以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよく、遊技者が所定の遊技を行なうことが可能な遊技機であればよい。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の遊技者側を表,表面,前面,前方で表わし、パチンコ遊技機1を挟んで遊技者と反対側を裏,裏面,後面,後方,奥,背面で示す。まず、図1を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の正面図である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、該外枠2の一側に開閉自在に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる前面枠3と、該前面枠3の前面上部に開閉自在に設けられる前面扉枠(ガラス枠)4と、前面枠3の前面下部に開閉自在に設けられる上皿開閉枠11と、から構成されている。また、前面枠3に設けられる主要構成部としては、上記した前面扉枠4、遊技盤40、下皿27、灰皿ユニット29、操作ハンドル30、機構板、打球発射装置がある。前面枠3および前面扉枠4は、遊技枠ともいう。なお、図示はしていないが、パチンコ遊技機1の側方に遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ためのカードユニット装置が付設されるものであってもよい。
前面扉枠4には、後述する遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視し得る遊技開口としての円形透視窓5が開設され、該円形透視窓5の裏面から複層ガラス板が装着されるようになっている。この円形透視窓5および複層ガラス板は、いずれも縦長な円形状に形成されるものである。前面扉枠4の周縁には、後方に向かって補強周枠リブ(図示しない)が立設され、さらに、補強周枠リブに沿って補強金具を取付ビスで取り付けることにより、前面扉枠4の強度の向上を図っている。
また、前面扉枠4の前面側には、円形透視窓5の外周に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット22が、左側方に被覆部材としての左装飾ユニット23が、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット24が、下部に前面構成部材としての下部装飾ユニット25がそれぞれ設けられている。上部装飾ユニット22の内部に、発光部材としての遊技効果LED13,14a,14cおよび遊技効果ランプ14b,14dが臨むように前面枠3の前面側に備えられ、左装飾ユニット23および右装飾ユニット24の内部に、それぞれ発光部材としての遊技効果ランプ16a,16bおよび遊技効果ランプ17a,17bが臨むように前面枠3の前面側に備えられている。この遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ14b,14d,16a,16b,17a,17bは、遊技の進行に応じた遊技の演出として点灯または点滅させるものであり、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知するとともに遊技の雰囲気を盛り上げるものである。なお、本実施の形態における特別の遊技状態とは、遊技者にとって有利な特定遊技状態(いわゆる大当り等)、通常状態よりも特定遊技状態となる確率が向上した確率変動状態(いわゆる確変状態等)、各々が識別可能な図柄を変動表示(たとえばスクロール表示)させる変動表示状態(いわゆる変動中等)、通常状態よりも変動表示が行なわれる変動時間が短縮される時間短縮状態等をいう。なお、状態表示および連続作動回数表示器7は、確率変動状態中であるか否か、時間短縮状態であるか否か、および確率変動状態中に大当りした回数を特定可能な態様(たとえば、確率変動状態中であるときは赤色でかつ当該確率変動状態中に連続して大当りが発生した回数分だけ点滅させて所定時間消灯させるサイクルを繰返す態様、時間短縮状態中であるときは青色を点灯させる態様、非確率変動状態中であるときは緑色を点灯させる態様)で制御される。遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ14b,14d,16a,16b,17a,17bは、前面枠3の前面側に備えられるものに限らず、前述した遊技枠に備えられているものであればよく、たとえば前面扉枠4に備えられたものであってもよい。
また、上部装飾ユニット22の左右には、遊技の進行に応じた遊技の演出として効果音(音声なども含む)を発生するスピーカ12a,12bが設けられている。なお、スピーカ12a,12bは、前面枠3に取り付けられており、玉の貸出異常が生じたとき、あるいは玉の貸出時(たとえば、100円相当の玉が払い出される毎)に、その旨を報知する報知音も発生するようにしてもよい。また、左装飾ユニット23の上部右側方に、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払い出されたことを報知する遊技関連情報発光部材としての賞球LED10(なお、賞球未払出分がある場合に報知するものでもよい。具体的には、賞球未払出があるときは点灯し、賞球未払出がないときは消灯するなど)が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられ、右装飾ユニット24の上部左側方に、払い出すべく賞球が不足したこと(後述する球切れスイッチ157により球切れを検出したとき)を報知する遊技関連情報発光部材としての球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。この賞球LED10および球切れLED9は、パチンコ遊技機1において行なわれる遊技の演出とは別に遊技に関する情報に関連して発光する遊技関連情報発光部材であり、遊技効果LEDや遊技効果ランプとは別に設けられるものであり、前面枠3の前面側に設けられている。また、下部装飾ユニット25の両側方には、遊技盤40に貼付される証紙を視認するための透視窓18が設けられている。
上記した遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ14b,14d,16a,16b,17a,17bは、それぞれプリント配線基板(図示しない)に実装されて前面枠3の前面側に取り付けられる。なお、遊技効果LED13,14a,14c、遊技効果ランプ16a,16b,17a,17bは、各プリント基板にそれぞれ複数個ずつ実装され、遊技効果ランプ14b,14dは、各プリント基板にそれぞれ1個ずつ実装されている。一方、球切れLED9、賞球LED10は、各プリント基板にそれぞれ複数個ずつ実装されている。
次に、前面扉枠4の透視窓5の下方に位置する上皿開閉枠11に形成された上皿19の構成について説明すると、上皿19は、複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成されている。上皿19の開放側の上方には、玉抜き操作部21が設けられている。この玉抜き操作部21は、押圧操作可能に設けられ、スプリングの付勢力に抗して押圧することにより、上皿19に貯留されていた球を裏面側に形成される玉抜き路(図示しない)および玉抜き穴(図示しない)を流下させて下皿27に誘導するものである。
上記した上皿19について、さらに詳細に説明すると、上皿19は、その上流側に形成される賞球払出口20から払い出された賞球を貯留し、かつ発射位置に球を供給するものである。また、上皿19には、パチンコ遊技機1に隣接して設けられるカードユニット装置を介して玉を借り受ける際に操作する操作部(残高表示部)が設けられている。この操作部は、上皿19の上面に臨むように設けられている。また、上皿19の上面には、遊技の進行に応じて遊技者による操作が可能なチャンスボタン19aが設けられている。さらに、上皿19の右側方には、前面扉枠4を前面枠3に対して施錠しかつ前面枠3を外枠2に対して施錠する施錠装置を操作するためのシリンダー錠26が臨んでいる。
また、前面枠3の下部に取り付けられる下皿27は、前記上皿19から溢れた余剰球を貯留する余剰球貯留皿(余剰球受皿)であり、その下皿27の下方には、玉抜き操作レバー28がスライド可能に取り付けられるようになっている。この玉抜き操作レバー28を操作することにより、下皿27に貯留されていた玉(賞球)を下方に玉抜きして持ち運び可能な球箱に移し替えることができる。また、下皿27の左側には、灰皿ユニット29が設けられ、右側には、操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、後述する打球発射装置の発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチおよびタッチリング(タッチセンサ)に接続されるタッチ配線(図示しない)が組み付けられているとともに、弾発力を調節するものである。
パチンコ遊技機1の正面構造は、概ね上記した通りであるが、パチンコ遊技機1にカードユニット装置が隣接されている場合について説明する。このカードユニット装置は、前記上皿19の上面に設けられる前述した球貸スイッチや返却スイッチ等の操作部を操作することにより作動されるものである。しかして、カードユニット装置の表面側には、使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器(図示しない)と、当該カードユニット装置がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているか否かを表示する連結台方向表示器(図示しない)と、記録媒体としての磁気カードを挿入するカード挿入口(図示しない)とが設けられている。そして、このように構成されるカードユニット装置は、独自の制御回路によって制御されるものであるが、カードユニット配線を介して、後述する払出制御基板98に接続されている。なお、カードユニット装置をパチンコ遊技機1に内蔵してもよいし、カードユニット装置を付設せず、カードによる球貸し機能を有しない弾球遊技機でもよい。また、本実施形態においては、遊技者に玉を貸し出す(球貸しする)ためのユニット装置としてカードユニット装置を例示したが、たとえば、紙幣等を挿入し得るユニット装置であってもよい。
一方、パチンコ遊技機1の前面枠3の裏面には、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球を払い出すための各種の機構を装備した機構板が設けられるとともに、前記操作ハンドル30に対応する位置に発射モータおよび打球槌(図示しない)を有する打球発射装置が固着され、打球発射装置の側方に機構板の余剰玉通路を流下する賞球を前記下皿27に誘導する接続樋が固着されている。
また、前面枠3の裏面には、ほぼ正方形状に構成される遊技盤40を収容するために段差状に形成された遊技盤収納枠部が設けられている(図示しない)。また、遊技盤収納枠部の左側方および右側方各々に2箇所ずつに、当該遊技盤収納枠部に収容された遊技盤40の裏面を押圧固定するための遊技盤係止レバーが取り付けられており、当該遊技盤係止レバーによって収容固定した状態においては、その裏面から機構板により被覆されることとなる。
また、外枠2に対する前面枠3の開放側裏面には、外枠2の掛止片に対する前面枠3の施錠および前面枠3に対する前面扉枠4の施錠を行なう金属製の施錠装置が設けられている。
