JP2013136413A - 鉢植え植物用のラッピングシート - Google Patents

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Abstract

【課題】鉢植え植物の包装に関し、比較的安価に製造でき、包装の容易性、保護機能、持ち運び機能を備えたラッピングシートを提供する。
【解決手段】上方に拡開した筒状の形状を有するラッピングシート1は、鉢10に対応した部分に位置する下方部分の一側部と他側部にスリット12とリップ14が形成され、リップ14をスリット12に差し込むことで立体形状になる。リップ14の上端部および下端部の基部に第1、第2の切れ込み1が形成され、この切れ込みによって筒状の形状が保持される。上方部分4の上部には指係合部22が形成されている。また、下方部分2と上方部分4との間に周方向に延びるミシン目6が形成され、このミシン目6を切り離すことで上方部分4を取り去ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は鉢植え植物(例えば鑑賞植物)を包装するラッピングシートに関する。
鉢植え植物は、スーパマーケット、DIY、大型ショッピングセンタ等の大型店舗でも販売されることが多く、流通経路での花、葉、枝、茎などの損傷を防止するために園芸場の出荷段階で鉢植え植物を包装又は梱包して欲しいという要請がある。
特許文献1は、鉢を含めて鉢植え植物を全体的に包囲することのできる円筒状の合成樹脂フィルムを用意し、鉢を包囲する下方部分をヒートシュリンクさせて当該下方部分を鉢の外周面に密着させることを提案している。この特許文献1のラッピングフィルムは、植物を包囲している上方部分に外力が加わったときに容易にフィルムが変形するため植物の保護機能は限定的である。
鉢植え植物を保護するには、ある程度の腰のある材料で包囲するのが好ましい。特許文献2は、鉢の外形形状と相補的なトレー形状の下方部分と、植物を包囲するボックス状の上方部分とを備え、この上方部分の頂部に取っ手が一体的に形成された包装具を提案している。この特許文献2の提案は、外部から力が加わったとしてもボックス状の上方部分で植物に直接的に外力が加わるのを防止できる、という利点がある。
特開2008−81166号公報 特開2004−51141号公報
本願発明者は、大型ショッピングセンタなどで鉢植え植物を購入したときの消費者の要望をヒヤリングし、また、実際に消費者の行動を観察したときに、鉢植え植物の鉢の部分を手にしてレジまで行き、レジで精算した後、レジ袋に入れて車まで運ぶことが多い。そして、家に戻った後、レジ袋から鉢植え植物を取り出して適当な所まで運ぶのに鉢の部分を把持することになる。この一連の消費者の行動で問題になるのが手の汚れである。鉢植え植物の包装で留意すべき点として、次の項目をリストアップすることができる。
(1)安価であること;
(2)簡単に包装できること(包装の容易性);
(3)一寸した外力から植物を保護できること(保護機能);
(4)鉢に手を触れることなく鉢植え植物を手軽に持ち運ぶことができること(持ち運び機能)。
この観点から特許文献1の発明を評価すると、安価で且つ包装の容易性を備えているものの保護機能と持ち運び機能が欠けている。特許文献2の発明は、保護機能と持ち運び機能を備えているものの、必ずしも安価であるとは言い難く、また、簡単に包装できるとは言い難い。
本発明は、鉢植え植物の包装に関し、比較的安価に製造でき、包装の容易性、保護機能、持ち運び機能を備えたラッピングシートを提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明の一つの観点によれば、
鉢植え植物用の上方に向けて拡開した鉢を受け入れることのできる筒状のラッピングシートであって、
上方に拡開した筒状の形状を有し、
前記鉢の上端縁から拡開しながら上方に延びて植物の周囲を包囲する上方部分と、
前記鉢に対応して位置し、上方に向けて拡開する形状を有する下方部分とを有し、
前記上方部分と前記下方部分との間に、周方向に延びる易切断線が設けられ、
前記上方部分の上部に、指を係合させることのできる指係合部が形成されていることを特徴とする鉢植え植物用ラッピングシートを提供することにより達成される。
上記の技術的課題は、本発明の他の観点によれば、
