以下、本発明の遊技機を手段として区分して示し、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.複数種の絵柄(図柄)を循環表示させる複数の循環表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記各循環表示手段に前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58)と、
前記開始操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101の抽選処理機能)と、
前記絵柄の循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記開始操作手段の操作に基づいて前記絵柄の循環表示を開始させるとともに、前記停止操作手段の操作に基づいて前記絵柄の循環表示を停止させるよう前記各循環表示手段を表示制御する表示制御手段(主制御装置101のスベリテーブル設定処理機能及びリール制御処理機能)と、
前記役の抽選結果が特別役(第1BB〜第18BB)当選であって、前記各循環表示手段の特定絵柄(左リール32Lの「赤7」図柄及び「青7」図柄、中リール32M及び右リール32Rの「赤7」図柄,「青7」図柄及び「白7」図柄)が予め定めた有効位置(有効ライン)に停止して特別絵柄(第1BB〜第18BB図柄の組合せ)を形成した場合に特典(BB状態への移行)を付与する特典付与手段(主制御装置101のBB開始処理機能S604)と、
前記役の抽選結果が前記特別役当選である場合、前記特別絵柄を形成するまで前記特別役当選を留保記憶する留保手段(主制御装置101のRAM106)と
を備え、
前記特別役を複数有するとともに特別役毎に異なる特別絵柄を対応付けた遊技機において、
当選した特別役と対応する当選特別絵柄(当選BB図柄の組合せ)を形成する当選特定絵柄(各リール32L,32M,32Rの当選BB図柄)を示唆可能な示唆手段(発光ユニット33)と、
前記特別役のいずれかに当選した場合、第1位置(下段)に停止した絵柄を循環表示手段毎に把握する停止絵柄把握手段(主制御装置101の停止図柄番号決定機能S405、表示制御装置81の停止出目把握機能S1402)と、
前記停止絵柄把握手段の把握結果に基づいて、前記当選特定絵柄を示唆するか否かを決定する示唆決定手段(表示制御装置81の停止図柄コマンド処理機能及び入賞コマンド処理機能)と、
前記停止絵柄把握手段の把握結果に基づいて、いずれの循環表示手段の当選特定絵柄を示唆するかを決定する示唆絵柄決定手段(表示制御装置81の停止図柄コマンド処理機能)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
本手段によれば、特別役のいずれかに当選した場合、当選した特別役と対応する当選特別絵柄を形成する当選特定絵柄のいずれかが示唆されることがある。かかる構成とすることにより、特別役を複数有するとともに特別役毎に異なる特別絵柄を対応付けた構成とした場合であっても、特別役のいずれかに当選してから当選特別絵柄が形成されるまでに要する遊技回数を少なくすることが可能となる。この結果、遊技者にもどかしさを感じさせる機会を低減させることが可能となる。また、当選特定絵柄のいずれかを示唆する構成とすることにより、示唆された当選特定絵柄以外の当選特定絵柄を遊技者に推測させることが可能となり、前記遊技回数を少なくしつつ遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。以上の結果、好適な形で当選特別絵柄を示唆することが可能となる。
手段2.上記手段1において、前記示唆決定手段は、前記停止絵柄把握手段が、前記有効位置に前記当選特定絵柄のいずれかが停止するとともに前記当選特別絵柄が形成されなかったと把握した場合に、前記当選特定絵柄を示唆すると決定し、前記示唆絵柄決定手段は、前記当選特定絵柄のうち前記有効位置に停止した当選特定絵柄を示唆すると決定することを特徴とする遊技機。
本手段によれば、当選特別絵柄が形成されなかったものの有効位置に当選特定絵柄のいずれかが停止した場合、当該有効位置に停止した当選特定絵柄が示唆される。かかる構成とすることにより、遊技者は、その後の遊技において、示唆された当選特定絵柄を含む特別絵柄を形成させるべく停止操作手段を操作すれば良い。故に、特別役のいずれかに当選してから当選特別絵柄が形成されるまでに要する遊技回数を少なくすることが可能となる。また、遊技者が特別役のいずれかに当選したことを察知した場合には、遊技者自身が当選したと推測する特別絵柄を形成させるべく停止操作手段を操作すると推測される。このため、当選特定絵柄のうち有効位置に停止した当選特定絵柄を示唆する構成とすることにより、遊技者の推測した特別絵柄が当選特別絵柄ではないものの当選特定絵柄が含まれていたことを示唆することが可能となり、遊技者の感じるもどかしさを緩和することが可能となる。
手段3.上記手段1又は手段2において、前記示唆手段は、前記示唆決定手段が前記当選特定絵柄を示唆すると決定した場合、前記循環表示手段の全てが循環表示を停止した後に前記当選特定絵柄を示唆することを特徴とする遊技機。
本手段によれば、循環表示手段の全てが循環表示を停止した後に当選特定絵柄が示唆されるため、遊技者に当選していると推測した特別絵柄を形成させるべく停止操作手段を操作させた上で当選特定絵柄を示唆することが可能となる。
手段4.上記手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記示唆手段は、前記示唆決定手段が前記当選特定絵柄を示唆すると決定した場合、前記循環表示手段の全てが循環表示を停止してから前記開始操作手段の操作に基づいて前記各循環表示手段が絵柄の循環表示を開始する前までに、前記当選特定絵柄を示唆することを特徴とする遊技機。
本手段によれば、循環表示手段の全てが循環表示を停止してから開始操作手段の操作に基づいて各循環表示手段が絵柄の循環表示を開始する前までに、当選特定絵柄が示唆される。循環表示手段の全てが循環表示を停止した後に当選特定絵柄を示唆することにより、遊技者に当選していると推測した特別絵柄を形成させるべく停止操作手段を操作させた上で当選特定絵柄を示唆することが可能となる。また、開始操作手段の操作に基づいて各循環表示手段が絵柄の循環表示を開始する前までに当選特定絵柄を示唆することにより、絵柄の循環表示を停止させるべく遊技者が停止操作手段を操作する際に、示唆された当選特定絵柄を含む特別絵柄を形成させるべく停止操作手段を操作することが可能となる。
手段5.上記手段1又は手段2において、前記示唆決定手段を、前記絵柄の循環表示を開始させるべく前記開始操作手段が操作された場合に、その直前の遊技回における前記停止絵柄把握手段の把握結果を用いて前記当選特定絵柄を示唆するか否かを決定する構成とし、前記示唆手段を、前記示唆決定手段が前記当選特定絵柄を示唆すると決定した場合、前記各循環表示手段が絵柄の循環表示を開始する前までに、前記当選特定絵柄を示唆することを特徴とする遊技機。
本手段によれば、開始操作手段の操作に基づいて各循環表示手段が絵柄の循環表示を開始する前までに、当選特定絵柄が示唆される。開始操作手段の操作に基づいて各循環表示手段が絵柄の循環表示を開始する前までに当選特定絵柄を示唆することにより、絵柄の循環表示を停止させるべく遊技者が停止操作手段を操作する際に、示唆された当選特定絵柄を含む特別絵柄を形成させるべく停止操作手段を操作することが可能となる。
手段6.上記手段1又は手段2において、前記示唆手段を、前記示唆決定手段が前記当選特定絵柄を示唆すると決定した場合、前記示唆決定手段が前記当選特定絵柄を示唆すると決定した遊技回の次の遊技回を開始させるべく前記開始操作手段が操作されてから前記各循環表示手段が絵柄の循環表示を開始する前までに、前記当選特定絵柄を示唆することを特徴とする遊技機。
本手段によれば、開始操作手段の操作に基づいて各循環表示手段が絵柄の循環表示を開始する前までに、当選特定絵柄が示唆される。かかる構成とすることにより、当選特定絵柄を示唆すると決定した遊技回の次の遊技回で当選特定絵柄を示唆する構成とした場合であっても、絵柄の循環表示を停止させるべく遊技者が停止操作手段を操作する際に、示唆された当選特定絵柄を含む特別絵柄を形成させるべく停止操作手段を操作することが可能となる。
手段7.上記手段5又は手段6において、前記示唆決定手段が前記当選特定絵柄を示唆すると決定した場合、前記各循環表示手段が絵柄の循環表示を開始する開始タイミングを遅延させる遅延手段を設けたことを特徴とする遊技機。
本手段によれば、当選特定絵柄を示唆する場合には、各循環表示手段が絵柄の循環表示を開始する開始タイミングが遅延される。かかる構成とすることにより、各循環表示手段が絵柄の循環表示を開始するまでの時間において、当選特定絵柄を示唆する直前の遊技回における各循環表示手段の停止結果を用いて当選特定絵柄を示唆することが可能となる。
手段8.上記手段1乃至手段7のいずれかにおいて、前記示唆手段は、前記当選特定絵柄を示唆する場合、前記循環表示手段の当選特定絵柄を当該循環表示手段の他の絵柄と比して強調表示させることを特徴とする遊技機。
本手段によれば、当選特定絵柄が示唆される場合には、循環表示手段の当選特定絵柄が当該循環表示手段の他の絵柄と比して強調表示される。かかる構成とすることにより、遊技者に各循環表示手段の絵柄を注視させることが可能となり、絵柄を狙って停止操作手段を操作するという遊技機本来の特徴を損ねることなく当選特定絵柄を示唆することが可能となる。
手段9.上記手段1乃至手段8のいずれかにおいて、前記示唆手段が前記当選特定絵柄を示唆した場合、当該示唆内容を前記当選特別絵柄が形成されるまで表示する第2示唆手段(補助表示部65)を備えたことを特徴とする遊技機。
本手段によれば、当選特定絵柄が示唆された場合には、当選特別絵柄が形成されるまで示唆内容が第2示唆手段に表示される。かかる構成とすることにより、遊技者は、仮に示唆された当選特定絵柄を忘れてしまった場合であっても、第2示唆手段を確認することで示唆された当選特定絵柄を含む特別絵柄を形成させるべく停止操作手段を操作することが可能となる。
手段10.複数種の絵柄(図柄)を循環表示させる複数の循環表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記各循環表示手段に前記絵柄の循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58)と、
前記開始操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101の抽選処理機能)と、
前記絵柄の循環表示を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記開始操作手段の操作に基づいて前記絵柄の循環表示を開始させるとともに、前記停止操作手段の操作に基づいて対応する絵柄の循環表示を停止させるよう前記各循環表示手段を表示制御する表示制御手段(主制御装置101のスベリテーブル設定処理機能及びリール制御処理機能)と、
前記役の抽選結果が特別役(第1BB〜第18BB)当選であって、前記各循環表示手段の特定絵柄(左リール32Lの「赤7」図柄及び「青7」図柄、中リール32M及び右リール32Rの「赤7」図柄,「青7」図柄及び「白7」図柄)が予め定めた有効位置(有効ライン)に停止して特別絵柄(第1BB〜第18BB図柄の組合せ)を形成した場合に特典(BB状態への移行)を付与する特典付与手段(主制御装置101のBB開始処理機能S604)と、
前記役の抽選結果が前記特別役当選である場合、前記特別絵柄を形成するまで前記特別役当選を留保記憶する留保手段(主制御装置101のRAM106)と
を備え、
前記特別役を複数有するとともに特別役毎に異なる特別絵柄を対応付けた遊技機において、
当選した特別役と対応する当選特別絵柄(当選BB図柄の組合せ)を形成する当選特定絵柄(各リール32L,32M,32Rの当選BB図柄)を示唆可能な示唆手段(発光ユニット33等)と、
前記特別役のいずれかに当選した場合、前記停止操作手段の操作タイミングを把握する操作タイミング把握手段と、
前記操作タイミング把握手段の把握結果に基づいて、前記当選特定絵柄を示唆するか否かを決定する示唆決定手段と、
前記示唆決定手段が前記当選特定絵柄を示唆すると決定した場合、いずれの循環表示手段の当選特定絵柄を示唆するかを決定する示唆絵柄決定手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
本手段によれば、特別役のいずれかに当選した場合、当選した特別役と対応する当選特別絵柄を形成する当選特定絵柄のいずれかが示唆されることがある。かかる構成とすることにより、特別役を複数有するとともに特別役毎に異なる特別絵柄を対応付けた構成とした場合であっても、特別役のいずれかに当選してから当選特別絵柄が形成されるまでに要する遊技回数を少なくすることが可能となる。この結果、遊技者にもどかしさを感じさせる機会を低減させることが可能となる。また、当選特定絵柄のいずれかを示唆する構成とすることにより、示唆された当選特定絵柄以外の当選特定絵柄を遊技者に推測させることが可能となり、前記遊技回数を少なくしつつ遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。以上の結果、好適な形で当選特別絵柄を示唆することが可能となる。