機構板は、前面枠3の裏面側に一体的に形成される遊技盤収納枠部の一側側面上下において開閉自在に軸支されている。なお、機構板は、前面枠3に対して固定されて開閉できないものであってもよい。機構板の上部構成部としては、多量の玉を貯留する賞球タンクや玉を払出す玉払出装置等が設けられている。機構板の下部構成部としては、払出制御基板を収容する払出制御基板ボックスが取り付けられるとともに、電源基板を収容する電源基板ボックスが取り付けられている。
電源基板ボックスは、内部に複数の電圧の異なる電源を生成する電源基板を収容するものである。電源基板には、パチンコ遊技機1全体の電源をON・OFFするための電源スイッチ、パチンコ遊技機1のすべての動作をクリアするためのクリアスイッチおよび管ヒューズ等が実装されている。
電源基板で生成される電圧の種類は、DC30V、DC21V、DC12V、DC5Vの4種類である。ただし、他の基板に対してAC24Vも供給する。また、電源基板は、主基板および払出制御基板の各CPUに駆動電源が供給されていない間、これらの基板のRAMの記憶内容をバックアップ(保持)するためにバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源基板から電源断信号が出力されることによって主基板は、バックアップをするための処理を行なうようになっている。なお、払出制御基板にもバックアップする処理を行なってもよい。
以上で、パチンコ遊技機1の全体の概略構成を説明したが、以下、パチンコ遊技機1を構成する要素のうち、遊技盤40の表面および裏面の詳細な構成について説明する。
遊技盤40は、前述した遊技盤収納枠部に収容固定されるべく、ほぼ正方形状の合板により形成されている。遊技盤40の前面側には、円形状の遊技領域41が形成される。遊技盤40のほぼ中央には、遊技盤開口部(図示しない)が設けられている。遊技盤開口部には、表示領域80を形成するための開口84を有する装飾部材66が取り付けられる。遊技者は、装飾部材66の開口84を介して、遊技盤40の裏面側に取り付けられた後述の液晶表示装置44bを視認することができる。
また、遊技盤40の表面には、ステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レール42が取り付けられている。これにより、打球発射装置から発射された金属製の玉は、該誘導レール42により円形状の遊技領域41内に導かれる。
遊技領域41には、特別図柄表示装置44a、液晶表示装置44b、特別可変入賞球装置48、普通可変入賞球装置58、普通図柄表示装置63、および状態表示および連続作動回数表示器7等が視認可能に設けられるとともに、単に打球を入賞とする入賞口、打球の流下方向,速度を変化せしめる風車または多数の障害釘(図示しない)が設けられ、また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない打球が取り込まれるアウト口69が設けられている。特別図柄表示装置44aとは、各々が識別可能な複数種類の特別図柄(たとえば0〜9の数字)の変動表示を開始した後に表示結果を停止表示させる表示装置をいう。液晶表示装置44bとは、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄(たとえば0〜9の数字)の変動表示を開始した後に表示結果を停止表示させる等の画像による演出を行なう演出表示装置をいう。特別可変入賞球装置48とは、開閉駆動される開閉板49を有し、打球を受入れ易い開状態と、打球を受入れ難い閉状態とに変化可能な入賞球装置をいう。普通可変入賞球装置58とは、開閉駆動される開閉片を有し、打球を受入れ易い開状態と、打球を受入れ難い閉状態とに変化可能な入賞球装置をいう。普通図柄表示装置63とは、左右2箇所のLEDを交互に点灯させ、表示結果としていずれか一方を点灯させる表示装置をいう。状態表示および連続作動回数表示器7とは、制御されている遊技状態を表示色や点灯態様で報知する表示器をいう。
遊技領域41の構成をより詳細に説明すると、装飾部材66の左側方には、ゲートスイッチ62が内蔵された通過ゲート61が設けられている。このゲートスイッチ62は、該ゲートスイッチ62内を通過する打球を検出すると、その検出信号に基づいて通過ゲート61の下方に備えられた普通図柄表示装置63で普通図柄を変動表示(具体的には左右2箇所のLEDを交互に点灯させる)して表示結果を導出する(いずれか一方を点灯させる)。そして、たとえば、普通図柄表示装置63で左側のLEDが点灯した場合には、普通図柄表示装置63がはずれの表示結果を導出したことになる。一方、普通図柄表示装置63で右側のLEDが点灯した場合には、普通図柄表示装置63が当りの表示結果を導出したことになり、普通可変入賞球装置58が所定時間開放される。また、普通図柄表示装置63の変動時間は、特別図柄表示装置44aおよび液晶表示装置44bにおける特定表示結果としての大当り図柄の出現確率が高くなる確率変動状態のときに相対的に短く(たとえば、3〜5秒)、確率変動状態のときと比較し特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が低くなる通常遊技状態のときに相対的に長く(たとえば、30秒)設定されている。
また、普通図柄表示装置63の上方には、普通図柄表示装置63の変動表示中にゲートスイッチ62を通過した打球数を記憶表示する普通図柄始動記憶LED64(最高4個まで記憶表示する)が設けられている。この普通図柄始動記憶LED64は、4個のLEDから構成されている。
また、普通図柄表示装置63の下方には、特別図柄表示装置44aと特別図柄始動記憶LED46とが搭載されている。特別図柄始動記憶LED46は、特別図柄の変動動作中に後述する第1始動口スイッチ60aまたは第2始動口スイッチ60bによって検出された球数を記憶表示する(最高4個まで記憶表示する)。この特別図柄始動記憶LED46は、4個のLEDから構成されている。なお、特別図柄始動記憶LED46においては、始動記憶数の上限値を一定の4個としているが、これに限らず、予め定めた所定条件の成立に伴って始動記憶数の上限値を変更可能(たとえば、確変大当りした場合には、20個に増加する等)に構成してもよい。
普通可変入賞球装置58は、遊技領域41のほぼ中央に配置される装飾部材66と、アウト口69の上方に配置される特別可変入賞球装置48との間に配置され、ソレノイド59によって開閉片が開閉駆動される電動チューリップタイプの可変入賞球装置である。そして、普通可変入賞球装置58には、第1始動口スイッチ60aおよび第2始動口スイッチ60bが内蔵されている。
第1始動口スイッチ60aは、普通可変入賞球装置58の上部に設けられている第1始動口58aから受入れた入賞球を検出するようになっている。一方、第2始動口スイッチ60bは、ソレノイド59によって開閉片が開放中であるときに第2始動口58bから受入れた入賞球を検出するようになっている。しかして、打球が第1始動口スイッチ60aまたは第2始動口スイッチ60bによって検出されると特別図柄表示装置44aにおいて各々が識別可能な複数種類の特別図柄(たとえば0〜9の数字)の変動表示を開始し、液晶表示装置44bにおいて遊技の進行に応じた遊技の演出として各々が識別可能な複数種類の飾り図柄(たとえば0〜9の数字)の変動表示を開始する等の画像による演出が開始される。このように、第1始動口スイッチ60aおよび第2始動口スイッチ60bは、特別図柄表示装置44aにおいて変動表示をさせるための始動機能を兼用している。なお、普通可変入賞球装置58の開放時間は、通常遊技状態のときに相対的に短く(たとえば、0.5秒)、確率変動状態のときに相対的に長く(たとえば、2秒)設定されている。また、普通可変入賞球装置58が開放していない場合でも、普通可変入賞球装置58の上部に設けられている第1始動口58aから打球を受入れるようになっている。
普通図柄表示装置63の下方に設けられている特別図柄表示装置44aは、「0」〜「9」の特別図柄を変動表示する7セグメントLEDを備えた表示器である。そして、特別図柄表示装置44aの変動停止時における特別図柄が予め定めた大当り図柄(たとえば、「3」,「7」)である場合に、所定の遊技価値の付与として特定遊技状態(以下、大当りという)を発生して、特別可変入賞球装置48を特定態様で開閉駆動するものである。ただし、大当り図柄の一部(たとえば、「7」)は、確率変動図柄(以下、確変図柄ともいう)として設定され、この確率変動図柄で大当りとなったときには、その大当り終了後における前記普通図柄表示装置63での普通図柄の変動時間の短縮や当り(当りの点灯)の出現確率や特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が高くなる確率変動状態となるように設定されている。
装飾部材66内のほぼ中央に配置されている液晶表示装置44bは、図13〜図32で後述するように、宇宙をイメージさせる背景画像が表示されるとともに、「0」〜「9」の飾り図柄を上段・中段・下段において個々に横方向へスクロール(変動表示)する変動表示領域を備えた表示領域80が形成された液晶タイプの表示器である。液晶表示装置44bで変動表示される飾り図柄とは、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係や、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。特別図柄表示装置44aの表示結果が大当り図柄の場合には、液晶表示装置44bの表示結果も大当りが発生する予め定めた大当り図柄の組合せ(たとえば、同一の図柄が上段・中段・下段の変動表示領域で構成される有効ラインに揃った場合)となるように制御され、両表示結果の整合性が保たれるように制御される。
大当りとなったときに駆動制御される特別可変入賞球装置48は、ソレノイド65によって開閉駆動される開閉板49を有し、その開閉板49に受入れられた打球を検出する入賞個数検出器52が設けられている。しかして、大当りとなった場合には、一定時間(たとえば、28秒)が経過するまで、またはその一定時間内に所定個数(たとえば、10個)の入賞球が入賞するまで、開閉板49を開放する開放サイクルを所定回数(たとえば、15回)繰り返すことができるようになっている。
特別可変入賞球装置48の左右には、入賞球検出器56a,56bを内蔵する通常入賞口54a,54bが設けられ、該通常入賞口54aの左上方には、入賞球検出器55a,55bを内蔵する通常入賞口53a,53bが設けられている。
上記したように、打球が入賞するすべての入賞口および入賞装置には、入賞球を検出する入賞球検出器としての各スイッチ52,55a,55b,56a,56b,60a,60bが設けられているが、これは、これらの検出信号に基づいて所定個数の賞球を払い出すために使用されるものである。なお、入賞球または進入球を検出するが、賞球を払い出さないスイッチ62も設けられている。また、遊技盤40には、装飾効果を高めるための装飾LEDあるいは装飾ランプが複数設けられている。
装飾部材66内の開口84の上方および右側方には、各々、遊技の進行に応じて動作する拡大型演出装置101および回転型演出装置102が配置されている。また、装飾部材66内の開口84の下方には、受入れた遊技球を転動させる転動面が形成されたステージ106と、該ステージ106の奥側に装飾用部材107が形成されている。