鉢植え植物用の上方に向けて拡開した鉢の内面形状と相補的な立体形状を作ることのできるラッピングシートであって、
前記鉢の上端縁から拡開しながら上方に延びて植物の周囲を包囲することのできる上方部分と、
前記鉢に対応して位置し、上方に向けて拡開する形状を有する下方部分とを有し、
該下方部分は、その幅方向一側部と他側部とを連結することにより前記鉢の形状と相補的な形状を作ることができ、
前記上方部分と、前記鉢の内面と対面する前記下方部分との間に、周方向に延びる易切断線が設けられ、
前記上方部分の上部に、指を係合させることのできる指係合部が形成されていることを特徴とする鉢植え植物用ラッピングシートを提供することにより達成される。
この他の観点の発明によれば、ラッピングシートの下方部分を鉢の内側に位置させる、つまり鉢の内周面と植物の根(土壌)との間にラッピングシートの下方部分が配置される。
本発明の好ましい実施形態では、ラッピングシートの上方部分に易切断線で囲まれた切り取り部分が形成され、該切り取り部分を切り離すことにより、該切り取り部分で前記鉢植え植物の鉢受け皿を作ることができる。
この実施形態によれば、鉢植え植物を購入した消費者は、鉢植え植物を包囲しているラッピングシートを取り外して、このラッピングシートを廃棄するときに、その一部の切り取り部分を使って鉢植え植物を置くための鉢受け皿を作ることができるため、ラッピングシートの有効利用が可能となる。ラッピングシートの下方部分を鉢の外側に位置させてある場合には、この下方部分を残した状態で上方部分だけを廃棄してもよい。下方部分に印刷により意匠を施すことで鉢植え植物の鉢の部分の見栄えを高めることも可能である。
第1実施例のラッピングシートの展開図である。 図1のラッピングシートを組み立てて上方に向けて拡開した筒状の形状のラッピングシートの正面図である。 第1実施例のラッピングシートの第1の適用例を示す図であり、上方に向けて拡開した筒状のラッピングシートを植物と鉢の間に介在させることにより鉢植え植物を包装した状態を示す図である。 図3に対応して、ラッピングシートで包装した鉢植え植物を指で持ち上げた状態を示す図である。 第1実施例のラッピングシートの第2の適用例を示す図であり、上方に向けて拡開した筒状のラッピングシートの中に鉢植え植物を入れて鉢植え植物を包装した状態を示す図である。 図5に対応して、ラッピングシートで包装した鉢植え植物を指で持ち上げた状態を示す図である。 第2実施例のラッピングシートの展開図である。 第2実施例のラッピングシートに形成された切り取り部分をラッピングシートから取り去って、この切り取り部分を組み立てることで鉢受け皿を作ることができるのを説明するための図である。 第2実施例のラッピングシートで包囲した鉢植え植物を鉢受け皿に載せて陳列することを説明するための図である。 第2実施例の変形例のラッピングシートの展開図である。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
第1実施例(図1、図2)
図1、図2は、第1実施例のラッピングシートを示す。図1はラッピングシートの展開図であり、図2はラッピングシートを組み立てた後の状態を示す。
図1、図2を参照して、ラッピングシート1は一枚のシートで構成されている。ラッピングシート1は合成樹脂製であり、この実施例では無色透明であるが、薄いピンク色、薄い青色など任意の色を有していてもよい。ラッピングシート1は、フィルムのような柔軟性は無いが、手で丸めることのできる可撓性を有し、また、手を離した途端に元の平らな形状に戻る自己復元性を有している。
展開した状態のラッピングシート1を示す図1から最も良く分かるように、ラッピングシート1は、扇状の下方部分2と、任意の輪郭形状であってよい上方部分4とを有し、下方部分2と上方部分4との間の境界は易切断線としてのミシン目6で構成されている。このミシン目6と下方部分2の下端縁は上方に向けて湾曲したラインで構成されているが、この湾曲ラインの曲率は、ラッピングシート1を筒状に丸めたときにミシン目6が鉢10(図2)の上端縁に沿って円周方向に延びるラインとなるように設定されている。
