の葉４〜６重量％、紅参４〜６重量％、スナジグミの葉及び茎４〜６重量％、柿の葉４〜６重量％、側柏４〜６重量％、生姜４〜６重量％、ローズマリー３〜５重量％、黒豆６〜９重量％、黒ごま３〜５重量％、アロエ５〜８重量％、桑の葉５〜８重量％、瓦松１〜３重量％、当帰４〜６重量％、緑茶３〜５重量％、松の葉５〜８重量％、薄荷４〜６重量％、ツルドクダミ４〜６重量％、ブルーベリー３〜５重量％、及び石菖３〜５重量％を含む生薬材を、綺麗に水洗して熟成器に入れ、６５〜９５℃で材料に応じて３〜１５日間保温熟成させる段階（Ｓ１００）と、前記保温熟成した生薬材１５〜２５重量％を蒸留水又は軟水７５〜８５重量％と共に煎じ器に投入し、強火で煮立てた後、弱火で４８〜７２時間煮詰めて一番煎じ液を作る段階（Ｓ２００）と、前記一番煎じ液を他の容器に移し、蒸留水又は軟水３７〜４３重量％を投入した後、強火で煮立て、弱火で３〜４時間煮詰めて二番煎じ液を作る段階（Ｓ３００）と、前記生薬材を除去した後、一番煎じ液と二番煎じ液とを混合し、弱火で２４〜３６時間煎じて７．５〜８．５重量％の生薬熟成湯液を得る段階（Ｓ４００）と、前記生薬熟成湯液６５〜７５重量％と苛性ソーダ２５〜３５重量％とを混合した後、４０〜５５℃に冷却させる段階（Ｓ５００）と、ココナット油、ヤシ油、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油、米糠油、ヒマワリ油及びブドウ種油の２種以上を含んで混合されたキャリア油６５〜７５重量％を、４０〜５５℃で加熱し、前記冷却した苛性ソーダ及び生薬熟成湯液の混合物２５〜３５重量％をゆっくり投入しながら、混合物を撹拌して鹸化させる段階（Ｓ６００）と、前記鹸化した混合物９５〜９８重量％に、ラベンダー、レモン、クラリセージ、イランイラン、ローズマリー、ティーツリー及びシダーウッド(cedarwood)の２種以上を含んで混合された精油(essential oil)２〜５重量％を添加し、撹拌する段階（Ｓ７００）と、前記精油の添加された混合物を枠に流し込み、３０〜４０℃の温度で４８〜７２時間保温熟成させる段階（Ｓ８００）と、前記保温熟成の後、固化した石鹸を枠から取り外し、風通しの良い物陰で４〜６週間２２〜２８℃で室温熟成させる段階（Ｓ９００）とを含んでなることを特徴とする、生薬熟成湯液を用いた天然石鹸の製造方法を提供する。

また、前記生薬熟成湯液を用いた天然石鹸の製造方法において、前記鹸化した混合物９０〜９５重量％に、黒ごま粉末、黒米粉末、黒豆粉末、クロレラ粉末及びヒノキの葉粉末の少なくとも１種を含む機能性粉末５〜１０重量％を添加し、撹拌する段階（Ｓ６５０）、及び前記精油の添加された混合物９０〜９９重量％に、予め製造された本発明の天然石鹸の切片１〜１０重量％を添加する段階（Ｓ７５０）のうち少なくとも一つをさらに含むことが好ましい。

本発明の効果は、次のとおりである。

本発明は、生薬材を高温熟成させたのちに煎じて作った生薬熟成湯液を入れて製造された天然石鹸を提供するが、生薬材のむかつくような臭いを画期的に減少させて製品使用が容易であり、混合の際にキャリアオイルと分離される生薬材特性を減少させて多様な生薬材の混合が可能であり、生薬材の薬効成分を倍加させて長期間保管が可能であり、合成界面活性剤ではなく穀物粉末で洗浄力を高めて脱毛防止及び脱毛促進薬効に優れた、生薬熟成湯液を用いた天然石鹸及びその製造方法を提供することができる、非常に有用な発明である。