遊技の進行は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータにより制御されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、主基板に搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROMワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU、および他の基板(他のマイクロコンピュータ)等に情報信号(制御信号、コマンド等)を送信するI/Oポート部を含む。遊技制御用マイクロコンピュータは、遊技盤40に設けられるソレノイド59,65を駆動制御するとともに、遊技状態に応じた情報信号(電飾信号および効果音信号)を演出制御用マイクロコンピュータや音声枠ランプ用マイクロコンピュータに出力し、さらに、大当り表示制御信号あるいはリーチ表示制御信号又は外れ情報信号(表示制御信号)等の各種制御信号を演出制御用マイクロコンピュータに出力する。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の表示制御、特別図柄始動記憶LED46の点灯制御、普通図柄表示装置63における普通図柄の表示制御、および普通図柄始動記憶LED64の点灯制御等を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータから入力される表示制御信号の種類に応じて、液晶表示装置44bにおける飾り図柄の表示制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータから入力される表示制御信号の種類に応じて、駆動モータ124a、124b、および回転モータ151の駆動制御を行なう。演出制御用マイクロコンピュータは、演出制御基板に搭載されている。音声枠ランプ用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータから入力される電飾信号の種類に応じて、遊技盤40や装飾部材66等に取り付けられている各種装飾ランプ、LED等の点灯制御を行なう。音声枠ランプ用マイクロコンピュータは、音声枠ランプ基板に搭載されている。
次に、装飾部材66の構成について図2〜図11を参照して説明する。図2は、装飾部材66を説明するための図であり、(a)〜(d)各々は正面図、上面図、右側面図、および右上斜視図を示している。図3は、拡大型演出装置101の動作を説明するための図である。図4は、液晶表示装置44bの表示演出に応じて拡大型演出装置101が駆動されたときの状態を説明するための図である。図5は、拡大型演出装置101を右上方から見た構造を説明するための右上斜視図である。図6は、拡大型演出装置101を右側面から見た構造を説明するための右側面図である。図7は、拡大型演出装置101を右後方から見た構造を説明するための右後面図である。図8は、拡大型演出装置101を上方から見た断面構造の概略を説明するための概略断面図である。図9は、回転型演出装置102の動作を説明するための図である。図10は、開口84の下方に形成されるステージ106および装飾用部材107を説明するための図である。なお、図5〜図7の(a)は、拡大型演出装置101が通常状態であるときを示し、図5〜図7の(b)は、拡大型演出装置101が駆動状態であるときを示している。図10(a)は、図2(a)に示すX−X断面を説明するための断面図であり、図10(b)は、ステージ106および装飾用部材107を右上方から見た構造を説明するための右上斜視図である。図11は、図2(a)に示すXI−XI断面を説明するための断面図である。
まず、図2を参照して、装飾部材66の全体構成について説明する。装飾部材66は、ベース部材100を含む。装飾部材66は、ベース部材100に各種装飾部品が取り付けられて構成されている。ベース部材100の外周には、鍔状フランジ103a〜103cが形成されている。鍔状フランジ103a〜103cには、取付穴が設けられており前面からビス止めすることにより、ベース部材100を遊技盤40の前面に取り付けられるように構成されている。
また、ベース部材100の上部外周には、カバー部104が形成されている。カバー部104の左下に位置する外側面部には、装飾部材66の左側を流下する遊技球を受入れ可能なワープ受入口104aが形成されている。ワープ受入口104aから受入れられた遊技球は、ベース部材100内に形成された通路を経由しステージ106の左端に形成されているワープ排出口104bから排出される。これにより、装飾部材66の側部に設けられたワープ受入口104aから受入れた遊技球をステージ106上に誘導(ワープ)させることができる。
ベース部材100内は、中央が奥側に窪んだ形状に形成され、その奥に液晶表示装置44bの表示面が臨むように構成される。拡大型演出装置101は、液晶表示装置44bの表示面が臨む上方に取り付けられる。
ここで、図3を参照して、ベース部材100の後面に取り付けられる拡大型演出装置101について説明する。拡大型演出装置101は、第1装飾体110および第2装飾体111を含む(図3(b)参照)。図3(a)は、拡大型演出装置101が動作していない通常状態を示している。通常状態においては、宇宙船艦の船尾(本実施の形態では「S」のマークが印されている)をイメージさせる第1装飾体110が液晶表示装置44bの表示面と重複しない位置(上方)で、遊技者に視認可能となる。第1装飾体110が液晶表示装置44bの表示面と重複しない位置とは、たとえば、遊技者がパチンコ遊技機1の正面に設置されている所定のイスに座わった状態で液晶表示装置44bの表示面に視線を向けたときに、第1装飾体110によって液晶表示装置44bの表示面が遮られることがない位置であってもよい。また、第1装飾体110が液晶表示装置44bの表示面と重複しない位置とは、たとえば、液晶表示装置44bの表示面内の垂線と第1装飾体110が重ならない位置であってもよい。
第1装飾体110の前面は、光が透過可能な光透過部110a(「S」のマークが印されている部分、および両翼に相当する部分)と、光を透過不可能な非光透過部110bとで構成されている。また、光透過部110aの後面側には、複数の装飾体用LED(図示省略)が搭載されている。複数の装飾体用LEDは、遊技の進行に応じた遊技の演出として点灯または点滅させるものであり、たとえば、通常状態であるときにはLEDを消灯し、駆動状態であるときにはLEDを点灯させ光透過部110aから光を放射する光演出が行なわれる。
図3(b)は、拡大型演出装置101が駆動したときの駆動状態を示している。駆動状態においては、第1装飾体110が一定の姿勢(「S」のマークがほぼ正面に見える姿勢)を維持したまま下方に変位して液晶表示装置44bの表示面と重複する位置に変位するとともに、宇宙船艦の艦橋をイメージさせる第2装飾体111が第1装飾体110の後面側から突出する位置に変位し第1装飾体110の上部で遊技者に視認可能となる(図3(b)の実線参照)。また、駆動状態においては、第1装飾体110および第2装飾体111を左右に傾ける動作を行なうことができる(図3(b)の点線参照)。また、前述したように、駆動状態においては、複数の装飾体用LEDにより光演出が行なわれる。
このように、通常状態であるときには、液晶表示装置44bの表示面と重複しない位置に第1装飾体110を配置し、第2装飾体111を第1装飾体110の後面側に収容するように配置し、第1装飾体110のみを遊技者に視認させる。また、駆動状態であるときには、液晶表示装置44bの表示面と重複する位置に第1装飾体110を配置するとともに、第1装飾体110の後面側に収容されていた第2装飾体111を第1装飾体110の上部に変位させて突出させることにより、第1装飾体110と第2装飾体111とを遊技者に視認させる。
これにより、通常状態であるときには第2装飾体111を第1装飾体110の後面側に収容し、駆動状態であるときには第2装飾体111を第1装飾体110の後面側から突出させるとともに、液晶表示装置44bの表示面と重複した位置において演出を行なう。すなわち、通常状態であるときには第2装飾体111を第1装飾体110の後面側に収容することで装飾体の大きさを小さくみせておき、駆動状態であるときには装飾体を下方向に変位させつつ拡大させ、遊技者が注目する液晶表示装置44bの表示面と重複した位置で演出を行なうことができる。このため、拡大型演出装置101を駆動させることにより効果的に迫力ある演出を行なうことができる。
拡大型演出装置101は、所定の駆動条件が成立したときに駆動状態に制御される。所定の駆動条件は、遊技の進行に応じて成立する条件であればどのような条件であってもよい。具体的には、液晶表示装置44bにおいて特殊なパターンにより図柄の変動表示が行なわれており特殊な演出が開始されたときに成立するものであってもよい。特殊なパターンとしては、たとえば、大当りとなることが事前決定されているときに大当りになることが事前決定されていないときより高い確率で発生するスーパーリーチパターンであってもよい。また、特殊な演出としては、スーパーリーチパターンによる変動表示が行なわれ演出内容が次の段階に発展し、たとえば背景画面を切換える演出であってもよい。また、液晶表示装置44bにおいて所定の演出が開始されたときに成立するものであってもよい。所定の演出としては、たとえば、大当りとなることが事前決定されているときに大当り図柄の組合せが表示されることを事前に報知する予告であってもよい。また、所定の演出としては、たとえば、大当り図柄の組合せが表示された後に、当該大当り終了後の遊技状態を確変状態に制御するか否か等を報知する再変動抽選であってもよい。
ここで、図4を参照して、液晶表示装置44bの表示演出に応じて拡大型演出装置101が駆動されたときの状態を説明する。ここでは、所定の駆動条件が、液晶表示装置44bにおいてスーパーリーチにより図柄の変動表示が行なわれており演出内容が次の段階に発展したことにより成立した場合について説明する。
図4(a)は、液晶表示装置44bにおける演出内容が次の段階に発展して、拡大型演出装置101が駆動状態に制御されたときの状態を示している。液晶表示装置44bでは、たとえば図柄の変動表示が行なわれていた状態(図示省略)から次の段階の演出内容として宇宙空間を移動しているかのような表示演出が行なわれている。また、拡大型演出装置101は、液晶表示装置44bの表示演出に応じて駆動され、液晶表示装置44bの表示面と重複する位置に第1装飾体110を配置するとともに、第1装飾体110の後面側に収容されていた第2装飾体111を第1装飾体110の上部に変位させて突出させた状態を示している。
図4(b)は、液晶表示装置44bにおける演出内容が進行し、拡大型演出装置101が左に傾くように駆動されたときの状態を示している。液晶表示装置44bでは、宇宙空間を移動している最中に隕石が左側方に向かって移動するような表示演出が行なわれている。また、拡大型演出装置101は、液晶表示装置44bの表示演出に応じて隕石を避ける向きに、すなわち左側が傾く向きに駆動させた状態を示している。
図4(c)は、液晶表示装置44bにおける演出内容がさらに進行し、拡大型演出装置101が右に傾くように駆動されたときの状態を示している。液晶表示装置44bでは、宇宙空間を移動している最中にミサイルが右側方に向かって移動するような表示演出が行なわれている。また、拡大型演出装置101は、液晶表示装置44bの表示演出に応じてミサイルを避ける向きに、すなわち右側が傾く向きに駆動させた状態を示している。