下方部分2の一側部には上下方向に延びるスリット12が形成され、これに幅方向に対抗するする他側部には、側縁から突出したリップ14が形成され、これらスリット12とリップ14は下方部分2を上方に向けて拡開した筒形状にするための連結部を構成している。リップ14は上下方向に延び、その上端部、下端部には、下方部分2の本体との境界つまりリップ14の基部に第1、第2の切れ込み14a、14bが形成されている。この第1の切れ込み14aの端と第2の切れ込み14bの端との間の間隔L1はスリット12の長さ寸法L2と等しい(L1=L2)。
ラッピングシート1の上方部分4には、任意であるが複数の通気孔20が形成され、また、一つの指係合部22が形成されている。この指係合部22は切り込みによって上方部分4の上部、好ましくは上方部分4の上端部に形成されている。通気孔20は図示の例では円形開口で構成されているが、その形状は長方形であってもよいし、例えば星形、ハート形など任意の形状を採用することができる。
第1実施例の第1適用例(図3、図4)
ラッピングシート1を組み立てて筒状の形態となった状態を示す図2を参照して、ラッピングシート1は、これを丸めてリップ14をスリット12に挿入することで、上方に向けて拡開した筒状のラッパ状の形状になり、下方部分2で形成されるミシン目6よりも逆切頭円錐状の部分は鉢10の内周面の上方に向けて拡開した形状と相補的である。すなわち、上方に向けて拡開した筒状の立体形状になったラッピングシート1の円周方向に延びるミシン目6よりも下の部分は、その径が鉢10の内周面の径と実質的に同じであり、また、傾斜角度が、鉢1の内周面の上下方向の傾斜角度と実質的に同じである。換言すれば、ラッピングシート1を組み立てたときに、その立体形状の下方部分2が、上方に向けて拡開した鉢10の側壁の傾斜角度及び内周面の形状と同じになるように設計されている。したがって、例えば横断面が多角形の上方に向けて拡開した鉢を対象にラッピングシート1を設計するときには、ラッピングシート1を立体形状にしたときに、ラッピングシート1の下方部分2の横断面が多角形となるように上下方向に延びる折り目誘導線をラッピングシート1の幅方向に間隔を隔てて複数設ければよい。
園芸場で出荷する際、組み立てて立体形状にしたラッピングシート1を挿入した出荷用の鉢10を用意する。また、育成用の鉢から植物を取り出して、この植物を出荷用の鉢10に移し替える。これにより、出荷用の鉢10と植物の根の部分に付着している土との間にラッピングシート1が挟み込まれた状態になり、また、ラッピングシート1の上方部分4が植物の地上露出部分の周囲を囲んだ状態になる。この状態を図3に図示してある。図中、参照符号30は植物を示す。
図3に図示した状態のラッピングシート1で包囲した鉢植え植物PPは、この状態で搬送されたショッピングセンタなどに陳列される。比較的腰のあるラッピングシート1で植物の周囲が包囲されているため、例えば花付きの植物の場合に搬送中の外力で花落ちしてしまう事故を防止することができる。また、陳列中、隣接する鉢植え植物PPの花などが互いに絡み合うのをラッピングシート1によって防止することができる。すなわち、陳列の際に鉢植え植物PPを包囲するラッピングシート1は、隣接する鉢植え植物PPとの仕切り壁として機能する。
消費者が気に入って購入を決めたとき、ラッピングシート1の上端部に形成されている指係合部22に指Fを係合させてラッピングシート1を持ち上げることで鉢植え植物PPをハンドルすることができる。一本の指Fを使って持ち上げたときの状態を図4に図示してある。図4から分かるように、指Fで鉢植え植物PPを持ち上げると、ラッピングシート1の上端部に指係合部22が形成されていることから、鉢植え植物PPは斜めに傾いた状態なる。そして、鉢10の内周面の一部に植物30及び土の荷重が偏在して加わり、これにより鉢10の内周面と植物30の根及び土との間に介在しているラッピングシート1の下方部分2の一部が鉢10と植物30(根及び土)とで挟持された状態になって、ラッピングシート1が鉢10から抜け出すことが阻止される。
つまり、一本の指Fでラッピングシート1の上端部を持ち上げることで鉢植え植物PPが斜めに傾斜した姿勢となり、そして、鉢植え植物PPが傾いた姿勢となることでラッピングシート1の下方部分2の一部が鉢10と植物30(根及び土)とで挟持された状態となる。これにより、ラッピングシート1が鉢10から抜け出すことなく、鉢植え植物PPを指Fでハンドルすることができる。