本発明を適用した天然石鹸の製造方法を示す工程図である。本発明を適用した天然石鹸の効能結果を確認するためのアンケート調査書である。

以下、好適な実施例によって本発明を詳細に説明する。ところが、本実施例は本発明の容易な理解のためのものと理解されるべきであり、使用された用語または単語は、通常的且つ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に基づき、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならず、本発明を限定するものと理解されてはならない。
（実施例１）

まず、第１段階（Ｓ１００）〜第４段階（Ｓ４００）は高温熟成した生薬熟成湯液を製造する過程であり、第５段階（Ｓ５００）〜第９段階（Ｓ９００）は製造された生薬熟成湯液を用いて天然石鹸を製造する過程である。

本発明において、従来の技術の問題点を解決しながら最も大きい特徴を与える部分は、第１段階（Ｓ１００）〜第４段階（Ｓ４００）における、高温熟成した生薬熟成湯液を製造する過程である。

第１段階（Ｓ１００）：生薬材を水洗した後、高温熟成させる
本発明の天然石鹸に脱毛防止及び発毛促進効能を持たせるために、漢方薬で使用される生薬材のうち、脱毛防止及び発毛促進効能に優れた材料を選択し、それを水洗した後、高温熟成させる。

本発明で選択した生薬材として、蓮根６〜９重量％、蓮の葉４〜６重量％、紅参４〜６重量％、スナジグミの葉及び茎４〜６重量％、柿の葉４〜６重量％、側柏４〜６重量％、生姜４〜６重量％、ローズマリー３〜５重量％、黒豆６〜９重量％、黒ごま３〜５重量％、アロエ５〜８重量％、桑の葉５〜８重量％、瓦松１〜３重量％、当帰４〜６重量％、緑茶３〜５重量％、松の葉５〜８重量％、薄荷４〜６重量％、ツルドクダミ４〜６重量％、ブルーベリー３〜５重量％及び石菖３〜５重量％を含む生薬材を綺麗に水洗し、それを熟成器に入れた後、６５〜９５℃で材料に応じて３〜１５日間高温熟成させる。

前記熟成器は、本出願人が生薬材を熟成させるために開発した機器であって、内部から生薬材の水分が流出しないように密閉され、設定された一定の温度に高温状態を維持させる装置である。
前記熟成器の設定温度は８０〜９０℃が好ましく、熟成期間は材料によって３〜１５日に異ならせる。

本出願人は、数多くの実験中に、朝鮮人参を煮ずに高温で蒸熟すると、薬効が倍加された紅参となることに着目し、生薬材を高温熟成させる実験を行った。このような生薬材を高温熟成させる第１段階（Ｓ１００）を通じて、生薬材のむかつくような臭いが減少するものの薬効は倍加され、長期間の保管が可能で且つ生薬材間の相互融和が可能な状態に変わることにより、以後、煎じて湯液に製造する際にキャリアオイルとの混合が可能となり、石鹸への製造が可能となるのである。よって、本発明では第１段階（Ｓ１００）が最も重要な技術的特徴を有するものといえる。

前記生薬材のうち、蓮根は、澱粉で保護されたビタミンＣが豊富で容易に破壊されず、ニキビ防止、シミ防止、脱毛防止および発毛促進効果に優れるうえ、含有されたタンニン成分は血液循環に役立ち、リノール酸成分は天然抗酸化剤として機能して老化防止に効能があり、ミネラル成分は頭皮に栄養を供給する。
蓮の葉は、蓮根と類似の効能を有するが、渇き解消効果、皮膚鎮静効果、精力向上効果、及びニコチン解毒効果がある。

紅参は、滋養強壮食品であって、疲労回復や免疫力増進、血小板凝集抑制、二日酔い解消、老化防止、高血圧及び糖尿病の予防、更年期障害改善効果、貧血予防など、数えられないほど多くの効果がある。