手段11.上記手段10において、前記示唆決定手段は、前記当選特別絵柄が形成されなかった場合であって、前記操作タイミング把握手段が、前記有効位置に前記当選特定絵柄を到達させることが可能なタイミングでいずれかの停止操作手段が操作されたと把握した場合に、前記当選特定絵柄を示唆すると決定し、前記示唆絵柄決定手段は、前記当選特定絵柄のうち前記タイミングで操作された停止操作手段と対応する循環表示手段の当選特定絵柄を示唆すると決定することを特徴とする遊技機。
本手段によれば、当選特別絵柄が形成されなかったものの有効位置に前記当選特定絵柄を到達させることが可能なタイミングでいずれかの停止操作手段が操作された場合、前記タイミングで操作された停止操作手段と対応する循環表示手段の当選特定絵柄が示唆される。かかる構成とすることにより、遊技者は、その後の遊技において、示唆された当選特定絵柄を含む特別絵柄を形成させるべく停止操作手段を操作すれば良い。故に、特別役のいずれかに当選してから当選特別絵柄が形成されるまでに要する遊技回数を少なくすることが可能となる。また、遊技者が特別役のいずれかに当選したことを察知した場合には、遊技者自身が当選したと推測する特別絵柄を形成させるべく停止操作手段を操作すると推測される。このため、有効位置に当選特定絵柄を到達させることが可能なタイミングで操作された停止操作手段と対応する循環表示手段の当選特定絵柄を示唆する構成とすることにより、遊技者の推測した特別絵柄が当選特別絵柄ではないものの当選特定絵柄が含まれていたことを示唆することが可能となり、遊技者の感じるもどかしさを緩和することが可能となる。
なお、上記手段3乃至手段9のいずれかを上記手段10又は手段11に適用しても良く、かかる場合には相乗効果が期待できる。
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「青7」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「青チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの13番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの12番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの7番目)、「赤チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)の9種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、これら9個の図柄が視認可能となる各位置を結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、横方向の組合せラインとして、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1と、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2と、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3と、が設定されている。また、斜め方向の組合せラインとして、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。また、前面扉12の背面側には、図4に示すように、補助演出部を構成する発光ユニット33が配設されている。発光ユニット33の前面側には、図7に示すように、視認可能となる9個の図柄と対応する位置に、左右一対の発光表示部34L〜36L,34M〜36M,34R〜36Rがそれぞれ設けられている。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
メダル払出が行われる入賞としては、スイカ入賞と、ベル入賞と、第1及び第2チェリー入賞とがある。各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、スイカ入賞として15枚のメダル払出が行われ、各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、ベル入賞として10枚のメダル払出が行われる。また、左リール32Lの「赤チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、第1チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われ、左リール32Lの「青チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、第2チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。すなわち、第1及び第2チェリー入賞の場合には、中リール32Mと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、左リール32Lのいずれかの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合、対応するチェリー入賞が成立するとも言える。したがって、左リール32Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段と下段)に「赤チェリー」図柄又は「青チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にて対応するチェリー入賞が成立することとなり、結果として4(=2×2)枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行が行われる入賞としては、第1〜第18BB入賞の18種類のBB入賞がある。左リール32Lの「赤7」図柄又は「青7」図柄と、中リール32Mの「赤7」図柄,「青7」図柄,「白7」図柄のいずれかと、右リール32Rの「赤7」図柄,「青7」図柄,「白7」図柄のいずれかと、が有効ライン上に並んで停止した場合、BB入賞として遊技状態がビッグボーナス状態(以下、「BB状態」と言う。)に移行する。例えば、有効ライン上に左から「赤7」図柄,「赤7」図柄,「赤7」図柄と並んで停止した場合には、第1BB入賞成立となる。
メダル払出や遊技状態の移行以外の特典が付与される入賞としては、再遊技入賞がある。各リール42L,42M,42Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、再遊技入賞として、メダル払出や遊技状態の移行は行われないものの、メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
その他の入賞として、遊技状態がBB状態である場合に限って入賞となるRB入賞がある。BB状態下で有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「ベル」図柄,「リプレイ」図柄と並んで停止した場合、RB入賞として、メダル払出は行われないものの遊技状態がレギュラーボーナス状態(以下、「RB状態」と言う。)に移行する。
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、第6BB図柄の組合せとは、第6BB入賞となる図柄の組合せ、すなわち「赤7」図柄,「青7」図柄,「白7」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、第6BB図柄とは、左リール32Lにおいては「赤7」図柄であり、中リール32Mにおいては「青7」図柄であり、右リール32Rにおいては「白7」図柄である。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には、第2クレジット投入スイッチ57と、第3クレジット投入スイッチ58とが設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルのベット数と、有効化される組合せラインとの関係を、図7を用いて説明する。遊技の開始時にメダル投入口45からメダルが投入されるとベットとなる。
1枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は1となり、中ラインL2が有効化される。2枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は2となり、中ラインL2に加えて上ラインL1と下ラインL3を含む合計3本の組合せラインが有効化される。3枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は3となり、組合せラインL1〜L5の全てが有効化される。
なお、4枚以上のメダルがメダル投入口45に投入された場合、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、3枚を超える余剰メダルはスロットマシン10内部に貯留され、クレジット表示部60の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ46により貯留用通路47から排出用通路48への切替がなされ、メダル排出口49からメダル受け皿50へと余剰メダルが返却される。
また、仮想メダルが貯留記憶されており、遊技の開始時に第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合にも、仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合については、投入された仮想メダルの枚数分だけクレジット表示部60に表示されている仮想メダル数が減算されることを除き、メダル投入口45からメダルを投入した場合と同じため、説明を省略する。
ちなみに、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合に投入されるべき仮想メダルが貯留記憶されていない場合、例えばクレジット表示部60の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合等には、クレジット表示部60の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、発光ユニット33や上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入スイッチ56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
表示制御装置81は、発光ユニット33や上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置101からの信号を受け取った上で、表示制御装置81が独自に発光ユニット33、上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。したがって、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。なお、各種表示部60〜62も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いるスベリテーブルを記憶するためのスベリテーブル格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図10参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを図10〜図18のフローチャートを参照しながら説明する。
図10は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電時処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する開始コマンドや抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図11のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行うと共に、投入完了コマンドをセットして開始待ち処理を終了する。ここで、投入完了コマンドとは、自動投入の完了を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技で再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。再遊技入賞が成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行うと共に精算コマンドをセットする。ここで、精算コマンドとは、クレジットされた仮想メダルの返却を行っていることを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、有効ラインの設定等を行うメダル投入処理を行うと共に、投入コマンドをセットして開始待ち処理を終了する。ここで、投入コマンドとは、メダルのベットがなされたことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