したがって、消費者は気に入った鉢植え植物PPを購入するときには、ラッピングシート1の指係合部22に指Fを係合させ、そして、この指Fでラッピングシート1を持ち上げることにより、鉢10に手を触れることなくラッピングシート1と一緒に鉢植え植物PPを持ち上げて例えばレジカゴに入れることができる。また、家に持ち帰った鉢植え植物PPを同じように指Fで持ち上げて所定の場所に鉢植え植物PPを置くことができる。したがって、その際に鉢10に手を触れる必要は無い。所定の場所に鉢植え植物PPを置いたら、ラッピングシート1のミシン目6を手で切断したラッピングシート1の上方部分4を切り離して取り除くことで、ラッピングシート1の下方部分2は鉢10の中に残っているものの、外観上、鉢植え植物PPからラッピングシート1の存在を無くすることができる。ラッピングシート1の上方部分4を取り去る作業性を高めるため、図1から最もよく分かるように、上方部分4の一側縁から突出する把持用リップ28をミシン目6の近傍に設けるのがよい。
図4を再び参照して、ラッピングシート1の指係合部22に指Fを係合させてラッピングシート1を持ち上げたときに、リップ14がスリット12から抜け出すとラッピングシート1が筒状の状態を維持できなくなり、これによりラッピングシート1が鉢10から抜け出してしまう可能性がある。これに対して、実施例のラッピングシート1にあっては、リップ14の上下方向長さに対してスリット12の長さ寸法が小さく、リップ14の上端部と下端部に第1、第2の切れ込み14a、14bが設けられていることで、リップ14は撓み変形しながらスリット12を通過し、リップ14がスリット12を通過した後はリップ14が撓み変形しない限り、リップ14がスリット12から抜け出すことはできない。リップ14は植物30の根(土壌)と鉢10との間に挟まれていることから、撓み変形できない状態にある。したがって、指係合部22に指Fを係合させてラッピングシート1を持ち上げたときにリップ14がスリット12から抜け出ることができず、これによりラッピングシート1を指Fで持ち上げたとしてもラッピングシート1は筒状の形状を保つことができる。
第1実施例の第2適用例(図5、図6)
上述した第1適用例では、鉢10と植物30の根(土壌)との間にラッピングシート1の下方部分2を介在させることにより鉢植え植物PPを包装したが、この第2適用例では、図5、図6に示すように、筒状のラッピングシート1(図2)の上方から鉢植え植物PPを挿入することで鉢植え植物PPを包装することを提案するものである。
図5を参照して、筒状のラッピングシート1は上方に向けて拡開した筒状の形状を有することから、上方に向けて拡開した鉢10を含む鉢植え植物PPを上から挿入することで簡単に包装でき、また、ラッピングシート1から鉢植え植物PPが抜け落ちてしまう虞はない。勿論、鉢10が上方に拡開した形状でなくてもよい。例えば筒状の鉢であっても、下方部分2の下端部の断面積よりも大きな断面積を備えた鉢であれば、鉢植え植物PPを上方から挿入することで筒状のラッピングシート1の下方部分2に鉢10を係止させることができる。
また、この第2の適用例であれば、鉢10の材料は合成樹脂であってもよいし、重量物である陶器の鉢であってもよい。また、鉢10の断面形状は円形であってもよいし多角形であってもよい。また、上方に拡開した形状の鉢10に適用する場合には、鉢10の径及び上方に向けて拡開する側壁の傾斜角度の自由度は第1適用例よりも大きい。
この第2適用例にあっても、指係合部22に指Fを引っ掛けてラッピングシート1を持ち上げることにより鉢植え植物PPをハンドルできる。また、ラッピングシート1の指係合部22を利用して、鉢植え植物PPを壁に吊す陳列も可能である。すなわち、壁にフックなどの突起を設け、この突起に指係合部22を引っ掛けることで、鉢植え植物PPを壁に吊した状態で陳列することができる。更に、天井から吊した例えば紐の下端にフックを設け、このフックに指係合部22を引っ掛けることで、鉢植え植物PPを天井から吊した状態で陳列することができる。
この第2適用例にあっては、ラッピングシート1の下方部分2が鉢10の外側に位置するため、この下方部分2にデザイン性のある色彩、模様を印刷することにより、鉢10の見栄えを良くすることができる。また、消費者は、持ち帰った鉢植え植物PPを花壇や家の中に置くときに、鑑賞のために上方部分4をミシン目6で下方部分2から切り離し、下方部分2を残すようにしてもよい。これによれば、鉢10の回りはラッピングシート1の下方部分2で囲まれた状態となり、この下方部分2に印刷した模様や色彩を鉢植え植物PPと一緒に楽しむことができる。上方部分4を下方部分2からミシン目6に従って切断する作業を容易にするために図1に示す摘み部28をラッピングシート1の上方部分4の下端部に設けるのがよい。