スナジグミ（サジーとも呼ばれる）の葉及び茎は、１５種のビタミンが豊富で天然ミネラル、アミノ酸サポニン（朝鮮人参の４倍）が含有されているため、高血圧、神経衰弱、心臓病、胃腸病及び湿疹の治療に効果的であり、抗癌作用、老化防止及び新陳代謝促進の効果などがある。
柿の葉は、ビタミンＣがレモンの２０倍程度含有されており、高血圧、壊血病及び貧血の治療、疲労回復、皮膚美容などに優れた効果がある。
側柏は、悪臭除去に効果があるだけでなく、髪毛が黒くなり、歯と骨が丈夫になり、肝硬化及び肝癌への効き目がよく、高血圧及び中風の予防にも効果がある。
生姜は、他の生薬材の副作用をやわらげる働きをし、身体を温める効能があって、頭皮を刺激して脱毛予防及び発毛促進に効果がある。

ローズマリーは、優れた殺菌力を有し、老化防止、鎮静効果及び抗酸化作用効果に優れるうえ、食用、茶、飲料としても使われるもので、脱毛予防及び発毛促進に優れた効能がある。

黒豆は、血圧を正常にし、炎症を鎮静させるうえ、含有されたビタミンＥ、不飽和脂肪酸、アントシアン及びベータカロチンが老化を防止し、エストロゲン、サポニン、グリシニンなどが血管を拡張させて白髪又は脱毛症状を緩和させる。

黒ごまは、豊富な不飽和脂肪酸が動脈硬化を予防し、ビタミンＥ及びリン脂質が皮膚を回復させ、リセチン成分が脳に良い効果を与え、頭皮にも栄養を供給して脱毛予防に役立ち、便秘にも効果がある。

アロエは、細かい皺及び傷跡を改善し、抗菌及び抗ウイルス作用をし、皮膚の熱気を冷やし、敏感性皮膚を鎮静させ、保湿効果に優れて細胞治癒及び再生に卓越した効果があり、頭皮洗浄及び再生、保湿、脱毛予防などにも効果がある。

桑の葉は、ギャバという成分が血圧を下げながら、神経伝達機能を果たして毛細血管を強化して発毛を促進し、脳卒中、高血圧、糖尿病、動脈硬化及び心臓病に効果がある。
瓦松は、古い瓦に生長し、人体の細胞活性化、ＤＮＡ免疫力の強化、解毒、肝機能の回復、損傷した細胞の再生及び回復などに卓越した効果がある。

当帰は、補血・精血・止血作用及び血液循環の促進、心臓機能の強化、手足冷症の治療、老化防止など血行を円滑にして頭皮健康に役立ち、発毛促進にも効果がある。

緑茶は、強力な抗癌効果を有するカテキン成分が多量入っており、炎症及び細菌感染の抑制、血糖上昇の抑制、抗酸化作用による老化防止、重金属及びニコチンの解毒、疲労回復及び二日酔い除去、酸性体質の変化、虫歯及び口臭いの除去、皮膚浄化、老化防止などに効果がある。

松の葉は、葉緑素、ビタミンＡ、ビタミンＣ及びオシキルパルチミン酸が含有されているため、脳卒中、高血圧、動脈硬化症、痔疾、漆皮膚炎、腎臓病、貧血、神経痛、細胞再生、老化防止、脱毛防止および発毛促進に効能がある。

薄荷は、メントール、マンガニーズ、ビタミンＡ及びビタミンＣが多量含有されて抗菌作用があり、熱を冷やし、皮膚損傷及び炎症をなくし、皮膚に活気を与えて掻痒症を鎮静させ、血液循環を促進させて毛孔をすぼめるうえ、ニキビ及び皮膚炎にも効果がある。
ツルドクダミは、血管の拡張、皮膚細胞の再生、毛髪の艶、白髪防止、脱毛防止及び発毛に効果がある。
ブルーベリーは、世界１０大健康食品であって、視力強化作用、抗癌効果、老化防止、精血、便秘、骨粗しょう症などに効果がある。
石菖は、頭を清らかにし、脳に主に作用し、記憶力を良くし、老化防止にも効果があり、頭皮洗浄の際に毛髪に艶を与えるうえ、毛髪を健康にする。