ステップS205では、メダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206に進み、スタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作された場合(ステップS205,ステップS206が共にYESの場合)には、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合にはステップS207に進み、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止し、続くステップS208にて開始コマンドをセットする。ここで、開始コマンドとは、開始指令が発生したことを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。その後、ステップS209の抽選処理、ステップS210のリール制御処理、ステップS211のメダル払出処理、ステップS212のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
なお、通常処理では、投入コマンドや開始コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであり、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理S110にて行われる。
次に、ステップS209の抽選処理について、図12のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302〜S306では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。具体的には、先ずステップS302において、現在の遊技状態がRB状態か否かを判定する。RB状態でない場合には、さらにステップS303にて現在の遊技状態がBB状態か否かを判定する。そして、現在の遊技状態がBB状態とRB状態のいずれでもない場合には、ステップS304にて通常状態用抽選テーブルを選択する。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、ステップS305にてBB状態用抽選テーブルを選択し、現在の遊技状態がRB状態である場合には、ステップS306にてRB状態用抽選テーブルを選択する。ここで、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、電源投入時に設定キー挿入孔73に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS304〜S306では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図13は、「設定3」の通常状態で選択される通常状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、判定すべき役の数と同数のインデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。すなわち、本スロットマシン10における通常状態では、再遊技、スイカ、ベル、第1及び第2チェリー、第1〜第18BBの23種類の役について判定が行われる。
抽選テーブルを選択した後、ステップS307ではインデックス値IVを1とし、続くステップS308では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS309ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS310に進み、そのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグを、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=3のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS310ではベル当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが再遊技当選フラグ,スイカ当選フラグ,ベル当選フラグ,第1チェリー当選フラグ,第2チェリー当選フラグのいずれかである場合、この当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1〜第18BB当選フラグのいずれかである場合、これらBB当選フラグは対応するBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1〜第18BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、いずれかのBB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS310では、現在のインデックス値IVが1〜5であればインデックス値IVと対応する当選フラグをセットし、現在のインデックス値IVが6〜23であれば対応するBB当選フラグをセットしない。つまり、いずれかのBB当選フラグが持ち越されているゲームでは、再遊技やベル,スイカ,第1又は第2チェリーに当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、いずれのBBに当選した場合であっても新たにBB当選フラグをセットしない。
ステップS309にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS311にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS312ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS308に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS308では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS309では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図13に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、各BBの当選確率はそれぞれ約3640分の1、スイカの当選確率は256分の1、ベルの当選確率は約7.0分の1、各チェリーの当選確率はそれぞれ512分の1、再遊技の当選確率は約7.3分の1である。すなわち、いずれかのチェリーに当選する確率は256分の1であり、いずれかのBBに当選する確率は約202分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.4分の1である。
ステップS310にて当選フラグをセットした後、又はステップS312にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS313にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。
その後、ステップS314にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行い、本処理を終了する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ42〜44が操作されたタイミングからリール32L,32M,32Rをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ42〜44が押された際に基点位置(本実施の形態では下段)に到達している到達図柄(到達図柄番号)と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄(停止図柄番号)との関係を導出することが可能な停止データ群である。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そして、各リール32L,32M,32Rの図柄番号毎に前記5パターンの停止態様のいずれかを設定されたスベリテーブルが、各役について複数用意されている。
このように、ストップスイッチ42〜44が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでの間に各リール32L,32M,32Rが停止するようスベリテーブルを設定することにより、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、停止出目と言う。)があたかも遊技者の操作によって決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
図14は、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下段に実際に停止する図柄である。例えば、左リール32Lの7番の「赤7」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作された場合、左リール32Lは滑ることなくそのまま停止し、「赤7」図柄が下段に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール32Lの1番の「リプレイ」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42を操作された場合、左リール32Lは4図柄分だけ滑り、5番の「リプレイ」図柄が下段に停止すると共に7番の「赤7」図柄が上段に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール32L,32M,32Rに付された図柄が下段に到達したタイミングでストップスイッチ42〜44を操作された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。
さて、スベリテーブル設定処理では、RAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグを確認し、セットされている当選フラグと一義的に対応するスベリテーブルを、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bにセットする。このとき、本スロットマシン10では、左リール32Lの当選役と対応する図柄(以下、「当選図柄」と言う。)が上段又は下段に停止するように、中リール32Mの当選図柄が上段又は中段に停止するように、右リール32Rの当選図柄が上段又は下段に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。
図14に示すスベリテーブルは、第1BBにのみ当選している場合に最初にセットされるスベリテーブルである。但し、かかるスベリテーブルが最初にセットされた場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングによっては「赤7」図柄が上述した位置に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めており、各リール32L,32M,32Rには「赤7」図柄をそれぞれ1つずつしか配置していないためである。
ここで、各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。
「リプレイ」図柄は、下段に先に到達する図柄と次に到達する図柄との間隔が4図柄以下となるように、各リール32L,32M,32Rに配置されている。例えば、中リール32Mの11番の「リプレイ」図柄と14番の「リプレイ」図柄はその間隔が2図柄となるようにして配置されており、左リール32Lの9番の「リプレイ」図柄と14番の「リプレイ」図柄はその間隔が4図柄となるようにして配置されている。このように、「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されている。上述した通り、リール32L,32M,32Rはストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。したがって、かかる図柄配列とすることにより、ストップスイッチ42〜44が如何なるタイミングで操作された場合であっても、再遊技入賞を成立させる際に「リプレイ」図柄を任意の位置に停止させることができる。例えば左リール32Lの9番の「リプレイ」図柄が下段に到達した際に左ストップスイッチ42が操作された場合、左リール32Lをそのまま停止させればこの「リプレイ」図柄を下段に停止させることができ、左リール32Lを2図柄分滑らせた後に停止させれば14番の「リプレイ」図柄を上段に停止させることができ、左リール32Lを3図柄分滑らせた後に停止させれば14番の「リプレイ」図柄を中段に停止させることができる。
一方、「赤7」図柄は、左リール32Lにおいては7番、中リール32Mにおいては12番、右リール32Rにおいては2番の位置に1つずつ配置されているのみであり、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されていない。このため、例えば左リール32Lの11番の「青年」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が操作された場合、仮に左リール32Lを4図柄分滑らせても「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。したがって、第1BBに当選し、「赤7」図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルがセットされた場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングによっては「赤7」図柄が有効ライン上に停止せず、第1BB入賞が成立しない場合がある。本スロットマシン10では、かかる「赤7」図柄の他、「青7」図柄、「白7」図柄、「スイカ」図柄についても5図柄以上離れた区間が形成されるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されている。また、左リール32Lにおいては、「赤チェリー」図柄、「青チェリー」図柄、「ベル」図柄も5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている。このため、各BB、各チェリー、スイカ、ベルのいずれかに当選した場合には、当選図柄が有効ライン上に停止するよう狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