第2実施例(図7〜図9)
図7、図8は第2実施例のラッピングシート40を示し、図7は第2実施例のラッピングシート40の展開図であり、図8は、消費者がラッピングシート40の上方部分4の一部(後に説明する切り取り部分46)を使って鉢受け皿42を作る例を説明するための図であり、図9は第2実施例の適用例を示す図である。
図7を参照して、第2実施例のラッピングシート40は、その上方部分4に易切断線(ミシン目)44で囲まれた切り取り部分46を備え、この切り取り部分46を切り離すことで空所50が形成される(図8)。切り取り部分46には折り目48が形成され、この折り目48に従って切り取り部分46を折ることにより上方に開放した矩形のボックス状の鉢受け皿42を作ることできる。消費者は、家に持ち帰ってラッピングシート40を取り除くときに、ラッピングシート40の上方部分4から切り取り部分46を切り離してボックス状の鉢受け皿42を作ることができる。そして、この鉢受け皿42の上に鉢植え植物PPを載せて鉢植え植物PPを鑑賞することができる。ラッピングシート40を除去する際に、鉢10の周囲に位置する下方部分2を残し、上方部分4だけ取り除いてもよい。このことを考慮に入れた色彩や模様を下方部分2に印刷することで、ラッピングシート40の下方部分2で鉢10を包囲した状態で鉢植え植物PPを鑑賞することができる。
第1実施例の第1適用例(図3)のように、上端に向けて拡径するラッピングシート40の下方部分2を鉢10の内側に位置させてもよいが、この第2実施例の好ましい適用例として、図9から分かるように、ラッピングシート40の下方部分2が鉢10の外側に位置している。換言すると、第1実施例と同様にラッピングシート40を組み立てて筒状の形状にした後に、前述した第1実施例の第2適用例(図5、図6)と同様に、筒状のラッピングシート40の上方から鉢植え植物PPを挿入することにより、鉢10を含む鉢植え植物PPは筒状のラッピングシート40で包囲された状態でラッピングされる。
ラッピングシート40の上方部分4に形成された切り取り部分46に折り目48が形成され、消費者は、この折り目48に従って折ることで立体形状の鉢受け皿42を作ることができるが、鉢受け皿42の変形例として、例えば、コースターのように円形、四角形、六角形などの多角形の平面形状であってもよいし、例えば子豚の顔の外径輪郭を平面的に形取ったキャラクタであってもよく、好ましくはキャラクタの目や鼻などを印刷するのがよい。
第2実施例のラッピングシート40は、前述した第1実施例のラッピングシート1と同様に、その上方部分4の上端部に切れ込みによって形成された指係合部22を有している。消費者は、第1実施例と同様に、指係合部22に指Fを係合させてラッピングシート40を持ち上げることで鉢植え植物PPをハンドルすることができる。そして、家に持ち帰った後に、鉢植え植物PPの鉢10の周囲に位置している下方部分2を残すのであれば、このミシン目6にしたがって下方部分2から上方部分4を切り離し、そして、更にこの上方部分4から切り離した切り取り部分46を組み立てて鉢受け皿42を作ることで、廃棄する上方部分4の一部を鉢受け皿42として有効活用することができる。
下方部分2を残した場合、鉢植え植物PPはその鉢10の部分がラッピングシート40の下方部分2によって覆い隠された状態となるが、下方部分2に印刷した模様や色彩によって鉢植え植物PPの鉢10の部分の見栄えを高めることができる。勿論、鉢植え植物PPからラッピングシート40の全てを取り除いた状態で鉢植え植物PPを鑑賞しても良く、その場合も、ラッピングシート40の全てを廃棄するのではなく、ラッピングシート40から切り離した切り取り部分46を組み立てて鉢受け皿42を作ることで、廃棄するラッピングシート40の一部を鉢受け皿42として有効活用することができる。
ラッピングシート40に切り取り部分46を形成し、この切り取り部分46を組み立てることで鉢受け皿42を作ることができることから、消費者は、鉢植え植物PPを購入するときに、この鉢植え植物PPと一緒にこれを置くための皿を購入する必要が無い。