第２段階（Ｓ２００）：生薬材から一番煎じ液を製造する
前記高温熟成してむかつくような臭いが減少し、薬効が倍加され且つ相互融和が可能な状態になった生薬材１５〜２５重量％を、蒸留水又は軟水７５〜８５重量％と共に煎じ器に投入し、強火で煮立てた後、弱火で４８〜７２時間煮詰めて一番煎じ液を作る。

生薬材と共に煎じ器に投入される水は、水道水ではなく、蒸留水又は軟水を使用しなければならない。蒸留水又は軟水を使用する理由は、水道水には薬品処理の際に用いられる異物が残っているから、生薬材の薬効が低下し、作用の際に苛性ソーダとの特異反応を示す問題点があって、純粋な蒸留水又は軟水を使用しなければならない。

第３段階（Ｓ３００）：生薬材から二番煎じ液を製造する
第２段階（Ｓ２００）で作られた一番煎じ液を他の容器に移し、蒸留水又は軟水３７〜４３重量％を投入した後、強火で煮立て、弱火で３〜４時間煮詰めて二番煎じ液を作る。

第４段階（Ｓ４００）：一番煎じ液と二番煎じ液とを混合した後、煎じて生薬熟成湯液を製造する
前記生薬材を除去した後、一番煎じ液と二番煎じ液とを混合し、弱火で２４〜３６時間煮詰めて７．５〜８．５重量％の生薬熟成湯液を得る。
前記生薬材から一番煎じ液及び二番煎じ液を製造し、一番煎じ液と二番煎じ液とを混合して煎じることにより生薬熟成湯液を製造する過程を介して、１次的に高温熟成した生薬材は、むかつくような臭いが減少し、互いに融和する。

第５段階（Ｓ５００）：生薬熟成湯液と苛性ソーダとを混合する
前記生薬熟成湯液６５〜７５重量％と苛性ソーダ２５〜３５重量％とを混合した後、４０〜５５℃に冷却させる。
一切の追加的な水の添加なしで生薬熟成湯液のみで苛性ソーダと混合して反応させる。苛性ソーダは生薬熟成湯液と反応してガスを放出し高熱を発生させるが、これを空気中で冷却させて４０〜５５℃となるようにする。

第６段階（Ｓ６００）：キャリアオイルを添加して鹸化させる
ココナット油、ヤシ油、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油、米糠油、ヒマワリ油及びブドウ種油の２種以上を含んで混合されたキャリアオイル６５〜７５重量％を、４０〜５５℃で加熱し、前記冷却した苛性ソーダ及び生薬熟成湯液の混合物２５〜３５重量％をゆっくり投入しながら混合物を撹拌して鹸化させる。

前記キャリアオイルに前記苛性ソーダ及び生薬熟成湯液の混合物を添加するときにゆっくり入れながら、ヘラによって混合させると、粘度が益々強くなり、滴下すると、跡が残る状態になる。この状態は、トレース(trace)状態といい、よく鹸化した状態である。

前記キャリアオイルを全て添加するときは、キャリアオイル６５〜７５重量％のうち、ココナット油２５〜３５重量％、ヤシ油２２〜３２重量％、オリーブ油６〜１６重量％、ツバキ油４〜１４重量％、ヒマシ油４〜１４重量％、米糠油１〜１１重量％、ヒマワリ油１〜１１重量％及びブドウ種油０．５〜９重量％で計量できる。