スベリテーブル設定処理の説明に戻り、BB当選フラグと他の当選フラグがセットされている場合には、以下に示すスベリテーブルをセットする。
BB当選フラグと再遊技当選フラグがセットされている場合、再遊技入賞を優先して成立させるための再遊技入賞用スベリテーブルをセットする。
BB当選フラグとベル当選フラグ、スイカ当選フラグ、第1〜第2チェリー当選フラグのいずれかがセットされている場合、BB入賞を優先して成立させるためのBB優先入賞用スベリテーブルをセットする。但し、BB当選フラグと対応する「7」図柄は5図柄以上離れた区間が形成されるようにして各リール32L,32M,32Rに配置されているため、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては当選BB図柄を有効ライン上に停止させることができない場合がある。そこで、BB優先入賞用スベリテーブルでは、当選BB図柄を有効ライン上に停止させることが可能であれば優先して停止させるように、当選BB図柄を有効ライン上に停止させることが不可能であって他の当選図柄を有効ライン上に停止させることが可能であれば当該他の当選図柄を有効ライン上に停止させるように設定されている。
次に、ステップS210のリール制御処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理S106にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、各リール32L,32M,32Rが定速回転となった場合には、定速回転コマンドをセットして本処理を終了する。ここで、定速回転コマンドとは、各リール32L,32M,32Rの回転速度が一定となったことを表示制御装置81に把握させるべく送信されるコマンドである。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS402では停止前処理を行う。
停止前処理では、図16のフローチャートに示すように、先ずステップS501にてストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS502に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS501に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS503に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが操作されたか否かを判定する。今回の停止指令が第3停止指令の場合には、ステップS503にて肯定判定を行い、そのまま停止前処理を終了する。一方、全リール32L,32M,32Rが回転しているときに発生する第1停止指令、又は2つのリールが回転しているときに発生する第2停止指令の場合には、ステップS503にて否定判定を行うとともにステップS504にてスベリテーブル第1変更処理を行い、停止前処理を終了する。
ここで、スベリテーブル第1変更処理とは、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bに格納されたスベリテーブルを、停止指令と対応するリールを停止させる前に変更する処理である。スベリテーブル第1変更処理では、例えば左ストップスイッチ42以外のストップスイッチ43,44が操作されて第1停止指令が発生した場合等に、スベリテーブルを変更する。かかる処理を行うことにより、停止出目の多様化を図ったり、セットされた当選フラグと対応する入賞が成立しない所謂取りこぼしの発生頻度を低減させたりすることができる。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS402にて停止前処理が終了した場合、遊技を進行させるべく回転中のリールと対応するストップスイッチが操作され、停止指令が発生したことを意味する。かかる場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS403〜ステップS411に示す停止制御処理を行う。
すなわち、ステップS403では、ストップスイッチの操作されたタイミングで下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、下段に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS404では、スベリテーブル格納エリア106bにセットされたスベリテーブルのうち到達図柄と対応する図柄番号のデータから今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。ステップS405では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、下段に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS406では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS407にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS408では、現在の各リール32L,32M,32Rの回転状況を表示制御装置81に把握させるべく回転情報コマンドをセットし、ステップS409では、停止図柄コマンドをセットする。ここで、回転情報コマンドとは、各リール32L,32M,32Rの回転状況を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、停止図柄コマンドとは、表示窓から視認可能な範囲(上段、中段、下段)に停止した図柄を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。そして、ステップS410では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS411にてスベリテーブル第2変更処理を行い、ステップS402の停止前処理に戻る。
ここで、スベリテーブル第2変更処理とは、RAM106のスベリテーブル格納エリア106bに格納されたスベリテーブルを、リールの停止後に変更する処理である。スベリテーブル第2変更処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいてスベリテーブルを変更する。例えば、第1BB当選フラグのみがセットされ、左リール32Lの「赤7」図柄が下段に停止した場合、中リール32Mの第1BB図柄たる「赤7」図柄が中段又は下段に停止するように設定されたスベリテーブルに変更する。かかる処理を行うことにより、リールの停止結果に応じてその後に停止させるリールの停止出目の多様化を図ることができるとともに、取りこぼしの発生頻度を低減させることができる。
一方、ステップS410にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS412にて払出判定処理を行い、本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。
払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと一致しているか否かを判定する。入賞成立役と当選フラグが一致している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役と当選フラグが一致していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。全ての有効ラインについて払出判定が終了した場合には、入賞コマンドと入賞ラインコマンドをセットし、払出判定処理を終了する。ここで、入賞コマンドとは、いずれの入賞が成立したかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、入賞ラインコマンドとは、入賞がいずれの有効ラインで成立したかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。
次に、ステップS211のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にてメダルの払い出される入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、再遊技入賞が成立したか否かを判定する。再遊技入賞が成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行うとともに、再遊技コマンドをセットし、メダル払出処理を終了する。ここで、再遊技コマンドとは、次回のゲームが再遊技であることを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。なお、先に説明した開始待ち処理S204では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS212のBB状態処理を、図17のフローチャートに基づいて説明する。
BB状態処理の説明に先立ち、BB状態について説明する。BB状態は、RB移行待ち状態とRB状態とより構成されている。RB移行待ち状態とは、スイカ入賞、ベル入賞、第1〜第2チェリー入賞に加えて、RB入賞を成立させることが可能な遊技状態である。そして、RB移行待ち状態で有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「ベル」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合、RB入賞成立として、メダル払出は行われないものの遊技状態がRB移行待ち状態からRB状態に移行する。RB状態は、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、メダル払出の特典が付与される入賞の成立する確率が通常状態と比して非常に高いゲームである。そして、JACゲーム中に入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRB状態が終了し、RB移行待ち状態に復帰する。つまり、BB状態では、RB移行待ち状態とRB状態との間で遊技状態が繰り返し移行される。そして、BB状態は、メダル払出数が所定数(具体的には400枚)に達したことを以って終了する。また、RB状態の途中でメダル払出数が所定数に達した場合には、BB状態のみならずRB状態も終了する。これは、BB状態中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。
さて、BB状態処理では、先ずステップS601にて現在の遊技状態がBB状態か否かを判定する。BB状態でない場合には、ステップS602〜ステップS604に示すBB判定処理を行う。
BB判定処理では、ステップS602にて第1〜第18BB当選フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。第1〜第18BB当選フラグのいずれかがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて対応するBB入賞が成立したか否かを判定する。そして、BB入賞が成立した場合には、ステップS604にて遊技状態をBB状態に移行させるべくBB開始処理を実行する。具体的には、BB当選フラグをクリアするとともにBB設定フラグをRAM106の状態情報格納エリア106cにセットし、遊技状態をBB状態とする。また、前記状態情報格納エリア106cに設けられるとともに、BB状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに400をセットする。
BB判定処理が終了すると、ステップS605にて状態コマンドをセットし、本処理を終了する。ここで、状態コマンドとは、現在の遊技状態を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。ステップS605では、第1〜第18BB当選フラグのいずれもセットされていないと判定した場合(ステップS602がNOの場合)、通常状態であることを意味する状態コマンドをセットする。また、第1〜第18BB当選フラグのいずれかがセットされているもののBB入賞が成立していないと判定した場合(ステップS603がNOの場合)には、BB持ち越し状態であることを意味する状態コマンドをセットする。さらに、ステップS604にてBB開始処理を行った場合には、BB状態であることを意味する状態コマンドをセットする。
ステップS601にて現在の遊技状態がBB状態であると判定した場合には、さらにステップS606にてRB状態か否かを判定する。RB状態でないと判定した場合には、RB移行待ち状態であることを意味するため、ステップS607〜ステップS610に示すRB移行待ち状態処理を行う。