このように、拡大型演出装置101は、所定の駆動条件が成立したときに駆動状態に制御される。また、駆動状態に制御されているときにおいては、液晶表示装置44bの表示演出に応じて駆動されるため、表示装置44bによる演出と拡大型演出装置101による演出との関連性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図5〜図8を参照して、拡大型演出装置101の構造および動作について説明する。拡大型演出装置101は、移動可能な第1装飾体110および第2装飾体111、これらの第1および第2装飾体110、111を後面からカバーする形状に形成された取付用カバー部材105、第1および第2装飾体110,111を移動可能に支持するアーム部材121a、121b、アーム部材121a、121bのそれぞれと平行に並ぶように配置されたアーム補助部材140a、140b、およびアーム部材121a、121bを回転駆動するための駆動モータ124a、124bを含む。拡大型演出装置101は、取付用カバー部材105に上述した各種部材が取り付けられて構成される。拡大型演出装置101は、取付用カバー部材105の前面に形成されている取付穴120の後面からビス止めすることにより、ベース部材100の後面に取り付けられる。
取付用カバー部材105は、第1および第2装飾体110、111の上面を覆うような上壁と、当該上壁と連なり第1および第2装飾体110、111の裏面側に沿って鉛直下向きに延設された後部壁と、後部壁の下部において第1および第2装飾体110、111側から奥に向かって延設された底壁部とを含む。
取付用カバー部材105の後部壁の裏面側には、図6および図8に示すように、軸受カバー135が取り付けられる。軸受カバー135は、上記取付用カバー部材105の後部壁と接触している正面側壁部と、当該正面側壁部の両側において正面側壁部と交差する方向(垂直な方向)に延び、互いに対向する側壁部とを含む。軸受カバー135の2つの側壁部には、それぞれ軸受部123a、123bと、軸受部141a、141bとが形成されている。軸受部123a、123bは、アーム部材121a、121bをそれぞれ回動可能に軸支する。また、軸受部141a、141bは、アーム補助部材140a、140bをそれぞれ回動可能に軸支する。
取付用カバー部材105の後部壁および底壁部は、アーム部材121a、121bおよびアーム補助部材140a、140b各々を裏面側から前面側に突出させるための開口部122a、122bを有する。開口部122a、122bは、互いに平行となるように形成されている。アーム部材121a、121b各々は、開口部122a、122bに沿って軸受部123a、123bを中心に回動される。
アーム部材121a、121bは、軸受部123a、123bを中心として回動することにより、第1装飾体110および第2装飾体111を取付用カバー部材105に対して相対的に上下に変位可能に支持する部材である。アーム補助部材140a、140bは、後述するように、第1装飾体110の立姿勢を実質的に一定に保つ(第1装飾体110の正面の方向がいつも遊技機の正面側に向く状態に保つ)ように保持する部材である。なお、アーム部材121a、121bおよびアーム補助部材140a、140bの詳細な構造については後述する。
また、軸受カバー135には、アーム部材121a、121bを各々回動させるための駆動モータ124a、124bが取り付けられている。駆動モータ124a、124bは、軸受カバー135の正面側壁部の内周面に設置されている。また、軸受カバー135には、駆動モータ124a、124bからの駆動力を、各々対応するアーム部材121a、121bの回転軸143a、143bに供給するためのウォームギアおよびウォームホイールを含む駆動機構136a、136bが設けられている。駆動モータ124a、124bの回転軸には、駆動機構136a、136bに含まれるウォームギアが取り付けられている。図8に示すように、上方から見た場合、駆動モータ124a、124bの回転軸の延在方向は、アーム部材121a、121bの延在方向と平行になっている。あるいは、駆動モータ124a、124bの回転軸の延在方向は、軸受カバー135の正面側壁部の表面からほぼ垂直に突出する方向(遊技機の裏面側に向かう方向)になっている。
ウォームギアと噛合うウォームホイールの回転軸は、アーム部材121a、121bの回転軸143a、143bに結合されている。アーム部材121a、121bの回転軸143a、143bは、駆動モータ124a、124bの回転軸と交差する方向(直交する方向)に延びている。あるいは、アーム部材121a、121bの回転軸143a、143bは、取付用カバー部材105の後部壁の延びる方向(または軸受カバー135の正面側壁部の延びる方向)に沿った方向に延びている。
このような構成により、駆動モータ124a、124bの駆動力は、駆動機構136a、136bによりアーム部材121a、121bの回転軸143a、143bに伝達されて、軸受部123a、123bを中心としてアーム部材121a、121bを揺動させる揺動力(回転移動させる回転力)に変換される。本実施の形態におけるウォームギアは、ねじり角が安息角よりも小さい一般的なものを採用している。このため、駆動モータ124a、124bから駆動力が供給されていないときでも、たとえば第1装飾体110の重みなどによってウォームホイールが回動することはない。したがって、ウォームホイールと連結されているアーム部材121a、121b、および第1装飾体110および第2装飾体111の姿勢を維持することができる。
なお、第1装飾体110および第2装飾体111を維持する構成として、本実施の形態においては、ウォームギアおよびウォームホイールを含む駆動機構136a、136bを設けた例について説明したが、これに限らず、駆動モータ124a、124bの回転停止時に、回転軸(ロータ)を停止状態で保持するように励磁付勢することにより、回転停止時の状態で第1装飾体110および第2装飾体111を維持するように構成してもよい。
左右1組のアーム部材121a、121bは、細長い棒状の部材により構成されている。また、アーム部材121a、121bの断面は、外形が略矩形となるように形成され、かつ内部に配線を収容するための配線収容部(たとえばアーム部材121a、121bの内部を貫通するように形成された穴、あるいはアーム部材121a、121bの互いに対向する内周側の面において配線を収納するために形成された溝部など)が形成されている。アーム部材121a、121bの固定端(取付用カバー部材105の背面側に位置する端部)は、軸受部123a、123bにより、当該軸受部123a、123bを中心として回動可能となるように軸受カバー135に対して固定される。アーム部材121a、121bの回転軸143a、143bは、各々、アーム部材121a、121bの固定端の内側面において、互いに対向して(より具体的には、同一直線上に並ぶように)形成されている。一方、アーム部材121a、121bの自由端(上記固定端と反対側に位置する端部であって、取付用カバー部材105の正面側に位置する端部)の外側面には、各々、図6および図8に示すように、互いに相反する向き(アーム部材121a、121bの外周側に突出する方向)に突出した軸125a、125bが形成されている。アーム部材121a、121bの自由端の軸125a、125bは、アーム部材121a、121bの回転軸143a、143bと平行に延びている。
第1装飾体110は、左右の側方に、奥に向かって(軸受カバー135の配置された側に向かって)延びるように互いに対向して形成された側面壁を含む。側面壁は、第2装飾体111の一部または全部を覆うように形成されている。これにより、第2装飾体111は、側面壁により一部または全部が隠れるようになっている。第1装飾体110の左右の側面壁の内壁面には、アーム部材121a、121bの軸125a、125bを挿入するための軸挿入孔130a、130bが互いに対向する位置に形成されている。軸挿入孔130a、130bは、アーム部材121a、121bの回転軸143a、143bの延びる方向に沿った方向に窪んだ凹部である。第1装飾体110は、アーム部材121aの軸125aを軸挿入孔130aに回転可能に挿入し、アーム部材121bの軸125bを軸挿入孔130bに回転可能に挿入することにより、アーム部材121a、121bによって支持されている。また、第1装飾体110はアーム部材121a、121bの揺動に応じて、上下に変位可能になっている。さらに、軸挿入孔130a、130bを構成する凹部は、各々、その平面形状が縦方向(鉛直方向、あるいは第1装飾体110の変位する方向)に長くなる長穴形状となるように形成されており、軸125a、125bを軸挿入孔130a、130bに挿入したままの状態で、軸挿入孔130a、130bに対する軸125a、125bの挿入角度を変化させることができる。これにより、アーム部材121a、121bのいずれか一方を揺動させることにより、軸挿入孔130a、130bに対する軸125a、125bの挿入角度を変化させることができるため、第1装飾体110を左右に傾けることができる。
また、左右1組のアーム補助部材140a、140bは、細長い棒状の部材により構成されている。アーム補助部材140a、140bの断面は、外形が略矩形となるように形成されている。アーム補助部材140a、140bは、軸受部141a、141bにより、回動可能となるように固定される。アーム補助部材140a、140bの固定端の内側面には、回転軸144a、144bが互いに対向する向きに突出して形成されている。一方、アーム補助部材140a、140bの自由端の外側面には、各々、互いに相反する向き(外側に向かう向き)に突出した軸127a、127bが形成されている。なお、アーム補助部材140a、140bは、途中で屈曲部が形成され、屈曲部より固定端側におけるアーム部材121a、121bとの間の距離より、屈曲部より自由端側におけるアーム部材121a、121bとの間の距離が大きくなっている。アーム補助部材140a、140bの回転軸144a、144bは、取付用カバー部材105の後部壁の延びる方向(または軸受カバー135の正面側壁部の延びる方向)に沿った方向に延びている。また、アーム補助部材140a、140bの他方端の軸127a、127bは、アーム補助部材140a、140bの回転軸144a、144bと平行に延びている。
第1装飾体110の左右の側面壁の内壁面の軸挿入孔130a、130bの下方には、各々、軸挿入孔132a、132bが互いに対向する位置に形成されている。軸挿入孔132a、132bは、アーム補助部材140a、140bの回転軸144a、144bの延びる方向に沿った方向に窪んだ凹部である。第1装飾体110は、アーム補助部材140aの軸127aを軸挿入孔132aに挿入し、アーム補助部材140bの軸127bを軸挿入孔132bに挿入することにより、第1装飾体110がアーム部材121a、121bにより揺動されても、立姿勢を実質的に一定に保つことができる。
具体的には、アーム補助部材140a、140bの軸127a、127bと回転軸144a、144bとの距離は、アーム部材121a、121bの軸125a、125bと回転軸143a、143bとの距離と同じになるように構成されている。また、軸受部141aと軸受部123aとの距離、および軸受部141bと軸受部123bとの距離は、各々、図6に示される軸挿入孔130aの上端と軸挿入孔132aの上端との距離、および軸挿入孔130bの上端と軸挿入孔132bの上端との距離と同じになるように構成されている。これにより、軸受部123a、軸受部141a、軸挿入孔130a、および軸挿入孔132aにより軸支される回転軸143a、回転軸144a、軸125a、軸127aの4点において、平行リンク機構が形成されている。また、同様に、軸受部123b、軸受部141b、軸挿入孔130b、および軸挿入孔132bにより軸支される回転軸143b、回転軸144b、軸125b、軸127bの4点において、平行リンク機構が形成されている。