第７段階（Ｓ７００）：鹸化した混合物に精油を添加する
前記鹸化した混合物９５〜９８重量％に、ラベンダー、レモン、クラリセージ、イランイラン、ローズマリー及びシダーウッドの２種以上を含んで混合された精油２〜５重量％を添加して撹拌する。

前記精油を添加する理由は、保温熟成、一番煎じ及び二番煎じを介して生薬材のむかつくような臭いを大部分減少させたが、漢方薬特有のにおいが残っており、これを改善し且つ各オイルの機能的特性を付加するために添加する。

前記精油の中でも、ラベンダー(Lavender)は、花の香りが豊富で、防腐効果を有し、ニキビ、皮膚炎、腫れ物、湿疹、虫さされ、水虫、ハタケ、傷及び皺に効果があるうえ、ストレス、うつ病、不眠症及び頭痛の治療に役立つ。

また、レモンは、強い酸味により、疲労回復、血液循環、新陳代謝の活性化、皮膚及び粘膜の強化、細菌に対する抵抗力の強化、脂性皮膚の角質除去及び傷回復、毛髪の洗浄などに効果がある。

また、クラリセージ(Clary sage)は、防腐、殺菌、神経安定、悪臭予防、解熱作用による敏感性皮膚の自生、ストレス解消、外傷治療、脂漏性フケの緩和、発毛などに効果がある。

また、イランイラン(Ylang Ylang)は、安定効果、催淫効果、防腐効果、ニキビ治療効果、正常血圧の維持効果、疼痛緩和効果、頭皮刺激による脱毛予防効果、皮膚の水分バランス調節効果、及び枝毛予防効果などがある。

また、ローズマリー(Rosemary)は、細胞再生促進及びリンパ排出促進作用があり、線維芽細胞の生成促進作用により老化皮膚に効果的であるうえ、血行促進、抗菌、防腐、鎮痛、炎症緩和、性欲強化及び排尿促進作用があり、強い香りで脳細胞に活気を与えて記憶力、集中力、痴呆予防、艶及び弾力の維持、神経痛及びフケの緩和、脱毛予防、毛髪成長などに効果的である。

また、ティーツリー(Tea tree)は、菌による皮膚疾患に効果的であり、ニキビ、湿疹、脂性皮膚、水虫、疣、虫さされ、フケ及び傷に効果があり、免疫体系の向上にも効果がある。

また、シダーウッド(cedarwood)は、リンパ排出に役立ち、セルライトの分解、ニキビ、脂性毛髪及びフケの緩和、防腐などに効果があり、排尿促進、収斂及び殺菌作用があって脂性皮膚に最高の効果を発揮し、ニキビ、頭皮の脂漏性フケ及び脱毛症に効き目があるうえ、神経緩和、頭皮細胞の解毒促進作用があってヘアトニックに使用され、脱毛予防にも効果的である。

第８段階（Ｓ８００）：十分な天然栄養成分の生成のために保温熟成させる
前記精油の添加された混合物を枠に流し込み、完全に密閉させた状態で３０〜４０℃の温度で４８〜１２０時間保温熟成させ、天然栄養成分が生成されるように熟成度を高める。
本段階を完全密閉した状態で行う理由は、前記鹸化した混合物が空気と引き続き接触すると、短時間で固まってしまう。固まったままでは十分に天然栄養成分が生成されなくなるので、固まる前に十分な天然栄養成分とグリセリンが生成できるように密閉状態で長時間の保温熟成を行う。

第９段階（Ｓ９００）：石鹸を室温熟成させる
前記保温熟成の後、固化した石鹸を枠から取り外し、風通しの良い物陰で４〜６週間２２〜２８℃で室温熟成させる。

この段階を経て固化した石鹸は、十分な乾燥と熟成が行われるが、第８段階（Ｓ８００）で生成された天然栄養成分とグリセリンがさらに熟成する。この際、直射光線を照らすと、栄養素が破壊され、変色及び変質するおそれがあって、風通しのよい物陰で室温熟成を行う。