少なくともラッピングシート40の上方部分4は、鉢植え植物PPを購入した消費者によって廃棄される存在であることから、その一部を鉢受け皿42として有効活用する考えは資源の有効活用の観点から望ましい。この観点を主眼に置いてラッピングシート40をみたときに指係合部22を省いても良い。ラッピングシート40から指係合部22を省いたとしても、鉢植え植物PPはラッピングシート40で包囲されているため、消費者はこれを購入するときに、ラッピングシート40の下方部分2を介して鉢10を持ち上げるので手を汚すことはない。
第2実施例の変形例(図10)
図10は、上述した第2実施例(図7〜図9)の変形例を示し、この第2実施例と同じ要素には同じ参照符号を付すことにより、その説明を省略し、以下に、図10に図示のラッピングシート50の特徴部分を説明する。
前述した第2実施例のラッピングシート40の切り取り部分46は、ラッピングシート40の上方部分4の中央に形成してあるが、変形例のラッピングシート50にあっては、その上方部分4の上端縁の一部を共有するようにして切り取り部分46が形成されている。切り取り部分46をラッピングシート50の上方にオフセットして形成し、切り取り部分46の輪郭線の一部をラッピングシート50の上端縁と共有させることにより、切り取り部分46をラッピングシート50から容易に切り取ることができる。
前述した第2実施例のラッピングシート40の上方部分4には指係合部22が上記の切り取り部分40とは異なる部分に形成されているが、変形例のラッピングシート50にあっては、切り取り部分4に指係合部22が形成されている。勿論、このラッピングシート50にあっても、前記第2実施例と同様に、切り取り部分4とは異なる部分に指係合部22を形成してもよい。
前述した第2実施例のラッピングシート40の上方部分4には、例示的に円形の開口で構成された複数の通気孔20が互いに間隔を隔てて点在した状態で形成されているが、変形例のラッピングシート50にあっては、上下方向に延びるスリット52が複数形成され、このスリット52によって実質的に通気機能を付与するようになっている。好ましくは、図10から理解できるように、スリット52の上端及び下端に横方向に延びる切れ込みが形成され、これにより、ラッピングシート50を円筒状に組み立てたときに、スリット52の部分がフラップ状に筒状のラッピングシート50から外方に突出した状態となり、これにより縦長の通気窓が形成される。
前述した第2実施例のラッピングシート40では、これを組み立てて筒状の立体形状にしたときに、その下端縁が円周方向に平面的に延びる略円形となるが、変形例のラッピングシート50にあっては、下端縁に少なくとも一つの切欠き54、好ましくは間隔を隔てて複数の切欠き54が形成されている。この切欠き54によって、鉢植え植物PPの鉢10の外側を包囲するラッピングシート50の下方部分2の下端縁の上記切欠き54を水はけ口として機能させることができる。勿論、下方部分2の下端縁に切欠き54を設ける構成は、前述した第1、第2の実施例にも適用可能であるのは言うまでもないことである。
この変形例のラッピングシート50にあっても、廃棄される上方部分4の一部を鉢受け皿42として有効する考えを主眼に置いてラッピングシート50をみたときに指係合部22を省いても良い。この変形例のラッピングシート50から指係合部22を省いたとしても、鉢植え植物PPはラッピングシート50で包囲されているため、消費者はこれを購入するときに、ラッピングシート50の下方部分2を介して鉢10をハンドルできるので手を汚すことはない。
図1、図7、図10に図示の第1、第2の実施例並びに変形例のラッピングシート1、40、50は、これを組み立てて筒状の形状(図2)にしたときに、その立体形状を維持するためにリップ14をスリット12によって係止すると共に第1、第2の切れ込み14a、14bによってリップ14の抜け出しを防止する構成を採用したが、ラッピングシート1、40、50の少なくとも下方部分2の一側部と他側部とを接着剤や熱溶着によって連結させるようにしてもよい。ラッピングシート1、40、50は展開した状態ではフラットな平面形状となるため、ラッピングシート1を保管するときに複数のラッピングシート1、40、50を互いに積み重ねることができ、僅かなスペースで大量のラッピングシート1を保管することができる。