このように、アーム部材121a、121bおよびアーム補助部材140a、140bとを含む構成により、平行リンク機構が形成されている。このため、第1装飾体110は、アーム部材121a、121bの軸125a、125bが形成されている側の端部の変位に合わせて上下に変位する。また、第1装飾体110は、アーム補助部材140a、140bにより一定の立姿勢に維持される。
なお、軸挿入孔132a、132bを構成する凹部は、軸挿入孔130a、130bを構成する凹部と同様に、各々、図6に示すようにその平面形状が縦方向(鉛直方向)に長くなる長穴形状となるように形成されており、軸127a、127bを挿入したままの状態で、軸127a、127bの軸挿入孔132a、132bに対する挿入角度を変化させることができる。
また、アーム部材121a、121bの中間位置(固定端と自由端との間の任意の位置)の内側面には、図7および図8に示すように、突起126a、126bが互いに対向する向きに突出して形成されている。また、第2装飾体111の左右側方には、互いに相反する向きに突出した突出部131a、131bが形成されている。第2装飾体111は、突出部131a、131bがアーム部材121a、121bの突起126a、126bの上に載った状態で下がらないように維持されている。つまり、突起126a、126bの上側部は、突出部131a、131bの下面に接触する。このため、アーム部材121a、121bが回動した場合には、突起126a、126bが突出部131a、131bの下面に対して前後方向にすべりつつ当該突出部131a、131bを支持することにより、第2装飾体111は突起126a、126bに対して相対的にその位置が下がらないように支えられている。これにより、第2装飾体111は、アーム部材121a、121bの突起126a、126bの位置に合わせて、取付用カバー部材105に対して相対的に上下に変位する。また、このとき、アーム部材121a、121bの回動状態に応じて、突起126a、126bに対する第1装飾体110の鉛直方向における位置は変化する(つまり、図7(a)に示した状態では、突起126a、126bは第1装飾体110の鉛直方向のほぼ中央部に対応する位置にあるが、図7(b)に示した状態では、突起126a、126bは第1装飾体110の鉛直方向の中央部より上端に近い領域に位置する)。このため、突起126a、126bによって鉛直方向の位置が規制される第2装飾体111の第1装飾体110に対する鉛直方向での位置は、アーム部材121a、121bの回動状態に応じて変化することになる。
また、第2装飾体111は、第1装飾体110との間隔を一定に維持するとともに第1装飾体110とほぼ同じ立姿勢に保つことができるように構成されている。具体的には、第1装飾体110の裏面側(第2装飾体111と対向する面側)には、図6および図8に示すように、上下方向(鉛直方向)にわたって水平方向での断面形状がT字状の係合片131が形成されている。つまり、係合片131は、第1装飾体110の裏面表面から第2装飾体111側に突出した支柱部と、当該支柱部の先端(第2装飾体111側の先端)において取付用カバー部材105の後部壁の表面に沿った方向(支柱部の突出する方向と交差する方向、より好ましくは直交する方向)に延びるガイド板部とからなる。また、第2装飾体111の前面中央(係合片131側の面の中央)の鉛直方向における下方部には、第1装飾体110の係合片131(具体的には係合片131のガイド板部)を覆うようにして係合する係合溝部材132が形成されている。第2装飾体111は、第1装飾体110の係合片131に係合溝部材132を係合させて、係合片131に沿って上下にスライドさせることができるように構成されている。これにより、係合溝部材132を係合片131に係合させることにより、第2装飾体111を第1装飾体110に対して鉛直方向において相対的に変位させた場合であっても、第1装飾体110と第2装飾体111との水平方向での間隔を一定に保ちつつ、第2装飾体111の立姿勢を第1装飾体110の立姿勢とほぼ同じに保つことができる。
また、拡大型演出装置101には、第2装飾体111を第1装飾体110の後面側に収容させる方向に力を加える弾性体が搭載されている。具体的には、図7に示すように、第2装飾体111の裏面には、鉛直下向きの引張力を発生させる弾性体としての引張バネ195が取り付けられている。引張バネ195の一方端は、第2装飾体111の裏面上部に形成されている第2装飾体111側の固定部としてのビス止め部194にビス止めされ、他方端は第1装飾体110の裏面下部に形成されている第1装飾体110側の固定部としての突起部196に引っ掛けられている。
以上、説明したように、第1装飾体110および第2装飾体111は、共通のアーム部材121a、121bにより支持される。そして、拡大型演出装置101が駆動されていないときには、図3〜図7各々の(a)で示したように、液晶表示装置44bの表示面の上方において、第1装飾体110の後面側に第2装飾体111を収容した状態になる。
また、第1装飾体110は、軸受部123a、123bからの距離が第2装飾体111を支持する位置までの距離よりも長くなる位置(先端)において支持されているため、第2装飾体111よりも大きく変位する。このため、拡大型演出装置101が駆動されたときには、図3〜図7各々の(b)で示したように、液晶表示装置44bの表示面と重複する位置に第1装飾体110を変位させるとともに、第1装飾体110の後面側に収容されていた第2装飾体111を下方向に変位させつつ第1装飾体110の上部に突出させる状態になる。
このように、本実施の形態における拡大型演出装置101は、駆動モータ124a、124bを駆動させて軸受部123a、123bを回転軸として共通のアーム部材121a、121bを回動させる簡単な機構を採用しているにも関わらず、第1装飾体110および第2装飾体111を変位させつつ第2装飾体111よりも第1装飾体110を大きく変位させることができる。このため、駆動状態になると第1装飾体110および第2装飾体111を下方向に変位させながら、第1装飾体111の後面側に収容されていた第2装飾体111が第1装飾体110の後面側から突出するといった複雑な動作を行なわせることができる。
また、拡大型演出装置101は、軸受部123a、123bを回転軸として第1装飾体110および第2装飾体111を動作させるため、垂直方向への変位に加えて、水平方向にも変位させることができ、遠近感のある演出を行なうことができる。
また、第2装飾体111は、係合溝部材132を第1装飾体110の係合片131に係合させているため、第1装飾体110に対して一定間隔を確保したまま上下にスライドさせることができる。これにより、第1装飾体110および第2装飾体111各々で、上下方向において別個に動作させつつ、奥行き方向において一体的に動作させることができる。
さらに、平行リンク機構が形成されているため、第1装飾体110は、駆動モータ124a、124bにより駆動され、上下方向に変位した場合であっても、一定の姿勢を維持することができる。また、第2装飾体111は、係合溝部材132を係合片131に係合させることにより、第1装飾体110の姿勢とほぼ同じに保たれるため、上下方向に変位した場合であっても、一定の姿勢を維持することができる。
また、アーム部材121aを回動させるための駆動モータ124aおよび駆動機構136aと、アーム部材121bを回動させるための駆動モータ124bおよび駆動機構136bとが各々別個に搭載されており、それぞれを独立して駆動させることができる。また、第1装飾体110の軸挿入部130a、130b、132a、132bの凹部は、縦方向に長くなるように形成されており、軸125a、125b、127a、127bを挿入させたままの状態で軸挿入孔に対する挿入角度を変化させることができるように構成されている。このため、たとえば、アーム部材121aをアーム部材121bよりも大きく回動させた場合には、第1装飾体110および第2装飾体111を右側に傾かせるような演出を行なうことができる(図3(b)の点線、図4(c)参照)。また、アーム部材121bをアーム部材121aよりも大きく回動させた場合には、第1装飾体110および第2装飾体111を左側に傾かせるような演出を行なうことができる(図3(b)の点線、図4(b)参照)。
以上、拡大型演出装置101について、主に、第1装飾体110および第2装飾体111を変位させるための構成について説明した。しかし、拡大型演出装置101は、その他の構成を有する。たとえば、拡大型演出装置101には、第2装飾体111を第1装飾体110の後面側に収容させる方向に力を加える弾性体として、アーム部材121a、121bの固定端には、当該アーム部材121a、121bを上方向へ押しやる力を発生させるねじりコイルばねが取り付けられている。
また、アーム部材121a、121bは、前述したように配線を収容するための配線収容部が形成されている。配線収容部は、たとえば、回転軸143a、143b側から軸125a、125bの手前までにかけて形成されている。本実施の形態における配線収容部には、第1装飾体110の光透過部110aの後面側に取り付けられている複数の装飾体用LEDに電力を供給するための配線を収容する。なお、アーム部材121a、121bは、中空形状に形成されその中空部分を配線収容部とするものであってもよく、一側面を抉り取った部分を配線収容部とするものであってもよく、その内部に配線を収容できるように形成されているものであればどのような形状であってもよい。
さらに、拡大型演出装置101には、通常状態であるか否かを検出するためのセンサが搭載されている。具体的には、取付用カバー部材105の後面側に取り付けられる軸受カバー135には、通常状態であるか否かを検出する発光素子(LED)と受光素子とによるセンサが搭載されており、このセンサにより通常状態であるか否かを検出することができるように構成されている。
図2に戻り、ベース部材100内の右方には、装飾部材66内の表面積を大きくするために、遊技盤40に対して中央(遊技者)側に傾斜した傾斜面が形成されている(図2(b)参照)。この傾斜面には、垂線を回転軸として回転する回転型演出装置102を取り付ける円形の取付凹部が形成されている。回転型演出装置102は、宇宙船艦の舵輪をイメージさせる円形の円形装飾体150と、装飾部材66の後面側において傾斜面に垂直な軸が回転軸となるように搭載され円形装飾体150を回転させる回転モータ151とを含む。円形装飾体150は、取付凹部に収容され、後面側の回転モータ151の回転軸に取り付けられることにより、回転可能に軸支される。
ここで、図9を参照して、回転型演出装置102の動作を説明する。図9は、回転型演出装置102が駆動したときの駆動状態を示している。駆動状態においては、図9の矢印に示すように、回転モータ151の駆動に対応して、円形装飾体150が左回りまたは右回りに回転する演出が行なわれる。
図2に戻り、次に、ベース部材100内の下方に設けられたステージ106や装飾用部材107の構成について説明する。ベース部材100内の下方には、ワープ受入口104aから受入れられた遊技球が導入されるステージ106と、当該ステージ106の奥に装飾用部材107とが設けられている。