第１０段階（Ｓ１０００）：ＰＨテストで酸度を測定する
室温熟成を済ませた天然石鹸の切片を分離して酸度を測定するために、ＰＨテストを行い、酸度が中性〜９（弱アルカリ）程度であるかを確認して製品を完成する。

乾燥がうまく行われないから、酸性の石鹸を使用すると、顔が赤くなり、ひりひりし、皮膚が損傷する。よって、乾燥がうまく行われるように室温熟成し、これと同時にこのような室温熟成によって生薬熟成湯液の効能がより向上して高品質の天然石鹸が形成される。
前記段階のうち、次の段階を選択的に追加することができる。

選択的第１段階（Ｓ６５０）：機能性粉末を添加する
本選択的段階は、前記鹸化した混合物に機能性粉末を添加する段階であって、第７段階（Ｓ７００）の前又は後に選択的に追加できる。
前記鹸化した混合物９０〜９５重量％に、黒ごま粉末、黒米粉末、黒豆粉末、クロレラ粉末およびヒノキの葉粉末の少なくとも１種を含む機能性粉末５〜１０重量％を添加し、撹拌して天然石鹸に機能性を与える。

前記機能性粉末のうち、黒ごま粉末は、豊富な不飽和脂肪酸が動脈硬化を予防し、ビタミンＥ及びリン脂質が皮膚を回復させ、リセチン成分が脳に良い効果を与え、頭皮にも栄養を供給して脱毛予防に役立ち、便秘にも効果がある。

また、黒米粉末は、ビタミンＢ、Ｅが一般米に比べて４倍程度含有されているから、糖尿病及び生活習慣病の予防、皮膚美容などに卓越した効果があり、細胞活性化及び老化防止効果がある。

また、黒豆粉末は、血圧を正常にし、炎症をやわらげるうえ、含有されたビタミンＥ、不飽和脂肪酸、アントシアン及びベータカロチンが老化を防止し、エストロゲン、サポニン、グリシニンなどが血管を拡張させて白髪や脱毛症状を緩和させる効果がある。

また、クロレラ粉末は、浮遊微生物に分類される緑藻植物であって、成長促進因子という特殊物質が含有されているから、汚染物質を無力化させ、細胞分裂及び新陳代謝を促進させることにより、細胞活性化作用をして皮膚及び毛髪再生に効果がある。

また、ヒノキの葉粉末は、フィトンチッド(phytoncide)という殺菌物質を多量分泌するが、身体の調節能力を向上させ、細菌及びカビ菌の繁殖を抑制し、空気浄化、アレルギー性疾患の予防及び治療、悪臭除去、免疫力増強などに効果がある。

選択的第２段階（Ｓ７５０）：予め製造された本発明の天然石鹸の切片を添加する
前記第７段階（Ｓ７００）の後、前記精油の添加された混合物８５〜９９重量％に、予め製造された本発明の天然石鹸の切片１〜１５重量％を添加する。
本発明で予め製造した天然石鹸の切片を精油の添加された混合物に添加するが、これは、予め熟成した天然石鹸の切片が精油の添加された混合物と混合することにより、熟成度を向上させ、熟成時期を短縮させ、熟成度が高い上質の製品となるように役立てる。

ＣＰ方法で製造された天然石鹸とその中に含まれた生薬材は、熟成が非常に重要であり、このような熟成度を向上させてより品質の良い製品を得るために多くの努力を傾けた実験を通じて、選択的第２段階も開発することになった。
（試験例１）：実施例の天然石鹸の効能試験

本発明の実施例により生薬熟成湯液を用いた天然石鹸を製造し、３０〜６０代の男性及び女性を対象として１ヶ月（３０日）以上使わせた後、その効能を試験した。

図２に示すような「製品使用結果に関するアンケート調査書」を配布し、記載された評価基準（非常に良い（５）、良い（４）、普通（３）、悪い（２）、非常に悪い（１））によって被実験者が直接評価及び作成したものを受け取り、その結果を下記表１に示した。