RB移行待ち状態処理では、ステップS607において、RB入賞が成立したか否かを先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて判定する。そして、RB入賞が成立した場合には、ステップS608にて遊技状態をRB状態に移行させるべくRB開始処理を実行する。具体的には、RB設定フラグをRAM106の状態情報格納エリア106cにセットし、遊技状態をRB状態とする。ちなみに、先のステップS606におけるRB状態か否かの判定は、RB設定フラグの有無により判定している。また、RB状態下で成立した入賞回数をカウントするための残払出入賞カウンタに8をセットするとともに、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12をセットする。なお、残払出入賞カウンタと残JAC入賞カウンタは、状態情報格納エリア106cに設けられている。RB開始処理を行った後、ステップS605ではRB状態であることを意味する状態コマンドをセットし、本処理を終了する。
ステップS607にてRB入賞が成立していないと判定した場合には、RB移行待ち状態下でRB入賞以外の入賞が成立した、又はいずれの入賞も成立しなかったことを意味する。そこで、ステップS609では、残払出数カウンタの値が0か否かを判定する。0でない場合には、BB状態中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BB状態の終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS605にてRB移行待ち状態であることを意味する状態コマンドをセットし、本処理を終了する。一方、残払出数カウンタの値が0である場合には、BB状態の終了条件が成立したことを意味する。かかる場合には、BB終了処理として、ステップS610にてBB設定フラグをクリアする。その後、ステップS605にて通常状態であることを意味する状態コマンドをセットし、本処理を終了する。
ステップS606にて現在の遊技状態がRB状態であると判定した場合には、ステップS611にてRB状態処理を行う。ここで、RB状態処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS701では、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立した場合には、ステップS702にて残払出入賞カウンタの値を1減算する。その後、或いはステップS701にて入賞が成立していないと判定した場合には、JACゲームを1ゲーム消化したことになるため、ステップS703にて残JACゲームカウンタの値を1減算する。
ステップS704では、残払出入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを判定する。いずれかが0になっていた場合、すなわち入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化された場合には、RB状態の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS705にてRB状態を終了させるべくRB終了処理を実行する。具体的には、RB設定フラグをクリアするとともに、残払出入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をリセットする。RB終了処理を行った後、又はステップS704にてRB状態の終了条件が成立していないと判定した場合には、ステップS706に進み、残払出数カウンタの値が0か否かを判定する。残払出数カウンタの値が0でない場合には、BB状態の終了条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、残払出数カウンタの値が0である場合には、BB状態の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS707にて上述したRB終了処理を行うと共に、ステップS708にてBB設定フラグをクリアし、本処理を終了する。
図17のフローチャートに戻り、ステップS611にてRB状態処理を行った場合には、ステップS605にて状態コマンドをセットした後に本処理を終了する。RB状態処理後のステップS605では、BB設定フラグの有無とRB設定フラグの有無を確認する。BB設定フラグとRB設定フラグが共にセットされている場合には、RB状態であることを意味する状態コマンドをセットし、BB設定フラグのみがセットされている場合には、RB移行待ち状態であることを意味する状態コマンドをセットし、いずれの設定フラグもセットされていない場合には、通常状態であることを意味する状態コマンドをセットする。
次に、表示制御装置81により実行される各制御処理を説明するに先立ち、表示制御装置81の電気的構成について図19のブロック図に基づき説明する。
表示制御装置81は、発光ユニット33や上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、演算処理手段であるCPU82を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。
CPU82の入力側には、主制御装置101から送信されるコマンド等の制御信号をラッチする信号ラッチ回路83と、クロック回路84から1msec毎に発生されるクロック信号をラッチするラッチ回路85とが接続されている。また、CPU82には、入力ポート86を介して電源装置91が接続されており、駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下した場合に停電信号が入力されるように構成されている。
CPU82には、このCPU82によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM87と、このROM87に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM88の他に、各種処理回路や各種カウンタが内蔵されている。RAM88には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための抽選結果格納エリア88a、各リール32L,32M,32Rの回転状況を記憶するための回転情報格納エリア88b、補助演出を実行する際に用いる各種データを記憶するための演出情報格納エリア88c等が設けられている。
CPU82の出力側には、発光ユニット33と、上部ランプ63と、スピーカ64と、補助表示部65とが接続されている。そして、CPU82は、主制御装置101から送信される各種コマンド等の制御信号に基づいて各種の制御処理を行い、発光ユニット33や上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65の駆動制御を実行する。以下では、発光ユニット33、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65を総称して補助演出部とも言う。
続いて、表示制御装置81のCPU82により実行される各制御処理を図20〜図28のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU82の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される表示メイン処理と、定期的に(本実施の形態では1msec周期で)起動される表示タイマ割込み処理と、主制御装置101からの制御信号の入力に基づいて起動されるコマンド割込み処理とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめに表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理とを説明し、その後、表示メイン処理を説明する。
図20は、表示制御装置81で定期的に実行される表示タイマ割込み処理のフローチャートである。表示制御装置81のCPU82は、クロック回路84から発生されるクロック信号に基づき、例えば1msecごとに表示タイマ割込み処理を実行する。
表示タイマ割込み処理では、先ずステップS801にて次回のコマンド割込みを禁止し、ステップS802にて割込みフラグを読み込む。ステップS803では、読み込んだ割込みフラグが有効か否かを判定し、有効でない場合にはそのまま本処理を終了する。割込みフラグが有効な場合には、ステップS804にて割込みタイマカウンタに1を加算するとともに、ステップS805にて割込みフラグをクリアする。ここで、割込みタイマカウンタとは、表示タイマ割込み処理を行った回数を記憶しておくためのカウンタであり、タイマ割込みは1msecごとに発生するため、かかるカウンタ値により例えば所定の処理を行ってからの経過時間を把握することができる。割込みフラグが有効でない場合、又は割込みタイマカウンタの値を更新した後には、ステップS806にて次回のコマンド割込みを許可し、本処理を終了する。
図21は、コマンド割込み処理を示すフローチャートである。上述した通り、主制御装置101は、現在の遊技状態や遊技の進行状況等に応じて各種コマンドを表示制御装置81に対して送信する。表示制御装置81は、主制御装置101から送信されたコマンドの受信に基づいて、より具体的には信号ラッチ回路83からの信号入力に基づいて、直ちにコマンド割込み処理を実行する。
コマンド割込み処理では、ステップS901にて次回のタイマ割り込みを禁止し、ステップS902にてストローブ信号が正常か否かを判定する。ストローブ信号は主制御装置101からコマンドと共に送信される信号であり、CPU82は、このストローブ信号の受信に基づいてコマンド割り込み処理を開始する。ストローブ信号が正常の場合には、ステップS903にてコマンドデータを取得するとともに、ステップS904にて取得したコマンドデータが正常か否かを判定する。コマンドデータが正常な場合には、ステップS905にていずれのコマンドを受信したかを把握するコマンド受信処理を行い、ステップS906にてリトライカウンタに最大数をセットする。また、コマンドデータが正常でない場合には、ステップS907にてリトライカウンタの値を1加算する。一方、ステップS902においてストローブ信号が正常でない場合には、何らかの誤動作であると判断し、ステップS908にてリトライカウンタに最大数をセットする。
ステップS909では、リトライカウンタの値が最大値か否かを判定する。リトライカウンタの値が最大値の場合、主制御装置101からのコマンドを正常に受信した、又は、主制御装置101からのコマンドに何らかの異常があり、許容されるリトライ回数分のコマンド割込み処理を行ったにも関わらずコマンドを正常に受信できなかったことを意味する。かかる場合にはステップS910に進み、割込みフラグを読み込む。その後、ステップS911にてリトライカウンタの値をクリアするとともに、ステップS912にて割込みフラグをクリアする。
ステップS909にてリトライカウンタの値が最大値でなかった場合、又はステップS912にて割込みフラグをクリアした場合には、ステップS913にて次回のタイマ割込みを許可し、本処理を終了する。
なお、表示タイマ割込み処理の最中に主制御装置101からコマンドを受信した場合、このコマンドは信号ラッチ回路83にてラッチされ、表示タイマ割込み処理が終了した後に直ちにコマンド割込み処理が実行される。同様に、コマンド割込み処理の最中に表示タイマ割込み処理の実行タイミングとなった場合には、クロック信号がラッチ回路85にてラッチされ、コマンド割込み処理が終了した後に直ちに表示タイマ割込み処理が実行される。つまり、本スロットマシン10では、表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理の間で多重割込みが発生しない構成となっている。
図22は電源投入後に実行されるCPU82の表示メイン処理を示すフローチャートである。表示メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ71のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS1001では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU82に設定するとともに、コマンド割込み処理や表示タイマ割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU82のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
初期化処理が終了すると、ステップS1002では、システム状態が電圧低下状態か否か、すなわち駆動電圧が所定電圧(本実施形態では10ボルト未満)まで低下したか否かを判定する。そして、システム状態が電圧低下状態である場合には電源が遮断されたものと判断し、ステップS1003にて停電処理を行う。
システム状態が電圧低下状態でない場合には、ステップS1004にて割込みタイマカウンタの値が0か否かを判定する。割込みタイマカウンタの値が0でない場合、上述した表示タイマ割込み処理にて割込みタイマカウンタ値の更新が行われたことを意味する。かかる場合にはステップS1005に進み、補助演出部を駆動させるべく駆動データを出力する駆動データ出力処理を行う。この駆動データ出力処理については詳細を後述する。