これに対して、出荷よりも遙かに早い段階又は販売店でラッピングシート1、40、50の下方部分2を予め接着剤で連結して筒状に形作るのは、この筒状の立体形状のラッピングシート1を保管するために大きなスペースが必要となる。出荷の直前又は陳列する際にラッピングシート1、40、50を立体形状に形作るのに、ラッピングシート1、40、50の下方部分2の一側部と他側部との連結のために例えば両面接着テープを採用してもよい。
図1、図7、図10に図示の第1、第2の実施例並びに変形例のラッピングシート1、40、50は、合成樹脂製シートから作られているが、ラッピングシート1、40、50を厚紙で作るようにしてもよい。ラッピングシート1、40、50は、その表面に印刷を施すことにより、園芸場の住所や屋号、鉢植え植物PPの学術名や販売店の名前などをラッピングシート1、40、50に表示することができる。もちろん、ラッピングシート1、40、50に模様や色彩を印刷することによりラッピングシート1の意匠性を高めることができる。
1 第1実施例のラッピングシート
40 第2実施例のラッピングシート
50 第2実施例の変形例のラッピングシート
2 ラッピングシートの下方部分
4 ラッピングシートの上方部分
6 ミシン目
10 鉢
12 スリット
14 リップ
14a 上端部の第1の切れ込み
14b 下端部の第2の切れ込み
22 指係合部
42 鉢受け皿
46 切り取り部分
48 折り目
54 切欠き
PP 鉢植え植物
F 指

Claims (7)

  1. 鉢植え植物用の上方に向けて拡開した鉢を受け入れることのできる筒状のラッピングシートであって、
    上方に拡開した筒状の形状を有し、
    前記鉢の上端縁から拡開しながら上方に延びて植物の周囲を包囲する上方部分と、
    前記鉢に対応して位置し、上方に向けて拡開する形状を有する下方部分とを有し、
    前記上方部分と前記下方部分との間に、周方向に延びる易切断線が設けられ、
    前記上方部分の上部に、指を係合させることのできる指係合部が形成されていることを特徴とする鉢植え植物用のラッピングシート。
  2. 鉢植え植物用の上方に向けて拡開した鉢の内面形状と相補的な立体形状を作ることのできるラッピングシートであって、
    前記鉢の上端縁から拡開しながら上方に延びて植物の周囲を包囲することのできる上方部分と、
    前記鉢に対応して位置し、上方に向けて拡開する形状を有する下方部分とを有し、
    該下方部分は、その幅方向一側部と他側部とを連結することにより前記鉢の形状と相補的な形状を作ることができ、
    前記上方部分と、前記鉢の内面と対面する前記下方部分との間に、周方向に延びる易切断線が設けられ、
    前記上方部分の上部に、指を係合させることのできる指係合部が形成されていることを特徴とする鉢植え植物用のラッピングシート。
  3. 前記上方部分に易切断線で囲まれた切り取り部分が形成され、
    該切り取り部分を切り離すことにより、該切り取り部分で前記鉢植え植物の鉢受け皿が構成されると共に、前記ラッピングシートの上方部分に前記指係合部が形成される、請求項1に記載の鉢植え植物用のラッピングシート。
  4. 前記上方部分に易切断線で囲まれた切り取り部分が形成され、
    該切り取り部分を切り離すことにより、該切り取り部分で前記鉢植え植物の鉢受け皿が構成される、請求項2に記載の鉢植え植物用のラッピングシート。
  5. 前記切り取り部分に折り目が形成され、
    該折り目に従って折ることにより上方に開放したボックス状の鉢受け皿が形成され、
    該鉢受け皿の上に前記鉢植え植物を置くことができる、請求項3又は4に記載の植物用のラッピングシート。
  6. 前記ラッピングシートの下端縁に切欠きが形成されている、請求項5に記載の鉢植え植物用のラッピングシート。
  7. 前記下方部分の一側部に形成され、上下方向に延びるスリットと、
    前記下方部分の他側部に形成され、前記スリットに挿入されるリップとを有し、
    該リップの基部の上端と下端に切れ込みが形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の鉢植え植物用のラッピングシート。
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