表１による結果を考察すると、３０〜６０代の男性及び女性のいずれも脱毛防止、発毛効果、石鹸の泡立ち、洗浄効果及び保湿効果の項目に対して「非常に良い」と応答し、石鹸の香り項目に対しては「良い」と応答したので、改善の余地がある。これは、被実験者を含む大部分の人々が香りの強い人工香が添加された製品を使用してきたためである。天然香料は香りが弱い。よって、通常、人工香料を添加している。ところが、人工香料は人体に有害である。
本出願人が精油の添加量の調節によって解決することができる。

被実験者のうち、数名の作成後記を考察すると、次のとおりである。多数の人々、例えば、３０代女性の李○○さんは「私は脱毛、角質及び掻痒症が激しかったが、この石鹸を使用してからは全て改善されました。（中略）...」、６０代女性の朴○○さんは「染色とパーマにより髪毛に弾力がなく、脱毛も激しかった。天然石鹸を使用しながら脱毛が減少し、毛髪に弾力があり、フケの緩和及び保湿効果もよかった。脱毛防止・発毛機能性製品として遜色がない」、６０代女性の梁○○さんは「お風呂の掃除時ごとに髪の毛が激しく抜けていた。天然石鹸を使用して３０日経過すると、脱毛が止まり、発毛も促進されることが分かった」、４０代女性の丁○○さんは「知人から脱毛に効果が良いと勧められて使用したが、脱毛症状がなくなり、発毛も経験しております。ありがとうございます。」といいながら、本発明の天然石鹸の効能を立証している。

これにより、本発明の目的である脱毛防止及び発毛効果に優れた効能を有する生薬材を入れ、天然石鹸を製造することができる。さらに、生薬材のむかつくような臭いを画期的に減少して製品使用が容易であり、生薬材の薬効成分を倍加させて長期間保管が可能であり、有害な合成界面活性剤ではなく穀物粉末で洗浄力を高めた、生薬熟成湯液を用いた天然石鹸及びその製造方法を提供することができる。

本発明は上述した特定の好適な実施例に限定されない。当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲で請求する本発明の要旨を外れることなく、様々な変形を加え得ることを理解するであろう。それらの変更も請求の範囲に記載された範囲内にある。

Ｓ１００：生薬材を水洗した後、高温熟成させる
Ｓ２００：生薬材から一番煎じ液を製造する
Ｓ３００：生薬材から二番煎じ液を製造する
Ｓ４００：一番煎じ液と二番煎じ液とを混合した後、生薬熟成湯液を製造する
Ｓ５００：生薬熟成湯液と苛性ソーダとを混合する
Ｓ６００：キャリアオイルを添加して鹸化させる
Ｓ６５０：機能性粉末を添加する
Ｓ７００：鹸化した混合物に精油を添加する
Ｓ７５０：予め製造された天然石鹸の切片を添加する
Ｓ８００：十分な天然栄養成分の生成のために保温熟成させる
Ｓ９００：石鹸を室温熟成させる
Ｓ１０００：ＰＨテストで酸度を測定する