割込みタイマカウンタの値が0の場合、又は駆動データ出力処理の終了後には、ステップS1006にて主制御装置101からコマンドを受信しているか否か、より詳しくはコマンド割込み処理にてコマンドを受信しているか否かを確認する。
コマンドを受信している場合には、ステップS1007にて受信コマンドチェック処理を行う。受信コマンドチェック処理では、先のコマンド割込み処理にていずれのコマンドを受信したかを判別し、受信したコマンドの種別に基づいて行うべき補助演出を決定する等の処理を行う。受信コマンドチェック処理にて行われる処理としては、状態コマンドの受信に基づいて行う状態コマンド処理、開始コマンド受信に基づいて行う開始コマンド処理、抽選結果コマンドの受信に基づいて行う抽選結果コマンド処理、回転情報コマンドの受信に基づいて行う回転情報コマンド処理、停止図柄コマンドの受信に基づいて行う停止図柄コマンド処理、入賞コマンドの受信に基づいて行う入賞コマンド処理、入賞ラインコマンドの受信に基づいて行う入賞ラインコマンド処理などがある。詳細は後述するが、受信コマンドチェック処理では、主制御装置101から受信したコマンドデータに基づいて補助演出部の駆動制御内容すなわち実行すべき補助演出の内容を決定している。
コマンドを受信していない場合、又は受信コマンドチェック処理の終了後にはステップS1008に進み、補助演出を行うか否か等の判定に用いる乱数値の更新処理を行い、ステップS1002に戻る。
次に、ステップS1005の駆動データ出力処理について、図23のフローチャートに基づき説明する。駆動データ出力処理とは、補助演出部を駆動させるべく駆動制御データを出力する処理である。つまり、本スロットマシン10では、コマンド割込み処理にて主制御装置101からのコマンドデータを取得し、受信コマンドチェック処理にて取得したコマンドデータに基づいて補助演出を設定し、駆動データ出力処理にて補助演出部の駆動を行っている。
駆動データ出力処理では、先ずステップS1101にて誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値をリセットする。ステップS1102では、起動時コマンドチェック処理を行う。本スロットマシン10では、停電が解消した場合、主制御装置101から表示制御装置81に対して復電コマンドが送信されるようになっている。そこで、停電解消から所定時間以内(本実施形態では2秒以内)に復電コマンドを受信しなかった場合には、起動時コマンドチェック処理において補助演出部の駆動制御を実行し、エラーの発生を報知する。ステップS1103では、デバイス制御処理を行う。詳細は後述するが、主制御装置101から各種コマンドを受信した場合、受信したコマンドに基づいて補助演出部に行わせるべき補助演出が決定される。デバイス制御処理では、決定した補助演出を行わせるべく対応する駆動データを補助演出部に対して出力する処理を行う。かかる処理を行うことにより、例えば上部ランプ63や発光ユニット33に設けられた発光表示部34L〜36L,34M〜36M,34R〜36Rが所定の色で点灯したり、補助表示部65に所定の識別情報が表示されたりする等の補助演出が行われる。ステップS1104では、システム状態変更処理を行う。システム状態には電圧低下状態、初期化状態、通常状態があり、その都度のシステム状態に応じて補助表示部65の初期化処理を行う。ステップS1105では、電圧低下チェック処理を行う。電圧低下チェック処理では入力ポート86から供給される停電信号を監視し、停電信号がOFF状態からON状態に切り替った場合にシステム状態を通常状態から電圧低下状態に変更する。ステップS1106では、特定時間処理を行う。特定時間処理とは、予め定めた特定時間(本実施形態では10msec)毎に定期的に行われる処理であり、例えば上部ランプ63を駆動するためのLEDデータテーブルによる出力データ用バッファの更新、スピーカ64から出力する楽音のボリューム変更等を行う処理である。
ここで、特定時間処理について、図24のフローチャートに基づき説明する。
ステップS1201では、10msecタイマカウンタの値を更新する処理を行う。具体的には、10msecタイマカウンタの値に現在の割込みタイマカウンタの値を加算する処理を行う。続くステップS1202では、10msecタイマカウンタの値が10以上か否かを判定し、10より小さい場合にはそのまま本処理を終了する。一方、10msecタイマカウンタの値が10以上の場合、特定時間が経過したことを意味する。かかる場合にはステップS1203にて10msecタイマカウンタの値を10減算し、ステップS1204〜ステップS1208に示す駆動データ変更処理を行って本処理を終了する。
駆動データ変更処理では、ステップS1204において、LEDデータテーブルから出力用データバッファへのデータセットを行うLEDデータ変更処理を行う。ステップS1205では、BB状態中のBGMとLED演出とを同期させるための補助演出同期チェック処理を行う。ステップS1206では、BGM再生中に何もせずに放置された場合、30秒後にBGMの音量を小さくするフェードアウト処理を行う。ステップS1207では、何もせずに放置された場合、60秒後にデモ演出を開始させるデモ開始チェック処理を行う。ステップS1208では、ボリュームつまみの値をチェックし、音声のボリュームを変更させるためのボリュームチェック処理を行う。
駆動データ出力処理の説明に戻り、特定時間処理の終了後、ステップS1107では駆動データ切換処理を行う。駆動データ切換処理とは、主制御装置101からのコマンド受信を契機とする場合以外で、時間経過、遊技状態等により駆動データの切換を行う処理である。駆動データ切換処理では、例えば発光ユニット33や上部ランプ63を点灯させる色の切換、補助表示部65に表示している表示場面の切換等の処理を行っている。つまり、駆動データ変更処理は、先の特定時間処理とは異なり、補助演出を時間と共に変化させていくための処理である。
駆動データ切換処理の後、ステップS1108では割り込みタイマカウンタの値をクリアし、ステップS1109ではシステム状態が電圧低下状態か否かを再度確認する。システム状態が電圧低下状態の場合には停電処理を行い、電圧低下状態でない場合にはそのまま本処理を終了する。
ここで、ステップS1007の受信コマンドチェック処理のうち、第1〜第18BBのいずれかに当選してから当選BB図柄の組合せを報知すると決定するまでに行う各種処理について、図25〜図28のフローチャートを用いて詳細に説明する。
先ず、抽選結果コマンド処理を、図25のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1301では、抽選結果コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。抽選結果コマンドを受信した場合にはステップS1302に進み、抽選結果コマンドの示す情報、すなわち主制御装置101にて行われた役の抽選結果を、RAM88の抽選結果格納エリア88aに格納する。その後、ステップS1303では、演出情報格納エリア88cに設けられるとともに、第1〜第18BBのいずれかに当選してからのゲーム数をカウントするための報知カウンタの値が0か否かを判定する。報知カウンタの値が0である場合には、さらにステップS1304に進み、抽選結果格納エリア88aに格納した情報に基づいて、第1〜第18BBのいずれかに当選したか否かを判定する。第1〜第18BBのいずれかに当選した場合には、ステップS1305にて報知カウンタに6をセットし、本処理を終了する。また、ステップS1303にて報知カウンタの値が0でないと判定した場合、又は、報知カウンタの値は0であるものの第1〜第18BBのいずれにも当選していないと判定した場合(ステップS1303,ステップS1304が共にNOの場合)には、そのまま本処理を終了する。
このように、抽選結果コマンド処理では、第1〜第18BBのいずれかに当選した場合、第1〜第18BBのいずれかに当選したゲームで報知カウンタに6をセットする。
次に、停止図柄コマンド処理を、図26のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1401では、停止図柄コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。停止図柄コマンドを受信した場合にはステップS1402に進み、停止図柄コマンドの示す情報、すなわち今回停止したリールの停止出目をRAM88に格納する。その後、ステップS1403では、今回停止したリールの停止出目にBB図柄が含まれているか否かを判定する。具体的には、今回停止したリールが左リール32Lである場合には、上段,中段,下段のいずれかに「赤7」図柄又は「青7」図柄が停止したか否かを判定し、今回停止したリールが中リール32M又は右リール32Rである場合には、上段,中段,下段のいずれかに「赤7」図柄,「青7」図柄,「白7」図柄のいずれかが停止したか否かを判定する。BB図柄が停止していない場合には、そのまま本処理を終了する。BB図柄が停止した場合には、さらにステップS1404にて停止したBB図柄が当選BB図柄であるか否かを判定し、当選BB図柄でない場合には、そのまま本処理を終了する。当選BB図柄である場合には、ステップS1405にて今回停止したリールを示す停止リールフラグを演出情報格納エリア88cにセットするとともに、ステップS1406にて当選BB図柄の停止位置を示す停止位置フラグを演出情報格納エリア88cにセットし、本処理を終了する。
ここで、演出情報格納エリア88cの構成について簡単に説明する。演出情報格納エリア88cには、停止リールフラグ格納エリアと、停止位置フラグ格納エリアと、が設けられている。停止リールフラグ格納エリアは、各リール32L,32M,32Rと対応させて設けられており、左リール32Lが停止した場合に停止リールフラグを格納するための左停止格納エリアと、中リール32Mが停止した場合に停止リールフラグを格納するための中停止格納エリアと、右リール32Rが停止した場合に停止リールフラグを格納するための右停止格納エリアと、より構成されている。また、停止位置フラグ格納エリアは、左リール用格納エリア、中リール用格納エリア、及び右リール用格納エリアを有し、さらに各リール用エリアはそれぞれ上段用格納エリア、中段用格納エリア、及び下段用格納エリアを有している。つまり、停止位置フラグ格納エリアは、9つの格納エリアにより構成されている。そこで、例えば、第1BBに当選している状況において、左リール32Lの6番の「スイカ」図柄が下段に停止したことを示す停止図柄コマンドを受信した場合には、当選BB図柄たる7番の「赤7」図柄が中段に停止しているため、左停止格納エリアに停止リールフラグをセットするとともに、左リール用格納エリアの中段用格納エリアに停止位置フラグをセットする。
次に、入賞コマンド処理を、図27のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1501では、入賞コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。入賞コマンドを受信した場合には、ステップS1502にてBB入賞が成立したか否かを判定する。BB入賞が成立していない場合には、ステップS1503に進み、抽選結果格納エリア88aに格納された情報に基づいて、第1〜第18BBのいずれかに当選しているか否かを判定する。そして、いずれのBBにも当選していない場合には、そのまま本処理を終了する。第1〜第18BBのいずれかに当選している場合には、ステップS1504にて報知カウンタの値を1減算し、ステップS1505にて報知カウンタの値が0か否かを判定する。報知カウンタの値が0である場合には、ステップS1506に進み、補助表示部65に当選BB図柄の組合せを表示するための当選BB報知フラグを演出情報格納エリア88cにセットする。ステップS1505にて報知カウンタの値が0でないと判定した場合、又はステップS1506にて当選BB報知フラグをセットした場合には、ステップS1507に進み、停止リールフラグ格納エリアを構成する各格納エリアのいずれかに停止リールフラグがセットされているか否かを判定する。いずれの格納エリアにも停止リールフラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了する。いずれかの格納エリアに停止リールフラグがセットされている場合には、ステップS1508に進み、発光ユニット33に設けられた発光表示部34L〜36L,34M〜36M,34R〜36Rを点灯させるための発光開始フラグを演出情報格納エリア88cにセットし、本処理を終了する。一方、ステップS1502にてBB入賞が成立したと判定した場合には、ステップS1509にて報知カウンタの値を0クリアするとともに、ステップS1510にて停止リールフラグ,停止位置フラグ,当選BB報知フラグ,発光開始フラグ等の演出情報格納エリア88cにセットされた各種フラグをクリアするフラグクリア処理を実行し、本処理を終了する。
次に、開始コマンド処理を、図28のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1601では、開始コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合にはそのまま本処理を終了する。開始コマンドを受信した場合には、ステップS1602に進み、発光開始フラグがセットされているか否かを判定する。発光開始フラグがセットされていない場合には、そのまま本処理を終了し、発光開始フラグがセットされている場合には、ステップS1603にて発光開始フラグをクリアし、本処理を終了する。