本実施の形態においては、ステージ106と液晶表示装置44bの表示面との間に装飾用部材107が設けられている。装飾用部材107は、装飾部材66内に拡大型演出装置101や回転型演出装置102を搭載したことに起因して取り付けたものである。すなわち、装飾部材66内に拡大型演出装置101や回転型演出装置102を取り付けるためには、奥側に窪んだ位置に液晶表示装置44bの表示面が臨むように構成する必要がある。それは、たとえば、拡大型演出装置101が駆動すると液晶表示装置44bの表示面に重複する位置に変位することや、より大きな円形装飾体150を回転させるために表面積を大きくするために傾斜面を設けたこと等の理由による。よって、奥側に窪んだ位置に液晶表示装置44bの表示面が臨むように構成する場合には、当該液晶表示装置44bの表示面までのスペースに遊技球を転動させるステージを設けることが考えられる。しかし、液晶表示装置44bの表示面までのスペース一面にステージを設けると、なかなかステージ上の遊技球が装飾部材66から放出されず遊技の興趣を低下させる虞が生じてしまう。ステージの奥行き幅が大きく、遊技球がステージ上を転動する時間が長くなり過ぎるためである。そこで、本実施の形態においては、装飾部材66内に拡大型演出装置101や回転型演出装置102等の演出作動装置を取り付けた場合、ステージの奥行き幅を一定範囲内に抑えるために、ステージ106と液晶表示装置44bの表示面との間に装飾用部材107を設けた。
このような背景を受けて、本実施の形態では、ステージ106と装飾用部材107とを設けているため、ステージ106の奥行き幅は遊技球がステージ上を転動する平均時間が所定範囲内の一般的なステージの奥行き幅になるものであればよく、装飾用部材107の奥行き幅は装飾部材66内に取り付ける演出作動装置の奥行き幅とステージの奥行き幅とに応じた差幅になるものであればよい。たとえば、装飾用部材107の奥行き幅は、演出作動装置の奥行き幅からステージの奥行き幅を差引いた値より大きいものであればよい。より好ましくは、ステージ106の奥行き幅が一般的なステージの奥行き幅となるものを採用した場合、ステージ106の奥行き幅と装飾用部材107の奥行き幅との比率は、(ステージ106の奥行き幅:装飾用部材107の奥行き幅)=(1:0.7〜1.3)になるものであってもよい。また、(ステージ106の奥行き幅:装飾用部材107の奥行き幅)=(1:0.9〜1.1)になるものであってもよい。
ここで、図10を参照して、ステージ106および装飾用部材107について説明する。まず、装飾用部材107について説明する。装飾用部材107は、透光性を有する透光性樹脂により形成される装飾板107aと、装飾板107aの表面を被覆するための透明の樹脂部材107bとを含む。装飾板107aは、着色されており、かつ、所定の模様が凹凸により表わされている。図10においては、線で囲まれた部分が凸面を示し、それ以外の部分が凹面を示している。図10に示す装飾板107aは、所定の模様として、中央手前の半円形状を中心として、当該半円形状から光が放射状に拡散しているような模様が凹凸により示されている。装飾板107aの裏面側には、複数の装飾板用LED(図示省略)が搭載されている。複数の装飾板用LEDは、遊技の進行に応じた遊技の演出として点灯または点滅させるものであり、たとえば、液晶表示装置44bにおいて変動表示が行なわれていないときにはLEDを消灯し、液晶表示装置44bにおいて変動表示が行なわれているときにはLEDを点滅させ装飾用部材107から光を放射する光演出が行なわれる。
装飾用部材107は、後述するステージ106上を転動する遊技球が装飾用部材107上に進入しにくくなるように、ステージ106との間に段差が設けられ隔てられている。なお、装飾用部材107の表面は、前面側へ向けて下り傾斜するように形成されている。このため、仮に、装飾用部材107上に遊技球が進入した場合であっても、ステージ106上に誘導される。
ここで、図10(a)および図11を参照して、拡大型演出装置101および回転型演出装置102と、ステージ106および装飾用部材107との奥行き方向における位置関係について説明する。ステージ106と装飾用部材107とにかけて点線110’で示している範囲は、拡大型演出装置101の第1装飾体110および第2装飾体111が奥行き方向において変位され得る変位可能範囲を示している。すなわち、図11に示すように、点線110’で示す変位可能範囲とは、拡大型演出装置101が液晶表示装置44bの表示面に重複しない状態(第1装飾体110および第2装飾体111が実線の状態)のときと表示面に重複する状態(第1装飾体110および第2装飾体111が点線の状態)のときにおいて、第1装飾体110および第2装飾体111が奥行き方向において変位し得る範囲を示している。点線110’に示すように、本実施の形態における第1装飾体110および第2装飾体111の変位可能範囲は、ステージ106の上方、およびステージ106のさらに奥の装飾用部材107の上方まで包含している。このように、相当の奥行き幅の範囲で第1装飾体110および第2装飾体111を変位させる拡大型演出装置101を装飾部材66内に取り付けた場合であっても、ステージ106の奥側に装飾用部材107を設けているため、装飾用部材107の奥行き幅を調整することにより、ステージ106の奥行き幅を一般的な奥行き幅に設定することができる。
また、図10(a)に示すように、ステージ106および装飾用部材107の右側には、傾斜面に形成された取付凹部に取り付けられる円形装飾体150が示されている。傾斜面に取り付けられるために、回転型演出装置102の奥行き幅は、相当の奥行き幅を有することになる。このため、図10(a)に示すように、円形装飾体150の最も奥まった左端は、ステージ106のさらに奥の装飾用部材107の位置まで入り込んだ状態になる。このような場合であっても、ステージ106の奥側に装飾用部材107を設けているため、装飾用部材107の奥行き幅を調整することにより、ステージ106の奥行き幅を一般的な奥行き幅に設定することができる。
次に、ステージ106について説明する。ステージ106は、透明な樹脂で形成されている。ステージ106には、図10(a)に示すように、遊技球を転動可能なステージとして、第1ステージ160が奥側に、第2ステージ161が手前側に設けられている。第1ステージ160と第2ステージ161とは、左右側方において起立壁162により隔てられている。起立壁162は、第1ステージ161および第2ステージ162に入った遊技球が越えない程度の高さに調整されているものであればよく、たとえば、遊技球の半径よりも低い高さに調整されている。
第1ステージ160の左方には、ワープ受入口104aから受入れられた遊技球が排出されるワープ排出口104bが設けられている。第1ステージ160は、ワープ排出口104bから排出された遊技球を転動させる。第1ステージ160は、左右方向両側に円弧状の凹部175a、175bを、中央に底が平面となる凹部176を形成するような凹凸形状の転動面を有している。また、第1ステージ160には、凹部175a、175bの曲率よりも大きい曲率の円弧状の凹部であって、前面側へ向けて凹部の幅を広くするとともに、底面が前面側へ向けて下り傾斜する凹部190a、190bが形成されている。凹部176の底面は、前面側へ向けて下り傾斜するように形成されている。なお、第1ステージ160上の面の傾斜は、凹部176、190a、190bを除き、後面側へ向けて下り傾斜するように形成されている。これにより、第1ステージ160上を転動する遊技球は、凹部175a,175b、176、190a、190b等により、第2ステージ161に誘導される。
また、第2ステージ161は、第1ステージ160と同様に、左右方向において第1ステージ160の凹部175a、175bと同じ位置に同じ円弧状の凹部185a,185bを、第1ステージ160の凹部176と同じ中央位置に底が平面となる凹部186を形成するような凹凸形状の転動面を有している。また、第2ステージ161には、第1ステージ160の凹部190a、190bと連なる円弧状の凹部であって、前面側へ向けて下り傾斜する凹部191a、191bが形成されている。凹部191a、191bは、第1ステージ160の凹部190a、190bと同じ曲率であって、第1ステージ160の凹部190a、190bの手前の幅と同じ幅から前面側へ向けて広くなるようにし、第1ステージ160の凹部190a、190bの手前の高さから前面側へ向けて下り傾斜するように形成されている。
さらに、第2ステージ161の凹部191a、191bの手前の最も低くなった位置には、凹部191a、191bの曲率よりもさらに大きい曲率の円弧状の凹部192a、192bが形成されている。
凹部186の底面は、第1ステージ160の凹部176の手前の最も低くなった位置より低い位置から前面側へ向けてさらに下り傾斜するように形成されている。なお、第2ステージ161上の面の傾斜は、凹部186、191a、191bを除き、後面側へ向けて下り傾斜するように形成されている。これにより、第2ステージ161上を転動する遊技球は、凹部185a,185b、186、191a、191b、192a、192b等により、再度遊技領域41側へ放出される。なお、第2ステージ161の正面手前側に開放開口が形成されており、遊技領域41へ放出される。
第2ステージ161の凹部186の中央手前位置には、遊技球を受入れる導入口187が設けられている。導入口187は、第1始動口58aの真上に配置されている放出口188に連通している(図1参照)。放出口188は、第1始動口58aの真上に配置されている例について説明するが、これに限らず、第1始動口58aのほぼ真上に配置されているものであってもよい。ほぼ真上とは、第1始動口58a開口を通る鉛直線の一部または全部と、遊技盤面の垂線であって放出口188開口を通る垂線の一部または全部とが交わる位置に、第1始動口58aと放出口188とが配置されている関係をいう。導入口187により受入れられた遊技球は、放出口188から放出される。これにより、放出された遊技球が高い確率で第1始動口58aに入賞し得るように構成されている。
第1ステージ160の凹部176の中央手前位置には、遊技球を所定の方向へ誘導するための山型状に突出した第1誘導突起177が形成されている。第1誘導突起177は、遊技球を第2ステージ161の導入口187が設けられている位置の方向へ誘導するように形成されている。
第2ステージ161の凹部186には、第1ステージ160の第1誘導突起177により誘導された遊技球を、導入口187が設けられている方向へ誘導するための第2誘導突起189と、導入口187まで誘導する凹面を有する誘導通路197とが形成されている。これにより、第1ステージ160上を転動する遊技球のうち、第1誘導突起177により誘導された遊技球は、第2ステージ161の第2誘導突起189および誘導通路197により誘導されて、導入口187により受入れられる確率を高めることができる。その結果、第1誘導突起177により誘導された遊技球は、第1始動口58aに入賞する確率を高めることができる。
なお、前述したように、凹部176および凹部186の底面は、手前に傾斜しているため、第1誘導突起177等により誘導された場合であっても、勢い余り導入口187に入らない場合も発生し得る。しかし、導入口187の手前には、導入口187に入らなかった遊技球を第1始動口58aの真上に相当する位置に誘導し落下させるためのV字型状に抉られたV字誘導部187aが形成されている。よって、第1誘導突起177により誘導された遊技球は、導入口187に入らなかった場合であってもV字誘導部187aにより第1始動口58aの真上に相当する位置から落下するため、第1始動口58aに入賞する確率を高めることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 従来から、画像を表示する表示装置の上部に演出作動装置として移動部材が取り付けられた遊技機があった。このような遊技機においては、移動部材を下方向に移動させて表示装置と重なる位置に移動可能であり、移動部材の移動により見えなくなった画像の一部を鏡で反射させて、遊技者に視認可能にするものがあった。しかしながら、このような従来の遊技機は、移動部材が移動した場合であっても移動部材自体が変化するものではなく、遊技者側にとってみれば単に移動部材の配置が変化するものに過ぎなかった。すなわち、演出作動装置を表示装置に重複する位置に移動させても、演出作動装置の位置が変化する演出を行なうことができるに過ぎない。その結果、演出作動装置を用いた演出が単調になり、遊技の興趣を低下させてしまう虞があった。そこで、本実施の形態においては、演出作動装置を用いて演出を行なうことにより遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供するために、前述した拡大型演出装置101を液晶表示装置44bの上方に取り付けた。