Claims

蓮根、蓮の葉、紅参、スナジグミの葉及び茎、柿の葉、側柏、生姜、ローズマリー、黒豆、黒ごま、アロエ、桑の葉、瓦松、当帰、緑茶、松の葉、薄荷、ツルドクダミ、ブルーベリー及び石菖を含む生薬材を熟成器に入れ、６５〜９５℃で材料に応じて３〜１５日間保温熟成させた後、蒸留水又は軟水を入れ、煎じて生薬熟成湯液を得、該生薬熟成湯液を添加することにより得られることを特徴とする、生薬熟成湯液を用いた天然石鹸。
前記生薬熟成湯液は、前記保温熟成した生薬材を蒸留水又は軟水と共に煎じ器に投入し、強火で煮立てた後、弱火で煮詰めて一番煎じ液を作り、該一番煎じ液を他の容器に移した後、蒸留水又は軟水を再び投入し、強火で煮立てた後、弱火で煮詰めて二番煎じ液を作り、生薬材を除去した後、前記一番煎じ液と前記二番煎じ液とを混合し、弱火で煎じて得られることを特徴とする、請求項１に記載の生薬熟成湯液を用いた天然石鹸。
苛性ソーダを入れて天然石鹸を製造する方法において、
蓮根６〜９重量％、蓮の葉４〜６重量％、紅参４〜６重量％、スナジグミの葉及び茎４〜６重量％、柿の葉４〜６重量％、側柏４〜６重量％、生姜４〜６重量％、ローズマリー３〜５重量％、黒豆６〜９重量％、黒ごま３〜５重量％、アロエ５〜８重量％、桑の葉５〜８重量％、瓦松１〜３重量％、当帰４〜６重量％、緑茶３〜５重量％、松の葉５〜８重量％、薄荷４〜６重量％、ツルドクダミ４〜６重量％、ブルーベリー３〜５重量％及び石菖３〜５重量％を含む生薬材を、綺麗に水洗して熟成器に入れ、６５〜９５℃で材料に応じて３〜１５日間保温熟成させる段階（Ｓ１００）と、
前記保温熟成した生薬材１５〜２５重量％を蒸留水又は軟水７５〜８５重量％と共に煎じ器に投入し、強火で煮立てた後、弱火で４８〜７２時間煮詰めて一番煎じ液を作る段階（Ｓ２００）と、
前記一番煎じ液を他の容器に移し、蒸留水又は軟水３７〜４３重量％を投入した後、強火で煮立て、弱火で３〜４時間煮詰めて二番煎じ液を作る段階（Ｓ３００）と、
前記生薬材を除去した後、前記一番煎じ液と前記二番煎じ液とを混合し、弱火で２４〜３６時間煎じて７．５〜８．５重量％の生薬熟成湯液を得る段階（Ｓ４００）と、
前記生薬熟成湯液６５〜７５重量％と苛性ソーダ２５〜３５重量％とを混合した後、４０〜５５℃に冷却させる段階（Ｓ５００）と、
ココナット油、ヤシ油、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油、米糠油、ヒマワリ油及びブドウ種油の２種以上を含んで混合されたキャリア油６５〜７５重量％を、４０〜５５℃で加熱し、前記冷却した苛性ソーダ及び生薬熟成湯液の混合物２５〜３５重量％をゆっくり投入しながら、混合物を撹拌して鹸化させる段階（Ｓ６００）と、
前記鹸化した混合物９５〜９８重量％に、ラベンダー、レモン、クラリセージ、イランイラン、ローズマリー、ティーツリー及びシダーウッド(cedarwood)の２種以上を含んで混合された精油(essential oil)２〜５重量％を添加し、撹拌する段階（Ｓ７００）と、
前記精油の添加された混合物を枠に流し込み、３０〜４０℃の温度で４８〜７２時間保温熟成させる段階（Ｓ８００）と、
前記保温熟成の後、固化した石鹸を枠から取り外し、風通しのよい物陰で４〜６週間２２〜２８℃で室温熟成させる段階（Ｓ９００）と、を含んでなることを特徴とする、生薬熟成湯液を用いた天然石鹸の製造方法。
前記鹸化した混合物９０〜９５重量％に、黒ごま粉末、黒米粉末、黒豆、クロレラ粉末、及びヒノキの葉粉末の少なくとも１種を含む機能性粉末５〜１０重量％を添加し、撹拌する段階（Ｓ６５０）、及び前記精油の添加された混合物８５〜９９重量％に、予め製造された本発明の天然石鹸の切片１〜１５重量％を添加する段階（Ｓ７５０）のうち、少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする、請求項３に記載の生薬熟成湯液を用いた天然石鹸の製造方法。