ここで、第1〜第18BBのいずれかに当選したゲーム及びBB当選が持ち越されているゲームにおいて、受信コマンドチェック処理の実行結果に基づいて駆動データ出力処理が実行する具体的な処理を説明する。
駆動データ出力処理(より詳しくはデバイス制御処理S1103)では、当選BB報知フラグがセットされている場合、補助表示部65に当選BB図柄の組合せを表示させる処理を実行する。上述したとおり、抽選結果コマンド処理では、第1〜第18BBのいずれかに当選したゲームで報知カウンタに6をセットし、入賞コマンド処理にて報知カウンタの値を1減算する。また、入賞コマンドは、全リール32L,32M,32Rの停止後に主制御装置101から表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。このため、第1〜第18BBのいずれかに当選した場合には、当該ゲームを含む6ゲームの終了後、すなわちいずれかのBBに当選してから5ゲーム目が終了した場合に、報知カウンタの値が0となって補助表示部65に当選BB図柄の組合せが表示される。
また、駆動データ出力処理では、発光開始フラグがセットされている場合、停止位置フラグ格納エリアを参照し、停止位置フラグがセットされている格納エリアと対応する発光表示部を赤色点灯させる処理を実行する。このため、第1〜第18BBのいずれかに当選しているゲームにおいて、いずれかのリールの当選BB図柄が有効ライン上に停止するとともにBB入賞が成立しなかった場合には、当該ゲームの終了後に当選BB図柄の停止しているリール及びその停止位置と対応する発光表示部が赤色点灯され、停止している「7」図柄が当選BB図柄であることが示唆される。かかる発光表示部の赤色点灯は、次ゲームが開始されるまで継続し、開始コマンド処理のステップS1603にて発光開始フラグがクリアされることに伴って終了する。
ここで、具体例として、第4BBに当選している状況における各リール32L,32M,32Rの停止出目と発光表示部34L〜36L,34M〜36M,34R〜36Rの発光態様との関係を、図29を用いて説明する。第4BBに当選している場合、左リール32Lの当選BB図柄は「赤7」図柄であり、中リール32Mの当選BB図柄は「青7」図柄であり、右リール32Rの当選BB図柄は「赤7」図柄である。
第4BBに当選している状況において、第8BB図柄の組合せを有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ42〜44が操作された場合には、第8BB図柄の組合せが有効ライン上に停止せず、例えば図29(a)に示す停止出目となる。具体的には、左リール32Lにおいては、上段に「スイカ」図柄が停止し、中段に「赤7」図柄が停止し、下段に「スイカ」図柄が停止している。中リール32Mにおいては、上段に「青チェリー」図柄が停止し、中段に「スイカ」図柄が停止し、下段に「白7」図柄が停止している。右リール32Rにおいては、上段に「リプレイ」図柄が停止し、中段に「赤チェリー」図柄が停止し、下段に「青7」図柄が停止している。かかる場合、左リール32Lの中段に第4BB図柄たる「赤7」図柄が停止しているため、左リール32Lの中段図柄と対応する位置に設けられた左右一対の発光表示部35Lが赤色点灯され、左リール32Lの「赤7」図柄が当選BB図柄であることが示唆される。また、中リール32Mの「白7」図柄及び右リール32Rの「青7」図柄と対応する位置に設けられた左右一対の発光表示部36M,36Rは赤色点灯されないため、中リール32Mの「白7」図柄と右リール32Rの「青7」図柄は当選BB図柄でないことが示唆される。
図29(a)に示す各リール32L,32M,32Rの停止出目及び発光表示部34L〜36L,34M〜36M,34R〜36Rの発光態様により、遊技者は、第1BB,第3BB,第4BB,第6BBのいずれかに当選していることを把握することができる。
そこで、第1BB図柄の組合せを有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ42〜44が操作された場合には、第1BB図柄の組合せが有効ライン上に停止せず、例えば図29(b)に示す停止出目となる。具体的には、左リール32Lにおいては、上段に「スイカ」図柄が停止し、中段に「赤7」図柄が停止し、下段に「スイカ」図柄が停止している。中リール32Mにおいては、上段に「赤7」図柄が停止し、中段に「リプレイ」図柄が停止し、下段に「赤チェリー」図柄が停止している。右リール32Rにおいては、上段に「リプレイ」図柄が停止し、中段に「赤7」図柄が停止し、下段に「スイカ」図柄が停止している。かかる場合、左リール32L及び右リール32Rの中段に第4BB図柄たる「赤7」図柄が停止しているため、左リール32L及び右リール32Rの中段図柄と対応する位置に設けられた左右一対の発光表示部35L,35Rが赤色点灯され、左リール32L及び右リール32Rの「赤7」図柄が当選BB図柄であることが示唆される。また、中リール32Mの「赤7」図柄と対応する位置に設けられた左右一対の発光表示部34Mは赤色点灯されないため、中リール32Mの「赤7」図柄は当選BB図柄でないことが示唆される。
図29(a)及び(b)に示す各リール32L,32M,32Rの停止出目及び発光表示部34L〜36L,34M〜36M,34R〜36Rの発光態様により、遊技者は、左リール32Lの当選BB図柄が「赤7」図柄であり、中リール32Mの当選BB図柄が「青7」図柄であり、右リール32Rの当選BB図柄が「赤7」図柄であること、すなわち第4BBに当選していることを把握することができる。この結果、図29(b)の次のゲームでは、上記各図柄が有効ライン上に停止するよう各ストップスイッチ42〜44が操作されることにより、図29(c)に示すように第4BB図柄の組合せが有効ライン上に停止して第4BB入賞が成立する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1〜第18BBのいずれかに当選しているゲームにおいて、いずれかのリールの当選BB図柄が有効ライン上に停止するとともにBB入賞が成立しなかった場合には、当該ゲームの終了後に当選BB図柄の停止しているリール及びその停止位置と対応する発光表示部が赤色点灯され、停止している「7」図柄が当選BB図柄であることが示唆される構成とした。かかる構成とすることにより、本実施の形態のように18種類のBB役を備えるとともに18通りのBB図柄の組合せを備えた構成であっても、いずれかのBBに当選してからBB入賞が成立するまでに要するゲーム数を少なくすることが可能となる。この結果、遊技者にもどかしさを感じさせる機会を低減させることが可能となる。仮に当選BB図柄を示唆しない構成とした場合、18通りのBB図柄の組合せを1つずつ試していく必要が生じ、BB入賞を成立させるまでに最大で18ゲーム必要となるが、例えば左リール32Lの当選BB図柄が示唆された場合には、試す必要の生じるBB図柄の組合せは9通りに減少し、中リール32M又は右リール32Rの当選BB図柄が示唆された場合には、試す必要の生じるBB図柄の組合せは6通りに減少するからである。当選BB図柄の組合せを示唆するのではなく当選BB図柄を示唆する構成とすることにより、示唆されていないリールの当選BB図柄を遊技者に推測させることが可能となり、試す必要の生じるBB図柄の組合せを減少させつつ遊技者を遊技に積極参加させることが可能となる。以上の結果、好適な形で当選BB図柄の組合せを示唆することが可能となる。
いずれかのリールの当選BB図柄が有効ライン上に停止するとともにBB入賞が成立しなかった場合に、有効ライン上に停止している「7」図柄が当選BB図柄であることを示唆する構成とした。かかる構成とすることにより、遊技者の感じるもどかしさを緩和することが可能となる。遊技者が第1〜第18BBのいずれかに当選したことを察知した場合には、遊技者自身が当選したと推測するBB図柄の組合せを有効ライン上に停止させるべくストップスイッチ42〜44を操作すると推測される。このため、当選BB図柄のうち有効ライン上に停止している当選BB図柄を示唆する構成とすることにより、遊技者の推測したBB図柄の組合せは当選役と対応していないものの当選BB図柄が含まれていたことを示唆することが可能となり、遊技者にもどかしさではなく惜しかったという印象を抱かせることが可能となるからである。
当選BB図柄を示唆する場合には、ゲームの終了後すなわち全リール32L,32M,32Rの停止後に示唆する構成とした。かかる構成とすることにより、遊技者に当選していると推測したBB図柄の組合せを有効ライン上に停止させるべくストップスイッチ42〜44を操作させた上で当選BB図柄を示唆することが可能となり、遊技者の推測結果の答え合わせを各リール32L,32M,32Rで行うことが可能となる。また、遊技者は、予め各リール32L,32M,32Rの狙う図柄を決定した上でストップスイッチ42〜44の操作を開始すると想定されるため、ゲームの終了後に示唆する構成とすることにより、遊技の進行を中断したり、発光表示部の赤色点灯が回転中のリールの図柄を狙う際の妨げとなったりすることを回避することが可能となる。
スロットマシン10前方から視認可能となる9個の図柄と対応する位置に左右一対の発光表示部34L〜36L,34M〜36M,34R〜36Rを設け、当選BB図柄を示唆する場合には当選BB図柄の停止した位置と対応する発光表示部を赤色点灯させる構成とした。かかる構成とすることにより、当選BB図柄を他の8個の図柄と比して強調表示することが可能となり、当選BB図柄であることを遊技者に容易に把握させることが可能となる。また、各リール32L,32M,32Rの停止出目は、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングすなわち遊技者の操作タイミングに基づくものである。このため、前記停止出目を用いて当選BB図柄を示唆する構成とすることにより、停止出目を注視させることが可能となるとともに、より積極的に図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作するよう促すことが可能となり、スロットマシン10本来の特徴を損ねることなく当選BB図柄を示唆することが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、第1〜第18BBの18種類のBB役を設定する構成としたが、18種類に限定されるものではなく、複数のBB役を設定する構成であればその数は任意である。
(2)上記実施の形態では、左リール32Lの「赤7」図柄又は「青7」図柄と、中リール32Mの「赤7」図柄,「青7」図柄,「白7」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄,「青7」図柄,「白7」図柄と、の組合せにより18種類のBB図柄の組合せを形成したが、かかる構成を変更する。例えば、左リール32Lの任意の図柄と、中リール32Mの「赤7」図柄,「青7」図柄,「白7」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄,「青7」図柄,「白7」図柄と、の組合せにより9種類のBB図柄の組合せを形成する。かかる構成とした場合であっても、遊技者は、いずれかのBBに当選したと察知した場合に、中リール32Mと右リール32Rの各「7」図柄の組合せのうちいずれの組合せが入賞となるのかを推測する必要が生じる。このため、上記実施の形態のように当選BB図柄を示唆する構成とすれば、上述した作用効果を奏することができる。
(3)上記実施の形態では、スロットマシン10前方から視認可能となる9個の図柄と対応する位置に、左右一対の発光表示部34L〜36L,34M〜36M,34R〜36Rをそれぞれ設け、当選BB図柄の停止した位置と対応する発光表示部を赤色点灯させることで当選BB図柄を示唆する構成としたが、かかる構成を変更する。
例えば、左リール32Lの「赤7」図柄が当選BB図柄であることを示唆する場合には、左リール32Lの左右に設けられた発光表示部34L〜36Lを赤色点灯させ、右リール32Rの「白7」図柄が当選BB図柄であることを示唆する場合には、右リール32Rの左右に設けられた発光表示部34R〜36Rを赤色点灯させる構成とする。かかる構成とした場合であっても、赤色点灯された発光表示部と、発光表示部に挟まれたリールにおいて視認可能となっているBB図柄との対応関係により、当選BB図柄を示唆することができる。
または、左リール32Lの「青7」図柄が当選BB図柄であることを示唆する場合には、左リール32Lの左右に設けられた発光表示部34L〜36Lを青色点灯させ、右リール32Rの「白7」図柄が当選BB図柄であることを示唆する場合には、右リール32Rの左右に設けられた発光表示部34R〜36Rを白色点灯させる構成とする。かかる構成とした場合であっても、点灯された発光表示部の位置と、発光表示部の発光色との対応関係により、当選BB図柄を示唆することができる。
或いは、各リール32L,32M,32Rの内周側に、上段,中段,下段に停止した各図柄を個別に照射可能な発光表示部をそれぞれ設け、当選BB図柄が上記各位置のいずれかに停止した場合に、対応する位置の発光表示部を発光させて当選BB図柄を照射する構成とする。かかる構成とした場合には、照射された図柄が他の図柄よりも強調表示されるため、上記実施の形態と同様、前記照射された図柄が当選BB図柄であることを示唆することができる。