拡大型演出装置101は、図3等で説明したように、液晶表示装置44bの表示面と重複しない上方位置において第2装飾体111を第1装飾体110の後面側に収容した状態と、液晶表示装置44bの表示面と重複する位置において第2装飾体111を第1装飾体110の後面側から突出させた状態とに変化させることができる。すなわち、拡大型演出装置101は、液晶表示装置44bの表示面と重複しない位置において第2装飾体111を第1装飾体110の後面側に収容することで小さく見せる状態と、液晶表示装置44bの表示面と重複する位置において第1装飾体110および第2装飾体111を変位させつつ第2装飾体111を第1装飾体110の後面側から突出させることにより拡大させて大きく見せる状態とに変化させることができる。これにより、液晶表示装置44bの表示面と重複した位置に第1装飾体110を変位させつつその上方に第2装飾体111を突出させるため、拡大型演出装置101全体として大きく見せて迫力ある演出を行なうことができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、液晶表示装置44bの表示面と重複しない位置に変位させた状態では、第2装飾体111を第1装飾体110の後面側に収容することにより、拡大型演出装置101をコンパクトに収容した状態にすることができるため、取り付け部分の省スペース化を図ることができる。
(1−2) 前述した実施の形態においては、共通のアーム部材121a、121bを揺動することにより、第1装飾体110と第2装飾体111とを連動させて変位させることができる。その結果、第1装飾体110と第2装飾体111とを変位させるための部材点数を少なく抑えることができる。また、部材の故障等により、第1装飾体110および第2装飾体111のうちいずれか一方が変位しているにもかかわらず、他方が変位しないといった不都合の発生を未然に防止することができる。
(1−3) 前述した実施の形態においては、アーム部材121a、121bに配線収容部を設けた。このため、第1装飾体110に取り付けられる装飾体用LEDの配線をアーム部材121a、121bの配線収容部に収容するため、配線が第1装飾体110や第2装飾体111などに引っかかって断線するなどの不都合の発生を未然に防止することができる。また、第1装飾体110や第2装飾体111が変位した場合であっても、配線を遊技者に見せないように構成できるため、拡大型演出装置101の美観を向上させることができる。
(1−4) 前述した実施の形態においては、第2装飾体111を第1装飾体110の後面側に収容させる方向に力を加える弾性体として、引張バネ195やねじりコイルばねが取り付けられている。このため、第2装飾体111を第1装飾体110の後面側に収容する際の付加を軽減させつつ、収容速度を向上させることができる。また、第1装飾体110と第2装飾体111との間で生じるがたつきを低減させることができる。
(1−5) 前述した実施の形態においては、駆動モータ124a、124bの駆動力をアーム部材121a、121bの回転軸に伝達するための駆動機構136a、136bに、ウォームギアおよびウォームホイールが含まれるように構成している。このため、駆動モータ124a、124bが停止した場合であっても、停止したときの状態で第1装飾体110および第2装飾体111を維持させることができる。
(2−1) 従来から、遊技領域を落下する遊技球を受入れて転動させた後に再度遊技領域に放出するステージが形成された装飾部材を備え、ステージの中央の奥に入賞口の上方位置に向けて転動させるための突起が設けられた遊技機があった。しかしながら、このような従来の遊技機は、前述した突起に相当する部材が、ステージの奥にしか設けられておらず、ステージに遊技球が受入れられた場合には、当該遊技球がステージの中央の奥に転動する以外に遊技者にとって有利となる有効なルートがなかった。このため、ステージに遊技球が受入れられた場合には、ステージの中央奥に遊技球が転動することへの期待感しか遊技者に抱かせることができず、遊技が単調になり興趣を低下させてしまう虞があった。そこで、本実施の形態においては、ステージ上の遊技球の転動に対して複数の期待感を抱かせることにより遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供するために、前述した装飾部材66内の開口84の下方に第1ステージ160と第2ステージ161とを含むステージ106を形成した。
第2ステージ161の凹部186には、導入口187が形成されている。導入口187に入った遊技球は、第1始動口58aの真上に相当する位置に設けられている放出口188から放出される。このため、遊技球が第1始動口58aに入賞し得る確率が高くなるように構成されている。また、第1ステージ160の凹部176に、導入口187が設けられている方向へ誘導する第1誘導突起177が形成されている。これにより、ステージ106に遊技球が受入れられた場合、当該遊技球が第1誘導突起177により誘導されることへの期待感と、導入口187に直接入ることへの期待感とを遊技者に抱かせることができる。すなわち、ステージ106上における遊技球の転動の仕方に対して、2つの異なる期待感を遊技者に抱かせることができる。このため、ステージ106に遊技球が受入れられた場合に、期待感を抱かせる機会を増加させることができ、遊技の興趣を向上させる。
(2−2) 前述した実施の形態においては、導入口187の手前にV字誘導部187aが形成されている。これにより、たとえば、第1誘導突起177により誘導されたが、勢い余り導入口187に入らなかった場合であっても、V字誘導部187aにより誘導されて第1始動口58aに入賞することへの期待感を遊技者に抱かせることができる。このため、敗者復活的に遊技者に期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させる。
(2−3) 前述した実施の形態においては、第1ステージ160の第1誘導突起177の左右側方に、凹部190a、190bが形成されている。これにより、ステージ106に受入れられた遊技球が、第1誘導突起177に到達する前の段階において、凹部190a、190bにより第2ステージ161へ誘導される可能性があるため、遊技者に緊張感を与えることができる。
(2−4) 前述した実施の形態においては、第1ステージ160に形成された凹部により誘導される遊技球が通る箇所を除いた左右側方に起立壁162が設けられている。これにより、第1ステージ160から第2ステージ161に遊技球が誘導され難くすることができるため、ステージ106に遊技球が受入れられた場合、この遊技球が第1ステージ160に形成された第1誘導突起177により第2ステージ161側へ誘導される確率を高めることができるため、期待感を向上させることができる。
(2−5) 前述した実施の形態においては、第2ステージ161の凹部186に、第2誘導突起189と、誘導通路197とが形成されている。これにより、第1ステージ160に形成された第1誘導突起177により誘導された遊技球が第2ステージ161に形成された導入口187に入る確率を高めることができるため、期待感を向上させることができる。
(3−1) 前述したように、従来から、装飾部材内に拡大型演出装置101や回転型演出装置102等の演出作動装置を取り付けるためには、奥側に窪んだ位置に表示装置の表示面が臨むように構成する必要があった。このため、奥側に窪んだ位置に表示装置の表示面が臨むように構成する場合には、当該表示装置の表示面までのスペースに遊技球を転動させるステージを設けられていた。しかし、表示装置の表示面までのスペース一面にステージを設けると、なかなかステージ上の遊技球が装飾部材から放出されず遊技の興趣を低下させる虞が生じてしまう。ステージの奥行き幅が大きく、遊技球がステージ上を転動する時間が長くなり過ぎるためである。そこで、本実施の形態においては、演出作動装置を用いて演出を行なう場合であってもステージの奥行き幅を所定の範囲内に抑えることにより遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供するために、ステージ106と液晶表示装置44bの表示面との間に装飾用部材107を設けた。このため、図10(a)および図11の点線110’で示した変位可能範囲内で第1装飾体110と第2装飾体111とを変位させる拡大型演出装置101を用いて演出を行なう場合であっても、拡大型演出装置101の奥行き幅に応じて装飾用部材107の奥行き幅を調整することにより、ステージ106の奥行き幅を所定の範囲内に抑えることができる。これにより、ステージ106上の遊技球がなかなか遊技領域41に放出されないといった不都合の発生を防止でき、遊技の興趣を向上させることができる。
(3−2) 前述した実施の形態においては、装飾板107aの裏面側に複数の装飾板用LEDが搭載されており、装飾用部材107から光を放射する光演出を行なうことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態における拡大型演出装置101の第1装飾体110の前面は、光透過部110aと、非光透過部110bとで構成されている例について説明した。しかし、これに限らず、第1装飾体110の前面は、どのような種類の部材で構成されてもよく、後面側において第2装飾体111を収容可能に構成されるものであればよい。
図12は、変形例における拡大型演出装置201の第1装飾体210の主体部210aと主体部210aの左右に形成される両翼部210bとを説明するための図である。図12(a)〜(c)は、液晶表示装置44bの表示演出に応じて拡大型演出装置201が駆動されたときの状態を示し、図12(d)〜(f)は、(a)〜(c)各々に対応する液晶表示装置44bの表示状態のみを示している。図12(a)および(d)は、拡大型演出装置201が通常状態であるときを示している。変形例における拡大型演出装置201の第1装飾体210は、当該第1装飾体210の主体部210aの前面が透光性を有する透視部として透明な樹脂で形成され、主体部210aの左右に取り付けられている両翼部210bを非透過樹脂で形成されている。よって、第1装飾体210の主体部210aを通して、後面側に配置されている部材または画像を視認することができる。
図12(b)に示すように、拡大型演出装置201が駆動状態になると、第1装飾体210が下方に変位し液晶表示装置44bの表示面と重複する。この場合、液晶表示装置44bの表示面のうち第1装飾体210の主体部210aと重複する位置には、図12(e)に示すように、特定画像として主体部210aの透明な部分に対応する画像が表示される。主体部210aの透明な部分に対応して表示される特定画像としては、図12(e)では、透明な部分に対応する表示面に、他の表示面と異なる色が表示され、さらに、その内部に「S」の文字の下部の画像が表示される。このように第1装飾体210の主体部210aが透明な樹脂で形成されているため、図12(b)に示すように、第1装飾体210が下方に変位し液晶表示装置44bの表示面と重複した場合、当該主体部210aと重なった位置に前述した特定画像を視認することができる。
図12(c)は、第1装飾体210がさらに下方に変位した状態を示している。この場合、液晶表示装置44bの表示面のうち第1装飾体210の主体部210aと重複する位置には、図12(f)に示すように、図12(e)で示した特定画像が第1装飾体210の動作に合わせて下方に移動している。図12(c)に示すように、液晶表示装置44bの表示面のうち第1装飾体210の主体部210aと重複する位置に表示する特定画像は、第1装飾体210の動作に合わせて変化させて表示することができる。
これにより、特定画像に相当するデザインの主体部210aを有する第1装飾体210を上下に変位させているかのような演出を遊技者に提供することができる。このため、特定画像の内容を変化させることにより、デザインが異なる第1装飾体210を変位させているかのような演出を行なうことができる。よって、演出のバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、第1装飾体110を変位させるアーム部材121a、121bを揺動させて軸126a、126bを変位させて、第2装飾体111を第1装飾体110の後面側に収容または後面側から突出させる拡大型演出装置101について説明した。すなわち、第1装飾体110を変位させるための部材により第2装飾体111も変位させる例について説明した。しかし、これに限らず、第2装飾体111は、第1装飾体110を変位させる部材と異なる部材により変位させるように構成してもよい。たとえば、第1装飾体110の後面に圧縮ばねを取り付け、その圧縮バネの上端に第2装飾体111を載せて取り付けて、圧縮ばねの力により第2装飾体111を変位させるように構成してもよい。このように構成した場合には、拡大型演出装置101が通常状態であるとき、すなわち、第1装飾体110が液晶表示装置44bの表示面の上方に配置されているときに、第2装飾体111の上端が取付用カバー部材105の上壁に当接して、圧縮バネが圧縮され第1装飾体110の後面側に収容される。また、拡大型演出装置101が駆動状態であるとき、すなわち、第1装飾体110が液晶表示装置44bの表示面と重複した位置に変位したときには、取付用カバー部材105の上壁により抑えられていた第2装飾体111が、圧縮ばねの弾性力により第1装飾体110の後面側から突出する。
(3) 前述した実施の形態における第1ステージ160と第2ステージ161との間に設けられた起立壁162は、第1ステージ160に形成された凹部により誘導される遊技球が通る箇所を除いた左右側方にのみ設けられている例について説明した。しかし、起立壁162は、このようなものに限らず、第1誘導突起177により誘導される遊技球が通る箇所を少なくとも除いた境界部分に設けられているものであればよい。たとえば、起立壁が、第1誘導突起177が形成されている凹部176により誘導される遊技球が通る箇所を除いた境界部分に設けられているものであってもよい。また、起立壁162は、遊技球の半径よりも低い高さに調整されている例について説明した。しかし、これに限らず、起立壁の高さは、遊技球の半径よりも高くしてもよい。また、第1ステージ160面と第2ステージ161面とは、たとえば、いずれか一方が高くなるように調整されているものであっても、同じ高さになるように調整されているものであってもよく、第1ステージ160と第2ステージ161との間が前述したような起立壁により仕切られているものであればよい。
(4) 前述した実施の形態においては、第1装飾体110に電気部品として装飾体用LEDが搭載されており、所定の演出として光演出を行なう例について説明した。しかし、電気部品としては、装飾体用LEDに限らず、所定の部材を駆動させるための駆動力を供給する装飾体用駆動源(たとえば、モータ、ソレノイド)や、所定の情報や画像を表示する装飾体用表示装置(たとえば、液晶表示装置、7セグメント表示器)であってもよい。第1装飾体110に装飾体用駆動源を搭載した場合には、当該装飾体用駆動源により第1装飾体110に取り付けられた演出作動装置を駆動させるように構成してもよく、また、当該装飾体用駆動源により前述した第2装飾体111を上下に変位させるように構成してもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、第1装飾体110に装飾体用LEDが搭載されている例について説明し、(1)で説明した変形例における第1装飾体210の主体部210aが透光性を有する透視部として透明な樹脂で形成された例について説明した。しかし、これに限らず、装飾体用LEDは、第2装飾体111に搭載されているもの、また第1装飾体および第2装飾体のいずれにも搭載されているものであってもよい。また、第2装飾体が透明な樹脂で形成されたものであってもよく、第1装飾体および第2装飾体のいずれも透明な樹脂で形成されたものであってもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、表示装置として、飾り図柄を変動表示する液晶表示装置44bを例にして説明したが、これに限らず、表示装置は、図柄を変動表示するものに限らず、遊技の進行に応じて所定の演出(図柄以外のキャラクタ、背景等)を表示する演出専用の表示装置であってもよい。また、表示装置の種類としては、液晶表示装置に限らず、CRT、LED、VFD、EL、あるいはプラズマによる表示装置や、ドラム式又はリール式の表示装置であってもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機の構成として、始動玉検出器の入賞球の検出に伴って変動表示装置での識別情報の変動を開始し、該識別情報が所定の表示結果となると大当りが発生して可変入賞球装置を開放するパチンコ遊技機(これを俗に第1種という)を例示しているが、特にこれに限定するものではなく、始動玉検出器の入賞球の検出に伴って可変入賞球装置を開放し、該可変入賞球装置内の特定領域への打玉の入賞により大当りを発生するパチンコ遊技機(これを俗に第2種という)や、始動玉検出器の入賞球の検出に伴って変動表示装置での識別情報の変動を開始し、該識別情報が所定の表示結果となると権利発生状態となり、この状態で特定領域に打玉が入賞すると大当りが発生するパチンコ遊技機(これを俗に第3種という)であってもよい。また、コインやクレジットを用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンであってもよい。また、遊技機内部に遊技球が封入された封入式の遊技機であってもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、大当りに制御されると、特別可変入賞球装置48の開閉板49が、ソレノイド65によって、一定時間が経過するまで、またはその一定時間内に所定個数の入賞球が入賞するまで、開放される開放サイクルを所定回数繰り返される例について説明した。すなわち、打球の入賞を容易にする第1の状態と、打球が入賞できない又は入賞し難い第2の状態と、に変化可能な特別可変入賞球装置を所定時間経過するまでまたは所定個数入賞するまで第1の状態に所定回数繰返す繰返制御が行なわれる例について説明した。しかし、大当りに制御された場合には、このような制御が行なわれるものに限らず、
a) 特別可変入賞球装置48の開閉板49を、打球の入賞を容易にする第1の状態に所定時間連続的又は間欠的に制御するもの
b) 特定の入賞又は通過領域での打球の検出を介在させ、特別可変入賞球装置48の開閉板49を打球の入賞を容易にする第1の状態に所定時間連続的又は間欠的に制御を行なうもの
c) 打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御を行なうもの
d) 有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御を行なうもの
e) 得点があることに基づいて遊技可能なパチンコ遊技機に対して得点を付与する制御を行なうもの
のいずれであってもよく、また以上の制御を選択的に組合せた制御を行なうものであってもよい。
(9) 次に、液晶表示装置44bにおける表示演出のその他の例を説明する。図13〜図17は、それぞれの表示演出における表示内容を説明するための説明図である。図18〜図32は、表示演出の具体例を示す説明図である。なお、図13〜図17における表題番号(丸付き数字等)は、図18〜図32における表題番号(丸付き数字等)と対応している。すなわち、図13〜図17における表題番号で特定される表示演出(たとえば、図13の「滝スクロールリーチ」)の「内容」欄の記載が、図18〜図32における同番号で示される表示演出の説明(たとえば、図18〜図19)に相当する。また、図13〜図17におけるNo.の欄の通し番号(例えば、1〜15)は、図18〜図32において付されている通し番号(例えば、図18〜図19の1〜15)に対応する。
図13は、「滝スクロールリーチ」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。図14は、「大砲リーチ−1」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。図15は、「大砲リーチ−2」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。図16は、「猫リーチ」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。図17は、「喧嘩リーチ」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図18〜図19は、図13に示された表示内容を有する表示演出である「滝スクロールリーチ」における表示演出の具体例を示す説明図である。図20〜図23は、図14に示された表示内容を有する表示演出である「大砲リーチ−1」における表示演出の具体例を示す説明図である。図24〜図26は、図15に示された表示内容を有する表示演出である「大砲リーチ−2」における表示演出の具体例を示す説明図である。図27〜図29は、図16に示された表示内容を有する表示演出である「猫リーチ」における表示演出の具体例を示す説明図である。図30〜図32は、図17に示された表示内容を有する表示演出である「喧嘩リーチ」における表示演出の具体例を示す説明図である。
(10) 前述した実施の形態における第1装飾体110および第2装飾体111は、左右に設けられた駆動モータ124a、124bを駆動することにより、アーム部材121a、121bを介して上下に変位する例について説明した。しかし、これに限らず、第1装飾体110および第2装飾体111は、1つの駆動モータを駆動することにより上下に変位するように構成してもよい。たとえば、アーム部材121aの回転軸とアーム部材121bの回転軸とを連結し、当該連結させた回転軸を1つの駆動モータにより駆動させることにより、第1装飾体110および第2装飾体111を上下に変位させるように構成してもよい。また、このように構成した場合、連結された回転軸を左右に傾斜させる駆動部を設けてもよい。たとえば、連結された回転軸をアーム部材121aの固定端側を下方にアーム部材121bの固定端側を上方に傾け、またアーム部材121aの固定端側を上方にアーム部材121bの固定端側を下方に傾けることが可能に軸受カバー135が、取付用カバー部材105に取り付けられており、駆動部により当該軸受カバー135が駆動されるように構成してもよい。
(11) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。