(4)上記実施の形態では、当選BB図柄の停止した位置と対応する発光表示部を赤色点灯させることで当選BB図柄を示唆する構成としたが、これに代えて又は加えて、示唆した当選BB図柄を補助表示部65に表示し、当該表示を当選BB図柄の組合せが有効ライン上に停止するまで維持する構成としても良い。かかる構成とした場合、遊技者は、仮に示唆された当選BB図柄を忘れてしまった場合であっても、補助表示部65を確認することにより、示唆された当選BB図柄を含むBB図柄の組合せを有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ42〜44を操作することが可能となる。
補助表示部65に示唆した当選BB図柄を表示していく構成として、例えば、いずれかのBBに当選するとともにいずれの当選BB図柄も示唆していない場合には、補助表示部65に「?・?・?」を表示する。そして、左リール32Lの当選BB図柄として「赤7」図柄を示唆した場合には、補助表示部65に「赤7・?・?」を表示し、次ゲームで右リール32Rの当選BB図柄として「白7」図柄を示唆した場合には、補助表示部65に「赤7・?・白7」を表示する。
または、いずれかのBBに当選するとともにいずれの当選BB図柄も示唆していない場合には、補助表示部65にBB図柄の組合せを形成する各リール32L,32M,32Rの図柄を表示し、当選BB図柄でないBB図柄を順次非表示としていく構成としても良い。
具体的には、図30(a)に示すように、補助表示部65に、左リール32LのBB図柄たる「赤7」図柄,「青7」図柄と、中リール32M及び右リール32RのBB図柄たる「赤7」図柄,「青7」図柄,「白7」図柄と、の全てを表示する。そして、第4BBに当選している状況において図29(a)に示す停止出目となった場合には、図30(b)に示すように、左リール32Lの「青7」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄と、右リール32Rの「青7」図柄と、を非表示とする。その後のゲームで図29(b)に示す停止出目となった場合には、図30(c)に示すように、中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄と、を非表示とする。かかる構成とした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(5)上記実施の形態における停止図柄コマンド処理では、上段,中段,下段のいずれかに当選BB図柄が停止したか否かを判定する構成としたが、かかる構成を変更する。すなわち、各リール32L,32M,32Rの図柄番号と、赤色点灯させるべき発光表示部34L〜36L,34M〜36M,34R〜36Rと、の対応関係を定めた発光表示テーブルを表示制御装置81のROM86に予め記憶する。そして、停止図柄コマンド処理では、停止図柄コマンドの示す今回停止したリール及び図柄番号と、前記発光表示テーブルと、を用いて発光表示部を赤色点灯させるか否かを決定する。かかる構成とした場合であっても、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
なお、かかる構成とした場合、主制御装置101は、表示窓から視認可能となった図柄番号を示す停止図柄コマンドを送信する必要はなく、予め定めた基点位置に停止した図柄番号を送信すれば良い。例えば、基点位置に左リール32Lの3番の「赤チェリー」図柄が停止した場合に当選BB図柄たる7番の「赤7」図柄が下段に停止する構成においては、左リール32Lの3番を示す停止図柄コマンドを受信した場合に左リール32Lの下段と対応する位置の発光表示部36Lが赤色点灯されるよう発光表示テーブルに定めておけば、上段,中段,下段のいずれかに当選BB図柄が停止したか否かを判定せずとも、対応する位置の発光表示部36Lを赤色点灯させることができるからである。
(6)上記実施の形態では、ゲームの終了後に発光表示部を赤色点灯させて当選BB図柄を示唆する構成としたが、次ゲームの開始段階で当選BB図柄の停止した位置と対応する発光表示部を赤色点灯させて当選BB図柄を示唆する構成としても良い。具体的に説明すると、上記実施の形態では入賞コマンド処理にて発光開始フラグをセットする構成としたが、開始コマンド処理にて停止リールフラグがセットされているか否かを判定し、停止リールフラグがセットされている場合に発光開始フラグをセットする構成とする。そして、例えば定速回転コマンドを受信した場合に発光開始フラグをクリアする構成とする。かかる構成とした場合であっても、ウェイト時間を経過するまで待機する状況、すなわち各リール32L,32M,32Rが回転を開始していない状況において当選BB図柄を示唆することができるため、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することが期待できる。なお、当選BB図柄を示唆する場合に、ウェイト時間に加えて所定時間(例えば2秒)が経過するまで各リール32L,32M,32Rの回転を開始させない構成とすれば、当選BB図柄を示唆する時間を確実に確保することができ、好適な形で当選BB図柄を示唆することができる。
なお、前のゲームにおける停止出目を用いて次ゲームの開始段階で当選BB図柄を示唆する構成とする場合、上記実施の形態の停止図柄コマンド処理(図26参照)におけるステップS1403〜ステップS1406の処理については、次ゲームの開始段階における例えば開始コマンド処理等において実行する構成としても良い。
(7)上記実施の形態では、ゲームの終了後に発光表示部を赤色点灯させて当選BB図柄を示唆する構成としたが、ゲームの途中で当選BB図柄の停止した位置と対応する発光表示部を赤色点灯させて当選BB図柄を示唆する構成としても良い。但し、かかる構成とした場合、発光表示部の点灯強度等によっては他のリールの図柄を狙う際の視認性を妨げる可能性が懸念される。
(8)第1〜第18BBのいずれかに当選した場合に、いずれかのBBに当選したことを報知しても良い。このとき、当選BB図柄の組合せは報知しない構成とする。かかる構成とした場合、遊技者は、それ以降のゲームにおいて、遊技者自身が当選したと推測する当選BB図柄の組合せを有効ライン上に停止させるべく各ストップスイッチ42〜44を操作するため、いずれかのBBに当選した後の比較的早いゲームで当選BB図柄を示唆することが可能となる。
(9)上記実施の形態では、いずれかのBBに当選してから5ゲーム目が終了した場合、各リール32L,32M,32Rの停止出目に関わらず当選BB図柄の組合せを報知する構成としたが、当選BB図柄の組合せを報知するまでに行わせるゲーム数は任意である。また、当選BB図柄の組合せを報知しない構成としても良い。発光表示部34L〜36L,34M〜36M,34R〜36Rを用いて当選BB図柄を示唆する構成においては、当選BB図柄の組合せを報知せずとも当選BB図柄の組合せを遊技者に把握させることができるからである。
(10)複数のゲームにわたって所定の演出を行った後にBB当選の有無又は当選BB図柄の組合せを示唆する所謂連続演出を実行可能なスロットマシンに、上記実施の形態において説明した当選BB図柄を示唆する構成を適用しても良い。例えば、上記実施の形態では、いずれかのBBに当選した場合に報知カウンタに6をセットし、5ゲーム目が終了した場合に当選BB図柄の組合せを報知する構成としたが、いずれかのBBに当選したゲームから5ゲーム目が終了するまでの間にわたって、連続演出を実行する構成とする。かかる構成とした場合には、連続演出を堪能した後に当選BB図柄の組合せを停止させるべく各ストップスイッチ42〜44を操作するか、1ゲームでも早く当選BB図柄の組合せを停止させるべく当選BB図柄が示唆されることを期待して各ストップスイッチ42〜44を操作するか、を遊技者に選択させることが可能となる。故に、遊技者がもどかしさを感じる機会を低減させることが可能となり、好適な形で当選BB図柄の組合せを示唆することが可能となる。
なお、本構成と上記別例(4)の構成とを組み合わせても良く、かかる場合には相乗効果が期待できる。
(11)上記実施の形態では、今回停止したリールの停止出目に当選BB図柄が含まれている場合に、当選BB図柄の停止位置と対応する発光表示部を赤色点灯させる構成としたが、かかる構成を変更する。すなわち、当選BB図柄を上段,中段,下段のいずれかに到達させることが可能なタイミングでストップスイッチが操作された場合には、上記各位置のいずれかに当選BB図柄が停止したか否かに関わらず、補助表示部65に前記タイミングで操作されたストップスイッチと対応するリールの当選BB図柄を示唆する構成とする。
このとき、主制御装置101は、ステップS403にて取得した到達図柄番号を示す到達図柄コマンドを表示制御装置81に対して送信する構成とし、表示制御装置81は、受信した到達図柄コマンドの示す到達図柄番号から当選BB図柄を示唆するか否かを決定する構成とする。具体例を挙げて説明すると、第1BBに当選している状況において、左リール32Lの1番の「リプレイ」図柄〜7番の「赤7」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42を操作された場合には、補助表示部65に左リール32Lの当選BB図柄として「赤7」図柄を表示する。
第1BBに当選している状況で再遊技に当選した場合には、再遊技入賞を優先して成立させるためのスベリテーブルが設定される。このため、例えば中リール32Mと右リール32Rの「リプレイ」図柄が中段に並んで停止し、左リール32Lの1番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42を操作された場合には、左リール32Lの4番の「ベル」図柄が下段に停止して中ラインL2上で再遊技入賞が成立する。このとき、当選BB図柄たる7番の「赤7」図柄は上段,中段,下段のいずれにも停止しない。つまり、仮に遊技者が第1BB図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能なタイミングでストップスイッチ42〜44を操作していたとしても、再遊技等の他の役に当選した場合には、上段,中段,下段のいずれにも当選BB図柄たる「赤7」図柄が停止しない可能性がある。そこで、ストップスイッチの操作タイミングによって当選BB図柄を示唆するか否かを決定する構成とすることにより、いずれかのBBと他の役に当選した場合に、他の役と対応する入賞を成立させつつ当選BB図柄を示唆することが可能となり、好適な形で当選BB図柄を示唆することが可能となる。
また、他の具体例として、第1BBに当選している状況において、右リール32Rの19番の「ベル」図柄〜2番の「赤7」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44を操作された場合には、補助表示部65に右リール32Rの当選BB図柄として「赤7」図柄を表示する。
第1BBに当選している状況において、左リール32Lの7番の「赤7」図柄と中リール32Mの15番の「白7」図柄が下段に停止し、右リール32Rの2番の「赤7」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44を操作された場合には、第7BB入賞の成立を避けるべく右リール32Rが1図柄分以上滑った後に停止する。このため、かかる場合には、右リール32Rの当選BB図柄たる「赤7」図柄を下段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44が操作されているにも関わらず、右リール32Rの「赤7」図柄が上段,中段,下段のいずれにも停止しない。つまり、いずれかのBBのみに当選している場合であっても、上段,中段,下段のいずれにも当選BB図柄が停止しない可能性がある。そこで、ストップスイッチの操作タイミングによって当選BB図柄を示唆するか否かを決定する構成とすることにより、好適な形で当選BB図柄を示唆することが可能となる。
(12)上記実施の形態では、上段,中段,下段のいずれかの位置に当選BB図柄が停止した場合、ゲームの終了後に発光表示部を赤色点灯させて当選BB図柄を示唆する構成としたが、かかる構成を変更する。例えば、上段,中段,下段のいずれかの位置に当選BB図柄が停止した場合、その後にさらに所定の操作部が操作されたことを条件として、当選BB図柄を示唆する構成とする。前記所定の操作部としては、当選BB図柄示唆用のスイッチを新たに設ける構成としても良いし、左ストップスイッチ42等に当選BB図柄示唆用スイッチとしての機能を兼ねさせても良い。但し、各クレジット投入スイッチ56〜58やスタートレバー41等の次ゲームを開始させるべく操作される操作部以外に前記機能を兼ねさせる必要がある。
(13)上記実施の形態では、メダルが3枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、1枚ベットされた後や2枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。但し、かかる構成の場合には、ベット状況に応じた抽選テーブルを予め記憶させておく必要がある。
(14)上記実施の形態では、付与される特典として、遊技状態が移行する特典と、再遊技の特典の他に、メダルを払い出す特典を備える構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、メダルを払い出す特典に代えてメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(15)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(16)上記実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、CT当選などが挙げられる。
(17)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。